JP2022111856A - スイッチ素子およびメモリ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】メモリセルの集積効率を向上させることが可能なスイッチ素子およびメモリ装置を提供する。【解決手段】本開示の一実施形態のスイッチ素子は、第1電極と、第1電極と対向配置された第2電極と、第1電極と第2電極との間に設けられると共に、ゲルマニウムおよびシリコンから選ばれる第1の元素と、ヒ素、リンおよびアンチモンから選ばれる第2の元素と、セレンおよびテルルから選ばれる第3の元素とを含むスイッチ層とを備え、スイッチ層は、第1の層と第2の層とを少なくとも1層ずつ積層し、第1の層は、第2の元素のうちの少なくとも1種と、第3の元素のうちの少なくとも1種を含むと共に、第3の元素を組成比で50原子%以上80原子%以下の範囲で含み、閾値電圧の温度依存性が負であり、第2の層は、第1の元素のうちの少なくとも1種と、第3の元素のうちの少なくとも1種を含むと共に、第1の元素を組成比で20原子%以上50原子%以下の範囲で含み、閾値電圧の温度依存性が正である。【選択図】図1

Description

本開示は、カルコゲナイド材料を用いたスイッチ素子およびこれを備えたメモリ装置に関する。
酸化物や窒化物等の絶縁体や半導体の降伏現象の研究には長い歴史がある。酸化物や窒化物はイオン結合ネットワークを形成し、多くの場合、降伏現象が起こることはデバイスの物理的破壊を意味する。閾値電界を決定する降伏メカニズムは、電界および温度の両者が関与することからelectro-thermal breakdownと呼ばれる。例えば、非特許文献1では、窒化ケイ素のリーク電流特性はPoole-Frenkel伝導が主因になると推測されており、併せて閾値電界の導出が行われている。
一方、酸素を除くカルコゲン元素を含む化合物は共有結合ネットワークを形成し、熱による降伏現象に対して高い耐性を有している。相変化メモリはカルコゲナイド相変化材料が融点を超えるような熱衝撃を経ても物理的破壊に至らないことの証左である。例えば、非特許文献2では、トラップ密度が比較的少ないガリウムテルル(GaTe)単結晶の閾値電圧の周囲温度依存性が、非特許文献1の結果と一致することが報告されている。
S. M. Sze, J. Appl. Phys., 38, 2951 (1967) S. I. Aliev, G. M. Niftiev, F. I. Pliev, and B. G. Tagiev, Sov. Phys. Semicond., 13, 340 (1979)
ところで、クロスポイント型のメモリセルアレイでは、大容量化を実現するために、メモリセルの集積効率の向上が求められている。
メモリセルの集積効率を向上させることが可能なスイッチ素子およびメモリ装置を提供することが望ましい。
本開示の一実施形態の第1のスイッチ素子は、第1電極と、第1電極と対向配置された第2電極と、第1電極と第2電極との間に設けられると共に、ゲルマニウムおよびシリコンから選ばれる第1の元素と、ヒ素、リンおよびアンチモンから選ばれる第2の元素と、セレンおよびテルルから選ばれる第3の元素とを含むスイッチ層とを備えたものであり、スイッチ層は、第1の層と第2の層とを少なくとも1層ずつ積層し、第1の層は、第2の元素のうちの少なくとも1種と、第3の元素のうちの少なくとも1種を含むと共に、第3の元素を組成比で50原子%以上80原子%以下の範囲で含み、閾値電圧の温度依存性が負であり、第2の層は、第1の元素のうちの少なくとも1種と、第3の元素のうちの少なくとも1種を含むと共に、第1の元素を組成比で20原子%以上50原子%以下の範囲で含み、閾値電圧の温度依存性が正である。
本開示の一実施形態の第2のスイッチ素子は、第1電極と、第1電極と対向配置された第2電極と、積層方向に異なる径を有するスイッチ層とを備えたものである。
本開示の一実施形態のメモリ装置は、複数のメモリセルを備えたものであり、各メモリセルは、メモリ素子およびメモリ素子に直接接続された上記本開示の一実施形態の第1のスイッチ素子を含む。
本開示の一実施形態の第1のスイッチ素子、一実施形態の第2のスイッチ素子および一実施形態のメモリ装置では、第1電極と第2電極との間に、ゲルマニウムおよびシリコンから選ばれる第1の元素と、ヒ素、リンおよびアンチモンから選ばれる第2の元素と、セレンおよびテルルから選ばれる第3の元素とを含むスイッチ層を設けるようにした。このうち、第1のスイッチ素子のスイッチ層は、第2の元素のうちの少なくとも1種と、第3の元素のうちの少なくとも1種を含むと共に、第3の元素を組成比で50原子%以上80原子%以下の範囲で含み、閾値電圧の温度依存性が負の第1の層と、第1の元素のうちの少なくとも1種と、第3の元素のうちの少なくとも1種を含むと共に、第1の元素を組成比で20原子%以上50原子%以下の範囲で含み、閾値電圧の温度依存性が正の第2の層とを少なくとも1層ずつ積層したものである。第2のスイッチ素子のスイッチ層は、積層方向に異なる径を有するものである。これにより、スイッチ素子のオンとオフとが切り替わる閾値電圧および閾値電界の周囲温度に対する依存性を軽減する。
本開示の第1の実施の形態に係るスイッチ素子の構成の一例を表す断面模式図である。 本開示のメモリセルアレイの概略構成の一例を表す図である。 不可逆エンタルピーの平均配意数依存性を表す特性図である。 GeAsSeガラスの状態を表す3元図である。 GeAsSeガラスのデバイ温度の組成依存性を表す3元図である。 GeAsSeガラスの閾値電圧の温度依存性を表す3元図である。 実施例1において用いた実験装置の模式図である。 実施例1における電流密度と電界との関係を表す特性図である。 実施例1に適合する材料組成を表すGeAsSeガラスの3元図である。 本開示の第1の実施の形態に係るスイッチ素子の構成の他の例を表す断面模式図である。 本開示の第1の実施の形態に係るスイッチ素子の構成の他の例を表す断面模式図である。 本開示の第1の実施の形態に係るスイッチ素子の構成の他の例を表す断面模式図である。 本開示の第1の実施の形態に係るスイッチ素子の構成の他の例を表す断面模式図である。 本開示の第1の実施の形態に係るスイッチ素子の構成の他の例を表す断面模式図である。 メモリ素子の構成の一例を表す断面模式図である。 本開示の第2の実施の形態に係るスイッチ素子の構成の一例を表す断面模式図である。 デバイ温度のサイズ依存性を表す特性図である。 実施例2において用いた実験装置の模式図である。 本開示の第2の実施の形態に係るスイッチ素子の構成の他の例を表す断面模式図である。 本開示の第2の実施の形態に係るスイッチ素子の構成の他の例を表す断面模式図である。 本開示の第2の実施の形態に係るスイッチ素子の構成の他の例を表す断面模式図である。 本開示の第2の実施の形態に係るスイッチ素子の構成の他の例を表す断面模式図である。 本開示の変形例におけるメモリセルアレイの概略構成の一例を表す図である。 本開示の変形例におけるメモリセルアレイの概略構成の他の例を表す図である。 本開示の変形例におけるメモリセルアレイの概略構成の他の例を表す図である。 本開示の変形例におけるメモリセルアレイの概略構成の他の例を表す図である。
