以下、複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
(第一実施形態)
本開示の第一実施形態による自動運転制御装置の機能は、図1に示す自動運転ECU(Electronic Control Unit)50bによって実現されている。自動運転ECU50bは、運転支援ECU50aと共に車両(以下、自車両Ao,図3参照)に搭載されており、運転支援ECU50aと共に自動運転システム50を構成している。自動運転システム50の搭載により、自車両Aoは、自動運転機能を備えた自動運転車両となる。
運転支援ECU50aは、自動運転システム50において、ドライバの運転操作を支援する運転支援機能を実現させる車載ECUである。運転支援ECU50aは、米国自動車技術会の規定する自動運転レベルにおいて、レベル2程度の高度運転支援又は部分的な自動走行制御を可能にする。運転支援ECU50aによって実施される自動運転は、ドライバの目視による自車周辺の監視が必要な周辺監視義務のある自動運転となる。
自動運転ECU50bは、自動運転システム50において、ドライバの運転操作を代行可能な自動運転機能を実現させる車載ECUである。自動運転ECU50bは、システムが制御主体となるレベル3以上の自律走行、即ち、ドライバの目視による車両周辺の監視が不要な周辺監視義務のないアイズオフ自動運転を実施可能にする。自動運転ECU50bは、レベル4以上の自動運転機能を実施可能であってもよい。
自動運転システム50では、運転支援ECU50aによる周辺監視義務のある自動運転制御と、自動運転ECU50bによる周辺監視義務のない自動運転制御とを少なくとも含む複数のうちで、自動運転機能の制御状態が切り替えられる。以下の説明では、運転支援ECU50aによるレベル2以下の自動運転制御を「運転支援制御」と記載し、自動運転ECU50bによるレベル3以上の自動運転制御を「自律走行制御」と記載する場合がある。
自動運転ECU50bによる自律走行制御によって自車両Aoが自動走行する自動走行期間(図11 渋滞期間Tm1~Tm3参照)では、予め規定された運転以外の特定行為(以下、セカンドタスク)がドライバに許可され得る。セカンドタスクは、自動運転システム50による運転操作の実施要求、即ち、運転交代の要請が発生するまで、ドライバに法規的に許可される。例えば、動画コンテンツ等のエンターテイメント系のコンテンツの視聴、スマートフォン等のデバイス操作及び食事等の行為が、セカンドタスクとして想定される。
自動運転ECU50b及び運転支援ECU50aは、自車両Aoに搭載された車載ネットワークの通信バス99に、通信可能に接続されている。自動運転ECU50b及び運転支援ECU50aは、車載ネットワークに設けられた複数のノードのうちの一つである。通信バス99には、ドライバモニタ29、周辺監視センサ30、ロケータ35、V2X通信機39、走行制御ECU40及びHCU(Human Machine Interface Control Unit)100等が接続されている。車載ネットワークの通信バス99に接続されたこれらのノードは、相互に通信可能である。これら装置及びECUのうちの特定のノード同士は、相互に直接的に電気接続され、通信バス99を介することなく通信可能であってもよい。
ドライバモニタ29は、近赤外光源及び近赤外カメラと、これらを制御する制御ユニットとを含む構成である。ドライバモニタ29は、運転席のヘッドレスト部分に近赤外カメラを向けた姿勢にて、例えばステアリングコラム部の上面又はインスツルメントパネルの上面等に設置されている。近赤外カメラは、後述するメータディスプレイ21又はセンターインフォメーションディスプレイ(以下、CID)22と一体的に構成され、いずれかの画面に設けられていてもよい。
ドライバモニタ29は、近赤外光源によって近赤外光を照射されたドライバの頭部を、近赤外カメラによって撮影する。近赤外カメラによる撮像画像は、制御ユニットによって画像解析される。制御ユニットは、ドライバのアイポイントの位置及び視線方向等の情報を撮像画像から抽出する。ドライバモニタ29は、制御ユニットによって抽出されたドライバステータス情報をHCU100及び自動運転ECU50b等に提供する。
周辺監視センサ30は、自車両Aoの周辺環境を監視する自律センサである。周辺監視センサ30は、自車周囲の検出範囲から予め規定された移動物体及び静止物体を検出可能である。周辺監視センサ30は、自車両Aoの周囲を走行する前方車両Af(図3参照)、後方車両及び側方車両As1,As2(図3参照)等を少なくとも検出可能である。周辺監視センサ30は、自車周囲の物体の検出情報を運転支援ECU50a及び自動運転ECU50b等に提供する。
周辺監視センサ30には、例えばカメラユニット31、ミリ波レーダ32、ライダ33及びソナー34のうちの1つ又は複数が含まれている。カメラユニット31は、単眼カメラを含む構成であってもよく、又は複眼カメラを含む構成であってもよい。カメラユニット31は、自車両Aoの前方範囲を撮影可能なように自車両Aoに搭載されている。自車両Aoの側方範囲及び後方範囲を撮影可能なカメラユニット31が、自車両Aoに搭載されていてもよい。カメラユニット31は、自車周囲を撮影した撮像データ及び撮像データの解析結果の少なくとも一方を、検出情報として出力する。
ミリ波レーダ32は、ミリ波又は準ミリ波を自車周囲へ向けて照射する。ミリ波レーダ32は、移動物体及び静止物体等で反射された反射波を受信する処理によって生成した検出情報を出力する。ライダ33は、自車周囲へ向けてレーザ光を照射する。ライダ33は、照射範囲に存在する移動物体及び静止物体等で反射されたレーザ光を受信する処理によって生成した検出情報を出力する。ソナー34は、自車周囲へ向けて超音波を発射する。ソナー34は、自車近傍に存在する移動物体及び静止物体等で反射された超音波を受信する処理によって生成した検出情報を出力する。
ロケータ35は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機及び慣性センサ等を含む構成である。ロケータ35は、GNSS受信機で受信する測位信号、慣性センサの計測結果、及び通信バス99に出力された車速情報等を組み合わせ、自車両Aoの自車位置及び進行方向等を逐次測位する。ロケータ35は、測位結果に基づく自車両Aoの位置情報及び方角情報を、ロケータ情報として通信バス99に逐次出力する。
ロケータ35は、高精度地図データベース(以下、高精度地図DB)36をさらに有している。高精度地図DB36は、多数の3次元地図データ及び2次元地図データを格納した大容量の記憶媒体を主体とする構成である。3次元地図データは、いわゆるHD(High Definition)マップのデータであり、自動運転制御に必要な道路情報を含んでいる。3次元地図データは、道路の3次元形状情報及び各レーンの詳細情報等、高度運転支援及び自動運転に必要な情報を含んでいる。ロケータ35は、現在位置周辺の地図データを高精度地図DB36から読み出し、運転支援ECU50a及び自動運転ECU50b等にロケータ情報と共に提供する。
V2X(Vehicle to Everything)通信機39は、自車両Aoに搭載された車外通信ユニットである。V2X通信機39は、道路脇に設置された路側機との間で無線通信によって情報を送受信する。一例として、V2X通信機39は、自車両Aoの現在位置周辺及び進行方向の渋滞情報を路側機から受信する。渋滞情報は、VICS(登録商標)情報等である。V2X通信機39は、受信した渋滞情報を自動運転ECU50b等に提供する。
走行制御ECU40は、マイクロコントローラを主体として含む電子制御装置である。走行制御ECU40は、ブレーキ制御ECU、駆動制御ECU及び操舵制御ECUの機能を少なくとも有している。走行制御ECU40は、ドライバの運転操作に基づく操作指令、運転支援ECU50aの制御指令及び自動運転ECU50bの制御指令のいずれか一つに基づき、各輪のブレーキ力制御、車載動力源の出力制御及び操舵角制御を継続的に実施する。加えて走行制御ECU40は、各輪のハブ部分に設けられた車輪速センサ41の検出信号に基づき、自車両Aoの現在の走行速度を示す車速情報を生成し、生成した車速情報を通信バス99に逐次出力する。
HCU100は、HMI(Human Machine Interface)システムを、複数の表示デバイス、オーディオ装置24、アンビエントライト25及び操作デバイス26等と共に構成している。HMIシステムは、自車両Aoのドライバ等の乗員による操作を受け付ける入力インターフェース機能と、ドライバへ向けて情報を提示する出力インターフェース機能とを備えている。
表示デバイスは、画像表示等により、ドライバの視覚を通じて情報を提示する。表示デバイスには、メータディスプレイ21、CID22及びヘッドアップディスプレイ(以下、HUD)23等が含まれている。CID22は、タッチパネルの機能を有しており、ドライバ等による表示画面へのタッチ操作を検出する。オーディオ装置24は、運転席を囲む配置にて車室内に設置された複数のスピーカを有しており、報知音又は音声メッセージ等をスピーカによって車室内に再生させる。アンビエントライト25は、インスツルメントパネル及びステアリングホイール等に設けられている。アンビエントライト25は、発光色を変化させるアンビエント表示により、ドライバの周辺視野を利用した情報提示を行う。
