JP2022111978A - 合成繊維の溶融紡糸装置及び合成繊維の製造方法 - Google Patents

合成繊維の溶融紡糸装置及び合成繊維の製造方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2022111978000001
【課題】口金の温度の調整を容易とするとともに、要求される品質の糸条を形成することのできる合成繊維の溶融紡糸装置及び合成繊維の製造方法を提供する。
【解決手段】糸条を紡出する口金と、糸条を加熱する加熱部と、前記口金と前記加熱部との間の糸条が送られる空間を囲む断熱部と、を備えている。口金2と加熱部10との間に断熱部20が位置するため、口金2が加熱部10の熱の影響を直接的に受けることはなく、口金2の温度の調整が容易となる。また、口金2において紡出される糸条Yが、断熱部20及び加熱部10において急激な温度変化が抑制されるため、曵糸性を向上させることが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、合成繊維の溶融紡糸装置及び合成繊維の製造方法に関するものである。
従来の合成繊維の溶融紡糸装置としては、糸条を紡出する口金と、口金から紡出された糸条を加熱する加熱部と、を備え、口金から紡出された糸条を加熱部において加熱することにより、糸条の曵糸性を向上するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭60-197916号公報
しかしながら、従来の溶融紡糸装置は、口金の近傍に加熱部が設置されていたため、口金が加熱部の熱の影響を直接的に受けることになり、口金を目的の温度に保持することができず、糸条の品質を安定化させることが困難である。
また、従来の溶融紡糸装置では、糸条の曵糸性を向上させるために、口金から紡出された糸条をより高温で加熱する方法が考えられている。しかし、糸条を高温で加熱する溶融紡糸装置では、最終的に得られる合成繊維の表面が平滑となって光沢が増すことになり、要求される品質の合成繊維を形成することができない。
本発明の目的とするところは、口金の温度の調整を容易とするとともに、要求される品質の糸条を形成することのできる合成繊維の溶融紡糸装置及び合成繊維の製造方法を提供することにある。
本発明に係る合成繊維の溶融紡糸装置は、糸条を紡出する口金と、糸条を加熱する加熱部と、前記口金と前記加熱部との間の糸条が送られる空間を囲む断熱部と、を備えている。
また、本発明に係る合成繊維の溶融紡糸装置は、好ましくは、前記加熱部が、糸条が加熱される加熱空間を有し、前記加熱空間の温度を、紡出される糸条の原材料となる樹脂組成物のガラス転移温度よりも0℃以上120℃以下の範囲内の高い温度に保持する。
また、本発明に係る合成繊維の溶融紡糸装置は、好ましくは、前記口金、前記断熱部および前記加熱部が、同軸上に配置されている。
また、本発明に係る合成繊維の溶融紡糸装置は、好ましくは、前記加熱部の糸条が送られる方向の長さоと、前記断熱部の糸条が送られる方向の長さmと、の比が、о:m=10:1~1:10である。
また、本発明に係る合成繊維の溶融紡糸装置は、好ましくは、前記口金と前記断熱部との間隔lと前記断熱部の糸条が送られる方向の長さmとの和と、前記加熱部の糸条が送られる方向の長さоと、の比が、(l+m):о=10:1~1:10である。
また、本発明に係る合成繊維の溶融紡糸装置は、好ましくは、前記断熱部と前記加熱部との間隔nが、0cm以上5cm以下である。
また、本発明に係る合成繊維の溶融紡糸装置は、好ましくは、前記口金と前記断熱部との間隔lが、0cm以上5cm以下である。
また、本発明に係る合成繊維の溶融紡糸装置は、好ましくは、前記断熱部が、前記口金と前記加熱部との間を送られる糸条を、厚さ寸法が15mm以上300mm以下の範囲内の断熱体によって囲む。
また、本発明に係る合成繊維の製造方法は、口金から糸条を紡出する糸条紡出工程と、前記糸条紡出工程において紡出した糸条を断熱された空間を送る断熱送り工程と、断熱送り工程において送られた糸条を加熱する加熱工程と、を有している。
また、本発明の係る合成繊維の製造方法は、好ましくは、前記加熱工程が、加熱する糸条を、前記紡出工程において紡出される糸条の原材料となる樹脂組成物のガラス転移温度よりも0℃以上120℃以下の範囲内の高い温度に保持された空間を通過させる。
また、本発明の係る合成繊維の製造方法は、好ましくは、前記加熱工程が、前記口金から離間した位置において送られる糸条を加熱し、前記断熱送り工程が、前記紡出工程において紡出した糸条を、厚さ寸法が15mm以上300mm以下の範囲内の断熱体に囲まれた空間を通過させる。
