JP2022105275A - ブランクマスク及びそれを用いたフォトマスク - Google Patents

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Abstract

【課題】微細パターンを容易に形成することができるブランクマスク及びそれを用いたフォトマスクを提供する。【解決手段】ブランクマスクは、透明基板10、位相反転膜20、遮光膜30を含み、下記式で表されるTFT1値が0.25μm/100℃以下である。JPEG2022105275000024.jpg1547ブランクマスクの透明基板の厚さを0.6mmに加工し、遮光膜を除去して形成された、加工されたブランクマスクの熱的変動が熱機械的分析装置で分析されるとき、熱機械的分析装置の測定温度がT1からT2に上昇し、△PMは、T1での位相反転膜の上面を基準として、T2での厚さ方向への位相反転膜の上面の位置の変化である。【選択図】図1

Description

具現例は、ブランクマスク及びそれを用いたフォトマスクに関する。
半導体デバイスなどの高集積化により、半導体デバイスの回路パターンの微細化が求められている。これにより、ウエハの表面上にフォトマスクを用いて回路パターンを現像する技術であるリソグラフィー技術の重要性が益々高まっている。
微細化された回路パターンを現像するためには、露光工程で用いられる露光光源の短波長化が要求される。最近用いられる露光光源としてはArFエキシマレーザー(波長193nm)などがある。
一方、フォトマスクにはバイナリマスク(Binary mask)と位相反転マスク(Phase shift mask)などがある。
バイナリマスクは、透明基板上に遮光層パターンが形成された構成を有する。バイナリマスクは、パターンが形成された面において、遮光層を含まない透過部は露光光を透過させ、遮光層を含む遮光部は露光光を遮断することによって、ウエハ表面のレジスト膜上にパターンを露光させる。但し、バイナリマスクは、パターンが微細化されるほど、露光工程で透過部の縁部で発生する光の回折により微細パターンの現像に問題が発生することがある。
位相反転マスクとしては、レベンソン型(Levenson type)、アウトリガー型(Outrigger type)、ハーフトーン型(Half-tone type)がある。その中でハーフトーン型位相反転マスクは、透明基板上に半透過膜で形成されたパターンが形成された構成を有する。ハーフトーン型位相反転マスクは、パターンが形成された面において、半透過層を含まない透過部は露光光を透過させ、半透過層を含む半透過部は減衰された露光光を透過させる。前記減衰された露光光は、透過部を通過した露光光と比較して位相差を有するようになる。これにより、透過部の縁部で発生する回折光は、半透過部を透過した露光光によって相殺され、位相反転マスクは、ウエハの表面にさらに精巧な微細パターンを形成することができる。
韓国登録特許第10-1360540号 米国特許公開第2004/0115537号 特開2018-054836号公報
具現例は、微細パターンを容易に形成することができるブランクマスク及びそれを用いたフォトマスクなどを提供しようとする。
一実施例に係るブランクマスクは、透明基板と、前記透明基板上に配置される位相反転膜と、前記位相反転膜上に配置される遮光膜とを含み、下記の式1で表されるTFT1値が0.25μm/100℃以下である。
[式1]
Figure 2022105275000002
ここで、前記ブランクマスクの前記透明基板の厚さを0.6mmに加工し、前記遮光膜を除去して形成された、加工されたブランクマスクの熱的変動が熱機械的分析装置で分析されるとき、前記熱機械的分析装置の測定温度が前記T1から前記T2に上昇し、前記△PMは、前記T1での前記位相反転膜の上面を基準として、前記T2での前記厚さ方向への前記位相反転膜の上面の位置の変化である。
前記ブランクマスクは、前記T1が50℃であり、前記T2は80℃であるとき、前記TFT1値が0.2μm/100℃以下であってもよい。
前記ブランクマスクは、前記T1が50℃であり、前記T2は150℃であるとき、前記TFT1値が0.2μm/100℃以下であってもよい。
前記ブランクマスクは、下記の式2で表されるTFT2値が0.25μm/100℃以下であってもよい。
[式2]
Figure 2022105275000003
ここで、前記ブランクマスクの前記透明基板の厚さを0.6mmに加工して形成された、加工されたブランクマスクの熱的変動が熱機械的分析装置で分析されるとき、前記熱機械的分析装置の測定温度が前記T1から前記T2に上昇し、前記△PCは、前記T1での前記遮光膜の上面を基準として、前記T2での前記厚さ方向への前記遮光膜の上面の位置の変化である。
前記ブランクマスクは、PE値が1.5eVであり、PE値が3.0eVであるとき、下記の式3によるDel_2値が0である点での光子エネルギーが1.8~2.14eVであってもよい。
[式3]
Figure 2022105275000004
前記式3において、前記DPS値は、前記ブランクマスクから前記遮光膜を除去し、入射角を64.5°として適用して前記位相反転膜の表面を分光エリプソメータで測定する際に、反射光のP波とS波との位相差が180°以下であれば、前記P波とS波との位相差であり、前記反射光のP波とS波との位相差が180°を超えれば、360°から前記P波とS波との位相差を引いた値である。
前記PE値は、前記PE値~前記PE値の範囲内での入射光の光子エネルギーである。
前記ブランクマスクは、PE値が3eVであり、PE値が5eVであるとき、前記Del_2値が0である点での光子エネルギーが3.8eV~4.64eVであってもよい。
前記ブランクマスクは、PE値が3.0eVであり、PE値が5.0eVであるとき、前記の式3で表されるDel_2が0である点での入射光の光子エネルギーが3.8~4.64eVであってもよい。
前記ブランクマスクは、前記PE値が1.5eVであり、前記PE値が3.0eVであるとき、前記Del_2値が0である点での入射光の光子エネルギーが1.8~2.14eVであってもよい。
前記ブランクマスクは、前記PE値が1.5eVであり、前記PE値が、前記Del_2値が0になる点での入射光の光子エネルギーのうちの最小値であるとき、前記Del_2値の平均値が78~98°/eVであってもよい。
前記ブランクマスクは、前記PE値が、前記Del_2値が0になる点での入射光の光子エネルギーのうちの最小値であり、前記PE値が、前記Del_2値が0になる点での入射光の光子エネルギーのうちの最大値であるとき、前記Del_2値の平均値が-65~-55°/eVであってもよい。
前記ブランクマスクは、前記PE値が、前記Del_2値が0になる点での入射光の光子エネルギーのうちの最大値であり、前記PE値が5.0eVであるとき、前記Del_2値の平均値が60~120°/eVであってもよい。
前記ブランクマスクは、前記PE値が1.5eVであり、前記PE値が5.0eVであるとき、前記Del_2値の最大値が105~300°/eVであってもよい。
前記ブランクマスクは、前記Del_2値の最大値である点での光子エネルギーが4.5eV以上であってもよい。
前記位相反転膜は、位相差調整層、及び前記位相差調整層上に位置する保護層を含むことができる。
前記位相反転膜は、遷移金属、珪素、酸素及び窒素を含むことができる。
前記位相差調整層は、窒素を40~60原子%含むことができる。
前記保護層は、窒素を20~40原子%含むことができる。
前記保護層は、厚さ方向に酸素含量に対する窒素含量の比率が0.4~2である領域を含み、前記領域は、前記保護層全体の厚さに対して30~80%の厚さを有することができる。
前記位相反転膜の厚さに対する前記保護層の厚さの比率は0.04~0.09であってもよい。
前記保護層の厚さは、25Å以上80Å以下であってもよい。
前記位相差調整層は、波長200nm以下の光に対する屈折率が2~4であり、波長200nm以下の光に対する消衰係数が0.3~0.7であってもよい。
前記遮光膜は、クロム、酸素、窒素及び炭素を含み、前記クロムを44~60原子%含むことができる。
前記ブランクマスクは多重膜を含み、前記多重膜は位相反転膜及び前記遮光膜を含み、前記多重膜の波長200nm以下の光に対する光学濃度が3以上であってもよい。
他の一実施例に係るブランクマスクは、透明基板と、前記透明基板上に配置される位相反転膜と、前記位相反転膜上に配置される遮光膜とを含む。
前記ブランクマスクは、PE値が3.0eVであり、PE値が5.0eVであるとき、下記の式3で表されるDel_2が0である点での入射光の光子エネルギーが4.0~5.0eVである。
[式3]
Figure 2022105275000005
前記式3において、前記DPS値は、前記ブランクマスクから前記遮光膜を除去した後、入射角を64.5°として適用して前記位相反転膜の表面を分光エリプソメータで測定する際に、反射光のP波とS波との位相差が180°以下であれば、前記P波とS波との位相差であり、反射光のP波とS波との位相差が180°を超えれば、360°から前記P波とS波との位相差を引いた値である。
前記PE値は、前記PE値~前記PE値の範囲内での入射光の光子エネルギーである。
前記ブランクマスクは、前記PE値が1.5eVであり、前記PE値が3.0eVであるとき、前記Del_2値が0である点での入射光の光子エネルギーが1.7~2.3eVであってもよい。
前記ブランクマスクは、前記PE値が1.5eVであり、前記PE値が、前記Del_2値が0になる点での入射光の光子エネルギーのうちの最小値であるとき、前記Del_2値の平均値が85~98°/eVであってもよい。
前記ブランクマスクは、前記PE値が、前記Del_2値が0になる点での入射光の光子エネルギーのうちの最小値であり、前記PE値が、前記Del_2値が0になる点での入射光の光子エネルギーのうちの最大値であるとき、前記Del_2値の平均値が-65~-55°/eVであってもよい。
前記ブランクマスクは、前記PE値が、前記Del_2値が0になる点での入射光の光子エネルギーのうちの最大値であり、前記PE値が5.0eVであるとき、前記Del_2値の平均値が60~120°/eVであってもよい。
前記ブランクマスクは、前記PE値が1.5eVであり、前記PE値が5.0eVであるとき、前記Del_2値の最大値が105~300°/eVであってもよい。
前記ブランクマスクは、前記Del_2値の最大値である点での光子エネルギーが4.5eV以上であってもよい
前記ブランクマスクは、前記TFT1値が0.25μm/100℃以下であってもよい。
前記ブランクマスクは、前記T1が50℃であり、前記T2は80℃であるとき、前記TFT1値が0.2μm/100℃以下であってもよい。
前記ブランクマスクは、前記T1が50℃であり、前記T2は150℃であるとき、前記TFT1値が0.2μm/100℃以下であってもよい。
前記ブランクマスクは、TFT2値が0.25μm/100℃以下であってもよい。
前記位相反転膜は、位相差調整層、及び前記位相差調整層上に位置する保護層を含むことができる。
前記位相反転膜は、遷移金属、珪素、酸素及び窒素を含むことができる。
前記位相差調整層は、窒素を40~60原子%含むことができる。
前記保護層は、窒素を20~40原子%含むことができる。
前記保護層は、厚さ方向に酸素含量に対する窒素含量の比率が0.4~2である領域を含み、前記領域は、前記保護層全体の厚さに対して30~80%の厚さを有することができる。
前記位相反転膜の厚さに対する前記保護層の厚さの比率は0.04~0.09であってもよい。
前記保護層の厚さは、25Å以上80Å以下であってもよい。
前記位相差調整層は、波長200nm以下の光に対する屈折率が2~4であり、波長200nm以下の光に対する消衰係数が0.3~0.7であってもよい。
前記遮光膜は、クロム、酸素、窒素及び炭素を含み、前記クロムを44~60原子%含むことができる。
前記ブランクマスクは多重膜を含み、前記多重膜は位相反転膜及び前記遮光膜を含み、前記多重膜の波長200nm以下の光に対する光学濃度が3以上であってもよい。
更に他の一実施例に係るフォトマスクは、透明基板と、前記透明基板上に配置される位相反転パターン膜と、前記位相反転パターン膜上に配置される遮光パターン膜とを含む。
前記フォトマスクは、下記の式4で表されるTFT3値が0.25μm/100℃以下である。
[式4]
Figure 2022105275000006
ここで、前記フォトマスクの前記透明基板の厚さを0.6mmに加工し、前記遮光パターン膜を除去して形成された、加工されたフォトマスクの熱的変動が熱機械的分析装置で分析されるとき、前記熱機械的分析装置の測定温度が前記T1から前記T2に上昇し、前記△pPMは、前記T1での前記位相反転パターン膜の上面を基準として、前記T2での前記厚さ方向への前記位相反転パターン膜の上面の位置の変化である。
