JP2017217145A - 光干渉断層撮影装置、光干渉断層撮影装置の作動方法及びプログラム - Google Patents

光干渉断層撮影装置、光干渉断層撮影装置の作動方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】OCTA撮影での撮影範囲を変えても、測定光を適切な時間間隔にてスキャンして精度よく疑似血管の抽出を行う。
【解決手段】測定光を被検体上で2次元走査するラスタ走査手段と、測定光の被検体からの戻り光と対応する参照光との干渉光に基づく干渉信号を取得する干渉信号取得手段と、干渉信号から断層画像を生成する断層画像生成手段と、被検体上で同一部位を意図して所定の時間間隔で繰り返し走査される測定光の主走査線に対応して取得された複数の断層画像に基づいて被検体の血流情報を算出する血流情報算出手段と、2次元走査の走査範囲を変更する走査範囲変更手段と、ラスタ走査手段が測定光を2次元走査して干渉信号を取得する際の主走査パラメータを変更するパラメータ変更手段と、を配したOCT装置において、パラメータ変更手段は、走査範囲が変更された場合に、所定の時間間隔が略一定となるように主走査パラメータを変更する。
【選択図】図7

Description

本発明は、光干渉断層撮影装置、光干渉断層撮影装置の作動方法及びプログラムに関するものである。
現在、光学機器を用いた眼科用機器として、様々なものが使用されている。例えば、眼を観察する光学機器として、前眼部撮影装置、眼底カメラ、共焦点レーザー走査検眼鏡(Scanning Laser Ophthalmoscope:SLO)等、様々な機器が使用されている。中でも、多波長光波干渉を利用した光コヒーレンストモグラフィ(Optical Coherence Tomography:OCT)による光干渉断層撮影装置(以下OCT装置と称する。)は、試料の断層像を高解像度に得ることができる。このため、該OCT装置は、眼底における網膜或いは角膜等の前眼部の断層像を取得する眼科用機器として、網膜の専門外来では必要不可欠な装置になりつつある。また、眼科用だけでなく、被検体の断層組織が非侵襲で得られることから、内視鏡等にもOCT装置は利用されている。
OCT装置では、光源から射出された低コヒーレント光を参照光と測定光に分け、測定光を被検査物に照射し、その被検査物からの戻り光と対応する参照光とを干渉させ、得られた干渉光のスペクトル情報から被検査物の断層を測定している。現在のOCT装置では、該干渉光のスペクトル情報から奥行き方向の情報を得るスペクトラムドメインOCT(Spectrum Domain OCT:SD−OCT)が一般的に利用されている。更に、発振波長を変えることができる波長可変光源装置を光源として使用した波長掃引OCT(Swept Source OCT:SS−OCT)も利用されている。SD−OCTとSS−OCTは、総称してフーリエドメインOCT(Fourier Domain OCT:FD−OCT)と呼ばれている。
近年、このFD−OCTを用いた擬似血管造影法が提案されており、OCTアンギオグラフィー(OCT Angiograpy:OCTA)と呼ばれている。現代の臨床医療で一般的な血管造影法である蛍光造影は、体内に蛍光色素(例えばフルオレセイン又はインドシアニングリーン)の注入を必要としている。そして、蛍光色素の通り道となって蛍光を発する血管を、2次元的に表示している。これに対し、OCTAは蛍光色素等を必要とせず、非侵襲で擬似的な血管造影を可能にし、血流部位のネットワークを3次元的に表示できる。更に、OCTAは蛍光造影に比べて高分解能であり、眼底の微小血管又は血流を描出することができるため注目を集めている。
OCTA撮影の場合、同一位置を測定光で複数回スキャンし、同一断面において画素値が時間に依存して変化している部分を血流が存在する部位として認識している。しかし、同一位置を測定光でスキャンするために要する時間間隔が長すぎると、眼の動きの影響が大きいため、精度良く疑似血管を抽出することができない。これに対し、OCT装置において、被検眼を測定光で走査している最中に生じる眼球運動の影響を少なくするために、眼球運動を算出し、算出された情報に応じて測定光を走査する際の主走査方向、及び走査間隔を変更する技術が提案されている(特許文献1)。
特開2010−099146号公報
ここで、OCTA撮影においては、精度良く疑似血管を抽出するためには、同一位置を測定光にて複数回スキャンする際の繰り返しスキャン間での時間間隔を適切な範囲の値にする必要がある。上述したように、時間間隔が長すぎると固視微動等の影響を考慮することを要する。また、同一位置を測定光でスキャンするために要する時間間隔が短すぎると、撮影したデータにほとんど差がなく血球等の動きを検出できず、精度良く疑似血管を抽出することができなくなる。
しかしながら、撮影範囲を変更した場合には測定光をスキャンする長さも変わってしまい、これに伴って繰り返しスキャン間での時間間隔の適切な値が変わってしまう可能性が有る。
本発明は、上述したように、OCTA撮影での撮影範囲を変更した時であっても、測定光を適切な時間間隔にてスキャンして精度よく疑似血管の抽出を行える光干渉断層撮影装置、その作動方法及びプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る光干渉断層撮影装置は、
光源からの光を測定光と参照光に分割する光分割手段と、
前記測定光を被検体で主走査方向と副走査方向とに2次元走査するラスタ走査手段と、
前記測定光の前記被検体からの戻り光と、前記参照光との干渉光に基づく干渉信号を取得する干渉信号取得手段と、
前記取得された干渉信号から断層画像を生成する断層画像生成手段と、
前記被検体上で同一部位を意図して所定の時間間隔で繰り返し走査される前記測定光の走査線に対応して取得された複数の前記断層画像に基づいて前記被検体の血流情報を算出する血流情報算出手段と、
