以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号が用いられ、重複する説明は省略される。
まず、図1から図3を参照して、本実施形態における電子部品の構成を説明する。図1は、本実施形態における電子部品の概略図を示している。図2(a)から図2(c)は、電子部品の断面図を示している。図2(a)は、図1におけるA線に沿った断面図である。図2(b)は、図1におけるB線に沿った断面図である。図2(c)は、図1におけるC線に沿った断面図である。図3は、電子部品における各部材の位置関係を示す図である。電子部品1は、複数のチップ部品11,12と、支持部材13と、複数の係合導電部材15と、スペーサ16と、絶縁部材17と、を備えている。
本実施形態において、複数のチップ部品11,12は、Z軸方向に配列されている。複数のチップ部品11,12は、互いに離間している。複数のチップ部品11,12は、2つのコンデンサを含んでいる。各チップ部品11,12には、コンデンサ以外に、たとえば、インダクタ又は抵抗が用いられてもよい。複数のチップ部品11,12は、コンデンサ、インダクタ、及び、抵抗などの互いに異なる種類のチップ部品を含んでいてもよい。
各チップ部品11,12は、素体21と一対の端子電極22,23とを含んでいる。本実施形態において、素体21は、直方体形状を呈している。一対の端子電極22,23は、素体21の両端部にそれぞれ配置されており、互いに離間している。直方体形状には、角部及び稜線部が面取りされている直方体の形状、及び、角部及び稜線部が丸められている直方体の形状が含まれる。本実施形態において、一対の端子電極22,23は、X軸方向において互いに対向している。X軸方向とY軸方向とZ軸方向とは、互いに直交している。たとえば、端子電極22が第一端子電極に相当する場合、端子電極23は第二端子電極に相当する。
支持部材13は、複数のチップ部品11,12を支持している。支持部材13は、複数のチップ部品11,12のうち少なくとも1つの端子電極22,23から離間している。支持部材13は、互いに離間している一対の実装導電部材13a,13bを含んでいる。一対の実装導電部材13a,13bは、導電性を有している。実装導電部材13aと実装導電部材13bとには、電子部品1の動作状態において、互いに異なる電位が付与される。実装導電部材13a,13bは、たとえば、金属からなる。実装導電部材13a,13bの材料は、たとえば、銅、リン青銅、黄銅を含んでいる。たとえば、実装導電部材13aは第一実装導電部材に対応し、実装導電部材13bは第二実装導電部材に対応する。
各実装導電部材13a,13bは、実装部31と接続部32とを含んでいる。実装部31は、X軸方向及びY軸方向に延在している板形状を呈している。実装部31と接続部32とは、互いに連続している。実装部31は、互いに対向する一対の主面31a,31bを含んでいる。主面31aは、チップ部品11,12に面している。主面31bは、実装面31cを含んでいる。すなわち、実装面31cは、主面31aと反対側において、実装部31に形成されている。実装導電部材13aにおいて、実装部31は、接続部32の主面32bからX軸方向に延在している。実装導電部材13bにおいて、実装部31は、接続部32の主面32aからX軸方向に延在している。
支持部材13の接続部32は、各チップ部品11,12の端子電極22,23と電気的に接続される。実装導電部材13aの接続部32は、各チップ部品11,12の端子電極22と電気的に接続される。実装導電部材13bの接続部32は、各チップ部品11,12の端子電極23と電気的に接続される。接続部32は、実装面31cと交差する方向に延在している。本実施形態において、接続部32は、実装面31cと直交するZ軸方向に延在している。
各実装導電部材13a,13bの接続部32は、互いに対向する主面32a,32bを含んでいる。実装導電部材13aの主面32bと実装導電部材13bの主面32aとは、互いに対向している。実装導電部材13aの主面32bは、X軸方向において、各チップ部品11,12の端子電極22に対向している。複数のチップ部品11,12は、実装導電部材13aの接続部32に沿って配列されている。実装導電部材13bの主面32aは、X軸方向において、各チップ部品11,12の端子電極23に対向している。
たとえば、実装導電部材13aの接続部32は、チップ部品11,12の各々の端子電極22と離間している。実装導電部材13aの接続部32は、係合導電部材15に係合しており、係合導電部材15を介して各端子電極22と電気的に接続される。
たとえば、実装導電部材13aの接続部32は、係合導電部材15に係合する複数の筒部33,34を含んでいる。各筒部33,34は、実装導電部材13aの主面32aから突出している。実装導電部材13aの接続部32には、図2(a)に示されているように、チップ部品11,12の端子電極22に向かって開口する複数の開口部33a,34aが形成されている。開口部33aは筒部33に形成されており、開口部34aは筒部34に形成されている。各筒部33,34の開口部33a,34aには、接続部32をX軸方向に貫通する貫通孔35が形成されている。貫通孔35は、X軸方向から見て円形状を呈している。
たとえば、開口部33a,34aは、実装導電部材13aの接続部32にのみ配置されている。図2(b)に示されているように、実装導電部材13bの接続部32には、開口部33a,34aは形成されていない。実装導電部材13bの接続部32は、板形状を呈している。たとえば、各チップ部品11,12の端子電極23は、実装導電部材13bの主面32aにハンダによって接合されている。
複数の係合導電部材15は、支持部材13の接続部32に係合している。各係合導電部材15が、複数の筒部33,34のうち対応する筒部に係合している。各係合導電部材15は、接続部32に対して移動可能に設けられている。各係合導電部材15は、少なくとも1つのチップ部品11,12の端子電極22,23と実装導電部材13a,13bとの導通状態を切り替える。たとえば、各係合導電部材15は、第一状態と第二状態との間を遷移するように構成されている。第一状態において、各係合導電部材15は、実装導電部材13aとチップ部品11,12の端子電極22とを電気的に接続する。第二状態において、実装導電部材13aとチップ部品11,12の端子電極22とを電気的に接続しない。
各係合導電部材15は、延在部15aを含んでいる。各係合導電部材15の延在部15aは、対応する開口部33a,34aに挿入されている。たとえば、延在部15aは、円柱形状を呈している。たとえば、開口部33a,34aは、対応する端子電極22に向かって貫通するネジ穴であり、延在部15aは、このネジ穴に螺合するネジである。係合導電部材15は、たとえば、金属からなる。係合導電部材15の材料は、たとえば、銅、リン青銅、黄銅、鉄、ステンレス、アルミニウムを含んでいる。
