以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。なお、以下の実施形態の説明に用いる全図においては、特に理由がない限り、同様箇所には同一符号を付す。また、以下の実施形態において、同様の構成/動作に関しては繰り返しの説明を省略する場合がある。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係る位置計測システムの一例について、図面を参照しながら説明する。本実施形態の位置計測システムは、GPS(Global Positioning System)衛星から送信されたGPS信号(衛星信号や第2信号とも呼ぶ)を用いて算出された時刻と、既知の位置とを関連付けたデータを含む信号(位信号や第1信号とも呼ぶ)を用いて原子時計を搭載した移動体の位置を計測する。
(構成)
図1は、本実施形態の位置計測システム1の構成の一例を示す概念図である。位置計測システム1は、送信装置11と位置計測装置12を備える。位置計測システム1は、少なくとも3つの送信装置11を備える。各々の送信装置11は、位置が特定された所定の位置に配置される。位置計測装置12は、移動体(図示しない)などの位置計測の対象物に搭載される。位置計測装置12の数については、特に限定しない。
〔送信装置〕
図2は、送信装置11の構成の一例を示すブロック図である。送信装置11は、第2信号受信部111、記憶部112、第1信号生成部113、および第1信号送信部115を有する。なお、記憶部112に記憶された情報をその他の構成部が保持できる場合は、記憶部112を省略してもよい。
第2信号受信部111は、複数の人工衛星100(GPS衛星とも呼ぶ)から送信される第2信号を受信する。例えば、第2信号受信部111は、L1波(1575.42メガヘルツ)やL2波(1227.60メガヘルツ)の周波数帯の第2信号を受信する。
記憶部112は、送信装置11が配置された位置に関する情報(位置情報とも呼ぶ)を記憶する。例えば、記憶部112には、送信装置11が配置された位置の緯度や経度などの位置座標を含む位置情報が記憶される。例えば、送信装置11が配置された位置座標が、「北緯35度34分28.0秒、東経139度39分55.3秒」である場合、「35.574454、139.665367」という位置情報が記憶部112に記憶される。例えば、記憶部112には、送信装置11が配置された位置の高度を含む位置情報が記憶される。例えば、記憶部112には、送信装置11が配置された位置の海抜を基準とする標高を、高度として含む位置情報が記憶される。
記憶部112には、送信装置11が配置された場所の安定度に応じた位置の精度を示す情報(精度情報とも呼ぶ)が記憶されてもよい。例えば、送信装置11が配置された場所の地殻が安定な場合、位置情報が高精度であることを示す精度情報が記憶部112に記憶される。例えば、送信装置11が配置された場所が不安定である場合、位置情報が低精度であることを示す精度情報が記憶部112に記憶される。精度情報は、位置計測装置12の位置計測において参照される。送信装置11が配置された場所の地殻が安定な方が、より高精度の位置計測が可能である。
第1信号生成部113は、人工衛星100から受信された第2信号を用いて時刻(第1時刻とも呼ぶ)を計算する。以下においては、各々の人工衛星100を識別するために、1、2、・・・、j、・・・、sという識別番号を各人工衛星100に付ける(j、sは自然数)。また、複数の送信装置11の各々を識別するために、1、2、・・・、i、・・・、nという識別番号を各送信装置11に付ける(i、nは自然数)。例えば、識別番号iの送信装置11の第1信号生成部113は、自己の位置の位置座標(Xi、Yi、Zi)と、識別番号jの人工衛星100からの第2信号に含まれる時刻Tgiおよび位置座標(Xgi、Ygi、Zgi)を用いて第1時刻T0iを計測する。識別番号iの送信装置11の第1信号生成部113は、下記の式1を用いて第1時刻T0iを計算する。
c2(Tj-T0i)2=(Xgi-Xi)2+(Ygi-Yi)2+(Zgi-Zi)2・・・(1)
ただし、上記の式1において、cは光速である。
第1信号生成部113は、単一の人工衛星100から受信された第2信号に基づいて第1時刻T0iを計算してもよいし、複数の人工衛星100から受信された第2信号に基づいて第1時刻T0iを計算してもよい。また、第1信号生成部113は、他の送信装置11から第1信号を受信し、他の送信装置11からの第1信号に基づいて第1時刻T0iを計算するように構成されてもよい。例えば、第1信号生成部113は、算出された第1時刻T0iの相加平均や相乗平均、調和平均などの平均値を第1時刻として計算してもよい。
第1信号生成部113は、算出された第1時刻T0iに基づく時刻(第2時刻とも呼ぶ)と、記憶部112に記憶された位置情報とを関連付けたデータを含む信号(第1信号とも呼ぶ)を生成する。例えば、第1信号生成部113は、第2信号を用いて算出された第1時刻T0iから、その第1時刻T0iに対応するデータが送信されるまでの経過時間を第1時刻T0iに足した時刻(第2時刻Ti)を、位置情報と関連付けたデータを含む第1信号を生成する。以下において、第1信号送信部115が生成するデータに含まれる第2時刻Tiを送信時刻Tiとも記載する。
第1信号送信部115は、生成された第1信号を所定のタイミングで送信する。例えば、第1信号送信部115は、予め設定された時刻に第1信号を送信する。例えば、第1信号送信部115は、予め設定された時間間隔で第1信号を送信する。なお、第1信号送信部115が第1信号を送信するタイミングは、任意に設定されてもよい。第1信号送信部115から送信された第1信号は、位置計測装置12による位置計測に用いられる。
第1信号送信部115は、予め設定された周波数帯の電波で第1信号を送信する。例えば、第1信号送信部115は、第2信号(航法メッセージ)とは異なる周波数帯で、第1信号を送信する。例えば、第2信号と混在しないように、第1信号送信部115は、L1波(1575.42メガヘルツ)やL2波(1227.60メガヘルツ)とは異なる周波数帯で、第1信号を送信する。例えば、第1信号と第2信号を併用して位置計測する場合、第1信号送信部115は、第2信号と同じ周波数帯で、第1信号を送信してもよい。
〔位置計測装置〕
図3は、位置計測装置12の構成の一例を示すブロック図である。位置計測装置12は、第1信号受信部121、原子時計122、位置計算部123、および出力部125を有する。
第1信号受信部121は、複数の送信装置11から送信された第1信号を受信する。第1信号受信部121によって受信された第1信号は、位置計測に用いられる。
原子時計122は、正確な時刻を刻む高精度の時計である。原子時計122は、原子/分子のスペクトル線の周波数標準に基づいて、正確な時刻を刻む。原子/分子のスペクトル線の周波数標準が高精度であるため、原子時計122は、水晶振動子よりも高精度に正確な時刻を刻む。例えば、超高精度の水晶振動子によるクォーツ時計と周波数標準器とを原子時計122に組み合わせてもよい。そのように構成されれば、水晶振動子の発振周波数を常に調整することによって、正確な時刻を刻むことができる。
例えば、原子時計122は、マイクロ波時計や光原子時計などによって実現される。マイクロ波時計の一例としては、セシウム原子時計やルビジウム原子時計があげられる。光原子時計の一例としては、単一イオン時計や中性原子光時計があげられる。単一イオン時計の一例としては、ストロンチウムイオン時計やイッテルビウムイオン時計があげられる。中性原子光時計の一例としては、カルシウム時計や、マグネシウム時計、ストロンチウム光格子時計、イッテルビウム光格子時計があげられる。
例えば、原子時計122は、CPT(Coherent Population Trapping)共鳴の原理で動作する。例えば、原子時計122は、バッファガストラップ方式やレーザー冷却トラップ方式などのCPT共鳴の原理で動作する。CPT共鳴の原理で動作する原子時計122は、小型化できるので、移動体に搭載するのに好適である。
位置計算部123は、第1信号受信部121によって受信された少なくとも3つの第1信号に基づいて、自装置の位置を計算する。位置計算部123は、原子時計122が刻む時刻と、少なくとも3つの第1信号に含まれる時刻情報および位置情報を用いて自装置の位置を計算する。例えば、位置計算部123は、原子時計122が刻む時刻t2と、識別番号iの送信装置11からの第1信号に含まれる送信時刻Tiと、位置情報に含まれる位置座標(Xi、Yi、Zi)とを用いて位置計測装置12が搭載された移動体の位置を計測する。位置計算部123は、下記の式2を用いて位置計算部123が搭載された移動体の時刻t2における位置(x、y、z)を計算する。
c2(Ti-t2)2=(Xi-x)2+(Yi-y)2+(Zi-z)2・・・(2)
ただし、上記の式2において、cは光速である。
位置計算部123は、少なくとも3つの送信装置11から受信された第1信号に含まれる送信時刻Tiおよび位置座標(Xi、Yi、Zi)と、原子時計122が刻む時刻t2とを上記の式2に代入する。位置計算部123は、第1信号ごとの式2を連立させた連立方程式を解くことによって、位置計算部123が搭載された移動体の位置(x、y、z)を計算する。位置計測装置12は、高精度の原子時計122を実装している。そのため、位置計測装置12は、原子時計122が刻む時刻t2と、少なくとも3つの送信装置11から受信された第1信号に含まれるデータとを用いて移動体の高精度な位置を計測できる。
位置計測システム1を構成する複数の送信装置11と位置計測装置12の間では、原子時計122の時刻同期が取れているものとする。例えば、予め設定されたタイミングにおいて、複数の送信装置11と位置計測装置12の間で、原子時計122の時刻同期を取るように構成されればよい。例えば、位置計測装置12が、4つの送信装置11から第1信号を受信し、それらの第1信号に含まれる位置情報と時刻情報を用いて正確な時刻を計算し、算出された時刻で原子時計122の時刻を更新すれば、複数の送信装置11との間で時刻同期できる。位置計測装置12は、一般的な時計よりも高精度な原子時計122を備える。そのため、位置計測装置12の原子時計122は、一般的な時計と比較して、時刻同期の頻度を小さくすることができる。
