JP2022108178A - 操舵機能付ハブユニット、操舵システムおよびそれを備えた車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】転舵軸やハブベアリングの軌道輪を有するアウターリングの製造時における材料歩留まり、加工時の作業性および加工精度の向上を図ることができる操舵機能付ハブユニットを提供する。【解決手段】操舵機能付ハブユニット1は、車輪10を回転支持するハブベアリング8と、ハブベアリング8の外輪12の外周面に設けられたアウターリング22と、アウターリング22の外面から上方および下方に延びる筒状の転舵軸部24と、転舵軸部24の軸心AX回りにハブベアリング8を回転させる操舵用アクチュエータ4と、回転支持部材26を介して転舵軸部24の軸心AX回りに回転自在にハブベアリング8を車体に対して支持するユニット支持部材6と、アウターリング22から車両後方に突出し、操舵用アクチュエータ4が連結されるアーム部28とを備えている。アーム部28はアウターリング22と別部材で構成され、アーム部28とアウターリング22が結合されている。【選択図】図1

Description

この発明は、車輪の操舵を左右輪独立で行う機能を備えた操舵機能付ハブユニットおよび車両に関する。
一般的な自動車等の車両では、ハンドルとステアリング装置が機械的に接続され、ステアリング装置の両端はタイロッドによって左右輪にそれぞれつながっている。そのため、ハンドルの動きによる左右輪の切れ角度は初期の設定によって決まる。車両のジオメトリには、(1)左右輪の切れ角度が同じである「パラレルジオメトリ」と、(2)旋回中心を1箇所にするために旋回内輪車輪角度を旋回外輪車輪角度よりも大きく切る「アッカーマンジオメトリ」が知られている。
アッカーマンジオメトリは、車両に作用する遠心力を無視できるような低速域での旋回において車輪をスムースに旋回させるために、各輪が共通の一点を中心として旋回するように左右輪の舵角差を設定している。しかしながら、遠心力を無視できない高速域の旋回においては、車輪は遠心力とつり合う方向にコーナリングフォースを発生させることが望ましいので、アッカーマンジオメトリよりもパラレルジオメトリとすることが好ましい。
上述のように、一般的な車両の操舵装置は機械的に車輪と接続されているので、一般的には固定された単一のステアリングジオメトリしか取ることができないから、アッカーマンジオメトリとパラレルジオメトリとの中間的なジオメトリに設定されることが多い。しかしながら、この場合、低速域では左右輪の舵角差が不足して外輪の舵角が過大となり、高速域では内輪の舵角が過大となる。このように内外輪の車輪横力配分に不要な偏りがあると、走行抵抗の悪化による燃費悪化および車輪の早期摩耗の原因となる。また、内外輪を効率的に利用できないことによって、コーナリングのスムースさが損なわれるといった課題がある。これらを踏まえて、様々な装置が提案されている(例えば、特許文献1~5)。
特開2009-226972号公報 ドイツ特許公開102012206337公報 特開2014-061744号公報 特開2019-059385号公報 特開2020-131746号公報
特許文献1~3の装置では、ステアリングジオメトリを変更させることができるが、つぎのような課題がある。
特許文献1の装置では、ナックルアームとジョイント位置を相対的に変化させてステアリングジオメトリを変化させている。このような部分で車両のジオメトリを変化させるほどの大きな力を得るモータアクチュエータを備えることは、空間の制約上、非常に困難である。また、この位置での変化による車輪角の変化が小さく、大きな効果を得るには、大きく変化させる、つまり大きく動かす必要がある。
特許文献2の装置では、モータが2つ用いられているので、モータ個数の増大によるコスト増が生じるうえ、制御が複雑になる。
特許文献3の装置は、四輪独立操舵の車両にしか適用できない。また、転舵軸に対しハブベアリングが片持ち支持されているので、剛性が低下し、過大な走行Gの発生によってステアリングジオメトリが変化してしまう可能性がある。さらに、転舵軸上に減速機を設けた場合、大きな動力が必要となる。このため、モータが大きくなるが、モータが大きくなると車輪の内周部に全体を配置することが困難となる。減速比の大きい減速機を設けた場合、応答性が悪化する。
