JP2022110664A - 坩堝、結晶体および光学素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】結晶体内での添加元素のバラツキが小さい結晶体を得ることができる坩堝と、その坩堝を用いて得られる結晶体と、その結晶体を用いた光学素子とを提供すること。【解決手段】結晶の原料となる融液を溜める融液貯留部24と、結晶の形状を制御するノズル部34と、を有する坩堝である。ノズル部34は、融液を融液貯留部24からノズル部34の端面35に流出させるノズル孔36を有する。ノズル孔36の内周面の表面粗さが10μm以下である。【選択図】図3

Description

本発明は、たとえばマイクロ引き下げ法(以下、μ-PD法ともいう)などに用いる坩堝と、その坩堝を用いて育成される結晶体と、その結晶体を用いた光学素子に関する。
μ-PD法は、坩堝底部に形成されたノズル孔を通過する原料融液を種結晶に接触させた後、種結晶を下方に移動することで結晶成長を行う方法の一種である。坩堝内の均一な原料融液が、ノズル孔から連続的かつ強制的に排出して結晶化するため、結晶成長方向の組成変動が少ない特徴を有する。
またノズル孔が設置され、ノズル孔を通過して坩堝外側に出た原料融液が濡れ拡がるノズル面の形状により、結晶成長面の形状を規定できるため、結晶成長時の形状精度が高い結晶が育成可能である。
単結晶材料は、目的の材料特性を付加させる手段として、単結晶構成元素以外の異種元素(ドーパント)を添加させる事例が多い。特に、レーザー用光学結晶、非線形光学結晶、シンチレータ用発光結晶、蛍光体結晶等の光学結晶は、ドーパントにより光学特性が大きく変化するため、結晶内のドーパント濃度分布が、結晶全体の光学特性に大きく作用する。
特許文献1に記載の坩堝では、ノズルの端面に複数のノズル孔を設け、結晶内の添加元素の均一化を図っている。しかしながら、従来の坩堝の構成では、特に偏析係数が1より小さい元素を添加元素とする場合には、育成された結晶内の添加元素のバラツキが大きいことが本発明者により判明した。
特開2008-239352号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、結晶体内での添加元素のバラツキが小さい結晶体を得ることができる坩堝と、その坩堝を用いて得られる結晶体と、その結晶体を用いた光学素子とを提供することである。
上記の課題を解決するために、鋭意検討した結果、本発明者は、ノズル孔の内周面の表面粗さを、所定値以下とすることで、特に偏析係数が1未満の添加元素であっても結晶体の内部に均一に分散することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係る坩堝は、
結晶の原料となる融液を溜める融液貯留部と、結晶の形状を制御するノズル部と、を有する坩堝であって、
前記ノズル部は、前記融液を前記融液貯留部から前記ノズル部の端面に導くノズル孔を有し、
前記ノズル孔の内周面の表面粗さが10μm以下であることを特徴とする。
本発明の坩堝によれば、ノズル孔の内周面の表面粗さを、所定値以下とすることで、特に偏析係数が1未満の添加元素であっても結晶体の内部に均一に分散させることができる。その理由としては、必ずしも明らかではないが、たとえば次のように考えられる。
添加元素を結晶体の内部に均一に分散させるために、坩堝のノズル端に複数のノズル孔を設け、各ノズル孔から融液を結晶成長面に吐出させることが提案されている。しかしながら、従来の坩堝では、ノズル孔の内周面の表面粗さにまでは着目していなかったため、ノズル孔間での融液の流出量に差異が生じることなどが原因で、添加元素を結晶体の内部に均一に分散させることが困難であった。
本発明の坩堝では、ノズル孔の内周面の表面粗さを所定値以下とすることで、各ノズル孔からの融液の流出が安定になると共に、各ノズル孔からの融液の流出量が略均等になり、添加元素を結晶体の内部に均一に分散させることが容易になると考えられる。さらに、坩堝のノズル端に単一のノズル孔が形成される場合であっても、ノズル孔の内周面の表面粗さまでは管理しない従来の坩堝に比べて、ノズル孔からの融液の流出が安定化され、添加元素を結晶体の内部に均一に分散させることが容易になる。
好ましくは、前記ノズル部は、複数の分割部品の組立体であり、前記ノズル孔は、それぞれの前記分割部品の合せ面に形成してある溝が組み合わされて形成される。
坩堝は、融液の温度に耐える耐熱性や、誘導加熱が可能なことなどが要求され、たとえば加工が困難な金属などで構成されることが多い。そのため、坩堝に形成されるノズル孔の加工が困難であり、ノズル孔の内周面の表面粗さを10μm以下にすることは容易ではなかった。
本発明の好ましい態様では、ノズル孔を構成することになる溝を、それぞれの分割部品の合せ面に形成し、分割部品を組み合わせることでノズル孔が形成される。孔の加工とは異なり、溝の加工は、加工面が外部に露出するために表面粗さの精度を出しやすく、表面粗さを10μm以下、5μm以下、あるいは1μm以下にすることは容易である。そのため、分割部品を組み合わせることで溝同士が組み合わされてノズル孔を形成することになり、そのノズル孔の内周面の表面粗さを所定値以下にすることも容易になる。
分割部品の合せ面に複数の溝を形成し、分割部品を組み合わせることで複数のノズル孔を形成することもできる。各溝の加工は、表面粗さの精度を出しやすく、複数の溝の表面粗さの精度を略均一にすることも容易である。そのため、各ノズル孔からの融液の流出量が略均等になり、添加元素を結晶体の内部に均一に分散させることが、さらに容易になる。
好ましくは、前記溝は、前記合せ面の途中または端角部で、前記融液貯留部から前記ノズル部の端面まで延び、前記溝が、前記ノズル孔の内周面の一部を形成している。このように構成することで、ノズル孔の内周面の表面粗さを所定値以下にすることが容易になる。
