JP2022111451A - 製品の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】部品のサイズや形状に拘わらず容易に取り扱うことができ、処理効率も向上させることのできる製品の製造方法及び製造装置を実現する。【解決手段】本発明に係る製品の製造方法は、基体に複数の部品要素が実装される製造工程を備える製品の製造方法であって、前記製造工程は、前記複数の部品要素11にエレクトレット12を付加する製造過程と、前記エレクトレット12が付加された前記複数の部品要素11を、電場E中に導入し、前記電場Eを変遷させることによって前記基体20の予定位置に配置させる製造過程と、前記予定位置に配置された前記複数の部品要素11を前記基体20に実装する製造過程と、前記予定位置に配置された前記複数の部品要素11から前記エレクトレット12を除去する製造過程と、を含む。【選択図】 図2
Description
本発明は製品の製造方法及び製造装置に係り、特に、電子製品や電気製品の製造に好適な製造方法及び製造装置に関する。
従来から、電子部品や機械部品などの各種の部品を基板上に配置し、実装することによって回路装置や機械装置を製造することが広く行われている。部品を基板上の所定位置に配置する方法としては、移載ヘッドのピックアンドプレース動作により部品を配置していくことが一般的である。
例えば、特許文献1に記載されているように、ホッパ15からテンプレート27の複数の保持孔27aにチップ部品28を配置し、このテンプレート27上から複数の吸着ノズルを備えた吸着ユニット18によって複数のチップ部品28を吸着保持し、プリント基板21を2次元的に移動させながら、各チップ部品28をプリント基板21上の所定位置にそれぞれ配置していく。
また、上記と同様に複数のチップ部品を基板上に実装する場合には、特許文献2に記載されているように、複数のチップ部品2aを適宜に選択して一旦粘着材5に転写して保持させた上で、基板上に一括して転写する方法が知られている。
上記従来の実装方法では、複数の部品を予め所定箇所に既定の姿勢で配列させておき、この箇所から移載や転写などによって複数の部品を基板上に配置するため、複数の部品を並行して処理することが可能であるという意味では処理効率に寄与することができる。一方、最初の複数の部品を所定箇所に整列状態で配列させる段階と、これを基板上へ移載若しくは転写する段階とが必要になることから、部品を吸着、接着、粘着、把持などの方法で保持する必要がある。しかしながら、近年の技術の変化や進展に伴って、部品のサイズが微細化されたり、種々の異なる部品形状に対応しなければならなくなってきたことから、部品の取り扱いが困難になってきているとともに、処理効率の向上も難しくなってきているという問題がある。
そこで、本発明は上記問題を解決するものであり、その課題は、部品のサイズや形状に拘わらず容易に取り扱うことができ、処理効率も向上させることのできる製品の製造方法及び製造装置を実現することにある。
上記課題を解決するために、本発明の製品の製造方法は、基体に複数の部品要素が実装される製造工程を備える製品の製造方法であって、前記製造工程は、前記複数の部品要素にエレクトレットを付加する製造過程と、前記エレクトレットが付加された前記複数の部品要素を、電場中に導入し、前記電場を変遷させることによって前記基体の予定位置に配置させる製造過程と、前記予定位置に配置された前記複数の部品要素を前記基体に実装する製造過程と、前記予定位置に配置された前記複数の部品要素から前記エレクトレットを除去する製造過程と、を含む。ここで、エレクトレットとは、電場を形成し続けることのできる物質を言う。
本発明によれば、前記エレクトレットが付加された複数の部品要素が電場中に導入され、この電場が変遷することによってクーロン力によって部品要素が移動し、基体の予定位置に配置される。このとき、エレクトレットが付加された部品要素は電場との関係によって生ずるクーロン力により移動されるため、吸着、接着、粘着、把持などの方法で部品要素を保持して移動させる従来技術に比べて、部品要素のサイズや形状に拘わらず、容易に位置を制御することができることから、部品要素の取り扱いを容易化することができ、処理効率を向上させることが可能になる。ここで、前記エレクトレットは、前記部品要素の前記基体に対する実装面以外の表面に付加されることが好ましい。例えば、前記エレクトレットは、前記実装面とは逆側の反対面、若しくは、前記実装面と前記反対面との間の側面に付加されることが望ましい。
本発明において、前記複数の部品要素にエレクトレットを付加する製造過程は、前記複数の部品要素に対して一括して前記エレクトレットを付加する過程であることが好ましい。これによれば、部品要素にエレクトレットを一括して付加することによって、大量の部品要素に対してエレクレットを容易に付加することが可能になる。このとき、前記エレクレットは有機物であることが望ましい。特に、有機物の代表例として合成樹脂がある。これは、合成樹脂などのポリマーの多くは電圧を加えると電荷を貯蔵する性質を持った誘電体であり、部品要素に付加しやすいとともに、エレクトレットとしての安定性を備えるためである。例えば、ポリプロピレン(PP)や、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素樹脂などが挙げられる。また、合成樹脂に延伸処理等を施して内部に微細孔が分散して多孔質化されたものを、帯電安定性と表面電荷密度の良好なエレクトレットとして用いることができる。
この場合において、前記複数の部品要素から前記エレクトレットを除去する製造過程は、前記基体の前記予定位置にそれぞれ存在する前記複数の部品要素から前記エレクトレットを一括処理により除去する過程であることが好ましい。これによれば、複数の部品要素から前記エレクトレットを一括処理により除去することによって、多数の部品要素からエレクトレットを容易かつ確実に除去することができる。ここで、当該過程では、プラズマ処理(プラズマアッシング)により前記エレクトレットを分解除去することが望ましい。プラズマ処理としては大気圧プラズマによる酸化処理を行うことが望ましい。特に、前記エレクトレットが有機物である場合には、プラズマアッシングによる酸化により容易に分解除去することができる。なお、前記基体上の前記複数の部品要素からエレクトレットを除去する製造過程は、前記複数の部品要素を前記基体に実装する製造過程の前後いずれにおいて実施してもよい。
本発明において、前記エレクトレットが付加された前記複数の部品要素を電場中に導入し、前記電場を変遷させることによって前記基体の予定位置に配置させる製造過程は、前記電場の変遷により、前記複数の部品要素を並行して前記予定位置に向けて移動させることが好ましい。また、前記エレクトレットが付加された前記複数の部品要素を電場中に導入し、前記電場を変遷させることによって前記基体の予定位置に配置させる製造過程は、前記部品要素を前記電場中に導入する製造段階と、前記電場を変遷させることによって前記部品要素を前記基体の予定位置に配置させる製造段階とを有することが好ましい。このとき、部品要素の前記電場中への導入を行うための部品導入手段としては、パーツフィーダ、ベルトコンベアなどの各種の搬送装置に限らず、前記部品要素に気圧や液圧などの流体圧を与えることにより導入するもの、前記部品要素のエレクトレットにクーロン力を与えることにより導入するもの、部品要素に磁力を与えることにより導入するもの、前記部品要素に電磁式や火薬式などの各種の駆動機構による機械的応力を与えることにより導入するものなどが挙げられる。さらに、前記複数の部品要素が並行して前記予定位置に向けて移動されるように、前記電場を変遷させることがより望ましい。
次に、本発明の製品の製造装置は、基体に複数の部品要素が実装される製造工程を実施する製品の製造装置であって、エレクトレットが付加された前記複数の部品要素を電場中に導入する部品導入部と、前記部品導入部によって導入された前記エレクトレットが付加された部品要素にクーロン力を与える電場を構成する電場形成部と、前記エレクトレットが付加された部品要素に合わせて前記電場を変遷させることによって、前記エレクトレットが付加された前記複数の部品要素を前記基体の予定位置に配置させるように、前記電場を制御する電場制御部と、前記複数の部品要素を前記基体に実装する処理を行う実装処理部と、を含む。ここで、前記複数の部品要素に前記エレクトレットを付加するエレクトレット化処理部をさらに含むことが好ましい。また、前記基体の前記予定位置に存在する前記複数の部品要素から前記エレクトレットを除去する非エレクトレット化処理部をさらに含むことが好ましい。ここで、前記エレクトレット化処理部では、前記エレクトレットは、前記部品要素の前記基体に対する実装面以外の表面に付加されることが好ましい。例えば、前記エレクトレットは、前記実装面とは逆側の反対面、若しくは、前記実装面と前記反対面との間の側面に付加されることが望ましい。
