JP2022111076A - 中空構造を有する電子部品 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022111076000001
【課題】耐圧性に優れ、信頼性の高い中空構造を有する電子部品を提供する。
【解決手段】基板7、素子4、柱材2及び屋根材1を有する電子部品であって、素子4は、基板7上に形成されており、素子4の周囲に空間6を確保する位置に、柱材2と屋根材1が形成されていることにより、基板7、柱材2、屋根材1で構成される中空構造を有し、柱材2及び/又は屋根材1は、ガラスフィラーを含む。ガラスフィラーは、酸化ケイ素、酸化アルミニウム及び酸化ホウ素からなる群から選ばれる少なくとも二種を含有し、さらに希土類酸化物を含有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、中空構造を有する電子部品に関する。
近年、携帯電話やスマートフォンなどのデバイスの小型化に伴い、これらに搭載される電子部品の小型化、低背化が進んでいる。中空構造が必要な電子部品、たとえばSAW(Surface Acoustic Wave)フィルターやMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)については従来、ガラス、シリコン、セラミックス、金属などの無機材料の加工・接合により中空構造を形成するのが一般的であった(特許文献1)。しかしながら、これらの無機材料の加工は、部品点数増加や工程数の増加となること、構造上の制限から小型化、低背化が困難なことが課題となっている。
これらを解決するために、より小型化、低背化がしやすいシート材料を中空構造体の柱材や屋根材に用いる方法が提案されている(特許文献2)。この方法は、シート材料であるため小型化、低背化には向いているが、一方で、封止工程に耐える耐圧性が課題となっている。
封止工程について、SAWフィルターを例に挙げて説明する。屋根材と基板上の素子(電極を有する機能性領域)との間に、中空構造を形成するための柱材を設けてSAWフィルターが製造される。図1に示すように、SAWフィルターは複数の金属ボール(バンプ)を介して配線基板に実装される。柱材内には、導体が貫通しており、この導体と金属ボールとにより、素子と配線基板とが導通される。配線基板に実装されたSAWフィルターは、封止材で封止される。例えば、トランスファーモールド成型では、液状化または軟化した熱硬化性樹脂を含む封止材が金型に圧入される。封止材は金属ボールの間を通り抜けて、屋根材と配線基板の間にも充填される。この時封止材は、屋根材を強く押し上げる。その結果、屋根材は変形し、図2に示すように素子と屋根材との間の空間が狭くなる。この状態で封止材が硬化するとSAWフィルターの信頼性が低下する。封止材の圧力が大きい場合は、屋根材の変形にとどまらず、破損することも懸念される。
これらの課題を解決するために、ガラスを含有する弾性率の高いシートを屋根材として使用すること(特許文献3)や、封止方法からのアプローチとして、封止を2段階に分けて行なう方法が提案されている(特許文献4)
特開2002-334943号公報 特開2012-68615号公報 国際公開第2015/151514号公報 特開平10-93383号公報 特開2015-118194号公報 特開2009-91389号公報 特開2020-166125号公報
しかしながら、特許文献3に記載のガラスを含有するシートは、薄膜化しにくく、取り扱いも難しい。また、湿度の影響によりガラス成分の溶出が起こり、電子部品の特性を低下させる懸念があった。
そこで本発明は、湿度の影響によりガラス成分の溶出が起こらないガラスフィラーを適用することで、耐圧性に優れ、信頼性の高い中空構造を有する電子部品を提供する。
上記課題を解決するための本発明は、以下である。
基板、素子、柱材、および屋根材を有する電子部品であって、
前記素子は、前記基板上に形成されており、
前記素子の周囲に空間を確保する位置に、柱材と屋根材が形成されていることにより、基板、柱材、屋根材で構成される中空構造を有し、
前記柱材および/または屋根材は、ガラスフィラーを含み、
前記ガラスフィラーは、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化ホウ素からなる群から選ばれる少なくとも二種を含有し、さらに希土類酸化物を含有することを特徴とする、電子部品。
本発明によれば、耐圧性に優れ、信頼性の高い中空構造を有する電子部品を提供することができる。
本発明の中空構造を有する電子部品が封止材で封止された様子を模式的に示す断面図 従来の電子部品が配線基板に実装され、封止材で封止された様子を模式的に示す断面図 本発明の中空構造を形成する柱材、屋根材、金属ボールを模式的に示す図 本発明の封止層、樹脂層を有する電子部品を模式的に示す断面図 本発明の封止層、樹脂層を有する電子部品を模式的に示す断面図 本発明の電子部品およびその製造方法の好適な一実施形態を示す工程図
本発明の中空構造を有する電子部品は、基板、素子、柱材、および屋根材を有する電子部品であって、前記素子は、前記基板上に形成されており、前記素子の周囲に空間を確保する位置に柱材と屋根材が形成されていることにより、基板、柱材、屋根材で構成される中空構造を有し、前記柱材および/または屋根材は、ガラスフィラーを含み、前記ガラスフィラーは、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化ホウ素からなる群から選ばれる少なくとも二種を含有し、さらに希土類酸化物を含有することを特徴とする、電子部品である。
