JP2022116219A - 不動産情報検索装置、方法、及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
そのため、建物や土地の購入の際に、土地上に建物を建築したイメージを正確に認識することができれば、購入者は安心して建物や土地といった不動産の購入契約を結ぶことができる。また、イメージしにくい建物外からの視線等を踏まえて、快適に住むことのできる不動産を検索することができれば、そのような検索システムは不動産を探している者にとって利便性が高い。
しかしながら、土地に建物を建築した際の具体的なイメージに基づいて、建物外から建物内に届く視線を考慮し、所定の土地上に建築するのが好適な建物、あるいは所定の建物を建築するのが好適な土地を効率よく検索するものは提供されていない。
また、建物に設定されている東西南北の向きや道路が面すべき方向を勘案して、当該建物が現実的に建築可能な土地を検索し、その検索結果としての土地情報を一括して提案することができる。
さらに、いずれの場合においても、建物を土地上に建築した際の具体的イメージを分かりやすく表示することができる。
本実施形態に係る不動産情報検索装置は、所定の土地に建築する建物や所定の建物を建築するための土地を検索するための装置である。具体的な使用場面としては、建物、特に注文住宅を販売等するハウスメーカーや土地を販売する不動産事業者等が、顧客に建物や土地を提案するために用いたり、不動産の購入を考えている者が希望に合った不動産を探すために用いたりすることが想定されている。
図1に示される第一の実施形態に係る不動産情報検索装置1は、所定の土地に建築可能且つ好適な建物を検索する。
不動産情報検索装置1は、いわゆるサーバコンピュータ等によって実現され、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスクドライブといったハードウェア資源、CPUが実行するコンピュータプログラム等のソフトウェア資源により、土地情報記憶部1A、周辺環境情報記憶部1B、建物情報記憶部1C、検索処理部11、生成処理部12、合成処理部13、特定処理部14、順序設定部15、及び表示処理部16からなる機能ブロックを構成する。
土地情報記憶部1Aは、顧客が所有している土地や不動産業者から顧客に対して販売等される土地など、建物を建築可能な土地に関する土地情報を記憶した記憶部である。
この土地情報記憶部1Aには例えば、図2に示されるように、土地の区画を個々に識別可能な土地IDごとに、少なくとも基本情報、土地条件に係る情報が関連付けて記憶されている。
土地条件は、土地上に建物を建築する際に必要となる情報であって、例えば建ぺい率、容積率、敷地面積、土地形状、土地方角、接道方向等によって構成される。この土地条件には、土地上に建物を建築するにあたり、物理的あるいは法令等に基づいて制限あるいは規制を受けるか否かを判断し得る情報が含まれている。
土地方角は、土地の方角に係る情報であり、これにより、土地形状のどの部分が東西南北のどの向きに向いているのかを把握することができる。
接道方向は、土地が面する道路の向きに関する情報である。
周辺環境情報記憶部1Bは、土地の周辺環境に係る情報を記憶した記憶部である。
この周辺環境情報記憶部1Bには例えば、所定の土地の周りに存する建物や隣接する道路などの情報が含まれており、当該所定の土地を中心とした周囲の三次元イメージが記憶されている。
所定の土地を中心とした周囲の三次元イメージは、予め周辺環境情報記憶部1Bに登録されていてもよいほか、後述する生成処理部12により、当該所定の土地の周囲の撮影画像から生成された上で登録されたものであってもよい。
建物情報記憶部1Cは、建物に関する建物情報を記憶した記憶部である。
この建物情報記憶部1Cには例えば、図3に示されるように、建物を個々に識別可能な建物IDごとに、建物の基本情報、建物条件、建物の三次元イメージ、及び窓情報が関連付けて記憶されている。
建物条件は、土地上に建物を建築する際に必要となる情報であって、建築面積、延べ床面積、外観形状、設定方角、設定方角許容度、道路方向、及び道路方向許容度等によって構成される。この建物条件には、土地上に建物を建築するにあたり、物理的あるいは法令等に基づいて制限あるいは規制を受けるか否かを判断し得る情報が含まれている。
