JP2022106045A - N-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体の製造方法 - Google Patents
N-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2022106045A JP2022106045A JP2021000736A JP2021000736A JP2022106045A JP 2022106045 A JP2022106045 A JP 2022106045A JP 2021000736 A JP2021000736 A JP 2021000736A JP 2021000736 A JP2021000736 A JP 2021000736A JP 2022106045 A JP2022106045 A JP 2022106045A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- formula
- acid
- group
- reaction
- derivative
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/55—Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups
Landscapes
- Pyridine Compounds (AREA)
Abstract
【課題】工程数が短縮されたN-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体を得る製造方法を提供する。【解決手段】酸存在下、下記式(1)で表されるN-ベンジルピコリンアミド誘導体とハロゲン化剤とを-10℃以上30℃以下の温度範囲で接触させて、対応するハロゲン化物を得ることを含む、N-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体の製造方法。JPEG2022106045000034.jpg38121式中、R1は、H、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又はジアルキルアミノアルキル基であり、R2は、H又はアミノ基保護基である。【選択図】なし
Description
本発明は、N-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体の製造方法に関する。
N-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体は、例えば、イソインドリン誘導体等の医薬中間体として用いられる重要な化合物である。従来の製造方法として、例えば、原料となるベンジルアミン誘導体の窒素原子に保護基を結合し、次にハロゲン化し、その後にピコリンアミド化する方法が報告されている(非特許文献1参照)。
非特許文献1には、ベンジルアミン誘導体の1種としてのフェニルエチルアミンの窒素原子にトリフルオロアセチル基(-COCF3)が結合したN-トリフルオロアセチル-(S)-1-フェニルエチルアミンを臭素化する方法が開示されている。
BIOORGANIC & MEDICINAL CHEMISTRY LETTERS 12(2002)795-798
しかしながら、非特許文献1に記載の方法のように、トリフルオロアセチル基を保護基として有するベンジルアミン誘導体をハロゲン化(臭素化)して、ピコリンアミド化する方法においては、以下の点で改善の余地があった。つまり、ハロゲン化した保護基を有するベンジルアミン誘導体を脱保護反応により保護基を脱離した後、ピコリンアミド化する必要があり、工程数が多いという問題があった。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、工程数が短縮されたN-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、ベンジルアミン誘導体を先にピコリンアミド化し、酸存在下で、得られたN-ベンジルピコリンアミド誘導体とハロゲン化剤とを接触させることで、保護工程及び脱保護工程を経ずに目的物であるN-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体が得られる製法を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の一実施の形態に係るN-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体の製造方法は、酸存在下、下記式(1)で表されるN-ベンジルピコリンアミド誘導体とハロゲン化剤とを接触させて、下記式(2)で表されるN-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体を得ることを含む。
前記式(1)において、R1は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又はジアルキルアミノアルキル基である。また、R2は、水素原子又はアミノ基保護基である。
前記式(2)において、R1及びR2は、前記式(1)のものと同義であり、Xは、前記ハロゲン化剤由来のハロゲン原子である。
前記式(1)で表されるN-ベンジルピコリンアミド誘導体と前記ハロゲン化剤とは、-10℃以上30℃以下の温度範囲で接触させることが好ましい。
前記酸は、三塩化アルミニウムであることが好ましく、ハロゲン化剤は、臭素及び1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントインからなる群から選ばれる少なくとも1種の臭素化剤であることが好ましい。あるいは、前記酸は、硫酸であり、前記臭素化剤は、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントインであることが好ましい。
塩基存在下、下記式(3)で表されるベンジルアミン誘導体と、ピコリン酸と、カルボン酸活性化剤と、を接触させることにより、前記式(1)で表されるN-ベンジルピコリンアミド誘導体を製造した後、得られた前記式(1)で表されるN-ベンジルピコリンアミド誘導体と前記ハロゲン化剤とを接触させることが好ましい。
前記式(3)において、R1及びR2は、前記式(1)のものと同義である。
本発明の他の実施の形態に係るN-ベンジルピコリンアミド誘導体の製造方法は、塩基存在下、下記式(3)で表されるベンジルアミン誘導体と、ピコリン酸と、カルボジイミド化合物及びハロ炭酸エステル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つの活性化剤と、を接触させて、下記式(1)で表されるN-ベンジルピコリンアミド誘導体を得ることを含む。
前記式(3)において、R1は、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又はジアルキルアミノアルキル基である。また、R2は、水素原子又はアミノ基保護基である。
前記式(1)において、R1及びR2は、前記式(3)のものと同義である。
本発明によれば、工程数が短縮されたN-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。本発明の一実施の形態に係るN-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体の製造方法は、下記の反応式に示すように、[1]下記式(3)で表されるベンジルアミン誘導体から下記式(1)で表されるN-ベンジルピコリンアミド誘導体を製造する方法(以下、単に「第1の製造方法」とする場合もある。)、及び[2]下記式(1)で表されるN-ベンジルピコリンアミド誘導体から下記式(2)で表されるN-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体を製造する方法(以下、単に「第2の製造方法」とする場合もある。)を含む。以下、それぞれ順に詳細を説明する。
[1]第1の製造方法
まず、第1の製造方法について説明する。第1の製造方法は、ベンジルアミン誘導体をピコリンアミド化してN-ベンジルピコリンアミド誘導体を製造する方法に関するものである。本実施形態に係るN-ベンジルピコリンアミド誘導体の製造方法は、塩基存在下、ベンジルアミン誘導体とピコリン酸と活性化剤とを接触させることにより、上記式(1)で表されるN-ベンジルピコリンアミド誘導体を製造することを含む。
まず、第1の製造方法について説明する。第1の製造方法は、ベンジルアミン誘導体をピコリンアミド化してN-ベンジルピコリンアミド誘導体を製造する方法に関するものである。本実施形態に係るN-ベンジルピコリンアミド誘導体の製造方法は、塩基存在下、ベンジルアミン誘導体とピコリン酸と活性化剤とを接触させることにより、上記式(1)で表されるN-ベンジルピコリンアミド誘導体を製造することを含む。
<ベンジルアミン誘導体>
ベンジルアミン誘導体は、本実施の形態に係る製造方法における基質である。ベンジルアミン誘導体は、下記式(3)で表される化合物である。
ベンジルアミン誘導体は、本実施の形態に係る製造方法における基質である。ベンジルアミン誘導体は、下記式(3)で表される化合物である。
式(3)において、R1は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又はジアルキルアミノアルキル基である。また、R2は、水素原子又はアミノ基保護基である。
R1は、好ましくは、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のアルコキシ基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子から選ばれるハロゲン原子、又は炭素数3~20のジアルキルアミノアルキル基である。R2は、好ましくは、水素原子である。
R2がアミノ基保護基である場合、R2は、好ましくは、置換基を有してもよいアルキル基である。アルキル基としては、炭素数1~4のものが好ましく、中でもメチル基が特に好ましい。置換基としては、アリール基が好ましく、中でもフェニル基が特に好ましい。置換基の数は、特に制限されず、1個でも、2個でも、3個でもよい。すなわち、R2は、好ましくは、ベンジル基、ジフェニルメチル基、又はトリフェニルメチル基(トリチル基)である。
また、R2がアミノ基保護基である場合において、特に、ベンジル基、ジフェニルメチル基、又はトリチル基である場合、以下の反応により式(3)で表されるベンジルアミン誘導体を合成することができる。
上記反応式において、R1は、前記式(3)のものと同義である。R2は、ベンジル基、ジフェニルメチル基、又はトリチル基である。X’は、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子から選ばれるハロゲン原子であり、塩素原子が特に好ましい。
<ピコリン酸>
ピコリン酸は、本製造方法において、基質であるベンジルアミン誘導体と反応してN-ベンジルピコリンアミド誘導体を生成する化合物である。
ピコリン酸は、本製造方法において、基質であるベンジルアミン誘導体と反応してN-ベンジルピコリンアミド誘導体を生成する化合物である。
ピコリン酸の使用量は、特に限定されるものではない。ベンジルアミン誘導体1モルに対して、ピコリン酸を、好ましくは、0.1モル以上3.0モル以下使用し、より好ましくは、0.5モル以上2.0モル以下使用する。
<カルボン酸活性化剤>
カルボン酸活性化剤は、ベンジルアミン誘導体とピコリン酸との反応を活性化させる化合物である。そのため、公知のカルボン酸活性化剤である塩化オキサリルを使用することもできる。ただし、塩化オキサリルを使用した場合には、得られる前記式(1)で表されるN-ベンジルピコリンアミド誘導体が着色する場合がある。そのため、本発明において、使用するカルボン酸活性化剤は、下記式(4A)で表される、-N=C=N-構造を含むカルボジイミド化合物、及び下記式(4B)で表される、-C(=O)-構造を含むハロ炭酸エステル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つの活性化剤であることが好ましい。
カルボン酸活性化剤は、ベンジルアミン誘導体とピコリン酸との反応を活性化させる化合物である。そのため、公知のカルボン酸活性化剤である塩化オキサリルを使用することもできる。ただし、塩化オキサリルを使用した場合には、得られる前記式(1)で表されるN-ベンジルピコリンアミド誘導体が着色する場合がある。そのため、本発明において、使用するカルボン酸活性化剤は、下記式(4A)で表される、-N=C=N-構造を含むカルボジイミド化合物、及び下記式(4B)で表される、-C(=O)-構造を含むハロ炭酸エステル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つの活性化剤であることが好ましい。
式(4A)において、R3及びR4は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アリール基、アラルキル基、又はジアルキルアミノアルキル基である。ここで、R3及びR4は、同一の基であっても、異なる基であってもよい。式(4B)において、X’’は、ハロゲン原子である。R5は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、又はジアルキルアミノアルキル基である。
(i)カルボジイミド化合物
