JP2022111490A - アンカー施工方法、ロープ伏せ工法、及びアンカー構造体 - Google Patents

アンカー施工方法、ロープ伏せ工法、及びアンカー構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】石とアンカーの固定強度を確保できるアンカー施工方法、ロープ伏せ工法、及びアンカー構造体を提供する。【解決手段】アンカー施工方法は、石30にアンカーを打ち込むアンカー施工方法であって、アンカーの挿入予定部位に、石30を貫通する穴32を開ける工程と、穴32にポリウレタンフォーム原料を注入して、発泡させることで、穴32の内部と、穴32に隣接した外部空間31に発泡体40を形成する工程と、穴32の内部の発泡体40を、アンカーが挿入可能となるように取り除く工程と、発泡体40が取り除かれた穴32にアンカーを挿入する工程と、を備えている。【選択図】図4

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年11月10日 2020年度 土科学センター財団講演会にて、「不安定転石群に対する新しい発生源対策工法」に関する研究について公開した。
本開示は、アンカー施工方法、ロープ伏せ工法、及びアンカー構造体に関する。
特許文献1には、岩盤にアンカーを打ち込む施工方法が開示されている。この方法は、岩盤を削孔し、孔中に異形棒鋼などのアンカー本体を挿入してモルタルや樹脂などを充填固化する方法である。
特開2008-057182号公報
しかし、特許文献1のような方法では、モルタルが固化する前にモルタルが孔から流出して、石とアンカーを十分に固定できないおそれがある。このため、石とアンカーの固定強度を確保する新たな技術が求められている。
本開示は、上述した課題を解決するためになされたものであり、石とアンカーの固定強度を確保できるアンカー施工方法、ロープ伏せ工法、及びアンカー構造体を提供することを目的とする。
本開示のアンカー施工方法は、
石にアンカーを打ち込むアンカー施工方法であって、
前記アンカーの挿入予定部位に、前記石を貫通する穴を開ける工程と、
前記穴にポリウレタンフォーム原料を注入して、発泡させることで、前記穴の内部と、前記穴に隣接した外部空間とに発泡体を形成する工程と、
前記穴の内部の前記発泡体を、前記アンカーが挿入可能となるように取り除く工程と、
前記発泡体が取り除かれた前記穴に前記アンカーを挿入する工程と、を備える。
上記のアンカー施工方法によれば、アンカーの周りに発泡体が存在しない構成に比して、アンカーの周りに存在する発泡体によってアンカーの固定強度を向上できる。
本開示のロープ伏せ工法は、
格子状に組んだワイヤロープの交差部及び端部の少なくとも一方において、石にアンカーを打ち込むロープ伏せ工法であって、
前記アンカーの挿入予定部位に、前記石を貫通する穴を開ける工程と、
前記穴にポリウレタンフォーム原料を注入して、発泡させることで、前記穴の内部と、前記穴に隣接した外部空間の一部とに発泡体を形成する工程と、
前記穴の内部の前記発泡体を前記アンカーが挿入可能となるように取り除く工程と、
前記発泡体が取り除かれた前記穴に前記アンカーを挿入する工程と、を備える。
上記のロープ伏せ工法によれば、アンカーの周りに発泡体が存在しない構成に比して、アンカーの周りに存在する発泡体によってアンカーの固定強度を向上できる。このため、ワイヤロープによって石をしっかりと固定することができ、落石を抑制できる。
本開示のアンカー構造体は、
石と、前記石を串刺し状態で貫通するアンカーと、を備えたアンカー構造体であって、
前記アンカーの周りの少なくとも一部には、ポリウレタン発泡体が存在している。
上記のアンカー構造体によれば、アンカーの周りに発泡体が存在しない構成に比して、アンカーの周りに存在する発泡体によってアンカーの固定強度を向上できる。
本開示によれば、石とアンカーの固定強度を確保できるアンカー施工方法、ロープ伏せ工法、及びアンカー構造体を提供することができる。
