以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係る駐車場管理システムのブロック図であり、図1~図38は第1の実施形態を示している。駐車場管理システムは、図1に示すように、プロセッサ71を有する管理制御部13を主要部として構成される。本発明の一実施形態において、管理制御部13は、駐車場エリア10に設置された所謂、精算機の筐体内に設けられるが、精算機とは別の場所、部分に設けても構わない。
管理制御部13のプロセッサ71には、バス73を介して、メモリ72、インターフェイス74が接続され、インターフェイス74には、通信制御部75、LIDAR制御部76、カメラ制御部77、表示器制御部78、パネル制御部79、貨幣・硬貨管理部82、及び領収書プリンタ83が接続される。各部の動作は、プログラムに従って動作するプロセッサ71により制御される。また、プロセッサ71は、予め記憶されたプログラムソフトに基づき、駐車場管理に必要な、後述する図17~図29のフローチャートに示す処理を実行する。
メモリ72内には、車両情報DB(データベース)31、車室情報DB32、ログ情報DB33、駐車予約情報DB34、要注意車両情報DB35の領域が設けられる。車両情報DB31には、図12に示すように、車両の識別情報として付される車両ID、車両ステータス、駐車ステータス、停車カウンター、前回位置-X,前回位置-Y、現在位置-X,現在位置-Y、駐車エリア進入時刻、駐車開始時刻、駐車終了時刻、精算時刻、未精算金額、自動車登録番号、画像リンクが格納される。各記憶情報についての詳細は後述する。
車室情報DB32には、図13に示すように、車室番号、車室位置-X,車室位置-Y、カメラ番号、カメラ角度、カメラ倍率、車室ステータス、車室の識別情報が格納される。ログ情報DB33には、図14に示すように、車両ID、ログステータス、駐車エリア進入時刻、駐車エリア退出時刻、車室番号、駐車開始時刻、精算時刻、駐車終了時刻、自動車登録番号、警告表示/センター通知時刻、通知内容、精算金額、画像リンクが格納される。各記憶情報についての詳細は後述する。
駐車予約情報DB34には、図15に示すように、車室番号、予約開始時刻、予約終了時刻、自動車登録番号が格納される。要注意車両情報DB35には、図16に示すように、要注意車両の自動車登録番号が格納される。各記憶情報についての詳細は後述する。
プロセッサ71、メモリ72を含む管理制御部13は、IIDAR5とともに、本発明の構成要素である、上述の車両位置検出手段、車両状態監視手段、駐車車室検出手段、不正駐車報知手段、駐車料金精算手段、及び予約管理手段として機能する。
車両位置検出手段は、LIDAR5から出力される3D点群データを入力し、3D点群データから車両を認識し、認識した車両の位置データを算出する。車両状態監視手段は、車両位置検出手段が作成した所定時間ごとの車両の位置データに基づき、車両の状態遷移を監視する。また、車両状態監視手段は、駐車エリア内に進入した車両が退出するまでの間、車両の動きを監視し、車両毎に発生したイベントのイベントログをログ情報DB33に記憶する。
車室位置記憶手段は、車室情報DB32に、車室位置-X,車室位置-Y等を記憶する。駐車車室検出手段は、車両位置検出手段が、車両が駐車したことを検知した場合、車室位置記憶手段の車室情報DB32の車室情報に基づき、車両が駐車エリア内で駐車した車室を特定する。
不正駐車報知手段は、車両状態監視手段が、車両が駐車したことを検知し、車両が所定の車室以外の位置で駐車したことが検出されたとき、車両に対し不正駐車を報知する。また、不正駐車報知手段は、駐車エリア10内に進入した車両が退出するまでの間、車両を車両状態監視手段により監視し、車両毎に発生したイベント中、センターに報告が必要なイベント、例えば、予約された車室に予約車両以外の車両が駐車した場合、或いは未精算の状態で車両が退出した場合等に、その都度、その事象を駐車場管理サーバー1に報告する。
駐車料金精算手段は、駐車エリアの利用時間に応じて駐車料金の精算を行い、精算機の表示部81に料金を表示する等を行う。予約管理手段は、予約情報に基づき、予約された車室の駐車日時及び予約した車両の自動車登録番号を、駐車予約情報DB34に記憶し、駐車場の表示器14に予約車室を表示する。
図1に示すように、インターフェイス74には、通信制御部75、LIDAR制御部76、カメラ制御部77、表示器制御部78、パネル制御部79、貨幣・硬貨管理部82、領収書プリンタ83が接続される。各部の動作は、プログラムに従って動作するプロセッサ71により制御される。
通信制御部75は、ネットワーク2を介し駐車場管理サーバー1に接続されている。通信制御部75は、外部の装置等と通信するための通信モジュールであり、例えば有線LANや無線LANのモジュールが用いられる。ネットワーク2は、インターネットや広域通信回線網等により構築される。駐車場管理サーバー1は、遠隔で各駐車場を管理するためのオペレータが駐車場監視を行う端末であり、ネットワーク2に接続される。上記データ送信手段は、通信制御部75、プロセッサ71などから構成され、駐車状況を示すデータを、ネットワーク2を介して駐車場管理サーバー1に送信する。
駐車エリア10の車室11の位置、駐車エリア10内に進入した車両の位置や動きを検出するために、LIDAR(Light Detection and Ranging)5が設置される。
LIDAR5は、図2に示すように、電源21、LIDAR5の全ての動作を制御するMCU22、パルスレーザを照射するレーザ発振器23、レーザ発振器23から照射されたパルスレーザを、対象物の表面に沿って走査する走査機構24、を備える。走査機構24はレーザ発振器23から照射される光束を、例えばミラーを圧電素子の動作により、一定のサイクルで曲げ、移動、或いは傾動させ、偏向させる。これにより、パルスレーザの光束を、一定サイクルで、対象物に対し走査する。対象物は、駐車エリア内の車両などであり、駐車エリア内の車両などをパルスレーザにより走査することとなる。
さらにLIDAR5は、図2に示すように、対象物に対し照射されたパルスレーザの散乱光や反射光を、集光レンズ25を通して受光する受光素子26、受光素子26から出力される受光信号に基づき、対象物までの距離を測距する計測回路27、及び3D点群データ出力部28を備える。
ここで、3D点群データ(3 Dimension Point Cloud)とは、LIDARで検出した対象物までの距離や方向などの情報を三次元の点の集合体として表現したものである。
計測回路27は、受光素子26から出力される、対象物からの反射光等に応じたパルス状の受光信号を入力し、全ての走査点(光束の照射点)について、入力した受光信号に対し、照射されたパルスレーザと受光信号との時間差を算出し、その時間差から、対象物までの距離を計測する。計測回路27は、この対象物までの距離に基づき、走査点のZ座標を算出し、走査時の走査点の位置情報に基づき、各走査点のX座標、Y座標を算出する。