カルボジイミド化合物は、カルボジイミド(-N=C=N-)構造を含む化合物である。式(4A)において、R3及びR4は、好ましくは、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数3~10のシクロアルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子から選ばれるハロゲン原子、炭素数6~20のアリール基、炭素数7~30のアラルキル基、又は炭素数3~20のジアルキルアミノアルキル基である。R3及びR4は、より好ましくは、イソプロピル基、又はシクロへキシル基である。
カルボジイミド化合物は、カルボジイミド(-N=C=N-)構造を含む化合物である。式(4A)において、R3及びR4は、好ましくは、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数3~10のシクロアルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子から選ばれるハロゲン原子、炭素数6~20のアリール基、炭素数7~30のアラルキル基、又は炭素数3~20のジアルキルアミノアルキル基である。R3及びR4は、より好ましくは、イソプロピル基、又はシクロへキシル基である。
すなわち、カルボジイミド化合物は、より好ましくは、下記式(4Aa)に表されるジシクロへキシルカルボジイミド(DCC、式(4A)においてR3及びR4がともにシクロへキシル基である化合物)、又は下記式(4Ab)に表されるジイソプロピルカルボジイミド(DIC、式(4A)においてR3及びR4がともにイソプロピル基である化合物)である。中でも、ジシクロへキシルカルボジイミド(DCC)は、不純物の生成を低減し、生成物への着色を抑制することができるため特に好ましい。
(ii)ハロ炭酸エステル化合物
ハロ炭酸エステル化合物は、ハロ炭酸エステル化合物(X’’-C(=O)O-)を含む化合物である。式(4B)において、R5は、好ましくは、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数3~10のシクロアルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子から選ばれるハロゲン原子、炭素数6~20のアリール基、炭素数7~30のアラルキル基、又は炭素数3~20のジアルキルアミノアルキル基である。
ハロ炭酸エステル化合物は、ハロ炭酸エステル化合物(X’’-C(=O)O-)を含む化合物である。式(4B)において、R5は、好ましくは、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数3~10のシクロアルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子から選ばれるハロゲン原子、炭素数6~20のアリール基、炭素数7~30のアラルキル基、又は炭素数3~20のジアルキルアミノアルキル基である。
R5は、より好ましくは、メチル基、イソプロピル基、イソブチル基、フェニル基である。また、X’’は、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子から選ばれるハロゲン原子であり、塩素原子が特に好ましい。
すなわち、ハロ炭酸エステル化合物は、より好ましくは、下記式(4Ba)に表されるクロロ炭酸エチル、下記式(4Bb)に表されるクロロ炭酸イソプロピル、下記式(4Bc)に表されるクロロ炭酸イソブチル、又は下記式(4Bd)に表されるクロロ炭酸フェニルである。中でも、クロロ炭酸エチルは、不純物の生成を低減し、生成物への着色を抑制することができるため特に好ましい。
カルボン酸活性化剤の使用量は、特に制限されるものではない。ピコリン酸1モルに対して、カルボン酸活性化剤を、好ましくは、0.5モル以上3.0モル以下使用し、より好ましくは、0.7モル以上2.0モル以下使用する。
<塩基>
ベンジルアミン誘導体とピコリン酸と上記活性化剤との接触は、塩基存在下で実施される。塩基は、窒素原子を含むアミノ化合物であることが好ましい。かかる塩基としては、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリン等のアミン系の化合物;ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)等のピリジン系の化合物等を挙げることができる。
ベンジルアミン誘導体とピコリン酸と上記活性化剤との接触は、塩基存在下で実施される。塩基は、窒素原子を含むアミノ化合物であることが好ましい。かかる塩基としては、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリン等のアミン系の化合物;ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)等のピリジン系の化合物等を挙げることができる。
塩基の使用量は、特に制限されるものではない。ピコリン酸1モルに対して、塩基を、好ましくは、0.01モル以上5.0モル以下使用し、より好ましくは、0.05モル以上3.0モル以下使用する。
<N-ベンジルピコリンアミド誘導体の製造法>
上述したように、本実施の形態に係る製造方法では、塩基存在下、ベンジルアミン誘導体とピコリン酸と活性化剤とを接触させて、N-ベンジルピコリンアミド誘導体を得る。本実施の形態においては、これらの成分を接触させる際は、溶媒中で実施することが好ましい。
上述したように、本実施の形態に係る製造方法では、塩基存在下、ベンジルアミン誘導体とピコリン酸と活性化剤とを接触させて、N-ベンジルピコリンアミド誘導体を得る。本実施の形態においては、これらの成分を接触させる際は、溶媒中で実施することが好ましい。
<溶媒>
溶媒としては、アセトニトリル等のニトリル類;テトラヒドロフラン(THF)、2-メチルテトラヒドロフラン(2-メチルTHF)、1,4-ジオキサン、tert-ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、ジエチレングルコールジメチルエーテル等のエーテル類;ジクロロメタン(塩化メチレン、DCM)、クロロホルム等の炭素数1のハロゲン化炭化水素類;及び1,2-ジクロロエタン等の炭素数2のハロゲン化炭化水素類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル類;ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類等;N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチルピロリドン(NMP)等のアミド類;ジメチルスルホオキシド(DMSO)等のスルホキシド類等を用いることができる。また、これらの溶媒は、単独で、又は混合溶媒として用いることができる。溶媒は、好ましくは、アセトニトリル、塩化メチレン、酢酸エチル、トルエンである。
溶媒としては、アセトニトリル等のニトリル類;テトラヒドロフラン(THF)、2-メチルテトラヒドロフラン(2-メチルTHF)、1,4-ジオキサン、tert-ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、ジエチレングルコールジメチルエーテル等のエーテル類;ジクロロメタン(塩化メチレン、DCM)、クロロホルム等の炭素数1のハロゲン化炭化水素類;及び1,2-ジクロロエタン等の炭素数2のハロゲン化炭化水素類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル類;ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類等;N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチルピロリドン(NMP)等のアミド類;ジメチルスルホオキシド(DMSO)等のスルホキシド類等を用いることができる。また、これらの溶媒は、単独で、又は混合溶媒として用いることができる。溶媒は、好ましくは、アセトニトリル、塩化メチレン、酢酸エチル、トルエンである。
溶媒の使用量は、特に限定されるものではない。ピコリン酸1gに対して、溶媒を、好ましくは、1mL~100mL使用し、より好ましくは、3mL~20mL使用する。なお、溶媒として混合溶媒を使用する場合には、混合溶媒の全量が前記範囲を満足すれば良い。
(各成分を接触させる(混合する)方法)
各成分を接触させる方法は、特に制限されるものではない。例えば、撹拌機構を備えた反応容器内に、各成分を投入して混合してよい。各成分を混合することにより、塩基存在下、ベンジルアミン誘導体とピコリン酸と活性化剤とを接触させることができる。各成分を反応容器内に投入する手順は、特に制限されない。例えば、溶媒にピコリン酸を溶解させた後、この溶解液と、活性化剤及び塩基とを混合し、これらの混合物とベンジルアミン誘導体とを混合してもよい。
各成分を接触させる方法は、特に制限されるものではない。例えば、撹拌機構を備えた反応容器内に、各成分を投入して混合してよい。各成分を混合することにより、塩基存在下、ベンジルアミン誘導体とピコリン酸と活性化剤とを接触させることができる。各成分を反応容器内に投入する手順は、特に制限されない。例えば、溶媒にピコリン酸を溶解させた後、この溶解液と、活性化剤及び塩基とを混合し、これらの混合物とベンジルアミン誘導体とを混合してもよい。
ピコリン酸の溶解液と、活性化剤及び塩基と混合した後、これらの混合物とベンジルアミン誘導体とを混合する前に、ピコリン酸の溶解液と活性化剤と塩基とを十分に混合するために、得られた混合物を攪拌混合しておくことが好ましい。このとき、ピコリン酸の溶解液と活性化剤と塩基とを混合する時間は、例えば、5分以上40分以下としてよい。また、活性化剤を添加する際の溶解液の温度は、例えば、0℃以上50℃以下としてよい。
(反応温度)
反応は、塩基存在下、任意成分である溶媒中、ピコリン酸と活性化剤とベンジルアミン誘導体とを混合(接触)させることにより実施できる。これら各成分を攪拌混合する際の反応温度は、-30℃以上50℃以下であることが好ましく、-10℃以上40℃以下であることがより好ましい。
反応は、塩基存在下、任意成分である溶媒中、ピコリン酸と活性化剤とベンジルアミン誘導体とを混合(接触)させることにより実施できる。これら各成分を攪拌混合する際の反応温度は、-30℃以上50℃以下であることが好ましく、-10℃以上40℃以下であることがより好ましい。
(反応時間)
反応時間は、N-ベンジルピコリンアミド酸誘導体への転化率を確認し、反応が完結する時間に適宜決定すればよいが、通常、0.1時間以上48時間以下であればよく、好ましくは0.5時間以上24時間以下である。
反応時間は、N-ベンジルピコリンアミド酸誘導体への転化率を確認し、反応が完結する時間に適宜決定すればよいが、通常、0.1時間以上48時間以下であればよく、好ましくは0.5時間以上24時間以下である。
<反応終了後の後処理工程>
反応終了後は、以下の方法でN-ベンジルピコリンアミド誘導体を精製することが好ましい。まず、得られた混合物を濾過して不純物を除去し、濾液を洗浄後、減圧濃縮する。洗浄には、例えば、塩酸水、水、及び重曹水を用いてよい。次に、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、N-ベンジルピコリンアミド誘導体を得る。シリカゲルカラムクロマトグラフィーの溶媒としては、例えば、n-ヘキサン(Hex)と酢酸エチル(EA)との混合溶媒を用いてよい。n-ヘキサンと酢酸エチルとの比は、目的物の溶出に合わせて適宜調整してよい。前記には、シリカゲルカラムを使用する方法を例示したが、精製する場合には、再結晶等の公知の精製方法を採用することもできる。
反応終了後は、以下の方法でN-ベンジルピコリンアミド誘導体を精製することが好ましい。まず、得られた混合物を濾過して不純物を除去し、濾液を洗浄後、減圧濃縮する。洗浄には、例えば、塩酸水、水、及び重曹水を用いてよい。次に、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、N-ベンジルピコリンアミド誘導体を得る。シリカゲルカラムクロマトグラフィーの溶媒としては、例えば、n-ヘキサン(Hex)と酢酸エチル(EA)との混合溶媒を用いてよい。n-ヘキサンと酢酸エチルとの比は、目的物の溶出に合わせて適宜調整してよい。前記には、シリカゲルカラムを使用する方法を例示したが、精製する場合には、再結晶等の公知の精製方法を採用することもできる。
N-ベンジルピコリンアミド誘導体が合成されていることは、例えば、核磁気共鳴(NMR)分光分析、赤外(IR)分光分析、及び融点測定により確認できる。また、N-ベンジルピコリンアミド誘導体の収率は、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)用いて分析することにより求めることができる。
<N-ベンジルピコリンアミド誘導体>
上述した方法でピコリン酸と活性化剤とベンジルアミン誘導体とを接触させると、下記式(1)で表されるN-ベンジルピコリンアミド誘導体が得られる。
上述した方法でピコリン酸と活性化剤とベンジルアミン誘導体とを接触させると、下記式(1)で表されるN-ベンジルピコリンアミド誘導体が得られる。
式(1)において、R1及びR2は、式(3)のものと同義である。
(好適なN-ベンジルピコリンアミド誘導体)
好適なN-ベンジルピコリンアミド誘導体は、下記式(1A)で表されるN-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミドである。下記式(1A)で表される化合物は、上記式(1)において、R1がメチル基であり、R2が水素原子である化合物である。
好適なN-ベンジルピコリンアミド誘導体は、下記式(1A)で表されるN-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミドである。下記式(1A)で表される化合物は、上記式(1)において、R1がメチル基であり、R2が水素原子である化合物である。
