JP2022186845A - 眼科撮影装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】OCT血管造影における繰り返し撮影レートを一定にする。【解決手段】実施形態の眼科撮影装置は、パノラマOCT血管造影を実行可能であり、形状及び/又は寸法が異なる第1領域及び第2領域にOCTモーションコントラスト撮影を適用する。設定部は、互いに等しい長さを有する第1スキャンライン及び第2スキャンラインをそれぞれ第1領域及び第2領域に設定する。データ取得部は、第1スキャンライン及び第2スキャンラインに対して互いに等しいレートでOCTスキャンを繰り返し適用する。画像形成部は、データ取得部により第1領域から取得された時系列データから第1領域のモーションコントラスト画像を形成し、第2領域から取得された時系列データから第2領域のモーションコントラスト画像を形成し、これらモーションコントラスト画像を合成して広域モーションコントラスト画像を形成する。【選択図】図3

Description

本発明は、眼科撮影装置に関する。
眼科分野において画像診断は重要な位置を占める。近年では光コヒーレンストモグラフィ(OCT)の活用が進んでいる。OCTは、被検眼のBスキャン画像や3次元画像の取得だけでなく、Cスキャン画像やシャドウグラムなどの正面画像(en-face画像)の取得にも利用されるようになってきている。
また、被検眼の特定部位を強調した画像を構築する技術も実用化されている。例えば、網膜血管や脈絡膜血管が強調された画像を形成するOCT血管造影(OCT-Angiography)が注目を集めている(例えば、特許文献1を参照)。
一般に、スキャン部位の組織(構造)は時間的に不変であるが、血管内部の血流部分は時間的に変化する。OCT血管造影では、このような時間的変化が存在する部分(血流信号)を強調して画像を形成する。
OCT血管造影は、OCTモーションコントラスト撮影(motion contrast imaging)などとも呼ばれる。また、OCT血管造影により取得される画像は、血管造影画像、アンジオグラム、モーションコントラスト画像などと呼ばれる。
典型的な従来のOCT血管造影では、既定サイズ(例えば、9mm×9mm)の3次元スキャンが適用され、眼底血管の3次元的分布を表現した画像が得られる。一方、より広範囲の血管造影画像を取得することが望まれている。眼底の広い範囲のOCTデータを取得するための技術としてパノラマ撮影が知られている(例えば、特許文献2を参照)。
パノラマ撮影は、異なる複数の領域に3次元スキャンをそれぞれ適用し、それにより得られた複数の3次元画像を合成して広域画像を構築する画像化手法である。典型的には、互いに隣接する領域に重複領域が設定され、この重複領域を基準として隣接する画像の間の相対位置が決定される。また、異なる複数の領域に対する3次元スキャンの順次的適用は、典型的には、光スキャナの制御及び/又は固視位置の制御によって実現される。
パノラマ撮影によって取得された広域画像は、パノラマ画像、モザイク画像、モンタージュ画像などと呼ばれる。また、パノラマ撮影は、モンタージュ撮影などとも呼ばれる。また、モーションコントラスト技術で描出される対象は血流に限定されず、時間的に変化する任意の対象も描出される。また、OCT血管造影に適用される3次元スキャンは、一般的にはラスタースキャンであるが、固視ずれの影響を低減するためにリサージュスキャン等が採用することもある(例えば、特許文献3を参照)。
特表2015-515894号公報 特開2009-183332号公報 特開2018-68578号公報
前述したように、OCT血管造影では、同じ箇所を繰り返し撮影し、得られた時間的変化からモーションコントラスト画像を生成する。このとき、検出可能な流速の範囲は、繰り返し撮影のレートに依存する。繰り返し時間間隔が一定でない場合、検出可能な流速の範囲もまちまちとなる。その結果、或る箇所では低速の血流を検出可能であるが、他の箇所ではそれを検出できないといった不都合が生じる可能性がある。換言すると、流速に対する感度(流速感度)が一定にならず、描出されるべき血管が描出されないといった問題が起こるおそれがある。
また、OCT血管造影の撮影範囲を広げる方法として前述のパノラマ撮影があるが、効率的に撮影を行うために、それぞれ3次元スキャンが適用される複数の領域のサイズや形状を不揃いにするといった工夫が施されることも想定される。
また、固視ずれの影響を低減するためにリサージュスキャンを採用するなど、ラスタースキャン以外の3次元スキャンモードが用いられる場合がある。
ここに挙げたいずれの場合においても、OCT血管造影の適用範囲全体にわたって流速感度を合わせたり、相対的流速の算出を可能にするためには、繰り返し撮影レート(繰り返し時間間隔)を撮影範囲全体にわたって一定にする必要がある。
本発明の目的は、OCT血管造影における繰り返し撮影レートを一定にするための技術を提供することにある。
実施形態の第1の態様は、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)スキャンを被検眼に適用してモーションコントラスト撮影を実行する眼科撮影装置であって、複数のスキャン点のそれぞれに対して深さ方向に沿う1次元スキャンであるAスキャンを繰り返し適用することにより、前記複数のスキャン点のそれぞれに対応する時系列データを取得するデータ取得部と、前記データ取得部により取得された複数の時系列データからモーションコントラスト画像を形成する画像形成部と、前記複数のスキャン点のうちの第1スキャン点に対応する第1時系列データにおけるデータ取得時間間隔と第2スキャン点に対応する第2時系列データにおけるデータ取得時間間隔とが略等しくなるように前記データ取得部を制御する制御部とを含む。
実施形態の第2の態様は、第1の態様の眼科撮影装置であって、前記第1スキャン点にAスキャンを適用してから前記第1スキャン点に次のAスキャンを適用するまでの間における前記深さ方向に直交する方向へのAスキャン適用位置の移動経路である第1経路と、前記第2スキャン点にAスキャンを適用してから前記第2スキャン点に次のAスキャンを適用するまでの間における前記深さ方向に直交する方向へのAスキャン適用位置の移動経路である第2経路とを設定する第1設定部を更に含み、前記制御部は、前記第1設定部により設定された前記第1経路及び前記第2経路に基づいて前記データ取得部を制御する。
実施形態の第3の態様は、第2の態様の眼科撮影装置であって、前記第1設定部は、前記第1経路の長さである第1経路長と前記第2経路の長さである第2経路長とが略等しくなるように、前記第1経路及び前記第2経路を設定する。
実施形態の第4の態様は、第3の態様の眼科撮影装置であって、前記第1設定部は、前記第1経路におけるスキャン点間隔と前記第2経路におけるスキャン点間隔とを略等しい値に設定する。
実施形態の第5の態様は、第2~第4の態様のいずれかの眼科撮影装置であって、前記第1スキャン点は第1スキャンラインにおけるスキャン点であり、且つ、前記第2スキャン点は第2スキャンラインにおけるスキャン点であり、前記第1経路は前記第1スキャンラインであり、且つ、前記第2経路は前記第2スキャンラインであり、前記制御部は、前記第1スキャンラインに対するOCTスキャンを所定回数連続して実行させ、且つ、前記第2スキャンラインに対するOCTスキャンを所定回数連続して実行させるように、前記データ取得部を制御する。
実施形態の第6の態様は、第2~第5の態様のいずれかの眼科撮影装置であって、前記データ取得部は、形状及び寸法のいずれか一方又は双方が異なる第1領域及び第2領域にそれぞれモーションコントラスト撮影を適用し、前記第1スキャン点は前記第1領域におけるスキャン点であり、前記第2スキャン点は前記第2領域におけるスキャン点である。
実施形態の第7の態様は、第1の態様の眼科撮影装置であって、前記第1スキャン点にAスキャンを適用してから前記第1スキャン点に次のAスキャンを適用するまでの間における前記深さ方向に直交する方向へのAスキャン適用位置の移動経路である第1経路におけるスキャン点の配列である第1配列と、前記第2スキャン点にAスキャンを適用してから前記第2スキャン点に次のAスキャンを適用するまでの間における前記深さ方向に直交する方向へのAスキャン適用位置の移動経路である第2経路におけるスキャン点の配列である第2配列とを設定する第2設定部を更に含み、前記制御部は、前記第2設定部により設定された前記第1配列及び前記第2配列に基づいて前記データ取得部を制御する。