好ましくは、前記分割部品は、前記ノズル部の外側面を構成する第1部品と、前記第1部品に組み合わされる第2部品と、を有する。ノズル部の外側面を構成する第1部品に、第2部品を組み合わせることにより、容易に表面粗さが所定値以下の平滑な内周面を持つノズル孔を有するノズル部を形成することができる。なお、第2部品自体も、分割部品の組み合わせであってもよい。
好ましくは、前記第1部品は、前記融液貯留部と一体化しており、前記第2部品は、前記融液貯留部から分離可能に形成してある。このように構成してあることで、容易にノズル部を形成することができる。また、融液貯留部と第1部品が一体化しているため、融液が確実にノズル部の端面で漏出する。
好ましくは、前記第1部品の内側面は前記融液貯留部から前記ノズル部の端面の中心に近づく方向に向かって傾斜しており、
前記第2部品の外側面は、前記第1部品の内側面に対応して傾斜しており、
前記第1部品の内側面と前記第2部品の外側面とが対向して組み合わされる。
このように構成してあることで、第2部品を第1部品の開口に挿入して落とし込むのみで、第2部品は抜け落ちず、容易にノズル部を形成することができる。また、第2部品の外側面と、第1部品の内側面とが、それぞれの合せ面となり、これらの合せ面には溝が形成してあり、第1部品と第2部品とを組み合わせることで、融液貯留部からノズル部の端面の中心に近づく方向に向かって傾斜するノズル孔を、容易に形成することもできる。
好ましくは、前記内周面には、前記融液貯留部に貯留してある融液との濡れ性が高い濡れ性改善層がコーティングしてある。このように構成してあることで、溶融液がノズル孔を通過して端面に流出しやすくなり、結晶体内の添加元素のバラツキを効果的に抑制することができる。
好ましくは、坩堝は、イリジウム、レニウム、モリブデン、タンタル、タングステン、白金、または、これらの合金で構成してある。これらの金属(合金含む)は、耐熱性に優れ、しかも誘導加熱し易く、坩堝として好ましく用いられる。また、このような材質の坩堝を用いると、高融点の結晶の製造が可能となる。
ただし、これらの材質は、一般的には加工が困難であるが、本発明の好ましい坩堝の構成では、これらの金属に孔を加工して形成することなく、分割部品の外面に溝を形成し分割部品を組み合わせることでノズル孔を形成するために、ノズル孔の内周面の表面粗さを所定値以下の精度で加工しやすい。
本発明に係る結晶体(好ましくは単結晶)は、上記のいずれかに記載の坩堝を用いて製造され、偏析係数1未満の添加元素を含んでもよい。本発明に係る坩堝を用いて育成される結晶は、理想的な柱状の形状に近くなる。また、この結晶体は異相が混入しにくくなり、さらに、多結晶化しにくい。
また、本発明に係る結晶体の製造方法は、
結晶の原料となる融液を、ノズル部に形成してある内周面の表面粗さが10μm以下のノズル孔のノズル孔出口から流出させる工程を有する。
本発明の製造方法によれば、偏析係数が1未満の添加元素が含まれる場合であっても、添加元素の濃度バラツキが抑制された結晶体を得ることができる。本発明の製造方法により得られる結晶体は、結晶性が向上し、単結晶に成りやすく、多結晶化を抑制することができると共に、クラックの発生も抑制される。
また、本発明の製造方法を用いて得られる結晶体は、結晶体は、光学素子として好ましく用いられる。
さらに、本発明の方法を用いることで、結晶成長の安定化が確保され、結晶体の形状精度が向上する。そのため、結晶体の加工ロスが少なくなり、高品質の結晶体を高効率で製造することができる。
図1は本発明の一実施形態に係る坩堝を持つ結晶製造装置の概略断面図である。 図2は図1に示す坩堝のII部分の拡大断面図である。 図3は図1に示す坩堝の一部断面斜視図である。 図4Aは図2に示すノズル部の構成を詳細に示す概略分解斜視図である。 図4Bは図2に示すノズル部端面のIVB-IVB線に沿う平面図である。 図5Aは本発明の他の実施形態に係る坩堝におけるノズル部端面の平面図である。 図5Bは本発明の他の実施形態に係る坩堝におけるノズル部端面の平面図である。 図6は本発明のさらに他の実施形態に係る坩堝の拡大断面図である。 図7は本発明の実施例と比較例に係る添加元素の濃度偏差の比較を示すグラフである。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
第1実施形態
図1に示すように、本実施形態の結晶製造装置2は、坩堝4と、耐火炉6とを有する。坩堝4については、後述する。耐火炉6は、耐火材で構成され、坩堝4の周りを2重に覆っている。耐火炉6には、坩堝4からの融液の引き下げ状態を観察するための観察窓が形成してあってもよい。
耐火炉6は、さらに外ケーシング8により覆われており、外ケーシング8の外周には、坩堝4の全体を加熱するための主ヒータ10が設置してある。本実施形態では、外ケーシングは、たとえば石英管で形成してあり、主ヒータ10としては、誘導加熱コイル10を用いている。坩堝4の下方には、種結晶保持治具12により保持された種結晶14が配置される。種結晶14としては、製造されるべき結晶と同一または同種類の結晶が用いられる。たとえば製造すべき結晶がCeドープのYAG結晶であれば、添加物を含まないYAG単結晶などが用いられる。
種結晶保持治具12の素材は特に限定されないが、使用温度である1900℃付近において影響の少ない緻密アルミナ等で構成されることが好ましい。種結晶保持治具12の形状と大きさも特に限定されないが、耐火炉6に接触しない程度の径である棒状の形状であることが好ましい。
坩堝4の下端外周には、筒状のアフターヒータ16が設置されている。アフターヒータ16には、耐火炉6の観察窓と同位置に観察窓が形成してあってもよい。アフターヒータ16は、坩堝4に連結して用いられ、筒状のアフターヒータ16の内部空間に、図2に示す坩堝4のノズル部34のノズル孔出口38が位置するように配置され、ノズル部34とノズル孔出口38から引き出される融液とを加熱可能になっている。図1に示すアフターヒータ16は、たとえば坩堝4と同様(同一である必要はない)な材質などで構成され、坩堝4と同様に高周波コイル10によりアフターヒーター16が誘導加熱されることで、アフターヒーター16の外表面から輻射熱が発生し、ヒータ16の内部を加熱可能になっている。