このように、従来の操舵機能を備えた機構は、車両において車輪のトー角度やキャンバー角度を任意に変更することを目的としているので、構成が複雑になっている。また、剛性を確保することが困難であり、剛性を確保するためには大形化する必要があり高重量化する。キングピン軸と転舵軸が一致する場合は、構成部品がハブユニットの後方(車体側)に配置され、全体のサイズが大きくなり高重量化する。
このような課題を克服すべく、簡単な構造でありながら、十分な剛性を確保できる装置として、特許文献4,5のハブユニットが提案されている。特許文献4の操舵機能付ハブユニットでは、ハブベアリング部における操舵用アクチュエータが連結されるアーム部はアウターリングと一体に設けられている。アーム部は、転舵軸部と交差し、車両後方に大きく突出している。
特許文献5の操舵機能付ハブユニットでは、ハブベアリング部におけるアウターリングとハブベアリング外輪が一体化され、車輪の取付剛性の向上を図っている。しかしながら、特許文献5の操舵機能付ハブユニットにおいても、アーム部は、アウターリングと一体に設けられ、転舵軸部と交差して車両後方に大きく突出している。
このように特許文献4,5の操舵機能付ハブユニットでは、転舵軸を有するアウターリングに、転舵軸に交差し、かつ車両前方または後方に延びるアーム部が一体に形成されている。このアーム部に操舵用アクチュエータが連結され、ハブベアリング部に転舵トルクを与える。より大きな操舵トルクを生み出すには、アーム部はアウターリング中心部より一方向に大きく延びる必要がある。その結果、アウターリングは、転舵軸回りおよび車軸回りに非対称、且つ、一部分のみが細長く突出した形状となる。このため、製造時に除去部分が多くなり、材料歩留まりが悪い。
また、アーム部は転舵軸の軸線回りに対して回転非対称に突出する。このため、転舵軸の外径を旋盤、円筒研削盤で加工する際に、突出したアーム部が振れ回る。その結果、加工時の作業性が悪いうえに、加工時に被加工物が振動し、加工精度の向上が難しい。アウターリングとハブベアリング外輪を一体化して車輪の取付剛性の向上を図る場合も、前述の転舵軸と同様に、外輪軌道面の旋削加工、研削加工、超仕上加工の各工程において、加工時の作業性が悪い。しかも、突出したアーム部の振れ回りによる振動が、加工精度に影響する可能性もある。
この発明の目的は、転舵軸やハブベアリングの軌道輪を有するアウターリングの製造時における材料歩留まりの向上、加工時の作業性の向上および加工精度の向上を図ることができる操舵機能付ハブユニット、操舵システムおよびそれを備えた車両を提供することである。
この発明の操舵機能付ハブユニットは、車輪を回転支持するハブベアリングと、前記ハブベアリングの外輪の外周面に設けられたアウターリングと、前記アウターリングの外面から上方および下方に延びる筒状の転舵軸部と、前記転舵軸部の軸心回りに前記ハブベアリングを回転させる操舵用アクチュエータと、回転支持部材を介して転舵軸部の軸心回りに回転自在に前記ハブベアリングを車体に対して支持するユニット支持部材と、前記アウターリングから車両前方または後方に突出し、前記操舵用アクチュエータが連結されるアーム部とを備えている。前記アーム部は、正面視で、その一部が前記転舵軸部の軸心と重なっている。前記アーム部は前記アウターリングと別部材で構成され、前記アーム部と前記アウターリングが結合されている。
この発明の操舵機構付ハブユニットを前輪に適用した場合、ステアリング装置により運転者のハンドル操作で、車輪の方向がハブユニット全体とともに操舵されるが、この操舵に付加する形で転舵軸の軸心回りに僅かな角度の操舵を車輪毎に独立して行える。また、この発明の操舵機構付ハブユニットを後輪に適用した場合は、ハブユニット全体は操舵しないが、操舵機能により、前輪と同様に僅かな角度の操舵を車輪毎に独立して行える。この場合に、操舵用アクチュエータにより、ハブベアリングを補助転舵軸部の軸心回りに自由に回転させることができ、車両の走行状況に応じて、例えば車輪のトー角を任意に変更することができる。
また、旋回走行時に、走行速度に応じて左右輪の舵角差を変えることができる。例えば、高速域の旋回走行においてはパラレルジオメトリとし、低速域の旋回走行においてはアッカーマンジオメトリとするなど、走行中にステアリングジオメトリを変化させることができる。このように走行中に車輪角度を任意に変更することができるので、車両の運動性能、安定性が向上する。さらに、左右の操舵輪の操舵角度を適切に変えることで、旋回走行における車両の旋回半径を小さくし、小回り性能が向上する。さらに、直線走行時にも状況に応じてトー角度の量を調整することで、燃費を悪化させることなく、走行安定性を確保することができる。
