JP2022105421A - 溶接方法および溶接装置 - Google Patents

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吉延 牧野
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Kohei Yamada
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Takehisa Hino
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Abstract

【課題】肉盛層の硬さを向上させることが可能な溶接方法及び溶接装置を提供する。【解決手段】細長状の溶接対象体2の長手方向に沿って溶接対象体2の被肉盛面2aに肉盛溶接を行う溶接方法は、被肉盛面2aに対して長手方向に沿って溶加材35を供給するとともにレーザ光45を照射し、溶融した溶加材35によって被肉盛面2aに肉盛層3を形成する肉盛工程を備えている。そして、肉盛工程中、溶接対象体2に冷媒85が供給される。【選択図】図4

Description

本発明の実施の形態は、溶接方法および溶接装置に関する。
環境保護を目的として、二酸化炭素に代表される温室効果ガスの排出量の削減が求められている。二酸化炭素の排出量を削減するため、化石燃料を多量に使用する火力発電プラントにおける発電効率の向上が望まれている。
火力発電プラントの発電効率を向上させるためには、火力発電プラント内を流れる蒸気を高温化させることが効果的である。このため、火力発電プラントに使用される部材は、これまで以上に、高温強度に優れ、耐摩耗性が向上されている必要がある。
例えば、蒸気タービンに流れ込む蒸気の流量を制御する役割を担う蒸気弁は、高温高圧の水蒸気に曝されながら弁の開閉動作を行う。蒸気弁の一部を構成する弁棒は、摺動によって生じる摩耗や、酸化スケールの生成が抑制されることが求められている。これは、次のような理由による。すなわち、摺動によって弁棒が摩耗すると、弁棒と弁箱の隙間から漏洩する蒸気量が多くなり、火力発電プラントの熱効率を低下させる。また、弁棒は高温の蒸気と反応して、その表面に酸化スケールが形成される。酸化スケールが形成されると、弁棒の外径が大きくなる。また、酸化スケールは剥離して弁棒の周囲に堆積する。弁棒の外径が大きくなったり、弁棒と弁箱との間に酸化スケールが堆積すると、弁棒は所望のように動作することができなくなる。
このような点に関し、特許文献1には、弁棒の母材の表面にコバルト基合金を肉盛溶接して硬化層(肉盛層)を形成し、弁棒の耐摩耗性を向上させ且つ酸化スケールの生成を抑制する方法が開示されている。
特開平6-174126号公報
しかしながら、特許文献1に示された方法で作製された弁棒は、その一部が、高温化された蒸気が流れる火力発電プラントでの使用に耐え得る十分な耐摩耗性を有していないことが分かった。より具体的には、弁棒に形成された肉盛層の硬さは、溶接始端部近傍においては十分であるが、溶接中間部近傍から溶接終端部近傍にかけては不十分であることが分かった。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、溶接対象体に肉盛溶接を行う溶接方法及び溶接装置であって、肉盛層の硬さを向上させることが可能な溶接方法及び溶接装置を提供することを目的とする。
本発明による溶接方法は、
細長状の溶接対象体の長手方向に沿って前記溶接対象体の被肉盛面に肉盛溶接を行う溶接方法であって、
前記被肉盛面に対して前記長手方向に沿って溶加材を供給するとともにレーザ光を照射し、溶融した前記溶加材によって前記被肉盛面に肉盛層を形成する肉盛工程を備え、
前記肉盛工程中、前記溶接対象体に冷媒が供給される。
あるいは、本発明による溶接方法は、
細長状の溶接対象体の長手方向に沿って前記溶接対象体の被肉盛面に肉盛溶接を行う溶接方法であって、
前記被肉盛面に対して溶加材を溶射あるいは塗布して溶加材層を形成する溶加材層形成工程と、
前記溶加材層形成工程の後に前記溶加材層に対して前記長手方向に沿ってレーザ光を照射し、前記溶加材層の溶加材を再度溶融させて前記被肉盛面に肉盛層を形成する肉盛工程と、を備え、
前記肉盛工程中、前記溶接対象体に冷媒が供給される。
本発明による溶接装置は、
細長状の溶接対象体の長手方向に沿って前記溶接対象体の被肉盛面に肉盛溶接を行う溶接装置であって、
前記溶接対象体を支持する支持部と、
前記溶接対象体の前記被肉盛面に溶加材を供給する溶加材供給部と、
レーザ発振器と前記レーザ発振器で発振されたレーザ光を前記支持部で支持された前記溶接対象体に向けて射出するレーザ射出部とを有するレーザ照射部と、
前記レーザ射出部を、前記支持部に支持された前記溶接対象体に対して前記長手方向に沿って相対移動させる長手方向駆動部と、