前記2次元走査の走査範囲を変更する走査範囲変更手段と、
前記ラスタ走査手段が前記測定光を2次元走査して干渉信号を取得する際の主走査パラメータとして、前記測定光の主走査方向、前記主走査方向で前記測定光を走査する主走査速度、前記断層画像を生成する際に用いる前記干渉信号の数又は範囲、一回の前記主走査において前記測定光を走査する範囲、の少なくとも何れかを変更するパラメータ変更手段と、を有し、
前記パラメータ変更手段は、前記走査範囲が変更された場合に、前記所定の時間間隔が略一定となるように前記主走査パラメータを変更することを特徴とする。
本発明によれば、OCTA撮影での撮影範囲を変更した時であっても、測定光を適切な時間間隔にてスキャンして精度よく疑似血管の抽出を行うことができる。
本発明の一実施例に係る光干渉断層撮影装置の全体構成図である。 図1に示す光干渉断層撮影装置における測定光学系の概略構成図である。 測定光にて眼底をスキャンするスキャンパターンを説明する図である。 図1に示す光干渉断層撮影装置のモニタに表示される撮影時の画面表示例である。 モニタに表示されるOCTA撮影時の画面表示の一例である。 モニタに表示されるOCTA撮影時の画面表示の他の例である。 本発明の一実施例に係る主走査方向自動設定の手順を示すフローチャートである。 スキャン範囲を変更する例及び主走査方向の走査点数と副走査方向のスキャン本数との関係を説明する図である。 本発明の一実施例に係る主走査方向変更時のメッセージ表示に至る手順を示すフローチャートである。 スキャン範囲を変更する他の例について説明する図である。 本発明の一実施例に係る主走査方向の変更を制限する手順を示すフローチャートである。
本発明を図示の実施例に基づいて以下に詳細に説明する。なお、以下の実施例は特許請求の範囲に関わる本発明を限定するものではなく、また、本実施例で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
(本体構成)
図1は、本発明の一実施例における光干渉断層撮影装置の側面図である。
該光干渉断層撮影装置は、測定光学系100、ステージ部101、ベース部102、制御部103、記憶部104、入力部105、及び表示部106を有する。測定光学系100は、前眼部画像、被検眼のSLO眼底画像、及び断層画像を取得する。ステージ部101は、測定光学系100を前後左右に移動可能に支持する。ベース部102は、ステージ部101を支持すると共に、後述する分光器を内蔵する。
制御部103は、パーソナルコンピュータより構成され、ステージ部101の制御、アライメント動作の制御、及び断層画像生成手段としての断層画像の生成等を行う。記憶部104は制御部103に内蔵され、断層撮像用のプログラム、患者情報、撮影データ、正常データベースの統計情報等を記憶する。入力部105は、制御部103への指示を行うために用いられ、具体的にはキーボードとマウスとから構成される。表示部106はモニタ等からなり、取得した或いは生成された画像の表示等を行う。
(測定光学系及び分光器の構成)
本実施例に係る測定光学系及び分光器の構成について、図2を用いて説明する。
まず、測定光学系100の内部について説明する。被検眼200に対向して対物レンズ201が配置され、その光軸上に第一ダイクロイックミラー202及び第二ダイクロイックミラー203が配置されている。これらのダイクロイックミラーによってOCT光学系の光路250、被検眼の観察とSLO眼底像の取得とを兼ねるSLO光学系と固視灯用の光路251、及び、前眼観察用の光路252とに波長帯域ごとに分岐される。
SLO光学系と固視灯用の光路251には、SLO走査手段204、レンズ205、206、ミラー207、第三ダイクロイックミラー208、フォトダイオード209、SLO光源210、及び固視灯211が配されている。ミラー207は、穴あきミラーや中空のミラーが蒸着されたプリズムであり、SLO光源210による照明光と被検眼からの戻り光とを分離する。第三ダイクロイックミラー208は、SLO光学系と固視灯用の光路251を、SLO光源210に至る光路、及び固視灯211へ至る光路へと波長帯域ごとに分離する。
SLO走査手段204は、SLO光源210と固視灯211から発せられた光を被検眼200上でスキャンするものであり、該光をX方向にスキャンするXスキャナ、及びY方向にスキャンするYスキャナから構成されている。本実施例では、Xスキャナは高速スキャンを行う必要があるためポリゴンミラーによって、Yスキャナはガルバノミラーによって構成されている。
レンズ205はSLO光学系及び固視灯211の焦点合わせのため、不図示のモータによって図中矢印にて示す光軸方向に駆動される。SLO光源210は780nm付近の波長の光を発生する。フォトダイオード209は、該光によりスキャンされた被検眼200からの戻り光を検出する。固視灯211は、可視光を発生し、これを注視させることによって被検者の固視を促すものである。
SLO光源210から発せられた光は、第三ダイクロイックミラー208で反射され、ミラー207を通過し、レンズ206、205を通り、SLO走査手段204によって、被検眼200上でスキャンされる。該光の被検眼200からの戻り光は、該光と同じ経路を戻った後、ミラー207によって反射され、フォトダイオード209へと導かれる。フォトダイオード209が受光した戻り光の強度に基づいて、SLO眼底像が得られる。
固視灯211から発せられた光は、第三ダイクロイックミラー208、ミラー207を透過し、レンズ206、205を通り、SLO走査手段204によって、被検眼200上でスキャンされる。この時、SLO走査手段の動きに合わせて固視灯211を点滅させることによって、被検眼200上の任意の位置に任意の形状をつくり、被検者の固視を促す。