電子部品は、例えば、SAWフィルター、BAW(Bulk Acoustic Wave)フィルター、MEMS、CMOSセンサーやCCDセンサーなどに代表されるイメージセンサー等が挙げられる。図1に示すSAWフィルターを例に挙げて説明する。本発明の中空構造を有する電子部品は、基板7、素子4、柱材2および屋根材1を有している。基板7には、素子4(電極5を有する機能性領域)が設けられており、さらに、素子4と導通する導体3を備えている。
この素子4を保護するために、本発明の電子部品は中空構造を有することが重要であり、本発明では素子4の周囲に空間6を確保する位置に柱材2と屋根材1を形成することにより、基板7、柱材2、屋根材1で構成される中空構造6を形成する。そして柱材および/または屋根材は、ガラスフィラーを含有する。
ガラスフィラーは、柱材または屋根材の少なくとも一方に含まれていれば良いが、少なくとも屋根材に含まれているのが好ましい。ガラスフィラーを屋根材に含有させることで、耐湿性はもちろんのこと、高温での弾性率が上がることにより、封止時の圧力に耐えることができるからである。
ガラスフィラーは、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化ホウ素からなる群から選ばれる少なくとも二種を含有し、さらにガラスフィラーは、希土類酸化物を含有する。ガラスフィラーが希土類酸化物を含有することで、後述する湿度によるガラス成分の溶出を防ぎ、かつ、屈折率を好適に調整することができる。ガラスフィラー中に含まれる希土類酸化物は1種類でもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これら酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ホウ素、および希土類酸化物は、混合物、固溶体あるいは複合酸化物としてガラスフィラー中に含まれることによって、本発明における効果が有効となる。そしてガラスフィラーは、湿度の影響により成分の溶出が起こる酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛の含有量が少ないことが好ましく、これらを含まないことがより好ましい。さらにガラスフィラーは、絶縁信頼性の観点から、アルカリ金属酸化物を含まないことがさらに好ましい。また、ガラスフィラーは、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化ホウ素のうち少なくとも二つ以上の酸化物への混じりやすさから、希土類酸化物の中でも、酸化イットリウム又は酸化ランタノイドを含むことが好ましく、さらには、ガラスフィラーの屈折率の調整を緻密に行える観点から、ガラスフィラー中の希土類酸化物としては酸化イットリウムを用いることがより好ましい。
前述のとおりガラスフィラーは、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛の含有量が少ないことが好ましい。ガラスフィラーを121℃飽和水蒸気圧条件で24時間抽出処理をした抽出液から検出されるマグネシウムイオン、カルシウムイオン、および亜鉛イオンの総量は、ガラスフィラー中に100ppm(重量基準)以下であることが好ましい。なお、測定は、後述する実施例に記載の方法によって行うことができる。
121℃飽和水蒸気圧条件で24時間抽出処理をした抽出液から検出されるマグネシウムイオン、カルシウムイオン、および亜鉛イオンの総量をガラスフィラー中に100ppm(重量基準)以下として、さらに405nmにおける屈折率が1.55~1.75となるガラスフィラーを得るために、ガラスフィラー100重量%中、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化ホウ素からなる群から選ばれる少なくとも二つの合計の含有量が65~85重量%、希土類酸化物の合計の含有量が15~35重量%であるガラスフィラーとすることが好ましい。より好ましくは、ガラスフィラー100重量%中、酸化ケイ素を40~50重量%、酸化アルミニウムを20~30重量%、酸化ホウ素を0~10重量%、希土類酸化物を15~35重量%含有するガラスフィラーとすることである。
ガラスフィラー中に含まれる希土類酸化物の含有量は、一般的に公知である無機元素の定量測定法で測定することが可能であり、SEM-EDX、TEM-EDX、ICP-MS、蛍光X線分析、X線回折、電子線回折などを組み合わせることで測定することができる。なお、SEM-EDXは走査電子顕微鏡―エネルギー分散型X線分光、TEM-EDXは透過電子顕微鏡―エネルギー分散型X線分光、ICP-MSは誘導結合プラズマ質量分析のことである。なお、ガラスフィラー中の酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化ホウ素の含有量も、希土類酸化物の含有量の測定法と同様の方法で測定できる。
前述のとおり、柱材および/または屋根材は、ガラスフィラーを含有するが、ここでいうガラスとは、2θ-θの粉末X線回折測定において、特定成分の結晶構造を現す鋭いピーク(半値幅2°以下)を持たないものを言う。
