JP2022103887A - 画像形成方法および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子写真感光体にフィルミングやクリーニング不良を生じさせることなく、光輝性トナーによって意匠性の高い画像を形成可能な画像形成方法を提供すること。【解決手段】画像形成方法は、感光層を有する画像形成装置を準備する工程と、前記感光層の表面に静電潜像を形成する工程と、光輝性顔料を含む静電荷像現像用トナーによって前記静電潜像を現像し、画像を形成する工程と、を有し、前記感光層が、特定の構造で表される構造を有する電荷輸送物質を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、画像形成方法および画像形成装置に関する。
近年、商業印刷の分野において、電子写真方式の高画質な印刷物を、より高速で提供することが求められている。このような印刷物を形成するための画像形成装置には、耐久性等も求められている(例えば特許文献1、特許文献2)。そこで近年、画像形成装置の電子写真感光体の表面に、光硬化型の保護層を形成することが試みられている。
一方で近年、より意匠性の高い画像が求められており、上記電子写真方式においても、光輝性顔料を含む静電荷像現像用トナー(以下、「光輝性トナー」とも称する)によって、金属光沢を有する画像を形成することが試みられている。
特開2006-285168号公報 特開2013-178452号公報
一般的な電子写真感光体では、静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」とも称する)を記録媒体に転写後、感光層の表面に残ったトナーをクリーニングブレードによって除去する。そしてこのとき、トナーが電子写真感光体表面に強固に付着していたとしても、クリーニングブレードが、感光層の表面の極微小な領域を削り取ることで、トナー等を除去できる。しかしながら、上述の光硬化型の保護層を有する電子写真感光体は、表面の硬度が非常に高い。そのため、感光層の表面にトナー等が強固に付着してしまったとき、クリーニングブレードによって感光層表面(トナー)を削り取ることができず、付着したトナーが画像欠陥の原因となることがあった。また、感光層の表面にトナーが薄く付着した状態(以下、「フィルミング」とも称する)も生じやすかった。
一方、光輝性トナーは、一般的なトナーより、感光層表面に均一に付着し難い。また、光輝性トナーは、意匠性を高めたい部分や画像の中でも特に目立たせたい部分に使用される。したがって、光輝性トナーを用いた画像では、付着量のばらつきが目につきやすく、光輝性トナーをより一層均一に、記録媒体に付着させることが求められている。
本発明は、このような課題を鑑みてなされたものである。具体的には、電子写真感光体にフィルミングやクリーニング不良を生じさせることなく、光輝性トナーによって意匠性の高い画像を形成可能な画像形成方法、およびこれに用いる画像形成装置の提供を課題とする。
本発明は、以下の画像形成方法を提供する。
感光層を有する、画像形成装置を準備する工程と、前記感光層の表面に静電潜像を形成する工程と、光輝性顔料を含む静電荷像現像用トナーによって前記静電潜像を現像し、画像を形成する工程と、を有し、前記感光層が、下記一般式(1)で表される構造を有する電荷輸送物質を含む、画像形成方法。
Figure 2022103887000001
(一般式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1~7のアルキル基、または炭素数1~7のアルコキシ基を表し、kおよびlはそれぞれ独立に1~5の整数を表し、Xは単結合またはアルキル鎖を表し、Yは反応性基由来の構造を表す)
本発明は、以下の画像形成装置も提供する。
感光層を有する電子写真感光体と、前記電子写真感光体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を静電荷像現像用トナーで現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と、を有する画像形成装置であって、前記感光層が、下記一般式(1)で表される構造を有する電荷輸送物質を含み、前記静電荷像現像用トナーが光輝性顔料を含む、画像形成装置。
Figure 2022103887000002
(一般式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1~7のアルキル基、または炭素数1~7のアルコキシ基を表し、kおよびlはそれぞれ独立に1~5の整数を表し、Xは単結合またはアルキル鎖を表し、Yは反応性基由来の構造を表す)