前記支持部に支持された前記溶接対象体に冷媒を供給する冷媒供給部と、
を備えている。
あるいは、本発明による溶接装置は、
細長状の溶接対象体の長手方向に沿って前記溶接対象体の被肉盛面に肉盛溶接を行う溶接装置であって、
前記被肉盛面に溶加材を溶射あるいは塗布して溶加材層を形成する溶加材層形成部と、
前記溶加材層が形成された前記溶接対象体を支持する支持部と、
レーザ発振器と前記レーザ発振器で発振されたレーザ光を前記支持部で支持された前記溶接対象体に向けて射出するレーザ射出部とを有するレーザ照射部と、
前記レーザ射出部を、前記支持部に支持された前記溶接対象体に対して前記長手方向に沿って相対移動させる長手方向駆動部と、
前記支持部に支持された前記溶接対象体に冷媒を供給する冷媒供給部と、
を備えている。
本発明によれば、溶接対象体に肉盛溶接を行う溶接方法及び溶接装置であって、肉盛層の硬さを向上させることが可能な溶接方法及び溶接装置を提供することができる。
図1は、本発明の一実施の形態による耐摩耗性部材であって、溶接対象体に肉盛層が形成された耐摩耗性部材を示す側面図である。 図2は、図1に示す肉盛層を形成するための溶接装置を示す側面図である。 図3は、図2に示す溶接装置のIII-III線に沿った断面を示す図である。 図4は、図2に示す溶接トーチとノズルを示す部分拡大図である。 図5は、図4に対応する図であって、溶接装置の変形例を示す図である。
以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施の形態による耐摩耗性部材を示す図である。図2及び図3は、図1に示す耐摩耗性部材を作製するための溶接装置の構成を概略的に示す図である。図3は、図2に示す溶接装置のIII-III線に沿った断面を示す図である。図3では、図示の簡略化のため、後述する溶加材供給部30、レーザ照射部40及びシールドガス供給部50の一部の図示を省略している。図4は、図2及び図3に示す溶接装置の一部を拡大して示す図である。
図1に示す耐摩耗性部材1は、溶接対象体2の被肉盛面2aに肉盛溶接されて肉盛層3が形成されることにより作製される。図2及び図3に示す溶接装置10は、溶接対象体2の被肉盛面2aに肉盛溶接を行うものである。より具体的には、溶接装置10は、溶接対象体2の被肉盛面2aに、レーザ光45を利用して溶融した溶加材35で肉盛層3を形成する。
図1に示すように、溶接対象体2は、細長状であり、長手方向を有する。図示された例では、溶接対象体2は、中実で円柱状に形成され、円筒状の表面(被肉盛面2a)を有する。図示された例では、溶接対象体2はニッケル(Ni)基合金の鍛造棒である。もちろん、溶接対象体2の形状及び溶接対象体2を構成する材料は、これに限られない。例えば、溶接対象体2は、中空の円筒状に形成されていてもよい。また、例えば、溶接対象体2を構成する材料は、鉄(Fe)基合金であってもよい。本明細書においてニッケル基合金および鉄基合金とは、それぞれ、ニッケル元素及び鉄元素の重量分率が最も多い材質のことを指すこととする。
図2に示すように、溶接装置10は、溶接対象体2を支持する支持部20と、溶接対象体2に溶加材35を供給する溶加材供給部30と、溶接対象体2にレーザ光45を照射するレーザ照射部40と、シールドガス供給部50と、レーザ照射部40を支持部20に対して相対移動させる長手方向駆動部60と、支持部20に支持された溶接対象体2を回転させる回転駆動部70と、を有する。
支持部20は、溶接対象体2の長手方向の両端部を支持する。支持部20は、溶接対象体2の長手方向の両端部を、長手方向に沿った回転軸線70X周りに回転可能に支持する。
図4に示すように、溶加材供給部30は、溶加材35の粉末を収容する溶加材収容部31と、溶加材収容部31から導出された溶加材35の粉末を支持部20に支持された溶接対象体2の近傍へ導く溶加材供給管32と、溶加材供給管32の先端に設けられて、溶加材35が吐出される溶加材吐出孔33と、を有する。なお、溶加材35としては、例えばコバルト(Co)基合金や、ニッケル基合金、鉄基合金を採用可能である。溶加材供給部30は、更に、溶加材供給管32にキャリアガスを供給するキャリアガス供給部(図示せず)を有していてもよい。この場合、溶加材吐出孔33から溶加材35を吐出する際、溶加材35をキャリアガスに同伴させて溶接対象体2に供給することができる。
図4に示すように、レーザ照射部40は、支持部20に支持された溶接対象体2にレーザ光45を照射する。レーザ照射部40は、レーザ発振器41と、レーザ発振器41で発振されたレーザ光45を支持部20で支持された溶接対象体2の近傍へ導く光ファイバ42と、光ファイバ42の先端に設けられ、光ファイバ42で導かれたレーザ光45を支持部20で支持された溶接対象体2に向けて射出するレーザ射出部43と、を有している。レーザ発振器41としては、例えば、半導体レーザや固体レーザ等、任意のレーザを利用したものを採用可能である。レーザ発振器41は、800~1100nmの波長範囲のレーザ光45を発振可能であることが好ましい。
