JP2022114536A - 読取装置及び画像形成システム - Google Patents

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Abstract

【課題】高精度な画像読み取りを実現可能な読取装置及び画像形成システムの新たな形態を提供する。【解決手段】シート搬送方向における第1ローラ対と第2ローラ対との間で、かつ、第1ローラ対のニップ部を通りシート搬送方向に延びるニップ線に対して、高さ方向における第1の側に配置される透過部材と、第1ローラ対から第2ローラ対に向かって搬送されるシートの画像情報を読み取る読取手段と、透過部材に対して高さ方向における第2の側に設けられ、透過部材との間にシートが通過する隙間を形成し、透過部材を介して読取手段と対向する対向部材と、を設ける。シート幅方向に見た場合に、透過部材の高さ方向における第2の側の面は、シート搬送方向の下流に向かって高さ方向における第2の側に傾斜している。上記面のニップ線に対する傾斜角度は、1°以上30°以下である。【選択図】図3

Description

本開示は、読取装置及び画像形成システムに関する。
画像形成装置においては、画像形成装置の画像品質(以下画質と呼ぶ)を高い精度で調整することが求められる。画質の要素としては、色再現性、色安定性、表裏見当精度が挙げられる。画質調整は、オフラインの測定器や熟練作業者による手調整・目調整で行われてきた。しかし、高精度に調整するためには繰り返しの作業が必要である上、そもそも1回の作業においても複数サンプルを測定し数値を平均化することが行われており、画質調整は煩雑な作業であった。そこで、画像形成装置により画像形成されたシート(記録媒体)を受け取って搬送しながらシートの画像情報を読み取ることで自動での画質調整を可能とする、いわゆるインラインの読取装置が用いられる場合がある。特許文献1には、画像形成装置から受け取った用紙の両面から識別標識(トンボ)の位置を読み取ることで、画像形成装置が用紙に形成する画像の位置を補正することが記載されている。
ところで、読取装置において読取ユニットに対するシートの高さ(被写界深度方向におけるシート表面の位置)が変動すると、読取画像の精度が低下し得る。上記文献では、読取ユニットの読取位置に向けて第1の搬送ローラがシートを導入する導入角度と、読取位置から第2の搬送ローラがシートを排出する排出角度とを、読取ユニットに対向する対向部材の表面に対して傾斜させている。この構成により、第1及び第2の搬送ローラの間でシートを撓ませて対向部材の表面に接触させながら搬送することで、読取ユニットに対するシートの高さの変動の抑制を図っている。
特開2016-184863号公報
ところで、上記文献の構成では、読取ユニットに対する高さを安定させるためにシートを積極的に対向部材に当接させることになり、シートが比較的高い接触圧で対向部材と接触する。しかし、搬送されるシートが対向部材と高い接触圧で接触すると、シートの粉(所謂紙粉)が発生、堆積して画像の読取精度が低下したり、シート上の画像に摺擦痕が残ったりする可能性がある。
本開示は、高精度な画像読み取りを実現可能な読取装置及び画像形成システムの新たな形態を提供する。
本開示の一態様は、画像形成装置によって画像形成されたシートの画像情報を読み取る読取装置であって、前記画像形成装置から前記シートを受け取ってシート搬送方向に搬送する第1ローラ対と、前記シート搬送方向における前記第1ローラ対の下流に配置され前記シートを搬送する第2ローラ対であって、前記シート搬送方向に垂直なシート幅方向に見た場合に、前記第1ローラ対のニップ部を通り前記シート搬送方向に延びるニップ線と重なるように配置された第2ローラ対と、前記シート搬送方向における前記第1ローラ対と前記第2ローラ対との間で、かつ、前記ニップ線に対して、前記シート搬送方向及び前記シート幅方向と直交する高さ方向における第1の側に配置され、光を透過する透過部材と、前記第1ローラ対から前記第2ローラ対に向かって搬送される前記シートの画像情報を前記透過部材を介して読み取る読取手段と、前記透過部材に対して前記高さ方向における前記第1の側とは反対側の第2の側に設けられ、前記透過部材との間に前記シートが通過する隙間を形成し、前記透過部材を介して前記読取手段と対向する対向部材と、を備え、前記シート幅方向に見た場合に、前記透過部材の前記高さ方向における前記第2の側の面は、前記シート搬送方向の下流に向かって前記高さ方向における前記第2の側に傾斜しており、前記面の前記ニップ線に対する傾斜角度は、1°以上30°以下である、ことを特徴とする読取装置である。
本開示によれば、高精度な画像読み取りを実現することができる。
本開示の実施形態に係る画像形成システムの概略図。 実施形態に係る調整ユニットの概略図。 実施形態に係る画像読取部の概略図。 実施形態に係るシェーディング動作について説明するための図(a、b)。 実施形態に係る第1読取部の断面図(a~c)。 実施形態に係る第1読取部の断面図(a~d)。 実施形態に係る画像形成システムの構成を表すブロック図。 実施形態に係るユーザインタフェースの表示画面を表す画像(a、b)。 実施形態に係る測定用テストパターンを表す図(a、b)。 実施形態に係る画像形成システムの制御方法を表すフローチャート。 実施形態に係る通常ジョブの動作を説明するための図(a、b)。 実施形態に係る画像位置調整ジョブの動作を説明するための図(a、b)。 比較例の構成を表す図(a~c)。
以下、本開示の例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、一実施形態に係る画像形成システム100Sを示す概略図である。画像形成システム100Sは、画像形成装置100と、調整ユニット400と、フィニッシャ600とを備えている。調整ユニット400はシートの画像情報を読み取る読取装置の一例であり、フィニッシャ600はシートに処理を施すシート処理装置の一例である。
画像形成装置100の筐体101(装置本体とも呼ばれる)には、画像形成手段としての画像形成エンジン102と、画像形成装置100を含めて画像形成システム100Sの動作を制御する主コントローラと、が搭載されている。本実施形態の画像形成エンジン102は、電子写真プロセスにより記録材に画像を形成する光学処理機構及び定着処理機構と、記録材として用いられるシート110の給送及び搬送を行う給送処理機構及び搬送処理機構とを含む。また、画像形成装置100には、これら各機構による処理(例えば、給送処理)に関する制御を行うエンジン制御部312(図7)と、画像形成システム100Sの全体の制御を担うプリンタコントローラ103(図7)とを含む制御ボードが搭載されている。エンジン制御部312は、例えば、画像形成装置100内のシート搬送経路上に設けられた後述の各センサ(137,153,163)の検知信号に基づいて搬送ローラ駆動モータ311や搬送経路の切替を担うガイド部材(131,132)の動作を制御する。記録材としては、普通紙或いは厚紙等の紙、コート紙或いはエンボス紙等の表面処理が施された紙、プラスチックフィルム、又は布等の、材質、厚さ、サイズ及び形状等が異なる多様なシート材を使用可能である。
光学処理機構は、イエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの各色のトナー像を形成するステーション120,121,122,123と、中間転写ベルト106とを備えている。各ステーション120~123では、ドラム状の像担持体(電子写真感光体とも呼ばれる)である感光ドラム105の表面を一次帯電器111が帯電させる。レーザスキャナ部107は、画像データに基づいて生成されレーザスキャナ部107に送信される指令信号に基づいて、感光ドラム105の露光処理を行う。レーザスキャナ部107は、不図示の半導体レーザから放射されるレーザ光をオン、オフに駆動するレーザドライバを有し、半導体レーザからのレーザ光を回転多面鏡により主走査方向に振り分けつつ反射ミラー109を介して感光ドラム105に導く。これにより、感光ドラム105の表面に、画像データに対応する静電潜像が形成される。
現像器112は、トナーを含む現像剤を内部に収容し、帯電したトナー粒子を感光ドラム105に供給する。表面電位分布に応じてトナー粒子がドラム表面に付着することにより、感光ドラム105に担持された静電潜像はトナー像として現像(即ち、可視化)される。感光ドラム105に担持されたトナー像は、トナーの正規帯電極性とは逆極性の電圧が印加される一次転写ローラにより、中間転写ベルト106に転写(即ち、一次転写)される。カラー画像を形成する場合、4つのステーション120~123によって形成されたトナー像が中間転写ベルト106の上で互いに重なるように多重転写されることで、ベルト上にフルカラーのトナー像が形成される。