ガラスフィラーの平均粒子径は、0.1~3.0μmであることが好ましく、0.1~2.0μmであることがより好ましい。平均粒子径が小さいほど、パターン加工後の絶縁膜表面の平滑性をよくすることができる。本発明でいうガラスフィラーの平均粒子径は、レーザー回折散乱法を利用した粒度分布計(マイクロトラック粒度分析計 MODEL MT3000)を用いて測定した50%体積粒径の値である。測定は、試料1g程度をとり、精製水中で1~3分間40Wの出力の超音波で分散させて行う。ガラスフィラーの形状が球状でない場合は、レーザー回折散乱法で得られた平均粒子径は、体積相当球の直径を表すが、ガラスフィラーがいかなる形状であっても、平均粒子径は、上記範囲であることが好適である。
ガラスフィラーの形状としては、球状、針状、繊維状、無定形の粒状、板状、破砕状などが挙げられるが、特に限定されない。
後述するような感光性を持たせた樹脂組成物を形成する場合、ガラスフィラーの屈折率は、1.55~1.75であることが好ましい。ガラスフィラーの屈折率はVブロック法により測定でき、本発明においては波長405nmで測定した結果を屈折率とする。ガラスフィラーと感光性樹脂組成物の有機成分の屈折率の差が大きい場合、界面での反射や散乱が起こるため、解像性が低下する。良好な解像性を得るために、ガラスフィラーの屈折率と感光性樹脂組成物からガラスフィラーを除いた有機成分(但し溶剤を含まない)の屈折率との差の絶対値は、0.05以下であることが好ましい。感光性樹脂組成物の有機成分(但し溶剤を含まない)の屈折率は、主にバインダー樹脂の屈折率によるところが大きく、バインダー樹脂がポリイミドの場合、屈折率は1.55~1.75となる。感光性樹脂組成物の有機成分(但し溶剤を含まない)の屈折率は、感光性樹脂組成物の有機成分だけを調製して、塗布および乾燥工程後に、エリプソメトリー法によって、25℃における405nmの波長の光に関して測定を行うことで求めることができる。
ガラスフィラーを柱材および/または屋根材に含有させる方法としては、特許文献3や特許文献5に記載されているような公知の方法を用いることができるが、特許文献5に記載されているような方法、つまり、バインダーとなる樹脂にガラスフィラーを混ぜ合わせ、フィルム状にして、そのフィルム状のものを柱材や屋根材として用いることが有効である。バインダー樹脂を含有することで、フィルム膜形成ができ、用途に応じた膜厚調整が容易となり、小型化、低背化を実現することができる。
柱材および/または屋根材は感光性を持たせても良いし、非感光性でも良い。また、柱材、屋根材のどちらか一方に感光性を持たせても良い。フォトリソグラフィにより、容易に穴あけ加工ができる観点から、感光性を有することが好ましい。
柱材や屋根材を形成する際に用いる樹脂組成物中のバインダー樹脂の主骨格は、特に限定されないが、ポリフェニレンエーテル、ポリエステル、(メタ)アクリルポリマー、ポリシロキサン、エポキシポリマー、ポリウレタン、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリベンゾオキサジン、ポリアミド酸、ポリイミドなどを用いることができ、何種類かを併用しても良い。中でもエポキシポリマー、ポリアミド酸、ポリイミドが耐熱性、アルカリ可溶性の付与のしやすさから好ましく用いられる。耐熱性の観点から、柱材や屋根材を形成する際に用いる樹脂組成物中のバインダー樹脂は、ポリイミドであることがさらに好ましい。
柱材や屋根材を形成する際に用いる樹脂組成物が非感光性の樹脂組成物であれば、バインダー樹脂の他に、特許文献6に示すような硬化剤、硬化促進剤、添加剤等を含有することができる。
柱材や屋根材を形成する際に用いる樹脂組成物が感光性の樹脂組成物であれば、バインダー樹脂の他に、特許文献7に示すような光重合性化合物、光重合開始剤、光酸発生剤、熱架橋剤、増感剤等を含有することができる。
ガラスフィラーは、柱材および/または屋根材を形成する樹脂組成物の固形分100重量%中、30~80重量%含まれることが好ましく、60~80重量%含まれることがより好ましい。この範囲であることにより、中空構造体の封止工程に耐えられる高弾性率の絶縁膜を得ることができる。この範囲でガラスフィラーが含まれていれば、シリカ等の他の無機フィラーを併用しても良い。
また、柱材や屋根材を形成する際に用いる樹脂組成物中にガラスフィラーを分散させるため、必要に応じてガラスフィラーに対してシランカップリング剤による表面処理を行ってもよい。シランカップリング剤の具体例としては、信越化学工業のビニルトリメトキシシラン(KBM-1003)、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM-403)、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM-503)、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM-603)、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM-573)などを用いることができる。ガラスフィラーの表面処理は、ガラスフィラーに対してシランカップリング剤、及び少量の水を添加し撹拌する乾式表面処理によって行うことができる。
柱材は、素子を取り囲むように形成されており、基板と屋根材との間に空間を形成する。この空間を形成することにより、素子の機能が発揮される。柱材は、例えば、前述のようなバインダー樹脂を含有する樹脂組成物により形成される。