図4に示すように、シールドガス供給部50は、シールドガス55を収容するシールドガス収容部51と、シールドガス収容部51から導出されたシールドガス55を支持部20に支持された溶接対象体2の近傍へ導くガス供給管52と、ガス供給管52の先端に設けられ、シールドガス55が吐出されるシールドガス吐出孔53と、を有する。シールドガス55としては、例えば、ヘリウム、アルゴン、窒素などの不活性ガスを採用可能である。
なお、図示された例では、溶接装置10は、溶接トーチ15を有している。溶接トーチ15の先端面15aには、上述した溶加材吐出孔33、レーザ射出部43及びシールドガス吐出孔53が形成されている。溶接トーチ15は、その先端面15aが支持部20に支持された溶接対象体2の被肉盛面2aに対面するように配置される。また、溶接トーチ15は、支持部20に対して長手方向に相対移動可能に設けられている。
図2及び図3に示す長手方向駆動部60は、レーザ射出部43を、支持部20に支持された溶接対象体2に対して長手方向に沿って相対移動させる。図示された例では、長手方向駆動部60は、溶接トーチ15を、支持部20に対して長手方向に移動させる。長手方向駆動部60は、溶接トーチ15を、支持部20に支持された溶接対象体2の一方の端部から他方の端部に向かう方向D1に移動させる。もちろん、長手方向駆動部60は、支持部20を、溶接トーチ15に対して長手方向に移動させるものであってもよい。
回転駆動部70は、支持部20によって支持された溶接対象体2を、回転軸線70Xの周りに回転させる。図示された例では、回転軸線70Xは、溶接対象体2の軸線2X(円筒状の被肉盛面2aの中心軸)に一致する線である。回転駆動部70は、溶接対象体2を所定の回転速度で回転させる。なお、図3に示す例では、回転駆動部70は、溶接対象体2を図3において時計回りに回転させるが、これに限られない。回転駆動部70は、溶接対象体2を図3において反時計回りに回転させてもよい。
溶接トーチ15が長手方向駆動部60によって溶接対象体2に対して長手方向に相対移動され、且つ、溶接対象体2が回転駆動部70によって回転軸線70X周りに回転されることにより、溶接トーチ15は、溶接対象体2の被肉盛面2aの周りにらせん状の軌道を描く。
ところで、近年、火力発電プラントにおける発電効率の向上等を目的として、火力発電プラントに使用される部材の耐摩耗性を向上させること及び当該部材における酸化スケールの形成を抑制することが望まれている。例えば、図1に示す耐摩耗性部材が蒸気弁の弁棒として使用される場合、肉盛層の耐摩耗性を向上させることで、弁棒による蒸気弁の開閉機能を信頼性高く維持することができる。すなわち、弁棒の摺動によって肉盛層が摩耗すると、弁棒と弁箱の隙間から漏洩する蒸気量が多くなり、火力発電プラントの熱効率を低下させる。また、弁棒に酸化スケールが形成されると、弁棒の外径が大きくなる。あるいは、酸化スケールが剥離して弁棒の周囲に堆積する。弁棒の外径が大きくなったり、弁棒と弁箱との間に酸化スケールが堆積すると、弁棒は所望のように動作することができなくなる。この点に関し、特許文献1には、溶接対象体の被肉盛面にコバルト基合金を肉盛溶接して、弁棒の耐摩耗性を向上させ且つ酸化スケールの生成を抑制する方法が開示されている。
しかしながら、本件発明者らは、特許文献1に記載の方法で耐摩耗性部材を作製した場合、肉盛層の硬さが、溶接対象体の長手方向に沿って異なることを見出した。具体的には、肉盛層のうち、溶接が開始された部分を溶接始端部、溶接が終了した部分を溶接終端部、溶接始端部と溶接終端部との中間部を溶接中間部とした場合、溶接始端部近傍における肉盛層の硬さと比較して、溶接中間部近傍から溶接終端部近傍における肉盛層の硬さが低くなることを見出した。そして、本件発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、溶接中間部近傍から溶接終端部近傍にかけて肉盛層の硬さが低下する原因を発見した。すなわち、肉盛溶接が開始されてから終了するまで、溶接対象体にはレーザ光による入熱がなされる。これにより、溶接対象体の各部の温度が、溶接の進行方向(溶接トーチの進行方向)に沿って上昇する。この結果、肉盛層の各部における溶加材の成分の希釈率が、溶接の進行方向に沿って(言い換えると、溶接始端部から溶接終端部に向かって)上昇する。そして、希釈率が高くなりすぎると、肉盛層の硬さは、高温化された蒸気が流れる火力発電プラントでの使用には不十分な硬さとなる。
