JP2022109655A - 眼科装置及びその制御方法、並びに、プログラム - Google Patents
眼科装置及びその制御方法、並びに、プログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】被検眼の検査を行う検査手段を含む眼科装置において、被検眼の眼球運動を考慮した高精度な、被検眼と検査手段との位置合わせ(アライメント)を行える仕組みを提供する。【解決手段】被検眼Eの前眼部Eaを観察する観察手段と、被検眼Eの検査を行う検査手段と、検査手段及び観察手段を含む筐体である光学ヘッド部100を被検眼Eに対して位置合わせするために、光学ヘッド部100を駆動させる駆動部170と、駆動部170による駆動を制御する制御部300を備え、制御部300は、観察手段の出力である前眼部画像に基づいて被検眼Eの眼球運動に関する特徴量を算出し、当該算出された被検眼Eの眼球運動に関する特徴量に基づいて駆動部170を駆動制御する際の制御パラメータを設定する。【選択図】図1
Description
本発明は、眼科装置及びその制御方法、並びに、プログラムに関するものである。
近年、眼科装置として、被検眼の眼底における2次元画像を取得する眼底撮影を行うための眼底カメラ機能、及び、低コヒーレンス光による光干渉断層法(Optical Coherence Tomography:OCT)を利用して、被検眼の断層画像を撮影(撮像)するためのOCT機能を有する複合機が実用化されている。この複合機においては、ユーザーによる眼科装置の操作の熟練度を問わずに撮影が行えるように、被検眼眼球と被検眼の検査を行う検査手段を含む装置測定系との位置合わせであるアライメント、被検眼眼球と装置測定系との焦点合わせであるフォーカシング、及び、撮影等の操作が自動化されている。
眼底カメラにおける課題の1つに、被検眼の眼底撮影時におけるフレアの発生回避がある。そのために、眼底カメラでは、装置測定系から被検眼へと照射される撮影光及び被検眼から装置測定系へ戻ってくる反射光において、被検眼の角膜上及び水晶体上での撮影光及び反射光の光路を分離している。したがって、眼底カメラに要求されるアライメント精度は厳しく、上述した自動化された複合機の場合、自動アライメントの精度を向上させる必要がある。
この問題に鑑みて、特許文献1では、被検眼眼球から装置測定系までのXY方向の距離に応じた所定の重みづけによって、装置測定系の自動移動速度を決定するようにしている。具体的に、特許文献1では、距離が近づくにつれて、装置測定系の自動移動速度が遅くなるように調節することで、自動アライメントによる精度を向上させ、測定の精度や再現性、信頼性及び操作感を高めている。
被検眼の眼球運動の動きの幅や、速度及び動く頻度には個人差があり、また同一の被検眼であっても、体調等によって眼球運動の大きさの度合いは時々刻々と変化する。例えば、眼球運動の大きな被検眼の場合、自動化されたアライメントを実行する際に、被検眼の眼球運動に対して、被検眼の検査を行う検査手段を含む装置測定系の移動が追いつかない場合がある。また、眼球運動の大きな被検眼でも自動アライメントが行えるように装置測定系の移動速度を速く設定した場合、例えば、眼球運動の小さな被検眼に対して、要求されるアライメント精度が達成される位置を通りすぎることを繰り返すハンチング現象が生じる可能性がある。さらに、眼底カメラに要求されるアライメント精度は厳しいため、要求されるアライメント精度が達成される位置で停止できるように装置測定系の移動速度等を設定する必要がある。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、被検眼の検査を行う検査手段を含む眼科装置において、被検眼の眼球運動を考慮した高精度な、被検眼と検査手段との位置合わせ(アライメント)を行える仕組みを提供することを目的とする。
本発明の眼科装置は、被検眼の前眼部を観察する観察手段と、前記被検眼の検査を行う検査手段と、前記検査手段および前記観察手段を含む筐体を前記被検眼に対して位置合わせするために、前記筐体を駆動させる駆動手段と、前記駆動手段による前記駆動を制御する制御手段と、前記観察手段の出力である前眼部画像に基づいて、前記被検眼の眼球運動に関する特徴量を算出する算出手段と、前記算出手段で算出された前記被検眼の眼球運動に関する特徴量に基づいて、前記制御手段によって前記駆動手段を駆動制御する際の制御パラメータを設定する設定手段と、を有する。
また、本発明は、上述した眼科装置の制御方法、及び、当該制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを含む。
また、本発明は、上述した眼科装置の制御方法、及び、当該制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを含む。
本発明によれば、被検眼の検査を行う検査手段を含む眼科装置において、被検眼の眼球運動を考慮した高精度な、被検眼と検査手段との位置合わせ(アライメント)を行うことができる。
以下に、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。なお、以下に記載する本発明の実施形態で説明する形状や、構成要素の相対的な位置等は任意であり、本発明が適用される眼科装置の構成や様々な条件に応じて適宜変更できるものである。また、図面において、同一であるか又は機能的に類似している要素を示すために、図面間で同じ参照符号を用いる。
[眼科装置の概略構成及び光学レイアウト]
図1は、本発明の実施形態に係る眼科装置10の概略構成及び光学レイアウトの一例を示す図である。本実施形態で用いられる眼科装置10(具体的には、眼科撮像装置)は、2次元の眼底画像を撮像する眼底画像撮像部と、光干渉に基づく情報を用いて被検眼の眼底における3次元の断層画像を撮像する断層画像撮像部とを備える。
図1は、本発明の実施形態に係る眼科装置10の概略構成及び光学レイアウトの一例を示す図である。本実施形態で用いられる眼科装置10(具体的には、眼科撮像装置)は、2次元の眼底画像を撮像する眼底画像撮像部と、光干渉に基づく情報を用いて被検眼の眼底における3次元の断層画像を撮像する断層画像撮像部とを備える。
図1に示す眼科装置10は、光学ヘッド部100、分光器200、制御部300、入力部301、及び、表示部302を有して構成されている。以下、光学ヘッド部100、分光器200、制御部300の構成を順に説明する。
<光学ヘッド部100の構成>
光学ヘッド部100は、検査対象の眼である被検眼Eにおける、被検眼Eの前眼部Eaや、被検眼Eの眼底Efの2次元画像及び断層画像を撮像するための光学系を含む筐体である。なお、本実施形態においては、被検眼Eの眼底Efの2次元画像及び断層画像は、被検眼Eの検査情報の一例である。以下、筐体である光学ヘッド部100の内部に配置される各種の光学系について説明する。
光学ヘッド部100は、検査対象の眼である被検眼Eにおける、被検眼Eの前眼部Eaや、被検眼Eの眼底Efの2次元画像及び断層画像を撮像するための光学系を含む筐体である。なお、本実施形態においては、被検眼Eの眼底Efの2次元画像及び断層画像は、被検眼Eの検査情報の一例である。以下、筐体である光学ヘッド部100の内部に配置される各種の光学系について説明する。
光学ヘッド部100の内部において、被検眼Eに対向して対物レンズ101が設置される。さらに、対物レンズ101の光軸L1上には、光路分離部として機能する第1のダイクロイックミラー102及び第2のダイクロイックミラー103が配置される。これらのダイクロイックミラー102及び103によって、前眼部観察系の光路(光軸L2)、眼底撮影系の光路(光軸L3)及びOCT光学系の光路(光軸L5)が、波長帯域ごとに分岐される。この際、例えば、光学ヘッド部100の内部に配置される前眼部観察系は、観察手段の一例であり、また、光学ヘッド部100の内部に配置される眼底撮影系(眼底撮像系)及びOCT光学系は、検査手段の一例である。なお、検査手段としては、この眼底撮影系(眼底撮像系)及びOCT光学系に限定されるものではなく、例えば、被検眼Eの角膜厚測定や眼圧測定、眼内屈折率測定、眼球形状測定、または眼底EfのSLO検査等を目的とした光学系を適用してもよい。
≪前眼部観察系≫
第2のダイクロイックミラー103の反射方向の光軸L2上には、レンズ120、絞り121、プリズム122、レンズ123及びイメージセンサ124が配置される。光軸L2上に配置されるこれらの光学部材、及び、前眼部観察用光源125によって、被検眼Eの前眼部Eaを観察するための観察手段の一例である前眼部観察系(前眼部観察光学系)が構成される。対物レンズ101の近くに配置された前眼部観察用光源125は、被検眼Eの前眼部Eaを照明する。また、イメージセンサ124は、例えば、赤外域の感度を持つモノクロのセンサであり、制御部300に電気的に接続されている。そして、イメージセンサ124により取得された前眼部画像の各画素値は、制御部300を介して表示部302に出力される。