設定方角許容度は、建物に設定されている東西南北の向きについて、傾ける若しくはずらすことが許容可能な角度に係る情報である。即ち、図4に示されるように、設定方角許容度は、土地の東西南北に係る土地方角に対し、建物ごとに設定されている東西南北の設定方角を傾けることが許容される角度(許容角度)である。
土地上に所定の建物を建築する際、建物に設定されている東西南北の向きは、厳密に実際の東西南北と一致する必要はなく、所定の許容角度の範囲でのずれが許容される。
道路方向許容度は、建物に設定されている道路の向きについて、ずらすことが許容可能な角度に係る情報である。即ち、図5に示されるように、道路方向許容度は、土地における接道方向に対し、建物ごとに設定されている道路方向を傾けることが許容される角度(許容角度)である。
また、三次元イメージには、建物の外観のみならず、建物の内観も含まれ、内観の三次元イメージを参照することにより、建物の内部の間取り等を三次元的に把握することができる。
レイアウトは、建物のどこにどのようなサイズの窓が設けられているかを把握可能な情報である。窓のレイアウトを把握することにより、建物外から届く視線がどこから建物内に入ってくるのかを把握することができる。
なお、レイアウトには、建物に設けられている窓の規格あるいは供給メーカーといった情報が含まれていてもよい。
検索処理部11は、所定の土地上に建築する候補となる建物を検索する処理を実行する。
この検索処理部11は視点設定機能部111、第一判別機能部112、及び第二判別機能部113から構成され、検索者からの検索要求又は所定のシステムからの検索要求に応じて建物を検索する。
また、所定の箇所とは例えば、所定の土地の周りの道路において、地上から一定の高さ、即ち、人の目線の高さに相当する箇所である。
これら、人の視点があると合理的にみなせる所定の対象物や所定の箇所に仮想上の視点を設定することにより、建物を所定の土地上に建築した際、建物内に届くことが想定される視線の向きや角度を把握することができる。
即ち、後述する特定処理部14により、建物情報記憶部1Cに記憶されている建物の窓のレイアウト情報に基づき、視点設定機能部111によって設定された仮想上の視点から、建物の窓を介して視線が建物内にどのように届くかが特定される。第一判別機能部112はこの視線の情報に基づき、窓を介して建物内に届く視線の向きと角度を所定の閾値と比較する。閾値は例えば、視線が窓に対して真正面から建物内に対して入る角度から一定の角度傾いた角度までを不可としたり、鉛直方向の角度において、鉛直方向下方から入る視線の角度は許容しつつ、鉛直方向情報から入る視線の角度は不可としたりするように設定される。このような閾値との対比において許容された場合には、建物の建築は適切なものと判別される。
なお、視線の向きや角度のみならず、視点から窓までの距離についても、所定の閾値を設定することができ、一定の距離よりも遠い視点については許容するように設定してもよい。
即ち、後述する特定処理部14は、建物のデフォルトの窓の位置やサイズを変更可能な範囲で変更した場合に、建物内に仮想上の視点から届く視線の角度や向きがどのように変わるかを特定することができる。建物のデフォルトの窓の位置やサイズでは所定の閾値との対比において許容されない場合であっても、この変更後の視線の角度や向きに係る情報に基づき、所定の閾値との対比において当該視線の角度や向きが許容された場合には、第一判別機能部112は当該建物の建築を適切なものと判別する。
生成処理部12は、所定の土地の周辺環境の撮影画像から、当該所定の土地の周辺環境の三次元イメージを生成する。
生成処理部12によって三次元イメージを生成する手法は特に限定されないが、例えば、所定の土地やその周辺において一定の高さごとに全方位型の撮影カメラを搭載したドローンを飛ばして撮影を行うと共に、撮影画像を合成することによって三次元イメージを生成することができる。また、複数の地点から撮影された二次元の撮影画像を、当該撮影画像の撮影された地点に係る座標や撮影方角に係る情報に応じて合成することによっても三次元イメージを生成することができる。