本発明において、前記エレクトレット化処理部では、前記複数の部品要素が形成された集合体にエレクトレット素材を前記複数の部品要素にわたり付加し、前記エレクトレット素材が付加された前記集合体を分割することによって、前記エレクトレットがそれぞれ付加されてなる前記複数の部品要素が形成されることが好ましい。このとき、前記エレクレットは有機物であることが望ましい。特に、合成樹脂などのポリマーであることが好適であり、例えば、ポリプロピレン(PP)や、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素樹脂などが挙げられる。また、合成樹脂に延伸処理等を施して内部に微細孔が分散して多孔質化されたものであってもよい。
この場合において、前記非エレクトレット化処理部では、前記予定位置にそれぞれ存在する前記複数の部品要素から前記エレクトレットを一括処理により除去することが好ましい。ここで、当該非エレクトレット化処理部では、プラズマ処理(プラズマアッシング)により前記エレクトレットを分解除去することが望ましい。プラズマ処理としては大気圧プラズマによる酸化処理を行うことが望ましい。特に、前記エレクトレットが有機物である場合には、プラズマアッシングによる酸化により容易に分解除去することができる。なお、前記非エレクトレット化処理部による処理は、前記実装処理部による処理の前後いずれにおいて実施してもよい。
本発明において、前記部品導入部は、各種の搬送装置の他に、部品要素に流体圧、クーロン力、磁力、機械的応力などを付与する各種の部品導入手段を用いることができる。また、前記電場制御部は、前記電場形成部において前記複数の部品要素を並行して前記予定位置に向けて移動させるように電場を変遷させることが好ましい。
次に、本発明のウエハは、エレクトレット素材が付加された複数の部品要素が集合した状態で形成されている。これによれば、複数の部品要素に対してエレクトレット素材を一括して付加することで、各部品要素のエレクトレット化を容易かつ効率的に実現できる。ここで、ウエハとしては、特に限定されるものではないが、典型的には、シリコン等の元素半導体やGaAs等の化合物半導体などからなる半導体ウエハが挙げられる。例えば、複数のLEDチップを形成した半導体ウエハが挙げられる。この場合において、前記エレクトレット素材は、接着剤若しくは粘着剤により貼着されていることが好ましい。これにより、エレクトレット素材をウエハに形成されている複数の部品要素に容易かつ確実に付加できる。また、この場合には、前記エレクトレット素材および前記接着剤若しくは粘着剤は合成樹脂で構成されることが望ましい。これにより、複数の部品要素のエレクトレット化を容易かつ低コストで実現できるとともに、各部品要素のエレクトレットを、プラズマ処理等によって容易に分解、除去することができる。エレクトレット素材としては、例えば、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)などのオレフィン系樹脂が好ましく、接着剤若しくは粘着剤としては、例えば、アクリル樹脂やエポキシ樹脂などが好ましい。上記の各構成において、上記エレクトレット素材は、前記部品要素の実装面以外の表面に付加されていることが望ましい。なお、本発明の部品要素は、基体に実装するための部品要素であって、前記基体に対する実装面以外の表面にエレクトレットが付加されることが好ましい。さらに、前記エレクトレットは、前記基体に対する前記実装面の実装を妨げないように、前記実装面の側に突出しないことが望ましい。このような部品要素としては、LEDチップなどのチップ部品やSMDが挙げられる。
この発明によれば、部品のサイズや形状に拘わらず容易に取り扱うことができ、処理効率も向上させることのできる製品の製造方法及び製造装置を実現することができる。
(第1実施形態)
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。最初に、図1乃至図3を参照して、第1実施形態について説明する。ここで、図1(a)-(c)は、本実施形態におけるエレクレット化処理を実施する製造過程および製造装置のエレクトレット化処理部による工程を説明する図である。本実施形態では、図1(a)に示すように、半導体ウエハなどの部品要素の集合体1の表面上に、合成樹脂からなる多孔質体等で構成されるエレクトレット素材2を図示しない接着剤や粘着剤などを介して接着し、図1(b)に示すエレクトレット化された集合体3を形成する。その後、集合体3をダイシングなどによって加工し、図1(c)に示すエレクトレット化された処理部品10に分割する。このエレクトレット化された処理部品10は、上記集合体1に形成されていた、LEDなどのチップ部品やSMD(表面実装型デバイス)などの部品要素11に、エレクトレット素材2の一部であるエレクトレット12が付加されたものである。この処理部品10は、その後の製造過程において各種処理の対象となる部品である。
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。最初に、図1乃至図3を参照して、第1実施形態について説明する。ここで、図1(a)-(c)は、本実施形態におけるエレクレット化処理を実施する製造過程および製造装置のエレクトレット化処理部による工程を説明する図である。本実施形態では、図1(a)に示すように、半導体ウエハなどの部品要素の集合体1の表面上に、合成樹脂からなる多孔質体等で構成されるエレクトレット素材2を図示しない接着剤や粘着剤などを介して接着し、図1(b)に示すエレクトレット化された集合体3を形成する。その後、集合体3をダイシングなどによって加工し、図1(c)に示すエレクトレット化された処理部品10に分割する。このエレクトレット化された処理部品10は、上記集合体1に形成されていた、LEDなどのチップ部品やSMD(表面実装型デバイス)などの部品要素11に、エレクトレット素材2の一部であるエレクトレット12が付加されたものである。この処理部品10は、その後の製造過程において各種処理の対象となる部品である。
エレクトレット素材2やエレクトレット12は、各種の誘電体で構成することが可能であるが、特に、有機物、例えば、絶縁性のポリマーで構成することが好ましい。本実施形態では、ポリプロピレン(PP)を主材料とする合成樹脂を多孔質化した有機物によって構成している。例えば、当該合成樹脂を延伸加工することによって多数の微細孔(ミクロボイド)を内部に形成することができる。図示例では、図1(a)に部分的に示す断面のように、エレクトレット素材2として、分散配置された微細孔21aを備え、上記合成樹脂を縦横延伸加工することによって多孔質化した基材層21と、この基材層21の表裏に表層22,23を積層したものを用いる。表層22,23は、例えば、横方向のみ延伸加工された上記合成樹脂によって構成され、図示のように分散配置された微細孔22a、23aを備えることが好ましい。このようなエレクトレット素材2は、厚みが10μm-1.0mmの範囲内で形成することが好ましく、特に、50-500μmの厚みを有することが望ましい。合成樹脂を多孔質化したエレクトレットは、安定性に優れるとともに、高い電荷保持性能(帯電安定性)を備える。特に、微細孔の分布や孔径が均一化されることによって高い性能が得られる。エレクトレット素材2やエレクトレット12は、コロナ放電などによって電荷が注入されることで、電場を形成しつづける性質を獲得する。なお、図示例とは異なり、エレクトレット素材2やエレクトレット12を単層に構成しても構わない。