第2のダイクロイックミラー103の反射方向の光軸L2上には、レンズ120、絞り121、プリズム122、レンズ123及びイメージセンサ124が配置される。光軸L2上に配置されるこれらの光学部材、及び、前眼部観察用光源125によって、被検眼Eの前眼部Eaを観察するための観察手段の一例である前眼部観察系(前眼部観察光学系)が構成される。対物レンズ101の近くに配置された前眼部観察用光源125は、被検眼Eの前眼部Eaを照明する。また、イメージセンサ124は、例えば、赤外域の感度を持つモノクロのセンサであり、制御部300に電気的に接続されている。そして、イメージセンサ124により取得された前眼部画像の各画素値は、制御部300を介して表示部302に出力される。
≪眼底撮影系・固視灯≫
第2のダイクロイックミラー103の透過方向の光軸L3上には、穴あきミラー131、撮影絞り132、フォーカスレンズ133、結像レンズ134、第3のダイクロイックミラー135及びイメージセンサ136が配置される。光軸L3上に配置されるこれらの光学部材等によって、被検眼Eの眼底Efの観察及び撮影のための眼底撮影系(眼底撮影光学系)が構成される。穴あきミラー131は、中央部に開口を有する。フォーカスレンズ133は、光軸L3上の位置を移動することにより、ピントを調整する。また、光軸L3上の光路は、第3のダイクロイックミラー135によって、イメージセンサ136へ至る光路及び固視灯137へ至る光路に、波長帯域ごとに分岐される。イメージセンサ136は、可視光と赤外光とに感度を有する動画観察と静止画撮影を兼ねたセンサである。固視灯137は、可視光を被検眼Eに投影して被検者の固視を促す。
第2のダイクロイックミラー103の透過方向の光軸L3上には、穴あきミラー131、撮影絞り132、フォーカスレンズ133、結像レンズ134、第3のダイクロイックミラー135及びイメージセンサ136が配置される。光軸L3上に配置されるこれらの光学部材等によって、被検眼Eの眼底Efの観察及び撮影のための眼底撮影系(眼底撮影光学系)が構成される。穴あきミラー131は、中央部に開口を有する。フォーカスレンズ133は、光軸L3上の位置を移動することにより、ピントを調整する。また、光軸L3上の光路は、第3のダイクロイックミラー135によって、イメージセンサ136へ至る光路及び固視灯137へ至る光路に、波長帯域ごとに分岐される。イメージセンサ136は、可視光と赤外光とに感度を有する動画観察と静止画撮影を兼ねたセンサである。固視灯137は、可視光を被検眼Eに投影して被検者の固視を促す。
≪眼底照明系≫
穴あきミラー131の反射方向の光軸L4上には、角膜バッフル140、リレーレンズ141、フォーカス指標ユニット142、レンズ143、リングスリット144、水晶体バッフル145及び第4のダイクロイックミラー146が、この順で配置される。角膜バッフル140は、中心に遮光点を有する。フォーカス指標ユニット142は、光軸L4に沿って移動可能で且つ光軸L4上から挿脱可能となっている。リングスリット144は、リング状のスリット開口を有する。水晶体バッフル145は、遮光点を有する遮光部材として機能する。第4のダイクロイックミラー146は、赤外光を透過し可視光を反射する特性を有する。
穴あきミラー131の反射方向の光軸L4上には、角膜バッフル140、リレーレンズ141、フォーカス指標ユニット142、レンズ143、リングスリット144、水晶体バッフル145及び第4のダイクロイックミラー146が、この順で配置される。角膜バッフル140は、中心に遮光点を有する。フォーカス指標ユニット142は、光軸L4に沿って移動可能で且つ光軸L4上から挿脱可能となっている。リングスリット144は、リング状のスリット開口を有する。水晶体バッフル145は、遮光点を有する遮光部材として機能する。第4のダイクロイックミラー146は、赤外光を透過し可視光を反射する特性を有する。
この第4のダイクロイックミラー146の反射方向には、コンデンサレンズ147-1及び白色LED光源148が配置される。白色LED光源148は、可視のパルス光を発する白色LEDが複数個配置された撮影用光源である。また、第4のダイクロイックミラー146の透過方向には、コンデンサレンズ147-2、及び、所定部位を近赤外もしくは赤外光で照明する照明手段である赤外LED光源149が配置される。赤外LED光源149は、赤外の定常光を発する赤外LEDが複数個配置された観察光源である。
対物レンズ101と第4のダイクロイックミラー146とこれらの間の光学部材、並びに、コンデンサレンズ147-1及びコンデンサレンズ147-2により、被検眼Eの眼底Efを照明する照明光学系が構成される。この照明光学系を介して白色LED光源148或いは赤外LED光源149の光が被検眼Eの眼底Efを照明する。
≪OCT光学系≫
第1のダイクロイックミラー102の反射方向の光軸L5上には、レンズ151、ミラー152、OCTXスキャナ153-1、OCTYスキャナ153-2、レンズ154-1及びレンズ154-2が配置される。OCTXスキャナ153-1とOCTYスキャナ153-2は、例えばガルバノミラーより構成され、被検眼Eを測定光で2次元走査する走査手段として機能する。具体的に、OCTXスキャナ153-1は、被検眼Eに対して測定光を第1の走査方向(図1に示すXYZ座標系のX方向)に走査する第1の光束偏向器である。また、OCTYスキャナ153-2は、被検眼Eに対して測定光を、上述した第1の走査方向に交差する第2の走査方向(図1に示すXYZ座標系のY方向)に走査する第2の光束偏向器である。なお、本実施形態においては、OCTXスキャナ153-1とOCTYスキャナ153-2は、それぞれ、主走査方向(X方向)とこれに直交する副走査方向(Y方向)に測定光を走査するが、走査方向はこれに限定されるものではない。また、図1において、OCTXスキャナ153-1とOCTYスキャナ153-2との間の光路は、紙面内に構成されているが、実際には紙面垂直方向に構成されている。
第1のダイクロイックミラー102の反射方向の光軸L5上には、レンズ151、ミラー152、OCTXスキャナ153-1、OCTYスキャナ153-2、レンズ154-1及びレンズ154-2が配置される。OCTXスキャナ153-1とOCTYスキャナ153-2は、例えばガルバノミラーより構成され、被検眼Eを測定光で2次元走査する走査手段として機能する。具体的に、OCTXスキャナ153-1は、被検眼Eに対して測定光を第1の走査方向(図1に示すXYZ座標系のX方向)に走査する第1の光束偏向器である。また、OCTYスキャナ153-2は、被検眼Eに対して測定光を、上述した第1の走査方向に交差する第2の走査方向(図1に示すXYZ座標系のY方向)に走査する第2の光束偏向器である。なお、本実施形態においては、OCTXスキャナ153-1とOCTYスキャナ153-2は、それぞれ、主走査方向(X方向)とこれに直交する副走査方向(Y方向)に測定光を走査するが、走査方向はこれに限定されるものではない。また、図1において、OCTXスキャナ153-1とOCTYスキャナ153-2との間の光路は、紙面内に構成されているが、実際には紙面垂直方向に構成されている。
測定光源157は、測定光路に入射させる測定光を得るための光を発する光源となる。本実施形態の場合、OCT光学系における測定光は、ファイバー端を光源として出射され、当該ファイバー端は、被検眼Eの眼底Efと光学的な共役関係を有する。レンズ154-1は、合焦調整用のレンズであり、不図示のモータによって図中において矢印で示される光軸方向に駆動される。測定光の合焦調整は、光源として作用するファイバー端から出射する測定光を眼底Ef上に結像するように行われる。合焦調整部として機能するレンズ154-1は、測定光光源となるファイバー端と、走査部として機能するOCTXスキャナ153-1及びOCTYスキャナ153-2との間に配置されている。この測定光の合焦調整によって、ファイバー端から出射された測定光の像を被検眼Eの眼底Efに結像させることができ、眼底Efからの戻り光を光ファイバー155-2に効率良く戻すことができる。
