JP2022113256A - コネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】シール性を良好に確保することができるコネクタを提供する。【解決手段】コネクタ10は、タブ42を有する雄端子40と、雄端子40を支持するハウジング20と、ハウジング20において、タブ42の周囲に設けられたシール空間32と、タブ42に接した状態でシール空間32内に収容されるシール部90と、シール空間32内に位置してシール部90を圧縮状態に配する押圧部100と、を備える。【選択図】図3

Description

本開示は、コネクタに関する。
特許文献1に開示されたコネクタは、コネクタハウジングと、コネクタハウジングの装着孔内に収容されるゴム栓(シール部)と、シール部に刺し込まれる延出端を有するアース端子(雄端子)と、を備える。
特許文献2に開示されたコネクタは、延出部を有する機器側端子(雄端子)と、雄端子を収容するハウジングと、雄端子と機器側ハウジングの内周との隙間をシールするシール部材(シール部)と、を備える。
特開2002-190348号公報 特開2005-19319号公報
特許文献1、2において、雄端子とシール部との間の面圧を高めることができれば、シール性をより良好に確保することができて好ましいと言える。
そこで、本開示は、シール性を良好に確保することができるコネクタを提供することを目的とする。
本開示のコネクタは、タブを有する雄端子と、前記雄端子を支持するハウジングと、前記ハウジングにおいて、前記タブの周囲に設けられたシール空間と、前記タブに接した状態で前記シール空間内に収容されるシール部と、前記シール空間内に位置して前記シール部を圧縮状態に配する押圧部と、を備える。
本開示によれば、シール性を良好に確保することができるコネクタを提供することが可能となる。
図1は、本実施形態1に係るコネクタの分解斜視図である。 図2は、リテーナが係止位置にある状態のコネクタの側断面図である。 図3は、リテーナが本係止位置にある状態のコネクタの側断面図である。 図4は、リテーナが本係止位置にある状態のコネクタの背面図である。 図5は、ハウジングの背面図である。 図6は、リテーナの斜視図である。 図7は、シール部の正面図である。 図8は、押圧部の斜視図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示のコネクタは、
(1)タブを有する雄端子と、前記雄端子を支持するハウジングと、前記ハウジングにおいて、前記タブの周囲に設けられたシール空間と、前記タブに接した状態で前記シール空間内に収容されるシール部と、前記シール空間内に位置して前記シール部を圧縮状態に配する押圧部と、を備える。
押圧部がシール空間内に位置してシール部を圧縮状態に配することにより、タブとシール部との面圧を高めることができ、雄端子のタブ周りのシール性を良好に確保することができる。
(2)前記ハウジングは、前記シール空間の一端を閉塞する端面を有し、前記押圧部は、前記端面との間に前記シール部を挟み込むように配置されるのが好ましい。
上述した構成によれば、簡単な構成で、タブとシール部との面圧を高めることができる。
(3)前記ハウジングは、雌端子を収容するキャビティを有し、前記タブは、前記雌端子と接続可能に、前記キャビティ内に突出していると良い。
上述した構成によれば、雌端子と雄端子とが共通のハウジング内で接続される。このため、雄端子を収容する雄ハウジングと雌端子を収容する雌ハウジングとを別々に設ける必要がない。
(4)前記ハウジングには、前記雌端子の前記キャビティからの抜け出しを規制するリテーナが装着され、前記シール部は、前記タブが貫通するタブシール孔と、リテーナが貫通するリテーナシール孔と、を有していると良い。
上述した構成によれば、雄端子をシールするタブシール孔とリテーナをシールするリテーナシール孔が共通のシール部に設けられるため、雄端子のタブとリテーナのそれぞれに対応したシール部を設ける必要がない。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<実施形態1>
実施形態1に係るコネクタ10は、図1に示すように、ハウジング20、雄端子40、雌端子60、リテーナ70、シール部90および押圧部100を備える。図2および図3に示すように、雄端子40および雌端子60は、ハウジング20内で互いに接続される。リテーナ70は、ハウジング20に装着される。シール部90は、雄端子40の後述するタブ42に密着する。押圧部100は、ハウジング20との間に、シール部90を圧縮状態に配する。