更に他の一実施例に係るフォトマスクは、透明基板と、前記透明基板上に配置される位相反転パターン膜と、前記位相反転パターン膜上に配置される遮光パターン膜とを含む。
前記フォトマスクは、PE値が3.0eVであり、PE値が5.0eVであるとき、下記の式5で表されるDel_1が0である点での入射光の光子エネルギーが4.0~5.0eVである。
[式5]
Figure 2022105275000007
前記式5において、前記pDPS値は、前記フォトマスクから前記遮光パターン膜を除去した後、入射角を64.5°として適用して前記位相反転パターン膜の表面を分光エリプソメータで測定する際に、反射光のP波とS波との位相差が180°以下であれば、前記P波とS波との位相差であり、反射光のP波とS波との位相差が180°を超えれば、360°から前記P波とS波との位相差を引いた値である。
前記PE値は、前記PE値~前記PE値の範囲内での入射光の光子エネルギーである。
更に他の実施例に係る半導体素子の製造装置は、光源と、前記光源からの光が入射され、前記入射された光を選択的に透過させて、半導体ウエハに出射するフォトマスクとを含む。
前記フォトマスクは、透明基板と、前記透明基板上に配置される位相反転パターン膜と、前記位相反転パターン膜上に配置される遮光パターン膜とを含む。
前記フォトマスクは、下記の式4で表されるTFT3値が0.25μm/100℃以下である。
[式4]
Figure 2022105275000008
ここで、前記フォトマスクの前記透明基板の厚さを0.6mmに加工し、前記遮光パターン膜を除去して形成された、加工されたフォトマスクの熱的変動が熱機械的分析装置で分析されるとき、前記熱機械的分析装置の測定温度が前記T1から前記T2に上昇し、前記△pPMは、前記T1での前記位相反転パターン膜の上面を基準として、前記T2での前記厚さ方向への前記位相反転パターン膜の上面の位置の変化である。
更に他の実施例に係る半導体素子の製造装置は、光源と、前記光源からの光が入射され、前記入射された光を選択的に透過させて、半導体ウエハに出射するフォトマスクとを含む。
前記フォトマスクは、PE値が3.0eVであり、PE値が5.0eVであるとき、下記の式5で表されるDel_1が0である点での入射光の光子エネルギーが4.0~5.0eVである。
[式5]
Figure 2022105275000009
前記式5において、前記pDPS値は、前記フォトマスクから前記遮光パターン膜を除去した後、入射角を64.5°として適用して前記位相反転パターン膜の表面を分光エリプソメータで測定する際に、反射光のP波とS波との位相差が180°以下であれば、前記P波とS波との位相差であり、反射光のP波とS波との位相差が180°を超えれば、360°から前記P波とS波との位相差を引いた値である。
前記PE値は、前記PE値~前記PE値の範囲内での入射光の光子エネルギーである。
具現例は、微細パターンを容易に形成できるブランクマスク及びそれを用いたフォトマスクなどを提供することができる。
本明細書の一実施例に係るブランクマスクを示す概念図である。 本明細書の他の実施例に係るブランクマスクを示す概念図である。 分光エリプソメータを用いて位相反転膜の反射光のP波とS波との位相差を測定する原理を示す概念図である。 実施例1の位相反転膜の温度による厚さ方向への熱的変動値を示したグラフである。 実施例2の位相反転膜の温度による厚さ方向への熱的変動値を示したグラフである。 実施例4~6の光子エネルギーによるDPS値の分布を測定したグラフである。 実施例4~6の光子エネルギーによるDel_2値の分布を測定したグラフである。 比較例3及び4の光子エネルギーによるDPS値の分布を測定したグラフである。 比較例3及び4の光子エネルギーによるDel_2値の分布を測定したグラフである。
以下、具現例の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように、実施例について詳細に説明する。しかし、具現例は、様々な異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。
本明細書で使用される程度の用語「約」、「実質的に」などは、言及された意味に固有の製造及び物質の許容誤差が提示されるとき、その数値で又はその数値に近接した意味で使用され、具現例の理解を助けるために正確又は絶対的な数値が言及された開示内容を非良心的な侵害者が不当に利用することを防止するために使用される。
本明細書全体において、マーカッシュ形式の表現に含まれた「これらの組み合わせ」という用語は、マーカッシュ形式の表現に記載された構成要素からなる群から選択される1つ以上の混合又は組み合わせを意味するものであって、前記構成要素からなる群から選択される1つ以上を含むことを意味する。
本明細書全体において、「A及び/又はB」の記載は、「A、B、または、A及びB」を意味する。
本明細書全体において、「第1」、「第2」又は「A」、「B」のような用語は、特に説明がない限り、同一の用語を互いに区別するために使用される。
本明細書において、A上にBが位置するという意味は、A上にBが位置したり、それらの間に別の層が位置しながらA上にBが位置したりすることができることを意味し、Aの表面に当接してBが位置することに限定されて解釈されない。
本明細書において、単数の表現は、特に説明がなければ、文脈上解釈される単数又は複数を含む意味で解釈される。
本明細書において、透過部とは、透明基板上にパターンが形成されたフォトマスクの表面において位相反転膜を含まないので露光光を透過させる領域を意味し、半透過部とは、位相反転膜を含むことで、減衰された露光光を透過させる領域を意味する。
本明細書において、入射角は、分光エリプソメータの入射光と位相反転膜の法線(normal line)とがなす角度を意味する。
本明細書において、室温は20℃~25℃を意味する。
半導体素子は、半導体ウエハ上に露光パターンを形成して製造することができる。具体的には、表面にレジスト層が塗布された半導体ウエハ上に、設計されたパターンを含むフォトマスクを位置させた後、光源を介して露光を行う。このような場合、前記半導体ウエハのレジスト層は、現像溶液の処理を通じて、設計されたパターンの形状を有するようになる。
半導体の高集積化に伴い、さらに微細化された回路パターンが求められる。半導体ウエハ上に微細化されたパターンを形成するためには、従来適用されている露光光よりも波長がさらに短い露光光を適用することができる。微細化されたパターンの形成に適用される露光光としては、例示的にArFエキシマレーザー(波長193nm)などがある。
短波長の露光光を発生させる光源は高い出力が要求され得る。このような光源は、露光工程でフォトマスクの温度を上昇させることがある。
フォトマスク内に含まれてパターンを形成する薄膜は、温度の変化によって厚さ、高さなどの物理的特性が変化する特性を有することができる。前記薄膜は、同じ物質で形成されたものではなく、少なくとも2層以上の多層構造を有することができる。また、前記薄膜は、酸化処理、熱処理などを経る場合もあるので、最初の積層時の薄膜自体の特性と、完成されたブランクマスク内に含まれた薄膜の特性との間に差を示すこともある。特に、温度による各薄膜の厚さ、高さなどの変動幅が制御されない場合、半導体ウエハ上に形成されるパターンの解像度を低下させる要因となり得る。
一方、さらに微細化された回路パターンを優れた解像度で現像するためには、位相反転膜の位相差及び透過率などがさらに精巧に調節され、位相反転膜の厚さをさらに減少させる必要がある。
位相反転膜の耐久性を向上させるために、位相反転膜の表面に保護層を形成することができる。位相反転膜の表面に保護層を形成する方法としては、自然酸化反応を通じて別途の工程の適用なしに保護層を形成する方法、スパッタリングなどを通じて位相反転膜の表面に別途の層を成膜する方法、位相反転膜の表面に熱処理工程を適用する方法などがある。
自然酸化工程を適用する場合、位相反転膜の面内方向への光学特性の分布が均一でないことがあり、位相反転膜の耐久性が多少不足することがある。位相反転膜の表面に別途の層を成膜する工程または熱処理工程を適用する場合、形成された保護層の影響により、位相反転膜全体の光学特性の変動が大きく発生することがある。
具現例の発明者らは、ブランクマスクに含まれた膜の温度による熱的変動値を一定の範囲内に調節するなどの方法により、さらに向上した解像度を有するブランクマスクなどを提供できることを実験的に確認し、具現例を完成した。
以下、具現例をより詳細に説明する。
図1は、本明細書の一実施例に係るブランクマスクを示す概念図である。前記図1を参照して具現例を説明する。
本明細書の一実施例に係るブランクマスク100は、透明基板10と、前記透明基板10上に配置される位相反転膜20と、前記位相反転膜20上に配置される遮光膜30とを含む。
透明基板10の素材は、露光光に対する光透過性を有し、フォトマスクに適用できる素材であれば制限されない。具体的には、透明基板10の波長200nm以下の露光光に対する透過率は85%以上であり得る。前記透過率は87%以上であってもよい。例示的に、透明基板10は合成石英基板が適用されてもよい。このような場合、透明基板10は、前記透明基板10を透過する光の減衰(attenuated)を抑制することができる。
また、透明基板10は、平坦度及び粗さなどの表面特性を調節して光学歪みの発生を抑制することができる。
位相反転膜20は、透明基板10の上面(front side)上に位置することができる。
位相反転膜の熱的変動特性
ブランクマスクは、下記の式1で表されるTFT1値が0.25μm/100℃以下である。
[式1]
Figure 2022105275000010
ここで、前記ブランクマスクの前記透明基板の厚さを0.6mmに加工し、前記遮光膜を除去して形成された、加工されたブランクマスクの熱的変動が熱機械的分析装置で分析されるとき、前記熱機械的分析装置の測定温度が前記T1から前記T2に上昇し、前記△PMは、前記T1での前記位相反転膜の上面を基準として、前記T2での前記厚さ方向への前記位相反転膜の上面の位置の変化である。
位相反転膜20の光学特性は、前記位相反転膜20に含まれた元素の組成、位相反転膜20の密度、厚さなどの様々な要因によって決定される。したがって、ブランクマスク100の解像度を最大限向上させるために、前記要因を考慮して位相反転膜20を設計及び成膜する。位相反転膜20は、露光工程中に光源から発生する熱に露出し得る。前記熱により、位相反転膜20の厚さの数値、応力などが変動し得る。このような場合、位相反転膜の光学特性は、予め設計された値ではなく、変動した値を示すことがある。また、このような位相反転膜20をパターニングする場合、パターニングされた位相反転膜の変形が容易に誘発されてしまい、フォトマスクの解像度を低下させる要因となり得る。具現例は、位相反転膜の熱的変動などを制御する方法を通じて、ブランクマスクの解像度の低下を効果的に抑制することができる。
前記式1によるTFT1値は、位相反転膜20を構成する元素の種類、元素別の含量、スパッタリング工程に適用された磁場の強度、基板の回転速度、ターゲットに加える電圧、雰囲気ガスの組成、スパッタリング温度、後処理工程時の条件などの要素を制御して調節することができる。特に、具現例は、位相反転膜20の成膜時に適用される磁場の強度を調節するなどの方法を適用して、位相反転膜20のTFT1値を制御した。
位相反転膜20を成膜する際に、スパッタリング装備にマグネットを位置させることによって、スパッタリングチャンバ内に磁場を形成し、スパッタリングターゲットの前面にプラズマが分布するようにすることができる。そして、磁場の分布、強度などを制御して、スパッタリング装備で形成される位相反転膜20の密度などを調節することができる。
具体的には、磁場の強度が強いほど、チャンバ内に形成されるプラズマの密度が高くなることで、成膜された位相反転膜20が密になり得る。磁場の強度が弱いほど、チャンバ内に形成されるプラズマの密度が低くなることで、成膜された位相反転膜20が疎になり得る。すなわち、スパッタリング装備の磁場の条件を調節することによって、位相反転膜20の緻密さの程度を調節してTFT1値を制御することができる。
TFT1値は、熱機械的分析装置を通じて測定する。具体的には、熱機械的分析装置のチップ(tip)を、測定しようとする位相反転膜20の表面に位置させる。以降、チップを介して、位相反転膜20の表面に固定された大きさの荷重を加え、具現例で予め設定した昇温速度で位相反転膜20の表面を加熱し、温度による位相反転膜の上面の厚さ方向の位置の変化、すなわち、TFT1値を測定する。