このような点を考慮して、本実施の形態の溶接装置20及び溶接方法は、溶接中間部から溶接終端部における肉盛層3の溶加材35の成分の希釈率の上昇を抑制し、肉盛層3の硬度を向上させるための工夫が成されている。具体的には、溶接開始から終了までの間、溶接対象体2を冷却して被肉盛面2aの温度を下げながら肉盛溶接を行う。これにより、肉盛溶接中における溶接対象体2の温度上昇が抑制され、肉盛層3の希釈率が高くなりすぎることが抑制される。なお、肉盛溶接中における溶接対象体2の温度上昇を抑制する方法として、肉盛溶接中に溶接対象体2へのレーザ光の照射を中断して(すなわち肉盛溶接を中断して)溶接対象体2の熱を放散させたり、肉盛溶接中にレーザ発振器41からのレーザ光45の出力等を随時制御することも考えられる。しかしながら、肉盛溶接を中断する場合、肉盛溶接を開始してから終了するまでに掛かる時間が長くなり、肉盛溶接を効率的に行うことができない。上記希釈率が所定の値よりも低くなるように溶接条件を肉盛溶接中に随時調節することは、困難である。この点、溶接対象体2を冷却しながら肉盛溶接を行う場合、肉盛溶接を中断することなく、一定の溶接条件で肉盛溶接を行いながら、溶接対象体2の温度上昇及びそれに起因する上記希釈率の上昇を抑制することができる。
上述した肉盛溶接中における溶接対象体2の冷却を行うため、溶接装置10は、冷媒供給部80を更に備えている。冷媒供給部80は、図示しない冷媒供給源から冷媒85を支持部20で支持された溶接対象体2の近傍に導く冷媒導管81と、冷媒導管81の先端に設けられて冷媒85が吐出するノズル82と、ノズル82から吐出する冷媒85の流量を調整する流量調整弁83と、を有する。溶接対象体2が冷媒85で冷却されることにより、レーザ照射部40からのレーザ光45の照射に伴う溶接対象体2の温度上昇が抑制される。
図示された例では、冷媒85は水である。冷媒85として水を用いることにより、溶接対象体2や肉盛層3、溶接装置10が冷媒による悪影響を受ける虞が抑制される。冷媒は、水道水であってよい。この場合、冷媒導管81は上水道に接続されてよい。冷媒85の温度は、好ましくは30℃以下、より好ましくは25℃以下、さらに好ましくは20℃以下である。これにより、後述する肉盛工程において溶接対象体2が十分に冷却されずに肉盛層3における溶加材35の成分の希釈率が所望の希釈率よりも高くなる、という虞が抑制される。そして、肉盛層3の硬度が所望の硬度よりも低くなる、という虞が抑制される。また、冷媒85の温度は、好ましくは0℃以上、より好ましくは5℃以上、さらに好ましくは10℃以上である。これにより、後述する肉盛工程において、溶接対象体2の温度が低くなりすぎて肉盛層3と溶接対象体2との間に溶け込み不良となる部分が形成される、という虞が抑制される。ここで、上水道から供給される水道水の温度は、一般に、5℃~25℃である。したがって、冷媒85として水道水を用いることにより、冷媒85の温度調節を行う必要がない。
ノズル82は、筒状であり、冷媒85を垂れ流し状態で(筋状に)吐出する。ノズル82が冷媒85を垂れ流し状態で(筋状に)吐出することにより(言い換えると、ノズル82が霧状に冷媒85を吐出しないことにより)、冷媒85が飛散して溶接装置10に付着することが抑制される。
なお、ノズル82が冷媒85を霧状に吐出する場合あるいはノズル82から吐出される冷媒85の流量が多い場合は、飛散した冷媒85が溶接装置10に付着する虞が低減されるよう、適宜、遮蔽板やカバーを配置することが好ましい。また、冷媒85としては、水以外の液体や気体も利用可能である。冷媒85が気体である場合、冷媒85が周囲に拡散することを抑制するため、適宜、遮蔽板やカバーを配置することが好ましい。
図示された例では、図3に示すように、ノズル82の先端部は、溶接対象体2の上方に、被肉盛面2aに対面して配置され、被肉盛面2aに冷媒85を供給する。しかしながら、溶接対象体2が中空である場合、図5に示すように、ノズル82は、溶接対象体2の内側の中空領域内に配置されて、中空領域内に冷媒85を供給してもよい。この場合、冷媒85が飛散したり拡散したりする虞が、溶接対象体2それ自体によって抑制される。
ノズル82は、支持部20に支持された溶接対象体2に対して長手方向に沿って相対移動可能に設けられている。図示された例では、ノズル82は、長手方向駆動部60によって、溶接トーチ15(レーザ射出部43)と共に、支持部20に対して長手方向に移動される。これにより、レーザ光45の入熱に起因する溶接対象体2の温度上昇を、後述する肉盛工程の開始から終了に至るまで、効率良く抑制することができる。
さらに、図示された例では、図2及び図4に示すように、ノズル82は、溶接トーチ15(レーザ射出部43)の溶接対象体2に対する相対移動方向D1において、溶接トーチ15(レーザ射出部43)の前方に配置されている。このため、レーザ光45の溶接対象体2上の照射位置よりも、上記相対移動方向D1の前方に冷媒85が供給される。これにより、溶接対象体2の各部を、レーザ光45によって溶融した溶加材35が付着する前に冷却することができる。この場合、溶融した溶加材35が溶接対象体2の各部に付着した直後に溶接対象体2の当該部分を冷却する場合と比較して、肉盛層3に割れが生じる虞が低減される。