以下、本開示における実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明は本開示の一具体例であって、本開示は以下の態様に限定されるものではない。また、本開示は、各図に示す各構成要素の配置や寸法、寸法比等についても、それらに限定されるものではない。なお、説明する順序は、下記の通りである。
1.第1の実施の形態(閾値電圧の温度依存性が負の層と閾値電圧の温度依存性が正の層との積層構造を有するスイッチ層を備えたスイッチ素子の例)
1-1.スイッチ素子の構成
1-2.メモリセルアレイの構成
1-3.作用・効果
2.第2の実施の形態(積層方向に異なる径を有するスイッチ層を備えたスイッチ素子の例)
3.変形例(3次元構造を有するメモリセルアレイの例)
<1.第1の実施の形態>
図1は、本開示の第1の実施の形態に係るスイッチ素子(スイッチ素子20)の断面構成の一例を模式的に表したものである。このスイッチ素子20は、例えば、図2に示した所謂クロスポイントアレイ構造を有するメモリセルアレイ1において複数配設されたうちの任意のメモリ素子(メモリ素子30、例えば図15参照)を選択的に動作させるためのものである。スイッチ素子20は、メモリ素子30(具体的にはメモリ層32)に直列に接続されており、下部電極21、スイッチ層22および上部電極23をこの順に有するものである。
本実施の形態のスイッチ素子20は、ゲルマニウムおよびシリコン(Si)から選ばれる第1の元素と、ヒ素(As)、リン(P)およびアンチモン(Sb)から選ばれる第2(Ge)の元素と、セレン(Se)およびテルル(Te)から選ばれる第3の元素とを含むスイッチ層22を有するものである。スイッチ層22は、第1層22Aおよび第2層22Bが少なくとも1層ずつ積層された積層構造を有している。第1層22Aは、上記3種類の元素のうち、第2の元素のうちの少なくとも1種と、第3の元素のうちの少なくとも1種を含むと共に、第3の元素を組成比で50原子%以上80原子%以下の範囲で含み、負の閾値電圧の温度依存性を有している。第2層22Bは、上記3種類の元素のうち、第1の元素のうちの少なくとも1種と、第3の元素のうちの少なくとも1種を含むと共に、第1の元素を組成比で20原子%以上50原子%以下の範囲で含み、正の閾値電圧の温度依存性を有している。
(1-1.スイッチ素子の構成)
スイッチ素子20は、上記のように、下部電極21、スイッチ層22および上部電極23がこの順に積層されたものである。以下に、スイッチ素子20を構成する各構成要素について詳細に説明する。
下部電極21は、本開示の「第1電極」の一具体例に相当する。下部電極21は、例えば、半導体プロセスに用いられる配線材料によって形成することができる。具体的には、下部電極21は、例えば、タングステン(W)、窒化タングステン(WN)、窒化チタン(TiN)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)およびシリサイド等を用いて形成することができる。下部電極21がCu等の電界でイオン伝導が生じる可能性のある材料により構成されている場合には、下部電極21の表面をイオン伝導や熱拡散しにくい材料で被覆するようにしてもよい。イオン伝導や熱拡散しにくい材料としては、例えば、W、WN、TiN、TaN、チタンタングステン(TiW)および窒化チタンタングステン(TiWN)等が挙げられる。
スイッチ層22は、印加電圧を所定の閾値電圧(スイッチング閾値電圧)以上に上げることにより低抵抗状態に変化し、印加電圧を上記スイッチング閾値電圧より低い電圧に下げることにより高抵抗状態に変化するものである。また、スイッチ層22は、負性微分抵抗特性を有するものであり、スイッチ素子20に印加される電圧が所定の閾値電圧(スイッチング閾値電圧)を超えたときに、電流を数桁倍流すようになるものである。
また、スイッチ層22は、図示しない電源回路(パルス印加手段)から下部電極21および上部電極23を介した電圧パルスあるいは電流パルスの印加によらず、スイッチ層22のアモルファス構造が安定して維持されるものである。なお、スイッチ層22は、電圧印加によるイオンの移動によって形成される伝導パスが印加電圧消去後にも維持される等のメモリ動作をしないものである。
本実施の形態のスイッチ層22は、上記のように、GeおよびSiから選ばれる第1の元素と、As、PおよびSbから選ばれる第2の元素と、SeおよびTeから選ばれる第3の元素とを含んで形成されている。スイッチ層22は、第1層22Aおよび第2層22Bが少なくとも1層ずつ積層された積層構造を有しており、第1層22Aは負の閾値電圧の温度依存性を有し、第2層22Bは正の閾値電圧の温度依存性を有している。
前述したように、一般に、酸素(O)を除くカルコゲン元素(硫黄(S)、SeおよびTe)を含む化合物は共有結合ネットワークを形成し、熱による降伏現象に対して高い耐性を有している。カルコゲン元素を含む化合物(カルコゲナイド相変化材料)の一例であるカルコゲナイドガラスの一般的組成をGe(Si)As(P,Sb)Se(Te)1-x-yと表記する。Ge(Si)、As(P,Sb)およびSe(Te)の価数は、それぞれ、4,3,2であり、配位数は価数と一致するものとする。平均配位数(MCN)は、下記数式(1)で定義される。
Figure 2022111856000002
赤外線透過ガラスとして知られるGeAsSeガラスの最適組成は、温度変調示差走査熱量計(MDSC)分析によって詳しく調べられている(文献1:P. Bloolehand, D. G. Georgiiev, and B. Goodman, J. Opt. and Adv. Mater., 3, 703 (2001))。図3は、不可逆エンタルピー(ΔHnr)の平均配位依存性を表したものである。不可逆エンタルピー(ΔHnr)を極小にする中間相は平均配位数MCN=2.4の前後に存在し、経時変化が最も小さい領域であると考えられている。スイッチ素子およびメモリ素子は、ガラス転移温度を超えるような挙動を繰り返す。このため、光学特性の劣化を改善することを目的とする場合、図4に示した中間相領域が最適組成となる。なお、図4中のGFRはガラス形成領域であり、floppy領域は軟性ガラス、rijid領域は剛性ガラスに相当する。
カルコゲナイド相変化材料は、原子空孔や原子欠損が極めて高くなるとトラップ密度が増加する。トラップ密度の増加は、トラップ準位によってスカラーポテンシャルが重なり合うことにより、スカラーポテンシャルの形状に関わらず実効的障壁高さが決まるようになる。そのような極限の伝導状態はPoole-Frenkel伝導と呼ばれる。実用的なスイッチ素子およびメモリ素子の多くはPoole-Frenkel伝導型となり、電流密度(j)は、下記数式(2)で表される。数式(2)中の比例定数(但し、温度の関数)ηは下記数式(2’)と定義される。但し、平均トラップ間隔はΔzであり(文献2:D. Ielmini and Y. Zhang, IEDM Tech. Dig., 136 (2006).)、Poole-Frenkel伝導型の電流密度はカルコゲナイド相変化材料の誘電率の影響を比較的受けにくい特徴がある。
Figure 2022111856000003