本発明によれば、口金と加熱部との間に断熱部が位置するため、口金が加熱部の熱の影響を直接的に受けることはなく、口金の温度の調整が容易となる。また、口金と加熱部との間に断熱部が位置するため、断熱部及び加熱部における急激な温度変化を抑制することができ、口金において紡出される糸条を、緩やかな温度変化により加熱することになるため、曵糸性を向上させることが可能となる。さらに、加熱部を高温に設定する必要がなくなるため、合成繊維の表面の凹凸を増加させることができ、低光沢の合成繊維を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る合成繊維の溶融紡糸装置の概略図である。 本発明の他の実施形態に係る合成繊維の溶融紡糸装置の概略図である。 本発明の実施例に係る合成繊維の溶融紡糸装置の有効性を確認する試験に用いられる口金に対する加熱部及び断熱部の配置を示す図である。
図1は、本発明の一実施形態を示すものであり、合成繊維の溶融紡糸装置の概略図である。
<溶融紡糸装置>
溶融紡糸装置1は、少なくとも、糸条Yを紡糸するための口金2と、糸条Yを加熱するための加熱部10と、口金2と加熱部10との間を送られる糸条Yを囲む断熱部20と、を有する。
ここで、断熱部20は、特に限定されないが、口金2の下端部から3mm離間させて配置されることが好ましく、加熱部10は、断熱部20の下端部に接続されている。
<加熱部>
加熱部10は、内周側を糸条Yが通過可能な円筒状の部材である。加熱部10は、内周面側に設けられた電熱ヒータによって内周側の空間の空気を加熱し、内周側の空間を通過する糸条Yを加熱する。加熱部10の内周側の空間の温度は、合成繊維の原材料となる樹脂組成物のガラス転移温度Tg+0℃以上120℃以下であることが好ましい。また、加熱部10の内周側の空間の温度は、加熱部10の糸条Yが送られる方向の一端部から他端部にわたって均一であることが好ましい。加熱部10は、中心軸方向の長さが例えば24cmに形成されている。加熱部10の中心軸方向の長さは、10cm以上50cm以下であることが好ましい。加熱部10の中心軸方向の長さが10cm未満の場合には、ドラフトを行う時間が短時間となり、糸切れが生じやすくなる。また、加熱部10の中心軸方向の長さが50cmより大きい場合には、糸条Yの冷却が不十分となり、糸条Yに繊度斑が生じやすくなる虞がある。
加熱部10としては、特に限定されるものではなく、市販の伝熱ヒータを用いることができる。
また、本発明におけるガラス転移温度Tgとは、対象となる樹脂組成物を、ある温度以上に加熱することによって、分子が運動しやすい状態の軟質のゴム状態とした後、冷却することによって分子の運動が制限されて硬質のガラス状態となる温度のことを意味する。ガラス転移温度Tgは、一般的な方法で測定でき、例えば示唆走査熱量計(DSC)を用いることができる。
<断熱部>
本発明の断熱部20は、口金2から吐出された糸条Yの急激な温度変化を抑制し、加熱部10の上部に位置することで、保温領域を拡大させることにより緩やかに温度を加えることができ、曵糸性に優れた合成繊維を得ることが可能となる。さらには、加熱部10を高温に設定する必要がなくなるため、合成繊維の表面の凹凸を増加させることができ、低光沢の合成繊維を得ることができる。
断熱部20は、断熱体として厚さ寸法が15mm以上300mm以下のロックウール等の断熱性を有する部材を囲んで糸条Yが通過するような空間を形成することにより構成され、内周側を糸条Yが通過可能である。断熱部20は、加熱部10と同一の内径寸法を有し、内周側の空間が加熱部10の内周側の空間と連通している。断熱部20は、中心軸方向の長さが例えば15cmに形成されている。断熱部20の中心軸方向の長さは、10cm以上30cm以下であることが好ましい。断熱部20の中心軸方向の長さが10cm未満の場合には、ドラフトを行う時間が短時間となり、糸切れが生じやすくなる。また、断熱部20の中心軸方向の長さが30cmより大きい場合には、糸条Yの断熱部20における保温状態を保持することができず、温度が低下する虞がある。
<合成繊維>
本実施形態の溶融紡糸装置1は、例えばアクリル系樹脂を用いた樹脂組成物により、アクリル系繊維を製造することができ、ポリ塩化ビニル系樹脂を用いた樹脂組成物により、塩化ビニル系繊維を製造することができ、ポリエステル系樹脂を用いた樹脂組成物により、ポリエステル系繊維を製造することができる。さらには、芯部および鞘部を有する芯鞘構造の合成繊維を製造することもできる。