操作デバイス26は、ドライバ等によるユーザ操作を受け付ける入力部である。操作デバイス26には、例えば自動運転機能の作動及び停止に関連するユーザ操作等が入力される。ステアリングホイールのスポーク部に設けられたステアスイッチ、ステアリングコラム部に設けられた操作レバー、及びドライバの発話内容を認識する音声入力装置等が、操作デバイス26に含まれる。
HCU100は、自動運転に関連する情報等のドライバへ向けた提示を統合的に制御する提示制御装置として機能する。HCU100は、自動運転ECU50bと連携し、ドライバによるセカンドタスクの実施を許容する。HCU100は、自動運転ECU50bによる運転操作の実施要求に基づき、ドライバに運転交代を要請すると共に、運転交代要請を妨げないかたちでセカンドタスクに関連した動画コンテンツ等を再生可能である。
HCU100は、処理部11、RAM12、記憶部13、入出力インターフェース14及びこれらを接続するバス等を備えた制御回路を主体として含む構成である。処理部11は、RAM12と結合された演算処理のためのハードウェアである。処理部11は、CPU(Central Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)等の演算コアを少なくとも一つ含む構成である。処理部11は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、NPU(Neural network Processing Unit)及び他の専用機能を備えたIPコア等をさらに含む構成であってよい。RAM12は、映像データ生成のためのビデオRAMを含む構成であってよい。処理部11は、RAM12へのアクセスにより、提示制御処理のための種々の処理を実行する。記憶部13は、不揮発性の記憶媒体を含む構成である。記憶部13には、処理部11によって実行される種々のプログラム(提示制御プログラム等)が格納されている。
HCU100は、記憶部13に記憶された提示制御プログラムを処理部11によって実行することで、ドライバへの情報提示を統合制御する複数の機能部を有する。具体的に、HCU100には、情報取得部71、自動運転把握部72、ドライバ把握部73及び提示制御部74等の機能部が構築される。
情報取得部71は、自車両Aoの状態を示す車両情報を通信バス99から取得する。車両情報には、例えば車速情報及び自動運転機能の状態を示す制御ステータス情報(後述する)等が含まれる。情報取得部71は、自動運転機能に関連する報知の実施要求を、通信バス99を通じて、自動運転ECU50bから取得する。情報取得部71は、ユーザ操作の内容を示す操作情報をCID22及び操作デバイス26等から取得する。情報取得部71は、ドライバの状態を示すドライバ情報を取得する。ドライバ情報には、ドライバモニタ29によって出力されるドライバステータス情報、運転席の背もたれのリクライニングの状態を示すリクライニング情報及びステアリングホイールの把持状態を示すステアリング把持情報等が含まれる。
自動運転把握部72は、情報取得部71にて取得される制御ステータス情報に基づき、自動運転システム50による自動運転の実施状態を把握する。具体的に、自動運転把握部72は、自動運転システム50にて自動運転機能が動作状態にあるか否かを把握する。自動運転機能が動作状態にある場合、自動運転把握部72は、ドライバによる操舵操作が必要な状態か否か、ドライバによる周辺監視が必要な状態か否か、周辺監視の不要な状態が終了予定か否か等の情報をさらに把握する。
ドライバ把握部73は、情報取得部71にて取得されるドライバ情報に基づき、ドライバの実施するセカンドタスクの内容を把握する。例えばドライバ把握部73は、スマートフォンを操作している、CID22の画面を注視している、CID22のタッチパネルを操作している等の情報を把握する。
ドライバ把握部73は、情報取得部71にて取得されるドライバ情報に基づき、ドライバの運転姿勢が適正であるか否かを判定する。一例としてドライバ把握部73は、ドライバが周辺監視を実施していること、運転席のリクライニングが所定値以下であること、及びステアリングホイールが把持されていること等を確認できた場合に、ドライバの運転姿勢が適正であると判定する。
ドライバ把握部73は、提示制御部74によるドライバへの問い合わせに対し、CID22のタッチパネル又は操作デバイス26に入力されたユーザ操作の内容を把握する。一例としてドライバには、自車両Aoの走行予定の道路が渋滞しているか否かの問い合わせが実施される。ドライバ把握部73は、ユーザ操作に基づき、走行予定の道路が渋滞状態か否かを示すドライバの判断結果を取得する。
ドライバ把握部73は、実施中のセカンドタスクの内容を示すタスク情報、ドライバの運転姿勢の適否を示すドライバ姿勢情報、及びドライバの判断結果を示す入力情報等を自動運転ECU50bに提供する。
提示制御部74は、各表示デバイス及びオーディオ装置24を用いたドライバへの情報の提供を統合制御する。提示制御部74は、上述したドライバへの問い合わせ、動画コンテンツ等の再生及び運転交代の要請報知等を、情報取得部71にて取得される報知の実施要求に基づき、自動運転把握部72にて把握される自動運転の実施状態に応じて実施する。提示制御部74は、自動運転機能が動作状態にあり、かつ、ドライバによる周辺監視が不要なアイズオフ自動運転の状態である場合に限り、セカンドタスクに関連した動画コンテンツの再生を許可する。提示制御部74は、アイズオフ自動運転の終了予定が自動運転把握部72によって把握された場合、動画コンテンツ等の再生を終了又は制限する。
次に、自動運転システム50を構成する運転支援ECU50a及び自動運転ECU50bの各詳細を順に説明する。
運転支援ECU50aは、処理部、RAM、記憶部、入出力インターフェース及びこれらを接続するバス等を備えた制御回路を主体として含むコンピュータである。運転支援ECU50aは、処理部によるプログラムの実行により、高度運転支援を実現する複数の機能部を有する。具体的に、運転支援ECU50aは、ACC(Adaptive Cruise Control)機能部、LTC(Lane Trace Control)機能部及びLCA(Lane Change Assist)機能部を有する。
自動運転ECU50bは、運転支援ECU50aよりも高い演算能力を備えており、ACC、LTC及びLCAに相当する走行制御を少なくとも実施できる。自動運転ECU50bは、アイズオフ自動運転が一時的に中断されるシーンにおいて、運転支援ECU50aに代わって、ドライバに周辺監視義務のある運転支援制御を実施可能である。
自動運転ECU50bは、HCU100と同様に、処理部51、RAM52、記憶部53、入出力インターフェース54及びこれらを接続するバス等を備えた制御回路を主体として含むコンピュータである。処理部51は、RAM52へのアクセスにより、本開示の自動運転制御方法を実現するための種々の処理を実行する。記憶部53には、処理部51によって実行される種々のプログラム(自動運転制御プログラム等)が格納されている。処理部51によるプログラムの実行により、自動運転ECU50bには、情報連携ブロック60,環境認識ブロック61、行動判断ブロック62及び制御実行ブロック63等が自動運転機能を実現するための複数の機能部として構築される。
情報連携ブロック60は、HCU100への情報提供と、HCU100からの情報取得とを実施する。具体的に、情報連携ブロック60は、自動運転機能の動作状態を示す制御ステータス情報を生成し、生成した制御ステータス情報をHCU100に提供する。加えて情報連携ブロック60は、HCU100へ向けた報知の実施要求の出力により、自動運転機能の動作状態に同期したHCU100による報知を可能にする。さらに、情報連携ブロック60は、ドライバの操作情報、姿勢情報及びタスク情報等をHCU100から取得する。情報連携ブロック60は、操作情報に基づき、CID22及び操作デバイス26等へ入力されるユーザ操作の内容を把握する。また情報連携ブロック60は、ドライバの姿勢情報及びタスク情報を行動判断ブロック62に提供する。
環境認識ブロック61は、ロケータ35より取得するロケータ情報及び地図データと、周辺監視センサ30より取得する検出情報とを組み合わせ、自車両Aoの走行環境を認識する。環境認識ブロック61は、走行環境を認識するためのサブ機能部として、道路把握部161、他車両把握部162及び渋滞認識部163を有する。
道路把握部161は、自車両Aoが走行中の道路の種別を把握する。道路把握部161は、一般道、自動車専用道路及び高速道路等を識別する識別情報と、直線区間、カーブ区間及び被合流区間等を識別する形状情報とを、道路種別を示す情報として取得する。道路把握部161は、中央分離帯の有無等を示す情報を、道路種別の情報としてさらに取得してもよい。
道路把握部161は、走行中の道路のレーン数、及び自車両Aoが走行する自車レーンLoの位置等を把握する(図3等参照)。道路把握部161は、走行中の道路が複数のレーンを含む場合、自車両Aoが追越レーンLpを走行中であるのか、走行レーンLdを走行中であるのかを判定する。追越レーンLpは、車両が左側を通行する法規下において、複数レーンのうちで右端に位置するレーンであり、車両が右側を通行する法規下において、複数レーンのうちで左端に位置するレーンである。追越レーンLpは、原則的に1レーンのみであるが、道路によっては複数の追越レーンLpが設定されていてもよい。走行レーンLdは、複数レーンのうちで、追越レーンLpを除くレーンである。道路把握部161は、片側一車線の道路では、走行レーンLdを走行中であると判定する。