なお、図示しないが、結晶製造装置2には、耐火炉6の内部を減圧する減圧手段、減圧をモニターする圧力測定手段、耐火炉6の温度を測定する温度測定手段および耐火炉6の内部に不活性ガスを供給するガス供給手段などが設けられている。
結晶の融点が高いなどの理由から、坩堝4の材質はイリジウム、レニウム、モリブデン、タンタル、タングステン、白金、または、これらの合金であることが好ましい。また、坩堝4はカーボン製であってもよい。坩堝4を、坩堝4以外の部材の発熱により間接的に加熱する場合、結晶化する材料の融液と反応せず、融点で軟化等の現象が生じない坩堝4が好適である。誘導加熱(高周波加熱)等により坩堝4自体が発熱体となる場合、さらに電気伝導性を有し、外部磁界により加熱する材料が好適である。例としてIr(イリジウム)、Mo(モリブデン)、W(タングステン)、Re(レニウム)、Pt(白金)、白金合金が挙げられる。また、坩堝4の材質の酸化による結晶への異物混入を防止するために、坩堝4の材質としては、イリジウム(Ir)を用いることがより好ましい。
なお、1500℃以下の融点の物質を対象とする場合は、坩堝4の材質としてPtを使用することが可能である。また、坩堝4の材質としてPtを使用する場合には、大気中での結晶成長が可能である。1500℃を超える高融点物質を対象とする場合は、坩堝4の材質として、Ir等を用いるため、結晶成長はAr等の不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。耐火炉6の材質は特に限定されないが、保温性や使用温度、結晶への不純物混入防止の観点からアルミナであることが好ましい。
次に、本実施形態の結晶製造装置2に用いる坩堝4について詳細に説明する。図2に示すように、本実施形態に係る坩堝4は、結晶の原料となる融液30を溜める融液貯留部24と、結晶の形状を制御するノズル部34とを有する。なお、坩堝4が大型の場合には、融液貯留部24の長手方向の途中で複数の部材を接合して坩堝4を構成してもよい。融液貯留部24は、有底筒状の収容壁26を有する。収容壁26の内面に一定量の融液30を融液貯留部24に貯留可能になっている。
本実施形態では、坩堝4は、μ-PD法に用いられ、ノズル部34は、ノズル部34が融液貯留部24の鉛直方向の下側に位置し、融液貯留部24に貯留してある融液30は、ノズル部34の下端面35に形成してあるノズル孔出口38から、種結晶14により鉛直方向の下側に引き出されるようになっている。
ノズル部34は、融液貯留部24を構成する収容壁26の底部外面28の略中央部から突出しているノズル外側面37を有する。ノズル外側面37の最下端が、ノズル部34の下端面35と交差し、下端面35と外側面37との境界に位置する角部が、下端面35の外周縁35aとなる。
結果として、ノズル部34の下端面35は、収容壁26の底部外面28から鉛直下方(引き出し方向Z)に向けて所定距離Z1で突出している。所定距離Z1は、好ましくは、ノズル孔出口38から引き出される融液が底部外面28には付着しないように決定され、好ましくは、1~5mm、さらに好ましくは1~2mmである。ノズル部34は、融液を溜める融液貯留部24からノズル部34の下端面35に流出させるノズル孔36を有する。ノズル部34の下端面35は、引出方向Zに実質的に垂直で平坦な面である。
融液貯留部24を構成する収容壁26の底部内面は、中央に位置するノズル部34に向けてテーパ状に傾斜する傾斜面を有し、貯留部24に貯留してある融液30は、ノズル部34に形成してある各ノズル孔36のノズル孔入口32に向けて流れ込むようになっている。各ノズル孔36は、融液貯留部24の底部に向けて開口するノズル孔入口32と、ノズル部34の下端面35で開口するノズル孔出口38とを有する。
図3に示すように、ノズル部34は、第1部品50と第2部品56との組立体で構成してある。第1部品50は、融液貯留部24の収容壁26と一体化している略四角筒形状の分割部品であり、内側に略四角柱の開口を有する枠体である。第2部品56は、第1部品50の開口に入り込んで嵌合するように、略四角柱の形状を持ち、略三角柱形状の2つの分割部品56aが組み合わされて形成される。第2部品56は、第1部品50の開口に入り込んで嵌合することで、ノズル部34を形成している。
略四角筒形状の第1部品50は、融液貯留部24を構成する収容壁26の底部外面28の略中央部から突出しており、ノズル部34のノズル外側面37を構成している。図2および図3に示すように、第1部品50と第2部品56の間と、第2部品56の分割部品56a相互間にノズル孔36が形成してある。
図4Aに示すように、略四角筒状の第1部品50の開口の内周面(内側面)52の4つの角部には、融液貯留部24から下端面35まで通じる溝54が形成してある。各溝54の横断面は円の一部形状(円の約3/4の円弧形状)を有する。四角柱状の第2部品56の4つの角部には、溝54に対応する位置で、横断面が円の一部形状(溝54の円弧を補完してノズル孔となる円弧形状)を有する溝62a,62bが、引き出し方向Zと略平行な方向(多少傾斜してもよい/以下同様)に沿ってそれぞれ形成してある。
なお、二つの溝62aは、それぞれ、略三角柱形状の2つの分割部品56aの一対の外側面58の交差角部(外側面58の一端)に形成してあり、他の二つの溝62bは、分割部品56の各合せ面60,60が組み合わされることで形成される。各溝62bは、略三角柱形状の2つの分割部品56aの各合せ面60の両端に形成してある分割溝62b1が組み合わされることで形成される。分割溝62b1は、合せ面60と外側面58との交差角部に、引き出し方向Zと略平行な方向に沿って形成してある。