実施形態1に係るロープネット型落石防止装置を示す説明図である。 穴を開ける工程を示す説明図である。 発泡体を形成する工程を示す説明図である。 発泡体取り除き工程を示す説明図である。 アンカーを挿入する工程を示す説明図である。 充填材を充填する工程を示す説明図である。 アンカー構造体を示す説明図である。 実施形態2に係るアンカー構造体を示す説明図である。
ここで、本開示の望ましい例を示す。
上記のアンカー施工方法は、前記発泡体が取り除かれた前記穴に充填材を充填する工程を備えるとよい。この構成によれば、外部空間に形成された発泡体によって、充填材が穴の外部に漏れ出ることを抑制できる。このため、充填材によるアンカーの固定強度を向上できる。
上記のアンカー施工方法は、地面に前記アンカーの先端部を打ち込む工程を備えるとよい。この構成によれば、地面に対する石のすべりを抑制して、落石を防止できる。
上記のロープ伏せ工法は、前記発泡体が取り除かれた前記穴に充填材を充填する工程を備えるとよい。この構成によれば、外部空間に形成された発泡体によって、充填材が穴の外部に漏れ出ることを抑制できる。このため、充填材によるアンカーの固定強度を向上できる。
上記のアンカー構造体において、前記アンカーと前記石は、前記ポリウレタン発泡体とは異なる充填材によって固定されているとよい。この構成によれば、アンカーの周りに存在する発泡体によって、充填材が穴の外部に漏れ出ることを抑制できる。このため、充填材によるアンカーの固定強度を向上できる。
上記のアンカー構造体において、前記アンカーの先端部は、地面に打ち込まれているとよい。この構成によれば、地面に対する石のすべりを抑制して、落石を防止できる。
<実施形態1>
まず、本開示の実施形態1のロープ伏せ工法によって得られるロープネット型落石防止装置10について、図1を参照して説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
ロープネット型落石防止装置10は、ワイヤロープ11を格子状に組んでネット状にしたもので、地面Gに散在する浮石や転石が滑動や転動しないよう覆っている。ロープネット型落石防止装置10は、ワイヤロープ11の間隔を狭めることで、比較的小さな浮石や転石を固定することも可能となる。ロープネット型落石防止装置10は、ワイヤロープ11の端部12やワイヤロープ11の交差部13に設けられた複数のアンカー20によって、地面Gに固定されている。地面Gは、斜面に限定されないが、斜面である場合に本開示の技術がより有効である。
次に、ロープ伏せ工法について説明する。ロープ伏せ工法は、複数のアンカー20を打ち込む工程と、ワイヤロープ11の端部12をアンカー20に固定する工程と、ワイヤロープ11の交差部13をアンカー20に固定する工程と、を備えている。複数のアンカー20のうち、少なくとも一部は石30に打ち込まれている。本実施形態では、複数のアンカー20を打ち込む工程において、石30にアンカー20を打ち込むアンカー施工方法が行われる。
石30は、図2に示すように、部分的に隙間が開いた状態で積み重なっている。以下、積み重なった石30と石30の間の隙間を隙間空間31Aと称する。積み重なった石30のうち、最下段に位置する石30と地面Gとの間の隙間を下部空間31Bと称する。隙間空間31A及び下部空間31Bの各々は、後述する石30の穴32の外部に拡がる空間であり、外部空間31に対応する。なお、本実施形態では、複数の石30にアンカー施工方法及びアンカー構造体が適用された例を説明するが、アンカー施工方法及びアンカー構造体は、1つの石に適用されてもよい。石が1つの場合には、外部空間として下部空間が例示される。