このように算出された全ての走査点のX,Y,Z座標データは、3D点群データ出力部28に送られ、3D点群データ出力部28は、計測回路27から送られた各走査周期の全走査点の3Dデータを、3D点群データ29として出力する。図5は、この3D点群データ29に基づき描画された例示的な駐車エリアの画像63である。管理制御部13のプロセッサ71は、このような駐車エリアの画像63を構成する3D点群データ29から、進入した車両60の位置を抽出する。
図1に示すように、複数のLIDAR5がHUB6及びLIDAR制御部76を介してインターフェイス74に接続され、LIDAR制御部76は、これらのLIDAR5の動作を制御する。例えば2台のLIDAR5を使用する場合、図3、図4に示すように、駐車エリア10の両側に立設された支柱12上に各々LIDAR5を設置する。このような構成のLIDAR5は、方位分解能(測定する方向に並んだ2つ以上の対象物を識別する能力)が高く、周囲にある障害物の距離や位置関係も精度良く検出することができ、これにより、駐車エリア10内の車両を、通常の監視カメラの撮影画像に比して、素早く正確に検出することができる。
複数のLIDAR5を使用する場合、各LIDAR5毎に座標系が異なることになるので、全車両データを合成して同一座標上で管理するためには座標変換を行う必要がある。そこで、あらかじめLIDAR5の座標系のキャリブレーションを行っておく必要がある。駐車エリア10の面積が狭く、1台のみのLIDAR5で、車両を検出することが可能な場合、勿論、座標系のキャリブレーションは不要である。
LIDAR5の座標系のキャリブレーションを行う場合、図4に示すように、複数(2台以上)のLIDAR5の走査範囲の重なる部分に車両を停車させ、各LIDAR5においてこの車両を認識させる。
図8に示すように、例えば2つのLIDAR-1,LIDAR-2で車両60の位置を認識させた状態で、LIDAR-2の座標系64における車両位置のベクトルデータ(P1・P2)から、LIDAR-1の座標系65における車両位置のベクトルデータ(P1・P2)に変換する変換式を求める。
同一位置に存在する同一の車両60の車両位置を特定させたのであるから、最終的に得られる車両位置は全く同じになる必要がある。よって、LIDAR-1の座標系65を標準の座標系とするなら、LIDAR-2の座標系64の車両位置ベクトルデータ(P1・P2)を座標系のシフト、回転、拡大・縮小等を実施してLIDAR-2の座標系65の車両位置ベクトルデータ(P1・P2)と全く同一ベクトルになるように変換する。
この変換式を記憶しておくことで、LIDAR-2の座標系64をLIDAR-1の座標系65に変換することが可能となる。車両位置の検出時に得られる位置データは、全てこのように変換した標準座標系の値で得られることとなる。3つ以上のLIDAR5を使用する場合は、その数に応じた座標変換を実施すれば全て標準座標系に変換可能である。
なお、図8に示すように、車両60の位置は車両の重心位置P1の位置情報を用いて検出することができるが、重心位置P1と先端位置P2の両方を用いて車両60の位置を検出することもできる。
図3、図4に示すように、2本の支柱12上に2台のカメラ15が設置され、各カメラ15は、カメラ制御部77を介してインターフェイス74に接続される。カメラ15は、首振り機構、ズーム機構を有し、カメラ制御部77の動作により、そのレンズ方向を、撮影しようとする車両や車室の位置に合わせるように制御され、最適な大きさで車両を撮影し、その画像データを出力する。これにより、車室11内に駐車した車両60を明確に撮影することでき、より正確に自動車登録番号の認識が可能となる。
表示器14は、図4に示すように、ゲート付近に設置され、表示器制御部78によって制御され、例えば図30に示すように、未精算の車両のドライバに対し警告等を表示する。
操作部80、表示部81は、駐車場の精算機用の機器であり、パネル制御部79に接続され、表示部81には種々の画像や種々のGUI(Graphical User Interface)等が表示される。また、車両が退出する際、その料金の精算時に、カメラ15が撮影した当該車両の画像を表示する機能を有している。
貨幣・硬貨管理部82は駐車場の料金支払いのための入金装置であり、紙幣・硬貨投入口に投入された紙幣等を受け取り、計数して投入金額を算出する。また精算により必要となった釣り銭等を計数し、紙幣・硬貨返却口に払い出す。なお、必要に応じて電子マネー等に対応するよう電子マネーリーダを搭載してもよい。領収書プリンタ83は、領収証として精算額や日時等をレシート紙にプリントして発行する。
図4は管理対象となる駐車エリア10を例示的に示し、この駐車エリア10内に車両を駐車させるための車室11が2列で13個設けられる。各車室11には、車室番号が付され、車室位置P1X,P1Y及びP2X,P2Y等のデータが車室情報DBに格納される。
図3に示すように、LIDAR5とカメラ15は、一本の支柱12上に設置されるが、必要に応じLIDAR5とカメラ15とを別々のポール上に設置してもよいし、LIDAR5の設置数とカメラ15の設置数とは必ずしも同じである必要はなく、管理対象となる駐車エリア10の形状や広さ等によって各々設置台数を決定すればよい。
LIDAR5は、概略的には、パルスレーザを所定の周期で照射しながら、駐車エリア10内を所定の周期で走査し、対象物の車両からの反射光や散乱光を受光し、その受光信号に基づき、対象物表面までの距離を計測し、車両の3D点群データを生成する。プロセッサ71は、この3D点群データから車両の位置情報を抽出し、その位置情報に基づき、車両の駐車状態を管理する。
カメラ15は、車室11内に駐車した車両16の画像を撮影し、プロセッサ71がその画像データから自動車登録番号を抽出し、また、駐車料金の精算時、当該画像をドライバの確認用に表示する。
プロセッサ71は、図7に示すように、一定時間tの周期で、LIDAR制御部76を介して3D点群データを取り込み、データ受信4を行い、これらの3D点群データから車両の位置情報を抽出し、その位置情報に基づき、車両の現在位置情報を生成する。駐車エリア10に新規の車両が進入してきた場合、車両に識別情報(車両ID)を付して、車両情報DB31に現在位置情報とともに格納する。
車両IDには、例えば、「C20200312***」のような車両の識別情報を用いることができる。最初の4桁の数値「2020」が2020年を、次の2桁の数値「03」が3月を、次の2桁の数値「12」が12日を示すものであり、これは当日の日付を表す。さらにその後の3桁の数値が当日利用した車両のシーケンス番号(001~999)であり、この桁数は一日の最大利用車両数によって決められる。
図6に示すように、プロセッサ71は、車両60の位置を認識する場合、車両の重心位置P1を算出し、この重心位置P1を位置情報とする。また、プロセッサ71は、車両60の先端位置P2を算出し、重心位置P1と先端位置P2のベクトル方向から車両の方向を認識する。
車室情報DB32には、図13に示すように、車室番号、車室位置X・Y等が格納される。車室位置X・Yは、駐車場の運用を開始する前に、プロセッサ71が、イニシャル処理として、LIDAR5からの3点群データに基づき、車室位置情報X・Yを生成し、格納する。この場合、検出しようとする車室11に車両を駐車させ、その車両の位置情報X・Yを、その車室11の位置情報X・Yとして格納する。