柱材の高さ(基板の素子を備える側の面と、屋根材の中空構造側の面との距離)は、特に限定されない。SAWフィルターである場合(図3)、柱材の高さHhは、1~50μmであることが好ましく、1~30μmであることがより好ましく、1~20μmであることが特に好ましい。柱材の高さHhがこの範囲であると、電子部品の製造が容易となり、素子が機能を発揮するのに適切な空間を形成しやすい。柱材の幅Hw(柱材の中空構造側の面と、これに対向する面との間の距離)は、特に限定されない。SAWフィルターである場合、柱材の幅Hwは、例えば、1~100μmであることが好ましく、1~50μmであることがより好ましく、1~20μmであることが特に好ましい。柱材の幅Hwがこの範囲であると、空間を確保する強度を得ることが容易となる。
屋根材は平板状であり、少なくとも柱材で取り囲まれた素子に対向するように配置されている。屋根材の厚みYwは、5μm~3mmであることが好ましく、10μm~500μmであることがより好ましい。屋根材の厚みYwがこの範囲であると、後述する封止材による封止工程において、屋根材の変形をより小さくすることができる。
本発明の電子部品は、素子と配線基板の導体との電気的接続を行うために、屋根材の中空構造側の面とは反対側の面に金属ボールを搭載することが好ましい。金属ボールは、例えば、スズ-銀-銅や鉛-スズ等のはんだ材、金又は表面を金属導体で被覆した樹脂ボール等が用いられる。金属ボールの高さKhは、通常10~80μmである。
本発明は、さらに封止層を有することが好ましい。封止層を形成する封止材としては、特に限定されず、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、硬化剤、硬化促進剤、無機フィラー、添加剤などを含む組成物を挙げることができる。熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、硬化剤、硬化促進剤、添加剤としては特に限定されず、特許文献3や特許文献6に記載されているような熱硬化性樹脂、硬化剤、硬化促進剤、添加剤を用いることができる。無機フィラーとしては、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、窒化ホウ素などを用いることができる。本発明のガラスフィラーを用いても良い。
本発明は、配線基板をさらに有することが好ましい。そしてこの配線基板は、屋根材の中空構造側の面とは反対側の面の側に配置される。
そして封止層は、屋根材、柱材及び基板を封止するように配置されることが好ましい。電子部品は、封止材により封止されることにより封止層を形成する。封止層を形成する封止材は、半導体用の封止材を使用することができる。封止材による封止方法は特に限定されない。例えば、未硬化または半硬化状態の封止材を、トランスファーモールド成型法、圧縮成型法、スクリーン印刷法、アンダーフィリング法、ポッティング法、ディップコート法等の方法により封止する。図1のように、屋根材、柱材、基板を封止できばよい。
本発明の電子部品は、さらに樹脂層を有することが好ましい。そして本発明の電子部品が樹脂層を有する態様の場合、樹脂層の一方の面は配線基板と接し、樹脂層の他方の面は屋根材と接するように配置されることが好ましい。本発明の樹脂層は、図4や図5に示すように、一方の面を配線基板と接し、他方の面は屋根材と接していればよい。特に、図5のように屋根材と配線基板の間に樹脂層を形成することが好ましい。このようにあらかじめ樹脂層で屋根材と配線基板の間を埋めてから、封止層を形成することで、封止時の屋根材の変形を防ぎ、電子部品の信頼性を向上させることができる。
樹脂層の組成としては、特に限定されず、樹脂層を形成する際に、上記封止材を使用することができる。つまり樹脂層は、封止層と同じ組成でも良いし、異なる組成でも良い。ここで封止層と樹脂層が同じ組成とは、使用している材料と、それらの含有比率が同じものを言う。
本発明の電子部品は、樹脂層の一方の面は配線基板と接し、樹脂層の他方の面は屋根材と接するように配置され、さらに屋根材、柱材、及び基板を封止するように封止層を設ける構造の電子部品であることが好ましい。封止層と樹脂層では接する基材の材質が異なることから、封止層と樹脂層は異なる組成であることが好ましい。その中でも樹脂層は、液状封止材やアンダーフィル材のように液状の封止材を用いることが好ましい。液状の封止材は、固形封止材よりも吐出圧力が低く、流れ込み性が良いことが理由である。樹脂層の形成方法としては特に限定されず、ポッティング、注型法,浸漬法,落下法などで形成すれば良い。
(SAWフィルター及びその製造方法)
SAWフィルター及びその製造方法について説明する。図6(a)~(e)は、本発明のSAWフィルター及びその製造方法の好適な一実施形態を示す工程図である。
まず、図6(a)に示すように、素子が形成された基板上に保護フィルム/感光性樹脂層/支持フィルムで構成された感光性フィルムを用いて、保護フィルムを剥がしながら、感光性樹脂層14/支持フィルム15をラミネーター等13を用いて積層する。感光性樹脂層の膜厚は、膜厚が1~500μmになるように作成する。感光性フィルムの製造方法は後述する。
