JP2022113499A - 蓄電デバイスの自己放電検査方法及び蓄電デバイスの製造方法 - Google Patents

蓄電デバイスの自己放電検査方法及び蓄電デバイスの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2022113499A
JP2022113499A JP2021009786A JP2021009786A JP2022113499A JP 2022113499 A JP2022113499 A JP 2022113499A JP 2021009786 A JP2021009786 A JP 2021009786A JP 2021009786 A JP2021009786 A JP 2021009786A JP 2022113499 A JP2022113499 A JP 2022113499A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
storage device
temperature
battery
electricity storage
voltage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2021009786A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7278312B2 (ja
Inventor
瑠璃 田中
Ruri Tanaka
才昇 大倉
Toshinori Okura
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Prime Planet Energy and Solutions Inc
Original Assignee
Prime Planet Energy and Solutions Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Prime Planet Energy and Solutions Inc filed Critical Prime Planet Energy and Solutions Inc
Priority to JP2021009786A priority Critical patent/JP7278312B2/ja
Publication of JP2022113499A publication Critical patent/JP2022113499A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7278312B2 publication Critical patent/JP7278312B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Abstract

【課題】蓄電デバイスの自己放電の検査時間を短くできる蓄電デバイスの自己放電検査方法、及び、蓄電デバイスの製造方法を提供すること。【解決手段】蓄電デバイス1の自己放電を検査する蓄電デバイス1の自己放電検査方法は、蓄電デバイスが、デバイス温度を上昇又は下降させるとデバイス電圧が降圧する特性を有しており、予め充電された蓄電デバイスが第1デバイス温度TB1であるときに、第1デバイス電圧VB1を測定する工程S6と、外部電源EPから第1デバイス電圧VB1に等しい電源電圧VSを蓄電デバイスに印加し続ける工程S7と、工程S7に並行して、蓄電デバイスを第1デバイス温度から第2デバイス温度TB2に向けて変化させる工程S10と、外部電源EPから蓄電デバイス1に流れる電源電流IBを検知する工程S8と、検知した電源電流に基づいて、蓄電デバイスの自己放電状態を判定する工程S11と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、蓄電デバイスの自己放電状態を判定する蓄電デバイスの自己放電検査方法、及び、この自己放電検査方法を含む蓄電デバイスの製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池などの蓄電デバイスの製造に当たっては、電極体等の内部に鉄や銅などの金属異物が混入する場合があり、混入した金属異物に起因して蓄電デバイスに内部短絡に起因する自己放電が生じることがある。このため、蓄電デバイスの製造過程において、蓄電デバイスにおける内部短絡の有無や自己放電状態の大きさや適否を判定したい場合がある。
この蓄電デバイスの内部短絡の検査手法としては、例えば、以下が知られている。即ち、予め充電された蓄電デバイスの検知前デバイス電圧を測定しておき、外部電源から、検知前デバイス電圧に等しい出力電圧を蓄電デバイスに印加し続けて、外部電源から蓄電デバイスに流れる電源電流を検知する。そして、検知した電源電流に基づいて、蓄電デバイスの内部短絡を判定する。なお、関連する従来技術として、特許文献1(特許文献1の特許請求の範囲等を参照)が挙げられる。
特開2019-16558号公報
しかしながら、上述の内部短絡の検査方法でも、電源電流の大きさがほぼ安定するまでに時間が掛かるため、さらに検査時間を短縮化したいという要望があった。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、蓄電デバイスの自己放電の検査時間を短くできる蓄電デバイスの自己放電検査方法、及び、この自己放電検査方法を含む蓄電デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
(1)上記課題を解決するための本発明の一態様は、蓄電デバイスの自己放電を検査する蓄電デバイスの自己放電検査方法であって、上記蓄電デバイスは、第1デバイス温度下の開路電圧が第1デバイス電圧である上記蓄電デバイスのデバイス温度を、上記第1デバイス温度から第2デバイス温度に変化させた場合に、上記蓄電デバイスの開路電圧が、上記第1デバイス電圧からこれよりも低い第2デバイス電圧に降圧する特性を有しており、予め充電された上記蓄電デバイスのデバイス温度が上記第1デバイス温度であるときに、上記蓄電デバイスの上記第1デバイス電圧を測定する第1デバイス電圧測定工程と、外部電源から、上記第1デバイス電圧に等しい電源電圧を、上記蓄電デバイスに印加し続ける電圧継続印加工程と、上記電圧継続印加工程に並行して、上記蓄電デバイスのデバイス温度を、上記第1デバイス温度から上記第2デバイス温度に向けて変化させるデバイス温度変化工程と、上記外部電源から上記蓄電デバイスに流れる電源電流を検知する電流検知工程と、検知した上記電源電流に基づいて、上記蓄電デバイスの自己放電状態を判定する判定工程と、を備える蓄電デバイスの自己放電検査方法である。
