JP2022107158A - 車両窓制御システム、及び車両窓制御方法 - Google Patents

車両窓制御システム、及び車両窓制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】感染リスクを抑制することが可能な車両窓制御システムを提供することである。【解決手段】本発明にかかる車両窓制御システム1は、車両の搭乗者の情報および車両の周辺の情報の少なくとも一方を取得する情報取得部10と、情報取得部10で取得した情報に基づいて感染リスクを推定する感染リスク推定部11と、感染リスク推定部11の推定結果に応じて車両の窓の開閉を制御する窓制御部12と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、車両窓制御システム、及び車両窓制御方法に関する。
犯罪や事故に巻き込まれることを抑制することを目的として、車両の窓を開閉する技術が開発されている。特許文献1には、車両状況に応じて車両の防犯レベルを増すことができる車両用ウインドウ制御システムに関する技術が開示されている。特許文献2には、窓やサンルーフを開放することが危険である場面を適切に認識して、これらの開放を抑制する車両窓制御装置に関する技術が開示されている。
特開2009-228240号公報 特開2008-68714号公報
上述したように、犯罪や事故に巻き込まれることを抑制することを目的として、車両の窓を開閉する技術が開発されている。しかしながら、感染症に対する感染リスクを抑制することを目的として、車両の窓の開閉を制御する技術については報告されていない。
上記課題に鑑み本発明の目的は、感染リスクを抑制することが可能な車両窓制御システム、及び車両窓制御方法を提供することである。
本発明にかかる車両窓制御システムは、車両の搭乗者の情報および車両の周辺の情報の少なくとも一方を取得する情報取得部と、前記情報取得部で取得した情報に基づいて感染リスクを推定する感染リスク推定部と、前記感染リスク推定部の推定結果に応じて前記車両の窓の開閉を制御する窓制御部と、を備える。
本発明にかかる車両窓制御方法は、車両の搭乗者の情報および車両の周辺の情報の少なくとも一方を取得し、前記取得した情報に基づいて感染リスクを推定し、前記感染リスクの推定結果に応じて前記車両の窓の開閉を制御する。
本発明により、感染リスクを抑制することが可能な車両窓制御システム、及び車両窓制御方法を提供することができる。
実施の形態1にかかる車両窓制御システムの構成例を示すブロック図である。 実施の形態1にかかる車両窓制御システムの動作を説明するためのフローチャートである。 実施の形態1にかかる車両窓制御システムの動作の一例を説明するための図である。 実施の形態1にかかる車両窓制御システムの動作の他の例を説明するための図である。 実施の形態2にかかる車両窓制御システムの動作を説明するためのフローチャートである。 実施の形態3にかかる車両窓制御システムをバスに用いた場合を説明するための図である。 実施の形態3にかかる車両窓制御システムの動作を説明するためのフローチャートである。
本発明にかかる車両窓制御システムは、車両の搭乗者の情報および車両の周辺の情報の少なくとも一方を取得する情報取得部と、情報取得部で取得した情報に基づいて感染リスクを推定する感染リスク推定部と、感染リスク推定部の推定結果に応じて車両の窓の開閉を制御する窓制御部と、を備えることを特徴としている。以下、本発明にかかる車両窓制御システムについて、実施の形態1~3を用いて詳細に説明する。
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1にかかる車両窓制御システムの構成例を示すブロック図である。図1に示すように、本実施の形態にかかる車両窓制御システム1は、情報取得部10、感染リスク推定部11、及び窓制御部12を備える。本実施の形態にかかる車両窓制御システム1は、典型的には乗用車、バス、鉄道車両、タクシー等の車両に搭載される。
