JP2022114988A - 画像投写装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】あおり投写時のフォーカス状態を容易に調整可能な画像投写装置を提供すること。【解決手段】画像投写装置は、光源から出力される光を変調し、投写光学系を介して投写面に投写画像を表示する画像投写装置であって、投写画像のフォーカスが合う位置である像面を傾けるティルト手段と、ユーザーによる操作入力に応じて入力画像を変形して変形画像を生成する画像生成手段とを有し、ティルト手段は、変形画像の入力画像に対する変形量に基づく像面の傾き量を用いて像面を傾ける。【選択図】図1
Description
本発明は、投写面に対して斜め方向からの投写を行う際にフォーカス合わせを実行可能な画像投写装置に関する。
従来、スクリーンに対して画像投写装置の光軸が斜めに交わるように斜め方向からの投写(あおり投写)を行う場合、スクリーン上の投写画像の幾何学歪みを補正する画像投写装置が知られている。しかしながら、あおり投写時には投写画像の手前側と奥側で投写距離差が大きくなり投写画像全域が像面の深度内(フォーカスが合う範囲)に収まらず、画質が低下することがある。特許文献1には、レンズ群の偏芯により片ボケを発生させることで像面を傾け、あおり投写を行う際の結像性能を向上させる画像投写装置が開示されている。
しかしながら、特許文献1の画像投写装置のように、フォーカス調整、レンズシフト調整、及び像面湾曲調整等の通常のレンズ調整に加え、像面を傾ける調整(像面ティルト調整)を行うことは、ユーザーにとって煩雑である。また、像面ティルト調整を行う場合、どこを基準として像面が傾くかはレンズ状態や画像投写装置の設置状態により異なるため、直観的に像面ティルト調整を行うことは困難である。
本発明は、あおり投写時のフォーカス状態を容易に調整可能な画像投写装置を提供することができる。
本発明の一側面としての画像投写装置は、光源から出力される光を変調し、投写光学系を介して投写面に投写画像を表示する画像投写装置であって、投写画像のフォーカスが合う位置である像面を傾けるティルト手段と、ユーザーによる操作入力に応じて入力画像を変形して変形画像を生成する画像生成手段とを有し、ティルト手段は、変形画像の入力画像に対する変形量に基づく像面の傾き量を用いて像面を傾けることを特徴とする。
本発明によれば、あおり投写時のフォーカス状態を容易に調整可能な画像投写装置を提供することができる。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本実施例のプロジェクタ(画像投写装置)100のブロック図である。プロジェクタ100は、映像信号入力部110、操作入力部120、情報処理部130、光源140、表示パネル150、投写光学系160、レンズティルト機構170、及びレンズシフト機構180を有する。
映像信号入力部110は、有線通信により信号を受信する端子群や無線通信により信号を受信する受信器を有し、コンポジット映像信号、DVI映像信号、及びHDMI(登録商標)映像信号等の入力映像信号(入力画像信号)を外部から受信する。映像信号入力部110に入力された入力映像信号は、情報処理部130に送られる。
操作入力部120は、ユーザーにより操作されるボタン等の操作部材及びプロジェクタ100を遠隔操作するためのリモコンからの制御信号を受信する受信部を有し、制御信号に応じて操作信号を出力する。操作信号により、電源のオン/オフ、投写モードの選択、各種調整値の変更、及び各種絞りや投写レンズの制御(フォーカス/ズーム)等が行われる。
情報処理部130は、制御部131及び映像信号処理部(画像生成手段)132を有する。情報処理部130は、CPU及びCPUが実行する制御プログラムを格納するメモリを含む。制御部131は、操作入力部120からの操作信号に応じてプロジェクタ100の様々な動作を制御可能である。映像信号処理部132は、入力映像信号に対して幾何学歪み(キーストーン)補正、ブライトネス補正、コントラスト補正、ガンマ変換、色変換、及び解像度変換等の画像処理を行い、変形画像を生成する。また、映像信号処理部132は、入力画像に対して各種テストパターン画像やマーカーを重畳可能である。また、映像信号処理部132は、表示パネル150に対するパネル駆動信号を生成する。
光源140は、ランプ、レーザダイオード、又はLED等により構成され、光を発する。光は不図示の色分離光学系によりR、G及びB光に分離されて、各色光はそれぞれに対応した表示パネル150に導かれる。また、光は、時分割的にR、G及びB光に分離されてもよい。