各延在部15aは、開口部33a,34aの縁において実装導電部材13aの接続部32に接している。延在部15aは、対応する筒部33,34の貫通孔35の内面に接している。延在部15aは、上述した第一状態において実装導電部材13aと端子電極22とに接しており、上述した第二状態において実装導電部材13aと接し端子電極22から離間している。延在部15aは、実装導電部材13aの接続部32に接している状態において、X軸方向に移動する。延在部15aは、X軸方向に端子電極22に向かって移動することによって、対応する端子電極22に当接する。延在部15aは、先端15bと側面15cとを含んでいる。側面15cが貫通孔35の内面に接した状態において、先端15bが、X軸方向に端子電極22に向かって移動し、対応する端子電極22に当接する。
スペーサ16は、実装導電部材13aの接続部32と各チップ部品11,12の端子電極22との間に配置されている。スペーサは、絶縁性を有している。図1に示されているように、スペーサ16は、実装導電部材13aの接続部32と各チップ部品11,12の端子電極22とに挟まれている。スペーサ16は、実装導電部材13aの接続部32の主面32bと各チップ部品11,12の端子電極22とに接している。各チップ部品11,12の端子電極22と実装導電部材13aの主面32bとの距離は、スペーサ16を介して一定に保たれている。
スペーサ16は、図2(c)に示されているように、実装導電部材13aの接続部32から端子電極22まで連通する空間Sを形成している。空間Sは、貫通孔35に連通している。各係合導電部材15は、少なくとも上述した第一状態において、空間Sに位置している。図3は、端子電極22と係合導電部材15とスペーサ16との位置関係を示している。X軸方向から見て、端子電極22は、スペーサ16から露出している。空間Sは、スペーサ16と端子電極22と接続部32とによって画定されている。延在部15aの側面15cが貫通孔35の内面と接している状態において、延在部15aの先端15bが空間S内をX軸方向に移動する。本実施形態において、スペーサ16は、X軸方向からみて、U字形状を呈している。スペーサ16の材料は、たとえば、アルミナ、ガラスエポキシ、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂を含んでいる。
絶縁部材17は、互いに隣り合うチップ部品11,12の間に配置されている。絶縁部材17は、X軸方向及びY軸方向に延在する板形状を呈している。X軸方向における絶縁部材17の長さと、X軸方向における各チップ部品11,12の長さは同一である。絶縁部材17は、スペーサ16に接している。絶縁部材17は、実装導電部材13bの接続部32の主面32aに接している。絶縁部材17は、チップ部品11の端子電極22とチップ部品12の端子電極22とに挟まれている。絶縁部材17は、チップ部品11の端子電極23とチップ部品12の端子電極23とに挟まれている。チップ部品11の端子電極22,23とチップ部品12の端子電極22,23との距離は、絶縁部材17を介して一定に保たれている。絶縁部材17の材料は、たとえば、アルミナ、ガラスエポキシ、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂を含んでいる。
たとえば、各チップ部品11,12の端子電極22とスペーサ16とは、ハンダによって接合されている。この場合、たとえば、スペーサ16に導体部が形成され、端子電極22と導体部とがハンダによって接合されてもよい。この導体部は、たとえば、金属から成る金属部を含む。チップ部品11の端子電極22,23と絶縁部材17とは、ハンダによって接合されている。チップ部品12の端子電極22,23と絶縁部材17とは、ハンダによって接合されている。実装導電部材13aの接続部32の主面32bとスペーサ16とは、ハンダによって接合されている。各チップ部品11,12の端子電極23と実装導電部材13bの主面32aとはハンダによって接合されている。一対の実装導電部材13a,13bは、各チップ部品11,12及びスペーサ16を介して物理的に接続されている。換言すれば、一対の実装導電部材13a,13bは、各チップ部品11,12及びスペーサ16を介して物理的に一体に構成されている。この結果、実装導電部材13aの主面32bと実装導電部材13bの主面32aとの距離は、各チップ部品11,12及びスペーサ16を介して一定に保たれている。実装導電部材13aの主面32bと実装導電部材13bの主面32aとの距離は、スペーサ16及び絶縁部材17を介して一定に保たれている。
次に、図4及び図5を参照して、本実施形態の変形例における電子部品について説明する。図4及び図5は、それぞれ、本実施形態の変形例における電子部品の概略図である。各変形例は、概ね、上述した実施形態と類似又は同じである。図4に示されている電子部品1Aは、スペーサ16を備えず、絶縁部材17の代わりに絶縁部材47を備えている点において、上述した実施形態と相違する。図5に示されている電子部品1Bは、スペーサ16及び絶縁部材17を備えず、絶縁部材48を備えている点において、上述した実施形態と相違する。以下、上述した実施形態とこれらの変形例との相違点を主として説明する。
図4に示されている電子部品1Aは、絶縁部材47を備えている。絶縁部材47は、絶縁部材17と同様に、互いに隣り合うチップ部品11,12の間に配置されている。絶縁部材47は、X軸方向及びY軸方向に延在する板形状を呈している。X軸方向における絶縁部材47の長さは、X軸方向における各チップ部品11,12の長さよりも長い。
絶縁部材47は、チップ部品11の端子電極22とチップ部品12の端子電極22とに挟まれている。絶縁部材47は、チップ部品11の端子電極23とチップ部品12の端子電極23とに挟まれている。絶縁部材47は、実装導電部材13aの接続部32の主面32bと、実装導電部材13bの接続部32の主面32aとに接している。絶縁部材47の材料は、たとえば、絶縁部材17と同一である。
電子部品1Aにおいて、各チップ部品11,12の端子電極22と絶縁部材47とは、ハンダによって接合されている。チップ部品11の端子電極22,23と絶縁部材47とは、ハンダによって接合されている。チップ部品12の端子電極22,23と絶縁部材47とは、ハンダによって接合されている。実装導電部材13aの接続部32の主面32bと絶縁部材47とは、ハンダによって接合されている。実装導電部材13bの接続部32の主面32aと絶縁部材47とは、ハンダによって接合されている。一対の実装導電部材13a,13bは、絶縁部材47を介して物理的に接続されている。この結果、実装導電部材13aの主面32bと実装導電部材13bの主面32aとの距離は、絶縁部材47を介して一定に保たれている。各チップ部品11,12の端子電極23と実装導電部材13bの主面32aとが、接合されている。チップ部品11,12は、絶縁部材47に接合されている。この結果、各チップ部品11,12の端子電極22と実装導電部材13aの主面32bとの距離は、一定に保たれている。チップ部品11の端子電極22,23とチップ部品12の端子電極22,23との距離は、一定に保たれている。