本発明の画像形成方法や画像形成装置によれば、電子写真感光体にフィルミングが生じ難く、さらにクリーニング不良も生じ難い。また、光輝性トナーによって意匠性の高い画像を形成可能である。
図1は、本発明の画像形成装置の構成の一例を示す模式図である。 図2は、本発明の画像形成装置の電子写真感光体の構成の一例を示す模式図である。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。ただし、本発明は当該実施の形態に限定されない。
本発明の画像形成方法は、特定の感光層を有する画像形成装置および光輝性トナーを用いて、意匠性の高い画像を形成するための方法である。
前述のように、従来の一般的な電子写真方式の画像形成装置では、電子写真感光体の耐久性が重視されており、その表面に三次元架橋構造を有する保護層等を形成することが試みられていた。しかしながら、このような保護層を形成すると、フィルミングが生じたり、クリーニング不良が生じたりすることがあり、所望の品質の画像が得られないことがあった。
また、電子写真方式の画像形成装置に光輝性トナーをセットし、画像を形成した場合、得られる画像において、光沢ムラが目立ちやすいという課題があった。したがって、光輝性トナーによって、光沢ムラの少ない画像を形成する方法の提供も求められていた。
これに対し、本発明の画像形成方法では、感光層を有する画像形成装置を準備する工程(画像形成装置準備工程)と、前記感光層の表面に静電潜像を形成する工程(静電潜像形成工程)と、光輝性顔料を含む静電荷像現像用トナーによって前記静電潜像を現像し、画像を形成する工程(現像工程)と、を行う。
上記画像形成装置準備工程で準備する画像形成装置の感光層は、特定の構造を有する電荷輸送物質を含む。当該電荷輸送物質は、電荷輸送物質前駆体(単量体)が複数重合した構造を含むため、感光層が適度な硬さを有し、摩耗し難い。つまり、感光層上に保護層を形成しなくても、十分な硬度を実現できる。一方で、トナーが光輝性顔料を含むため、クリーニング時に、感光層とトナー(光輝性顔料)との間で適度な摩擦が生じやすい。したがって、感光層表面が適度に削り取られ、感光層にフィルミングやクリーニング不良が生じ難くなる。
また、上記電荷輸送物質では、電荷輸送に寄与する部分と重合に寄与する部分とが分子内で適度に離れている。電荷輸送性骨格を有することによる電荷移動性能の確保と架橋構造を有することによる強度発現の点で好ましい。そのため、感光層の電荷輸送性が非常に良好となり、感光層表面に均一にトナーを付着させやすい。つまり、トナーの形状が球状でなかったとしても、感光層表面にトナーを均一に付着させやすい。したがって、光輝性顔料を含むトナーを均一に転写することが可能となり、意匠性の高い画像が得られる。
以下、本発明の画像形成方法の各工程について、詳しく説明する。ただし、本発明の画像形成方法は、本発明の目的および効果を損なわない範囲において、上記以外の工程を含んでいてもよい。
1.画像形成装置準備工程
画像形成装置準備工程では、特定の構造を含む感光層を有する画像形成装置を準備する。本工程で準備する画像形成装置1(本発明の画像形成装置1)の一例を図1に示す。画像形成装置1は、画像読取部110、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50および定着手段60を有する。当該画像形成装置1は、画像形成部40の電子写真感光体(以下、単に「感光体」とも称する)413が特定の感光層3を有していればよく、感光層3以外は、通常の画像形成装置と同様とすることができる。また、当該画像形成装置1では、トナーに、光輝性顔料を含む光輝性トナーを使用する。そこで、感光体413および光輝性トナーについて、以下、詳しく説明する。
1-1.感光体
図2に、当該画像形成装置1の感光体413の層構成の一例を模式的に示す。感光体413は、導電性支持体10と、導電性支持体10上に配置された感光層3と、を少なくとも有していればよいが、必要に応じて導電性支持体10と感光層3との間に、バリア機能と接着機能とを有する中間層(図示せず)をさらに有していてもよい。また、本発明の目的および効果を損なわない範囲で、感光層3上に感光体413の表面を保護するための保護層(図示せず)を有していてもよい。ただし、上述のように、感光層3が十分な行動を有することから、保護層はなくてもよく、また特にフィルミング耐性やクリーニング性を高めるとの観点では、保護層がないことが好ましい。以下、感光体413の各構成について説明する。
(1)導電性支持体