アクリル系繊維は、アクリル系重合体の全体重量に対して、アクリロニトリルを40~70重量%、他の成分を30~60重量%含むアクリル系重合体で構成されていることが好ましい。上記アクリル系重合体中のアクリロニトリルの含有量が40~70重量%であれば、アクリル系繊維の耐熱性及び難燃性が良好になる。
上記他の成分としては、アクリロニトリルと共重合可能なものであればよく、特に限定されるものではない。例えば、ハロゲン含有ビニル系単量体、スルホン酸基含有単量体などが挙げられる。
上記ハロゲン含有ビニル系単量体としては、例えば、ハロゲン含有ビニル、ハロゲン含有ビニリデンなどが挙げられる。ハロゲン含有ビニルとしては、例えば、塩化ビニル、臭化ビニルなどが挙げられる。ハロゲン含有ビニリデンとしては、塩化ビニリデン、臭化ビニリデンなどが挙げられる。これらのハロゲン含有ビニル系単量体は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。耐熱性及び難燃性の観点から、上記アクリル系繊維は、アクリル系重合体の全体重量に対して、他の成分としてハロゲン含有ビニル系単量体を30~60重量%含むことが好ましい。
上記スルホン酸基を含有する単量体としては、例えば、メタクリルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、及びそれらの塩などが挙げられる。上記において、塩としては、例えば、p-スチレンスルホン酸ソーダなどのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらのスルホン酸基を含有する単量体は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。スルホン酸基を含有する単量体は、必要に応じて使用されるが、上記アクリル系重合体中のスルホン酸基を含有する重合体の含有量が3重量%以下であれば紡糸工程の生産安定性に優れる。
上記アクリル系重合体は、40~70重量%のアクリロニトリルと、30~57重量%のハロゲン含有ビニル系単量体、0~3重量%のスルホン酸基を含有する単量体を共重合した共重合体であることが好ましい。より好ましくは、上記アクリル系重合体は、45~65重量%のアクリロニトリルと、35~52重量%のハロゲン含有ビニル系単量体、0~3重量%のスルホン酸基を含有する単量体を共重合した共重合体である。
本発明におけるポリエステル系繊維は、ポリエステル系樹脂組成物を主成分とする。ポリエステル系樹脂組成物とは、ポリエステル系樹脂組成物の全体重量を100重量%とした場合、ポリエステル系樹脂を50重量%より多く含むことを意味し、ポリエステル系樹脂を70重量%以上含むことが好ましく、80重量%以上含むことがより好ましく、90重量%以上含むことがさらに好ましく、95重量%以上含むことがさらにより好ましい。
前記ポリエステル系樹脂としては、ポリアルキレンテレフタレート及びポリアルキレンテレフタレートを主体とした共重合ポリエステルからなる群から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。本発明の一実施形態において、「ポリアルキレンテレフタレートを主体とする共重合ポリエステル」は、ポリアルキレンテレフタレートを80モル%以上含有する共重合ポリエステルをいう。
前記ポリアルキレンテレフタレートとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートなどが挙げられる。
前記ポリアルキレンテレフタレートを主体とする共重合ポリエステルとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフタレートを主体とし、他の共重合成分を含有する共重合ポリエステルなどが挙げられる。
前記他の共重合成分としては、例えば、イソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの多価カルボン酸及びそれらの誘導体;5-ナトリウムスルホイソフタル酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸ジヒドロキシエチルなどのスルホン酸塩を含むジカルボン酸及びそれらの誘導体;1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、4-ヒドロキシ安息香酸、ε-カプロラクトン、ビスフェノールAのエチレングリコールエーテルなどが挙げられる。