出力部125は、位置計算部123によって算出された移動体の位置に関する情報(位置情報)と、原子時計122によって刻まれた時刻とが対応付けられたデータを含む位置信号(第3信号とも呼ぶ)を出力する。例えば、出力部125は、表示装置(図示しない)に第3信号を送信する。表示装置は、受信した第3信号に含まれる位置情報を表示部に表示させる。例えば、表示装置は、第3信号に含まれる位置の目印を地図上に表示させる。また、例えば、出力部125は、制御装置(図示しない)に第3信号を送信する。制御装置は、受信した第3信号に含まれる位置情報に基づいて、制御対象装置を制御する。例えば、制御装置は、第3信号に含まれる位置に基づいて、制御対象である移動体を移動させたり、制御対象装置を作動させたりする。
(動作)
次に、位置計測システム1の動作について図面を参照しながら説明する。以下においては、送信装置11と位置計測装置12の動作について個別に説明する。
〔送信装置〕
図4は、送信装置11の動作の一例について説明するためのフローチャートである。図4において、まず、送信装置11は、第2信号を受信する(ステップS111)。
次に、送信装置11は、受信された第2信号を用いて送信時刻を生成する(ステップS112)。
次に、送信装置11は、生成された送信時刻と、自装置の位置情報とを関連付けたデータを含む第1信号を生成する(ステップS113)。
次に、送信装置11は、生成された第1信号を送信する(ステップS114)。送信装置11から送信された第1信号は、位置計測装置12によって受信され、位置計測に用いられる。
第1信号の送信を停止しない場合(ステップS115でNo)、ステップS111に戻る。一方、第1信号の送信を停止する場合(ステップS115でYes)、図4のフローチャートに沿った処理は終了である。
〔位置計測装置〕
図5は、位置計測装置12の動作の一例について説明するためのフローチャートである。図5において、まず、位置計測装置12は、送信装置11から送信された第1信号を受信する(ステップS121)。
3つ以上の送信装置11から第1信号を受信した場合(ステップS122でYes)、位置計測装置12は、受信された第1信号と、原子時計122の刻む時刻とを用いて自装置の位置を計算する(ステップS123)。一方、3つ以上の送信装置11から第1信号を受信していない場合(ステップS122でNo)、ステップS121に戻る。
ステップS123の次に、位置計測装置12は、算出された位置に関する情報(位置情報)を含む第3信号を出力する(ステップS124)。
位置計測を停止しない場合(ステップS125でNo)、ステップS121に戻る。一方、位置計測を停止する場合(ステップS125でYes)、図5のフローチャートに沿った処理は終了である。
〔適用例1〕
図6は、本実施形態の位置計測システム1の適用例1について説明するための概念図である。本適用例では、複数の送信装置11は、街中にばらまかれるように配置される。位置計測装置12は、それらの送信装置11から送信された第1信号と、原子時計の刻む時刻とに基づいて、自装置の位置を計測する。また、本適用例では、位置計測装置12の機能を有するアプリケーションが携帯端末120にインストールされる。
送信装置11は、街中に配置される。例えば、送信装置11は、信号器や電柱、ビル、ガードレールなどに配置される。複数の送信装置11は、各々の送信装置11から送信される第1信号が位置計測装置12によって受信されやすい位置に、配置されればよい。複数の送信装置11は、対象領域内のどのような位置においても、少なくとも3つの送信装置11から送信された第1信号が、位置計測装置12によって受信されるように、配置されることが好ましい。
位置計測装置12は、自動車や自転車などの移動体に搭載される。位置計測装置12は、車椅子や人力車、台車などの移動体に搭載されてもよい。位置計測装置12は、ユーザが携帯する携帯端末120にインストールされたアプリケーションであってもよい。位置計測装置12は、少なくとも3つの送信装置11から送信された第1信号を用いて自装置の位置を計測する。位置計測装置12は、計測した位置情報を含む第3信号を出力する。
例えば、位置計測装置12から出力された第3信号は、自動車や自転車などの移動体のナビゲーションシステムに用いられる。例えば、位置計測装置12から出力された第3信号は、自動車などの移動体の自動運転制御システムに用いられる。例えば、位置計測装置12から出力された第3信号は、携帯端末120の表示部に表示されたマップ上に現在位置を示すために用いられる。例えば、位置計測装置12から出力される第3信号に基づいて、自動車や自転車、歩行者の正確な位置関係を把握し、それらの位置関係を共有できれば、自動車や自転車、歩行者の衝突を回避できるシステム(衝突回避システム)を実現できる。例えば、衝突回避システムは、自動車や自転車、歩行者の正確な位置関係に応じて、制御対象の自動車や自転車の速度や進行方向を制御することによって、自動車や自転車、歩行者の衝突を回避する。例えば、位置計測装置12から出力される第3信号に基づいて携帯端末の位置を特定すれば、その携帯端末を保持するユーザを特定の施設に案内/誘導するシステム(誘導システム)を構成できる。
〔適用例2〕
図7は、本実施形態の位置計測システムの適用例2について説明するための概念図である。本適用例では、複数の送信装置11を競輪場の内部に配置し、競技用の自転車に位置計測装置12を搭載する。例えば、競輪のレースが始まる前に、送信装置11と位置計測装置12の間で時刻同期を取ることが好ましい。本適用例では、位置計測装置12から出力される第3信号に基づいて、自転車の着順や順番を判定する判定装置130を用いる。本適用例では、判定装置130によって判定された自転車の位置に応じた情報を表示装置150に表示させる。
送信装置11は、競輪場の内部に配置される。複数の送信装置11は、各々の送信装置11から送信される第1信号が、自転車に搭載された位置計測装置12に届きやすい位置に配置される。複数の送信装置11は、対象領域内のどのような位置においても、少なくとも3つの送信装置11から送信された第1信号が、位置計測装置12によって受信されるように、配置されることが好ましい。例えば、送信装置11は、バンクの近傍に配置される。
位置計測装置12は、自転車に搭載される。例えば、位置計測装置12は、自転車のフレームやハンドルなどに搭載される。位置計測装置12は、少なくとも3つの送信装置11から送信された第1信号と、自装置に搭載された原子時計122の刻む時刻に基づいて、自装置の位置を計測する。位置計測装置12は、計測された自装置の位置に関する第3信号を出力する。第3信号は、位置計測装置12が搭載された自転車を識別するための識別子を含む。例えば、位置計測装置12は、第3信号を無線信号として送信する。
本適用例において、複数の送信装置11の位置は固定される。競輪の競技中において、複数の送信装置11は、周期性のある信号パターンを有する第1信号を送信する。複数の送信装置11から送信された第1信号は、位置計測装置12に受信される。複数の送信装置11から位置計測装置12に直接届く第1信号は、周期性のある信号パターンを有し、位置の計測に用いられる。位置計測装置12は、送信装置11から受信された第1信号を用いて自装置の位置を計測する。例えば、位置計測装置12は、少なくとも3つの送信装置11に由来する第1信号に含まれる位置座標および送信時刻を用いて自装置の位置を計算する。
判定装置130は、位置計測装置12から送信された第3信号を受信する。判定装置130は、位置計測装置12によって計測された識別子ごとの位置座標を、競輪場の内部の座標と重ね合わせて、識別子に対応する自転車の位置を競輪場内のバンク上の位置に対応付ける。例えば、判定装置130は、ゴールラインの位置を各自転車が通過する時刻に基づいて、各自転車がゴールした時刻を特定できる。例えば、判定装置130は、各自転車のゴール時刻の順番に応じて、着順を判定する。判定装置130による判定結果は、表示装置150の画面に表示される。
判定装置130は、位置計測装置12から送信される第3信号を受信できる位置に配置される。判定装置130は、表示装置150に接続される。例えば、判定装置130は、各々の位置計測装置12から送信される第3信号を受信しやすい位置に配置される。例えば、判定装置130は、バンクの近傍に配置される。
表示装置150は、一般的な電光掲示板である。表示装置150は、判定装置130から出力された判定信号を受信する。表示装置150には、判定装置130から出力された判定信号に含まれる判定結果に関する情報が表示される。例えば、判定装置130は、自転車の着順に関する情報を表示装置150に表示させる。例えば、判定装置130は、レース中における自転車の順番に関する情報を表示装置150に表示させる。
本適用例は、競輪以外の競技にも適用できる。例えば、本適用例は、オートレースや、ボートレース、カーレース、競馬などの競技に適用できる。なお、本適用例は、これらの競技以外に適用されてもよい。本適用例は、それぞれの競技のルールに応じて使用されればよい。例えば、本適用例と写真判定を併用すれば、正確かつ公平な着順判定を行うことができる。例えば、第1信号を反射する反射体を自転車に実装してもよい。例えば、位置計測装置12は、反射体によって反射された第1信号の反射波に基づいて、自転車の位置を計測する。
以上のように、本実施形態の位置計測システムは、複数の送信装置と位置計測装置を備える。複数の送信装置の各々は、所定の位置に配置される。複数の送信装置の各々は、第2信号を用いて算出される正確な時刻と、所定の位置に関する位置情報とが関連付けられたデータを含む第1信号を生成し、生成された第1信号を送信する。位置計測装置は、制御対象装置に搭載され、原子時計を実装する。位置計測装置は、所定の位置に対応付けられた位置情報と送信時刻が関連付けられたデータを含む第1信号を受信する。位置計測装置は、少なくとも3つの第1信号に含まれるデータと、原子時計によって刻まれた時刻とを用いて制御対象装置の位置を計算する。位置計測装置は、算出された制御対象装置の位置に関する位置情報を含む第3信号を出力する。
