JP2022105815A - 履物およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造が容易であって、十分な接合強度が得られ、外観形状のバリエーションを持たせ易く、デザイン性に優れた履物底を備えた履物を提供する。【解決手段】履物1Aは、履物底2と、履物底2の縁部に接合された甲被6Aとを備えている。履物底2Aは、少なくとも裏面が熱融着可能な材料よりなるシート状の上面・周面表皮材3Aと、少なくとも裏面が熱融着可能な材料よりなる下底材4Aと、上面・周面表皮材3Aおよび下底材4Aによって囲まれた空間に充填された発泡成形体よりなる中芯材5Aとを有している。上面・周面表皮材3Aおよび下底材4Aが、発泡成形時の熱融着により中芯材5Aと接合一体化されている。【選択図】図3

Description

この発明は、特に室内履物として好適に用いられる履物およびその製造方法に関する。
例えば、従来の室内履物として、下記特許文献1に示すように、ハイヒール状の底板芯の下面から周面を下面・周面表皮により包被するとともに、底板芯の上面に下面・周面表皮の周縁部を接着し、その上から中底芯を包蔵した中底表皮の下面を接着してなる底を備えたスリッパが知られている。
また、従来のその他の室内履物として、下記特許文献2に示すように、中物芯を袋状表皮で被覆してなる底と、袋状表皮に縫着されたアッパーとを備え、中物芯は、ヒール部の厚みがそれより前方部分の厚みよりも大きくなされており、袋状表皮が、中物芯の上面を覆う中底表皮と中物芯の下面および周面を覆う下面・周面表皮とを縫着することにより形成されているものが知られている。
実開昭58-41202号公報 特開平2007-296176号公報
しかしながら、特許文献1記載の室内履物(スリッパ)の場合、底板芯と中底芯とを別々の表皮によって被覆する必要がある上、両者の接着工程も必要となるため、製造工程が複雑となり、生産性の点で問題があった。また、底を構成する材料どうしが接着剤により接合されている室内履物の場合、接合強度が低下して、使用中に底を構成する材料どうしが剥離するおそれがあった。
一方、特許文献2記載の室内履物にあっては、底を構成する材料どうしの接着剤による接合は不要となるため、使用中に底の剥離が生じるおそれはないが、中物芯を被覆する中底表皮および下面・周面表皮を縫着する工程が必要となるため、やはり生産性の点で問題があった。
また、上記いずれの室内履物にあっても、例えば中底表面に履き心地を向上させるための凹凸を形成するといった外観形状のバリエーションをもたせるのが難しい上、デザイン性の面でも一定の制約があった。
この発明は、上記の課題を解決するために、製造が容易であって、接合強度に優れており、外観形状のバリエーションを持たせやすく、デザイン性に優れている履物底を備えた履物を提供することを目的としている。
この発明は、上記の目的を達成するために、以下の態様からなる。
1)履物底と、履物底の縁部に接合された甲被とを備えており、
履物底は、少なくとも裏面が熱融着可能な材料よりなるシート状の上面・周面表皮材と、少なくとも裏面が熱融着可能な材料よりなる下底材と、上面・周面表皮材および下底材によって囲まれた空間に充填された発泡成形体よりなる中芯材とを有しており、
上面・周面表皮材および下底材が、発泡成形時の熱融着により中芯材と接合一体化されている、履物。
2)履物底の周面下縁部に環状鍔部が形成されており、同環状鍔部に甲被が縫着されている、上記1)の履物。
3)履物底の下面が環状鍔部よりも下方に膨出させられている、上記2)の履物。
4)履物底と、履物底の縁部に接合された甲被とを備えている履物を製造する方法であって、
履物底を成形するに当たり、
下型の表面に少なくとも裏面が熱融着可能な材料よりなるシート状の上面・周面表皮材を取り付ける工程と、
上型の表面に少なくとも裏面が熱融着可能な材料よりなる下底材を取り付ける工程と、