本実施形態では、測定光源157は、代表的な低コヒーレント光源であるSLD(Super Luminescent Diode)を用いる。測定光源157より出射される光の中心波長は880nmであり、その波長バンド幅は約60nmである。ここで、バンド幅は、得られる断層画像の光軸方向の分解能に影響するため、重要なパラメータである。また、測定光源157としては、ここではSLDを用いるとしたが、低コヒーレント光が出射できればよく、ASE(Amplified Spontaneous Emission)等も用いることができる。測定光の中心波長は、眼(被検眼E)を測定することを鑑みると、近赤外光が適切である。また、中心波長は、得られる断層画像の横方向の分解能に影響するため、なるべく短波長であることが望ましい。双方の理由から、本実施形態では、中心波長が880nmの光を用いることとした。
次に、測定光源157からの光路について説明する。
測定光源157からの光路には、測定光源157、光カプラー156、光ファイバー155-1~155-4、レンズ158、分散補償用ガラス159、参照ミラー160等が配置される。これらの光学部材及び後述する分光器200によって、マイケルソン干渉系が構成されている。なお、本実施形態では、干渉計としてマイケルソン干渉計を用いているが、マッハツェンダー干渉計を構成するようにしてもよい。光ファイバー155-1~155-4は、光カプラー156に接続されて一体化しているシングルモードの光ファイバーである。測定光源157から出射された光は、光ファイバー155-1を介して光カプラー156に導かれる。また、光カプラー156に導かれた光は、光カプラー156により光ファイバー155-2側の測定光と、光ファイバー155-3側の参照光とに分割される。そして、測定光は、上述したOCT光学系の光路(光軸L5)を通じて、検査対象である被検眼Eの眼底Efに照射され、被検眼Eの網膜による反射や散乱により、同じ光路(光軸L5)を通じて再び光カプラー156に到達する。一方、参照光は、光ファイバー155-3、レンズ158、及び、測定光と参照光との分散を合わせるために挿入された分散補償用ガラス159を介して、参照ミラー160に到達し、反射される。参照ミラー160で反射された参照光は、同じ光路を戻り、再び光カプラー156に到達する。そして、再度、光カプラー156に至った参照光と測定光(戻り光)とは、光カプラー156によって合波される。ここで、測定光の光路長と参照光の光路長とがほぼ同一となったときに、この合波によって各々の光による干渉を生じ、干渉光が得られる。参照ミラー160は、不図示のモータ及び駆動機構によって図中において矢印で示される光軸方向に位置を調整可能に保持される。参照光の光路長は、このモータ等を用いることにより、被検眼Eによって変わる測定光の光路長に対して合わせることが可能である。そして、光カプラー156によって得られた干渉光は、光ファイバー155-4を介して分光器200に導かれる。
測定光源157からの光路には、測定光源157、光カプラー156、光ファイバー155-1~155-4、レンズ158、分散補償用ガラス159、参照ミラー160等が配置される。これらの光学部材及び後述する分光器200によって、マイケルソン干渉系が構成されている。なお、本実施形態では、干渉計としてマイケルソン干渉計を用いているが、マッハツェンダー干渉計を構成するようにしてもよい。光ファイバー155-1~155-4は、光カプラー156に接続されて一体化しているシングルモードの光ファイバーである。測定光源157から出射された光は、光ファイバー155-1を介して光カプラー156に導かれる。また、光カプラー156に導かれた光は、光カプラー156により光ファイバー155-2側の測定光と、光ファイバー155-3側の参照光とに分割される。そして、測定光は、上述したOCT光学系の光路(光軸L5)を通じて、検査対象である被検眼Eの眼底Efに照射され、被検眼Eの網膜による反射や散乱により、同じ光路(光軸L5)を通じて再び光カプラー156に到達する。一方、参照光は、光ファイバー155-3、レンズ158、及び、測定光と参照光との分散を合わせるために挿入された分散補償用ガラス159を介して、参照ミラー160に到達し、反射される。参照ミラー160で反射された参照光は、同じ光路を戻り、再び光カプラー156に到達する。そして、再度、光カプラー156に至った参照光と測定光(戻り光)とは、光カプラー156によって合波される。ここで、測定光の光路長と参照光の光路長とがほぼ同一となったときに、この合波によって各々の光による干渉を生じ、干渉光が得られる。参照ミラー160は、不図示のモータ及び駆動機構によって図中において矢印で示される光軸方向に位置を調整可能に保持される。参照光の光路長は、このモータ等を用いることにより、被検眼Eによって変わる測定光の光路長に対して合わせることが可能である。そして、光カプラー156によって得られた干渉光は、光ファイバー155-4を介して分光器200に導かれる。
さらに、光学ヘッド部100は、筐体である光学ヘッド部100を駆動する駆動手段の一例である駆動部170を備えている。この駆動部170は、例えば、図1に示すXYZ座標における3次元方向(X方向、Y方向及びZ方向)の直動機構から構成される。各方向の直動機構は、例えば、不図示のステッピングモータ、送りねじ及び直動ガイドから構成されており、光学ヘッド部100を被検眼Eに対して3次元方向(X方向、Y方向及びZ方向)に移動可能となるように構成されている。これにより、被検眼Eに対する光学ヘッド部100の位置合わせ(アライメント)が可能となっている。なお、駆動部170の構成は、上述したものに限定されるものではない。
<分光器200の構成>
分光器200は、レンズ201、回折格子202、レンズ203、及び、ラインセンサ204を備えて構成されている。光ファイバー155-4から出射された干渉光は、レンズ201を介して略平行光となった後、回折格子202で分光され、レンズ203によってラインセンサ204上に結像される。ラインセンサ204における各素子は、受光した光に応じた信号を出力する。この出力された信号は、制御部300において所定のタイミングでサンプリングされ、所定の信号処理が施されて断層画像として生成される。
分光器200は、レンズ201、回折格子202、レンズ203、及び、ラインセンサ204を備えて構成されている。光ファイバー155-4から出射された干渉光は、レンズ201を介して略平行光となった後、回折格子202で分光され、レンズ203によってラインセンサ204上に結像される。ラインセンサ204における各素子は、受光した光に応じた信号を出力する。この出力された信号は、制御部300において所定のタイミングでサンプリングされ、所定の信号処理が施されて断層画像として生成される。
<制御部300の構成>
制御部300は、例えば入力部301から入力された情報に基づいて、眼科装置10の各構成部を制御することによって眼科装置10の動作を統括的に制御するとともに、各種の処理を行う。また、制御部300は、必要に応じて、各種の画像や各種の情報を表示部302に表示する制御を行う。
制御部300は、例えば入力部301から入力された情報に基づいて、眼科装置10の各構成部を制御することによって眼科装置10の動作を統括的に制御するとともに、各種の処理を行う。また、制御部300は、必要に応じて、各種の画像や各種の情報を表示部302に表示する制御を行う。
図2は、図1に示す制御部300の機能構成の一例を示すブロック図である。なお、この図2には、制御部300の機能構成に加えて、図1に示す光学ヘッド部100、分光器200、入力部301及び表示部302も図示している。
制御部300は、図2に示すように、撮影制御部310、記憶部320、画像取得部330、画像処理部340、及び、表示制御部350を有して構成されている。また、画像取得部330は、図2に示すように、前眼部観察画像取得部331、眼底カメラ画像取得部332、及び、断層画像取得部333を有して構成されている。
撮影制御部310は、記憶部320、光学ヘッド部100、分光器200及び入力部301と接続されている。撮影制御部310は、入力部301からの入力情報(入力信号)に基づいて、記憶部320から読み出した検査シーケンスが実行されるように、光学ヘッド部100の駆動部170を制御して光学ヘッド部100を被検眼Eに対して位置合わせ(アライメント)する。また、撮影制御部310は、入力部301からの入力情報(入力信号)に基づいて、記憶部320から読み出した検査シーケンスが実行されるように、光学ヘッド部100及び分光器200を制御して被検眼Eの観察及び撮影(検査)を行う。
前眼部観察画像撮影においては、撮影制御部310は、前眼部観察用光源125を発光させ、イメージセンサ124で受光し信号を読み取らせる。イメージセンサ124で読み取られた信号は、画像取得部330の内部に構成される前眼部観察画像取得部331へ送られ、前眼部観察画像取得部331において前眼部観察画像として取得される。