次に、図6(b)に示すように、必要に応じて所望のパターンを有するネガマスク16を介して感光性樹脂層の所定部分に活性光線を照射し、露光部を光硬化せしめる。ここで、露光に用いられる活性光線としては、紫外線、可視光線、電子線、X線などが挙げられる。これらの中でも特に、紫外線、可視光線が好ましい。また、図6(b)では支持フィルム15を剥がして感光性樹脂層14のみの状態で露光しているが、支持フィルム15を残したまま露光しても良い。
次に、図6(c)に示すように、感光性樹脂層の露光部以外の部分(未露光部)を有機溶剤系もしくはアルカリ水溶液系の現像液を用いて除去することによりパターンを形成した後、感光性樹脂層14の露光部を熱硬化させ、樹脂硬化物からなる柱材2を形成する。ここで、現像液としては、N-メチルピロリドン、エタノール、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートのような有機溶剤を使用することができる。また、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどのアルカリ水溶液を使用することができる。また、現像後、必要に応じて、水や、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコールや、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテルアセテート等でリンスすることが好ましい。
前記感光性樹脂層の前記露光部を熱硬化させて樹脂硬化物を形成する熱硬化工程において、現像後の熱硬化(キュア)は、温度を選択して段階的に昇温しながら1~2時間実施することが好ましい。熱硬化は、150℃以上が好ましく、180℃以上がより好ましい。また、感光性樹脂層の熱分解が起きると特性が低下することから、350℃以下が好ましく、300℃以下がより好ましい。
次に、図6(d)に示すように、柱材2上に屋根材1を設けて中空構造を形成する。ここで、屋根材1は、例えば、前述の感光性フィルムを用いて作製することができる。すなわち、これらのフィルムを、柱材2の上部に貼り付けしてから、露光、現像、熱硬化して屋根材1を形成することができる。また、屋根材1と柱材2との接着は、例えば、ロールラミネーターを用いた熱圧着による接着等により行うことができる。
感光性フィルムを用いて柱材及び屋根材の形成を行った後、素子と配線基板との電気的接続を行うためにメッキの形成及び金属ボールの搭載等が行われて、SAWフィルターを得ることができる図6(e)。
上記基板7としては、例えば、タンタル酸リチウム基板、ニオブ酸リチウム基板、ガリウム砒素基板等の圧電性基板が用いられる。上記素子内の電極5の材質としては、例えば、アルミニウム等が用いられる。上記基板の内部と表面に形成される配線の材質としては銅、アルミなどの金属導体やセラミック基板の場合は、金、銀、白金又はパラジウム等の金属導体が用いられる。また、上記金属ボール8は、例えば、スズ-銀-銅や鉛-スズ等のはんだ材、金又は表面を金属導体で被覆した樹脂ボール等が用いられる。
また、柱材および屋根材に内部導体3を形成する方法としては、特許文献2に記載されているようなUV露光やレーザー照射によって柱材および屋根材に穴を開け、メッキ法によってその穴に内部導体を形成する方法が挙げられる。メッキ法だけではなく、金属ペースト又は金属粉体を含有する樹脂ペーストを用いて導体充填法によって内部導体を形成しても良い。
感光性フィルムの製造方法の例を示す。非感光性フィルムについても、同様に作成することができる。バインダー樹脂、ガラスフィラー等各種原料を溶剤に溶解、希釈してワニス材料を作成する。ワニス材料を支持フィルム上に塗工、乾燥し、感光性樹脂組成物からなる層を支持フィルム上に形成する。支持フィルムは特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリイミドフィルムなど、通常市販されている各種のフィルムが使用可能である。支持フィルムの感光性樹脂層との接合面には、密着性や剥離性を向上させるために、シリコーン、シランカップリング剤、アルミキレート剤、ポリ尿素などの表面処理を施してもよい。支持フィルムの厚みは特に限定されないが、作業性の観点から、10~100μmの範囲であることが好ましい。感光性樹脂組成物からなる層に露光を行う際、支持フィルムを介して露光できるため、支持フィルムのヘイズは0.1%以上2.0%以下であることが好ましく、さらには、0.1%以上1.5%以下であることが好ましい。ヘイズが2.0%より大きいと露光光の散乱が発生するため、パターン加工性が悪化する。
ヘイズとは、支持フィルムの透過率を示す指標であり、波長405nmにおけるヘイズ:HAZE405は、分光光度計(日立ハイテクサイエンス社製、U-3900型分光光度計)により支持フィルムの透過率を測定し、以下の式に代入することで求めることができる。
HAZE405=T2-T1
T1は分光光度計に積分球を装着せずに測定した波長405nmにおける透過率、T2は分光光度計に積分球を装着して測定した波長405nmにおける透過率を示し、HAZE405が小さいほど、光の散乱成分が小さく、支持フィルム内の光の直進性が良いことを表している。
支持フィルムの酸素透過率は、10~400cc/(m・24h・atm)であることが好ましい。支持フィルムの酸素透過率がこの範囲であれば、露光した後、空気中に含まれる酸素が感光性樹脂組成物に接触することを抑制することができ、すなわち感光性樹脂組成物の酸素結合反応を抑制することができ、良好なパターン形状を得ることができる。酸素透過率は、JIS-K7126「プラスチック・フィルム及びシート・ガス透過度試験法」によって測定することができる。なお本JIS規格(JIS-K7126)は、第1部:差圧法K7126-1(制定年月日2006年8月20)と第2部:等圧法K7126-2(制定年月日2006年8月20日)から成るが、どちらで測定しても良い。