情報取得部10は、車両の周辺の情報を取得するように構成されている。情報取得部10は、例えば、カメラ、マイク、LiDAR(Light Detection and Ranging)、ミリ波レーダ等を用いて構成することができる。情報取得部10は車両の周辺の情報として、車両の周辺、例えば車両から5m以内に存在する人物、二輪車を運転している人物、自車の周辺に存在する車両等に関する情報を取得することができる。また、情報取得部10は、車両の周辺に存在する人物がマスクを着用しているか否か、二輪車を運転している人物が被っているヘルメットにシールドがあるか否か、自車の周辺に存在する車両の窓が開いているか否かについて、情報を取得してもよい。言い換えると、情報取得部10は、車両の周辺に存在する人物の感染症に関する属性として、感染対策が為されている度合いに関する属性情報を取得しても良い。このような情報は、カメラで撮影した画像に対して画像認識処理を施すことで取得することができる。
更に情報取得部10は、車両の周辺に存在する人物の人数、会話の有無、会話の声量、顔の向き等に関する情報を取得してもよい。また、情報取得部10は、赤外線センサを用いて車両の周辺に存在する人物の体温に関する情報を取得してもよい。また、情報取得部10は、車両の周辺に存在する人物がくしゃみをしているか否か、咳をしているか否かについて、情報を取得してもよい。また、情報取得部10は、自車の周辺に存在する他車両の窓が開いているか否かについて情報を取得してもよい。言い換えると、情報取得部10は、感染症に関する属性として、車両の周辺に存在する人物がすでに感染している可能性や、感染を拡散させる可能性に関する属性情報を取得しても良い。このような情報は、カメラで撮影した画像に対して画像認識処理を施すことや、マイクで収音した音声に対して音声認識処理を施すこと、これらを複合させた処理によって取得することができる。更に情報取得部10は、車両間の通信、インターネット通信等により、周辺の車両の有無や渋滞情報等を取得してもよい。
感染リスク推定部11は、情報取得部10で取得した情報に基づいて感染リスクを推定する。ここで感染リスクとは、車両の周辺の人物から車両の搭乗者に感染する感染リスクであってもよく、また、車両の搭乗者が感染するリスクと車両の周辺の人物が感染するリスクの両方であってもよい。感染症は、ウィルスや細菌などの病原体が人の飛沫等によって拡散することで発生する。このため、会話をしている人やマスク・シールド等をしていない人、咳をしている人が周囲に存在する場合などに感染リスクが高くなる。また、周囲に人が存在していても、会話や咳をしていない場合やマスクをしている場合などには、感染リスクは相対的に低くなる。感染リスク推定部11は、病原体が拡散するリスク度合いに基づいて感染リスクを推定することができる。
例えば、感染リスク推定部11は、窓を開けた状態で走行している車両(自車)が停車した際、車両の周辺に人物が存在する場合に感染リスクが高いと推定することができる。ここで停車とは、例えば交差点の赤信号で車両が停車または停車するために車両速度が例えば5km/h以下などの所定値以下となる場合や、渋滞や細街路でのすれ違い等で車両速度が所定値以下となる場合、路上などに駐停車する場合および駐停車の前後に車両速度が所定値以下となる場合など、車両周囲に人が存在する可能性が高い場合を含む。このとき、感染リスク推定部11は、マスクを着用していない人物が車両の周辺に存在する場合に感染リスクが高いと推定してもよい。また、感染リスク推定部11は、シールドのないヘルメットを被っている人物が運転している二輪車が車両(自車)の周辺に存在する場合に感染リスクが高いと推定してもよい。また、感染リスク推定部11は、自車の周辺に存在する他車両の窓が開いている場合に感染リスクが高いと推定してもよい。
また、感染リスク推定部11は、車両の周辺に存在する人物の人数が所定の人数以上である場合に感染リスクが高いと推定してもよい。感染リスク推定部11は、車両の周辺に存在する人物が会話をしている場合に感染リスクが高いと推定してもよい。感染リスク推定部11は、車両の周辺に存在する人物の会話の声量が大きい場合に感染リスクが高いと推定してもよい。なお、会話の有無、声量については、マイクが収音した音声のレベルで判定してもよく、また、カメラで取得した画像に画像処理を施し、会話している人物の開口量の多寡に応じて推定してもよい。
感染リスク推定部11は、車両の周辺に存在する人物の顔の向きが車両を向いている場合に、車両の周辺に存在する人物の飛沫が車両方向に向けて拡散される可能性があるため、感染リスクが高いと推定してもよい。感染リスク推定部11は、車両の周辺に存在する人物の体温が所定値よりも高い場合に感染リスクが高いと推定してもよい。車両の周辺に存在する人物の体温は、赤外線センサを用いて取得することができる。