一方、給送処理機構は、画像形成装置100の筐体101に対して引出可能に挿入された収納庫113から転写ローラ114へ向けて1枚ずつシート110を給送する。中間転写体である中間転写ベルト106に担持されたトナー像は、転写ローラ114によってシート110に転写(即ち、二次転写)される。
中間転写ベルト106の周りには、画像形成を行う際の印字開始位置を決めるための開始位置検出センサ115、シート110の給送タイミングを図るための給送タイミングセンサ116、及び濃度センサ117が配置されている。濃度センサ117は、中間転写ベルト106に担持されたパッチ画像の濃度を測定する。主コントローラは、濃度センサ117の検知結果に基づいて光学処理機構の動作条件(例えば、一次帯電器111の帯電目標電位や現像器112のバイアス電圧の設定)を調整する。
本実施形態の定着処理機構は、第1定着器150及び第2定着器160によって構成されている。第1定着器150は、シート110に熱を加えるための定着ローラ151、シート110を定着ローラ151に圧接させるための加圧ベルト152、及び第1定着器150による定着処理の完了を検知する第1定着後センサ153を含む。定着ローラ151を含む各ローラは中空ローラであり、内部にそれぞれヒータを有する。第1定着器150は、回転体対である定着ローラ151及び加圧ベルト152にシート110を挟持して搬送しながら、シート上のトナー像に熱及び圧力を加える。これによりトナー粒子が溶融し、その後固着することで、シート110に画像が定着する。
第2定着器160は、第1定着器150よりもシート110の搬送経路における下流側に配置されている。第2定着器160は、第1定着器150による定着処理が施された画像の光沢度を高めたり、シート110に対する画像の定着性を確保したりする機能を有する。第2定着器160は、第1定着器150同様に、シート110を搬送しながら加熱及び加圧する回転体対としての定着ローラ161及び加圧ローラ162と、第2定着器160による定着処理の完了を検知する第2定着後センサ163とを有している。
なお、シート110の種類によっては第2定着器160を通す必要がない場合がある。画像形成装置100は、このような場合に、エネルギー消費量低減の目的で第2定着器160を経由せずシート110を排出するための迂回搬送路130を有している。第1定着器150から送り出されたシート110は、第1切替フラップ131によって第2定着器160又は迂回搬送路130のいずれかに誘導される。
第2定着器160又は迂回搬送路130を通過したシート110は、第2切替フラップ132によって排出搬送路139又は反転搬送路135のいずれかに誘導される。反転搬送路135に搬入されたシート110は、反転センサ137によってシート110の位置を検出され、反転部136が行うスイッチバック動作によってシート搬送方向の先端と後端とを入れ替えられる。両面印刷の場合、第1面に画像が形成されたシート110は、反転部136によって先後端を入れ替えられた状態で、再搬送路138を介して再び転写ローラ114へ向けて搬送され、第2面に画像を形成される。片面印刷の画像形成が終了したシート110又は両面印刷における第2面の画像形成が終了したシート110は、排出搬送路139を介して画像形成装置100の外部に排出される。なお、反転搬送路135と排出搬送路139の間には、反転部136によってスイッチバックしたシート110を排出搬送路139へ向けて誘導可能な切替フラップ134が設けられている。切替フラップ134を設けたことで、画像形成装置100から排出される際のシート110の表裏を選択可能となる。
画像形成装置100の上部には、原稿読取装置190が設置されている。原稿読取装置190は、画像形成装置100の筐体101に固定された本体部と、自動原稿給送装置(オートドキュメントフィーダ。以下、ADFとする)を含む。ADFは、原稿シートが載置される給送トレイと、画像情報が読み取られた原稿シートが排出される排出トレイとを備える。給送トレイにセットされた原稿シートは、給送ユニットによって1枚ずつ給送されて搬送される。その間に、原稿シートはイメージセンサによって光学的に走査されてシートの画像情報が読み取られる。画像情報が読み取られた原稿シートは、排出ローラ対によって排出トレイに排出される。
画像形成装置100には、画像形成システム100Sのユーザインタフェースとなる操作部180が設けられている(図1も参照)。操作部180は、ユーザに対して情報を表示する表示手段としてのディスプレイを備えている。また、操作部180は、ユーザが画像形成システム100Sに対して指令やデータを入力可能な入力手段として、例えばテンキー及び印刷実行ボタン等の物理キーやディスプレイのタッチパネル機能を備えている。操作部180の操作により、ユーザは、ある収納庫113にセットされているシートの名称、坪量及び表面処理の有無等のシート属性を表す情報を主コントローラに入力することができる。入力されたシート属性は、メモリ304に格納されている用紙ライブラリ900に登録される。
なお、図1では中間転写型のカラー画像形成装置について説明したが、像担持体に形成したトナー像を、中間転写体を介さずにシートに転写する直接転写方式の画像形成エンジンを搭載してもよい。また、電子写真方式に限らず、例えばインクジェット方式の印刷ユニットやオフセット印刷機構を画像形成手段として搭載してもよい。
(調整ユニット)
次に、調整ユニット400について説明する。調整ユニット400は、画像形成装置100によって画像形成されたシートから画像読取部500において画像情報を読み取る画像読取装置として機能する。また、本実施形態の調整ユニット400は、後述するように画像形成装置100が行う画像形成動作の実行条件を調整する用途に用いられる。
図1の画像形成システム100Sにおいて、調整ユニット400は、水平方向H(図中左右方向)における画像形成装置100とフィニッシャ600との間に設置されている。即ち、本実施形態における調整ユニット400の上流装置は画像形成装置100であり、調整ユニット400の下流装置はフィニッシャ600である。フィニッシャ600は、シートに綴じ処理又はサドル処理等の処理を施す処理部を有し、処理を施したシート束を(処理が必要ない場合には、上流の装置から受け取ったシートを)画像形成システム100Sの成果物として排出する。
なお、調整ユニット400の上流及び下流に接続される装置は画像形成システム100Sの構成によって変化する。例えば、調整ユニット400は画像形成装置100に直接的に接続されるとは限らず、画像形成装置100と調整ユニット400との間に中間ユニットが配置され、調整ユニット400が中間ユニットを介してシートを受け取る構成としてもよい。中間ユニットの例としては、画像形成されたシートの画像面に透明なトナーを付着させて光沢を付与するコーティング処理を行う装置が挙げられる。また、調整ユニット400の下流側にフィニッシャ600以外のシート処理装置が連結される場合がある。このようなシート処理装置の例としては、シート束に表紙となるシートを差し込むインサーター、綴じ処理されたシート束の端部を切断して揃えるトリマー、大量の成果物を収容した状態で台車によって移動可能なスタッカーが挙げられる。また、調整ユニット400が画像形成システム100Sの成果物としてのシートを排出する排出トレイを備えた構成(図1からフィニッシャ600を省略した構成)であってもよい。
図2に示すように、調整ユニット400は、画像読取部500と、調整ユニット内のシート搬送路を構成するスルーパス431及び排出パス432と、を備えている。また、調整ユニット400の筐体上部には、排出トレイ430と、排出トレイ430から引出可能な延長トレイ423と、が設けられている。
スルーパス431は、画像形成装置100から排出されたシートを受け取ってフィニッシャ600へ向けて搬送する搬送パスであり、略水平方向Hに伸びている。スルーパス431には入口ローラ対401及び出口ローラ対406が配置されている。言い換えれば、スルーパス431は、画像形成システム100Sを正面側から見た場合に、水平方向Hの直線に沿って延びている。スルーパス431は、調整ユニット400の水平方向Hにおける一方側(画像形成装置100側)の側面400Rに設けられた開口(受入口)から他方側(フィニッシャ600側)の側面400Lに設けられた開口(排出口)まで延びている。