導電性支持体10は、感光層3を支持するための部材であり、導電性を有する部材で構成される。導電性支持体10の種類の例には、金属製のドラム、金属製のシート、金属箔がラミネートされたプラスチックフィルム、導電性物質が蒸着されたプラスチックフィルム、ならびに導電性物質を含む塗料が塗布された金属部材やプラスチックフィルム、紙等が含まれる。金属の種類は、導電性を有していれば特に限定されず、その例には、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛、およびステンレス鋼が含まれる。また、導電性物質の例には、上記金属、酸化インジウムおよび酸化スズ等が含まれる。
導電性支持体の形状や構造は、画像形成装置1の種類や用途等に応じて適宜選択される。
(2)感光層
感光層3は、画像形成装置において、露光により所期の画像の静電潜像をその表面に形成するための層であり、特定の構造を有する電荷輸送物質を含む層である。図2では、感光層3を、電荷発生物質を含有する電荷発生層11と、特定の電荷輸送物質を含有する電荷輸送層12との積層体としている。ただし、感光層3は、電荷発生物質と特定の電荷輸送物質とを含有する単層であってもよい。
(電荷発生層)
電荷発生層11は、導電性支持体10上に配置される層であり、電荷を発生可能な電荷発生物質を含んでいればよく、通常、電荷発生物質とバインダ樹脂とを含む層である。
電荷発生物質の例には、スーダンレッドやダイアンブルー等のアゾ原料;ピレンキノンやアントアントロン等のキノン顔料;キノシアニン顔料;ペリレン顔料;インジゴやチオインジゴ等のインジゴ顔料;フタロシアニン顔料等が含まれる。電荷発生層11は、電荷発生物質を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。また、電荷発生層11中の電荷発生物質の量は、バインダ樹脂100質量部に対して、1~600質量部が好ましく、50~500質量部がより好ましい。
電荷発生層11が含むバインダ樹脂の例には、ポリスチレン樹脂や、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、これらの樹脂の内2つ以上を含む共重合体樹脂(例えば、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体樹脂等)、ポリ-ビニルカルバゾール樹脂等、が含まれる。電荷発生層11は、バインダ樹脂を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
電荷発生層11の厚さは、0.01~5μm程度が好ましく、0.05~3μmがより好ましい。
上記電荷発生層11の形成方法は特に制限されない。例えば上記電荷発生物質およびバインダ樹脂を溶媒に溶解させた電荷発生層用塗布液を導電性支持体10上に塗布し、固化させることにより、電荷発生層11を形成できる。
電荷発生層用塗布液に使用する溶媒は、上記電荷発生物質およびバインダ樹脂を均一に分散または溶解可能であれば特に制限されず、その例には、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、1,2-ジクロロエタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、ピリジン、3-メチル-2-ブタノン、シクロヘキサノン、ジエチルアミン、またはこれらの混合物等が含まれる。
電荷発生層用塗布液の調製方法は特に制限されず、例えば、超音波分散機や、ボールミル、サンドグラインダー、ホモミキサー等の分散機によって、電荷発生物質等を分散させてもよい。
さらに、電荷発生層用塗布液の塗布方法は、電荷発生層用塗布液の組成に応じて適宜選択され、その例には、浸漬塗布法スプレーコーティング法が含まれる。さらに、電荷発生層用塗布液の固化方法は、溶媒の種類や電荷発生層の所望の厚み等に応じて適宜選択される。自然乾燥や熱乾燥等であってもよい。
(電荷輸送層)
電荷輸送層12は、上記電荷発生層11上に配置される層であり、特定の構造を有する電荷輸送物質を含む層である。電荷輸送層12は、さらにバインダ樹脂を含んでいてもよい。
電荷輸送物質は、下記一般式(1)で表される構造(構造単位)を含んでいればよく、通常、下記一般式(1)で表される構造単位が、Yを介して複数連なった構造を有する。当該電荷輸送物質は、下記構造単位を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。また、電荷輸送物質中には、下記一般式(1)で表される構造以外の構造を含んでいてもよい。ただし、電荷輸送物質(重合体)の構造単位の総量に対して、80質量%以上が、下記一般式(1)で表される構造単位であることが好ましく、全てが下記式(1)で表される構造単位であることがより好ましい。
Figure 2022103887000003