また、感光性樹脂層を保護するために、感光性樹脂層の支持フィルムとは反対側に、保護フィルムを有してもよい。これにより、大気中のゴミやチリ等の汚染物質から感光性樹脂層の表面を保護することができる。保護フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエステルフィルム、ポリビニルアルコールフィルム等が挙げられる。支持フィルムと同様に、保護フィルムの感光性樹脂層との接合面にも、密着性や剥離性を向上させるために、シリコーン、シランカップリング剤、アルミキレート剤、ポリ尿素などの表面処理を施してもよい。保護フィルムは、感光性樹脂層と容易に剥離しない程度の離型力を有するものが好ましい。
感光性樹脂組成物を支持フィルムに塗布する方法としては、スピンナーを用いた回転塗布、スプレー塗布、ロールコーティング、スクリーン印刷、ブレードコーター、ダイコーター、カレンダーコーター、メニスカスコーター、バーコーター、ロールコーター、コンマロールコーター、グラビアコーター、スクリーンコーター、スリットダイコーターなどの方法が挙げられる。また、塗布膜厚は、塗布手法、組成物の固形分濃度、粘度などによって異なるが、通常、乾燥後の膜厚が、1μm以上100μm以下であることが好ましい。
感光性フィルムは、感光性樹脂組成物からなる層の厚さが、10~50μmであることが好ましい。特に本発明の硬化物を電子部品の中空構造体の屋根材として用いる場合には、電子部品の低背化の観点から本発明の感光性フィルム中の感光性樹脂組成物からなる層の厚さが50μm以下が好ましく、耐圧性の観点から10μm以上が好ましい。乾燥には、オーブン、ホットプレート、赤外線などを使用することができる。乾燥温度および乾燥時間は、有機溶媒を揮発させることが可能な範囲であればよく、感光性フィルムが未硬化または半硬化状態となるような範囲を適宜設定することが好ましい。具体的には、40℃から120℃の範囲で1分から数十分行うことが好ましい。また、これらの温度を組み合わせて段階的に昇温してもよく、例えば、50℃、60℃、70℃で各1分ずつ熱処理してもよい。以上のようにして、感光性フィルムが作成される。
<希土類酸化物の含有量>
蛍光X線分析を用いて、測定した。ガラスフィラーをプレス機で円盤状に成形した後、(株)島津製作所製波長分散型蛍光X線分析装置XRF-1800を用いて、ガラスフィラーに含まれる元素の定量分析を行い、希土類酸化物の含有量を算出した。
<酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ホウ素の含有量>
蛍光X線分析を用いて、上述の希土類酸化物の含有量の測定と同様の方法によって、含有量を算出した。
<マグネシウムイオン、カルシウムイオン、および亜鉛イオンの総量>
容器にガラスフィラー3gと超純水30mLを入れ密閉し、121℃の恒温器に入れ、24時間抽出処理を行った。イオンクロマト分析装置にて得られた抽出液を分析し、各イオンの標準液を用いた検量線からマグネシウムイオン、カルシウムイオン、および亜鉛イオンの抽出量を換算した。換算した各イオンの和を、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、および亜鉛イオンの総量とした。
<ガラスフィラーの屈折率>
Vブロック法により測定した。ガラスフィラー50gを白金製のるつぼを用いて1500℃で4時間溶融した後、融液をカーボン製の型に流し入れ、徐冷した後、ガラスブロックを得た。得られたガラスブロックを10mm以上×10mm以上×10mm以上の直方体状に加工し、(株)島津デバイス製造製精密屈折計KPR-2000を用いて、波長405nmにおける屈折率を測定した。
<感光性フィルムの厚み>
感光性フィルムの厚みは、感光性樹脂組成物を支持フィルム上に塗布し、乾燥した後、接触式の膜厚計である(株)Nikon製デジマイクロMH-15Mを用い、測定した。
<耐湿性評価>
感光性フィルムから保護フィルムを剥離し、感光性樹脂層がシリコンウエハに向くように配置し、80℃、0.3MPaの条件でロールラミネートを行った後、支持フィルムを剥離し、感光性樹脂層をシリコンウエハ上に形成した。得られた感光性樹脂層に、ビアの径が5、10、15、と5μm刻みで100μmまでのビアパターンが20個配置されたフォトマスクを載せ、超高圧水銀灯を光源とした露光機にて露光量400mJ/cm(i線カットフィルター使用、h線換算)で露光を行った。露光後、100℃のホットプレートで5分間加熱した。次に、水酸化テトラメチルアンモニウムの2.38重量%水溶液を用いて、200秒間のシャワー現像により未露光部を除去し、水にてリンス処理を60秒間行い、その後、スピン乾燥を行った。さらに、イナートオーブンにて200℃、60分の熱処理を行い、シリコンウエハ上にビアパターンが加工された絶縁膜をシリコンウエハ上に形成した。
ビアパターンを加工した絶縁膜を形成したシリコンウエハをプレッシャークッカー試験機に投入し、121℃、100%の条件にて500時間の試験を行った。試験後、ウエハを取り出し、乾燥させた。100μmのビア周辺でフィラーからの溶出物由来の析出物の有無を顕微鏡または電子顕微鏡にて観察し、フィラーからの溶出物由来の析出物が見られなかったものをA、見られたものをBと判定した。