表示パネル150は例えば、1920×1080個(フルHD)の変調画素を有し、R、G及びB光に対応する3枚の液晶パネル(透過型又は反射型液晶パネル)やDMD(デジタルマイクロミラーデバイス)により構成される。表示パネル150は、パネル駆動信号を受けて各変調画素に入射したR、G及びB光を変調する。変調されたR、G及びB光は、不図示の色合成光学系により合成された後、投写光学系160を介して画像光として投写され、スクリーン(被投写面)に投写画像として表示される。また、光源140からの光を時分割的にR、G及びB光に分離する場合、1枚の表示パネルを時分割的に制御してもよい。
投写光学系160は、ズーム調整群(ズーム調整手段)161及びフォーカス調整群(フォーカス調整手段)162を含む複数のレンズ群で構成される。投写光学系160は、表示パネル150で変調された光(画像)をスクリーンに結像させることで投写画像として表示する。また、投写光学系160は、プロジェクタ100の本体部に着脱可能に構成されていてもよい。
ズーム調整群161及びフォーカス調整群162はそれぞれ、1つ以上のレンズで構成される。各レンズ群は、モーター及びエンコーダ(位置検出部)に接続され、制御部131からの駆動信号に基づいて駆動する。
ズーム調整群161を駆動することで、投写光の画角を変更し、スクリーンに表示される投写画像を光学的に拡大又は縮小するズーム調整を実行することができる。なお、本実施例では、ズーム調整群161をズーム調整手段として機能させているが、本発明はこれに限定されない。例えば、投写画像をデジタル的に変倍するズーム調整を行う構成をズーム調整手段として機能させてもよい。具体的には、表示パネル150の使用領域(変調領域)を変更したり、映像信号処理部132により投写画像の表示サイズを画像処理で変更したりすればよい。
フォーカス調整群162を駆動することで、投写画像のピントが合う位置(像面)を投写光学系160の光軸方向へ移動させるフォーカス調整を実行することができる。像面はある程度の深度(被写界深度)を持っており、この範囲内にスクリーンがあれば十分にフォーカスがあった画像が得られる。フォーカス調整群162により投写画像のピント状態を調整することができ、ボケのない投写画像を表示することができる。
レンズティルト機構(ティルト手段)170は、投写光学系160を傾けることで投写画像のフォーカスが合う位置である像面をプロジェクタ100に対して傾けることができる。
レンズシフト機構(シフト調整手段)180は、投写光学系160を光軸に垂直な方向へ移動(シフト駆動)させるメカ機構である。投写光学系160をシフト駆動させることで、スクリーンに表示される投写画像の表示位置を光学的にシフトさせるレンズシフト調整を実行することができる。なお、シフト方向は、光軸に垂直な方向に限らず、光軸に垂直な成分を有していれば斜め方向であってもよい。また、レンズシフト機構180は、エンコーダを有し、シフト後の投写画像の表示位置を取得することができる。なお、本実施例では、レンズシフト機構180をシフト調整手段として機能させているが、本発明はこれに限定されない。例えば、投写画像をデジタル的にシフトさせる構成をシフト調整手段として機能させてもよい。具体的には、表示パネル150の使用領域を変更したり、映像信号処理部132により投写画像をシフトさせたりすればよい。
以下、図2を参照して、あおり投写について説明する。図2は、あおり投写の説明図であり、プロジェクタ100を横方向から見た概略図を示している。図2では、プロジェクタ100からスクリーンSCに向けて画像を投写しており、スクリーンSCに投写画像が表示されている。図2(a)では、プロジェクタ100の光軸AXはスクリーンSCと直交しており(プロジェクタ100とスクリーンSCが正対しており)、投写画像300aは歪みなくスクリーンSCに表示される。図2(b)では、プロジェクタ100は、スクリーンSCに対して光軸AXが斜めに交わるように斜め方向からの投写(あおり投写)を行っている。あおり投写では、投写画像300bの上部と下部ではプロジェクタ100からの距離(投写距離)が異なるため、投写画像300bは下部が引き延ばされてスクリーンSCに表示される。このような幾何学的な歪みは、キーストーン歪みや台形歪みと呼ばれる。
以下、図3を参照して、キーストーン補正について説明する。図3は、キーストーン補正の説明図である。図3(a),(c)は、表示パネル150上の使用領域(画像)を表している。図3(b),(d)はそれぞれ、あおり投写を行った際の図3(a),(c)の使用領域に対応するスクリーン上の投写画像を表している。図3(a)の矩形の使用領域によって変調された画像光は、あおり投写を行うと、図3(b)に示されるように、スクリーン上で歪んで表示される。キーストーン補正では、画像処理により入力画像を変形させ、表示パネル150の使用領域を変更することでスクリーン上の投写画像の歪みをデジタル的に低減する。図3(c)において、点線は表示パネル150の全領域を示しており、実線はキーストーン補正後の表示パネル150の使用領域(画像)を示している。図3(c)に示されるようにキーストーン歪みと逆方向の台形に画像を変形させてあおり投写を行うと、図3(d)の実線のようにスクリーン上で入力画像と同様の歪みのない投写画像を表示することができる。