実施形態の第8の態様は、第7の態様の眼科撮影装置であって、前記第2設定部は、前記第1経路におけるスキャン点間隔と前記第2経路におけるスキャン点間隔とを互いに異なる値に設定する。
実施形態の第9の態様は、第8の態様の眼科撮影装置であって、前記第2設定部は、前記第1経路の長さである第1経路長と前記第2経路の長さである第2経路長とを互いに異なる値に設定する。
実施形態の第10の態様は、第7~第9の態様のいずれかの眼科撮影装置であって、前記第2設定部は、前記第1経路におけるスキャン点の個数と前記第2経路におけるスキャン点の個数とを略等しい値に設定する。
実施形態の第11の態様は、第7~第10の態様のいずれかの眼科撮影装置であって、前記第1スキャン点は第1スキャンラインにおけるスキャン点であり、且つ、前記第2スキャン点は第2スキャンラインにおけるスキャン点であり、前記第1経路は前記第1スキャンラインであり、且つ、前記第2経路は前記第2スキャンラインであり、前記制御部は、前記第1スキャンラインに対するOCTスキャンを所定回数連続して実行させ、且つ、前記第2スキャンラインに対するOCTスキャンを所定回数連続して実行させるように、前記データ取得部を制御する。
実施形態の第12の態様は、第7~第11の態様のいずれかの眼科撮影装置であって、前記データ取得部は、形状及び寸法のいずれか一方又は双方が異なる第1領域及び第2領域にそれぞれモーションコントラスト撮影を適用し、前記第1スキャン点は前記第1領域におけるスキャン点であり、前記第2スキャン点は前記第2領域におけるスキャン点である。
実施形態の第13の態様は、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)スキャンを被検眼に適用してモーションコントラスト撮影を実行する眼科撮影装置を制御する方法であって、複数のスキャン点のそれぞれに対して深さ方向に沿う1次元スキャンであるAスキャンを繰り返し適用することにより、前記複数のスキャン点のそれぞれに対応する時系列データを取得するデータ取得ステップと、前記データ取得ステップと並行して、前記複数のスキャン点のうちの第1スキャン点に対応する第1時系列データにおけるデータ取得時間間隔と第2スキャン点に対応する第2時系列データにおけるデータ取得時間間隔とが略等しくなるように制御を行う制御ステップと、前記データ取得ステップにより取得された複数の時系列データからモーションコントラスト画像を形成する画像形成ステップとを含む。
実施形態の第14の態様は、第13の態様の制御方法をコンピュータに実行させるプログラムである。
実施形態の第15の態様は、第14の態様のプログラムを記録したコンピュータ可読な非一時的記録媒体である。
実施形態によれば、OCT血管造影における繰り返し撮影レートを一定にすることができる。
例示的な実施形態に係る眼科撮影装置の構成の一例を表す概略図である。 例示的な実施形態に係る眼科撮影装置の構成の一例を表す概略図である。 例示的な実施形態に係る眼科撮影装置の構成の一例を表す概略図である。 例示的な実施形態に係る眼科撮影装置が実行する処理の一例を説明するための概略図である。 例示的な実施形態に係る眼科撮影装置が実行する処理の一例を説明するための概略図である。
例示的な実施形態に係る眼科撮影装置、その制御方法、プログラム、及び記録媒体について、図面を参照しながら詳細に説明する。実施形態の眼科撮影装置は、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)を実行する機能を備えた眼科装置であり、OCT血管造影を実行可能である。実施形態では眼底にOCT血管造影が適用されるが、OCT血管造影の対象は眼底以外の部位(例えば前眼部)であってもよい。
以下、スウェプトソースOCTと眼底カメラとを組み合わせた眼科撮影装置について説明するが、実施形態はこれに限定されない。OCTの種別はスウェプトソースOCTには限定されず、例えばスペクトラルドメインOCTであってもよい。
スウェプトソースOCTは、波長可変光源(波長掃引光源)からの光を測定光と参照光とに分割し、被検物からの測定光の戻り光を参照光と重ね合わせて干渉光を生成し、この干渉光をバランスドフォトダイオード等で検出し、波長の掃引及び測定光のスキャンに応じて収集された検出データにフーリエ変換等を施して画像を形成する手法である。
スペクトラルドメインOCTは、低コヒーレンス光源からの光を測定光と参照光とに分割し、被検物からの測定光の戻り光を参照光と重ね合わせて干渉光を生成し、この干渉光のスペクトル分布を分光器で検出し、検出されたスペクトル分布にフーリエ変換等を施して画像を形成する手法である。
このように、スウェプトソースOCTは時分割でスペクトル分布を取得するOCT手法であり、スペクトラルドメインOCTは空間分割でスペクトル分布を取得するOCT手法である。なお、実施形態に利用することが可能なOCT手法はこれらに限定されず、これらと異なる任意のOCT手法(例えば、タイムドメインOCT)を利用した実施形態を採用することも可能である。
実施形態に係る眼科撮影装置は、被検眼の写真(デジタル写真)を取得する機能を備えていてもよいし、備えていなくてもよい。デジタル写真を取得する機能を有する眼科モダリティの典型的な例として、眼底カメラ、走査型レーザー検眼鏡(SLO)、スリットランプ顕微鏡、前眼部撮影カメラ、手術用顕微鏡などがある。眼底写真等の正面画像は、眼底の観察やスキャンエリアの設定やトラッキングなどに利用可能である。なお、実施形態に利用可能な眼科モダリティはこれらに限定されず、また、眼科以外のモダリティを利用した実施形態を採用することも可能である。
本明細書においては、特に言及しない限り、「画像データ」と、それに基づく「画像」とを区別しない。同様に、特に言及しない限り、被検眼の部位又は組織と、それを表す画像とを区別しない。
さて、実施形態は、OCT血管造影における繰り返し撮影レートを一定にするための例示的な技術を提供する。一般に、OCT血管造影ではAスキャン速度(Aスキャンの繰り返しレート)は一定である。そのため、例示的な実施形態は、繰り返し撮影レートを一定にするために、次のいずれかの方法を採用することができる:(1)任意の箇所に対してAスキャンを適用してから同箇所に次のAスキャンを適用するまでの間に行われるスキャンの経路の長さを一定にする;(2)Aスキャンの配列を調整する。
〈構成〉
図1に示す例示的な眼科撮影装置1は、眼底カメラユニット2と、OCTユニット100と、演算制御ユニット200とを含む。眼底カメラユニット2には、被検眼Eの正面画像を取得するための光学系や機構と、OCTを実行するための光学系や機構とが設けられている。OCTユニット100には、OCTを実行するための光学系や機構が設けられている。演算制御ユニット200は、各種の処理(演算、制御等)を実行するように構成された1以上のプロセッサを含む。これらに加え、被検者の顔を支持するための部材(顎受け、額当て等)や、OCTが適用される部位を切り替えるためのレンズユニット(例えば、前眼部OCT用アタッチメント)等の任意の要素やユニットが眼科撮影装置1に設けられてもよい。
本明細書において「プロセッサ」は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス(例えば、SPLD(Simple Programmable Logic Device)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array))等の回路を意味する。プロセッサは、例えば、記憶回路や記憶装置に格納されているプログラムを読み出し実行することで、実施形態に係る機能を実現する。
〈眼底カメラユニット2〉
眼底カメラユニット2には、被検眼Eの眼底Efを撮影するための光学系が設けられている。取得される眼底Efのデジタル画像(眼底像、眼底写真等と呼ばれる)は、一般に、観察画像、撮影画像等の正面画像である。観察画像は、近赤外光を用いた動画撮影により得られる。撮影画像は、可視領域のフラッシュ光を用いた静止画像である。