アンカー施工方法は、穴32を開ける工程、発泡体40を形成する工程、発泡体40をアンカー20が挿入可能となるように取り除く工程(以下、発泡体取り除き工程とも称する)、アンカー20を挿入する工程、充填材50を充填する工程を備えている。アンカー20を挿入する工程の後に、地面Gにアンカー20の先端部21を打ち込む工程が行われる。アンカー施工方法は、各工程がこの順に行われてもよく、充填材50を充填する工程の後にアンカー20を挿入する工程が行われてもよい。
図2に示すように、穴32を開ける工程は、アンカー20の挿入予定部位Pに、複数の石30を貫通する穴32を開ける工程である。アンカー20の挿入予定部位Pは、ワイヤロープ11の端部12及び交差部13の位置に対応して決定される。穴32の貫通方向は、地面Gに対して略直交する方向である。穴32は、複数の石30を連続的に貫通して、上段の石30の上面から下段の石30の下面まで直線状に延びている。穴32を開ける手段は特に限定されないが、石30を削孔可能な削孔機33を例示できる。穴32の径は特に限定されない。例えば、穴32は、アンカー20の外径よりも15mm~25mm大きいことが好ましい。
図3に示すように、発泡体40を形成する工程は、穴32にポリウレタンフォーム原料を注入して、発泡させることで、穴32の内部と、穴32に隣接した外部空間31の一部とに発泡体40を形成する工程である。発泡体40を形成する工程では、穴32の内部にノズル34の先端部を挿入してポリウレタンフォーム原料を注入する。すると、穴32が隙間空間31A及び下部空間31Bにポリウレタンフォーム原料を供給するための供給路となって、隙間空間31Aの穴32に隣接した部分と、下部空間31Bの穴32に隣接した部分に発泡体40が形成される。このため、隙間空間31A及び下部空間31Bの状況(形状や容積)が分からない場合であっても、発泡体40によって、穴32に隣接した外部空間31の一部を埋めることができる。
発泡体40は、軟質ウレタンフォームと硬質ウレタンフォームのいずれであってもよいが、硬質ウレタンフォームであることが好ましい。硬質ウレタンフォームは、軟質ウレタンフォームより硬度が高くて復元性の低い発泡体である。硬質ウレタンフォームを用いた場合には、発泡体40自体にある程度の硬度と保形性が確保され、後述する発泡体取り除き工程において削孔機33を用いた発泡体40の取り除きを好適に行うことができる。
発泡体40は、施工現場にて、ポリオールや架橋剤、発泡剤等を主成分とする主剤(A液)とイソシアネートを主成分とする硬化剤(B液)の2液の液体原料を反応させて形成される。すなわち、発泡体40は、2液性のポリウレタンフォームである。2液性のウレタンフォームの硬化時間は、1液性のポリウレタンフォームの硬化時間に比べて短く、発泡、硬化する前に原料が隙間空間31A及び下部空間31Bから石30の周囲に流出しにくい。2液性のウレタンフォームの硬化時間は、発泡体40によって外部空間31を埋める範囲や容積に応じて適宜設計できる。
発泡体40の発泡倍率は、施工現場に運び込む原料低減の観点から、好ましくは10倍以上であり、より好ましくは20倍以上であり、さらに好ましくは30倍以上である。発泡体40の発泡倍率の上限値は、特に限定されないが、通常40倍以下である。
発泡体40は、発泡による体積膨張に伴って、隙間空間31Aにおいて石30と石30の表面に沿って賦形される。そして、発泡体40は、隙間空間31Aにおいて穴32に通じる部分を塞ぐ。発泡体40は、発泡による体積膨張に伴って、下部空間31Bにおいて石30と地面Gの表面に沿って賦形される。そして、発泡体40は、下部空間31Bにおいて穴32に通じる部分を塞ぐ。
図4に示すように、発泡体取り除き工程は、穴32の内部の発泡体40をアンカー20が挿入可能となるように取り除く工程である。発泡体40を取り除く手段は特に限定されないが、先に説明した削孔機33を用いた手法を例示できる。