以下、図4を参照して、本実施例の像面を傾ける像面ティルト調整及びレンズティルト機構170について説明する。図4は、レンズティルト機構170の説明図である。なお、本実施例では、レンズティルト機構170が像面を光軸中心に傾ける場合について説明するが、本発明はこれに限定されない。
画像投写装置では一般的に、投写画像の像面は光軸に対して直交する平面となるように投写光学系が設計される。図4(a)は、投写光学系160を傾ける前の状態を示しており、像面400は光軸AXに対して直交している。この場合、プロジェクタ100とスクリーンが正対していれば、投写画像全体のフォーカスを良好に合わせることができる。しかしながら、あおり投写を行う場合、前述したように投写画像の上部と下部(近傍と遠方)の投写距離の差が大きくなり、像面の深度内に画像全体が収まらなくなる。結果として投写画像全体のフォーカスを良好に合わせることができない。
レンズティルト機構170は、投写光学系160を保持するマウントユニット171及び投写光学系160とマウントユニット171との接続点であり、少なくとも3つ以上の接合部172を有する。接合部172は、ギアやアクチュエータを介して制御部131と電気的に接続され、光軸方向へ伸縮可能である。接合部172の伸縮量を調節することで投写光学系160の傾きを、表示パネル150側から見て光軸方向に垂直な方向及び水平な方向のそれぞれに制御することができる。また、センサを設けることや接合部172に対する制御量を取得することで投写光学系160の傾き量を取得することも可能である。
図4(b)は、接合部172を制御することで投写光学系160を図の上方向へ傾けた状態を示している。この状態では、表示パネル150に対して投写光学系160が相対的に傾いており、像面400が光軸AXに対して傾いている。このとき、投写光学系160のレンズ主面と像面400との間にはシャインプルーフの原理が成り立つ。そのため、投写光学系160の傾き量を調整することで、像面の傾き量を調整することができる。上述した構成により、像面ティルト調整を行うことができる。像面ティルト調整を行うことで、スクリーンの傾きに像面の傾きを合わせることができるため、あおり投写時であっても投写画像全体のフォーカスを良好に合わせることができる。
なお、本実施例では、投写光学系160を傾けることで像面ティルト調整を行うが、投写画像のフォーカスが合う位置である像面を傾けることができれば本発明はこれに限定されない。例えば、投写光学系160の複数のレンズ群を意図的に偏芯させることで像面を傾けてもよい(片ボケとも呼ばれる)し、投写光学系160全体ではなく、特定のレンズ群(光学要素)のみを傾けてもよいし、表示パネル150を傾けてもよい。
また、本実施例では、レンズティルト機構170において、接合部172を伸縮させることで、投写光学系160を傾けるが、本発明はこれに限定されない。例えば、投写光学系160に対してピンを取り付け、ピンを中心軸として投写光学系160が回転するようにアクチュエータを構成してもよい。2軸で回転させることで、投写光学系160を所定の角度に傾けることができる。
以下、図5及び図6を参照して、本実施例のプロジェクタ100の動作の概要について説明する。
図5は、プロジェクタ100をあおり投写で使用し、スクリーンSCに投写画像を表示している状態を示す図である。スクリーンSCの傾きは、光軸AXに直交する像面400に対してθvとなっている。あおり投写を行い、キーストーン歪みが生じた場合、ユーザー操作によるキーストーン補正を行うことが可能である。
図6は、投写画像中に表示されるキーストーン補正用の調整ダイアログを示す図である。図6の調整ダイアログが表示(投写)されている場合、ユーザーの操作入力に応じて台形の画像変形量(補正量)を上下左右方向それぞれで調整することができる。これにより、スクリーンSC上で歪みのない画像となるように投写画像が調整される。このとき、画像変形量(変形後の座標)からスクリーンSCの傾きθvを取得し、スクリーンSCの傾きθvと像面との傾きが近づくように像面ティルト調整が行われる。これにより、ユーザーは、像面ティルト調整を意識することなく、あおり投写時のフォーカスを良好に調整することができる。また、キーストーン補正は、画像の形状変形として可視化されるためユーザーが調整を行うことは容易である。そのため、キーストーン補正と同時に像面ティルト調整を行うことで、ユーザーは容易に像面ティルト調整を行うことができる。
