JP2019025186A - 眼科装置及びデータ収集方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】スウェプトソースOCTにおいて測定時間を短縮しつつ注目領域を高精細に測定するための新たな技術を提供する。
【解決手段】スウェプトソースOCTを用いて被検眼のデータを収集する眼科装置は、掃引範囲及び掃引間隔の少なくとも一方がAスキャン単位で異なる掃引条件で波長掃引された光を測定光と参照光とに分割し、測定光を被検眼に投射し、被検眼からの測定光の戻り光と参照光との干渉光を検出する干渉光学系と、測定光を偏向する光スキャナと、波長掃引のタイミングに応じて干渉光の検出結果を取得する取得部と、を含む。
【選択図】図4

Description

この発明は、眼科装置及びデータ収集方法に関する。
近年、レーザ光源等からの光ビームを用いて被測定物体の形態を測定したり画像化したりするOCTが注目を集めている。OCTは、X線CT(Computed Tomography)のような人体に対する侵襲性を持たないことから、特に医療分野や生物学分野における応用の展開が期待されている。例えば、眼科分野においては、眼底や角膜等の画像を形成する装置が実用化されている。このようなOCTを用いた装置(OCT装置)は被検眼の様々な部位(眼底や前眼部)の観察に適用可能である。また、高精細な画像を取得できることから、様々な眼科疾患の診断に応用されている。
OCTを実現する手法については様々なものが提案されている。その中でもスウェプトソース(Swept Source)OCTは、画像を高速に取得したり、観察部位の深部を高感度に測定したりすることが可能である。このようなスウェプトソースOCTは、測定光の波長を変化させることで観察部位の深さ方向の情報を取得する。
例えば、特許文献1には、スウェプトソースOCTに適用可能な波長掃引光源が開示されている。このような波長掃引光源による波長の掃引範囲を広くすることで、取得される画像の解像度を向上させることができる。また、波長掃引光源による波長の掃引間隔(掃引ステップ、掃引ピッチ、変化量)を細かくすることで、取得される画像の範囲(画像化範囲)を広くすることができる。
特表2014−522105号公報
スウェプトソースOCTにおいて観察部位を高精細に観察するためには、掃引範囲を広くして、例えば測定光の波長を所定の掃引間隔で変化させる必要がある。従って、観察部位を含む広い範囲を観察する場合、掃引間隔を細かくする必要があるため、スキャン時間がより一層長くなる上に、処理すべきデータ量が膨大になる。
ところが、実際には観察部位の全体を高精細に観察することはなく、観察部位における注目部位だけを高精細に観察可能であればよいことが多い。観察部位が眼底の場合には注目部位は黄斑部や視神経乳頭部が含まれる部位や病変部位であり、観察部位が前眼部の場合には隅角部が含まれる部位や病変部位である。
しかしながら、従来のスウェプトソースOCTでは、掃引範囲や掃引間隔をリアルタイムに変更することが困難であった。それにより、観察部位の全体を広範囲に、かつ、高精細に測定するか、観察部位の広範囲を粗く測定した後に注目部位を含む領域を狭い範囲で高精細に測定し直すなどの方法が採用されており、いずれの場合でも長い測定時間を要していた。
この発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、スウェプトソースOCTにおいて測定時間を短縮しつつ注目領域を高精細に測定するための新たな技術を提供することにある。
実施形態に係る第1態様は、スウェプトソースOCTを用いて被検眼のデータを収集する眼科装置であって、掃引範囲及び掃引間隔の少なくとも一方がAスキャン単位で異なる掃引条件で波長掃引された光を測定光と参照光とに分割し、前記測定光を前記被検眼に投射し、前記被検眼からの前記測定光の戻り光と前記参照光との干渉光を検出する干渉光学系と、前記測定光を偏向する光スキャナと、前記波長掃引のタイミングに応じて前記干渉光の検出結果を取得する取得部と、を含む眼科装置である。
また、実施形態に係る第2態様は、第1態様において、前記掃引範囲及び前記掃引間隔の少なくとも一方が変更可能な波長掃引光源を制御する制御部を含み、前記干渉光学系は、前記波長掃引光源からの光を前記測定光と前記参照光とに分割してもよい。
また、実施形態に係る第3態様では、第2態様において、前記制御部は、前記被検眼における前記測定光の投射位置が第1部位に相当する領域に含まれるとき第1掃引範囲を第1掃引間隔で波長を掃引するように前記波長掃引光源を制御し、前記投射位置が第2部位に相当する領域に含まれるとき第2掃引範囲を第2掃引間隔で波長を掃引するように前記波長掃引光源を制御してもよい。
また、実施形態に係る第4態様では、第3態様において、前記第2掃引範囲は前記第1掃引範囲より広く、かつ、前記第2掃引間隔は前記第1掃引間隔より広くてもよい。
また、実施形態に係る第5態様は、第3態様又は第4態様において、前記被検眼の正面画像を取得するための撮影光学系と、前記撮影光学系を用いて取得された前記正面画像から前記第2部位に相当する領域を特定する特定部と、を含み、前記制御部は、前記特定部による特定結果に基づいて前記波長掃引光源を制御してもよい。
また、実施形態に係る第6態様は、第2態様〜第5態様のいずれかにおいて、前記波長掃引光源を含んでもよい。
また、実施形態に係る第7態様は、第1態様〜第6態様のいずれかにおいて、前記取得部により取得されたデータに基づいて前記被検眼の画像を形成する画像形成部を含んでもよい。
また、実施形態に係る第8態様は、スウェプトソースOCTを用いて被検眼のデータを収集するデータ収集方法であって、掃引範囲及び掃引間隔の少なくとも一方がAスキャン単位で異なる掃引条件で波長掃引された光を測定光と参照光とに分割し、前記測定光を前記被検眼に投射し、前記被検眼からの前記測定光の戻り光と前記参照光との干渉光を検出する検出ステップと、前記測定光を偏向する偏向ステップと、前記波長掃引のタイミングに応じて前記干渉光の検出結果を取得する取得ステップと、を含むデータ収集方法である。
また、実施形態に係る第9態様は、第8態様において、前記検出ステップでは、前記被検眼における前記測定光の投射位置が第1部位に相当する領域に含まれるとき第1掃引範囲を第1掃引間隔で波長を掃引し、前記投射位置が第2部位に相当する領域に含まれるとき第2掃引範囲を第2掃引間隔で波長を掃引してもよい。
また、実施形態に係る第10態様では、第9態様において、前記第2掃引範囲は前記第1掃引範囲より広く、かつ、前記第2掃引間隔は前記第1掃引間隔より広くてもよい。
この発明によれば、スウェプトソースOCTにおいて測定時間を短縮しつつ注目領域を高精細に測定するための新たな技術を提供することが可能になる。
実施形態に係る眼科装置の光学系の構成の一例を表す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の光学系の構成の一例を表す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の光学系の構成の一例を表す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の制御系の構成の一例を表す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の動作の一例を表すフロー図である。 実施形態に係る眼科装置の動作の一例を表すフロー図である。 従来の波長掃引光源の動作説明図である。 実施形態に係る眼科装置の動作説明図である。 実施形態に係る眼科装置の動作説明図である。 実施形態に係る眼科装置の動作説明図である。 実施形態に係る眼科装置の動作説明図である。
この発明に係る眼科装置、及びデータ収集方法の実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。この発明に係る眼科装置は、スウェプトソースOCTの手法を用いて被測定物体としての被検眼のデータを収集することが可能である。以下、実施形態に係る眼科装置は、被測定物体としての被検眼の光学特性を測定したり、被検眼の画像(断層像、2次元画像、3次元画像など)を形成したりすることが可能である。この明細書では、OCTによって取得される画像をOCT画像と総称することがある。また、OCT画像を形成するための計測動作をOCT計測と呼ぶことがある。なお、この明細書に記載された文献の記載内容を、以下の実施形態の内容として適宜援用することが可能である。