上述の蓄電デバイスの自己放電検査方法では、第1デバイス電圧測定工程、電圧継続印加工程、電流検知工程、及び、蓄電デバイスの自己放電状態を判定する判定工程を行う。これにより、外部電源から蓄電デバイスに流れる電源電流を用いて、蓄電デバイスの自己放電状態について判定することができる。
しかも、この検査方法の対象である蓄電デバイスは、第1デバイス温度下において開路電圧が第1デバイス電圧である蓄電デバイスのデバイス温度を、第1デバイス温度から第2デバイス温度に変化させた場合に、蓄電デバイスの開路電圧が、第1デバイス電圧からこれよりも低い第2デバイス電圧に降圧する特性を有している。そして、この検査方法は、電圧継続印加工程に並行して、蓄電デバイスのデバイス温度を、第1デバイス温度から第2デバイス温度に向けて変化させるデバイス温度変化工程を有している。このため、電圧継続印加工程では、自己放電の進行によるデバイス電圧の低下に加え、デバイス温度を第1デバイス温度から第2デバイス温度に向けて変化させることによる電池電圧の低下をも生じさせることができ、この電圧継続印加工程におけるデバイス電圧の低下を早めて、より早期に電源電流を増加させたり、電源電流をより早期に安定化させることができる。かくして、より早期に判定工程における蓄電デバイスの自己放電状態の判定を行えるようにできる。
なお、上述の蓄電デバイスの自己放電検査方法は、後述するように、蓄電デバイスの製造過程において行うことができるほか、自動車等に搭載された或いは単独で市場に置かれた以降の、使用中、使用済の蓄電デバイスに対して行うこともできる。
また、「蓄電デバイス」としては、例えば、リチウムイオン二次電池等の二次電池、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ等のキャパシタが挙げられる。
開路電圧は、外部から蓄電デバイスに流れる電流をゼロとした場合に、蓄電デバイスの端子間に生じる電圧であり、必ずしも蓄電デバイスの端子を回路から切断(開路)して測定する必要はない。
第1デバイス温度は、デバイス温度変化工程に先だって、蓄電デバイスを保持しておくデバイス温度である。第1デバイス温度としては、蓄電デバイスの使用可能温度範囲内から適宜選択すれば良いが、例えば、20℃などの常温(15~25℃)を採用することができる。
また、第2デバイス温度は、第1デバイス温度を定めた場合に定め得る温度であり、第1デバイス温度下の開路電圧が第1デバイス電圧である蓄電デバイスのデバイス温度を、第1デバイス温度から変化させた場合に、蓄電デバイスの開路電圧が、第1デバイス電圧よりも低いデバイス電圧(第2デバイス電圧)に変化する範囲から選択したデバイス温度をいう。従って、第2デバイス温度は、蓄電デバイスの種類、電極材料等により、第1デバイス温度よりも低い温度となる場合も、高い温度となる場合もあり得る。
デバイス温度変化工程は、蓄電デバイスのデバイス温度を変化させる工程であり、採用しうる具体的手法としては、例えば、室内温度を変化させうる恒温室を用意しておき、予め、室内温度を第1環境温度とした恒温室内に蓄電デバイスを放置し、蓄電デバイスのデバイス温度を第1環境温度に等しい第1デバイス温度としておく。その後、デバイス温度変化工程において、蓄電デバイスを外部電源に接続したまま、この恒温室の室内温度を第2環境温度まで変化させて、蓄電デバイスのデバイス温度を第2環境温度に等しい第2デバイス温度に向けて変化させる手法や、この第2デバイス温度まで変化させる手法が挙げられる。また、室内温度を第1環境温度とした第1室と、室内温度を第2環境温度とした第2室を用意しておき、予め、第1室内に蓄電デバイスを放置し、蓄電デバイスのデバイス温度を第1環境温度に等しい第1デバイス温度としておく。その後、デバイス温度変化工程において、蓄電デバイスを外部電源に接続したまま、第1室から第2室内に移送し、蓄電デバイスのデバイス温度を第2環境温度に等しい第2デバイス温度に向けて変化させる手法や、この第2デバイス温度まで変化させる手法も挙げられる。
判定工程では、電源電流に基づいて自己放電状態を判定する。具体的には、電源電流の経時変化や電源電流が安定した時点で流れる安定時電源電流を用いて、自己放電状態を判定する手法が挙げられる。電源電流の経時変化から自己放電状態を判定する手法としては、例えば、先ず電源電流の経時変化から、蓄電デバイスが第2デバイス温度になり電源電流が安定した時点で得られる推定安定時電源電流の値を推定する。その上で、この推定安定時電源電流の値としきい電流値との大小から、自己放電状態の良否(OK/NG)を判定する手法、推定安定時電源電流の大きさに応じたA/B/C…などの複数ランクにランク分けする手法などの判定手法が挙げられる。また、電源電流の単位時間あたりの変化量から、直接、蓄電デバイスの自己放電状態の良否判定やランク分けを行う判定手法も挙げられる。
一方、電源電流が安定した時点で流れる安定時電源電流を用いて自己放電状態を判定する手法としては、例えば、蓄電デバイスが第2デバイス温度となり電源電流が安定した時点で流れる安定時電源電流の値を得る。その上で、この安定時電源電流の値としきい電流値との大小から、自己放電状態の良否(OK/NG)を判定する手法、安定時電源電流の大きさに応じたA/B/C…などの複数ランクにランク分けする手法などの判定手法が挙げられる。
なお、検知した電源電流の経時変化とは、電圧継続印加工程の開始以降、蓄電デバイスを流れる電源電流の値が安定するまでの期間に生じる、電源電流の時間的な変化をいい、例えば、予め定めた期間に生じる電源電流の増加量や増加の傾きなどで示すことができる。また、電圧継続印加工程において十分な時間が経過した時点では、蓄電デバイス内を流れる自己放電電流の大きさに対応する安定な電源電流が流れる、この安定した電源電流を安定時電源電流とする。
電圧継続印加工程の開始後、並行して行うデバイス温度変化工程を開始するタイミングとしては、電圧継続印加工程の開始の直後にデバイス温度変化工程も開始するのが好ましい。但し、電圧継続印加工程の開始から、30秒後、1分後、5分後など、予め定めた時間経過後に、デバイス温度変化工程を開始しても良い。