具体的には、発泡体取り除き工程では、削孔機33を用いて発泡体40を削り取ることで、発泡体40を取り除く。発泡体40は石30に比して硬度が低いから、石30に穴32を開けるときよりも容易に発泡体40を取り除くことができる。穴32を開ける際に用いた削孔機33と同じ径の削孔機33を使用する場合には、穴32の内部の発泡体40が略全部取り除かれる。穴32の内部の発泡体40が略全部取り除かれる構成においては、後に充填される充填材50が石30に直接付着して、アンカー20の石30への定着性を向上できる。
穴32の内部の発泡体40の取り除きに伴って、発泡体40には穴41が形成される。穴41は、複数の石30の穴32,32を繋ぐ。隙間空間31Aに形成された発泡体40は、穴41の周囲に形成された枠体として石30と石30の間に存在する。また、穴32の内部の発泡体40の取り除きに伴って、発泡体40には下部穴42が形成される。下部穴42は、下段の石30の穴32と地面Gとを繋ぐ。下部空間31Bに形成された発泡体40は、下部穴42の周囲に形成された枠体として下段の石30と地面Gの間に存在する。すなわち、発泡体取り除き工程によって、石30と発泡体40で囲まれた、充填材50を充填するための充填空間が形成される。
なお、隙間空間31A及び下部空間31Bに存在する発泡体40は、石30の表面に付着して、石30が転がる際に乗り越えるべき障害物となり得る。さらに、隙間空間31A及び下部空間31Bに存在する発泡体40は、石30に対して地面Gを転がる方向に回転力が作用した場合に座屈変形して、石30に作用する衝撃を吸収し得る。すなわち、発泡体40は、石30の転がりを規制するストッパーとしての役目や、衝撃を吸収する緩衝材としての役目も果たし得る。
図5に示すように、アンカー20を挿入する工程は、発泡体が取り除かれた穴32にアンカー20を挿入する工程である。アンカー20は、例えば鉄筋であり、細長い棒状をなしている。アンカー20の長さ寸法は、積み重なった複数の石30の高さ寸法よりも大きい。アンカー20は、上段の石30の穴32から差し込まれ、穴41、下段の石30の穴32、下部穴42の順に挿入される。隙間空間31Aには発泡体40が形成されているから、アンカー20の挿入途中で、アンカー20の先端部21が隙間空間31Aに引っ掛かりにくい。このため、隙間空間31Aに発泡体40が存在しない構成に比して、アンカー20をスムーズに挿入できる。
地面Gにアンカー20の先端部21を打ち込む工程は、アンカー20の突出端部側を打って、地面Gに先端部21を打ちこむ工程である。地面Gが硬い岩盤等である場合には、予め地面Gに穴を開けて、アンカー20を打ち込んでもよい。アンカー20の先端部21が地面Gに打ち込まれた状態において、アンカー20は石30から上方に突出している。アンカー20の突出端部には、図7に示す締結具14を用いてワイヤロープ11が締結される。
なお、充填材50を充填する工程が、充填材50が封入されたカプセル(図示せず)を用いたカプセル方式で行われる場合には、アンカー20を挿入する工程に先立って、穴32にカプセルを挿入する。そして、アンカー20を挿入することによってカプセルを破砕して、充填材50を穴32に充填する。充填材50の充填がカプセル方式ではなく、充填材50を穴32の中に直接注入する注入方式である場合には、アンカー20を挿入する前と、アンカー20を挿入する後のいずれにおいて充填材50を充填してもよい。
図6に示すように、充填材50を充填する工程は、発泡体40が取り除かれた穴32に充填材50を充填する工程である。充填材50の材質は特に限定されない。充填材50は、固化する前には穴32の隅々まで充填可能な流動性を有し、固化した後は石30及びアンカー20への定着性を有するものが好ましい。充填材50は、発泡体40よりも圧縮強度が高いものがより好ましい。例えば、充填材50は、モルタル、コンクリートなどの無機系材料が好適である。
充填材50が充填される過程で、充填材50は穴32の隅々まで流動する。この際、隙間空間31Aに形成された発泡体40は、穴41の周囲に形成された枠体として石30と石30の間から充填材50が流出することを規制する。下部空間31Bに形成された発泡体40は、下部穴42の周囲に形成された枠体として下段の石30と地面Gの間から充填材50が流出することを規制する。このため、充填材50は、アンカー20と石30の間に大きな隙間を生じることなく穴32に充填される。