また、各第2部品56の分割部品56aの合せ面60の途中(図では中央付近)には、引き出し方向Zと略平行な方向に沿って、溝62cがそれぞれ形成してある。これらの溝62cは、分割部品56aの合せ面60の相互が合わさることで、溝62c同士が組み合わされて図2に示す中央に位置するノズル孔36を形成する。
本実施形態では、一対の分割部品56aの合せ面60の相互が組み合わせられて第2部品56が形成され、第2部品56は、その外側面58が第1部品50の内側面52と組み合わせられてノズル部34が形成される。その点では、第2部品56の外側面58と、第1部品50の内側面52とは、それぞれ合せ面とも言える。したがって、図2に示す各ノズル孔36の一部を構成する図4Aに示す溝54,62a,62b1,62cは、合せ面60,58,52の途中または端角部で、融液貯留部24からノズル部34の下端面35まで延び、ノズル孔36の内周面の一部を形成している。
これらの溝54,62a,62b1,62cの内面の表面粗さは、10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは1μm以下に研磨されている。また、合せ面60と、同様に合せ面となる外側面58および内側面52も、これらの溝と同様に、あるいは溝の表面粗さよりもより小さく、10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは1μm以下に研磨されている。研磨のための手段としては、特に限定されず、電解研磨、化学研磨、およびこれらの研磨方法と、物理的な研磨方法を組み合わせた複合研磨などが例示される。
分割部品62b1の合せ面60の相互間では、溝62c以外では、図2に示す融液30が漏れないように密着するように表面粗さが小さいことが好ましい。また、第2部品56の外側面58と、第1部品50の内側面52とは、それぞれ合せ面となることから、合せ面60と同様に、溝62a,62b1,62c以外では、図2に示す融液30が漏れないように密着するように表面粗さが小さいことが好ましい。
本実施形態では、第1部品50の内側面52は、融液貯留部24から端面35の中央付近に向かって内側にわずかに傾斜している。また、第2部品56の外側面58は、内側面52の傾斜に対応するように傾斜していることが好ましい。そのように構成することで、第2部品56を上から第1部品50の開口に挿入し易くなり、しかも、第2部品56が第1部品50から下方に落下することを抑制することができる。なお、第2部品56が第1部品50に組み合わされた状態で、第2部品56の下端面が第1部品50の下端面と面一になり、これらが一体となり下端面35を構成している。
なお、これらの溝54,62a,62b1,62cの内面には、図示省略してある濡れ性改善層が形成してあってもよい。濡れ性改善層としては、たとえば、希土類アルミニウム・ガーネット化合物では、酸化アルミ層、アルミニウムを含まない希土類ガーネット化合物、希土類酸化ケイ酸化合物では、同組成に含まれる希土類の酸化物層、あるいは、LiCaAlF、BaLiF等のアルカリ土類金属を含むフッ化物に関しては、同組成に含まれるアルカリ土類金属のフッ化物層(CaF,BaF)が例示される。これらの溝54,62a,62b1,62cの内面にのみ濡れ性改善層が形成してあることが好ましいが、第2部品56の上端面および下端面と、第1部品50の下端面にも濡れ性改善層が形成してあることが好ましい。分割部品56aの合せ面60および外側面58と、第1部品50の内側面52とは、融液30が入り込まないことが好ましいが、濡れ性改善層が形成してあってもよい。
図4Bに示すように、本実施形態では、ノズル部34の下端面35から見た外形形状は矩形であり、下端面35の外周縁35aも矩形となるが、外周縁35aの形状は、矩形に限らず、円形、六角形、その他の多角形状、楕円形状、あるいは、その他の異形形状であってもよい。外周縁35aの形状が、図2に示す坩堝4を用いたμ-PD法により製造される結晶の外側面形状を規定する。
本実施形態では、たとえば図4Bに示すように、ノズル孔36の下端面35でのノズル孔出口38は、下端面35の中心と4つの角部近くに形成してある。これら5つのノズル孔出口38は、図2に示すノズル孔36を通して、対応するノズル孔入口32に繋がっている。
本実施形態では、各ノズル孔36の流路断面は、入口32および出口38と共に円形であり、それぞれのノズル孔36は、結晶の引き下げ方向Zと略平行に延びている。ただし、各ノズル孔出口38の断面形状は、円形に限らず、多角形、楕円形、その他の形状にすることも可能である。
図1に示す本実施形態の坩堝4を有する結晶製造装置2は、μ-PD法などに好ましく用いられる。坩堝4の融液貯留部24に投入される原料は、メインヒータ10などで加熱されて、図2に示す溶融液30となり、ノズル部34のノズル孔36を通して、ノズル孔出口38から種結晶14により引き出され、種結晶14を引き下げることにより結晶を成長させて結晶体を得る。
次に、本実施形態の結晶製造装置2を用いる結晶の製造方法について簡単に説明する。本実施形態の結晶製造装置2では、まず、図1に示す坩堝4の融液貯留部24に、得ようとする結晶体の原料を入れ、主ヒータ10を起動させ融液貯留部24を加熱する。融液貯留部24が加熱されることで原料は融液貯留部24内で溶融し融液30となり、ノズル部34のノズル孔入口32からノズル孔36に流れる。融液30は、ノズル孔36を経て、ノズル孔出口38で種結晶14の上端に接触する。
その前後で、アフターヒータ―16も起動され、ノズル部34付近を加熱する。本実施形態の坩堝4を用いることで、ノズル部に形成してあるノズル孔36のノズル孔出口38から吐出された融液30は種結晶14の引き下げにより結晶化される。