管理制御部13は、図38に示すように、駐車場管理とともに予約管理も実施する。管理制御部13のプロセッサ71は、各契約店舗18より顧客19が利用を望む駐車場と利用日と利用時間帯を駐車場管理サーバー1の駐車予約システム17に問い合わせを行う。顧客19が利用を望む駐車場の駐車場管理システムがこれを受け付け、その利用日と利用時間帯に車室11の空きがあるか否かを、駐車予約情報DB34により確認し、空きがあればその車室11を予約済みにする処理を行う。
なお、実施形態では、駐車場管理サーバー1の駐車予約システム17にて予約管理に対応する例を示したが、特定の駐車場だけの管理に限定した場合には、直接、駐車場管理システムが予約の管理を実施してもかまわない。
図10は、駐車場管理システムのソフトウエア開発の際に作成された状態遷移表であり、図11は、状態遷移表に基づき作成された状態遷移図である。状態遷移表において、現在の状態40は、車両が未登録の状態41、新規登録状態[0]42、移動中の状態[1]43、停車中の状態[2]44、駐車中の状態[3]45が存在し、発生するイベントに応じてどのように状態を遷移させるかを示すものである。発生イベント50としては、車両の新規登録51、車両の移動無し52、車両の移動53、及び車両の退出54、の4つのイベントが発生する。
ここで、「新規車両」とは管理対象となる駐車エリア10に車両が新たに進入した場合であり、車両情報DB31に登録されていない車両の識別情報[車両ID]を持った車両が入力された場合である。
「車両の移動無し」は、検出された前回の車両位置と今回の車両位置が同一であった場合である。プロセッサ71とLIDAR5の車両位置検出精度によっては、実際の車両が全く動いていなくとも前回の車両位置と今回の車両位置が多少異なる場合が生じることがある。そのような場合、前回の車両位置と今回の車両位置が一定の距離以内であれば、移動が無かったと判定すればよい。
「車両の移動」は、検出された前回の車両位置と今回の車両位置が異なる場合である。この場合も、プロセッサ71とLIDAR5の車両位置精度によっては、「車両の移動が無い」場合以外を「車両の移動」と判定するようにしてもよい。「車両の退出」は、車両情報DBに登録されている車両の位置情報が消失した場合である。
図11の状態遷移図は、図10の状態遷移表をもとに作成され、後述する駐車場管理システムの処理を示すフローチャート(図17~図28)は、この状態遷移図をもとに作成されている。
図12は、駐車エリア10に進入した車両の車両情報を格納した車両情報DBを示し、下記の15種類の情報が格納される。車両情報DBにおいて、「車両の識別情報」は、上記の車両IDが、各車両毎に割り当てられる。「車両ステータス」は各車両の状態を表す情報であり、駐車エリア10に車両が侵入した状態[0]、車両が移動中の状態[1]、車両が停止中の状態[2]、車両が駐車中の状態[3]から構成される。なお、本システムでは、停車中の状態[2]から一定時間経過した時点で、車両が駐車中の状態[3]になったものとみなす。
「駐車ステータス」は各車両の駐車の状態を表す情報であり、車両が車室11内に正しく駐車している状態[0]、不正な位置に駐車している状態[1]、予約車両が予約車室内に正しく駐車している状態[2]、一般車両が予約車室を無視して駐車している状態[3]、予約車両が間違った予約車室内に駐車している状態[4]から構成される。
「停車カウンター」は、車両の停止後、一定時間毎に値を1ずつ減算し、値がゼロになったとき「駐車」したとみなす情報である。駐車した車両が精算を行った場合には、所定の時間内に車室11から出たかどうかの判定にも使用する。
「前回位置-X」は、プロセッサ71が、検出した車両位置のX座標値の前回の値、「前回位置-Y」はその車両位置のY座標値の前回の値、「現在位置-X」はその車両位置のX座標値の現在の値、「現在位置-Y」はその車両位置のY座標値の現在の値である。
「駐車エリア侵入時刻」は駐車エリア10にその車両が入った最初の時刻。「駐車開始時刻」はその車両が駐車を開始した時刻。「駐車終了時刻」はその車両が駐車を終了した時刻、「精算時刻」は精算を実行した時刻である。「未精算金額」は車両の駐車料金のうち未精算分の金額である。
「自動車登録番号は」は駐車時の車両を、カメラ15で写真撮影し、そのナンバープレートから読み取った自動車登録番号であり、下記の情報から構成されている。使用本拠位置(例:品川)、登録自動車分類番号(例:500)、用途表示(例:わ)、一連指定番号(例:1234)である。「画像リンク」は撮影した車両の画像の格納位置を示すリンク情報である。
図13は、メモリ72内に設定される車室情報DB32を示し、駐車エリア10内の各車室11の情報を記憶する。車室情報DB32には、下記の8種類の情報が格納される。
「車室番号」は各車室11に割り当てられた、各車室固有の番号であり、例えばR01の様なシーケンシャル番号である。シーケンシャル番号の桁数は車室の数によって決め、100車室以上で1,000車室未満の駐車エリア10の場合は、R001のようになる。
「車室ステータス」は各車室11の状態を表す情報であり、空車状態[0]、車両が駐車している状態[1]、予約済みの状態[2]、予約車両が駐車中の状態[3]、不正車両が駐車中の状態[4]から構成される。
「車室位置-X」「車室位置-Y」は、LIDAR5とプロセッサ71の動作により、3D点群データから抽出され、算出された車室の位置を示す。この標準座標系のデータであり、これらの座標データが車室位置データとして格納される。
「カメラ番号」は、複数台のカメラ15において、どのカメラ15で車両を撮影するかを示すものである。「カメラ角度」は、カメラ15の首振り角度を指定し、「ズーム倍率」は、カメラのズーム倍率を指定する。これらの情報は、車両が駐車した車室11に停車したとき、その車両を最も好適に撮影できる撮影条件を予め定めている。「車両の識別情報」は、車室に駐車中の車両に付した車両IDである。
図14は、ログ情報DB33を示し、ログ情報33には、下記の13種類の情報が格納される。「車両の識別情報」は、各車両毎に割り当てられる車両IDである。
「ログステータス」は各発生イベントを表す情報であり、車両が駐車エリア10に車両が進入した[0]、車両が駐車を開始した[1]、車両が不正位置に駐車した[3]、車両が精算を行った[4]、車両が駐車を終了した[5]、車両が駐車エリア10から退出した[6]、予約を受け付けた[7]、表示器に警告表示を行った[8]、センターに通知した[9]から構成される。
「駐車エリア進入時刻」は車両が駐車エリアに進入した時刻、「駐車エリア退出時刻」は車両が駐車エリアから退出した時刻、「車室番号」は車両が駐車した車室番号、「駐車開始時刻」は車両が駐車を開始した時刻、「精算時刻」は車両が精算を実施した時刻、「駐車終了時刻」は車両が車室から出た時刻である。
「自動車登録番号」は車両の自動車登録番号である。「警告表示/センター通知時刻」は表示器14に警告表示を行った、もしくは駐車場管理サーバー1に通知を行った時刻であり、「警告表示/センター通知内容」は表示器に警告表示を行った、もしくはセンターに通知を行った内容である。「精算金額」は車両が行った精算金額、「画像リンク」は撮影した車両画像の格納位置を示すリンク情報である。