(2)(1)の蓄電デバイスの自己放電検査方法であって、前記第1デバイス電圧測定工程に先立ち、前記蓄電デバイスを、第1環境温度とした保持室内に放置して、上記蓄電デバイスのデバイス温度を、上記第1環境温度に等しい前記第1デバイス温度とする放置工程を備える蓄電デバイスの自己放電検査方法とすると良い。
この検査方法では、放置工程により、蓄電デバイスのデバイス温度を、確実に第1環境温度に等しい第1デバイス温度とすることができ、続く第1デバイス電圧測定工程に第1デバイス温度となった蓄電デバイスを供することができるので、温度変動の影響を受けずに、適切に第1デバイス電圧を測定できる。
(3)(1)又は(2)の蓄電デバイスの自己放電検査方法であって、前記デバイス温度変化工程を、前記電圧継続印加工程の開始の後に開始する蓄電デバイスの自己放電検査方法とすると良い。
この検査方法では、デバイス温度変化工程を、電圧継続印加工程の開始の後に開始するので、デバイス温度の変化によってデバイス電圧が第1デバイス電圧から変化し、電圧継続印加工程の開始の際に、外部電源の出力電圧とデバイス電圧との間に相違が生じるのを防止できる。
なお、電圧継続印加工程の開始の後、速やかに、デバイス温度変化工程の開始させるのが望ましく、電圧継続印加工程の開始直後に、デバイス温度変化工程の開始させるのが望ましい。デバイス温度変化による蓄電デバイスのデバイス電圧変化をより速やかに生じさえることができ、電源電流の増加や飽和までの時間をより短くできるからである。
(4)さらに他の解決手段は、組み立てた未充電の蓄電デバイスを予め定めた充電状態まで初充電して、予め充電された蓄電デバイスとする初充電工程と、上述の(1)~(3)のいずれかに記載の蓄電デバイスの自己放電検査方法により、初充電された上記蓄電デバイスの自己放電状態を検査する検査工程と、を備える蓄電デバイスの製造方法である。
上述の蓄電デバイスの製造方法では、初充電工程の後に、電圧継続印加工程に並行してデバイス温度変化工程を行い、電圧測定工程及び判定工程を行う上述の自己放電検査方法による検査工程を行う。このため、蓄電デバイスの初期段階における短絡の有無や程度を、短時間で適切に検査して蓄電デバイスを製造できる。
なお、初充電工程と検査工程との間には、蓄電デバイスを開放状態で高温下に放置する高温エージング工程や、その後の冷却工程を設けると、蓄電デバイスの電圧が安定になり易くさらに好ましい。
実施形態及び変形形態に係る電池の縦断面図である。 実施形態及び変形形態に係る電池の自己放電検査の工程を含む電池の製造工程のフローチャート、及び電池の移動を説明する説明図である。 実施形態及び変形形態に係る電池の自己放電検査方法に関し、電池に外部電源を接続した状態の回路図である。 実施形態及び変形形態に係り、良品及び不良品の各電池について、電圧印加時間t及び温度変更時間tmに対する、環境温度TK、電池温度TB、出力電圧VS、及び、電源電流IBの時間変化を模式的に示すグラフである。
(実施形態)
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。図1に本実施形態に係るリチウムイオン二次電池(以下、単に「電池」ともいう)1の縦断面図を示す。この電池1は、直方体箱状の電池ケース10と、この内部に収容された扁平状捲回型の電極体20及び電解液15と、電池ケース10に支持された正極端子部材30及び負極端子部材40等から構成されている。本実施形態では、正極活物質として、リチウム遷移金属複合酸化物、具体的にはリチウムニッケルコバルトマンガン酸化物を、負極活物質として、炭素材料、具体的には黒鉛を用いている。
次いで、上記電池1の電池内部の絶縁性を判定する自己放電検査方法を含む電池1の製造方法について説明する(図2参照)。まず「組立工程S1」において、未充電の電池1(図1参照)を組み立てる。
次に、「初充電工程S2」において、組み立てた電池1を初充電する。具体的には、拘束治具(不図示)を用いて、電池厚み方向(図1において紙面に垂直な方向)に列置された10個の電池1をそれぞれ電池厚み方向に圧縮した状態で拘束する。この拘束状態で、各電池1について初充電工程S2から後述する継続判断工程S9及び電池温度変化工程S10までを行う。各工程において、各電池1の電池温度TBは、電池ケース10の所定位置に接触させた温度センサSTを有する温度検知装置STSでそれぞれ検知する(図3参照)。
各電池1を拘束治具で拘束した後、初充電温度FT(FT=20℃)下で、各電池1の両端子部材30,40に充放電装置(不図示)を接続して、定電流定電圧(CCCV)充電により、各電池1の電池電圧VBが予め定めた値(本実施形態ではVB=4.0V)になるまで、各電池1を初充電する。
次に、「高温エージング工程S3」において、初充電した各電池1をエージング温度ET(ET=63℃)の温度下、両端子部材30,40を開放した状態でエージング期間EK(EK=20時間)にわたり放置して、高温エージングを行う。この高温エージングを行うと、各電池1の電池電圧VBは低下し、SOC80%程度に相当する電池電圧となる。
次に、「冷却工程S4」において、冷却温度CT(CT=20℃)下の冷却室CR内に電池1を20分間配置し、ファンで強制冷却することにより、電池温度TBを概ね20℃(TB≒20℃)とする(図2参照)。
さらに「放置工程S5」において、環境温度TKを第1環境温度TK1(TK1=20.0℃)とした第1室KR1内に電池1を移送し、放置期間HP(例えばHP=30分間)にわたり放置して、電池1の電池温度TBを第1環境温度TK1と同じ第1電池温度TB1(TB1=20.0℃)とする(図2参照)。
続く「第1電池電圧測定工程」S6では、第1電池温度TB1(TB1=20.0℃)下における電池1の開放電圧(OCV)である第1電池電圧VB1を測定する。具体的には、図3に示すように、電池1に外部電源EPを接続し、外部電源EPから電池1に流れる電源電流IBをIB=0としたときの、電池1の第1電池電圧VB1を測定する。さらに具体的には、外部電源EPの一対のプローブP1,P2を電池1の正極端子部材30及び負極端子部材40にそれぞれ接触させて、電池1の第1電池電圧VB1を測定する(図3参照)。
なお、(一対のプローブP1,P2を端子部材30,40に接続し直すことなく)プローブP1と正極端子部材30との接続状態及びプローブP2と負極端子部材40との接触状態を維持して、この第1電池電圧測定工程S6から後述する継続判断工程S9までを行う。プローブP1,P2の端子部材30,40に対する接触状態が接触の度に変化して、プローブP1と正極端子部材30との間及びプローブP2と負極端子部材40との間にそれぞれ生じる接触抵抗R1,R2の大きさが変動するのを避けるためである。