本実施形態の坩堝4では、ノズル孔36の内周面の表面粗さを所定値以下とすることで、各ノズル孔36からの融液の流出が安定になると共に、各ノズル孔36からの融液の流出量が略均等になり、添加元素を結晶体の内部に均一に分散させることが容易になる。なお、坩堝4のノズル端35に単一のノズル孔36が形成される場合であっても、ノズル孔36の内周面の表面粗さまでは管理しない従来の坩堝に比べて、ノズル孔36からの融液の流出が安定化され、添加元素を結晶体の内部に均一に分散させることが容易になる。
本実施形態では、ノズル部34は、複数の分割部品50,56a,56aの組立体であり、ノズル孔36は、それぞれの分割部品50,56a,56aの合せ面60,58,52に形成してある溝62a,62b1,62c,54が組み合わされて形成される。
坩堝4は、融液の温度に耐える耐熱性や、誘導加熱が可能なことなどが要求され、たとえば加工が困難な金属などで構成されることが多い。そのため、坩堝4に形成されるノズル孔36の加工が困難であり、ノズル孔36の内周面の表面粗さを10μm以下にすることは容易ではなかった。
本実施形態では、ノズル孔36を構成することになる溝62a,62b1,62c,54を、それぞれの分割部品50,56a,56aの合せ面60,58,52に形成し、分割部品50,56a,56aを組み合わせることでノズル孔36が形成される。孔の加工とは異なり、溝の加工は、加工面が外部に露出するために表面粗さの精度を出しやすく、表面粗さを10μm以下、5μm以下、あるいは1μm以下にすることは容易である。そのため、分割部品50,56a,56aを組み合わせることで溝62a,62b1,62c,54同士が組み合わされてノズル孔36を形成することになり、そのノズル孔36の内周面の表面粗さを所定値以下にすることも容易になる。
本実施形態では、第1部品50の内側面(内周面)52に複数の溝54を形成し、第1部品50の開口に、複数の分割部品56aから成る第2部品56を挿入し、これらを組み合わせることで複数のノズル孔36を形成してある。また、第2部品56は、複数の分割部品56aを組み合わせることで形成され、各合わせ面60に形成してある溝62cを組み合わせて、ノズル孔36を形成している。各溝62a,62b1,54の加工は、表面粗さの精度を出しやすく、複数の溝の表面粗さの精度を略均一にすることも容易である。そのため、各ノズル孔36からの融液30の流出量が略均等になり、添加元素を結晶体の内部に均一に分散させることが、さらに容易になる。
さらに、本実施形態では、第1部品50の内側面52は融液貯留部24からノズル部34の下端面35の中心に近づく方向に向かって傾斜しており、第2部品56の外側面58は、第1部品50の内側面52に対応して傾斜している。このように構成してあることで、第2部品56を第1部品50の開口に挿入して落とし込むのみで、第2部品56は抜け落ちず、容易にノズル部34を形成することができる。また、第2部品56の外側面58と、第1部品50の内側面52とが、それぞれの合せ面となり、これらの合せ面には溝62a,62bが形成してあり、第1部品50と第2部品56とを組み合わせることで、融液貯留部24からノズル部34の下端面35の中心に近づく方向に向かって傾斜するノズル孔36を、容易に形成することもできる。
また、本実施形態では、ノズル孔36の内周面には、融液貯留部24に貯留してある融液30との濡れ性が高い濡れ性改善層がコーティングしてある。このように構成してあることで、溶融液30がノズル孔36を通過して下端面35に流出しやすくなり、結晶体内の添加元素のバラツキを、さらに効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、一般的には加工が困難である金属に孔を加工して形成することなく、分割部品56a,56aの外側面58に溝62a,62bを形成したり、第1部品50の内側面52の内角部に溝54を形成したり、合せ面60の中央に溝62cを形成している。そして、これらの分割部品を組み合わせることでノズル孔36を形成している。そのために、ノズル孔36の内周面の表面粗さを所定値以下の精度で加工しやすい。
本実施形態に係る結晶体(好ましくは単結晶)は、上記に記載の坩堝4を用いて製造され、偏析係数1未満の添加元素を含んでもよい。本実施形態に係る坩堝4を用いて育成される結晶は、理想的な柱状の形状に近くなる。また、この結晶体は異相が混入しにくくなり、さらに、多結晶化しにくい。
また、本実施形態に係る坩堝4を使用することにより、ノズル孔出口38から成長した結晶体中の組成(賦活剤含む)の濃度分布は、特に、引下方向Zに垂直な面で、略均一になる。また、引下方向Zに平行な面でも、略均一になる。本実施形態の装置2を用いて、たとえばYAG:Ceを製造する場合には、Ceのような賦活剤が均一に分散されたYAG:Ceなどの結晶体を得ることができる。
また、本実施形態に係る結晶体の製造方法は、結晶の原料となる融液30を、ノズル部34に形成してある内周面の表面粗さが10μm以下のノズル孔36のノズル孔出口38から流出させる工程を有する。本実施形態の製造方法によれば、偏析係数が1未満の添加元素が含まれる場合であっても、添加元素の濃度バラツキが抑制された結晶体を得ることができる。本実施形態の製造方法により得られる結晶体は、結晶性が向上し、単結晶に成りやすく、多結晶化を抑制することができると共に、クラックの発生も抑制される。
また、本実施形態の製造方法を用いて得られる結晶体は、結晶体は、光学素子として好ましく用いられる。さらに、本実施形態の方法を用いることで、結晶成長の安定化が確保され、結晶体の形状精度が向上する。そのため、結晶体の加工ロスが少なくなり、高品質の結晶体を高効率で製造することができる。
第2実施形態
図5Aに示すように、本実施形態に係る結晶製造装置は、ノズル部34の分割部品(第2部品)が第1実施形態と異なるのみであり、共通する部分の説明は省略し、以下、異なる部分について主として詳細に説明する。以下において説明しない部分は、第1実施形態の説明と同様である。