図15は、駐車予約情報DB34を示し、駐車予約情報DB34には各車室11の駐車予約情報が格納される。駐車予約情報DB34は、下記の4種類の情報より構成され、駐車エリア10が保有する車室11分のデータが格納される。
「車室番号」は各車室11に割り当てられた、各車室固有の番号である。「予約開始時刻」は駐車開始の予定時刻、「予約終了時刻」は駐車終了の予定時刻、「自動車登録番号」は予約車両の自動車登録番号である。
図16は、要注意車両情報DB35を示し、要注意車両情報DB35には、要注意車両、つまり過去に問題を引き起こした車両、例えば過去に精算を行わずに駐車エリア10から退出した車両等が登録される。「自動車登録番号」は要注意車両の自動車登録番号である。
次に、図17~図29のフローチャートを参照して、駐車場管理システムの動作を説明する。
図17、図18は、プロセッサ71が一定時間(t)毎に実行するメインルーチンの処理であり、プロセッサ71は、一定時間ごとに、駐車エリア10に存在する全ての車両情報、つまりLIDAR5からの3D点郡データを、LIDAR制御部76を介してから取り込み、進入した車両、駐車中の車両などの位置情報等を抽出し、処理を実施する。
プロセッサ71は、先ず、検知した全車両に対して処理が完了したか判定し(ステップS10)、全て処理済みであればステップS16を実施し、退出車両があるか否かを判定する。一方、ステップS10で、未処理の車両が存在する場合、車両情報DB31から車両情報を取り込み(ステップS11)、車両が新規車両か否かを判定する(ステップS12)。新規車両の判定は、車両情報DB31に登録済みの車両かどうかにより判定を行う。
ステップS12で、新規車両の場合には、図19に示す新規車両処理(S1)を実施し(ステップS13)、その後、再びステップS10を実行し、未処理車両の有無を判定し、新規車両ではなく、登録済みの車両であれば、ステップS12からステップS14に進み、車両情報DB31に車両の現在位置X・Y情報を書き込む。
車両情報DB31には、車両の現在位置の情報(「現在位置-X」「現在位置-Y」)を前回位置の情報(「現在位置-X」「現在位置-Y」)にコピーし、現在位置の情報(「現在位置-X」「現在位置-Y」)を、LIDAR5の3D点群データから抽出した車両の現在位置情報に、更新する(ステップS14)。
次に、ステップS15で、車両が停止しているか判定する。「停止している」とは、車両の前回位置Pnと今回位置Pn+1とが一致する場合である。LIDAR5からの3D点群データに基づく位置精度によっては、前回位置と今回位置の距離が一定以下であれば一致とみなしてもよい。「停止している」状態ではない場合、すなわち「移動した状態」であれば、図18のステップS24を実施し、「停止している」状態であれば、図18のステップS18を実施する。
一方、図17のステップS16で、退出車両が存在するか判定したとき、退出車両が存在すれば、その車両に対して、図28の退出処理S9を実施し(ステップS17)、処理を終了する。退出車両が存在しなければ、処理をそのまま終了する。なお、退出車両の判定は、車両情報DB31に登録されている車両が、LIDAR5からの3D点群データから抽出した情報中に存在しなかった場合に、車両が駐車エリア10から退出したものとみなす。
一方、プロセッサ71は、図18のステップS18で、車両ステータスが「0」すなわち「進入」状態の場合か否かを判定し、「0」であれば、図20の車両の停車開始処理(S2)を実施し、その後、再び図17のステップS10を実施する。「0」でなければ、図18のステップS19を実施する。
次に、図18のステップS19で、車両ステータスが「1」すなわち「移動中」状態の場合か否かを判定し、「1」であれば、図20の車両の停車開始処理(S2)を実施し、停車開始処理(S2)の実施後、再び図17のステップS10を実施する。「1」でなければ、図18のステップS21を実施する。
次に、図18のステップS21で、車両ステータスが「2」すなわち「停車中」状態の場合か判定を行い、「2」であれば、図25の車両の停車継続処理(S5)を実施し、その後、再びステップS10を実施する。「2」でなければ、図26の車両の駐車継続処理(S7)を実施し、その後、再びステップS10を実施する。
一方、図18のステップS24で、車両ステータスが「0」すなわち「進入」状態の場合か否かを判定し、「0」であれば、図20の車両の移動開始処理(S3)を実施し、その後、再びステップS10を実施する。「0」でなければ、ステップS26を実施する。
次に、ステップS26で、車両ステータスが「1」すなわち「移動中」状態の場合か否かを判定し、「1」であれば、再び図17のステップS10を実施する。「1」でなければ、次に図18のステップS27を実施する。
ステップS27では、車両ステータスが「2」すなわち「停車中」状態の場合か否かを判定し、「2」であれば、図20の車両の移動開始処理(S3)を実施し、その後、再びステップS10を実施する。「2」でなければ、図27の車両の移動開始処理(S8)を実施し、その後、再びステップS10を実施する。
図19は、新規車両が進入した際の、新規車両処理S1のフローチャートである。
新規車両処理S1では、先ず、車両情報DB31の未使用エリア[空きエリア]を抽出し(ステップS101)、抽出したエリアに車両の識別情報[車両ID]、車両ステータス[0]、現在位置-X、現在位置-Y、駐車エリア進入時刻、未精算金額[0]を書き込む(ステップS102)。
次に、ステップS103で、空車室数があるか否かを判定し、空車室数が「1」であれば、満車の状態であり、表示器14に、図35のような「満車」の表示を行う(ステップS104)。車室11には空きがあっても、その車室が予約済み車室の場合には、図37のように、予約済みの表示を行う。「1」でなければ、図19のステップS105を実施する。ステップS105では、ログ情報DB33に車両の識別情報[車両ID]、ログステータス[1]、駐車エリア進入時刻を書き込み、新規車両処理(S1)を終了する。
図20は、車両の停車開始処理(S2)及び車両の移動開始処理(S3)を示す。車両の停車開始処理(S2)では、ステップS201で、車両情報DB31に車両ステータス[2]、停車カウンターをセットする。停車カウンターは、一定時間停車状態を続けた場合、駐車開始とみなす時間を算出するための値をカウントする。図7に示す、位置データ取込処理の一定周期時間(t)が例えば1秒の場合、5分間停車状態を続けた際、駐車開始とみなすときには、停車カウンターの値は300をセットする。図20の車両の移動開始処理(S3)では、車両ステータス[1]をセットする(ステップS301)。
図21~図24は、車両の駐車開始処理(S4)を示す。ステップS401で、車両の駐車位置がいずれかの車室11内か否かを判定し、車室11内であればステップS402で、駐車車室を特定し、車室11外であればステップS407で、カメラ15により、駐車車両を撮影する。ステップS401での、車室11内であるか否かの判定は、車両の駐車位置が、定められたいずれかの車室11の定められた範囲内に存在するか否かで判定を行う。車両が車室内に駐車している場合、ステップS402で駐車車室を特定する。