図5に示されている電子部品1Bは、絶縁部材48を備えている。絶縁部材48は、実装導電部材13aの実装部31と実装導電部材13bの実装部31との間に配置されている。絶縁部材48は、X軸方向及びY軸方向に延在する板形状を呈している。X軸方向において、絶縁部材47の長さと、実装導電部材13aの実装部31が接続部32から実装導電部材13bに向かって延在している長さと、実装導電部材13bの実装部31が接続部32から実装導電部材13aに向かって延在している長さとの合計は、各チップ部品11,12の長さよりも長い。
絶縁部材48は、実装導電部材13aの実装部31と実装導電部材13bの実装部31とに挟まれている。絶縁部材48は、実装導電部材13aの実装部31と実装導電部材13bの実装部31とに接している。本変形例において、実装導電部材13aの実装部31と絶縁部材48とは、ハンダによって接合されている。実装導電部材13bの実装部31と絶縁部材48とは、ハンダによって接合されている。一対の実装導電部材13a,13bは、絶縁部材48を介して物理的に接続されている。この結果、実装導電部材13aの主面32bと実装導電部材13bの主面32aとの距離は、絶縁部材48を介して一定に保たれている。チップ部品11,12は、実装導電部材13bの主面32aに固定されている。この結果、各チップ部品11,12の端子電極22と実装導電部材13aの主面32bとの距離は、一定に保たれている。チップ部品11の端子電極22,23とチップ部品12の端子電極22,23との距離は、一定に保たれている。絶縁部材48の材料は、たとえば、絶縁部材17と同一である。
次に、図6から図8を参照して、本実施形態の別の変形例における電子部品について説明する。図6から図8は、それぞれ、本実施形態の変形例における電子部品の概略図である。各変形例は、概ね、図4に示した変形例と類似又は同じである。これらの変形例における電子部品1C,1D,1Eは、実装導電部材13a,13bに対する各チップ部品11,12の配置において、図4に示した変形例と相違する。以下、上述した実施形態及び図4に示した変形例に対する相違点を主として説明する。
図6に示されている電子部品1Cにおいて、チップ部品11は実装導電部材13bの主面32aにハンダによって接合されており、チップ部品12は実装導電部材13aの主面32bにハンダによって接合されている。実装導電部材13aの接続部32は、チップ部品11の端子電極22と離間しており、係合導電部材15を介してチップ部品11の端子電極22と電気的に接続される。実装導電部材13bの接続部32は、チップ部品12の端子電極23と離間しており、係合導電部材15を介してチップ部品12の端子電極23と電気的に接続される。
電子部品1Cにおいて、実装導電部材13aの接続部32は係合導電部材15に係合する筒部33を含んでおり、実装導電部材13bの接続部32は係合導電部材15に係合する筒部64を含んでいる。筒部33は実装導電部材13aの主面32aから突出し、筒部64は実装導電部材13bの主面32bから突出している。実装導電部材13aの接続部32には、チップ部品11の端子電極22に向かって開口する開口部33aが形成されている。実装導電部材13bの接続部32には、チップ部品12の端子電極23に向かって開口する開口部64aが形成されている。開口部33aは筒部33に形成されており、開口部64aは筒部64に形成されている。各筒部33,64の開口部33a,64aには、接続部32をX軸方向に貫通する貫通孔35が形成されている。貫通孔35は、X軸方向から見て円形状を呈している。
電子部品1Cにおいて、複数の係合導電部材15の各々が、複数の筒部33,64のうち対応する筒部に係合している。たとえば、実装導電部材13aに係合している係合導電部材15は、第一状態において、実装導電部材13aとチップ部品11の端子電極22とを電気的に接続し、第二状態において、実装導電部材13aとチップ部品11の端子電極22とを電気的に接続しないように構成されている。実装導電部材13bに係合している係合導電部材15は、第一状態において、実装導電部材13bとチップ部品12の端子電極23とを電気的に接続し、第二状態において、実装導電部材13bとチップ部品12の端子電極23とを電気的に接続しないように構成されている。
各係合導電部材15の延在部15aは、対応する開口部33a,64aに挿入されている。各延在部15aは、開口部33a,64aの縁において接続部32に接している。各延在部15aは、対応する筒部33,64の貫通孔35の内面に接している。開口部33aに挿入されている延在部15aは、上述した第一状態において実装導電部材13aとチップ部品11の端子電極22とに接しており、上述した第二状態において実装導電部材13aと接しチップ部品11の端子電極22から離間している。開口部33aに挿入されている延在部15aは、実装導電部材13aの接続部32に接している状態において、X軸方向に移動する。開口部33aに挿入されている延在部15aは、X軸方向にチップ部品11に向かって移動することによって、チップ部品11の端子電極22に当接する。
開口部64aに挿入されている延在部15aは、上述した第一状態において実装導電部材13bとチップ部品12の端子電極23とに接しており、上述した第二状態において実装導電部材13bと接しチップ部品12の端子電極23から離間している。開口部64aに挿入されている延在部15aは、実装導電部材13bの接続部32に接している状態において、X軸方向に移動する。開口部64aに挿入されている延在部15aは、X軸方向にチップ部品12に向かって移動することによって、チップ部品12の端子電極23に当接する。各延在部15aは、先端15bと側面15cとを含んでいる。側面15cが貫通孔35の内面に接した状態において、各延在部15aの先端15bは、対応する端子電極22,23に向かってX軸方向に移動し、対応する端子電極22,23に当接する。
電子部品1Cにおいて、一対の実装導電部材13a,13bは、絶縁部材47を介して物理的に接続されている。この結果、実装導電部材13aの主面32bと実装導電部材13bの主面32aとの距離は、絶縁部材47を介して一定に保たれている。チップ部品11の端子電極22と実装導電部材13aの主面32bとが、接合されている。チップ部品12の端子電極23と実装導電部材13bの主面32aとが、接合されている。チップ部品11,12は、絶縁部材47に接合されている。この結果、チップ部品11の端子電極22と実装導電部材13aの主面32bとの距離は、一定に保たれている。チップ部品12の端子電極23と実装導電部材13bの主面32aとの距離は、一定に保たれている。チップ部品11の端子電極22,23とチップ部品12の端子電極22,23との距離は、一定に保たれている。
図7に示されている電子部品1Dにおいて、チップ部品11,12は、一対の実装導電部材13a,13bの双方から離間している。実装導電部材13aの接続部32は、係合導電部材15を介してチップ部品11の端子電極22と電気的に接続される。実装導電部材13bの接続部32は、係合導電部材15を介してチップ部品11の端子電極23と電気的に接続される。実装導電部材13aの接続部32は、係合導電部材15を介してチップ部品12の端子電極22と電気的に接続される。実装導電部材13bの接続部32は、係合導電部材15を介してチップ部品12の端子電極23と電気的に接続される。