眼底カメラユニット2は、照明光学系10と撮影光学系30とを含む。照明光学系10は、被検眼Eに照明光を照射する。撮影光学系30は、被検眼Eに照射された照明光の戻り光を検出する。OCTユニット100からの測定光は、眼底カメラユニット2内の光路を通じて被検眼Eに導かれる。被検眼E(例えば、眼底Ef)に投射された測定光の戻り光は、眼底カメラユニット2内の同じ光路を通じてOCTユニット100に導かれる。
照明光学系10の観察光源11から出力された光(観察照明光)は、凹面鏡12により反射され、集光レンズ13を経由し、可視カットフィルタ14を透過して近赤外光となる。更に、観察照明光は、撮影光源15の近傍にて一旦集束し、ミラー16により反射され、リレーレンズ系17、リレーレンズ18、絞り19、及びリレーレンズ系20を経由して孔開きミラー21に導かれる。そして、観察照明光は、孔開きミラー21の周辺部(孔部の周囲の領域)にて反射され、ダイクロイックミラー46を透過し、対物レンズ22により屈折されて被検眼E(眼底Ef)を照明する。観察照明光の被検眼Eからの戻り光は、対物レンズ22により屈折され、ダイクロイックミラー46を透過し、孔開きミラー21の中心領域に形成された孔部を通過し、ダイクロイックミラー55を透過し、撮影合焦レンズ31を経由し、ミラー32により反射される。更に、この戻り光は、ハーフミラー33Aを透過し、ダイクロイックミラー33により反射され、結像レンズ34によりイメージセンサ35の受光面に結像される。イメージセンサ35は、所定のフレームレートで戻り光を検出する。なお、撮影光学系30のフォーカスは、眼底Ef又は前眼部に合致するように調整される。
撮影光源15から出力された光(撮影照明光)は、観察照明光と同様の経路を通って眼底Efに照射される。被検眼Eからの撮影照明光の戻り光は、観察照明光の戻り光と同じ経路を通ってダイクロイックミラー33まで導かれ、ダイクロイックミラー33を透過し、ミラー36により反射され、結像レンズ37によりイメージセンサ38の受光面に結像される。
液晶ディスプレイ(LCD)39は固視標(固視標画像)を表示する。LCD39から出力された光束は、その一部がハーフミラー33Aに反射され、ミラー32に反射され、撮影合焦レンズ31及びダイクロイックミラー55を経由し、孔開きミラー21の孔部を通過する。孔開きミラー21の孔部を通過した光束は、ダイクロイックミラー46を透過し、対物レンズ22により屈折されて眼底Efに投射される。固視標は、典型的には、視線の誘導及び固定に利用される。被検眼Eの視線が誘導(及び固定)される方向、つまり被検眼Eの固視が促される方向は、固視位置と呼ばれる。
LCD39の画面上における固視標画像の表示位置を変更することにより、固視標による被検眼Eの固視位置を変更することができる。固視位置の例として、黄斑を中心とする画像を取得するための固視位置や、視神経乳頭を中心とする画像を取得するための固視位置や、黄斑と視神経乳頭との間の位置(眼底中心)を中心とする画像を取得するための固視位置や、黄斑から大きく離れた部位(眼底周辺部)の画像を取得するための固視位置などがある。
このような典型的な固視位置の少なくとも1つを指定するためのグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)等を設けることができる。また、固視位置(固視標の表示位置)をマニュアルで移動するためのGUI等を設けることができる。また、固視位置を自動で設定する構成を適用することも可能である。
固視位置の変更が可能な固視標を被検眼Eに提示するための構成は、LCD等の表示デバイスには限定されない。例えば、複数の発光部(発光ダイオード等)がマトリクス状に配列されたデバイス(固視マトリクス)を、表示デバイスの代わりに採用することができる。この場合、複数の発光部を選択的に点灯させることにより、固視標による被検眼Eの固視位置を変更することができる。他の例として、移動可能な1以上の発光部を備えたデバイスによって、固視位置の変更が可能な固視標を生成することができる。
アライメント光学系50は、被検眼Eに対する光学系のアライメントに用いられるアライメント指標を生成する。発光ダイオード(LED)51から出力されたアライメント光は、絞り52、絞り53、及びリレーレンズ54を経由し、ダイクロイックミラー55により反射され、孔開きミラー21の孔部を通過し、ダイクロイックミラー46を透過し、対物レンズ22を介して被検眼Eに投射される。アライメント光の被検眼Eからの戻り光(角膜反射光等)は、観察照明光の戻り光と同じ経路を通ってイメージセンサ35に導かれる。その受光像(アライメント指標像)に基づいてマニュアルアライメントやオートアライメントを実行することができる。
フォーカス光学系60は、被検眼Eに対するフォーカス調整に用いられるスプリット指標を生成する。撮影光学系30の光路(撮影光路)に沿った撮影合焦レンズ31の移動に連動して、フォーカス光学系60は照明光学系10の光路(照明光路)に沿って移動される。反射棒67は、照明光路に対して挿脱される。フォーカス調整を行う際には、反射棒67の反射面が照明光路に傾斜配置される。LED61から出力されたフォーカス光は、リレーレンズ62を通過し、スプリット指標板63により2つの光束に分離され、二孔絞り64を通過し、ミラー65により反射され、集光レンズ66により反射棒67の反射面に一旦結像されて反射される。更に、フォーカス光は、リレーレンズ20を経由し、孔開きミラー21に反射され、ダイクロイックミラー46を透過し、対物レンズ22を介して被検眼Eに投射される。フォーカス光の被検眼Eからの戻り光(眼底反射光等)は、アライメント光の戻り光と同じ経路を通ってイメージセンサ35に導かれる。その受光像(スプリット指標像)に基づいてマニュアルフォーカシングやオートフォーカシングを実行できる。
孔開きミラー21とダイクロイックミラー55との間の撮影光路に、視度補正レンズ70及び71を選択的に挿入することができる。視度補正レンズ70は、強度遠視を補正するためのプラスレンズ(凸レンズ)である。視度補正レンズ71は、強度近視を補正するためのマイナスレンズ(凹レンズ)である。
ダイクロイックミラー46は、眼底撮影用光路とOCT用光路(測定アーム)とを合成する。ダイクロイックミラー46は、OCTに用いられる波長帯の光を反射し、眼底撮影用の光を透過させる。測定アームには、OCTユニット100側から順に、コリメータレンズユニット40、リトロリフレクタ41、分散補償部材42、OCT合焦レンズ43、光スキャナ44、及びリレーレンズ45が設けられている。
リトロリフレクタ41は、図1に示す矢印の方向に移動可能とされ、それにより測定アームの長さが変更される。測定アーム長の変更は、例えば、眼軸長に応じた光路長補正や、干渉状態の調整などに利用される。
分散補償部材42は、参照アームに配置された分散補償部材113(後述)とともに、測定光LSの分散特性と参照光LRの分散特性とを合わせるよう作用する。
OCT合焦レンズ43は、測定アームのフォーカス調整を行うために測定アームに沿って移動される。なお、撮影合焦レンズ31の移動、フォーカス光学系60の移動、及びOCT合焦レンズ43の移動を連係的に制御することができる。
光スキャナ44は、実質的に、被検眼Eの瞳孔と光学的に共役な位置に配置される。光スキャナ44は、測定アームにより導かれる測定光LSを偏向する。光スキャナ44は、例えば、2次元走査が可能なガルバノスキャナである。典型的には、光スキャナ44は、測定光を±x方向に偏向するための1次元スキャナと、測定光を±y方向に偏向するための1次元スキャナとを含む。この場合、例えば、これら1次元スキャナのいずれか一方が瞳孔と光学的に共役な位置に配置されるか、或いは、瞳孔と光学的に共役な位置がこれら1次元スキャナの間に配置される。
〈OCTユニット100〉
図2に示す例示的なOCTユニット100には、スウェプトソースOCTを実行するための光学系が設けられている。この光学系は干渉光学系を含む。この干渉光学系は、波長可変光源からの光を測定光と参照光とに分割し、被検眼Eに投射された測定光の戻り光と参照光路を経由した参照光とを重ね合わせて干渉光を生成し、この干渉光を検出する。干渉光の検出により得られたデータ(検出信号)は、干渉光のスペクトルを表す信号であり、演算制御ユニット200に送られる。