前記共重合ポリエステルは、安定性及び操作の簡便性の点から、主体となるポリアルキレンテレフタレートに少量の他の共重合成分を含有させて反応させることにより製造するのが好ましい。ポリアルキレンテレフタレートとしては、テレフタル酸及び/又はその誘導体(例えば、テレフタル酸メチル)と、アルキレングリコールとの重合体を用いることができる。前記共重合ポリエステルは、主体となるポリアルキレンテレフタレートの重合に用いるテレフタル酸及び/又はその誘導体(例えば、テレフタル酸メチル)と、アルキレングリコールとの混合物に、少量の他の共重合成分であるモノマーあるいはオリゴマー成分を含有させたものを重合させることにより製造してもよい。
前記共重合ポリエステルは、主体となるポリアルキレンテレフタレートの主鎖及び/又は側鎖に上記他の共重合成分が重縮合していればよく、共重合の方法などには特別な限定はない。
前記ポリアルキレンテレフタレートを主体とする共重合ポリエステルの具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートを主体とし、ビスフェノールAのエチレングリコールエーテル、1,4-シクロヘキサジメタノール、イソフタル酸及び5-ナトリウムスルホイソフタル酸ジヒドロキシエチルからなる群から選ばれる一種の化合物を共重合したポリエステルなどが挙げられる。
前記ポリアルキレンテレフタレート及び前記ポリアルキレンテレフタレートを主体とする共重合ポリエステルは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、ポリエチレンテレフタレート;ポリプロピレンテレフタレート;ポリブチレンテレフタレート;ポリエチレンテレフタレートを主体とし、ビスフェノールAのエチレングリコールエーテルを共重合したポリエステル;ポリエチレンテレフタレートを主体とし、1,4-シクロヘキサンジメタノールを共重合したポリエステル;ポリエチレンテレフタレートを主体とし、イソフタル酸を共重合したポリエステル;及びポリエチレンテレフタレートを主体とし、5-ナトリウムスルホイソフタル酸ジヒドロキシエチルを共重合したポリエステルなどを単独又は2種以上組み合わせて用いることが好ましい。
前記ポリエステル樹脂の固有粘度(IV値と称す場合がある)は、特に限定されないが、0.3以上1.2以下であることが好ましく、0.4以上1.0以下であることがより好ましい。固有粘度が0.3以上であると、得られる繊維の機械的強度が低下せず、燃焼試験時にドリップする恐れもない。また、固有粘度が1.2以下であると、分子量が増大しすぎず、溶融粘度が高くなり過ぎることがなく、溶融紡糸が容易となるうえ、繊度も均一になりやすい。
前記ポリエステル系樹脂組成物は、ポリエステル系樹脂に加えて他の樹脂を含んでも良い。他の樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、モダアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、耐熱性が低く、曵糸性が不安定な合成繊維を製造する場合にも本発明を適用可能である。
本発明の合成繊維は特に人工毛髪用途に好適である。人工毛髪用途では、人毛に近い外観が求められるため、低光沢は重要な特性であり、上述したように、本発明の溶融紡糸装置1により得られる合成繊維が好適に用いられる。人工毛髪用繊維は、非捲縮生糸状の繊維であってもよい。また、人工毛髪用繊維は、人工毛髪に適するという観点から、繊度は10~100dtexであることが好ましく、より好ましくは20~90dtexであり、さらに好ましくは35~80dtexである。
人工毛髪用繊維は、断面形状が限定されるものではなく、例えば円形、楕円形、異形、例えば馬蹄形、C字形、Y字形が挙げられる。
<溶融紡糸法>
本発明における溶融紡糸法は特に限定されず、一般的な方法を用いることができ、口金2から糸条Yを紡出する紡出工程と、前記紡出工程において紡出した糸条Yを、断熱された空間を通過させる断熱送り工程と、前記断熱送り工程において送られた糸条Yを加熱する加熱工程と、を有している。紡出された糸条を冷却用の水を入れた水槽で冷却し、繊度のコントロールを行うことも可能である。加熱筒の温度と長さ、冷却風の温度と吹付量、冷却水槽の温度、冷却時間及び引取速度は、ポリマーの吐出量及びノズルの孔数によって適宜調整することができる。具体的には、アクリル系繊維の場合、前記アクリル系樹脂を含む樹脂組成物(例えば、溶融混練後のペレット状の樹脂組成物)を溶融紡糸することで、アクリル系繊維を得ることができる。塩化ビニル系繊維についても同様である。アクリル系繊維について説明すると、まず、前記アクリル系樹脂組成物を溶融紡糸して繊維状の未延伸糸にする。