なお、以下の説明において、前後方向は、図2および図3の右側を前側とする。上下方向は、高さ方向と同義であって、各図の上下方向を基準とする。左右方向は、幅方向と同義であって、図4、図5、図7および図8の左右方向を基準とする。なお、この方向の基準は実際の使用状態における方向の基準と必ずしも一致するわけではない。
(ハウジング20)
ハウジング20は合成樹脂製であって、図1~図3に示すように、前部に、収容部21を有し、後部に、嵌合部22を有している。収容部21は、左右方向に扁平な形状をなし、左右方向に一列に並ぶ複数のキャビティ23を有している。各キャビティ23は、円筒部24内に前後方向に延びるように設けられている。
収容部21は、各キャビティ23内に突出するランス25を有している。図2および図3に示すように、ランス25は、キャビティ23の内壁上面から後方へ片持ち状に延び、上下方向に撓み変形可能とされている。ハウジング20は、ランス25の上方に、ランス25の撓み動作を許容する撓み空間26を有している。図5に示すように、撓み空間26は、図1に示す収容部21内の左右両側の壁面から対向して張り出す一対の張出部27によって幅狭になる部分を有している。
嵌合部22は、収容部21よりも一回り大きく、後方に開放された角筒状をなしている。各キャビティ23は、図1に示す収容部21から嵌合部22の前部にかけて設けられている。図2および図3に示すように、キャビティ23の前端は、壁部28によって閉塞されている。壁部28には、タブ挿通孔29が前後方向に貫通して設けられている。雄端子40の後述するタブ42は、タブ挿通孔29を通してキャビティ23内に突出して配置されている。壁部28の後面は、上下方向および左右方向に沿った端面31とされている。図5に示すように、端面31は、後述するシール空間32を通して後方に露出している。
図5に示すように、嵌合部22は、端面31の後方に、左右方向に一列に並ぶ複数のシール空間32を有している。各シール空間32は、四隅が丸い矩形の断面形状(開口形状)をなし、隣接するもの同士が隔壁33で区画され、上方が嵌合部22の上壁34で区画され、下方が底壁35で区画されている。
図5に示すように、底壁35は、左右方向に連続して延びるとともに、後方に開放された第1装着溝36を有している。また、底壁35は、シール空間32毎に、前後方向に延びて後方に開放された複数の第2装着溝37を有している。各第2装着溝37は、底壁35の後端を切り欠くようにして設けられ、シール空間32および第1装着溝36と連通している。第1装着溝36および各第2装着溝37には、後述するように、雄端子40が装着される。
また、嵌合部22は、各シール空間32の後方に、押圧部収容空間38を有している。押圧部収容空間38は、各シール空間32と連通している。各隔壁33および底壁35は、押圧部収容空間38の前方に配置されている。
図1に示すように、嵌合部22の上壁34および下壁には、それぞれ、左右方向に間隔を置いて対をなす係止受け部39が設けられている。また、嵌合部22の左右の側壁にも、それぞれ係止受け部39が設けられている。各係止受け部39は、嵌合部22の対応する壁(上壁34、下壁、側壁)を厚み方向に貫通する断面矩形の孔状をなし、内部で押圧部収容空間38と連通している。図2および図3に示すように、係止受け部39には、押圧部100の後述する係止突部104が進入して係止可能とされている。
(雄端子40)
雄端子40は、導電金属製のバスバーであって、図1に示すように、後部に取付部41を有し、前部に複数のタブ42を有し、取付部41と各タブ42との間に連結部43を有している。
取付部41は、前後方向途中に傾斜部44を有している。取付部41における傾斜部44を挟んだ前後両側のうちの後側の領域は、前側の領域よりも一段低い位置に水平に配置され、中央部に、断面円形の取付孔45を有している。また、雄端子40は、取付部41の後端から下向きに屈曲する掛止部46を有している。雄端子40は、図示しない掛止受け部に掛止部46を引っ掛けた状態で、取付孔45内に挿通されたボルト等を介して図示しない取付対象(アース接続対象)に取り付けられる。