本実施形態において、送信装置は、第2信号を用いてその送信装置の所定の位置と正確な時刻とが関連付けられたデータを含む測位信号(第1信号)を生成する。送信装置は、生成された測位信号を送信する。位置計測装置は、少なくとも3つの送信装置から送信された測位信号に含まれるデータと、自装置の原子時計によって刻まれる正確な時刻とを用いて自装置の正確な位置を計算する。すなわち、本実施形態によれば、少なくとも3つの信号に基づいて、高精度な位置計測を実現できる。
本実施形態の一態様において、原子時計は、CPT共鳴の原理で動作する。CPT共鳴の原理で動作する原子時計は、小型化が可能であるため、種々の移動体に搭載可能な位置計測装置を実現できる。
本実施形態の手法によれば、構造物によって電波が反射されたり、電波が妨げられたりしないように複数の送信装置を配置することによって、マルチパスに起因する位置計測の誤差が発生しない。また、本実施形態の手法によれば、送信装置から送信される測位信号が、電離層や対流圏を通過しないため、電離層における電波の速度低下や、対流圏における局所的な電波の屈折率の違いに起因する位置計測の誤差が発生しない。すなわち、本実施形態の手法によれば、それらの誤差が含まれないので、位置計測における精度が向上する。
例えば、本実施形態の一態様の適用例において、複数の送信装置の各々は、街中に配置される。位置計測装置は、制御対象の移動体に搭載される。位置計測装置は、少なくとも3つの測位信号(第1信号)と、原子時計によって刻まれた時刻とを用いて算出された位置情報を含む第3信号を生成する。位置計測装置は、生成された第3信号を出力する。本適用例によれば、高精度な位置情報を活用することによって、街中を移動する自動車や自転車、人の移動を支援するシステムを実現できる。例えば、本適用例の手法は、船舶や飛行機の航行にも適用できる。適用例の手法を船舶の運航に適用する場合、海上を航行する船舶に搭載された位置計測装置によって電波が受信されやすい位置に、複数の送信装置が配置されればよい。例えば、送信装置は、海岸や港、防波堤、岸壁、灯台、灯標、灯浮標、ブイなどに配置される。適用例の手法を飛行機の運航に適用する場合、空中を航行する飛行機に搭載された位置計測装置によって電波が受信されやすい位置に、複数の送信装置が配置されればよい。例えば、送信装置は、空港や滑走路、管制塔、山頂などに配置される。
例えば、本実施形態の一態様の適用例において、複数の送信装置は、レースが行われる競技施設に配置される。位置計測装置は、レースで用いられる複数の乗り物の各々に搭載される。位置計測装置は、少なくとも3つの測位信号を用いて制御対象の乗り物の位置を計測し、計測された乗り物の位置に関する位置情報を含む第3信号を判定装置に送信する。判定装置は、複数の位置計測装置から送信された第3信号に基づいて、レースにおける複数の乗り物の順位を判定し、レースの結果に関する情報を出力する。本適用例によれば、レースにおける途中順位や、最終的な着順を正確に判定できるため、公正かつ明確にレースを運営できる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る位置計測システムについて図面を参照しながら説明する。本実施形態の位置計測システムは、送信装置から送信される測位信号(第1信号とも呼ぶ)と、人工衛星から送信されるGPS信号(第2信号とも呼ぶ)とを併用して、位置計測する点において、第1の実施形態とは異なる。以下においては、第1の実施形態と同様の箇所については、説明を簡略化したり、省略したりする。
(構成)
図8は、本実施形態の位置計測システム2の構成の一例を示す概念図である。位置計測システム2は、送信装置21と位置計測装置22を備える。送信装置21および位置計測装置22は、複数の人工衛星200から送信される第2信号を受信する。送信装置21は、所定の位置に配置される。位置計測装置22は、移動体に搭載される。送信装置21および位置計測装置22の数については、特に限定しない。また、送信装置21を第1の実施形態の送信装置11と同様の構成とし、送信装置11と位置計測装置12を組み合わせるように構成されてもよい。
〔送信装置〕
図9は、送信装置21の構成の一例を示すブロック図である。送信装置21は、第2信号受信部211、記憶部212、第1信号生成部213、第1信号送信部215、および更新部217を有する。なお、記憶部212に記憶された情報をその他の構成部が保持できる場合は、記憶部212を省略してもよい。
第2信号受信部211は、複数の人工衛星200から送信される第2信号を受信する。第2信号受信部211は、第1の実施形態の第2信号受信部111と同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
記憶部212は、送信装置21が配置された位置に関する情報(位置情報とも呼ぶ)を記憶する。記憶部212は、第1の実施形態の記憶部112と同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
第1信号生成部213は、人工衛星200から受信された第2信号を用いて時刻(第1時刻とも呼ぶ)を計算する。第1信号生成部213は、算出された第1時刻に基づく時刻(第2時刻や送信時刻とも呼ぶ)と、記憶部112に記憶された位置情報とを関連付けたデータを含む信号(第1信号とも呼ぶ)を生成する。第1信号生成部213は、第1の実施形態の第1信号生成部113と同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
第1信号送信部215は、生成された第1信号を所定のタイミングで送信する。第1信号送信部215は、第1の実施形態の第1信号送信部115と同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
更新部217は、記憶部212に記憶される位置情報を更新する。更新部217は、キャリブレーションのタイミングにおいて、少なくとも4つの第2信号を用いて送信装置21の位置と時刻を計算する。更新部217は、第1の実施形態の位置計測装置12と同様の手法で、送信装置21の位置座標を計算する。更新部217は、算出された位置座標を含む位置情報を記憶部212に記憶させる。
〔位置計測装置〕
図10は、位置計測装置22の構成の一例を示すブロック図である。位置計測装置22は、第1信号受信部221、原子時計222、位置計算部223、第2信号受信部224、および出力部225を有する。
第1信号受信部221は、送信装置21から送信された第1信号を受信する。第1信号受信部221によって受信された第1信号は、位置計測装置22による位置計測に用いられる。第1信号受信部221は、第1の実施形態の第1信号受信部121と同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
原子時計222は、正確な時刻を刻む高精度の時計である。原子時計222は、第1の実施形態の原子時計122と同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
第2信号受信部224は、人工衛星200から送信された第2信号を受信する。第2信号受信部224によって受信された第2信号は、位置計測装置22による位置計測に用いられる。例えば、第2信号受信部224は、受信された第2信号を、第1信号と同じデータ形式に変換する。
位置計算部223は、第1信号受信部221によって受信された第1信号と、第2信号受信部224によって受信された第2信号と、原子時計222の刻む時刻とに基づいて、位置を計算する。位置計算部223は、第1の実施形態の位置計算部123と同様の手法を用いて位置を計算する。
出力部225は、位置計算部223によって算出された移動体の位置に関する情報(位置情報)を含む第3信号を出力する。出力部225は、第1の実施形態の出力部125と同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
位置計測装置22は、第2信号を用いて原子時計222の刻む時刻を更新してもよい。例えば、位置計測装置22は、少なくとも4機の人工衛星から送信された第2信号を用いて算出された時刻で、原子時計222の刻む時刻の初期設定をしたり、キャリブレーションしたりする。
(動作)
次に、位置計測システム2の動作について図面を参照しながら説明する。以下においては、送信装置21と位置計測装置22の動作について個別に説明する。
〔送信装置〕
図11は、送信装置21の動作の一例について説明するためのフローチャートである。図11において、まず、送信装置11は、第2信号を受信する(ステップS211)。
次に、送信装置21は、受信された第2信号を用いて送信時刻を生成する(ステップS212)。
次に、送信装置21は、生成された送信時刻と、自装置の位置情報とを関連付けたデータを含む第1信号を生成する(ステップS213)。
次に、送信装置21は、生成された第1信号を送信する(ステップS214)。送信装置21から送信された第1信号は、位置計測装置22によって受信され、位置計測に用いられる。
キャリブレーションを実行するタイミングの場合(ステップS215でYes)、送信装置21は、受信された第2信号を用いてキャリブレーションを実行する(ステップS216)。キャリブレーションにおいて、送信装置21は、少なくとも4つの第2信号に含まれる位置情報および時刻を用いて自装置の位置を計算し、算出された位置で自装置の位置を更新する。キャリブレーションは、装置の起動時や、予め設定されたタイミングに行われてもよい。
ステップS216でキャリブレーションを実行した後、位置計測を停止しない場合(ステップS217でNo)、ステップS211に戻る。キャリブレーションを実行するタイミングではなかった場合(ステップS215でNo)も、位置計測を停止しない場合(ステップS217でNo)は、ステップS211に戻る。位置計測を停止する場合(ステップS217でYes)、図11のフローチャートに沿った処理は終了である。
〔位置計測装置〕