制御部300は、駆動部170の制御については、被検眼Eの眼球と検査手段を含む光学ヘッド部100と位置合わせであるアライメントを目的として、前眼部観察画像に基づき、PID(Proportional-Integral-Differential)制御を使用して制御を行う。この前眼部観察画像に基づき、PID制御を使用して駆動部170の制御を行う制御部300は、アライメント手段の一例である。
画像処理部340は、前眼部観察画像取得部331で取得された前眼部観察画像を解析して、被検眼Eと筐体である光学ヘッド部100との相対位置情報を検出する。具体的に、画像処理部340は、前眼部観察画像から、被検眼Eの位置と、光学ヘッド部100の内部に配置される各種の光学系における撮影時(撮像時)に被検眼Eが位置すべき理想の位置と、のずれ量である相対位置情報を検出する。なお、画像処理部340は、被検眼Eの断層画像や被検眼Eの眼底画像を解析して、相対位置情報を検出する形態であってもよい。この相対位置情報から、X方向、Y方向及びZ方向のそれぞれのずれ量(偏差)が取得され、制御部300は、当該取得されたずれ量(偏差)に基づいて、駆動部170の駆動速度を決定し、駆動部170の駆動制御を行う。この駆動部170による駆動を制御する制御部300は、制御手段の一例である。制御部300は、駆動部170の駆動制御において、光学ヘッド部100の駆動速度を決定する際に、偏差に対してかかる係数である比例ゲインと、偏差の積分値に対してかかる係数である積分ゲインと、偏差の微分値に対してかかる係数である微分ゲインとのPID制御の制御パラメータである3種類のゲインによって決定する、PID制御を用いる。
光学ヘッド部100の内部に構成された眼底カメラの眼底赤外観察画像撮影においては、赤外LED光源149を発光させて撮影を行う。その際、撮影制御部310は、フォーカス指標ユニット142を駆動させて被検眼Eの視度情報を取得した上で、その視度情報に合わせるようにフォーカスレンズ133を駆動させる。そして、イメージセンサ136で受光し読み取られた信号は、画像取得部330の内部の眼底カメラ画像取得部332に送られる。眼底カメラ画像取得部332は、画像処理部340を用いて、イメージセンサ136で受光し読み取られた信号に基づく眼底赤外観察画像を取得する。
また、光学ヘッド部100の内部に構成された眼底カメラの眼底画像撮影においては、撮影制御部310は、上述した被検眼Eの視度情報において、光源の波長の違いによる収差分補正をかけた視度位置に合うように、フォーカスレンズ133の位置を変更する。そして、撮影制御部310は、白色LED光源148から可視のパルス光を発光させて撮影を行う。イメージセンサ136で受光し読み取られた信号は、画像取得部330の内部の眼底カメラ画像取得部332に送られる。
また、光学ヘッド部100での断層像撮影においては、撮影制御部310は、フォーカス指標ユニット142で得られた視度情報に基づき、合焦調整部として機能するレンズ154-1を駆動させる。これとともに、撮影制御部310は、OCTXスキャナ153-1及びOCTYスキャナ153-2に走査制御信号を送り、測定光源157からの測定光を被検眼Eの眼底Ef上でX方向及びY方向に走査する。
そして、眼科装置10では、被検眼Eの眼底Efからの測定光の戻り光に基づく干渉光をラインセンサ204で受光し、ラインセンサ204は、受光した干渉光に応じた信号を出力する。この出力された信号は、制御部300の内部の断層画像取得部333に送られる。断層画像取得部333は、画像処理部340を用いて、ラインセンサ204で受光し読み取られた信号をフーリエ変換し、得られるデータを輝度情報或いは濃度情報に変換することによって、被検眼Eの眼底Efにおける深さ方向(Z方向)の断層画像を取得する。このような走査方式をAスキャンと呼び、得られる断層画像をAスキャン画像と呼ぶ。画像処理部340の画像処理に要する時間は、20マイクロ秒以下である。この際、ラインセンサ204からの出力信号は20マイクロ秒ごとに送信されるため、画像処理部340が画像処理を行っている間にラインセンサ204で次の信号を取得すれば、Aスキャンを20マイクロ秒ごとに行うことができる。このAスキャンを行う測定光について、被検眼Eの眼底Ef上の所定の横断方向にOCTXスキャナ153-1及びOCTYスキャナ153-2によって走査することで、複数のAスキャン画像を取得することができる。
そして、画像処理部340は、複数のAスキャン画像と走査情報とから、断層画像を構成する。例えば、X方向に走査すればXZ面における断層画像が得られ、Y方向に走査すればYZ面における断層画像が得られる。このように測定光を被検眼Eの眼底Ef上で所定の横断方向に走査する走査方式をBスキャンと呼び、得られる断層画像をBスキャン画像と呼ぶ。被検眼Eの眼底Ef上の所定撮像範囲に対して、所定の方向でOCTXスキャナ153-1及びOCTYスキャナ153-2によって走査を繰り返すことで、複数のBスキャン画像を取得することができる。例えば、XZ面のBスキャンをY方向に繰り返すことで、XYZ空間の3次元情報を得ることができる。このような走査方式をCスキャンと呼び、得られた複数のBスキャン画像から成るデータを3次元データと呼ぶ。この3次元データから被検眼Eの眼底Efの正面画像を取得することができる。これをCスキャン画像と呼ぶ。また以降の説明においては、便宜上、眼底カメラによる眼底正面画像と区別するために、OCTによる眼底正面画像を、OCT眼底正面画像と呼ぶ。
記憶部320は、画像取得部330により取得された前眼部観察画像、眼底赤外観察画像、眼底画像、断層画像であるBスキャン画像、3次元データ、及び、OCT眼底正面画像を記憶する。また、記憶部320は、検査を複数回実行する一連の制御手順を定義した検査シーケンスや、生成された被検眼Eの画像、画像の解析結果、画像取得時の撮像条件、被検眼Eに関する患者情報等も記憶する。さらに、記憶部320は、上述した前眼部観察画像撮影、眼底カメラによる眼底赤外観察画像撮影及び眼底画像撮影、断層画像撮影を制御する際の各種のプログラム等も記憶する。さらに、記憶部320は、後述する図3のステップS301で算出された被検眼Eの眼球運動に関する特徴量の情報や、後述する図3のステップS302で設定された制御パラメータの情報も記憶する。
表示制御部350は、ディスプレイ等の表示部302に接続されており、記憶部320に記憶された前眼部観察画像、眼底赤外観察画像、眼底画像、断層画像であるBスキャン画像、3次元データ、及び、OCT眼底正面画像を表示する制御を行う。
なお、制御部300は、CPUやMPUで実行されるモジュールで構成されてもよいし、ASIC等の特定の機能を実現する回路等で構成されてもよい。また、記憶部320は、任意のメモリや光学ディスク等の記憶媒体を用いて構成することもできる。
[眼科装置の制御方法]
図3は、本発明の実施形態に係る眼科装置10の制御方法における処理手順の一例を示すフローチャートである。この図3に示すフローチャートを用いて、本実施形態に係る眼科装置10を用いた自動検査の方法について説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る眼科装置10の制御方法における処理手順の一例を示すフローチャートである。この図3に示すフローチャートを用いて、本実施形態に係る眼科装置10を用いた自動検査の方法について説明する。
検査(撮影)に先立ち、まず、検者は、被検者を眼科装置10の前に着座させる。そして、制御部300は、例えば入力部301からの入力情報(例えば、検者による不図示のスイッチ操作入力)に基づいて、自動検査を開始する。自動検査が開始されると、予め設定されているPID制御の制御パラメータによって駆動部170が制御され、上述したアライメント及びフォーカシングが開始される。
そして、ステップS301において、画像処理部340は、前眼部観察画像取得部331で取得された前眼部観察画像を解析して、被検眼Eの眼球運動に関する特徴量を算出する。この被検眼Eの眼球運動に関する特徴量を算出する画像処理部340は、算出手段の一例である。本実施形態では、画像処理部340は、被検眼Eの眼球運動に関する特徴量として、被検眼Eの眼球運動における移動速度の最大値である被検眼Eの眼球運動における最高移動速度や、被検眼の眼球運動における振幅及び周波数のうちの少なくとも1つを算出する。
具体的に、ステップS301において、画像処理部340は、前眼部観察画像から被検眼Eの位置を検出し、被検眼Eの移動量や速度、加速度等から、被検眼Eの眼球運動における最高移動速度や、被検眼Eの眼球運動における振幅及び周波数を算出する。この際、被検眼Eの眼球運動における振幅及び周波数は、被検眼Eの眼球運動の位置変化を、複数の単純な正弦波と余弦波の級数で表現したとき、各周波数に含まれる正弦波と余弦波の数や大きさを取得する処理であるフーリエ変換を用いて算出することができる。