電子部品1Dにおいて、実装導電部材13aの接続部32は係合導電部材15に係合する複数の筒部33,34を含んでおり、実装導電部材13bの接続部32は係合導電部材15に係合する複数の筒部73,74を含んでいる。各筒部33,34は実装導電部材13aの主面32aから突出し、各筒部73,74は実装導電部材13bの主面32bから突出している。実装導電部材13aの接続部32には、チップ部品11の端子電極22に向かって開口する開口部33a,34aが形成されている。実装導電部材13bの接続部32には、チップ部品12の端子電極23に向かって開口する開口部73a,74aが形成されている。開口部33aは筒部33に形成されており、開口部34aは筒部34に形成されている。開口部73aは筒部73に形成されており、開口部74aは筒部74に形成されている。各筒部33,34,73,74の開口部33a,34a,73a,74aには、接続部32をX軸方向に貫通する貫通孔35が形成されている。貫通孔35は、X軸方向から見て円形状を呈している。
電子部品1Dにおいて、複数の係合導電部材15の各々が、複数の筒部33,34,73,74のうち対応する筒部に係合している。各係合導電部材15の延在部15aは、対応する開口部33a,34a,73a,74aに挿入されている。各延在部15aは、開口部33a,34a,73a,74aの縁において接続部32に接している。各延在部15aは、対応する筒部33,34,73,74の貫通孔35の内面に接している。開口部33a,34aに挿入されている延在部15aは、上述した第一状態において実装導電部材13aとチップ部品11,12の端子電極22とに接しており、上述した第二状態において実装導電部材13aと接しチップ部品11,12の端子電極22から離間している。開口部33a,34aに挿入されている延在部15aは、実装導電部材13aの接続部32に接している状態において、X軸方向に移動する。開口部33a,34aに挿入されている延在部15aは、X軸方向にチップ部品11,12に向かって移動することによって、チップ部品11,12の端子電極22に当接する。
開口部73a,74aに挿入されている延在部15aは、上述した第一状態において実装導電部材13bとチップ部品11,12の端子電極23とに接しており、上述した第二状態において実装導電部材13bと接しチップ部品11,12の端子電極23から離間している。開口部73a,74aに挿入されている延在部15aは、実装導電部材13bの接続部32に接している状態において、X軸方向に移動する。開口部73a,74aに挿入されている延在部15aは、X軸方向にチップ部品11,12に向かって移動することによって、チップ部品11,12の端子電極23に当接する。
電子部品1Dにおいて、一対の実装導電部材13a,13bは、絶縁部材47を介して物理的に接続されている。この結果、実装導電部材13aの主面32bと実装導電部材13bの主面32aとの距離は、絶縁部材47を介して一定に保たれている。チップ部品11,12は、絶縁部材47に接合されている。この結果、チップ部品11,12の端子電極22と実装導電部材13aの主面32bとの距離は、一定に保たれている。チップ部品11,12の端子電極23と実装導電部材13bの主面32aとの距離は、一定に保たれている。チップ部品11の端子電極22,23とチップ部品12の端子電極22,23との距離は、一定に保たれている。
図8に示されている電子部品1Eにおいて、複数のチップ部品11,12のうち1つが実装導電部材13a、13bの双方に接している。電子部品1Dにおいて、チップ部品11は実装導電部材13a,13bのうち実装導電部材13bのみに接合されており、チップ部品12は実装導電部材13a,13bの双方に接合されている。チップ部品12は、係合導電部材15に接続されない。チップ部品11は、実装導電部材13aから離間しており、係合導電部材15を介して実装導電部材13aに電気的に接続される。
図8に示されている構成において、実装導電部材13a,13bの少なくとも一方が、対応するチップ部品11,12に向かって突出する突出部75を含んでいる。たとえば、突出部75は、実装導電部材13aの主面32bからX軸方向に突出している。チップ部品12の端子電極22は突出部75に接合されており、チップ部品12の端子電極23は実装導電部材13bの主面32aに接合されている。
次に、電子部品1,1A,1B,1C,1D,1Eの動作を説明する。電子部品1,1A,1B,1C,1D,1Eでは、係合導電部材15の移動によって、並列に接続されるチップ部品の組み合わせが切り替えられる。たとえば、電子部品1において、チップ部品11の端子電極22に係合導電部材15が接している状態において、実装導電部材13a,13bを介してチップ部品11に電位が付与され得る。チップ部品12の端子電極22に係合導電部材15が接している状態において、実装導電部材13a,13bを介してチップ部品12に電位が付与され得る。チップ部品11の端子電極22に係合導電部材15が接し、かつ、チップ部品12の端子電極22に係合導電部材15が接している状態において、チップ部品11とチップ部品12とが実装導電部材13a,13bを介して並列に接続される。
上述した実施形態及び変形例において、電子部品1,1A,1B,1C,1D,1Eは、複数のチップ部品として、2つのコンデンサを備えている。電子部品1,1A,1B,1C,1D,1Eは、3つ以上のチップ部品を備えていてもよい。以下において、一例として、電子部品1が複数のチップ部品として4つのコンデンサを備え、係合導電部材15の移動によってコンデンサの並列接続の状態が切り替えられる場合の動作結果を説明する。図9、図10(a)、図10(b)、及び、図10(c)において、電子部品1は、互いに異なる電気的特性を有するチップ部品を備える。図9、図10(a)、図10(b)、及び、図10(c)は、電子部品1が互いに異なる静電容量を有する4つのコンデンサを備える場合の電気的特性を示している。
図9において、各コンデンサの電気的特性が示されている。データD1は、100pFの静電容量を有するコンデンサの電気的特性を示している。データD2は、10nFの静電容量を有するコンデンサの電気的特性を示している。データD3は、100nFの静電容量を有するコンデンサの電気的特性を示している。データD4は、1μFの静電容量を有するコンデンサの電気的特性を示している。
図10(a)から図10(c)において、図9に示されている電気的特性を有する各コンデンサの実装導電部材13a,13bに対する接続状態が係合導電部材15によって切り替えられた場合の電気的特性が示されている。図10(a)は、4つのコンデンサの全てが係合導電部材15によって実装導電部材13a及び実装導電部材13bに電気的に接続された場合における電子部品1の電気的特性を示している。たとえば、4つのコンデンサの全ての端子電極22が係合導電部材15を介して実装導電部材13aに電気的に接続され、4つのコンデンサの全ての端子電極23が係合導電部材15を介して実装導電部材13bに電気的に接続される。この結果、4つのコンデンサの全てが並列に接続された場合の電気的特性が確認された。