温度に応じて単純に薄膜の厚さを測定するのとは異なり、前記のような方法でTFT1値を測定すれば、温度の変化による薄膜の応力の変化、薄膜の熱膨張の程度、薄膜を含む基板の反りの程度などを総合的に評価することができる。
TFT1値は、チップ(tip)の荷重0.05N、昇温速度10℃/min、測定温度の範囲30~200℃の条件で測定する。
具現例において、TFT値の測定時に、透明基板10の厚さを0.6mmに加工する。これは、測定対象のブランクマスクが熱機械的分析装置内に容易に投入されるようにするためである。透明基板10の厚さを調節する方法としては、例示的に、透明基板10の位相反転膜20などが位置した一面に対向する他面をエッチングする方法、前記透明基板10の他面側の一部を切断する方法などがある。
TFT1値の測定時に、位相反転膜10上に位置する遮光膜30を除去した後に測定する。位相反転膜20と遮光膜30との間に他の膜が位置する場合、前記他の膜も除去する。すなわち、位相反転膜20の最表面が露出するように測定対象のブランクマスク100を加工して測定する。遮光膜30及び前記他の膜を除去する方法としてはエッチングなどがある。但し、これに限定されない。
位相反転膜20の上面側には、位相反転膜20と前記位相反転膜20上に接して位置する他の薄膜(例示的に、遮光膜)とが混在している部分が存在し得る。このような場合、前記混在している部分まで除去した後、TFT1値を測定する。
位相反転膜20の損傷なしに前記混在している部分を除去することは技術的に困難であるので、加工を終えた位相反転膜20の厚さが50nm以上になるように前記混在している部分及び位相反転膜の上部を除去してTFT値を測定する。
TFT1値を測定するための熱機械的分析装置としては、例示的にTAインスツルメント社のQ400モデルがある。
TFT1値の算出時に、△PMは、T1での位相反転膜の上面を基準として、T2での厚さ方向への位相反転膜の上面の位置変化値の絶対値を意味する。例示的に、T1での位相反転膜の厚さ方向への数値変化(Dimension change)が0.2μmであり、T2での位相反転膜の厚さ方向への数値変化が0.5μmである場合、△PMは0.3μmである。
T1は、TFT1値の測定時に、熱機械的分析装置の初期温度である。
T2は、TFT1値の測定時に、熱機械的分析装置の初期温度から上昇した温度である。
TFT1値は、単位がμm/100℃になるように算出する。例示的に、T1値が30℃、T2値が200℃、△PM値が0.25μmである場合、算出されるTFT値は、0.25/(200-30)×100=0.147μm/100℃である。
ブランクマスク100のTFT1値は0.25μm/100℃以下であってもよい。前記TFT1値は0.2μm/100℃以下であってもよい。前記TFT1値は0.18μm/100℃以下であってもよい。前記TFT1値は0.1μm/100℃以上であってもよい。前記TFT1値は0.12μm/100℃以上であってもよい。前記TFT1値は0.15μm/100℃以上であってもよい。
T1が30℃であり、T2が200℃であるとき、ブランクマスク100のTFT1値が0.25μm/100℃以下であってもよい。前記TFT1値が0.2μm/100℃以下であってもよい。前記TFT1値が0.18μm/100℃以下であってもよい。前記TFT1値が0.1μm/100℃以上であってもよい。前記TFT1値が0.12μm/100℃以上であってもよい。前記TFT1値が0.15μm/100℃以上であってもよい。
T1が50℃であり、T2が80℃であるとき、ブランクマスク100のTFT1値が0.25μm/100℃以下であってもよい。前記TFT1値が0.2μm/100℃以下であってもよい。前記TFT1値が0.18μm/100℃以下であってもよい。前記TFT1値が0.1μm/100℃以上であってもよい。前記TFT1値が0.12μm/100℃以上であってもよい。前記TFT1値が0.15μm/100℃以上であってもよい。
このような場合、露光工程で発生する熱による位相反転膜の変形を抑制し、フォトマスクの解像度を向上させることができる。また、位相反転膜が安定した耐久性を有することができる。
T1が50℃であり、T2が150℃であるとき、ブランクマスク100のTFT1値が0.25μm/100℃以下であってもよい。前記TFT1値が0.2μm/100℃以下であってもよい。前記TFT1値が0.18μm/100℃以下であってもよい。前記TFT1値が0.1μm/100℃以上であってもよい。前記TFT1値が0.12μm/100℃以上であってもよい。前記TFT1値が0.15μm/100℃以上であってもよい。
このような場合、比較的高い温度でもフォトマスクが優れた解像度を有することができる。
T1が100~140℃であり、T2=T1+5℃であるとき、ブランクマスク100のTFT1値が0.1μm以下であってもよい。前記TFT1値が0.07μm以下であってもよい。前記TFT1値が0.05μm以下であってもよい。前記TFT1値が0.005μm以上であってもよい。前記TFT1値が0.01μm以上であってもよい。前記TFT1値が0.02μm以上であってもよい。このような場合、パターニングされた位相反転膜は、露光工程で雰囲気温度が上昇することによる光学特性の変動及びパターン歪み(pattern distortion)の発生が抑制され得る。
T1が170~180℃であり、T2=T1+5℃であるとき、ブランクマスク100の前記TFT1値が0.15μm以下であってもよい。前記TFT1値が0.12μm以下であってもよい。前記TFT1値が0.1μm以下であってもよい。前記TFT1値が0.005μm以上であってもよい。前記TFT1値が0.01μm以上であってもよい。前記TFT1値が0.02μm以上であってもよい。このような場合、高温雰囲気で位相反転膜が安定した耐久性を有することができる。
遮光膜の熱的変動特性
ブランクマスク100は、下記式2で表されるTFT2値が0.25μm/100℃以下であってもよい。
[式2]
Figure 2022105275000011
ここで、前記ブランクマスクの前記透明基板10の厚さを0.6mmに加工して形成された、加工されたブランクマスク100の熱的変動が熱機械的分析装置で分析されるとき、前記熱機械的分析装置の測定温度が前記T1から前記T2に上昇し、前記△PCは、前記T1での前記遮光膜30の上面を基準として、前記T2での前記厚さ方向への前記遮光膜30の上面の位置の変化である。
パターニングされた遮光膜30は、位相反転膜20パターン上に位置してブラインドパターンを形成することができる。位相反転膜20パターンと同様に、遮光膜30パターンも、露光工程で高出力光源から発生する熱に露出し得る。これにより、遮光膜30の厚さの数値、残留応力、前記遮光膜を含む基板の反りの程度などが変動し得る。このような変動は、位相反転膜20と同様に、現像されるパターンの解像度を低下させる要因となり得る。具現例は、ブランクマスクのTFT2値を具現例で予め設定した範囲内に調節することによって、高出力光源から発生する熱による遮光膜30の厚さ方向への数値の変動などを抑制することができる。
ブランクマスク100のTFT2値は、遮光膜30を構成する元素、スパッタリング工程の条件、薄膜の厚さなどの様々な要素によって影響を受け得る。特に、具現例は、遮光膜30のスパッタリング時に磁場の強度などを制御して、ブランクマスク100のTFT2値を調節した。具体的に、遮光膜のスパッタリング時に磁場の制御を通じて、成膜される遮光膜30の緻密さの程度を制御することによって、TFT2値を調節した。
TFT2値は、熱機械的分析装置を通じて測定する。具体的には、熱機械的分析装置のチップ(tip)を、測定しようとする遮光膜30の表面に位置させる。以降、チップを介して、遮光膜30の表面に固定された大きさの荷重を加え、具現例で予め設定した昇温速度で遮光膜30の表面を加熱し、温度による遮光膜の厚さ方向の位置の変化を測定する。
温度に応じて単純に遮光膜の厚さを測定するのとは異なり、前記のような方法でTFT2値を測定すれば、温度の変化による遮光膜の応力の変化、遮光膜の熱膨張の程度、遮光膜を含む基板の反りの程度などを総合的に評価することができる。
TFT2値の測定時に熱機械的分析装置に適用される測定条件は、TFT1値の測定時と同一に適用する。
TFT2値の測定時に、透明基板10の厚さを0.6mmに加工する。透明基板10の加工方法は、TFT1値の測定時と同一に適用する。
TFT2値の測定時に、遮光膜30上に他の層が位置する場合、前記他の層を除去した後に測定する。前記他の層を除去する方法としては、例示的にエッチングなどがある。但し、これに限定されない。
製造工程に応じて、遮光膜30と前記遮光膜30上に位置した他の層とが混在している部分が存在し得る。このような場合、前記混在している部分まで除去した後、TFT2値を測定する。
前記混在している部分を除去する際に、遮光膜の損傷なしに前記混在している部分を除去することは技術的に困難であるので、加工後の遮光膜の厚さが40nm以上になるように前記混在している部分及び遮光膜の上部を除去してTFT2値を測定する。
TFT2値を測定するための熱機械的分析装置としては、例示的にTAインスツルメント社のQ400モデルを通じて測定することができる。
TFT2値の算出時に、△PCは、T1での遮光膜30の上面を基準として、T2での厚さ方向への遮光膜30の上面の位置変化値の絶対値を意味する。例示的に、T1での遮光膜の厚さ方向への数値変化(Dimension change)が0.2μmであり、T2での遮光膜の厚さ方向への数値変化が0.5μmである場合、△PCは0.3μmに該当する。
T1は、TFT2値の測定時に、熱機械的分析装置の初期温度である。
T2は、TFT2値の測定時に、熱機械的分析装置の初期温度から上昇した温度である。
T2-T1値の単位がμm/100℃になるようにTFT値を算出する。例示的に、T1値が30℃、T2値が200℃、△PM値が0.25μmである場合、算出されるTFT値は、
Figure 2022105275000012
ブランクマスク100のTFT2値は0.25μm/100℃以下であってもよい。前記TFT2値は0.2μm/100℃以下であってもよい。前記TFT2値は0.1μm/100℃以下であってもよい。前記TFT2値は0.07μm/100℃以下であってもよい。前記TFT2値は0.01μm/100℃以上であってもよい。前記TFT2値は0.03μm/100℃以上であってもよい。前記TFT2値は0.05μm/100℃以上であってもよい。
ブランクマスク100は、T1が30℃であり、T2が200℃であるとき、TFT2値が0.25μm/100℃以下であってもよい。前記TFT2値が0.2μm/100℃以下であってもよい。前記TFT2値が0.1μm/100℃以下であってもよい。前記TFT2値が0.07μm/100℃以下であってもよい。前記TFT2値が0.01μm/100℃以上であってもよい。前記TFT2値が0.03μm/100℃以上であってもよい。前記TFT2値が0.05μm/100℃以上であってもよい。
ブランクマスク100は、T1が50℃であり、T2が150℃であるとき、TFT2値が0.8μm/100℃以下であってもよい。前記TFT2値が0.7μm/100℃以下であってもよい。前記TFT2値が0.6μm/100℃以下であってもよい。前記TFT2値が0.2μm/100℃以上であってもよい。前記TFT2値が0.3μm/100℃以上であってもよい。前記TFT2値が0.5μm/100℃以上であってもよい。
ブランクマスク100は、T1が50℃であり、T2が100℃であるとき、TFT2値が0.8μm/100℃以下であってもよい。前記TFT2値が0.7μm/100℃以下であってもよい。前記TFT2値が0.6μm/100℃以下であってもよい。前記TFT2値が0.2μm/100℃以上であってもよい。前記TFT2値が0.3μm/100℃以上であってもよい。前記TFT2値が0.5μm/100℃以上であってもよい。
このような場合、露光工程で、高出力光源から発散される熱により遮光膜30の光学特性が変動し、フォトマスクの解像度が低下することを抑制することができる。
ブランクマスク100は、T1が100℃~140℃であり、T2=T1+5℃であるとき、TFT2値が0.1μm/100℃以下であってもよい。前記TFT2値が0.07μm/100℃以下であってもよい。前記TFT2値が0.05μm/100℃以下であってもよい。前記TFT2値が0.005μm/100℃以上であってもよい。前記TFT2値が0.01μm/100℃以上であってもよい。前記TFT2値が0.02μm/100℃以上であってもよい。このような場合、パターニングされた遮光膜は、リソグラフィー工程に適用する際に、温度の上昇による形状の変形が抑制され得る。