また、上述した被検眼Eと筐体である光学ヘッド部100との相対位置情報は、光学ヘッド部100の移動量と、被検眼Eの眼球運動に関する特徴量との要素を含むものである。したがって、画像処理部340は、例えば入力部301から入力された光学ヘッド部100の移動量の情報と、上述した相対位置情報とを用いて、被検眼Eの眼球運動に関する特徴量を算出することもできる。
続いて、ステップS302において、制御部300(例えば、撮影制御部310)は、ステップS301で算出された被検眼Eの眼球運動に関する特徴量に基づいて、駆動部170を駆動制御する際の制御パラメータを設定する。具体的に、本実施形態では、制御部300(例えば、撮影制御部310)は、駆動部170の駆動制御に係るPID制御の制御パラメータを設定する。この駆動部170を駆動制御する際の制御パラメータを設定する制御部300(例えば、撮影制御部310)は、設定手段の一例である。例えば、制御部300(例えば、撮影制御部310)は、上述した制御パラメータとして、比例ゲイン、積分ゲイン及び微分ゲインのうちの少なくとも1つを変更する設定を行うことが可能である。ここで、比例ゲインは、光学ヘッド部100の駆動速度の決定に対して支配的に働く。また、積分ゲインは、イメージセンサ124の基準位置と被検眼Eの瞳孔中心位置とのずれ量である偏差が0にならないとき、偏差が0になるように光学ヘッド部100を駆動させる。また、微分ゲインは、光学ヘッド部100の加減速を大きくすることができ、光学ヘッド部100の駆動の収束を早めることができる。そして、ここで説明した比例ゲイン、積分ゲイン及び微分ゲインの全てのゲインによって、光学ヘッド部100の駆動時の速さや軌道、収束時間が決定する。
続いて、ステップS303において、制御部300(例えば、撮影制御部310)は、例えば入力部301からの入力情報に基づいて、自動検査が終了したか否かを判断する。この判断の結果、自動検査が終了していない場合には(S303/NO)、ステップS301に戻り、ステップS301以降の処理を再度行う。
一方、ステップS303の判断の結果、自動検査が終了した場合には(S303/YES)、図3に示すフローチャートの処理を終了する。
上述した図3のステップS301~SS303の処理によって、検査を行っている間に算出された被検眼Eの眼球運動に関する特徴量に基づき、制御部300のPID制御の制御パラメータを変更する設定を行いながら、自動アライメントを行うことができる。そして自、この動アライメントをしながら自動フォーカシングを行い、最終的に自動撮影が実行される。また、被検眼Eの眼球運動に関する特徴量によって制御部300のPID制御の制御パラメータを変更する設定を行うことで、検査フローに要する時間の短縮を図ることができる。また、被検眼Eの眼球運動に関する特徴量の大きさの度合いに合わせて、光学ヘッド部100の駆動速度を調整することで、眼底カメラに要求される高精度の自動アライメントを実現することも可能である。
<被検眼Eの位置に基づく駆動条件>
図4は、本発明の実施形態を示し、前眼部観察画像410に基づく駆動条件を説明するための図である。例えば、図4に示す前眼部観察画像410は、表示部302に表示されるものである。
図4は、本発明の実施形態を示し、前眼部観察画像410に基づく駆動条件を説明するための図である。例えば、図4に示す前眼部観察画像410は、表示部302に表示されるものである。
図4に示す前眼部観察画像410は、イメージセンサ124及び前眼部観察画像取得部331によって取得されるものである。この図4に示す前眼部観察画像410から、被検眼Eの位置(被検眼Eの瞳孔中心位置)411を取得することができる。さらに、制御部300(例えば、撮影制御部310)は、前眼部観察画像410中に破線の円によって示す駆動開始範囲412を設定することも可能である。制御部300(例えば、撮影制御部310)は、駆動開始範囲412内に被検眼Eの位置411がある図4(a)の場合には、例えば、光学ヘッド部100の駆動を停止するように制御する。また、制御部300(例えば、撮影制御部310)は、駆動開始範囲412の範囲外に被検眼Eの位置411がある図4(b)の場合には、例えば、光学ヘッド部100の駆動制御として上述したPID制御を行うように制御する。この制御は、制御部300が、上述した相対位置情報が所定の値以下の場合に光学ヘッド部100の駆動を停止する制御を行い、また、上述した相対位置情報が所定の値よりも大きい場合に光学ヘッド部100の駆動をPID制御することと同義である。
なお、図4に示す駆動開始範囲412は、円状、楕円状または多角形状の設定が可能である。この駆動開始範囲412によって、被検眼Eに対する光学ヘッド部100の位置合わせ(アライメント)を停止する位置を任意に決定することができる。これにより、アライメント精度を必要としない検査や検査準備において、アライメントの停止までの時間を短縮することができ、光学ヘッド部100の移動量を低減することもできる。また、ハンチング現象の発生しやすいPID制御の制御パラメータを使用する場合、ハンチング現象の発生を抑制することができる。
<制御パラメータの設定方法>
図5は、図3のステップS302における制御パラメータの設定処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。この図5に示すフローチャートは、例えば、眼科装置10が撮像準備動作または撮像動作を行っている際の処理である。この際、撮像準備動作の一例としては、眼底撮影(眼底撮像)及びOCTにおけるアライメントやフォーカシングの動作である。また、撮像動作の一例としては、眼底撮影(眼底撮像)及びOCTにおける被検眼Eに対する撮影光またはレーザの照射の動作である。
図5は、図3のステップS302における制御パラメータの設定処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。この図5に示すフローチャートは、例えば、眼科装置10が撮像準備動作または撮像動作を行っている際の処理である。この際、撮像準備動作の一例としては、眼底撮影(眼底撮像)及びOCTにおけるアライメントやフォーカシングの動作である。また、撮像動作の一例としては、眼底撮影(眼底撮像)及びOCTにおける被検眼Eに対する撮影光またはレーザの照射の動作である。
ステップS501において、制御部300(例えば、撮影制御部310)は、直前のステップS301において算出された被検眼Eの眼球運動に関する特徴量が、所定の基準値の1つである第1の基準値を超えているか否かを判断する。なお、本実施形態においては、被検眼Eの眼球運動に関する特徴量の一例である被検眼Eの眼球運動における最高移動速度、被検眼の眼球運動における振幅及び周波数のうちの少なくとも1つに対して所定の基準値の1つである第1の基準値を設定することができる。
ステップS501の判断の結果、直前のステップS301において算出された被検眼Eの眼球運動に関する特徴量が第1の基準値を超えていない(第1の基準値以下である)場合には(S501/NO)、ステップS502に進む。
ステップS502に進むと、制御部300(例えば、撮影制御部310)は、駆動部170を駆動制御する際の制御パラメータとして、第1の制御パラメータを設定する。具体的に、制御部300(例えば、撮影制御部310)は、PID制御に係る第1の制御パラメータとして、予め設定されている制御パラメータであって比例ゲイン、積分ゲイン及び微分ゲインの少なくとも1つのゲインにおいて値を持つ制御パラメータを設定する。
ステップS502に進むと、制御部300(例えば、撮影制御部310)は、駆動部170を駆動制御する際の制御パラメータとして、第1の制御パラメータを設定する。具体的に、制御部300(例えば、撮影制御部310)は、PID制御に係る第1の制御パラメータとして、予め設定されている制御パラメータであって比例ゲイン、積分ゲイン及び微分ゲインの少なくとも1つのゲインにおいて値を持つ制御パラメータを設定する。
一方、ステップS501の判断の結果、直前のステップS301において算出された被検眼Eの眼球運動に関する特徴量が第1の基準値を超えている場合には(S501/YES)、ステップS503に進む。
ステップS503に進むと、制御部300(例えば、撮影制御部310)は、直前のステップS301において算出された被検眼Eの眼球運動に関する特徴量が、所定の基準値の1つである第2の基準値を超えているか否かを判断する。ここで、本実施形態においては、第2の基準値は、上述した第1の基準値とは異なる基準値であって第1の基準値よりも大きい基準値であるものとする。