下型に中芯材用発泡樹脂を注入する工程と、
下型に上型を重ねて中芯材を発泡成形するとともに上面・周面表皮材および下底材を熱融着により中芯材と接合一体化させる工程とを含んでいる、履物の製造方法。
5)履物底をその周面下縁部に環状鍔部が一体的に設けられるように成形した後、同環状鍔部に甲被を縫着する、上記4)の履物の製造方法。
6)履物底と、履物底の縁部に接合された甲被とを備えており、
履物底は、少なくとも裏面が熱融着可能な材料よりなるシート状の下面・周面表皮材と、少なくとも裏面が熱融着可能な材料よりなる中底材と、下面・周面表皮材および中底材によって囲まれた空間に充填された発泡成形体よりなる中芯材とを有しており、
下面・周面表皮材および中底材が、発泡成形時の熱融着により中芯材と接合一体化されている、履物。
7)履物底の周面上縁部に環状鍔部が形成されており、同環状鍔部に甲被が縫着されている、上記6)の履物。
8)履物底と、履物底の縁部に接合された甲被とを備えている履物を製造する方法であって、
履物底を成形するに当たり、
下型の表面に少なくとも裏面が熱融着可能な材料よりなるシート状の下面・周面表皮材を取り付ける工程と、
上型の表面に少なくとも裏面が熱融着可能な材料よりなる中底材を取り付ける工程と、
下型に中芯材用発泡樹脂を注入する工程と、
下型に上型を重ねて中芯材を発泡成形するとともに下面・周面表皮材および中底材を熱融着により中芯材と接合一体化させる工程とを含んでいる、履物の製造方法。
9)履物底をその周面上縁部に環状鍔部が一体的に設けられるように成形した後、同環状鍔部に甲被を縫着する、上記8)の履物の製造方法。
上記1)の履物によれば、例えば下型および上型よりなる成形金型を用いて少ない工程で履物底を成形することが可能であるので、上述した特許文献1,2記載の従来の室内履物と比べて、その製造が容易となり、生産性が向上する。
また、上記1)の履物によれば、上面・周面表皮材および下底材が発泡成形時の熱融着により中芯材と接合一体化されているので、接合強度に優れた履物底が得られる。
さらに、上記1)の履物によれば、例えば接足面に所要の凹凸形状を付与する等の外観形状のバリエーションを持たせるのが容易であり、また、デザイン性や履き心地に優れた履物底が得られる。
上記2)の履物によれば、履物底に形成された環状鍔部に甲被が縫着されているので、両者の接合作業を容易に行うことができる。
上記3)の履物によれば、履物底の環状鍔部が床面に接触し難くなるので、歩行時の音が抑えられる。
また、上記3)の履物によれば、下方に膨出させられた履物底の下面に滑り止め材を取り付けることにより、歩行時の滑りを効果的に抑制することが可能となる。
上記4)の履物の製造方法によれば、下型および上型よりなる成形金型を用いて少ない工程で履物底を成形することができるので、上述した特許文献1,2記載の従来の室内履物の製造方法と比べて生産性が向上する。
また、上記4)の履物の製造方法によれば、上面・周面表皮材および下底材が発泡成形時の熱融着により中芯材と接合一体化されるので、接合強度に優れた履物底が得られる。
さらに、上記4)の履物の製造方法によれば、例えば下型の表面形状を変更することにより接足面に所要の凹凸形状を付与するといった外観形状のバリエーションを持たせることが容易であり、また、デザイン性や履き心地に優れた履物底が得られる。
上記5)の履物の製造方法によれば、履物底に形成された環状鍔部に甲被を縫着するので、両者の接合作業を容易に行うことができる。
上記6)の履物によれば、例えば下型および上型よりなる成形金型を用いて少ない工程で履物底を成形することが可能であるので、上述した特許文献1,2記載の従来の室内履物と比べて、その製造が容易となり、生産性が向上する。
また、上記6)の履物によれば、下面・周面表皮材および中底材が発泡成形時の熱融着により中芯材と接合一体化されているので、接合強度に優れた履物底が得られる。