なお、上記式(1)及び(1A)で表されるN-ベンジルピコリンアミド誘導体は、公知の化合物である。そのため、該N-ベンジルピコリンアミド誘導体は、特に制限されるものではなく、その他の公知の方法でも製造することができる。例えば、塩化オキサリル(COCl2)を用いてよい。塩化オキサリルを用いた場合、塩基を使用することが好ましく、具体的には、トリエチルアミンを用いてよい。
但し、塩化オキサリルを使用する従来の方法では、得られるN-ベンジルピコリンアミド誘導体が着色する場合がある。そのため、N-ベンジルピコリンアミド誘導体を製造する場合には、前記の第1の製造方法を採用することが好ましい。
[2]第2の製造方法
次に、第2の製造方法について説明する。第2の製造方法は、N-ベンジルピコリンアミド誘導体をハロゲン化してN-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体を製造する方法に関するものである。本実施形態にかかるN-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体の製造方法は、酸存在下、N-ベンジルピコリンアミド誘導体とハロゲン化剤とを接触させて、N-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体を製造することを含む。
次に、第2の製造方法について説明する。第2の製造方法は、N-ベンジルピコリンアミド誘導体をハロゲン化してN-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体を製造する方法に関するものである。本実施形態にかかるN-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体の製造方法は、酸存在下、N-ベンジルピコリンアミド誘導体とハロゲン化剤とを接触させて、N-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体を製造することを含む。
<N-ベンジルピコリンアミド誘導体>
N-ベンジルピコリンアミド誘導体は、本実施の形態に係る製造方法における基質である。N-ベンジルピコリンアミド誘導体は、上記式(1)で表される化合物である。N-ベンジルピコリンアミド誘導体の詳細は、第1の製造方法で説明したとおりである。ここでは、詳細な説明は、省略する。
N-ベンジルピコリンアミド誘導体は、本実施の形態に係る製造方法における基質である。N-ベンジルピコリンアミド誘導体は、上記式(1)で表される化合物である。N-ベンジルピコリンアミド誘導体の詳細は、第1の製造方法で説明したとおりである。ここでは、詳細な説明は、省略する。
<ハロゲン化剤>
ハロゲン化剤は、N-ベンジルピコリンアミド誘導体の芳香環内の水素原子の1つを、該ハロゲン化剤由来のハロゲン原子に置換(以下、「ハロゲン化」とも称する。)する反応剤である。ハロゲン化剤は、ハロゲン単体、N-ハロゲノスクシンイミド、N-ハロゲノフタルイミド、及び1,3-ジハロゲノ-5,5-ジメチルヒダントインから選ばれる少なくとも1種を含む。
ハロゲン化剤は、N-ベンジルピコリンアミド誘導体の芳香環内の水素原子の1つを、該ハロゲン化剤由来のハロゲン原子に置換(以下、「ハロゲン化」とも称する。)する反応剤である。ハロゲン化剤は、ハロゲン単体、N-ハロゲノスクシンイミド、N-ハロゲノフタルイミド、及び1,3-ジハロゲノ-5,5-ジメチルヒダントインから選ばれる少なくとも1種を含む。
ここで、ハロゲン原子は、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が挙げられる。すなわち、ハロゲン化剤は、塩素化剤、臭素化剤、又はヨウ素化剤が挙げられる。
塩素化剤は、塩素(Cl2)単体(以下、単に「塩素」とも称する。)、N-クロロスクシンイミド(NCS)、N-クロロフタルイミド、及び1,3-ジクロロ-5,5-ジメチルヒダントイン(DCDMH)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。臭素化剤は、臭素(Br2)単体(以下、単に「臭素」とも称する。)、N-ブロモスクシンイミド(NBS)、N-ブロモフタルイミド、及び1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン(DBDMH)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。ヨウ素化剤は、ヨウ素(I2)単体(以下、単に「ヨウ素」とも称する。)、N-ヨードスクシンイミド(NIS)、N-ヨードフタルイミド、及び1,3-ジヨード-5,5-ジメチルヒダントイン(DIDMH)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。
ハロゲン化剤は、基質との反応性に優れている点で、臭素化剤又はヨウ素化剤を用いることが好ましい。また、ハロゲン化剤は、安価である点で、塩素化剤又は臭素化剤を用いることが好ましい。すなわち、ハロゲン化剤は、基質との反応性に優れ、かつ、安価である点で、臭素化剤を用いることがより好ましい。
ハロゲン化剤の使用量は、特に限定されるものではない。N-ベンジルピコリンアミド誘導体1モルに対して、ハロゲン化剤をハロゲン原子基準で、好ましくは、0.1モル以上2.0モル以下使用し、より好ましくは、0.3モル上1.5モル以下使用する。
(臭素化剤)
ハロゲン化剤としては、前記の通り、臭素化剤を使用することが好ましい。好ましい臭素化剤を使用する場合について個別にさらに説明する。臭素化剤としては、上述したものの中でも、合成目的とするN-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体を得るための反応の位置選択性を高める点で、臭素が好ましい。
ハロゲン化剤としては、前記の通り、臭素化剤を使用することが好ましい。好ましい臭素化剤を使用する場合について個別にさらに説明する。臭素化剤としては、上述したものの中でも、合成目的とするN-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体を得るための反応の位置選択性を高める点で、臭素が好ましい。
臭素化剤の使用量は、特に限定されるものではい。臭素化剤として臭素を用いる場合、N-ベンジルピコリンアミド誘導体1モルに対して、臭素を、好ましくは、1.0モル以上2.0モル以下使用し、より好ましくは、1.0モル以上1.5モル以下使用する。また、臭素化剤としてDBDMHを用いる場合、N-ベンジルピコリンアミド誘導体1モルに対して、DBDMHを、好ましくは、0.1モル以上1.0モル以下使用し、より好ましくは、0.3モル以上0.7モル以下使用する。
<酸>
N-ベンジルピコリンアミド誘導体とハロゲン化剤との接触は、酸存在下で行われる。酸は、N-ベンジルピコリンアミド誘導体を酸化して芳香環中のパイ電子が酸素原子に奪われることを抑制し、N-ベンジルピコリンアミド誘導体とハロゲン化剤との求電子置換反応を促進する。
N-ベンジルピコリンアミド誘導体とハロゲン化剤との接触は、酸存在下で行われる。酸は、N-ベンジルピコリンアミド誘導体を酸化して芳香環中のパイ電子が酸素原子に奪われることを抑制し、N-ベンジルピコリンアミド誘導体とハロゲン化剤との求電子置換反応を促進する。
酸は、ルイス酸及びブレンステッド酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸である。ルイス酸は、三塩化アルミニウム(AlCl3)、4塩化スズ、及び4塩化チタンを含む。ルイス酸は、好ましくは、三塩化アルミニウムである。ブレンステッド酸は、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、及びトリクロロ酢酸を含む。ブレンステッド酸は、好ましくは、硫酸である。
酸としては、位置選択性が高いことから、ルイス酸が好ましく、中でも、三塩化アルミニウムが特に好ましい。酸として三塩化アルミニウムを用いる場合、ハロゲン化剤としては、臭素を用いることが特に好ましい。三塩化アルミニウムと臭素との組み合わせによって、目的物であるN-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体の収率をより高めることができるとともに、目的物以外の異性体(後述する。式(2’)参照。)の生成を低減できる。
酸の量は、特に限定されるものではい。N-ベンジルピコリンアミド誘導体1モルに対して、酸を、好ましくは、1.0モル以上5.0モル以下使用し、より好ましくは、2.0モル以上4.0モル以下使用することがより好ましい。なお、この酸の使用量は、酸そのものの量(モル数)である。例えば、三塩化アルミニウムを使用した場合には、三塩化アルミニウムそのものの使用量(モル数)であり、硫酸(H2SO4)を使用した場合には、硫酸そのものの使用量(モル数)である。
<N-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体の製造法>
上述したように、本実施の形態に係る製造方法では、酸存在下、N-ベンジルピコリンアミド誘導体とハロゲン化剤とを接触させて、N-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体を得る。本発明においては、N-ベンジルピコリンアミド誘導体とハロゲン化剤とを接触させる際は、溶媒中で実施することが好ましい。
上述したように、本実施の形態に係る製造方法では、酸存在下、N-ベンジルピコリンアミド誘導体とハロゲン化剤とを接触させて、N-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体を得る。本発明においては、N-ベンジルピコリンアミド誘導体とハロゲン化剤とを接触させる際は、溶媒中で実施することが好ましい。
<溶媒>
溶媒としては、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;THF、2-メチルTHF、1,4-ジオキサン、tert-ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、ジエチレングルコールジメチルエーテル等のエーテル類、塩化メチレン(DCM)、クロロホルム等の炭素数1のハロゲン化炭化水素類、及び1,2-ジクロロエタン、クロロベンゼン等の炭素数2以上のハロゲン化炭化水素類アセトン等のケトン類;酢酸、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等エーテル類;水等を用いることができる。また、これらの溶媒は、単独で、又は混合溶媒として用いることができる。
溶媒としては、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;THF、2-メチルTHF、1,4-ジオキサン、tert-ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、ジエチレングルコールジメチルエーテル等のエーテル類、塩化メチレン(DCM)、クロロホルム等の炭素数1のハロゲン化炭化水素類、及び1,2-ジクロロエタン、クロロベンゼン等の炭素数2以上のハロゲン化炭化水素類アセトン等のケトン類;酢酸、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等エーテル類;水等を用いることができる。また、これらの溶媒は、単独で、又は混合溶媒として用いることができる。
溶媒は、好ましくは、塩化メチレンである。塩化メチレンは、基質となるN-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド酸誘導体の溶解力に優れるため、好ましい。
溶媒の使用量は、特に限定されるものではい。N-ベンジルピコリンアミド誘導体1gに対して、溶媒を、好ましくは、1mL以上100mL以下使用し、より好ましくは、3mL以上20mL以下使用する。
(各成分を接触させる(混合する)方法)
各成分を混合する方法は、特に制限されるものではない。例えば、撹拌機構を備えた反応容器内に、各成分を投入して混合してよい。各成分を混合することにより、酸存在下、N-ベンジルピコリンアミド誘導体とハロゲン化剤とを接触させることができる。各成分を反応容器内に投入する手順は、特に制限されない。例えば、溶媒中にN-ベンジルピコリンアミド誘導体を溶解させた後、この溶解液と酸とを混合する。さらにその後、得られた混合物と、N-ベンジルピコリンアミド誘導体を溶解したのと同一の溶媒に必要に応じて溶解したハロゲン化剤の溶液と、を混合してもよい。この場合、該溶液を該混合物に滴下してもよい。
各成分を混合する方法は、特に制限されるものではない。例えば、撹拌機構を備えた反応容器内に、各成分を投入して混合してよい。各成分を混合することにより、酸存在下、N-ベンジルピコリンアミド誘導体とハロゲン化剤とを接触させることができる。各成分を反応容器内に投入する手順は、特に制限されない。例えば、溶媒中にN-ベンジルピコリンアミド誘導体を溶解させた後、この溶解液と酸とを混合する。さらにその後、得られた混合物と、N-ベンジルピコリンアミド誘導体を溶解したのと同一の溶媒に必要に応じて溶解したハロゲン化剤の溶液と、を混合してもよい。この場合、該溶液を該混合物に滴下してもよい。
なお、酸は、例えば、5分以上40分以下の時間をかけて前記溶解液に加えてもよい。このときの溶解液の温度は、例えば、5℃以上25℃以下としてよい。N-ベンジルピコリンアミド誘導体の溶解液と酸との混合物は、この混合物とハロゲン化剤とを混合する前に、N-ベンジルピコリンアミド誘導体と酸とを十分に混合するため、攪拌混合してもよい。この時、N-ベンジルピコリンアミド誘導体の溶解液と酸とを混合する時間は、例えば、0.1時間以上1.0時間以下としてよい。