ステップS503に進むと、制御部300(例えば、撮影制御部310)は、直前のステップS301において算出された被検眼Eの眼球運動に関する特徴量が、所定の基準値の1つである第2の基準値を超えているか否かを判断する。ここで、本実施形態においては、第2の基準値は、上述した第1の基準値とは異なる基準値であって第1の基準値よりも大きい基準値であるものとする。
ステップS503の判断の結果、直前のステップS301において算出された被検眼Eの眼球運動に関する特徴量が第2の基準値を超えていない(第2の基準値以下である)場合には(S503/NO)、ステップS504に進む。
ステップS504に進むと、制御部300(例えば、撮影制御部310)は、駆動部170を駆動制御する際の制御パラメータとして、第2の制御パラメータを設定する。具体的に、制御部300(例えば、撮影制御部310)は、PID制御に係る第2の制御パラメータとして、上述した第1の制御パラメータとは異なる制御パラメータとして予め設定されている制御パラメータであって、比例ゲイン、積分ゲイン及び微分ゲインの少なくとも1つのゲインにおいて値を持つ制御パラメータを設定する。より詳細に、例えば、ステップS504で設定される第2の制御パラメータでの光学ヘッド部100の駆動速度が、ステップS502で設定される第1の制御パラメータでの光学ヘッド部100の駆動速度によりも速くなるように、第2の制御パラメータを設定する。
ステップS504に進むと、制御部300(例えば、撮影制御部310)は、駆動部170を駆動制御する際の制御パラメータとして、第2の制御パラメータを設定する。具体的に、制御部300(例えば、撮影制御部310)は、PID制御に係る第2の制御パラメータとして、上述した第1の制御パラメータとは異なる制御パラメータとして予め設定されている制御パラメータであって、比例ゲイン、積分ゲイン及び微分ゲインの少なくとも1つのゲインにおいて値を持つ制御パラメータを設定する。より詳細に、例えば、ステップS504で設定される第2の制御パラメータでの光学ヘッド部100の駆動速度が、ステップS502で設定される第1の制御パラメータでの光学ヘッド部100の駆動速度によりも速くなるように、第2の制御パラメータを設定する。
一方、ステップS503の判断の結果、直前のステップS301において算出された被検眼Eの眼球運動に関する特徴量が第2の基準値を超えている場合には(S503/YES)、ステップS505に進む。
ステップS505に進むと、制御部300(例えば、撮影制御部310)は、駆動部170を駆動制御する際の制御パラメータとして、第3の制御パラメータを設定する。具体的に、制御部300(例えば、撮影制御部310)は、PID制御に係る第3の制御パラメータとして、上述した第2の制御パラメータとは異なる制御パラメータとして予め設定されている制御パラメータであって、比例ゲイン、積分ゲイン及び微分ゲインの少なくとも1つのゲインにおいて値を持つ制御パラメータを設定する。より詳細に、例えば、ステップS505で設定される第3の制御パラメータでの光学ヘッド部100の駆動速度が、ステップS502で設定される第1の制御パラメータ及びステップS504で設定される第2の制御パラメータでの光学ヘッド部100の駆動速度よりも遅くなるように、第3の制御パラメータを設定する。
ステップS505に進むと、制御部300(例えば、撮影制御部310)は、駆動部170を駆動制御する際の制御パラメータとして、第3の制御パラメータを設定する。具体的に、制御部300(例えば、撮影制御部310)は、PID制御に係る第3の制御パラメータとして、上述した第2の制御パラメータとは異なる制御パラメータとして予め設定されている制御パラメータであって、比例ゲイン、積分ゲイン及び微分ゲインの少なくとも1つのゲインにおいて値を持つ制御パラメータを設定する。より詳細に、例えば、ステップS505で設定される第3の制御パラメータでの光学ヘッド部100の駆動速度が、ステップS502で設定される第1の制御パラメータ及びステップS504で設定される第2の制御パラメータでの光学ヘッド部100の駆動速度よりも遅くなるように、第3の制御パラメータを設定する。
ステップS502の処理が終了した場合、ステップS504の処理が終了した場合、或いは、ステップS505の処理が終了した場合には、図5に示すフローチャートの処理を終了する。なお、図5に示すステップS501~ステップS505の一連の処理は、図3のステップS302に含まれるため、図3に示すステップS301~ステップS303の一連の処理が繰り返される場合、図5に示すフローチャートの処理もその分だけ繰り返し行われる。
本実施形態においては、図5のステップS501やステップS503のように、直前のステップS301において算出された被検眼Eの眼球運動に関する特徴量が所定の基準値を超えているか否かを判断するステップは、1つ以上設けることができる。即ち、所定の基準値は、1つ以上設けることができる。また、図5のステップS502、S504及びS505で設定される制御パラメータの種類の個数は、ステップS501及びステップS503における判断ステップの個数によって決定される。図5のステップS501及びステップS503に示すように、判断ステップが2つあるときには、制御部300で使用するPID制御の制御パラメータを3通りに分岐させることができる。つまり、制御部300で使用するPID制御の制御パラメータの種類の個数は、判断ステップの個数より1つ多い個数となる。この際、本実施形態においては、制御パラメータの種類の個数は、図5に示す第1~第3の制御パラメータにおける3通りの制御パラメータに限定されるものではない。
上述した図5に示すステップS501~ステップS505の一連の処理によって、被検眼Eの眼球運動に関する特徴量によって、制御部300で使用するPID制御の制御パラメータを適切なものに設定することができる。例えば、被検眼Eの眼球運動の大きさ(本実施形態では、被検眼Eの眼球運動に関する特徴量の大きさ)の度合いが大きいほど、光学ヘッド部100の駆動速度が速くまたは遅くなるように、制御パラメータを設定することが可能である。
例えば、本実施形態では、ステップS504において、ステップS502で設定される第1の制御パラメータでの光学ヘッド部100の駆動速度によりも速くなるように、第2の制御パラメータを設定するようにしている。この場合、ステップS504では、速く動く被検眼Eに対して、光学ヘッド部100を速く動かして、被検眼Eに対する光学ヘッド部100の位置合わせ(アライメント)をすることができる。
さらに、例えば、本実施形態では、ステップS505において、ステップS502で設定される第1の制御パラメータ及びステップS504で設定される第2の制御パラメータでの光学ヘッド部100の駆動速度よりも遅くなるように、第3の制御パラメータを設定するようにしている。この場合、ステップS505では、ステップS504の場合よりもさらに速く動く被検眼Eに対して、光学ヘッド部100を遅く動かして、光学ヘッド部100を被検眼Eの動きに追従させない制御となる。そしてこの場合、被検眼Eが光学ヘッド部100に向かう動きとなり、アライメント精度の範囲内に被検眼Eがくるのを待つように、光学ヘッド部100を駆動させることが可能である。この際、本実施形態においては、3通りの制御パラメータによって決定する光学ヘッド部100の駆動速度の大小関係は、第3の制御パラメータでの駆動速度が最も遅く、次に第1の制御パラメータでの駆動速度が遅く(2番目に速く)、第2の制御パラメータでの駆動速度が最も速いということに限定されるものではない。
<眼科装置の制御方法の第1例(複数回検査を行う場合)>
図6は、本発明の実施形態に係る眼科装置10の制御方法における処理手順の第1例を示すフローチャートである。この図6に示すフローチャートを用いて、本実施形態に係る複数の撮像手段を備える眼科装置10を用いた自動検査の方法について説明する。具体的に、図6は、複数回検査を行う場合の眼科装置10の制御方法における処理手順の一例を示すフローチャートである。
図6は、本発明の実施形態に係る眼科装置10の制御方法における処理手順の第1例を示すフローチャートである。この図6に示すフローチャートを用いて、本実施形態に係る複数の撮像手段を備える眼科装置10を用いた自動検査の方法について説明する。具体的に、図6は、複数回検査を行う場合の眼科装置10の制御方法における処理手順の一例を示すフローチャートである。
検査(撮影)に先立ち、まず、検者は、被検者を眼科装置10の前に着座させる。