さらに、上記6)の履物によれば、例えば接地面に所要の凹凸形状を付与する等の外観形状のバリエーションを持たせることが容易であり、また、デザイン性や履き心地に優れた履物底が得られる。
上記7)の履物によれば、履物底に形成された環状鍔部に甲被が縫着されているので、両者の接合作業を容易に行うことができる。
上記8)の履物の製造方法によれば、上型および下型よりなる成形金型を用いて少ない工程で履物底を容易に成形することができるので、上述した特許文献1,2記載の従来の室内履物の製造方法と比べて生産性が向上する。
また、上記8)の履物の製造方法によれば、下面・周面表皮材および中底材が発泡成形時の熱融着により中芯材と接合一体化されるので、接合強度に優れた履物底が得られる。
さらに、上記8)の履物の製造方法によれば、例えば下型の表面形状を変更することにより接地面に所要の凹凸形状を付与する等の外観形状のバリエーションを持たせることが容易であり、また、デザイン性や履き心地に優れた履物底が得られる。
上記9)の履物の製造方法によれば、履物底に形成された環状鍔部に甲被を縫着するので、両者の接合作業を容易に行うことができる。
この発明の第1の実施形態に係る履物の上方斜視図である。 同履物の下方斜視図である。 図履物の垂直縦断面図である。 同履物の垂直横断面図である。 同履物の製造方法を工程順に示す断面図である。 この発明の第2の実施形態に係る履物の上方斜視図である。 同履物の下方斜視図である。 図履物の垂直縦断面図である。 同履物の垂直横断面図である。 同履物の製造方法を工程順に示す断面図である。
<第1の実施形態>
この発明の第1の実施形態に係る履物およびその製造方法について、図1~5を参照しながら以下に説明する。なお、図1~図4では、上記履物のうち右足用のものを示している。
この実施形態の履物(1A)は、室内履物として使用されるものであって、図1~図4に示すように、履物底(2A)と、履物底(2A)の縁部に接合された甲被(6A)とを備えている。
履物底(2A)は、少なくとも裏面(下面)が熱融着可能な材料よりなるシート状の上面・周面表皮材(3A)と、少なくとも裏面(上面)が熱融着可能な材料よりなる下底材(4A)と、上面・周面表皮材(3A)および下底材(4A)によって囲まれた空間に充填された発泡成形体よりなる中芯材(5A)とを有している。上面・周面表皮材(3A)および下底材(4A)は、発泡成形時の熱融着により中芯材(5A)と接合一体化されている。
履物底(2A)の周面下縁部には、環状鍔部(21A)が形成されている。
環状鍔部(21A)は、中芯材(5A)の周面下縁部から略水平方向に張り出すように形成された鍔部本体(51A)と、上面・周面表皮材(3A)の周縁部よりなりかつ鍔部本体(51A)の上面および周面を被覆している上面・周面被覆部(31A)と、下底材(4A)の周縁部よりなりかつ鍔部本体(51A)の下面を被覆している下面被覆部(43A)とで構成されている(図4参照)。以上の構成により、中芯材(5A)は、鍔部本体(51A)も含めた全体が、上面・周面表皮材(3A)および下底材(4A)によって完全に被覆されている。
履物底(2A)の下面は、環状鍔部(21A)よりも下方に膨出させられた膨出部(22A)よりなる。膨出部(22A)は、緩やかにカーブした下方凸弧状の横断面を有するものとなされている。従って、履物底(2A)の環状鍔部(21A)は、歩行に際して床面と接し難くなる。そして、この膨出部(22A)の中央部分、すなわち、下底材(4A)の表面(下面)中央部に、シート状の滑り止め材(7A)が接合されている。滑り止め材(7A)は、例えばポリ塩化ビニル(PVC)シートや熱可塑性ポリウレタン(TPU)シート等によって形成されている。下底材(4A)下面への滑り止め材(7A)の接合は、例えば図示のように縫着によって行われるが、その他の接合手段により行われていてもよい。