光源ユニット101は、例えば、出射光の波長を高速で変化させる近赤外波長可変レーザーを含む。光源ユニット101から出力された光L0は、光ファイバ102により偏波コントローラ103に導かれてその偏光状態が調整される。更に、光L0は、光ファイバ104によりファイバカプラ105に導かれて測定光LSと参照光LRとに分割される。測定光LSの光路は測定アームなどと呼ばれ、参照光LRの光路は参照アームなどと呼ばれる。
ファイバカプラ105により生成された参照光LRは、光ファイバ110によりコリメータ111に導かれて平行光束に変換され、光路長補正部材112及び分散補償部材113を経由し、リトロリフレクタ114に導かれる。光路長補正部材112は、参照光LRの光路長と測定光LSの光路長とを合わせるよう作用する。分散補償部材113は、測定アームに配置された分散補償部材42とともに、参照光LRと測定光LSとの間の分散特性を合わせるよう作用する。リトロリフレクタ114は、これに入射する参照光LRの光路に沿って移動可能であり、それにより参照アームの長さが変更される。参照アーム長の変更は、例えば、眼軸長に応じた光路長補正や、干渉状態の調整などに利用される。
リトロリフレクタ114を経由した参照光LRは、分散補償部材113及び光路長補正部材112を経由し、コリメータ116によって平行光束から集束光束に変換され、光ファイバ117に入射する。光ファイバ117に入射した参照光LRは、偏波コントローラ118に導かれてその偏光状態が調整され、光ファイバ119を通じてアッテネータ120に導かれてその光量が調整され、光ファイバ121を通じてファイバカプラ122に導かれる。
一方、ファイバカプラ105により生成された測定光LSは、光ファイバ127を通じてコリメータレンズユニット40に導かれて平行光束に変換され、リトロリフレクタ41、分散補償部材42、OCT合焦レンズ43、光スキャナ44、及びリレーレンズ45を経由し、ダイクロイックミラー46により反射され、対物レンズ22により屈折されて被検眼Eに投射される。測定光LSは、被検眼Eの様々な深さ位置において散乱・反射される。測定光LSの被検眼Eからの戻り光は、測定アームを逆向きに進行してファイバカプラ105に導かれ、光ファイバ128を経由してファイバカプラ122に到達する。
ファイバカプラ122は、光ファイバ128を介して入射された測定光LSと、光ファイバ121を介して入射された参照光LRとを重ね合わせて干渉光を生成する。ファイバカプラ122は、生成された干渉光を所定の分岐比(例えば1:1)で分岐することで一対の干渉光LCを生成する。一対の干渉光LCは、それぞれ光ファイバ123及び124を通じて検出器125に導かれる。
検出器125は、例えばバランスドフォトダイオードを含む。バランスドフォトダイオードは、一対の干渉光LCをそれぞれ検出する一対のフォトディテクタを含み、これらにより得られた一対の検出信号の差分を出力する。検出器125は、この出力(差分信号等の検出信号)をデータ収集システム(DAQ)130に送る。
データ収集システム130には、光源ユニット101からクロックKCが供給される。クロックKCは、光源ユニット101において、波長可変光源により所定の波長範囲内で掃引される各波長の出力タイミングに同期して生成される。光源ユニット101は、例えば、各出力波長の光L0を分岐して2つの分岐光を生成し、これら分岐光の一方を光学的に遅延させ、これら分岐光を合成し、得られた合成光を検出し、その検出信号に基づいてクロックKCを生成する。データ収集システム130は、検出器125から入力される検出信号(差分信号)のサンプリングをクロックKCに基づいて実行する。データ収集システム130は、このサンプリングで得られたデータを演算制御ユニット200に送る。
本例では、測定アーム長を変更するための要素(例えば、リトロリフレクタ41)と、参照アーム長を変更するための要素(例えば、リトロリフレクタ114、又は参照ミラー)との双方が設けられているが、これら要素のうちの一方のみが設けられていてもよい。また、測定アーム長と参照アーム長との間の差(光路長差)を変更するための要素はこれらに限定されず、任意の要素(光学部材、機構など)を採用することが可能である。
〈演算制御ユニット200〉
演算制御ユニット200は、眼底カメラユニット2、表示装置3及びOCTユニット100の各部を制御する。また、演算制御ユニット200は、各種の演算処理を実行する。例えば、演算制御ユニット200は、一連の波長走査毎に(Aライン毎に)、データ収集システム130により得られたサンプリングデータ群に基づくスペクトル分布にフーリエ変換等の信号処理を施すことにより、各Aラインにおける反射強度プロファイルを形成する。更に、演算制御ユニット200は、各Aラインの反射強度プロファイルを画像化することにより画像データを形成する。そのための演算処理は、従来のスウェプトソースOCTと同様である。
演算制御ユニット200は、例えば、プロセッサ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスクドライブ、通信インターフェイスなどを含む。ハードディスクドライブ等の記憶装置には各種のコンピュータプログラムが格納されている。演算制御ユニット200は、操作デバイス、入力デバイス、表示デバイスなどを含んでいてもよい。
〈制御系〉
眼科撮影装置1の制御系(処理系)の構成の例を図3に示す。制御部210、画像形成部220及びデータ処理部230は、例えば演算制御ユニット200に設けられる。
〈制御部210〉
制御部210は、プロセッサを含み、眼科撮影装置1の各部を制御する。制御部210は、主制御部211と記憶部212とを含む。
〈主制御部211〉
主制御部211は、プロセッサを含み、眼科撮影装置1の各要素(図1~図3に示された要素を含む)を制御する。主制御部211は、回路を含むハードウェアと、制御ソフトウェアとの協働により実現される。
撮影光路に配置された撮影合焦レンズ31と照明光路に配置されたフォーカス光学系60とは、主制御部211の制御の下に、図示しない撮影合焦駆動部によって移動される。測定アームに設けられたリトロリフレクタ41は、主制御部211の制御の下に、リトロリフレクタ(RR)駆動部41Aによって移動される。測定アームに配置されたOCT合焦レンズ43は、主制御部211の制御の下に、OCT合焦駆動部43Aによって移動される。測定アームに設けられた光スキャナ44は、主制御部211の制御の下に動作する。参照アームに配置されたリトロリフレクタ114は、主制御部211の制御の下に、リトロリフレクタ(RR)駆動部114Aによって移動される。これら駆動部のそれぞれは、主制御部211の制御の下に動作するパルスモータ等のアクチュエータを含む。
移動機構150は、例えば、少なくとも眼底カメラユニット2を3次元的に移動する。典型的な例において、移動機構150は、±x方向(左右方向)に移動可能なxステージと、xステージを移動するx移動機構と、±y方向(上下方向)に移動可能なyステージと、yステージを移動するy移動機構と、±z方向(奥行き方向)に移動可能なzステージと、zステージを移動するz移動機構とを含む。これら移動機構のそれぞれは、主制御部211の制御の下に動作するパルスモータ等のアクチュエータを含む。
主制御部211は、後述の設定部231により設定された条件に基づいてOCTスキャン(OCT血管造影、パノラマOCT血管造影)を実行することができる。
〈記憶部212〉
記憶部212は各種のデータを記憶する。記憶部212に記憶されるデータとしては、例えば、OCT画像の画像データ、眼底像の画像データ、被検眼情報などがある。被検眼情報は、患者IDや氏名などの被検者情報や、左眼/右眼の識別情報や、電子カルテ情報などを含む。
〈画像形成部220〉
画像形成部220は、データ収集システム130により収集されたデータに基づいて画像データを形成する。画像形成部220は、プロセッサを含む。画像形成部220は、回路を含むハードウェアと、画像形成ソフトウェアとの協働により実現される。
画像形成部220は、データ収集システム130により収集されたデータに基づいて断面像データを形成する。この処理には、従来のスウェプトソースOCTと同様に、ノイズ除去(ノイズ低減)、フィルタ処理、高速フーリエ変換(FFT)などの信号処理が含まれる。
画像形成部220により形成される画像データは、OCTスキャンが適用されたエリアに配列された複数のAライン(z方向に沿うスキャンライン)における反射強度プロファイルを画像化することによって形成された一群の画像データ(一群のAスキャン画像データ)を含むデータセットである。