図2及び図3に示すように、溶接装置10は、溶接対象体2に供給された冷媒85を受けるバケット90有していてもよい。バケット90は、支持部20に支持された溶接対象体2の下方に配置される。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。ここでは、上述した溶接装置10を用いた溶接方法について説明する。
まず、図2に示すように、溶接対象体2の両端部が支持部20によって支持される。
続いて、溶接トーチ15及びノズル82が、溶接対象体2の一方の端部の近傍に配置される。図示された例では、ノズル82は、長手方向駆動部60による溶接トーチ15及びノズル82の移動方向D1の前方に配置される。
次に、回転駆動部70によって溶接対象体2が回転軸線70X周りに回転される。また長手方向駆動部60によって、溶接トーチ15及びノズル82の長手方向に沿った移動が開始される。溶接トーチ15及びノズル82は、上記移動方向D1に移動される。
次に、溶接対象体2に肉盛層3を形成する肉盛工程が実施される。肉盛工程では、まず、ノズル82から溶接対象体2に冷媒85が供給される。次に、溶接トーチ15から、溶接対象体2の被肉盛面2aに対して溶加材35が供給されるとともに、レーザ光45が照射される。肉盛工程は、回転駆動部70によって溶接対象体2を回転させつつ、また、長手方向駆動部60によって溶接トーチ15及びノズル82を移動させながら行われる。
図示された例では、冷媒85は、長手方向駆動部60による溶接トーチ15の移動方向D1における、溶接トーチ15の前方となる位置に供給される。これにより、溶接対象体2の各箇所が、当該箇所にレーザ光45によって溶融した溶加材35が付着する前に冷却される。
図示された例では、レーザ光45は、溶接トーチ15のレーザ射出部43から射出される。この間、溶接トーチ15の溶加材吐出孔33から、粉末状の溶加材35が供給される。溶加材35は、レーザ光45の周囲からレーザ光45に沿って供給される。このことにより、粉末状の溶加材35がレーザ光45で溶融する。また、レーザ光45によって、溶接対象体2が部分的に溶融する。溶融した溶加材35及び溶融した溶接対象体2は、被肉盛面2a上に溶融池4を形成する。そして、溶融した溶加材35の成分が溶融した溶接対象体2に溶け込み、また、溶融した溶接対象体2の成分が溶融した溶加材35に溶け込む。なお、溶加材吐出孔33から吐出された粉末状の溶加材35並びに溶融した溶加材35及び溶接対象体2によって形成される溶融池4は、シールドガス吐出孔53から供給されるシールドガス55によって取り囲まれ、大気によって酸化することが抑制される。
肉盛工程中、溶接トーチ15が溶接対象体2に対して移動されることにより、被肉盛面2a上に形成された溶融池4は、レーザ光45から離れ、凝固して肉盛層3となる。また、肉盛工程中、溶接トーチ15が溶接対象体2の被肉盛面2aの周りにらせん状の軌道を描くことにより、被肉盛面2a上には、上記らせん状の軌道に沿って溶融池4そして肉盛層3が形成される。
肉盛工程中に溶接対象体2に冷媒85が供給されることにより、溶接対象体2の各部のレーザ光45の入熱に起因する温度上昇が抑制される。したがって、肉盛工程を中断して溶接対象体2の熱を放散させる必要がない。また、肉盛工程中に、溶接対象体2の温度上昇を抑制するようレーザ発振器41からのレーザ光45の出力等の溶接条件を随時調節する、という必要がない。また、冷媒85の供給がレーザ光45の溶接対象体2上の照射位置の移動方向D1に沿って行われることにより、レーザ光45の入熱に起因する溶接対象体2の温度上昇を、肉盛工程の開始から終了に至るまで、効率良く抑制することができる。さらに、冷媒85がレーザ光45の上記照射位置よりも上記移動方向D1の前方に供給されるに沿って行われることにより、溶接対象体2の各部が、レーザ光45によって溶融した溶加材35が付着する前に冷却される。これにより、溶接対象体2の各部が溶融した溶加材35が付着した直後に冷却される場合と比較して、肉盛層3に割れが生じる虞が低減される。
肉盛工程後、肉盛層3の表面に機械加工を施して当該表面を滑らかにする(円筒状の表面にする)表面処理工程が実施されてもよい。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例)
上述の溶接装置10を用いて、溶接対象体2に対し肉盛溶接を行い、図1に示すように一層の肉盛層3を溶接対象体2の被肉盛面2aに形成した。溶接対象体2としてニッケル基合金の円柱状の鍛造棒を用い、溶加材35としてコバルト基合金の粉末を用いた。また、レーザ発振器41として半導体レーザを利用した発振器用い、冷媒85として水道水を用いた。そして、以下の溶接条件で肉盛工程を実施した。溶接条件は、溶接開始から終了までの間一定であった。