ステップS401の、車両が車室11内に駐車したか否かの判定は、駐車車両の駐車位置が、車室11の車室情報DB32に記憶された、「車室位置-X」「車室位置-Y」の位置情報から、一定の領域内であるか否かで判定する。定められた範囲内である場合、ステップS401で、駐車車両が、車室11に駐車したものと判定する。
次に、ステップS403で、駐車した車室11に対応したカメラ15でその車両11の写真撮影を行う。駐車エリア10内の各車室11は、各々の車室11に駐車した車両を撮影するのに最も適したカメラ15の番号、カメラの首振り角度、カメラのズーム倍率が、車室情報DB13に記憶されているので、この情報に基づき、カメラ制御部77がカメラ15を制御して、車両の撮影を行う。
プロセッサ71は、撮影された車両の画像データを取り込み、画像データから車両の自動車登録番号を抽出する(ステップS404)。車両の撮影には、撮影に最も適したカメラ15が使用され、カメラの首振り角度、カメラのズーム倍率が、適正に設定されるので、高い精度で自動車登録番号を抽出することができる。
次に、ステップS405で、車両情報DB31に車両ステータス[3]、駐車開始時刻、自動車登録番号、画像リンクを書き込む。画像リンクは、ステップS403で撮影した画像が格納されている格納場所へのリンク情報である。次に、ステップS406で、車室情報DB32に、車両の識別情報(車両ID)を書き込み、車両の駐車開始処理(S4)を終了する。
ステップS401で(図21)、車両が車室11外に駐車している場合、次に、ステップS407で、駐車している位置の撮影が可能なカメラ15でその車両の写真撮影を行う。車両が車室11外であるとは、車両60の駐車位置が、車室11の車室情報DB32の「車室位置-X」「車室位置-Y」から離れて、一定の領域内に存在せず、駐車車室11が見いだせなかった場合である。設置されたカメラ15は各々撮影可能な範囲が定められているので、車両の駐車位置に応じて対応可能なカメラ15を選出し、撮影する。
次に、撮影された車両の画像をもとに、その車両の自動車登録番号を抽出する(ステップS408)。車両の駐車位置や車両の向き等により、車両のナンバープレートが読み取れない場合、自動車登録番号の欄は空欄にしておく。
次に、ステップS409で、表示器14に、その車両に対する警告表示を行う。表示器14には、例えば、「車室に正しく駐車してください」の警告文を、車両の自動車登録番号とともに、表示する。自動車登録番号が抽出できなかった場合には、自動車登録番号は空欄にしておく。 次に、ステップ410で、駐車場管理サーバー1に「不正場所駐車」の情報を通知する。センターの駐車場管理サーバー1への通知は、次のステップS411のログ情報とともに送信される。
次に、ステップS411で、車両の識別情報[車両ID]、ログステータス[3]、自動車登録番号、センター通知時刻、センター通知内容[不正場所駐車]、及び画像リンクの情報を、ログ情報DB33に書き込む。さらに、ステップS412で、その車両の車両ステータス[3]、駐車ステータス[1]、駐車開始時刻、自動車登録番号、及び画像リンクを、車両情報DB31に書き込む。
次に、ステップS413(図22)で、その車両が要注意車両であるか否か判定する。この判定は、その車両の自動車登録番号が、要注意車両情報DB35に登録されているか否かに基づき判定する。次に、その車両が要注意車両である場合、ステップS414を実行し、該当しなければステップS417(図23)を実行する。ステップ414では、センターの駐車場管理サーバー1に「要注意車両」の通知を行い、通知情報は、次のステップS415でログ情報DB(図14)に書き込む情報と同じ内容が送信される。
次に、ステップS415(図22)で、車両の識別情報[車両ID]、ログステータス[9]、自動車登録番号、センター通知時刻、センター通知内容[要注意車両]、及び画像リンクを、ログ情報DB33に書き込む(ステップS415)。
次に、ステップS417(図23)で、その車室が予約済みの車室か否かを判定する。予約済みの車室判定は、その車室が駐車予約情報DB34に登録されているか否かに基づき判定する。その車室が予約済みの車室であれば、ステップS419を実行し、予約済みでない場合、ステップS418を実行する。
次に、ステップS418で、その車両が予約車両であるか否かを判定する。その車両が予約車両か否かの判定は、車両の自動車登録番号が駐車予約情報DB34に登録されているか否かで判定する。予約車両であれば、次に、ステップS423を実行し、予約車両でなければステップS421を実行する。
一方、ステップS417で、その車室が予約済の場合、ステップS419で、車両と駐車予約情報DB34に登録されている自動車登録番号とが一致するか否かを判定する。一致であれば、予約済みの車室内に予約済みの車両が正しく駐車していることになり、スッテプS425を実行して、車室ステータスを[3]とし、不一致であれば、ステップS420を実行する。
ステップS420では、その車両が予約車両か否かを判定する。車両が予約車両か否かの判定は、その車両の自動車登録番号が駐車予約情報DB34に登録されているか否かに基づき判定する。予約車両であればステップS427を実行し、予約車両でなければステップS429を実行する。
一方、ステップS418で、車両が予約車両ではない場合、ステップS421で、車室情報DB32の車室ステータスに、駐車中であることを示す[1]をセットし、ステップS422で車両情報DB31の駐車ステータスに正常駐車であることを示す[0]をセットする。
一方、ステップS418で、車両が予約車両の場合、ステップS423で、車室情報DB32の車室ステータスに不正車両駐車中であることを示す[4]をセットし、ステップS424で、車両情報DB31の駐車ステータスに予約車室駐車であることを示す[3]をセットする。
一方、ステップS419で、予約車両が一致した場合、ステップS425で、車室情報DB32の車室ステータスに予約車両駐車中であることを示す[3]をセットし、ステップS426で、車両情報DB31の駐車ステータスに予約車室駐車であることを示す[2]をセットする。
一方、ステップS420で、予約車両の場合、ステップS427で、車室情報DB32の車室ステータスに不正車両駐車中であることを示す[4]をセットし、ステップS428で、車両情報DB31の駐車ステータスに予約車室間違いであることを示す[4]をセットする。
一方、ステップS420で、予約車両でない場合、ステップS429で、車室情報DB32の車室ステータスに不正車両駐車中であることを示す[4]をセットし、ステップS430で、車両情報DB31の駐車ステータスに予約車室無視駐車であることを示す[3]をセットする。
次に、ステップS430(図24)で、車両情報DB31の駐車ステータスが、[0]の正常駐車であるか、或いは[2]の予約車室駐車であるか否かを判定し、駐車ステータス[0または2]であれば、車両の駐車開始処理(S4)を終了し、そうでなければステップS431を実行する。