充填材50を充填した後に、充填材50を養生固化させて、アンカー20と石30とを充填材50を介して固定する。さらに、アンカー20の突出端部に締結具14を介してワイヤロープ11を締結する。以上により、ロープネット型落石防止装置10が形成される。このロープネット型落石防止装置10は、アンカー構造体15によって石30と各部が一体化されている。
アンカー構造体15は、図7に示すように、複数の石30と、複数の石30を串刺し状態で貫通するアンカー20と、を備えている。アンカー20の周りの少なくとも一部には、ポリウレタン発泡体40が存在している。このポリウレタン発泡体40は、例えば、隙間空間31Aに形成された発泡体40、及び下部空間31Bに形成された発泡体40である。アンカー20と石30は、ポリウレタン発泡体40とは異なる充填材50によって固定されている。換言すれば、アンカー構造体15は、石30と共に枠体を構成するポリウレタン発泡体40と、枠体に充填されてアンカー20と石30とを固定する充填材50と、を備えた構造である。このアンカー20の先端部21は、地面Gに打ち込まれている。
次に、本実施形態のアンカーの施工方法及びロープ伏せ工法の作用効果について説明する。上記の方法によれば、穴32に充填材50を充填してアンカー20を複数の石30に固定する場合において、隙間空間31Aに形成された発泡体40によって、充填材50が穴32の外部に漏れ出ることを抑制できる。したがって、隙間空間31Aに発泡体40が存在しない構成に比して、隙間空間31Aに形成された発泡体40によってアンカー20の固定強度を向上できる。さらに、ロープ伏せ工法の場合には、ワイヤロープ11によって石30をしっかりと固定することができ、落石を抑制できる。
さらに、上記の方法によれば、発泡体40を用いることにより、非発泡の間詰め材に比して原料の嵩及び重さが抑えられる。特に、ロープネット型落石防止装置10の設置箇所が、道路の整備されていない地山や、設備の搬入が難しい斜面等である場合には、原料や設備の搬入が難しいという課題がある。ポリウレタン発泡体40は簡易な設備で形成することができ、例えば、設備をトロッコや人力等で現場に搬入可能である。本実施形態の方法では、発泡体40を形成するための原料や設備の搬入が容易である上に、充填材50の使用量を低減できる。詳細には、穴32から外部に漏れ出る充填材50が低減されることによって、使用する充填材50の量を穴32の容積からアンカー20の体積を除いた量程度に抑えることができる。この結果、充填材50の原料に掛かるコスト低減に寄与できる。さらに、発泡体40及び充填材50の形成に係る原料及び設備の輸送に掛かるコスト低減に寄与できる。
さらに、ポリウレタン発泡体40を用いることによって、石30と石30の間の隙間空間31Aや、石30の下部空間31Bの状況が外部からわからない状態であっても、発泡による体積膨張に伴って、隙間空間31Aや下部空間31Bに発泡体40を十分に形成することができる。さらに、ポリウレタン発泡体40は、モルタル等の無機系材料や非発泡の充填材に比して容易に取り除くことができる。このため、ポリウレタン発泡体40を取り除いて、石30とアンカー20との定着には別の充填材50を用いる工法が実現可能となる。
本実施形態のアンカーの施工方法及びロープ伏せ工法は、発泡体40が取り除かれた穴32に充填材50を充填する工程を備える。上記の方法によれば、隙間空間31Aに形成された発泡体40によって、充填材50が穴32の外部に漏れ出ることを抑制できる。このため、充填材50によるアンカー20の固定強度を向上できる。さらに、上記の方法によれば、充填材50によってアンカー20の表面を覆うことができ、アンカー20の錆びを抑制できる。