合成処理部13は、所定の土地の周辺環境の三次元イメージに対し、建物の三次元イメージを合成し、所定の土地と建物が一体的に表された三次元の合成イメージを生成する処理を実行する。
この処理の具体例を図10及び図11に示す。図10は、所定の土地とその周辺環境の三次元イメージを示している。なお、図中、空き地として表されている部分が、ここにう「所定の土地」である。
ここにおいて合成処理部13は、建物情報記憶部1Cを参照して、建物の三次元イメージを当該所定の土地の撮影画像やイメージに合成する。図11は、これにより生成された三次元イメージを示しており、所定の土地上に建物が三次元的に重ねられている。
また、この三次元イメージには、図12に示されるように、車など(車のほか、植栽やフェンス等、建物に付随的に設けられるもの)のオプションパーツを自由に選択配置することができるようになっていてもよい。
特定処理部14は、合成処理部13によって生成された合成イメージに基づき、建物を所定の土地に建築した場合に、建物外における仮想上の立脚点としての視点から、建物の窓を介して、建物内に届く視線の向きと角度を特定する。例えば、仮想上の視点と一定の面積を有する窓の外縁とを直線で結ぶと共に、当該直線と窓、あるいは当該窓が窓に対して直角をなす仮想上の直線と形成するなす角を求めることにより、視線の向きと角度が特定される。
また、特定処理部14は、建物のデフォルトの窓の位置や大きさを変更可能な範囲で変更した場合において、建物内に仮想上の視点から届く視線の向きや角度がどのように変わるかを特定することもできる。
なお、日照の起点となる位置は、季節や時間帯、所定の土地が存する場所などの情報に応じて設定することができる。
順序設定部15は、所定の土地に対する建物の検索結果について、所定の項目ごとあるいは所定の項目を総合的に勘案した定性的な評価によって建物の推薦順を設定することができる。
例えば、特定処理部14によって特定された仮想上の視点から窓を介して建物内に届く視線の向きと角度に基づき、建物外から視認可能な建物内の範囲を視線の量として数値化し、当該視線の量に応じた推薦順を検索結果に反映することができる。このほか、例えば、窓の位置やサイズを変更可能な範囲で変更した場合の変更量、所定の土地に対する建物の方角を許容範囲内で変更した場合の変更量などに応じた推薦順を検索結果に反映することもできる。
表示処理部16は、三次元の合成イメージにおいて、所定の地点を仮想上の視点としたイメージを生成し、これをディスプレイ等の所定の表示用デバイスに表示させることができる。当該仮想上の視点は例えば、検索者や不動産情報検索装置1のユーザ等によって任意に設定される。ユーザ等が、任意に設定した当該仮想上の視点からのイメージを参照することにより、所定の土地上に建物を建築した場合にどこからどのように視線が建物内に入ってくるのか、あるいは当該建物が建物外からどのように見えるのかを直感的に把握することができる。
次に、本実施形態に係る不動産情報検索装置1によって実行される一連の処理について説明する。
まず、図13により、所定の土地上に建築可能な建物を検索する処理の流れの全体を示す。
不動産情報検索装置1は、所定の土地の指定と共に、当該所定の土地上に建築可能な建物の検索要求を受け付ける(S101)。
これに応じて、検索処理部11は第二判別機能部113により、土地情報記憶部1Aと建物情報記憶部1Cを参照して、所定の土地と建物の基本情報や条件に基づき、当該所定の土地に建築可能な建物を検索する(S102)。
さらに、第二判別機能部113によって絞り込まれた建物について、検索処理部11は第一判別機能部112により、土地情報記憶部1Aと建物情報記憶部1Cを参照して、建物外から建物内に届く視線に基づいて建築が適切と判断できる建物を検索する(S103)。
以上の検索処理部11による検索処理の結果、建築が適切と判断された建物が検索結果として提示される(S104)。
また、所定の土地の指定はユーザによるものに限らず、所定のウェブサイト等において、不動産情報検索装置がユーザに対して広告的に建物を提案すべく、所定の建物を指定して当該所定の建物上に建築可能な建物の検索を要求するものであってもよい。