他車両把握部162は、自車周囲の他車両の相対位置及び相対速度等を把握する。他車両把握部162は、自車レーンLoにおいて自車両Aoの前方を走行する前方車両Afと、自車レーンLoの両側に隣接する隣接レーンLa1,La2を走行する側方車両As1,As2の存在を少なくとも把握する。側方車両As1,As2は、自車両Aoに隣接する並走車両であり、自車レーンLoの幅方向において車体の少なくとも一部が自車両Aoと重なる他車両である。
渋滞認識部163は、周辺監視センサ30の検出情報及び車輪速センサ41の車速情報を用いて自車両Aoの周囲が渋滞状態か否かを認識する。具体的に、渋滞認識部163は、渋滞認識処理(図2参照)の実施により、渋滞状態になったか否かの判定と、自車周囲の渋滞状態の識別とを実施する。渋滞認識部163は、自動運転ECU50bの起動に基づき渋滞認識処理を開始し、自動運転ECU50bがオフ状態とされるまで渋滞認識処理を繰り返し実施する。
渋滞認識部163は、車速情報に基づき、現在の自車両Aoの車速が渋滞速度V2(例えば、10km/h,図11参照)以下であるか否かを判定する(S11)。自車両Aoの車速が渋滞速度V2を超えている場合(S11:NO)、渋滞認識部163は、渋滞状態ではない(非渋滞状態である)と判定する(S16)。一方、自車両Aoの車速が渋滞速度V2以下である場合(S11:YES)、渋滞認識部163は、前方車両Afの有無を判定する(S12)。前方車両Afが存在しない場合(S12:NO)、渋滞認識部163は、渋滞状態ではないと判定する(S16)。
渋滞認識部163は、車速が渋滞速度V2以下であり、かつ、前方車両Afが存在する場合、自車レーンLoの両側に隣接レーンLa1,La2が存在するか否かを判定する(S13)。自車レーンLoの片側のみに隣接レーンLa2が存在する場合(S13:NO)、渋滞認識部163は、片側の隣接レーンLa2に側方車両As2が存在するか否かを判定する(S14)。側方車両As2が存在する場合(S14:YES)、渋滞認識部163は、自車周囲が第3渋滞状態(図6参照)であると識別する(S19)。自車レーンLoと進行方向が同一の隣接レーンLa1,La2が存在しない場合も、渋滞認識部163は、自車周囲が第3渋滞状態と判定可能である。対して、側方車両As2が存在しない場合(S14:NO)、渋滞認識部163は、自車周囲が第2渋滞状態(図5参照)であると判定する(S18)。
一方、自車レーンLoの両側に隣接レーンLa2が存在する場合(S13:YES)、渋滞認識部163は、2つの隣接レーンLa1,La2の両方に側方車両As1,As2が存在するか否かを判定する(S15)。少なくとも一方の隣接レーンLa1,La2に側方車両As1,As2が存在しない場合(S15:NO)、渋滞認識部163は、自車周囲が第2渋滞状態(図4参照)であると判定する(S18)。対して、自車両Aoの左右両側に側方車両As1,As2が存在する場合(S15:YES)、渋滞認識部163は、自車周囲が第1渋滞状態(図3参照)であると判定する(S17)。
渋滞認識部163は、自車周囲が第1~第3渋滞状態のいずれかであると判定した後、検出情報又は車速情報に基づき、渋滞状態の解消を認識する。具体的に、渋滞認識部163は、現在の自車両Aoの車速が渋滞解消速度V1(例えば、60km/h,図11参照)を超えた場合、又は検出情報の示す前方車両Afの車速が渋滞解消速度V1を超えた場合に、自車周囲の渋滞状態が解消したと認識する。
以上の第1渋滞状態、第2渋滞状態及び第3渋滞状態の詳細を、図3~図6を参照しつつ、さらに説明する。第1渋滞状態は、自車両Aoの車速が渋滞速度V2以下であり、かつ、図3に示すように自車前方の前方車両Afと自車両側の側方車両As1,As2とが全て存在する状態である。第1渋滞状態は、隣接レーンLa1,La2への車線変更が実質的に不可能な状態である。
第2渋滞状態は、自車両Aoの車速が渋滞速度V2以下であり、かつ、前方車両Afが存在する一方で少なくとも一つの隣接レーンLa1,La2に側方車両As1,As2が存在しない状態である。図4に示すように、左右両側の隣接レーンLa1,La2に側方車両As1,As2が存在しないシーンに加えて、片方の隣接レーンLa1,La2のみに側方車両As1,As2が存在するシーンも、第2渋滞状態となる。さらに、図5に示すように、自車レーンLoの片側のみに隣接レーンLa2が存在するシーンでは、唯一の隣接レーンLa2に側方車両As2が存在しない場合が、第2渋滞状態となる。
第3渋滞状態は、自車レーンLoの片側のみに隣接レーンLa2が存在するシーンでの渋滞状態である。第3渋滞状態は、自車両Aoの車速が渋滞速度V2以下であり、かつ、図6に示すように、自車前方の前方車両Afと、唯一の隣接レーンLa2の側方車両As2とが共に存在する渋滞状態である。第3渋滞状態は、第1渋滞状態に含まれる渋滞状態の一つである。第3渋滞状態では、隣接レーンLa2への車線変更が実質的に不可能となる。
図1に示す渋滞認識部163は、自車周囲が第1渋滞状態又は第3渋滞状態であると判定した後、再渋滞計数処理(図7参照)を開始する。渋滞認識部163は、再渋滞計数処理の実施により、渋滞の解消を予測すると共に、解消予測後に再び渋滞となった回数をカウントする。渋滞認識部163には、再渋滞となった回数を計数する再渋滞カウンタ164が設けられている。
渋滞認識部163は、再渋滞計数処理にて、再渋滞カウンタ164の値をリセットする(S21)。渋滞認識部163は、行動判断ブロック62による渋滞解消の判定結果を参照し(S22)、渋滞解消判定がない場合に、渋滞解消を予測する。具体的に、渋滞認識部163は、自車両Aoの車速が渋滞速度V2を超えている場合(S23:YES)に、自車周囲の渋滞解消を予測する(S24)。
渋滞認識部163は、渋滞解消を予測した後、自車両Aoの車速が渋滞速度V2以下か否かを判定する(S25)。自車両Aoの車速が渋滞速度V2以下まで低下していた場合(S25:YES)、渋滞認識部163は、渋滞の解消予測を取り消し、再渋滞となったと判定して再渋滞カウンタ164をインクリメント(+1)する(S26)。これにより、再渋滞となった回数が再渋滞カウンタ164に記録される。
行動判断ブロック62は、HCU100と連携し、自動運転システム50及びドライバ間での運転交代を制御する。行動判断ブロック62は、自動運転システム50に運転操作の制御権がある場合、環境認識ブロック61による走行環境の認識結果に基づき、自車両Aoを走行させる走行プランを生成する。加えて行動判断ブロック62は、自動運転機能の動作状態を制御するためのサブ機能部として、姿勢把握部171、タスク把握部172、時間計測部173、渋滞情報取得部174及び許可制御部177を有する。
姿勢把握部171及びタスク把握部172は、ドライバ把握部73と連携し、ドライバの状態を把握する。姿勢把握部171は、ドライバ把握部73によって出力されるドライバ姿勢情報を取得し、ドライバの運転姿勢が適正な状態であるか否かを把握する。タスク把握部172は、ドライバ把握部73によって出力されるタスク情報を取得し、アイズオフ自動運転の期間にてドライバが実施するセカンドタスクの内容を把握する。タスク把握部172は、実施中のセカンドタスクについて、運転交代への対応が容易な内容か否かを判定する。例えばスマートフォンを操作している等、ドライバの手がふさがるセカンドタスクは、運転交代に対応容易でない内容と判定される。一方で、CID22に表示された動画コンテンツを視聴している等、ドライバの手がふさがらないセカンドタスクは、運転交代に対応容易な内容と判定される。
尚、姿勢把握部171は、ドライバステータス情報、リクライニング情報及びステアリング把持情報等を取得し、ドライバ把握部73からの取得情報に依らないでドライバの運転姿勢を把握してもよい。同様に、タスク把握部172は、ドライバステータス情報をドライバモニタ29から取得することで、ドライバ把握部73からの取得情報に依らないでセカンドタスクの内容を把握してもよい。
時間計測部173は、アイズオフ自動運転が開始されてからの経過時間を計測する。ドライバ把握部73は、アイズオフ自動運転の実行開始を検出すると(図11 時刻t1参照)、タイマの値をリセットし、経過時間の計測を開始する。時間計測部173は、アイズオフ自動運転が終了されるまで(図11 時刻t7参照)、経過時間の計測を継続する。
渋滞情報取得部174は、V2X通信機39によって受信された渋滞情報を取得する。渋滞情報取得部174は、取得した渋滞情報に基づき、自車両Aoが走行予定の道路について、渋滞状態にあるか否かを把握する。渋滞情報取得部174は、ドライバ把握部73によって出力される入力情報を取得する。渋滞情報取得部174は、取得した入力情報に基づき、自車両Aoが走行予定の道路について、渋滞状態にあるか否かを示すドライバ判断結果を把握する。
許可制御部177は、渋滞中の走行に限定して実施される渋滞時レベル3のアイズオフ自動運転について、開始及び終了を制御する。許可制御部177は、渋滞時レベル3とは異なる実施パターンのアイズオフ自動運転、例えば特定の自動運転許可エリアに限定して実施されるエリアレベル3の自動運転について、開始及び終了を制御可能であってもよい。尚、本実施形態におけるアイズオフ自動運転は、渋滞時レベル3の自律走行制御に相当する。
許可制御部177は、自動運転許可処理(図8参照)の実施により、渋滞時レベル3の自動運転の開始の許否を判定する。許可制御部177は、アイズオフ自動運転が待機状態にある期間において、自動運転許可処理を繰り返し実施する。