図10(b)は、1μFのコンデンサ以外の3つのコンデンサが係合導電部材15によって実装導電部材13a及び実装導電部材13bに電気的に接続された場合における電子部品1の電気的特性を示している。換言すれば、係合導電部材15の移動によって、実装導電部材13a,13bの少なく一方と1μFのコンデンサとの電気的な接続が切断され、100nFのコンデンサ、10nFのコンデンサ、及び、100pFのコンデンサは実装導電部材13a及び実装導電部材13bに電気的に接続されている。たとえば、100nFのコンデンサ、10nFのコンデンサ、及び、100pFのコンデンサの端子電極22が係合導電部材15を介して実装導電部材13aに電気的に接続され、100nFのコンデンサ、10nFのコンデンサ、及び、100pFのコンデンサの端子電極23が係合導電部材15を介して実装導電部材13bに電気的に接続される。この結果、100nFのコンデンサ、10nFのコンデンサ、及び、100pFのコンデンサが並列に接続された場合の電気的特性が確認された。
図10(c)は、10nFのコンデンサ以外の3つのコンデンサが係合導電部材15によって実装導電部材13a及び実装導電部材13bに電気的に接続された場合における電子部品1の電気的特性を示している。換言すれば、係合導電部材15の移動によって、実装導電部材13a,13bの少なく一方と10nFのコンデンサとの電気的な接続が切断され、1μFのコンデンサ、100nFのコンデンサ、及び、100pFのコンデンサは実装導電部材13a及び実装導電部材13bに電気的に接続されている。たとえば、1μFのコンデンサ、100nFのコンデンサ、及び、100pFのコンデンサの端子電極22が係合導電部材15を介して実装導電部材13aに電気的に接続され、1μFのコンデンサ、100nFのコンデンサ、及び、100pFのコンデンサの端子電極23が係合導電部材15を介して実装導電部材13bに電気的に接続される。この結果、1μFのコンデンサ、100nFのコンデンサ、及び、100pFのコンデンサが並列に接続された場合の電気的特性が確認された。このように、複数種の静電容量を有しているコンデンサの並列接続の状態の切替によって、各電子部品1,1A,1B,1C,1D,1Eの全体の電気的特性が調整され得る。
図11において、電子部品は、互いに同じ電気的特性を有するチップ部品を備える。たとえば、電子部品は、同一の静電容量を有する4つのコンデンサを備える。図11は、4つの10μFのコンデンサを備える電子部品1において、各コンデンサの実装導電部材13a,13bに対する接続状態が係合導電部材15によって切り替えられた場合の電気的特性を示している。データD5は、1つのコンデンサのみが係合導電部材15によって実装導電部材13a及び実装導電部材13bに電気的に接続された場合における電子部品1の電気的特性を示している。データD6は、2つのコンデンサのみが係合導電部材15によって実装導電部材13a及び実装導電部材13bに電気的に並列に接続された場合における電子部品1の電気的特性を示している。データD7は、3つのコンデンサのみが係合導電部材15によって実装導電部材13a及び実装導電部材13bに電気的に並列に接続された場合における電子部品1の電気的特性を示している。データD8は、全てのコンデンサが係合導電部材15によって実装導電部材13a及び実装導電部材13bに電気的に並列に接続された場合における電子部品1の電気的特性を示している。このように、複数種の静電容量を有しているコンデンサの並列接続の状態の切替によって、各電子部品1,1A,1B,1C,1D,1Eの全体の電気的特性が調整され得る。この場合、並列に接続されるコンデンサの数が増えるほど、各電子部品1,1A,1B,1C,1D,1Eの全体における平滑効果が向上する。
次に、図12を参照して、本実施形態のさらに別の変形例における電子部品について説明する。図12は、本実施形態の変形例における電子部品の概略図である。本変形例は、概ね、上述した実施形態及び変形例と類似又は同じである。図12に示されている電子部品1Fは、直列に接続するチップ部品の組み合わせの切替が可能な構成である点において、上述した実施形態と相違する。以下、上述した実施形態と本変形例との相違点を主として説明する。
図12に示されている電子部品1Fは、複数のチップ部品91,92,93,94と、支持部材13と、複数の係合導電部材15と、複数のスペーサ16a,16bと、複数の絶縁部材17a,17bとを備えている。チップ部品91,92は、Z軸方向に配列されている。チップ部品93,94は、Z軸方向に配列されている。チップ部品91,93は、Y軸方向に配列されている。チップ部品92,94は、Y軸方向に配列されている。複数のチップ部品91,92,93,94は、互いに離間している。たとえば、チップ部品91は第一チップ部品に対応し、チップ部品92は第二チップ部品に対応し、チップ部品93は第三チップ部品に対応し、チップ部品94は第四チップ部品に対応する。
複数のチップ部品91,92,93,94は、4つのコンデンサを含んでいる。各チップ部品91,92,93,94には、コンデンサ以外に、たとえば、インダクタ又は抵抗が用いられてもよい。複数のチップ部品91,92,93,94は、コンデンサ、インダクタ、及び、抵抗などの互いに異なる種類のチップ部品を含んでいてもよい。各チップ部品91,92,93,94は、上述した実施形態におけるチップ部品11,12と同様の構成を有しており、素体21と一対の端子電極22,23とを含んでいる。
電子部品1Fにおいて、支持部材13は、それぞれ離間している実装導電部材13aと実装導電部材13bと中継導電部材95とを含んでいる。実装導電部材13aの接続部32は、各チップ部品91,92の端子電極22に対向している。実装導電部材13aの接続部32は、チップ部品91,92の各々の端子電極22と離間しており、係合導電部材15を介して各端子電極22と電気的に接続される。実装導電部材13bの接続部32は、各チップ部品93,94の端子電極23に対向している。実装導電部材13bの接続部32は、チップ部品93,94の各々の端子電極23と離間しており、係合導電部材15を介して各端子電極23と電気的に接続される。
中継導電部材95は、実装導電部材13a,13bと同様に、実装部31と接続部32とを含んでいる。中継導電部材95の接続部32は、各チップ部品91,92の端子電極23、及び、各チップ部品93,94の端子電極22と電気的に接続されている。換言すれば、各チップ部品91,92の端子電極23は、中継導電部材95を介して、各チップ部品93,94の端子電極22と電気的に接続されている。中継導電部材95の主面32aは、各チップ部品91,92の端子電極23にハンダによって接合されている。中継導電部材95の主面32bは、各チップ部品93,94の端子電極22にハンダによって接合されている。中継導電部材95の材料は、たとえば、実装導電部材13a,13bと同一である。