(A(T):比例定数(但し、温度の関数(A/cm2))、φB:障壁高さ(eV)、F:電界(MV/cm)、d:膜厚)
カルコゲナイド相変化材料の閾値電界(Fth)の温度依存性を非特許文献1と同様の手順に従って求めると、下記数式(3)となる。
Figure 2022111856000004
パラメータ(但し、温度の関数)Cは、下記数式(4)となる。
Figure 2022111856000005
(k:ボルツマン定数、A(T):比例定数(A/cm)、φ:障壁高さ(eV)、Fth:閾値電界(MV/cm)、d:膜厚、Vt:熱電圧)
パラメータCの定義に閾値電界(Fth)自身が含まれているため、数式(3)および数式(4)を漸化式として反復計算することによって初めて閾値電界(Fth)が得られる。電界(F)のべき数に違いはあるが、数式(3)および数式(4)は、酸化物や窒化物等の絶縁体の閾値電界(Fth)の温度依存性およびパラメータ(但し、温度の関数)Cの数式と本質的な違いはなく、従来の常識に基づけばパラメータCは常に正であって、閾値電界(Fth)の周囲温度依存性も同様に負になると容易に考えられる。
次に、カルコゲナイド相変化材料の閾値電界(Fth)の周囲温度依存性を正にする方法について述べる。メモリセルアレイは大容量化が求められており、スイッチ素子およびメモリ素子はナノメートルサイズまで薄膜化されている。このナノメートルサイズのカルコゲナイド相変化材料の薄膜の熱抵抗(R)が下記数式(5)で近似的に表されるものと仮定する。
Figure 2022111856000006
(κ:熱伝導率)
数式(5)を数式(4)に代入すると、下記数式(6)が得られる。
Figure 2022111856000007
(k:ボルツマン定数、A(T):比例定数(A/cm)、φ:障壁高さ(eV)、Fth:閾値電界(MV/cm)、d:膜厚、Vt:熱電圧、κ:熱伝導率)
比例定数(η)の組成依存性は比較的小さく、障壁高さ(φ)は、実験的にはバンドギャップ(Eg)の1/4程度の値になって組成依存もするが、パラメータCの符号を逆転させるほどの効果はない。素子設計上、最も容易に変更可能なのは膜厚(d)であるが、閾値電圧(Vth)を設計値に保つためには極端に薄くすることは難しい。このため、選択可能なのは熱伝導率(κ)となる。閾値電界(Fth)の周囲温度依存性を正にするための条件は、上記数式(6)の右辺の自然対数[]内が1よりも小さくなること、即ち、下記数式(7)である。
Figure 2022111856000008
(k:ボルツマン定数、A(T):比例定数(A/cm)、φ:障壁高さ(eV)、Fth:閾値電界(MV/cm)、d:膜厚、Vt:熱電圧、κ:熱伝導率)
自然対数[]内が1よりも小さくなるとパラメータCの符号が逆転し、周囲温度が上昇すると閾値電界(Fth)が増加する。上記数式(7)から明らかなように、薄膜化すればするほど効果は表れやすくなるが、上記のように薄膜化には限界がある。熱伝導率(κ)は、下記数式(8)で表されるように、物質のデバイ温度(T)の3乗に比例することが知られている(文献3:J. Lonergan, C. Smith, D. McClane, and K. Richardson, J. Appl. Phys., 120, 145101 (2016))。
Figure 2022111856000009
(α:Gruneisenパラメータγを含む比例定数)
カルコゲナイドガラスの一般的組成をGe(Si)As(P,Sb)Se(Te)1-x-yと表記した場合のデバイ温度(T)は、下記数式(9)に示したように、組成依存する項と、サイズ依存する項との積で表される(文献4:Y. Ma, K. Zhu and M. Li, Phys. Chem. Chem. Phys., 20, 27539 (2018))。
Figure 2022111856000010
(D:薄膜の直径、α:無次元パラメータβを含む比例定数)
バルク材料の熱伝導率(κ)はフォノン平均自由行程に比例する(文献5:ISBN-13:978-4621076538, (2005))。デバイ温度(T)がサイズ依存するのは素子サイズがフォノンの平均自由行程以下になるためである。少なくとも2層(A層およびB層)の積層膜で閾値電圧(Vth)の周囲温度依存性を軽減するには、下記数式(10)に示したように、合成閾値電圧(Vth(A,B))の周囲温度依存性を相殺するように選択すればよい。
Figure 2022111856000011
(実施例1)
図5は、実測値をもとに描いたGeAsSeガラスのデバイ温度(T)の3元図である。未知組成のデバイ温度(T)は、上記文献3に記載されたデバイ温度(T)とLindemann融解公式(融点(Tm)はデバイ温度(T)の2乗に比例する)を利用して逆算した。図6は、実測値をもとに描いたGeAsSeガラスの温度依存性の3元図である。サンプルが存在しない場所の閾値電圧(Vth)は、平均配位数を用いて推定した。Se組成が20%以下の領域は誤差が大きいため表示を省略した。
実施例1では、負の閾値電圧の温度依存性を有する層(第1層22A)として組成比As40Se60、膜厚(d)10nmのA層と、正の閾値電圧の温度依存性を有する層(第2層22B)として組成比Ge33.3Se66.7、膜厚(d)20nmのB層とをコスパッタによって順次成膜した。
図7は、実施例1で用いた実験装置を模式的に表したものである。図8は、積層膜の周囲温度(Ta)300Kおよび400Kにおける電流密度(j)と電界(F)との関係を表した特性図である。図8から、周囲温度(Ta)300Kと400Kとの間の電流密度(j)と電界(F)との関係に大きな変化がないことがわかった。即ち、負の閾値電圧の温度依存性を有するA層(第1層22A)と、正の閾値電圧の温度依存性を有するB層(第2層22B)とを積層することにより、その積層膜の合成閾値電圧の温度依存性が低減できることがわかった。
図9は、実施例1と同様の結果が得られる材料組成を表したGeAsSeガラスの3元図である。負の閾値電圧の温度依存性を有する層(第1層22A)は、上記第1の元素、第2の元素および第3の元素のうち、第2の元素のうちの少なくとも1種と、第3の元素のうちの少なくとも1種を選択し、さらに、第3の元素を組成比で50原子%以上80原子%以下の範囲とすること形成することができる。正の閾値電圧の温度依存性を有する層(第2層22B)は、上記第1の元素、第2の元素および第3の元素のうち、第1の元素のうちの少なくとも1種と、第3の元素のうちの少なくとも1種を選択し、さらに、第1の元素を組成比で20原子%以上50原子%以下の範囲とすることで形成することができる。その際、第1層22Aおよび第2層22Bは、それぞれ、第2の元素を組成比で0原子%以上50原子%以下の範囲で含んでいる。
スイッチ層22は、さらに不純物として、ボロン(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)およびインジウム(In)のうちの少なくとも1種を上述した第1層22Aおよび第2層22Bの特性を損なわない範囲で含んでいてもよい。これにより、スイッチ層22の熱伝導率(κ)が向上する。第1層22Aは概ねp型伝導するため、熱を輸送するキャリアとしてフォノンに加えてホールを補助的に用いることが好ましい。