許可制御部177は、渋滞認識部163にて実施される渋滞認識処理の結果を参照し、自車周囲が第1渋滞状態(図3参照)又は第3渋滞状態(図6参照)であるか否かを判定する(S31)。自車周囲が第1渋滞状態又は第3渋滞状態である場合(S31:YES)、許可制御部177は、渋滞時レベル3での自動運転の開始を許可する(S32)。この場合、ドライバによる操作デバイス26等への起動操作の入力をトリガとして、許可制御部177は、アイズオフ自動運転を開始させる。一方、自車周囲が第2渋滞状態(図4及び図5参照)である場合又は非渋滞状態である場合(S31:NO)、許可制御部177は、渋滞時レベル3での自動運転の開始を不許可にする(S33)。
許可制御部177は、渋滞時レベル3の自動運転を開始させた後、渋滞解消判定処理(図9参照)及び状態制御処理(図10参照)を繰り返し実施する。渋滞解消判定処理は、自車周囲の渋滞が解消したか否かを許可制御部177が確定判定する処理である。
許可制御部177は、渋滞解消判定処理にて、渋滞認識部163による渋滞解消の認識結果を参照する(S41)。現在の自車両Ao又は前方車両Afの車速が渋滞解消速度V1以下であり、渋滞状態の解消が認識されていない場合(S41:NO)、許可制御部177は、渋滞解消判定処理を継続する。一方、自車両Aoの車速が渋滞解消速度V1を超えており、渋滞状態の解消が認識された場合(S41:YES)、許可制御部177は、渋滞情報取得部174による渋滞情報の取得の有無を判定する(S42)。許可制御部177は、渋滞情報が取得されている場合(S42:YES)、進行方向の渋滞が継続しているとみなし、渋滞認識部163による渋滞解消の判断を保留する(S45)。これにより、渋滞時レベル3の自動運転の終了も保留される。
対して、渋滞情報取得部174による渋滞情報の取得がない場合(S42:NO)、許可制御部177は、渋滞情報取得部174による入力情報の取得の有無を判定する(S43)。渋滞継続と判断したドライバの入力情報が取得されている場合(S43:YES)、許可制御部177は、渋滞認識部163による渋滞解消の判断を保留する(S45)。この場合も、渋滞時レベル3の自動運転の終了が保留される。一方で、渋滞情報取得部174による入力情報の取得がない場合(S43:NO)、許可制御部177は、渋滞状態が解消したと確定判定する(S44)。
許可制御部177は、状態制御処理(図10参照)にて、渋滞解消判定処理による渋滞解消判定の結果を参照する(S71)。渋滞解消の確定判定がある場合(S71:YES)、許可制御部177は、渋滞時レベル3の自動運転を終了する(S72)。この場合、許可制御部177は、アイズオフ自動運転から、運転支援ECU50aによる周辺監視義務のある自動運転に制御を遷移させる。
一方、渋滞解消の確定判定がない場合(S71:NO)、許可制御部177は、渋滞認識部163による渋滞解消予測(図7 S24参照)の結果を参照する(S73)。渋滞解消予測がある場合(S73:YES)、許可制御部177は、渋滞時レベル3の自動運転の継続を不許可とし、当該自動運転の終了準備を実施する(S83)。このように、許可制御部177は、渋滞状態の認識に基づき許可されたアイズオフ自動運転の開始後、自車両Aoの車速が渋滞速度V2を超え、渋滞解消予測がなされた場合に、アイズオフ自動運転の終了準備を開始する。対して、渋滞解消予測がない場合(S73:NO)、許可制御部177は、自車周囲の渋滞状態が第1渋滞状態又は第3渋滞状態であるか否かを判定する(S74)。
自車周囲が第1渋滞状態又は第3渋滞状態である場合(S74:YES)、許可制御部177は、渋滞時レベル3の自動運転の継続を許可する(S82)。一方、自車周囲が第2渋滞状態である場合(S74:NO)、許可制御部177は、複数の所定条件(S75,S77~S81)を全て満たした場合に、渋滞時レベル3の自動運転の継続を許可する。
許可制御部177は、アイズオフ自動運転を開始した最初の渋滞か、一旦渋滞速度V2を超えた後の再渋滞かを判定する(S75)。許可制御部177は、再渋滞ではないと判定した場合(S75:NO)、渋滞時レベル3の自動運転の継続を許可する。一方、再渋滞中であると判定した場合(S75:YES)、許可制御部177は、自車レーンLoの位置に応じて、判定閾値となる所定回数を設定する(S76)。許可制御部177は、自車レーンLoの位置に応じて、所定回数を変更する。許可制御部177は、自車レーンLoの片側のみに隣接レーンLa2が存在する場合又は隣接レーンLa1,La2が存在しない場合、自車レーンLoの両側に隣接レーンLa1,La2が存在する場合よりも所定回数を少なく設定する。一例として、自車レーンLoの両側に隣接レーンLa1,La2がない場合、所定回数は1回に設定され、自車レーンLoの両側に隣接レーンLa1,La2がある場合、所定時間は数回程度に設定される。
許可制御部177は、自車レーンLoの位置に対応する所定回数と、再渋滞カウンタ164の値とを比較する(S77)。許可制御部177は、再渋滞となったカウントが所定回数以下の場合(S77:NO)、再渋滞中では、第2渋滞状態でのアイズオフ自動運転の継続を不許可とする(S83)。言い替えれば、再渋滞となったカウントが所定回数以下の場合、第1渋滞状態でのみ、再渋滞中でのアイズオフ自動運転の継続が許可される。一方で、再渋滞となったカウントが所定回数を超え(S77:YES)、かつ、他の条件(S78~S81)が満たされた場合、許可制御部177は、再渋滞中において、第2渋滞状態でのアイズオフ自動運転の継続を許可する(S82)。
許可制御部177は、第2渋滞状態でのアイズオフ自動運転の継続を許可するか否かを、ドライバの運転姿勢に応じて決定する(S78)。許可制御部177は、姿勢把握部171にて把握されているドライバの運転姿勢が適正な状態でない場合(S78:NO)、第2渋滞状態でのアイズオフ自動運転の継続を許可せず、渋滞時レベル3の終了準備を実施する(S83)。例えば、運転席の背もたれが所定角度を超えて後傾している場合、ドライバが周辺監視困難な姿勢である場合、又はステアリングホイールが把持困難な場合、許可制御部177は、アイズオフ自動運転の継続を許可しない。一方で、許可制御部177は、ドライバの運転姿勢が適正な状態である場合(S78:YES)、他の条件(S79~S81)が満たされれば、渋滞時レベル3の自動運転の継続を許可する(S82)。例えば、運転席のリクライニングが所定値以下である場合、ドライバが周辺監視可能な姿勢である場合又はステアリングホイールが把持可能な場合等で、許可制御部177は、アイズオフ自動運転の継続を許可できる。
許可制御部177は、第2渋滞状態でのアイズオフ自動運転の継続を許可するか否かを、道路種別に応じて決定する(S79)。許可制御部177は、道路把握部161にて把握されている走行中の道路の種別が継続許可条件に適合しない場合(S79:NO)、第2渋滞状態でのアイズオフ自動運転の継続を許可せず、渋滞時レベル3の終了準備を実施する(S83)。例えば、走行中の道路がカーブ区間又は被合流区間である場合、許可制御部177は、アイズオフ自動運転の継続を許可しない。一方で、許可制御部177は、走行中の道路の種別が継続許可条件に適合する場合(S79:YES)、他の条件(S78,S80及びS81)が満たされれば、渋滞時レベル3の自動運転の継続を許可する(S82)。例えば、走行中の道路が直線区間である場合、許可制御部177は、アイズオフ自動運転の継続を許可できる。
許可制御部177は、第2渋滞状態でのアイズオフ自動運転の継続を許可するか否かを、セカンドタスクの内容に応じて決定する(S80)。許可制御部177は、タスク把握部172にて把握されている実施中のセカンドタスクの内容が継続許可条件に適合しない場合(S80:NO)、第2渋滞状態でのアイズオフ自動運転の継続を許可せず、渋滞時レベル3の終了準備を実施する(S83)。例えば、スマートフォンの操作等によってドライバの両手がふさがっている場合、許可制御部177は、アイズオフ自動運転の継続を許可しない。一方で、許可制御部177は、実施中のセカンドタスクの内容が継続許可条件に適合する場合(S80:YES)、他の条件(S78,S79及びS81)が満たされれば、渋滞時レベル3の自動運転の継続を許可する(S82)。例えば、CID22の操作等、ドライバの両手がふさがっていない場合、許可制御部177は、アイズオフ自動運転の継続を許可できる。
許可制御部177は、第2渋滞状態でのアイズオフ自動運転の継続を許可するか否かを、自動運転を開始してからの経過時間に応じて決定する(S81)。許可制御部177は、時間計測部173にて計測されている経過時間が所定時間(例えば、1分程度)を超えている場合(S81:NO)、第2渋滞状態でのアイズオフ自動運転の継続を許可せず、渋滞時レベル3の終了準備を実施する(S83)。一方で、経過時間が所定時間以内である場合(S81:YES)、他の条件(S78~S80)が満たされれば、渋滞時レベル3の自動運転の継続を許可する(S82)。
制御実行ブロック63は、自動運転システム50に運転操作の制御権がある場合、走行制御ECU40との連携により、行動判断ブロック62にて生成された走行プランに従って、自車両Aoの加減速制御及び操舵制御等を実行する。具体的に、制御実行ブロック63は、走行プランに基づく制御指令を生成し、生成した制御指令を走行制御ECU40へ向けて逐次出力する。
次に、ここまで説明した自動運転ECU50bによって渋滞時レベル3の自動運転が実施される複数の渋滞シーンを、図11及び図12に基づき、図1を参照しつつ説明する。