ステップS431では、その車両が正しい車室11に駐車していないので、表示器14に「正しい車室内に駐車してください」との警告表示を行い、ステップ432で、センターの駐車場管理サーバー1に、「不正車室駐車」を通知する。センターへの通知は次のステップS433のログ情報と同じ内容が送信される。
次に、ステップS433で、ログ情報DB33に車両の識別情報[車両ID]、ログステータス[9]、車室番号、駐車開始時刻、センター通知時刻、センター通知内容[不正車室駐車]を書き込む。
図25は、車両の停車継続処理(S5)のフローチャートを示している。停車継続処理(S5)では、先ず、ステップS501で、停車カウンターをカウントダウンし、ステップS502で、停車カウンターの値が「0」であるかを判定し、「0」であれば駐車開始処理(S4)を実行し、「0」でなければ、車両の停車継続処理フロー(S5)を終了する。停車カウンターが「0」になったとは、その車両が一定時間停車し続けていたことを示し、駐車が開始されたものとみなす。この場合、ステップS503で、車両の駐車開始処理(S4)を実行する。
図26は、車両の駐車継続処理(S7)を示し、ここでは、先ずステップS601で、駐車中の車室11が予約車室、すなわち駐車予約情報DBに予約登録されている車室か否か判定し、予約車室であれば、次にステップS602を、予約車室でなければ、車両の駐車継続処理(S7)を終了する。
ステップS602では、駐車中の車両が予約車両、すなわち駐車予約情報DBに予約登録されている車両か否か判定し、予約車両であれば、ステップS603を実行し、予約車両以外であればステップS604を実行する。
ステップS603では、予約終了時刻より一定時間前であるか否かの判定を行い、予約終了時刻より一定時間前であれば、ステップ606で、センターの駐車場管理サーバー1に「予約終了時間接近」の通知を行う。駐車場管理サーバー1への通知は、次のステップS610のログ情報と同じ内容が送信される。予約終了時刻より一定時間前でなければ、ステップS603で、ステップS605を実行する。ステップS605では、予約終了時刻をオーバーしたか否かの判定を行う。ここで、予約終了時刻をオーバーしていれば、ステップS607を実行し、オーバーしていなければ、ステップS605から車両の駐車継続処理(S7)を終了する。
ステップS607では、車室情報DB32の車室ステータスに不正車両駐車中であることを示す[4]をセットし、次に、ステップ608で、センターの駐車場管理サーバー1に「予約時間超過」の通知を行う。センターへの通知は、次のステップS610のログ情報と同じ内容が送信される。
一方、ステップS602で、予約車両ではない場合、ステップS604で、予約開始時刻より一定時間前であるか否かの判定を行う。そして、予約開始時刻より一定時間前であれば、ステップ609で、駐車場管理サーバー1に「予約開始時間接近」の通知を行う。駐車場管理サーバー1への通知は、次のステップS610のログ情報と同じ内容が送信される。予約開始時刻より一定時間前でなければ、車両の駐車継続処理(S7)を終了する。ステップS610では、車両の識別情報[車両ID]、ログステータス[9]、車室番号、駐車場管理サーバー1への通知時刻、その通知内容を、ログ情報DB33に書き込み、車両の駐車継続処理フロー(S7)を終了する。
図27は、車両の移動開始処理S8のフローチャートを示している。移動開始処理S8では、先ず、ステップS801で、駐車終了時間が精算時間より後か否かの判定を行う。駐車終了時間が精算時間より後の場合には、精算料金が発生していることを示しているので、駐車料金を算出するステップS802を実行し、それ以外の場合にはステップS805を実行する。ステップS802では、駐車の開始時刻と駐車終了時刻から駐車時間を算出し、算出された駐車時間をもとに駐車料金を算出する。
次に、ステップS803で、算出された駐車料金を未精算金額に加算し、ステップS804で、現時刻を精算時刻にセットする。以上の駐車開始時刻、駐車終了時刻、精算時刻、未精算金額はいずれも車両情報DB31内の情報である。次に、ステップS805で、車両の未精算金額が0であるか否かを判定し、未精算金額が「0」であればステップS808を実行し、「0」で無ければ未精算車両としてステップS806を実行する。ステップS806では、その車両は未精算車両なので、表示器14に「駐車料金の精算を実施してください」との警告表示を行う。
そして、ステップS807で、ログ情報DB33に車両の識別情報[車両ID]、ログステータス[8]、車室番号、警告表示時刻、警告表示内容[駐車料金の精算を実施してください]を書き込む。次に、車両情報DB31に、車両ステータス[1]、駐車終了時刻を書き込み(ステップS808)、車室情報DB32の車室ステータスに「0」を書き込み(ステップS809)、車両の識別情報[車両ID]をクリアして、車両の移動開始処理(S8)を終了する。
図28は、車両の退出処理(S9)のフローチャートを示している。この処理では、先ず、ステップS901で、車両の未精算金額が0であるか否かを判定し、未精算金額が「0」であればステップS904を実行し、「0」で無ければ未精算車両としてステップS902を実行する。そして、この車両は未精算車両なので、ステップS902で、センターの駐車場管理サーバー1に「未精算車両退出」の通知をする。駐車場管理サーバー1への通知は次のステップS903のログ情報と同じ内容が送信される。ステップS903では、ログ情報DB33に車両の識別情報[車両ID]、ログステータス[9]、駐車場管理サーバー1への通知時刻、その通知内容を書き込む。そして、ステップS904で、ログ情報DB33に車両の識別情報[車両ID]、ログステータス[6]、駐車エリア退出時刻を書き込む。
次に、ステップS905で、空き車室数が「1」以上か否かを判定し、「1」以上であればステップS906を実行し、「1」以上でなければステップS907を実行する。空き車室数の判定は、車室情報DB32の車室ステータスが空車[0]となっている車室の数を算出することで行われる。ステップS906では、表示器14に「空車」の表示を行う。空車表示は、図34に示すように表示器14で行われ、空車表示は、どこの車室11が空車であるかを表示する。
なお、車室11の一部が予約車室の場合は、図36で示すように、車室11が予約済みであることを「予約済み」と明示し、予約車両の自動車登録番号の「一連指定番号(4桁の数値)」が表示される。そして、監視対象車両が駐車エリア10から退出したことで、ステップS907で、監視対象から除外するため車両情報DB31の該当エリアをクリアし、車両の退出処理フロー(S9)を終了する。
図29は、車両が退出する際に行う精算処理のフローチャートである。駐車場利用者は、精算機の操作部80、表示部81を使用して、自分が駐車した車室11の番号か、或いは自分の車両の自動車登録番号の「一連指定番号(4桁の数値)」を入力する(ステップS1001)。このとき、表示部81には、図31に示すような精算の表示画面がその一部に表示される。