以下、図7を参照して、情報処理部130が実行するキーストーン補正時の処理の流れについて説明する。図7は、本実施例の情報処理部130が実行するキーストーン補正時の処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS101では、情報処理部130は、ユーザーによるキーストーン補正のための操作入力が行われたかどうかを判定する。本実施例では、図6のキーストーン調整用ダイアログを用いて操作入力が行われたかどうかが判定される。操作入力が行われたと判定された場合、ステップS102に進み、そうでない場合、本ステップの処理を繰り返す。
ステップS102では、情報処理部130は、キーストーン補正による変形後の座標を計算する。ここでの座標とは、表示パネル150上の画素位置に相当する。例えば、キーストーン補正の調整値(H,V)の幅が左右方向(H方向)及び上下方向(V方向)それぞれで±40として、操作が1回入力されるたびにV方向又はH方向の調整値が1増減する。調整値が1増減した場合、スクリーンSCの傾きθvが1度増減したことによるキーストーン歪みを補正するように、変形後の座標を計算する。調整値(H,V)が(0,+20)である場合、スクリーン傾きが20度である場合に生じるキーストーン歪みを補正する変形後の座標を計算する。調整幅が±40である場合、±40度までのスクリーン傾きに対するキーストーン歪みを補正することができる。
ここで、図8を参照して、座標計算の処理の概要について説明する。図8は、座標計算の説明図である。平面Sはプロジェクタ100の光軸AXに直交する平面であり、平面S上での水平方向及び鉛直方向をそれぞれx軸及びy軸、光軸方向をz軸とする。平面S上の投写画像300は、表示パネル150上に描画される画像と同じアスペクト比で歪みなく表示される。スクリーンSCは、光軸AXとスクリーンSCとの交点を通り、x軸に平行な軸回りに傾きθvだけ傾いている。また、スクリーンSCは、光軸AXとスクリーンSCとの交点を通り、y軸に平行な軸回りに傾きθhだけ傾いている。なお、以下の計算例ではスクリーンSCの傾きθhを0度として説明するが、スクリーンSCの傾きθhが0度でない場合でも計算可能である。
図8では、点Oを射出点として投写画像300をスクリーンSCに投写している。投写画像300の各頂点を点P1から点P4とする。図9(a)は、表示パネル150の使用領域を示しており、表示パネル150上の画素位置をxp軸、yp軸で表し、表示パネル150の最大表示領域の4つの頂点(特徴点)をそれぞれ点P1’から点P4’とする。図9(b)は、スクリーンSC上の投写画像300を示している。このとき、表示パネル150上の点P1’から点P4’は、スクリーンSC上の点P1から点P4に表示される。ここで、ズーム状態(投写光の画角、ズーム調整量)、投写光学系160のシフト状態(シフト調整量)、表示パネル150のサイズ、及びスクリーンSCの傾き(θh,θv)が分かれば、スクリーンSC上の点P1から点P4の座標を計算することができる。表示パネル150の使用領域の4頂点の座標とスクリーンSC上の対応する4頂点の座標から2つの平面間の座標変換行列を算出する。スクリーンSCに歪みのない画像が表示される(表示パネル150の形状とアスペクト比が揃う)ように、スクリーンSC上に点P5から点P8を設定する。算出した座標変換行列を用いて、スクリーンSC上の点P5から点P8を表示パネル150上の点P5’から点P8’に変換する。点P5’から点P8’を頂点とする領域を表示パネル150の使用領域とすることでスクリーンSC上の歪みを低減することができる。以上説明した処理により、スクリーンSCが傾き(θh,θv)だけ傾いている場合の変形後の座標を算出することができる。
ステップS103では、情報処理部130は、ステップS102で算出した変形後の座標を用いてスクリーンSCの傾きθvを取得する。ステップS102で調整値とスクリーンSCの傾きが対応するように変形後の座標を算出している場合、調整値からスクリーンSCの傾きθvを容易に導出できる。例えば、調整値(H,V)=(0,-30)である場合、スクリーン傾きSCのθvは-30度となる。変形後の座標の算出時に調整値とスクリーン傾きが対応していない場合でも、前述した座標計算の処理をから逆算することで、変形後の4頂点の座標からスクリーンSCの傾き(θh,θv)を求めることができる。