ここで、上記一般式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1~7のアルキル基、または炭素数1~7のアルコキシ基を表す。これらの中でメチル基、n-プロピル基、メトキシ基が好ましく、メチル基がより好ましい。また、kおよびlはそれぞれ独立に1~5の整数を表し、1~2がより好ましい。なお、kまたはlが2以上である場合、複数のR、または複数のRは、すべて同一の基であってもよく、異なっていてもよい。
さらに、上記一般式(1)において、Xは、単結合またはアルキル鎖を表す。Xがアルキル鎖である場合、アルキル鎖は直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。中でも、Xは、単結合、または炭素数が5までの直鎖状のアルキル鎖、すなわち下記一般式(2)で表される構造が好ましい。
Figure 2022103887000004
上記式中、mは0~5の整数を表す。
一方、Yは、反応性基由来の構造を表し、当該反応性基が反応(重合)した後の構造を表す。本明細書において、反応性基とは、電荷輸送層形成用塗布液の塗布後、加熱等によって反応し、重合可能な基をいう。反応性基の例には、不飽和炭素二重結合を持つ官能基が含まれる。具体例にはアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニルフェニル基、アリル基、ビニル基、ビニルエーテル基、アリルビニルエーテル基、これらの誘導体等が含まれる。これらの中でも、反応性の観点で、ビニル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基がより好ましい。
電荷輸送層12が、上記構造の電荷輸送物質を含むと、その硬度が適度に高くなる。一方で、上記電荷輸送物質では、重合部分(Y)と、電荷輸送性を有する部分(芳香環を含む部分)とが、適度に離れている。したがって、電荷輸送性を有する部分が十分に機能しやすく、電荷輸送層12の電荷輸送性が高くなる。
ここで、上記電荷輸送物質の量は、バインダ樹脂100質量部に対して10~500質量部が好ましく、20~100質量部がより好ましい。
一方、電荷輸送層12が含むバインダ樹脂の例には、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン-アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、およびスチレン-メタクリル酸エステル共重合体樹脂等が含まれる。電荷輸送層12は、バインダ樹脂を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
また、電荷輸送層12は、必要に応じて酸化防止剤等を含んでいてもよい。酸化防止剤の種類は特に制限されず、特開2000-305291号公報等に開示されているものが好ましい。
電荷輸送層12の厚さは、5~40μmが好ましく、10~30μmがより好ましい。
上記電荷輸送層12は、下記一般式(1’)で表される構造を有する電荷輸送物質前駆体およびバインダ樹脂またはその前駆体、ならびに必要に応じて重合開始剤や上述の酸化防止剤等を含む電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層11上に塗布し、加熱または活性線照射により電荷輸送物質前駆体を重合させることによって形成できる。なお、必要に応じて溶媒を使用してもよい。
Figure 2022103887000005
一般式(1’)中、R、R、k、l、およびXは、上述の一般式(1)におけるR、R、k、l、およびXと同様である。また、Y’は、上述の反応性基を表す。
上記一般式(1’)で表される電荷輸送物質前駆体の具体例には、以下の化合物が含まれる。
Figure 2022103887000006
一方、重合開始剤としては、光重合開始剤が挙げられる。光重合開始剤としては、アルキルフェノン系化合物、又はフォスフィンオキサイド系化合物が好ましい。特に、α-ヒドロキシアセトフェノン構造、または、アシルフォスフィンオキサイド構造を有する化合物が好ましい。
また、電荷輸送層形成用塗布液に使用する溶媒は、上記電荷輸送物質前駆体およびバインダ樹脂を均一に分散または溶解可能であれば特に制限されず、その例には、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、1,2-ジクロロエタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、ピリジン、ジエチルアミン、またはこれらの混合物等が含まれる。