ステップS1001で、駐車場利用者が上記いずれかの値を入力すると、当該車室11もしくは当該車両が存在すれば、精算機の表示器81の画面上に、図32に示すような確認画面が精算の画面の一部に表示される(ステップS1002)。また、表示部81の精算機画面上には、駐車した車室番号、自動車登録番号、駐車開始した時点で撮影された車両の画像が表示される。なお、当該車室11もしくは当該車両が存在しなければ、その旨を、精算機の画面上に表示し、再度車室11の番号か、自分の車両の自動車登録番号の「一連指定番号(4桁の数値)」の入力を求める(ステップS1001)。
そして、駐車場利用者が、精算機に表示された内容が自分の車両であると確認した場合にはステップS1003からステップS1004を実行し、間違っていた場合には再度ステップS1001から実行する。ステップS1004では、駐車終了時間が精算時間より後か否かの判定し、駐車終了時間が精算時間より後の場合には、精算料金が発生していることを示しているので、駐車料金を算出するステップS1005を実行し、それ以外の場合にはステップS1008を実行する。ステップS1005では、駐車の開始時刻と駐車終了時刻から駐車時間を算出し、算出された駐車時間をもとに駐車料金を算出する。次に、ステップS1006で、この算出された駐車料金を未精算金額に加算する。さらにステップS1007で、現時刻を精算時刻にセットする。
次に、ステップS1008で、表示部81の画面上の一部に、図33に示すような駐車料金画面を表示する。そして、駐車場利用者が、精算機に表示された駐車料金を入金し(ステップS1009)、入金が終了すると、プロセッサ71は、車両情報DB31に車両ステータス[2]、停車カウンターをセット、駐車終了時刻、未精算金額を書き込む(ステップS1010)。停車カウンターの設定値は、精算実施後に一定時間以内に車室11を退出する必要があるためである。一定時間以内に車室11を退出しなかった場合には一定時間経過以降に駐車していた分の駐車料金が発生することになる。駐車場利用者が、精算機で駐車料金を正しく入金していれば未精算金額は「0」となる。
そして、プロセッサ71は、ログ情報DB33に車両の識別情報[車両ID]、ログステータス[4]、車室番号、駐車終了時刻、未精算金額を書き込み(ステップS1011)、この精算処理を終了する。
< 第2の実施形態>
図39~図42は、第2の実施形態を示している。この実施形態の説明において、上記実施形態で説明した駐車場管理システムにおける構成及び作用と同様な部分については、その説明を省略又は簡略化する。
上記第1の実施形態では、車両位置の判定は車両の重心位置P1のみを使用して行っていた。これに対し、第2の実施形態では、重心位置P1とともに車両の方向を示す先端位置P2も使用する。つまり、図8に示すように、第1の実施形態の駐車場管理システムにおいて、車両位置の検出は、重心位置P1のみを用い検出していたが、重心位置P1と車両の方向を示す先端位置P2の両方を使用する。
具体的には、図39で示すように、車両情報DB31に、現在位置-P1X、現在位置-P1Yとともに現在位置-P2X、現在位置-P2Yも格納する。また、図40に示す如く、車室情報DB32にも、車室位置-P1X、車室位置-P1Yとともに車室位置-P2X、車室位置-P2Yを格納する。
従って、メインルーチンのフローチャートにおいて、図17のステップS14を、図41のステップS14Aで示すように、変更する。すなわち、車両情報DB31には、現在位置-P1X、現在位置-P1Yとともに現在位置-P2X、現在位置-P2Yを書き込むとともに、更新する。また、図19のステップS102において、図41に示すように、現在位置-P1X、現在位置-P1Y、及び現在位置-P2X、現在位置-P2Yを車両情報DB31に書き込む。
また、図21の処理のフローチャートにおいて、駐車車室の特定を行うステップS402,S403の間に、図42で示すように、ステップS451~S454を追加する。ステップS451では、駐車した車両の駐車角度が正しいか否かを判定する。そして、駐車角度が正しければ、ステップS403で駐車車両をカメラ15で撮影し、駐車角度が正しくない場合、ステップS452を実行する。駐車角度が正しいか否かの判定は、車室情報DB32内に格納されている、車室位置P1と車室位置P2から得られるベクトルP1・P2の向きと、車両情報DB31内に格納されている、車両の向き現在位置P1と現在位置P2から得られるベクトルP1・P2の向きとから、判定し、両方のベクトルP1・P2が一定の角度内であれば、正しい向きで駐車しているものと判定する。
次に、ステップS452で、表示器14に「正しい向きで駐車してください」との警告表示を行い、ステップ453で、センターの駐車場管理サーバー1に、「不正向き駐車」を通知する。駐車場管理サーバー1への通知は、次のステップS454のログ情報と同じ内容が送信される。ステップS454では、車両の識別情報[車両ID]、ログステータス[3]、自動車登録番号、駐車場管理サーバー1への通知時刻、その通知内容[不正向き駐車]、及び画像リンクを、ログ情報DB33に書き込む。
これにより、車両60が車室11内に駐車した場合、車室11内に車両60が正しい向きで駐車したか否かが容易に確認可能となる。前向き駐車や、後ろ向き駐車等を義務付けた駐車場等では特に有効である。また、車室11内で極端に斜めに駐車した場合等の検出も可能となる。
<第3の実施形態>
図43~図52は、第3の実施形態を示している。この実施形態の説明において、上記実施形態で説明した駐車場管理システムにおける構成及び作用と同様な部分については、その説明を省略又は簡略化して記載する。
上記実施形態では、駐車場に精算機を設置し、精算機により利用者の駐車料金の算出及び精算を行っていた。これに対し、本実施形態では、精算機を設置せず、駐車場とは別の場所にある駐車場管理サーバー1が、駐車料金の算出を行い、算出した駐車料金を利用者に提示し、駐車料金の精算処理を行う。これにより、所謂精算機のない駐車場管理システムを構築することができる。
図43に示すように、本実施形態の駐車場管理システムの管理制御部100は、上記第1の実施形態で使用した精算機の機能部となる、図1のパネル制御部79、操作部80、表示部81、貨幣・硬貨管理部82、及び領収書プリンタ83を具備しない。この管理制御部100では、これらの精算機の機能部に代えて、駐車場管理サーバー1に、この精算機の機能を持たせている。
管理制御部100には、データ送信手段が設けられ、駐車エリア10内に進入した車両が車室11に駐車を開始した際、及び車両が駐車を終了した際に、駐車状況を示すデータを、ネットワーク2を介して駐車場管理サーバー1に送信する。データ送信手段は、通信制御部75及びプロセッサ71などから構成され、駐車状況を示すデータを、ネットワーク2を介して駐車場管理サーバー1に送信する。
駐車場管理サーバー1は、駐車エリア10内に進入した車両が駐車を終了した際、データ送信手段から送られた駐車状況を示すデータに基づき、車両の駐車料金を算出し、あらかじめ定めた方法で利用者に駐車料金を課金する。さらに、駐車場管理サーバー1は、駐車料金を課金する際、駐車場利用状況を利用者の携帯端末に送信する。
駐車場管理サーバー1は、管理する駐車場が複数個所にあり、各駐車場に管理制御部100が設置される場合であっても、1台の駐車場管理サーバー1により、複数個所の駐車場管理システムを管理し、各駐車場の精算処理を一括して行うことができる。