具体的には、押出機、例えば一軸押出機、異方向二軸押出機、コニカル二軸押出機にて溶融混練した樹脂組成物の溶融混練物(ペレット状の樹脂組成物)を、押出機にて口金2から吐出し(紡出工程)、断熱部20(断熱送り工程)を通過させ、さらに加熱部10を通過(加熱工程)させて樹脂組成物の繊維化物を引取機で引取可能な温度以上に昇温した後、空冷、水冷などの手段でガラス転移点以下の温度に冷却しながら、一対の引取ローラ4,5と、糸条Yを巻き取るための巻取機6にて引き取ることで糸条(未延伸糸)を形成する。押出機は、例えば、120℃以上200℃以下の温度範囲で運転することが好ましい。引取速度/吐出速度の比は、特に限定されないが、例えば、1倍以上100倍以下の範囲となる速度比で引き取ることが好ましく、紡糸安定性の観点から5倍以上50倍以下の範囲であることがより好ましい。口金2の口径は、特に限定されないが、例えば、0.05mm以上2mm以下であることが好ましく、0.1mm以上1mm以下であることがより好ましい。口金2からの吐出物がメルトフラクチャーを発現しない口金2の温度以上で押し出すことが好ましい。口金2の温度は、160℃以上であることが好ましく、170℃以上であることがより好ましい。加熱筒の温度は、200℃以上であることが好ましく、230℃以上であることがより好ましい。冷却温度は、空冷で-196℃以上40℃以下であることが好ましく、より好ましくは0℃以上30℃以下であり、水冷で5℃以上60℃以下であることが好ましく、より好ましくは10℃以上40℃以下である。糸条Yを引き取るための速度は50m/分以上5000m/分以下の速度で引き取ることができる。
上記で得られた未延伸糸に、公知の方法で延伸処理、及び必要に応じて熱緩和処理を施こすことができる。例えば、人工毛髪として用いる場合は、単繊維繊度が2dtex以上100dtex以下の繊維にすることが好ましい。延伸処理条件としては延伸処理温度が70℃以上150℃以下の乾熱雰囲気下で、延伸倍率は1.1倍以上6倍以下程度にすることが好ましく、1.5倍以上4.5倍以下程度であることがさらに好ましい。延伸処理を施した繊維に熱緩和処理を施して、好ましくは1%以上50%以下の緩和率で、より好ましくは5%以上40%以下の緩和率で繊維を緩和処理することにより、熱収縮率を低下させることができる。また繊維表面の凹凸を整えて、人毛に類似したサラサラした触感にするために熱緩和処理が好ましい。また、未延伸糸又は延伸糸を水洗することで、繊度のコントロールを行うことも可能である。本発明において、単繊維繊度は、JIS L 1013に準じて測定する。
合成繊維が原着されている場合、そのまま使用してもよい。合成繊維が原着されていない場合、染色することができる。染色に使用される顔料、染料、助剤などとしては、耐候性及び難燃性を有するものも使用できる。
必要に応じて、耐熱剤、光安定剤、蛍光剤、酸化防止剤、静電防止剤、顔料、可塑剤、潤滑剤などの各種添加剤を含有させることができる。顔料を含有させることにより、原着繊維を得ることができる。さらに、繊維表面処理剤、柔軟剤などの油剤を使用し、触感、風合を調整して、より人毛に近づけることができる。これらの繊維表面処理剤、柔軟剤は、低光沢化を目的とした樹脂エマルジョンと混合して塗布しても、別々に塗布しても構わない。
上記で得られたアクリル系繊維(熱処理糸)の見かけのガラス転移温度は、海外輸送時には船内コンテナで60℃まで室内温度が上がる場合があることや、加熱加工時の繊維同士の融着等を阻止する観点から、60℃以上であることが好ましい。
このように、本実施形態の合成繊維の溶融紡糸装置1によれば、糸条Yを紡出する口金2と、糸条Yを加熱する加熱部10と、口金2と加熱部10との間を送られる糸条Yを囲む断熱部20と、を備えている。
また、本実施形態の合成繊維の製造方法によれば、口金2から糸条Yを紡出する紡出工程と、紡出工程において紡出した糸条Yを断熱された空間を通過させる断熱送り工程と、断熱送り工程において送られた糸条Yを加熱する加熱工程と、を有している。
これにより、口金2と加熱部10との間に断熱部20が位置するため、口金2が加熱部10の熱の影響を直接的に受けることはなく、口金2の温度の調整が容易となる。また、口金2において紡出される糸条Yが、断熱部20及び加熱部10において急激な温度変化が抑制されるため、曵糸性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態の合成繊維の溶融紡糸装置1によれば、好ましくは、加熱部10が、糸条Yが加熱される加熱空間を有し、加熱空間の糸条Yが送られる方向の長さが10cm以上50cm以下であり、加熱空間の温度を、紡出される糸条Yの原材料となる樹脂組成物のガラス転移温度よりも0℃以上120℃以下の範囲内の高い温度に保持する。