図12は、位置計測装置22の動作の一例について説明するためのフローチャートである。図12において、まず、位置計測装置22は、送信装置21から送信された第1信号と、人工衛星200から送信された第2信号と、を受信する(ステップS221)。
3つ以上の第1信号/第2信号を受信した場合(ステップS222でYes)、位置計測装置22は、受信された第1信号/第2信号を用いて位置を計算する(ステップS223)。一方、3つ以上の第1信号/第2信号を受信していない場合(ステップS222でNo)、ステップS221に戻る。
ステップS223の次に、位置計測装置22は、算出された位置に関する情報(位置情報)を含む第3信号を出力する(ステップS224)。
位置計測を停止しない場合(ステップS225でNo)、ステップS221に戻る。一方、位置計測を停止する場合(ステップS225でYes)、図12のフローチャートに沿った処理は終了である。
以上のように、本実施形態の位置計測システムは、複数の送信装置と位置計測装置を備える。複数の送信装置の各々は、所定の位置に配置される。複数の送信装置の各々は、第2信号を用いて算出される正確な時刻と、所定の位置に関する位置情報とが関連付けられたデータを含む第1信号を生成し、生成された第1信号を送信する。位置計測装置は、制御対象装置に搭載され、原子時計を実装する。位置計測装置は、所定の位置に対応付けられた位置情報と送信時刻が関連付けられたデータを含む第1信号を受信する。また、位置計測装置は、人工衛星から送信された第2信号を受信する第2信号受信部を備える。位置計測装置は、受信された第1信号および第2信号のうち少なくとも3つの信号を用いて制御対象装置の位置を計算する。位置計測装置は、算出された制御対象装置の位置に関する位置情報を含む第3信号を出力する。本実施形態において、位置計測装置は、測位信号(第1信号)と衛星信号(第2信号)を併用して、位置を計測する。そのため、本態様によれば、送信装置の配置密度が低い場所においても、衛星信号(第2信号)を併用することによって、高精度な位置計測を実現できる。
本実施形態の一態様において、複数の送信装置の各々は、人工衛星から送信された衛星信号(第2信号)を用いて位置を計測し、計測された位置で自装置の位置を更新する。そのため、本態様によれば、送信装置の位置が変化した場合、その送信装置の位置情報が更新されるので、より正確な位置情報を含む測位信号(第1信号)に基づいて、高精度な位置計測を実現できる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る位置計測システムについて図面を参照しながら説明する。本実施形態の位置計測システムは、送信装置から送信される測位信号(第1信号)に基づいて、制御対象装置を制御する点において、第1~第2の実施形態とは異なる。以下においては、第1~第2の実施形態と同様の箇所については、説明を簡略化したり、省略したりする。
(構成)
図13は、本実施形態の位置計測システム3の構成の一例を示す概念図である。位置計測システム3は、送信装置31と位置計測装置32を備える。送信装置31は、複数の人工衛星300から送信されるGPS信号(第2信号とも呼ぶ)を受信する。送信装置31は、所定の位置に配置される。位置計測装置32は、制御対象装置30に搭載される。位置計測装置32は、第1信号を受信する、位置計測装置32は、受信された第1信号を用いて位置計測する。なお、位置計測装置32は、第2の実施形態の位置計測装置22と同様に、第1信号と第2信号を併用して位置計測してもよい。送信装置31および位置計測装置32の数については、特に限定しない。送信装置31は、第1~第2の実施形態の送信装置と同様であるので、その詳細については説明を省略する。
〔位置計測装置〕
図14は、位置計測装置32の構成の一例を示すブロック図である。位置計測装置32は、第1信号受信部321、原子時計322、位置計算部323、および制御部325を有する。制御部325は、第1の実施形態の出力部125の一形態である。位置計測装置32は、制御部325とは別に、第1の実施形態の出力部125に対応する構成を含んでもよい。位置計測装置32は、第2の実施形態の第2信号受信部224と同様の構成を含んでもよい。
第1信号受信部321は、送信装置31から送信された第1信号を受信する。第1信号受信部321によって受信された第1信号は、位置計測に用いられる。第1信号受信部321は、第1の実施形態の第1信号受信部121と同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
原子時計322は、正確な時刻を刻む高精度の時計である。原子時計322は、第1の実施形態の原子時計122と同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
位置計算部323は、第1信号受信部321によって受信された第1信号と、原子時計322の刻む時刻とに基づいて、自装置の位置を計算する。位置計算部323は、第1の実施形態の位置計算部123と同様の手法を用いて自装置の位置を計算する。位置計測装置32が第2の実施形態の第2信号受信部224と同様の構成を有する場合、位置計算部323は、第2信号受信部(図示しない)によって受信された第2信号を用いて自装置の位置を計算してもよい。
制御部325は、位置計算部323によって算出された位置に関する情報(位置情報)に基づく制御信号(第4信号とも呼ぶ)を生成する。制御部325は、生成された第4信号を制御対象装置30に出力することによって、その制御対象装置30を制御する。なお、制御対象装置30が第3信号に基づいて自装置を制御できる場合、制御部325は、制御対象装置30に第3信号を出力してもよい。
例えば、制御対象装置30は表示装置(図示しない)である。制御部325は、位置情報に応じた表示情報を、表示装置に表示させるための第4信号を生成する。制御対象装置30である表示装置の画面には、第4信号に応じた表示情報が表示される。例えば、制御部325は、位置情報に応じた表示情報を、地図上に表示させるための第4信号を生成する。例えば、表示装置は、第4信号に応じて、位置情報に含まれる位置の目印を地図上に表示させる。
例えば、制御対象装置30は、自動車や電車、ドローンなどの無人航空機、無人潜水艇などの無人艇などの移動体である。制御部325は、自装置の位置情報に応じて移動体を駆動させるための第4信号を生成する。例えば、制御部325は、制御対象装置30である移動体が移動するエリアの地図と、制御対象装置30である移動体の位置とを対応付けて、移動体が適切な速度で適切な道筋に沿って移動するための第4信号を生成する。例えば、制御対象装置30である移動体は、第4信号に応じて、適切な速度で適切な道筋に沿って移動する。例えば、制御部325は、制御対象装置30である移動体が他の移動体や物体に衝突しないように、制御対象装置30を制御するための第4信号を生成する。例えば、制御対象装置30である移動体は、第4信号に応じて、移動方向や速度が変更される。
例えば、制御対象装置30は、工場の製造ラインで使われるロボットや、建築現場で使われる建設機械である。位置計測装置32は、ロボットや建設機械のアームなどの特定の運動部分に搭載され、それらの位置を計測する。制御部325は、位置情報に応じて、制御対象装置30の運動部分を作動させるための第4信号を生成する。例えば、制御部325は、制御対象装置30の作業工程と、制御対象装置30の運動部分の位置とを対応付けて、制御対象装置30が適切に作動するための第4信号を生成する。例えば、制御対象装置30は、第4信号に応じて、運動部分を適切に作動させる。例えば、制御部325は、他の制御対象装置30の運動部分や物体に自装置の運動部分が衝突しないように、制御対象装置30を制御するための第4信号を生成する。例えば、制御対象装置30の運動部分は、第4信号に応じて、作動方向が変更されたり、作動速度が変更されたりする。
位置計測システム3を構成する複数の送信装置31と位置計測装置32の間では、原子時計322の時刻同期が取れているものとする。例えば、予め設定されたタイミングにおいて、複数の送信装置31と位置計測装置32の間で、原子時計322の時刻同期を取るように構成されればよい。例えば、位置計測装置32が、4つの送信装置31から第1信号を受信し、それらの第1信号に含まれる位置情報と時刻情報を用いて正確な時刻を計算し、算出された時刻で原子時計322の時刻を更新すれば、複数の送信装置31との間で時刻同期できる。位置計測装置32は、一般的な時計よりも高精度な原子時計322を備える。そのため、位置計測装置32の原子時計322は、一般的な時計と比較して、時刻同期の頻度を小さくすることができる。
(動作)
次に、位置計測システム3の動作について図面を参照しながら説明する。以下においては、送信装置31の動作は第1の実施形態と同様であるため、送信装置31の動作については説明を省略し、位置計測装置32の動作について説明する。
〔位置計測装置〕
図15は、位置計測装置32の動作の一例について説明するためのフローチャートである。図15において、まず、位置計測装置32は、送信装置31から送信された第1信号を受信する(ステップS321)。第1信号と第2信号を併用する場合、位置計測装置32は、送信装置31から送信された第1信号と、人工衛星300から送信された第2信号を受信する。
3つ以上の第1信号を受信した場合(ステップS322でYes)、位置計測装置32は、受信された第1信号を用いて自装置の位置を計算する(ステップS323)。一方、3つ以上の第1信号を受信していない場合(ステップS322でNo)、ステップS321に戻る。
ステップS323の次に、位置計測装置32は、算出された位置に関する情報(位置情報)に基づいて、制御対象装置30を制御するための第4信号を生成する(ステップS324)。
次に、位置計測装置32は、生成された第4信号を制御対象装置30に出力する(ステップS325)。制御対象装置30は、受信される第4信号に応じて制御される。
制御を停止しない場合(ステップS326でNo)、ステップS321に戻る。一方、位置計測を停止する場合(ステップS325でYes)、図15のフローチャートに沿った処理は終了である。
〔適用例3〕