スイッチ層22の膜厚は、例えば、15nm以上150nm以下であることが好ましい。このうち、第1層22Aの膜厚は、例えば5nm以上50nm以下であることが好ましく、第2層22Bの膜厚は、例えば、10nm以上100nmm以下であることが好ましい。
上部電極23は、本開示の「第2電極」の一具体例に相当する。上部電極23は、例えば、下部電極21と同様に公知の半導体配線材料を用いることができるが、ポストアニールを経てもスイッチ層22と反応しない安定な材料が好ましい。具体的には、上部電極23は、例えば、タングステン(W)を含んで形成することができる。
スイッチ素子20は、初期状態ではその抵抗値は高く(高抵抗状態(オフ状態))、電圧を印加すると、ある電圧(スイッチング閾値電圧)において低く(低抵抗状態(オン状態))なるスイッチ特性を有する。また、スイッチ素子20は、印加電圧をスイッチング閾値電圧より下げる、あるいは、電圧の印加を停止すると高抵抗状態に戻るものであり、オン状態が維持されない。即ち、スイッチ素子20は、図示しない電源回路(パルス印加手段)から下部電極21および上部電極23を介して電圧パルスあるいは電流パルスの印加によって、スイッチ層22の相変化(非晶質相(アモルファス相)と結晶相)を生じることによるメモリ動作がないものである。
本実施の形態のスイッチ素子20は、上記スイッチ素子20の構成の他に、以下の構成をとることができる。
例えば、スイッチ素子20は、スイッチ層22を形成する第1層22Aおよび第2層22Bをそれぞれ2層以上積層した構成としてもよい。例えば、図10に示したように、スイッチ層22は、下部電極21側から第1層22A、第2層22Bおよび第1層22Aがこの順に積層された構成としてもよい。例えば、図11に示したように、スイッチ層22は、下部電極21側から第2層22B、第1層22Aおよび第2層22Bがこの順に積層された構成としてもよい。例えば、図12に示したように、スイッチ層22は、下部電極21側から2つの第1層22Aおよび第2層22Bがこの順に積層された構成としてもよい。例えば、図13に示したように、スイッチ層22は、下部電極21側から第1層22Aおよび2つの第2層22Bがこの順に積層された構成としてもよい。
また、スイッチ層は、第1層22Aおよび第2層22B以外の層を含んでいてもよい。例えば、図14に示したように、第1層22Aと第2層22Bとの間に、例えば、閾値電界(Fth)の周囲温度依存性のない第3層22Cを設けるようにしてもよい。その場合、第3層22Cは、下記数式(11)を満たすものとなる。なお、第3層22Cの位置はこれに限定されない。例えば、下部電極21側から、第1層22A、第2層22Bおよび第3層22Cをこの順に積層してもよいし、下部電極21側から第3層22C、第1層22Aおよび第2層22Bをこの順に積層してもよい。
Figure 2022111856000012
(k:ボルツマン定数、A(T):比例定数(A/cm)、φ:障壁高さ(eV)、Fth:閾値電界(MV/cm)、d:膜厚、Vt:熱電圧、κ:熱伝導率)
(1-2.メモリセルアレイの構成)
図2は、メモリセルアレイ1の構成の一例を斜視的に表したものである。メモリセルアレイ1は、本開示の「メモリ装置」の一具体例に相当する。メモリセルアレイ1は、所謂クロスポイントアレイ構造を備えており、例えば、図2に示したように、各ワード線WLと各ビット線BLとが互いに対向する位置(クロスポイント)に1つずつ、メモリセル10を備えている。即ち、メモリセルアレイ1は、複数のワード線WLと、複数のビット線BLと、クロスポイントごとに1つずつ配置された複数のメモリセル10とを備えている。
各ワード線WLは、互いに共通の方向に延在している。各ビット線BLは、ワード線WLの延在方向とは異なる方向(例えば、ワード線WLの延在方向と直交する方向)であって、且つ、互いに共通の方向に延在している。なお、複数のワード線WLおよび複数のビット線BLは、それぞれ、1または複数の層内に配置されており、例えば、複数の階層に分かれて配置されていてもよい。
例えば、図2に示したように、複数のワード線WLが複数の階層に分かれて配置されている場合には、複数のワード線WLが配置された第1の層と、複数のワード線WLが配置された、第1の層に隣接する第2の層との間に、複数のビット線BLが配置されている。複数のビット線BLが複数の階層に分かれて配置されている場合には、複数のビット線BLが配置された第3の層と、複数のビット線BLが配置された、第3の層に隣接する第4の層との間に、複数のワード線WLが配置されている。即ち、複数のワード線WLおよび複数のビット線BLが互いに複数の階層に分かれて配置されている場合には、複数のワード線WLおよび複数のビット線BLは、メモリセルアレイ1の積層方向(例えば、Z軸方向)に交互に配置されている。
このように、メモリセルアレイ1は、基板(図示せず)上に、複数のワード線WLおよび複数のビット線BLが1または複数の階層に分かれて配置されており、それぞれのクロスポイントに、メモリセル10が2次元または3次元的に配置されている。基板には、さらに、例えば、ワード線WLおよびビット線BLと電気的に接続された配線群や、その配線群と外部回路とを連結するための回路等が形成されている。
メモリセル10は、例えば、上述したスイッチ素子20と、メモリ素子30とを含んで構成されており、上記のように、各ワード線WLと各ビット線BLとのクロスポイントに1つずつ配置されている。
図15は、メモリ素子30の断面構成の一例を模式的に表したものである。メモリ素子30は、下部電極31、メモリ層32および上部電極33がこの順に積層されたものである。
下部電極31は、スイッチ素子20の下部電極21と同様に、例えば、半導体プロセスに用いられる配線材料によって形成することができる。具体的には、下部電極31は、例えば、W、WN、TiN、Cu、Al、Mo、Ta、TaNおよびシリサイド等を用いて形成することができる。下部電極31がCu等の電界でイオン伝導が生じる可能性のある材料により構成されている場合には、下部電極31の表面をイオン伝導や熱拡散しにくい材料で被覆するようにしてもよい。イオン伝導や熱拡散しにくい材料としては、例えば、W、WN、TiN、TaN、TiWおよびTiWN等が挙げられる。
メモリ層32は、上記スイッチ層22と同様に、GeおよびSiから選ばれる第1の元素と、As、PおよびSbから選ばれる第2の元素と、SeおよびTeから選ばれる第3の元素とを含んで形成されている。メモリ層32は、さらに、第1層32Aおよび第2層32Bが少なくとも1層ずつ積層された積層構造を有している。
第1層32Aは、本開示の「第3の層」の一具体例に相当し、負の閾値電圧の温度依存性を有している。第1層32Aは、第1の元素、第2の元素および第3の元素のうち、第2の元素のうちの少なくとも1種と、第3の元素のうちの少なくとも1種を選択し、さらに、第3の元素を組成比で50原子%以上80原子%以下の範囲とすること形成することができる。
第2層32Bは、本開示の「第4の層」の一具体例に相当し、正の閾値電圧の温度依存性を有している。第2層32Bは、第1の元素、第2の元素および第3の元素のうち、第1の元素のうちの少なくとも1種と、第3の元素のうちの少なくとも1種を選択し、さらに、第1の元素を組成比で20原子%以上50原子%以下の範囲とすることで形成することができる。