また、ハロゲン化剤は、反応に使用する全量を反応系(前記混合物)に1回で添加してもよい(以下、単に「一括添加」という場合もある。)。あるいは、例えば、0.1時間以上1.0時間以下の時間をかけて、前記混合物に滴下する方法で混合することもできる。このときの混合物の温度(反応温度)は、例えば、5℃以上20℃以下としてよい。なお、以下、酸やハロゲン化剤等の特定の成分を、一定の時間をかけて反応系に加える場合における所要時間を「添加時間」とも称する。
(反応温度)
反応は、酸存在下、N-ベンジルピコリンアミド誘導体とハロゲン化剤とを混合(接触)させることにより実施できる。この時、これら各成分を攪拌混合する際の反応温度は、-20℃以上50℃以下であることが好ましく、-10℃以上30℃以下であることがより好ましい。低い温度で反応を行うことによって、反応の位置選択性を上げることができる。
反応は、酸存在下、N-ベンジルピコリンアミド誘導体とハロゲン化剤とを混合(接触)させることにより実施できる。この時、これら各成分を攪拌混合する際の反応温度は、-20℃以上50℃以下であることが好ましく、-10℃以上30℃以下であることがより好ましい。低い温度で反応を行うことによって、反応の位置選択性を上げることができる。
反応温度は、反応開始(全ての成分を攪拌混合し始めたとき)から終了(攪拌混合を止めるとき)までの間において、必ずしも一定に保たなくてもよく、上述した温度範囲において段階的に変えてもよい。一例として、反応の途中で温度を切り替えて2段階で上がるようにしてもよい。具体的には、初めの一定時間(例えば、0.1時間以上6時間以下)、-20℃以上15℃未満とし、その後の一定時間(例えば、0.1時間以上4時間以下)、15℃以上50℃以下としてもよい。温度が低いことによって基質が溶解しない場合に、温度を上げることによって、基質を溶解させることができる。なお、温度の制御は、2段階に限定されるものではなく、3段階以上でもよい。
(反応時間)
反応時間は、N-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体への転化率を確認し、反応が完結する時間に適宜決定すればよい。通常、0.1時間以上48時間以下であればよく、好ましくは2.0時間以上10時間以下である。
反応時間は、N-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体への転化率を確認し、反応が完結する時間に適宜決定すればよい。通常、0.1時間以上48時間以下であればよく、好ましくは2.0時間以上10時間以下である。
<反応終了後の後処理工程>
反応終了後は、以下の方法でN-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体を精製することが好ましい。まず、反応液を氷水に注入し、水層から生成物を塩化メチレンで抽出する。次に、有機層(塩化メチレン層)を重曹水(例えば、濃度5%)で洗浄する。そして、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮することによって、N-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体の粗体を得る。次に、該粗体をイソプロパノール(IPA)で再結晶することにより、N-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体を得る。
反応終了後は、以下の方法でN-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体を精製することが好ましい。まず、反応液を氷水に注入し、水層から生成物を塩化メチレンで抽出する。次に、有機層(塩化メチレン層)を重曹水(例えば、濃度5%)で洗浄する。そして、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮することによって、N-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体の粗体を得る。次に、該粗体をイソプロパノール(IPA)で再結晶することにより、N-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体を得る。
N-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体が合成されていることは、例えば、核磁気共鳴(NMR)分光分析、赤外(IR)分光分析、及び融点測定により確認できる。また、N-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体の収率は、例えば、HPLCで分析することにより確認できる。
また、N-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体の粗体をHPLC(高速液体クロマトグラフィー)で分析することにより、基質であるN-ベンジルピコリンアミド誘導体、目的物であるN-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体、及び目的物の異性体であるN-(2-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体(式(2’)参照。)がそれぞれ占める割合(以下、「生成割合」とも称する。)を確認できる。
<N-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体>
上述した方法で、酸存在下、N-ベンジルピコリンアミド誘導体とハロゲン化剤とを接触させると、下記式(2)で表されるN-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体が得られる。
上述した方法で、酸存在下、N-ベンジルピコリンアミド誘導体とハロゲン化剤とを接触させると、下記式(2)で表されるN-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体が得られる。
式(2)において、R1及びR2は、式(1)のものと同義、すなわち式(3)のものと同義である。また、Xは、ハロゲン化剤由来のハロゲン原子である。Xは、具体的には、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が挙げられる。中でも、反応性と安定性とを考慮すると、Xは、臭素元素であることが好ましい。また、Xは、4位の位置に存在する。
(異性体)
上述した方法によれば、下記式(2’)で表される異性体が生成される場合がある。この異性体は、ハロゲン原子であるXが2位の位置に結合したN-(2-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体である。
上述した方法によれば、下記式(2’)で表される異性体が生成される場合がある。この異性体は、ハロゲン原子であるXが2位の位置に結合したN-(2-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体である。
式(2’)において、R1及びR2は、式(2)のものと同義、すなわち式(1)及び式(3)のものと同義である。
式(2’)に表される異性体の生成量は、少なければ少ないほど好ましい。本発明に従えば、式(2)に表されるN-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体1モルに対して、好ましくは、0モル以上0.41モル以下であり、より好ましくは、0モル以上0.17モル以下であり、さらに好ましくは、0モル以上0.14モル以下とすることができる。なお、前記のモル比は、HPLC分析でのピーク面積比から求めた値である。
以下に実施例を挙げて、本発明を詳細に説明するが、これらの実施例は、具体例であって、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、実施例1~4、及び参考例1は、第1の製造方法に係る実施例(すなわち、N-ベンジルピコリンアミド誘導体の製造方法に係る実施例)であり、実施例5~38は、第2の製造方法に係る例(すなわち、N-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体の製造方法に係る実施例)である。
<実施例1;第1の製造方法>
(N-ベンジルピコリンアミド誘導体の合成)
以下の方法で、上記式(1)で表されるN-ベンジルピコリンアミド誘導体として、下記反応式(1A)で表されるN-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミドを合成した。この合成には、前記式(3)で表されるベンジルアミン誘導体として下記式(3A)で表されるR-1-フェニルエチルアミンを使用した。
(N-ベンジルピコリンアミド誘導体の合成)
以下の方法で、上記式(1)で表されるN-ベンジルピコリンアミド誘導体として、下記反応式(1A)で表されるN-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミドを合成した。この合成には、前記式(3)で表されるベンジルアミン誘導体として下記式(3A)で表されるR-1-フェニルエチルアミンを使用した。
上記反応式(5)で表されるピコリン酸(2.46g、20mmol)の酢酸エチル(30mL、12.2v/w)溶液にDCC(4.12g、20mmol、1.00eq)、及びDMAP(244mg、2mmol、0.10eq)を25℃で加えた後、同温で20分攪拌した。この混合物に上記反応式(3A)で表されるR-1-フェニルエチルアミン(2.42g、20mmol、1.00eq)を25℃で加え、17時間攪拌した。ここで、「eq」は、ピコリン酸1モルに対する物質量(単位は、モル)を示す。また、「v/w」は、ピコリン酸1gに対する溶媒の容量(mL)を示す。以下、同様の説明は、省略する場合がある。
得られた混合物を濾過後、濾液を、1N塩酸水、水、重曹水、及び水で順次洗浄後減圧濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=2:1)で精製することにより上記反応式(1A)で表されるN-ベンジルピコリンアミド誘導体(N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミド)を得た(2.26g、収率:50%)。なお、生成物への着色は、ほとんど生じなかった。
[物性評価]
上記の反応により得られた上記反応式(1A)で表されるN-ベンジルピコリンアミド誘導体(N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミド)の1H-NMRの分析結果を以下に示す。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ:8.54-8.52 (m, 1H), 8.32(d, J = 6.3, 1H), 8.20-8.18 (m, 1H), 7.84-7.80 (m, 1H), 7.41-7.38 (m,
3H), 7.36-7.31 (m, 2H), 7.28-7.23 (m, 1H), 5.38-5.26 (m, 1H), 1.62
(d, J = 6.9 Hz, 3H)。
上記の反応により得られた上記反応式(1A)で表されるN-ベンジルピコリンアミド誘導体(N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミド)の1H-NMRの分析結果を以下に示す。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ:8.54-8.52 (m, 1H), 8.32(d, J = 6.3, 1H), 8.20-8.18 (m, 1H), 7.84-7.80 (m, 1H), 7.41-7.38 (m,
3H), 7.36-7.31 (m, 2H), 7.28-7.23 (m, 1H), 5.38-5.26 (m, 1H), 1.62
(d, J = 6.9 Hz, 3H)。
<実施例2>
ピコリン酸(1.23g、10mmol)のトルエン(25mL、20.3v/w)溶液にDCC(2.19g、10.6mmol、1.06eq)、及びDMAP(244mg、2mmol、0.20eq)を10℃で加えた後25℃で30分攪拌した。この混合物にR-1-フェニルエチルアミン(1.28g、10.6mmol、1.06eq)を25℃で加え、17時間攪拌した。得られた混合物を濾過後、濾液を、1N塩酸水、水、重曹水、及び水で順次洗浄後減圧濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=2:1)で精製することにより上記反応式(1A)で表されるN-ベンジルピコリンアミド誘導体(N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミド)を得た(1.70g、75%)。なお、生成物への着色は、ほとんど生じなかった。
ピコリン酸(1.23g、10mmol)のトルエン(25mL、20.3v/w)溶液にDCC(2.19g、10.6mmol、1.06eq)、及びDMAP(244mg、2mmol、0.20eq)を10℃で加えた後25℃で30分攪拌した。この混合物にR-1-フェニルエチルアミン(1.28g、10.6mmol、1.06eq)を25℃で加え、17時間攪拌した。得られた混合物を濾過後、濾液を、1N塩酸水、水、重曹水、及び水で順次洗浄後減圧濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=2:1)で精製することにより上記反応式(1A)で表されるN-ベンジルピコリンアミド誘導体(N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミド)を得た(1.70g、75%)。なお、生成物への着色は、ほとんど生じなかった。