以下の実施形態では、被測定物体を生体眼(被検眼)とし、スウェプトソースタイプのOCTの手法を用いて眼底のOCT計測を行う眼科装置について説明するが、生体眼以外の被測定物体を計測する装置に適用することが可能である。特に、実施形態に係る眼科装置は、眼底のOCT画像を取得することが可能であり、更に、眼底を撮影することにより眼底像を取得することが可能である。この実施形態では、眼科装置がOCT計測の機能と眼底カメラの機能とを備えている場合について説明する。しかしながら、実施形態に係る眼科装置は、OCT計測の機能に加えて、眼底カメラ以外の機能を備えていてもよい。眼底カメラ以外の機能には、例えばSLO(Scanning Laser Ophthalmoscope)、スリットランプ、眼科手術用顕微鏡、光凝固装置などの機能がある。また、実施形態に係る眼科装置は、OCT計測を行う機能だけを備えていてもよい。
[構成]
図1〜図3に示すように、眼科装置1は、眼底カメラユニット2、OCTユニット100及び演算制御ユニット200を含んで構成される。眼底カメラユニット2は、従来の眼底カメラとほぼ同様の光学系を有する。OCTユニット100には、眼底のOCT画像を取得するための光学系が設けられている。演算制御ユニット200は、各種の演算処理や制御処理等を実行するコンピュータを具備している。
〔眼底カメラユニット〕
図1に示す眼底カメラユニット2には、被検眼Eの眼底Efを角膜側から見た正面画像(眼底像)を取得するための光学系が設けられている。眼底像には、観察画像や撮影画像などが含まれる。観察画像は、例えば、近赤外光を用いて所定のフレームレートで形成されるモノクロの動画像である。撮影画像は、例えば、可視光をフラッシュ発光して得られるカラー画像、または近赤外光若しくは可視光を照明光として用いたモノクロの静止画像であってもよい。眼底カメラユニット2は、これら以外の画像、例えばフルオレセイン蛍光画像やインドシアニングリーン蛍光画像や自発蛍光画像などを取得可能に構成されていてもよい。
眼底カメラユニット2には、被検者の顔を支持するための顎受けや額当てが設けられている。更に、眼底カメラユニット2には、照明光学系10と撮影光学系30とが設けられている。照明光学系10は眼底Efに照明光を照射する。撮影光学系30は、この照明光の眼底反射光を撮像装置(CCDイメージセンサ(単にCCDと呼ぶことがある)35、38)に導く。また、撮影光学系30は、OCTユニット100からの測定光を眼底Efに導くとともに、眼底Efを経由した測定光をOCTユニット100に導く。
照明光学系10の観察光源11は、例えばハロゲンランプにより構成される。観察光源11から出力された光(観察照明光)は、曲面状の反射面を有する反射ミラー12により反射され、集光レンズ13を経由し、可視カットフィルタ14を透過して近赤外光となる。更に、観察照明光は、撮影光源15の近傍にて一旦集束し、ミラー16により反射され、リレーレンズ17、18、絞り19及びリレーレンズ20を経由する。そして、観察照明光は、孔開きミラー21の周辺部(孔部の周囲の領域)にて反射され、ダイクロイックミラー46を透過し、対物レンズ22により屈折されて眼底Efを照明する。なお、観察光源としてLED(Light Emitting Diode)を用いることも可能である。
観察照明光の眼底反射光は、対物レンズ22により屈折され、ダイクロイックミラー46を透過し、孔開きミラー21の中心領域に形成された孔部を通過し、ダイクロイックミラー55を透過し、合焦レンズ31を経由し、ミラー32により反射される。更に、この眼底反射光は、ハーフミラー33Aを透過し、ダイクロイックミラー33により反射され、集光レンズ34によりCCDイメージセンサ35の受光面に結像される。CCDイメージセンサ35は、例えば所定のフレームレートで眼底反射光を検出する。表示装置3には、CCDイメージセンサ35により検出された眼底反射光に基づく画像(観察画像)が表示される。なお、撮影光学系30のピントが前眼部に合わせられている場合、被検眼Eの前眼部の観察画像が表示される。
撮影光源15は、例えばキセノンランプにより構成される。撮影光源15から出力された光(撮影照明光)は、観察照明光と同様の経路を通って眼底Efに照射される。撮影照明光の眼底反射光は、観察照明光のそれと同様の経路を通ってダイクロイックミラー33まで導かれ、ダイクロイックミラー33を透過し、ミラー36により反射され、集光レンズ37によりCCDイメージセンサ38の受光面に結像される。表示装置3には、CCDイメージセンサ38により検出された眼底反射光に基づく画像(撮影画像)が表示される。なお、観察画像を表示する表示装置と撮影画像を表示する表示装置は、同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。また、被検眼Eを赤外光で照明して同様の撮影を行う場合には、赤外の撮影画像が表示される。また、撮影光源としてLEDを用いることも可能である。
LCD(Liquid Crystal Display)39は、固視標や視力測定用指標を表示する。固視標は被検眼Eを固視させるための指標であり、眼底撮影時やOCT計測時などに使用される。
LCD39から出力された光は、その一部がハーフミラー33Aにて反射され、ミラー32に反射され、合焦レンズ31及びダイクロイックミラー55を経由し、孔開きミラー21の孔部を通過する。孔開きミラー21の孔部を通過した光は、ダイクロイックミラー46を透過し、対物レンズ22により屈折されて眼底Efに投影される。
LCD39の画面上における固視標の表示位置を変更することにより、被検眼Eの固視位置を変更できる。被検眼Eの固視位置としては、眼底Efの黄斑部を中心とする画像を取得するための位置や、視神経乳頭を中心とする画像を取得するための位置や、黄斑部と視神経乳頭との間の眼底中心を中心とする画像を取得するための位置などがある。また、固視標の表示位置を任意に変更することも可能である。
更に、眼底カメラユニット2には、従来の眼底カメラと同様にアライメント光学系50とフォーカス光学系60が設けられている。アライメント光学系50は、被検眼Eに対する装置光学系の位置合わせ(アライメント)を行うための指標(アライメント指標)を生成する。フォーカス光学系60は、眼底Efに対してフォーカス(ピント)を合わせるための指標(スプリット指標)を生成する。
アライメント光学系50のLED51から出力された光(アライメント光)は、絞り52、53及びリレーレンズ54を経由してダイクロイックミラー55により反射され、孔開きミラー21の孔部を通過する。孔開きミラー21の孔部を通過した光は、ダイクロイックミラー46を透過し、対物レンズ22により被検眼Eの角膜に投影される。
アライメント光の角膜反射光は、対物レンズ22、ダイクロイックミラー46及び上記孔部を経由し、その一部がダイクロイックミラー55を透過し、合焦レンズ31を通過し、ミラー32により反射される。ミラー32により反射された光は、ハーフミラー33Aを透過し、ダイクロイックミラー33に反射され、集光レンズ34によりCCDイメージセンサ35の受光面に投影される。CCDイメージセンサ35による受光像(アライメント指標)は、観察画像とともに表示装置3に表示される。ユーザは、従来の眼底カメラと同様の操作を行ってアライメントを実施する。また、演算制御ユニット200がアライメント指標の位置を解析して光学系を移動させることによりアライメントを行ってもよい(オートアライメント機能)。
フォーカス調整を行う際には、照明光学系10の光路上に反射棒67の反射面が斜設される。フォーカス光学系60のLED61から出力された光(フォーカス光)は、リレーレンズ62を通過し、スプリット指標板63により2つの光束に分離され、二孔絞り64を通過し、ミラー65に反射される。ミラー65に反射された光は、集光レンズ66により反射棒67の反射面に一旦結像されて反射される。更に、フォーカス光は、リレーレンズ20を経由し、孔開きミラー21に反射され、ダイクロイックミラー46を透過し、対物レンズ22により屈折されて眼底Efに投影される。