本実施形態に係る坩堝のノズル部34は、第1部品50と第2部品156との組立体である。第2部品156は、4つの四角柱形状の分割部品156aが組合わされ、四角筒枠状の第1部品50の内側に嵌合してノズル部34を形成している。
第2部品156の外側面58(合せ面)と第1部品50の内側面52(合せ面)との間と、第2部品156を構成する分割部品156aの合せ面60同士の間に、それぞれノズル孔136が形成してある。ノズル孔136は、第1実施形態と同様に、部品の合せ面に形成してある溝が組み合わされて形成される。ノズル孔136およびノズル孔出口138の配置と個数は自由に決定することができる。
第3実施形態
図5Bおよび図6に示すように、本実施形態に係る結晶製造装置は、ノズル部34の分割部品(第1部品および第2部品)が第1または第2実施形態と異なるのみであり、共通する部分の説明は省略し、以下、異なる部分について主として詳細に説明する。以下において説明しない部分は、第1または第2実施形態の説明と同様である。
本実施形態に係る坩堝のノズル部34は、第1部品50と単一の第2部品256との組立体である。第2部品256は、四角筒枠状の第1部品50の内側の開口にジャストフィットして嵌合する大きさの分割部品である。この第2部品256が第1部品50の内側に嵌合してノズル部34を形成している。
第2部品256の外側面58(合せ面)と第1部品50の内側面52(合せ面)との間にノズル孔236が形成してある。ノズル孔236は、第1または第2実施形態と同様に、部品の合せ面に形成してある溝が組み合わされて形成される。ノズル孔236の配置と個数は、自由に決定することができる。
本実施形態では、図5Bに示す第2部品256の外側面58を、図6に示す融液貯留部24からノズル部34の下端面35に向けて、ノズルの下端面35の中心42に近づく方向に傾けてある。また、第1部品50の内側面52も、それに合わせて傾けてある。その結果、図6に示すように、本実施形態に係るノズル孔236は、ノズル孔入口232からノズル孔出口238に向けて、端面35の中心42に近づく方向に向かって傾斜している。
また、本実施形態によれば、ノズル孔236では、融液貯留部24に開口するノズル孔入口232に比較して、ノズル孔出口238が下端面35の中心に近づくように流路の全体が傾斜している。このように構成してあることで、ノズル孔出口38から吐出された原料融液が、結晶成長面に沿って結晶の外側から内側に向き易くなる。
また、本実施形態では、図5Bに示すように、ノズル孔236の下端面35でのノズル孔出口238は、下端面35の外周縁35aの近くに位置するノズル孔形成領域40に配置してある。また、本実施形態では、ノズル孔出口238は、ノズル孔形成領域40の範囲内で、周方向に沿って所定間隔で断続的に形成してある複数の個別な出口238で構成してある。複数の出口238は、図6に示す複数の個別なノズル孔236を通して、対応する複数のノズル孔入口232に繋がっている。
本実施形態では、各ノズル孔236の流路断面は、入口232および出口238と共に円形であり、それぞれのノズル孔236は、入口232から出口238まで流路断面が一定であるが、必ずしも一定である必要はない。たとえば、本実施形態では、出口238のみを周方向に沿って複数の個別な出口238で構成し、ノズル孔236は、これらの複数の出口238を周方向に沿って繋ぐ単一のリング状孔としてもよい。また、ノズル孔入口232に関しも、ノズル孔236と同様に、複数の出口238を周方向に沿って繋ぐ単一のリング状開口としてもよい。
その場合には、融液貯留部24の近くでは、第1部品50と第2部品256との合せ面の間には、リング状の隙間または開口が形成されてもよい。リング状の隙間または開口は、引き出し方向Zに略平行であってもよい。あるいは、融液貯留部24の近くでは、第2部品256が形成されずに柱状の空間となっていてもよい。ただし、ノズル部234の下端面35の近くでは、第1部品50と第2部品256との合せ面の相互間は、ノズル孔236以外では、接触していることが好ましく、融液が漏れないことが好ましいが、多少漏れてもよい。また、個別のノズル孔出口238の断面形状も、円形に限らず、多角形、楕円形、その他の形状にすることも可能である。これらの変形は、第1実施形態および第2実施形態でも同様に適用可能である。
図5Bに示すように、本実施形態では、ノズル孔形成領域40の内側に位置する下端面35の中心42を含む領域は、ノズル孔出口38が実質的に形成されないノズル孔非形成領域44である。なお、本実施形態において、下端面35の中心42とは、下端面35の平面形状の幾何学的中心あるいは重心を意味する。たとえば下端面35の外周縁35aの形状が円の場合には、下端面35の中心42とは、円の中心を意味する。また、図5Bに示すように、外周縁35aの形状が四角または六角などの多角形状、楕円形状、その他の異形形状の場合には、下端面35の重心を意味する。下端面35は、第1部品50の下端面および第2部品256の下端面の合計である。
図5Bに示すように、ノズル孔形成領域40は、下端面35の中心42から外周縁35aまでの距離Rの1/2を周方向に結ぶ仮想境界線46と、外周縁35aとの間の範囲内に位置する。さらに好ましくは、ノズル孔形成領域40は、下端面35の中心42から外周縁35aまでの距離Rの2/3(さらに好ましくは3/4)を周方向に結ぶ仮想境界線46と、前記外周縁との間の範囲内に位置する。
なお、仮想境界線46の中心42からの距離は、α×Rとして表すことができ、αは、好ましくは1/2以上、さらに好ましくは2/3以上、特に好ましくは3/4以上であり、αの上限は、1未満であり、(R-α×R)で示されるノズル孔形成領域40の範囲内に、ノズル孔出口38が形成されるように決定される。ノズル孔出口238は、可能な限り、外周端35aの近くに形成されることが好ましい。