また、感染リスク推定部11は、車両の周辺に存在する人物がくしゃみをしている場合、または咳をしている場合に感染リスクが高いと推定してもよい。なお、上述した感染リスクが高いと推定する場合は一例であり、本実施の形態において感染リスク推定部11は他の感染症に関する属性の条件に基づいて、感染リスクが高いと推定してもよい。
窓制御部12は、感染リスク推定部11の推定結果に応じて車両の窓の開閉を制御するように構成されている。具体的には、窓制御部12は、感染リスク推定部11において感染リスクが高いと推定された場合、車両の窓を閉めるように制御する。このとき、窓制御部12は、車両の窓のうち感染リスクが存在する側の窓を閉めるように制御してもよい。例えば、車両の左側に感染リスクが存在する場合、窓制御部12は、車両の窓のうち左側の窓を閉めるように制御してもよい。
なお、本実施の形態において「車両の窓を閉める」とは、車両の窓を完全に閉める場合に限らず、車両の窓の開口部を狭くする場合も含むものとする。車両の窓の開口部を狭くする場合は、車両の搭乗者と車両周囲の人物との間の感染リスクを低減できる程度に車両の窓を閉めることが好ましい。
また、窓制御部12は、感染リスクの程度に応じて、車両の窓の開口度を制御するようにしてもよい。例えば、窓制御部12は、感染リスクの程度が高い場合、車両の窓を完全に閉めるように制御し、感染リスクの程度が中程度である場合、車両の窓の開口部が狭くなるように制御してもよい。
また、窓制御部12は、感染リスク推定部11において感染リスクが高いと推定された場合、車両の窓のうち感染リスクが存在する側の窓を閉め、感染リスクが存在しない側の窓を開けるように制御してもよい。例えば、車両の左側に感染リスクが存在する場合、窓制御部12は、車両の窓のうち左側の窓を閉めるとともに、右側の窓を開けるように制御してもよい。この場合は、車両の周囲に存在する感染リスクを回避することができるとともに、車両の内での換気を継続して実施することができる。窓を開けるように制御する場合、降雨や騒音、排気ガス等の条件を含めた制御とすることが好ましく、搭乗者の同意を、図示しない入力部から入力して条件に含めてもよい。
また、窓制御部12は、感染リスクが車両の左右両側に存在する場合、車両の左右両側の窓を閉めてもよい。また、窓制御部12は、感染リスクが車両の左右両側に存在する場合、車両の左右両側の窓の開口部が狭くなるように制御してもよく、この場合、オーディオ制御部(不図示)を用いて車両内のオーディオの音量を下げるようにしてもよい。これにより、車両の搭乗者と車両の周囲の人物との間の感染リスクを低減しつつ、車両周囲への音漏れを抑制することができる。
窓制御部12は、車両が走行を再開した際、再度、窓を開ける動作を実施してもよい。
次に、本実施の形態にかかる車両窓制御システムの動作について、図2に示すフローチャートを用いて説明する。本実施の形態にかかる車両窓制御システム1では、車両に搭乗している搭乗者同士の感染リスクを低減させるために、窓を開けた状態で走行している(ステップS1)。そして、窓を開けた状態で走行している車両(自車)が所定の位置に停車すると(ステップS2:Yes)、感染リスク推定部11は、情報取得部10で取得した情報に基づいて感染リスクを推定する。ここで所定の位置に停車する場合とは、例えば交差点の赤信号で車両が停車する場合である。
そして、感染リスク推定部11において感染リスクが高いと推定された場合(ステップS3:Yes)、窓制御部12は、車両の窓を閉めるように制御する(ステップS4)。なお、感染リスク推定部11において感染リスクが高いと推定される場合については上述した通りである。その後、車両が走行を再開すると(ステップS6:Yes)、窓制御部12は、再び窓を開ける動作を実施する(ステップS7)。
一方、感染リスク推定部11において感染リスクが高いと推定されない場合(ステップS3:No)、窓制御部12は、車両の窓を開けた状態を維持する(ステップS5)。その後、車両の窓を開けた状態を維持しながら車両が走行を再開する(ステップS8:Yes)。
図3は、本実施の形態にかかる車両窓制御システムの動作の一例を説明するための図である。図3に示すように、車両20は、車両20に搭乗している搭乗者同士の感染リスクを低減させるために、窓21を開けた状態で走行している。その後、車両20が所定の位置(停止線31の手前)に停車すると、感染リスク推定部11は、情報取得部10で取得した情報に基づいて感染リスクを推定する。図3に示す場合は、車両20の周辺に人物24が存在するので感染リスクが高いと推定される。したがって、窓制御部12は、人物24が存在する側の窓22を閉めるように制御する。