なお、本実施形態では、集合体1にエレクトレット素材2を接着しているが、その接着に用いる接着剤や粘着剤も、有機物であることが好ましい。本実施形態では、アクリル系接着剤若しくはアクリル系粘着剤を用いる。また、後述するエレクトレット12の除去を容易化する上で、エレクトレット12とともに、接着剤や粘着剤も、水素、酸素、炭素、窒素の元素のみからなる接着材料若しくは粘着材料で構成されることが好ましい。ここで、完成したエレクトレット素材2の貼着ではなく、未硬化のエレクトレット素材をスピンコーティングや塗布などによってコーティングし、硬化させることによって積層するようにしてもよい。さらに、上記の説明では、半導体ウエハなどの部品要素(電子部品、SMD、チップ部品など)の集合体1に対して一括してエレクトレット素材2を付加しているが、半導体ウエハのような原始的に部品要素が集合している物以外でも、ばらばらの複数の部品要素をまとめて集合体としたうえで、一括して同様に処理してもよい。ただし、個々の部品要素11に個別にエレクトレット12を付加するようにしても構わない。本実施形態の上述の部品要素11のエレクトレット化処理プロセスは、多数の部品要素11を確実かつ効率的にエレクトレット化できるという利点を有する。
本実施形態の製造装置においては、図1に模式的に示す上記製造過程(図7のEL化処理プロセス102参照)を実施可能なエレクトレット化処理部を設けることができる。このエレクトレット化処理部は、上記エレクトレット素材2を貼着する貼着機構若しくはコーティング装置や、コロナ放電処理を行う電荷注入ユニット、基板分割装置(ダイシング装置)などを含む製造ラインで構成できる。ただし、予めエレクトレット化された処理部品10を用意しておくか、或いは、処理部品10にコロナ放電処理などによって電荷を注入してから、処理部品10を後述する各装置部(図8参照)によって処理するように構成してもよい。
次に、図2を参照して、上記エレクトレット化された処理部品10を基体20に実装するために、処理部品10を電場E中に導入し、この電場Eを空間的と時間的のいずれか少なくとも一方に変遷させることによって、処理部品10にクーロン力を作用させ、基体20の予定位置に配置する製造過程、並びに、この製造過程を実施するための部品導入部30及び電場形成部40について説明する。本実施形態では、基体20は回路基板(実装基板)であり、基体20に部品要素11を実装した実装品20′が電子回路や電子製品、電気製品を構成する例を説明するが、本発明の製品はこのようなものに限定されない。基体20は、基板21と、この基板21上に形成された導電性の実装電極(接続パッド)22と、実装電極22以外の表面に形成された絶縁体23とを有する。この実施形態では、基体20の表面は、上記実装電極22及び絶縁体23によって平滑に構成されることが好ましい。
部品導入部30では、パーツフィーダやベルトコンベア等の搬送機構からなり、処理部品10を搬送する搬入部30Aと、この搬入部30Aから処理部品10が搬入される導入部30Bとを有する。導入部30Bは、複数の処理部品10を電場形成部40によって形成される電場E中に導入する。図示例では、導入部30Bは、処理部品10を一つずつ電場形成部40の受入部40Aに向けて出射するカタパルト構造及び機能を備える。例えば、導入部30Bは、処理部品10を電場形成部40に向けて移動させるために、処理部品10に対して、エアなどの気体や液体の流体圧を及ぼしたり、ばねなどの弾性を利用した弾性駆動機構や電磁駆動体や流体圧駆動機構等による機械的応力を及ぼしたりすることで、導入部30B内から受入部41内に移動させる。もっとも、図示例とは異なり、複数の処理部品10を一括して導入するように構成されたものであってもよい。
電場形成部40は、電場形成基板13に設けた駆動電極13a、13bに駆動電位を供給することによって、電場形成基板13と基体20との間に電場Eを形成する。電場形成基板13は、受入部40Aに設けられた複数の駆動電極13aを備える基板領域13Aと、配置部40Bに設けられた複数の駆動電極13bを備える基板領域13Bとを有する。ここで、受入部40Aでは、部品導入部30の導入部30Bから導入された処理部品10を支持部14上に受け入れて、基板領域13Aに配列された複数の駆動電極13aによって形成された電場E1によって処理部品10を受け止め、支持部14上において仮に位置決めする。図示例の場合、基体20の基板21の面に沿った第1方向Yに沿って複数の処理部品10が導入されるので、受入部40Aにおいて、複数の処理部品10を第1方向Yに沿って配列するように位置決めする。このとき、導入部30Bから処理部品10が導入される空間を挟んで、上記の基板領域13Aと対面する位置に、上記支持部14の表面に形成した対向電極層14aを配置し、処理部品10(エレクトレット12)と対向電極層14aとの間に斥力が生ずるようにして、処理部品10に加わる重力との相殺若しくは減殺により移動抵抗(摩擦)を軽減し、受入部40A内における処理部品10の第1方向Yへの移動を容易化することが好ましい。なお、上記対向電極層14aは、支持部14の表面に露出している必要はなく、上記斥力が処理部品10に及ぼされるように構成されていればよい。例えば、対向電極層14aが誘電体により被覆されていてもよい。
次に、基板領域13Bに配列された複数の駆動電極13bによって形成された電場E2によって処理部品10に与えられるクーロン力により、上述のように受入部40Aにおいて受け止め、仮に位置決めされた処理部品10をそれぞれ基体20上に移動させる。このとき、後述する電場制御部104Gにより電場E2が空間的と時間的のいずれか少なくとも一方に変遷することにより、配置部40Bに配置された基体20に予め設定された部品要素11の予定位置(図示例では上記実装電極22が配置された位置)に、処理部品10が位置決めされ、配置される。図示例では、第1方向Yに沿って配列された複数の処理部品10のそれぞれが第1方向Yと交差(図示例では直交)する第2方向Xに沿って移動し、対応する実装電極22上に位置決めされる。図示例では、第1方向Yに配列された処理部品10の列がそれぞれ第2方向Xに一括して移動し、対応する予定位置にそれぞれ配置されるように描いているが、第1方向Yに沿って導入された各処理部品10がその導入された順番で順次に第2方向Xに移動して対応する予定位置に到達するようにしても構わない。
上記電場形成基板13に設けられた駆動電極13a,13bは、図示例では、第2方向X及び第1方向Yにマトリクス状に配列される。ここで、複数の駆動電極13a,13bによって形成される電場E(E1,E2)中においてエレクトレット12が担持する電荷が受けるクーロン力によって、処理部品10を移動させる。このとき、電場Eを空間的及び時間的に変遷させることによって、処理部品10を移動させ、位置決めすることにより、処理部品10を安定した状態で移動させ、正確に位置決めすることができる。例えば、各処理部品10(エレクトレット12)を確実に保持しつつ移動させ、位置決めするために、各処理部品10(エレクトレット12)を対応する各ポテンシャル井戸内に捕獲した状態で、各ポテンシャル井戸を移動させたり、位置決めしたりすることにより、正確かつ確実に処理部品10を予定位置に配置できる。なお、搬送方向に配列された複数の電極の電位(例えば、4つの電極電位)の正負を順次に周期的に切り替えることによって、複数の電極から受けるクーロン力の合計により処理部品10を移動させる静電アクチュエータとして機能させるようにしてもよい。また、電場Eを空間的と時間的の双方に変遷させることは、移動後に上記予定位置で保持することを可能にするとともに、複数の処理部品10を同時に並行して移動させることをも可能にし、これによって複数の処理部品10を効率的に基体20上の予定位置に配置できる。
また、前記部品導入部30は、前記複数の部品要素11を第1方向Yに沿って前記電場E中に導入し、前記電場形成部40及び前記電場制御部104Gは、前記電場E中に導入された前記複数の部品要素11を前記第1方向Yと交差する第2方向Xに沿って移動させることにより、電場Eの制御の複雑化や処理部品10の不安定性を回避しつつ、多数の処理部品10を効率的に導入し、予定位置にそれぞれ正確に配置することができる。
本実施形態では、処理部品10は、受入部40Aにおける支持部14の表面上から配置部40Bにおける基体20の表面上へと移動する。このとき、前述のように、支持部14に上記の対向電極層14aを設け、この対向電極層に、処理部品10のエレクトレット12との間に斥力が生ずるような電位を与えることにより、処理部品10と支持部14との間の摩擦力を減殺若しくは相殺し、処理部品10の移動を容易化することができる。また、これと同じ意味で、基体20の表面上においても処理部品10に同様の斥力が及ぼされるように、基体20に設けられた実装電極22やその他の電極部に適切な電位を与えるようにしてもよい。なお、基体20の表面、すなわち、実装電極22及び絶縁体23、が平坦な面を構成することも、処理部品10の移動を円滑にする上で好ましい。