画像読取部500は、スルーパス431における入口ローラ対401と出口ローラ対406の間に配置されている。画像読取部500は、入口ローラ対401から出口ローラ対406に向かって搬送されるシートの画像情報を読み取る。画像読取部500の詳しい構成については後述する。
排出パス432は、スルーパス431から分岐して上方に延びている。排出パス432には、第1搬送ローラ対415、第2搬送ローラ対416、第3搬送ローラ対417及び排出ローラ対418が排出パス432のシート搬送方向における上流から下流に向かってこの順に配置されている。排出パス432とスルーパス431との分岐部には、シートの搬送経路をスルーパス431と排出パス432との間で切替可能な案内部材である切替フラップ422が配置されている。切替フラップ422は、スルーパス431におけるシート搬送方向において、画像読取部500の下流かつ出口ローラ対406の上流に配置されている。なお、図に示す調整ユニット400の搬送パス構成は一例であり、例えばスルーパス431から分岐した後にスルーパス431に合流する搬送パスを設けて画像読取部500を配置してもよい。
切替フラップ422により、例えば通常の画像を形成したシートは出口ローラ対を介して下流装置に搬送させ、画像形成動作の実行条件を調整するための画像を形成したシートは排出パスを介して排出トレイ430に排出させる制御を行うことができる。つまり、ユーザの求める成果物としてのシート(ユーザジョブシート)と、画像形成動作の実行条件を調整するために作成されたシート(調整シート)を別のトレイに切り替えることで、ユーザジョブシートの間に調整シートが入り込むことを回避できる。ユーザジョブは、通常ジョブとも呼ばれる。ユーザにとって調整シートは基本的に不要であるため、上記の切り替え動作によりユーザジョブシート(通常ジョブシート)の間に入り込んだ調整シートを取り除く煩雑さをユーザに与えないようにすることができる。
(画像読取部)
画像読取部500について説明する。図3は、シート幅方向に見た画像読取部500の概略図である。画像読取部500は、シートの第1面(スルーパス431におけるシートの下面)から画像情報を読み取る第1読取部51と、シートの第1面とは反対の第2面(スルーパス431におけるシートの上面)から画像情報を読み取る第2読取部52と、を含む。また、画像読取部500は、第1読取部51及び第2読取部52を介してシートを搬送する搬送手段として、第1ローラ対501、第2ローラ対502、第3ローラ対503を有する。スルーパス431におけるシート搬送方向D1に関して、第1読取部51は第1ローラ対501と第2ローラ対502の間に設けられ、第2読取部52は第2ローラ対502と第3ローラ対503の間に設けられている。
本実施形態において、シート搬送方向D1とは、第1ローラ対501のニップ部1nから第2ローラ対502のニップ部2nに向かう方向を指す。シート幅方向は、第1ローラ対501に挟持されるシートの幅方向であって、シート搬送方向D1に直交する方向であり、第1ローラ対501の回転軸線方向、第1読取部51及び第2読取部52の主走査方向でもある。高さ方向D2は、シート搬送方向D1及びシート幅方向に直交する方向である。本実施形態において、調整ユニット400が水平面に設置された状態で、高さ方向D2は鉛直方向(重力方向)と一致する。
本実施形態において、第1ローラ対501のニップ部1nから第2ローラ対502のニップ部2nを介して第3ローラ対503のニップ部3nに至る経路は、第1ローラ対501のニップ線N1に沿った直線状の搬送経路(ストレートパス)である。言い換えると、シート幅方向に見た場合に、第2ローラ対502が第1ローラ対501のニップ線N1と重なり、更に第3ローラ対502も第1ローラ対501のニップ線N1と重なる。ニップ線N1とは、第1ローラ対501を構成する2つのローラ501a,501bが互いに接するニップ部1nを通り、各ローラ501a,501bの回転軸線1A,1Bを結ぶ線分に対して垂直な方向(即ちシート搬送方向D1)に延びる仮想の直線である。
好ましくは、第1ローラ対501のニップ線N1が、第2ローラ対502を構成する2つのローラ502a,502bの回転軸線2A,2Bの間及び第3ローラ対503を構成する2つのローラ503a,503bの回転軸線3A,3Bの間を通るようにする。更に好ましくは、製造公差を除いて、第1ローラ対501のニップ線N1が第2ローラ対502及び第3ローラ対503のニップ部2n,3nを通る(各ローラ対のニップ線が実質的に一致する)ように構成する。画像読取部500にストレートパスを採用することで、シート搬送速度の高速化(スループット向上)に対応しやすくなる、シートと搬送ガイドとの接触圧を下げて紙粉や画像の摺擦痕を発生しにくくする等の利点が得られる。
画像読取部500の第1読取部51及び第2読取部52の各々は、読取手段としてのセンサC1,C2と、対向部材としての対向ローラ511,521と、透過部材としてのガラス512,522と、を含む。対向ローラ511,521は、シート付勢部材、シート押さえ部材、シートガイド又はバッキング部材でもある。第1読取部51のセンサC1、対向ローラ511及びガラス512は、本実施形態の第1の読取手段、第1の対向部材及び第1の透過部材である。第2読取部52のセンサC2、対向ローラ521及びガラス522は、本実施形態の第2の読取手段、第2の対向部材及び第2の透過部材である。
第1読取部51について、高さ方向D2に互いに対向するガラス512及び対向ローラ511の間に、読取対象のシートが通過する隙間(空間)であるギャップ1gが形成されている。センサC1はガラス512及びギャップ1gを間に挟んで対向ローラ511と対向している。つまり、センサC1及びガラス512は、ギャップ1gに対して高さ方向D2の一方側(第1の側、本実施形態では下方側)に位置し、対向ローラ511はギャップ1gに対して高さ方向D2の反対側(第2の側、本実施形態では上方側)に位置する。
第2読取部52については、高さ方向D2の位置関係が反転する以外は第1読取部51と同様の構成を備える。即ち、高さ方向D2に互いに対向するガラス522及び対向ローラ521の間にギャップ2gが形成されている。センサC2はガラス522及びギャップ2gを間に挟んで対向ローラ521と対向している。つまり、センサC2及びガラス522は、ギャップ2gに対して高さ方向D2の他方側(第2の側、本実施形態では上方側)に位置し、対向ローラ521はギャップ2gに対して高さ方向D2の一方側(第1の側、本実施形態では一方側)に位置する。
ガラス512,522は、光を透過する透過部材であり、透明度、強度、耐光性等の観点からガラスが使用されている。ガラスは形状の自由度が比較的低く、多くの場合、平板状のガラスをカットした略直方体形状の部材が使用される。ガラス512,522には、後述のシェーディング補正に用いられる基準部としての基準板515,525が貼付されている。
センサC1は、ガラス512を介してギャップ1gを通過するシートの第1面を光学的に走査して電子信号に変換することにより、シートの第1面の画像情報を読み取る。センサC2は、ガラス522を介してギャップ2gを通過するシートの第2面を光学的に走査して電子信号に変換することにより、シートの第2面の画像情報を読み取る。センサC1,C2の画像情報は、例えば後述の画像位置調整において、テストパターンにおけるパッチ画像のシートの端部に対する位置を検出するために用いられる。
センサC1,C2は、CIS方式のイメージセンサである。図4(a)に示すように、センサC1は、照射部C1aと、集光レンズC1bと、受光素子C1cと、を含む。照射部C1aは、ギャップ1gに向けて光を照射する。照射部701aは、基板上に設置された光源としてのLEDと、LEDに対向する位置からシート幅方向に延び、シート幅方向におけるギャップ1gの略全域にLEDからの光を照射するライトガイドとを含む。集光レンズC1bは、ギャップ1gを通過するシートからの反射光を集光し、受光素子C1cの受光面上に結像する。集光レンズC1bは、円柱状の等倍レンズを受光素子C1cの各々に対応させてシート幅方向に並べたレンズアレイが用いられる。受光素子C1cは、基板上でシート幅方向に並んで配置されたCMOSセンサが用いられる。なお、図4(a)では第1読取部51のセンサC1を示したが、第2読取部52のセンサC2もセンサC1と実質的に同様の構成を備えている。