ブランクマスク100は、T1が170℃~180℃であり、T2=T1+5℃であるとき、TFT2値が0.15μm/100℃以下であってもよい。前記TFT2値が0.12μm/100℃以下であってもよい。前記TFT2値が0.1μm/100℃以下であってもよい。前記TFT2値が0.005μm/100℃以上であってもよい。前記TFT2値が0.01μm/100℃以上であってもよい。前記TFT2値が0.02μm/100℃以上であってもよい。このような場合、パターニングされた遮光膜は、高い温度で安定した光学特性及び耐久性を有することができる。
位相反転膜の層構造
図2は、本明細書の他の実施例に係るブランクマスクを示す概念図である。前記図2を参照して具現例を説明する。
位相反転膜20は、位相差調整層21と、前記位相差調整層21上に配置される保護層22とを含むことができる。
位相反転膜20、位相差調整層21及び保護層22は、遷移金属、珪素、酸素及び窒素を含むことができる。
位相差調整層21は、位相反転膜20において、遷移金属、珪素、酸素及び窒素が深さ方向に5原子%の範囲内で均等に含まれた層である。位相差調整層21は、位相反転膜20を透過する光の位相差及び透過率を実質的に調節することができる。
具体的に、位相差調整層21は、透明基板10の背面(back side)側から入射する露光光の位相を移動させる特性を有する。このような特性により、位相反転膜20は、フォトマスクにおいて透過部の縁部に発生する回折光を効果的に相殺して、リソグラフィー工程時にフォトマスクの解像度がさらに向上する。
また、位相差調整層21は、透明基板10の背面(back side)側から入射する露光光を減衰させる。これを通じて、位相反転膜20は、透過部の縁部で発生する回折光を相殺させると同時に、露光光の透過を遮断することができる。
保護層22は、位相反転膜の表面に形成され、前記表面から深さ方向に酸素含量が連続的に減少すると同時に、窒素含量が連続的に増加する分布を有する層である。保護層22は、フォトマスクのエッチング工程又は洗浄工程において位相反転膜20またはパターニングされた位相反転膜にダメージが発生することを抑制することで、位相反転膜の20の耐久性を向上させることができる。また、保護層22は、露光工程で位相差調整層21が露光光により酸化することを抑制することができる。
エリプソメータで測定した位相反転膜の光学特性
ブランクマスクは、PE値が1.5eVであり、PE値が3.0eVであるとき、下記の式3によるDel_2値が0である点での光子エネルギーが1.8eV~2.14eVであってもよい。
[式3]
Figure 2022105275000013
前記式3において、前記DPS値は、前記ブランクマスクから前記遮光膜を除去し、入射角を64.5°として適用して前記位相反転膜の表面を分光エリプソメータで測定する際に、反射光のP波とS波との位相差が180°以下であれば、前記P波とS波との位相差であり、前記反射光のP波とS波との位相差が180°を超えれば、360°から前記P波とS波との位相差を引いた値である。
前記PE値は、前記PE値~前記PE値の範囲内での入射光の光子エネルギーである。
位相反転膜20の光学特性を精巧に調節してフォトマスクの解像度を向上させることができる。
具体的には、位相反転膜20の露光光に対する位相差と透過率を同時に調節することができる。位相反転膜20の位相差及び透過率は、位相反転膜の成分、厚さなどを調節して制御することができる。位相反転膜20の厚さと透過率、位相反転膜20の厚さと位相差は互いに関連している特徴を有する。但し、位相差と透過率は、同時に意図する値を有するようにし難いトレードオフ(trade off)の関係を有する。
具現例は、エリプソメータで測定した位相反転膜のP波とS波との位相差の分布を制御することによって、波長200nm以下の光に対する位相反転膜の位相差及び透過率が、具現例で予め設定した範囲内に調節されながらも、さらに薄膜化された位相反転膜20を提供することができる。
図3は、分光エリプソメータを用いて位相反転膜の反射光のP波とS波との位相差を測定する原理を示す概念図である。前記図3を参照して具現例を説明する。
反射光LのP波(P`)とS波(S`)との位相差(△)値は、固定された入射角θで分光エリプソメータの入射光Lの光子エネルギー(Photon Energy)に応じて変わり得る。位相反転膜20の入射光Lの光子エネルギーに対する反射光LのP波(P`)とS波(S`)との位相差△を測定して、前記Del_2値を算出することができる。
位相反転膜20を構成する元素、スパッタリング工程の条件、薄膜の厚さ、分光エリプソメータで設定した入射角などの様々な要素を制御して、Del_2値の分布を調節することができる。特に、位相反転膜20の成膜に適用される磁場の強度を調節するなどの方法で位相反転膜20のDel_2値の分布を制御することができる。
Del_2値は、分光エリプソメータを通じて測定する。例示的に、位相反転膜の反射光LのP波(P`)とS波(S`)との位相差△は、ナノ-ビュー社のMG-PROモデルを通じて測定することができる。
位相反転膜20のDel_2値の分布の測定時に、位相反転膜20上に位置する遮光膜30を除去した後に測定する。位相反転膜20と遮光膜30との間に他の薄膜が位置する場合、前記他の膜も除去する。遮光膜30及び前記他の膜を除去する方法としてはエッチング方法などがある。但し、これに限定されない。位相反転膜20の損傷なしに位相反転膜上に位置する他の膜を除去することは技術的に困難であるので、前記エッチング過程で位相反転膜に厚さ方向に1nm以下の損傷が加えられることは許容する。
ブランクマスク100は、PE値が1.5eVであり、PE値が3.0eVであるとき、Del_2値が0である点での光子エネルギーが1.8eV~2.14eVであってもよい。前記光子エネルギーが1.85eV~2.1eVであってもよい。前記光子エネルギーが1.9eV~2.05eVであってもよい。このような場合、位相反転膜20は、短波長の露光光に対して目的とする透過率及び位相差を有することができ、さらに小さい厚さを有することができる。
ブランクマスク100は、PE値が3eVであり、PE値が5eVであるとき、Del_2値が0である点での光子エネルギーが3.8~4.64eVであってもよい。
光子エネルギーの高い入射光Lを測定対象に照射すると、入射光Lの波長が短いことにより、入射光Lは、位相反転膜20の表面または表面から深さ方向に浅い所で反射される。光子エネルギーを高く設定した入射光Lを位相反転膜20の表面に照射して形成される反射光のP波とS波との位相差を分析する場合、位相反転膜20の表面部の光学特性、特に保護層22の光学特性を確認することができる。
保護層22は、位相差調整層21上に位置し、露光光及び洗浄溶液などから位相差調整層21を保護する機能を行う。保護層22の厚さが厚いほど、保護層22が緻密な構造を有するほど、保護層22は位相差調整層21をさらに安定的に保護することができる。但し、保護層22を形成する際に、位相差調整層21の安定した保護のみを考慮して保護層22を形成する場合、保護層22の形成の影響により、位相反転膜20全体の光学特性の変動が非常に大きく発生することがある。このような場合、位相反転膜20は、当初設計された光学特性を外れる特性を有することがある。具現例は、位相反転膜20のP波及びS波の分布特性を制御することで、位相差調整層21が安定的に保護されながらも、保護層22の形成前と比較して光学特性が大きく変動しない位相反転膜20を提供することができる。
PE値が3eVであり、PE値が5eVであるとき、Del_2値が0である点での光子エネルギーの分布は、位相差調整層21のアニーリング工程時に、雰囲気ガスの組成、アニーリング温度、温度上昇速度などの要素を制御して調節できる。特に、成膜された位相差調整層21の表面にUV光を処理した後、アニーリング工程時の熱処理温度、時間などを制御してDel_2値を制御できる。
ブランクマスク100は、PE値が3eVであり、PE値が5eVであるとき、Del_2値が0である点での光子エネルギーが3.8eV~4.64eVであってもよい。前記光子エネルギーが4eV~4.62eVであってもよい。前記光子エネルギーが4.2eV~4.6eVであってもよい。前記光子エネルギーが4.3eV~4.5eVであってもよい。このような場合、保護層22が位相差調整層21を十分に保護しながらも、保護層22の形成による位相反転膜20の光学特性の変動を一定範囲内に制御することができる。
ブランクマスク100は、PE値が1.5eVであり、PE値が、前記Del_2値が0になる点での入射光の光子エネルギーのうちの最小値であるとき、Del_2の平均値が78°/eV~98°/eVであってもよい。
入射光の光子エネルギーが、1.5eV以上、Del_2値が0になる点での入射光の光子エネルギーのうち最小値以下の範囲内の値を有する場合、入射光は、相対的に長い波長値を有する。このような入射光は、位相反転膜の内部に相対的に深く透過した後、反射されるので、光子エネルギーを前記のような範囲に設定して測定したDel_2の平均値は、位相反転膜20内の位相差調整層21の光学特性などを示す。
ブランクマスク100は、PE値が1.5eVであり、PE値が、前記Del_2値が0になる点での入射光の光子エネルギーのうちの最小値であるとき、Del_2値の平均値が78~98°/eVであってもよい。前記平均値が80~95°/eVであってもよい。前記平均値が82~93°/eVであってもよい。このような場合、位相差調整層21は、位相反転膜20が比較的低い厚さを有すると共に、短波長の光に対して目的とする位相差及び透過率を有するのを助けることができる。
ブランクマスク100は、PE値が、Del_2値が0になる点での入射光の光子エネルギーのうちの最小値であり、PE値が、Del_2値が0になる点での入射光の光子エネルギーのうちの最大値であるとき、Del_2の平均値が-65~-55°/eVであってもよい。
入射光の光子エネルギーが、Del_2値が0になる点での入射光の光子エネルギーのうち最小値以上、前記Del_2値が0になる点での入射光の光子エネルギーのうち最大値以下の範囲内の値を有する場合、このような条件を適用して測定したDel_2値の平均値は、位相差調整層21と保護層22との界面付近に位置した部分の光学特性などを反映する。
ブランクマスク100は、PE値が、前記Del_2値が0になる点での入射光の光子エネルギーのうちの最小値であり、PE値が、前記Del_2値が0になる点での入射光の光子エネルギーのうちの最大値であるとき、Del_2の平均値が-65~-55°/eVであってもよい。前記平均値が-62~-56°/eVであってもよい。前記平均値が-59~-57°/eVであってもよい。このような場合、位相差調整層21と保護膜22との間に形成された界面が位相反転膜全体の光学特性に大きく影響を及ぼすことを抑制することができる。
ブランクマスク100は、PE値が、前記Del_2値が0になる点での入射光の光子エネルギーのうちの最大値であり、PE値が5.0eVであるとき、Del_2の平均値が60~120°/eVであってもよい。
PE値を、Del_2値が0になる点での入射光の光子エネルギーのうちの最大値、PE値を5.0eVに設定して測定したDel_2の平均値は、保護層22の光学特性などを反映する。
ブランクマスク100は、PE値が、前記Del_2値が0になる点での入射光の光子エネルギーのうちの最大値であり、PE値が5.0eVであるとき、Del_2値の平均値が60°/eV~120°/eVであってもよい。前記平均値が70~110°/eVであってもよい。前記平均値が80~105°/eVであってもよい。このような場合、保護層22が位相反転膜20全体の光学特性に及ぼす影響を減少させながら、位相反転膜20が安定した耐久性を有することができる。
ブランクマスク100は、保護層22を形成した後に測定した、PE値が1.5eVであり、PE値が3.0eVであるとき、Del_2値が0である点での入射光の光子エネルギー値と、保護層22を形成する前に測定した、前記Del_2値が0である点での入射光の光子エネルギー値との差値の絶対値が0.001~0.2eVであってもよい。
位相差調整層21上に保護層22を形成する過程で位相差調整層21自体の光学特性の変動が発生し得る。具体的には、制御された雰囲気圧力及び温度の条件で位相差調整層にアニーリング(annealing)を適用する場合、位相差調整層内の残留応力、位相差調整層の表面の組成に変動が発生し得る。このような変動は、位相差調整層自体の光学特性の変動をもたらすことがある。これは、位相反転膜が具現例で目的とする光学特性から外れる特性を有するようになる原因となり得る。具現例は、保護層の形成前後の位相差調整層自体の光学特性の差値を制御して、さらに高い解像度を示すことができるブランクマスクを提供できる。