取付部41の左右中央部には、上方に膨出する扁平なビード部47が設けられている。また、取付部41の左右両端部には、リブ状の起立縁部48が設けられている。ビード部47および起立縁部48は、取付部41の屈曲形状を維持する役割を有している。
連結部43は、左右方向に延び、かつ取付部41の左右両側に張り出す板状をなしている。連結部43は、左右両側への張り出し部分の後端に、取付部41側から連続する起立縁部48を有している。
各タブ42は、断面矩形の板状をなし、連結部43の前端に左右方向に並んで配置されている。具体的には、タブ42は、連結部43の前縁から上方に突出する基端部49と、基端部49の上端から前方に突出する先端部51と、を有している。先端部51は、基端部49寄りの位置に、左右両側に張り出す一対の突片52を有している。
(雌端子60)
雌端子60は導電金属製であって、図1に示すように、筒状の接続部61と、接続部61の前方に設けられたオープンバレル状のバレル部62と、を有している。
図2および図3に示すように、バレル部62は、電線200の端末部の芯線部201に圧着されて、電線200に電気的に接続される。また、バレル部62は、電線200の端末部に嵌め付けられたゴム栓210に圧着される。ゴム栓210は、キャビティ23の前部に挿入され、キャビティ23の内周面に密着する。これにより、ハウジング20のキャビティ23内が液密に維持される。
(リテーナ70)
リテーナ70は合成樹脂製であって、図6に示すように、左右方向に延びたリテーナ本体71を有している。リテーナ本体71は、下面に、左右方向に間隔を置いて配置された第1突起72および第2突起73を有している。第1突起72は、リテーナ本体71の下面において、第2突起73よりも前方に配置されている。リテーナ70は、押圧部100に対して仮係止位置(図2を参照)と本係止位置(図3を参照)とに移動可能に保持される。第1突起72および第2突起73は、リテーナ70が仮係止位置および本係止位置にあるときに、押圧部100の後述する保持部105に係止される。リテーナ本体71は、上下方向および左右方向に沿った前面部74を有している。
また、リテーナ70は、前面部74から前方へ細長く突出する複数の栓部75を有している。各栓部75は、リテーナ本体71の前面において、各シール空間32(各キャビティ23)と対応する位置に、左右方向に間隔を置いて配置されている。各栓部75は、後述する先端側の規制部78を除く部分に、図2および図3に示すように、中空の内部空間76を有している。図4に示すように、内部空間76は、リテーナ本体71の後面に開口する開口部77を通して、後方に開放されている。
図6に示すように、各栓部75の先端側には、断面T字状の規制部78が設けられている。規制部78は、同じく断面T字状に近い形状で開口する撓み空間26(図5を参照)に位置決めして嵌り込むことが可能となっている。
(シール部90)
シール部90はシリコンゴム等のゴム製であって、ハウジング20の各シール空間32と対応して複数設けられている。本実施形態1の場合、各シール部90は、4つのシール空間32と個別に対応するように、全部で4つ設けられている。図7に示すように、シール部90は、四隅が丸い断面矩形の外形を有している。シール部90の前面および後面は、上下方向および左右方向に沿って配置される。シール部90の外周面には、前後方向に間隔を置いて複数の外周リップ91が設けられている。図2および図3に示すように、シール部90は、シール空間32内に挿入される。各外周リップ91は、シール空間32の内周面に密着する。
シール部90は、前後方向に貫通するリテーナシール孔92と、リテーナシール孔92よりも下方において同じく前後方向に貫通するタブシール孔93と、を有している。リテーナシール孔92は、シール部90において、断面円形に開口している。タブシール孔93は、シール部90において、左右方向に長い長円形状(スリット形状)に開口している。リテーナシール孔92の内周面には、前後方向に間隔を置いて複数の内周リップ94が設けられている。リテーナ70の栓部75は、シール部90のリテーナシール孔92内に挿入される。各内周リップ94は、栓部75の外周面に密着する。これにより、リテーナ70とハウジング20との間は液密に維持される。
図7に示すように、タブシール孔93の内周の上下面は、左右方向に沿ったストレート部95を有している。タブ42は、シール部90のタブシール孔93内に挿入される。タブシール孔93のストレート部95は、タブ42の先端部51における上下の板面に面接触状態で密着する。