電子部品1Fにおいて、実装導電部材13aの接続部32は、係合導電部材15に係合する複数の筒部33,34を含んでいる。実装導電部材13aの接続部32には、チップ部品91,92の端子電極22に向かって開口する複数の開口部33a,34aが形成されている。開口部33aは筒部33に形成されており、開口部34aは筒部34に形成されている。実装導電部材13bの接続部32は、係合導電部材15に係合する複数の筒部96,97を含んでいる。各筒部96,97は、実装導電部材13bの主面32bからX軸方向に突出している。実装導電部材13bの接続部32には、チップ部品93,94の端子電極23に向かって開口する複数の開口部96a,97aが形成されている。開口部96aは筒部96に形成されており、開口部97aは筒部97に形成されている。各筒部33,34,96,97の開口部33a,34a,96a,97aには、接続部32をX軸方向に貫通する貫通孔35が形成されている。貫通孔35は、X軸方向から見て円形状を呈している。
各係合導電部材15は、複数の筒部33,34,96,97のうち対応する筒部に係合している。各係合導電部材15は、少なくとも1つのチップ部品91,92,93,94の端子電極22,23と実装導電部材13a,13bとの導通状態を切り替える。たとえば、各係合導電部材15は、第一状態と第二状態との間を遷移するように構成されている。各係合導電部材15は、第一状態において、実装導電部材13aとチップ部品91,92の端子電極22とを電気的に接続し、第二状態において、実装導電部材13aとチップ部品91,92の端子電極22とを電気的に接続しないように構成されている。各係合導電部材15は、第一状態において、実装導電部材13bとチップ部品93,94の端子電極23とを電気的に接続し、実装導電部材13bとチップ部品93,94の端子電極23とを電気的に接続しないように構成されている。
各係合導電部材15の延在部15aは、対応する開口部33a,34a,96a,97aに挿入されている。各延在部15aは、開口部33a,34a,96a,97aの縁において接続部32に接している。延在部15aは、対応する筒部33,34,96,97の貫通孔35の内面に接している。開口部33a,34aに挿入されている延在部15aは、上述した第一状態において実装導電部材13aと端子電極22とに接しており、上述した第二状態において実装導電部材13aと接し端子電極22から離間している。開口部33a,34aに挿入されている延在部15aは、実装導電部材13aの接続部32に接している状態において、X軸方向に移動する。開口部33a,34aに挿入されている延在部15aは、X軸方向に端子電極22に向かって移動することによって、対応する端子電極22に当接する。
開口部96a,97aに挿入されている延在部15aは、上述した第一状態において実装導電部材13bと端子電極23とに接しており、上述した第二状態において実装導電部材13bと接し端子電極23から離間している。開口部96a,97aに挿入されている延在部15aは、実装導電部材13bの接続部32に接している状態において、X軸方向に移動する。開口部96a,97aに挿入されている延在部15aは、X軸方向に端子電極23に向かって移動することによって、対応する端子電極23に当接する。各延在部15aは、先端15bと側面15cとを含んでいる。側面15cが貫通孔35の内面に接した状態において、各延在部15aの先端15bが、X軸方向に端子電極22に向かって移動し、対応する端子電極22,23に当接する。
スペーサ16a,16bの各々は、スペーサ16と同一の構造を有している。スペーサ16aは、実装導電部材13aの接続部32と各チップ部品91,92の端子電極22との間に配置されている。図12に示されているように、スペーサ16aは、実装導電部材13aの接続部32と各チップ部品91,92の端子電極22とに挟まれている。スペーサ16aは、実装導電部材13aの主面32bと各チップ部品91,92の端子電極22とに接している。各チップ部品91,92の端子電極22と実装導電部材13aの主面32bとの距離は、スペーサ16aを介して一定に保たれている。スペーサ16aは、実装導電部材13aの接続部32からチップ部品91,92の端子電極22まで連通する空間Sを形成している。スペーサ16a,16bの材料は、たとえば、スペーサ16と同一である。
スペーサ16bは、実装導電部材13bの接続部32と各チップ部品93,94の端子電極23との間に配置されている。スペーサ16bは、実装導電部材13bの接続部32と各チップ部品93,94の端子電極23とに挟まれている。スペーサ16bは、実装導電部材13bの主面32aと各チップ部品93,94の端子電極23とに接している。各チップ部品93,94の端子電極23と実装導電部材13bの主面32aとの距離は、スペーサ16bを介して一定に保たれている。スペーサ16bは、実装導電部材13bの接続部32からチップ部品93,94の端子電極23まで連通する空間Sを形成している。
絶縁部材17a,17bの各々は、絶縁部材17と同一の構造を有している。絶縁部材17aは、互いに隣り合うチップ部品91,92の間に配置されている。X軸方向における絶縁部材17aの長さと、X軸方向における各チップ部品91,92の長さは同一である。絶縁部材17aは、スペーサ16aに接している。絶縁部材17aは、中継導電部材95の主面32aに接している。絶縁部材17aは、チップ部品91の端子電極22とチップ部品92の端子電極22とに挟まれている。絶縁部材17aは、チップ部品91の端子電極23とチップ部品92の端子電極23とに挟まれている。チップ部品91の端子電極22,23とチップ部品92の端子電極22,23との距離は、絶縁部材17aを介して一定に保たれている。絶縁部材17a,17bの材料は、たとえば、絶縁部材17と同一である。
絶縁部材17bは、互いに隣り合うチップ部品93,94の間に配置されている。X軸方向における絶縁部材17bの長さと、X軸方向における各チップ部品93,94の長さは同一である。絶縁部材17bは、スペーサ16bに接している。絶縁部材17bは、中継導電部材95の主面32bに接している。絶縁部材17bは、チップ部品93の端子電極22とチップ部品94の端子電極22とに挟まれている。絶縁部材17bは、チップ部品93の端子電極23とチップ部品94の端子電極23とに挟まれている。チップ部品93の端子電極22,23とチップ部品94の端子電極22,23との距離は、絶縁部材17bを介して一定に保たれている。
電子部品1Fにおいて、各チップ部品91,92の端子電極22とスペーサ16aとは、ハンダによって接合されている。チップ部品91,92の端子電極22,23と絶縁部材17aとは、ハンダによって接合されている。実装導電部材13aの主面32bとスペーサ16aとは、ハンダによって接合されている。各チップ部品91,92の端子電極23と中継導電部材95の主面32aとはハンダによって接合されている。実装導電部材13aと中継導電部材95とは、各チップ部品91,92及びスペーサ16aを介して物理的に接続されている。この結果、実装導電部材13aの主面32bと中継導電部材95の主面32aとの距離は、各チップ部品91,92及びスペーサ16aを介して一定に保たれている。実装導電部材13aの主面32bと中継導電部材95の主面32aとの距離は、スペーサ16a及び絶縁部材17aを介して一定に保たれている。