図3に示すように、対向ローラ511,521は、シート幅方向に延びる回転軸線を中心に回転可能なローラである。対向ローラ511は、センサC1の読取位置において、シート搬送方向D1及びシート幅方向に交差する方向(特に、センサC1の被写界深度方向Df1)に向かって、ガラス512を介してセンサC1と対向している。同様に、対向ローラ521は、センサC2の読取位置において、シート搬送方向D1及びシート幅方向に交差する方向(特に、センサC2の被写界深度方向Df2)に向かって、ガラス522を介してセンサC2と対向している。被写界深度方向Df1,Df2とは、センサC1,C2が読取対象から取り入れる光の代表光路に沿った方向を表しており、センサC1,C2としてCISを用いる場合は集光レンズC1bの光軸方向である。
対向ローラ511,521により、被写界深度方向Df1,Df2におけるギャップ1g,2gの幅が規制されるため、読取位置を通過するシートの被写界深度方向Df1,Df2の位置が規制される。つまり、対向ローラ511,521により、センサC1,C2の読取位置においてシートがガラス512,522に向けて付勢される。これにより、センサC1,C2の読取位置において、センサC1,C2のピントが合うピント位置(又はピント位置に十分近い位置)をシートが通過し、センサC1,C2は高い精度で画像の読取を行うことができる。例えば、センサC1,C2によって取得された画像情報から、シートの端部やパッチの位置を高い精度で判別することができる。これにより、画像形成システム100Sは、画像読取部500で読み取った画像情報に基づく画像位置調整や色味調整を高精度に行うことができる。
各対向ローラ511,521は不図示のモータによって、ギャップ1g,2gにおいてローラ表面がシート搬送方向D1に移動する回転方向に回転駆動されている。また、対向ローラ511のガラス512側(図中下側)の一部は、ニップ線N1を超えてガラス512側に突出(侵入)している。同様に、対向ローラ521のガラス522側(図中上側)の一部は、ニップ線N1を超えてガラス522側に突出(侵入)している。このような配置により、シートをセンサC1,C2のピント位置に近付けている。対向ローラ511,521は、センサC1,C2がシートの画像情報を読み取る際に背景となる部材であり、画像処理におけるシートのエッジ検出が容易になるように外周面は例えば黒色である。
シート搬送方向D1における第1ローラ対501とガラス512との間、かつ、ニップ線N1に対して高さ方向D2の下方側には、シートの下面を案内する搬送ガイドとしてのガラス上流ガイド513が設けられている。シート搬送方向D1における第1ローラ対501と対向ローラ511との間、かつ、ニップ線N1に対して高さ方向D2の上方側には、シートの上面を案内するローラ上流ガイド514が設けられている。また、シート搬送方向D1における第2ローラ対502とガラス522との間、かつ、ニップ線N1に対して高さ方向D2の上方側には、シートの上面を案内するガラス上流ガイド523が設けられている。シート搬送方向D1における第2ローラ対502と対向ローラ521との間、かつ、ニップ線N1に対して高さ方向D2の下方側には、シートの下面を案内するローラ上流ガイド524a,524bが設けられている。
ローラ上流ガイド514,524a,524bは、対向ローラ511,521とガラス512,522との間のギャップ1g,2gに向けてシート先端を案内するガイドとして機能する。これにより、円筒状である対向ローラ511,521に対して大きな当接角度でシート先端が当接することによる搬送不良を防ぐことができる。なお、ローラ上流ガイド514のシート搬送方向D1の下流端は、少なくとも対向ローラ511のガラス512側の端部に比べて、高さ方向D2の上方側に位置するものとする。ローラ上流ガイド514の下流端が、ニップ線N1に対して高さ方向D2の下方側に若干突出する構成としてもよく、ニップ線N1の上方側に位置する構成としてもよい。同様に、ローラ上流ガイド524bのシート搬送方向D1の下流端は、少なくとも対向ローラ521のガラス522側の端部に比べて、高さ方向D2の下方側に位置するものとする。ローラ上流ガイド524bの下流端が、ニップ線N1に対して高さ方向D2の上方側に若干突出する構成としてもよく、ニップ線N1の下方側に位置する構成としてもよい。
なお、図示した例では、第1読取部51のローラ上流ガイド514は1つの部材で構成されているが、第2読取部52のローラ上流ガイド524a,524bのように複数の部材で構成されていてもよい。また、図示した例では、第2読取部52のローラ上流ガイド524a,524bは、ガラス上流ガイド523に対向する部材(524a)とガラス522に対向する部材(524b)とに分割されている。しかしながら、ローラ上流ガイド524a,524bは、第1読取部51のローラ上流ガイド514のように1つの部材で構成されていてもよい。
図4(a、b)を用いて、センサC1のシェーディング補正動作を説明する。シェーディング補正を行う時は、センサC1が図4(a)に示すシートの画像情報を読み取るための位置(第1位置)から、図4(b)の位置(第2位置)、即ち基準板515の下面と対向する位置へ移動する。基準板515の下面は、基準色となる白色で、その白色度は管理されたものである。センサC1は基準板515の下面へ光を照射し、反射光の輝度を測定することで最適な光量へ調整することができる。例えば、基準色に対する反射光の輝度が高すぎる時は光量を下げ、輝度が低すぎる場合は光量を上げる。このシェーディング補正により、最適な光量へ調整することができ、シート上の色味を高精度に検出することができる。センサC2のシェーディング補正も同様に、センサC2が基準板525の上面と対向する位置へスライド移動し、基準板525の上面に光を照射し、反射光の輝度により光量を調整する。
(ガラスの傾斜配置)
次に、シート幅方向(主走査方向)に見た第1読取部51の配置について説明する。本実施形態の詳細な配置例を説明する前に、図13(a~c)を用いて比較例の配置と、比較例において生じる搬送不良等について説明する。上述したように、シートの画像情報を読み取る読取装置において、画像の読取精度を向上させるには読取ユニット(センサ)に対するシートの高さ(被写界深度方向のシート位置)を安定させることが望まれる。しかし、前掲の文献のようにシートを積極的に対向部材に当接させるとシートと対向部材の接触圧が高くなり、紙粉の発生、堆積による読取精度の低下やシート上の画像に摺擦痕が残る可能性がある。
紙粉及び摺擦痕の問題を回避する方法として、図13(a)のように読取部の上流及び下流のローラ対601,602を共通のニップ線Na上に配置したストレートパスを採用すると共に、ニップ線Naに対してガラス702を並行に配置することが考えられる。ここで、図13(a)のようにガラス702の対向ローラ703側の面がニップ線Naから離れていると、被写界深度方向である高さ方向D2のシート位置の変動(ばたつき)が大きくなる。シート位置がピント位置からずれると、画像の読取精度が低下し、調整ユニット400を用いた画質調整の精度も低下することになる。
例えば、CIS又はCCD等のセンサを用いて色味調整する場合、測定対象であるシート上のパッチへ光を照射し、その反射光の光量から輝度を算出し、その輝度から濃度へ変換してパッチの濃度を測定する。被写界深度方向においてシートがピント位置から外れた位置でパッチを測定すると、検出される輝度が変わってしまい、色の検知精度の低下につながる。読取手段として分光測色ユニットを用いる場合も、同様の検知精度低下は生じ得る。画像位置調整(表裏見当調整)においても、ピントが合っていない状態で識別標識(後述のパッチやトンボ等のマーク)を読み取ると、読み取られた画像情報から検出された識別標識の位置と実際のシート位置の間にずれが発生する。即ち、色味調整も画像位置調整も、シートの測定対象面にピントが合っている状態で画像情報の読み取りを行うことが重要である。特に、CCD方式に比べて安価かつ小型であるが被写界深度が浅いCIS方式のセンサを用いる場合には、シートをピント位置に十分近い位置に維持することが望まれる。
シート位置の変動を抑制するために、図13(b)のようにニップ線Naに対する対向ローラ703の侵入量(突出量)を大きくし、対向ローラ703とガラス702の間のギャップ幅を小さくすることも考えられる。しかし、対向ローラ703の侵入量が大きいことにより、シートの先端(シート搬送方向D1の下流端)と対向ローラ703の当接角度が大きいことにより搬送不良が生じる懸念がある。また、侵入量の大きい対向ローラ703に合わせて対向ローラ703に向けてシートを案内するローラ上流ガイド705の侵入量を大きくすれば、シートとローラ上流ガイド705の接触圧も大きくなって紙粉の発生、堆積や画像傷の発生が懸念される。