前眼観察用の光路252には、レンズ212、213、スプリットプリズム214、及び赤外光を検知する前眼部観察用のCCD215が配置されている。このCCD215は、不図示の前眼観察用光源から被検眼200に照射される照射光の波長、具体的には970nm付近に感度を持つものである。スプリットプリズム214は、被検眼200の瞳孔と共役な位置に配置されており、被検眼200に対する測定光学系100のZ方向(前後方向)の距離を、前眼部のスプリット像として検出することができる。
OCT光学系の光路250は、前述の通りOCT光学系を構成する光学部材が配置されており、被検眼200の断層画像を撮像するための測定光の光路である。より具体的には、被検眼200の断層画像を形成するための干渉信号を得るための測定光及び戻り光の光路である。該OCT光学系の光路250には、XYスキャナ216、レンズ217、及びレンズ218が配置され、後述する光ファイバー224の射出端部から射出される測定光を第二ダイクロイックミラーに導く。XYスキャナ216は、測定光を被検眼200上でスキャンするために用いられる。なお、同図においてXYスキャナ216は1枚のミラーとして図示してあるが、実際にはXY2軸方向のスキャンを行う一対のガルバノミラーより構成されている。
レンズ217は、光ファイバー224の射出端部から出射される測定光を被検眼200に焦点合わせするために、不図示のモータによって図中矢印にて示される光軸方向に駆動される。この焦点合わせによって、測定光が照射された被検眼200からの戻り光は、同時に光ファイバー224の射出端部に対してスポット状に結像されて入射されることとなる。
次に、OCT光源220からの光路と参照光学系、及び分光器の構成について説明する。OCT光源220は光ファイバー225を介して光カプラー219に接続される。光カプラー219にはシングルモードの光ファイバー224〜227が接続されて一体化されている。参照光学系は、光ファイバー226の射出端部より順に配置されるレンズ223、分散補償用ガラス222、及び参照ミラー221を有する。また、光ファイバー227を介して、分光器230に接続される。これらの構成によって、本実施例ではマイケルソン干渉系を構成している。
OCT光源220から出射された光は、光ファイバー225を通じ、光カプラー219に導かれる。光カプラー219は光分割手段として、この導かれた光を光ファイバー224側の測定光と光ファイバー226側の参照光とに分割する。測定光は上述したOCT光学系光路を通じ、観察対象である被検眼200(被検体上)に照射され、被検眼200により反射や散乱された後、戻り光として同じ光路を通じて光カプラー219に到達する。
一方、参照光は光ファイバー226、レンズ223、及び測定光と参照光の分散を合わせるために挿入された分散補償用ガラス222を介して参照ミラー221に到達し反射される。そして同じ光路を戻り、光ファイバー226の射出端より入射した後に光カプラー219に到達する。
光カプラー219によって、測定光と参照光は合波され干渉光となる。ここで、測定光の光路長と参照光の光路長がほぼ同一となったときに干渉を生じる。参照ミラー221は、不図示のモータ及び駆動機構によって図中矢印にて示す光軸方向に調整可能に保持されている。従って、被検眼200によって変わる測定光の光路長に対して、参照光の光路長を合わせることが可能である。合波により得られた干渉光は、光ファイバー227を介して分光器230に導かれる。
なお、光ファイバー224中には測定光側の偏光調整部228が設けられ、光ファイバー226中には参照光側の偏光調整部229が設けられている。これらの偏光調整部は、光ファイバーをループ状にひきまわした部分を幾つか持っている。このループ状の部分をファイバーの長手方向を中心として回動させることでファイバーに捩じりを加えることにより、測定光或いは参照光の偏光状態を各々調整して合わせることが可能となっている。
分光器230は上述したようにベース部102に配置されており、レンズ232、234、回折格子233、及びラインセンサ231から構成される。光ファイバー227から出射された干渉光はレンズ234を介して平行光となった後、回折格子233で分光され、レンズ232によってラインセンサ231上にて結像される。
次に、OCT光源220の周辺について説明する。OCT光源220は、代表的な低コヒーレント光源であるSLD(Super Luminescent Diode)である。射出される光の中心波長は855nmであり、波長バンド幅は約100nmである。ここで、バンド幅は、得られる断層画像の光軸方向の分解能に影響するため、重要なパラメータとなる。なお、光源として本実施例ではSLDを選択したが、低コヒーレント光が出射できればよく、ASE(Amplified Spontaneous Emission)等を用いることができる。また測定光として用いる光の中心波長は、眼を測定することを鑑みると近赤外光が適する。また、当該測定光の中心波長は得られる断層画像の横方向の分解能に影響するため、なるべく短波長であることが望ましい。双方の理由から中心波長855nmの光を用いることとした。
本実施例では、干渉光を得る干渉系としてマイケルソン干渉系を用いたが、マッハツェンダー干渉系を用いても良い。測定光と参照光との光量差に応じて、光量差が大きい場合にはマッハツェンダー干渉系を、光量差が比較的小さい場合にはマイケルソン干渉系を用いることが望ましい。
以上のような構成からなる光干渉断層撮影装置を用いることにより、被検眼200の断層画像を取得することができ、かつ、近赤外光であってもコントラストの高い被検眼のSLO眼底像を取得することができる。
(断層画像の撮像方法)
次に、上述した光干渉断層撮影装置を用いた断層画像の撮像方法について説明する。
本実施例に係る光干渉断層撮影装置は、XYスキャナ216を制御することで、被検眼200の所定部位の断層画像を撮像することができる。ここで、断層画像の取得のための測定光を被検眼中でスキャンする軌跡のことをスキャンパターン(走査パターン)と呼ぶ。このスキャンパターンには、例えば、一点を中心として縦横十字にスキャンするクロススキャンや、エリア全体を塗りつぶすようにスキャンし結果として3次元断層画像を得る3Dスキャンなどがある。特定の部位に対して詳細な観察を行いたい場合はクロススキャンが適しており、網膜全体の層構造や層厚を観察したい場合は3Dスキャンが適している。