メモリ層32の膜厚は、例えば、15nm以上150nm以下であることが好ましい。このうち、第1層32Aの膜厚は、例えば、5nm以上50nm以下であることが好ましく、第2層32Bの膜厚は、例えば、10nm以上100nmm以下であることが好ましい。
上部電極33は、例えば、下部電極31と同様に公知の半導体配線材料を用いることができるが、ポストアニールを経てもメモリ層32と反応しない安定な材料が好ましい。具体的には、上部電極33は、例えば、タングステン(W)を含んで形成することができる。
なお、メモリ素子30は、下部電極31と上部電極33との間にメモリ層32以外の層を有していてもよい。例えば、下地層や接着層、保護層あるいは拡散防止層として、例えば酸化タンタルや酸化チタンからなる酸化物層を形成するようにしてもよい。
メモリセル10では、スイッチ素子20とメモリ素子30とは直接接続されている。上述したスイッチ素子20とメモリ素子30とを用いてメモリセル10を形成する場合には、スイッチ素子20とメモリ素子30との間で互いに積層される電極(例えば、メモリ素子30の上部電極33とスイッチ素子20の下部電極21)は、例えば中間電極として一体形成し、それぞれの上部電極および下部電極を兼ねるようにしてもよい。
また、メモリセル10の最下層および最上層に配置される電極(例えば、メモリ素子30の下部電極31とスイッチ素子20の上部電極23)は、それぞれ、各ワード線WLおよび各ビット線BLを兼ねていてもよいし、各ワード線WLおよび各ビット線BLとはべったいの電極として形成されていてもよい。
なお、図2では、スイッチ素子20が、例えば、ワード線WL寄りに配置され、メモリ素子30は、例えば、ビット線BL寄りに配置されている例を示したがこれに限定されない。例えば、スイッチ素子20がビット線BL寄りに配置され、メモリ素子30がワード線WL寄りに配置されていてもよい。また、ある層内において、スイッチ素子20がワード線WL寄りに配置され、メモリ素子30がビット線BL寄りに配置されている場合に、その層に隣接する層内において、スイッチ素子20がビット線BL寄りに配置され、メモリ素子30がワード線WL寄りに配置されていてもよい。また、各層において、メモリ素子30がスイッチ素子20上に形成されていてもよいし、その逆に、スイッチ素子20がメモリ素子30上に形成されていてもよい。
また、本実施の形態のメモリセルアレイ1では、メモリ素子30は、例えば、ヒューズやアンチヒューズーズを用いた一度だけ書き込みが可能なOTP(One Time Programable)メモリ素子、単極性の相変化メモリ素子、抵抗変化メモリ素子あるいは磁気抵抗メモリ素子等の不揮発メモリ(NVM:Non-Volatile Memory)を用いることができる。
(1-3.作用・効果)
本実施の形態のスイッチ素子20は、GeおよびSiから選ばれる第1の元素と、As、PおよびSbから選ばれる第2の元素と、SeおよびTeから選ばれる第3の元素とを含むスイッチ層22を有している。スイッチ層22は、第1層22Aおよび第2層22Bが少なくとも1層ずつ積層された積層構造を有している。第1層22Aは、上記3種類の元素のうち、第2の元素のうちの少なくとも1種と、第3の元素のうちの少なくとも1種を含むと共に、第3の元素を組成比で50原子%以上80原子%以下の範囲で含み、負の閾値電圧の温度依存性を有している。第2層22Bは、上記3種類の元素のうち、第1の元素のうちの少なくとも1種と、第3の元素のうちの少なくとも1種を含むと共に、第1の元素を組成比で20原子%以上50原子%以下の範囲で含み、正の閾値電圧の温度依存性を有している。これにより、スイッチ素子20のオンとオフとが切り替わる閾値電圧(Vth)および閾値電界(Fth)の周囲温度に対する依存性を軽減する。以下、これについて説明する。
近年、ReRAM(Resistance Random Access Memory)やPRAM(Phase-Change Random Access Memory)(登録商標)等の抵抗変化型メモリに代表されるデータストレージ用の不揮発メモリの大容量化が求められており、交差する配線間の交点(クロスポイント)にメモリ素子を配置する、所謂クロスポイントアレイ構造を採用したメモリセルアレイが開発されている。クロスポイント型のメモリセルアレイでは、メモリ素子の他にセル選択用のスイッチ素子が設けられる。
ところで、スイッチ素子およびメモリ素子の閾値電圧は周囲温度が増加すると減少する性質を有している。このため、クロスポイント型のメモリセルアレイを正常動作させるために、周囲温度を監視しながらメモリセルアレイのビット線およびワード線に印加する電圧を調整する大規模制御回路が形成されている。しかしながら、大規模制御回路は、電圧補償回路への負担が大きいためにメモリ集積効率が悪化し、メモリ容量の減少やコスト増加の要因になっている。
これに対して、本実施の形態では、下部電極21と上部電極23との間に、上記第1~第3の元素を所定の割合で含む第1層22Aおよび第2層22Bが少なくとも1層ずつ積層された積層構造を有するスイッチ層22を設けるようにした。具体的には、第1層22Aは、上記3種類の元素のうち、第2の元素のうちの少なくとも1種と、第3の元素のうちの少なくとも1種を含むと共に、第3の元素を組成比で50原子%以上80原子%以下の範囲で含み、負の閾値電圧の温度依存性を有している。第2層22Bは、上記3種類の元素のうち、第1の元素のうちの少なくとも1種と、第3の元素のうちの少なくとも1種を含むと共に、第1の元素を組成比で20原子%以上50原子%以下の範囲で含み、正の閾値電圧(Vth)の温度依存性を有している。これにより、スイッチ素子20のオンとオフとが切り替わる閾値電圧(Vth)および閾値電界(Fth)の周囲温度に対する依存性が軽減される。
以上により、本実施の形態のスイッチ素子20およびこれを備えたメモリセルアレイ1では、周囲温度に応じてメモリセルアレイのビット線およびワード線に印加する電圧を調整する大規模制御回路の配置が不要となる。よって、メモリセルの集積効率を向上させることが可能となり、より大容量なメモリセルアレイを提供することが可能となる。
次に、第2の実施の形態および変形例について説明する。以下では、上記第1の実施の形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。
<2.第2の実施の形態>
図16は、本開示の第2の実施の形態に係るスイッチ素子(スイッチ素子40)の断面構成の一例を模式的に表したものである。このスイッチ素子40は、例えば、図2に示した、所謂クロスポイントアレイ構造を有するメモリセルアレイ1において複数配設されたうちの任意のメモリ素子(メモリ素子30)を選択的に動作させるためのものである。スイッチ素子40は、メモリ素子30(具体的にはメモリ層32)に直列に接続されており、下部電極41、スイッチ層42および上部電極43をこの順に有するものである。本実施の形態のスイッチ層42は、積層方向に異なる径を有している。