また、本実施形態の合成繊維の製造方法によれば、好ましくは、加熱工程が、加熱する糸条Yを、10cm以上50cm以下の長さであり、紡出工程において紡出される糸条Yの原材料となる樹脂組成物のガラス転移温度よりも0℃以上120℃以下の範囲内の高い温度に保持された空間を通過させる。
これにより、例えば、糸条Yの原材料となる樹脂のガラス転移温度+120℃より高いの温度に加熱された空間に、糸条Yを通過させることによって生じる光沢の発生を抑制することができるので、目的の表面形状を有する要求される品質の糸条Yを得ることが可能となる。
また、本実施形態の合成繊維の溶融紡糸装置1によれば、好ましくは、加熱部10が、口金2から10cm以上30cm以下の範囲内で離間して配置されており、断熱部20が、口金2と加熱部10との間を送られる糸条Yを、厚さ寸法が15mm以上300mm以下の範囲内の断熱体によって囲む。
また、本実施形態の合成繊維の製造方法によれば、好ましくは、加熱工程が、口金2から10cm以上30cm以下の範囲内で離間した位置において送られる糸条Yを加熱し、断熱送り工程が、紡出工程において剖出した糸条Yを、厚さ寸法が15mm以上300mm以下の範囲内の断熱体に囲まれた空間を通過させる。
これにより、口金2に対する加熱部10の熱の影響を確実に低減することが可能となる。
尚、前記実施形態では、加熱部10において電熱ヒータによって糸条Yを加熱するようにしたものを示したが、これに限られるものではない。加熱部10の糸条Yを加熱するための熱源としては、例えば、蒸気によって糸条Yを加熱するようにしてもよい。
図2は、本発明の他の実施形態を示すものであり、合成繊維の溶融紡糸装置の概略図である。尚、前記実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。
本実施形態の溶融紡糸装置1は、口金2、断熱部20および加熱部10が、同軸上に配置されている。
また、口金2と断熱部20との間隔lは、0cm以上5cm以下である、ことが好ましい。口金2と断熱部20との間隔lが5cmより大きい場合には、口金2から吐出された糸条Yが、断熱部20に到達する前に急激に冷却されることになり、糸条Yの品質が不安定となる虞がある。
また、断熱部20と加熱部10との間隔nは、0cm以上5cm以下である、ことが好ましい。
また、加熱部10の糸条Yが送られる方向の長さоと、断熱部20の糸条Yが送られる方向の長さmと、の比は、о:m=10:1~1:10である、ことが好ましい。さらに、加熱部10の糸条Yが送られる方向の長さоと、断熱部20の糸条Yが送られる方向の長さmと、の比は、о:m=8:1~5:1である、ことがより好ましい。加熱部10の糸条Yが送られる方向の長さоに対して断熱部20の糸条Yが送られる方向の大きさmが前述の範囲よりも大きくなる場合には、断熱部20において糸条Yが冷却されることになる。また、加熱部10の糸条Yが送られる方向の長さоに対して断熱部20の糸条Yが送られる方向の大きさmが前述の範囲よりも小さくなる場合には、断熱部20において糸条Yの温度が保持されることなく加熱部10に到達することになる。
また、口金2と断熱部20との間隔lと断熱部20の糸条Yが送られる方向の長さmとの和と、加熱部10の糸条が送られる方向の長さоと、の比が、(l+m):о=10:1~1:10である、ことが好ましい。さらに、また、口金2と断熱部20との間隔lと断熱部20の糸条Yが送られる方向の長さmとの和と、加熱部10の糸条が送られる方向の長さоと、の比が、(l+m):о=8:1~5:1である、ことがより好ましい。加熱部10の糸条Yが送られる方向の長さоに対して、口金2と断熱部20との間隔lと断熱部20の糸条Yが送られる方向の長さmとの和(l+m)が前述の範囲よりも大きくなる場合には、断熱部20において糸条Yが冷却されることになる。また、加熱部10の糸条Yが送られる方向の長さоに対して、口金2と断熱部20との間隔lと断熱部20の糸条Yが送られる方向の長さmとの和(l+m)が前述の範囲よりも小さくなる場合には、断熱部20において糸条Yの温度が保持されることなく加熱部10に到達することになる。
以上のように構成された溶融紡糸装置1によれば、前記実施形態と同様に、口金2と加熱部10との間に断熱部20が位置するため、口金2が加熱部10の熱の影響を直接的に受けることはなく、口金2の温度の調整が容易となる。また、口金2において紡出される糸条Yが、断熱部20及び加熱部10において急激な温度変化が抑制されるため、曵糸性を向上させることが可能となる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