<溶接条件>
・レーザ出力:2kW~10kW
・溶加材の供給量:10g/min~60g/min
・溶接速度:200mm/min~1000mm/min
・冷媒の平均流量:180g/min
なお、「溶接速度」とは、ここでは、溶接トーチ15の被肉盛面2aに対する速度(上記らせん状の軌道に沿った速度)を意味する。
上記条件にて溶接対象体2に形成された肉盛層3に対して機械加工を施す表面処理工程を実施して、肉盛層3の厚さを0.5mmにした。ここで、肉盛層3の厚さは、肉盛溶接前の溶接対象体2の被肉盛面2aを基準として測定した。言い換えると、肉盛層3の厚さとは、図1に示すように、溶接対象体2に形成された肉盛層3の外周面3aの半径3Rと、肉盛溶接前の溶接対象体2の外周面(被肉盛面2a)の半径2Rとの差Tである。
表面処理工程を実施した後、得られた耐摩耗性部材1の断面試料を作製し、肉盛層3の硬さ及び肉盛層3における溶加材35の希釈率を測定した。硬さはビッカース硬さである。
(比較例)
肉盛溶接中に溶接対象体2の冷媒85による冷却を実施しなかった他は、実施例と同様に、肉盛工程及び表面処理工程を実施し、肉盛層3の硬さ及び肉盛層3における溶加材35の成分の希釈率を測定した。
(評価)
表1に、実施例及び比較例の肉盛層3の硬さ及び上記希釈率を示す。表1において、硬さは、実施例の溶接終端部近傍における肉盛層3の硬さに対する、実施例及び比較例の肉盛層3の各部の硬さの比(硬さ比)として示されている。また、表1において、希釈率は、比較例の溶接終端部における肉盛層3の上記希釈率に対する、実施例の溶接終端部における肉盛層3の上記希釈率の比(希釈率比)として示されている。
Figure 2022105421000002
表1に示すように、比較例の溶接終端部における肉盛層3の上記希釈率を1とすると、実施例の溶接終端部における肉盛層3の上記希釈率(希釈率比)は0.625であった。すなわち、実施例の肉盛層3の上記希釈率は、比較例の肉盛層3の上記希釈率よりも低かった。すなわち、比較例に比べて、実施例の肉盛層3の上記希釈率の上昇が抑制された。また、表1に示すように、実施例の溶接終端部近傍における肉盛層の硬さを1とすると、比較例の溶接始端部近傍、溶接中間部近傍、及び溶接終端部近傍における肉盛層3の硬さ(硬さ比)は、それぞれ、1.22、0.88及び0.82であった。これに対し、実施例の溶接終端部近傍における肉盛層3の硬さを1とすると、実施例の溶接始端部近傍及び溶接中間部近傍における肉盛層3の硬さ(硬さ比)は、それぞれ、1.39及び1.08であった。すなわち、比較例に比べて、実施例の肉盛層3の各部の硬さが向上した。
以上の結果から、肉盛溶接を行う際に溶接対象体2の冷却を実施することにより、肉盛層3の上記希釈率の上昇が抑制され、肉盛層3の硬さが向上することが分かる。
なお、上述した実施形態及び実施例では、肉盛工程において、被肉盛面2aに対して長手方向に沿って溶加材35を供給するとともにレーザ光45を照射して肉盛層3を形成する場合を例に挙げて説明したが、これに限られない。肉盛層3は、被肉盛面2aに対して溶加材35を溶射あるいは塗布することにより形成された溶加材層に対してレーザ光45を照射することにより、形成されてもよい。この場合、溶接装置10は、溶加材供給部30に代えて、被肉盛面2aに溶加材35を溶射あるいは塗布して溶加材層を形成する溶加材層形成部を備えていてもよい。そして、支持部20は、溶加材層が形成された溶接対象体2を支持するものであってよく、レーザ照射部40は、溶加材層が形成された溶接対象体2にレーザ光を照射するものであってよい。また、この場合、溶接方法は、被肉盛面2aに対して溶加材35を溶射あるいは塗布して溶加材層を形成する溶加材層形成工程を備えていてよい。そして、肉盛工程では、溶加材層形成工程の後に溶加材層に対してレーザ光45を照射し、溶加材層の溶加材35を再度溶融させて被肉盛面2aに肉盛層3を形成してよい。
以上のように、本実施の形態による溶接方法は、細長状の溶接対象体2の長手方向に沿って溶接対象体2の被肉盛面2aに肉盛溶接を行う溶接方法であって、被肉盛面2aに対して長手方向に沿って溶加材35を供給するとともにレーザ光45を照射し、溶融した溶加材35によって被肉盛面2aに肉盛層3を形成する肉盛工程を備えている。そして、肉盛工程中、溶接対象体2に冷媒85が供給される。このような溶接方法によれば、溶接対象体2の各部のレーザ光45の入熱に起因する温度上昇が抑制される。これにより、肉盛層3の上記希釈率の上昇が抑制され、肉盛層3の硬度の低下が抑制される。