電場形成部40において静電ポテンシャル分布を形成するための電場形成基板13は、図示例では、上記配置部40B内に設置された基体(実装基板)20に対面するように配置される。ただし、本発明では、静電ポテンシャル分布形成手段の電場形成基板13に相当する部分は、基体20に対面する位置に設置されるものに限定されず、結果として、基体20の表面の上方若しくは下方において、配置要素である処理部品10に静電力を与えることができるような静電ポテンシャル分布を形成できるものであればよい。電場形成基板13の基体20の側にある面(図示下面)上には、配置部40B内に静電ポテンシャル分布を形成するための複数の駆動電極13bが平面的に配列される。図示例の場合、複数の駆動電極13a,13bは、縦横にマトリクス状に配列されている。ここで、電場制御部104Gの制御下で、駆動部104GAと104GBは、それぞれ、駆動電極13aと13bに駆動電位を供給する。このように、基板領域13Aにおいて複数の駆動電極13aによって形成される電場E1と、基板領域13Bにおいて複数の駆動電極13bによって形成される電場E2とを別々に駆動し、その結果、それぞれの領域において最適なタイミングで最適な電場を容易に形成可能としている。また、図2(b)に点線で示すように、基体20の複数の実装電極22を駆動部103GCにより駆動し、上記電場E(E1,E2)とは別の電場(静電ポテンシャル分布)を形成し、これにより、単独で、或いは、上記電場Eとともに、処理部品10にクーロン力を与えるように構成してもよい。
電場形成基板13の等価回路は図14に模式的に示される。各駆動電極13a,13bはそれぞれトランジスタなどのスイッチング素子13tに接続され、このスイッチング素子13tは、複数平行に形成されたゲート線G1、G2、・・・のいずれかと、複数平行に形成されたデータ線D1、D2、・・・のいずれかとに接続される。ゲート線G1、G2、・・・の電位の高低に応じてスイッチング素子13tがオン・オフし、スイッチング素子13tがオンとなることにより、データ線D1、D2、・・・の電位が対応する位置(ゲート線とデータ線の交差部)にある駆動電極13a,13bに供給される。したがって、ゲート線G1、G2、・・・の電位とデータ線D1、D2、・・・の電位とを各線ごとに適宜に設定することにより、ゲート線とデータ線の交差部にある各駆動電極13a,13bの電位を個々に制御することができる。また、各線の電位は所定のクロック等に従って切り替えることにより、各駆動電極13a,13bの電位を時間的に変化させ、静電ポテンシャル分布を変遷させていくことができる。例えば、図示例の電場形成基板13は、アクティブマトリクス駆動方式により、空間的及び時間的に高速に任意に変化する静電ポテンシャル分布を形成できる。この電場形成基板13は、後述する電場制御部104Gにより制御され、上記ゲート線G1、G2、・・・と上記データ線D1、D2、・・・に接続されたアクティブマトリクス駆動回路などを構成する上記駆動部104GA,104GB等により駆動される。
上記電場形成基板13の基板領域13Bは、基本的には、基体20の平面範囲に対応して配置部40Bに形成されていればよい。ただし、図示例の場合、電場形成基板13は、上記基板領域13Bから、上記配置部40Bに隣接する導入部40A内の基板領域13Aにも広がるように構成される。これにより、電場形成基板13の一部である基板領域13Aは、上記導入部30Bから導入された受入部40Aに配置された処理部品10にも静電ポテンシャル分布の一部を及ぼすことが可能になる。これにより、静電ポテンシャル分布により、導入部30Bから導入された処理部品10を受け止め、配置部40B内に静電力で引き込むことができる。また、配置部40B内に移動させる前に、受入部40A内で保持したり、位置決めしたりすることができるので、他の処理部品10とともに整列させるなど、複数の処理部品10を並行して移動、位置決めさせることが容易になる。
上述の電場形成基板13により生成される電場Eの変遷により、図3(a)に示すように、処理部品10は、基体20上の予定位置である各実装電極22に対応する位置に配置される。複数の処理部品10が全て基体20上の予定位置に配置されると、図3(b)に示すように、プラズマ処理装置等の除去装置50により、各処理部品10のエレクトレット12、及び、存在する場合には、エレクトレット12を部品要素11に付着させている接着剤や粘着剤は、分解され、除去される。例えば、除去装置50から処理部品10の表面部にプラズマが照射されることにより、エレクトレット12及び存在する場合には接着剤や粘着剤が酸化され、図3(c)に示すように、二酸化炭素や水蒸気などのガスとなって除去される。これによって、部品要素11のみが基体20の予定位置に残留することとなる。なお、大気圧プラズマなどのプラズマ処理によってエレクトレット12や接着剤、粘着剤を分解し、除去するためには、エレクトレット12や接着剤、粘着剤を有機物で構成することが好ましい。例えば、ポリプロピレン(PP)などの合成樹脂や、アクリル系接着剤などの有機系接着剤や粘着剤を用いることが望ましい。
その後、図3(d)に示すように、基体20は実装炉などの実装装置60によって熱処理等の各種処理を施されることで、複数の部品要素11が実装電極22に接合され、導電接続される。これにより、実装体20′が完成する。部品要素11の実装方法は特に限定されないが、例えば、ペースト半田(クリーム半田)や異方性導電膜(ACF)などの導電性接合材を介した導電接続や、介在物のない直接の熱接合や振動接合などの各種の実装方法を用いることができる。なお、導電性接合材を用いる場合には、部品要素11の実装電極22に対する実装面(後述する11c)に予め導電性接合材を塗布しておくか、或いは、基体20の実装電極22の表面(被実装面)に予め導電性接合材でもある接着剤や粘着剤を塗布しておくことが好ましい。
(第2実施形態)
次に、図4を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、図4に示すように、第1実施形態の電場形成基板13と実質的に同等の構造を有する電場形成基板13′を電場形成部40′の下部に配置している。この電場形成基板13′には第1実施形態と同様の駆動電極13a′,13b′が設けられている。ただし、電場形成基板13′の表面には誘電体層13c′を設け、当該表面を平坦に形成することが、処理部品10を円滑に移動させる上で好ましい。また、この電場形成基板13′の上方には、第1実施形態の支持部14と実質的に同等の構造を有する被覆部14′及び基体20が配置されている。なお、基体20は基本的に第1実施形態と同一であり、基板21、実装電極22、絶縁体23を備える。ここで、駆動電極13a,13bは、第1実施形態とは異なり、エレクトレット12を遠ざけるクーロン力を生ずる電位に設定されることが、配置部40A′内の処理部品10の移動を容易化するうえで好ましい。また、被覆部14′に設けた電極14a′は、第1実施形態とは異なり、エレクトレット12を引き付けるクーロン力を生ずる電位に設定されることが、受入部40A′内及び受入部40A′から配置部40B′への処理部品10の移動を容易化するために、好ましい。
次に、図4を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、図4に示すように、第1実施形態の電場形成基板13と実質的に同等の構造を有する電場形成基板13′を電場形成部40′の下部に配置している。この電場形成基板13′には第1実施形態と同様の駆動電極13a′,13b′が設けられている。ただし、電場形成基板13′の表面には誘電体層13c′を設け、当該表面を平坦に形成することが、処理部品10を円滑に移動させる上で好ましい。また、この電場形成基板13′の上方には、第1実施形態の支持部14と実質的に同等の構造を有する被覆部14′及び基体20が配置されている。なお、基体20は基本的に第1実施形態と同一であり、基板21、実装電極22、絶縁体23を備える。ここで、駆動電極13a,13bは、第1実施形態とは異なり、エレクトレット12を遠ざけるクーロン力を生ずる電位に設定されることが、配置部40A′内の処理部品10の移動を容易化するうえで好ましい。また、被覆部14′に設けた電極14a′は、第1実施形態とは異なり、エレクトレット12を引き付けるクーロン力を生ずる電位に設定されることが、受入部40A′内及び受入部40A′から配置部40B′への処理部品10の移動を容易化するために、好ましい。