更に他の比較例として、図13(c)のようにガラス702をニップ線Naに近付けることも考えられる。しかし、ニップ線Naに対して平行な姿勢のままガラス702をニップ線Naに近付けた場合、シート先端がガラス702の上流端に引っ掛かる懸念があるため、ガラス上流ガイド704はガラス702よりもニップ線Na側に突出させることになる。つまり、ガラス上流ガイド704を、ガラス702よりも高さ方向D2においてニップ線Naに近付けるか、又はニップ線Naを超えて図中上方側に突出させる構成となる。この場合、シートとガラス上流ガイド704との接触圧が大きくなって紙粉の発生、堆積や画像傷の発生が懸念される。
従って、画像の読取精度を向上可能な他の構成が望まれる。特に、シートの搬送不良を防ぐこと、シートと搬送ガイドの接触圧を低減することが望まれる。
次に、本実施形態に係る画像読取部500の配置について図5(a~c)及び図6(a~d)を用いて説明する。図5(a~c)及び図6(a~d)は、いずれも第1読取部51のシート幅方向に垂直な断面を表している。
本実施形態では、図5(a)に示すように、第1読取部51におけるシート搬送経路を略直線状とすると共に、ガラス512をニップ線N1に対して傾斜させた構成を採用している。即ち、ガラス512の高さ方向D2における上方側(対向ローラ511側、本実施形態における第2の側)の面である上面512aは、シート搬送方向D1の下流に向かって高さ方向D2の上方側(第2の側)に傾斜している。なお、センサC1もガラス512に合わせて傾斜させ、被写界深度方向Df1がガラス512に対して垂直となるように配置すると好適である。
より詳しく説明すると、ガラス上流ガイド513の最も上方側の部分である上面部513aは、第1ローラ対501のニップ線N1から高さ方向D2の下方側に距離L1だけ離間(退避)している。ここで、距離L1が0に近い値に設定されていると、機械的な位置ばらつきにより、実際の装置においてガラス上流ガイド513の上面部513aがニップ線N1を超えて上方側に突出する可能性がある。その場合、第1ローラ対501までの距離Ls1が短い上面部513aがニップ線N1に対して侵入していることになり、第1ローラ対501のニップ部1nから送り出されるシートはガラス上流ガイド513の上面部513aと強く接触する。その結果、上面部513aとの摺擦によりシート上の画像に摺擦痕が残る懸念がある。そこで、距離L1は、上記の機械的な位置ばらつきを吸収できるよう、例えば1mm以上とする。一方、距離L1を大きくするとガラス512の傾斜が不必要に大きくなるため、距離L1は例えば2mm以下とする。
次に、図5(b)を用いて、ガラス上流ガイド513と、ガラス512の上面512aのシート搬送方向D1における上流端512bとの間の段差について説明する。第1ローラ対501とガラス512の間にガラス上流ガイド513を備える構成では、シート先端がガラス上流ガイド513とガラス512との間の隙間に入り込んでガラス512の上流側の端面に引っ掛かる搬送不良が発生し得る。特にシートの先端側が下方側に湾曲(カール)している場合には、シート先端の引っ掛かりが生じやすくなる。
そこで、ガラス上流ガイド513からガラス512にシートの先端が円滑に受け渡されるように、ガラス512の上流端512bは、少なくともガラス上流ガイド513の上面部513aに比べて、高さ方向D2の下方側(第1の側)に位置している。言い換えると、ガラス上流ガイド513とガラス512の間には、ガラス上流ガイド513に比べてガラス512がニップ線N1から退避(離間)するような段差が設けられている。
段差の高さである、ガラス上流ガイド513の上面部513aとガラス512の上流端512bとの間の高さ方向D2の距離である段差の高さL2は、薄紙等のカールが生じやすいシートを考慮して、例えば3mm以上に設定される。なお、図示した構成例では、ガラス512の上面512aのうちの上流端512bを含む領域に基準板515が貼り付けられているから、段差の高さL2は、上流端512bの位置における基準板515の上面位置を基準に測るのがより正確である。このような高さL2で段差を設けることにより、図5(c)に示すように先端側がカールしたシートScの搬送不良が生じる可能性を低減できる。
続いて、図6(a)を用いて対向ローラ511及びガラス512の位置関係について説明する。対向ローラ511とガラス512との間のギャップ1gの被写界深度方向Df1の最小幅であるギャップ幅L3は、例えば1mm程度に設定される。ギャップ幅L3は、実際の装置におけるギャップ幅のばらつきによらず、画像形成装置100から調整ユニット400に受け渡される任意の種類のシートが通過できる大きさであることが好ましい。つまり、L3>((実際の装置におけるギャップ幅のばらつき)+(想定されるシートの最大厚さ))という関係を満たすことが好ましい。また、上記の関係が成立する範囲で、L3は小さな値に設定した方が、読取精度の面では望ましい。
図6(a)に示す構成例では、対向ローラ511の一部(ガラス512側の端部511a)が、ニップ線N1を超えて下方側(ガラス512側)に突出するように配置することで、ギャップ幅L3を1mm程度に維持している。このように対向ローラ511の一部がニップ線N1に侵入する構成では、第1ローラ対501によってニップ線N1に沿って送り出されるシートは対向ローラ511の表面と接触することになる。しかし、第1ローラ対501のニップ部1nから対向ローラ511の回転軸線までのシート搬送方向D1の距離Ls2は、ニップ線N1に対する対向ローラ511の突出量に比べて十分大きい(例えば、10倍以上)。そのため、図6(b)に示すように、シートSは第1ローラ対501及び第2ローラ対502のニップ部1n,2bの間で対向ローラ511に接しながら緩やかに湾曲した状態(湾曲の曲率が小さい状態)で搬送される。その結果、対向ローラ511に対するシートの接触圧は大きくなりにくい。
図6(c)を用いて、本実施形態における部材の配置・寸法について更に説明する。上述したように、ガラス上流ガイド513はニップ線N1から下方側に距離L1だけ離間(退避)しており、ガラス512の上面512aの上流端512bは、ガラス上流ガイド513の上面部513aから下方側に段差の高さL2だけ離間(退避)している。一方、ガラス512の上面512aの下流端512cは、上流端512bより高さ方向D2の上方、かつ、第2ローラ対502のニップ部2nに対して高さ方向D2の下方側に位置する。ニップ部2nからガラス512の下流端512cまでの高さ方向D2の距離(第2ローラ対502のニップ線N2から下流端512cまでの距離)をL4とする。距離L4は、実際の装置における下流端512cの位置ばらつきやシートの厚さによらず、シートが下流端512cと強く接触することなく搬送できるように、例えば1mm以上に設定される。つまり、距離L4は、ニップ線N1からガラス上流ガイド513の上面部513aまでの距離L1や、対向ローラ511とガラス512の間のギャップ幅L3と同程度に設定される。
第1ローラ対501のニップ部1nから第2ローラ対502のニップ部2nまでの間隔であるローラピッチLpは、調整ユニット400が対応するシートサイズ(シート搬送方向のシート長さ)の最小値に合わせて、140mm~175mm程度に設定される。例えば、シート長さが148mmであるハガキサイズに対応させる場合はローラピッチLpを148mm未満(具体的には140mm程度)に設定する。また、シート長さが182mmであるB5サイズに対応させる場合はローラピッチLpを182mm未満(具体的には175mm程度)に設定する。
更に、第1ローラ対501及び第2ローラ対502の各ローラの半径は、一例として約10mmであり、ガラス上流ガイド513のシート搬送方向D1の幅は、一例として約20mmである。この場合、ガラス512のシート搬送方向D1における幅Lgは、100mm~135mmが適当である。ローラピッチLpをハガキサイズに対応させる場合の幅Lgが100mm(=140-(10+20+10))であり、ローラピッチLpをB5サイズに対応させる場合の幅Lgが135mm(=175-(10+20+10))となる。
ガラス512の上面512aの傾斜角度θ(シート幅方向から見た場合のニップ線N1と上面512aとの間の角)の好ましい範囲について説明する。上述した各観点から適切な範囲の中でθが小さな値になるのは、ガラス512の幅Lgが135mm、ガラス上流ガイド513とガラス512の段差の高さL2が3mmの場合である。ただし、L1=L4とする。この場合、傾斜角度θは、arctan(3/135)から約1.3°となる。ローラピッチLpをハガキサイズに対応させた場合はLgが100mmになるから、この場合の傾斜角度θは、arctan(3/100)から約1.7°となる。