<実施例3>
ピコリン酸(5.00g、40.61mmol)の塩化メチレン(50mL、10v/w)の懸濁液に25℃でトリエチルアミン(4.28g、42.30mmol、1.04eq)を2分で滴下した。8℃でクロロ炭酸エチル(4.58g、42.20mmol、1.04eq)を8分かけて滴下した(14℃まで温度上昇)後、塩化メチレン(25mL、5.0v/w)を追加した。この混合物を10℃で10分、25℃で30分攪拌した。この混合物にR-1-フェニエチルアミン(5.51g、45.47mmol、1.12eq)を半量加えた(28℃まで温度上昇)。残りの半分を6~8℃で加えた後、25℃で6時間攪拌した。
ピコリン酸(5.00g、40.61mmol)の塩化メチレン(50mL、10v/w)の懸濁液に25℃でトリエチルアミン(4.28g、42.30mmol、1.04eq)を2分で滴下した。8℃でクロロ炭酸エチル(4.58g、42.20mmol、1.04eq)を8分かけて滴下した(14℃まで温度上昇)後、塩化メチレン(25mL、5.0v/w)を追加した。この混合物を10℃で10分、25℃で30分攪拌した。この混合物にR-1-フェニエチルアミン(5.51g、45.47mmol、1.12eq)を半量加えた(28℃まで温度上昇)。残りの半分を6~8℃で加えた後、25℃で6時間攪拌した。
この混合物を、1N塩酸水、水、重曹水、及び水で順次洗浄後減圧濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=2:1)で精製することにより上記反応式(1A)で表されるN-ベンジルピコリンアミド誘導体(N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミド)を得た(4.60g、50%)。なお、生成物への着色は、ほとんど生じなかった。
<実施例4>
ピコリン酸(5.00g、40.61mmol、1.0eq)の塩化メチレン(50mL、10v/w)懸濁液にトリエチルアミン(4.28g、42.30mmol、1.04eq)を7~10℃で5分かけて滴下した。この混合物にクロロ炭酸エチル(4.58g、42.20mmol、1.04eq)を2~4℃で10分かけて滴下後0℃で60分攪拌した。この混合物にR-1-フェニエチルアミン(5.51g、45.47mmol、1.12eq)の塩化メチレン(5mL、1.0v/w)溶液を-2~3℃で滴下した。滴下終了後同温で2時間攪拌した。
ピコリン酸(5.00g、40.61mmol、1.0eq)の塩化メチレン(50mL、10v/w)懸濁液にトリエチルアミン(4.28g、42.30mmol、1.04eq)を7~10℃で5分かけて滴下した。この混合物にクロロ炭酸エチル(4.58g、42.20mmol、1.04eq)を2~4℃で10分かけて滴下後0℃で60分攪拌した。この混合物にR-1-フェニエチルアミン(5.51g、45.47mmol、1.12eq)の塩化メチレン(5mL、1.0v/w)溶液を-2~3℃で滴下した。滴下終了後同温で2時間攪拌した。
反応液を氷水(50mL)に希釈した後(pH:8.2)、24%NaOH水でpH:10.5に調整し分液した。有機層を水(50mL)で洗浄した。この有機層に水(50mL)を加えた後、希塩酸にてpH:1.3に調整した後、この混合物を振とう分液した。得られた有機層を飽和食塩水(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラムで精製(ヘキサン/酢酸エチル=20:1)することにより上記反応式(1A)で表されるN-ベンジルピコリンアミド誘導体(N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミド)を得た(5.8g、63%)。なお、生成物への着色は、ほとんど生じなかった。
<比較例1>
ピコリン酸(1.23g、10mmol)の酢酸エチル(12.5mL、10.2eq)溶液にDCC(2.06g、10mmol、1.0eq)を25℃で加えた後同温で20分攪拌した。この混合物にR-1-フェニルエチルアミン(1.21g、10mmol、1.0eq)を25℃で加え、2時間攪拌した。得られた混合物を濾過後、濾液を、1N塩酸水、水、重曹水、及び水で順次洗浄後減圧濃縮した。析出した結晶を、ヘキサンを加えて濾取後、25℃で減圧乾燥した。
ピコリン酸(1.23g、10mmol)の酢酸エチル(12.5mL、10.2eq)溶液にDCC(2.06g、10mmol、1.0eq)を25℃で加えた後同温で20分攪拌した。この混合物にR-1-フェニルエチルアミン(1.21g、10mmol、1.0eq)を25℃で加え、2時間攪拌した。得られた混合物を濾過後、濾液を、1N塩酸水、水、重曹水、及び水で順次洗浄後減圧濃縮した。析出した結晶を、ヘキサンを加えて濾取後、25℃で減圧乾燥した。
上記の方法により、下記反応式で表される反応が起こったと考えられる。この反応では、上記反応式(1A)で表されるN-ベンジルピコリンアミド誘導体は、製造されず(N-ベンジルピコリンアミド誘導体の収率は、0%)、下記式(6)で表されるN-ピコリニルジシクロへキシル尿素が合成された(N-ピコリニルジシクロへキシル尿素の質量は、1.22g、収率は、37%)。
[物性評価]
上記反応により得られた上記式(6)で表されるN-ピコリニルジシクロへキシル尿素の1H-NMRの分析結果を以下に示す。
1H-NMR(CDCl3)δ:8.57-8.58(m、1H)、7.79-7.80 (m、1H)、7.70-7.71(m、1H)、7.37-7.39 (m、1H)、6.02 (brs、1H)、4.14-4.22(m、1H)、3.50-3.55(m、1H)、1.91-2.04(m、14H)、0.97-1.31(m,8H)。
上記反応により得られた上記式(6)で表されるN-ピコリニルジシクロへキシル尿素の1H-NMRの分析結果を以下に示す。
1H-NMR(CDCl3)δ:8.57-8.58(m、1H)、7.79-7.80 (m、1H)、7.70-7.71(m、1H)、7.37-7.39 (m、1H)、6.02 (brs、1H)、4.14-4.22(m、1H)、3.50-3.55(m、1H)、1.91-2.04(m、14H)、0.97-1.31(m,8H)。
<参考例1>
ピコリン酸(88.18g、0.716mol)の塩化メチレン(1.5L)溶液に塩化オキサリル(100g、0.788mol、1.1eq)を10℃以下で30minかけて滴下した。この混合物を5℃で10分攪拌したのちDMF(14ml)を加えた。同温で1時間、室温で2時間攪拌した。次いで、トリエチルアミン(145g、1.43mol、0.20eq)を3~13℃で35分かけて滴下した。氷冷下10℃で1時間攪拌した後、R-1-フェニルエチルアミン(95.5g、0.788mol、1.1eq)を4~12℃で30分かけて滴下した。反応液を3℃で1時間、室温で4時間攪拌した後、氷水(1L)中に注入した。
ピコリン酸(88.18g、0.716mol)の塩化メチレン(1.5L)溶液に塩化オキサリル(100g、0.788mol、1.1eq)を10℃以下で30minかけて滴下した。この混合物を5℃で10分攪拌したのちDMF(14ml)を加えた。同温で1時間、室温で2時間攪拌した。次いで、トリエチルアミン(145g、1.43mol、0.20eq)を3~13℃で35分かけて滴下した。氷冷下10℃で1時間攪拌した後、R-1-フェニルエチルアミン(95.5g、0.788mol、1.1eq)を4~12℃で30分かけて滴下した。反応液を3℃で1時間、室温で4時間攪拌した後、氷水(1L)中に注入した。
得られた混合物の水層を塩化メチレン(500mL)で抽出した。有機層を合わし、5%重曹水(500mL)、飽和食塩水(500mL)で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮することにより上記反応式(1A)で表されるN-ベンジルピコリンアミド誘導体(N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミド)を得た(145g、90%)。なお、生成物は、着色(褐色)した。
実施例1~4、比較例1及び参考例1に係る主な製造条件及び測定結果を下記表1にまとめる。なお、実施例1~4、比較例1及び参考例1では、いずれも、ベンジルアミン誘導体として、R-1-フェニルエチルアミンを使用した。また、着色の有無は、目視により確認した。
表1から明らかなように、塩基存在下、ベンジルアミン誘導体と、ピコリン酸と、カルボジイミド化合物及びハロ炭酸エステル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つの活性化剤の一例であるDCC又はクロロ炭酸エチルと、を接触させた実施例1~4において、目的物への着色を抑制しつつ、一定の収率を得ることができた。
<実施例5;第2の製造方法>
(N-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体の合成)
以下の方法で、上記式(2)で表されるN-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体として、下記反応式(2A)で表されるN-[(1R)-1-(4-ブロモフェニル)エチル]ピコリンアミドを合成した。この合成には、前記式(1)で表されるN-ベンジルピコリンアミド誘導体として下記式(1A)で表されるN-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミドを使用した。なお、この反応では、目的物である下記式(2A)で表されるN-[(1R)-1-(4-ブロモフェニル)エチル]ピコリンアミドの異性体である、下記反応式(2’A)で表されるN-[(1R)-1-(2-ブロモフェニル)エチル]ピコリンアミドがさらに生成された。
(N-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体の合成)
以下の方法で、上記式(2)で表されるN-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体として、下記反応式(2A)で表されるN-[(1R)-1-(4-ブロモフェニル)エチル]ピコリンアミドを合成した。この合成には、前記式(1)で表されるN-ベンジルピコリンアミド誘導体として下記式(1A)で表されるN-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミドを使用した。なお、この反応では、目的物である下記式(2A)で表されるN-[(1R)-1-(4-ブロモフェニル)エチル]ピコリンアミドの異性体である、下記反応式(2’A)で表されるN-[(1R)-1-(2-ブロモフェニル)エチル]ピコリンアミドがさらに生成された。
上記式(1A)で表されるN-ベンジルピコリンアミド誘導体(N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミド、9.70g、42.87mmol)の塩化メチレン(70mL、7.2v/w)溶液に三塩化アルミニウム(17.15g、128.62mmol、3.0eq)を7~19℃で20分かけて加えた後、30分攪拌した。臭素(8.22g、51.44mmol、1.2eq)の塩化メチレン(DCM、30mL、3.1v/w)溶液を10℃で30分かけて滴下した。その後、同温で3時間、25℃で2時間攪拌した。
反応液を氷水(200mL)中に注入した。水層を塩化メチレン(50mL)で抽出し、有機層を5%重曹水(50mL)で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮することにより、上記式(2A)で表されるN-[(1R)-1-(4-ブロモフェニル)エチル]ピコリンアミドの粗体を得た(12.8g、98%)。
[物性評価]
上記反応により得られた上記式(2A)で表されるN-[(1R)-1-(4-ブロモフェニル)エチル]ピコリンアミドの1H-NMRの分析結果を以下に示す。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.60(d,J=7.3Hz,3H)、5.26(m,1H)、7.28(m,2H)、7.45(m,3H)、7.85(dt,J=1.4Hz,7.8Hz,1H)、8.18(d,J=7.8Hz,1H)、8.30(br,1H)、8.55(d,J=4.6Hz,1H)。
上記反応により得られた上記式(2A)で表されるN-[(1R)-1-(4-ブロモフェニル)エチル]ピコリンアミドの1H-NMRの分析結果を以下に示す。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.60(d,J=7.3Hz,3H)、5.26(m,1H)、7.28(m,2H)、7.45(m,3H)、7.85(dt,J=1.4Hz,7.8Hz,1H)、8.18(d,J=7.8Hz,1H)、8.30(br,1H)、8.55(d,J=4.6Hz,1H)。
[HPLC分析]
実施例5で得られた粗体の生成割合を、HPLCを用いて分析した。HPLCの測定条件は下記のとおりとした。
サンプル濃度:0.5%THF
注入量:5μL
検出波長:254nm
流速:1.0mL/分
カラム温度:30℃
移動相:50~100% アセトニトリル(0~20min)
充填剤:X Bridge C18 5μm (4.6x150mm)。
実施例5で得られた粗体の生成割合を、HPLCを用いて分析した。HPLCの測定条件は下記のとおりとした。
サンプル濃度:0.5%THF
注入量:5μL
検出波長:254nm
流速:1.0mL/分
カラム温度:30℃
