JP2022114474A - パワーモジュール - Google Patents

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潤一 木村
Junichi Kimura
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Abstract

【課題】パワーモジュールの動作信頼性の向上を図る。【解決手段】パワーモジュール1は、制御信号S1に応じて動作する駆動回路2と、駆動回路2に駆動抵抗3を介して接続された第1出力端4と、第1基準電位端5と、駆動回路2と第1出力端4と第1基準電位端5とが配置される駆動基板6と、パワー半導体素子7が実装される半導体実装部8と、制御接続部9と、第1基準接続部10とが配置される放熱基板11と、冷却器12とを含む。駆動基板6は、第1出力端4に接続された第1出力導体層17と、第1基準電位端5に接続された第1基準電位層18とを有し、第1基準電位層18は複数層で設けられて第1出力導体層17を絶縁状態で挟持して積層配置され、第1出力端4と制御接続部9とは第1棒状導体19で接続され、第1基準電位端5と第1基準接続部10とは第2棒状導体20で接続されている。【選択図】図1

Description

本発明は、各種電気機器に使用されるパワーモジュールに関するものである。
以下、従来のパワーモジュールについて説明する。従来のパワーモジュールは、制御用基板と電力用半導体装置を実装した基板とを個別に設け、さらにパワーモジュールの放熱特性を向上させるためにヒートシンクがパワーモジュールに設けられている。ここでヒートシンクは、発熱量が大きな電力用半導体素子で発生する熱を効率よく放熱するために、電力用半導体装置を実装した基板に密着する形で配置されている。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば特許文献1が知られている。
特開2003-258466号公報
しかしながら従来のパワーモジュールでは、制御用基板から電力用半導体装置を制御するための制御信号を発信する際に、半導体装置のスイッチング速度を調整するために設けられた抵抗に電流が流れることに伴い発生する熱を十分に放熱できなくなり、この結果、制御用基板の温度上昇に起因してパワーモジュールの動作信頼性が低下するおそれがある
という課題を有するものであった。
そこで本発明は、パワーモジュールの動作信頼性を向上させることを目的とするものである。
そして、この目的を達成するために本発明は、制御信号の入力に応じて駆動信号を発信する駆動回路と、前記駆動回路に駆動抵抗を介して接続された第1出力端と、前記駆動回路に接続された第1基準電位端と、前記駆動回路と前記第1出力端と前記第1基準端とが配置された駆動基板と、制御端子と基準端子とを有するパワー半導体素子が実装される半導体実装部と、前記制御端子が接続される制御接続部と、前記基準端子が接続される第1基準接続部とが配置され、絶縁層と放熱層とを有する放熱基板と、前記放熱基板に熱的に接続されて設けられた冷却器と、を備え、前記駆動基板は、前記第1出力端に接続された第1出力導体層と、前記第1基準電位端に接続された第1基準電位層とを有し、前記第1基準電位層は複数層で設けられて前記第1出力導体層を絶縁状態で挟持して積層配置され、前記第1出力端と前記制御接続部とは第1棒状導体で接続され、前記第1基準電位端と前記基準接続部とは第2棒状導体で接続されている、ことを特徴としたものである。
本発明によれば、パワー半導体素子で発生する熱は放熱基板を介して冷却器へと伝えられて放熱される。そして、駆動回路に接続された駆動抵抗で発生する熱は駆動回路が実装された駆動基板に積層された第1出力導体層や第1基準電位層によって駆動基板内に拡散される。さらに、駆動回路に接続された駆動抵抗で発生する熱は、第1棒状導体と第2棒状導体とを通じて放熱基板を介して冷却器へと伝えられて放熱される。これにより、駆動回路やパワー半導体素子が動作する際の駆動回路やパワー半導体素子の温度上昇は抑制される。この結果として、パワーモジュールの動作信頼性の向上が可能となる。