まず、検索処理部11の第二判別機能部113は、建物情報記憶部1Cに記憶されている建物について、所定の土地の基本情報に適合する基本条件を備えているか否かを判別する(S201)。さらに、土地の土地条件に適合する建物条件を備えた建物を絞り込む(S202)。ここでは、土地ごとに決められている建ぺい率や容積率といった情報と、各建物の敷地面積や建築面積といった情報とを対比し、当該建ぺい率や容積率といった制限をオーバーすることなく、指定された土地に建築可能な建物が絞り込まれる。
また、土地の土地方角と建物の設定方角とを一致させた状態で建物の建物形状が土地形状に収まらなかった場合には、建物に設定されている設定方角について許容可能な角度の範囲で建物を傾けることで、当該土地形状に当該建物の建物形状が収まるか否かを判断する(S204)。
一方、S203の処理において、土地の土地方角と建物の設定方角とを一致させた状態で当該建物の建物形状が土地形状に収まった場合、及び、S204の処理において、建物の設定方角を許容角度の範囲で傾けた状態で、当該建物の建物形状が土地形状に収まった場合には、当該建物は、第二判別機能部113による処理における検索条件を満たすものと判断される。
さらに、土地の接道方向と建物の道路方向とを一致させた状態で当該建物の建物形状が土地形状に収まらなかった場合には、当該建物の道路方向を許容角度の範囲で傾けた状態で、土地形状に当該建物の建物形状が収まるか否かを判断する(S206)。
一方、S205の処理において、土地の接道方向と建物の道路方向とを一致させた状態で当該建物の建物形状が土地形状に収まった場合、及びS206の処理において、建物の道路方向を許容角度の範囲で傾けた状態で、当該建物の建物形状が土地形状に収まった場合には、当該建物は、第二判別機能部113による処理における検索条件を満たすものと判断される。
生成処理部12は、周辺環境情報記憶部1Bを参照して、所定の土地の周辺環境の撮影画像から、当該所定の土地の周辺環境の三次元イメージを生成する(S301)。
これに応じて合成処理部13は、所定の土地の周辺環境の三次元イメージに対し、建物の三次元イメージを合成し、所定の土地と建物が一体的に表された三次元の合成イメージを生成する(S302)。これにより、所定の土地上に建物が三次元的に重ねられた三次元イメージが生成される。
視点設定機能部111は、かかる所定の対象物を含む所定の箇所に仮想上の視点を設定する(S304)。これらの仮想上の視点は、人の視点があると合理的にみなせるものや箇所であり、かかる仮想上の視点を設定することにより、建物を所定の土地上に建築した際、建物内に届くことが想定される視線の向きや角度を把握することができる。
この結果、仮想上の視点からの視線の向きと角度が許容範囲内のものであれば、検索条件を満たすものと扱われる。
この結果、許容範囲内で窓のレイアウトを変更すれば、仮想上の視点からの視線の向きと角度が許容範囲内となるのであれば、検索条件を満たすものと扱われる。一方、許容範囲内で窓のレイアウトを変更しても、仮想上の視点からの視線の向きと角度が許容範囲内とならない場合には、検索条件を満たさないものと扱われる。
以上の検索処理の結果は、例えば、図17に示す例によって提示される。なお、図17の例は、所定のウェブサイトや端末上において、ユーザが指定した所定の土地上に建築可能な建物を検索した結果を示している。
この例では、所定の土地に建築可能な建物として、順序設定部15によって設定された推薦順に従い、上位3件の建物が一覧的に示されている。3つの建物はそれぞれ、所定の土地上に配置された三次元イメージ101、102、103として表示されており、一覧的に示された三次元イメージ101、102、103は、いずれかを選択することによって拡大表示欄104に大きく表示することができる。なお、図17の例では、三次元イメージ101が拡大表示欄104に拡大表示された場合を示しており、一覧に示されている三次元イメージ101は、点線表示によって選択されたことが分かるようになっている。
また、拡大表示欄104中の三次元イメージ101は、所定の操作によって回転表示させたり、拡大・縮小表示等させたりすることができ、様々な角度から見ることができる。