履物底(2A)の上面、すなわち接足面には、踵に対応する部分に横断面下方凸弧状の後側凹部(23A)が形成されている。また、履物底(2A)の上面には、土踏まずに対応する箇所にドーム状の中央隆起部(24A)が形成されているとともに、足指付け根部に対応する箇所に平面より見て略三角形の前側隆起部(25A)が形成されている。これらの凹部(23A)や隆起部(24A)(25A)により、足裏の形状に沿う良好な履き心地の接足面が得られる。
これら履物底(2A)上面の凹凸形状は、下型(8A)表面に形成する凹凸形状を任意に変更することで、容易に変更することができる。
また、図示は省略したが、履物底(2A)上面の凹凸形状の他、履物底(2A)周面にも、上記と同様にして、所望の凹凸形状や模様を形成することが可能である。
上面・周面表皮材(3A)を形成するシート状材料としては、例えば熱可塑性ポリウレタン(TPU)シートやエチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)シート等の熱可塑性樹脂シートが用いられる。また、上面・周面表皮材(3A)のシート状材料として、例えば合成繊維製の編地や不織布よりなる基材にポリウレタン等の熱可塑性樹脂を含浸またはコーティングするとともに必要に応じて表面に型押加工を施してなる合成皮革・人工皮革や、これら合成皮革・人工皮革の裏面に上記熱可塑性樹脂シートを積層してなる複合シートを使用することも可能である。なお、合成皮革や人工皮革は、編地等の基材側が上面・周面表皮材(3A)の裏面となるように使用する場合でも、基材を構成する繊維の隙間に入り込んだ熱可塑性樹脂が中芯材(5A)と熱融着させられるので、適用可能であると考えられる。上記シート状材料の厚みは特に限定されないが、後述する下型(8A)表面に密着して所望の表面形状が得られるとともに、履物底(2A)の表皮材として必要な強度が得られるように、0.2~1.2mm程度の厚みを有するものとなされるのが好ましい。
下底材(4A)の材料としては、少なくとも裏面(上面)が熱融着可能な材料で構成されているものであれば特に限定されないが、例えば合成繊維製の編地や不織布よりなる基材にポリウレタン等の熱可塑性樹脂を含浸またはコーティングするとともに必要に応じて表面に型押加工を施してなる合成皮革・人工皮革や、図3,4に示すように、これら合成皮革・人工皮革(41A)の裏面(上面)に熱可塑性ポリウレタン(TPU)シートやエチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)シート等の熱可塑性樹脂シート(42A)を積層してなる積層シートが用いられる。また、下底材(4A)は、上記のようなシート状材料によって形成する他、例えばエチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)等の熱可塑性樹脂発泡成形品によって形成することも可能である。
中芯材(5A)は、例えばポリウレタンフォーム等の発泡成形体により構成される。
図示の中芯材(5A)の場合、その前側部が相対的に厚みの小さいものとなされ、その長さ中間部および後側部が相対的に厚みの大きいものとなされている。この構成により、履物底(2A)のクッション性(履き心地)およびデザイン性が確保される。
この実施形態の甲被は、甲バンド(6A)よりなり、その左右両端縁部が、履物底(2A)の環状鍔部(21A)における左右両側の前側部分に、糸(T)で縫着されている。
また、この実施形態の履物(1A)では、環状鍔部(21A)のその他の部分も、上記と同じ糸(T)で連続的に縫着されている。以上の構成により、履物(1A)のデザイン性が高められるとともに、環状鍔部(21A)における鍔部本体(51A)と上面・周面被覆部(31A)および下面被覆部(43A)との接合強度がさらに向上する。