各チップ部品93,94の端子電極23とスペーサ16bとは、ハンダによって接合されている。チップ部品93,94の端子電極22,23と絶縁部材17bとは、ハンダによって接合されている。実装導電部材13bの主面32aとスペーサ16bとは、ハンダによって接合されている。各チップ部品93,94の端子電極22と中継導電部材95の主面32bとはハンダによって接合されている。実装導電部材13bと中継導電部材95とは、各チップ部品93,94及びスペーサ16bを介して物理的に接続されている。この結果、実装導電部材13bの主面32aと中継導電部材95の主面32bとの距離は、各チップ部品93,94及びスペーサ16bを介して一定に保たれている。実装導電部材13bの主面32aと中継導電部材95の主面32bとの距離は、スペーサ16b及び絶縁部材17bを介して一定に保たれている。
次に、電子部品1Fの動作を説明する。電子部品1Fでは、係合導電部材15の移動によって、直列に接続されるチップ部品の組み合わせが切り替えられる。たとえば、電子部品1Fにおいて、チップ部品91の端子電極22に係合導電部材15が接し、かつ、チップ部品93の端子電極23に係合導電部材15が接している状態において、実装導電部材13a,13bを介してチップ部品91及びチップ部品93に電位が付与され得る。この際、チップ部品91とチップ部品93とは、中継導電部材95を介して直列に接続される。
チップ部品91の端子電極22に係合導電部材15が接し、かつ、チップ部品94の端子電極23に係合導電部材15が接している状態において、実装導電部材13a,13bを介してチップ部品91及びチップ部品94に電位が付与され得る。この際、チップ部品91とチップ部品94とは、中継導電部材95を介して直列に接続される。
チップ部品92の端子電極22に係合導電部材15が接し、かつ、チップ部品93の端子電極23に係合導電部材15が接している状態において、実装導電部材13a,13bを介してチップ部品92及びチップ部品93に電位が付与され得る。この際、チップ部品92とチップ部品93とは、中継導電部材95を介して直列に接続される。
チップ部品92の端子電極22に係合導電部材15が接し、かつ、チップ部品94の端子電極23に係合導電部材15が接している状態において、実装導電部材13a,13bを介してチップ部品92及びチップ部品94に電位が付与され得る。この際、チップ部品92とチップ部品94とは、中継導電部材95を介して直列に接続される。
上述した変形例において、電子部品1Fは、複数のチップ部品として、4つのコンデンサを備えている。電子部品1Fは、3つ又は5つ以上のチップ部品を備えていてもよい。実装導電部材13aと中継導電部材95との間に配置されるチップ部品の数と、実装導電部材13bと中継導電部材95との間に配置されるチップ部品の数とが、異なってもよい。以下において、一例として、電子部品1Fが複数のチップ部品として3種のコンデンサを備え、係合導電部材15の移動によって3種のコンデンサの直列接続の状態が切り替えられる場合の動作結果を説明する。図13は、電子部品1Fが互いに異なる静電容量を有する3種のコンデンサを備える場合の電気的特性を示している。
データD9は、1μFの静電容量を有するコンデンサの電気的特性を示している。データD10は、100nFの静電容量を有するコンデンサの電気的特性を示している。データD11は、10nFの静電容量を有するコンデンサの電気的特性を示している。
データD12は、1μFのコンデンサ、及び、100nFのコンデンサのみが、係合導電部材15によって実装導電部材13a及び実装導電部材13bに直列に接続された場合における、電子部品1Fの電気的特性を示している。たとえば、実装導電部材13aと1μFのコンデンサの端子電極22とが係合導電部材15を介して電気的に接続され、1μFのコンデンサの端子電極23と100nFのコンデンサの端子電極22とが中継導電部材95を介して電気的に接続され、100nFのコンデンサの端子電極22と実装導電部材13bとが係合導電部材15を介して電気的に接続される。この結果、データD12において、90.9nFの静電容量を有するコンデンサと同等の電気的特性が確認された。
データD13は、1μFのコンデンサ、及び、10nFのコンデンサのみが、係合導電部材15によって実装導電部材13a及び実装導電部材13bに直列に接続された場合における、電子部品1Fの電気的特性を示している。たとえば、実装導電部材13aと1μFのコンデンサの端子電極22とが係合導電部材15を介して電気的に接続され、1μFのコンデンサの端子電極23と10nFのコンデンサの端子電極22とが中継導電部材95を介して電気的に接続され、10nFのコンデンサの端子電極22と実装導電部材13bとが係合導電部材15を介して電気的に接続される。この結果、データD13において、9.90nFの静電容量を有するコンデンサと同等の電気的特性が確認された。
データD14は、100nFのコンデンサ、及び、10nFのコンデンサのみが、係合導電部材15によって実装導電部材13a及び実装導電部材13bに直列に接続された場合における、電子部品1Fの電気的特性を示している。たとえば、実装導電部材13aと100nFのコンデンサの端子電極22とが係合導電部材15を介して電気的に接続され、100nFのコンデンサの端子電極23と10nFのコンデンサの端子電極22とが中継導電部材95を介して電気的に接続され、10nFのコンデンサの端子電極22と実装導電部材13bとが係合導電部材15を介して電気的に接続される。この結果、データD14において、9.09nFの静電容量を有するコンデンサと同等の電気的特性が確認された。このように、複数種の静電容量を有しているコンデンサの直列接続の状態の切替によって、電子部品1Fの全体の静電容量が調整され得る。
次に、本実施形態における電子部品の作用効果について説明する。上述したように、電子部品1,1A,1B,1C,1D,1E,1Fにおいて、実装導電部材13a,13bの接続部32は、係合導電部材15を介して端子電極22又は端子電極23に接続される。係合導電部材15は、第一状態と第二状態との間を遷移するように構成されている。この構成によれば、係合導電部材15を用いて、実装導電部材13a,13bに電気的に接続されるチップ部品11,12,91,92,93,94を選択することができる。したがって、電子部品1,1A,1B,1C,1D,1E,1Fの電気特性が容易に調整され得る。たとえば、オシロスコープ、スペクトラムアナライザー、放射ノイズ、又は伝導ノイズ等の測定によって回路動作時のノイズ状態を確認する場合に、回路定数の最適化を容易に行うことができる。たとえば、平滑容量の確認、又は、数MHz~数百MHz付近のノイズ低減に最適な容量が、容易に実現され得る。