本発明の実施の形態におけるパワーモジュールの構成を示す第1側面図 本発明の実施の形態におけるパワーモジュールの構成を示す第1ブロック接続図 本発明の実施の形態におけるパワーモジュールの構成を示す第2側面図 本発明の実施の形態におけるパワーモジュールの構成を示す第3側面図 本発明の実施の形態におけるパワーモジュールの構成を示す第2ブロック接続図 本発明の実施の形態におけるパワーモジュールの構成を示す第4側面図 本発明の実施の形態におけるパワーモジュールの構成を示す第3ブロック接続図 本発明の実施の形態におけるパワーモジュールの構成を示す第5側面図 本発明の実施の形態におけるパワーモジュールの構成を示す第4ブロック接続図
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
(実施の形態)
図1は本発明の実施の形態におけるパワーモジュールの構成を示す第1側面図であり、図2は本発明の実施の形態におけるパワーモジュールの構成を示す第1ブロック接続図である。パワーモジュール1は、駆動回路2と駆動抵抗3と第1出力端4と第1基準電位端5と、駆動回路2と駆動抵抗3と第1出力端4と第1基準電位端5とが配置される駆動基板6と、パワー半導体素子7と半導体実装部8と制御接続部9と第1基準接続部10と、パワー半導体素子7と半導体実装部8と制御接続部9と第1基準接続部10とが配置される放熱基板11と、冷却器12とを含む。
駆動回路2は、駆動回路2に入力される制御信号S1に対応した駆動信号S2を発信する。第1出力端4は駆動抵抗3を介して駆動回路2に接続されている。また、駆動回路2には第1基準電位端5が接続されている。
パワー半導体素子7は制御端子13と基準端子14とを有する。パワー半導体素子7は、半導体実装部8に実装されている。制御接続部9は制御端子13に接続されている。第1基準接続部10は基準端子14に接続されている。
放熱基板11は絶縁層15と放熱層16とを有する。また冷却器12は放熱基板11に熱的に接続されている。
駆動基板6は、第1出力導体層17と第1基準電位層18とを有する。第1出力導体層17は第1出力端4に接続されている。第1基準電位層18は第1基準電位端5に接続されている。第1基準電位層18は複数の層が積層配置された状態で駆動基板6に設けられていて、複数層の第1基準電位層18が第1出力導体層17を、電気的に絶縁状態を保ったうえで挟持している。
また、第1出力端4と制御接続部9は第1棒状導体19によって接続されていて、第1基準電位端5と第1基準接続部10は第2棒状導体20によって接続されている。
以上の構成により、パワー半導体素子7が動作する際に発生する熱は、放熱基板11を介して冷却器12へと伝えられて放熱される。そして、駆動回路2に接続された駆動抵抗3にパワー半導体素子7を動作させるための信号が流れることに伴って発生する熱は、駆動回路2が実装された駆動基板6に積層して設けられた第1出力導体層17や第1基準電位層18によって駆動基板6全体へと拡散される。
さらに、駆動回路2に接続された駆動抵抗3で発生する熱は、第1出力端4を経て第1棒状導体19に、第1基準電位端5を経て第2棒状導体20に伝えられ、さらに第1棒状導体19と第2棒状導体20を通じて放熱基板11を介して冷却器12へと伝えられて放熱される。これにより、駆動回路2やパワー半導体素子7が動作する際の駆動回路2やパワー半導体素子7の温度上昇は抑制される。この結果として、駆動回路2が熱によって破損することや、駆動回路2やパワー半導体素子7の接続に用いられるはんだ接合部をはじめとする接合部が熱によって破損することを抑制することができ、パワーモジュールの動作信頼性の向上が可能となる。