そして、ステップS601において、制御部300は、例えば入力部301からの入力情報に基づいて、被検眼Eの撮影(撮像)及び計測のうちの少なくとも1つを行う第1の検査を開始する。ここで、ステップS601は、第1の検査における撮像準備動作の開始及び撮像の開始のうちの少なくとも1つのことを示す。OCTによる撮像や眼底撮影(眼底撮像)は、第1の検査の一例であり、また、第1の検査は、角膜厚測定や眼圧測定、眼内屈折率測定、眼球形状測定、SLOを用いた眼底画像の取得等を目的とした検査であってもよい。
続いて、ステップS602において、画像処理部340は、前眼部観察画像取得部331で取得された前眼部観察画像を解析して、被検眼Eの眼球運動に関する特徴量を算出する。このステップS602の処理は、上述した図3のステップS301における処理と同様の処理であるため、その詳細な説明は省略する。
続いて、ステップS603において、制御部300は、例えば入力部301からの入力情報に基づいて、ステップS601で開始した第1の検査を終了する。
続いて、ステップS604において、制御部300は、例えば入力部301からの入力情報に基づいて、被検眼Eの撮影(撮像)及び計測のうちの少なくとも1つを行う第2の検査を開始する。OCTによる撮像や眼底撮影(眼底撮像)は、第2の検査の一例であり、また、第2の検査は、角膜厚測定や眼圧測定、眼内屈折率測定、眼球形状測定、SLOを用いた眼底画像の取得等を目的とした検査であってもよい。
また、第2の検査は、第1の検査と同一または異なる検査であるものとする。ここで、同一の検査とは、第2の検査において、第1の検査と同じ光学系を使用し、第1の検査で撮影及び測定のうちの少なくとも1つを行った被検眼Eの部位と同じ部位について、撮影及び測定のうちの少なくとも1つを行うことを目的として行われる検査である。また、異なる検査とは、第2の検査において、第1の検査と異なる光学系を使用して行われる検査、または、第1の検査と同じ光学系を使用し、第1の検査で撮影及び測定のうちの少なくとも1つを行った被検眼Eの部位と異なる部位について、撮影及び測定のうちの少なくとも1つを行うことを目的として行われる検査である。
また、第2の検査は、第1の検査と同一の被検者に対して行う検査であって、第1の検査と連続または不連続で実施される検査であってもよい。ここで、第1の検査と同一の被検者に対して行う検査であって第1の検査と連続で実施される第2の検査とは、第1の検査と第2の検査が連続で行われる検査フローに則って検査を実行した場合の、第2の検査のことである。また、第1の検査と同一の被検者に対して行う検査であって第1の検査と不連続で実施される第2の検査とは、第1の検査と第2の検査が同一の検査フローで行われず、第2の検査が第1の検査と異なる検査フローで実施される場合の、第2の検査のことである。第1の検査を行った後、同一の被検者に対して異なる日に第2の検査を行うことは、不連続で実施される第2の検査の一例である。なお、複合機に係る眼科装置10において、第1の検査と第2の検査が連続で行われる場合には、眼底撮影の撮影光による被検眼Eの縮瞳が検査に影響しないように、第1の検査にOCTによる撮像を行い、第2の検査に眼底撮影(眼底撮像)を行ってもよい。また、複合機に係る眼科装置10において、第1の検査と第2の検査が不連続で行われる場合には、第1の検査及び第2の検査に、OCTによる撮像及び眼底撮影(眼底撮像)のうちの少なくとも1つを実施してもよい。
ステップS604で第2の検査が開始されると、続いて、ステップS605において、制御部300(例えば、撮影制御部310)は、ステップS602で算出された被検眼Eの眼球運動に関する特徴量に基づいて、駆動部170を駆動制御する際の制御パラメータを設定する。具体的に、本実施形態では、制御部300(例えば、撮影制御部310)は、駆動部170の駆動制御に係るPID制御の制御パラメータを設定する。このステップS605の処理は、上述した図3のステップS302における処理と同様の処理であるため、その詳細な説明は省略する。
続いて、ステップS606において、制御部300は、例えば入力部301からの入力情報に基づいて、ステップS604で開始した第2の検査を終了する。
そして、ステップS606の処理が終了すると、図6に示すフローチャートにおける処理を終了する。なお、図6に示すフローチャートの処理では、検査を全部で2回行っているが、回数はこの限りではなく、第3の検査以降の検査を行うようにしてもよい。
<眼科装置の制御方法の第2例(撮像準備動作の最中及び後で処理を分ける場合)>
図7は、本発明の実施形態に係る眼科装置10の制御方法における処理手順の第2例を示すフローチャートである。この図7に示すフローチャートを用いて、本実施形態に係る眼科装置10を用いた自動検査の方法について説明する。具体的に、図7は、撮像準備動作の最中に被検眼Eの眼球運動に関する特徴量を算出し、撮像準備動作の後に駆動部170を駆動制御する際の制御パラメータを設定する例である。
図7は、本発明の実施形態に係る眼科装置10の制御方法における処理手順の第2例を示すフローチャートである。この図7に示すフローチャートを用いて、本実施形態に係る眼科装置10を用いた自動検査の方法について説明する。具体的に、図7は、撮像準備動作の最中に被検眼Eの眼球運動に関する特徴量を算出し、撮像準備動作の後に駆動部170を駆動制御する際の制御パラメータを設定する例である。
検査(撮影)に先立ち、まず、検者は、被検者を眼科装置10の前に着座させる。
ステップS701において、制御部300は、例えば入力部301からの入力情報に基づいて、被検眼Eの撮影及び計測のうちの少なくとも1つを行う検査を実施するために、撮像準備動作を開始する。
続いて、ステップS702において、画像処理部340は、前眼部観察画像取得部331で取得された前眼部観察画像を解析して、被検眼Eの眼球運動に関する特徴量を算出する。このステップS702の処理は、上述した図3のステップS301における処理と同様の処理であるため、その詳細な説明は省略する。
続いて、ステップS703において、制御部300は、撮像を開始する。
続いて、ステップS704において、制御部300(例えば、撮影制御部310)は、ステップS702で算出された被検眼Eの眼球運動に関する特徴量に基づいて、駆動部170を駆動制御する際の制御パラメータを設定する。具体的に、本実施形態では、制御部300(例えば、撮影制御部310)は、駆動部170の駆動制御に係るPID制御の制御パラメータを設定する。OCTによる撮像の場合、撮像であるレーザの照射が完了するまでに時間を要するため、レーザの照射中におけるPID制御の制御パラメータを設定することになる。このステップS704の処理は、上述した図3のステップS302における処理と同様の処理であるため、その詳細な説明は省略する。
続いて、ステップS705において、制御部300は、例えば入力部301からの入力情報に基づいて、ステップS703で開始した撮像を終了する。
そして、ステップS705の処理が終了すると、図7に示すフローチャートにおける処理を終了する。この図7に示すフローチャートの処理によって、撮像準備動作の最中に被検眼Eの眼球運動に関する特徴量を算出し、撮像準備動作の後に駆動部170を駆動制御する際の制御パラメータを設定することができる。
以上説明した本発明の実施形態に係る眼科装置10では、画像処理部340は、観察手段である前眼部観察系及び前眼部観察画像取得部331によって取得された前眼部画像に基づいて、被検眼Eの眼球運動に関する特徴量を算出するようにしている。そして、制御部300(例えば、撮影制御部310)は、画像処理部340によって算出された被検眼Eの眼球運動に関する特徴量に基づいて、駆動部170を駆動制御する際の制御パラメータを設定するようにしている。
かかる構成によれば、被検眼Eの検査を行う検査手段を含む眼科装置10において、被検眼の眼球運動を考慮した高精度な、被検眼Eと検査手段との位置合わせ(アライメント)を行うことができる。
かかる構成によれば、被検眼Eの検査を行う検査手段を含む眼科装置10において、被検眼の眼球運動を考慮した高精度な、被検眼Eと検査手段との位置合わせ(アライメント)を行うことができる。
(その他の実施形態)
上述した本発明の実施形態では、駆動部170を駆動制御する際の制御パラメータとして、駆動部170の駆動制御に係るPID制御の制御パラメータを設定する例を説明したが、本発明においては、この形態に限定されるものではない。駆動部170を駆動制御する際の制御パラメータとして、PID制御以外の制御における制御パラメータを設定する形態も、本発明に含まれる。
上述した本発明の実施形態では、駆動部170を駆動制御する際の制御パラメータとして、駆動部170の駆動制御に係るPID制御の制御パラメータを設定する例を説明したが、本発明においては、この形態に限定されるものではない。駆動部170を駆動制御する際の制御パラメータとして、PID制御以外の制御における制御パラメータを設定する形態も、本発明に含まれる。