本実施形態においても、図4(a)に示すように、部品導入部30の搬入部30Aから導入部30Bに搬入された複数の処理部品10は、第1実施形態と同様に、電場形成部40′の受入部40A′に受入れられる。そして、第1実施形態と同様に、受入部40A′内の処理部品10は、図4(b)に示すように、電場形成基板13′により形成される電場Eの変遷によって、配置部40B′の基体20の下方においてそれぞれ対応する予定位置に移動され、その後、図4(c)に示すように、全ての処理部品10が各予定位置に配置される。なお、本実施形態では、処理部品10は、エレクトレット12が部品要素11の図示下方に配置される姿勢で、電場形成部40′内に導入される。これにより、第1実施形態と同様に、部品要素11の基体20に対する実装面がエレクトレット12に覆われることなく、また、エレクトレット12が部品要素11に覆われることもなくなる。なお、導電性接合材、接着剤や粘着剤16を処理部品10の上面に付加しておけば、図4(d)に示すときに、部品要素11を基体20上に実装することも可能になる。
その後、図4(d)に示すように、電場形成基板13′と基体20との間隔を低減させることにより、各処理部品10が基体20に対してその下方に接触した状態とされ、これにより、処理部品10が基体20上に配置された状態になる。このように、本発明において部品要素11が基体20上に配置されるとは、部品要素11と基体20の間の上下関係とは無関係であり、第1実施形態と本実施形態のように上下関係が逆になっていてもよい。また、部品要素11と基体20の間の位置関係は、上下位置の関係に限らず、部品要素11と基体20が互いに側方に配置されていても構わない。
なお、第2実施形態では、図4(a)-(d)に示す製造過程以外については、第1実施形態と同様に構成してもよく、或いは、後述する第3実施形態や第4実施形態と同様に構成しても構わない。なお、第1実施形態や第3実施形態と同様にエレクトレット12の除去処理及び部品要素11の実装処理を行う場合には、図4(d)に示す状態で、電場形成基板13′と基体20を上下逆様にし、その後、上記各処理を実施すればよい。
(第3実施形態)
次に、図5を参照して、第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、図5(a)に示すように、複数の処理部品10を基体20上に配置した後、図5(b)に示すように、第1実施形態と同様の実装装置60による実装処理を行い、その後に、第1実施形態と同様の除去装置50により、エレクトレット12及び存在する場合には接着剤や粘着剤を除去する。なお、この第3実施形態では、部品要素11の実装段階やエレクトレット12の除去段階以外の製造過程については、他の実施形態と同様に行うことができる。
次に、図5を参照して、第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、図5(a)に示すように、複数の処理部品10を基体20上に配置した後、図5(b)に示すように、第1実施形態と同様の実装装置60による実装処理を行い、その後に、第1実施形態と同様の除去装置50により、エレクトレット12及び存在する場合には接着剤や粘着剤を除去する。なお、この第3実施形態では、部品要素11の実装段階やエレクトレット12の除去段階以外の製造過程については、他の実施形態と同様に行うことができる。
(第4実施形態)
次に、図6を参照して、第4実施形態について説明する。この第4実施形態では、第2実施形態のように、基体20の下方に配置された処理部品10が、そのままの姿勢で、実装装置60′により実装処理を実施し、この実装処理後に、除去装置50′によりエレクトレット12及び存在する場合には接着剤や粘着剤を除去する。なお、この実施形態において、実装処理が完了した基体20を上下逆様にすることによって、第1実施形態や第3実施形態のように除去装置50により除去処理を実施しても構わない。
次に、図6を参照して、第4実施形態について説明する。この第4実施形態では、第2実施形態のように、基体20の下方に配置された処理部品10が、そのままの姿勢で、実装装置60′により実装処理を実施し、この実装処理後に、除去装置50′によりエレクトレット12及び存在する場合には接着剤や粘着剤を除去する。なお、この実施形態において、実装処理が完了した基体20を上下逆様にすることによって、第1実施形態や第3実施形態のように除去装置50により除去処理を実施しても構わない。
(製造方法の制御態様)
次に、図7を参照して、上記各実施形態の製造方法における製造工程の制御態様について説明する。
図7に示すように、上記各実施形態では、制御系101の制御下において、部品要素11(或いは集合体1)をEL(エレクトレット)化処理プロセス102に導入し、前述のような処理過程により、処理部品10を形成する。処理部品10は、上述の部品導入部30などが設けられた部品導入プロセス103に搬入され、上述の電場形成部40などを用いる電場移送プロセス104に供給される。電場移送プロセス104においては、別途供給される基体20上に複数の処理部品10が配置される。その後、複数の処理部品10が配置された基体20は非EL(エレクトレット)化処理プロセス105や実装処理プロセス106を経て、実装体20′となる。
なお、上記制御系101では、EL化処理プロセス102や非EL処理プロセス105を省略して実施するようにしてもよい。特に、EL化処理プロセス102は別の制御系の制御下で、或いは、人手が介入したプロセスにより、エレクトレット化された処理部品10が製造されてもよい。また、非EL化処理プロセス105と実装処理プロセス106はいずれを先に実施してもよい。
次に、図7を参照して、上記各実施形態の製造方法における製造工程の制御態様について説明する。
図7に示すように、上記各実施形態では、制御系101の制御下において、部品要素11(或いは集合体1)をEL(エレクトレット)化処理プロセス102に導入し、前述のような処理過程により、処理部品10を形成する。処理部品10は、上述の部品導入部30などが設けられた部品導入プロセス103に搬入され、上述の電場形成部40などを用いる電場移送プロセス104に供給される。電場移送プロセス104においては、別途供給される基体20上に複数の処理部品10が配置される。その後、複数の処理部品10が配置された基体20は非EL(エレクトレット)化処理プロセス105や実装処理プロセス106を経て、実装体20′となる。
なお、上記制御系101では、EL化処理プロセス102や非EL処理プロセス105を省略して実施するようにしてもよい。特に、EL化処理プロセス102は別の制御系の制御下で、或いは、人手が介入したプロセスにより、エレクトレット化された処理部品10が製造されてもよい。また、非EL化処理プロセス105と実装処理プロセス106はいずれを先に実施してもよい。
(製造装置の制御部)
次に、図8を参照して、上記各実施形態に用いる製造装置の制御部について説明する。この制御部は、全体としては、図7に示す制御系101と同等の機能を有する。この制御部は、全体を統括する統括制御部101Gと、この統括制御部101Gの制御下において、図7に示す部品導入プロセス103に対応する制御を行う導入制御部103Gと、図7に示す電場移送プロセス104に対応する制御を行う移送制御部104Gとを有する。また、統括制御部101Gの制御下において、図7に示す実装処理プロセス106に対応する制御を行う実装制御部106Gを有する。さらに、統括制御部101Gの制御下において、図7に示す非LE処理プロセスに対応する制御を行う除去制御部105Gとを有する。
次に、図8を参照して、上記各実施形態に用いる製造装置の制御部について説明する。この制御部は、全体としては、図7に示す制御系101と同等の機能を有する。この制御部は、全体を統括する統括制御部101Gと、この統括制御部101Gの制御下において、図7に示す部品導入プロセス103に対応する制御を行う導入制御部103Gと、図7に示す電場移送プロセス104に対応する制御を行う移送制御部104Gとを有する。また、統括制御部101Gの制御下において、図7に示す実装処理プロセス106に対応する制御を行う実装制御部106Gを有する。さらに、統括制御部101Gの制御下において、図7に示す非LE処理プロセスに対応する制御を行う除去制御部105Gとを有する。