以下において、パワーモジュール1の構成および動作の詳細について、図1および図2を用いて説明する。先にも述べたように、パワーモジュール1は、駆動回路2と駆動抵抗3と第1出力端4と第1基準電位端5と、駆動回路2と駆動抵抗3と第1出力端4と第1基準電位端5とが配置される駆動基板6と、パワー半導体素子7と半導体実装部8と制御接続部9と第1基準接続部10と、パワー半導体素子7と半導体実装部8と制御接続部9と第1基準接続部10とが配置される放熱基板11と、冷却器12とを含む。駆動基板6と放熱基板11とは個別の基板として設けられている。
駆動回路2は、信号入力部2Aから駆動回路2に入力される制御信号S1に対応した駆動信号S2を発信する。駆動信号S2はパワー半導体素子7の制御端子13へ発信される。ここで、駆動回路2は駆動抵抗3を介して第1出力端4に接続されている。また、駆動回路2に設けられた基準電位部2Bには第1基準電位端5が接続されている。
駆動回路2と駆動抵抗3との接続、駆動抵抗3と第1出力端4との接続は、それぞれ導体3A、3Bによって行われる。導体3A、3Bは駆動基板6の表面に設けられていても、あるいは一部が駆動基板6に埋設されて設けられていてもよい。それぞれの導体3A、3Bは銅箔状であってもリードフレームのように板状の導体が所定の形状として設けられていてもよい。基準電位部2Bと第1基準電位端5とを接続する導体5Aもまた、銅箔状であってもリードフレームのように板状の導体が所定の形状として設けられていてもよい。また、駆動抵抗3は単一の抵抗体によって構成されていても、並列接続された複数の抵抗体によって構成されていてもよい。
パワー半導体素子7は制御端子13と基準端子14と出力端子21とを有する。パワー半導体素子7は、半導体実装部8に実装されている。制御接続部9は制御端子13に接続されている。第1基準接続部10は基準端子14に接続されている。
パワー半導体素子7には、例えば酸化金属皮膜型電界効果型トランジスタ(以下、MOSFET)や、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(以下、IGBT)などが用いられるとよい。パワー半導体素子7がMOSFETである場合、ゲートが制御端子13に、ドレインが出力端子21に、ソースが基準端子14に相当する。また、パワー半導体素子7がIGBTである場合、ゲートが制御端子13に、コレクタが出力端子21に、エミッタが基準端子14に相当する。
半導体実装部8、制御接続部9、第1基準接続部10は放熱基板11の絶縁層15上に配置されていて、銅板、銅箔などの導体で構成されている。絶縁層15は絶縁樹脂あるいはセラミックなどによって構成されているとよい。また、絶縁層15における半導体実装部8、制御接続部9、第1基準接続部10が配置された反対面には放熱層16が絶縁層15に貼り付けられた状態で設けられている。放熱層16は銅やアルミニウムなどの伝熱特性や放熱特性に優れた材質であることが望ましい。またさらに、放熱層16における絶縁層15が設けられた反対面には冷却器12が設けられている。冷却器12は銅やアルミニウムなどによって構成された放熱フィンや、流路を有したうえで液体や気体を強制的に流すことによって冷却を促進する液冷器や空冷器であってよい。また、放熱層16と冷却器12とはネジなどの固定具(図示せず)や溶接によって、熱的および機械的に結合されているとよい。
駆動基板6は、放熱基板11と概ね平行した位置に対面して配置されていて、絶縁体6Aと第1出力導体層17と第1基準電位層18とを有する。絶縁体6Aは絶縁樹脂やセラミックなど、あるいは絶縁樹脂とセラミックとの双方によって構成されているとよい。第1出力導体層17は第1出力端4に接続されている。第1基準電位層18は第1基準電位端5に接続されている。第1基準電位層18は複数の層が積層配置された状態で駆動基板6に設けられていて、相互の熱的な結合状態を向上させるために複数層の第1基準電位層18が第1出力導体層17を絶縁体6Aが介在する状態で挟持している。よって、第1出力導体層17と第1基準電位層18とは電気的に絶縁状態となっている。第1出力導体層17と第1基準電位層18とは導電性と伝熱性とが共に優れた箔状や板状で、あるいは箔状や板状のパターン形成された銅や銅合金が用いられるとよい。複数層からなる第1基準電位層18は、全ての第1基準電位層18が絶縁体6Aに埋設されていても、あるいは外部への放熱特性を向上させるために第1基準電位層18の一面が絶縁体6Aから露出していてもよい。また複数層からなる第1基準電位層18における相互の接続は、第1基準電位層18の積層方向に延伸する接続層18Aによって行われるとよい。また、接続層18Aは絶縁体6Aに埋設されて複数の位置に分散して配置されてよい。