ブランクマスク100は、保護層22を形成した後に測定した、PE値が1.5eVであり、PE値が3.0eVであるとき、Del_2値が0である点での入射光の光子エネルギー値と、保護層22を形成する前に測定した、前記Del_2値が0である点での入射光の光子エネルギー値との差値の絶対値が0.001~0.2eVであってもよい。前記絶対値は0.005~0.1eVであってもよい。前記絶対値は0.01~0.008eVであってもよい。このような場合、ブランクマスク100は、保護層22の形成による位相差調整層21自体の光学変動を抑制することができる。
ブランクマスク100は、保護層22を形成した後に測定した、PE値が3.0eVであり、PE値が5.0eVであるとき、Del_2値が0である点での入射光の光子エネルギー値と、保護層22を形成する前に測定した、前記Del_2値が0である点での入射光の光子エネルギー値との差値の絶対値が0.05~0.3eVであってもよい。前記絶対値は0.06~0.25eVであってもよい。前記絶対値は0.1~0.23eVであってもよい。このような場合、ブランクマスク100は、保護層22自体の光学特性が位相反転膜20全体の光学特性に及ぼす影響を減少させることができる。
ブランクマスク100は、PE値が1.5eVであり、PE値が5.0eVであるとき、Del_2の最大値が105°/eV~300°/eVであってもよい。
具現例は、ブランクマスク100のPE値が1.5eVであり、PE値が5.0eVであるときのDel_2の最大値を調節することによって、位相反転膜20が安定した耐久性を有すると共に、保護層22の形成による位相反転膜20全体の光学特性の変動を一定範囲以内に調節することができる。
ブランクマスク100は、PE値が1.5eVであり、PE値が5.0eVであるとき、Del_2の最大値が105~300°/eVであってもよい。前記最大値が120~200°/eVであってもよい。前記最大値が140~160°/eVであってもよい。このような場合、保護層22の形成による位相反転膜20全体の光学特性の変動を減少させながら、位相反転膜20が優れた耐光性及び耐薬品性などを有するようにすることができる。
ブランクマスク100は、PE値が1.5eVであり、PE値が5.0eVであるとき、前記Del_2が最大値である点での光子エネルギーが4.5eV以上であってもよい。
PE値が1.5eVであり、PE値が5.0eVであるとき、Del_2の最大値は保護層22の光学特性などを反映する。具現例は、Del_2の最大値である点での光子エネルギー値を調節することによって、保護層22が安定した耐久性を有しながらも、保護層22が位相反転膜20全体の光学特性に及ぼす影響を減少させることができる。
ブランクマスク100は、PE値が1.5eVであり、PE値が5.0eVであるとき、前記Del_2の最大値である点での光子エネルギー値は4.5eV以上であってもよい。前記Del_2の最大値である点での光子エネルギー値は4.55eV以上であってもよい。前記Del_2の最大値である点での光子エネルギー値は5eV以下であってもよい。前記Del_2の最大値である点での光子エネルギー値は4.8eV以下であってもよい。このような場合、位相反転膜20は、短波長に対して目的とする光学特性を示すと同時に、露光工程及び洗浄工程による光学特性の変動が抑制され得る。
ブランクマスク100は、PE値が1.5eVであり、PE値が5.0eVであるとき、前記Del_2の最大値から前記Del_2の最小値を引いた値は60~260°/eVであってもよい。
具現例の発明者らは、PE値が1.5eVであり、PE値が5.0eVであるとき、前記Del_2の最大値は、位相反転膜20の保護層22の光学特性などを反映し、前記Del_2の最小値は、位相差調整層21の上部の光学特性などを反映することを実験的に確認した。
保護層の形成前後に、PE値が1.5eVであり、PE値が5.0eVであるとき、前記Del_2の最大値及びDel_2の最小値は変動が発生し得る。前記Del_2の最大値から前記Del_2の最小値を引いた値が一定範囲内に制御される場合、保護層22の形成前後の位相反転膜20全体の光学特性の変動が許容範囲内で発生し得る。
ブランクマスクは、PE値が1.5eVであり、PE値が5.0eVであるとき、前記Del_2の最大値から前記Del_2の最小値を引いた値は60~260°/eVであってもよい。前記Del_2の最大値から前記Del_2の最小値を引いた値は80~240°/eVであってもよい。前記Del_2の最大値から前記Del_2の最小値を引いた値は90~230°/eVであってもよい。このような場合、保護層の形成前後の位相反転膜全体の光学特性の変動は一定範囲内に制御され得る。
位相反転膜の組成
位相反転膜20は、遷移金属、珪素、酸素及び窒素を含むことができる。遷移金属は、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、ジルコニウム(Zr)などから選択される1種以上の元素であってもよいが、これに限定されない。例示的に、前記遷移金属はモリブデンであってもよい。
位相反転膜20は、遷移金属を1~10原子%含むことができる。位相反転膜20は、遷移金属を2~7原子%含むことができる。位相反転膜20は、珪素を15~60原子%含むことができる。位相反転膜20は、珪素を25~50原子%含むことができる。位相反転膜20は、窒素を30~60原子%含むことができる。位相反転膜20は、窒素を35~55原子%含むことができる。位相反転膜20は、酸素を5~35原子%含むことができる。位相反転膜20は、酸素を10~25原子%含むことができる。このような場合、位相反転膜20は、短波長の露光光、具体的に200nm以下の波長を有する光を用いたリソグラフィー工程に適した光学特性を有することができる。
位相反転膜20は、前記言及された元素以外に他の元素をさらに含むことができる。例示的に、位相反転膜20はアルゴン(Ar)、ヘリウム(He)などを含むことができる。
位相反転膜20は、厚さ方向に元素別の含量が異なり得る。
位相差調整層21及び保護層22の深さ方向に形成された元素別の含量分布は、位相反転膜20のデプスプロファイル(depth profile)を測定して確認できる。位相反転膜20のデプスプロファイルは、例示的に、サーモサイエンティフィック(Thermo Scientific)社のK-alphaモデルを用いて測定できる。
位相差調整層21及び保護層22は、遷移金属、珪素、酸素及び窒素などの元素別の含量が互いに異なり得る。
位相差調整層21は、遷移金属を3~10原子%含むことができる。位相差調整層21は、遷移金属を4~8原子%含むことができる。位相差調整層21は、珪素を20~50原子%含むことができる。位相差調整層21は、珪素を30~40原子%含むことができる。位相差調整層21は、酸素を2~10原子%含むことができる。位相差調整層21は、酸素を3~8原子%含むことができる。位相差調整層21は、窒素を40~60原子%含むことができる。位相差調整層21は、窒素を45~55原子%含むことができる。このような場合、露光光として、短波長の露光光、具体的に波長200nm以下の光を適用する場合、ブランクマスクは、優れたパターン解像度を有することができる。
保護層22は、酸素を多く含むほど、露光光及び洗浄溶液などから位相差調整層21を安定的に保護することができる。但し、このような保護層22は、保護層22の形成前後に発生する位相反転膜20全体の光学特性の変動にさらに大きな影響を及ぼし得る。したがって、保護層22内の酸素及び窒素の含量分布を制御することによって、位相反転膜20が十分な耐光性及び耐薬品性を有すると共に、具現例で目的とする光学特性を有するようにすることができる。
保護層22は、窒素を20~40原子%含むことができる。保護層22は、窒素を25~35原子%含むことができる。保護層22は、酸素を10~50原子%含むことができる。保護層22は、酸素を20~40原子%含むことができる。保護層22は、珪素を10~50原子%含むことができる。保護層22は、珪素を20~40原子%含むことができる。保護層22は、遷移金属を0.5~5原子%含むことができる。保護層22は、遷移金属を1~3原子%含むことができる。このような場合、保護層22は位相差調整層21の変質を十分に抑制することができる。
保護層22は、厚さ方向に酸素含量(原子%)に対する窒素含量(原子%)が1以上である領域を含むことができる。前記領域は、保護層22全体の厚さに対して40~60%の厚さを有することができる。前記領域は、保護層22全体の厚さに対して45~55%の厚さを有することができる。このような場合、保護層22の形成による位相反転膜20の光学特性の変動を効果的に抑制することができる。
保護層22は、厚さ方向に酸素含量(原子%)に対する窒素含量(原子%)の比率が0.4~2である領域を含むことができ、前記領域は、保護層22全体の厚さに対して30~80%の厚さを有することができる。前記領域は、保護層22全体の厚さに対して40~60%の厚さを有することができる。このような場合、十分な長期耐久性を有しながらも、解像度に優れたフォトマスクを製造できるブランクマスクを提供することができる。
前記厚さ方向に酸素含量(原子%)に対する窒素含量(原子%)の比率が調節された領域の厚さの測定は、デプスプロファイルを測定して確認できる。但し、前記領域の厚さの測定時に、デプスプロファイルにおいて保護層22の深さ別のエッチング速度は一定であると仮定する。
位相反転膜の光学特性及び層別の厚さ
位相反転膜20は、波長200nm以下の光に対する位相差が160~200°であってもよい。位相反転膜20は、ArF光に対する位相差が160~200°であってもよい。位相反転膜20は、波長200nm以下の光に対する位相差が170~190°であってもよい。位相反転膜20は、ArF光に対する位相差が170~190°であってもよい。位相反転膜20は、波長200nm以下の光に対する透過率が3~10%であってもよい。位相反転膜20は、ArF光に対する透過率が3~10%であってもよい。位相反転膜20は、波長200nm以下の光に対する透過率が4~8%であってもよい。位相反転膜20は、ArF光に対する透過率が4~8%であってもよい。このような場合、前記位相反転膜20を含むフォトマスクは、短波長の露光光が適用された露光工程でウエハ上にさらに精巧な微細パターンを形成することができる。
保護層22の波長200nm以下の光に対する屈折率が1.3~2であってもよい。保護層22のArF光に対する屈折率が1.3~2であってもよい。保護層22の波長200nm以下の光に対する屈折率が1.4~1.8であってもよい。保護層22のArF光に対する屈折率が1.4~1.8であってもよい。保護層22の波長200nm以下の光に対する消衰係数が0.2~0.4であってもよい。保護層22のArF光に対する消衰係数が0.2~0.4であってもよい。保護層22の波長200nm以下の光に対する消衰係数が0.25~0.35であってもよい。保護層22のArF光に対する消衰係数が0.25~0.35であってもよい。このような場合、保護層22の形成による位相反転膜20の光学特性の変動を最小化することができる。
位相差調整層21は、波長200nm以下の光に対する屈折率が2~4であってもよい。位相差調整層21は、ArF光に対する屈折率が2~4であってもよい。位相差調整層21の波長200nm以下の光に対する屈折率は2.5~3.5であってもよい。位相差調整層21のArF光に対する屈折率は2.5~3.5であってもよい。位相差調整層21の波長200nm以下の光に対する消衰係数は0.3~0.7であってもよい。位相差調整層21のArF光に対する消衰係数は0.3~0.7であってもよい。位相差調整層21の波長200nm以下の光に対する消衰係数は0.4~0.6であってもよい。位相差調整層21のArF光に対する消衰係数は0.4~0.6であってもよい。このような場合、前記位相反転膜20を含むフォトマスクの解像度はさらに向上することができる。
位相反転膜20、保護層22及び位相差調整層21の光学特性は、分光エリプソメータを通じて測定することができる。例示的に、前記光学特性は、ナノ-ビュー(NANO-VIEW)社のMG-PRO装備を通じて測定することができる。
位相反転膜20全体の厚さに対する保護層22の厚さの比率は0.04~0.09であってもよい。前記厚さの比率は0.05~0.08であってもよい。このような場合、保護層22は、位相差調整層21を安定的に保護することができる。
保護層22の厚さは25Å以上80Å以下であってもよい。保護層22の厚さは35Å以上45Å以下であってもよい。このような場合、位相反転膜全体に及ぼす光学的特性の変化の程度を効果的に減少させながら、長期間の露光工程及び洗浄工程でも安定した光学特性を示す位相反転膜20を提供することができる。