図3は、合成繊維の溶融紡糸装置の有効性を確認する試験に用いられる口金に対する加熱部及び断熱部の配置を示す図である。
以上のように構成された溶融紡糸装置1において、20Lのヘンシェルミキサに、表1に示すように、主な原材料としてのポリ塩化ビニル(PVC)の109重量部が約6.5kgとなるように計量して投入するとともに、ポリ塩化ビニルの109重量部に対するそれぞれの配合剤の部数を計量して投入し、最終到達温度が119℃に到達するまで攪拌する。その後、70℃になるまで冷却した配合剤を含むポリ塩化ビニルの混合物を、表2に示す条件に基づいて、溶融紡糸を行う。なお、混合物のガラス転移温度Tgは、80℃である。
Figure 2022111978000002
Figure 2022111978000003
溶融紡糸は、混合物の押出量が1.1Kg/hとなるようにスクリューの回転数を設定し、口金2から糸条Yを紡出する(紡出工程)。口金2から紡出された糸条Yは、185℃~190℃の温度で断熱部20に進入する。断熱部20に進入した糸条Yは、断熱部20の内周側の空間を送られて通過し(断熱送り工程)、冷却されることなく加熱部10に進入する。加熱部10に侵入する糸条Yは、220℃に設定された加熱部10において加熱される(加熱工程)。このとき、断熱部20の内周側の空間は、加熱部10の内周側の空間と連通しているため、加熱部10側に近づくにしたがって温度が高くなる。即ち、口金2において紡出された糸条Yは、断熱部20の内周側の空間において、加熱部10側に送られるにしたがって徐々に加熱され、加熱部10に進入して加熱される。これにより、口金2において紡出された糸条Yは、冷却されることなく断熱部20及び加熱部10において長時間にわたって加熱されることで曵糸性が高くなる。また、加熱部10を通過した糸条Yは、口金2から2メートル離間した位置に設置された引取ローラ4,5によって引き取られて、巻取機6に巻き取られる。巻取機6は、糸条Yの繊度が180dtex以上200dtex以下となるように回転速度が調整される。
ここで、図3に示すように、本実施形態の溶融紡糸装置1の構成a(図3(a))と、その他の構成b(図3(b))、構成c(図3(c))、構成d(図3(d))のそれぞれにおいて、加熱部10の内周側の設定温度Tを変化させて紡糸を行い、糸切れが生じることなく紡糸の継続が可能な時間である連続紡糸時間を計測する試験を行った結果を表3に示す。表3には、以下に示すように、実施例1及び2、比較例1乃至14についての試験結果を記載している。口金2の下方には、図3に示すように、口金2の下端部から5cm離間した位置の温度を計測するための第1温度センサT1と、口金2の下端部から15cm離間した位置の温度を計測するための第2温度センサT2と、口金2の下端部から25cm離間した位置の温度を計測するための第3温度センサT3と、が配設されている。表3には、実施例1及び2、比較例1乃至14のそれぞれにおいて、連続紡糸時間とともに、第1温度センサT1、第2温度センサT2及び第3温度センサT3の実測値が記載されている。
<構成a>
構成aは、前述のように、口金2の下端部から3mm離間させて断熱部20を配置し、断熱部20の下端部に加熱部10を接続している。
<構成b>
構成bは、断熱部20を設置することなく、口金2の下端部から15cm離間させて加熱部10を設置している。
<構成c>
構成cは、断熱部20を設置することなく、口金2の下端部から3mm離間させて加熱部10を設置している。
<構成d>
構成dは、口金2の下端部から3mm離間させて加熱部10を設置し、加熱部10の下端部に断熱部20を接続している。
(実施例1)
実施例1は、構成aにおいて、加熱部10の設定温度Tを220℃とした場合である。
(実施例2)
実施例2は、構成aにおいて、加熱部10の設定温度Tを270℃とした場合である。
(比較例1)
比較例1は、構成aにおいて、加熱部10の電熱ヒータをオフとした場合である。
(比較例2)
比較例2は、構成aにおいて、加熱部10の設定温度Tを320℃とした場合である。
(比較例3)
比較例3は、構成bにおいて、加熱部10の電熱ヒータをオフとした場合である。
(比較例4)
比較例4は、構成bにおいて、加熱部10の設定温度Tを220℃とした場合である。
(比較例5)
比較例5は、構成bにおいて、加熱部10の設定温度Tを270℃とした場合である。
(比較例6)
比較例6は、構成bにおいて、加熱部10の設定温度Tを320℃とした場合である。
(比較例7)