本例では、各項目の定性的な評価が星印の多寡によって示されている。評価基準は例えば、予算であれば、金額が相場よりも安いほど高評価としたり、日照であれば、日照を確保できる建物上の面積が広いほど高評価としたりすることができる。また、人目は仮想上の視点に基づく視線の向きや角度により、建物の窓を介して建物内に届く視線の量が少ないほど高評価としている。
また、図17の例で示した評価情報101a、102a、103aを構成する星印は一例であって、棒グラフや数値、あるいは評価内容を識別可能な図柄やマーク等によって構成することもできる。
また、「検索結果をさらに表示する」ボタン107が押下されると、検索処理部11によって検索された建物であって、所定の優先順位に基づいて新たに表示される。
この第二の実施形態は、第一の実施形態と同様の機能部を有する不動産情報検索装置1によって実現される。即ち、本例においても、不動産情報検索装置1は、土地情報記憶部1A、周辺環境情報記憶部1B、建物情報記憶部1C、検索処理部11、生成処理部12、合成処理部13、特定処理部14、順序設定部15、及び表示処理部16からなる機能ブロックを構成する。なお、本例において、各機能部によって実行される機能のうち、第一の実施形態において説明した機能の説明は省略する。
検索処理部11は、所定の建物を建築する候補となる土地を検索する処理を実行する。
この検索処理部11は視点設定機能部111、第一判別機能部112、及び第二判別機能部113から構成され、検索者からの検索要求又は所定のシステムからの検索要求に応じて建物を検索する。
即ち、後述する特定処理部14は、所定の建物のデフォルトの窓の位置やサイズを変更可能な範囲で変更した場合に、建物内に仮想上の視点から届く視線の角度や向きがどのように変わるかを特定することができる。所定の建物のデフォルトの窓の位置やサイズでは所定の閾値との対比において許容されない場合であっても、この変更後の視線の角度や向きに係る情報に基づき、所定の閾値との対比において当該視線の角度や向きが許容された場合には、第一判別機能部112は当該所定の建物を建築する土地として適切なものと判別する。
合成処理部13は、土地の周辺環境の三次元イメージに対し、所定の建物の三次元イメージを合成し、土地と所定の建物が一体的に表された三次元の合成イメージを生成する処理を実行する。
特定処理部14は、合成処理部13によって生成された合成イメージに基づき、所定の建物を土地に建築した場合に、建物外における仮想上の立脚点としての視点から、当該所定の建物の窓を介して、建物内に届く視線の向きと角度を特定する。
また、特定処理部14は、所定の建物のデフォルトの窓の位置や大きさを変更可能な範囲で変更した場合において、建物内に仮想上の視点から届く視線の向きや角度がどのように変わるかを特定することもできる。
なお、本例においても、特定処理部14は、窓を介して建物内に入射する日照の起点を所定の位置に設定し、当該所定の位置から、所定の建物に対して入射する日照の向きや角度を特定することができる。
順序設定部15は、所定の建物を建築可能な土地の検索結果について、所定の項目ごとあるいは所定の項目を総合的に勘案した定性的な評価によって土地の推薦順を設定することができる。
次に、本実施形態に係る不動産情報検索装置1によって実行される一連の処理について説明する。
まず、図19により、所定の建物を建築可能な土地を検索する処理の流れの全体を示す。
不動産情報検索装置1は、所定の建物の指定と共に、当該所定の建物を建築可能な土地の検索要求を受け付ける(S401)。
これに応じて、検索処理部11は第二判別機能部113により、土地情報記憶部1Aと建物情報記憶部1Cを参照して、所定の建物と土地の基本情報や条件に基づき、当該所定の建物を建築可能な土地を検索する(S402)。
さらに、第二判別機能部113によって絞り込まれた土地について、検索処理部11は第一判別機能部112により、土地情報記憶部1Aと建物情報記憶部1Cを参照して、建物外から建物内に届く視線に基づいて適切に所定の建物を建築できると判断できる土地を検索する(S403)。
以上の検索処理部11による検索処理の結果、所定の建物の建築が適切と判断された土地が検索結果として提示される(S404)。