位相反転膜20及び位相反転膜20を構成する各層の厚さは、位相反転膜20の断面のTEM(Transmission Electron Microscopy)イメージを通じて測定することができる。
遮光膜の層構造、組成及び光学特性
遮光膜30は位相反転膜20上に配置することができる。遮光膜30は、位相反転膜20を予め設計されたパターン形状の通りにエッチングする際に、位相反転膜20のエッチングマスクとして用いることができる。また、遮光膜30は、透明基板10の背面側から入射される露光光の透過を遮断することができる。
遮光膜30は単層構造であってもよい。遮光膜30は2層以上の複数層の構造であってもよい。遮光膜30のスパッタリング工程において、遮光膜内の層別に雰囲気ガスの組成及び流量を異なって適用して複数層の遮光膜30を形成することができる。遮光膜30のスパッタリング工程において、遮光膜内の層別にスパッタリングターゲットを異なって適用して複数層の遮光膜30を形成することができる。
遮光膜30は、クロム、酸素、窒素及び炭素を含むことができる。遮光膜30内の元素別の含量は、遮光膜30の厚さ方向に異なり得る。複数層の遮光膜の場合、遮光膜30内の各層は、組成が互いに異なり得る。
遮光膜30は、クロムを30~70原子%含むことができる。遮光膜30は、クロムを47~57原子%含むことができる。遮光膜30は、炭素を5~30原子%含むことができる。遮光膜30は、炭素を7~25原子%含むことができる。遮光膜30は、窒素を3~30原子%含むことができる。遮光膜30は、窒素を5~25原子%含むことができる。遮光膜30は、酸素を20~55原子%含むことができる。遮光膜30は、酸素を25~40原子%含むことができる。このような場合、遮光膜30は十分な消光特性を有することができる。
多重膜(図示せず)は、位相反転膜20と遮光膜30を含む。前記多重膜は、透明基板10上にブラインドパターンを形成して露光光が透過することを抑制することができる。
多重膜の波長200nm以下の光に対する光学濃度は3以上であってもよい。多重膜のArF光に対する光学濃度は3以上であってもよい。多重膜の波長200nm以下の光に対する光学濃度は3.5以上であってもよい。多重膜のArF光に対する光学濃度は3.5以上であってもよい。このような場合、多重膜は、優れた光遮断特性を有することができる。
位相反転膜の製造方法
具現例の位相反転膜20における位相差調整層21は、透明基板10上にスパッタリングを通じて製造することができる。
スパッタリング工程は、DC電源を用いてもよく、またはRF電源を用いてもよい。
位相反転膜を構成する物質の組成を考慮して、ターゲット及びスパッタガスを選択することができる。
スパッタリングターゲットの場合、遷移金属と珪素を共に含有する一つのターゲットを適用してもよく、または遷移金属を含有したターゲットと珪素を含有したターゲットをそれぞれ適用してもよい。スパッタリングターゲットとして一つのターゲットを適用する場合、前記ターゲットの遷移金属と珪素の含量の合計に対する遷移金属の含量は30%以下であってもよい。前記含量は20%以下であってもよい。前記含量は10%以下であってもよい。前記含量は2%以上であってもよい。このようなターゲットを適用してスパッタリングする場合、成膜される位相反転膜が目的とする光学特性を有するのを助けることができる。
スパッタガスの場合、炭素を含有するガスとしてCH、酸素を含有するガスとしてO、窒素を含有するガスとしてNなどが導入されてもよい。但し、これに限定されない。スパッタガスに不活性ガスが添加されてもよい。不活性ガスとしては、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)などがある。但し、これに限定されない。不活性ガスの種類及び含量に応じて、成膜される薄膜の膜質が調節され得る。不活性ガスの組成を制御して、位相反転膜の光学特性を調節できる。スパッタリングガスは、ガス別にそれぞれチャンバ内に導入してもよい。スパッタリングガスは、各ガスを混合してチャンバ内に導入してもよい。
成膜する位相反転膜の面内方向への厚さ及び光学特性の均一度の向上のために、チャンバにマグネットを配置することができる。具体的には、マグネットをスパッタリングターゲットの背面(back side)に位置させ、マグネットを具現例で予め設定した速度で回転させることによって、ターゲットの前面にプラズマがさらに均一に分布するようにすることができる。マグネットは、50~200rpmの速度で回転させることができる。
マグネットの回転速度は、スパッタリング時に一定の速度に固定されてもよい。マグネットの回転速度は、スパッタリング時に可変されてもよい。マグネットの回転速度は、スパッタリング時に、最初の回転速度から一定の速度で増加してもよい。
マグネットの回転速度は、スパッタリング時に初期回転速度から5~20rpm上昇してもよい。マグネットの回転速度は、スパッタリング時に初期回転速度から7~15rpm上昇してもよい。このような場合、位相反転膜の面内方向への位相反転膜の密度の分布をさらに容易に制御することができる。
マグネットの磁場を制御して、スパッタリングチャンバ内に形成されるプラズマの密度を調節できる。これを通じて、成膜される位相反転膜の密度を制御することができ、ブランクマスクのTFT1値及び成膜される位相反転膜の光学特性を制御することができる。位相反転膜の成膜時に適用されるマグネットの磁場は25~60mTであってもよい。前記磁場は30~50mTであってもよい。このような場合、成膜される位相反転膜20は、短波長の露光光が適用されたリソグラフィー工程で厚さ方向への熱的変動が抑制され得、さらに薄膜化された位相反転膜を形成できる。
スパッタリング工程において、ターゲットと基板との間の距離であるT/S距離、及び基板とターゲットとの間の角度を調節することができる。T/S距離は240~260mmであってもよい。基板とターゲットとの間の角度は20~30°であってもよい。このような場合、位相反転膜の成膜速度が安定的に調節され、位相反転膜の内部応力が過度に上昇することを抑制することができる。
スパッタリング工程において、成膜対象の表面を有する基板の回転速度を調節することができる。基板の回転速度は2~20rpmであってもよい。前記回転速度は5~15rpmであってもよい。成膜対象の表面を有する基板の回転速度をこのような範囲内に調節する場合、位相反転膜は、面内方向への光学特性の均一度がさらに向上することで、安定した耐久性を有することができる。
スパッタリングチャンバ内に位置したターゲットに電力を供給して、チャンバ内にプラズマ雰囲気を含む放電領域を形成できる。磁場の強度及びマグネットの回転速度を制御すると同時に、前記電力の強度を調節することによって、スパッタリング時に成膜される膜の膜質を調節できる。スパッタリングターゲットに加える電力の強度は1~3kWであってもよい。前記電力の強度は1.5~2.5kWであってもよい。前記電力の強度は1.8~2.2kWであってもよい。このような場合、位相反転膜は、温度の変化による厚さ方向への熱的変動が一定範囲内に調節され得る。
スパッタリング装備に分光エリプソメータを設置することができる。これを通じて、成膜される位相差調整層の光学特性をモニタしながら、成膜時間を制御することができる。具体的には、入射光が成膜される位相差調整層の表面となす角度を設定した後、蒸着過程の間、リアルタイムで成膜される位相差調整層のDel_2値などをモニタすることができる。前記Del_2値が具現例で予め設定した範囲内に属するまでスパッタリング工程を行うことによって、位相反転膜が目的とする光学特性を有するように助けることができる。
スパッタリング工程を終えた後、位相差調整層の表面にUV光を照射することができる。スパッタリング工程において、透明基板10を構成するSiOマトリックスのSiは遷移金属で置換され、OはNで置換され得る。スパッタリング工程を継続して行う場合、固溶限界(Solubility Limit)を外れるようになり、遷移金属がSiOマトリックス中のSiと置換されるものではなく、侵入型位置(Interstitial site)に配置され得る。このような場合、遷移金属は、成膜される薄膜の表面においてSi、O、Nなどの元素と共に混合物を形成し得る。前記混合物は均一(homogeneous)状態であるか、または不均一(inhomogeneous)状態であり得る。位相差調整層の表面に不均一状態の混合物が形成された場合、露光工程で短波長の露光光によって位相差調整層の表面にヘイズ欠陥が形成されることがある。このようなヘイズの除去のために、洗浄溶液として硫酸を用いて位相反転膜を洗浄する場合、洗浄後にも硫黄イオンが位相差調整層の表面に残留することがある。前記硫黄イオンは、ウエハの露光工程で露光光によって強いエネルギーを持続的に受けるようになり、高エネルギーを有する硫黄イオンは、不均一状態の混合物と反応して位相差調整層の表面に成長性欠陥を発生させることがある。具現例は、位相差調整層の表面に制御された波長を有するUV光を照射して、位相差調整層の表面の混合物中の遷移金属及びNの含量を面内方向に均一化させることで、位相差調整層の耐光性及び耐薬品性をさらに向上させることができる。
2~10mW/cmのパワーを有する光源を用いて、波長200nm以下の光を5~20分間位相差調整層の表面に照射して、位相差調整層を表面処理することができる。
UV光の照射工程と共に又は別途に、位相差調整層21を熱処理することができる。UV光の照射工程と熱処理は、UV照射による発熱を活用して適用されてもよく、または別々の工程で行われてもよい。
スパッタリング工程を通じて形成された位相差調整層21は内部応力を有し得る。内部応力は、スパッタリングの条件に応じて圧縮応力であるか、または引張応力である。位相差調整層の内部応力は基板の反りをもたらし得、結果的に、前記位相差調整層が適用されたフォトマスクの解像度の低下を誘発することがある。具現例は、位相差調整層に熱処理を適用することで、基板の反りを低減することができる。
保護層は、位相差調整層の成膜後、熱処理工程を通じて形成されてもよい。熱処理工程時にチャンバ内に雰囲気ガスを導入して、位相差調整層21の表面に保護層を形成できる。熱処理工程において位相差調整層の表面が雰囲気ガスと反応することによって保護層が形成され得る。但し、保護層の製造方法は、これに限定されない。
熱処理工程は、昇温ステップ、温度維持ステップ、降温ステップ及び保護層形成ステップを含むことができる。熱処理工程は、表面に位相差調整層が成膜されたブランクマスクをチャンバ内に配置した後、ランプを通じて加熱する方法で行われてもよい。
昇温ステップにおいて、熱処理チャンバ内の雰囲気温度を、設定温度である150~500℃に上昇させることができる。
温度維持ステップにおいて、チャンバ内の雰囲気温度を前記設定温度に維持し、チャンバ内の圧力を0.1~2.0Paに調節することができる。温度維持ステップは5分~60分間行うことができる。
降温ステップは、チャンバ内の温度を設定温度から室温に降下させることができる。
保護層形成ステップは、降温ステップを終えた後、チャンバ内に反応性ガスを含む雰囲気ガスを導入して位相反転膜の表面に保護層を形成させるステップである。前記反応性ガスはOを含むことができる。保護層形成ステップでチャンバ内に導入される気体は、N、Ar及びHeのうちの少なくともいずれか1つを含むことができる。具体的には、保護層形成ステップにおいて、O気体をチャンバ内に0.3~2.5SLM(Standard Liter per Minute)で導入することができる。前記O気体をチャンバ内に0.5~2SLMで導入することができる。保護層形成ステップは10分~60分間行うことができる。保護層形成ステップは12分~45分間行うことができる。このような場合、保護層の厚さ方向への元素別の含量が調節されることで、保護層の形成による位相反転膜全体の光学特性の変動を抑制することができる。
遮光膜の製造方法
具現例の遮光膜は、位相反転膜に接して成膜されてもよく、または位相反転膜上に位置した他の薄膜に接して成膜されてもよい。
遮光膜は、下層、及び前記下層上に位置する上層を含むことができる。
スパッタリング工程は、DC電源を用いてもよく、またはRF電源を用いてもよい。
遮光膜のスパッタリング時に、成膜する遮光膜の組成を考慮してスパッタリングターゲット及びスパッタガスを選択できる。遮光膜が2以上の層を含む場合、遮光膜に含まれる各層に適用されるスパッタガスの組成を互いに異なって適用できる。遮光膜が2以上の層を含む場合、遮光膜に含まれる各層に適用されるスパッタリングターゲット及びスパッタガスの組成を互いに異なって適用できる。