図3において、配線抵抗Rwは、外部電源EP内、及び、外部電源EPからプローブP1,P2までに分布する配線抵抗を示す。また、接触抵抗R1は、外部電源EPの一方のプローブP1と電池1の正極端子部材30との間に生じる接触抵抗を示し、接触抵抗R2は、外部電源EPの他方のプローブP2と電池1の負極端子部材40との間に生じる接触抵抗を示す。
また図3には、電池成分1B、直列抵抗Rs及び短絡抵抗Rpを含む電池1の等価回路も示してある。このうち電池成分1Bは、電池1がなす容量成分である。直列抵抗Rsは、電池1の両端子部材30,40間において、電池成分1Bに直列に存在して見える電池抵抗である。一方、短絡抵抗Rpは、電池1の内部短絡によって生じる自己放電の大きさを示す抵抗である。破線矢印で示す自己放電電流IDは、電池成分1Bから短絡抵抗Rpに流れる自己放電の電流を示す。
外部電源EPは、自身の直流電源EPEが発生する出力電圧VSを可変かつ高精度に制御できるほか、直流電源EPEから外部に流れ出る電源電流IBを高精度に計測可能に構成された精密直流電源である。この外部電源EPは、電池電圧VBを測定可能な電圧計EPVのほか、外部電源EPから電池1に流れる電源電流IBを精密測定可能な電流計EPIも有している。電池1の周囲の環境温度TKは、サーミスタからなる温度センサKTを有する温度検知装置KTSを用いて検知する(図3参照)。
前述したように、本実施形態では、第1電池電圧測定工程S6において、第1環境温度TK1下で、第1電池温度TB1が第1環境温度TK1に等しくなった状態(TB1=TK1=20.0℃)の電池1に外部電源EPを接続した後、電源電流IB=0の条件下で、外部電源EPに含まれる電圧計EPVにより、電池1の第1電池電圧VB1(開放電圧)を測定する。本実施形態では、第1電池電圧VB1として、通常、SOC80%程度に相当する概ね3.9V近傍の値が計測される。
「電圧継続印加工程」S7では、第1環境温度TK1下、電池電圧VBが第1電池電圧VB1の状態(VB=VB1)で、外部電源EPの直流電源EPEに、前述の第1電池電圧測定工程S6で測定した第1電池電圧VB1に等しい出力電圧VS(VS=VB1)を発生させて電池1に印加開始し(電圧印加時間t=0)、これ以降、第1電池電圧VB1に等しい出力電圧VS(VS=VB1)の印加を継続する。即ち、外部電源EPで発生する出力電圧VSを、当初に得た第1電池電圧VB1に等しい大きさとしたまま維持する。
そして続く「電流検知工程」S8では、電源電流IBを検知する。即ち、外部電源EPから電池1に流れる電源電流値IB(n)(nは取得順を示す0以上の整数)を所定の時間経過毎(本実施形態では10秒間経過毎)に取得する。なお、出力電圧VSを印加した当初(電圧印加時間t=0)のタイミングでは、VS=VB1であるので、電源電流IBは流れない(IB(0)=0)。しかし、後述するように、電源電流IB(電源電流値IB(n))は徐々に増加し、その後安定する。
「継続判断工程」S9では、電圧継続印加工程S7及び電流検知工程S8を再度繰り返すか否かを判断する。本実施形態では、電池1が良品(短絡抵抗Rpが大きく、自己放電電流IDが小さい電池)であった場合に、電池1に出力電圧VSを印加開始して以降、得られる電源電流IB(具体的には電源電流値IB(n))が安定した安定時電源電流IBsになるのに足りる待機継続時間TTsが経過したか否かを判断する。ここで、No即ち電圧印加時間tが待機継続時間TTsを経過していない(電圧印加時間t<TTs)場合には、電圧継続印加工程S7に戻り、電池1に出力電圧VSを印加するのを継続し(S7)、電源電流IBを検知する(S8)。一方、Yes即ち電圧印加時間tが待機継続時間TTsを経過している(電圧印加時間t≧TTs)場合には、「判定工程」S11に進む。
ここで、環境温度TKを第1環境温度TK1に維持したまま、外部電源EPから電池1に第1電池電圧VB1に等しい出力電圧VS(VS=VB1)を印加し続けた場合の、電源電流IBの変化について、図4を参照して検討する。
前提として、図4の中段に示すように、外部電源EPから電池1に印加する出力電圧VSは、電圧印加開始(t=0)以降、電圧印加時間tの経過に拘わらず、第1電池電圧測定工程S6で測定した第1電池電圧VB1に等しい大きさを維持しているとする。
また、図4の上段に細い実線で示すように、環境温度TKは第1環境温度TK1に維持され、電池1の電池温度TBは第1環境温度TK1と同じ第1電池温度TB1(TB1=TK1=20.0℃)に維持されているとする。
外部電源EPから電池1に出力電圧VSを印加した後、電圧印加時間tの経過と共に、電池電圧VBは、電圧継続印加工程S7の開始時(電圧印加時間t=0時点)の第1電池電圧VB1から徐々に低下する。電池成分1Bに蓄えられていた電荷が、短絡抵抗Rpを通じて自己放電電流IDにより徐々に放電されるので、電池成分1Bで生じる電池成分電圧VBBが徐々に小さくなるためである。なお、電池成分電圧VBBは、電源電流IBがゼロ(IB=0)の場合には、電池1の開放電圧である電池電圧VBに一致する。従って、電池1への出力電圧VSの印加開始時点(電圧印加時間t=0時点)では、電池成分電圧VBBは第1電池電圧VB1に等しい(VBB=VB1=VS:t=0)。
ところで、電池1には、外部電源EPが接続され、第1電池電圧VB1に等しい出力電圧VS(VS=VB1)が印加され続けている。このため、電池成分1Bで生じる電池成分電圧VBBが小さくなると、図3から容易に理解できるように、直列抵抗Rsの両端に電位差(VB1-VBB)が生じ、これに応じた電源電流IBが二点鎖線の矢印で示すような経路で電池1に流れる(IB>0、VB1=VBB+Rs・IB)。
そして、図4の下段に細い実線或いは細い破線で示すように、この電源電流IBの大きさは、電池成分1Bの電池成分電圧VBBが低下するに従って、徐々に大きくなる。但し、図3から理解できるように、電池成分電圧VBBの低下に伴って電源電流IBが増加して、短絡抵抗Rpを流れる電源電流IBによって、この短絡抵抗Rpに生じる逆起電力Vp(Vp=Rp・IB)が、電池成分1Bに生じる電池成分電圧VBBに等しくなると、もはや、電池成分1Bから自己放電電流IDが流れ出すことが無くなる。これにより、電池成分1Bにおける電池成分電圧VBBの低下も止まって、電源電流IBは、自己放電電流IDに等しい値の安定した安定時電源電流IBsとなる。