また、所定の建物の指定はユーザによるものに限らず、所定のウェブサイト等において、不動産情報検索装置がユーザに対して広告的に土地を提案すべく、所定の建物を指定して当該所定の建物が建築可能な土地の検索を要求するものであってもよい。
まず、検索処理部11の第二判別機能部113は、土地情報記憶部1Aに記憶されている土地について、所定の建物の基本情報に適合する基本条件を備えているか否かを判別する(S501)。さらに、所定の建物の建物条件に適合する土地条件を備えた土地を絞り込む(S502)。ここでは、土地ごとに決められている建ぺい率や容積率といった情報と、各建物の敷地面積や建築面積といった情報とを対比し、当該建ぺい率や容積率といった制限をオーバーすることなく、指定された所定の建物を建築可能な土地が絞り込まれる。
また、土地の土地方角と所定の建物の設定方角とを一致させた状態で当該所定の建物の建物形状が土地形状に収まらなかった場合には、所定の建物に設定されている設定方角について許容可能な角度の範囲で建物を傾けることで、当該土地形状に当該所定の建物の建物形状が収まるか否かを判断する(S504)。
一方、S503の処理において、土地の土地方角と所定の建物の設定方角とを一致させた状態で当該所定の建物の建物形状が土地形状に収まった場合、及び、S254の処理において、所定の建物の設定方角を許容角度の範囲で傾けた状態で、当該所定の建物の建物形状が土地形状に収まった場合には、当該土地は、第二判別機能部113による処理における検索条件を満たすものと判断される。
さらに、土地の接道方向と所定の建物の道路方向とを一致させた状態で当該所定の建物の建物形状が土地形状に収まらなかった場合には、当該所定の建物の道路方向を許容角度の範囲で傾けた状態で、土地形状に当該所定の建物の建物形状が収まるか否かを判断する(S506)。
一方、S505の処理において、土地の接道方向と所定の建物の道路方向とを一致させた状態で当該所定の建物の建物形状が土地形状に収まった場合、及びS506の処理において、所定の建物の道路方向を許容角度の範囲で傾けた状態で、当該所定の建物の建物形状が土地形状に収まった場合には、当該土地は、第二判別機能部113による処理における検索条件を満たすものと判断される。
生成処理部12は、周辺環境情報記憶部1Bを参照して、検索対象たる土地の周辺環境の撮影画像から、土地の周辺環境の三次元イメージを生成する(S601)。
これに応じて合成処理部13は、土地の周辺環境の三次元イメージに対し、所定の建物の三次元イメージを合成し、土地と所定の建物が一体的に表された三次元の合成イメージを生成する(S602)。これにより、土地上に所定の建物が三次元的に重ねられた三次元イメージが生成される。
視点設定機能部111は、かかる所定の対象物を含む所定の箇所に仮想上の視点を設定する(S604)。これらの仮想上の視点は、人の視点があると合理的にみなせるものや箇所であり、かかる仮想上の視点を設定することにより、所定の建物を土地上に建築した際、建物内に届くことが想定される視線の向きや角度を把握することができる。
この結果、仮想上の視点からの視線の向きと角度が許容範囲内のものであれば、検索条件を満たすものと扱われる。
この結果、許容範囲内で窓のレイアウトを変更すれば、仮想上の視点からの視線の向きと角度が許容範囲内となるのであれば、検索条件を満たすものと扱われる。一方、許容範囲内で窓のレイアウトを変更しても、仮想上の視点からの視線の向きと角度が許容範囲内とならない場合には、検索条件を満たさないものと扱われる。
また、第一判別機能部112について、このような視線遮蔽物を設けた場合に、建物内に届く視線の向きや角度が許容範囲となるかを判定できるようにしてもよい。
1A 土地情報記憶部
1B 周辺環境情報記憶部
1C 建物情報記憶部
11 検索処理部
111 視点設定機能部
112 第一判別機能部
113 第二判別機能部
12 生成処理部
13 合成処理部
14 特定処理部
15 順序設定部
16 表示処理部
Claims (12)
- 所定の土地に建築する所定の建物の情報として、少なくとも当該所定の建物における窓のレイアウトに係る窓情報を記憶した建物情報記憶手段と、