また、上述した本発明の実施形態では、被検査物が眼(被検眼E)の場合について説明したが、本発明においては、この形態に限定されるものではない。眼以外の皮膚や臓器等の被検査物についても、本発明を適用可能である。この場合、本発明は、眼科装置以外の他の装置、例えば内視鏡等の医療機器としての態様を有する。したがって、本発明は、眼科装置に例示される検査装置として把握され、被検眼Eは、被検査物の一態様として把握されることが望ましい。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
このプログラム及び当該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、本発明に含まれる。
このプログラム及び当該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、本発明に含まれる。
なお、上述した本発明の実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
10:眼科装置、100:光学ヘッド部、170:駆動部、200:分光器、300:制御部、301:入力部、302:表示部、E:被検眼、Ea:前眼部、Ef:眼底
Claims (20)
- 被検眼の前眼部を観察する観察手段と、
前記被検眼の検査を行う検査手段と、
前記検査手段および前記観察手段を含む筐体を前記被検眼に対して位置合わせするために、前記筐体を駆動させる駆動手段と、
前記駆動手段による前記駆動を制御する制御手段と、
前記観察手段の出力である前眼部画像に基づいて、前記被検眼の眼球運動に関する特徴量を算出する算出手段と、
前記算出手段で算出された前記被検眼の眼球運動に関する特徴量に基づいて、前記制御手段によって前記駆動手段を駆動制御する際の制御パラメータを設定する設定手段と、
を有することを特徴とする眼科装置。 - 前記算出手段は、前記被検眼の眼球運動に関する特徴量として、前記被検眼の眼球運動における最高移動速度を算出することを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
- 前記算出手段は、前記被検眼の眼球運動に関する特徴量として、前記被検眼の眼球運動における振幅および周波数のうちの少なくとも1つを算出することを特徴とする請求項1または2に記載の眼科装置。
- 前記振幅および前記周波数は、フーリエ変換を用いて算出されることを特徴とする請求項3に記載の眼科装置。
- 前記制御手段は、PID制御によって前記駆動手段を制御するものであり、
前記設定手段は、前記制御パラメータとして、前記制御手段が前記PID制御を行う際の制御パラメータを設定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の眼科装置。 - 前記設定手段は、前記制御パラメータとして、比例ゲイン、積分ゲインおよび微分ゲインのうちの少なくとも1つを変更する設定を行うことを特徴とする請求項5に記載の眼科装置。
- 前記前眼部画像を用いて、前記被検眼と前記筐体との相対位置情報を検出する検出手段を更に有し、
前記算出手段は、前記筐体の移動量と前記相対位置情報とに基づいて、前記被検眼の眼球運動に関する特徴量を算出することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の眼科装置。 - 前記制御手段は、前記検出手段が所定の値よりも大きな前記相対位置情報を検出した場合に、前記駆動手段を駆動させる制御を行うことを特徴とする請求項7に記載の眼科装置。
- 前記設定手段は、前記算出手段で算出された前記被検眼の眼球運動に関する特徴量が、1つ以上ある所定の基準値を超えた際に、前記制御パラメータを変更する設定を行うことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の眼科装置。
- 前記設定手段は、前記変更する前に対して前記変更した後の方が前記駆動手段による駆動速度が速くなるように、前記制御パラメータを前記変更する設定を行うことを特徴とする請求項9に記載の眼科装置。
- 前記設定手段は、前記変更する前に対して前記変更した後の方が前記駆動手段による駆動速度が遅くなるように、前記制御パラメータを前記変更する設定を行うことを特徴とする請求項9に記載の眼科装置。
- 前記設定手段は、前記算出手段で算出された前記被検眼の眼球運動に関する特徴量が、1つ以上ある所定の基準値よりも小さくなった際に、前記変更した制御パラメータを前記変更する前の制御パラメータに戻す設定を行うことを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項に記載の眼科装置。
- 前記算出手段は、前記検査手段による第1の検査において前記被検眼の眼球運動に関する特徴量を算出し、
前記設定手段は、前記算出手段で算出された前記被検眼の眼球運動に関する特徴量に基づいて、前記第1の検査の後に行われる第2の検査において前記制御パラメータを設定することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の眼科装置。 - 前記第2の検査は、前記第1の検査とは異なる検査であることを特徴とする請求項13に記載の眼科装置。
- 前記第2の検査は、前記第1の検査と同一の検査であることを特徴とする請求項13に記載の眼科装置。
- 前記第2の検査は、前記第1の検査と同一の被検者に対して行う検査であって、前記第1の検査と連続または不連続で実施される検査であることを特徴とする請求項13乃至15のいずれか1項に記載の眼科装置。
- 前記算出手段は、前記検査手段が前記被検眼の撮像準備動作を行っているときに前記被検眼の眼球運動に関する特徴量を算出し、
前記設定手段は、前記算出手段で算出された前記被検眼の眼球運動に関する特徴量に基づいて、前記検査手段が前記被検眼の撮像を行っているときに前記制御パラメータを設定することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の眼科装置。 - 前記検査手段は、前記検査として、OCTによる撮像と眼底撮像とを実施することができるように構成されており、
前記設定手段は、前記検査手段が前記OCTによる撮像準備動作および前記OCTによる撮像のうちの少なくとも1つを行っているときに前記算出手段で算出された前記被検眼の眼球運動に関する特徴量に基づいて、前記眼底撮像を行うための前記制御パラメータを設定することを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の眼科装置。 - 被検眼の前眼部を観察する観察手段と、前記被検眼の検査を行う検査手段と、前記検査手段および前記観察手段を含む筐体を前記被検眼に対して位置合わせするために、前記筐体を駆動させる駆動手段と、前記駆動手段による前記駆動を制御する制御手段と、を備える眼科装置の制御方法であって、
前記観察手段の出力である前眼部画像に基づいて、前記被検眼の眼球運動に関する特徴量を算出する算出ステップと、
前記算出ステップで算出された前記被検眼の眼球運動に関する特徴量に基づいて、前記制御手段によって前記駆動手段を駆動制御する際の制御パラメータを設定する設定ステップと、
を有することを特徴とする眼科装置の制御方法。 - 被検眼の前眼部を観察する観察手段と、前記被検眼の検査を行う検査手段と、前記検査手段および前記観察手段を含む筐体を前記被検眼に対して位置合わせするために、前記筐体を駆動させる駆動手段と、前記駆動手段による前記駆動を制御する制御手段と、を備える眼科装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記観察手段の出力である前眼部画像に基づいて、前記被検眼の眼球運動に関する特徴量を算出する算出ステップと、
前記算出ステップで算出された前記被検眼の眼球運動に関する特徴量に基づいて、前記制御手段によって前記駆動手段を駆動制御する際の制御パラメータを設定する設定ステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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JP2021005072A JP2022109655A (ja) | 2021-01-15 | 2021-01-15 | 眼科装置及びその制御方法、並びに、プログラム |
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