ステップS104では、情報処理部130は、レンズティルト機構170を介してステップS103で取得されたスクリーン傾きに応じて投写光学系160の傾きの制御(ティルト制御)を行う。前述したように、投写光学系160のレンズ主面と像面との間にシャインプルーフの原理が成り立つ。すなわち、スクリーン傾きを像面の傾きの目標値として、投写光学系160の傾き量が求まる。
ステップS105では、情報処理部130は、ステップS102で算出された変形後の座標に応じて画像変形を実行する。投写光学系160のティルト制御と同時又はティルト制御後に画像変形を実行することで、ティルト制御によって投写画像が光学的に変形やシフトする場合でも違和感を低減することができる。また、投写光学系160の傾き量に応じて変形後の座標を再度、計算してもよい。
ステップS106では、情報処理部130は、キーストーン補正が終了したかどうかを判定する。キーストーン補正が終了したと判定された場合、キーストーン補正及び像面ティルト調整を終了する。そうでない場合、ステップS101に戻る。ステップS101からS106までの処理は、キーストーン補正の調整値が1増減した場合の処理であり、ユーザーによる操作入力によりスクリーンSC上のキーストーン歪みが抑制されるまで繰り返される。すなわち、キーストーン補正が終了したと判定された場合、スクリーンSC上のキーストーン歪みが抑制されている状態となっている。この状態で取得するスクリーン傾きは実際のスクリーンの傾きと一致する。
本フローを実行することで、像面とスクリーンの傾きを一致させることができるので、あおり投写時のフォーカスを容易に合わせることができる。
なお、ステップS101では、上下方向と左右方向の2軸で操作入力を受け付けて、ステップS105で上下方向及び左右方向のそれぞれで台形補正を実行しているが、必ずしも上下方向と左右方向の2軸調整でなくてもよい。例えば、ユーザーに投写画像の4頂点の1点を選択させ、選択された頂点の位置を操作させることで画像変形を実行してもよい。また、ユーザーが調整値や変形後の座標等の数値を直接入力するように構成されてもよい。
また、ステップS102及びステップS103では、キーストーン補正後の座標を用いてスクリーンSCの傾きを取得するが、必ずしも座標変換処理を用いてスクリーンSCの傾きを取得する必要はない。例えば、あらかじめキーストーン補正の調整値とスクリーンSCの傾きを対応付けておいてもよい。その場合、例えば、キーストーン補正の調整値がV方向へ+5である場合、スクリーンSCの傾きが+1度として像面をティルトさせればよい。これにより、ズーム状態や投写光学系160のシフト状態の取得や、座標計算処理を行うことなく、像面ティルト調整を容易に行うことができる。
また、ステップS104では、像面とスクリーンSCの傾きが一致(近づく)するように投写光学系160を傾けるが、必ずしも像面の傾きをスクリーンSCの傾きに一致させなくてもよい。例えば、投写光学系160の傾け量の分解能を中央、上、下の3段階とし、スクリーンSCの傾き値が負の値で所定の閾値を超えたときに、投写光学系160を「上」の位置に傾けてもよい。これにより、レンズティルト機構170のメカ的な構成や制御を単純にしながらも、あおり投写時のフォーカス合わせに効果を発揮することができる。
また、ステップS104において投写光学系160をティルト制御することで像面を傾けると、フォーカスやズーム、レンズシフトの調整位置がずれることがある。そこで、ティルト制御に応じてフォーカス位置やズーム、レンズシフトのずれを打ち消すように、それぞれの補正制御を行ってもよい。これにより、ティルト制御の前後でフォーカスやズーム、レンズシフトの変動を低減し、像面ティルト調整を含む種々の調整を容易に行うことができる。
実施例1ではキーストーン補正に連動して像面ティルト調整を実行するが、本実施例ではキーストーン補正として画像変形を行わない場合について説明する。その場合、具体的にはプロジェクタ100に像面ティルト調整モードを設け、像面ティルト調整の要求を受け付けると像面ティルト調整用のチャートを投写する。
本実施例のプロジェクタ100は、実施例1のプロジェクタ100と同様の構成を有する。本実施例では、実施例1と同様の構成については説明を省略し、実施例1と異なる箇所について説明する。
図10は、像面ティルト調整モード中の投写画像300として表示する画像を示している。ダイアログ310は、像面ティルト調整用のダイアログであり、ユーザー操作による像面ティルト調整量を表示している。チャート320は、像面ティルト調整用のチャートであり、4つの頂点のマーカーとそれらを繋ぐ直線からなる。チャート320は、数点のマーカー、四角形、及び市松模等のテストパターン画像としてもよい。チャート320を表示した後、ユーザーによる操作入力に応じてチャート320のマーカー位置(頂点)を移動させる。これにより、チャート320の形状が台形に変形し、スクリーンSC上でチャート320を歪みなく表示することができる。情報処理部130は、この変形量(画素移動量)に応じてスクリーンSCの傾きを取得し、スクリーン傾きと像面の傾きが近づくように像面を傾ける。スクリーンSCの傾きの取得方法や像面の傾け方法は、実施例1と同様である。