下部電極41は、本開示の「第1電極」の一具体例に相当する。下部電極41は、上記第1の実施の形態における下部電極21と同様に、例えば、半導体プロセスに用いられる配線材料によって形成することができる。具体的には、下部電極31は、例えば、W、WN、TiN、Cu、Al、Mo、Ta、TaNおよびシリサイド等を用いて形成することができる。下部電極31がCu等の電界でイオン伝導が生じる可能性のある材料により構成されている場合には、下部電極31の表面をイオン伝導や熱拡散しにくい材料で被覆するようにしてもよい。イオン伝導や熱拡散しにくい材料としては、例えば、W、WN、TiN、TaN、TiWおよびTiWN等が挙げられる。
スイッチ層42は、上記のように、積層方向に異なる径を有している。具体的には、スイッチ層42は、積層方向に、第1の径を有する第1領域42Aと、第1の径よりも小さい第2の径を有する第2領域42Bとを有している。スイッチ層42は、上記のように、GeおよびSiから選ばれる第1の元素と、As、PおよびSbから選ばれる第2の元素と、SeおよびTeから選ばれる第3の元素とを含んで形成されている。
上記第1の実施の形態で述べたように、熱伝導率(κ)はデバイ温度(T)の3乗に比例する。このため、積層方向と直交する方向(半径方向)のサイズ(薄膜の直径)が異なる2層(C層およびD層)を用意することにより、数式(9)に示したように各層のデバイ温度(T)を変調することができる。
(実施例2)
図17は、組成比As40Se60の薄膜のデバイ温度(T)のサイズ依存性(T(D))を表したものである。実施例2では、組成比As40Se60、膜厚(d)14nm、直径(D)20nmのC層(第1領域42Aに相当)と、組成比As40Se60、膜厚(d)7nm、直径(D)4nmのD層(第2領域42Bに相当)とをコスパッタによって順次成膜した。図18は、実施例2で用いた実験装置を模式的に表したものである。直径の差に起因するデバイ温度(T)は10%程度得られることがわかる。デバイ温度(T)のサイズ依存は、図17からわかるように非常に急峻であるため、サイズCとサイズDとの境界は10nm程度と見積もられる。
以上のことから、スイッチ層42の第1領域42Aの直径(第1の径)は10nm以上であることが好ましい。スイッチ層42の第2領域42Bの直径(第2の径)は10nm未満とすることが好ましい。これにより、第1領域42Aのデバイ温度(T)に比べて第2領域42Bのデバイ温度(T)が90%以下となり、上記数式(10)で表される閾値電圧(Vth)の周囲温度依存性が軽減される。
スイッチ層42の膜厚は、例えば、15nm以上75nm以下であることが好ましい。このうち、第1領域42Aの膜厚は、例えば、5nm以上25nm以下であることが好ましく、第2領域42Bの膜厚は、例えば、10nm以上50nm以下であることが好ましい。
本実施の形態のスイッチ素子40は、上記スイッチ素子40の構成の他に、以下の構成をとることができる。
例えば、スイッチ素子40は、スイッチ層42を形成する第1領域42Aおよび第2領域42Bをそれぞれ2領域以上積層した構成としてもよい。例えば、図19に示したように、スイッチ層42は、下部電極21側から第1領域42A、第2領域42Bおよび第1領域42Aがこの順に積層された構成としてもよい。例えば、図20に示したように、スイッチ層42は、下部電極21側から第2領域42B、第1領域42Aおよび第2領域42Bがこの順に積層された構成としてもよい。また、スイッチ層42の直径は、図16、図19および図20のように段階的に変形してもよいし、例えば、図21および図22に示したように、連続的に変化していてもよい。
上部電極23は、本開示の「第2電極」の一具体例に相当する。上部電極23は、上記第1の実施の形態における上部電極23と同様に、例えば、下部電極21と同様に公知の半導体配線材料を用いることができるが、ポストアニールを経てもスイッチ層22と反応しない安定な材料が好ましい。具体的には、上部電極23は、例えば、タングステン(W)を含んで形成することができる。
以上のように、本実施の形態のスイッチ素子40では、下部電極21と上部電極23との間に、積層方向に異なる径を有するスイッチ層42を設けるようにした。これにより、スイッチ素子40のオンとオフとが切り替わる閾値電圧(Vth)および閾値電界(Fth)の周囲温度に対する依存性が軽減される。このため、スイッチ素子40を備えたメモリセルアレイ1では、周囲温度に応じてメモリセルアレイのビット線およびワード線に印加する電圧を調整する大規模制御回路の配置が不要となる。よって、メモリセルの集積効率を向上させることが可能となり、より大容量なメモリセルアレイを提供することが可能となる。
なお、図2等に示したメモリセル10を構成するメモリ素子(例えば、メモリ素子30)にも本実施の形態のスイッチ素子40の構成を適用することができる。即ち、本実施の形態のスイッチ素子40と同様に、メモリ層(例えば、メモリ層32)が積層方向に異なる径を有するものとして形成することができる。
<3.変形例>
上記実施の形態におけるメモリセルアレイ1では、Y軸方向に延伸する複数のワード線WLと、X軸方向に複数の延伸するビット線BLとが、複数の層に分かれて交互に配置され、それぞれのクロスポイントにメモリセル10が配置された例を示したが、これに限らない。本開示のスイッチ素子(例えば、スイッチ素子20)およびこれを備えたメモリセル10は、例えば、以下のような3次元構造を有するメモリセルアレイにも適用できる。
図23に示したメモリセルアレイ2は、複数のワード線WLがそれぞれX軸方向に、複数のビット線BLがそれぞれZ軸方向に延伸し、それぞれのクロスポイントにメモリセル10が配置されたものである。図24に示したメモリセルアレイ3は、メモリセルアレイ2と同様に、X軸方向およびZ軸方向にそれぞれ延伸する複数のワード線WLおよび複数のビット線BLのクロスポイントの両面に、それぞれメモリセル10が配置されたものである。図25に示したメモリセルアレイ4は、Z軸方向に延伸する複数のビット線BLと、X軸方向またはY軸方向の2方向に延伸する2種類の複数のワード線WLとを有し、それぞれのクロスポイントにメモリセル10が配置されたものである。図26に示したメモリセルアレイ5は、複数のビット線BLはZ軸方向に延伸し、複数のワード線WLはX軸方向に延伸する途中でY軸方向に屈曲し、さらに、X軸方向に屈曲して、XY平面において、所謂Uの字状に延伸しており、それぞれのクロスポイントにメモリセル10が配置されたものである。
以上のように、上記第1,第2の実施の形態のスイッチ素子20,40およびこれを備えたメモリセル10は、ワード線WLまたはビット線BLのどちらか一方がZ軸方向に平行に設けられ、他方がXY平面方向に平行に設けられた、所謂縦型のクロスポイント構造のメモリセルアレイ(例えば、メモリセルアレイ2~5)にも適用することができる。また、複数のワード線WLおよび複数のビット線BLは、例えば、図26に示したメモリセルアレイ5のように、必ずしも一方向に延伸していなくてもよい。
以上、第1,第2の実施の形態および変形例を挙げて本開示を説明したが、本開示内容は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形が可能である。