3Dスキャンを実行した場合の撮像方法を図3で説明する。図3は被検眼200の眼底における断層画像取得領域を平面として示している。また、同図中において、測定光を照射して網膜の深さ方向(紙面に垂直な方向)の測定を行う点を参照符号Anmで示している。なお、同図において、網膜の深さ方向がZ方向、該Z方向に直交して網膜表面に平行(紙面に平行)な任意の方向をX方向、Z方向及びX方向に共に直交する方向をY方向として定義する。また、測定光を第一の速度でスキャン(走査)する方向を主走査方向、該主走査方向に直交して測定光を第一の速度より遅い第二の速度でスキャンする方向を副走査方向と称するが、本実施例では主走査方向はX方向に、副走査方向はY方向に一致することとする。
まず、A11の走査点において、Z方向へのスキャンを行い、干渉光から得られた輝度情報を被検眼の断層情報としてラインセンサ231で取得する。該ラインセンサ231は、本実施例における干渉信号取得手段を構成する。ラインセンサ231で得られた輝度分布は制御部103において高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform:FFT)され、更にFFTで得られた線状の輝度分布は濃度情報に変換される。このようにして得られた濃度情報は、Aスキャン画像と称呼される。また、Anm点にて実行されるZ方向の測定光の走査(スキャン)は、Aスキャンと称呼される。
X方向にスキャン位置をずらしながら、A11からA1mまでの測定光のスキャンを行うことで、複数のAスキャン画像が得られ、これらAスキャン画像を走査方向に並べることで2次元の断層画像を取得できる。このX方向への測定光のスキャンをBスキャンと呼び、得られた画像をBスキャン画像と呼ぶ。また、Bスキャンを行う際の測定光の走査方向を上述した主走査方向と呼ぶ。
Y方向にスキャン位置をずらしながら、B1からBnまでBスキャンを行うことで、3次元の断層像を得ることができる。B1からBnに向かう方向、つまり、主走査方向に直行する方向を副走査方向と呼ぶ。複数のBスキャン画像、あるいは複数のBスキャン画像から構築した3次元断層画像を表示部106に表示することで、操作者が被検眼の診断を行うことができる。なお、ここでは、X方向のBスキャン画像を複数得ることで3次元断層画像を得る例を示したが、Y方向のBスキャン画像を複数得ることで3次元断層画像を得ても良い。すなわち、Y方向を主走査方向とし、X方向を副走査方向とすることも可能である。また、ここではX方向とY方向とが直交することとしているが、眼底上を平面的に走査可能であれば、これら方向は直交する態様に限定されない。本実施例は、被検眼眼底上で測定光をBスキャン方向(主走査方向)と該Bスキャン方向に垂直な方向(副走査方向)とに走査する2次元走査を行う。本実施例におけるXYスキャナ216は、被検体上で測定光を2次元走査するラスタ走査手段を構成する。
(撮影時の画面表示)
図4に、撮影時において表示部106の表示画面に表示される画面表示例を示す。
同表示画面において、左右眼提示部401には、ステージの現在の被測定眼が左右眼の何れであるかを表示する。操作者は、検査セット選択部402を用いて、検査の目的に応じて測定時に用いる検査セットを選択する。検査セットは、被検眼を検査する際の検査項目、例えば特定の検査部位を検査する際に主に用いられるスキャンモードがセットとして複数まとめられている。操作者が検査セット選択部402により提示される複数の検査セットより一の検査セットを選択すると、選択した検査セットに対応するスキャンモードがスキャンモード選択部403に表示される。操作者がスキャンモード選択部403で検査に用いるスキャンモードを選択すると、選択された実行予定のスキャンモードがスキャンモード表示部404に表示される。
スタートボタン405は操作者が検査の開始を指示するStartボタンであり、キャプチャーボタン406は操作者が撮影の開始を指示するCaptureボタンを示す。操作者がStartボタンを押下すると、プレビュー表示画面407に、SLOによる眼底のプレビュー画像が表示される。SLOのプレビュー画像上で、範囲指示枠408、409の矩形で囲まれた範囲がOCTのスキャン範囲となる。本実施例では上述した3Dスキャンを行う場合を例示しており、範囲指示枠408、409に平行する実線の矢印410が主走査線の延在方向を示す。また、実線の矢印410に直行する点線の矢印411が副走査線の延在方向を示す。
(OCTA撮影)
OCTA撮影の撮像方法について図3を用いて説明する。
OCTA撮影では、血流によるOCT干渉信号の時間変化を計測するため、同じ場所(又は略同じ場所)で複数回の計測が必要となる。ここでは、同じ場所でi回計測を行う場合で説明する。iは、2以上の値から、画質、撮影時間を考慮して決定される。なお、上述したように、被検眼は固視微動を行っていることから、厳密な意味での同一部位での測定光の走査は難しく、従ってi回の測定光の走査は同一部位の断層画像を得ることを意図して行われることとなる。
まず、A11からA1mまでのAスキャンを行う。A1mのAスキャンが完了した後、再び、A11からA1mまでのAスキャンを行う。これを連続してi回繰り返す。つまり、B1の位置のBスキャンをi回連続して繰り返すように、同一の走査線上において測定光の繰り返し走査を実行する。3次元の情報を得る場合、このi回連続して繰り返されるBスキャンを、Bスキャン位置であるB1からBnまで移動しながら、各Bスキャン位置で実行する。同一位置を測定光でi回スキャンし、同一断面において画素値の時間に依存して変化している分散について、これを血流情報として算出する。ここで、制御部103は、複数の断層画像(Bスキャン画像)に基づいて被検眼の血流情報を算出する血流情報算出手段を構成する。