従って、もし供試される電池1が、良品(短絡抵抗Rpが大きく、自己放電電流IDが小さい電池)である場合には、電池成分1Bの電池成分電圧VBBはゆっくり低下するので、電源電流IBもゆっくり増加する(図4の下段の細い実線参照)。また、この良品の安定時電源電流値IBsgは小さい。
これに対し、供試される電池1が不良品(良品の電池に比して短絡抵抗Rpが小さく、自己放電電流IDが相対的に大きい電池)である場合には、良品の電池に比して、電池成分1Bの電池成分電圧VBBは相対的に速く低下するので、電源電流IBも相対的に速く増加する(図4の下段の細い破線参照)。この不良品の安定時電源電流値IBsnも、良品の安定時電源電流値IBsgに比して大きくなる。
このように、安定時電源電流IBsの値の大きさによって、あるいは電源電流IBの増加の速度(電源電流IBの経時変化)の大きさや変化の様子によって、供試された電池1の良否を判定することができることになる(特許文献1参照)。例えば、図4の下段のグラフにおいて、しきい電流値IBthを図4に示すように、良品の安定時電源電流値IBsgと不良品の安定時電源電流値IBsnの中間の値となるように定める。これにより、得られた安定時電源電流IBsの値IBsg,IBsnとしきい電流値IBthと比較し、当該電池1が良品であるか否かを判定することができる。また、良品と不良品では、電源電流IBの経時変化の速度(電源電流IBが安定時電源電流値IBsg,IBsnに至るまでの、電源電流IBの変化の傾き)が異なることから、電源電流IBの変化の傾き値が、しきい値よりも大きいか小さいかを判別することで、電池1の良否を判定するなど、電源電流IBの経時変化から電池1の良否を判定することも出来る。
しかし、電池1に第1電池電圧VB1の印加を開始してから、電池1の良否判定が可能になるまでには時間が掛かる。例えば、安定時電源電流IBsの値を得て判定する場合には、安定時電源電流IBsの値が得られるまで待つ必要がある。例えば、図4の下段のグラフのうち、細い実線及び破線で示す上述の例では、安定時電源電流IBsの値を得るのに、電圧印加時間tが55分以上経過するのを待つ(継続判断工程S9における待機継続時間TTsを、図4の下段のグラフにおいて破線の矢印で示すように、TTs=55分以上の値にする)必要があることが判る。
電源電流IBの経時変化から電池1の良否を判定する場合には、上述のように安定時電源電流IBsの値を得て判定する場合よりも短時間で判断できる。しかしこの場合でも、電源電流IBの増加が十分進行していない時点では、適切に判定することが難しい場合があるため、極端に早期に電池1の良否判定をすることは難しく、電池1に第1電池電圧VB1の印加を開始してから、例えば30分以上程度待つ(継続判断工程S9における待機継続時間TTsを、TTs=30分以上の値にする)必要がある。
そこで本実施形態では、図3に示すように、電圧継続印加工程S7と並行して、さらに詳細には、電圧継続印加工程S7、電流検知工程S8、及び継続判断工程S9と並行して、電池1の電池温度TBを、第1電池温度TB1から第2電池温度TB2に向けて変化させる「電池温度変化工程」S10を行う。具体的には、第1電池温度TB1(具体的には、TB1=20.0℃)から、これより0.2℃高い第2電池温度TB2(TB2=20.2℃)に向けて変化させる。更に具体的には、図4上段のグラフにおいて太い破線で示すように、電圧継続印加工程S7の開始(電圧印加時間t=0)の直後に、電池温度変化工程S10を開始し、第1環境温度TK1(TK1=20.0℃)とした第1室KR1内の電池1を、第2環境温度TK2(TK2=20.2℃)とした第2室KR2に移動させる(図2参照)。かくして、電池1の周囲の環境温度TKを、温度変化時間tm=0を境界として、ステップ関数状に、第1環境温度TK1から第2環境温度TK2に変化させる。これにより、図4上段のグラフにおいて太い実線で示すように、温度変化時間tm=0以前は、第1環境温度TK1に等しい第1電池温度TB1(TK1=TB1=20.0℃)であった電池1の電池温度TBを、第2環境温度TK2に等しい第2電池温度TB2(TK2=TB2=20.2℃)に向けて変化させる。
このようにする理由は、本実施形態の電池1は、第1電池温度TB1下の開路電圧が第1電池電圧である電池1の電池温度TBを、第1電池温度TB1から第2電池温度TB2に変化させた場合に、電池1の開路電圧が、第1電池電圧VB1からこれよりも低い第2電池電圧VB2に降圧する特性を有しているからである。そして本実施形態では、電池温度変化工程S10を、電圧継続印加工程S7の開始の後に開始するので、環境温度TKの変換に伴う電池温度TBの変化によって電池1の開路電圧が第1電池電圧VB1から変化し、電圧継続印加工程S7の開始の際に、外部電源EPの出力電圧VSと第1電池電圧VB1との間に相違が生じるのを防止できる。
なお実施形態では、電圧継続印加工程S7の開始、即ち、外部電源EPの出力電圧VSを電池1に印加開始(電圧印加時間t=0)した直後に、電池温度変化工程S10を開始、即ち、電池温度TBを第1電池温度TB1から第2電池温度TB2に向かう変化を開始(温度変化時間tm=0)させた。このため、電池温度TBを早期に第2電池温度TB2に到達させ安定させることができ、電池電圧VBを早期に上昇させ第2電池電圧VB2に到達させ安定にすることができる。但し、電圧継続印加工程S10の開始(電圧印加時間t=0)から、30秒後(t=30秒)、5分後(t=5分)など、予め定めた時間経過後にデバイス温度変化工程を開始しても良い。
また、本実施形態では、第1電池温度TB1(TB1=20.0℃)の電池1の電池温度TBを、第2電池温度TB2(TB2=20.2℃)に向けて昇温させた。しかし、電池温度TBの範囲や電池電圧の範囲(SOC)の範囲)、電池に用いる各材料など電池の種類によっては、第1電池温度TB1よりも低温の第2電池温度TB2に降温させることで、第1電池電圧VB1から第2電池電圧VB2に降圧させ得る場合も有る。容易に理解できるように、この場合には、「電池温度変化工程」S10において、電池1の電池温度TBを、第1電池温度TB1からこれよりも低温の第2電池温度TB2に降温させる。
本実施形態では、電池1が前述の温度特性を有していることを利用し、上述のように、電圧継続印加工程S7と並行して、電池温度変化工程S10において、電池1の電池温度TBを第1電池温度TB1から第2電池温度TB2に向けて変化(昇温)させる。本実施形態では、図4上段のグラフにおいて太い実線で示すように、電池1の電池温度TBは、温度変化時間tm=0の時点で、第1環境温度TK1の第1室内の電池1を第2環境温度TK2の第2室に移動させてから、概ね15分以内(温度変化時間tm≦15分)に第2電池温度TB2(TK2=TB2=20.2℃)に到達して安定する。