スパッタリングターゲットは、クロムを含有する1つのターゲットを適用してもよく、または2つ以上のターゲットを同時に適用してもよい。クロムを含有するターゲットは、クロムを90原子%以上含むことができる。クロムを含有するターゲットは、クロムを95原子%以上含むことができる。クロムを含有するターゲットは、クロムを99原子%以上含むことができる。
スパッタガスの場合、遮光膜の各層を構成する元素の組成、遮光膜の密度、光学特性などを考慮してスパッタガスの組成を調節できる。
スパッタガスは、反応性ガス及び不活性ガスを含むことができる。スパッタガス中の反応性ガス及び不活性ガスの含量を調節することによって、成膜される遮光膜の光学特性及び密度などを制御することができる。反応性気体は、CO、O、N及びNOなどを含むことができる。反応性気体は、前記記載した気体以外に他の気体をさらに含むことができる。不活性気体は、Ar、He及びNeなどを含むことができる。不活性気体は、前記記載した気体以外に他の気体をさらに含むことができる。
遮光膜の下層の成膜時に、Ar、N、He及びCOを含むスパッタガスをチャンバ内に注入することができる。具体的には、前記スパッタガスの全体流量に対するCO及びNの流量の合計が40%以上であるスパッタガスをチャンバ内に注入することができる。このような場合、遮光膜の下層は、目的とする光学特性を有することができ、遮光膜が目的とするTFT2値を有するのに寄与することができる。
遮光膜の上層の成膜時に、Ar及びNを含むスパッタガスをチャンバ内に注入することができる。具体的には、前記スパッタガスの全体流量に対するNの流量が30%以上であるスパッタガスをチャンバ内に注入することができる。このような場合、遮光膜の温度変化による厚さ方向への数値の変動を制御するのに寄与することができる。
スパッタガスに含まれる各ガスは、スパッタチャンバ内に混合して注入されてもよい。スパッタガスに含まれる各気体は、スパッタチャンバ内に互いに異なる投入口を介してそれぞれ個別に注入されてもよい。
成膜される遮光膜の密度及び面内光学特性の均一度の制御のために、チャンバにマグネットを配置することができる。マグネットを設置する方法は、位相反転膜の場合と重複するので省略する。マグネットの回転速度は50~200rpmとして適用することができる。
スパッタリング工程において、ターゲットと基板との間の距離であるT/S距離、及び基板とターゲットとの間の角度を同時に調節できる。遮光膜の各層別の成膜時に、T/S距離は240~300mmであってもよい。基板とターゲットとの間の角度は20~30°であってもよい。このような場合、成膜速度が安定的に調節され、成膜される薄膜の内部応力が過度に上昇することを抑制できる。
スパッタリング工程において、成膜対象の表面を有する基板の回転速度を調節できる。遮光膜内の各層別の成膜時に、成膜対象の表面を有する基板の回転速度は2~50rpmであってもよい。前記基板の回転速度は10~40rpmであってもよい。このような場合、成膜された遮光膜の各層は、面内方向への光学特性及びTFT2値の均一度をさらに向上させることができる。
遮光膜30の成膜時にスパッタリングターゲットに加える電力の強度を調節できる。スパッタリングチャンバ内に位置したターゲットに電力を供給することによって、チャンバ内にプラズマ雰囲気を含む放電領域を形成できる。磁場の強度、マグネットの回転速度を制御すると同時に、前記スパッタリング電力の強度を調節することによって、成膜される遮光膜の密度を調節できる。
遮光膜の下層の成膜時にスパッタリングターゲットに加える電力の強度は0.5~2kWであってもよい。前記電力の強度は1.0~1.8kWであってもよい。前記電力の強度は1.2~1.5kWであってもよい。遮光膜の上層の成膜時にスパッタリングターゲットに加える電力の強度は1~3kWであってもよい。前記電力の強度は1.3~2.5kWであってもよい。前記電力の強度は1.5~2.0kWであってもよい。このような場合、温度変化によって遮光膜の厚さ方向への数値が過度に変動することを抑制することができる。
スパッタリング装備に分光エリプソメータを設置することができる。これを通じて、成膜される遮光膜30の光学的特性をモニタしながら成膜時間を制御することができる。スパッタリング装備に分光エリプソメータを設置し、遮光膜の光学特性を測定する方法は、前述した内容と重複するので省略する。
遮光膜30の下層の成膜時に、分光エリプソメータで測定した反射光のP波とS波との位相差が140°である点での光子エネルギーが1.6~2.2eVになるまでスパッタリングを行うことができる。遮光膜30の下層の成膜時に、分光エリプソメータで測定した反射光のP波とS波との位相差が140°である点での光子エネルギーが1.8~2.0eVになるまでスパッタリングを行うことができる。
遮光膜30の上層の成膜時に、分光エリプソメータで測定した反射光のP波とS波との位相差が140°である点での光子エネルギーが1.7~3.2eVになるまでスパッタリングを行うことができる。遮光膜30の上層の成膜時に、分光エリプソメータで測定した反射光のP波とS波との位相差が140°である点での光子エネルギーが2.5~3.0eVになるまでスパッタリングを行うことができる。
このような場合、成膜された遮光膜は、露光光を効果的に遮断するのを助けることができる。
フォトマスク
具現例の他の実施例に係るフォトマスク(図示せず)は、透明基板と、前記透明基板上に配置される位相反転パターン膜と、前記位相反転パターン膜上に配置される遮光パターン膜とを含む。
前記フォトマスクは、下記の式4で表されるTFT3値が0.25μm/100℃以下である。
[式4]
Figure 2022105275000014
ここで、前記フォトマスクの前記透明基板の厚さを0.6mmに加工し、前記遮光パターン膜を除去して形成された、加工されたフォトマスクの熱的変動が熱機械的分析装置で分析されるとき、前記熱機械的分析装置の測定温度が前記T1から前記T2に上昇し、前記△pPMは、前記T1での前記位相反転パターン膜の上面を基準として、前記T2での前記厚さ方向への前記位相反転パターン膜の上面の位置の変化である。
具現例の他の実施例に係るフォトマスク(図示せず)は、透明基板と、前記透明基板上に配置される位相反転パターン膜と、前記位相反転パターン膜上に配置される遮光パターン膜とを含む。
前記フォトマスクは、PE値が3.0eVであり、PE値が5.0eVであるとき、下記の式5で表されるDel_1が0である点での入射光の光子エネルギーが4.0~5.0eVである。
[式5]
Figure 2022105275000015
前記式5において、
前記pDPS値は、前記フォトマスクから前記遮光パターン膜を除去した後、入射角を64.5°として適用して前記位相反転パターン膜の表面を分光エリプソメータで測定する際に、反射光のP波とS波との位相差が180°以下であれば、前記P波とS波との位相差であり、反射光のP波とS波との位相差が180°を超えれば、360°から前記P波とS波との位相差を引いた値であり、前記PE値は、前記PE値~前記PE値の範囲内での入射光の光子エネルギーである。
前記フォトマスクは、前述したブランクマスクで製造され得る。具体的には、ブランクマスクの位相反転膜及び遮光膜をパターニングしてフォトマスクを製造することができる。
前記位相反転パターン膜及び前記遮光パターン膜に対する熱的変動特性、光学特性などについての説明は、前述した位相反転膜及び遮光膜の熱的変動特性及び光学特性についての説明と重複するので省略する。
以下、具体的な実施例についてより詳細に説明する。
製造例:位相反転膜及び遮光膜の成膜
実施例1:DCスパッタリング装備のチャンバ内に、横6インチ、縦6インチ、厚さ0.25インチの石英素材の透明基板を配置した。モリブデンと珪素が1:9の原子比で含まれたターゲットを、T/S距離が255mm、基板とターゲットとの間の角度が25°を形成するように、チャンバ内に配置した。ターゲットの背面には、40mTの磁場を有するマグネットを位置させた。
以降、Ar:N:He=9:52:39の比率で混合されたスパッタガスをチャンバ内に導入し、スパッタリング電圧を2kWとし、マグネットを回転させながら、スパッタリング工程を行った。このとき、前記マグネットの回転速度は、最初の100rpmから1分当たり10rpmずつ最大150rpmまで上昇した。薄膜が形成される領域は、透明基板の表面の横132mm、縦132mmの面積で設定した領域内に限定した。スパッタリング工程は、前記式3によるDel_2値が0である点での光子エネルギーが2.0eVになるまで行った。
スパッタリングを終えたブランクマスクの位相反転膜の表面を、172nmの波長のエキシマ(Excimer)UV光に曝露させた。このとき、前記UV光の出力は、1分当たり3mW/cmずつ最大7mW/cmに上昇し、7mW/cmのパワーで5分間維持された。
以降、前記ブランクマスクを熱処理工程用チャンバ内に導入した後、1Paでアニーリングし、その後、自然冷却させた。前記アニーリング工程での温度は、常温で1分当たり50℃ずつ最大400℃まで上昇し、最大温度で約30分間維持された。自然冷却を終えた後、熱処理工程用チャンバ内にO気体を1SLMの速度で30分間導入した。このとき、Oの供給温度は約300℃であった。
前記成膜された位相反転膜の表面上に遮光膜のスパッタリング工程を行った。具体的には、スパッタリングチャンバ内に、T/S距離が255mmであり、基板とターゲットとの間の角度が25°をなすように、クロムターゲット及び位相反転膜が成膜された透明基板を配置した。ターゲットの背面には、40mTの磁場を有するマグネットを位置させた。
チャンバ内に、流量比がAr:N:He:CO=19:11:34:37であるスパッタガスを注入した。以降、スパッタリング電圧を1.35kWとして適用し、マグネットを回転させながら、分光エリプソメータで測定したP波とS波との位相差が140°である点での光子エネルギーが1.8~2.0eVになるまでスパッタリングを行って遮光膜の下層を成膜した。このとき、前記マグネットの回転速度は、最初の100rpmから1分当たり10rpmずつ最大150rpmまで上昇した。
遮光膜の下層の成膜後、チャンバ内に、流量比がAr:N=57:43であるスパッタガスを注入した。以降、スパッタリング電圧を1.85kWとして適用し、マグネットを回転させながら、分光エリプソメータで測定したP波とS波との位相差が140°である点での光子エネルギーが2.75~2.95eVになるまでスパッタリングを行って遮光膜の上層を成膜した。
前記のような成膜条件を適用して計2個のサンプルを製造した。
実施例2:実施例1と同じ条件で製造するが、位相反転膜及び遮光膜の成膜時に、マグネットの磁力を45mTとして適用し、位相反転膜の成膜時間として、前記式3によるDel_2値が0である点での光子エネルギーが1.89eVになるまでの時間を適用した。
実施例3:実施例1と同じ条件で製造するが、位相反転膜の成膜時にスパッタリングガスの組成をAr:N:He=8:58:34の比率に変更した。
実施例4:実施例1と同じ条件で製造するが、位相反転膜及び遮光膜の成膜時に、マグネットの磁力を42mT、マグネットの回転速度を150rpmとして適用し、遮光膜の下層の成膜を、分光エリプソメータで測定したP波とS波との位相差が140°である点での光子エネルギーが1.9eVになるまでの時間の間行った。また、遮光膜の上層の成膜時に、スパッタリングの電力を2.75kWとして適用し、分光エリプソメータで測定したP波とS波との位相差が140°である点での光子エネルギーが1.9eVになるまでの時間の間スパッタリングを行った。
実施例5:実施例4と同じ条件で製造するが、マグネットの磁力を48mTとして適用し、位相反転膜の成膜を、Del_2値が0である点での光子エネルギーが1.89eVになるまで行った。
実施例6:実施例4と同じ条件で製造するが、位相反転膜の成膜時に、スパッタリングガスに含まれたガスの比率をAr:N:He=8:58:34に変更した。また、位相反転膜及び遮光膜の成膜時に、マグネットの磁力として37mTを適用した。
比較例1:実施例1と同じ条件で製造するが、位相反転膜及び遮光膜の成膜時に、マグネットの磁力を60mTとして適用し、マグネットの回転速度を100rpmとして適用し、位相反転膜にUV光の照射及び熱処理を適用しなかった。
比較例2:比較例1と同じ条件で製造するが、マグネットの磁力を20mTとして適用した。
比較例3:実施例4と同じ条件で製造するが、位相反転膜及び遮光膜の成膜時に、マグネットの磁力を63mTとして適用し、マグネットの回転速度を100rpmとして適用し、位相反転膜にUV光の照射及び熱処理を適用しなかった。
比較例4:比較例3と同じ条件で製造するが、位相反転膜の成膜時に、スパッタリングガスに含まれたガスの比率をAr:N:He=8:58:34に変更した。また、位相反転膜及び遮光膜の成膜時に、マグネットの磁力として23mTを適用した。