操舵機能付ハブユニットでは、操舵用アクチュエータの伸縮運動がアーム部に伝達され、転舵軸を中心とする回転運動に変換することで操舵される。従来、アーム部はアウターリングと一体に形成されていたが、アウターリング製造時の材料歩留まり、加工時の作業性、加工精度等に改善の余地があった。
そこで、この発明では、転舵軸を有するアウターリングとアーム部とを別部材で構成し、両者が圧入、ボルト、溶接、カシメ等の手段で結合されている。この構造により、アウターリングの突出部が少なくなったことから、材料の無駄を削減でき、歩留まりの向上が期待できる。さらに、転舵軸に対して回転対称となるので、転舵軸の旋削ならびに円筒研削加工時に余分な突起物や振れ回りが無く、作業性の改善や加工精度の向上が期待できる。
さらに、補助転舵軸を有するアウターリングとハブベアリングの外輪を一体化し、アウターリングに外輪の軌道溝を直接設ける場合においても、ハブベアリングの軸線方向に対して、被加工物は回転対称となるため、転舵軸同様に作業性の改善や加工精度の向上が期待できる。
また、アーム部の長さや形状は、車種毎に操舵条件やレイアウト上の制約から様々であり、アウターリングの品番が増える要因となっていた。この発明のように、アウターリングとアーム部を別体とすることで、適用車両毎に長さや形状の異なるアーム部を複数設定し、アウターリングを共通化することができる。熱処理や研削、超仕上げなど、より工程が複雑で高い精度が要求されるアウターリングを共通化することで、品番が削減できる。一方で、アーム部は、鍛造やプレス等の塑性加工で製造することが可能となる。したがって、生産性の向上や原価低減が期待できる。
この発明の操舵機能付ハブユニットにおいて、前記アーム部は、ブレーキキャリパを取り付けるキャリパフランジ部と一体に形成され、前記アウターリングに相対回転不能に固定されていてもよい。さらに、前記アウターリングの外表面に径方向に突出する係止部が設けられ、前記キャリパフランジ部に、前記係止部に係合する凹部が設けられていてもよい。
この発明の操舵システムは、この発明の操舵機能付ハブユニットと、上位制御部の指令信号を受けてモータ電流指令信号を出力する制御部と、前記モータ電流指令信号に応じた電流を出力して前記操舵用アクチュエータを駆動する電源部とを備えている。
この発明の車両は、この発明の操舵機構付ハブユニットまたはこの発明の操舵システムを左右の前輪あるいは左右の後輪に装備している。
この発明の操舵機能付ハブユニットによれば、アウターリングの製造時における材料歩留まりの向上、加工時の作業性の向上および加工精度の向上を図ることができる。
この発明の第1実施形態に係る操舵機能付ハブユニットを示す斜視図である。 同操舵機能付ハブユニットを車輪の外側方から見た側面図である。 同操舵機能付ハブユニットを示す平面図である。 同操舵機能付ハブユニットを示す縦断面図である。 車両の足回りの構造を示す縦断面図である。 車両の足回りの構造を示す水平断面図である。 同操舵機能付ハブユニットを示す分解斜視図である 同操舵機能付ハブユニットのアーム部とアウターリングとの連結構造を示す側面図である。 同連結構造を示す斜視図である。
以下、この発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。本明細書において、「右」、「左」は、車両に操舵機能付ハブユニットが搭載された状態で、車両に乗車した運転者から見た「右」、「左」をいう。また、「前」「後」とは、車両の進行方向の「前」「後」をいう。さらに、「上」「下」とは、車両に搭載された状態の「上」「下」をいう。
図1はこの発明の第1実施形態に係る操舵機能付ハブユニットの斜視図で、図2は車輪側から見た側面図で、図3は上方から見た平面図である。操舵機能付ハブユニット1は、ハブベアリング部2と、操舵用アクチュエータ4と、ユニット支持部材6とを有している。この実施形態では、ユニット支持部材6は、懸架装置の一種であるナックルと一体に形成されている。ナックルと別部品で構成されたユニット支持部材6をナックルに固定してもよい。このユニット支持部材6により、ハブベアリング部2および操舵用アクチュエータ4が車体に支持される。