つまり、ガラス512の上面512aの傾斜角度θは、一例として1°以上とすると好適であり、1.5°以上とするとより好適であり、2°以上とすると更に好適である。θを1.5°以上又は2°以上に設定すれば、実際の装置におけるガラス512の位置ばらつき(角度ばらつき)が吸収され、実際の傾斜角度が1.3°以上又は1.7°以上となることが期待できる。
一方、ガラス512の上面512aの傾斜角度θが大きすぎる場合、シート先端が上面512aに当接したときの当接角度が大きいことでシート先端が丸まるような搬送不良が生じ得る。特に、シートの先端側が下向きに湾曲(カール)している場合に搬送不良が生じやすくなる。そこで、想定されるカールの大きさとして、シートの先端部のニップ線N1に対する角度が15°であり、シート先端とガラス512の上面512aの当接角度を45°以下に抑えることを考えると、傾斜角度θは30°以下とすればよい。
また、搬送不良の発生をより確実に防ぐには、傾斜角度θは小さい方が好ましい。上述した各観点から適切な範囲の中でθが大きな値になるのは、ガラス512の幅Lgが50mm、ガラス上流ガイド513とガラス512の段差の高さL2が10mmの場合である。この場合の傾斜角度θは、arctan(10/50)から約11.3°となる。そこで、傾斜角度θは、12°以下とすることがより好ましい。
なお、ガラス512の幅Lgは、センサC1を覆うことができ、対向ローラ511との間でシートの姿勢を安定させながら搬送できるように、50mm以上とした。また、段差の高さL2が大きすぎると、シート先端の引っ掛かり防止の効果が特に向上しないのに不必要に傾斜角度θを大きくすることになることから、10mm以下とした。
以上説明したように、ガラス512の上面512aのニップ線N1に対する傾斜角度θは、例えば1°以上30°以下とすると好適であり、1.5°以上12°以下とするとより好適である。ただし、画像読取部500の具体的な構成に応じて、この範囲外で傾斜角度θを設定することも可能である。
なお、ガラス512の上面512aのシート搬送方向D1における一方又は両方の端部に、シートの引っ掛かり防止や接触圧の低減を目的としてテーパー形状が設けられる場合がある。そのような場合、傾斜角度θとは、センサC1の読取位置で対向ローラ511と対向している部分を含む平面領域の傾斜角度を指すものとする。
ところで、図6(c)では第2ローラ対502のニップ部2nからガラス512の下流端512cまでの高さ方向D2の距離L4について説明したが、図6(d)に示すように、下流端512cは第1ローラ対501のニップ部1nに対しても下方側に位置する。言い換えると、ガラス512の下流端512cは、第1ローラ対501及び第2ローラ対502のニップ線N1,N2のいずれに対しても高さ方向D2の下方側(第1の側)に離間(退避)している。第1ローラ対501のニップ線N1からガラス512の下流端512cまでの高さ方向D2の距離をL5とする。図示した構成例では第1ローラ対501のニップ線N1上に第2ローラ対502のニップ部2nが位置するため、L4=L5である。ニップ部2nがニップ線N1上にない(第1ローラ対501及び第2ローラ対502のニップ線が一致しない)場合はL4≠L5となる。高さ方向D2においてニップ部1nよりニップ部2nが低い(図中下方側)の場合はL5>L4となり、その逆の場合はL4<L5となる。
つまり、ガラス512の上面512aは、シート幅方向に見た場合に第1ローラ対501のニップ線N1と交差していない。このように、第1ローラ対501からシートが送り出される先にガラス512の上面512aが位置しない構成とすることで、シートがガラス512と強く接触することによる紙粉や摺擦痕の発生を低減できる。
以上の説明では第1読取部51における部材の配置や寸法を説明したが、第2読取部52は、高さ方向D2の位置関係が逆になることを除いて、基本的に第1読取部51と同様に構成される。なお、第1読取部51において第1ローラ対501のニップ線N1を基準とする配置については、第2ローラ対502のニップ線が基準となるが、2つのニップ線が一致するとみなせる場合はニップ線N1を基準としてもよい。
第2読取部52の主な配置について説明する。ガラス522の高さ方向D2における下方側(対向ローラ521側、本実施形態における第1の側)の面である上面522aは、シート搬送方向D1の下流に向かって高さ方向D2の下方側(第1の側)に傾斜している。なお、センサC2もガラス522に合わせて傾斜させ、被写界深度方向Df2がガラス522に対して垂直となるように配置すると好適である。
ガラス上流ガイド523の最も下方側の部分である下面部は、第2ローラ対502のニップ線から高さ方向D2の上方側に距離L1だけ離間(退避)している。距離L1は、例えば1mm以上2mm以下とする。ガラス522の上流端は、少なくともガラス上流ガイド523の下面部に比べて、高さ方向D2の上方側(第2の側)に位置している。言い換えると、ガラス上流ガイド523とガラス522の間には、ガラス上流ガイド523に比べてガラス522がニップ線から退避(離間)するような段差が設けられている。段差の高さL2は、例えば3mm以上10mm以下に設定される。
対向ローラ521とガラス522との間のギャップ2gのギャップ幅L3は、例えば1mm程度に設定される。対向ローラ521の一部(ガラス522側の端部)が、ニップ線を超えて上方側(ガラス522側)に突出するように配置することで、ギャップ幅L3を1mm程度に維持している。
ガラス522の下面の下流端は、上流端より高さ方向D2の下方、かつ、第3ローラ対503のニップ部3nに対して高さ方向D2の上方側に位置する。ニップ部3nからガラス522の下流端までの高さ方向D2の距離L4は、例えば1mm以上に設定される。
第2ローラ対502のニップ部2nから第3ローラ対503のニップ部3nまでの間隔であるローラピッチLpは、調整ユニット400が対応するシートサイズの最小値に合わせて、140mm~175mm程度に設定される。ガラス522のシート搬送方向D1における幅Lgは、100mm~135mmが適当である。
ガラス522の下面の傾斜角度θは、一例として1°以上とすると好適であり、1.5°以上とするとより好適であり、2°以上とすると更に好適である。θを1.5°以上又は2°以上に設定すれば、実際の装置におけるガラス522の位置ばらつき(角度ばらつき)が吸収され、実際の傾斜角度が1.3°以上又は1.7°以上となることが期待できる。一方、傾斜角度θは30°以下とすると好適であり、搬送不良の発生をより確実に防ぐには、傾斜角度θは小さい方が好ましい。例えば、傾斜角度θは、12°以下とすることがより好ましい。つまり、ガラス522の下面のニップ線に対する傾斜角度θは、例えば1°以上30°以下とすると好適であり、1.5°以上12°以下とするとより好適である。ただし、画像読取部500の具体的な構成に応じて、この範囲外で傾斜角度θを設定することも可能である。
(画像位置調整)
本実施形態の画像形成システム100Sは、画像読取部500を用いて取得した情報に基づいて、画像形成装置100が行う画像形成動作の実行条件を調整することができる。一例として、シートの両面に対する画像の位置調整(見当合わせ)を行う動作を説明する。
図7は画像位置調整に関する画像形成システム100Sのシステム構成を表すブロック図を示す。調整ユニット400の制御部251は、通信部450を介してプリンタコントローラ103と通信可能に接続されている。制御部251は、調整ユニット400内の搬送ローラ対を駆動する1つ以上の搬送モータM1と、対向ローラ511,521をそれぞれ駆動する対向ローラ駆動モータM2,M3に対して指令を送り、各モータの駆動を制御する。また、制御部251は、切替フラップ422を移動させるフラップ移動モータM4と、シェーディング補正を行うためにセンサC1,C2を移動させるセンサ移動モータM5に対して指令を送り、各モータの駆動を制御する。
更に、制御部251は、シートを検知するシートセンサS1,S2の検知信号に基づいてシートの位置を検出すると共に、イメージセンサであるセンサC1,C2に対して画像情報の読取開始等の指令を送る。シートセンサS1は、センサC1の読取位置よりシート搬送方向の上流でシートを検知するセンサであり、シートセンサS2は、センサC1の読取位置より下流かつセンサC2の読取位置より上流でシートを検知するセンサである。画像処理部330は、センサC1,C2により読み取られた画像情報を処理して、プリンタコントローラ103に送るための情報(画像位置の補正量を表すデータ等)を求める。