本実施形態のアンカー施工方法は、地面Gにアンカー20の先端部21を打ち込む工程を備える。この構成によれば、地面Gに対する石30のすべりを抑制して、落石を防止できる。詳細には、アンカー20が石30を貫通して地面Gに打ち込まれると、アンカー20によって転石や浮石が直接地面に固定される。このため、アンカー20によって転石や浮石の初期滑動を抑止し、落石の発生を未然に防止できる。
次に、本実施形態のアンカー構造体15の作用効果について説明する。上記のアンカー構造体15によれば、穴32に充填材50を充填してアンカー20を複数の石30に固定する場合において、アンカー20の周りに存在する発泡体40によって、充填材50が穴32の外部に漏れ出ることを抑制できる。したがって、アンカー20の周りに発泡体40が存在しない構成に比して、アンカー20の周りに形成された発泡体40によってアンカー20の固定強度を向上できる。
本実施形態のアンカー構造体15において、アンカー20と石30は、ポリウレタン発泡体40とは異なる充填材50によって固定されている。この構成によれば、アンカー20の周りに存在する発泡体40によって、充填材50が穴32の外部に漏れ出ることを抑制できる。このため、充填材50によるアンカー20の固定強度を向上できる。
本実施形態のアンカー構造体15において、アンカー20の先端部21は、地面Gに打ち込まれている。この構成によれば、地面Gに対する石30のすべりを抑制して、落石を防止できる。詳細には、アンカー20が石30を貫通して地面Gに打ち込まれると、アンカー20によって転石や浮石が直接地面に固定される。このため、アンカー20によって転石や浮石の初期滑動を抑止し、落石の発生を未然に防止できる。
<実施形態2>
次に、本開示の実施形態2のアンカー施工方法によって得られるアンカー構造体115について、図8を参照して説明する。アンカー構造体115は、略水平な地面Gに存在する単一の石130を備える点が第1実施形態と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態のアンカー施工方法は、石130にアンカー20を打ち込むアンカー施工方法であって、アンカー20の挿入予定部位Pに、石130を貫通する穴32を開ける工程と、穴32にポリウレタンフォーム原料を注入して、発泡させることで、穴32の内部と、穴32に隣接した外部空間31に発泡体40を形成する工程と、穴32の内部の発泡体40を、アンカー20が挿入可能となるように取り除く工程と、発泡体40が取り除かれた穴32にアンカー20を挿入する工程と、を備えている。
上記の方法によれば、穴32に充填材50を充填してアンカー20を石130に固定する場合において、外部空間31に形成された発泡体40によって、充填材50が穴32の外部に漏れ出ることを抑制できる。したがって、外部空間31に発泡体40が存在しない構成に比して、外部空間31に形成された発泡体40によってアンカー20の固定強度を向上できる。
本実施形態のアンカー構造体115は、石130と、石130を串刺し状態で貫通するアンカー20と、を備えたアンカー構造体であって、アンカー20の周りの少なくとも一部には、ポリウレタン発泡体40が存在している。
上記のアンカー構造体115によれば、穴32に充填材50を充填してアンカー20を石に固定する場合において、アンカー20の周りに存在する発泡体40によって、充填材50が穴32の外部に漏れ出ることを抑制できる。したがって、アンカー20の周りに発泡体40が存在しない構成に比して、アンカー20の周りに形成された発泡体40によってアンカー20の固定強度を向上できる。
<他の実施形態>
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えるべきである。