図16は、本実施形態の位置計測システムの適用例3について説明するための概念図である。本適用例では、複数の送信装置31は、街中の所定の位置にばらまかれるように配置される。また、本適用例では、位置計測装置32の機能を有する支援装置330が、視覚の不自由な人が用いる白杖に搭載される。支援装置330は、位置計測装置32の機能を有し、位置情報に基づく支援情報を、音声や振動によって、ユーザに対して通知する。以下においては、複数の平行な線状の突起を有する「線状誘導ブロック」と、格子点状の突起を有し、注意喚起/警告を促す「点状警告ブロック」の2種類の視覚障害者誘導用ブロック(以下、誘導用ブロックとも呼ぶ)が、路上に設置されているものとする。
送信装置31は、街中に配置される。例えば、送信装置31は、信号器や、電柱、ビル、ガードレール、視覚障害者誘導用ブロック(以下、誘導用ブロックとも呼ぶ)などに配置される。複数の送信装置31は、各々の送信装置31から送信される第1信号が位置計測装置32によって受信されやすい位置に、配置されればよい。複数の送信装置31は、対象領域内のどのような位置においても、少なくとも3つの送信装置31から送信された第1信号が、位置計測装置32によって受信されるように、配置されることが好ましい。
支援装置330は、位置計測装置32に通知機能を追加した構成を有する。例えば、支援装置330は、計測された位置に応じた情報を音や振動でユーザに通知する。例えば、支援装置330は、ユーザが歩行する地域の地図や、誘導用ブロックの配置に合わせて、ユーザの位置に応じた情報を通知する。
例えば、横断歩行や階段、進行方向を変える地点、駅のホームの端などの注意が必要な箇所(要注意箇所とも呼ぶ)にユーザの位置が接近すると、支援装置330は、要注意箇所に近づいていることを音や振動でユーザに通知する。例えば、支援装置330は、「要注意箇所に近づいています」といった音声情報を出力する。例えば、支援装置330は、「あと2メートルで上り階段です」、「あと2メートルでホームの端です」、「あと2メートルで点状警告ブロックです」といった音声情報で、要注意箇所に接近していることを通知する。例えば、支援装置330は、要注意箇所にユーザが接近すると、要注意箇所の種別に応じたメロディや音パターンを音声出力する。例えば、支援装置330は、要注意箇所にユーザが接近すると、要注意箇所との距離に応じて、メロディや音パターンを変更させたり、それらの音の大きさを変更させたりする。例えば、支援装置330は、要注意箇所にユーザの位置が接近すると、要注意箇所の種別に応じた振動パターンで振動する。例えば、支援装置330は、要注意箇所にユーザが接近すると、要注意箇所とユーザの距離に応じて、振動パターンや振動の大きさを変更する。支援装置330は、ユーザの位置情報に基づく情報を、音および振動を組み合わせて通知してもよい。
例えば、支援装置330は、駅の券売機や、電車のドアの乗降位置、エレベータの操作ボタンの位置(操作箇所とも呼ぶ)が接近すると、それらの位置にユーザを誘導するための情報をユーザに通知してもよい。例えば、支援装置330は、駅の券売機が近づくと、「右手側に券売機があります」、「あと2メートルで券売機です」といった音声情報を音声出力する。
支援装置330を使用するユーザは、支援装置330の通知によって、要注意箇所や操作箇所に接近していることを認識できる。支援装置330を使用するユーザは、支援装置330の通知に応じて、要注意箇所に注意を払ったり、操作箇所における操作を行ったりすることができる。
〔適用例4〕
図17は、本実施形態の位置計測システムの適用例4について説明するための概念図である。本適用例において、複数の送信装置31は、海の中にばらまかれるように配置される。また、本適用例において、位置計測装置32は、潜水艇340に搭載される。特に、本適用例においては、無人潜水艇の制御に位置計測装置32を適用する例について説明する。本適用例の手法は、有人潜水艇の制御にも適用できる。
送信装置31は、海の中の所定の位置に配置される。送信装置31は、防水や耐圧が十分な構造や形状で構成される。送信装置31は、位置が変動しにくいように、地殻の安定した海底面に、設置されることが好ましい。海底面に設置された場合、送信装置31の位置が変動しても、メンテナンスすることが難しい。そのため、送信装置31は、他の送信装置31から送信される第1信号に基づいて、送信装置31に記録された位置のキャリブレーションができることが好ましい。例えば、送信装置31は、海底ケーブルやその近傍に設置されてもよい。複数の送信装置31は、各々の送信装置31から送信される第1信号が、潜水艇340に搭載された位置計測装置32によって受信されやすい位置に、配置されればよい。複数の送信装置31は、対象領域内のどのような位置においても、少なくとも3つの送信装置31から送信された第1信号が、位置計測装置32によって受信されるように、配置されることが好ましい。大気中と比べると海中では電波が伝播しにくいので、送信装置31は、大気中よりも強い強度で電波を送信したり、大気中とは異なる周波数帯で電波を送信したりするように構成されることが好ましい。例えば、送信装置31は、電波の代わりに音波を用いて第1信号を送信してもよい。
位置計測装置32は、潜水艇340に配置される。位置計測装置32は、防水や耐圧が十分な構造や形状で構成される。位置計測装置32は、少なくとも3つの送信装置31から送信された第1信号を受信し、受信された第1信号を用いて自装置の位置を計測する。海中では電波の伝播速度が大気中とは異なるため、位置計測装置32は、第1の実施形態の式1における光速cを、海中における電波の伝播速度に変換したうえで、自装置の位置を計算する。位置計測装置32は、計測した自装置の位置情報に基づいて、自装置が搭載された潜水艇340を制御する。例えば、位置計測装置32は、潜水艇340が潜航するエリアの海底地形図に基づいて、潜水艇340を潜航させたり、潜水させたり、浮上させたりするための第4信号を生成する。例えば、位置計測装置32は、潜水艇340の作業計画に基づいて、潜水艇340を潜航させたり、潜水させたり、浮上させたりするための第4信号を生成する。位置計測装置32が搭載された潜水艇340は、位置計測装置32によって生成される第4信号に応じて移動する。潜水艇340が移動する際の具体的な駆動方法については、説明を省略する。
以上のように、本実施形態の位置計測システムは、複数の送信装置と位置計測装置を備える。複数の送信装置の各々は、所定の位置に配置される。複数の送信装置の各々は、第2信号を用いて算出される正確な時刻と、所定の位置に関する位置情報とが関連付けられたデータを含む第1信号を生成し、生成された第1信号を送信する。位置計測装置は、少なくとも3つの第1信号と、原子時計によって刻まれた時刻とを用いて算出された位置情報に基づいて、制御対象装置を制御するための第4信号を生成し、生成された第4信号を制御対象装置に出力する制御部を備える。位置計測装置は、制御対象装置に搭載され、原子時計を実装する。位置計測装置は、所定の位置に対応付けられた位置情報と送信時刻が関連付けられたデータを含む第1信号を受信する。位置計測装置は、少なくとも3つの第1信号に含まれるデータと、原子時計によって刻まれた時刻とを用いて制御対象装置の位置を計算する。位置計測装置は、少なくとも3つの第1信号に含まれるデータと、原子時計によって刻まれた時刻とを用いて算出された位置情報に基づいて、制御対象装置を制御するための第4信号を生成する。位置計測装置は、生成された第4信号を制御対象装置に出力する。
本実施形態において、位置計測装置は、少なくとも3つの送信装置から送信された測位信号(第1信号)と、自装置の原子時計によって刻まれた正確な時刻とに基づいて計測された位置情報に応じて、自装置を搭載する制御対象装置を制御する。そのため、本態様によれば、高精度な位置情報に基づいて、制御対象装置を高精度に制御できる。
例えば、本実施形態の一態様の適用例において、複数の送信装置の各々は、街中に配置される。位置計測装置は、制御対象の移動体に搭載される。位置計測装置は、少なくとも3つの第1信号と、自装置の原子時計によって刻まれた時刻とを用いて算出された位置情報に基づいて、移動体の移動を制御するための第4信号を生成する。位置計測装置は、生成された第4信号を、制御対象の移動体に出力することによって、その移動体の移動を制御する。本適用例によれば、位置計測装置による高精度な位置計測に基づいて、移動体の移動を制御できる。
例えば、本実施形態の一態様の適用例において、複数の送信装置の各々は、制御対象である移動体が移動する空間やその近傍に配置される。位置計測装置は、制御対象の移動体に搭載される。位置計測装置は、少なくとも3つの第1信号と、原子時計によって刻まれた時刻とを用いて算出された位置情報に基づいて、制御対象の移動体の移動を制御するための第4信号を生成する。位置計測装置は、生成された第4信号を移動体に出力することによって、その移動体の移動を制御する。本適用例によれば、位置計測装置による高精度な位置計測に基づいて、移動体の移動を制御できる。
例えば、本実施形態の一態様の適用例において、複数の送信装置の各々は、制御対象である無人潜水艇が潜航する海中に配置される。位置計測装置は、制御対象の無人潜水艇に搭載される。位置計測装置は、少なくとも3つの第1信号と、原子時計によって刻まれた時刻とを用いて算出された位置情報に基づいて、無人潜水艇の潜航を制御するための第4信号を生成する。位置計測装置は、生成された第4信号を無人潜水艇に出力することによって、その無人潜水艇の潜航を制御する。本適用例によれば、位置計測装置による高精度な位置計測に基づいて、無人潜水艇の潜航を制御できる。
例えば、本実施形態の適用例において、位置計測装置(支援装置)は、ユーザに携帯される物体に搭載される。位置計測装置は、少なくとも3つの第1信号と、原子時計によって刻まれた時刻とを用いて算出された位置情報に基づく通知を、音および振動のうち少なくとも一方で通知する。例えば、本適用例によれば、視覚の不自由なユーザに対して、高精度な位置情報に基づく通知をすることができる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態に係る位置計測システムについて図面を参照しながら説明する。本実施形態の位置計測システムは、送信装置から送信される測位信号(第1信号とも呼ぶ)に加えて、他の位置計測装置から送信される第3信号に基づいて、制御対象装置を制御する点において、第1~第3の実施形態とは異なる。以下においては、第1~第3の実施形態と同様の箇所については、説明を簡略化したり、省略したりする。