第1出力端4と制御接続部9は第1棒状導体19によって接続されていて、第1基準電位端5と第1基準接続部10は第2棒状導体20によって接続されている。第1棒状導体19と第2棒状導体20とは、導電性と伝熱性とが共に優れた棒状の銅や銅合金が用いられるとよい。また、発熱源である駆動抵抗3に熱的に結合が大きい第1棒状導体19は第2棒状導体20よりも断面積を大きくするなどにより伝熱性をよくすることが望ましい。
ここで、図中の全ての第1基準電位層18は電気的に接続された状態となっている。第1基準電位層18は、第1基準電位層18の積層方向に延伸する接続層18Aによって駆動回路2と熱的に結合し、駆動回路2で生じる熱を概ね直接に第1基準電位層18に伝えてもよい。また、第1基準電位層18は駆動回路2と電気的に結合した状態としても構わない。その場合も、当然ながら第1出力導体層17と第1基準電位層18とは電気的に絶縁状態である。
以上の構成により、パワー半導体素子7が動作する際に発生する熱は、放熱基板11を介して冷却器12へと伝えられて放熱される。そして、駆動回路2に接続された駆動抵抗3にパワー半導体素子7を動作させるための信号が流れることに伴って発生する熱は、駆動回路2が実装された駆動基板6に積層して設けられた第1出力導体層17や第1基準電位層18によって駆動基板6全体へと拡散される。
さらに、駆動回路2に接続された駆動抵抗3で発生する熱は、第1出力端4を経て第1棒状導体19、放熱基板11を通じて冷却器12へと伝えられて放熱される。また、さらに駆動抵抗3の熱は、第1出力端4から、第1棒状導体19、第1出力導体層17、絶縁体6A、第1基準電位層18、第2棒状導体20、放熱基板11を通じて冷却器12へと伝えられて放熱される。これにより、駆動回路2や駆動抵抗3の温度上昇は抑制される。この結果として、駆動回路2や駆動抵抗3、またそれらの接続に用いられるはんだ接合部をはじめとする接合部が熱によって破損することを抑制することができ、パワーモジュール1の動作信頼性の向上が可能となる。
図3の本発明の実施の形態におけるパワーモジュールの構成を示す第2側面図に示すように駆動基板6は、放熱導体層22をさらに有していてもよい。ここで放熱導体層22は、複数層で設けられた第1基準電位層18によって絶縁状態で挟持されている。そして、放熱導体層22は駆動回路2と駆動抵抗3とに接続されている。
より詳細には、放熱導体層22は露出放熱導体層22Aと中間放熱導体層22Bと埋設放熱導体層22Cとを有するとよい。露出放熱導体層22Aは駆動回路2と駆動抵抗3とを接続している。露出放熱導体層22Aは先に述べた導体3Aに相当し、駆動基板6の表面に露出放熱導体層22Aの一部が露出した状態で設けられていても、あるいは、露出放熱導体層22Aは絶縁体6Aに一部が埋設された状態で設けられていてもよい。
また、埋設放熱導体層22Cは絶縁体6Aに埋設されたうえで、絶縁状態で第1基準電位層18によって挟持された位置関係で配置されている。さらに中間放熱導体層22Bは露出放熱導体層22Aと埋設放熱導体層22Cとを電気的に接続し、さらに熱的に結合させて絶縁体6Aに埋設されている。