画像形成部220により形成される画像データは、例えば、1以上のBスキャン画像データ、又は、複数のBスキャン画像データを単一の3次元座標系に埋め込んで形成されたスタックデータなどである。画像形成部220は、スタックデータに補間処理等を施してボリュームデータ(ボクセルデータ)を形成することも可能である。スタックデータやボリュームデータは、3次元座標系により表現された3次元画像データの典型的な例である。
OCT血管造影が実施される場合、主制御部211は、眼底Efの同じ領域を所定回数だけ繰り返しスキャンする。画像形成部220は、この繰り返しスキャンにおいてデータ収集システム130により収集されたデータセットに基づいて、モーションコントラスト画像を形成することができる。このモーションコントラスト画像は、眼底Efの血流に起因する干渉信号の時間的変化を強調して画像化した血管造影画像である。典型的には、眼底Efの3次元領域に対してOCT血管造影が適用され、眼底Efの血管の3次元的な分布を表す画像が得られる。
画像形成部220は、3次元画像データを加工することができる。例えば、画像形成部220は、3次元画像データにレンダリングを適用して新たな画像データを構築することができる。レンダリングの手法としては、ボリュームレンダリング、最大値投影(MIP)、最小値投影(MinIP)、サーフェスレンダリング、多断面再構成(MPR)などがある。また、画像形成部220は、3次元画像データをz方向(Aライン方向、深さ方向)に投影してプロジェクションデータを構築することができる。また、画像形成部220は、3次元画像データの一部をz方向に投影してシャドウグラムを構築することができる。なお、シャドウグラムを構築するために投影される3次元画像データの一部は、例えば、後述のセグメンテーションを利用して設定される。
OCT血管造影が実施された場合、画像形成部220は、3次元血管造影画像データから、任意の2次元血管造影画像データ及び/又は任意の擬似的3次元血管造影画像データを構築することが可能である。例えば、画像形成部220は、3次元血管造影画像データに多断面再構成を適用することにより、眼底Efの任意の断面を表す2次元血管造影画像データを構築することができる。また、画像形成部220は、3次元血管造影画像データにセグメンテーションを適用して特定されたスラブから正面画像を構築することが可能である。
〈データ処理部230〉
データ処理部230は、各種のデータ処理を実行する。例えば、データ処理部230は、OCT画像データに画像処理や解析処理を適用することや、観察画像データ又は撮影画像データに画像処理や解析処理を適用することが可能である。データ処理部230は、例えば、プロセッサ及び専用回路基板の少なくともいずれかを含む。
〈設定部231〉
データ処理部230は設定部231を含む。設定部231は、OCT血管造影のためのスキャン条件を設定する。以下、眼科撮影装置1を用いて実施可能なOCT血管造影の例についてまず説明する。
OCT血管造影では、Aスキャンの適用対象となる複数のスキャン点が設定される。典型的なOCT血管造影では、互いに平行な複数のBスキャンからなるラスタースキャンが採用され、各Bスキャンは複数のAスキャンからなる。スキャン点は、Aスキャンが適用される位置である。
眼科撮影装置1は、各スキャン点に対してAスキャンを繰り返し適用することで、各スキャン点に対応する時系列データを取得する。各スキャン点に対するAスキャンの繰り返し回数は、典型的には予め設定されており、例えば4回である。
ラスタースキャンが採用される場合のOCTモーションコントラスト撮影の一例において、眼科撮影装置1は、一のスキャンラインに対するOCTスキャン(Bスキャン)を所定回数連続して実行し、その後に、次のスキャンラインに対するBスキャンを連続して所定回数実行する。本例では、このような反復的OCTスキャンが、ラスタースキャンを構成する複数のスキャンラインに対し、所定の順序にしたがって順次に適用される。すなわち、眼科撮影装置1は、ラスタースキャンを構成する複数のスキャンラインそれぞれを単位として繰り返しスキャンを実行してよい。
ラスタースキャンが採用される場合のOCTモーションコントラスト撮影の他の例において、眼科撮影装置1は、2以上のスキャンラインからなるスキャンライン群を単位として繰り返しスキャンを行ってもよい。より具体的には、眼科撮影装置1は、一のスキャンライン群に含まれる2以上のスキャンラインに対してOCTスキャン(Bスキャン)を順次に1回ずつ適用し、この順次的スキャンを所定回数実行する。その後、眼科撮影装置1は、次のスキャンライン群に対して同様のOCTスキャンを適用する。本例では、このような反復的OCTスキャンが、ラスタースキャンに含まれる複数のスキャンライン群に対し、所定の順序にしたがって順次に適用される。これにより、ラスタースキャンを構成する各スキャンラインに対する反復的OCTスキャンが行われる。
以上に例示したようなOCTモーションコントラスト撮影により、眼科撮影装置1は、各スキャン点に対応する時系列データを取得する。時系列データは、Aスキャンの繰り返し回数に対応する個数のデータを含む。典型的な時系列データは、Aスキャンの繰り返し回数と等しい個数のデータを含む。なお、ラスタースキャン以外のスキャンモードが採用される場合においても、同じ要領でOCTモーションコントラスト撮影を実行することが可能である。
設定部231は、OCTモーションコントラスト撮影のためのスキャン条件を設定する。より具体的には、設定部231は、OCTモーションコントラスト撮影が適用される複数のスキャン点のそれぞれについて、一定の時間間隔でOCTスキャンが繰り返し適用されるように、スキャン条件を設定する。
すなわち、設定部231は、OCTモーションコントラスト撮影が適用される複数のスキャン点のうちの任意の第1スキャン点に対する反復的OCTスキャンの時間間隔(繰り返し撮影レート)と、任意の第2スキャン点に対する繰り返し撮影レートとが略等しくなるように、スキャン条件を設定する。
これにより、第1スキャン点に対応する第1時系列データにおけるデータ取得時間間隔と、第2スキャン点に対応する第2時系列データにおけるデータ取得時間間隔とが、略等しくなる。データ取得時間間隔は、時系列データに含まれる複数のデータの取得タイミングの差(間隔)であり、繰り返し撮影レートと同等のパラメータである。
なお、異なるスキャン点の間における繰り返し撮影レートの差(つまり、異なるスキャン点に対応するデータ取得時間間隔の差)はゼロである必要はなく、所定の目的を達成可能な範囲における誤差が許容される。所定の目的は、例えば、異なるスキャン点について同等の流速感度が得られること、異なるスキャン点について得られた流速同士を比較可能であること(つまり、相対的流速を算出できること)などであってよい。
前述したように、本実施形態では、スキャン点間における繰り返し撮影レートを一定化するスキャン条件を設定するために、次のいずれかの方法を採用することができる:(1)一のスキャン点にAスキャンを適用してから同スキャン点に次のAスキャンを適用するまでの間に行われるスキャンの経路の長さを一定にする;(2)Aスキャンの配列を調整する。なお、前述したように、Aスキャン速度(Aスキャンの繰り返しレート)は一定であるとする。つまり、一のAスキャンと次のAスキャンとの間の時間間隔は一定であるとする。
設定部231は、方法(1)に対応するスキャン条件及び方法(2)に対応するスキャン条件のいずれか一方又は双方を設定可能に構成されてよい。
方法(1)が採用される場合について説明する。一例として、ラスタースキャンがM本のスキャンラインSL(m)(m=1,2,・・・,M)を含み、各スキャンラインSL(m)がN個のスキャン点SP(m,n)(n=1,2,・・・,N)を含むものとする。また、添字mはBスキャンが適用される順序を示すものとし、添字nはAスキャンが適用される順序を示すものとする。
ここで、M本のスキャンラインSL(m)それぞれに含まれるスキャン点の個数は等しい(N個)。また、M本のスキャンラインSL(m)それぞれの長さは等しくてもよいし、等しくなくてもよい。
スキャン点SP(m1,n1)を第1スキャン点とし、これと異なるスキャン点SP(m2,n2)を第2スキャン点とする。したがって、m1≠m2及びn1≠n2のいずれか一方又は双方が満足される。