(構成)
図18は、本実施形態の位置計測システム4の構成の一例を示す概念図である。位置計測システム4は、送信装置41と位置計測装置42を備える。送信装置41は、複数の人工衛星400から送信される第2信号を受信する。送信装置41は、所定の位置に配置される。位置計測装置42は、制御対象装置40に搭載される。位置計測装置42は、第1信号を受信する。位置計測装置42は、受信された第1信号を用いて位置計測する。なお、位置計測装置42は、第2の実施形態の位置計測装置22と同様に、第1信号と第2信号を併用して位置計測してもよい。位置計測装置42は、送信時刻と位置情報を対応付けたデータを含む第3信号を送信する。また、位置計測装置42は、他の位置計測装置42から送信された第3信号を受信する。位置計測装置42は、自装置の位置と、他の位置計測装置42の位置との関係に基づいて、自装置が搭載された制御対象装置40を制御する。送信装置41および位置計測装置42の数については、特に限定しない。送信装置41は、第1~第3の実施形態の送信装置と同様であるので、その詳細については説明を省略する。
〔位置計測装置〕
図19は、位置計測装置42の構成の一例を示すブロック図である。位置計測装置42は、第1信号受信部421、原子時計422、位置計算部423、制御部425、第3信号送信部427、第3信号受信部428を有する。なお、位置計測装置42は、第2の実施形態の第2信号受信部224と同様の構成を含んでもよい。
第1信号受信部421は、送信装置41から送信された第1信号を受信する。第1信号受信部421によって受信された第1信号は、位置計測装置42による位置計測に用いられる。第1信号受信部421は、第1の実施形態の第1信号受信部121と同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
原子時計422は、正確な時刻を刻む高精度の時計である。原子時計422は、第1の実施形態の原子時計122と同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
位置計算部423は、第1信号受信部421によって受信された第1信号に基づいて、自装置の位置を計算する。位置計算部423は、第1の実施形態の位置計算部123と同様の手法を用いて自装置の位置を計算する。位置計測装置42が第2の実施形態の第2信号受信部224と同様の構成を有する場合、位置計算部423は、第2信号受信部(図示しない)によって受信された第2信号を第1信号と併用して、自装置の位置を計算する。
第3信号送信部427は、位置計算部423によって算出された制御対象装置40の位置情報と、原子時計422によって刻まれた時刻とが対応付けられたデータを含む第3信号を送信する。例えば、第3信号送信部427は、特定の周波数帯の電波で第3信号を送信する。第3信号送信部427から送信された第3信号は、他の位置計測装置42による制御対象装置40の制御に用いられる。
第3信号受信部428は、他の位置計測装置42から送信された第3信号を受信する。例えば、第3信号受信部428は、特定の周波数帯の電波で第3信号を受信する。第3信号受信部428によって受信された第3信号は、その位置計測装置42が搭載された制御対象装置40の制御に用いられる。
制御部425は、位置計算部423によって算出された位置情報と、第3信号受信部428によって受信された他の制御対象装置40の位置情報とに基づく第4信号を生成する。制御部425は、生成された第4信号を制御対象装置40に出力することによって、その制御対象装置40を制御する。なお、制御対象装置40が第3信号に基づいて自装置を制御できる場合、制御部425は、第4信号として第3信号を制御対象装置40に出力する。
例えば、制御対象装置40は、自動車や電車、ドローンなどの無人航空機、無人潜水艇などの無人艇などの移動体である。制御部425は、位置情報に応じて移動体を駆動させるための第4信号を生成する。例えば、制御部425は、対象エリアの地図と、自装置が搭載された移動体の位置と、他の制御対象装置40が搭載された移動体の位置とを対応付けて、自装置が搭載された移動体が適切な速度で適切な軌道に沿って移動するための第4信号を生成する。例えば、制御対象装置40である移動体は、第4信号に応じて、適切な速度で適切な軌道に沿って移動する。例えば、制御部425は、自装置が搭載された移動体が他の移動体や物体に衝突しないように制御対象装置40を制御するための第4信号を生成する。例えば、制御対象装置40である移動体は、第4信号に応じて、移動方向や速度が変更される。
例えば、制御対象装置40は、工場の製造ラインで使われるロボットや、建築現場で使われる建設機械である。位置計測装置42は、ロボットや建設機械のアームなどの特定の運動部分の位置を計測する。制御部425は、制御対象の制御対象装置40の位置情報や、他の制御対象装置40の位置情報に応じて、複数の制御対象装置40の運動部分を連携的に作動させるための第4信号を生成する。例えば、制御部425は、複数の制御対象装置40の作業工程と、各々の制御対象装置40の運動部分の位置とを対応付けて、複数の制御対象装置40が適切に連携的に作動するための第4信号を生成する。例えば、複数の制御対象装置40の各々は、第4信号に応じて、他の制御対象装置40と連携するように運動部分を適切に作動させる。例えば、制御部425は、他の制御対象装置40の運動部分や物体に、制御対象の制御対象装置40の運動部分が衝突しないように、制御対象装置40を連携的に制御するための第4信号を生成する。例えば、制御対象装置40の運動部分は、第4信号に応じて、作動方向や作動速度が変更される。
位置計測システム4を構成する複数の位置計測装置42の間では、原子時計422の時刻同期が取れているものとする。複数の位置計測装置42の間で原子時計422の時刻同期を取るためには、複数の送信装置41と各々の位置計測装置42との間で、時刻を同期させればよい。例えば、予め設定されたタイミングにおいて、複数の送信装置41と各々の位置計測装置42との間で、原子時計422の時刻同期を取るように構成されればよい。例えば、複数の位置計測装置42の各々が、4つの送信装置41から第1信号を受信し、それらの第1信号に含まれる位置情報と時刻情報を用いて正確な時刻を計算し、算出された時刻で原子時計422の時刻を更新すれば、複数の位置計測装置42の間で時刻同期できる。複数の位置計測装置42は、一般的な時計よりも高精度な原子時計422を備える。そのため、複数の位置計測装置42の原子時計422は、一般的な時計と比較して、時刻同期の頻度を小さくすることができる。
(動作)
次に、位置計測システム4の動作について図面を参照しながら説明する。以下においては、送信装置41の動作は第1の実施形態と同様であるため、送信装置41の動作については説明を省略し、位置計測装置42の動作について説明する。
〔位置計測装置〕
図20は、位置計測装置42の動作の一例について説明するためのフローチャートである。図20において、まず、位置計測装置42は、送信装置41から送信された第1信号を受信する(ステップS421)。第1信号と第2信号を併用する場合、位置計測装置42は、送信装置41から送信された第1信号と、人工衛星400から送信された第2信号を受信する。
3つ以上の第1信号(第2信号)を受信した場合(ステップS422でYes)、位置計測装置42は、受信された第1信号(第2信号)を用いて自装置の位置を計算する(ステップS423)。一方、3つ以上の第1信号(第2信号)を受信していない場合(ステップS422でNo)、ステップS421に戻る。
ステップS423の次に、他の移動体の位置情報を受信している場合(ステップS424でYes)、位置計測装置42は、自装置の位置に関する情報(位置情報)と、他の移動体の位置情報とに基づいて、第4信号を生成する(ステップS425)。すなわち、位置計測装置42は、自装置の位置情報と、他の移動体の位置情報とに基づいて、制御対象装置40を制御するための第4信号を生成する。
一方、ステップS423の次に、他の移動体の位置情報を受信していない場合(ステップS424でNo)、位置計測装置42は、自装置の位置に関する情報(位置情報)に基づいて、制御対象装置40を制御するための第4信号を生成する(ステップS426)。
ステップS425およびステップS426の次に、位置計測装置42は、生成された第4信号を制御対象装置40に出力する(ステップS427)。制御対象装置40は、受信される第4信号に応じて制御される。
制御を停止しない場合(ステップS428でNo)、ステップS421に戻る。一方、位置計測を停止する場合(ステップS428でYes)、図20のフローチャートに沿った処理は終了である。
〔適用例5〕
図21は、本実施形態の位置計測システムの適用例5について説明するための概念図である。本適用例では、複数の送信装置41は、街中にばらまかれるように配置される。位置計測装置42は、自動車などの移動体に搭載される。位置計測装置42は、それらの送信装置41から送信された第1信号に基づいて、自装置の位置を計測する。位置計測装置42は、計測された位置に関する情報(位置情報)に基づいて、自装置が搭載された移動体を制御する。
送信装置41は、街中に配置される。例えば、送信装置41は、信号器や電柱、ビル、ガードレールなどに配置される。複数の送信装置11は、各々の送信装置41から送信される第1信号が位置計測装置42によって受信されやすい位置に、配置されればよい。複数の送信装置41は、対象領域内のどのような位置においても、少なくとも3つの送信装置41から送信された第1信号が、位置計測装置42によって受信されるように、配置されることが好ましい。