なお、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。
なお、本開示は以下のような構成を取ることも可能である。以下の構成の本技術では、第1電極と第2電極との間に、ゲルマニウムおよびシリコンから選ばれる第1の元素と、ヒ素、リンおよびアンチモンから選ばれる第2の元素と、セレンおよびテルルから選ばれる第3の元素とを含むスイッチ層を設けるようにした。このうち、第1のスイッチ素子のスイッチ層は、第2の元素のうちの少なくとも1種と、第3の元素のうちの少なくとも1種を含むと共に、第3の元素を組成比で50原子%以上80原子%以下の範囲で含み、閾値電圧の温度依存性が負の第1の層と、第1の元素のうちの少なくとも1種と、第3の元素のうちの少なくとも1種を含むと共に、第1の元素を組成比で20原子%以上50原子%以下の範囲で含み、閾値電圧の温度依存性が正の第2の層とを少なくとも1層ずつ積層したものである。第2のスイッチ素子のスイッチ層は、積層方向に異なる径を有するものである。これにより、スイッチ素子のオンとオフとが切り替わる閾値電圧および閾値電界の周囲温度に対する依存性を軽減する。よって、メモリセルの集積効率を向上させることが可能となる。
[1]
第1電極と、
前記第1電極と対向配置された第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に設けられると共に、ゲルマニウムおよびシリコンから選ばれる第1の元素と、ヒ素、リンおよびアンチモンから選ばれる第2の元素と、セレンおよびテルルから選ばれる第3の元素とを含むスイッチ層とを備え、
前記スイッチ層は、第1の層と第2の層とを少なくとも1層ずつ積層し、
前記第1の層は、前記第2の元素のうちの少なくとも1種と、前記第3の元素のうちの少なくとも1種を含むと共に、前記第3の元素を組成比で50原子%以上80原子%以下の範囲で含み、閾値電圧の温度依存性が負であり、
前記第2の層は、前記第1の元素のうちの少なくとも1種と、前記第3の元素のうちの少なくとも1種を含むと共に、前記第1の元素を組成比で20原子%以上50原子%以下の範囲で含み、閾値電圧の温度依存性が正である
スイッチ素子。
[2]
前記第1の層および前記第2の層は、それぞれ、前記第2の元素を組成比で0原子%以上50原子%以下の範囲で含んでいる、前記[1]に記載のスイッチ素子。
[3]
前記スイッチ層は、不純物としてホウ素、アルミニウム、ガリウムおよびインジウムのうちの少なくとも1種をさらに含む、前記[1]または[2]に記載のスイッチ素子。
[4]
前記スイッチ層は、下記数式(1)を満たす第3の層をさらに有する、前記[1]乃至[3]のうちのいずれか1つに記載のスイッチ素子。
Figure 2022111856000013
(k:ボルツマン定数、A(T):比例定数(A/cm)、φ:障壁高さ(eV)、Fth:閾値電界(MV/cm)、d:膜厚、Vt:熱電圧、κ:熱伝導率)
[5]
前記スイッチ層の膜厚は、15nm以上150nm以下である、前記[1]乃至[4]のうちのいずれか1つに記載のスイッチ素子。
[6]
前記第1の層の膜厚は5nm以上50nm以下であり、前記第2の層の膜厚は10nm以上100nm以下である、前記[1]乃至[4]のうちのいずれか1つに記載のスイッチ素子。
[7]
前記スイッチ層は、非晶質相と結晶相との相変化を伴うことなく、印加電圧を所定の閾値電圧以上とすることにより低抵抗状態に、前記閾値電圧より下げることにより高抵抗状態に変化する、前記[1]乃至[6]のうちのいずれか1つに記載のスイッチ素子。
[8]
第1電極と、
前記第1電極と対向配置された第2電極と、
積層方向に異なる径を有するスイッチ層と
を備えたスイッチ素子。
[9]
前記スイッチ層は、第1の径と、前記第1の径よりも小さい第2の径とを有している、前記[8]に記載のスイッチ素子。
[10]
前記スイッチ層は、前記第1の径を有する第1の領域および前記第2の径を有する第2の領域を有している、前記[9]に記載のスイッチ素子。
[11]
前記第1の径と前記第2の径とは積層方向に連続的に変化している、前記[9]または[10]に記載のスイッチ素子。
[12]
前記第1の径と前記第2の径とは積層方向に段階的に変化している、前記[9]または[10]に記載のスイッチ素子。
[13]
前記第1の径は直径10nm以上100nm以下であり、前記第2の径は2nm以上10nm未満である、前記[9]乃至[12]のうちのいずれか1つに記載のスイッチ素子。
[14]
前記スイッチ層は、ゲルマニウムおよびシリコンから選ばれる第1の元素、ヒ素、リンおよびアンチモンから選ばれる第2の元素およびセレンおよびテルルから選ばれる第3の元素を含んで形成されている、前記[9]乃至[13]のうちのいずれか1つに記載のスイッチ素子。
[15]
複数のメモリセルを備え、
前記複数のメモリセルは、それぞれ、メモリ素子および前記メモリ素子に直接接続されたスイッチ素子を有し、
前記スイッチ素子は、
第1電極と、
前記第1電極と対向配置された第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に設けられると共に、ゲルマニウムおよびシリコンから選ばれる第1の元素と、ヒ素、リンおよびアンチモンから選ばれる第2の元素と、セレンおよびテルルから選ばれる第3の元素とを含むスイッチ層とを備え、
前記スイッチ層は、第1の層と第2の層とを少なくとも1層ずつ積層し、
前記第1の層は、前記第2の元素のうちの少なくとも1種と、前記第3の元素のうちの少なくとも1種を含むと共に、前記第3の元素を組成比で50原子%以上80原子%以下の範囲で含み、閾値電圧の温度依存性が負であり、
前記第2の層は、前記第1の元素のうちの少なくとも1種と、前記第3の元素のうちの少なくとも1種を含むと共に、前記第1の元素を組成比で20原子%以上50原子%以下の範囲で含み、閾値電圧の温度依存性が正である
メモリ装置。
[16]
前記メモリ素子は、相変化メモリ素子、抵抗変化メモリ素子および磁気抵抗メモリ素子のいずれかである、前記[15]に記載のメモリ装置。
[17]
前記メモリ素子は、第3電極と、前記第3電極と対向配置された第4電極と、前記第3電極と前記第4電極との間に設けられると共に、前記第1の元素、前記第2の元素および前記第3の元素を含むメモリ層とを有し、
前記メモリ層は、第3の層と第4の層とを少なくとも1層ずつ積層し、
前記第3の層は、前記第2の元素のうちの少なくとも1種と、前記第3の元素のうちの少なくとも1種を含むと共に、前記第3の元素を組成比で50原子%以上80原子%以下の範囲で含み、閾値電圧の温度依存性が負であり、
前記第4の層は、前記第1の元素のうちの少なくとも1種と、前記第3の元素のうちの少なくとも1種を含むと共に、前記第1の元素を組成比で20原子%以上50原子%以下の範囲で含み、閾値電圧の温度依存性が正である、前記[15]または[16]に記載のメモリ装置。
[18]
前記メモリ素子は、第3電極と、前記第3電極と対向配置された第4電極と、積層方向に異なる径を有するメモリ層とを有している、前記[15]乃至[17]のうちのいずれか1つに記載のメモリ装置。
[19]
第3電極と、
前記第3電極と対向配置された第4電極と、