また、繰り返しスキャンは、スキャンラインSL(m)それぞれを単位として実行されるものとする。つまり、スキャンラインSL(m)に繰り返しスキャンを適用した後にスキャンラインSL(m+1)に繰り返しスキャンが適用される(m=1,2,・・・,M-1)。なお、2以上のスキャンラインからなるスキャンライン群を単位として繰り返しスキャンを行う場合については説明は省略するが、以下と同様の処理を適用可能である。
第1スキャン点SP(m1,n1)にAスキャンを適用してから第1スキャン点SP(m1,n1)に次のAスキャンを適用するまでの期間には、スキャンラインSL(m1)に属する他のN-1個のスキャン点SP(m1,n)(n=1,2,・・・,N;n≠n1)に対するスキャンが行われる。よって、この期間に行われるスキャンの経路(第1経路)はスキャンラインSL(m1)であり、第1経路の長さはスキャンラインSL(m1)の長さに等しい。
同様に、第2スキャン点SP(m2,n2)にAスキャンを適用してから第2スキャン点SP(m2,n2)に次のAスキャンを適用するまでの期間には、スキャンラインSL(m2)に属する他のN-1個のスキャン点SP(m2,n)(n=1,2,・・・,N;n≠n2)に対するスキャンが行われる。よって、この期間に行われるスキャンの経路(第2経路)はスキャンラインSL(m2)であり、第2経路の長さはスキャンラインSL(m2)の長さに等しい。
方法(1)が採用される場合、設定部231は、以上の条件が満足されるように、第1経路(スキャンラインSL(m1))と第2経路(スキャンラインSL(m2))とを設定することができる。なお、ラスタースキャンに属するスキャン点の一部のみが上記条件を満足するようにスキャンラインを設定してもよいが、典型的には、全てのスキャン点が上記の条件を満足するように全てのスキャンラインを設定することができる。
本例において、設定部231は、スキャンラインSL(m1)の長さである第1経路長とスキャンラインSL(m2)の長さである第2経路長とが略等しくなるように、スキャンラインSL(m1)及びスキャンラインSL(m2)を設定することができる。典型的には、略等しい長さのM本のスキャンラインSL(m)が設定される。
加えて、設定部231は、スキャンラインSL(m1)におけるスキャン点間隔とスキャンラインSL(m2)におけるスキャン点間隔とを略等しい値に設定することができる。すなわち、設定部231は、同じ個数のスキャン点が同じ間隔で配列されたスキャンラインSL(m1)とスキャンラインSL(m2)とを設定することができる。典型的には、同じ個数のスキャン点が同じ間隔で配列されたM本のスキャンラインSL(m)が設定される。
眼科撮影装置1は、パノラマOCT血管造影を実行可能である。すなわち、眼科撮影装置1は、互いに異なる複数の領域にOCTモーションコントラスト撮影をそれぞれ適用することで広域モーションコントラスト画像を構築することができる。広域モーションコントラスト画像は、複数の領域に対応する複数のモーションコントラスト画像を合成して得られるモザイク画像である。
前述したように、パノラマOCT血管造影の効率化を図るために、複数の領域の形態を不揃いにすることが考えられる。ここで、領域の形態の例として形状及び寸法がある。このように、形状及び寸法のいずれか一方又は双方が異なる第1領域及び第2領域にそれぞれOCTモーションコントラスト撮影を適用する場合、第1領域に属するスキャン点を第1スキャン点とし、第2領域に属するスキャン点を第2スキャン点とすることができる。これにより、異なる領域に属するスキャンラインの長さを略等しくすることができる。
具体例を図4に示す。本例では、xy面において正方形状の全体領域が中心部分領域411と周辺部分領域412とに分割されている。典型的には、中心部分領域411は眼底Efの中心部に配置され、周辺部分領域412は眼底Efの周辺部に配置される。中心部分領域411は、xy面において正方形状である。周辺部分領域412は、xy面において2つの同心正方形により画定された形状である。中心部分領域411の外縁と周辺部分領域412の内縁とが共通である。
図4に示す各矢印は、1つのスキャンラインを示す。中心部分領域411の幅(辺の長さ)は、周辺部分領域412の外寸(外縁の辺の長さ)の半分である。中心部分領域411に適用されるスキャンモードは、中心部分領域411の幅と同じ長さを持つ複数のスキャンライン(Bスキャン)からなるラスタースキャンである。
周辺部分領域412についても、少なくとも図4において中心部分領域411よりも上方の領域は、中心部分領域411の幅と同じ長さを持つ複数のBスキャンによってスキャンされる。なお、図4に示すように、1つのBスキャンの終点が他のBスキャンの始点に一致している。すなわち、中心部分領域411の幅と同じ長さを持つ複数のBスキャンからなるラスタースキャンを2つ、Bスキャンに沿う方向(ラスタースキャンにおけるBスキャン配列方向に直交する方向)に並べることによって、中心部分領域411の幅の2倍の外寸の周辺部分領域412(その一部)をスキャンしている。
このようにBスキャン(スキャンライン)の長さを揃えることにより、スキャン点間における繰り返し撮影レートを一定にすることができ、異なるスキャン点について同等の流速感度を得ることができ、相対的流速の算出も可能になる。以上で、方法(1)が採用される場合の例の説明を終える。
また、眼底Efの中心部に中心部分領域411を配置し、且つ、眼底Efの周辺部に周辺部分領域412を配置することで、(ほぼ)一定のフォーカス条件(焦点位置、焦点距離)及び(ほぼ)一定のOCT光路長条件で中心部分領域411のスキャンを行うことができ、また、(ほぼ)一定のフォーカス条件及び(ほぼ)一定のOCT光路長条件で周辺部分領域412のスキャンを行うことができる。本例のように、眼底形状に応じて複数の領域を設定することで、パノラマOCT血管造影の効率化を図ることが可能になる。
次に、方法(2)が採用される場合について説明する。本例では、スキャン点間における繰り返し撮影レートを一定化するために、Aスキャンの配列を調整する。以下、方法(1)の説明と同様に、ラスタースキャンがM本のスキャンラインSL(m)(m=1,2,・・・,M)を含み、各スキャンラインSL(m)がN個のスキャン点SP(m,n)(n=1,2,・・・,N)を含むものとする。また、スキャン点SP(m1,n1)を第1スキャン点とし、これと異なるスキャン点SP(m2,n2)を第2スキャン点とする。
設定部231は、上記の第1経路(スキャンラインSL(m1))におけるスキャン点SP(m1,n)の配列である第1配列と、上記の第2経路(スキャンラインSL(m2))におけるスキャン点SP(m2,n)の配列である第2配列とを設定することができる。なお、ラスタースキャンに属するスキャン点の一部のみが上記条件を満足するようにスキャンラインを設定してもよいが、典型的には、全てのスキャン点が上記の条件を満足するようにスキャン点配列を設定することができる。
本例において、設定部231は、スキャンラインSL(m1)におけるスキャン点間隔とスキャンラインSL(m2)におけるスキャン点間隔とを互いに異なる値に設定することができる。
例えば、設定部231は、スキャンラインSL(m1)の長さとスキャンラインSL(m2)の長さとを互いに異なる値に設定することができる。
このようにスキャンラインSL(m1)の長さとスキャンラインSL(m2)の長さとが異なる場合に、スキャンラインSL(m1)に属するスキャン点の個数とスキャンラインSL(m2)に属するスキャン点の個数とを等しくすることができる。すなわち、設定部231は、同じ個数のスキャン点が互いに異なる間隔で配列されたスキャンラインSL(m1)とスキャンラインSL(m2)とを設定することができる。典型的には、同じ個数のスキャン点が異なる間隔で配列されたM本のスキャンラインSL(m)が設定される。
より一般的に、設定部231は、スキャンラインSL(m1)におけるスキャン点の個数とスキャンラインSL(m2)におけるスキャン点の個数とを略等しい値に設定することができる。
パノラマOCT血管造影の効率化を図るために形状及び寸法のいずれか一方又は双方が異なる第1領域及び第2領域にそれぞれOCTモーションコントラスト撮影を適用する場合、第1領域に属するスキャン点を第1スキャン点とし、第2領域に属するスキャン点を第2スキャン点とすることができる。これにより、互いに異なる領域に属するスキャンラインにおけるスキャン点配列を調整することができる。例えば、互いに異なる領域に属するスキャンラインにおけるスキャン点の個数を等しくすることができる。