フォーカス光の眼底反射光は、アライメント光の角膜反射光と同様の経路を通ってCCDイメージセンサ35により検出される。CCDイメージセンサ35による受光像(スプリット指標)は、観察画像とともに表示装置3に表示される。演算制御ユニット200は、従来と同様に、スプリット指標の位置を解析して合焦レンズ31及びフォーカス光学系60を移動させてピント合わせを行う(オートフォーカス機能)。また、スプリット指標を視認しつつ手動でピント合わせを行ってもよい。
ダイクロイックミラー46は、眼底撮影用の光路からOCT計測用の光路を分岐させている。ダイクロイックミラー46は、OCT計測に用いられる波長帯の光を反射し、眼底撮影用の光を透過させる。このOCT計測用の光路には、OCTユニット100側から順に、コリメータレンズユニット40と、分散補償部材47と、光路長変更部41と、合焦レンズ43と、光スキャナ44と、リレーレンズ45とが設けられている。
分散補償部材47は、コリメータレンズユニット40と光路長変更部41との間の測定光路に配置される。分散補償部材47は、OCTユニット100内で生成された参照光と測定光の分散特性を合わせるための分散補償手段として作用する。
光路長変更部41は、図1に示す矢印の方向に移動可能とされ、OCT計測用の光路の光路長を変更する。この光路長の変更は、被検眼Eの眼軸長に応じた光路長の補正や、干渉状態の調整などに利用される。光路長変更部41は、例えばコーナーキューブと、これを移動する機構とを含んで構成される。
光スキャナ44は、OCT計測用の光路を通過する光(測定光LS)の進行方向を変更する。それにより、眼底Efを測定光LSで走査することができる。光スキャナ44は、例えばガルバノスキャナであってよい。この場合、光スキャナ44は、測定光LSをx方向に走査するガルバノミラーと、y方向に走査するガルバノミラーと、これらを独立に駆動する機構とを含んで構成される。このような光スキャナ44は、測定光LSをxy平面上の任意の方向に走査することができる。
〔OCTユニット〕
図2を参照しつつOCTユニット100の構成の一例を説明する。OCTユニット100には、眼底EfのOCT画像を取得するための光学系が設けられている。この光学系は、スウェプトソースタイプのOCTを実現するための構成を有する。すなわち、この光学系は、波長掃引光源(波長走査光源)からの光を測定光と参照光とに分割し、眼底Efを経由した測定光と参照光路を経由した参照光とを干渉させて干渉光を生成し、この干渉光を検出する干渉光学系である。干渉光学系における干渉光の検出結果(検出信号)は、干渉光のスペクトルを示す信号であり、演算制御ユニット200に送られる。
光源ユニット120は、掃引範囲及び掃引間隔(掃引ステップ、掃引ピッチ、変化量)の少なくとも1つが変更可能な波長掃引光源(波長走査光源)を含む。波長掃引光源は、人眼では視認できない近赤外の波長帯において出力波長を時間的に変化させる。この波長掃引光源は、時間軸上において波長又は波数が直線的に(線形的に)変化する出射光を出力する。また、波長掃引光源は、時間軸上において波長(波数)が直線的に変化する出射光を出力する場合、当該出射光の波長(波数)に応じたタイミングで変化するクロックKCを生成することが可能である。生成されたクロックKCは、後述のDAQ160に供給される。
掃引光源から出力された光L0は、光ファイバ101によりアッテネータ102に導かれて、演算制御ユニット200の制御の下で光量が調整される。アッテネータ102により光量が調整された光L0は、光ファイバ103により偏波コントローラ104に導かれてその偏光状態が調整される。偏波コントローラ104は、例えばループ状にされた光ファイバ103に対して外部から応力を与えることで、光ファイバ103内を導かれる光L0の偏光状態を調整する。
偏波コントローラ104により偏光状態が調整された光L0は、光ファイバ105によりファイバカプラ106に導かれて測定光LSと参照光LRとに分割される。
参照光LRは、光ファイバ107によりアッテネータ108に導かれて、演算制御ユニット200の制御の下で光量が調整される。アッテネータ108により光量が調整された参照光LRは、光ファイバ109により偏波コントローラ110に導かれて、その偏光状態が調整される。
偏波コントローラ110は、例えば、偏波コントローラ104と同様の構成を有する。偏波コントローラ110により偏光状態が調整された参照光LRは、光ファイバ111によりファイバカプラ112に導かれる。
ファイバカプラ106により生成された測定光LSは、光ファイバ113により導かれ、コリメータレンズユニット40により平行光束とされる。平行光束にされた測定光LSは、分散補償部材47、光路長変更部41、合焦レンズ43、光スキャナ44、及びリレーレンズ45を経由してダイクロイックミラー46に到達する。そして、測定光LSは、ダイクロイックミラー46により反射され、対物レンズ22により屈折されて眼底Efに投射される。測定光LSは、眼底Efの様々な深さ位置において散乱(反射を含む)される。眼底Efによる測定光LSの後方散乱光は、往路と同じ経路を逆向きに進行してファイバカプラ106に導かれ、光ファイバ114を経由してファイバカプラ112に到達する。
ファイバカプラ112は、光ファイバ114を介して入射された測定光LSと、光ファイバ111を介して入射された参照光LRとを合成して(干渉させて)干渉光を生成する。ファイバカプラ112は、所定の分岐比(例えば50:50)で、測定光LSと参照光LRとの干渉光を分岐することにより、一対の干渉光LCを生成する。ファイバカプラ112から出射した一対の干渉光LCは、光ファイバ115、116により検出器150に導かれる。
検出器150は、光ファイバ115、116により導かれた一対の干渉光LCをそれぞれ検出する一対のフォトディテクタを有する。検出器150は、一対のフォトディテクタによる検出信号(検出結果)の差分を出力するバランスドフォトダイオード(Balanced Photo Diode:以下、BPD)である。検出器150は、その検出信号(検出結果)を干渉信号としてDAQ(Data Acquisition System)160に送る。検出器150により得られた検出信号(検出結果)は、この実施形態に係る「被検眼のデータ」の一例である。
この実施形態において、光源ユニット120の波長掃引光源は、設定された掃引範囲内を、設定された掃引間隔で出射光の波長又は波数を掃引可能である。すなわち、波長掃引光源から出力される出射光の波長又は波数は、設定された掃引範囲内において、設定された掃引間隔で変化する。掃引間隔は、掃引範囲内において等間隔であってもよいし等間隔でなくてもよい。
波長掃引光源は、例えば、波長可変半導体レーザを含む。波長可変半導体レーザとして、例えば、超周期回折格子分布反射型レーザ(Super−Structure Grating Distributed Bragg Reflector Laser:SSG−DBRレーザ)などを採用することができる。SSG−DBRレーザは、半導体光増幅器(Semiconductor Optical Amplifier:SOA)と、フロントSSG−DBRと、活性層と、位相調整領域と、リアSSG−DBRとを含む。SOAと活性層とが出力調整領域として機能し、位相調整領域とフロントSSG−DBR及びリアSSG−DBRとが波長調整領域として機能する。出力調整領域と波長調整領域とに注入する電流の組み合わせにより、出力強度と出力波長とを変更することができる。
上述のように、波長掃引光源はクロックKCを生成する。波長掃引光源が時間軸上において波長が直線的に変化する出射光を出力する場合、クロックKCは、時間軸上において波長が直線的に変化するクロックである。波長掃引光源が時間軸上において波数が直線的に変化する出射光を出力する場合、クロックKCは、時間軸上において波数が直線的に変化するクロックである。以下、実施形態に係る波長掃引光源は、主として、時間軸上において波長が直線的に変化する出射光を出力する場合について説明する。