上記導入制御部103Gは、例えば、前述の部品導入部30の搬入部30Aと導入部30Bを制御し、処理部品10を、電場形成部40における移送状態に整合した態様で、受入部40Aに向けて導入する。また、上記移送制御部104Gは、例えば、前述の電場形成部40の受入部40Aと配置部40Bにおいて、図2に示す駆動部104GA,104GBを介して駆動電極13a,13bの電位を調整することにより、部品導入部30からの処理部品10の導入態様に合わせて、処理部品10の移送状態を制御する。さらに、上記実装制御部106Gは、例えば、基体20の搬送を行う搬送機構(搬送部)の制御や、基体20の実装を行う実装装置60(実装部)の制御などを行う。また、上記除去制御部105Gは、例えば、基体20の搬送を行う搬送機構(搬送部)の制御や、基体20に対するエレクトレットや接着剤、粘着剤の除去を行う除去装置50(除去部)の制御を行う。
(処理部品の構成例)
図9は、上記処理部品10がエレクトレット12を備える場合のより具体的な態様を示す断面図(a)~(c)である。エレクトレット(帯電部)12は、上記電場形成基板13により形成された電場E(静電ポテンシャル分布)からクーロン力(静電力)を受けることができるように、コロナ放電などの帯電処理を施すことにより、帯電した状態とされる。エレクトレット12の例としては、電荷を保持できる材料、例えば、絶縁樹脂をコーティングすることによって形成することができる。特に、前述のような合成樹脂などの有機物でエレクトレット12を構成することにより、分解などの方法で除去することが容易になる。また、予め帯電したエレクトレット12を設けた場合には、強制帯電を行う必要がなくなる。上記第1実施形態のように、電場形成基板13が基体20の上方に配置される場合には、図9(a)に示すように、エレクトレット12が電場Eからクーロン力をより強く受けるように、電場形成基板13の側(図示上方)に設けることが好ましい。この場合のエレクトレット12の形成位置は、部品要素11が基体20上における最終的な配置姿勢に制限がある場合には、当該配置姿勢においてクーロン力を受けやすい箇所に設けられる。なお、この配置姿勢を維持することができるように、斥力を受けたときの処理部品10の姿勢も考慮する必要がある。
図9は、上記処理部品10がエレクトレット12を備える場合のより具体的な態様を示す断面図(a)~(c)である。エレクトレット(帯電部)12は、上記電場形成基板13により形成された電場E(静電ポテンシャル分布)からクーロン力(静電力)を受けることができるように、コロナ放電などの帯電処理を施すことにより、帯電した状態とされる。エレクトレット12の例としては、電荷を保持できる材料、例えば、絶縁樹脂をコーティングすることによって形成することができる。特に、前述のような合成樹脂などの有機物でエレクトレット12を構成することにより、分解などの方法で除去することが容易になる。また、予め帯電したエレクトレット12を設けた場合には、強制帯電を行う必要がなくなる。上記第1実施形態のように、電場形成基板13が基体20の上方に配置される場合には、図9(a)に示すように、エレクトレット12が電場Eからクーロン力をより強く受けるように、電場形成基板13の側(図示上方)に設けることが好ましい。この場合のエレクトレット12の形成位置は、部品要素11が基体20上における最終的な配置姿勢に制限がある場合には、当該配置姿勢においてクーロン力を受けやすい箇所に設けられる。なお、この配置姿勢を維持することができるように、斥力を受けたときの処理部品10の姿勢も考慮する必要がある。
図9(a)には、配置姿勢が定まっている例として、部品要素11の左右端にそれぞれ電極部11a,11bが設けられ、各電極部11a,11bが基体20上の一対の導電パッド22a、22bにそれぞれ接合される場合を示す。このとき、処理部品10の基体20に対する実装面11cは、図示底面である。この場合、エレクトレット12は、上記の実装面11c以外の表面、図示例では上面、に付加される。これによって、処理部品10が基体20の予定位置に配置されたとき、実装面11cがエレクトレット12に覆われることがないので、支障なく実装処理を行うことができる。また、処理部品10が予定位置に配置された状態、或いは、処理部品10が基体20に実装された状態で、エレクトレット12が部品要素11に覆われることもないから、エレクトレット12を除去する処理を容易に行うことができる。なお、実装面11c以外の表面としては、上面に限らず、例えば、側面であってもよい。
また、図9(b)に示すように、エレクトレット12′は、処理部品10が効率的にクーロン力を受けることができる十分な大きさを備えることが好ましい。図示例の場合、エレクトレット12′は、部品要素11よりも大きな平面寸法若しくは体積を有し、これによってクーロン力を受ける面積や帯電量を増大させることができる。また、エレクトレット12′は、前述のように斥力や引力としてクーロン力を受ける場合とは異なり、図示しない水などの液体から受ける浮力によって浮上することで、移動が容易化される場合には、液体よりも小さな比重を有する物質とする必要がある。この場合、上記浮力を増大させるために、上記のように或る程度の大きさが必要とされる。このようにエレクトレット12′が浮力を受けるように構成されている場合には、エレクトレット12′は、その大きさによって処理部品10の姿勢安定性を高める作用をも奏する。なお、図示例のエレクトレット12′が図示左右に長い形状を備えた例を示すものとすれば、電場E(静電ポテンシャル分布)により、エレクトレット12′の長手形状を所定の方向に合わせ易くなるなど、処理部品10の姿勢を制御することが容易になる。なお、この例でも、実装面11cとエレクトレット12′の関係は前述と同様である。
さらに、図9(c)に示すように、エレクトレット12″は、処理部品10において部品要素11の両側に取り付けられる。これらの付加された複数のエレクトレット12″は、クーロン力をより広い範囲で受けることができ、また、帯電量の増大によるクーロン力の増大をもたらす。さらには、浮力などをも受ける場合には、大きなエレクトレット12′は処理部品10の姿勢安定性をさらに高める作用をも果たす場合がある。その上、クーロン力を複数個所(両端の2箇所)で受けることができることにより、電場E(静電ポテンシャル分布)により、処理部品10の姿勢を制御することが可能になる。なお、この例では、部品要素11の側面にエレクトレット12″が付加されるが、当該側面は、前述のように、実装面11c以外の表面である。ここで、エレクトレット12″は、実装面11cが基材20に接するように実装する際の妨げ(支障)にならないように構成され、図示例では、実装面11c側には突出しないように構成される。
図10は、上記部品要素11に、上記エレクトレット12以外の付加部分15を設けた場合の態様を示す断面図(a)~(c)である。図10(a)の付加部分15や図10(b)の付加部分15′は、磁化(磁気量、磁荷)を有し、これによって、磁界中に配置されることで、磁力を受けやすくなるように構成される。このようにすると、付加部分15、15′を設けることによって、処理部品10の特性とは別に、磁界による吸引力や反発力に基づいて浮上力を受けるように構成できる。図10(a)の付加部分15は、図示上方に磁界発生源があって磁気吸引力Maを受ける場合に対応する構成を示し、図10(b)の付加部分15′は、図示下方に磁界発生源があって磁気反発力Mbを受ける場合に対応する構成を示す。なお、これらの付加部分15、15′は、前述のエレクトレット12と同様の機能を備えるものであればエレクトレット12を兼ねていてもよい。さらには、付加部分15,15′は、エレクトレット12とは別に設けられていてもよい。なお、これらの付加部分15、15′も、実装面11c以外の表面に設けられることが好ましい。
図10(c)の付加部分16は、最終的な配置において基体20の表面に対する接着層、粘着層を構成する場合を示す。特に、実装電極22に対する導電接続状態を得ようとする場合には、付加部分16を異方性導電膜で構成すれば、複数の電極部の間の絶縁を確保できる。また、通常の導電性接着層を形成する場合には、図10(b)の付加部分15′と同様に、各電極部ごとに付加部分16を設ければよい。さらに、これらの付加部分16は、前述の磁気的作用を有するものであってもよく、或いは、上記エレクトレット12の機能を有するものであってもよい。なお、導電接続機能を必要としない実装態様によっては、付加部分16を上記のような導電性接合材ではなく、単なる接着剤や粘着剤で構成してもよい。