具体例を図5に示す。図4と同様の中心部分領域411及び周辺部分領域412を考慮する。中心部分領域411の幅(辺の長さ)は、周辺部分領域412の外寸(外縁の辺の長さ)の半分である。各矢印は、1つのスキャンラインを示す。スキャンライン上に配列された各黒丸は、1つのスキャン点を示す。
中心部分領域411に適用されるスキャンモードは、中心部分領域411の幅と同じ長さを持つ複数のスキャンライン(Bスキャン)からなるラスタースキャンである。各Bスキャンには、所定個数(K個)のスキャン点(Aスキャン)が配列されている。
周辺部分領域412については、少なくとも図5において中心部分領域411よりも上方の領域は、周辺部分領域412の外寸と同じ長さを持つ複数のBスキャンによってスキャンされる。各Bスキャンに属するAスキャンの個数は、中心部分領域411におけるそれと同じでK個である。
前述したように、中心部分領域411の幅は、周辺部分領域412の外寸の半分であるから、中心部分領域411におけるAスキャン密度は周辺部分領域412におけるAスキャン密度の2倍であり、また、中心部分領域411におけるAスキャン間隔は周辺部分領域412におけるスキャン間隔の半分である。
このように、長さが異なるスキャンラインに同じ個数のAスキャンを設定することにより、スキャン点間における繰り返し撮影レートを一定にすることができ、異なるスキャン点について同等の流速感度を得ることができ、相対的流速の算出も可能になる。
なお、上記の例では、Bスキャン上に等間隔でスキャン点が配列されているが、実施形態はこれに限定されない。例えば、スキャン点が非等間隔に配列されたBスキャンを設定することができる。ただし、非等間隔に配列されたスキャン点の個数は一定とされる。
スキャン点の密度の偏りは、例えば、眼底組織や病変部の位置に応じて設定されてよい。典型的には、黄斑や視神経乳頭、血管のような注目部位におけるスキャン点密度を相対的に高くし、他の箇所におけるスキャン点密度を相対的に低くすることができる。また、病変部におけるスキャン点密度を相対的に高くし、他の箇所におけるスキャン点密度を相対的に低くすることができる。以上で、方法(2)が採用される場合の例の説明を終える。
以上、ラスタースキャンを例に説明したが、本実施形態を適用可能なスキャンモードは、ラスタースキャンに限定されない。
例えば、同じ長さの複数のスキャンラインを設定可能である場合には、方法(1)に開示された方法を利用することができる。
他方、同じ長さの複数のスキャンラインを設定可能である場合などには、長さが異なる複数のスキャンラインを設定しつつ、各スキャンラインに属するスキャン点(Aスキャン)の個数を同じにすることができる。すなわち、スキャンラインの長さの違いに応じて、スキャン点配列(配列間隔、密度など)を調整することが可能である。一例として、中が共通であり且つ径が異なる複数のサークルスキャンからなる同心円スキャンが適用される場合、これらサークルスキャンの長さ(円周)の比に基づいてこれらサークルスキャンそれぞれのスキャン点配列を設定することができる。ここで、サークルスキャンそれぞれに属するスキャン点の個数は等しい。
〈作用・効果〉
本実施形態に係る眼科撮影装置1の幾つかの作用及び幾つかの効果について説明する。
本実施形態に係る眼科撮影装置(1)は、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)スキャンを被検眼に適用してモーションコントラスト撮影を実行し、データ取得部と、画像形成部と、制御部とを含む。
データ取得部は、モーションコントラスト撮影における複数のスキャン点のそれぞれに対して深さ方向に沿う1次元スキャンであるAスキャンを繰り返し適用する。それにより、データ取得部は、複数のスキャン点のそれぞれに対応する時系列データを取得する。上記の例において、データ取得部は、OCTユニット100と、測定アームを構成する眼底カメラユニット2内の要素(リトロリフレクタ41、OCT合焦レンズ43、光スキャナ44、対物レンズ22等)とを含む。
画像形成部は、データ取得部により取得された複数の時系列データからモーションコントラスト画像を形成する。上記の例において、画像形成部は画像形成部220を含む。
データ取得部は、複数のスキャン点のうちの第1スキャン点へのAスキャンの反復適用により第1時系列データを取得する。また、複数のスキャン点のうち第1スキャン点とは異なる第2スキャン点へのAスキャンの反復適用によって第2時系列データを取得する。
制御部は、第1時系列データにおけるデータ取得時間間隔と第2時系列データにおけるデータ取得時間間隔とが略等しくなるようにデータ取得部の制御を行う。上記の例において、制御部は主制御部211を含む。
画像形成部は、第1スキャン点に対応する1次元のモーションコントラスト画像を第1時系列データから形成し、第2スキャン点に対応する1次元のモーションコントラスト画像を第2時系列データから形成する。同様に、画像形成部は、複数のスキャン点のそれぞれに対応する1次元のモーションコントラスト画像を、当該スキャン点へのAスキャンの反復適用によって取得された時系列データから形成する。このようにして得られた、複数のスキャン点に対応する複数の1次元モーションコントラスト画像から、2次元モーションコントラスト画像、3次元モーションコントラスト画像(スタックデータ、ボリュームデータ)、レンダリング正面画像などを構築することが可能である。
このような例示的な実施形態によれば、第1スキャン点に対してAスキャンを適用する時間間隔(Aスキャン適用レート)と、第2スキャン点に対するAスキャン適用レートとを実質的に等しくすることができる。
なお、第1スキャン点及び第2スキャン点の2つの点だけでなく、複数のスキャン点の一部又は全部に対して、Aスキャン適用レートを合わせることが可能である。
また、本実施形態に係る構成を適用可能なスキャンモードは、ラスタースキャンに限定されず、例えば前述した同心円スキャンのような任意のスキャンモードであってよい。
これによって、流速感度を一定化すること、及び、相対的流速を算出することが可能になる。
また、OCT血管造影の撮影範囲を広げるためにパノラマ撮影を組み合わせる場合において、撮影の効率化を図るために複数の領域のサイズや形状を不揃いにする場合であっても、複数の領域における繰り返し撮影レートを合わせることが可能である。
繰り返し撮影レート(Aスキャン適用レート)を合わせるために、以下に例示する構成のうちのいずれかを採用することが可能である。
例示的な実施形態において、第1スキャン点にAスキャンを適用してから第1スキャン点に次のAスキャンを適用するまでの間における、深さ方向に直交する方向へのAスキャン適用位置の移動経路を、第1経路とする。同様に、第2スキャン点にAスキャンを適用してから第2スキャン点に次のAスキャンを適用するまでの間における、深さ方向に直交する方向へのAスキャン適用位置の移動経路を、第2経路とする。例示的な実施形態に係る眼科撮影装置は、第1経路及び第2経路を設定する第1設定部を更に含んでいてよい。制御部は、第1設定部により設定された第1経路及び第2経路に基づいてデータ取得部を制御することができる。上記の例において、第1設定部は設定部231を含む。
例示的な実施形態において、第1設定部は、第1経路の長さ(第1経路長)と第2経路の長さ(第2経路長)とが略等しくなるように、第1経路及び第2経路を設定するように構成されていてよい。
これに加えて、第1設定部は、第1経路におけるスキャン点間隔と第2経路におけるスキャン点間隔とを略等しい値に設定するように構成されていてよい。
モーションコントラスト撮影における繰り返しスキャンを1本のスキャンラインを単位として行う場合、第1スキャン点は第1スキャンラインにおけるスキャン点であり、且つ、第2スキャン点は第2スキャンラインにおけるスキャン点である。また、第1経路は第1スキャンラインであり、且つ、第2経路は第2スキャンラインである。制御部は、第1スキャンラインに対するOCTスキャンを所定回数連続して実行させ、且つ、第2スキャンラインに対するOCTスキャンを所定回数連続して実行させるように、データ取得部を制御することができる。