図4は、本実施の形態にかかる車両窓制御システムの動作の他の例を説明するための図である。図4では、片側2車線の道路を2台の車両20_1、20_2が走行している例を示している。図4に示すように、車両20_1は、車両20_1に搭乗している搭乗者同士の感染リスクを低減させるために、窓26を開けた状態で走行している。同様に、車両20_2は、車両20_2に搭乗している搭乗者同士の感染リスクを低減させるために、窓28を開けた状態で走行している。
その後、図4に示すように、車両20_1、20_2が所定の位置(停止線32の手前)に停車すると、感染リスク推定部11は、情報取得部10で取得した情報に基づいて感染リスクを推定する。図4に示す場合は、車両20_1の感染リスク推定部11は、自車20_1の周辺に存在する他車両20_2の窓が開いているので感染リスクが高いと推定する。したがって、車両20_1の窓制御部12は、他車両20_2が存在する側の窓27を閉めるように制御する。また、車両20_2の感染リスク推定部11は、自車20_2の周辺に存在する他車両20_1の窓が開いているので感染リスクが高いと推定する。したがって、車両20_2の窓制御部12は、他車両20_1が存在する側の窓29を閉めるように制御する。
以上で説明したように、本実施の形態にかかる車両窓制御システム1では、感染リスク推定部11は、情報取得部10で取得した情報に基づいて感染リスクを推定し、感染リスクが高い場合、窓制御部12は車両の窓を閉めるように制御している。したがって、感染リスクを抑制することが可能な車両窓制御システム、及び車両窓制御方法を提供することができる。
なお、本実施の形態にかかる車両窓制御システム1では、感染リスク推定部11の推定結果に応じて、車両に外気を導入する外気導入モードと車両内で空気を循環させる内気循環モードとを切り替える空調制御部(不図示)を更に備えていてもよい。例えば、空調制御部は、感染リスク推定部11において感染リスクが高いと推定された場合、内気循環モードに切り替えることで、車両内への外気の導入を行わないようにしてもよい。
また、感染リスク推定部11において感染リスクが高いと推定された場合、窓制御部12が車両の窓を閉めるように制御するとともに、空調制御部が外気導入モードに切り替えるようにしてもよい。この場合は、窓を閉めることで車両の周辺に存在する人物からの感染リスクを低減させつつ、窓以外の場所から外気を導入できるので、車両の周囲に存在する感染リスクを回避しつつ、車両内での換気を継続して実施することができる。
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
実施の形態2では、実施の形態1で説明した車両窓制御システムと比べて、情報取得部10(図1参照)が車両の搭乗者の情報を取得する点が異なる。これ以外の構成については実施の形態1で説明した場合と同様であるので、重複した説明は適宜省略する。
本実施の形態において、情報取得部10は、車両(自車)内の搭乗者の情報を取得するように構成されている。情報取得部10は、例えば、カメラ、マイク、各種センサ等を車両内に設けることで構成することができる。例えば、情報取得部10は、車両の搭乗者の人数、会話の有無、会話の声量、顔の向き等に関する情報を取得してもよい。また、情報取得部10は、赤外線センサを用いて車両の搭乗者の体温に関する情報を取得してもよい。また、情報取得部10は、車両の搭乗者がくしゃみをしているか否か、咳をしているか否かについて、情報を取得してもよい。また、情報取得部10は、車両内の酸素濃度や二酸化炭素濃度に関する情報を取得してもよい。
また、本実施の形態において感染リスク推定部11は、車両内における感染リスクを推定するように構成されている。具体的には、感染リスク推定部11は、車両内の酸素濃度が所定の基準値よりも低い場合に、換気が十分になされておらず、感染リスクが高いと推定してもよい。また、感染リスク推定部11は、車両内の二酸化炭素濃度が所定の基準値よりも高い場合に感染リスクが高いと推定してもよい。
また、感染リスク推定部11は、車両の搭乗者の人数が所定の人数以上である場合や、車両の搭乗者の人数が車両の定員に対して所定値以上の場合、つまり搭乗者同士が互いに距離を保てない場合に感染リスクが高いと推定してもよい。感染リスク推定部11は、車両の搭乗者が会話をしている場合に感染リスクが高いと推定してもよい。感染リスク推定部11は、車両の搭乗者の体温が所定値よりも高い場合に感染リスクが高いと推定してもよい。車両の搭乗者の体温は、赤外線センサを用いて取得することができる。