図11に示す渋滞シーンでは、自車両Aoの車速が渋滞速度V2を跨いで繰り返し上下する。自動運転ECU50bは、車速が渋滞速度V2以下となる時刻t1にて、自車周囲が第1渋滞状態又は第3渋滞状態であると認識すると、渋滞時レベル3の自動運転を開始する。自動運転ECU50bは、時刻t1から、車速が渋滞速度V2を超える時刻t2までの第1渋滞期間Tm1において、渋滞時レベル3の自動運転を継続する。第1渋滞期間Tm1では、自車周囲が第2渋滞状態に遷移した場合でも、運転姿勢、道路種別及びセカンドタスクの内容等の条件が満たされていた場合には、渋滞時レベル3の自動運転の継続が許可される。
時刻t2にて、自動運転ECU50bは、渋滞の解消予測に基づき、渋滞時レベル3の自動運転を不許可とし、自動運転の終了準備を開始する。自動運転の終了準備を開始する時刻t2以降も、自動運転ECU50bは、運転操作の自動制御を継続し、前方車両Afに追従させて自車両Aoを加速させる。図11の渋滞シーンでは、自車周囲の渋滞が解消していないため、車速は、渋滞解消速度V1を超えることなく低下する。
時刻t3にて、車速が渋滞速度V2以下となると、自動運転ECU50bは、渋滞の解消予測をキャンセルし、再渋滞と判定する。時刻t3から、車速が再び渋滞速度V2を超える時刻t4までの第2渋滞期間Tm2は、初回の再渋滞期間となる。自動運転ECU50bは、第2渋滞期間Tm2において、自車周囲が第1渋滞状態又は第3渋滞状態である場合に限り、渋滞時レベル3の自動運転を許可する。一方で、自車周囲が第2渋滞状態である場合、第2渋滞期間Tm2では、渋滞時レベル3の自動運転が許可されない。
時刻t4にて、自動運転ECU50bは、渋滞の再度の解消予測を行う。第2渋滞期間Tm2にて、渋滞時レベル3の自動運転が許可されていた場合、自動運転ECU50bは、渋滞時レベル3の自動運転を再び不許可とし、自動運転の終了準備を開始する。
時刻t5にて、車速が再び渋滞速度V2以下となると、自動運転ECU50bは、渋滞の解消予測をキャンセルし、2回目の再渋滞と判定する。時刻t5から、車速が再び渋滞速度V2を超える時刻t6までの第3渋滞期間Tm3では、自車周囲が第2渋滞状態である場合にも、渋滞時レベル3の自動運転が許可される。
時刻t6にて、自動運転ECU50bは、渋滞の再度の解消予測を行い、渋滞時レベル3の自動運転を再び不許可とし、自動運転の終了準備を開始する。さらに、時刻t7にて、車速が渋滞解消速度V1を超えると、自動運転システム50は、アイズオフ自動運転から周辺監視義務のあるレベル2の自動運転に切り替える。
以上の自動運転ECU50bの自動運転制御に対応し、HCU100は、時刻t1にて渋滞時レベル3の自動運転の許可状態を把握すると、ドライバによるセカンドタスクの実施を許可する。HCU100は、第1渋滞期間Tm1にて、例えばセカンドタスクに関連する動画コンテンツ等の提供を実施する。HCU100は、時刻t2にて、渋滞時レベル3の自動運転の不許可状態への切り替わりを把握すると、動画コンテンツの再生を制限すると共に、周辺監視を促す報知を実施する。
HCU100は、第2渋滞期間Tm2及び第3渋滞期間Tm3にて、渋滞時レベル3の自動運転が再開された場合、セカンドタスクの実施を再び許可する。その結果、時刻t2又は時刻t4にて適用された動画コンテンツの提供制限が解除される。対して、第2渋滞期間Tm2にて、渋滞時レベル3の自動運転が再開されない場合、HCU100は、セカンドタスクの実施を許可しない。この場合、動画コンテンツの視聴制限が維持される。HCU100は、時刻t4及び時刻t6にて、セカンドタスクの実施を再び不許可とした場合、周辺監視を促す報知を再開する。さらに、HCU100は、渋滞時レベル3の自動運転が解除される時刻t7にて、動画コンテンツの提供を完全に終了し、レベル2の自動運転(運転支援)に適したコンテンツに表示を切り替える。
図12に示す渋滞シーンでは、車速が渋滞解消速度V1に到達した後も、渋滞時レベル3の自動運転の終了が保留される。自動運転ECU50bは、上述の渋滞シーンと同様に、車速が渋滞速度V2以下となる時刻t1にて渋滞時レベル3の自動運転を開始し、車速が渋滞速度V2を超える時刻t2までの第1渋滞期間Tm1において、渋滞時レベル3の自動運転を継続する。自動運転ECU50bは、時刻t2にて、渋滞の解消予測判定を行い、自動運転の終了準備を開始する。
HCU100は、時刻t2にて、渋滞時レベル3の自動運転が不許可とされると、周辺監視を促す報知を開始する。加えてHCU100は、走行予定の渋滞が継続しているか否かの入力をドライバに促す報知を実施する。HCU100は、渋滞の継続を示すドライバ入力を取得した場合、このドライバによるユーザ操作の入力情報を自動運転ECU50bに出力する。
自動運転ECU50bは、渋滞の継続を示す渋滞情報及びドライバの入力情報のいずれかを取得していた場合、時刻t8にて、車速が渋滞解消速度V1に到達しても、渋滞時レベル3の自動運転の終了を保留する。即ち、自動運転ECU50bは、車輪速センサ41又は周辺監視センサ30等のセンサ情報から自車周囲の渋滞解消を認識しても、車外から受信する渋滞情報又はドライバ判断を信頼し、渋滞時レベル3の自動運転を解除しない。自動運転ECU50bは、渋滞情報の示す渋滞終了地点を通過するか又は渋滞解消の入力情報を取得する時刻t9にて、渋滞時レベル3の自動運転を終了し、周辺監視義務のあるレベル2の自動運転に切り替える。
HCU100は、時刻t8にて渋滞時レベル3の自動運転の終了が保留される場合、時刻t8以前に、渋滞時レベル3の自動運転が継続されることを示す報知を行う。このとき、周辺監視を促す報知が強調された様態でさらに実施されてもよい。HCU100は、時刻t9にて渋滞時レベル3の自動運転が解除されると、レベル2の自動運転に適したコンテンツに表示を切り替える。
ここまで説明した第一実施形態では、アイズオフ自動運転が開始された後であれば、第1渋滞状態から第2渋滞状態に遷移した場合でも、アイズオフ自動運転の許可状態が継続される。このように、アイズオフ自動運転の継続条件が開始条件よりも緩和されれば、一旦開始されたアイズオフ自動運転が早急に終了されてしまう事態は回避され得る。以上により、継続的なアイズオフ自動運転が実施され易くなるため、自動運転についての利便性が確保可能になる。
加えて第一実施形態では、アイズオフ自動運転が開始されてからの経過時間が計測される。そして、許可制御部177は、経過時間が所定時間以内である場合、第2渋滞状態でのアイズオフ自動運転の継続を許可できる。故に、側方車両As1,As2が一時的にいなくなった場合であれば、アイズオフ自動運転は、解除されることなく、継続され得る。一方で、経過時間が所定時間を超える場合、第2渋滞状態でのアイズオフ自動運転の継続が許可されなくなる。故に、アイズオフ自動運転の開始後、側方車両As1,As2の存在しない状態が継続した場合、許可制御部177は、アイズオフ自動運転を解除できる。尚、時間計測部173は、アイズオフ自動運転の開始後の経過時間に替えて、第1渋滞状態から第2渋滞状態への遷移後の経過時間を計測してもよい。
また第一実施形態では、ドライバの運転姿勢が把握され、許可制御部177は、第2渋滞状態でのアイズオフ自動運転の継続を許可するか否かを、ドライバの運転姿勢に応じて決定する。このように、ドライバの運転姿勢が良好な場合であれば、隣接レーンLa1,La2からの他車両からの割り込みにも対応が可能となる。故に、割り込みが発生し易い第2渋滞状態であっても、周辺監視義務のないアイズオフ自動運転の継続が許可されてよい。
一方、ドライバの運転姿勢が運転操作に適していない場合、隣接レーンLa1,La2からの他車両の割り込みに対応できない可能性がある。故に、許可制御部177は、割り込みが発生し難い第1渋滞状態や第3渋滞状態でのみアイズオフ自動運転の継続を許可する。以上によれば、ドライバの運転姿勢に応じて適切にアイズオフ自動運転が継続可能となるため、ドライバにとって利便性が向上する。
さらに第一実施形態では、自車両Aoが走行中の道路種別が把握され、許可制御部177は、第2渋滞状態でのアイズオフ自動運転の継続を許可するか否かを、道路種別に応じて決定する。例えば、他車両からの割り込みを把握し易い直線区間等の道路種別であれば、第2渋滞状態でアイズオフ自動運転の継続が許可されても、リスクの上昇が回避され得る。一方で、割り込みを把握し難いカーブ区間及び被合流区間等の道路種別である場合、第2渋滞状態でアイズオフ自動運転の継続が許可されると、他車両のリスクが高くなる。以上のように、道路種別に応じて継続可否を判定すれば、リスクの低減を図りつつ、自動運転の利便性を向上させることができる。
加えて第一実施形態では、ドライバが実施するセカンドタスクの内容が把握され、許可制御部177は、第2渋滞状態でのアイズオフ自動運転の継続を許可するか否かを、セカンドタスクの内容に応じて決定する。セカンドタスクが例えばドライバの手をふさがないような内容であれば、隣接レーンLa1,La2からの他車両の割り込みにも対応が可能となる。故に、第2渋滞状態であってもアイズオフ自動運転の継続が許可されてよい。一方、セカンドタスクが例えばドライバの手をふさぐような内容であれば、他車両の割り込みへの対応が難しくなる。故に、第1渋滞状態や第3渋滞状態に限り、アイズオフ自動運転の継続が許可されるのがよい。以上のように、セカンドタスクの内容に応じて継続可否を判定すれば、リスクの低減を図りつつ、自動運転の利便性を向上させることができる。