電場形成基板13が基体20の表面に沿った空間(第1実施形態の場合は上方空間、第2実施形態では下方空間)に形成する電場E(静電ポテンシャル分布)は、本実施形態では、処理部品10を個別に保持可能で、しかも、処理部品10を個別に移動可能とするものである。これにより、個々の処理部品10を正確に位置決めすることができるので、最終的に基体20の表面上(実装電極22上)に正確かつ確実に配置できる。また、多数の処理部品10を効率的に基体20上に配置できる。このような電場E,すなわち静電ポテンシャル分布を形成するために、電場形成基板13の電極(実装電極22)は、処理部品10の最も長い平面寸法よりも小さな周期で配列されることが好ましい。また、電極(実装電極22)は、処理部品10の最も短い平面寸法以下の配列周期を備えることがさらに望ましい。これは、それぞれ一つの処理部品10を保持し、しかも、平面方向に共に移動することができるサイズのポテンシャル井戸を処理部品10の予定位置の配列周期で形成可能とするためである。
図11(a)~(e)は、前述の製造方法における電場Eの空間的変遷を示す静電ポテンシャル分布145の形状と、その時間的変遷の態様とを示す。この場合、処理部品10の正電荷を静電吸引力により引き付ける負の電位と、処理部品10の正電荷を静電反発力により反発させる正の電位とを有する静電ポテンシャル分布145が形成され、受入部40Aから処理部品10が少しずつ配置部40B内に引き出されていく。このとき、静電ポテンシャル分布145は、各処理部品10をそれぞれ保持することのできるポテンシャル井戸145a、145b、・・・、145eを含む。各ポテンシャル井戸145a、145b、・・・、145eは、それぞれ処理部品10(P1~P5)のいずれかを内部に保持した状態で配置部40B内において移動していき、これにより、各処理部品10(P1~P5)を移動させる。この静電ポテンシャル分布145の変遷態様では、複数の処理部品10を並行して移動させていき、最終的に全ての処理部品10(P1~P5)をそれぞれの平面位置に位置決めした状態とする。このようにすると、複数の処理部品10を短時間に移動させ、位置決めすることができる。
図12は、前述の製造方法に用いることができる別の静電ポテンシャル分布146の形状と、その変遷態様とを示す。この例では、受入部40Aから処理部品10の一つである部品P1を上記ポテンシャル井戸146aに保持しながら移動させていき、所定の平面位置に位置決めし、その後、次の部品P2をポテンシャル井戸146bによって移動、位置決めするようにしていく。このようにすると、各処理部品10(P1~P4)を個別に移動させていくので時間はかかるものの、各処理部品10の位置決めを並行して行うことができる点は同様であり、複数の処理部品10を確実かつ高精度に位置決めすることができる。なお、図11と図12に示す静電ポテンシャル分布145,146は、処理部品10が正に帯電している場合の例であり、処理部品10が負に帯電している場合には、正の電位と負の電位を反転させた静電ポテンシャル分布を用いることができる。ここで、上記エレクトレット12,12′,12″や処理部品10自体の素材として、正に帯電しやすいものとしては、ガラス、石英、雲母、毛髪、ナイロンなどがあり、負に帯電しやすいものとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、塩化ビニール、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタンなどがあるので、特性に合わせて帯電させればよい。特に、各実施形態では、エレクトレット化される素材として、前述のように、有機物、特に、合成樹脂を用いることが好ましい。
図13は、上記とは別の第5実施形態に係る製造装置200の構造を示すための模式的な断面図である。この実施形態でも、図示を省略した部品導入部230から導入された処理部品10が電場形成部240において電場Eの変遷により移動する。ここで、この実施形態では、電場形成部240が処理槽201内に形成され、この処理槽201に対して基体20を装着した支持部材202が取り付けられる。電場形成部240では、処理槽201の内部に駆動電極213a,213bが平面的に配列されてなる電場形成基板213が設置されている。また、処理槽201の上部開口には電場形成基板213と対向する支持部材202が取り付けられ、この支持部材202の内面202a上に基体(実装基板)20が実装電極(接続パッド)22を備えた表面を電場形成基板213に対面させる向きに取り付けられている。このとき、処理槽201内に入れられた液体203の浮力により浮上した状態で処理部品10が移動され、位置決めされる点は上記と同様である。ただし、液体203の液位を上昇させていくことにより、処理部品10が基体20に近づき、やがて、処理部品10が実装電極22に当接することで、基体20上に配置される。なお、処理部品10の配置後に押さえ盤などのような別の手段により(できればすべての処理部品10を一括して)基体20上に押し付けて保持するようにしてもよい。この点は、先の第2実施形態をはじめとして他の各実施形態でも同様である。この実施形態の場合、エレクトレット12は、部品要素11の実装面11c以外の表面である、電場形成基板213の側の表面、すなわち、図示例では処理部品10の下部に設けることが好ましい。また、導電性結合材や接着剤、粘着剤16を処理部品10の上面である実装面11cに形成することで、実装電極22と接触した後の処理、例えば、接着層や粘着層を介した固定のための加圧処理、半田層や異方性導電膜を介した導電接続のための加熱処理などによって、処理部品10の接着による固定状態や導電接続状態を実現することができる。
以上説明した各実施形態によれば、処理部品10を基体20の設置領域内に導入し、電場Eの空間的若しくは時間的な変遷によって生ずるクーロン力により少なくとも平面方向に移動させ、位置決めすることで基体20の表面(実装電極22)上の予定位置に配置するようにしたことにより、従来方法よりも作業効率を改善できるとともに、処理部品10を基体(実装基板)20上に正確かつ確実に配置することができる。特に、個々の処理部品10を独立して保持可能な静電ポテンシャル分布を用いることにより、複数の処理部品10を確実かつ高精度に高い処理効率で配置できる。
この場合に、処理部品10のそれぞれを静電ポテンシャル分布145,146のポテンシャル井戸145a~145e、146a~146e内において保持した状態で少なくとも平面方向に移動させることができるので、単なる移動だけでなく、特定位置への位置決めが可能となる。また、複数の処理部品10が電場形成部40内に導入されても、移動及び位置決めの少なくとも一方を並行して行うことができることから、さらに製造効率を向上させることができる。特に、図11に示すように、電場形成部40内での複数の処理部品10の移動及び位置決めのいずれをも並行して行うことにより、より効率を高めることができ、処理部品10の配列処理の迅速化を図ることができるとともに、多数の処理部品10を配列させる場合にも容易に対応できるようになる。特に、図9(a)に示すような、複数個所の実装部(実装電極22a、22b)に対して複数個所(電極部11a、11b)を対応させるように、処理部品10を所定の姿勢で配置するような場合には、極めて高い位置や姿勢の配置精度が必要となるので、本実施形態の技術は好適である。すなわち、静電ポテンシャルの二次元的分布態様を制御することにより、処理部品10の平面姿勢を設定できる。この場合、図9に示すように、処理部品10の姿勢を制御しやすくするためには、エレクトレット12、12′、12″の平面形状や平面分布は重要であり、これらの平面形状や平面分布を非等方的に設定することで、姿勢制御が容易化される。
さらに、処理部品10にエレクトレット12,12′,12″を設けることにより、電場Eによる移動や位置決め、或いは、姿勢設定を容易且つ正確に、また、効率的に実施できる。また、処理部品10にさらに付加部分15,15′,16を設けることにより、上記移動や位置決めを容易化するための、浮上状態の容易化や安定化を図ることができ、処理部品10の姿勢安定性も向上できる。ここで、エレクトレット12は、電場Eの静電ポテンシャル分布から静電力を受ける機能に加えて、移動や位置決めを容易化するための浮上状態を実現するための機能を生じさせ、或いは、当該機能を増大させるための部分とすることもできる。このとき、浮上力は、浮力、静電力、磁力、流体圧、振動などによって実現することができる。また、付加部分15,15′は、静電ポテンシャル分布から静電力を受ける機能とは別に、上記各浮上力を受ける要素として用いることができる他、基体(実装基板)20上への配置後に行われる処理を実施するための機能部分、例えば、導電性接合材、接着剤や粘着剤16は、接着層、粘着層、半田層、異方性導電膜などとして設けることも可能である。