移動相:50~100% アセトニトリル(0~20min)
充填剤:X Bridge C18 5μm (4.6x150mm)。
HPLCによる分析の結果、粗体には、原料であるN-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミド(以下、単に「原料」とも称する。)が1.5単面%(Area%)、目的物であるN-[(1R)-1-(4-ブロモフェニル)エチル]ピコリンアミド(以下、単に「目的物」とも称する。)が68Area%、異性体であるN-[(1R)-1-(2-ブロモフェニル)エチル]ピコリンアミド(以下、単に「異性体」とも称する。)が9.5Area%それぞれ含まれていた。目的物:異性体の比は、7.2:1であった。ここで、単面%(Area%)とは、HPLCで得られるクロマトグラムにおいて、検出された測定対象に係るピーク面積の比率である。
なお、HPLC分析における保持時間は、N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミドが4.068分、N-[(1R)-1-(2-ブロモフェニル)エチル]ピコリンアミドが5.469分、N-[(1R)-1-(4-ブロモフェニル)エチル]ピコリンアミドが5.667分であった。
粗体1gにIPA(5mL)を加え50℃に加熱、溶解した。この溶液を15分かけて25℃まで冷却し同温で30min攪拌後、5℃で4時間攪拌した。析出晶を濾過、冷IPA(1mL)洗浄、45℃で5時間、減圧乾燥することにより上記式(2A)で表されるN-[(1R)-1-(4-ブロモフェニル)エチル]ピコリンアミドを得た(0.43g、43%)。なお、異性体は、検出されなかった。
<実施例6>
実施例5において、臭素の量を8.22gから8.91g(55.73mmоl、1.3eq)に変更したこと、及び三塩化アルミニウムの量を17.15gから14.29g(107.18mmоl、2.5eqに変更したこと以外は、実施例5に記載したのと同様の方法で反応を行った。HPLCで分析した結果、原料が27Area%、目的物が45Area%、異性体が7.5Area%(目的物:異性体の比は、6.0:1)であった。
実施例5において、臭素の量を8.22gから8.91g(55.73mmоl、1.3eq)に変更したこと、及び三塩化アルミニウムの量を17.15gから14.29g(107.18mmоl、2.5eqに変更したこと以外は、実施例5に記載したのと同様の方法で反応を行った。HPLCで分析した結果、原料が27Area%、目的物が45Area%、異性体が7.5Area%(目的物:異性体の比は、6.0:1)であった。
<実施例7>
実施例5において、臭素の量を8.22gから12.33g(77.16mmоl、1.8eq)に変更したこと、三塩化アルミニウムの量を17.15gから14.29g(107.18mmоl、2.5eq)に変更したこと、及び、反応時間を3時間(10℃)+2時間(25℃)から、2時間(10℃)+16時間(25℃)へと変更したこと以外は、実施例5に記載したのと同様の方法で反応を行った。HPLCで分析した結果、原料が27Area%、目的物が60Area%、異性体が10Area%(目的物:異性体の比は、6.0:1)であった。
実施例5において、臭素の量を8.22gから12.33g(77.16mmоl、1.8eq)に変更したこと、三塩化アルミニウムの量を17.15gから14.29g(107.18mmоl、2.5eq)に変更したこと、及び、反応時間を3時間(10℃)+2時間(25℃)から、2時間(10℃)+16時間(25℃)へと変更したこと以外は、実施例5に記載したのと同様の方法で反応を行った。HPLCで分析した結果、原料が27Area%、目的物が60Area%、異性体が10Area%(目的物:異性体の比は、6.0:1)であった。
<実施例8>
実施例5において、臭素の量を8.22gから8.91g(55.73mmоl、1.3eq)に変更したこと、及び、反応時間を3時間(10℃)+2時間(25℃)から、4時間(10℃)+14時間(25℃)へと変更したこと以外は、実施例5に記載したのと同様の方法で反応を行った。HPLCで分析した結果、原料が3Area%、目的物が66Area%、異性体が10.6Area%(目的物:異性体の比は、6.2:1)であった。
実施例5において、臭素の量を8.22gから8.91g(55.73mmоl、1.3eq)に変更したこと、及び、反応時間を3時間(10℃)+2時間(25℃)から、4時間(10℃)+14時間(25℃)へと変更したこと以外は、実施例5に記載したのと同様の方法で反応を行った。HPLCで分析した結果、原料が3Area%、目的物が66Area%、異性体が10.6Area%(目的物:異性体の比は、6.2:1)であった。
<実施例9>
実施例5において、臭素の量を8.22gから8.91g(55.73mmоl、1.3eq)に変更したこと、三塩化アルミニウムの量を17.15gから20.01g(150.06mmоl、3.5eq)に変更したこと、及び、反応時間を3時間(10℃)+2時間(25℃)から、4時間(10℃)+14時間(25℃)へと変更したこと以外は、実施例5に記載したのと同様の方法で反応を行った。HPLCで分析した結果、原料が4Area%、目的物が57Area%、異性体が7.8Area%(目的物:異性体の比は、7.3:1)であった。
実施例5において、臭素の量を8.22gから8.91g(55.73mmоl、1.3eq)に変更したこと、三塩化アルミニウムの量を17.15gから20.01g(150.06mmоl、3.5eq)に変更したこと、及び、反応時間を3時間(10℃)+2時間(25℃)から、4時間(10℃)+14時間(25℃)へと変更したこと以外は、実施例5に記載したのと同様の方法で反応を行った。HPLCで分析した結果、原料が4Area%、目的物が57Area%、異性体が7.8Area%(目的物:異性体の比は、7.3:1)であった。
<実施例10>
実施例5において、臭素の量を8.22gから8.91g(55.73mmоl、1.3eq)に変更したこと、及び、反応時間を3時間(10℃)+2時間(25℃)から、4時間(10℃)へと変更したこと以外は、実施例5に記載したのと同様の方法で反応を行った。HPLCで分析した結果、原料が23Area%、目的物が62Area%、異性体が9.3Area%(目的物:異性体の比は、6.7:1)であった。
実施例5において、臭素の量を8.22gから8.91g(55.73mmоl、1.3eq)に変更したこと、及び、反応時間を3時間(10℃)+2時間(25℃)から、4時間(10℃)へと変更したこと以外は、実施例5に記載したのと同様の方法で反応を行った。HPLCで分析した結果、原料が23Area%、目的物が62Area%、異性体が9.3Area%(目的物:異性体の比は、6.7:1)であった。
<実施例11>
実施例5において、臭素の量を8.22gから7.54g(47.15mmоl、1.1eq)に変更したこと、及び、反応時間を3時間(10℃)+2時間(25℃)から、4時間(10℃)へと変更したこと以外は、実施例5に記載したのと同様の方法で反応を行った。HPLCで分析した結果、原料が24Area%、目的物が63Area%、異性体が9.4Area%(目的物:異性体の比は、6.7:1)であった。
実施例5において、臭素の量を8.22gから7.54g(47.15mmоl、1.1eq)に変更したこと、及び、反応時間を3時間(10℃)+2時間(25℃)から、4時間(10℃)へと変更したこと以外は、実施例5に記載したのと同様の方法で反応を行った。HPLCで分析した結果、原料が24Area%、目的物が63Area%、異性体が9.4Area%(目的物:異性体の比は、6.7:1)であった。
<実施例12>
実施例5において、反応時間を3時間(10℃)+2時間(25℃)から、4時間(10℃)へと変更したこと以外は、実施例5に記載したのと同様の方法で反応を行った。HPLCで分析した結果、原料が19Area%、目的物が65Area%、異性体が10.9Area%(目的物:異性体の比は、6.0:1)であった。
実施例5において、反応時間を3時間(10℃)+2時間(25℃)から、4時間(10℃)へと変更したこと以外は、実施例5に記載したのと同様の方法で反応を行った。HPLCで分析した結果、原料が19Area%、目的物が65Area%、異性体が10.9Area%(目的物:異性体の比は、6.0:1)であった。
<実施例13>
実施例5において、臭素の量を8.22gから8.91g(55.73mmоl、1.3eq)に変更したこと、及び、反応時間を3時間(10℃)+2時間(25℃)から、4時間(10℃)+3時間(25℃)へと変更したこと以外は、実施例5に記載したのと同様の方法で反応を行った。HPLCで分析した結果、原料が4.8Area%、目的物が68Area%、異性体が11.3Area%(目的物:異性体の比は、6.0:1)であった。
実施例5において、臭素の量を8.22gから8.91g(55.73mmоl、1.3eq)に変更したこと、及び、反応時間を3時間(10℃)+2時間(25℃)から、4時間(10℃)+3時間(25℃)へと変更したこと以外は、実施例5に記載したのと同様の方法で反応を行った。HPLCで分析した結果、原料が4.8Area%、目的物が68Area%、異性体が11.3Area%(目的物:異性体の比は、6.0:1)であった。
<実施例14>
実施例14は、ハロゲン化剤(臭素化剤)として臭素に代わりにDBDMHを用いた点で、実施例5~13と相違する。N-[(1R)-1-フェニルメチル]ピコリンアミド(1.00g、4.42mmol)の塩化メチレン(7mL)溶液に8℃で三塩化アルミニウム(1.76g、13.2mmol、3.0eq)を加え20分攪拌した。次に、DBDMH(0.64g、2.24mmol、0.5eq)を5~9℃で10分かけて添加した。
実施例14は、ハロゲン化剤(臭素化剤)として臭素に代わりにDBDMHを用いた点で、実施例5~13と相違する。N-[(1R)-1-フェニルメチル]ピコリンアミド(1.00g、4.42mmol)の塩化メチレン(7mL)溶液に8℃で三塩化アルミニウム(1.76g、13.2mmol、3.0eq)を加え20分攪拌した。次に、DBDMH(0.64g、2.24mmol、0.5eq)を5~9℃で10分かけて添加した。
5℃で2時間、25℃で3時間攪拌した後、水/酢酸エチル各30mlに希釈し有機層をHPLCで分析した結果、原料が12Area%、目的物が57Area%、異性体が18Area%それぞれ含まれていた(目的物:異性体の比は、3.2:1)。
実施例5~14に係る製造条件及び測定結果を下記表2にまとめる。なお、表2には実施例5~14において相違する条件を中心に記載する。表2に示した以外の実施例5~14に共通する条件は、以下の通りである。
基質であるN-ベンジルピコリンアミド誘導体として、N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミドを使用した。N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミドの量は、実施例5~13では、9.70g、42.87mmоlとし、実施例14では、1.00g、4.42mmоlとした。
溶媒として、塩化メチレンを使用した。塩化メチレンの量は、実施例5~13では、70mL(7.2v/w)とし、実施例14では、7mL(7.0v/w)とした。
溶媒として、塩化メチレンを使用した。塩化メチレンの量は、実施例5~13では、70mL(7.2v/w)とし、実施例14では、7mL(7.0v/w)とした。
以下、実施例15~38において、N-ベンジルピコリンアミド誘導体のハロゲン化に係る第2の製造方法の製造条件について詳細な検討を行った。具体的には、(I)酸の使用量(実施例15~20参照)、(II)反応温度(実施例21~23参照)、(III)ハロゲン化剤の添加時間(実施例24及び25参照)、(IV)ハロゲン化剤の種類(実施例26及び27参照)、(V)溶媒の種類(実施例28~33参照)、並びに、(VI)溶媒としてアセトニトリルを用いた場合の、反応時間、反応温度、及びハロゲン化剤の添加時間(実施例34~38参照)について検討した。以下、それぞれ詳細に説明する。
上記の検討を行った反応は、以下の反応式に示すとおりである。すなわち、下記実施例15~38では、下記反応式(1A)で表されるN-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミドから下記反応式(2A)で表されるN-[(1R)-1-(4-ブロモフェニル)エチル]ピコリンアミドを合成した。なお、式(1A)で表される(N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミドは、原料であり、式(2A)で表されるN-[(1R)-1-(4-ブロモフェニル)エチル]ピコリンアミドは、目的物であり、式(2’A)で表されるN-[(1R)-1-(2-ブロモフェニル)エチル]ピコリンアミドは、異性体である。以下、同様の説明は、省略する場合がある。
(I)酸の使用量
実施例15~20において、酸の使用量について検討した。なお、酸としては、ブレンステッド酸(具体的には、硫酸)を用いた。
実施例15~20において、酸の使用量について検討した。なお、酸としては、ブレンステッド酸(具体的には、硫酸)を用いた。
<実施例15>
上記式(1A)で表される(N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミド(0.1g、0.44mmol、1.0eq)のDCM(1mL)溶液へ硫酸(8.3eq)、及びDBDMH(0.065g、0.23mmol、0.51eq)を25℃で一括添加した後、同温で18時間攪拌した。