図8(a)は、操作部180に表示される画面例であり、記録材として用いるシート毎の情報(図8の用紙ライブラリ900)の一覧を表す用紙ライブラリ画面1001である。ユーザが各シートの情報を表す欄910のいずれかを選択した状態で図8(a)の「画像位置調整」のボタン1002をタッチすると、図8(b)に示す画像位置調整における補正方法の選択画面が表示される。ユーザが更に「テストページを読みこんで調整」のボタン1105を操作すると、プリンタコントローラ103は、選択されたシートに対して自動での画像位置調整を行うリクエストを受け付ける。この場合、プリンタコントローラ103は、エンジン制御部312に対し、選択されたシートの両面に図9(a、b)に示す画像位置調整用の測定用テストパターン802,803の出力を開始させる。測定用テストパターン802,803は、シートの4つの角部に識別標識として矩形状のパッチ画像820を配置したものである。
シートの両面に測定用テストパターン802,803が形成されると、シートは画像形成装置100から調整ユニット400に受け渡される。調整ユニット400の画像読取部500では、シートを第1ローラ対501、第2ローラ対502、第3ローラ対503によって搬送しながら、センサC1,C2によって第1面と第2面の画像情報を並行して読み取る。
調整ユニット400の画像処理部330(図7)は、センサC1,C2が読み取る画像情報に基づいてプリンタコントローラ103に送るための情報を求める。即ち、センサC1,C2が読み取るライン画像が副走査方向(シート搬送方向)につなぎ合わされて二次元の画像データが合成され、画像データ中のシートの端部及びパッチ画像820が検出される。そして、パッチ画像820の座標とシートの角部の座標とに基づいて、シートの寸法(図8(a、b)の(A)、(B))及びパッチ画像820からシートの端部までの距離((C)~(I))が検出される。図8(a、b)では、m=0,1,2,3として(Xm1,Ym1)、(Xm2,Ym2)でシートの角部の座標を表し、m=4,5,6,7として(Xm1,Ym1)、(Xm2,Ym2)でパッチ画像820の座標を表している。また、座標軸は画像読取部500の主走査方向の軸をX軸とし、副走査方向(シート搬送方向)の軸をY軸として表している。
画像処理部330は、(A)~(I)の値に基づき、画像の歪みやシートに対する画像の位置ずれを検出し、それらを補正するためのパラメータとして幾何調整値を算出する。幾何調整パラメータの例は、副走査方向(シート搬送方向)における画像の開始位置を規定するリード位置、主走査方向(シート幅方向)における画像の開始位置を規定するサイド位置、画像の拡大縮小の倍率である。幾何調整パラメータの他の例は、画像をシートの非直角性(理想的な長方形に対する平行四辺形状又は台形状の歪みの程度)に合わせて変形する直角性、画像の回転量である。
画像処理部330で算出された幾何調整値は、通信部450を通じて画像形成装置100内の用紙ライブラリ900に格納される。プリンタコントローラ103は、ユーザジョブにより画像形成動作を実行する際に、今回の画像形成動作に用いるシートに対応した幾何調整値を用紙ライブラリ900から読み込んで、画像形状補正部320に幾何調整値に基づく形状補正を実行させる。そして、形状補正後の画像データに基づいてエンジン制御部312が画像形成動作を実行することで、画像の位置ずれや歪みが修正された画像を出力することが可能となる。
なお、ここではユーザからの明示的な指示に基づいて画像位置調整が行われる場合を説明した。しかし、測定用テストパターン802,803を用いた画像位置調整は、例えばプリンタコントローラ103がキャリブレーションの必要ありと判断したタイミングで自律的に実行してもよい。例えば、ユーザジョブが投入された時に、成果物を出力する前の処理として画像位置調整を自動的に開始するようにしてもよく、ユーザジョブの実行中に所定のタイミングで自動的に画像位置調整を挿入してもよい。
幾何調整値は、画像形成装置100が実行する画像形成動作の実行条件の設定の一例であり、他にも、例えば調整ユニット400を用いて色味調整を行うようにしてもよい。一例として、操作部180の操作によりプリンタコントローラ103が色味調整のリクエストを受け付けると、画像形成装置100に対しカラーパッチが所定のパターンで配置されたテストチャートを出力させる。調整ユニット400では、画像読取部500を用いて各パッチの濃度を読み取り、読み取った濃度値に基づいて濃度の補正値を画像形成装置100にフィードバックする。色味調整の場合に変更される画像形成動作の実行条件の設定とは、例えば画像データとレーザスキャナ部107の露光量との関係を示すルックアップテーブルのガンマ値である。画像位置調整と同様に、色味調整は、例えばプリンタコントローラ103がキャリブレーションの必要ありと判断したタイミングで自律的に実行してもよい。
(制御の流れ)
次に、上記した画像形成装置100及び調整ユニット400を用いて行われる画像位置調整の制御の流れについて、図7のブロック図及び図11(a、b)、図12(a、b)を参照しながら図10のフローチャートに沿って説明する。本フローチャートの各工程は、プリンタコントローラ103が記憶装置からプログラムを読み出して実行し、必要に応じてエンジン制御部312や調整ユニット400の制御部251(図7)に指示を送ることで実現される。
ユーザから成果物の出力を要求する画像形成動作の実行指示(ユーザジョブ)が投入される(S01:Y)と、画像形成装置100及び調整ユニット400の各部材がホームポジション(HP)で待機させられる。このとき、調整ユニット400の切替フラップ422は、シートSをスルーパス431へ案内するために上向き位置(図11(a)の位置)で待機する(S02)。その後、画像形成装置100によりシートSへの画像形成が行われ(S03)、図11(a)のように調整ユニット400へシートSが搬送される(S04)。そして、スルーパス431の各ローラ対(401,501,502,503,406)によりスルーパス431を搬送され、図11(b)のように下流装置であるフィニッシャ600へシートSが受け渡され、フィニッシャ600のトレイに積載される(S05)。以上の処理がジョブの最終シートまで繰り返し実行されると(S06)、ジョブが終了する。
一方、図9(b)のボタン1105が押されることで画像位置調整のジョブが投入されると(S01:N)、画像形成装置100及び調整ユニット400の各部材がホームポジション(HP)で待機させられる。このとき、調整ユニット400の切替フラップ422は、シートSを排出パス432へ案内するために下向き位置(図12(a)の位置)で待機する(S10)。また、画像情報の読取を行う準備として、センサC1、C2のシェーディング補正動作により光量の最適化が行われる(S10)。その後、シートSへ測定用テストパターン802,803(図8(a、b))が形成され(S11)、調整ユニット400にシートSが搬送される(S12)。
調整ユニット400へ搬送されたシートSは、図12(a)に示すように、画像読取部500を通過することでシートSの第1面及び第2面の画像情報が読み取られ、シートに対するパッチ画像820の位置ずれやシートSの形状が測定される(S13)。その際、シートSの先端がシートセンサS1を通過してからタイマーで所定時間が経過したタイミングでセンサC1の読み取りが開始される。また、シートSの先端がシートセンサS2を通過してからタイマーで所定時間が経過したタイミングでセンサC2の読み取りが開始される。読み取られた画像情報に基づき、画像処理部330が幾何調整値を算出し、通信部250を通じて画像形成装置100へ通知され、用紙ライブラリ900に格納されることで画像位置調整が終了する(S14)。そして、図12(b)に示すようにシートSは切替フラップ422によって排出パス432へと搬送され、排出トレイ430へと排出される(S15)。以上の処理がジョブの最終シートまで繰り返し実行されると(S06)、ジョブが終了する。
なお、本実施形態では、画像位置調整(表裏見当)を例に調整ユニット400を用いた自動調整動作を説明したが、色味調整の場合も基本的に同様の動作が行われる。この場合、測定用の画像は、図9(a、b)のような位置検出用のパターン(802,803)から、階調性をもったパッチ画像が配列された色味調整用のチャートへ変更される。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では読取手段にCISを採用した構成を説明したが、読取手段として、複数のミラーを含む縮小光学系と、受光素子としての電荷結合素子とを含むCCDイメージセンサを用いてもよい。また、読取手段として、シートからの反射光を波長毎に分解する回折格子と波長毎の光強度を測定する受光素子とを含む分光測色計を使用してもよい。更に、読取手段で読み取った画像情報を画像形成動作の実行条件の調整以外の用途で利用してもよく、例えば読み取った画像情報と画像形成に用いた画像データを比較して検品(画像品質の管理や画像不良の検出)を行ってもよい。