(押圧部100)
押圧部100は合成樹脂製であって、図1に示すように、全体として後方に開放されたキャップ状をなしている。図2および図3に示すように、押圧部100は、後部に、リテーナ収容空間101を有している。リテーナ本体71は、リテーナ収容空間101に挿入される。図4に示すように、押圧部100の後部において、リテーナ収容空間101の上下を区画する上壁および下壁には、それぞれ、左右方向に間隔を置いて対をなす係止部102が設けられている。また、押圧部100の後部において、リテーナ収容空間101の左右を区画する側壁にも、係止部102が設けられている。係止部102は、押圧部100の後部の対応する壁(上壁、下壁、側壁)において、左右方向で対をなして開口するスリット103間に、弾性変形可能に設けられている。係止部102は、外側に突出する爪状の係止突部104を有している。
図8に示すように、押圧部100は、下壁における各係止部102よりも左右中央寄りの位置に、左右方向で対をなす保持部105を有している。保持部105は、矩形枠状をなし、下壁の前端側を支点として弾性変形可能に設けられている。
押圧部100は、前後方向の途中に、中間壁112を有している。図3に示すように、中間壁112の後面は、リテーナ収容空間101を区画するストッパ面113を有している。リテーナ70が本係止位置に至ると、リテーナ本体71の前面部74が中間壁112のストッパ面113に当たり、リテーナ70のそれ以上の押し込みが規制される。
図8に示すように、押圧部100は、前部に、左右一列に並ぶ複数の押圧本体部106を有している。各押圧本体部106は、中間壁112から前方に突出し、各シール空間32に嵌合可能な形状をなしている。押圧部100は、押圧本体部106の下端部を切り欠くように形成された第3装着溝107を有している。第3装着溝107は、前後方向に延び、押圧本体部106の前面(後述する押圧面108)に開口している。第3装着溝107には、後述するように、雄端子40が装着される。また、押圧部100は、各押圧本体部106を前後方向に貫通する栓部挿通孔109を有している。
各押圧本体部106の前面は、上下方向および左右方向に沿った押圧面108になっている。押圧面108は、押圧本体部106の前面領域のうち、第3装着溝107および栓部挿通孔109のそれぞれの開口部分を除く領域で構成されている。
(コネクタ10の全体構造および作用)
ハウジング20のシール空間32には、後方からシール部90が挿入される。シール部90の外周リップ91は、シール空間32の内周面に密着する。シール部90の前面は、ハウジング20の端面31に接触可能に対向する。
雄端子40のタブ42の先端部51は、シール部90のタブシール孔93からハウジング20のタブ挿通孔29にかけて貫通する。タブ42の先端部51の前端側は、壁部28からキャビティ23内に突出して配置される(図2および図3を参照)。
雄端子40の連結部43は第1装着溝36に挿入され、雄端子40のタブ42の基端部49は第2装着溝37に挿入されて係止される。これにより、雄端子40がハウジング20に対して位置決め状態に支持される。雄端子40がハウジング20に支持された状態において、傾斜部44、取付部41の後側の領域および掛止部がハウジング20の後方に露出して配置される(図2および図3を参照)。
ハウジング20の押圧部収容空間38には、後方から押圧部100が挿入される。押圧部100の挿入過程において、各係止部102の係止突部104が嵌合部22の後端に接触し、各係止部102が内側に撓み変形させられる。押圧部100が押圧部収容空間38に正規に挿入されると、各係止部102が弾性復帰し、係止突部104が係止受け部39に嵌り込む。これにより、押圧部100がハウジング20に抜け止め状態に保持される(図2および図3を参照)。
押圧部100のリテーナ収容空間101には、後方からリテーナ70が挿入される。栓部75の規制部78は、押圧部100の栓部挿通孔109からシール部90のリテーナシール孔92を貫通し、撓み空間26内に後方から臨むように配置される。第1突起72は保持部105内に挿入され、第2突起73は保持部105の外側に配置される(図2を参照)。第1突起72と第2突起73との間には保持部105の後端部分が挟み込まれる。これにより、リテーナ70が押圧部100に対して仮係止位置に保持される。リテーナ70がリテーナ収容空間101に挿入されると、リテーナ本体71の外面が各係止部102に内側から接触可能に対向する(図4を参照)。その結果、各係止部102の撓み動作が規制され、保持部105がハウジング20に信頼性良く保持される。