あるいは、本実施の形態による溶接方法は、細長状の溶接対象体2の長手方向に沿って溶接対象体2の被肉盛面2aに肉盛溶接を行う溶接方法であって、被肉盛面2aに対して溶加材35を溶射あるいは塗布して溶加材層を形成する溶加材層形成工程と、溶加材層形成工程の後に溶加材層に対して長手方向に沿ってレーザ光45を照射し、溶加材層の溶加材35を再度溶融させて被肉盛面2aに肉盛層3を形成する肉盛工程と、を備えていてもよい。そして、肉盛工程中、溶接対象体2に冷媒85が供給されてよい。このような溶接方法によっても、溶接対象体2の各部のレーザ光45の入熱に起因する温度上昇が抑制される。これにより、肉盛層3の上記希釈率の上昇が抑制され、肉盛層3の硬度の低下が抑制される。
また、本実施の形態による溶接方法において、冷媒85は、レーザ光45の溶接対象体2上の照射位置よりも、照射位置の溶接対象体2に対する相対移動方向D1における前方で、溶接対象体2に供給される。これにより、溶接対象体2の各部を、レーザ光45によって溶融した溶加材35が付着する前に冷却することができ、冷却によって肉盛層3に割れが生じる虞を低減させることができる。
また、本実施の形態において、溶接対象体2は中空であってよく、冷媒85は、溶接対象体2の内側の中空領域内に供給されてもよい。この場合、冷媒85の飛散や拡散が、溶接対象体2それ自体によって防止される。
また、本実施の形態において、冷媒85は水である。これにより、溶接対象体2や肉盛層3、溶接装置10が冷媒85による浸食等の影響を受ける、という虞が抑制される。
また、本実施の形態において、肉盛工程中、溶接対象体2を長手方向に沿った回転軸線70Xの周りに回転させる。これにより、被肉盛面2a上には、らせん状に肉盛層3が形成される。すなわち、被肉盛面2aの全周に肉盛層3を形成することができる。
また、本実施の形態による溶接装置10は、細長状の溶接対象体2の長手方向に沿って溶接対象体2の被肉盛面2aに肉盛溶接を行う溶接装置10であって、支持部20と、溶加材供給部30と、レーザ照射部40と、長手方向駆動部60と、冷媒供給部80と、を備えている。支持部20は、溶接対象体2を支持する。溶加材供給部30は、溶接対象体2の被肉盛面2aに溶加材35を供給する。レーザ照射部40は、レーザ発振器41と、レーザ発振器41で発振されたレーザ光45を支持部20で支持された溶接対象体2に向けて射出するレーザ射出部43と、を有している。長手方向駆動部60は、レーザ射出部43を、支持部20に支持された溶接対象体2に対して長手方向に沿って相対移動させる。冷媒供給部80は、支持部20に支持された溶接対象体2に冷媒85を供給する。このような溶接装置10によれば、溶接対象体2にレーザ光45を照射中に溶接対象体2に冷媒85を供給して、レーザ光45の入熱に起因する溶接対象体2の各部の温度上昇を抑制することができる。これにより、肉盛層3の上記希釈率の上昇を抑制することができ、肉盛層3の硬度の低下を抑制することができる。
あるいは、本実施の形態による溶接装置10は、細長状の溶接対象体2の長手方向に沿って溶接対象体2の被肉盛面2aに肉盛溶接を行う溶接装置10であって、溶加材層形成部と、支持部20と、レーザ照射部40と、長手方向駆動部60と、冷媒供給部80と、を備えていてよい。溶加材層形成部は、被肉盛面2aに溶加材35を溶射あるいは塗布して溶加材層を形成してよい。支持部20は、溶加材層が形成された溶接対象体2を支持してよい。レーザ照射部40は、レーザ発振器41と、レーザ発振器41で発振されたレーザ光45を支持部20で支持された溶接対象体2に向けて射出するレーザ射出部43とを有してよい。長手方向駆動部60は、レーザ射出部43を、支持部20に支持された溶接対象体2に対して長手方向に沿って相対移動させてよい。冷媒供給部80は、支持部20に支持された溶接対象体2に冷媒85を供給してよい。このような溶接装置10によっても、溶接対象体2にレーザ光45を照射中に溶接対象体2に冷媒85を供給して、レーザ光45の入熱に起因する溶接対象体2の各部の温度上昇を抑制することができる。これにより、肉盛層3の上記希釈率の上昇を抑制することができ、肉盛層3の硬度の低下を抑制することができる。
本実施の形態において、冷媒供給部80は、冷媒85を吐出させるノズル82を有している。長手方向駆動部60は、ノズル82を、レーザ射出部43と共に支持部20に支持された溶接対象体2に対して長手方向に沿って相対移動させる。このような溶接装置10によれば、レーザ光45の入熱に起因する溶接対象体2の温度上昇を、肉盛溶接が開始されてから終了されるまで、効率良く抑制することができる。
また、本実施の形態において、ノズル82は、レーザ射出部43の溶接対象体2に対する相対移動方向D1において、レーザ射出部43の前方に位置している。このような溶接装置10によれば、溶接対象体2の各部を、レーザ光45によって溶融した溶加材35が付着する前に冷却することができ、冷却によって肉盛層3に割れが生じる虞が低減される。