上記実施形態では、充填材を充填する工程を備えていたが、この工程は任意の工程であり備えなくてもよい。同様に、アンカー構造体において、アンカーと石は、充填材によって固定されていなくてもよい。例えば、穴の内部の発泡体を取り除いて、アンカーの外径より径の小さい穴を開けて、充填材を充填する工程に替えて、発泡体にアンカーを圧入する工程を備えてもよい。すなわち、発泡体を用いて、アンカーと石を固定してもよい。この構成によれば、アンカーの周りに存在する発泡体によってアンカーを締め付けるようにしてアンカーを固定できる。したがって、上記の方法及びアンカー構造体によれば、アンカーの周りに発泡体が存在しない構成に比して、アンカーの周りに存在する発泡体によってアンカーの固定強度を向上できる。
上記実施形態では、地面にアンカーの先端部を打ち込む工程を備えていたが、この工程は任意の工程であり備えなくてもよい。同様に、アンカー構造体において、アンカーの先端部は、地面に打ち込まれていなくてもよい。さらに、複数の石が積み重なっている場合において、穴をあける工程は、少なくとも1つの石を貫通する穴を開けるものであればよい。
アンカーの施工方法は、実施の形態で説明した各工程の間に、別の任意の工程を行ってもよい。
アンカーの施工方法は、ロープ伏せ工法以外にもワイヤロープ掛け工法、グラウンドアンカー工法、防護柵の設置方法等に適用されてもよい。さらに、アンカーの施工方法は、落石対策以外にも、庭石や石灯篭などの転動防止のために用いられてもよい。
ロープ伏せ工法は、格子状に組んだワイヤロープの端部において、石や岩盤にアンカーを打ち込んでいてもよい。
10…ロープネット型落石防止装置
11…ワイヤロープ
12…端部
13…交差部
14…締結具
15,115…アンカー構造体
20…アンカー
21…先端部
30,130…石
31…外部空間
31A…隙間空間(外部空間)
31B…下部空間(外部空間)
32…穴
33…削孔機
40…発泡体
41…穴
42…穴
50…充填材
G…地面
P…挿入予定部位

Claims (8)

  1. 石にアンカーを打ち込むアンカー施工方法であって、
    前記アンカーの挿入予定部位に、前記石を貫通する穴を開ける工程と、
    前記穴にポリウレタンフォーム原料を注入して、発泡させることで、前記穴の内部と、前記穴に隣接した外部空間とに発泡体を形成する工程と、
    前記穴の内部の前記発泡体を、前記アンカーが挿入可能となるように取り除く工程と、
    前記発泡体が取り除かれた前記穴に前記アンカーを挿入する工程と、を備えるアンカー施工方法。
  2. 前記発泡体が取り除かれた前記穴に充填材を充填する工程を備える、請求項1に記載のアンカー施工方法。
  3. 地面に前記アンカーの先端部を打ち込む工程を備える、請求項1又は請求項2に記載のアンカー施工方法。
  4. 格子状に組んだワイヤロープの交差部及び端部の少なくとも一方において、石にアンカーを打ち込むロープ伏せ工法であって、
    前記アンカーの挿入予定部位に、前記石を貫通する穴を開ける工程と、
    前記穴にポリウレタンフォーム原料を注入して、発泡させることで、前記穴の内部と、前記穴に隣接した外部空間の一部とに発泡体を形成する工程と、
    前記穴の内部の前記発泡体を前記アンカーが挿入可能となるように取り除く工程と、
    前記発泡体が取り除かれた前記穴に前記アンカーを挿入する工程と、を備えるロープ伏せ工法。
  5. 前記発泡体が取り除かれた前記穴に充填材を充填する工程を備える、請求項4に記載のロープ伏せ工法。
  6. 石と、前記石を串刺し状態で貫通するアンカーと、を備えたアンカー構造体であって、
    前記アンカーの周りの少なくとも一部には、ポリウレタン発泡体が存在している、アンカー構造体。
  7. 前記アンカーと前記石は、前記ポリウレタン発泡体とは異なる充填材によって固定されている、請求項6に記載のアンカー構造体。
  8. 前記アンカーの先端部は、地面に打ち込まれている、請求項6又は請求項7に記載のアンカー構造体。
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