位置計測装置42は、移動体に配置される。位置計測装置42は、少なくとも3つの送信装置41から送信された第1信号を用いて自装置の位置を計測する。また、位置計測装置42は、他の位置計測装置42から送信された第3信号を受信する。位置計測装置42は、計測した自装置の位置情報と、他の位置計測装置42が搭載された移動体の位置情報とに基づいて、自装置の搭載された移動体を制御するための第4信号を生成する。
例えば、本適用例の手法は、自動車などの移動体のナビゲーションシステムに用いられる。例えば、位置計測装置42は、自装置が搭載された移動体の位置情報や、他の位置計測装置42が搭載された移動体の位置情報を、地図上に表示させる第4信号を生成する。例えば、位置計測装置42は、生成された第4信号を、移動体に実装されたナビゲーションシステム(図示しない)に出力する。例えば、ナビゲーションシステムは、第4信号に応じて、複数の移動体の位置情報を、地図上に表示させる。例えば、ナビゲーションシステムは、複数の移動体の位置情報に基づいて、移動体を適切なルートに誘導するためのルート情報を生成する。ナビゲーションシステムは、生成されたルート情報を、画面に表示させたり、音声情報として出力させたりする。
例えば、本適用例の手法は、自動車などの移動体の自動運転制御システムに用いられる。例えば、位置計測装置42は、自装置が搭載された移動体の位置情報や、他の位置計測装置42が搭載された移動体の位置情報に基づいて、自装置が搭載された移動体を制御するための第4信号を生成する。例えば、自動運転制御システム(図示しない)は、ある位置計測装置42が搭載された移動体の位置情報や、他の位置計測装置42が搭載された移動体の位置情報に基づいて、各々の移動体を適切なルートに沿って移動させる。例えば、自動運転制御システムは、ある位置計測装置42が搭載された移動体の位置情報や、他の位置計測装置42が搭載された移動体の位置情報に基づいて、各々の移動体が他の移動体や物体に衝突しないように各々の移動体を制御する。例えば、複数の位置計測装置42から送信される第3信号に基づいて、自動車や自転車、歩行者の正確な位置関係を把握し、それらの位置関係を共有できれば、自動車や自転車、歩行者の衝突を回避できるシステム(衝突回避システム)を構成できる。
〔適用例6〕
図22は、本実施形態の位置計測システムの適用例6について説明するための概念図である。本適用例では、複数の送信装置41は、街中にばらまかれるように配置される。例えば、位置計測装置42は、移動体に搭載される。位置計測装置42は、複数の送信装置41から送信された第1信号に基づいて、自装置の位置を計測する。位置計測装置42は、計測された位置に関する情報(位置情報)に基づいて、自装置が搭載された移動体を制御する。
また、本適用例の位置計測システムは、位置計測装置42の機能を有し、視覚の不自由な人の歩行や、自転車の運転を支援する支援装置460を含む。例えば、支援装置460は、視覚の不自由な人が用いる白杖や、自転車に搭載される。支援装置460は、位置計測装置42の機能を有し、位置情報に基づく支援情報を、音声や振動によって、ユーザに対して通知する。
送信装置41は、街中の所定の位置に配置される。例えば、送信装置41は、信号器や、電柱、ビル、ガードレール、誘導用ブロックなどに配置される。複数の送信装置41は、各々の送信装置41から送信される第1信号が位置計測装置42によって受信されやすい位置に、配置されればよい。複数の送信装置41は、対象領域内のどのような位置においても、少なくとも3つの送信装置41から送信された第1信号が、位置計測装置42によって受信されるように、配置されることが好ましい。
位置計測装置42は、制御対象の自動車に搭載される。位置計測装置42は、第1信号を受信する。位置計測装置42は、受信された第1信号を用いて位置計測する。位置計測装置42は、送信時刻と位置情報を対応付けたデータを含む第3信号を送信する。また、位置計測装置42は、他の位置計測装置42や支援装置460から送信された第3信号を受信する。位置計測装置42は、自装置の位置と、他の位置計測装置42や支援装置460との位置関係に基づいて、自装置が搭載された制御対象装置40を制御する。
支援装置460は、位置計測装置42に通知機能を追加した構成を有する。例えば、支援装置460は、計測された位置に応じた情報を音や振動でユーザに通知する。例えば、支援装置460は、ユーザが歩行する地域の地図や、誘導用ブロックの配置に合わせて、ユーザの位置に応じた情報を通知する。また、支援装置460は、複数の位置計測装置42や支援装置460の位置関係に応じた情報を通知する。また、支援装置460は、自装置の位置に関する第3信号を送信する。
例えば、支援装置460を搭載した自転車と、位置計測装置42を搭載した自動車とが接近すると、支援装置460は、支援装置460を搭載した自転車を運転する人に対して、危険が迫っていることを知らせる通知を行う。例えば、横断歩行や階段、進行方向を変える地点、駅のホームの端などの要注意箇所などと、支援装置460が搭載された白杖を所持するユーザの距離とが接近すると、支援装置460は、要注意箇所が近づいていることを音や振動でユーザに通知する。例えば、支援装置460は、位置情報に応じて、危険が迫っていることを音や振動でユーザに通知する。例えば、支援装置460は、危険が迫っていたり、要注意箇所に接近したりすると、危険や要注意箇所の種別に応じたメロディや音パターンを音声出力する。例えば、支援装置460は、危険が迫っていたり、要注意箇所に接近したりすると、危険の緊急性や要注意箇所との距離に応じて、メロディや音パターンを変更させたり、それらの音の大きさを変更させたりする。例えば、支援装置460は、危険が迫っていたり、要注意箇所に接近したりすると、要注意箇所の種別に応じた振動パターンで振動する。例えば、支援装置460は、危険が迫っていたり、要注意箇所に接近したりすると、危険の緊急性や要注意箇所との距離に応じて、振動パターンや振動の大きさを変更する。支援装置460は、位置情報に基づく情報を、音および振動を組み合わせて通知してもよい。
支援装置460を使用するユーザは、支援装置460の通知によって、要注意箇所や危険に接近していることを認識できる。支援装置460を使用するユーザは、支援装置460の通知に応じて、要注意箇所や危険に注意を払うことができる。
〔適用例7〕
図23は、本実施形態の位置計測システムの適用例7について説明するための概念図である。本適用例では、ドローンなどの無人機が飛行可能な空間やその近傍位置に、複数の送信装置41が配置される。位置計測装置42の機能を有する飛行制御装置470は、自律移動が可能な無人機に搭載される。飛行制御装置470は、複数の送信装置41から送信された第1信号に基づいて、自装置の位置を計測する。飛行制御装置470は、計測された位置に関する情報(位置情報)に基づいて、自装置が搭載された無人機の飛行を制御する。
例えば、送信装置41は、ドローンが飛行可能な空域内やその近傍に配置される。例えば、送信装置41は、航空法や小型無人機等飛行禁止法、道路交通法や都道府県などの条例によりドローンの飛行が許可されていない空域を避けた、ドローンが飛行可能な空域内やその近傍に配置される。例えば、送信装置41は、海岸や河川敷、田畑などで、ドローンの飛行が許可されている空域内やその近傍に配置される。ドローンを飛行させることが許可されている領域であれば、例えば、送信装置41は、信号器や電柱、ビルなどに配置されてもよい。複数の送信装置41は、各々の送信装置41から送信される第1信号が、ドローンに搭載された位置計測装置42によって受信されやすい位置に、配置されればよい。複数の送信装置41は、空域内やその近傍のどのような位置においても、少なくとも3つの送信装置41から送信された第1信号が、位置計測装置42によって受信されるように、配置されることが好ましい。なお、ドローンが飛行可能な空域内まで第1信号が届く位置であれば、送信装置41は、ドローンが飛行可能な空域から離れた位置に配置されてもよい。
飛行制御装置470は、位置計測装置42の機能を有する。飛行制御装置470は、ドローンに配置される。なお、飛行制御装置470は、ドローン(無人航空機)ではない移動体に搭載されてもよい。例えば、飛行制御装置470は、無人地上車両や無人水上艇、無人潜水艇、無人宇宙機などの無人機に搭載されてもよい。これらの無人機に搭載される場合、飛行制御装置470は、各々の無人機の移動方法に対応した制御を行う。
飛行制御装置470は、少なくとも3つの送信装置41から送信された第1信号を用いて自装置の位置を計測する。また、飛行制御装置470は、他の飛行制御装置470から送信された第3信号を受信する。飛行制御装置470は、計測された自装置の位置情報と、他の飛行制御装置470が搭載されたドローンの位置情報とに基づいて、自装置の搭載されたドローンを制御するための第4信号を生成する。
例えば、本適用例の手法は、ドローンなどの無人機の自動制御システムに用いられる。例えば、飛行制御装置470は、自装置が搭載された無人機の位置情報や、他の飛行制御装置470が搭載された移動体の位置情報に基づいて、自装置が搭載された無人機を制御するための第4信号を生成する。例えば、自動制御システム(図示しない)は、ある飛行制御装置470が搭載された無人機の位置情報や、その他の飛行制御装置470が搭載された無人機の位置情報に基づいて、各々の無人機を移動させる。例えば、自動制御システムは、ある位置計測装置42が搭載された無人機の位置情報や、他の位置計測装置42が搭載された無人機の位置情報に基づいて、各々の移動体が他の移動体や物体に衝突しないように、各々の移動体を制御する。例えば、複数の位置計測装置42から送信される第3信号に基づいて、複数の無人機の正確な位置関係を把握し、それらの位置関係を共有できれば、複数の無人機の衝突を回避できるシステム(衝突回避システム)を実現できる。例えば、複数の位置計測装置42から送信される第3信号に基づいて、複数の無人機の正確な位置関係を把握し、それらの位置関係に応じて複数の無人機を協調制御すれば、複数の無人機を用いて所定のミッションを行うオペレーションシステムを構成できる。例えば、複数の無人機の協調制御は、予め設定されたアルゴリズムに従って実行される。なお、複数の無人機の協調制御のアルゴリズムについては、特に限定を加えない。