ハブベアリング部2は、ナックルの車輪側に配置されており、車輪10(図5)を回転支持するハブベアリング8を有している。図4に示すように、ハブベアリング8は、複列の転がり軸受で、外側軌道面12a,12aを有する外輪12と、一方(車輪側)の内側軌道面14aを有し車軸を形成するハブ輪14と、他方(車体側)の内側軌道面16aを有する内輪16と、外側軌道面12a,12aと内側軌道面14a,16aとの間に介在された転動体18を有している。転動体18は、例えば、ボールである。ハブ輪14は車輪取付フランジ14bを有し、ボルトのような締結部材20により車輪10(図5)が車輪取付フランジ14bに取り付けられている。
ハブベアリング部2は、さらに、外輪12の外周面に設けられた環状のアウターリング22を有している。この実施形態では、アウターリング22は外輪12と一体に形成されている。アウターリング22は、その外面から上方および下方に延びる筒状の転舵軸部24,24を有している。この実施形態では、各転舵軸部24,24は円筒形状である。2つの転舵軸部24,24は同芯に形成されている。つまり、2つの転舵軸部24,24は、上下方向に延びる共通の転舵軸AXを有する。
ハブベアリング部2の転舵軸部24に、回転支持部材26を介してユニット支持部材6が連結されている。この実施形態では、回転支持部材26としてテーパころ軸受が用いられている。つまり、ハブベアリング8は、ユニット支持部材6を介して転舵軸部24の軸心AX回りに回転自在に車体に対して支持されている。
通常の車両では、車両走行時の直進安定性の向上を目的として、キングピン角度が10~20度に設定されている。この実施形態の操舵機能付ハブユニット1は、キングピン軸とは別の転舵軸部24を有しており、ユニット支持部材6に対して転舵軸部24の軸心AX回りにハブユニット1が微小角度(±5°程度)転舵する。ただし、操舵機能付ハブユニットにおいて、車両制御の要求によっては、このような微小角度に限らず、例えば、10~20°程度の比較的大きな角度を左右輪個別にとることもある。
図6に示すように、ハブベアリング部2は、さらに、アウターリング22から車両の後方に突出するアーム部28を有している。図5に示すように、アーム部28は、車両の前方から見た正面視で、その一部が転舵軸部24の軸心AXと重なっている。この実施形態では、アーム部28の左右方向(車幅方向)の中心部が転舵軸部24の軸心AXに重なっている。これらハブベアリング8、アウターリング22、転舵軸部24およびアーム部28により、ハブベアリング部2が構成されている。
図6に示すアーム部28は、アウターリング22と別部材で構成され、アーム部28とアウターリング22が結合されている。アーム部28は、アウターリング22に相対回転不能に固定されている。この実施形態では、アーム部28は、アウターリング22に圧入嵌合されている。さらなる締結力が必要な場合は、ボルトによる締結、溶接、加締め等により固定してもよい。締結力を高めることで、より大きな転舵力やブレーキ力に耐えることが可能となる。アーム部28に、前述の操舵用アクチュエータ4が連結される。アーム部28と操舵用アクチュエータ4の連結構造の詳細は後述する。
この実施形態では、アーム部28は、ブレーキキャリパ29を固定するブレーキキャリパ取付部30と一体に形成されている。これにより、部品点数の増加や、締結箇所の増加を抑制している。図7に示すように、アーム部28とブレーキキャリパ取付部30が一体に形成され、キャリパフランジ部32を構成している。
図8Aおよび図8Bは、アウターリング22とアーム部28の締結部分を示す。アウターリング22の外表面に、左右方向(車幅方向)に延びる車軸Aの半径方向に突出する係止部34が設けられている。この実施形態では、係止部34は前後方向に延びる一対の係止部34が設けられている。
キャリパフランジ部32における係止部34に対応する位置に凹部36が設けられており、係止部34が凹部36に係合している。これにより、キャリパフランジ部32に対するアウターリング22の相対回転が規制される。したがって、ブレーキに大きな制動力が作用した場合でも、アウターリング22の係止部34とキャリパフランジ部32の凹部36が係合されることでブレーキ力を受け止め、確実な制動が行える。
アウターリング22には非対称な部分や大きく突出する部分が無いので、製造時の材料の歩留まりが大きく改善されている。また、アウターリング22の係止部34の突出量は小さく、加工時の回転軸に対して回転対称に設けられている。このため、アウターリング22加工時の作業性改善や精度向上が期待できる。