DAQ160には、光源ユニット120からクロックKCが入力される。この実施形態では、クロックKCは、波長掃引光源からの光に基づいてクロック生成光学系により光学的に生成される。ここで、「光学的に生成される」とは、主として光学部材によって生成されることを意味する。DAQ160は、クロックKCの変化タイミング(立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジ)やゼロクロスタイミングで、検出器150により得られた検出信号を取り込むことが可能である。すなわち、DAQ160は、波長掃引光源による波長掃引のタイミングに応じて干渉光の検出結果を取得することが可能である。
図3に、光源ユニット120の光学的な構成例を示す。
光源ユニット120は、波長掃引光源121、光分岐器123、クロック生成光学系130、検出器141、これらを光学的に接続する光ファイバなどを含む。波長掃引光源121は、設定された掃引範囲内を、設定された掃引間隔で出射光の波長又は波数を掃引する。波長掃引光源121により出射された光は、光ファイバ122により光分岐器123に導かれる。光分岐器123は、波長掃引光源121からの光を所定の分岐比(例えば95:5)で分岐することにより、光L0(95%)と分岐光(5%)とを生成する。光L0は、光ファイバ124を介して出射端125より出射される。分岐光は、光ファイバ126によりクロック生成光学系130に導かれる。
クロック生成光学系130は、分岐光から一対の干渉光を光学的に生成する。すなわち、光ファイバ126により分岐光が光分岐器131に導かれる。光分岐器131は、この分岐光を所定の分岐比(例えば50:50)で更に分岐することにより、一対のサブ分岐光を生成する。光分岐器131により生成された一対のサブ分岐光の一方は、光ファイバ132により遅延光学素子133に導かれる。遅延光学素子133は、光ファイバ132により導かれた光を所定の光路長分だけ遅延させる。遅延光学素子133により遅延した光は、光ファイバ134によりファイバカプラ135に導かれる。他方のサブ分岐光は、光ファイバ136によりファイバカプラ135に導かれる。ファイバカプラ135は、光ファイバ134、136を介して入射された一対の光を合成して(干渉させて)干渉光を生成する。ファイバカプラ135は、所定の分岐比(例えば50:50)で干渉光を分岐することにより、一対の干渉光を生成する。ファイバカプラ135により生成された一対の干渉光は、時間軸上において波長又は波数が直線的に変化する。ファイバカプラ135から出射した一対の干渉光は、光ファイバ140、142により検出器141に導かれる。
検出器141は、例えばBPDを含む。検出器141は、一対の干渉光を検出することにより、時間軸上において波長又は波数が直線的に変化するクロックKCを光学的に生成する。クロックKCは、光ファイバ145を介して出射端146より出力される。このように光学的にクロックを生成することにより、ジッターの影響を受けないクロックKCを取得することができる。
なお、図3において、検出器141は、フォトダイオード(Photo Diode:以下、PD)であってもよい。PDは、ファイバカプラ135により生成された一対の干渉光の一方だけを検出するように設けられる。
演算制御ユニット200は、例えば一連の波長走査ごとに(Aラインごとに)、図2の検出器150により得られた検出信号に基づくスペクトル分布にフーリエ変換等を施すことで断層像を形成する。演算制御ユニット200は、形成された画像を表示装置3に表示させる。
この実施形態ではマイケルソン型の干渉計を採用しているが、例えばマッハツェンダー型など任意のタイプの干渉計を適宜に採用することが可能である。
図2に示すOCTユニット100に含まれる光学系(ファイバカプラ106、112、検出器150と、これらを光学的に接続する光ファイバ等)は、実施形態に係る「干渉光学系」の一例である。DAQ160は、実施形態に係る「取得部」の一例である。画像形成部220(又はデータ処理部230)は、実施形態に係る「特定部」の一例である。
〔演算制御ユニット〕
演算制御ユニット200の構成について説明する。演算制御ユニット200は、検出器150から入力される検出信号を解析して眼底EfのOCT画像を形成する。そのための演算処理は、従来のスウェプトソースタイプのOCT装置と同様である。
また、演算制御ユニット200は、眼底カメラユニット2、表示装置3及びOCTユニット100の各部を制御する。例えば演算制御ユニット200は、眼底EfのOCT画像を表示装置3に表示させる。
また、眼底カメラユニット2の制御として、演算制御ユニット200は、観察光源11、撮影光源15及びLED51、61の動作制御、CCD35及び38の動作制御、LCD39の動作制御、合焦レンズ31、43の移動制御、反射棒67の移動制御、フォーカス光学系60の移動制御、光路長変更部41の移動制御、光スキャナ44の動作制御などを行う。
また、OCTユニット100の制御として、演算制御ユニット200は、光源ユニット120の動作制御、検出器150の動作制御、アッテネータ102、108の動作制御、偏波コントローラ104、110の動作制御、検出器141及び150の動作制御、DAQ160の動作制御、DAQ160からの収集データの取り込み制御などを行う。
演算制御ユニット200は、例えば、従来のコンピュータと同様に、マイクロプロセッサ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスクドライブ、通信インターフェイスなどを含んで構成される。ハードディスクドライブ等の記憶装置には、眼科装置1を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。演算制御ユニット200は、各種の回路基板、例えばOCT画像を形成するための回路基板を備えていてもよい。また、演算制御ユニット200は、キーボードやマウス等の操作デバイス(入力デバイス)や、LCD等の表示デバイスを備えていてもよい。
眼底カメラユニット2、表示装置3、OCTユニット100及び演算制御ユニット200は、一体的に(つまり単一の筺体内に)構成されていてもよいし、2つ以上の筐体に分かれて構成されていてもよい。
〔制御系〕
眼科装置1の制御系の構成について図4を参照しつつ説明する。
(制御部)
眼科装置1の制御系は、制御部210を中心に構成される。制御部210は、例えば、前述のマイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、通信インターフェイス等を含んで構成される。制御部210には、主制御部211と記憶部212が設けられている。
(主制御部)
主制御部211は前述の各種制御を行う。特に、主制御部211は、眼底カメラユニット2の合焦駆動部31A、光路長変更部41及び光スキャナ44を制御する。更に、主制御部211は、OCTユニット100の光源ユニット120(波長掃引光源121や検出器141を含む)、偏波コントローラ104、110、アッテネータ102、108、検出器150、DAQ160を制御する。
合焦駆動部31Aは、合焦レンズ31を光軸方向に移動させる。それにより、撮影光学系30の合焦位置が変更される。なお、主制御部211は、図示しない光学系駆動部を制御して、眼底カメラユニット2に設けられた光学系を3次元的に移動させることができる。この制御は、アライメントやトラッキングにおいて用いられる。トラッキングとは、被検眼Eの運動に合わせて装置光学系を移動させるものである。トラッキングを行う場合には、事前にアライメントとピント合わせが実行される。トラッキングは、被検眼Eを動画撮影して得られる画像に基づき被検眼Eの位置や向きに合わせて装置光学系をリアルタイムで移動させることにより、アライメントとピントが合った好適な位置関係を維持する機能である。