これにより、駆動抵抗3で発生する熱は放熱導体層22を介して絶縁体6Aへ、さらには第1基準電位層18に伝えられることで、パワーモジュール1の動作信頼性の向上が可能となる。より詳細には、駆動抵抗3で発生する熱は、露出放熱導体層22Aへ伝えられてさらに、絶縁体6Aに埋設された中間放熱導体層22Bと埋設放熱導体層22Cとに伝えられる。さらに、埋設放熱導体層22Cに伝えられた熱は、埋設放熱導体層22Cから絶縁体6Aを介して第1基準電位層18へ伝えられる。また、第2棒状導体20に接続されている第1基準電位層18に伝えられた熱は、第2棒状導体20、第1基準接続部10、放熱基板11、冷却器12へと順に伝わり易くなる。いいかえると、駆動抵抗3で発生する熱は埋設放熱導体層22Cを用いることによって第1基準電位層18へ、大きな対向面積によって効率よく伝えられる。
この結果、駆動抵抗3および、その接続に用いられるはんだ接合部をはじめとする接合部が熱によって破損することを抑制することができ、パワーモジュール1の動作信頼性の向上が可能となる。
図4の本発明の実施の形態におけるパワーモジュールの構成を示す第3側面図、および図5の本発明の実施の形態におけるパワーモジュールの構成を示す第2ブロック接続図に示すように、駆動回路2は正電位(V+)を駆動する第1スイッチ23と負電位(V-)を駆動する第2スイッチ24とを有し、第1駆動抵抗25と第2駆動抵抗26とがそれぞれ第1スイッチ23と第2スイッチ24に接続された形態で駆動抵抗が構成されている。第1駆動抵抗25は第1スイッチ23と第1出力端4とに接続されている。また、第2駆動抵抗26は第2スイッチ24と第1出力端4とに接続されている。
さらに第1スイッチ23と第1駆動抵抗25とは、第1放熱導体層27によって接続されている。また、第2スイッチ24と第2駆動抵抗26とは、第2放熱導体層28によって接続されている。第1放熱導体層27および第2放熱導体層28はともに、第1基準電位層18に対して絶縁体6Aによって絶縁状態とされたうえで、複数層からなる第1基準電位層18によって挟持された状態で設けられている。
より詳細には、先に述べた際と同様に第1放熱導体層27および第2放熱導体層28は露出放熱導体層27A、28Aと中間放熱導体層27B、28Bと埋設放熱導体層27C、28Cとを有するとよい。露出放熱導体層27Aは、駆動回路2の第1スイッチ23と第1駆動抵抗25とを接続し、露出放熱導体層28Aは、駆動回路2の第2スイッチ24と第2駆動抵抗26とを接続している。露出放熱導体層27A、28Aは駆動基板6の表面に露出放熱導体層27A、28Aの一部が露出した状態で設けられていても、あるいは、露出放熱導体層27A、28Aは絶縁体6Aに一部が埋設された状態で設けられていてもよい。
また、埋設放熱導体層27C、28Cは絶縁体6Aに埋設されたうえで、絶縁状態で第1基準電位層18によって挟持された位置関係で配置されている。さらに中間放熱導体層27B、28Bは露出放熱導体層27A、28Aと埋設放熱導体層27C、28Cとを電気的に接続し、さらに熱的に結合させて絶縁体6Aに埋設されていて、露出放熱導体層27A、28Aと埋設放熱導体層27C、28Cとの積層方向に延伸して設けられている。露出放熱導体層27A、28Aと埋設放熱導体層27C、28Cとは板状や箔状の銅や銅合金などの導体とすればよい。
これにより、第1駆動抵抗25と第2駆動抵抗26で発生する熱は第1放熱導体層27、第2放熱導体層28を介して絶縁体6Aへ、さらには第1基準電位層18に伝えられることで、パワーモジュール1の動作信頼性の向上が可能となる。より詳細には、第1駆動抵抗25と第2駆動抵抗26で発生する熱は、露出放熱導体層27A、28Aへ伝えられてさらに、絶縁体6Aに埋設された中間放熱導体層27B、28Bと埋設放熱導体層27C、28Cとに伝えられる。さらに、埋設放熱導体層27C、28Cに伝えられた熱は、絶縁体6Aを介して第1基準電位層18へ伝えられる。また、第2棒状導体20に接続されている第1基準電位層18に伝えられた熱は、第2棒状導体20、第1基準接続部10、放熱基板11、冷却器12へと順に伝わり易くなる。この結果、駆動抵抗3および、その接続に用いられるはんだ接合部をはじめとする接合部が熱によって破損することを抑制することができ、パワーモジュール1の動作信頼性の向上が可能となる。
またさらに、第1駆動抵抗25と第2駆動抵抗26とには電流が交互に流れるため、発熱が抑制され、結果としてパワーモジュール1の信頼性向上に加え小型化が可能となる。