また第一実施形態では、渋滞の解消予測後に再渋滞となった回数が再渋滞カウンタ164によってカウントされる。そして、再渋滞となったカウントが所定回数以下の場合、再渋滞中では、第2渋滞状態でのアイズオフ自動運転の継続が不許可となる。再渋滞し始めでは、すぐに渋滞が解消される可能施が高い。故に、再渋滞のカウントが所定回数以下の場合に第2渋滞状態での自動運転の継続を見送れば、ドライバは、渋滞の解消に円滑に対応し得る。
一方、再渋滞となったカウントが所定回数以下の場合、再渋滞中では、第2渋滞状態でのアイズオフ自動運転の継続が許可される。再渋滞が繰り返されるような場合には、すぐに渋滞が解消される可能性が低くなる。故に、第2渋滞状態であっても自動運転の継続を許可すれば、リスクを抑制しつつ自動運転の利便性向上を図ることが可能になる。
さらに第一実施形態では、自車レーンLoの片側のみに隣接レーンLa2が存在する場合、自車レーンLoの両側に隣接レーンLa1,La2が存在する場合よりも所定回数が少なく設定される。このように、隣接レーンLa2が片側のみである場合、割り込みの可能性が低くなる。故に、隣接レーンLa1,La2の数に応じて所定回数を調整すれば、リスクを抑制しつつ自動運転の利便性向上を図ることが可能になる。
加えて第一実施形態では、アイズオフ自動運転が開始された後であれば、自車周囲の渋滞状態の解消が認識されても、走行予定の道路の渋滞情報に基づき渋滞が継続すると判定された場合には、アイズオフ自動運転の終了が保留される。こうしたアイズオフ自動運転の解除条件の成立抑制によれば、一旦開始されたアイズオフ自動運転が早急に終了されてしまう事態は回避され得る。したがって、継続的なアイズオフ自動運転が実施され易くなるため、自動運転についての利便性が確保可能になる。
また第一実施形態では、アイズオフ自動運転が開始された後であれば、自車周囲の渋滞状態の解消が認識されても、ドライバ判断に基づく入力情報に基づき渋滞が継続すると判定された場合には、アイズオフ自動運転の終了が保留される。こうしたアイズオフ自動運転の解除条件の成立抑制によれば、一旦開始されたアイズオフ自動運転が早急に終了されてしまう事態は回避され得る。したがって、継続的なアイズオフ自動運転が実施され易くなるため、自動運転についての利便性が確保可能になる。
尚、上記実施形態において、渋滞速度V2が「所定速度」に相当し、周辺監視センサ30及び車輪速センサ41が「自律センサ」に相当し、道路把握部161が「道路種別把握部」に相当し、自動運転ECU50bが「自動運転制御装置」に相当する。
(第二実施形態)
図13~図19に示す本開示の第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。第二実施形態では、自車レーンLoが追越レーンLpであるか否かに応じて、自動運転ECU50bによる自動運転制御及びHCU100による情報提示制御の各内容が変更される。以下、第二実施形態の自動運転制御及び情報提示制御の詳細を、図13~図19に基づき、図1及び図3~図6を参照しつつ説明する。
渋滞認識部163は、自車両Aoの周囲の渋滞状態として、第一実施形態の第1~第3渋滞状態に加えて、第4~第6渋滞状態をさらに認識する。第4~第6渋滞状態は、自車両Aoが追越レーンLpを走行する場合の渋滞状態である。一方で、第二実施形態の第1~第3渋滞状態は、自車レーンLoが走行レーンLdとなる場合を主に示す。
第4渋滞状態(図13参照)は、第3渋滞状態(図6参照)と同様に、第1渋滞状態(図3参照)に含まれる渋滞状態の一つである。渋滞認識部163は、自車両Aoが追越レーンLpを走行しており、かつ、自車両Aoの車速が渋滞速度V2以下であって前方車両Afと側方車両As1とが共に存在する第1渋滞状態であると認識された場合に、自車周囲が第4渋滞状態であると認識する。第4渋滞状態では、第1渋滞状態と同様に、隣接レーンLa1及び自車レーンLo間での車線変更が実質的に不可能となる。
第5渋滞状態(図14参照)は、第2渋滞状態(図4及び図5参照)に含まれる渋滞状態の一つである。渋滞認識部163は、自車両Aoが追越レーンLpを走行しており、かつ、自車両Aoの車速が渋滞速度V2以下であって前方車両Afが存在する一方で側方車両As1が存在しない2渋滞状態であると認識された場合に、自車周囲が第5渋滞状態であると認識する。第5渋滞状態では、第2渋滞状態と同様に、隣接レーンLa1及び自車レーンLo間での車線変更が可能となる。
第6渋滞状態(図15参照)は、第2渋滞状態及び第5渋滞状態に含まれる渋滞状態の一つである。渋滞認識部163は、第5渋滞状態に相当するシーンであり、かつ、追越レーンLpから隣接レーンLa1(走行レーンLd)への車線変更を行うことで、第1渋滞状態に移行できる場合に、自車周囲が第6渋滞状態であると認識する。渋滞認識部163によって第6渋滞状態であると認識された場合、隣接レーンLa1への車線変更をドライバに促す車線変更提案報知(図17 S233参照)が実施される。
渋滞認識部163は、渋滞認識処理(図16参照)により、上述の第1~第6渋滞状態を識別する。以下、第二実施形態の渋滞認識処理の詳細を説明する。尚、第二実施形態におけるS211,S222,S216~S222の各処理は、第一実施形態のS11~S19の各処理と実質的に同一である。
渋滞認識部163は、自車両Aoの車速が渋滞速度V2以下であり(S211:YES)、前方車両Afが存在する場合(S212:YES)、道路把握部161によるレーン判定結果を参照し、追越レーンLpを走行中であるか否かを判定する(S213)。自車両Aoが走行レーンLdを走行している場合(S213:NO)、渋滞認識部163は、第1~第3渋滞状態のうちで現在の自車周囲の渋滞状態を識別する処理を実施する(S216~S218,S220~S222)。
一方、自車両Aoが追越レーンLpを走行している場合(S213:YES)、渋滞認識部163は、他車両把握部162による他車両の把握結果を参照し、隣接レーンLa1に側方車両As1が存在するか否かを判定する(S214)。隣接レーンLa1に側方車両As1が存在する場合(S214:YES)、渋滞認識部163は、自車周囲が第4渋滞状態(図13参照)であると識別する(S223)。
対して、隣接レーンLa1に側方車両As1が存在しない場合(S214:NO)、渋滞認識部163は、隣接レーンLa1への車線変更が推奨されるシーンか否かを判定する(S215)。渋滞認識部163は、前方及び左右両側方を他車両によって囲まれるスペースが隣接レーンLa1に存在している場合、車線変更が推奨されるシーンであると判定する(S215:YES)。この場合、渋滞認識部163は、自車周囲が第6渋滞状態(図15参照)であると識別する(S225)。一方、前方及び左右両側方を他車両によって囲まれるスペースが隣接レーンLa1に存在しない場合、渋滞認識部163は、車線変更が推奨されるシーンではないと判定する(S215:NO)。この場合、渋滞認識部163は、自車周囲が第5渋滞状態(図14参照)であると識別する(S224)。
次に、許可制御部177によって実施される第二実施形態の自動運転許可処理及び状態制御処理の各詳細を説明する。
許可制御部177は、自動運転許可処理(図17参照)にて、道路把握部161によるレーン判定結果を参照し、追越レーンLpを走行中であるか否かを判定する(S231)。自車両Aoが走行レーンLdを走行している場合(S231:NO)、許可制御部177は、渋滞認識部163にて実施される渋滞認識処理の結果を参照し、現在の自車周囲の渋滞状態を判別する(S235)。自車周囲が第1渋滞状態又は第3渋滞状態である場合(S235:YES)、許可制御部177は、渋滞時レベル3での自動運転の開始を許可する(S236)。一方、自車周囲が第2渋滞状態である場合又は非渋滞状態である場合(S235:NO)、許可制御部177は、渋滞時レベル3での自動運転の開始を不許可にする(S237)。
一方、自車両Aoが追越レーンLpを走行している場合(S231:YES)、許可制御部177は、渋滞認識処理の結果を参照し、自車周囲が第6渋滞状態であるか否かを判定する(S232)。自車周囲が第6渋滞状態である場合(S232:YES)、許可制御部177は、情報連携ブロック60と連携し、車線変更提案報知の実施要求をHCU100へ向けて出力する(S233)。
HCU100は、情報取得部71による実施要求の取得に基づき、提示制御部74による車線変更提案報知を実施する。車線変更提案報知では、走行レーンLdへの車線変更がドライバに促される。提示制御部74は、走行レーンLd(隣接レーンLa1)への車線変更を想起させる画像と、「車線変更により、自動運転機能の使用が可能になります」等の文字メッセージを含む画像とを、車線変更提案報知としてメータディスプレイ21等に表示させる。車線変更提案報知を認識したドライバが自車両Aoを走行レーンLdに車線変更させ、自車周囲が第1渋滞状態となった場合、許可制御部177は、渋滞時レベル3での自動運転の開始を許可する(S236)。
許可制御部177は、自車周囲が第6渋滞状態でない場合(S232:NO)、又は第6渋滞状態のまま所定時間が経過した場合、自車周囲が第4渋滞状態であるか否かをさらに判定する(S234)。自車周囲が第4渋滞状態である場合(S234:YES)、許可制御部177は、渋滞時レベル3での自動運転の開始を許可する(S236)。一方、自車周囲が第5渋滞状態又は非渋滞状態である場合(S234:NO)、許可制御部177は、渋滞時レベル3での自動運転の開始を不許可にする(S237)。尚、自車周囲が第6渋滞状態のまま、所定時間が継続した場合も、許可制御部177は、渋滞時レベル3での自動運転の開始を不許可にする。