なお、電荷輸送層形成用塗布液の調製方法や塗布方法は、電荷発生層用塗布液の調製方法や塗布方法と同様である。また、電荷輸送層形成用塗布液の硬化、すなわち上記電荷輸送物質前駆体の重合は、活性線照射や加熱等によって行うことができる。
この場合の硬化条件は、塗膜に含まれる電荷輸送物質前駆体の種類、樹脂の種類、溶媒の種類、塗膜の厚さ等によって適宜選択できる。例えば、電荷輸送物質前駆体が、活性線照射により硬化する成分である場合、活性線を照射することで電荷輸送層を形成することができる。活性線としては紫外線や電子線がより好ましく、紫外線が使用しやすく特に好ましい。
紫外線光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、フラッシュ(パルス)キセノン等を用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、活性線の照射量は、通常5~500mJ/cmであり、好ましくは5~100mJ/cmの範囲内である。ランプの電力は、好ましくは0.1kW~5kWであり、特に好ましくは、0.5kW~3kWの範囲内である。
電子線源である電子線照射装置に格別の制限はなく、一般には電子線照射用の電子線加速機が用いられ、比較的安価で大出力が得られるカーテンビーム方式の電子線加速機が有効に用いられる。電子線照射の際の加速電圧は、100~300kVの範囲内であることが好ましい。吸収線量は、0.5~10Mradの範囲内であることが好ましい。
必要な活性線の照射量を得るため、活性線の照射時間としては、0.1秒間~10分間が好ましく、作業効率の観点から0.1秒間~5分間がより好ましい。
一方、加熱によって電荷輸送物質前駆体の重合を行う場合、加熱温度は、100~140℃が好ましく、110~130℃がより好ましい。当該温度範囲であると、電荷輸送物質前駆体の重合を十分に行うことができる。さらに、加熱時間は50~150分が好ましく、60~120分がより好ましい。
(中間層)
上述のように、導電性支持体10と感光層3との間に中間層を形成してもよい。中間層はバインダ樹脂と、無機粒子とを含む層とすることができる。
中間層が含むバインダ樹脂の例には、カゼインや、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン-アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリウレタン、ゼラチン等が含まれる。中間層は、バインダ樹脂を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
また、中間層が含む無機粒子の例には、アルミナや酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマスなどの金属酸化物粒子;スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズや酸化ジルコニウム等の超微粒子が含まれる。中間層は、これらを1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
また、中間層が金属酸化物粒子を2種以上含む場合、当該金属酸化物粒子が固溶体状態であってもよいし、融着状態であってもよい。金属酸化物粒子の数平均一次粒子径は、0.3μm以下が好ましく、0.1μm以下がより好ましい。上記金属酸化物粒子の数平均一次粒子径は、中間層中の金属酸化物粒子を走査型電子顕微鏡JEM-7500F(日本電子社製)により加速電圧80kVにて撮影し、10000倍の拡大写真から、スキャナーによりランダムに取り込まれた100個の金属酸化物粒子(凝集粒子を除く)の写真画像を自動画像処理解析装置LUZEXAP(ソフトウエアバージョンVer.1.32、ニレコ社製)で処理、解析し、算出された値である。
無機粒子の量は、バインダ樹脂100質量部に対して20~400質量部が好ましく、50~200質量部がより好ましい。
中間層の厚さは、0.1~15μmが好ましく、0.3~10μmがより好ましい。
当該中間層は、バインダ樹脂と、無機粒子と、溶媒とを含む中間層形成用塗布液を塗布し、固化させることにより形成できる。中間層形成用塗布液が含む溶媒の例には、エタノールやn-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール、t-ブタノール、sec-ブタノール、テトラヒドロフラン、またはこれらの混合物等が含まれる。
なお、中間層形成用塗布液の調製方法や塗布方法、固化方法は、電荷発生層用塗布液の調製方法や塗布方法、固化方法等と同様である。
1-2.光輝性トナー