図6の本発明の実施の形態におけるパワーモジュールの構成を示す第4側面図、および図7の本発明の実施の形態におけるパワーモジュールの構成を示す第3ブロック接続図に示すように、駆動回路2は、制御信号S1に応じて第1スイッチ23と第2スイッチ24とを交互にオン、オフさせる駆動素子29を有する。
駆動基板6には、第1基準電位端5に絶縁されて駆動素子29が動作するための基準電位を有した状態で駆動素子29に接続される第2基準電位端30と、駆動素子29が配置される駆動導体部31とが配置されている。さらに、駆動基板6は、第2基準電位端30に接続された第2基準電位層32と、駆動導体部31に接続された駆動導体層33とをさらに有する。放熱基板11には、第2基準接続部34がさらに配置されている。そして、駆動導体層33は第2基準電位層32によって絶縁状態で挟持され、第2基準電位端30と第2基準接続部34とは第3棒状導体35で接続されている。
ここでは、駆動素子29は駆動回路2の外部から信号入力部2Aを介して制御信号S1を受信して駆動素子29が駆動する。駆動素子29の基準電位は、駆動基板6に設けられたコネクタ等(図示なし)から供給される。第2基準電位端30、駆動導体部31、第3棒状導体35、第2基準接続部34は電気的に接続されているが、第2基準接続部34は放熱基板上のその他の導体には電気的には接続されていない。第2基準接続部34は、放熱基板11、冷却器12とは熱的に接続されているのみである。先に述べたように、駆動素子29は基準電位部2Bを通じて第1基準電位端5にも接続されている。ここで、第1基準電位端5と第2基準電位端30とは絶縁されている。いいかえると、基準電位部2Bと第2基準電位端30とは共に駆動素子29に接続されているが、駆動素子29において絶縁されている。
駆動素子29は駆動導体部31に配置されている。ここで、駆動素子29は駆動導体部31とは少なくとも熱的に結合されているとよい。いいかえると、駆動素子29は駆動導体部31に電気的に接続されることで熱的に結合されていてもよい。このとき、駆動導体部31は、第2基準電位層32および第1基準電位層18とは電気的に絶縁されている。
また、駆動導体部31に接続された駆動導体層33は絶縁体6Aに埋設されていて、駆動導体部31と駆動導体層33とは、駆動導体部31と駆動導体層33とが積層されている方向に延伸する駆動接続層33Aによって電気的、熱的に接続されているとよい。駆動接続層33Aもまた絶縁体6Aに埋設されていてよい。そして、駆動導体層33は絶縁体6Aを介した状態で第2基準電位層32によって絶縁状態で挟持され、駆動導体層33は第2基準電位層32に熱的に結合した状態となっている。
これにより、駆動素子29で生じた熱は駆動導体部31、駆動導体層33、絶縁体6A、第2基準電位層32、第3棒状導体35、第2基準接続部34、放熱基板11、冷却器12へと順に伝わり易くなる。このため、駆動素子29や駆動基板6における温度上昇は冷却器12によって抑制される。第3棒状導体35は、導電性と伝熱性とが共に優れた棒状の銅や銅合金が用いられるとよい。
この結果、駆動素子29および、その接続に用いられるはんだ接合部をはじめとする接合部が熱によって破損することを抑制することができ、パワーモジュール1の動作信頼性の向上が可能となる。
図8の本発明の実施の形態におけるパワーモジュールの構成を示す第5側面図、および図9の本発明の実施の形態におけるパワーモジュールの構成を示す第4ブロック接続図に示すように、駆動回路2は、制御信号S1に応じて第1スイッチ23と第2スイッチ24とを交互にオン、オフさせる駆動素子29を有し、さらに、直列に接続された第1スイッチ23と第2スイッチ24の両端に正電位(V+)と負電位(V―)とを供給するトランス部36が設けられてもよい。