駐車管理サーバー1内には、駐車場DB101、ユーザーDB102、及び駐車ログ情報DBが設けられる。駐車場DB101には、図44に示す如く、各駐車場の識別情報となる駐車場ID,駐車場名、駐車場住所、及び車室数の各情報が格納される。これらの情報は、各駐車場ごとに予め設定される。ユーザーDB102には、図45に示す如く、ユーザーの識別情報となるユーザーID,ユーザー氏名、利用自動車登録番号、携帯電話番号、及び駐車料金支払方法が格納される。これらの情報は、駐車場を利用する各ユーザーについて予め登録される。
駐車ログ情報DB103には、図46に示すように、ユーザーが利用した駐車場の駐車場ID、ユーザーが駐車した車室番号、駐車開始時刻、駐車終了時刻、駐車時間に応じて課金された駐車料金、駐車した車両の自動車登録番号、駐車した車両を撮影した画像を格納した画像リンクが格納される。これらの情報は、各駐車場に設置されている管理制御部100から送られてくる情報であり、駐車ログ情報DB103に記録される。
次に、この実施形態の動作を説明する。図47は、管理制御部100が駐車場管理サーバー1へ車両の駐車開始、駐車終了情報を送信する処理を示している。
なお、上記第1の実施形態において、図21の処理S4で説明したように、車両が車室内に駐車したことを判別する処理を実行した後、図21の処理S4のステップS406の次に、管理制御部100は、図47で示す処理を実施する。また、第1の実施形態において、図27の処理S8で説明したように、車両が駐車終了したことを判別する処理を行った後、管理制御部100は、図27の処理S8のステップS808の次で、図47に示す処理を実施する。
管理制御部100のプロセッサ71は、図47のステップS2000で、駐車開始か否かを判定する。駐車開始であれば、ステップS2001で、駐車場管理サーバー1へ次のデータ、つまり、ユーザーが利用した駐車場の駐車場ID、駐車を開始した駐車開始時刻、駐車した車室番号、駐車させた車両の自動車登録番号、車両を撮影した車両の画像を送付する。
駐車場管理サーバー1は、管理制御部100から上記情報を受信すると、図48に示す処理を実行し、先ず、ステップS2100で、駐車開始か否かを判定する。
ステップ2100にて、管理制御部100から送られてきたデータが駐車開始時点のものであれば、ステップ2101で、送付された車両の画像を画像データをまとめて格納するエリアに保存する。
次に、駐車場管理サーバー1は、ステップS2102にて、図46で示した駐車場ログ情報DB103に駐車場ID、車室番号、駐車開始時刻、自動車登録番号、画像リンクを格納する。画像リンクは、ステップS2101で格納した格納エリアへのリンク情報である。
さらに、ステップ2103にて、送られてきた自動車登録番号が登録車両か否かを判別する。登録車両の判定は、その自動車登録番号が図45で示したユーザーDB102内に登録されているか否かで判定する。登録車両であれば、この処理を終了し、登録車両でなければ、ステップS2104にて「未登録車両」として管理制御部100へ通知する。
一方、管理制御部100は、ステップS2000で、駐車開始と判定し、ステップS2001で、駐車場管理サーバー1から送られてくる情報を受信した後、ステップ2002で登録車両か否かの判別を行う。このとき、車両が登録車両であればこの処理を終了し、登録車両でなければステップ2003で、駐車場内に設置されている表示器14に、図49で示すような、未登録車両である旨の警告表示を行う。このとき、ユーザー(ドライバー)は、所定の手続きを持って駐車させた車両の新規登録を行うか、別の駐車場に移動するかを選択することができる。
さらに、駐車車両がその駐車を終了した時、管理制御部100は、ステップS2004で、駐車終了か否かを判定する。駐車終了であれば、ステップ2005で、駐車場管理サーバー1へ、ユーザーが利用した駐車場の駐車場ID、駐車を終了した駐車終了時刻、駐車した車室番号のデータを送付する。
駐車場管理サーバー1は、この駐車終了時のデータを受信すると、ステップS2105にて駐車料金の算出を実施する。駐車料金の算出にあたっては、駐車した駐車場や駐車した時間帯などから必要に応じ予め定めた個別の料金体系で算出する。次に、ステップS2106にて駐車場ログ情報DB103に駐車終了時刻及び駐車料金を格納する。
次に、駐車場管理サーバー1は、ステップS2107にて、ユーザーの携帯端末に対し、(携帯電話番号は図45に示すようにユーザーDB内に格納されている)図50で示すような、駐車場利用レポートを送付する。利用レポートには駐車場の利用日、駐車場の名称、駐車開始時刻、駐車終了時刻、駐車料金が表示される。
なお、ユーザーの駐車料金の精算方法が、利用毎にクレジットカード等から決済される場合には、図50で示した駐車場利用レポートに代え、図51で示すような、ユーザーに課金の了解を得る画面を送付し、ユーザーの了解を得る。
また、駐車場管理サーバー1は、ユーザーの問い合わせに応じて、図46で示した駐車ログ情報に基づき、図52で示すような駐車場利用履歴104を作成し、ユーザーに送付し、ユーザーの携帯端末画面に表示させることもできる。
なお、以下のような実施形態でも、本発明を実施することは可能である。
1.上記実施形態では、駐車車両60をカメラ15で撮影し、その画像から自動車登録番号を抽出したが、駐車場の管理によっては、必ずしも自動車登録番号を必要としないケースもあり、例えば、規模の小さい駐車場で、近くに防犯目的の監視カメラが設置されている場合、自動車登録番号を認識せずに、管理することも可能である。
一般的にこのような場合、防犯用の監視カメラが常時録画を行っており、また各車両60には、識別情報を付加して管理し、発生する各イベントを記録し、センターへの通知も行うので最低限の駐車場管理は可能となる。
2.上記実施形態では、駐車料金の算出は、車室11に駐車していた時間で算出したが、駐車場に進入してから精算するまでの時間で、駐車料金を算出するようにしてもよい。この場合、車両情報DB31に「駐車エリア進入時刻」を記録しているので、この時刻から精算時刻までの時間で駐車料金を算出すればよい。
3.上記実施形態では、精算を伴う有料駐車場の管理を説明したが、本発明は無料駐車場にも適応可能である。すなわち、駐車料金の徴収は必要なく、駐車場の管理のみを行いたいケースの場合、空き車室の管理や不正位置での駐車監視等の管理を、本発明を用いることにより適正に且つ円滑に行うことができる。また、この場合、カメラ15を不要とすることもできる。この場合、図1におけるカメラ15及びカメラ制御部77、パネル制御部79及び操作部80、表示部81を除き、貨幣・硬貨管理部82、領収書プリンタ83が不要となり、コストを低減することができる。
4.上記実施形態では、図2に示す構成のLIDAR5を使用したが、駐車エリア10内の車両60の位置を特定可能な構成のLIDARであれば、図2の構成以外のLIDARを使用することもできる。
このように、本発明の駐車場管理システムによれば、駐車場の規模や、屋内駐車場か屋外駐車場かに関わらず、設置コスト及び保守点検のコストを削減し、駐車場を円滑に管理することができる。