また、上述の実施形態では、対向部材の例として対向ローラ511,521を例示したが、対向部材は例えば板状のガイド部材であってもよい。そのようなガイド部材は、バネ部材によってガラス512,522に向けて付勢されていてもよい。
また、上述の実施形態では、画像形成装置に連結される読取装置について説明したが、画像形成装置と共通の筐体内に配置される読取装置に本技術を適用してもよい。即ち、画像形成システムは、画像形成機能を備えた部分と、読取機能を備えた部分とが、1つの装置としてユニット化されたものであってもよい。例えば、図1の反転部136に上記実施形態の第1読取部51と同様の読取部200を設けてもよい。また、画像形成装置により画像形成されたシートを読み取る読取装置に限らず、原稿から画像情報を読み取る原稿読取装置に本技術を適用してもよい。
100…画像形成装置/100S…画像形成システム/400…読取装置/501…第1ローラ対/502…第2ローラ対/503…第3ローラ対/511…対向部材、第1の対向部材(対向ローラ)/512…透過部材、第1の透過部材(ガラス)/513…搬送ガイド(ガラス上流ガイド)/521…対向部材、第2の対向部材(対向ローラ)/522…透過部材、第2の透過部材(ガラス)/C1…読取手段、第1の読取手段(センサ)/C2…読取手段、第2の読取手段(センサ)/D1…シート搬送方向/D2…高さ方向/N1…直線(ニップ線)

Claims (12)

  1. 画像形成装置によって画像形成されたシートの画像情報を読み取る読取装置であって、
    前記画像形成装置から前記シートを受け取ってシート搬送方向に搬送する第1ローラ対と、
    前記シート搬送方向における前記第1ローラ対の下流に配置され前記シートを搬送する第2ローラ対であって、前記シート搬送方向に垂直なシート幅方向に見た場合に、前記第1ローラ対のニップ部を通り前記シート搬送方向に延びるニップ線と重なるように配置された第2ローラ対と、
    前記シート搬送方向における前記第1ローラ対と前記第2ローラ対との間で、かつ、前記ニップ線に対して、前記シート搬送方向及び前記シート幅方向と直交する高さ方向における第1の側に配置され、光を透過する透過部材と、
    前記第1ローラ対から前記第2ローラ対に向かって搬送される前記シートの画像情報を前記透過部材を介して読み取る読取手段と、
    前記透過部材に対して前記高さ方向における前記第1の側とは反対側の第2の側に設けられ、前記透過部材との間に前記シートが通過する隙間を形成し、前記透過部材を介して前記読取手段と対向する対向部材と、
    を備え、
    前記シート幅方向に見た場合に、前記透過部材の前記高さ方向における前記第2の側の面は、前記シート搬送方向の下流に向かって前記高さ方向における前記第2の側に傾斜しており、
    前記面の前記ニップ線に対する傾斜角度は、1°以上30°以下である、
    ことを特徴とする読取装置。
  2. 前記面の前記ニップ線に対する傾斜角度は、1.5°以上12°以下である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の読取装置。
  3. 前記シート幅方向に見た場合に、前記面の前記シート搬送方向における下流端は、前記ニップ線に対して前記高さ方向における前記第1の側に位置する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の読取装置。
  4. 前記シート幅方向に見た場合に、前記面の前記シート搬送方向における下流端は、前記第2ローラ対のニップ部を通り前記シート搬送方向に延びるニップ線に対して前記高さ方向における前記第1の側に位置する、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の読取装置。
  5. 前記シート搬送方向における前記第1ローラ対と前記透過部材との間で、かつ、前記ニップ線に対して前記高さ方向における前記第1の側に設けられ、前記シートを案内する搬送ガイドを更に有し、
    前記シート幅方向に見た場合に、前記搬送ガイドは、前記ニップ線に対して前記高さ方向における前記第2の側に突出していない、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の読取装置。
  6. 前記透過部材の前記面の前記シート搬送方向における上流端は、前記高さ方向において、前記搬送ガイドの最も前記第2の側の部分より前記第1の側に位置する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の読取装置。
  7. 前記シート搬送方向における前記面の上流端は、前記高さ方向において、前記搬送ガイドの最も前記第2の側の部分より、3mm以上10mm以下の範囲で前記第1の側に位置し、
    前記シート搬送方向における前記面の下流端は、前記高さ方向において、前記上流端より前記高さ方向における前記第2の側であって、前記ニップ線に対して前記第1の側に位置する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の読取装置。
  8. 前記対向部材の一部は、前記高さ方向における前記第2の側から前記ニップ線に対して前記第1の側に突出しており、
    前記対向部材と前記透過部材との間の前記隙間は、前記ニップ線に対して前記高さ方向における前記第1の側に位置する、
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の読取装置。
  9. 前記対向部材は、前記シート幅方向に延びる軸線を中心に回転するローラである、
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の読取装置。
  10. 前記シート搬送方向において前記対向部材とは異なる位置において前記透過部材の表面に設けられ、前記読取手段のシェーディング補正を行うための基準部を有し、
    前記読取手段は、前記隙間を搬送される前記シートから画像情報を読み取る第1位置と、前記シェーディング補正を行うために前記基準部を読み取る第2位置との間で移動可能である、
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の読取装置。
  11. 前記透過部材、前記読取手段及び前記対向部材は、それぞれ、第1の透過部材、第1の読取手段及び第1の対向部材であり、
    前記シート搬送方向における前記第2ローラ対の下流に配置され前記シートを搬送する第3ローラ対であって、前記シート幅方向に見た場合に、前記第1ローラ対の前記ニップ部を通り前記シート搬送方向に延びる前記ニップ線と重なる第3ローラ対と、
    前記シート搬送方向における前記第2ローラ対と前記第3ローラ対との間で、かつ、前記ニップ線に対して、前記高さ方向における前記第2の側に配置され、光を透過する第2の透過部材と、
    前記第2ローラ対から前記第3ローラ対に向かって搬送される前記シートの画像情報を前記第2の透過部材を介して読み取る第2の読取手段と、
    前記第2の透過部材に対して前記高さ方向における前記第1の側に設けられ、前記第2の透過部材との間に前記シートが通過する隙間を形成し、前記第2の透過部材を介して前記第2の読取手段と対向する第2の対向部材と、
    を更に備え、
    前記シート幅方向に見た場合に、前記第2の透過部材の前記高さ方向における前記第1の側の面は、前記シート搬送方向の下流に向かって前記高さ方向における前記第1の側に傾斜しており、
    前記第2の透過部材の前記高さ方向における前記第1の側の面の前記ニップ線に対する傾斜角度は、1°以上30°以下である、
    ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の読取装置。
  12. シートに画像を形成する画像形成装置と、
    前記画像形成装置によって画像形成されたシートの画像情報を読み取る、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の読取装置と、
    を備えたことを特徴とする画像形成システム。
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