また、感染リスク推定部11は、車両の搭乗者がくしゃみをしている場合、または咳をしている場合に感染リスクが高いと推定してもよい。なお、上述した感染リスクが高いと推定する場合は一例であり、本実施の形態において感染リスク推定部11は他の条件に基づいて、感染リスクが高いと推定してもよい。
本実施の形態において窓制御部12は、感染リスク推定部11において感染リスクが高いと推定された場合、車両の窓を開けるように制御する。すなわち、窓制御部12は、車両内において感染リスクが高いと推定された場合、車両の窓を開けて換気をすることで、感染リスクを低減させる。このとき、窓制御部12は、感染リスクの原因となる、会話をしている、または、くしゃみや咳をしている搭乗者が座っている位置に対応する窓を選択的に開けるようにしてもよい。窓を開けるように制御する場合、降雨や騒音、排気ガス等の条件を含めた制御とすることが好ましく、搭乗者の同意を、図示しない入力部から入力して条件に含めてもよい。
次に、本実施の形態にかかる車両窓制御システムの動作について、図5に示すフローチャートを用いて説明する。本実施の形態では、車両は窓を閉じた状態で走行している(ステップS11)。そして、感染リスク推定部11において車両内における感染リスクが高いと推定された場合(ステップS12:Yes)、窓制御部12は、車両の窓を開けるように制御する(ステップS13)。なお、感染リスク推定部11において車両内の感染リスクが高いと推定される場合については上述した通りである。
以上で説明したように、本実施の形態にかかる車両窓制御システムでは、感染リスク推定部11は、情報取得部10で取得した情報に基づいて車両内における感染リスクを推定し、感染リスクが高い場合、窓制御部12は車両の窓を開けるように制御している。したがって、車両内における感染リスクを抑制することが可能な車両窓制御システム、及び車両窓制御方法を提供することができる。
なお、実施の形態2にかかる車両窓制御システムは、実施の形態1で説明した車両窓制御システムと組み合わせてもよい。すなわち、実施の形態2にかかる車両窓制御システムを用いて、車両内における感染リスクが高い場合に車両の窓を開けるように制御する。そして、実施の形態1にかかる車両窓制御システムを用いて、窓を開けた状態で走行している車両が所定の位置に停車した際、感染リスクが高いと推定された場合に車両の窓を閉めるように制御してもよい。
<実施の形態3>
次に、本発明の実施の形態3について説明する。
実施の形態3では、本発明にかかる車両窓制御システムをバスや鉄道車両、タクシーなどの多くの搭乗者が乗車可能な車両に用いた場合について説明する。なお、実施の形態3にかかる車両窓制御システムについては、実施の形態1、2で説明した場合と同様であるので、重複した説明は適宜省略する。
図6は、本実施の形態にかかる車両窓制御システムをバスに用いた場合を説明するための図である。図6に示すようにバス40は、運転席41、搭乗者用の座席42、窓45を備える。
本実施の形態において情報取得部10(図1参照)は、バス(車両)40内の搭乗者の情報を取得するように構成されている。より詳しくは、情報取得部10は、バス(車両)40内の搭乗者の密集度を示す情報を取得するように構成されている。情報取得部10は、バス(車両)40内における各箇所ごとの搭乗者の密集度を示す情報を取得するように構成されてもよい。情報取得部10は、例えば、カメラ、マイク、各種センサ等を車両内に設けることで構成することができる。例えば、情報取得部10は、バス40の搭乗者の人数、会話の有無、顔の向き等に関する情報を取得してもよい。情報取得部10は、酸素濃度センサや二酸化炭素濃度センサを用いて車両内の酸素濃度が所定の基準値よりも低い箇所や、車両内の二酸化炭素濃度が所定の基準値よりも高い箇所に関する情報を取得しても良い。
また、本実施の形態において感染リスク推定部11は、バス40内における感染リスクを推定するように構成されている。具体的には、感染リスク推定部11は、バス40内において搭乗者が密集している箇所がある場合に、感染リスクが高いと推定する。例えば、感染リスク推定部11は、バス40内において2人以上の搭乗者が近接している場合に、感染リスクが高いと推定してもよい。感染リスク推定部11は、バス40内において搭乗者が密集している箇所を、情報取得部10が取得したカメラ、マイク、各種センサからの情報によって推定する。なお、このときの判断基準、すなわち密集している搭乗者の人数や、搭乗者同士の距離については、任意に設定することができる。