甲バンド(6A)は、例えば、合成皮革等よりなるバンド本体(61A)と、バンド本体(61A)の裏面(下面)に積層された裏打材(62A)とを有する積層シートによって形成される。
なお、甲被の形状や構成材料は、上記態様には限定されず、適宜変更可能である。
次に、上記履物(1A)の製造方法の一例を、図5を参照して説明する。
(a)第1の工程
まず、熱可塑性樹脂シートを所定形状に裁断してなる上面・周面表皮材(3A)を、履物底成形装置の下型(8A)表面に取り付ける(図5(a)参照)。
下型(8A)の表面には、履物底(2A)周面の環状鍔部(21A)や履物底(2A)上面の凹部(23A)および隆起部(24A)(25A)に対応した凹凸部が形成されている。
また、上型(9A)表面に、下底材(4A)を取り付ける(図5(d)参照)。下底材(4A)の表面には、予め滑り止め材(7A)を接合しておく。
(b)第2の工程
次に、図5(b)に示すように、下型(8A)表面に一端が開口した脱気通路(81)を通じて、図示しない真空吸引装置により下型(8A)表面と上面・周面表皮材(3A)との隙間の空気を抜き、それによって上面・周面表皮材(3A)を下型(8A)表面に密着させる。また、下型(8A)の上方に配置したヒータ(10)により、上面・周面表皮材(3A)を予備加熱する。これにより、次工程における中芯材(5A)と上面・周面表皮材(3A)との熱融着が、より良好な状態で行われる。
(c)第3の工程
次いで、図5(c)に示すように、表面が上面・周面表皮材(3A)で覆われた下型(8A)内に、溶融状態の発泡樹脂(50)を注入する。発泡樹脂(50)の注入量は、表面が下型(8A)の上端縁よりもやや上方に盛り上がるように設定する。
(d)第4の工程
そして、発泡樹脂が(50)充填された下型(8A)の上に、表面に下底材(4A)が取り付けられた上型(9A)を重ね合わせて、中芯材(5A)の発泡成形を行うとともに、上面・周面表皮材(3A)および下底材(4A)を熱融着により中芯材(5A)と接合一体化させる(図5(d)および図5(e)参照)。なお、図示は省略したが、下型(8A)の場合と同様に、上型(9A)表面に一端が開口した脱気通路を通じて、真空吸引装置により上型(9A)表面と下底材(4A)との隙間の空気を抜き、それによって下底材(4A)を上型(9A)表面に密着させ、この状態で上記工程を行うようにしてもよい。
こうして、履物底(2A)が成形される。
(e)第5の工程
その後、上型(9A)を下型(8A)から分離して、上記工程により得られた履物底(2A)を取り出す。次いで、履物底(2A)の環状鍔部(21A)における左右両側の前部に、甲バンド(6A)の左右両端縁部を糸(T)で縫着する。また、この際、環状鍔部(21A)の残りの部分も同じ糸(T)を用いて連続的に縫着する。
こうして、図1~図4に示す履物(1A)が得られる。
なお、詳しい図示は省略したが、履物底成形装置は、例えばコンベヤ等よりなる製造ラインに所要数の下型(8A)をセットしておき、上記各工程に対応して設置したステーションにおいて所定時間ずつ停止するように下型(8A)を間欠的に搬送しながら、第1~第5の工程、すなわち、上面・周面表皮材(3A)の取付、予備加熱、発泡樹脂(50)の注入、発泡成形・熱融着、履物底(2A)の取り出しを順次行うように構成することができる。また、上型(9A)は、例えば、各下型(8A)とヒンジ結合しておき、上型(9A)の開閉操作によって、下型(8A)との重ね合わせおよび分離を行うように構成することができる。
以上の構成によれば、履物底(2A)の生産性が著しく高められ、また、成形装置の簡素化を図ることができるので、設備コストも抑えられる。
上述した第1の実施形態の履物(1A)およびその製造方法によれば、以下のような効果が奏される。
ア)下型(8A)および上型(9A)よりなる成形金型を用いて少ない工程で履物底(2A)を製造することが可能であるので、従来の室内履物と比べて、その製造が容易となり、生産性が向上する。