すると、電圧継続印加工程S7では、供試している電池1において、自己放電の進行による電池電圧VBの低下に加え、電池温度TBを第1電池温度TB1から第2電池温度TB2に向けて変化させることによる電池電圧VBの低下をも生じさせることができる。このため、この電圧継続印加工程S7における電池電圧VBの低下を早めて、より速く電源電流IBを増加させたり、より早期に電源電流IBを安定した安定時電源電流IBsにすることができる。かくして、より早期に判定工程S11における電池1の自己放電状態の判定を行えるようにできる。
具体的には、電池温度変化工程S10を並行して設けない場合に比して、「継続判断工程」S9で経過したか否かを判断する待機継続時間TTsを短くできる。例えば、電池温度変化工程S10を並行して設けない場合(図4下段のグラフにおいて細線の実線及び破線参照)には、安定時電源電流値IBsg,IBsnを得るのに待つ待機継続時間TTsをTTs=55分以上とする必要があった。これに対し、電池温度変化工程S10を並行して設ける本実施形態では、図4下段のグラフにおいて太線の実線及び破線で示すように、電圧印加時間t=17分程度で安定時電源電流値IBsg,IBsnが得られるので、実線の矢印で示すように、待機継続時間TTsを例えばTTs=18分に設定することができ、より早期に判定工程S11に移行して、判定をより早期に行うことが出来る。
「判定工程」S11では、得られた電源電流IBに基づいて、具体的には、電圧継続印加工程S7の開始(電圧印加時間t=0)以降、待機継続時間TTsが経過するまでに得られた電源電流値IB(0),IB(1),…,IB(n)の列を用いて、電池1の自己放電状態を判定する。
本実施形態では、具体的には、所定の時間間隔(本実施形態では10秒毎)で取得された一連の電源電流値IB(0),IB(1),…,IB(n)のうち、待機継続時間TTsの終期(本実施形態では最後の60秒間)に得られた7個の電源電流値IB(n-6)~IB(n)を用い、これらを平均して平均終期電源電流値IBE(IBE=(IB(n-6)+…+IB(n))/7)を算出する。平均終期電源電流値IBEは、待機継続時間TTsの終期に得られる安定時電源電流IBsの大きさを示している。これをしきい電流値IBthと比較して、平均終期電源電流値IBEがしきい電流値IBthよりも小さい(IBE<IBth)電池1を良品と判定する。かくして、充電され、自己放電状態を検査された電池1が製造できる。
一方、平均終期電源電流値IBEがしきい電流値IBth以上(IBE≧IRth)の電池1を不良品と判定する。不良品と判定された電池1は除外し廃棄する。或いは、分解等して再利用する。
上述の実施形態では、判定工程S11において、終期に得られた複数個の電源電流値IB(n)等を平均して、安定時電源電流IBsの値に相当する平均終期電源電流値IBEを算出し、これをしきい電流値IBthと比較して電池1の良否を判定した。
しかし、電流検知工程S8で電源電流値IB(n)を得た各時点で、直近に得た複数個(例えば7個)の電源電流値IB(n-6)~IB(n)の移動平均値MIB(n)を逐次算出するようにし、最後に得た移動平均値MIB(n)を用いて、判定工程S11で電池1の自己放電状態を判定してもよい。即ち、判定工程S11で、安定時電源電流IBsに相当する最後に得た移動平均値MIB(n)と、しきい電流値IBthと比較して、電池1の良否を判定しても良い。
また、上述の実施形態では、第1室KR1と第2室KR2とを用意し、電池1を第1室KR1から第2室KR2に移動させて電池温度TBを変化させた。しかし、第2室を用いず、電池温度TBを第1環境温度TK1に等しい第1電池温度TB1とした上で、第1室KR1の環境温度TKを第2環境温度TK2まで昇温させて、電池温度TBを第1電池温度TB1から第2電池温度TB2に向けて変化させることもできる。
(変形形態)
上述の実施形態では、継続判断工程S9において、出力電圧VSを電池1に印加した当初(電圧印加時間t=0)から、電源電流IBの値が安定した安定時電源電流値IBs(IBsg,IBsn)となるまでの待機継続時間TTs(実施形態ではTTs=18分)の経過を待ち、判定工程S11において、待機継続時間TTsの終期に得られた複数個の電源電流値IB(n)の平均終期電源電流値IBEを算出し、これを用いて電池1の自己放電状態を判定した例を示した。
これに対し本変形形態では、本変形形態1では、外部電源EPから電池1に流れる電源電流IBの経時変化に基づいて、電池1の内部短絡を判定する。これにより、具体的には、図2に示す電池1の製造の流れにおいて、実施形態より早期に判定工程S11での判定を行うべく、継続判断工程S9における待機継続時間TTtを安定時電源電流IBsが得られる時間(実施形態における待機継続時間TTs)の1/3まで短くする(本変形形態では、TTt=6分)ことができる。
その上で、本変形形態では、判定工程S11において、待機継続時間TTt内(本変形形態では6分間)に、所定の時間間隔ごと(本変形形態でも10秒毎)に取得された一連の電源電流値IB(0),IB(1),…,IB(n)のうち、待機継続時間TTtの後半(本変形形態では、3分間=180秒間)に得られた複数(本変形形態では19個)の電源電流値IB(n)等を用い、平均変化率HA、即ち、単位時間当たりの平均変化量HA(本変形形態では、1分間当たりの平均変化量HA:HA=(IB(n)-IB(n-18))/3)を算出する。平均変化率HAは、待機継続時間TTtの後半に得られる電源電流IBの増加の傾きを示している。
この平均変化率HAをしきい変化率HAthと比較して、平均変化率HAがしきい変化率HAthよりも小さい(HA<HAth)電池1を良品と判定する。このようにしても、充電され、自己放電状態を検査された電池1が製造できる。しかも、継続判断工程S9における待機継続時間TTtを、実施形態における待機継続時間TTsに比して短くしているので、判定工程S11に至るまでの時間を短くでき、より早期に電池1の自己放電検査を行うことができる。また、より早期に自己放電状態の検査まで終えた電池1を製造できる。
なお、平均変化率HAがしきい変化率HAth以上(HA≧HAth)の電池1を不良品と判定する。不良品と判定された電池1は,実施形態と同様、除外し廃棄、或いは、分解等して再利用する。