図4に示す操舵用アクチュエータ4は、ナックル6の車体側に配置され、転舵軸24の軸心AX回りにハブベアリング8を回転させる。図6に示すように、操舵用アクチュエータ4は、モータ38と、減速機40と、直動機構42とを有している。すなわち、モータ38の駆動力が減速機40で減速されたのち、直動機構42で回転運動が直線運動に変換されて出力される。ただし、減速機40はなくてもよい。この実施形態では、直動機構42として台形ねじが用いられている。直動機構42は、台形ねじに限定されず、例えば、ボールねじ、ラック&ピニオン機構等であってもよい。
図1に示すように、操舵用アクチュエータ4の先端(出力部)は、ハブベアリング部2のアーム部28に、リンク機構を有するジョイント44を介して連結されている。通常、ジョイント部周辺には、防水防塵のためにブーツが取り付けられるが、図示を省略している。このように、リンク機構を有するジョイント44を介して操舵用アクチュエータ4の出力部がアーム部28に連結されることで、アクチュエータ4の伸縮運動(直線運動)が転舵軸回りの回転運動に変換され、ハブベアリング部2が転舵される。この実施形態では、アクチュエータ4およびアーム部28は車軸から見て後方に設けられるが、前方に設けられてもよい。
操舵用アクチュエータ4は、制御装置60によりを制御される。制御装置60は、例えば、プログラムとこれを実装した演算装置からなる。制御装置60は、これに限定されず、電気回路あるいは電子回路であってもよい。操舵機能付ハブユニット1と制御装置60により、操舵システムSYが構成されている。制御装置60は、上位制御部62と、制御部64と、電源部66とを有している。
上位制御部62は、車両の状況に合わせて左右輪の操舵角指令信号S1を出力する。制御部64は、上位制御部62の指令信号S1を受けてモータ電流指令信号S2を出力する。電源部66は、モータ電流指令信号S2に応じた電流E1を出力して操舵用アクチュエータ4を駆動する。このように、指令信号S2に応じたモータ駆動電流E1を左右の操舵用アクチュエータ4のモータ38に出力することにより、ユニット支持部材6に対するハブベアリング部2の角度が任意に微小変化し、運動性能および燃費の向上が図られている。
この実施形態の操舵機能付ハブユニット1は、図6に示すステアリング装置45による操舵に付加して補助的な操舵を行う機能を備えた補助操舵機能付ハブユニットである。操舵機能付ハブユニット1にステアリング装置45が取り付けられるステアリング装置結合部48が設けられ、このステアリング装置結合部48にステアリング装置45がタイロッド50を介して連結されている。ステアリング装置45は、例えば、ラックピニオン式である。ステアリング装置45は、ラックピニオン式に限定されず、他の形式のステアリング装置であってもよい。
この実施形態では、ステアリング装置結合部48はユニット支持部材6に設けられている。ユニット支持部材6は、懸架装置のナックルと一体に設けられている。この実施形態の懸架装置は、ショックアブソーバー(図示せず)をナックル6に直接固定するストラット式サスペンション機構であるが、ダブルウイッシュボーン式、マルチリンク式等の他のサスペンション機構であってもよい。
このように、この実施形態の操舵機能付ハブユニット1は補助操舵機能付ハブユニットであり、運転者のハンドル操作(ステアリング装置45)によって車輪の舵角を操作することが可能である。ただし、本発明の操舵機能付ハブユニット1は、補助操舵機能付ハブユニットに限定されず、メインの操舵装置としても適用可能である。この場合、ステアリング装置45、タイロッド50およびステアリング装置結合部48が省略される。また、タイロッド50が連結される位置は車軸よりも前方(前引き)でも、車軸よりも後方(後引き)でもよい。
上記構成によれば、ハブユニット1内に車輪の回転軸とは異なる軸心AXを有する転舵軸部24が設けられ、この転舵軸部24でハブベアリング部2が回転可能に保持されている。また、ハブユニット1内に配置される、操舵用アクチュエータ4によって、この転舵軸心AX回りに回転作動させることが可能である。これによって、簡単な構造でハブユニット1に取り付けられた車輪のトー角度を任意に変更することができる。