イ)上面・周面表皮材(3A)および下底材(4A)が発泡成形時の熱融着により中芯材(5A)と接合一体化されているので、接着剤を使用する必要がなく、接合強度に優れた履物底(2A)が得られる。
ウ)接足面に所要の凹凸形状を付与するといった外観形状のバリエーションを持たせることが容易であり、また、デザイン性や履き心地に優れた履物底(2A)が得られる。とりわけ、シート状の上面・周面表皮材(3A)が下型(8A)表面に密着(真空吸引)させられた状態で、中芯材(5A)の発泡成形が行われるため、得られた履物底(2A)の上面および周面が緻密で美しい外観形状を呈するものとなり、デザイン性が著しく向上する。
エ)環状鍔部(21A)を含む中芯材(5A)の全体が上面・周面表皮材(3A)および下底材(4A)で完全に被覆されているため、加水分解による中芯材(5A)の劣化が抑えられ、耐久性が向上する。
オ)履物底(2A)に形成された環状鍔部(21A)に甲バンド(甲被)(6A)が縫着されているので、両者の接合作業を容易に行うことができる。
カ)履物底(2A)下面の膨出部(22A)により、履物底(2)の環状鍔部(21A)が床面に接触し難くなるので、歩行時の音が抑えられ、また、環状鍔部(21A)を縫着している糸(T)が床面との摩擦によって切れたりほつれたりするのが低減される。
キ)履物底(2A)下面に設けられた膨出部(22A)に滑り止め材(7A)が接合されているので、歩行時の滑りが効果的に抑制される。
<第2の実施形態>
図6~図9は、この発明の第2の実施形態に係る履物(右足用)を示したものであり、図10は同履物の製造方法を示したものである。
この実施形態の履物(1B)も、室内履物として使用されるものであって、履物底(2B)と、履物底(2B)の縁部に接合された甲被(6B)とを備えている。
履物底(2B)は、少なくとも裏面(上面)が熱融着可能な材料よりなるシート状の下面・周面表皮材(3B)と、少なくとも裏面(下面)が熱融着可能な材料よりなる中底材(4B)と、下面・周面表皮材(3B)および中底材(4B)によって囲まれた空間に充填された発泡成形体よりなる中芯材(5B)とを有している。下面・周面表皮材(3B)および中底材(4B)は、発泡成形時の熱融着により中芯材(5B)と接合一体化されている。
履物底(2B)の周面上縁部に、環状鍔部(21B)が形成されている。
環状鍔部(21B)は、中芯材(5B)の周面上縁部から略水平方向に張り出すように形成された鍔部本体(51B)と、下面・周面表皮材(3B)の周縁部よりなりかつ鍔部本体(51B)の下面および周面を被覆している下面・周面被覆部(31B)と、中底材(4B)の周縁部よりなりかつ鍔部本体(51B)の上面を被覆している上面被覆部(43B)とで構成されている(図9参照)。以上の構成により、中芯材(5B)は、鍔部本体(51B)も含めた全体が、下面・周面表皮材(3B)および中底材(4B)によって完全に被覆されている。
この実施形態の履物(1B)では、履物底(2B)の下面、すなわち接地面は、ほぼフラットとなされている。但し、下型(8B)表面に所要の凹凸形状を設けておくことで、履物底(2B)の下面に例えば滑り止め用凹凸部を形成することも可能である。また、図示は省略したが、例えばゴムシート等よりなる滑り止め材を、中芯材(5B)の発泡成形前または発泡成形後に、履物底(2b)下面に取り付けるようにしてもよい。
また、図示の履物は、履物底(2B)の上面、すなわち接足面もほぼフラットなものとなされている。但し、上型(9B)に所要の凹凸形状を設けることによって、履物底(2B)の上面に、第1の実施形態と同様の凹部や隆起部を形成することも可能である。
同様に、履物底(2B)の周面にも所要の凹凸形状や模様を形成することが可能である。
下面・周面表皮材(3B)、中底材(4B)および中芯材(5B)は、位置関係が上下逆である点を除いて、第1の実施形態に係る履物(1A)の上面・周面表皮材(3A)、下底材(4A)および中芯材(5A)と実質的に同一であるので、詳しい説明は省略する。