以上において、本発明を実施形態及び変形形態に即して説明したが、本発明は上述の実施形態等に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
例えば、実施形態及び変形形態では、電池1の製造過程において、第1電池電圧測定工程S6~判定工程S11で示す、電池1の自己放電検査の検査工程を行った。これに対し、既に市場に置かれて使用された使用済の電池1について、自己放電検査を行うこともできる。この場合には、組立工程S1のほか、初充電工程S2、高温エージング工程S3、冷却工程S4は行わず、所定の充電状態に充電された使用済みの電池1について、放置工程S5以降の各工程を行う。即ち、使用済みの電池1を実施形態と同様に拘束した後、実施形態1の初充電工程S2と同様に、電池1に充放電装置(不図示)を接続して、環境温度TK=20℃下において、定電流定電圧(CCCV)充電により、SOC80%に相当する電池電圧VB=3.9Vまで充電しておく。
この充電された使用済みの電池1について、放置工程S5において、第1環境温度TK1(TK1=20.0℃)下で放置し、電池1の電池温度TBを第1電池温度TB1(TB1=20.0℃)にする。以降は、実施形態或いは変形形態と同様、第1電池電圧測定工程S6~判定工程S11をそれぞれ行う。かくして、使用済みの電池1の自己放電検査が終了する。このようにすることで、従来よりもより短時間で、使用済みの電池1の自己放電検査を行うことができる。
また実施形態及び変形形態では、しきい電流値IBthやしきい変化率HAthとの比較により、電池1の良否を判定した。しかし、例えば、3つの異なるしきい電流値IBth1,IBTh2,IBth3を設定し、各電池1の安定時電源電流IBsの値と比較して、電池1を安定時電源電流IBsの値に応じた、A~Dの4ランクに分類するなど、複数の異なるしきい値を用いて、電池1を3つ以上のランクに分類するようにしても良い。
実施形態では、予め定めた待機継続時間TTs(例えばTTs=18分)まで電圧印加時間tが経過すれば電源電流Ibは安定していると考えて、継続判断工程S9では、待機継続時間TTsが経過したか否かを判断した。しかし、継続判断工程S9において、電源電流値IB(n)が安定したか否かを判断し、安定した場合(Yes)に判定工程S11に移行するようにしても良い。具体的には例えば、継続判断工程S9で、電源電流値IB(n)の移動平均値(例えば60秒間分の7個の電源電流値IB(n-6)~IB(n)の移動平均値)を逐次算出し、その値の推移(例えば移動平均値の微分値の大小)から、電源電流値IB(n)が安定したか否かを判断するようにしても良い。
また、実施形態等では、検査対象の電池1として、扁平状捲回型の電極体20を備える電池1(図1参照)を例示したが、これに限られない。例えば、積層型の電極体を備える電池の製造や検査において、本技術を適用することもできる。積層型の電極体の場合、正極板、セパレータ及び負極板を圧縮する際には、電池を正極板、セパレータ及び負極板の積層方向に圧縮する。また、円筒状に捲回した電極体を内部に収容した円筒型の電池のも適用できる。その他、多様な形態の二次電池、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ等のキャパシタなどの蓄電デバイスの自己放電検査や製造に適用することができる。
1 (充電済みの)電池(蓄電デバイス)
30 正極端子部材
40 負極端子部材
S2 初充電工程
S5 放置工程
KR1 第1室(保持室)
S6 第1電池電圧測定工程(第1デバイス電圧測定工程、検査工程)
S7 電圧継続印加工程(検査工程)
S8 電流検知工程(検査工程)
S9 継続判断工程(検査工程)
TTs,TTt 待機継続時間
S10 電池温度変化工程(デバイス温度変化工程、検査工程)
S11 判定工程(検査工程)
TB 電池温度(デバイス温度)
TB1 第1電池温度(第1デバイス温度)
TB2 第2電池温度(第2デバイス温度)
TK 環境温度
TK1 第1環境温度(第1環境温度)
TK2 第2環境温度(第2環境温度)
HP 放置期間
VB 電池電圧(デバイス電圧)
VB1 第1電池電圧(第1デバイス電圧)
VBS 安定時電池電圧
EP 外部電源
VS (外部電源の)出力電圧
t 電圧印加時間
tm 温度変更時間
IB 電源電流
IB(n) (取得された)電源電流値

Claims (4)

  1. 蓄電デバイスの自己放電を検査する蓄電デバイスの自己放電検査方法であって、
    上記蓄電デバイスは、
    第1デバイス温度下の開路電圧が第1デバイス電圧である上記蓄電デバイスのデバイス温度を、上記第1デバイス温度から第2デバイス温度に変化させた場合に、上記蓄電デバイスの開路電圧が、上記第1デバイス電圧からこれよりも低い第2デバイス電圧に降圧する特性を有しており、
    予め充電された上記蓄電デバイスのデバイス温度が上記第1デバイス温度であるときに、上記蓄電デバイスの上記第1デバイス電圧を測定する第1デバイス電圧測定工程と、
    外部電源から、上記第1デバイス電圧に等しい電源電圧を、上記蓄電デバイスに印加し続ける電圧継続印加工程と、
    上記電圧継続印加工程に並行して、上記蓄電デバイスのデバイス温度を、上記第1デバイス温度から上記第2デバイス温度に向けて変化させるデバイス温度変化工程と、
    上記外部電源から上記蓄電デバイスに流れる電源電流を検知する電流検知工程と、
    検知した上記電源電流に基づいて、上記蓄電デバイスの自己放電状態を判定する判定工程と、を備える
    蓄電デバイスの自己放電検査方法。
  2. 請求項1に記載の蓄電デバイスの自己放電検査方法であって、
    前記第1デバイス電圧測定工程に先立ち、
    前記蓄電デバイスを、第1環境温度とした保持室内に放置して、上記蓄電デバイスのデバイス温度を、上記第1環境温度に等しい前記第1デバイス温度とする放置工程を備える
    蓄電デバイスの自己放電検査方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の蓄電デバイスの自己放電検査方法であって、
    前記デバイス温度変化工程を、前記電圧継続印加工程の開始の後に開始する
    蓄電デバイスの自己放電検査方法。
  4. 組み立てた未充電の蓄電デバイスを予め定めた充電状態まで初充電して、予め充電された蓄電デバイスとする初充電工程と、