そして、駆動基板6には、第1基準電位端5に絶縁された第2基準電位端30と、トランス部36が配置されるトランス実装部37とが配置されている。さらに、駆動基板6は、第2基準電位端30に接続された第2基準電位層32と、トランス実装部37に接続されたトランス導体層38とをさらに有する。放熱基板11には、第2基準接続部34がさらに配置されている。そして、トランス導体層38は第2基準電位層32によって絶縁状態で挟持され、第2基準電位端30と第2基準接続部34とは第3棒状導体で接続されている。
トランス部36はトランス実装部37に配置されている。ここで、トランス部36はトランス実装部37とは少なくとも熱的に結合されているとよい。いいかえると、トランス部36はトランス実装部37に電気的に接続されることで熱的に結合されていてもよい。このとき、トランス実装部37は、第2基準電位層32および第1基準電位層18とは電気的に絶縁されている。
また、トランス実装部37に接続されたトランス導体層38は絶縁体6Aに埋設されていて、トランス実装部37とトランス導体層38とは、トランス実装部37とトランス導体層38とが積層されている方向に延伸するトランス接続層38Aによって電気的、熱的に接続されているとよい。トランス接続層38Aもまた絶縁体6Aに埋設されていてよい。そして、トランス導体層38は絶縁体6Aを介した状態で第2基準電位層32によって絶縁状態で挟持され、トランス導体層38は第2基準電位層32に熱的に結合した状態となっている。これにより、トランス部36で生じた熱はトランス実装部37、トランス導体層38、絶縁体6A、第2基準電位層32、第3棒状導体35、第2基準接続部34、放熱基板11、冷却器12へと順に伝わり易くなる。このため、トランス部36や駆動基板6における温度上昇は冷却器12によって抑制される。
これにより、トランス部36から発せられる熱が、トランス部36や駆動回路2の他のデバイスへ影響を及ぼすことが抑制される。この結果として、パワーモジュール1の動作信頼性の向上が可能となる。
ここでトランス部36は給電部39と、直列に接続された第1スイッチ23と第2スイッチ24とを絶縁するとともに、給電部39から供給される直流電圧の電圧変換が可能なように、直流交流変換回路(図示せず)が設けられ、トランス部36と第1スイッチ23と第2スイッチ24との間に整流回路(図示せず)が設けられていてよい。また、第1スイッチ23と第2スイッチ24との動作を制御する駆動素子29への給電は給電部39によって実行されてよい。
パワー半導体素子7には例えば、MOSFET(酸化金属皮膜型電界効果型トランジスタ)やIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)などが用いられるとよい。MOSFETが用いられる場合には、制御端子13はゲート端子が相当し、基準端子14はソース端子が相当する。また、IGBTが用いられる場合には、制御端子13はゲート端子が相当し、基準端子14はエミッタ端子が相当する。
本発明のパワーモジュールは、動作信頼性の向上が可能であるという効果を有し、各種電気機器において有用である。
1 パワーモジュール
2 駆動回路
2A 信号入力部
2B 基準電位部
3 駆動抵抗
3A 導体
3B 導体
4 第1出力端
5 第1基準電位端
5A 導体
6 駆動基板
6A 絶縁体
7 パワー半導体素子
8 半導体実装部
9 制御接続部
10 第1基準接続部
11 放熱基板
12 冷却器
13 制御端子
14 基準端子
15 絶縁層
16 放熱層
17 第1出力導体層
18 第1基準電位層
18A 接続層
19 第1棒状導体
20 第2棒状導体
21 出力端子
22 放熱導体層
22A 露出放熱導体層
22B 中間放熱導体層
22C 埋設放熱導体層
23 第1スイッチ
24 第2スイッチ
25 第1駆動抵抗
26 第2駆動抵抗
27 第1放熱導体層
27A 露出放熱導体層
27B 中間放熱導体層
27C 埋設放熱導体層
28 第2放熱導体層
28A 露出放熱導体層
28B 中間放熱導体層
28C 埋設放熱導体層
29 駆動素子
30 第2基準電位端
31 駆動導体部
32 第2基準電位層
33 駆動導体層
33A 駆動接続層
34 第2基準接続部