以上説明したように、本実施例の構成により、像面ティルト調整を容易に実行することができる。また、像面ティルト調整は、実施例1ではキーストーン補正として実行するため、表示パネル150の使用領域が減少するが、本実施例では表示パネル150の使用領域は変更しない。そのため、解像度の低下やデジタル的な画像変形による画質劣化を伴うことなく容易に像面ティルト調整を実行することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
100 プロジェクタ(画像投写装置)
132 映像信号処理部(画像生成手段)
140 光源
160 投写光学系
170 レンズティルト機構(ティルト手段)
SC スクリーン(投写面)
132 映像信号処理部(画像生成手段)
140 光源
160 投写光学系
170 レンズティルト機構(ティルト手段)
SC スクリーン(投写面)
Claims (11)
- 光源から出力される光を変調し、投写光学系を介して投写面に投写画像を表示する画像投写装置であって、
前記投写画像のフォーカスが合う位置である像面を傾けるティルト手段と、
ユーザーによる操作入力に応じて入力画像を変形して変形画像を生成する画像生成手段とを有し、
前記ティルト手段は、前記変形画像の前記入力画像に対する変形量に基づく前記像面の傾き量を用いて前記像面を傾けることを特徴とする画像投写装置。 - 前記ティルト手段は、前記像面の傾きが前記変形画像の特徴点の位置に基づいて取得された前記画像投写装置に対する前記投写面の傾きに近づくように前記像面を傾けることを特徴とする請求項1に記載の画像投写装置。
- 前記画像生成手段は、前記投写画像の幾何学歪みを低減するように前記変形画像を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像投写装置。
- 前記画像生成手段は、前記入力画像に四角形及び4つの頂点のマーカーの少なくとも一つを合成した画像に対する前記操作入力に応じて前記変形画像を生成することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の画像投写装置。
- 前記画像生成手段は、前記入力画像にテストパターン画像を合成した画像に対する前記操作入力に応じて前記変形画像を生成することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の画像投写装置。
- 前記ティルト手段は、前記画像投写装置に含まれる少なくとも一つの光学要素を傾けることで前記像面を傾けることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の画像投写装置。
- 前記ティルト手段は、前記投写光学系に含まれる複数のレンズ群を相対的に偏芯させることで前記像面を傾けることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の画像投写装置。
- 前記変形画像は、前記ティルト手段により前記像面が傾けられた後、前記投写画像として表示されることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の画像投写装置。
- 前記画像生成手段は、前記ティルト手段により前記像面が傾けられた後、前記変形画像を再度、生成することを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の画像投写装置。
- 前記画像生成手段は、前記投写画像の表示サイズを調整するためのズーム調整量及び前記投写画像の表示位置を調整するためのシフト調整量の少なくとも一つを用いて前記変形画像を生成することを特徴とする請求項1乃至9の何れかに一項に記載の画像投写装置。
- 前記ティルト手段により前記像面が傾けられた後、前記投写画像のフォーカス位置、表示サイズ、及び表示位置の変動を打ち消すように前記投写光学系のフォーカス調整、ズーム調整、及びシフト調整の少なくとも一つが実行されることを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の画像投写装置。
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