主制御部211は、掃引範囲及び掃引間隔の少なくとも一方がAスキャン単位で異なる掃引条件でBスキャンを行うように光源ユニット120の波長掃引光源121を制御することが可能である。例えば、主制御部211は、波長掃引光源121に対して被検眼Eにおける測定光LSの投射位置に応じた掃引条件を設定する。この場合、波長掃引光源121は、測定光LSの投射位置に応じた掃引条件で時間軸上において波長又は波数が直線的に変化する出射光を出力する。主制御部211は、光スキャナ142に対する制御内容から測定光LSの投射位置を特定することが可能である。この実施形態では、主制御部211は、被検眼Eにおけるxy平面上において予め設定された走査方向に沿ってAスキャン単位で掃引条件を波長掃引光源121に設定することにより、Aスキャン単位で掃引条件が異なるBスキャンを実行させる。それにより、主制御部211は、被検眼Eにおける測定光LSの投射位置が第1部位に相当する領域に含まれるとき第1掃引範囲を第1掃引間隔で波長を掃引するように波長掃引光源121を制御することができる。同様に、主制御部211は、被検眼Eにおける測定光LSの投射位置が第2部位(第1部位と異なる部位)に相当する領域に含まれるとき第2掃引範囲を第2掃引間隔で波長を掃引するように波長掃引光源121を制御することができる。第2掃引範囲は、第1掃引範囲と異なってよい。第2掃引間隔は、第1掃引間隔と異なってよい。
例えば、第2部位が注目部位であり、第1部位が注目部位以外の部位である場合、第2掃引範囲は第1掃引範囲より広く、かつ、第2掃引間隔は第1掃引間隔より広い(粗い)。それにより、注目部位に相当する領域だけ計測精度を向上させることが可能となり、注目部位に相当する領域だけ画像の解像度を向上させることができるようになる。なお、第2部位に相当する領域は、撮影光学系30を用いて事前に取得された被検眼Eの正面画像から特定されてもよい。
例えば、記憶部212には、測定光LSの投射位置に対応した掃引条件で動作させるための波長掃引光源121に設定するための制御データがあらかじめ記憶されているものとする。この場合、主制御部211が、記憶部212から読み出した制御データを波長掃引光源121に設定すると、波長掃引光源121は、測定光LSの投射位置に応じて、設定された掃引条件で波長掃引を行うようにすることができる。
また、主制御部211は、記憶部212にデータを書き込む処理や、記憶部212からデータを読み出す処理を行う。
(記憶部)
記憶部212は、各種のデータを記憶する。記憶部212に記憶されるデータとしては、例えば、OCT画像の画像データ、眼底像の画像データ、被検眼情報、上記の波長掃引光源121に対する制御データなどがある。被検眼情報は、患者IDや氏名などの被検者に関する情報や、左眼/右眼の識別情報などの被検眼に関する情報を含む。また、記憶部212には、眼科装置1を動作させるための各種プログラムやデータが記憶されている。
(画像形成部)
画像形成部220は、DAQ160により取得された収集データに基づいて、眼底Efの断層像の画像データを形成する。すなわち、画像形成部220は、スウェプトソースOCTにより収集された干渉光の検出結果に基づいて被検眼Eの画像を形成する。この処理には、従来のスウェプトソースタイプのOCTと同様に、ノイズ除去(ノイズ低減)、フィルタ処理、FFT(Fast Fourier Transform)などの処理が含まれている。
画像形成部220は、各Aスキャンの掃引範囲や掃引間隔から、形成されたAスキャン画像の位置合わせを行ってBスキャン画像やCスキャン画像を形成することが可能である。また、波長掃引光源121が時間軸上において波長が直線的に変化する出射光を出力する場合、画像形成部220は、公知の波数リニア補正を行うことが可能である。なお、波数リニア補正は、データ処理部230により行われてもよい。
画像形成部220は、例えば、前述の回路基板を含んで構成される。なお、この明細書では、「画像データ」と、それに基づく「画像」とを同一視することがある。
(データ処理部)
データ処理部230は、画像形成部220により形成された画像に対して各種の画像処理や解析処理を施す。例えば、データ処理部230は、画像の輝度補正や分散補正等の各種補正処理を実行する。また、データ処理部230は、眼底カメラユニット2により得られた画像(眼底像、前眼部像等)に対して各種の画像処理や解析処理を施す。例えば、データ処理部230は、トラッキングの実行時において、被検眼Eの前眼部を動画撮影して得られた画像を解析して被検眼Eの位置及び向きを求める処理を行う。
また、データ処理部230は、眼底カメラユニット2により得られた眼底像を解析することにより注目部位に相当する領域(注目領域)を特定することが可能である。データ処理部230は、特定すべき注目部位に応じて、画素値(輝度値)に基づいて注目領域を特定したり、特徴部位や形状を探索することにより注目領域を特定したりする。注目部位には、黄斑部、視神経乳頭部、病変部などがある。
データ処理部230は、断層像の間の画素を補間する補間処理などの公知の画像処理を実行して、眼底Efの3次元画像の画像データを形成する。なお、3次元画像の画像データとは、3次元座標系により画素の位置が定義された画像データを意味する。3次元画像の画像データとしては、3次元的に配列されたボクセルからなる画像データがある。この画像データは、ボリュームデータ或いはボクセルデータなどと呼ばれる。ボリュームデータに基づく画像を表示させる場合、データ処理部230は、このボリュームデータに対してレンダリング処理(ボリュームレンダリングやMIP(Maximum Intensity Projection:最大値投影)など)を施して、特定の視線方向から見たときの擬似的な3次元画像の画像データを形成する。表示部240A等の表示デバイスには、この擬似的な3次元画像が表示される。
また、3次元画像の画像データとして、複数の断層像のスタックデータを形成することも可能である。スタックデータは、複数の走査線に沿って得られた複数の断層像を、走査線の位置関係に基づいて3次元的に配列させることで得られる画像データである。すなわち、スタックデータは、元々個別の2次元座標系により定義されていた複数の断層像を、1つの3次元座標系により表現する(つまり1つの3次元空間に埋め込む)ことにより得られる画像データである。
以上のように機能するデータ処理部230は、例えば、前述のマイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、回路基板等を含んで構成される。ハードディスクドライブ等の記憶装置には、上記機能をマイクロプロセッサに実行させるコンピュータプログラムがあらかじめ格納されている。
(ユーザインターフェイス)
ユーザインターフェイス240には、表示部240Aと操作部240Bとが含まれる。表示部240Aは、前述した演算制御ユニット200の表示デバイスや表示装置3を含んで構成される。操作部240Bは、前述した演算制御ユニット200の操作デバイスを含んで構成される。操作部240Bには、眼科装置1の筐体や外部に設けられた各種のボタンやキーが含まれていてもよい。例えば眼底カメラユニット2が従来の眼底カメラと同様の筺体を有する場合、操作部240Bは、この筺体に設けられたジョイスティックや操作パネル等を含んでいてもよい。また、表示部240Aは、眼底カメラユニット2の筺体に設けられたタッチパネルなどの各種表示デバイスを含んでいてもよい。
なお、表示部240Aと操作部240Bは、それぞれ個別のデバイスとして構成される必要はない。例えばタッチパネルのように、表示機能と操作機能とが一体化されたデバイスを用いることも可能である。その場合、操作部240Bは、このタッチパネルとコンピュータプログラムとを含んで構成される。操作部240Bに対する操作内容は、電気信号として制御部210に入力される。また、表示部240Aに表示されたグラフィカルユーザインターフェイス(GUI)と、操作部240Bとを用いて、操作や情報入力を行うようにしてもよい。
[動作例]
眼科装置1の動作について説明する。
図5に、眼科装置1の動作例のフロー図を示す。この動作例には、画像に基づく被検眼Eと装置光学系との位置合わせの処理と、画像に基づく走査領域の設定処理とが含まれる。位置合わせの処理には、OCT計測のためのアライメント(オートアライメント)、ピント合わせ(オートフォーカス)、トラッキング(オートトラッキング)が含まれる。
(ステップS1)
まず、観察光源11からの照明光(可視カットフィルタ14により近赤外光となる)で眼底Efを連続照明することにより、眼底Efの近赤外動画像の取得を開始する。この近赤外動画像は、連続照明が終了するまでリアルタイムで得られる。この動画像を構成する各フレームの画像は、フレームメモリ(記憶部212)に一時記憶され、データ処理部230に逐次送られる。