各ノズル孔出口238の内径(または開口面積)は、特に限定されず。各ノズル孔出口236がノズル孔形成領域40の範囲(R-α×R)内に収まるように決定される。各ノズル孔出口238が円形の場合には、出口238の内径は、たとえば(R-α×R)の1/10~9/10程度である。また、ノズル孔形成領域40の範囲内に位置するノズル孔出口238の配置数は、特に限定されないが、たとえば周方向に沿って、好ましくは4以上であり、さらに好ましくは6以上であり、特に好ましくは8以上である。
外周縁35aの形状が円の場合には、仮想境界線46の形状も円となり、その仮想境界線46の円の半径の大きさが、外周縁35aの距離(半径)Rのα倍となる。また、外周縁35aの形状が六角形の場合には、仮想境界線46の形状も六角形となり、その仮想境界線46の形状は、外周縁35aの形状のα倍の相似形となる。さらに、図5Bに示すように、外周縁35aの形状が四角形の場合には、仮想境界線46の形状も四角形となり、その仮想境界線46の形状は、外周縁35aの形状のα倍の相似形となる。外周縁35aの形状が、その他の異形形状の場合でも、その仮想境界線46の形状は、外周縁35aの形状のα倍の相似形となる。
なお、仮想境界線46の内側(中心42を含む領域)が、ノズル孔非形成領域44となり、その領域には、ノズル孔出口38が実質的に形成されない。「ノズル孔出口38が実質的に形成されない」の意味については、後述する。
本実施形態の坩堝4を用いることで、ノズル部34の端面35の外周縁35aの近くに位置するノズル孔形成領域40に配置してあるノズル孔出口38から、種結晶14により引き下げられる融液は、下端面35に沿ってノズル孔非形成領域44の中心42に向けて流れて結晶成長を行う。
すなわち、本実施形態の坩堝4を用いることで、結晶成長はノズル部34の端面35の外周縁35a近くから始まり内側に向けて進行する。そのため、偏析係数が1未満の添加元素が融液に含まれている場合であっても、その添加元素は、結晶中に取り込まれにくく、育成過程で徐々に濃くなるため、育成初期の外縁部に添加元素が偏析する現象を効果的に抑制することができる。
したがって、本実施形態の坩堝4を用いて得られる結晶体は、偏析係数が1未満の添加元素が含まれる場合であっても、結晶体の外側面近くでの添加元素(ドーパント)の過剰偏析が抑制されている。本実施形態の結晶体は、結晶性が向上し、単結晶に成りやすく、多結晶化を抑制することができると共に、クラックの発生も抑制される。
また、本実施形態の坩堝4を用いて得られる結晶体は、結晶体の中央近くでの添加元素(ドーパント)の濃度希薄化を抑制することができ、結晶体へのドーパント添加効果が増大する。得られた結晶体は、光学素子として好ましく用いられる。さらに、本実施形態の坩堝4を用いることで、結晶成長の安定化が確保され、結晶体の形状精度が向上する。そのため、結晶体の加工ロスが少なくなり、高品質の結晶体を高効率で製造することができる。
また、本実施形態では、ノズル部34の下端面35における外縁部35aの近くにノズル孔形成領域40を配置し、その内側をノズル孔非形成領域44とすることで、原料融液がノズル孔出口38を通過した後、結晶成長面に沿って移動する融液の流れが、結晶の外周側から内側に向かい易くなる。そのため、本実施形態に係る坩堝4を用いて育成される結晶は、理想的な柱状の形状に近くなる。また、この結晶体は異相が混入しにくくなり、さらに、多結晶化しにくい。
なお、本実施形態において、ノズル孔非形成領域44において、「ノズル孔出口が実質的に形成されない」とは、ノズル孔形成領域40に形成してあるノズル孔出口38の内径よりも小さいノズル孔出口を多少は形成してもよいと言う趣旨である。あるいは、ノズル孔出口38の内径が同じだとしても、ノズル孔出口非形成領域44には、ノズル孔形成領域40に形成してあるノズル孔出口38の数よりも、たとえば1/10以下程度に少ない数でノズル孔出口38を多少は形成してもよいとの趣旨である。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
実施例1
図1に示す結晶製造装置2を用い、Ce:YAG(CeがドープしてあるYAG)の単結晶から成る蛍光体を製造した。育成に用いた坩堝1はイリジウム製で、外径20mm、内径18mm、高さ50mmの円筒形状であった。装置2は、図2~図4Bに示す構造のノズル部34を有し、合計5個のノズル孔36のノズル孔出口38が、ノズル端面35の四隅に外周縁35aより1.0mm内側の位置とノズル端面35の中心に配置され、鉛直方向(引下方向)に貫通していた。ノズル端面35は、5.0mm×5.0mmの四角形(R=2.5mm)であり、各ノズル孔36の内径は、0.4mmであった。
(表面粗さ評価)
ノズル孔36の内周面36aをオリンパス社製レーザ顕微鏡(LEXT-OLS4100)を用いて、ノズル孔36の内周面36aにつき10回ずつ測定し、算術平均粗さRaを求めた。
本実施例に係るノズル孔36の内周面36aの算術平均粗さRaは6~9μmであった。
(試料の作製)
それぞれ純度99.99%のAl、Y、CeOの各酸化物粉末を、モル比でY:Al=3.0:5.0、かつCeO/(CeO+(1/2)Y)=0.01となる組成比で、計10gの原料を配合し、結晶育成用の原料とした。同原料を充填した坩堝4を単結晶育成装置2内に設置して、約2000°Cまで1時間かけて加熱した。
ガス流雰囲気にて、結晶方位<111>を長手方向とするYAl12単結晶を種結晶14として用い、図2に示すように、種結晶14の先端を、坩堝4の下端に具備してあるノズル部34に接触させ、ノズル部34のノズル孔出口38から出た原料融液が、種結晶14の先端に濡れ拡がる状態を経て、種結晶14を徐々に降下させて、毎分0.20mmの引下げ速度で結晶成長を行った。
約5mm角、長さ40mmの四角柱状のCe:YAG単結晶が得られた。単結晶は、濃黄色かつ透明で、外観目視では結晶内部にインクルージョン等の析出物が観られなかった。結晶体の4側面は何れも平滑であり、引下方向に直交する断面は、結晶全体に渡りほぼ正方形状であった。