上記式(1A)で表される(N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミド(0.1g、0.44mmol、1.0eq)のDCM(1mL)溶液へ硫酸(8.3eq)、及びDBDMH(0.065g、0.23mmol、0.51eq)を25℃で一括添加した後、同温で18時間攪拌した。
<実施例16>
実施例15において、硫酸の量を8.3eqから0.25eqに変更したこと以外は、実施例15に記載のものと同様の方法で反応を行った。
実施例15において、硫酸の量を8.3eqから0.25eqに変更したこと以外は、実施例15に記載のものと同様の方法で反応を行った。
<実施例17>
実施例15において、硫酸の量を8.3eqから0.5eqに変更したこと以外は、実施例15に記載のものと同様の方法で反応を行った。
実施例15において、硫酸の量を8.3eqから0.5eqに変更したこと以外は、実施例15に記載のものと同様の方法で反応を行った。
<実施例18>
実施例15において、硫酸の量を8.3eqから1.0eqに変更したこと以外は、実施例15に記載のものと同様の方法で反応を行った。
実施例15において、硫酸の量を8.3eqから1.0eqに変更したこと以外は、実施例15に記載のものと同様の方法で反応を行った。
<実施例19>
実施例15において、硫酸の量を8.3eqから2.0eqに変更したこと以外は、実施例15に記載のものと同様の方法で反応を行った。
実施例15において、硫酸の量を8.3eqから2.0eqに変更したこと以外は、実施例15に記載のものと同様の方法で反応を行った。
<実施例20>
実施例15において、硫酸の量を8.3eqから4.0eqに変更したこと以外は、実施例15に記載のものと同様の方法で反応を行った。
実施例15において、硫酸の量を8.3eqから4.0eqに変更したこと以外は、実施例15に記載のものと同様の方法で反応を行った。
実施例15~20に係る製造条件及び測定結果を下記表3にまとめる。なお、表3には実施例15~20間において相違する条件を中心に記載する。表3に示した以外の実施例15~20に共通する条件は、以下の通りである。
基質として、N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミドを0.1g、0.44mmоl使用した。
溶媒として、DCMを1mL使用した。
臭素化剤として、DBDMHを0.065g、0.23mmоl、すなわち、N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミドに対して0.51モル使用した。また、DBDMHは、25℃で一括添加した。
溶媒として、DCMを1mL使用した。
臭素化剤として、DBDMHを0.065g、0.23mmоl、すなわち、N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミドに対して0.51モル使用した。また、DBDMHは、25℃で一括添加した。
反応温度は、25℃とした。また、反応時間は、18時間とした。
<参考例2>
実施例15において、硫酸の量を8.3eqから16eqに変更したこと以外は、実施例15に記載のものと同様の方法で反応を行ったが、不明な反応物が多量に生成され、原料、目的物、異性体の生成割合は確認できなかった。
実施例15において、硫酸の量を8.3eqから16eqに変更したこと以外は、実施例15に記載のものと同様の方法で反応を行ったが、不明な反応物が多量に生成され、原料、目的物、異性体の生成割合は確認できなかった。
(II)反応温度
以下、実施例21~23において、各成分の攪拌混合開始時の反応温度について検討した。以下、詳細を説明する。
以下、実施例21~23において、各成分の攪拌混合開始時の反応温度について検討した。以下、詳細を説明する。
<実施例21>
上記式(1A)で表されるN-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミド(0.1g、0.44mmol、1.0eq)と硫酸(0.086g、0.88mmol、2.0eq)のDCM(1mL)溶液を-5℃まで冷却した後、DBDMH(0.065g、0.23mmol、0.51eq)を一括添加した後、同温で3時間、25℃で18時間攪拌した。
上記式(1A)で表されるN-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミド(0.1g、0.44mmol、1.0eq)と硫酸(0.086g、0.88mmol、2.0eq)のDCM(1mL)溶液を-5℃まで冷却した後、DBDMH(0.065g、0.23mmol、0.51eq)を一括添加した後、同温で3時間、25℃で18時間攪拌した。
<実施例22>
実施例21において、冷却の温度(DBDMHを添加するときの温度、すなわち、全ての成分の攪拌混合を開始するときの反応温度をいい、以下、「反応開始時の温度」とも称する。)を-5℃から5℃へと変更したこと以外は、実施例21に記載と同様の方法で反応を行った。
実施例21において、冷却の温度(DBDMHを添加するときの温度、すなわち、全ての成分の攪拌混合を開始するときの反応温度をいい、以下、「反応開始時の温度」とも称する。)を-5℃から5℃へと変更したこと以外は、実施例21に記載と同様の方法で反応を行った。
<実施例23>
実施例21において、冷却の温度(反応開始時の温度)を-5℃から25℃へと変更したこと以外は、実施例21に記載と同様の方法で反応を行った。換言すれば、実施例23では、25℃で21時間の攪拌を行った。
実施例21において、冷却の温度(反応開始時の温度)を-5℃から25℃へと変更したこと以外は、実施例21に記載と同様の方法で反応を行った。換言すれば、実施例23では、25℃で21時間の攪拌を行った。
実施例21~23に係る製造条件及び測定結果を下記表4にまとめる。なお、表4には実施例21~23間において相違する条件を中心に記載する。表4に示した以外の実施例21~23に共通する条件は、以下の通りである。
基質として、N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミドを0.1g、0.44mmоl使用した。
酸として、硫酸を0.086g、0.88mmоl、すなわち、N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミドに対して2.0モル使用した。
溶媒として、DCMを1mL使用した。
臭素化剤として、DBDMHを0.065g、0.23mmоl、すなわち、N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミドに対して0.51モル使用した。また、DBDMHは、一括で添加した。
酸として、硫酸を0.086g、0.88mmоl、すなわち、N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミドに対して2.0モル使用した。
溶媒として、DCMを1mL使用した。
臭素化剤として、DBDMHを0.065g、0.23mmоl、すなわち、N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミドに対して0.51モル使用した。また、DBDMHは、一括で添加した。
(III)ハロゲン化剤の添加時間
以下、実施例24及び25において、ハロゲン化剤の添加時間(ハロゲン化剤を加える際に要する時間)について検討した。以下、詳細を説明する。
以下、実施例24及び25において、ハロゲン化剤の添加時間(ハロゲン化剤を加える際に要する時間)について検討した。以下、詳細を説明する。
<実施例24>
上記式(1A)で表されるN-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミド(0.5g、2.21mmol、1.0eq)と硫酸(0.43g、4.42mmol、2.0eq)のDCM(5mL)溶液を5℃下記温度まで冷却し後、DBDMH(0.32g、1.13mmol、0.51eq)を一括添加した後、10℃以下で3時間、室温で18時間攪拌した。
上記式(1A)で表されるN-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミド(0.5g、2.21mmol、1.0eq)と硫酸(0.43g、4.42mmol、2.0eq)のDCM(5mL)溶液を5℃下記温度まで冷却し後、DBDMH(0.32g、1.13mmol、0.51eq)を一括添加した後、10℃以下で3時間、室温で18時間攪拌した。
<実施例25>
実施例24において、DBDMHの添加時間を4時間へと変更したこと以外は、実施例24に記載と同様の方法で反応を行った。なお、DBDMHは、15分毎に16回に亘って均等に添加した。
実施例24において、DBDMHの添加時間を4時間へと変更したこと以外は、実施例24に記載と同様の方法で反応を行った。なお、DBDMHは、15分毎に16回に亘って均等に添加した。
実施例24及び25に係る製造条件及び測定結果を下記表5にまとめる。なお、表5に示した以外の実施例24及び25に共通する条件は、以下の通りである。
基質として、N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミドを0.5g、2.21mmоl使用した。
酸として、硫酸を0.43g、4.42mmоl、すなわち、N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミドに対して2.0モル使用した。
溶媒として、DCMを5mL使用した。
臭素化剤として、DBDMHを0.32g、1.13mmоl、すなわち、N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミドに対して0.51モル使用した。
攪拌混合(すなわち、反応温度及び反応時間)は、0℃以上10℃以下で3時間、及び25℃で18時間実施した。
酸として、硫酸を0.43g、4.42mmоl、すなわち、N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミドに対して2.0モル使用した。
溶媒として、DCMを5mL使用した。
臭素化剤として、DBDMHを0.32g、1.13mmоl、すなわち、N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミドに対して0.51モル使用した。
攪拌混合(すなわち、反応温度及び反応時間)は、0℃以上10℃以下で3時間、及び25℃で18時間実施した。
(IV)ハロゲン化剤の種類
以下、実施例26及び27において、ハロゲン化剤(臭素化剤)の種類について検討した。以下、詳細を説明する。
以下、実施例26及び27において、ハロゲン化剤(臭素化剤)の種類について検討した。以下、詳細を説明する。
<実施例26>
上記式(1A)で表されるN-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミド(0.1g、0.44mmol、1.0eq)、及び硫酸(0.086g、0.88mmol、2.0eq)のDCM(1mL)溶液を5℃まで冷却した後、DBDMHを一括添加し、5℃で3時間、25℃で18時間攪拌した。
上記式(1A)で表されるN-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミド(0.1g、0.44mmol、1.0eq)、及び硫酸(0.086g、0.88mmol、2.0eq)のDCM(1mL)溶液を5℃まで冷却した後、DBDMHを一括添加し、5℃で3時間、25℃で18時間攪拌した。
<実施例27>
実施例26において、DBDMHの代わりにNBS(82.2g、0.462mmоl、1.05eq)を用いたこと以外は、実施例26に記載と同様の方法で反応を行った。
実施例26において、DBDMHの代わりにNBS(82.2g、0.462mmоl、1.05eq)を用いたこと以外は、実施例26に記載と同様の方法で反応を行った。
実施例26及び27に係る製造条件及び測定結果を下記表6にまとめる。表6に示した以外の実施例26及び27に共通する条件は、以下の通りである。
基質として、N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミドを0.1g、0.44mmоl使用した。
酸として、硫酸を0.086g、0.88mmоl、すなわち、N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミドに対して2.0モル使用した。
溶媒として、DCMを1mL使用した。
攪拌混合(すなわち、反応温度及び反応時間)は、5℃で3時間、及び25で18時間実施した。
酸として、硫酸を0.086g、0.88mmоl、すなわち、N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミドに対して2.0モル使用した。
溶媒として、DCMを1mL使用した。
攪拌混合(すなわち、反応温度及び反応時間)は、5℃で3時間、及び25で18時間実施した。
(V)溶媒の種類
以下、実施例28~33において、溶媒の種類について検討した。以下、詳細を説明する。
以下、実施例28~33において、溶媒の種類について検討した。以下、詳細を説明する。
<実施例28>
上記式(1A)で表されるN-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミド(0.5g、2.21mmol、1.0eq)、及び硫酸(0.217g、2.21mmol、1.0eq)をDCM(5mL)に溶かし、7℃でDBDMH(0.32g、1.12mmol、0.51eq)を一括添加した後、7℃で3時間、25℃で18時間攪拌した。