なお、被検眼Eには、アライメント光学系50によるアライメント指標と、フォーカス光学系60によるスプリット指標とが投影されている。よって、近赤外動画像にはアライメント指標とスプリット指標とが描出されている。これら指標を用いてアライメントやピント合わせを行うことができる。また、被検眼Eには、LCD39による固視標も投影されている。被検者は、この固視標を凝視するように指示を受ける。
(ステップS2)
データ処理部230は、光学系によって被検眼Eを動画撮影することにより得られるフレームを逐次に解析して、アライメント視標の位置を求め、光学系の移動量を算出する。制御部210は、データ処理部230により算出された光学系の移動量に基づいて図示しない光学系駆動部を制御することにより、オートアライメントを行う。
(ステップS3)
データ処理部230は、光学系によって被検眼Eを動画撮影することにより得られるフレームを逐次に解析して、スプリット視標の位置を求め、合焦レンズ31の移動量を算出する。制御部210は、データ処理部230により算出された合焦レンズ31の移動量に基づいて合焦駆動部31Aを制御することにより、オートフォーカスを行う。
(ステップS4)
続いて、制御部210は、オートトラッキングを開始する。具体的には、データ処理部230は、光学系によって被検眼Eを動画撮影することにより逐次に得られるフレームをリアルタイムで解析して、被検眼Eの動き(位置の変化)を監視する。制御部210は、逐次に取得される被検眼Eの位置に合わせて光学系を移動させるように図示しない光学系駆動部を制御する。それにより、被検眼Eの動きに対して光学系をリアルタイムで追従させることができ、アライメントとピントが合った好適な位置関係を維持することが可能となる。
(ステップS5)
制御部210は、近赤外動画像を表示部240Aにリアルタイムで表示させる。ユーザは、操作部240Bを用いることにより、この近赤外動画像上に走査領域を設定する。設定される走査領域は1次元領域でも2次元領域でもよい。
なお、測定光LSの走査態様や注目部位(黄斑部、視神経乳頭部、病変部等)があらかじめ設定されている場合などには、これら設定内容に基づいて制御部210が走査領域を設定するように構成することも可能である。具体的には、データ処理部230による画像解析により注目部位を特定し、制御部210が、この注目部位を含むように(例えば、この注目部位が中心に位置するように)所定パターンの領域を設定する。
また、過去に実施されたOCT計測と同じ走査領域を設定する場合(いわゆるフォローアップ)、制御部210は、この過去の走査領域をリアルタイム近赤外動画像上に再現して設定することができる。その具体例として、制御部210は、過去の検査で設定された走査領域を表す情報(走査態様等)と、この走査領域が設定された近赤外眼底像(静止画、例えばフレームでよい)とを対応付けて記憶部212に記憶させている(実用上は、患者IDや左右眼情報とも対応付けられる)。制御部210は、過去の近赤外眼底像と現在の近赤外動画像のフレームとの位置合わせを行い、過去の近赤外眼底像における走査領域に対応する現在の近赤外動画像中の画像領域を特定する。これにより、過去の検査で適用された走査領域が現在の近赤外動画像に対して設定される。
(ステップS6)
制御部210は、光源ユニット120や光路長変更部41を制御するとともに、ステップS5で設定された走査領域に基づいて光スキャナ44を制御することにより、眼底EfのOCT計測を行う。
画像形成部220は、上記のように、検出器150により得られた検出信号をサンプリングすることにより得られた収集データに基づいて、当該Aラインの断層像(画像)を形成する。また、画像形成部220は、公知の手法によりBスキャン画像を生成することが可能である。走査態様が3次元スキャンである場合、データ処理部230は、画像形成部220により形成された複数の断層像に基づいて眼底Efの3次元画像を形成する。以上で、この動作例は終了となる(エンド)。
なお、上記のステップS4、ステップS5の順序を入れ替えてもよい。また、上記のステップS4、ステップS5では、近赤外動画像を表示させ、この近赤外動画像上に走査領域を設定しているが、走査領域の設定態様はこれに限定されるものではない。例えば、近赤外動画像における一のフレームの画像(基準画像と呼ぶ)を表示させるとともに、そのバックグラウンドでオートトラッキングを実行する。基準画像上に走査領域が設定されると、制御部210は、基準画像と、現にオートトラッキングに供されている画像との間の位置合わせを行うことにより、基準画像上に設定された走査領域に対応するリアルタイム近赤外動画像中の画像領域を特定する。この処理によってもステップS4、ステップS5と同様にリアルタイム近赤外動画像中に走査領域を設定できる。更に、この方法によれば、静止画像上に走査領域を設定することができるので、現にオートトラッキングされている動画像上に設定する場合よりも作業の容易化や確実化を図ることができる。
図6に、図5のOCT計測(ステップS6)の動作例のフロー図を示す。
(ステップS11)
OCT計測を開始する前に、制御部210は、撮影光学系30により被検眼Eの眼底像を取得させる。制御部210は、取得された眼底像を記憶部212に保存する。
(ステップS12)
次に、制御部210は、ステップS11において取得された眼底像から注目部位に相当する領域(注目領域)を画像形成部220(又はデータ処理部230)に特定させる。なお、ユーザが操作部240Bを用いて眼底像に対して注目領域を特定してもよい。
制御部210は、ステップS5において設定された走査領域における測定光LSの投射位置に応じて波長掃引光源121の掃引条件を設定する。例えば、制御部210は、当該注目領域に含まれる測定光LSの投射位置に対して広範囲低密度掃引モードで動作し、かつ、当該注目領域に含まれない測定光LSの投射位置に対して狭範囲高密度掃引モードで動作するように波長掃引光源121の掃引条件(動作条件)を設定する。広範囲低密度掃引モードは、狭範囲高密度掃引モードより掃引範囲が広く、かつ、狭範囲高密度掃引モードより掃引間隔が広い(粗い)波長掃引を行う動作モードである。これに対して、狭範囲高密度掃引モードは、広範囲低密度掃引モードより掃引範囲が狭く、かつ、広範囲低密度掃引モードより掃引間隔が狭い(細かい)波長掃引を行う動作モードである。
(ステップS13)
続いて、制御部210は、光スキャナ44を制御して、図5のステップS5において設定された走査領域に対するBスキャンを開始させる。
(ステップS14、ステップS15)
Bスキャン中に、ステップS12において特定された注目領域内に測定光LSの投射位置が位置するとき(ステップS14:Y)、波長掃引光源121は、ステップS12において設定されたように広範囲低密度掃引モードで波長掃引を行う(ステップS15)。それにより、当該投射位置では、広範囲低密度掃引モードで波長掃引が行われた光に基づいて生成された測定光LSでAスキャンが実行される。
(ステップS16)
波長掃引光源121は、波長掃引が完了するまでステップS15を継続する。波長掃引が完了したとき(ステップS16:Y)、制御部210は、Bスキャンが完了したか否かを判別する(ステップS19)。
(ステップS14、ステップS17)
Bスキャン中に、ステップS12において特定された注目領域以外の領域内に測定光LSの投射位置が位置するとき(ステップS14:N)、波長掃引光源121は、ステップS12において設定されたように狭範囲高密度掃引モードで波長掃引を行う(ステップS17)。それにより、当該投射位置では、狭範囲高密度掃引モードで波長掃引が行われた光に基づいて生成された測定光LSでAスキャンが実行される。
(ステップS18)
波長掃引光源121は、波長掃引が完了するまでステップS17を継続する。波長掃引が完了したとき(ステップS18:Y)、制御部210は、Bスキャンが完了したか否かを判別する(ステップS19)。
(ステップS19)
Bスキャンが完了していないと判別されたとき(ステップS19:N)、眼科装置1の動作はステップS14に移行する。Bスキャンが完了したと判別されたとき(ステップS19:Y)、眼科装置1のOCT計測は終了する(エンド)。
以下、実施形態の動作について説明する。