得られた結晶体について、以下のようにして、評価用の試料をサンプリングして、以下の評価を行った。
(評価用試料のサンプリング)
マイクロ引下げ法により育成した結晶を各10本育成した。一つの結晶から引下げ方向に異なる位置で3つの評価用サンプルを作製した。各サンプルは、引下げ育成時の結晶体の外側面が外周縁となるように、引下げ方向と直交する切断面で試料を切り出して作製した。さらに結晶内部が観察できるように両面を鏡面研磨し、厚さ約1mmの評価用平板サンプルを用意した。合計で30点のサンプルを用いて、育成結晶の組成バラツキを評価した。
(組成バラツキの評価)
育成した結晶内の組成分布は、各サンプル中の添加元素Ceを、ICP-MS分析装置(Agilent社製7500S)を用いて、レーザーアブレーションICP質量分析法により評価した。各サンプルの組成分布測定結果から、統計的に四分位数を求めて、Ce濃度の偏差の比較評価を行った。
サンプルでの最大値と最小値の差が小さいほど組成バラツキが小さいと判断した。30個のサンプルについて行った結果を図7に示す。
実施例2
ノズル孔36の内周面36aの算術平均粗さRaが3~4μmの範囲にある点以外は、実施例1と同様なノズル部34を有する坩堝を用いて、マイクロ引下げ法により、Ce:YAG単結晶を育成した。
実施例1と同じ原料、同じ育成条件で結晶育成を行い、実施例1と同様な評価を行った。結果を、図7に示す。
実施例3
ノズル孔36の内周面36aの算術平均粗さRaが0.6~0.8μmの範囲にある点以外は、実施例1で用いた坩堝と、同じ材料、形状の坩堝を用いて、マイクロ引下げ法によりCe:YAG単結晶を育成した。
実施例1と同じ原料、同じ育成条件で結晶育成を行い、実施例1と同様な評価を行った。結果を、図7に示す。
実施例4
実施例3と同一仕様の坩堝に対して、ノズル孔36の内周面36aに、ALD(原子層堆積)装置(JSWアフティ社製AFALD-8)により、成膜温度150℃で、前駆体ガスとしてトリメチルアルミニウム(TMA)、酸化剤として酸素(O)を用いてAlコーティングを施した。ノズル孔36の内周面36aにAlコーティングが施されている以外は、実施例3で用いた坩堝と、同じ材料、形状の坩堝を用いて、マイクロ引下げ法によりCe:YAG単結晶を育成した。
実施例1と同じ原料、同じ育成条件で結晶育成を行い、実施例1と同様な評価を行った。結果を、図7に示す。
比較例1
一般的なノズル部を有する坩堝を用い、ノズル孔はワイヤー放電加工により形成した。ノズル孔36の内周面36aの算術平均粗さRaが12~18μmの範囲であった。それ以外は、実施例1と同じ原料、装置、雰囲気および育成条件で結晶育成を行い、実施例1と同様な評価を行った。結果を、図7に示す。
評価
図7に示すように、実施例1~4の結果は、比較例1の結果と比較して、サンプルでのCe濃度の最大値と最小値の差が小さく、組成バラツキが小さいという結果を示している。特に、実施例4,3,2,1の順で結果がよかった。
2… 結晶製造装置
4… 坩堝
6… 耐火炉(耐火材)
8… 外ケーシング
10… 主ヒータ
12… 種結晶保持治具
14… 種結晶
16… アフターヒータ
24… 融液貯留部
26… 収容壁
28… 底部外面
30… 融液
32,232… ノズル孔入口
34.134,234… ノズル部
35… 端面
35a… 外周縁
36,136,236… ノズル孔
36a… 内周面
37… 外側面
38,138,238… ノズル孔出口
40… ノズル孔形成領域
42… 中心
44… ノズル孔非形成領域
46… 仮想境界線
50… 第1部品(分割部品)
52… 内側面(合せ面)
54… 溝
56,156,256… 第2部品(分割部品)
56a,156a,256a… 分割部品
58… 外側面(合せ面)
60… 合せ面
62a,62b,62c… 溝

Claims (10)

  1. 結晶の原料となる融液を溜める融液貯留部と、結晶の形状を制御するノズル部と、を有する坩堝であって、
    前記ノズル部は、前記融液を前記融液貯留部から前記ノズル部の端面に導くノズル孔を有し、
    前記ノズル孔の内周面の表面粗さが10μm以下である坩堝。
  2. 前記ノズル部は、複数の分割部品の組立体であり、
    前記ノズル孔は、それぞれの前記分割部品の合せ面に形成してある溝が組み合わされて形成される請求項1に記載の坩堝。
  3. 前記溝は、前記合せ面の途中または端角部で、前記融液貯留部から前記ノズル部の端面まで延び、
    前記溝が、前記ノズル孔の内周面の一部を形成している請求項2に記載の坩堝。
  4. 前記分割部品は、前記ノズル部の外側面を構成する第1部品と、前記第1部品に組み合わされる第2部品と、を有する請求項2または3に記載の坩堝。
  5. 前記第1部品は、前記融液貯留部と一体化しており、
    前記第2部品は、前記融液貯留部から分離可能に形成してある請求項4に記載の坩堝。
  6. 前記第1部品の内側面は前記融液貯留部から前記ノズル部の端面の中心に近づく方向に向かって傾斜しており、
    前記第2部品の外側面は、前記第1部品の内側面に対応して傾斜しており、
    前記第1部品の内側面と前記第2部品の外側面とが対向して組み合わされる請求項4または5のいずれかに記載の坩堝。
  7. 前記内周面には、前記融液貯留部に貯留してある融液との濡れ性が高い濡れ性改善層がコーティングしてある請求項1~6のいずれかに記載の坩堝。
  8. イリジウム、レニウム、モリブデン、タンタル、タングステン、白金、または、これらの合金で構成してある請求項1~7のいずれかに記載の坩堝。
  9. 請求項1~8のいずれかに記載の坩堝を用いて製造される結晶体。
  10. 請求項9に記載の結晶体を有する光学素子。
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