第2の実施形態の甲被は、2本の甲バンド(6B)よりなる。2本の甲バンド(6B)は、平面より見てX形に交差するように、これらの左右端縁部が、履物底(2B)の環状鍔部(21B)における左右両側の前部に糸(T)で縫着されている。また、環状鍔部(21B)のその他の部分も、上記と同じ糸(T)により連続的に縫着されている。
次に、上記第2の実施形態の履物(1B)の製造方法の一例を、図10を参照して説明する。なお、各工程や履物底成形装置等の詳細は、第1の実施形態と実質的に同じであるので、重複する説明を省略する。
(a)第1の工程
まず、熱可塑性樹脂シートを所定形状に裁断してなる下面・周面表皮材(3B)を、履物底成形装置の下型(8B)表面に取り付ける(図10(a)参照)。
また、上型(9B)表面に、中底材(4B)を取り付ける(図10(d)参照)。
(b)第2の工程
次に、図10(b)に示すように、下型(8B)表面に一端が開口した脱気通路(81)を通じて、図示しない真空吸引装置により下型(8B)表面と下面・周面表皮材(3B)との隙間の空気を抜き、それによって下面・周面表皮材(3B)を下型(8B)表面に密着させる。また、下型(8B)の上方に配置したヒータ(10)により、下面・周面表皮材(3B)を予備加熱する。
(c)第3の工程
次いで、図10(c)に示すように、表面が下面・周面表皮材(3B)で覆われた下型(8B)内に、溶融状態の発泡樹脂(50)を注入する。
(d)第4の工程
そして、発泡樹脂(50)が注入された下型(8B)の上に、表面に下底材(4B)が取り付けられた上型(9B)を重ね合わせて、中芯材(5B)の発泡成形を行うとともに、下面・周面表皮材(3B)および中底材(4B)を熱融着により中芯材(5B)と接合一体化させる(図10(d)および図10(e)参照)。なお、この工程を行うに当たり、上型(9B)表面と中底材(4B)との隙間の空気を抜いて、中底材(4B)を上型(9B)表面に密着させるようにしておいてもよい。
こうして、履物底(2B)が成形される。
(e)第5の工程
その後、上型(9B)を下型(8B)から分離して、上記工程により得られた履物底(2B)を取り出す。次いで、履物底(2B)の環状鍔部(21B)における左右両側の前部に、2本の甲バンド(6B)の左右両端縁部を糸(T)で縫着する。また、この際、環状鍔部(21B)の残りの部分も上記と同じ糸(T)を用いて連続的に縫着する。
こうして、図6~図9に示す履物(1B)が得られる。
上述した第2の実施形態の履物(1B)およびその製造方法によれば、以下のような効果が奏される。
ア)下型(8B)および上型(9B)よりなる成形金型を用いて少ない工程で履物底(2B)を製造することが可能であるので、従来の室内履物と比べて、その製造が容易となり、生産性が向上する。
イ)下面・周面表皮材(3B)および中底材(4B)が発泡成形時の熱融着により中芯材(5B)と接合一体化されているので、接着剤を使用する必要がなく、接合強度に優れた履物底(2B)が得られる。
ウ)接地面に所要の凹凸形状を付与するといった外観形状のバリエーションを持たせることが容易であり、また、デザイン性や履き心地に優れた履物底(2B)が得られる。
エ)環状鍔部(21B)を含む中芯材(5B)の全体が下面・周面表皮材(3B)および中底材(4B)で完全に被覆されているため、加水分解による中芯材(5B)の劣化が抑えられ、耐久性が向上する。
オ)履物底(2B)に形成された環状鍔部(21B)に甲バンド(6B)が縫着されているので、両者の接合作業を容易に行うことができる。
カ)履物底(2B)の環状鍔部(21B)が床面に接触しないので、歩行時の音が抑えられ、また、環状鍔部(21A)を縫着している糸(T)が床面との摩擦によって切れたりほつれたりするおそれがない。