許可制御部177は、状態制御処理(図18参照)にて、渋滞解消判定処理(図9参照)による渋滞解消判定の結果を参照し、渋滞解消の確定判定の有無を判断する(S271)。渋滞解消の確定判定がある場合(S271:YES)、許可制御部177は、渋滞時レベル3の自律走行制御の終了を決定する(S272)。
一方、渋滞解消の確定判定がない場合(S271:NO)、許可制御部177は、渋滞認識部163による渋滞解消予測(図7 S24参照)の結果を参照し、渋滞解消が予測されているか否かを判断する(S273)。渋滞解消予測がある場合(S273:YES)、許可制御部177は、渋滞時レベル3の自律走行制御の継続を不許可とし、当該自動運転の終了準備を実施する(S280)。
対して、渋滞解消予測がない場合(S273:NO)、許可制御部177は、自車周囲の渋滞状態が第1渋滞状態又は第3渋滞状態であるか否かを判定する(S274)。自車周囲が第1渋滞状態又は第3渋滞状態である場合(S274:YES)、許可制御部177は、渋滞時レベル3の自律走行制御の継続を許可する(S279)。一方、自車周囲が第1渋滞状態及び第3渋滞状態のいずれでもない場合(S274:NO)、許可制御部177は、複数の所定条件(S275,S276,S278)を全て満たした場合に、渋滞時レベル3の自律走行制御の継続を許可する。
許可制御部177は、自車両Aoの車速が渋滞速度V2を超えた後、再び渋滞速度V2以下となった再渋滞の状態か否かを判定する(S275)。許可制御部177は、再渋滞の状態ではなく、最初の渋滞であると判定した場合(S275:NO)に、渋滞時レベル3の自律走行制御の継続を許可する。一方、再渋滞の状態であると判定した場合、許可制御部177は、自車両Aoが追越レーンLpを走行中であるか否かを判定する(S276)。自車両Aoが追越レーンLpを走行している場合(S276:YES)、許可制御部177は、渋滞時レベル3の終了準備を実施する(S280)。
許可制御部177は、自車両Aoが走行レーンLdを走行している場合(S276:NO)、第一実施形態(図10 S76参照)と同様に、自車レーンLoの位置に応じて、判定閾値となる所定回数を設定する(S277)。許可制御部177は、自車レーンLoの位置に対応した所定回数と、再渋滞カウンタ164の値とを比較し(S278)、再渋滞となったカウントが所定回数を超えている場合(S278:YES)、渋滞時レベル3の継続を許可する(S279)。一方、再渋滞となったカウントが所定回数以下の場合(S278:NO)、許可制御部177は、渋滞時レベル3の継続を許可せず、渋滞時レベル3の終了準備を実施する(S280)。
以上の処理によれば、渋滞解消予測(S273:YES)に基づき開始された渋滞時レベル3の終了準備は、自車両Aoが走行レーンLdを走行する場合において、再渋滞状態の認識(S275:YES)に基づいて中断可能となる。一方で、自車両Aoが追越レーンLpを走行する場合、渋滞解消予測に基づき開始された渋滞時レベル3の終了準備は、再渋滞状態が認識されても継続される(S276:YES,S280)。
次に、第二実施形態のHCU100によって実施される運転交代要請処理(図19参照)の詳細を説明する。
自動運転把握部72は、自動運転ECU50bから情報取得部71に提供される制御ステータス情報に基づき、自車両Aoが渋滞中を走行する場合に限定して実施されるアイズオフ自動運転(即ち、渋滞時レベル3)の終了予定を把握する(S101)。一例として、状態制御処理にて渋滞時レベル3の終了が決定された場合(図18 S272参照)、自動運転ECU50bから情報取得部71に渋滞時レベル3の終了予定を通知する制御ステータス情報が提供される。アイズオフ自動運転が終了された場合、自動運転システム50は、自動運転の制御状態を、レベル2の運転支援制御又は手動運転に遷移させる。
自動運転把握部72は、渋滞時レベル3の終了予定を把握すると(S101:YES)、自車レーンLoの位置を判別する。自動運転把握部72は、例えば道路把握部161によるレーン判定結果を含んだ制御ステータス情報に基づき、自車両Aoが追越レーンLpを走行しているか否かを判定する(S102)。
提示制御部74は、自車両Aoが複数レーンを含む道路を走行している場合、自車レーンLoの位置に応じて、運転交代のスケジュールを変更する。提示制御部74は、自車両Aoが追越レーンLpを走行している場合(S102:YES)、追越レーンLp用の運転交代スケジュールを設定する(S103)。一方、自車両Aoが走行レーンLdを走行している場合(S102:NO)、提示制御部74は、走行レーンLd用の運転交代スケジュールを設定する(S104)。
提示制御部74は、渋滞時レベル3の自律走行制御によって自車両Aoが追越レーンLpを走行している場合、走行レーンLdを走行している場合よりも、交代要請報知の開始タイミングを早める。具体的に、提示制御部74は、渋滞時レベル3の自律走行制御の終了が予定される予定地点(以下、終了予定地点)を取得し、この終了予定地点よりも所定距離(以下、運転交代距離)だけ手前側の地点を、交代要請報知の開始地点とする。提示制御部74は、追越レーンLp用の運転交代スケジュールにおいて、走行レーンLd用の運転交代スケジュールよりも、運転交代距離を長く設定する。一例として、追越レーンLpを走行する場合、提示制御部74は、終了予定地点まで1.2~1.5km程度の地点を交代要請報知の開始地点に設定する。一方で、走行レーンLdを走行する場合、提示制御部74は、終了予定地点まで1km程度の地点を交代要請報知の開始地点に設定する。
ここで、交代要請報知の開始タイミングを調整する処理は、自動運転ECU50bとの連携によって実現されてもよい。一例として、渋滞認識部163は、自車両Aoが追越レーンLpを走行している場合、走行レーンLdを走行している場合よりも、渋滞解消速度V1を低く設定する。即ち、渋滞認識部163は、追越レーンLpを走行する場合に、渋滞解消と判定する条件(渋滞解消速度V1等)を緩和する。こうした調整処理により、渋滞解消判定(図18 S271)の基準が緩和されれば、渋滞時レベル3の終了予定地点は、追越レーンLpを走行する場合、走行レーンLdを走行する場合よりも、自車両側(手前側)に設定される。その結果、提示制御部74は、交代要請報知の開始タイミングを早めることが可能になる。
提示制御部74は、設定した運転交代スケジュールに基づき、報知開始のタイミングが到来したか否かを判定する(S105)。提示制御部74は、報知開始タイミングの到来に基づき(S105:YES)、交代要請報知を開始し、ドライバへ向けて運転交代を要請する。交代要請報知は、渋滞時レベル3の終了予定と、運転操作の制御権の引き取りが必要なこととをドライバに示す報知である。交代要請報知は、渋滞時レベル3が終了される以前に開始され、所定時間継続される。提示制御部74は、例えば「自動運転が解除されます ハンドルを握ってください」等の文字メッセージを含む画像を、交代要請報知としてメータディスプレイ21及びHUD23の少なくとも一方に表示させる。提示制御部74は、交代要請報知として、アンビエントライト25の発光色を変化させてもよい。
ここまで説明した第二実施形態でも、第一実施形態と同様に、アイズオフ自動運転の継続条件が開始条件よりも緩和されている。その結果、継続的なアイズオフ自動運転が実施され易くなるため、自動運転についての利便性が確保可能になる。
加えて第二実施形態では、自車両Aoが追越レーンLpを走行する場合に、渋滞状態の認識に基づくアイズオフ自動運転の開始が抑制される。一般的に、追越レーンLpでは、走行レーンLdよりも渋滞の解消が早期となり易いため、追越レーンLpでのアイズオフ自動運転の開始の抑制によれば、一旦開始されたアイズオフ自動運転が早急に終了されてしまう事態は回避され得る。以上により、継続的なアイズオフ自動運転が実施され易くなるため、自動運転についての利便性が確保可能になる。
また第二実施形態の渋滞認識部163は、自車両Aoが追越レーンLpを走行しており、自車両Aoの車速が渋滞速度V2以下であり、かつ、前方車両Af及び側方車両As1が共に存在する渋滞状態を、第4渋滞状態と認識する。さらに、渋滞認識部163は、自車両Aoが追越レーンLpを走行しており、自車両Aoの車速が渋滞速度V2以下であり、かつ、前方車両Afが存在する一方で側方車両As1が存在しない渋滞状態を、第5渋滞状態と認識する。そして、許可制御部177は、自車周囲が第4渋滞状態である場合には、アイズオフ自動運転の開始を許可する一方で、自車周囲が第5渋滞状態である場合には、アイズオフ自動運転の開始を許可しない。
一般的に、隣接レーンLa1に側方車両As1が存在する第4渋滞状態(第1渋滞状態)は、隣接レーンLa1に側方車両As1が存在しない第5渋滞状態(第2渋滞状態)よりも、渋滞状態が解消され難いと推測される。故に、第4渋滞状態である場合にアイズオフ自動運転を許可しても、一旦開始されたアイズオフ自動運転が早急に終了されてしまう事態は生じ難くなる。その結果、アイズオフ自動運転を使用できるシーンを増やしつつ、継続的なアイズオフ自動運転が実施可能になるため、自動運転の利便性は、いっそう向上し得る。
さらに第二実施形態では、追越レーンLpから走行レーンLdへの車線変更により、渋滞状態の認識に基づくアイズオフ自動運転の開始が許可される場合、走行レーンLdへの車線変更をドライバに促す車線変更提案報知が実施される。こうした報知の実施によれば、追越レーンLpにおけるアイズオフ自動運転の開始が制限されていても、ドライバは、アイズオフ自動運転の機能を利用し易くなる。したがって、自動運転の利便性は、いっそう向上し得る。