<解像性評価>
前記耐湿性評価でシリコンウエハ上に作成したビアパターンを顕微鏡で観察し、ビアが開口した最小寸法を解像性とした。ここでいうビアの開口は、フォトマスクの設計値に対して50%以上が開口することを以てビア開口とした。40μm以下のビアが開口したものをA、45μmより大きく60μm以下のビアが開口したものをB、60μmより大きいビアが開口したものをCと判定した。
<中空保持性評価>
実施例及び比較例で製造した電子部品を、SAWフィルターの断面がわかる位置で切断し、屋根材の変位量を電子顕微鏡(1000倍)により観察した。
変位量の観察では、SAWフィルター内部の空間、つまり中空構造が確保されているかどうかを、次の三段階で評価した。
〇:屋根材の変形がなく、中空構造が確保されている。
△:屋根材の変形が多少みられるが、中空構造が確保されている。
×:中空構造が確保されていない。
以下に実施例及び比較例を示して具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<感光性フィルムの作製>
<バインダー樹脂>
以下の方法により合成したアルカリ可溶性ポリイミドを用いた。
乾燥窒素気流下、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン36.26g(0.099モル)、3-アミノフェノール3.93g(0.036モル)をγ-ブチロラクトン(以下、GBLとする。)163.39gに溶解させ、70℃で60分攪拌した。ここに、1,3-ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン2.24g(0.009モル)、ポリプロピレングリコールジアミン24.00g(0.054モル)、GBL20.00gを加え15分攪拌した。ここにビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物55.84g(0.180モル)を加え、15分間攪拌後、220℃で5時間攪拌してアルカリ可溶性ポリイミド樹脂溶液(固形分濃度40重量%)を得た。得られた樹脂のイミド化率は95%であった。
<ガラスフィラー>
ガラスフィラー1
酸化ケイ素(以下、SiOとも記す)を45重量%、酸化アルミニウム(以下、Alとも記す)を25重量%、酸化ホウ素(以下、Bとも記す)を4重量%、酸化イットリウム(以下、Yとも記す)を26重量%含有するガラスフィラー。屈折率(波長405nm):1.61、平均粒子径1.2μm、抽出イオン量(マグネシウムイオン、カルシウムイオン、および亜鉛イオンの総量)7ppm(重量基準)。
ガラスフィラー2
SiOを45重量%、Alを25重量%、Bを4重量%、酸化ランタン(以下、Laとも記す)を26重量%含有するガラスフィラー。屈折率(波長405nm):1.67、平均粒子径1.2μm、抽出イオン量(マグネシウムイオン、カルシウムイオン、および亜鉛イオンの総量)7ppm(重量基準)。
ガラスフィラー3:
SiOを46重量%、Alを17重量%、酸化亜鉛(以下、ZnOとも記す)を27重量%、酸化マグネシウム(以下、MgOとも記す)を10重量%含有するガラスフィラー。屈折率(波長405nm):1.61、平均粒子径1.2μm、抽出イオン量(マグネシウムイオン、カルシウムイオン、および亜鉛イオンの総量)150ppm(重量基準)。
シリカ
SO-E4(アドマテックス株式会社)。屈折率(波長405nm):1.47、平均粒子径1.1μm、抽出イオン量(マグネシウムイオン、カルシウムイオン、および亜鉛イオンの総量)2ppm(重量基準)。
<光重合性化合物>
BP-6EM(共栄社化学株式会社)
<光重合開始剤>
NCI-831(株式会社ADEKA)
<熱架橋剤>
HMOM-TPHAP(本州化学工業株式会社)
<重合禁止剤>
フェノチアジン(東京化成工業株式会社)
<密着改良剤>
KBM-403(信越化学工業株式会社)
<希釈溶剤>
γブチロラクトン(三菱化学株式会社)
<感光性樹脂組成物の調合>
以下に一例として実施例1で使用するワニス1の調合を示す。
バインダー樹脂として、上述したアルカリ可溶性ポリイミド樹脂溶液(250g(固形分として100g))、ガラスフィラー1(400g)、光重合性化合物としてBP-6EM(60g)、光重合開始剤として NCI-831(10g)、熱架橋剤としてHMOM-TPHAP(80g(固形分として16g))、重合禁止剤としてフェノチアジン(0.01g)、密着改良剤としてKBM-403(3g)、希釈溶剤としてγブチロラクトン(270g)を添加し、120分間室温にて攪拌し感光性樹脂組成物を調製した。
ワニス2については、ガラスフィラー1をガラスフィラー2に変更し、ワニス1と同様に感光性樹脂組成物を調製した。
ワニス3については、ガラスフィラー1をガラスフィラー3に変更し、ワニス1と同様に感光性樹脂組成物を調製した。
ワニス4については、ガラスフィラー1をシリカに変更し、ワニス1と同様に感光性樹脂組成物を調製した。
<感光性フィルムの作製>
以下に一例としてワニス1を用いた感光性フィルム1の作製方法を示す。
ワニス1の感光性樹脂組成物を、コンマロールコーターを用いて厚さ50μm、ヘイズ0.7%、酸素透過率20cc/(m・24h・atm)のポリエチレンテレフタレートフィルム(支持フィルム)上に塗布し、80℃で5分間乾燥を行った。乾燥させた後、保護フィルムとして、厚さ50μmのポリプロピレンフィルム(保護フィルム)をラミネートし、感光性樹脂組成物からなる層の厚みが20μmの感光性フィルム1を得た。