(OCTA撮影時の画面表示)
次に、図5及び6を用いて、OCTA撮影時において表示部106の表示画面に表示される画面表示例を示す。なお、表示画面に表示される内容或いは項目に関しては、図3を用いて説明した場合と同様であるためここでの説明は省略する。
図5は、主走査方向が横になっている例である。スキャンモード選択部403でOCTAのスキャンモードが選択され、スキャンモード表示部404にOCTAのスキャンモードが表示されている。範囲指示枠408、409で示されるスキャン範囲は、縦の長さと横の長さが同じであり、主走査方向を示す実線の矢印410が、右向き(横方向)になっている。
図6は、主走査方向が縦になっている例である。スキャンモード選択部403でOCTAのスキャンモードが選択され、スキャンモード表示部404にOCTAのスキャンモードが表示されている。範囲指示枠408、409で示されるスキャン範囲は、縦の長さに対して横の長さの方が長くなっており、主走査方向を示す実線の矢印410は、下向き(縦方向)になっている。
(スキャン範囲を変更した場合であってもΔtを略一定にする実施例)
以下に、スキャン範囲を変更した場合であってもΔtを略一定にする、本発明の一実施例に係る光干渉断層撮影装置の作動方法について説明する。OCTA撮影において、同じBスキャン位置をスキャンする時間間隔は、上述したように、血球等の動きを検出でき、且つ眼の動きの影響を受けない適切な範囲の値にする必要がある。また、同一位置を測定光で複数回スキャンする場合、例えば各々のスキャンを行う間の時間間隔Δtが伸びると、Δtの延長に応じて血球等の移動量はより大きくなり、各スキャン間で得られる血球等の動き量を示す画素値の変化量も大きくなる。ここで、時間間隔Δtの変化にかかわらず同じ変化量を示した画素値群を抽出した場合、元の時間間隔で測定光をスキャンして得た画素値群から特定された動きを示す血球等とこれら抽出された画素値群から特定された動きを示す血球等とは異なってしまう。このことは、元の血管とは内部を流れる血液の流速が異なる状態となる、例えば太さの異なった血管を抽出することにつながる。
従って、OCTA撮影を行う場合、一連の撮影を行う際の条件として、測定光のスキャンの時間間隔Δtは抽出対象となる血管に適した値として、測定光の走査長さによらず、常に一定であることが望ましい。即ち、該Δtとしては、スキャン範囲が変更される前に算出される血流情報と同等の血流情報がスキャン範囲変更後でも算出される時間間隔として把握されることが好ましい。
なお、ここで述べた繰り返しスキャンの時間間隔は、図3に示すB1位置での繰り返しBスキャンにおいて、A11での測定光の照射−輝度情報の取得を開始してから再度A11にて同様のスキャンを開始するまでに要する時間を示す。よって、以降では、OCTA撮影においてスキャン範囲を変更した場合、測定光の走査パラメータに関する設定値等を種々変更し、該Δtを一定に値に維持する実施例について述べる。なお、上述した理由より、スキャン範囲の変更によらずΔtの値は一定であることが理想であるが、実際には抽出対象とする血管内の血球の移動はある程度の分散を含むため、該Δtは略一定として定義される許容幅を有する。
以下の実施例では、Bスキャンを行って断層画像を生成するために用いるデータを取得する際の主走査パラメータを適宜変更し、スキャン範囲変更に伴う該Δtの変化を許容幅以下に抑制することを目的としている。なお、主走査パラメータとしては、例えば測定光の主走査方向、主走査方向で測定光を走査する主走査速度、断層画像を生成する際に用いる干渉信号の数又は範囲、一回の主走査において測定光を走査する範囲等が含まれる。これら主走査パラメータは、パラメータ変更手段を構成する制御部103により変更される。
(1.主走査方向を自動設定する実施例)
ここでは、OCTA撮影で、スキャン範囲を変更した時に主走査方向を自動設定する実施例を説明する。なお、スキャン範囲の変更は、図5等に示される範囲指示枠408、409を、カーソル等を用いて操作者が動かすことによって実行される。また、検査セット等において予め検査項目に対応して設定済みのスキャン範囲が適宜選択されることとしてもよい。このスキャン範囲の変更は、制御部103において走査範囲変更手段として機能するモジュールが、これら操作者からの指示或いは記憶済みのデータに応じて実行する。
なお、OCTA撮影の初期設定において、主走査方向は自動に設定する。主走査方向が自動設定される場合には、スキャン範囲の縦の走査長さと横の走査長さが同じ時のデフォルト主走査方向を縦、横の何れかに設定する。
ここで、主走査方向を自動設定する処理の流れを、図7のフローチャートを用いて説明する。自動設定の処理が開始されると、ステップS701では、制御部103は操作者によるスキャン範囲の変更を検知する。ステップS702では、制御部103はスキャン範囲変更後のスキャン範囲の縦の走査長さと横の走査長さとを比較する。縦横の走査長さの判定は、縦の走査長さから横の走査長さを引き算し、その結果により行う。なお、本実施例及び以降に述べる実施例においても走査長さの判定は引き算によって行っているが、判定の方法はこれに限定されず、割り算等走査長さの判定のために実行される種々の方法が適用可能である。
縦の長さから横の長さを引き、正の場合は縦の方が長いと判定される。この場合、フローはステップS703に進む。ステップS703では、制御部103は、主走査を行う際のBスキャン長さが短くなるように、主走査方向を横方向に設定する。
縦の長さから横の長さを引き、0の場合は、縦の長さと横の長さが同じであると判定される。この場合、フローはステップS705に進み、該ステップS705において制御部103が主走査方向をデフォルト主走査方向に設定する。また、縦の長さから横の長さを引き、負の場合は、単にスキャン範囲におけるBスキャンの数nが減少しただけで、Δtについては変化していないと判定される。従って、この場合もフローはステップS705に進む。