加えて第二実施形態では、追越レーンLpを自車両Aoが走行する場合、再渋滞状態と認識されても、アイズオフ自動運転の終了準備が継続される。上述したように、追越レーンLpでは、走行レーンLdよりも渋滞の解消が早期となり易いため、再渋滞状態となってもアイズオフ自動運転の終了準備を継続した方が、不要な制御状態の変化が抑制され得る。その結果、アイズオフ自動運転を円滑に終了させることができるため、自動運転についての利便性が確保可能になる。
また第二実施形態では、追越レーンLpを走行する場合に、走行レーンLdを走行する場合よりも、交代要請報知の開始タイミングが早められる。上述したように、追越レーンLpでは、走行レーンLdよりも渋滞の解消が早期となり易いため、追越レーンLpにおける交代要請報知の開始タイミングが早められることで、アイズオフ自動運転からドライバへの運転交代のプロセスがスムーズに実施され得る。したがって、自動運転についての利便性が確保可能になる。
さらに第二実施形態では、アイズオフ自動運転の終了予定地点から交代要請報知の開始地点までの運転交代距離が、追越レーンLpを走行している場合に、走行レーンLdを走行している場合よりも長く設定される。以上によれば、交代要請報知の開始タイミングを確実に早めることが可能になるため、スムーズな運転交代がいっそう実現され易くなる。
加えて第二実施形態では、自車両Aoが追越レーンLpを走行している場合に、自車両Aoが走行レーンLdを走行している場合よりも、渋滞解消の条件が緩和される。こうした制御によっても、交代要請報知の開始タイミングを確実に早めることが可能になる。したがって、スムーズな運転交代がいっそう実現され易くなる。
尚、第二実施形態では、情報連携ブロック60が「報知実施部」に相当し、自動運転把握部72が「制御把握部」に相当し、提示制御部74が「報知制御部」に相当し、道路把握部161が上述の「道路種別把握部」に加えて「レーン判定部」に相当する。さらに、HCU100が「提示制御装置」に相当する。
(第三実施形態)
本開示の第三実施形態は、第二実施形態の変形例である。第三実施形態では、自動運転ECU50bにて実施される自動運転許可処理(図20参照)の詳細が、第二実施形態とは異なっている。第三実施形態では、追越レーンLpを走行する場合に渋滞時レベル3の開始を許可する条件(以下、第1許可条件)が、走行レーンLdを走行する場合に渋滞時レベル3の開始を許可する条件(以下、第2許可条件)よりも厳しく設定されている。以下、第三実施形態の自動運転許可処理の詳細を、図20に基づき、図1,図3~図6及び図13~図15を参照しつつ、説明する。
許可制御部177は、自車両Aoが走行レーンLdを走行しているとき(S331:NO)、自車周囲が第1渋滞状態又は第3渋滞状態である場合(S334:YES)に、渋滞時レベル3の開始を許可する(S335)。即ち、第2許可条件は、自車両Aoの車速が渋滞速度V2以下であり、かつ、前方車両Af及び側方車両As1,As2が全て存在することである。
一方、自車両Aoが追越レーンLpを走行しているとき(S331:YES)、自車周囲が第4渋滞状態である場合(S332:YES)、許可制御部177は、他車両把握部162による他車両の把握結果を参照する。許可制御部177は、他車両の把握結果に基づき、後方車両の有無をさらに判定する(S333)。後方車両は、自車レーンLoを走行し、かつ、自車両Aoの後方に位置して、自車両Aoに追従するように走行している他車両である。許可制御部177は、後方車両が把握されている場合(S333:YES)に、渋滞時レベル3の開始を許可する(S335)。一方、後方車両が把握されていない場合(S333:NO)、許可制御部177は、渋滞時レベル3の開始を許可しない(S336)。以上のように、第1許可条件は、自車両Aoの車速が渋滞速度V2以下であり、かつ、前方車両Af、側方車両As1及び後方車両が全て存在することである。
ここまで説明した第三実施形態でも、追越レーンLpを自車両Aoが走行する場合の第1許可条件が、走行レーンLdを自車両Aoが走行する場合の第2許可条件よりも厳しく設定されている。その結果、追越レーンLpでのアイズオフ自動運転の開始が抑制される。上述したように、追越レーンLpでは、走行レーンLdよりも渋滞の解消が早期となり易いため、追越レーンLpでのアイズオフ自動運転の開始の抑制によれば、一旦開始されたアイズオフ自動運転が早急に終了されてしまう事態は回避され得る。以上により、第三実施形態でも、第二実施形態と同様の効果を奏し、継続的なアイズオフ自動運転が実施され易くなるため、自動運転についての利便性が確保可能になる。
加えて第三実施形態の許可制御部177は、他車両把握部162にて後方車両が把握されていることを、第1許可条件及び第2許可条件のうちで第1許可条件にのみに含んでいる。このように、後方車両が存在している場合、後方車両が存在していない場合よりも渋滞状態が解消され難いと推測される。故に、後方車両の存在を追加条件としてアイズオフ自動運転を許可すれば、一旦開始されたアイズオフ自動運転が早急に終了されてしまう事態は生じ難くなる。以上によれば、継続的なアイズオフ自動運転が実施可能になるため、自動運転の利便性は、いっそう向上し得る。
(他の実施形態)
以上、本開示の複数の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
上記第一実施形態では、アイズオフ自動運転の経過時間、ドライバの運転姿勢、道路種別及びセカンドタスクの内容等の全ての条件が満たされた場合に、第2渋滞状態での自動運転継続が許可された。対して、上記実第一施形態の変形例1では、上記条件の少なくとも一部が省略されている。一例として、変形例1では、第2渋滞状態であれば、上記の他の条件を満たさなくても、第1渋滞状態及び第3渋滞状態と同様に自動運転の継続が許可される。
上記第一実施形態の変形例2では、隣接レーンLa1,La2の数に応じた所定回数の調整が省略される。また上記第一実施形態の変形例3では、再渋滞カウンタ164による再渋滞の回数カウントが省略されている。
上記第一実施形態の変形例4では、渋滞情報に基づくアイズオフ自動運転の解除保留処理が省略されている。さらに、上記第一実施形態の変形例5では、ドライバの渋滞継続判断に基づくアイズオフ自動運転の解除保留処理が省略される。
上記第二実施形態の変形例6の自動運転許可処理(図21参照)、第4渋滞状態であるか否かの判定が省略されている。許可制御部177は、自車両Aoが追越レーンLpを走行している場合(S431:YES)、アイズオフ自動運転の開始を許可しない(S434)。尚、変形例6でも、自車両Aoが走行レーンLdを走行している場合(S431:NO)、許可制御部177は、自車周囲が第1渋滞状態又は第3渋滞状態である場合(S432:YES)に、渋滞時レベル3の開始を許可する(S433)。
上記実施形態の運転支援ECU50a及び自動運転ECU50bの各機能は、一つの自動運転ECUによって提供されていてもよい。加えて、自動運転ECUは、HCUの機能を備えていてもよい。このように、自動運転ECUにHCUの機能が実装された形態では、一体構成されたECU(コンピュータ)が、「自動運転制御装置」及び「情報提示装置」に相当する。さらに、提示制御部74が「報知実施部」に相当する。
また、上記実施形態にて、自動運転ECU及びHCUによって提供されていた各機能は、ソフトウェア及びそれを実行するハードウェア、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの複合的な組合せによっても提供可能である。さらに、こうした機能がハードウェアとしての電子回路によって提供される場合、各機能は、多数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路によっても提供可能である。
上述の実施形態の各処理部は、プリント基板に個別に実装された構成であってもよく、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)及びFPGA等に実装された構成であってもよい。また、提示制御方法を実現可能なプログラム等を記憶する記憶媒体の形態も、適宜変更されてよい。例えば記憶媒体は、回路基板上に設けられた構成に限定されず、メモリカード等の形態で提供され、スロット部に挿入されて、HCUの制御回路に電気的に接続される構成であってよい。さらに、記憶媒体は、HCUへのプログラムのコピー基となる光学ディスク及びのハードディスクドライブ等であってもよい。
HMIシステムを搭載する車両は、一般的な自家用の乗用車に限定されず、レンタカー用の車両、有人タクシー用の車両、ライドシェア用の車両、貨物車両及びバス等であってもよい。さらに、モビリティサービスに用いられるドライバーレス車両に、HCUを含むHMIシステムが搭載されてもよい。
HMIシステムを搭載する車両は、右ハンドル車両であってもよく、又は左ハンドル車両であってもよい。さらに、車両が走行する交通環境は、左側通行を前提とした交通環境であってもよく、右側通行を前提とした交通環境であってもよい。本開示による運転支援のための各コンテンツ表示は、それぞれの国及び地域の道路交通法、さらに車両のハンドル位置等に応じて適宜最適化される。
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウェア論理回路により、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。