前記所定の土地に前記所定の建物を建築した場合に、前記所定の建物に対して視線を送る立脚点としての仮想上の視点を設定する視点設定手段と、
前記所定の土地上に前記所定の建物を建築した場合に、建物外における仮想上の立脚点としての視点から、前記所定の建物の窓を介して建物内に届く視線の向きと角度を特定する特定処理手段と、を有する、
不動産情報検索装置。 - 前記所定の土地の周辺環境に係る情報を記憶した周辺環境情報記憶手段、をさらに有し、
前記視点設定手段は、前記周辺環境情報記憶手段を参照して、前記所定の土地に前記所定の建物を建築した場合に、前記所定の建物に対して視線を送る立脚点としての仮想上の視点を設定する、
請求項1記載の不動産情報検索装置。 - 前記所定の土地上に前記所定の建物を建築した場合に、建物外における仮想上の立脚点としての視点から、前記所定の建物の窓を介して建物内に届く視線と角度に基づき、所定の閾値と比較して前記所定の建物の建築の適否を判別する第一判別手段、をさらに有する、
請求項1又は2記載の不動産情報検索装置。 - 前記建物情報記憶手段は、前記建物の窓のレイアウトについて、変更可能な範囲に係る変更許容情報を記憶し、
前記第一判別機能部は、前記建物情報記憶手段を参照して、前記窓について変更可能なレイアウトの範囲において、建物の建築の適否を判別する、
請求項3記載の不動産情報検索装置。 - 前記建物情報記憶手段は、前記所定の建物を土地上に建築する際、土地の条件に応じて調整可能な建物の配置に係る情報を記憶し、
前記建物情報記憶手段を参照して、前記所定の土地の条件に応じ、建物について調整可能な配置の範囲において、前記所定の建物の建築の可否を判別する第二判別手段、をさらに有する、
請求項1乃至4いずれかの項に記載の不動産情報検索装置。 - 前記所定の土地の周辺環境の三次元イメージに対し、前記所定の建物の三次元イメージを合成した合成イメージを生成する合成処理手段と、をさらに有する、
請求項1乃至5いずれかの項に記載の不動産情報検索装置。 - 前記所定の土地の周辺環境の撮影画像から、前記所定の土地の周辺環境の三次元イメージを生成する生成処理手段、をさらに有する、
請求項6記載の不動産情報検索装置。 - 前記視点設定手段はさらに、前記所定の土地の周辺環境の三次元イメージに含まれる所定の対象物を識別すると共に、当該所定の対象物の存する位置に、前記所定の建物に対して視線を送る立脚点としての仮想上の視点を設定する、
請求項6又は7いずれかの項に記載の不動産情報検索装置。 - 前記合成イメージにおいて、所定の立脚点を仮想上の視点としたイメージを表示する第一の表示処理手段、をさらに有する、
請求項6乃至8いずれかの項に記載の不動産情報検索装置。 - 前記合成イメージにおいて、前記窓を介して建物内に入射する日照の建物内におけるイメージを表示する第二の表示処理手段、をさらに有する、
請求項6乃至9いずれかの項に記載の不動産情報検索装置。 - 所定の土地に建築する所定の建物の情報として、少なくとも当該所定の建物における窓のレイアウトに係る窓情報を記憶した建物情報記憶手段、を有するコンピュータが、
前記所定の土地に前記所定の建物を建築した場合に、前記所定の建物に対して視線を送る立脚点としての仮想上の視点を設定する視点設定処理と、
前記所定の土地上に前記所定の建物を建築した場合に、建物外における仮想上の立脚点としての視点から、前記所定の建物の窓を介して建物内に届く視線の向きと角度を特定する特定処理と、を実行する、
不動産情報検索方法。 - 所定の土地に建築する所定の建物の情報として、少なくとも当該所定の建物における窓のレイアウトに係る窓情報を記憶した建物情報記憶手段、を有するコンピュータに対し、
前記所定の土地に前記所定の建物を建築した場合に、前記所定の建物に対して視線を送る立脚点としての仮想上の視点を設定する視点設定処理と、
前記所定の土地上に前記所定の建物を建築した場合に、建物外における仮想上の立脚点としての視点から、前記所定の建物の窓を介して建物内に届く視線の向きと角度を特定する特定処理と、を実行させる、
コンピュータプログラム。
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