デフォルト主走査方向を横方向として、上述する主走査方向を設定する場合の例を図8に示す。矩形状のスキャン範囲800では、スキャン範囲の縦の長さと横の長さが同じであるため、主走査方向はデフォルト主走査方向の横方向になっている。なお、以下に述べるスキャン範囲は、特に記載がなければ矩形状に設定されているものとする。ここで、範囲変更操作801で操作者がスキャン範囲を横に広げてスキャン範囲800からスキャン範囲802に変更すると、主走査方向の方が長くなる。このため、主走査方向はデフォルトで設定されている横方向から縦方向に変更される。
これに対して、操作者がスキャン範囲を縦に狭めた場合は、スキャン範囲における主走査方向の長さは変化していない。このため、主走査方向はデフォルトで設定されている横方向が維持される。即ち、Δtを考慮した場合、図8に示すようにスキャン範囲を変更した場合であっても、測定光の主走査に関してのΔtが変化しない場合には、主走査方向を変更しなくてもよい。この場合、上述した処理において走査時間に基づいて主走査方向の変更を許可するか否かを判断する工程を配すればよい。
主走査方向を変更した時の主走査方向の走査点数、副走査方向のスキャン線数の変化について、再度図8を参照して説明する。
主走査方向を変更する前のスキャン範囲800において、主走査方向の走査点数(図3に示した場合の一BスキャンにおけるAスキャンの数)がm、副走査方向のスキャン線数(Bスキャン位置の数)がnとする。この場合は、スキャン範囲800は縦の長さと横の長さが同じであるため、m=nとなる。
範囲変更操作801で操作者がスキャン範囲を横に広げ、主走査方向が縦方向に変更された時、主走査方向変更後の主走査方向の走査点数は、変更前と同じm(=n)とする。主走査方向変更後の副走査方向のスキャン線数は、スキャン範囲が広がったことに応じて変更前のnより大きくする。なお、この場合、主走査方向変更後の副走査線数として、副走査線の間隔が主走査方向の走査点の間隔未満となる条件を満たすようにする等、副走査線数の最大値に制限をかけてもよい。また、副走査方向のスキャン線数を増やすと、画像解像度は高くなるが、撮影時間が長くなるというデメリットもある。そのため、撮影時間の上限を設定しておき、その撮影時間を超えないように、副走査方向のスキャン線数を最大に設定することとしてもよい。
本実施例の場合、スキャン範囲の変更に伴って、走査点数を変えずに変更前の主走査方向における繰り返しスキャンの時間間隔Δtを略同一に維持できるように、スキャン線の長さが元の主走査方向に近いスキャン方向を新たな主走査方向に設定することとしている。これにより、スキャン範囲の変更によらず、Δtの値は略一定に維持されるため、スキャン範囲変更前に抽出した血管と対応する血管を、スキャン範囲変更後であっても同様に抽出することが可能となる。即ち、測定光を適切な時間間隔にてスキャンして精度よく疑似血管の抽出を行うことが可能となる。なお、スキャン範囲が副走査方向に拡大された場合には、主走査方向のΔtは何ら変わらないため、元の主走査方向は変更されない。
(1−2.主走査方向が長辺となる時にメッセージの表示)
なお、ここで述べた主走査方向を自動設定する実施例の場合、主走査方向を変更する場合、操作者にこの変更を通知するためにメッセージを表示しても良い。ここでは、OCTA撮影でスキャン範囲を変更して主走査方向が長辺となる時に、これをメッセージとして表示し、当該メッセージに応じて操作者が主走査方向を変更する否か選択する実施例について説明する。
以下、本実施例におけるスキャン範囲変更の表示から主走査方向の変更の要否を指示する処理の流れを、図9に示すフローチャートを用いて説明する。
自動設定及びメッセージ表示の処理が開始されると、ステップS1001において、制御部103は操作者によるスキャン範囲の変更を検知する。ステップS1002では、制御部103は、スキャン範囲変更後のスキャン範囲の主走査方向の長さと副走査方向の長さを比較する。本実施例では、主走査方向の長さから副走査方向の長さを引き算し、その結果より各々の長さの長短を比較する。引き算の結果が正の場合は主走査方向の方が長いと判定されるため、フローはステップS1003に進み、主走査方向が長いことを知らせるメッセージを表示部106に表示させる。引き算の結果がそれ以外の負或いは0の場合は、フローは終了する。ステップ1003で表示されるメッセージとしては、例えば、主走査方向を変更するか否かを操作者に問い合わせ、操作者が主走査方向を変更すると選択した時のみ、制御部103は主走査方向を変更する。
主走査方向の初期設定を横方向とした場合の例について図10を用いて説明する。
スキャン範囲1100において、主走査方向の長さと副走査方向の長さが同じであるため、主走査方向は初期設定の横方向とする。範囲変更操作1101で操作者がスキャン範囲を主走査方向(横)に広げると、主走査方向の長さが副走査方向の長さより長くなる。このため、範囲変更操作1101でスキャン範囲が横に広げられた場合には、上述した範囲変更に伴う主走査方向の変更を行うか否かを問うメッセージが表示される。操作者が、該メッセージに対して主走査方向を変更することを選択した場合、上述した主走査方向の自動設定と同様の処理が実行される。操作者が、主走査方向を変更することを選択しなかった場合、スキャン範囲1102に示されるように、主走査方向は変更されない。
範囲変更操作1103で操作者がスキャン範囲を副走査方向(縦)に狭めた場合も、主走査方向の長さが副走査方向の長さより長くなるため、上述した範囲変更に伴う主走査方向の変更を行うか否かを問うメッセージが表示される。該メッセージは、制御部103が表示部106を制御して該メッセージを表示させる表示制御手段として機能して実行させる。操作者が、該メッセージに対して主走査方向を変更することを選択した場合、上述した主走査方向の自動設定と同様の処理が実行される。操作者が、主走査方向を変更することを選択しなかった場合、スキャン範囲1104に示されるように、主走査方向は変更されない。なお、以上の操作において、主走査方向を変更した時の副走査方向のスキャン線数の変更の要否に関しては、上述した主走査方向の自動設定と同様の処理が実行される。