次に、上記画像形成装置に使用する光輝性トナーについて、説明する。光輝性トナーは、光輝性顔料を含むトナー母体粒子と外添剤とから構成される。光輝性トナーは、本発明の目的および効果を損なわない範囲において、他の成分を含んでいてもよい。光輝性トナーは、一成分現像剤であってもよく、二成分現像剤であってもよい。光輝性トナーが二成分現像剤である場合には、トナー母体粒子および外添剤(以下、これらをまとめて「トナー粒子」とも称する)の他に、キャリア粒子をさらに含む。
(1)トナー母体粒子
トナー母体粒子は、少なくとも結着樹脂および光輝性顔料を少なくとも含み、通常離型剤をさらに含む。
(結着樹脂)
結着樹脂は、トナー粒子を記録媒体に結着させる機能を担う樹脂である。結着樹脂は、非晶性樹脂と結晶性樹脂のいずれか一方を含んでいてもよく、両方を含んでいてもよい。結着樹脂が非晶性樹脂と結晶性樹脂を含有する場合、得られるトナー母体粒子において、非晶性樹脂が連続相であるマトリクスを形成し、結晶性樹脂がマトリクス中に孤立・分散したドメインを形成した構成となる。
結着樹脂の含有量は、トナー母体粒子の総量に対して10~90質量%が好ましく、20~80質量%がより好ましい。結着樹脂の量が当該範囲であると、光輝性トナーを用いて形成した画像が記録媒体に定着しやすくなる。
・非晶性樹脂
トナー母体粒子が含む非晶性樹脂の例には、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ウレア樹脂等が含まれ、中でもビニル系樹脂やポリエステル樹脂が好ましい。本明細書において、非晶性樹脂とは、当該樹脂について示差走査熱量測定(DSC)を行った時に、融点を有さず、比較的高いガラス転移温度(Tg)を有する樹脂である。
DSC測定において1度目の昇温過程におけるガラス転移温度をTg1とし、2度目の昇温過程におけるガラス転移温度をTg2としたとき、上記非晶性樹脂のTg1は、35~80℃が好ましく、45~65℃がより好ましい。また、上記非晶性樹脂のTg2は20~70℃が好ましく、30~55℃がより好ましい。
非晶性樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定される分子量は、重量平均分子量(Mw)で10000~100000が好ましい。当該値はポリスチレン換算値である。
ビニル系樹脂とは、少なくともビニル系単量体由来の構造を有する樹脂である。非結晶性のビニル系樹脂の具体例には、アクリル樹脂や、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体とから得られるスチレン-アクリル樹脂等が含まれ、スチレン-アクリル樹脂が好ましい。スチレン-アクリル樹脂の含有量は、結着樹脂の全量に対して、70質量%以上が好ましい。以下、スチレン-アクリル樹脂について、詳しく説明するが、非晶性脂は、これらに限定されない。
ビニル系樹脂の原料となるスチレン系単量体の例には、スチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、α-メチルスチレン、p-フェニルスチレン、p-エチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、p-n-ヘキシルスチレン、p-n-オクチルスチレン、p-n-ノニルスチレン、p-n-デシルスチレン、p-n-ドデシルスチレンや、これらの誘導体が含まれる。スチレン-アクリル樹脂は、これらを1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
ビニル系樹脂の原料となる(メタ)アクリル酸エステル系単量体の例には、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、t-ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n-オクチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、フェニルアクリレート等のアクリル酸エステル単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t-ブチルメタクリレート、n-オクチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル等が含まれる。スチレン-アクリル樹脂は、これらを1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