押圧部100が押圧部収容空間38に正規に挿入されると、雄端子40における基端部49から先端部51に連なる部分が第3装着溝107内に挿入される(図2および図3を参照)。雄端子40の各突片52は、第3装着溝107の段差面111(図8を参照)に前方から係止可能に配置される。これにより、雄端子40は、ハウジング20から後方に抜け出すのが規制され、ハウジング20と押圧部100との間に位置決めして保持される。
また、押圧部100が押圧部収容空間38に正規に挿入されると、各押圧本体部106が各シール空間32に後方から進入する。このとき、各押圧本体部106の押圧面108が各シール部90の後面に接触し、かつ各シール部90を前方に押圧する。このため、シール部90は、押圧部100の押圧面108とハウジング20の端面31との間に、前後方向に圧縮された状態に配される。シール部90への圧縮力は、タブシール孔93内におけるタブ42の先端部51とシール部90との界面の密着性を高める方向に作用する。これにより、タブ42の先端部51とシール部90との間に良好な面圧(シール面圧)が確保されることになる。
その後、ハウジング20のキャビティ23内には、前方から電線200の端末部に接続された雌端子60が挿入される。雌端子60の挿入過程において、ランス25が接続部61に接触して撓み空間26に撓み変形させられる。雌端子60がキャビティ23内に正規に挿入されると、ランス25が弾性復帰して接続部61を係止し、雌端子60がキャビティ23内にランス25により一次的に抜け止めされる。また、雌端子60がキャビティ23内に正規に挿入されると、接続部61が壁部28の前面に当たり、雌端子60のそれ以上後方への移動が規制される。キャビティ23の後部にはゴム栓210が液密に挿入される。
さらに、雌端子60の挿入過程において、接続部61内に前方からタブ42の先端部51が挿入される。雌端子60がキャビティ23内に正規に挿入されると、タブ42の先端部51の前端側が接続部61内に設けられた弾性接触片63に接触し、両端子40、60が電気的に接続される。
雌端子60がキャビティ23内に正規に挿入された後、リテーナ70が前方に押し込まれて、仮係止位置から本係止位置へと移動する。リテーナ70が本係止位置に至ると、栓部75の規制部78が撓み空間26に進入し、栓部75の規制部78がランス25に上方から接触可能に対向する(図3を参照)。これにより、ランス25の撓み動作が規制され、結果として、雌端子60がキャビティ23内に二次的に抜け止めされる。
リテーナ70が本係止位置にあるときに、第1突起72および第2突起73がいずれも保持部105内に挿入され、リテーナ70の前後方向への移動が規制される。これに対し、仮に、雌端子60がキャビティ23内に正規に挿入されていない半挿入状態に留め置かれていると、栓部75の規制部78が撓み状態にあるランス25と干渉し、リテーナ70の本係止位置への押し込みが規制される。これにより、雌端子60がキャビティ23内に半挿入状態に留め置かれていることを検知することができる。
以上説明したように、本実施形態1によれば、押圧部100の各押圧本体部106が対応するシール空間32内に進入し、シール部90を圧縮状態に配するため、タブ42の先端部51とシール部90との面圧を高めることができ、雄端子40のタブ42周りのシール性を良好に確保することができる。
特に、シール部90が各押圧本体部106の押圧面108とハウジング20の端面31との間に挟み込まれるため、簡単な構成で、タブ42とシール部90との面圧を高めることができる。
また、ハウジング20が雌端子60を収容するキャビティ23を有し、タブ42がキャビティ23内に突出しているため、雌端子60および雄端子40が共通のハウジング20内で接続されることになり、その分、部品点数を削減することができる。
さらに、タブシール孔93とリテーナシール孔92とが共通のシール部90に設けられているため、雄端子40のタブ42とリテーナ70のそれぞれに対応したシール部90を設ける場合に比べ、部品点数を削減することもできる。
さらにまた、タブ42の板面はこの板面と平行なシール部90のストレート部95に密着するため、シール部90からタブ42の板面に対して良好な圧縮力を付与することができる。