図7に、従来の波長掃引光源による波長掃引動作の模式的な説明図を示す。図7において横軸は波長を表し、縦軸は波長掃引光源により掃引された光の強度を表す。図7に示すように、従来はBスキャン中に広い掃引範囲WR0で細かい掃引間隔で波長掃引された光(波長λ、λ、・・・、λ)を用いてOCT計測を行うため、スキャン時間が長くなり、処理すべきデータ量が膨大になる。
これに対して、この実施形態では、Bスキャン中にAスキャン単位で掃引条件を変更し、注目部位とそれ以外の部位に対するOCT計測を行う場合の波長掃引光源121の掃引条件を変更する。
図8に、実施形態に係る眼科装置1による被検眼Eの眼底Efのスキャン動作の模式的な説明図を示す。図8は、被検眼Eの眼底Efの断面図(Bスキャン方向の断面図)におけるBスキャン動作を模式的に表したものである。図8において、注目部位をSiとすると、角度θの範囲で測定光LSを偏向するBスキャン中に、注目部位Siに相当する領域AR2に測定光LSの投射位置があるとき広範囲低密度掃引モードで波長掃引を行い、領域AR2以外の領域AR1に測定光LSの投射位置があるとき狭範囲高密度掃引モードで波長掃引を行う。
図9A及び図9Bに、実施形態に係る波長掃引光源による波長掃引モードの説明図を示す。図9Aは、実施形態に係る狭範囲高密度掃引モードの説明図を表す。図9Bは、実施形態に係る広範囲低密度掃引モードの説明図を表す。図9A及び図9Bにおいて、横軸は波長を表し、縦軸は波長掃引光源により掃引された光の強度を表す。
図9Aに示すように狭範囲高密度掃引モードでは、掃引範囲WR0より狭い掃引範囲WR1において、掃引間隔wp2より狭い掃引間隔wp1で波長掃引された光(波長λ、λL+1、・・・、λ)が生成される。従って、狭範囲高密度掃引モードでは、広い範囲d1の低解像度の画像が取得される。なお、掃引間隔wp1は、等間隔であってもよいし、等間隔でなくてもよい。
一方、図9Bに示すように広範囲低密度掃引モードでは、掃引範囲WR1より広い掃引範囲WR0において、掃引間隔wp1より広い(粗い)掃引間隔wp2で波長掃引された光(波長λ、・・・、λ)が生成される。従って、広範囲低密度掃引モードでは、狭い範囲d2の高解像度の画像が取得される。なお、掃引間隔wp2は、等間隔であってもよいし、等間隔でなくてもよい。
以上説明したように、実施形態によれば、Bスキャン中にAスキャン単位で掃引条件を変更するようにしたので、Aスキャン単位で画像化範囲(計測範囲)や画像の解像度(計測精度)を変更することが可能になる。それにより、Bスキャン中に全体的に位置や形状を確認したい部位について広範囲で低解像度の画像を取得し、注目部位について狭い範囲で高解像度の画像を取得することができ、スキャン時間を短縮し、処理すべきデータ量を大幅に削減することが可能になる。
〔変形例〕
(第1変形例)
上記の実施形態では、被検眼Eの眼底Efをスキャンする場合について説明したが、被検眼Eの前眼部をスキャンする場合についても同様である。
図10に、実施形態の変形例に係る眼科装置による被検眼Eの前眼部のスキャン動作の模式的な説明図を示す。図10は、被検眼Eの前眼部の断面図(Bスキャン方向の断面図)におけるBスキャン動作を模式的に表したものである。
本変形例に係る眼科装置は、例えば、図1の被検眼Eと対物レンズ22との間に前眼部レンズを挿入することにより、被検眼Eの前眼部に対するOCT計測を実行することが可能である。本変形例に係るデータ処理部は、事前に取得された被検眼Eの前眼部像を解析して、隅角に相当する領域を注目領域として特定する。
図10において、注目部位である隅角をSiとすると、測定光LSを用いたBスキャン中に、注目部位Siに相当する領域AR2に測定光LSの投射位置があるとき広範囲低密度掃引モードで波長掃引を行い、領域AR2以外の領域AR1に測定光LSの投射位置があるとき狭範囲高密度掃引モードで波長掃引を行う。
図9Aに示すように狭範囲高密度掃引モードでは、狭い掃引範囲WR1において掃引間隔wp1で波長掃引された光が生成される。従って、狭範囲高密度掃引モードでは、広い範囲d10の低解像度の画像が取得される。一方、図9Bに示すように広範囲低密度掃引モードでは、広い掃引範囲WR0において掃引間隔wp2で波長掃引された光が生成される。従って、広範囲低密度掃引モードでは、狭い範囲d20の高解像度の画像が取得される。
以上説明したように、本変形例によれば、上記の実施形態と同様に、Bスキャン中に前眼部を全体的に位置や形状を確認したい部位について広範囲で低解像度の画像を取得し、前眼部の注目部位について狭い範囲で高解像度の画像を取得することができ、スキャン時間を短縮し、処理すべきデータ量を大幅に削減することが可能になる。
(第2変形例)
上記の実施形態又は第1変形例では、主として、波長掃引光源が、時間軸上において波長が直線的に(線形的に)変化する出射光を出力する場合について説明したが、実施形態に係る眼科装置の構成はこれに限定されるものではない。実施形態に係る波長掃引光源は、時間軸上において波長が直線的に(線形的に)変化する出射光を出力するものであってもよい。この場合、波長掃引光源は、出射光の波数に応じたタイミングで変化するクロックKCを生成する。画像形成部やデータ処理部は、波数リニア補正を行う必要がなくなり、処理負荷を軽減することができる。
[効果]
以下、実施形態の効果について説明する。
実施形態に係る眼科装置(1)は、スウェプトソースOCTを用いて被検眼(E)のデータを収集する。眼科装置は、干渉光学系(図2のファイバカプラ106、112、検出器150など)と、光スキャナ(44)と、取得部(DAQ160)とを含む。干渉光学系は、掃引範囲及び掃引間隔の少なくとも一方がAスキャン単位で異なる掃引条件で波長掃引された光(L0)を測定光(LS)と参照光(LR)とに分割し、測定光を被検眼に投射し、被検眼からの測定光の戻り光と参照光との干渉光(LC)を検出する。光スキャナは、測定光を偏向する。取得部は、波長掃引のタイミングに応じて干渉光の検出結果を取得する。
このような構成によれば、掃引範囲及び掃引間隔の少なくとも一方がAスキャン単位で異なる掃引条件で波長掃引された光に基づく測定光で被検眼Eをスキャンするようにしたので、Aスキャン単位で計測範囲や計測精度が異なるBスキャンを実行することができる。それにより、Bスキャン中に広範囲で低い計測精度でOCT計測を行い、狭い範囲で高い計測精度でOCT計測を行うことができ、測定時間を短縮しつつ注目領域を高精細に測定するための新たな技術を提供することが可能になる。
また、実施形態に係る眼科装置は、掃引範囲及び掃引間隔の少なくとも一方が変更可能な波長掃引光源(121)を制御する制御部(210)を含み、干渉光学系は、波長掃引光源からの光を測定光と参照光とに分割してもよい。
このような構成によれば、波長掃引光源を制御することによりAスキャン単位で掃引範囲や掃引間隔を変更することが可能な眼科装置を提供することができるようになる。
また、実施形態に係る眼科装置では、制御部は、被検眼における測定光の投射位置が第1部位(注目部位以外の部位)に相当する領域に含まれるとき第1掃引範囲を第1掃引間隔で波長を掃引するように波長掃引光源を制御し、投射位置が第2部位(注目部位)に相当する領域に含まれるとき第2掃引範囲を第2掃引間隔で波長を掃引するように波長掃引光源を制御してもよい。
このような構成によれば、Bスキャン中に測定光の投射位置に応じて、広範囲で低い計測精度でOCT計測を行ったり、狭い範囲で高い計測精度でOCT計測を行ったりすることができ、スキャン時間を短縮し、処理すべきデータ量を大幅に削減することが可能になる。
また、実施形態に係る眼科装置では、第2掃引範囲は第1掃引範囲より広く、かつ、第2掃引間隔は第1掃引間隔より広くてよい。
このような構成によれば、第1部位について広い範囲で低い計測精度でOCT計測を行い、第2部位について狭い範囲で高い計測精度でOCT計測を行うことが可能となり、スキャン時間を短縮し、処理すべきデータ量を大幅に削減することが可能になる。
また、実施形態に係る眼科装置は、被検眼の正面画像を取得するための撮影光学系(30)と、撮影光学系を用いて取得された正面画像から第2部位に相当する領域を特定する特定部(画像形成部220又はデータ処理部230)と、を含み、制御部は、特定部による特定結果に基づいて波長掃引光源を制御してもよい。