同様にして、ワニス2を用いて感光性フィルム2を、ワニス3を用いて感光性フィルム3を、ワニス4を用いて感光性フィルム4を作製した。
<封止材>
固形封止材としては、ビフェニルエポキシ樹脂11.67重量%、フェノールノボラック樹脂6.5wt%、硬化促進剤0.53重量%、溶融シリカ80重量%をシランカップリング剤0.7重量%で処理したもの、カーボンブラック0.3重量%、カルナウバワックス0.3重量%を溶融混練したもの用いた。
液状封止材としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂21.4重量%、液状酸無水物17.9重量%、イミダゾール0.6重量%、溶融シリカ60重量%をシランカップリング剤0.2重量%で処理したものを混合、撹拌したものを用いた。
実施例1
素子を有する基板(厚み200μm、大きさ1.4×1.1mm)と、柱材(Hh:10μm、Hw:50μm)と、基板上の素子と導通する導体と、屋根材を備えたSAWフィルターを準備した。柱材で囲まれた部分の面積Sは0.2mmであった。屋根材、柱材は感光性フィルム1を用いて作成した。
SAWフィルターの屋根材の外周近傍の導体と導通する位置に、6点の金属ボール(バンプ)を、スクリーン印刷により均等に配置した。各バンプが配置されたSAWフィルターを、セラミック基板上に複数搭載し、加熱および冷却し、実装構造体を得た。
得られた実装構造体を金型にセットした後、上述の固形封止材を温度175℃、圧力2MPaの条件で同金型に圧入し、トランスファー成型による封止を行い、図1のような封止層を形成し、電子部品を作成した。耐湿性評価、解像性評価、中空保持性については、上述した方法で評価した。
実施例2
素子を有する基板(厚み200μm、大きさ1.4×1.1mm)と、柱材(Hh:10μm、Hw:50μm)と、基板上の素子と導通する導体と、屋根材を備えたSAWフィルターを準備した。柱材で囲まれた部分の面積Sは0.2mmであった。屋根材、柱材は感光性フィルム1を用いて作成した。
SAWフィルターの屋根材の外周近傍の導体と導通する位置に、6点の金属ボール(バンプ)を、スクリーン印刷により均等に配置した。各バンプが配置されたSAWフィルターを、セラミック基板上に複数搭載し、加熱および冷却し、実装構造体を得た。
得られた実装構造体に、上述した液状封止材を図5の12に示すように配線基板と屋根材の間に注入し、150℃で1時間硬化を行い、樹脂層を形成した。その後、金型にセットし、上述の固形封止材を温度175℃、圧力2MPaの条件で同金型に圧入し、トランスファー成型による封止を行い、図5のような封止層を形成し、電子部品を作成した。耐湿性評価、解像性評価、中空保持性については、上述した方法で評価した。
実施例3
屋根材、柱材に感光性フィルム2を用い、実施例1と同様に作成、評価した。
比較例1
屋根材、柱材に感光性フィルム3を用い、実施例1と同様に作成、評価した。
比較例2
屋根材、柱材に感光性フィルム4を用い、実施例1と同様に作成、評価した。
実施例1~3、比較例1、2の電子部品を評価した結果を表1に示す。
Figure 2022111076000002
湿度の影響によりガラス成分の溶出が起こらないガラスフィラーを適用することで、耐圧性に優れ、信頼性の高い中空構造を有する電子部品を提供する。
1:屋根材
2:柱材
3:導体
4:素子(電極を有する機能素子領域)
5:電極
6:空間
7:基板
8:金属ボール
9:配線基板
10:配線用導体
11:封止層
12:樹脂層
13:ラミネートロール
14:感光性樹脂層
15:支持フィルム
16:マスク

Claims (6)

  1. 基板、素子、柱材、および屋根材を有する電子部品であって、
    前記素子は、前記基板上に形成されており、
    前記素子の周囲に空間を確保する位置に、柱材と屋根材が形成されていることにより、基板、柱材、屋根材で構成される中空構造を有し、
    前記柱材および/または屋根材は、ガラスフィラーを含み、
    前記ガラスフィラーは、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化ホウ素からなる群から選ばれる少なくとも二種を含有し、さらに希土類酸化物を含有することを特徴とする、電子部品。
  2. 前記屋根材の中空構造側の面とは反対側の面に、金属ボールを有することを特徴とする、請求項1記載の電子部品。
  3. 封止層を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の電子部品。
  4. 配線基板をさらに有し、
    前記配線基板は、屋根材の中空構造側の面とは反対側の面の側に配置され、
    前記封止層は、前記屋根材、前記柱材、及び前記基板を封止することを特徴とする、請求項3に記載の電子部品。
  5. 樹脂層をさらに有し、前記樹脂層の一方の面は前記配線基板と接し、前記樹脂層の他方の面は前記屋根材と接するように配置された、請求項4記載の電子部品。
  6. 前記封止層と前記樹脂層が、異なる組成であることを特徴とする、請求項5記載の電子部品。
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