なお、この発明は、上記各実施形態の構成態様に限定される訳ではなく、特許請求の範囲に記載したこの発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜に変更を加えた上で実施することも勿論可能である。
この発明は、履物、特に室内履物、およびその製造方法として好適に用いられる。
(1A)(1B):履物
(2A)(2B):履物底
(21A)(21B):環状鍔部
(22A):膨出部
(3A):上面・周面表皮材
(3B):下面・周面表皮材
(4A):下底材
(4B):中底材
(41A)(41B):基材
(42A)(42B):熱可塑性樹脂シート
(5A)(5B):中芯材
(6A)(6B):甲バンド(甲被)
(61A)(61B):バンド本体
(62A)(62B):裏打材
(7A):滑り止め材
(8A)(8B):下型
(81):脱気通路
(9A)(9B):上型
(10):ヒータ
(T):糸

Claims (9)

  1. 履物底と、履物底の縁部に接合された甲被とを備えており、
    履物底は、少なくとも裏面が熱融着可能な材料よりなるシート状の上面・周面表皮材と、少なくとも裏面が熱融着可能な材料よりなる下底材と、上面・周面表皮材および下底材によって囲まれた空間に充填された発泡成形体よりなる中芯材とを有しており、
    上面・周面表皮材および下底材が、発泡成形時の熱融着により中芯材と接合一体化されている、履物。
  2. 履物底の周面下縁部に環状鍔部が形成されており、同環状鍔部に甲被が縫着されている、請求項1記載の履物。
  3. 履物底の下面が環状鍔部よりも下方に膨出させられている、請求項2記載の履物。
  4. 履物底と、履物底の縁部に接合された甲被とを備えている履物を製造する方法であって、
    履物底を成形するに当たり、
    下型の表面に少なくとも裏面が熱融着可能な材料よりなるシート状の上面・周面表皮材を取り付ける工程と、
    上型の表面に少なくとも裏面が熱融着可能な材料よりなる下底材を取り付ける工程と、
    下型に中芯材用発泡樹脂を注入する工程と、
    下型に上型を重ねて中芯材を発泡成形するとともに上面・周面表皮材および下底材を熱融着により中芯材と接合一体化させる工程とを含んでいる、履物の製造方法。
  5. 履物底をその周面下縁部に環状鍔部が一体的に設けられるように成形した後、同環状鍔部に甲被を縫着する、請求項4記載の履物の製造方法。
  6. 履物底と、履物底の縁部に接合された甲被とを備えており、
    履物底は、少なくとも裏面が熱融着可能な材料よりなるシート状の下面・周面表皮材と、少なくとも裏面が熱融着可能な材料よりなる中底材と、下面・周面表皮材および中底材によって囲まれた空間に充填された発泡成形体よりなる中芯材とを有しており、
    下面・周面表皮材および中底材が、発泡成形時の熱融着により中芯材と接合一体化されている、履物。
  7. 履物底の周面上縁部に環状鍔部が形成されており、同環状鍔部に甲被が縫着されている、請求項6記載の履物。
  8. 履物底と、履物底の縁部に接合された甲被とを備えている履物を製造する方法であって、
    履物底を成形するに当たり、
    下型の表面に少なくとも裏面が熱融着可能な材料よりなるシート状の下面・周面表皮材を取り付ける工程と、
    上型の表面に少なくとも裏面が熱融着可能な材料よりなる中底材を取り付ける工程と、
    下型に中芯材用発泡樹脂を注入する工程と、
    下型に上型を重ねて中芯材を発泡成形するとともに下面・周面表皮材および中底材を熱融着により中芯材と接合一体化させる工程とを含んでいる、履物の製造方法。
  9. 履物底をその周面上縁部に環状鍔部が一体的に設けられるように成形した後、同環状鍔部に甲被を縫着する、請求項8記載の履物の製造方法。
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