[本開示の他の実施形態]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えるべきである。
実施形態1の場合、押圧部は、雄端子を抜け止めする機能を有していたが、他の実施形態によれば、押圧部は、雄端子を抜け止めする機能を有さず、雄端子と接触する部分を有していなくても良い。
実施形態1の場合、押圧部は、ハウジングの端面との間にシール部を挟み込む構成であったが、他の実施形態によれば、押圧部は、シール空間に進入してシール部に圧縮力を付与する構成であれば良く、例えば、タブの板面に対向する方向(実施形態1の場合、上方向または下方向)に移動してシール空間に進入する構成であっても良い。
実施形態1の場合、雌端子および雄端子が共通のハウジング内で接続されていたが、他の実施形態によれば、雌端子を収容する雌ハウジングと、雄ハウジングを収容する雄ハウジングと、が別々に設けられ、雌ハウジングおよび雄ハウジングが互いに嵌合されることで、雌端子および雄端子が電気的に接続される構成であっても良い。
実施形態1の場合、栓部は、ランスの撓み動作を規制するリテーナ機能を有するリテーナに設けられていたが、他の実施形態によれば、栓部は、リテーナ機能を有しない部材に設けられていても良い。
実施形態1の場合、雄端子は、複数のタブを有するバスバーとして構成されていたが、他の実施形態によれば、雄端子は、全体がタブ状の基板用端子として構成されるものであっても良い。
実施形態1の場合、各シール空間に対応して複数のシール部が設けられていたが、他の実施形態によれば、各シール部がブリッジ部を介して相互に連結されて一体化されていても良い。
実施形態1の場合、リテーナシール孔とタブシール孔とは、共通のシール部に設けられていたが、他の実施形態によれば、リテーナシール孔とタブシール孔とは、それぞれに対応するシール部(リテーナ用シール部とタブ用シール部)に設けられていても良い。
10…コネクタ
20…ハウジング
21…収容部
22…嵌合部
23…キャビティ
24…円筒部
25…ランス
26…撓み空間
27…張出部
28…壁部
29…タブ挿通孔
31…端面
32…シール空間
33…隔壁
34…上壁
35…底壁
36…第1装着溝
37…第2装着溝
38…押圧部収容空間
39…係止受け部
40…雄端子
41…取付部
42…タブ
43…連結部
44…傾斜部
45…取付孔
46…掛止部
47…ビード部
48…起立縁部
49…基端部
51…先端部
52…突片
60…雌端子
61…接続部
62…バレル部
63…弾性接触片
70…リテーナ
71…リテーナ本体
72…第1突起
73…第2突起
74…前面部
75…栓部
76…内部空間
77…開口部
78…規制部
90…シール部
91…外周リップ
92…リテーナシール孔
93…タブシール孔
94…内周リップ
95…ストレート部
100…押圧部
101…リテーナ収容空間
102…係止部
103…スリット
104…係止突部
105…保持部
106…押圧本体部
107…第3装着溝
108…押圧面
109…栓部挿通孔
111…段差面
112…中間壁
113…ストッパ面
200…電線
201…芯線部
210…ゴム栓

Claims (4)

  1. タブを有する雄端子と、
    前記雄端子を支持するハウジングと、
    前記ハウジングにおいて、前記タブの周囲に設けられたシール空間と、
    前記タブに接した状態で前記シール空間内に収容されるシール部と、
    前記シール空間内に位置して前記シール部を圧縮状態に配する押圧部と、を備えるコネクタ。
  2. 前記ハウジングは、前記シール空間の一端を閉塞する端面を有し、
    前記押圧部は、前記端面との間に前記シール部を挟み込むように配置される、請求項1に記載のコネクタ。
  3. 前記ハウジングは、雌端子を収容するキャビティを有し、
    前記タブは、前記雌端子と接続可能に、前記キャビティ内に突出している、請求項2に記載のコネクタ。
  4. 前記ハウジングには、前記雌端子の前記キャビティからの抜け出しを規制するリテーナが装着され、
    前記シール部は、前記タブが貫通するタブシール孔と、リテーナが貫通するリテーナシール孔と、を有している、請求項3に記載のコネクタ。
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