(2.主走査方向が長辺となるスキャン範囲の変更を禁止する実施例)
次に、OCTA撮影で、主走査方向が長辺となるようなスキャン範囲の変更を禁止することで、繰り替えしスキャンの時間間隔Δtの変化を低減する実施例について説明する。本実施例の場合、OCTA撮影の初期設定において、主走査方向は、予めスキャン範囲における縦方向或いは横方向の何れかに設定されている。
以下、本実施例に係るスキャン範囲変更禁止の処理の流れを、図11のフローチャートを用いて説明する。
スキャン範囲変更禁止の処理が開始されると、ステップS1201では、制御部103が操作者によるスキャン範囲の変更を検知する。ステップS1202では、制御部103は、スキャン範囲変更後のスキャン範囲の主走査方向の長さと副走査方向の長さを比較する。主走査方向の長さから副走査方向の長さを引き算し、その結果より各々の長さの長短を比較する。引き算の結果が正の場合は、主走査方向の方が長いと判定されるため、フローはステップS1203に進み、制御部103はスキャン範囲の変更をキャンセルする。引き算の結果がそれ以外の負或いは0の場合は、フローは終了する。
なお、ここでは単純に主走査方向の長さが長くなる場合にスキャン範囲の変更を禁止することによって上述したΔtの変化を無くすこととしている。しかし、実際のOCTA撮影においては、病変部位の広さ等に応じてスキャン範囲の主走査方向長さを長くせざるを得ない場合も考えられる。この場合、許容されるスキャン範囲の主走査方向長さは繰り返しスキャンの時間間隔Δtを一定とし、一Bスキャンを行うための測定光の最大のスキャン速度と該Δtとの積算値Lmaxに達するまでは長くすることが可能である。よって、上述のフローにおいては、ステップS1202とステップS1203との間に、このLmaxとの比較を行う工程を配し、この比較結果に応じて上述した禁止等の処理を実行するとよい。
(3.主走査方向のスキャン速度を制御する実施例)
ここでは、OCTA撮影で、スキャン範囲を変更した時に主走査方向における測定光のスキャン速度(主走査速度)を自動設定する実施例を説明する。上述したように、スキャン範囲を変更した場合においても変更前と同等の血管の抽出ができるように、繰り返しスキャン間の時間間隔Δtを許容される変化幅に抑える、より好ましくは一定にすることが求められる。本実施例では、Bスキャンにおける測定光のスキャン速度を変更し、主走査時間を短縮することによってΔtを略一定にする。
例えば、主走査方向におけるスキャン範囲が拡張された場合には、制御部103は、拡張されたスキャン範囲の大きさに基づいてスキャン速度を上げる。例えば、主走査方向におけるスキャン範囲がデフォルトのスキャン範囲の2倍に変更された場合、制御部103はスキャン速度をデフォルトのスキャン速度の2倍にする。なお、主走査方向におけるスキャン範囲が縮小された場合には、制御部103は、縮小されたスキャン範囲の大きさに基づいてスキャン速度を下げる。例えば、主走査方向におけるスキャン範囲がデフォルトのスキャン範囲の半分の大きさ変更された場合、制御部103はスキャン速度をデフォルトのスキャン速度の半分にする。
(4.主走査方向のデータ有効比率を変える実施例)
例えば、図8における範囲変更操作801において、主走査方向の走査範囲が同図の場合とは逆に狭くなるように変更された場合を考える。この時、Bスキャンの条件を変えない場合、一BスキャンにおけるAスキャンの数mが減少することから上述したΔtは短くなってしまう。この場合、Bスキャンのスキャン速度、一BスキャンにおけるAスキャンの数等のスキャン条件自体は変えず、一Bスキャンから得るデータから実際に範囲指定された領域から得られる干渉信号に関して、断層画像を生成する際に用いる干渉信号の数又は範囲を制限する。
例えば、上述した範囲変更操作が行われた場合、制御部103は、変更後の主走査方向の走査線の長さは変更前の主走査方向の走査線の長さと同様になるようにする。すなわち、制御部103は、スキャン範囲よりも広い範囲をスキャンさせる。そして、断層像の生成には変更後のスキャン範囲での走査により得られた干渉光のみが用いられる。このようにすれば、主走査方向のスキャン範囲がデフォルトのスキャン範囲よりも狭くなった場合において、走査間の時間を維持することが可能となる。なお、主走査方向を変更した場合だけではなく、主走査方向を変更せずにスキャン範囲がデフォルトのスキャン範囲よりも狭くなった場合にも適用可能である。
(5.スキャン範囲を分割する実施例)
スキャン範囲変更禁止の処理で述べたように、Δtを略一定に維持できる主走査方向のスキャン長さLmaxを定めることが可能である。しかし、診査等においてよりスキャン範囲を例えば横方向に更に細長くし、長いスキャン範囲で血管抽出を行うことが求められることも考えられる。このように走査範囲変更後のスキャン長さがLmaxを超える場合、該細長いスキャン範囲を、例えば長辺を半分とするように2つの範囲に分割して血管抽出を行ってもよい。
例えば、スキャン範囲が主走査方向においてデフォルトのスキャン範囲の2倍に変更された場合には、主走査方向において、スキャン範囲を2分割する。例えば、2分割された一方の領域をスキャンしたのちに、他方の領域をスキャンする。このようにすれば、片方のスキャン領域における主走査方向の走査線の長さは、デフォルトのスキャン領域における主走査方向の走査線の長さと同様となるため、走査間隔をデフォルトの状態に維持することが可能となる。なお、スキャン範囲が主走査方向においてデフォルトのスキャン範囲の3倍に変更された場合には、主走査方向において、スキャン範囲を等分で2分割してもよいし、2:1の割合で分割することとしてもよい。すなわち、スキャン領域の分割方法は等分割に限定されるものではない。例えば、スキャン範囲を等分で2分割した場合には、スキャン速度をデフォルトのスキャン速度の1.5倍にすることでデフォルトの走査間隔を維持することが可能である。なお、上述した他の方法でデフォルトの走査間隔を維持するようにしてもよい。