実装導電部材13bの接続部32は、複数のチップ部品11,12,91,92,93,94の端子電極22又は端子電極23に対向している。実装導電部材13a,13bの接続部32には、少なくとも1つの端子電極22,23に向かって開口する開口部33a,34a,64a,73a,74a,96a,97aが形成されている。係合導電部材15は、開口部33a,34a,64a,73a,74a,96a,97aに挿入されていると共に実装導電部材13a,13bの接続部32に接している状態において、実装導電部材13a,13bの接続部32と端子電極22,23との対向方向に移動する延在部15aを含んでいる。延在部15aは、第一状態において実装導電部材13a,13bと端子電極22,23とに接しており、第二状態において端子電極22,23から離間している。この場合、より簡易な構成によって、実装導電部材13a,13bとチップ部品11,12,91,92,93,94との電気的な接続が切り替えられる。
開口部33a,34a,64a,73a,74a,96a,97aは、上記端子電極22,23に向かって貫通するネジ穴を含んでいる。延在部15aは、ネジ穴に螺合するネジを含んでいる。この場合、ネジの回転によって、実装導電部材13a,13bとチップ部品11,12,91,92,93,94との電気的な接続が容易に切り替えられる。
電子部品1,1Fは、実装導電部材13a,13bの接続部32と端子電極22,23との間に配置されたスペーサ16,16a,16bをさらに備えている。スペーサ16,16a,16bは、絶縁性を有している。スペーサ16,16a,16bは、実装導電部材13a,13bの接続部32から端子電極22,23まで連通する空間Sを形成している。係合導電部材15は、少なくとも第一状態において、上記空間Sに位置している。この場合、スペーサ16,16a,16bを介してチップ部品11,12,91,92,93,94が支持部材13により確実に支持され得ると共に、実装導電部材13a,13bへの電気的な接続を意図しないチップ部品11,12,91,92,93,94に対する絶縁性がより確実に確保され得る。
電子部品1,1Fにおいて、スペーサ16,16a,16bは、実装導電部材13a,13bの接続部32と接合されている。この場合、スペーサ16,16a,16b及びチップ部品11,12,91,92,93,94の位置ズレがより確実に抑制され得る。
電子部品1,1Fにおいて、複数のチップ部品11,12,91,92,93,94の少なくとも1つは、スペーサ16,16a,16bに接合されている。この場合、スペーサ16,16a,16b及びチップ部品11,12,91,92,93,94の位置ズレがより確実に抑制され得る。
電子部品1,1A,1B,1C,1D,1E,1Fにおいて、複数のチップ部品11,12,91,92,93,94は、互いに異なる電気的特性を有していてもよい。この場合、よりバリエーションに富んだ電気的特性の調整が実現され得る。
電子部品1,1A,1C,1D,1E,1Fは、複数のチップ部品11,12,91,92,93,94の間に配置された絶縁部材17,17a,17b,47をさらに備えている。電子部品1,1A,1C,1D,1Eにおいて、複数のチップ部品11,12は、実装導電部材13a及び13bの接続部32に沿って配列されている。電子部品1Fにおいて、複数のチップ部品91,92は、実装導電部材13aの接続部32に沿って配列されている。複数のチップ部品93,94は、実装導電部材13bの接続部32に沿って配列されている。絶縁部材17,17a,17b,47は、互いに隣り合うチップ部品11,12,91,92,93,94の間に配置されている。この場合、互いに隣り合うチップ部品11,12,91,92,93,94間の絶縁性が確実に確保され得る。
電子部品1,1A,1C,1D,1E,1Fにおいて、複数のチップ部品11,12,91,92,93,94の少なくとも1つは、絶縁部材17,17a,17b,47に接合されている。この場合、チップ部品11,12,91,92,93,94の絶縁性が確保されながら、チップ部品11,12,91,92,93,94の位置ズレがより確実に抑制され得る。
電子部品1Fにおいて、実装導電部材13aの接続部32は、チップ部品91及びチップ部品92の端子電極22に対向している。チップ部品91,92の端子電極23は、チップ部品93及び94の端子電極22と電気的に接続されている。実装導電部材13bの接続部32は、チップ部品93及び94の端子電極23と対向している。係合導電部材15は、たとえば、第一状態において、実装導電部材13aとチップ部品91又は92の端子電極22とを電気的に接続し、第二状態において、実装導電部材13aとチップ部品91又は92の端子電極22とを電気的に接続しない第二状態との間を遷移するように構成されている。この場合、直列に接続するチップ部品の組み合わせの切替えが実現され得る。
以上、本発明の実施形態及び変形例について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
たとえば、上述した実施形態及び変形例において、スペーサ16,16a,16bと実装導電部材13a,13b及びチップ部品11,12,91,92,93,94とは、ハンダによって接合されている。しかし、スペーサ16,16a,16bと実装導電部材13a,13b及びチップ部品11,12,91,92,93,94とは、接着剤によって接合されていてもよい。この接着剤は、絶縁性を有していてもよい。
上述した実施形態及び変形例において、係合導電部材15は、ネジを含んでいる。しかし、係合導電部材15は、ネジ山を有さないビスを含んでいてもよい。係合導電部材15は、各種のスイッチであってもよい。スイッチは、たとえば、バネを有する押しボタン式のスイッチを含んでいる。
実装導電部材13a,13bは、物理的に分離して形成されていてもよい。この場合、実装導電部材13a,13bは、実装されることによって位置決めされる。たとえば、実装導電部材13aは、チップ部品11,12から離間するように実装される。
突出部75は、実装導電部材13a,13bに含まれている。しかし、突出部75は、実装導電部材13a,13bに固定された係合導電部材15であってもよい。
電子部品1,1A,1B,1C,1D,1E,1Fの構成は、それぞれ適宜、組み合わされてもよい。たとえば、電子部品1C,1D,1Eは、スペーサ16を含んでいてもよい。たとえば、電子部品1Cにおいて、スペーサ16は、チップ部品11と実装導電部材13aとの間、及び、チップ部品12と実装導電部材13bとの間に配置されてもよい。たとえば、電子部品1Dにおいて、スペーサ16は、チップ部品11,12と実装導電部材13aとの間、及び、チップ部品11,12と実装導電部材13bとの間に配置されてもよい。たとえば、電子部品1Dにおいて、スペーサ16は、チップ部品11と実装導電部材13aとの間に配置されてもよい。これらの場合、スペーサ16は、絶縁部材47と支持部材13との接合を妨げないように配置される。絶縁部材47の代わりに、絶縁部材17が配置されてもよい。電子部品1Fにおいて、電子部品1Bのように、スペーサ16a,16b及び絶縁部材17a,17bが排除されてもよい。