また、本実施の形態において、溶接装置10は、支持部20に支持された溶接対象体2を長手方向に沿った回転軸線70X周りに回転させる回転駆動部70を更に備えている。このような溶接装置10によれば、被肉盛面2a上に、肉盛層3をらせん状に形成することができる。すなわち、被肉盛面2aの全周に肉盛層3を形成することができる。
上述した実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、当然のことながら、本発明の要旨の範囲内で、上述した実施の形態やその変形を、部分的に適宜組み合わせることも可能である。
1:耐摩耗性部材、2:溶接対象体、2a:被肉盛面、3:肉盛層、10:溶接装置、15:溶接トーチ、20:支持部、30:溶加材供給部、35:溶加材、40:レーザ照射部、45:レーザ光、50:シールドガス供給部、60:長手方向駆動部、70:回転駆動部、80:冷媒供給部

Claims (11)

  1. 細長状の溶接対象体の長手方向に沿って前記溶接対象体の被肉盛面に肉盛溶接を行う溶接方法であって、
    前記被肉盛面に対して前記長手方向に沿って溶加材を供給するとともにレーザ光を照射し、溶融した前記溶加材によって前記被肉盛面に肉盛層を形成する肉盛工程を備え、
    前記肉盛工程中、前記溶接対象体に冷媒が供給される、溶接方法。
  2. 細長状の溶接対象体の長手方向に沿って前記溶接対象体の被肉盛面に肉盛溶接を行う溶接方法であって、
    前記被肉盛面に対して溶加材を溶射あるいは塗布して溶加材層を形成する溶加材層形成工程と、
    前記溶加材層形成工程の後に前記溶加材層に対して前記長手方向に沿ってレーザ光を照射し、前記溶加材層の溶加材を再度溶融させて前記被肉盛面に肉盛層を形成する肉盛工程と、を備え、
    前記肉盛工程中、前記溶接対象体に冷媒が供給される、溶接方法。
  3. 前記冷媒は、前記レーザ光の前記溶接対象体上の照射位置よりも、前記照射位置の前記溶接対象体に対する相対移動方向における前方で、前記溶接対象体に供給される、請求項1又は2に記載の溶接方法。
  4. 前記溶接対象体は中空であり、
    前記冷媒は、前記溶接対象体の内側の中空領域内に供給される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の溶接方法。
  5. 前記冷媒は水である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の溶接方法。
  6. 前記肉盛工程中、前記溶接対象体を前記長手方向に沿った回転軸線の周りに回転させる、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の溶接方法。
  7. 細長状の溶接対象体の長手方向に沿って前記溶接対象体の被肉盛面に肉盛溶接を行う溶接装置であって、
    前記溶接対象体を支持する支持部と、
    前記溶接対象体の前記被肉盛面に溶加材を供給する溶加材供給部と、
    レーザ発振器と前記レーザ発振器で発振されたレーザ光を前記支持部で支持された前記溶接対象体に向けて射出するレーザ射出部とを有するレーザ照射部と、
    前記レーザ射出部を、前記支持部に支持された前記溶接対象体に対して前記長手方向に沿って相対移動させる長手方向駆動部と、
    前記支持部に支持された前記溶接対象体に冷媒を供給する冷媒供給部と、
    を備えた溶接装置。
  8. 細長状の溶接対象体の長手方向に沿って前記溶接対象体の被肉盛面に肉盛溶接を行う溶接装置であって、
    前記被肉盛面に溶加材を溶射あるいは塗布して溶加材層を形成する溶加材層形成部と、
    前記溶加材層が形成された前記溶接対象体を支持する支持部と、
    レーザ発振器と前記レーザ発振器で発振されたレーザ光を前記支持部で支持された前記溶接対象体に向けて射出するレーザ射出部とを有するレーザ照射部と、
    前記レーザ射出部を、前記支持部に支持された前記溶接対象体に対して前記長手方向に沿って相対移動させる長手方向駆動部と、
    前記支持部に支持された前記溶接対象体に冷媒を供給する冷媒供給部と、
    を備えた溶接装置。
  9. 前記冷媒供給部は、前記冷媒を吐出させるノズルを有し、
    前記長手方向駆動部は、前記ノズルを、前記レーザ射出部と共に前記支持部に支持された前記溶接対象体に対して前記長手方向に沿って相対移動させる、請求項7又は8に記載の溶接装置。
  10. 前記ノズルは、前記レーザ射出部の前記溶接対象体に対する相対移動方向において、前記レーザ射出部の前方に位置している、請求項9に記載の溶接装置。
  11. 前記支持部に支持された前記溶接対象体を前記長手方向に沿った回転軸線周りに回転させる回転駆動部を更に備える、請求項7乃至10のいずれか一項に記載の溶接装置。
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