このような構成によれば、正確に特定された注目部位に対して測定時間を短縮しつつ高精細に測定することが可能な眼科装置を提供することができるようになる。
また、実施形態に係る眼科装置は、波長掃引光源を含んでもよい。
このような構成によれば、波長掃引光源を内蔵し、スウェプトソースOCTにおいて測定時間を短縮しつつ注目領域を高精細に測定することが可能な眼科装置を提供することができるようになる。
また、実施形態に係る眼科装置は、取得部により取得されたデータに基づいて被検眼の画像を形成する画像形成部(220)を含んでもよい。
このような構成によれば、スウェプトソースOCTにおいて測定時間を短縮しつつ注目領域について高精細な画像を形成することが可能な眼科装置を提供することができるようになる。
また、実施形態に係るデータ収集方法は、スウェプトソースOCTを用いて被検眼(E)のデータを収集するデータ収集方法である。データ収集方法は、検出ステップと、偏向ステップと、取得ステップとを含む。検出ステップは、掃引範囲及び掃引間隔の少なくとも一方がAスキャン単位で異なる掃引条件で波長掃引された光(L0)を測定光(LS)と参照光(LR)とに分割し、測定光を被検眼に投射し、被検眼からの測定光の戻り光と参照光との干渉光(LC)を検出する。偏向ステップは、測定光を偏向する。取得ステップは、波長掃引のタイミングに応じて干渉光の検出結果を取得する。
このような構成によれば、掃引範囲及び掃引間隔の少なくとも一方がAスキャン単位で異なる掃引条件で波長掃引された光に基づく測定光で被検眼Eをスキャンするようにしたので、Aスキャン単位で計測範囲や計測精度が異なるBスキャンを実行することができる。それにより、Bスキャン中に広範囲で低い計測精度でOCT計測を行い、狭い範囲で高い計測精度でOCT計測を行うことができ、測定時間を短縮しつつ注目領域を高精細に測定するための新たな技術を提供することが可能になる。
また、実施形態に係るデータ収集方法は、検出ステップでは、被検眼における測定光の投射位置が第1部位(注目部位以外の部位)に相当する領域に含まれるとき第1掃引範囲を第1掃引間隔で波長を掃引し、投射位置が第2部位(注目部位)に相当する領域に含まれるとき第2掃引範囲を第2掃引間隔で波長を掃引してもよい。
このような構成によれば、Bスキャン中に測定光の投射位置に応じて、広範囲で低い計測精度でOCT計測を行ったり、狭い範囲で高い計測精度でOCT計測を行ったりすることができ、スキャン時間を短縮し、処理すべきデータ量を大幅に削減することが可能になる。
また、実施形態に係るデータ収集方法では、第2掃引範囲は第1掃引範囲より広く、かつ、第2掃引間隔は第1掃引間隔より広くてもよい。
このような構成によれば、第1部位について広い範囲で低い計測精度でOCT計測を行い、第2部位について狭い範囲で高い計測精度でOCT計測を行うことが可能となり、スキャン時間を短縮し、処理すべきデータ量を大幅に削減することが可能になる。
(その他の変形例)
以上に説明した構成は、この発明を好適に実施するための一例に過ぎない。よって、この発明の要旨の範囲内における任意の変形(省略、置換、付加等)を適宜に施すことが可能である。
上記の実施形態又はその変形例では、波長又は波数が昇順又は降順に変化する場合について説明したが、波長又は波数が変化する順序に限定されるものではなく、波長又は波数が変化する順序は任意である。
上記の実施形態またはその変形例を実現するためのコンピュータプログラムを、コンピュータによって読み取り可能な任意の記録媒体に記憶させることができる。この記録媒体としては、例えば、半導体メモリ、光ディスク、光磁気ディスク(CD−ROM/DVD−RAM/DVD−ROM/MO等)、磁気記憶媒体(ハードディスク/フロッピー(登録商標)ディスク/ZIP等)などを用いることが可能である。
また、インターネットやLAN等のネットワークを通じてこのプログラムを送受信することも可能である。
1 眼科装置
2 眼底カメラユニット
3 表示装置
10 照明光学系
30 撮影光学系
31 合焦レンズ
31A 合焦駆動部
41 光路長変更部
44 光スキャナ
50 アライメント光学系
60 フォーカス光学系
100 OCTユニット
120 光源ユニット
121 波長掃引光源
130 クロック生成光学系
141、150 検出器
160 DAQ
200 演算制御ユニット
210 制御部
211 主制御部
212 記憶部
220 画像形成部
230 データ処理部
240A 表示部
240B 操作部
E 被検眼
Ef 眼底
LS 測定光
LR 参照光
LC 干渉光

Claims (10)

  1. スウェプトソースOCTを用いて被検眼のデータを収集する眼科装置であって、
    掃引範囲及び掃引間隔の少なくとも一方がAスキャン単位で異なる掃引条件で波長掃引された光を測定光と参照光とに分割し、前記測定光を前記被検眼に投射し、前記被検眼からの前記測定光の戻り光と前記参照光との干渉光を検出する干渉光学系と、
    前記測定光を偏向する光スキャナと、
    前記波長掃引のタイミングに応じて前記干渉光の検出結果を取得する取得部と、
    を含む眼科装置。
  2. 前記掃引範囲及び前記掃引間隔の少なくとも一方が変更可能な波長掃引光源を制御する制御部を含み、
    前記干渉光学系は、前記波長掃引光源からの光を前記測定光と前記参照光とに分割する
    ことを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
  3. 前記制御部は、前記被検眼における前記測定光の投射位置が第1部位に相当する領域に含まれるとき第1掃引範囲を第1掃引間隔で波長を掃引するように前記波長掃引光源を制御し、前記投射位置が第2部位に相当する領域に含まれるとき第2掃引範囲を第2掃引間隔で波長を掃引するように前記波長掃引光源を制御する
    ことを特徴とする請求項2に記載に眼科装置。
  4. 前記第2掃引範囲は前記第1掃引範囲より広く、かつ、前記第2掃引間隔は前記第1掃引間隔より広い
    ことを特徴とする請求項3に記載の眼科装置。
  5. 前記被検眼の正面画像を取得するための撮影光学系と、
    前記撮影光学系を用いて取得された前記正面画像から前記第2部位に相当する領域を特定する特定部と、
    を含み、
    前記制御部は、前記特定部による特定結果に基づいて前記波長掃引光源を制御する
    ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の眼科装置。
  6. 前記波長掃引光源を含む
    ことを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれか一項に記載の眼科装置。
  7. 前記取得部により取得されたデータに基づいて前記被検眼の画像を形成する画像形成部を含む
    ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の眼科装置。
  8. スウェプトソースOCTを用いて被検眼のデータを収集するデータ収集方法であって、
    掃引範囲及び掃引間隔の少なくとも一方がAスキャン単位で異なる掃引条件で波長掃引された光を測定光と参照光とに分割し、前記測定光を前記被検眼に投射し、前記被検眼からの前記測定光の戻り光と前記参照光との干渉光を検出する検出ステップと、
    前記測定光を偏向する偏向ステップと、
    前記波長掃引のタイミングに応じて前記干渉光の検出結果を取得する取得ステップと、
    を含むデータ収集方法。
  9. 前記検出ステップでは、前記被検眼における前記測定光の投射位置が第1部位に相当する領域に含まれるとき第1掃引範囲を第1掃引間隔で波長を掃引し、前記投射位置が第2部位に相当する領域に含まれるとき第2掃引範囲を第2掃引間隔で波長を掃引する
    ことを特徴とする請求項8に記載のデータ収集方法。
  10. 前記第2掃引範囲は前記第1掃引範囲より広く、かつ、前記第2掃引間隔は前記第1掃引間隔より広い
    ことを特徴とする請求項9に記載のデータ収集方法。
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