(その他の実施例)
本実施例では、OCTA撮影を行う装置として、SD−OCT装置を用いた場合を例として説明したが、SS−OCT装置を用いた場合であっても本発明は当該装置と同様に適用できる。また、被検眼の眼底を測定対象とした場合を例示しているが、背景技術で説明したように前眼部等の眼の他の部位を測定対象としてもよい。また、測定対象は眼に限定されず、眼以外の皮膚や臓器等を測定対象として本発明を適用することも可能である。この場合、本発明は眼科装置以外の、例えば内視鏡等の医療機器としての態様を有する。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施例の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)における1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である
100 測定光学系
101 ステージ部
102 ベース部
103 制御部
104 記憶部
105 入力部
106 表示部
200 被検眼
209 フォトダイオード
210 SLO光源
220 OCT光源
231 ラインセンサ

Claims (7)

  1. 光源からの光を測定光と参照光に分割する光分割手段と、
    前記測定光を被検体で主走査方向と副走査方向とに2次元走査するラスタ走査手段と、
    前記測定光の前記被検体からの戻り光と、前記参照光との干渉光に基づく干渉信号を取得する干渉信号取得手段と、
    前記取得された干渉信号から断層画像を生成する断層画像生成手段と、
    前記被検体上で同一部位を意図して所定の時間間隔で繰り返し走査される前記測定光の走査線に対応して取得された複数の前記断層画像に基づいて前記被検体の血流情報を算出する血流情報算出手段と、
    前記2次元走査の走査範囲を変更する走査範囲変更手段と、
    前記ラスタ走査手段が前記測定光を前記2次元走査して干渉信号を取得する際の主走査パラメータとして、前記測定光の主走査方向、前記主走査方向で前記測定光を走査する主走査速度、前記断層画像を生成する際に用いる前記干渉信号の数又は範囲、前記主走査方向における一回の前記走査において前記測定光を走査する範囲、の少なくとも何れかを変更するパラメータ変更手段と、を有し、
    前記パラメータ変更手段は、前記走査範囲が変更された場合に、前記所定の時間間隔が略一定となるように前記主走査パラメータを変更することを特徴とする光干渉断層撮影装置。
  2. 前記パラメータ変更手段は、前記走査範囲変更手段が変更した矩形状の走査範囲において、前記主走査方向の走査長さと前記2次元走査における副走査方向の走査長さとの短い方の走査方向を走査範囲変更後の主走査方向に変更することを特徴とする請求項1に記載の光干渉断層撮影装置。
  3. 前記パラメータ変更手段は、前記変更された主走査方向における走査点の数、及び前記主走査方向に直交する副走査方向における走査線の数の少なくとも何れかを変更することを特徴とする請求項2に記載の光干渉断層撮影装置。
  4. 前記走査範囲変更手段が変更した矩形状の走査範囲において、前記主走査方向の走査長さと前記2次元走査における副走査方向の走査長さとを比較して、前記主走査方向の走査長さが前記副走査方向の走査長さよりも長くなった場合に、前記主走査方向の走査長さが長いことを知らせる表示を表示部に表示させる表示制御手段を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の光干渉断層撮影装置。
  5. 前記走査範囲変更手段が変更した矩形状の走査範囲において、前記主走査方向の走査長さと、前記主走査方向で前記測定光を走査する主走査速度と前記主走査方向に前記測定光を走査する際の主走査時間との積により定められる長さとを比較して前記走査長さが前記積により定められる長さよりも長い場合に、前記パラメータ変更手段は前記走査範囲を前記主走査方向において分割することを特徴とする請求項1又は4に記載の光干渉断層撮影装置。
  6. 光源からの光を測定光と参照光に分割する光分割手段と、
    前記測定光を被検体で主走査方向と副走査方向と2次元走査するラスタ走査手段と、
    前記測定光の前記被検体からの戻り光と、前記参照光との干渉光に基づく干渉信号を取得する干渉信号取得手段と、
    前記取得された干渉信号から断層画像を生成する断層画像生成手段と、
    前記被検体上で同一部位を意図して所定の時間間隔で繰り返し走査される前記測定光の走査線に対応して取得された複数の前記断層画像に基づいて前記被検体の血流情報を算出する血流情報算出手段と、を有する光干渉断層撮影装置の作動方法であって、
    前記2次元走査の走査範囲を変更する走査範囲変更工程と、
    前記走査範囲が変更された場合に、前記所定の時間間隔が略一定となるように、前記ラスタ走査手段が前記測定光を前記2次元走査して干渉信号を取得する際の主走査パラメータである、前記測定光の主走査方向、前記主走査方向で前記測定光を走査する主走査速度、前記断層画像を生成する際に用いる前記干渉信号の数又は範囲、前記主走査方向の一回の前記走査において前記測定光を走査する範囲、の少なくとも何れかを変更するパラメータを変更する工程と、を有することを特徴とする光干渉断層撮影装置の作動方法。
  7. 請求項6に記載の光干渉断層撮影装置の作動方法の各工程をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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