車両の走行条件に応じて、左右の車輪を独立して角度を任意に変更することができる。このため、車両の運動性能を向上させ、安定・安全に走行することが可能となる。また、適切な車輪角度を設定することで燃費を改善することも可能となる。操舵機能付ハブユニット1では、操舵用アクチュエータ4の直線運動がハブベアリング部2のアーム部28に伝達され、転舵軸心AXを中心とする回転運動に変換されている。これにより、操作が実現されている。
従来、アーム部はアウターリングに一体に形成され、且つ、アウターリングの表面から非対称に大きく突出していた。このため、アウターリング製造時の材料歩留まり、加工時の作業性、加工精度等に改善の余地があった。上記構成では、転舵軸部24を有するアウターリング22と、アウターリング22の表面から突出するアーム部28が別部材で構成されている。これにより、突出部がより少なく、且つ、精密加工部位の回転軸に対して回転対称な形状にアウターリング22が形成される。その結果、製造時の材料歩留まり、加工時の作業性、加工精度等が改善された。
さらに、アーム部28の長さや形状は車種によって様々に異なるが、アウターリング22とアーム部28を別部材で構成しているので、アウターリングを共通化して品番を削減することができる。アウターリング22は、製造工程が複雑かつ高精度が要求されるので、アウターリング22が共通化されて品番を削減することで、生産性の向上や原価低減が期待できる。
本発明は、以上の実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。本発明の操舵機能付ハブユニットは前輪に限定されたものではなく、運転者のハンドル操作などに合わせて後輪を操舵する後輪操舵装置にも適用可能である。したがって、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
1 操舵機能付ハブユニット
2 ハブベアリング部
4 操舵用アクチュエータ
6 ユニット支持部材
8 ハブベアリング
10 車輪
12 外輪
22 アウターリング
24 転舵軸部
26 回転支持部材
28 アーム部
32 キャリパフランジ部
34 係止部
36 凹部
62 上位制御部
64 制御部
66 電源部
AX 転舵軸部の軸心
SY 操舵システム

Claims (6)

  1. 車輪を回転支持するハブベアリングと、
    前記ハブベアリングの外輪の外周面に設けられたアウターリングと、
    前記アウターリングの外面から上方および下方に延びる筒状の転舵軸部と、
    前記転舵軸部の軸心回りに前記ハブベアリングを回転させる操舵用アクチュエータと、
    回転支持部材を介して転舵軸部の軸心回りに回転自在に前記ハブベアリングを車体に対して支持するユニット支持部材と、
    前記アウターリングから車両前方または後方に突出し、前記操舵用アクチュエータが連結されるアーム部と、を備え、
    前記アーム部は、正面視で、その一部が前記転舵軸部の軸心と重なり、
    前記アーム部は前記アウターリングと別部材で構成され、前記アーム部と前記アウターリングが結合されている操舵機能付ハブユニット。
  2. 請求項1に記載の操舵機能付ハブユニットにおいて、前記アーム部は、ブレーキキャリパを取り付けるキャリパフランジ部と一体に形成され、前記アウターリングに相対回転不能に固定されている操舵機能付ハブユニット。
  3. 請求項1または2に記載の操舵機能付ハブユニットにおいて、前記アーム部は、ブレーキキャリパを取り付けるキャリパフランジ部と一体に形成され、
    前記アウターリングの外表面に径方向に突出する係止部が設けられ、
    前記キャリパフランジ部に、前記係止部に係合する凹部が設けられている操舵機能付ハブユニット。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の操舵機能付ハブユニットと、
    上位制御部の指令信号を受けてモータ電流指令信号を出力する制御部と、
    前記モータ電流指令信号に応じた電流を出力して前記操舵用アクチュエータを駆動する電源部と、
    を備える操舵システム。
  5. 請求項1から3のいずれか一項に記載の操舵機構付ハブユニットまたは請求項4に記載の操舵システムを左右の前輪に装備した車両。
  6. 請求項1から3のいずれか一項に記載の操舵機構付ハブユニットまたは請求項4に記載の操舵システムを左右の後輪に装備した車両。
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