    請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの自己放電検査方法により、初充電された上記蓄電デバイスの自己放電状態を検査する検査工程と、を備える
    蓄電デバイスの製造方法。
JP2021009786A 2021-01-25 2021-01-25 蓄電デバイスの自己放電検査方法及び蓄電デバイスの製造方法 Active JP7278312B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021009786A JP7278312B2 (ja) 2021-01-25 2021-01-25 蓄電デバイスの自己放電検査方法及び蓄電デバイスの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021009786A JP7278312B2 (ja) 2021-01-25 2021-01-25 蓄電デバイスの自己放電検査方法及び蓄電デバイスの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022113499A true JP2022113499A (ja) 2022-08-04
JP7278312B2 JP7278312B2 (ja) 2023-05-19

Family

ID=82658233

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021009786A Active JP7278312B2 (ja) 2021-01-25 2021-01-25 蓄電デバイスの自己放電検査方法及び蓄電デバイスの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7278312B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016091872A (ja) * 2014-11-07 2016-05-23 トヨタ自動車株式会社 二次電池の異常検出方法及び異常検出装置
JP2019016558A (ja) * 2017-07-10 2019-01-31 トヨタ自動車株式会社 蓄電デバイスの短絡検査方法及び蓄電デバイスの製造方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016091872A (ja) * 2014-11-07 2016-05-23 トヨタ自動車株式会社 二次電池の異常検出方法及び異常検出装置
JP2019016558A (ja) * 2017-07-10 2019-01-31 トヨタ自動車株式会社 蓄電デバイスの短絡検査方法及び蓄電デバイスの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7278312B2 (ja) 2023-05-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10656212B2 (en) Method of inspecting electric power storage device for short circuit and method of manufacturing electric power storage device
JP6973045B2 (ja) 蓄電デバイスの自己放電検査方法
CN110850306B (zh) 蓄电设备的检查方法和制造方法
US10847849B2 (en) Inspection method of electrical storage device and manufacturing method thereof
JP2019032198A (ja) 蓄電デバイスの検査方法および製造方法
JP6794974B2 (ja) 蓄電デバイスの自己放電検査方法
US11662386B2 (en) Method for inspecting self-discharge of a power storage device and method for producing the power storage device
Guoliang et al. State of charge estimation for NiMH battery based on electromotive force method
JP7218684B2 (ja) 蓄電デバイスの検査方法および製造方法
JP7074731B2 (ja) 蓄電デバイスの検査方法及び蓄電デバイスの製造方法
JP7278312B2 (ja) 蓄電デバイスの自己放電検査方法及び蓄電デバイスの製造方法
JP7267331B2 (ja) 蓄電デバイスの自己放電検査方法及び蓄電デバイスの製造方法
US11609260B2 (en) Method for inspecting insulation of a secondary battery
JP2022105409A (ja) 電池状態判定方法及び電池状態判定装置
US11777421B2 (en) Method for adjusting device voltage of power storage device
JP2019035734A (ja) 蓄電デバイスの検査方法および製造方法
JP7441765B2 (ja) 二次電池の検査方法
JP7172891B2 (ja) 二次電池の製造方法
US20210173013A1 (en) Test method and manufacturing method for electrical storage device
JP2021131952A (ja) 電池の検査方法
JP2023101992A (ja) バッテリ検査方法およびバッテリ検査システム
JP2017091992A (ja) 二次電池の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220131

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230425

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230509

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7278312

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150