なお、上記の処理部品10の移動及び位置決めの態様としては、前述のように処理部品10を保持するような静電ポテンシャル分布145,146によって生ずる静電力を用いる場合に限らず、移動方向に配列された複数の駆動電極13a,13bに正の電位と負の電位を交番的に繰り返し与えることにより、処理部品10が常に移動方向にクーロン力を受けるように構成するだけで実現させても構わない。
処理部品10の移動態様としては、基体20の表面や電場形成基板13の表面上における滑走であってもよく、また、前述のように、処理部品10を浮上させる作用部を設けて移動摩擦を低減したり、解消したりしてもよい。このような浮上手段は、前述のように電場形成部(静電ポテンシャル分布形成手段)40とは別に設けられたものに限らず、移動抵抗を低減できる浮上状態(例えば、流体のみに囲まれる状態)が得られればよいので、静電ポテンシャル分布145,146によって生ずるクーロン力の一部を浮上力とするものであってもよい。
各実施形態において、部品導入部30では、処理部品10を電場形成部40に導入するように構成されていればよい。ただし、上述のように、処理部品10を一つずつ導入部30Bから受入部40Aに導入することにより、電場E内に対して正確な位置やタイミングで導入することができるとともに、電場制御部104Gにおいても、導入された処理部品10の位置やタイミングに応じて電場形成部40の電場E(E1)を変遷させる際に、導入直後の処理部品10を受け止め、位置決めするための電場の制御が容易化されるという利点がある。
また、以上説明した各実施形態によれば、部品要素11がエレクトレット12を付加されることにより、処理部品10が電場を形成し続けることができる物質となるため、周囲に与えられる電場Eの空間的若しくは時間的な変遷によって受けるクーロン力により移動され、基体20上の実装電極22上の位置等といった予定位置に配置される。これによって、処理部品10を非接触で容易に移動させ、予定位置に正確に配置できる。特に、電場Eを空間的かつ時間的に変遷させることにより、複数部品の予定位置への高精度な配置を効率的に実現できる。
さらに、エレクトレット12を部品要素11に付加した場合には、処理部品10の基体20への実装工程の前後において、処理部品10からエレクトレット12を除去する過程を設けることによって、部品要素11のみを基体20に実装した状態とすることができる。このとき、エレクトレット12と必要に応じて接着剤や粘着剤を合成樹脂等の有機物で構成した場合には、大気圧プラズマ等のプラズマ処理によってエレクトレット12を必要に応じて接着剤や粘着剤とともに分解し、除去することが可能になる。
なお、本発明の製造方法及び製造装置は、上述の図示例のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記各実施形態では、複数の部品要素11が相互に同一であり、例えば、発光装置を構成するための基板上に多数のLEDを配列するように実装したものなどを想定している。しかし、本発明では、複数の部品要素11として相互に異なる形状や機能の部品が用いられる場合にも適用することができる。
1…集合体、2…エレクトレット素材、3…エレクトレット化された積層体、10…処理部品、11…部品要素、12…エレクトレット、13…電場形成基板、13A,13B…基板領域、13a,13b…駆動電極、14…支持部、14a…対向電極層、15…付加部分、16…接着層、粘着層、導電性接合材、接着剤、粘着剤、20…基体、21…基板、22…実装電極、23…絶縁体、20′…実装体、30…部品導入部、30A…搬入部、30B…導入部、40…電場形成部、40A…受入部、40B…配置部、50,50′…除去装置、60,60′…実装装置
Claims (18)
- 基体に複数の部品要素が実装される製造工程を備える製品の製造方法であって、
前記製造工程は、
前記複数の部品要素にエレクトレットを付加する製造過程と、
前記エレクトレットが付加された前記複数の部品要素を、電場中に導入し、前記電場を変遷させることによって前記基体の予定位置に配置させる製造過程と、
前記予定位置に配置された前記複数の部品要素を前記基体に実装する製造過程と、
前記予定位置に配置された前記複数の部品要素から前記エレクトレットを除去する製造過程と、
を含む、製品の製造方法。 - 前記複数の部品要素にエレクトレットを付加する製造過程では、前記エレクトレットは、前記部品要素の前記基体に対する実装面以外の表面に付加される、
請求項1に記載の製品の製造方法。 - 前記複数の部品要素にエレクトレットを付加する製造過程は、前記複数の部品要素に対して一括して前記エレクトレットを付加する過程である、
請求項1又は2に記載の製品の製造方法。 - 前記複数の部品要素から前記エレクトレットを除去する製造過程は、前記基体の前記予定位置にそれぞれ存在する前記複数の部品要素から前記エレクトレットを一括処理により除去する過程である、
請求項1-3のいずれか一項に記載の製品の製造方法。 - 前記エレクトレットは有機物であり、前記エレクトレットを一括処理により除去する過程は、プラズマ処理によって前記エレクトレットを分解し、除去する過程である、
請求項4に記載の製品の製造方法。 - 前記エレクトレットが付加された前記複数の部品要素を電場中に導入し、前記電場を変遷させることによって前記基体の予定位置に配置させる製造過程は、前記電場の変遷により、前記複数の部品要素を並行して前記予定位置に向けて移動させる、
請求項1-5のいずれか一項に記載の製品の製造方法。 - 前記エレクトレットが付加された前記複数の部品要素を電場中に導入し、前記電場を変遷させることによって前記基体の予定位置に配置させる製造過程は、前記部品要素を前記電場中に導入する製造段階と、前記電場を変遷させることによって前記部品要素を前記基体の予定位置に配置させる製造段階とを有する、
請求項1-6のいずれか一項に記載の製品の製造方法。 - 基体に複数の部品要素が実装される製造工程を実施する製品の製造装置であって、
エレクトレットが付加された前記複数の部品要素を電場中に導入する部品導入部と、
前記部品導入部によって導入された前記エレクトレットが付加された部品要素にクーロン力を与える電場を構成する電場形成部と、
前記エレクトレットが付加された部品要素に合わせて前記電場を変遷させることによって前記エレクトレットが付加された前記複数の部品要素を前記基体の予定位置に配置させるように、前記電場を制御する電場制御部と、
前記複数の部品要素を前記基体に実装する処理を行う実装処理部と、
を含む、製品の製造装置。 - 前記エレクトレットが付加された部品要素は、前記部品要素の前記基体に対する実装面以外の表面に前記エレクトレットが付加されたものである、
請求項8に記載の製品の製造装置。 - 前記電場制御部は、前記電場形成部において前記複数の部品要素を並行して前記予定位置に向けて移動させるように電場を変遷させる、
請求項8又は9に記載の製品の製造装置。 - 前記複数の部品要素に前記エレクトレットを付加させるエレクトレット化処理部をさらに含む、
請求項8-10のいずれか一項に記載の製品の製造装置。 - 前記エレクトレット化処理部では、前記複数の部品要素が形成された集合体にエレクトレット素材を前記複数の部品要素にわたり付加し、前記エレクトレット素材が付加された前記集合体を分割することによって、前記エレクトレットがそれぞれ付加されてなる前記複数の部品要素が形成される、
請求項11に記載の製品の製造方法。 - 前記基体の前記予定位置に存在する前記複数の部品要素から前記エレクトレットを除去する非エレクトレット化処理部をさらに含む、
請求項8-12のいずれか一項に記載の製品の製造装置。 - 前記非エレクトレット化処理部では、前記基体の前記予定位置にそれぞれ存在する前記複数の部品要素から前記エレクトレットを一括処理により除去する、
請求項13に記載の製品の製造装置。 - 前記エレクトレットは有機物であり、
前記非エレクトレット化処理部では、プラズマ処理により前記エレクトレットを分解し、除去する、請求項14に記載の製品の製造装置。 - エレクトレット素材が付加された複数の部品要素が集合した状態で形成されているウエハ。
- 前記エレクトレット素材は、接着剤若しくは粘着剤により貼着されている、
請求項16に記載のウエハ。 - 前記エレクトレット素材および前記接着剤若しくは粘着剤は合成樹脂で構成される、
請求項17に記載のウエハ。
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