評価例:熱的変動の測定
実施例1~3及び比較例1、2のブランクマスクを1cm×1cmのサイズに切断し、前記切断したブランクマスクにおいて、透明基板における前記位相反転膜が形成された面に対向する側の部分をエッチングした。エッチングした後の透明基板の厚さが0.6mmであった。
透明基板のエッチングを終えた後、熱機械的分析装置を通じて、実施例及び比較例のTFT2値を測定した。具体的には、TAインスツルメント社のQ400モデルの熱機械的分析装置内に各実施例及び比較例のサンプルを配置した後、チップを測定対象サンプル内に配置した。以降、チップの荷重0.05N、昇温温度10℃/min、測定温度の範囲30~200℃に設定して測定した。
TFT2値を測定した実施例及び比較例別に試片の遮光膜を除去した。具体的には、塩素系ガスをエッチャントとして遮光膜をエッチングして除去した。以降、熱機械的分析装置を通じて実施例及び比較例のTFT1値を測定した。測定条件は、TFT2値を測定するときに適用した条件と同一に適用した。
実施例1の温度による位相反転膜の厚さ方向への熱的変動グラフは図4に、実施例2の温度による位相反転膜の厚さ方向への熱的変動グラフは図5に示した。また、TFT1及びTFT2の算出結果は、下記の表1に示した。
評価例:エリプソメータで測定した位相反転膜の光学特性の評価
実施例及び比較例の試片の遮光膜をエッチングして除去した。分光エリプソメータ(Lasertec社製のMPM193)を用いて、実施例及び比較例別にDel_2値の分布、位相差及び透過率を測定した。位相差及び透過率の測定時に、露光光の波長は193nmを適用した。実施例及び比較例別の測定結果は、下記の表2及び表3に示した。また、実施例4~6及び比較例3、4で測定されたDPS値及びDel_2値の分布を示すグラフは、図6乃至図9に示した。
評価例:コントラスト及びCD値の測定
実施例及び比較例別の試片の位相反転膜の表面にフォトレジスト膜を成膜した後、前記フォトレジスト膜の表面にNuflare社のEBM9000モデルを用いて密集した四角形パターンを露光した。四角形パターンのターゲットCD値は400nm(4X)に設定した。各試片のフォトレジスト膜にパターンを形成した後、Applied material社のTetra Xモデルを用いて、遮光膜及び位相反転膜を現像されたパターン形状に沿ってエッチングした。以降、フォトレジストパターンを除去した。
位相反転膜パターンを含む実施例及び比較例別の試片に対して、カールツァイス(Carl Zeiss)社のAIMS 32モデルを用いて、露光工程を通じて現像されたパターンのコントラスト及び正規化されたCD値を測定及び算出した。測定及び算出時の開口数(NA)は1.35、照明系はcrosspole 30X、outer sigma 0.8、in/out sigma ratio 85%に設定した。測定したデータは下記の表3に示した。
評価例:保護層の厚さ方向への元素別の組成の測定及び評価
実施例4~6及び比較例3、4の試片に対して、保護層の厚さ方向への元素別の含量を測定した。具体的には、サーモサイエンティフィック(Thermo Scientific)社のK-alphaモデルを用いて、分析器のタイプ/チャンネルを180°二重フォーカシング半球分析器/120チャンネル、X線光源をAl Ka micro-focused、パワーを1keV、Working pressureを1E-7mbar、ガスをArとして適用し、保護層の厚さ方向への元素別の含量を測定した。
測定の結果、保護層が厚さ方向に酸素含量に対する窒素含量の比率が0.4~2である領域を含み、前記領域が、保護層全体の厚さに対して30~80%の厚さを有する場合に○、前記領域が、保護層全体の厚さに対して30%未満または80%を超える厚さを有する場合に×と評価した。測定結果は下記の表3に示した。
Figure 2022105275000016
Figure 2022105275000017
*S*は、Del_2値が0になる点での入射光の光子エネルギーのうちの最小値を意味する。
*B*は、Del_2値が0になる点での入射光の光子エネルギーのうちの最大値を意味する。
Figure 2022105275000018
前記表1において、実施例1~3の各測定条件別のTFT1及びTFT2値は全て0.25μm/100℃以下の値を示したが、比較例1及び2の各測定条件別のTFT1及びTFT2値は全て0.25μm/100℃を超える値を示した。
前記表3において、実施例1~3の透過率は5.4~6.9%の範囲内に属し、位相差は170~190°の範囲内に属するが、比較例1及び3は、透過率が4%未満、位相差が200°以上と測定され、比較例2及び4は、透過率が7%以上、位相差が170°未満と測定された。これを通じて、Del_2値の分布が調節された位相反転膜は、短波長の露光光に対して目的とする透過率(6%)及び位相差(180°)に近接する光学特性を示すことを確認できる。
実施例1~6は、正規化されたコントラストが0.95以上を示し、正規化されたCD値が1.05未満を示す反面、比較例1~4は、正規化されたコントラストが0.93未満を示し、正規化されたCD値が1.05以上を示した。
保護層の厚さ方向への元素別の組成の評価において、実施例4~6は○と評価された反面、比較例3及び4は×と評価された。
以上、好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲は、これに限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲で定義している具現例の基本概念を利用した当業者の様々な変形及び改良形態もまた本発明の権利範囲に属する。
100 ブランクマスク
10 透明基板
20 位相反転膜
21 位相差調整層
22 保護層
30 遮光膜
θ 入射角
N 法線
入射光
反射光
P 入射光のP波成分
S 入射光のS波成分
P` 反射光のP波成分
S` 反射光のS波成分
△ 反射光のP波とS波との位相差

Claims (15)

  1. 透明基板と、
    前記透明基板上に配置される位相反転膜と、
    前記位相反転膜上に配置される遮光膜とを含み、
    下記の式1で表されるTFT1値が0.25μm/100℃以下である、ブランクマスク。
    [式1]
    Figure 2022105275000019
    ここで、前記ブランクマスクの前記透明基板の厚さを0.6mmに加工し、前記遮光膜を除去して形成された、加工されたブランクマスクの熱的変動が熱機械的分析装置で分析されるとき、
    前記熱機械的分析装置の測定温度が前記T1から前記T2に上昇し、
    前記△PMは、前記T1での前記位相反転膜の上面を基準として、前記T2での前記厚さ方向への前記位相反転膜の上面の位置の変化である。
  2. 前記T1が50℃であり、前記T2は80℃であるとき、
    前記TFT1値が0.2μm/100℃以下である、請求項1に記載のブランクマスク。
  3. 前記T1が50℃であり、前記T2は150℃であるとき、
    前記TFT1値が0.2μm/100℃以下である、請求項1に記載のブランクマスク。
  4. PE値が1.5eVであり、PE値が3.0eVであるとき、下記の式3によるDel_2値が0である点での光子エネルギーが1.8eV~2.14eVである、請求項1に記載のブランクマスク。
    [式3]
    Figure 2022105275000020
    前記式3において、
    前記DPS値は、前記ブランクマスクから前記遮光膜を除去し、入射角を64.5°として適用して前記位相反転膜の表面を分光エリプソメータで測定する際に、反射光のP波とS波との位相差が180°以下であれば、前記P波とS波との位相差であり、前記反射光のP波とS波との位相差が180°を超えれば、360°から前記P波とS波との位相差を引いた値であり、
    前記PE値は、前記PE値~前記PE値の範囲内での入射光の光子エネルギーである。
  5. PE値が3eVであり、PE値が5eVであるとき、下記の式3によるDel_2値が0である点での光子エネルギーが3.8eV~4.64eVである、請求項1に記載のブランクマスク。
    [式3]
    Figure 2022105275000021
    前記式3において、
    前記DPS値は、前記ブランクマスクから前記遮光膜を除去し、入射角を64.5°として適用して前記位相反転膜の表面を分光エリプソメータで測定する際に、反射光のP波とS波との位相差が180°以下であれば、前記P波とS波との位相差であり、前記反射光のP波とS波との位相差が180°を超えれば、360°から前記P波とS波との位相差を引いた値であり、
    前記PE値は、前記PE値~前記PE値の範囲内での入射光の光子エネルギーである。
  6. 透明基板と、
    前記透明基板上に配置される位相反転膜と、
    前記位相反転膜上に配置される遮光膜とを含み、
    PE値が3.0eVであり、PE値が5.0eVであるとき、下記の式3で表されるDel_2が0である点での入射光の光子エネルギーが3.8~4.64eVである、ブランクマスク。
    [式3]
    Figure 2022105275000022
    前記式3において、
    前記DPS値は、前記ブランクマスクから前記遮光膜を除去した後、入射角を64.5°として適用して前記位相反転膜の表面を分光エリプソメータで測定する際に、反射光のP波とS波との位相差が180°以下であれば、前記P波とS波との位相差であり、反射光のP波とS波との位相差が180°を超えれば、360°から前記P波とS波との位相差を引いた値であり、
    前記PE値は、前記PE値~前記PE値の範囲内での入射光の光子エネルギーである。
  7. 前記PE値が1.5eVであり、前記PE値が3.0eVであるとき、前記Del_2値が0である点での入射光の光子エネルギーが1.8~2.14eVである、請求項6に記載のブランクマスク。
  8. 前記PE値が1.5eVであり、前記PE値が、前記Del_2値が0になる点での入射光の光子エネルギーのうちの最小値であるとき、前記Del_2値の平均値が78~98°/eVである、請求項6に記載のブランクマスク。
  9. 前記PE値が、前記Del_2値が0になる点での入射光の光子エネルギーのうちの最小値であり、前記PE値が、前記Del_2値が0になる点での入射光の光子エネルギーのうちの最大値であるとき、前記Del_2値の平均値が-65~-55°/eVである、請求項6に記載のブランクマスク。
  10. 前記PE値が、前記Del_2値が0になる点での入射光の光子エネルギーのうちの最大値であり、前記PE値が5.0eVであるとき、前記Del_2値の平均値が60~120°/eVである、請求項6に記載のブランクマスク。
  11. 前記PE値が1.5eVであり、前記PE値が5.0eVであるとき、前記Del_2値の最大値が105~300°/eVである、請求項6に記載のブランクマスク。
  12. 前記Del_2値の最大値である点での光子エネルギーが4.5eV以上である、請求項11に記載のブランクマスク。
  13. 前記位相反転膜は、位相差調整層、及び前記位相差調整層上に位置する保護層を含み、
    前記位相反転膜は、遷移金属、珪素、酸素及び窒素を含み、
    前記位相差調整層は、窒素を40~60原子%含み、
    前記保護層は、窒素を20~40原子%含み、
    前記保護層は、厚さ方向に酸素含量に対する窒素含量の比率が0.4~2である領域を含み、前記領域は、前記保護層全体の厚さに対して30~80%の厚さを有する、請求項1に記載のブランクマスク。
  14. 前記位相反転膜の厚さに対する前記保護層の厚さの比率は0.04~0.09である、請求項13に記載のブランクマスク。
  15. 透明基板と、
    前記透明基板上に配置される位相反転パターン膜と、
    前記位相反転パターン膜上に配置される遮光パターン膜とを含み、
    下記の式4で表されるTFT3値が0.25μm/100℃以下である、フォトマスク。
    [式4]
    Figure 2022105275000023
    ここで、前記フォトマスクの前記透明基板の厚さを0.6mmに加工し、前記遮光パターン膜を除去して形成された、加工されたフォトマスクの熱的変動が熱機械的分析装置で分析されるとき、
    前記熱機械的分析装置の測定温度が前記T1から前記T2に上昇し、
    前記△pPMは、前記T1での前記位相反転パターン膜の上面を基準として、前記T2での前記厚さ方向への前記位相反転パターン膜の上面の位置の変化である。
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