35 第3棒状導体
36 トランス部
37 トランス実装部
38 トランス導体層
38A トランス接続層
39 給電部

Claims (7)

  1. 制御信号の入力に応じて駆動信号を発信する駆動回路と、前記駆動回路に駆動抵抗を介して接続された第1出力端と、前記駆動回路に接続された第1基準電位端と、前記駆動回路と前記第1出力端と前記第1基準端とが配置される駆動基板と
    制御端子と基準端子とを有するパワー半導体素子が実装される半導体実装部と、前記制御端子が接続される制御接続部と、前記基準端子が接続される第1基準接続部とが配置され、絶縁層と放熱層とを有する放熱基板と、
    前記放熱基板に熱的に接続されて設けられた冷却器と、
    を備え、
    前記駆動基板は、前記第1出力端に接続された第1出力導体層と、前記第1基準電位端に接続された第1基準電位層とを有し、前記第1基準電位層は複数層で設けられて前記第1出力導体層を絶縁状態で挟持して積層配置され、
    前記第1出力端と前記制御接続部とは第1棒状導体で接続され、前記第1基準電位端と前記第1基準接続部とは第2棒状導体で接続されている、
    パワーモジュール。
  2. 前記駆動基板は、放熱導体層をさらに有し、前記放熱導体層は前記第1基準電位層によって絶縁状態で挟持されるとともに、前記駆動回路と前記駆動抵抗とに接続されている、
    請求項1に記載のパワーモジュール。
  3. 前記駆動回路は第1スイッチと第2スイッチとを有し、
    前記駆動抵抗は、前記第1スイッチと前記第1出力端とを接続する第1駆動抵抗と、前記第2スイッチと前記第1出力端とを接続する第2駆動抵抗とからなり、
    前記第1スイッチと前記第1駆動抵抗とは、前記第1基準電位層によって絶縁状態で挟持されて設けられた第1放熱導体層に接続され、
    前記第2スイッチと前記第2駆動抵抗とは、前記第1基準電位層によって絶縁状態で挟持されて設けられた第2放熱導体層に接続されている、
    請求項1に記載のパワーモジュール。
  4. 前記駆動回路はさらに、前記制御信号に応じて前記第1スイッチと前記第2スイッチとを交互にオン、オフさせる駆動素子を有し、
    前記駆動基板には、前記第1基準電位端に絶縁されて前記駆動素子が動作するための基準電位を有して前記駆動素子に接続される第2基準電位端と、前記駆動素子が配置される駆動導体部とがさらに配置されるとともに、
    前記駆動基板は、前記第2基準電位端に接続された第2基準電位層と、前記駆動導体部に接続された駆動導体層とをさらに有し、
    前記放熱基板には、第2基準接続部がさらに配置され、
    前記駆動導体層は前記第2基準電位層によって絶縁状態で挟持され、
    前記第2基準電位端と前記第2基準接続部とは第3棒状導体で接続されている、
    請求項1に記載のパワーモジュール。
  5. 前記駆動回路はさらに、前記第1スイッチと前記第2スイッチとに動作電圧を供給するトランスを有し、
    前記駆動基板には、前記第1基準電位端に絶縁された第2基準電位端と、前記トランスが配置されるトランス実装部とがさらに配置されるとともに、
    前記駆動基板は、前記第2基準電位端に接続された第2基準電位層と、前記トランス実装部に接続されたトランス導体層とをさらに有し、
    前記放熱基板には、第2基準接続部がさらに配置され、
    前記トランス導体層は前記第2基準電位層によって絶縁状態で挟持され、
    前記第2基準電位端と前記第2基準接続部とは第3棒状導体で接続されている、
    請求項3に記載のパワーモジュール。
  6. 前記パワー半導体素子の、制御端子はゲート端子であり、基準端子はソース端子である、
    請求項1に記載のパワーモジュール。
  7. 前記パワー半導体素子の、制御端子はゲート端子であり、基準端子はエミッタ端子である、
    請求項1に記載のパワーモジュール。
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