なお、上記の例において説明したように、モーションコントラスト撮影における繰り返しスキャンを、2本以上のスキャンラインからなるスキャンライン群を単位として同様の処理を行うことも可能である。
形態が異なる複数の領域にパノラマOCT血管造影を適用する場合、データ取得部は、形状及び寸法のいずれか一方又は双方が異なる第1領域及び第2領域にそれぞれモーションコントラスト撮影を適用することできる。このとき、第1スキャン点は第1領域におけるスキャン点であり、第2スキャン点は第2領域におけるスキャン点である。
例示的な実施形態に係る眼科撮影装置は、第2設定部を更に含んでいてよい。なお、前述したように、第1スキャン点にAスキャンを適用してから第1スキャン点に次のAスキャンを適用するまでの間における、深さ方向に直交する方向へのAスキャン適用位置の移動経路を、第1経路とする。同様に、第2スキャン点にAスキャンを適用してから第2スキャン点に次のAスキャンを適用するまでの間における、深さ方向に直交する方向へのAスキャン適用位置の移動経路を、第2経路とする。第2設定部は、第1経路におけるスキャン点の配列(第1配列)と、第2経路におけるスキャン点の配列(第2配列)とを設定する。制御部は、第2設定部により設定された第1配列及び第2配列に基づいてデータ取得部を制御することができる。
例示的な実施形態において、第2設定部は、第1経路におけるスキャン点間隔と第2経路におけるスキャン点間隔とを互いに異なる値に設定するように構成されていてよい。例えば、第2設定部は、第1経路におけるスキャン点密度と第2経路におけるスキャン点密度とを互いに異なる値に設定するように構成されていてよい。
これに加えて、第2設定部は、第1経路の長さ(第1経路長)と第2経路の長さ(第2経路長)とを互いに異なる値に設定するように構成されていてよい。
また、例示的な実施形態において、第2設定部は、第1経路におけるスキャン点の個数と第2経路におけるスキャン点の個数とを略等しい値に設定するように構成されていてよい。
モーションコントラスト撮影における繰り返しスキャンを1本のスキャンラインを単位として行う場合、第1スキャン点は第1スキャンラインにおけるスキャン点であり、且つ、第2スキャン点は第2スキャンラインにおけるスキャン点である。また、第1経路は第1スキャンラインであり、且つ、第2経路は第2スキャンラインである。制御部は、第1スキャンラインに対するOCTスキャンを所定回数連続して実行させ、且つ、第2スキャンラインに対するOCTスキャンを所定回数連続して実行させるように、データ取得部を制御することができる。
なお、上記の例において説明したように、モーションコントラスト撮影における繰り返しスキャンを、2本以上のスキャンラインからなるスキャンライン群を単位として同様の処理を行うことも可能である。
形態が異なる複数の領域にパノラマOCT血管造影を適用する場合、データ取得部は、形状及び寸法のいずれか一方又は双方が異なる第1領域及び第2領域にそれぞれモーションコントラスト撮影を適用することができる。このとき、第1スキャン点は第1領域におけるスキャン点であり、第2スキャン点は第2領域におけるスキャン点である。
例示的な実施形態に係る眼科撮影装置の制御方法は、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)スキャンを被検眼に適用してモーションコントラスト撮影を実行する眼科撮影装置を制御する方法であって、データ取得ステップと、制御ステップ、画像形成ステップとを含む。
データ取得ステップは、モーションコントラスト撮影における複数のスキャン点のそれぞれに対して深さ方向に沿う1次元スキャンであるAスキャンを繰り返し適用することにより、複数のスキャン点のそれぞれに対応する時系列データを取得する。
制御ステップは、データ取得ステップと並行して実行される。制御ステップは、複数のスキャン点のうちの第1スキャン点に対応する第1時系列データにおけるデータ取得時間間隔と第2スキャン点に対応する第2時系列データにおけるデータ取得時間間隔とが略等しくなるように制御を行う。
画像形成ステップは、データ取得ステップにより取得された複数の時系列データからモーションコントラスト画像を形成する。
このような眼科撮影装置の制御方法をコンピュータに実行させるプログラムを作成することが可能である。また、このようなプログラムを記録したコンピュータ可読な非一時的記録媒体を作成することが可能である。この非一時的記録媒体は、任意の形態であってよく、その例として、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリなどがある。
以上に説明した実施形態は本発明の一例に過ぎない。本発明を実施しようとする者は、本発明の要旨の範囲内における変形(省略、置換、付加等)を任意に施すことが可能である。
1 眼科撮影装置
100 OCTユニット
210 制御部
211 主制御部
230 データ処理部
231 設定部

Claims (5)

  1. 被検眼の互いに異なる複数の領域に光コヒーレンストモグラフィ(OCT)モーションコントラスト撮影をそれぞれ適用して広域モーションコントラスト画像を構築するパノラマOCT血管造影を実行可能な眼科撮影装置であって、
    前記複数の領域は、形状及び寸法のいずれか一方又は双方が異なる第1領域及び第2領域を含み、
    互いに等しい長さを有する第1スキャンライン及び第2スキャンラインをそれぞれ前記第1領域内及び前記第2領域内に設定する設定部と、
    前記第1スキャンライン及び前記第2スキャンラインに対して互いに等しいレートでOCTスキャンを繰り返し適用することにより、前記第1スキャンラインに対応する時系列データ及び前記第2スキャンラインに対応する時系列データを取得するデータ取得部と、
    前記データ取得部により前記第1領域から取得された時系列データから前記第1領域のモーションコントラスト画像を形成し、前記データ取得部により前記第2領域から取得された時系列データから前記第2領域のモーションコントラスト画像を形成し、前記第1領域の前記モーションコントラスト画像と前記第2領域の前記モーションコントラスト画像とを合成して広域モーションコントラスト画像を形成する画像形成部と
    を含む眼科撮影装置。
  2. 被検眼の互いに異なる複数の領域に光コヒーレンストモグラフィ(OCT)モーションコントラスト撮影をそれぞれ適用して広域モーションコントラスト画像を構築するパノラマOCT血管造影を実行可能な眼科撮影装置であって、
    前記複数の領域は、形状及び寸法のいずれか一方又は双方が異なる第1領域及び第2領域を含み、
    同じ長さの第1スキャンライン群を前記第1領域内に設定し、且つ、前記第1スキャンライン群と同じ長さの第2スキャンライン群を前記第2領域内に設定する設定部と、
    前記第1スキャンライン群に対して同じレートでOCTスキャンを繰り返し適用することにより前記第1領域に対応する時系列データを取得し、且つ、前記第1スキャンラインに対するレートと同じレートで前記第2ラインスキャン群に対してOCTスキャンを繰り返し適用することにより前記第2領域に対応する時系列データを取得するデータ取得部と、
    前記データ取得部により取得された前記第1領域に対応する前記時系列データから前記第1領域のモーションコントラスト画像を形成し、前記データ取得部により取得された前記第2領域に対応する前記時系列データから前記第2領域のモーションコントラスト画像を形成し、前記第1領域の前記モーションコントラスト画像と前記第2領域の前記モーションコントラスト画像とを合成して広域モーションコントラスト画像を形成する画像形成部と
    を含む眼科撮影装置。
  3. 前記設定部により設定される各スキャンラインには、同じ個数のスキャン点が同じ間隔で配列されている、
    請求項1又は2の眼科撮影装置。
  4. 前記パノラマOCT血管造影の対象は、前記被検眼の眼底であり、
    前記設定部は、前記眼底の形状に応じて前記複数の領域を設定する、
    請求項1~3のいずれかの眼科撮影装置。
  5. 前記設定部は、前記眼底の中心部に対応する中心部分領域と、前記眼底の周辺部に対応する周辺部分領域とを含む前記複数の領域を設定する、
    請求項4の眼科撮影装置。
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