以上のように、本実施形態の位置計測システムは、複数の送信装置と位置計測装置を備える。複数の送信装置の各々は、所定の位置に配置される。複数の送信装置の各々は、第2信号を用いて算出される正確な時刻と、所定の位置に関する位置情報とが関連付けられたデータを含む第1信号を生成し、生成された第1信号を送信する。位置計測装置は、制御対象装置に搭載され、原子時計を実装する。位置計測装置は、少なくとも3つの第1信号と、原子時計によって刻まれた時刻とを用いて生成された第3信号を送信する第3信号送信部と、他の制御対象装置に搭載された位置計測装置から送信された第3信号を受信する第3信号受信部と、を備える。位置計測装置は、所定の位置に対応付けられた位置情報と送信時刻が関連付けられたデータを含む第1信号を受信する。位置計測装置は、少なくとも3つの第1信号に含まれるデータと、原子時計によって刻まれた時刻とを用いて制御対象装置の位置を計算する。位置計測装置は、制御対象装置の位置情報と、他の制御対象装置の位置情報とに基づいて、制御対象装置を制御するための第4信号を生成し、生成された第4信号を制御対象装置に出力する。
本実施形態において、位置計測装置は、自装置において計測された位置情報と、他の位置計測装置が搭載された制御対象装置の位置情報に応じて、自装置を搭載する制御対象装置を制御する。そのため、本態様によれば、自装置が搭載された制御対象装置の位置情報と、他の位置計測装置が搭載された制御対象装置の位置情報とに基づいて、自装置が搭載された制御対象装置を高精度に制御できる。
例えば、本実施形態の一態様の適用例において、複数の送信装置の各々は、街中に配置される。位置計測装置は、自動車などの制御対象装置(移動体)に搭載される。位置計測装置は、自装置が搭載された移動体の位置情報と、他の位置計測装置が搭載された移動体の位置情報とを用いて自装置が搭載された移動体の移動を制御する。本適用例によれば、複数の位置計測装置によって計測された高精度な位置情報に基づいて、位置計測装置を搭載した複数の移動体の移動を制御することによって、高精度なナビゲーションシステムを実現できる。また、本適用例によれば、複数の位置計測装置によって計測された高精度な位置情報に基づいて、位置計測装置を搭載した複数の移動体が互いに衝突しないように協調的に制御することによって、衝突防止システムを実現できる。
例えば、本実施形態の一態様の適用例において、複数の送信装置の各々は、街中に配置される。位置計測装置(支援装置)は、ユーザに携帯される物体に搭載される。位置計測装置は、ユーザが携帯する物体の位置情報と、他の位置計測装置の位置情報とに基づいて、他の位置計測装置が搭載された制御対象装置や物体の位置とユーザの位置の位置関係に応じた通知を、音および振動のうち少なくとも一方で通知する。本適用例によれば、複数の位置計測装置によって計測された高精度な位置情報に基づく通知によって、支援装置を使用するユーザを安全に誘導できる。
例えば、本実施形態の一態様の適用例において、複数の送信装置の各々は、ドローンなどの無人機が移動可能な空間やその近傍に配置される。位置計測装置は、ドローンなどの自律移動が可能な無人機に搭載される。位置計測装置は、自装置が搭載された無人機の位置情報と、他の位置計測装置が搭載された無人機の位置情報とを用いて自装置が搭載された無人機の移動を制御する。本適用例においては、複数の位置計測装置によって計測された高精度な位置情報に基づいて、位置計測装置を搭載した複数の無人機の移動を協調的に制御する。そのため、本適用例によれば、互いに衝突しないように複数の無人機を協調制御できるオペレーションシステムを実現できる。
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態に係る位置計測装置について図面を参照しながら説明する。本実施形態の位置計測装置は、各実施形態の位置計測装置を簡略化した構成である。
図24は、本実施形態の位置計測装置52の構成の一例のブロック図である。位置計測装置52は、第1信号受信部521、原子時計522、位置計算部523、および出力部525を備える。
位置計測装置52は、制御対象装置に搭載される。第1信号受信部521は、所定の位置に対応付けられた位置情報と送信時刻が関連付けられたデータを含む第1信号を受信する。位置計算部523は、少なくとも3つの第1信号に含まれるデータと、原子時計522によって刻まれた時刻とを用いて制御対象装置の位置を計算する。出力部と525は、算出された制御対象装置の位置に関する位置情報を含む第3信号を出力する。
以上のように、本実施形態の位置計測装置は、自装置に実装された原子時計によって正確な時刻が刻まれるため、少なくとも3つの信号に基づいて、高精度な位置計測を実現できる。
(ハードウェア)
ここで、本開示の各実施形態に係る送信装置や位置計測装置の処理を実行するハードウェア構成について、図25の情報処理装置90を一例として挙げて説明する。なお、図25の情報処理装置90は、各実施形態の送信装置や位置計測装置の処理を実行するための構成例であって、本開示の範囲を限定するものではない。
図25のように、情報処理装置90は、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、入出力インターフェース95、および通信インターフェース96を備える。図25においては、インターフェースをI/F(Interface)と略して表記する。プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、入出力インターフェース95、および通信インターフェース96は、バス98を介して互いにデータ通信可能に接続される。また、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93および入出力インターフェース95は、通信インターフェース96を介して、インターネットやイントラネットなどのネットワークに接続される。
プロセッサ91は、補助記憶装置93等に格納されたプログラムを主記憶装置92に展開し、展開されたプログラムを実行する。本実施形態においては、情報処理装置90にインストールされたソフトウェアプログラムを用いる構成とすればよい。プロセッサ91は、本実施形態に係る送信装置や位置計測装置による処理を実行する。
主記憶装置92は、プログラムが展開される領域を有する。主記憶装置92は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリとすればよい。また、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)などの不揮発性メモリを主記憶装置92として構成・追加してもよい。
補助記憶装置93は、種々のデータを記憶する。補助記憶装置93は、ハードディスクやフラッシュメモリなどのローカルディスクによって構成される。なお、種々のデータを主記憶装置92に記憶させる構成とし、補助記憶装置93を省略することも可能である。
入出力インターフェース95は、情報処理装置90と周辺機器とを接続するためのインターフェースである。通信インターフェース96は、規格や仕様に基づいて、インターネットやイントラネットなどのネットワークを通じて、外部のシステムや装置に接続するためのインターフェースである。入出力インターフェース95および通信インターフェース96は、外部機器と接続するインターフェースとして共通化してもよい。
情報処理装置90には、必要に応じて、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力機器を接続されてもよい。それらの入力機器は、情報や設定の入力に使用される。なお、タッチパネルを入力機器として用いる場合は、表示機器の表示画面が入力機器のインターフェースを兼ねる構成とすればよい。プロセッサ91と入力機器との間のデータ通信は、入出力インターフェース95に仲介させればよい。
また、情報処理装置90には、情報を表示するための表示機器を備え付けてもよい。表示機器を備え付ける場合、情報処理装置90には、表示機器の表示を制御するための表示制御装置(図示しない)が備えられていることが好ましい。表示機器は、入出力インターフェース95を介して情報処理装置90に接続すればよい。
また、情報処理装置90には、ドライブ装置を備え付けてもよい。ドライブ装置は、プロセッサ91と記録媒体(プログラム記録媒体)との間で、記録媒体からのデータやプログラムの読み込み、情報処理装置90の処理結果の記録媒体への書き込みなどを仲介する。ドライブ装置は、入出力インターフェース95を介して情報処理装置90に接続すればよい。
以上が、本発明の各実施形態に係る送信装置や位置計測装置を可能とするためのハードウェア構成の一例である。なお、図25のハードウェア構成は、各実施形態に係る送信装置や位置計測装置の演算処理を実行するためのハードウェア構成の一例であって、本発明の範囲を限定するものではない。また、各実施形態に係る送信装置や位置計測装置に関する処理をコンピュータに実行させるプログラムも本発明の範囲に含まれる。さらに、各実施形態に係るプログラムを記録したプログラム記録媒体も本発明の範囲に含まれる。記録媒体は、例えば、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などの光学記録媒体で実現できる。また、記録媒体は、USB(Universal Serial Bus)メモリやSD(Secure Digital)カードなどの半導体記録媒体や、フレキシブルディスクなどの磁気記録媒体、その他の記録媒体によって実現してもよい。プロセッサが実行するプログラムが記録媒体に記録されている場合、その記録媒体はプログラム記録媒体に相当する。
各実施形態の送信装置や位置計測装置の構成部は、任意に組み合わせることができる。また、各実施形態の送信装置や位置計測装置の構成部は、ソフトウェアによって実現してもよいし、回路によって実現してもよい。
以上、実施形態を参照して本発明を説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。