比較例7は、構成cにおいて、加熱部10の電熱ヒータをオフとした場合である。
(比較例8)
比較例8は、構成cにおいて、加熱部10の設定温度Tを220℃とした場合である。
(比較例9)
比較例9は、構成cにおいて、加熱部10の設定温度Tを270℃とした場合である。
(比較例10)
比較例10は、構成cにおいて、加熱部10の設定温度Tを320℃とした場合である。
(比較例11)
比較例11は、構成dにおいて、加熱部10の電熱ヒータをオフとした場合である。
(比較例12)
比較例12は、構成dにおいて、加熱部10の設定温度Tを220℃とした場合である。
(比較例13)
比較例13は、構成dにおいて、加熱部10の設定温度Tを270℃とした場合である。
(比較例14)
比較例14は、構成dにおいて、加熱部10の設定温度Tを320℃とした場合である。
Figure 2022111978000004
表3に示すように、比較例1乃至14では、第1温度センサT1、第2温度センサT2及び第3温度センサT3の一部または全ての検出温度が、合成繊維の原材料となる樹脂組成物のガラス転移温度Tg+0℃以上、樹脂組成物のガラス転移温度Tg+120℃以下の範囲内になく、連続紡糸時間が0秒間から40秒間の範囲内である。一方、実施例1及び2では、第1温度センサT1、第2温度センサT2及び第3温度センサT3の全ての検出温度が、合成繊維の原材料となる樹脂組成物のガラス転移温度Tg+0℃以上、樹脂組成物のガラス転移温度Tg+120℃以下の範囲内であり、実施例1では連続紡糸時間が300秒間、実施例2では連続紡糸時間が200秒間であることが確認された。即ち、本実施形態のように、口金2、断熱部20、加熱部10の順に配置した溶融紡糸装置1において加熱部10の設定温度Tを220℃とした場合、及び、270℃とした場合には、比較例1乃至14と比較して温度変化が緩やかになるため、曵糸性が向上していると考えられる。
1 溶融紡糸装置
2 口金
10 加熱部
20 断熱部

Claims (11)

  1. 糸条を紡出する口金と、
    糸条を加熱する加熱部と、
    前記口金と前記加熱部との間を送られる糸条を囲む断熱部と、を備えた
    合成繊維の溶融紡糸装置。
  2. 前記加熱部は、糸条が加熱される加熱空間を有し、前記加熱空間の温度を、紡出される糸条の原材料となる樹脂組成物のガラス転移温度よりも0℃以上120℃以下の範囲内の高い温度に保持する
    請求項1に記載の合成繊維の溶融紡糸装置。
  3. 前記口金、前記断熱部および前記加熱部は、同軸上に配置されている
    請求項1または2に記載の合成繊維の溶融紡糸装置。
  4. 前記加熱部の糸条が送られる方向の長さоと、前記断熱部の糸条が送られる方向の長さmと、の比が、о:m=10:1~1:10である
    請求項3に記載の溶融紡糸装置。
  5. 前記口金と前記断熱部との間隔lと前記断熱部の糸条が送られる方向の長さmとの和と、前記加熱部の糸条が送られる方向の長さоと、の比が、(l+m):о=10:1~1:10である
    請求項3または4に記載の溶融紡糸装置。
  6. 前記断熱部と前記加熱部との間隔nは、0cm以上5cm以下である
    請求項3乃至5のいずれか1項に記載の合成繊維の溶融紡糸装置。
  7. 前記口金と前記断熱部との間隔lは、0cm以上5cm以下である
    請求項3乃至6のいずれか1項に記載の合成繊維の溶融紡糸装置。
  8. 前記断熱部は、前記口金と前記加熱部との間を送られる糸条を、厚さ寸法が15mm以上300mm以下の範囲内の断熱体によって囲む
    請求項1乃至7のいずれか1項に記載の溶融紡糸装置。
  9. 口金から糸条を紡出する紡出工程と、
    前記紡出工程において紡出した糸条を、断熱された空間を通過させる断熱送り工程と、
    前記断熱送り工程において送られた糸条を加熱する加熱工程と、を有している
    合成繊維の製造方法。
  10. 前記加熱工程は、加熱する糸条を、前記紡出工程において紡出される糸条の原材料となる樹脂組成物のガラス転移温度よりも0℃以上120℃以下の範囲内の高い温度に保持された空間を通過させる
    請求項9に記載の合成繊維の製造方法。
  11. 前記加熱工程は、前記口金から離間した位置において送られる糸条を加熱し、
    前記断熱送り工程は、前記紡出工程において紡出した糸条を、厚さ寸法が15mm以上300mm以下の範囲内の断熱体に囲まれた空間を通過させる
    請求項10に記載の合成繊維の製造方法。
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