前記第3電極と前記第4電極との間に設けられると共に、ゲルマニウムおよびシリコンから選ばれる第1の元素と、ヒ素、リンおよびアンチモンから選ばれる第2の元素と、セレンおよびテルルから選ばれる第3の元素とを含むメモリ層とを備え、
前記メモリ層は、第3の層と第4の層とを少なくとも1層ずつ積層し、
前記第3の層は、前記第2の元素のうちの少なくとも1種と、前記第3の元素のうちの少なくとも1種を含むと共に、前記第3の元素を組成比で50原子%以上80原子%以下の範囲で含み、閾値電圧の温度依存性が負であり、
前記第4の層は、前記第1の元素のうちの少なくとも1種と、前記第3の元素のうちの少なくとも1種を含むと共に、前記第1の元素を組成比で20原子%以上50原子%以下の範囲で含み、閾値電圧の温度依存性が正である
メモリ素子。
[20]
第3電極と、
前記第3電極と対向配置された第4電極と、
積層方向に異なる径を有するメモリ層と
を備えたメモリ素子。
1~5…メモリセルアレイ、10…メモリセル、20,40…スイッチ素子、21,31,41…下部電極、22,42…スイッチ層、22A,32A…第1層、22B,32B…第2層、23,33…上部電極、30…メモリ素子、32…メモリ層、42A…第1領域、42B…第2領域、BL…ビット線、WL…ワード線。

Claims (18)

  1. 第1電極と、
    前記第1電極と対向配置された第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極との間に設けられると共に、ゲルマニウムおよびシリコンから選ばれる第1の元素と、ヒ素、リンおよびアンチモンから選ばれる第2の元素と、セレンおよびテルルから選ばれる第3の元素とを含むスイッチ層とを備え、
    前記スイッチ層は、第1の層と第2の層とを少なくとも1層ずつ積層し、
    前記第1の層は、前記第2の元素のうちの少なくとも1種と、前記第3の元素のうちの少なくとも1種を含むと共に、前記第3の元素を組成比で50原子%以上80原子%以下の範囲で含み、閾値電圧の温度依存性が負であり、
    前記第2の層は、前記第1の元素のうちの少なくとも1種と、前記第3の元素のうちの少なくとも1種を含むと共に、前記第1の元素を組成比で20原子%以上50原子%以下の範囲で含み、閾値電圧の温度依存性が正である
    スイッチ素子。
  2. 前記第1の層および前記第2の層は、それぞれ、前記第2の元素を組成比で0原子%以上50原子%以下の範囲で含んでいる、請求項1に記載のスイッチ素子。
  3. 前記スイッチ層は、不純物としてホウ素、アルミニウム、ガリウムおよびインジウムのうちの少なくとも1種をさらに含む、請求項1に記載のスイッチ素子。
  4. 前記スイッチ層は、下記数式(1)を満たす第3の層をさらに有する、請求項1に記載のスイッチ素子。
    Figure 2022111856000014
    (k:ボルツマン定数、A(T):比例定数(A/cm)、φ:障壁高さ(eV)、Fth:閾値電界(MV/cm)、d:膜厚、Vt:熱電圧、κ:熱伝導率)
  5. 前記スイッチ層の膜厚は、15nm以上150nm以下である、請求項1に記載のスイッチ素子。
  6. 前記第1の層の膜厚は5nm以上50nm以下であり、前記第2の層の膜厚は10nm以上100nm以下である、請求項1に記載のスイッチ素子。
  7. 前記スイッチ層は、非晶質相と結晶相との相変化を伴うことなく、印加電圧を所定の閾値電圧以上とすることにより低抵抗状態に、前記閾値電圧より下げることにより高抵抗状態に変化する、請求項1に記載のスイッチ素子。
  8. 第1電極と、
    前記第1電極と対向配置された第2電極と、
    積層方向に異なる径を有するスイッチ層と
    を備えたスイッチ素子。
  9. 前記スイッチ層は、第1の径と、前記第1の径よりも小さい第2の径とを有している、請求項8に記載のスイッチ素子。
  10. 前記スイッチ層は、前記第1の径を有する第1の領域および前記第2の径を有する第2の領域を有している、請求項9に記載のスイッチ素子。
  11. 前記第1の径と前記第2の径とは積層方向に連続的に変化している、請求項9に記載のスイッチ素子。
  12. 前記第1の径と前記第2の径とは積層方向に段階的に変化している、請求項9に記載のスイッチ素子。
  13. 前記第1の径は直径10nm以上100nm以下であり、前記第2の径は2nm以上10nm未満である、請求項9に記載のスイッチ素子。
  14. 前記スイッチ層は、ゲルマニウムおよびシリコンから選ばれる第1の元素、ヒ素、リンおよびアンチモンから選ばれる第2の元素およびセレンおよびテルルから選ばれる第3の元素を含んで形成されている、請求項8に記載のスイッチ素子。
  15. 複数のメモリセルを備え、
    前記複数のメモリセルは、それぞれ、メモリ素子および前記メモリ素子に直接接続されたスイッチ素子を有し、
    前記スイッチ素子は、
    第1電極と、
    前記第1電極と対向配置された第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極との間に設けられると共に、ゲルマニウムおよびシリコンから選ばれる第1の元素と、ヒ素、リンおよびアンチモンから選ばれる第2の元素と、セレンおよびテルルから選ばれる第3の元素とを含むスイッチ層とを備え、
    前記スイッチ層は、第1の層と第2の層とを少なくとも1層ずつ積層し、
    前記第1の層は、前記第2の元素のうちの少なくとも1種と、前記第3の元素のうちの少なくとも1種を含むと共に、前記第3の元素を組成比で50原子%以上80原子%以下の範囲で含み、閾値電圧の温度依存性が負であり、
    前記第2の層は、前記第1の元素のうちの少なくとも1種と、前記第3の元素のうちの少なくとも1種を含むと共に、前記第1の元素を組成比で20原子%以上50原子%以下の範囲で含み、閾値電圧の温度依存性が正である
    メモリ装置。
  16. 前記メモリ素子は、相変化メモリ素子、抵抗変化メモリ素子および磁気抵抗メモリ素子のいずれかである、請求項15に記載のメモリ装置。
  17. 前記メモリ素子は、第3電極と、前記第3電極と対向配置された第4電極と、前記第3電極と前記第4電極との間に設けられると共に、前記第1の元素、前記第2の元素および前記第3の元素を含むメモリ層とを有し、
    前記メモリ層は、第3の層と第4の層とを少なくとも1層ずつ積層し、
    前記第3の層は、前記第2の元素のうちの少なくとも1種と、前記第3の元素のうちの少なくとも1種を含むと共に、前記第3の元素を組成比で50原子%以上80原子%以下の範囲で含み、閾値電圧の温度依存性が負であり、
    前記第4の層は、前記第1の元素のうちの少なくとも1種と、前記第3の元素のうちの少なくとも1種を含むと共に、前記第1の元素を組成比で20原子%以上50原子%以下の範囲で含み、閾値電圧の温度依存性が正である、請求項15に記載のメモリ装置。
  18. 前記メモリ素子は、第3電極と、前記第3電極と対向配置された第4電極と、積層方向に異なる径を有するメモリ層とを有している、請求項15に記載のメモリ装置。
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