上記式(1A)で表されるN-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミド(0.5g、2.21mmol、1.0eq)、及び硫酸(0.217g、2.21mmol、1.0eq)をDCM(5mL)に溶かし、7℃でDBDMH(0.32g、1.12mmol、0.51eq)を一括添加した後、7℃で3時間、25℃で18時間攪拌した。
<実施例29>
実施例28において、DCMの代わりにクロロベンゼン(5mL)を用いたこと以外は、実施例28に記載と同様の方法で反応を行った。
実施例28において、DCMの代わりにクロロベンゼン(5mL)を用いたこと以外は、実施例28に記載と同様の方法で反応を行った。
<実施例30>
実施例28において、DCMの代わりにアセトニトリル(5mL)を用いたこと以外は、実施例28に記載と同様の方法で反応を行った。
実施例28において、DCMの代わりにアセトニトリル(5mL)を用いたこと以外は、実施例28に記載と同様の方法で反応を行った。
<実施例31>
実施例28において、DCMの代わりに酢酸エチル(5mL)を用いたこと以外は、実施例28に記載と同様の方法で反応を行った。
実施例28において、DCMの代わりに酢酸エチル(5mL)を用いたこと以外は、実施例28に記載と同様の方法で反応を行った。
<実施例32>
実施例28において、DCMの代わりにアセトン及び水(5mL、アセトン:水の比は、6:1とした。)を用いたこと以外は、実施例28に記載と同様の方法で反応を行った。
実施例28において、DCMの代わりにアセトン及び水(5mL、アセトン:水の比は、6:1とした。)を用いたこと以外は、実施例28に記載と同様の方法で反応を行った。
<実施例33>
実施例28において、DCMの代わりに酢酸(5mL)を用いたこと以外は、実施例28に記載と同様の方法で反応を行った。
実施例28において、DCMの代わりに酢酸(5mL)を用いたこと以外は、実施例28に記載と同様の方法で反応を行った。
実施例28~33に係る製造条件及び測定結果を下記表7にまとめる。なお、表7には実施例28~33間において相違する条件を中心に記載する。表7に示した以外の実施例28~33に共通する条件は、以下の通りである。
基質として、N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミドを0.5g、2.21mmоl使用した。
酸として、硫酸を0.217g、2.21mmоl、すなわち、N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミドに対して1.0モル使用した。
臭素化剤として、DBDMHを0.32g、1.12mmоl、すなわち、N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミドに対して0.51モル使用した。また、DBDMHは、7℃で一括添加した。
攪拌混合(すなわち、反応温度及び反応時間)は、7℃で3時間、及び25で18時間実施した。
酸として、硫酸を0.217g、2.21mmоl、すなわち、N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミドに対して1.0モル使用した。
臭素化剤として、DBDMHを0.32g、1.12mmоl、すなわち、N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミドに対して0.51モル使用した。また、DBDMHは、7℃で一括添加した。
攪拌混合(すなわち、反応温度及び反応時間)は、7℃で3時間、及び25で18時間実施した。
(VI)溶媒としてアセトニトリルを用いた場合の、反応時間、反応温度、及びハロゲン化剤の添加時間
以下、実施例34~38において、溶媒としてアセトニトリルを用いた場合の、反応時間、反応温度、及びハロゲン化剤の添加時間について検討した。ハロゲン化剤としては、DBDMHを用いた。以下、詳細を説明する。
以下、実施例34~38において、溶媒としてアセトニトリルを用いた場合の、反応時間、反応温度、及びハロゲン化剤の添加時間について検討した。ハロゲン化剤としては、DBDMHを用いた。以下、詳細を説明する。
<実施例34>
上記式(1A)で表されるN-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミド(0.5g、2.21mmol、1.0eq)、及び硫酸(0.217g、2.21mmol、1.0eq)のアセトニトリル溶液(5mL)へ7℃でDBDMH(0.32g、1.12mmol、0.51eq)を一括添加した後、7℃で3時間攪拌した。その後、25℃、18時間攪拌して反応させた後、反応液から少量サンプリングし、水と酢酸エチルで希釈後有機層についてLC分析した。その後、反応液は引き続き5℃で8hr、25℃で18hr攪拌した。反応液を水と酢酸エチルに希釈後有機層についてLC分析した。
上記式(1A)で表されるN-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミド(0.5g、2.21mmol、1.0eq)、及び硫酸(0.217g、2.21mmol、1.0eq)のアセトニトリル溶液(5mL)へ7℃でDBDMH(0.32g、1.12mmol、0.51eq)を一括添加した後、7℃で3時間攪拌した。その後、25℃、18時間攪拌して反応させた後、反応液から少量サンプリングし、水と酢酸エチルで希釈後有機層についてLC分析した。その後、反応液は引き続き5℃で8hr、25℃で18hr攪拌した。反応液を水と酢酸エチルに希釈後有機層についてLC分析した。
<実施例35>
実施例34において、反応時間を18時間から66時間へと変更したこと以外は、実施例34に記載と同様の方法で反応を行った。
実施例34において、反応時間を18時間から66時間へと変更したこと以外は、実施例34に記載と同様の方法で反応を行った。
<実施例36>
実施例34において、反応時間を18時間から23時間へと変更したこと、反応温度を25℃から5℃へと変更したこと以外は、実施例34に記載と同様の方法で反応を行った。
実施例34において、反応時間を18時間から23時間へと変更したこと、反応温度を25℃から5℃へと変更したこと以外は、実施例34に記載と同様の方法で反応を行った。
<実施例37>
実施例34において、反応温度及び反応時間を25℃18時間から、5℃(31時間)+25℃(18時間)へと変更したこと以外は、実施例34に記載と同様の方法で反応を行った。
実施例34において、反応温度及び反応時間を25℃18時間から、5℃(31時間)+25℃(18時間)へと変更したこと以外は、実施例34に記載と同様の方法で反応を行った。
<実施例38>
実施例34において、添加時間を4時間へと変更したこと以外は、実施例34に記載と同様の方法で反応を行った。
実施例34において、添加時間を4時間へと変更したこと以外は、実施例34に記載と同様の方法で反応を行った。
実施例34~38に係る製造条件及び測定結果を下記表8にまとめる。なお、表8には実施例34~38間において相違する条件を中心に記載する。表8に示した以外の実施例34~38に共通する条件は、以下の通りである。
基質として、N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミドを0.5g、2.21mmоl使用した。
溶媒としては、アセトニトリルを5mL使用した。
酸として、硫酸を0.217g、2.21mmоl、すなわち、N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミドに対して1.0モル使用した。
臭素化剤として、DBDMHを0.32g、1.12mmоl、すなわち、N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミドに対して0.51モル使用した。また、DBDMHは、7℃で一括添加した。
溶媒としては、アセトニトリルを5mL使用した。
酸として、硫酸を0.217g、2.21mmоl、すなわち、N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミドに対して1.0モル使用した。
臭素化剤として、DBDMHを0.32g、1.12mmоl、すなわち、N-[(1R)-1-フェニルエチル]ピコリンアミドに対して0.51モル使用した。また、DBDMHは、7℃で一括添加した。
Claims (6)
- 前記式(1)で表されるN-ベンジルピコリンアミド誘導体と前記ハロゲン化剤とを-10℃以上30℃以下の温度範囲で接触させる、
請求項1に記載のN-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体の製造方法。 - 前記酸は、三塩化アルミニウムであり、
前記ハロゲン化剤は、臭素及び1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントインからなる群から選ばれる少なくとも1種の臭素化剤である、
請求項1又は2に記載のN-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体の製造方法。 - 前記酸は、硫酸であり、
前記臭素化剤は、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントインである、
請求項1又は2に記載のN-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021000736A JP2022106045A (ja) | 2021-01-06 | 2021-01-06 | N-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021000736A JP2022106045A (ja) | 2021-01-06 | 2021-01-06 | N-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022106045A true JP2022106045A (ja) | 2022-07-19 |
Family
ID=82448938
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021000736A Pending JP2022106045A (ja) | 2021-01-06 | 2021-01-06 | N-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2022106045A (ja) |
-
2021
- 2021-01-06 JP JP2021000736A patent/JP2022106045A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6699979B2 (ja) | シロドシンおよびその中間体の合成方法ならびに結晶フォーム | |
HUT68913A (en) | Novel derivatives of perhydroisoindole and preparation thereof | |
CN108601355B (zh) | 制备激酶抑制剂及其中间体的方法 | |
JP2018518489A (ja) | アプレミラスト及びその中間体の調製方法 | |
CN108383749A (zh) | 阿帕鲁胺的合成方法及其中间体 | |
JPH0730018B2 (ja) | 新規化合物の3−アミノ−2−オキソアゼチジン誘導体及びそれらの製造法 | |
EP3668857A1 (en) | Processes for the preparation of niraparib and intermediates thereof | |
CA3044654A1 (en) | Method for producing triazolopyridine compound | |
JP2022106045A (ja) | N-(4-ハロゲノベンジル)ピコリンアミド誘導体の製造方法 | |
JP2019532075A (ja) | 重水素化イミダゾリジンジオン系化合物を調製する方法 | |
JP2973143B2 (ja) | 3−アシルアミノ−6−フェニルオキシ−7−アルキルスルホニルアミノ−4h−1−ベンゾピラン−4−オンまたはその塩の製造法 | |
JP2021526531A (ja) | リフィテグラストの製造方法 | |
JP3523921B2 (ja) | アザスピロ誘導体およびその製造法 | |
JP7316228B2 (ja) | 化合物および化合物の製造方法 | |
JP5234856B2 (ja) | Npyy5受容体拮抗作用を有する化合物の結晶 | |
JP4296766B2 (ja) | 3−置換アントラニル誘導体の製法 | |
JP2022114189A (ja) | 6-ハロゲノイソインドリノン誘導体の製造方法 | |
TW201700458A (zh) | 二羧酸化合物之製法 | |
WO2006003974A1 (ja) | 環状ジアミン誘導体の製造法 | |
JP4398636B2 (ja) | N−[3−(アシルアミノ)−4−オキソ−6−フェノキシ−4h−クロメン−7−イル]アルキルスルホンアミド誘導体またはその塩の製造法並びに中間体 | |
JPWO2005063678A1 (ja) | フェニル酢酸誘導体の製造方法 | |
JP4126944B2 (ja) | 5−アミノ−4−ニトロソピラゾール化合物の製法 | |
JP3646223B2 (ja) | 求電子反応による芳香族化合物の製造方法及び芳香族化合物 | |
WO2017043563A1 (ja) | ピリジンカルボキサミドの製造方法 | |
US20070037854A1 (en) | Process for preparing sulfonamide-containing indole compounds |