本実施の形態において窓制御部12は、感染リスク推定部11において感染リスクが高いと推定された場合、バス40の窓を開けるように制御する。例えば、窓制御部12は、感染リスク推定部11において感染リスクが高いと推定された場合、搭乗者が密集している箇所に対応する位置の窓を開けるように制御する。つまり、図6に示すように、バス40の中で搭乗者48が密集している箇所49がある場合、窓制御部12はバス40の窓45のうち、搭乗者48が密集している箇所49に対応する位置の窓46、47を開けるように制御する。これにより、搭乗者48が密集している箇所49の換気が促されてバス40内における感染リスクを低減させることができる。
次に、本実施の形態にかかる車両窓制御システムの動作について、図7に示すフローチャートを用いて説明する。本実施の形態では、まず、情報取得部10は、バス40の搭乗者の乗車位置に関する情報を取得する(ステップS21)。そして、感染リスク推定部11は、バス40内において搭乗者が密集している箇所がある場合(ステップS22)、感染リスクが高いと推定する。窓制御部12は、感染リスク推定部11において感染リスクが高いと推定された場合、搭乗者が密集している箇所に対応する位置の窓を開けるように制御する(ステップS23)。
以上で説明したように、本実施の形態にかかる車両窓制御システムでは、バス40の中で搭乗者48が密集している箇所49がある場合、窓制御部12はバス40の窓45のうち、搭乗者48が密集している箇所49に対応する位置の窓46、47を開けるように制御している。これにより、搭乗者48が密集している箇所49の換気が促されてバス40内における感染リスクを低減させることができる。
以上、本発明を上記実施の形態に即して説明したが、本発明は上記実施の形態の構成にのみ限定されるものではなく、本願特許請求の範囲の請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得る各種変形、修正、組み合わせを含むことは勿論である。
1 車両窓制御システム
10 情報取得部
11 感染リスク推定部
12 窓制御部
20、20_1、20_2 車両
21、22、26、27、28、29 窓
24 人物
40 バス
41 運転席
42 座席
45、46、47 窓
48 搭乗者

Claims (5)

  1. 車両の搭乗者の情報および前記車両の周辺の情報の少なくとも一方を取得する情報取得部と、
    前記情報取得部で取得した情報に基づいて感染リスクを推定する感染リスク推定部と、
    前記感染リスク推定部の推定結果に応じて前記車両の窓の開閉を制御する窓制御部と、を備える、
    車両窓制御システム。
  2. 前記情報取得部は、前記車両の周辺の情報として、前記車両の周辺の人物の存在を示す情報を取得し、
    前記感染リスク推定部は、窓を開けた状態で走行している車両が停車した際、前記車両の周辺に人物が存在する場合に感染リスクが高いと推定し、
    前記窓制御部は、前記感染リスク推定部において感染リスクが高いと推定された場合、前記車両の窓を閉めるように制御する、
    請求項1に記載の車両窓制御システム。
  3. 前記情報取得部は、前記車両の周辺の情報として、前記車両の周辺の人物の感染症に関する属性を示す情報を取得し、
    前記感染リスク推定部は、前記車両の周辺に存在する人物の感染症に関する属性に基づいて感染リスクを推定する、
    請求項1に記載の車両窓制御システム。
  4. 前記情報取得部は、前記車両の搭乗者の情報として、前記車両の搭乗者の密集度を示す情報を取得し、
    前記感染リスク推定部は、前記車両の内において搭乗者が密集している箇所がある場合に、感染リスクが高いと推定し、
    前記窓制御部は、前記感染リスク推定部において感染リスクが高いと推定された場合、前記搭乗者が密集している箇所に対応する位置の窓を開けるように制御する、
    請求項1に記載の車両窓制御システム。
  5. 車両の搭乗者の情報および前記車両の周辺の情報の少なくとも一方を取得し、
    前記取得した情報に基づいて感染リスクを推定し、
    前記感染リスクの推定結果に応じて前記車両の窓の開閉を制御する、
    車両窓制御方法。
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