なお、スチレン-アクリル樹脂は、上記以外の第三の重合性単量体由来の構造を含んでいてもよい。第三の重合性単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、ビニル酢酸等の酸単量体;(メタ)アクリルアミド;アクリロニトリル;エチレン;プロピレン;ブチレン塩化ビニル;N-ビニルピロリドン等が含まれる。さらに、スチレン-アクリル樹脂は、多官能ビニル単量体由来の構造を含んでいてもよい。多官能ビニル単量体の例には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等のジアクリレート、ジビニルベンゼン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の三級以上のアルコールのジメタクリレート;トリメタクリレート;ブタジエン等が含まれる。スチレン-アクリル樹脂は、これらを1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
スチレン-アクリル樹脂は、上記の単量体を公知の乳化重合法等で重合することにより調製できる。重合の際に使用する重合開始剤や連鎖移動剤等は、公知のものを使用できる。
さらには、トナーの機械的強度を和らげ外添剤の埋没を抑制するために、非晶性のポリエステル樹脂(以下、単に「非晶性ポリエステル樹脂」ともいう)を併用することが好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸(誘導体)及び多価アルコール(誘導体)を原料として適宜の触媒の存在下で重縮合反応によって製造されたものである。
多価カルボン酸とは、1分子中にカルボキシ基を2個以上含有する化合物である。多価カルボン酸誘導体としては、多価カルボン酸のアルキルエステル、酸無水物及び酸塩化物を用いることができる。
多価カルボン酸としては、例えばシュウ酸、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、β-メチルアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、フマル酸、シトラコン酸、ジグリコール酸、シクロヘキサン-3,5-ジエン-1,2-ジカルボン酸、リンゴ酸、クエン酸、ヘキサヒドロテレフタール酸、マロン酸、ピメリン酸、酒石酸、粘液酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロロフタル酸、クロロフタル酸、ニトロフタル酸、p-カルボキシフェニル酢酸、p-フェニレン二酢酸、m-フェニレンジグリコール酸、p-フェニレンジグリコール酸、o-フェニレンジグリコール酸、ジフェニル酢酸、ジフェニル-p,p’-ジカルボン酸、ナフタレン-1,4-ジカルボン酸、ナフタレン-1,5-ジカルボン酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、ドデセニルコハク酸等の2価のカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ピレントリカルボン酸、及びピレンテトラカルボン酸等の3価以上のカルボン酸などを挙げることができる。
多価カルボン酸としては、フマル酸、マレイン酸、メサコン酸などの不飽和脂肪族ジカルボン酸またはその酸無水物を用いることが好ましい。
多価アルコールとは、1分子中に水酸基を2個以上含有する化合物である。多価アルコール誘導体としては、多価アルコールのエステル化合物及びヒドロキシカルボン酸を用いることができる。
多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等の2価のアルコール;グリセリン、ペンタエリスリトール、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサエチロールメラミン、テトラメチロールベンゾグアナミン、及びテトラエチロールベンゾグアナミンなどの3価以上のポリオール等を挙げることができる。
・結晶性樹脂
トナー母体粒子が、結晶性樹脂を含むと、トナー母体粒子の柔軟性が高まりやすく、外添剤がトナー母体粒子の周囲に固着しやすくなる。なお、本明細書において「結晶性」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱変化ではなく、明確な吸熱ピークを有することを意味する。「明確な吸熱ピーク」とは、DSCにおいて、昇温速度10℃/分で測定した際に、吸熱ピークの半値幅が15℃以内であるピークを意味する。なお、吸熱ピークの半値幅が小さいほど結晶化度が高いといえる。
ここで、結晶性樹脂の種類は特に制限されないが、結晶性ポリエステル樹脂を含有することが好ましい。結着樹脂が結晶性ポリエステル樹脂を含有すると、トナー母体粒子が溶けやすくなり、低温定着性が良好になる。
結晶性ポリエステル樹脂は、エステル構造を複数有し、かつ結晶性を有する樹脂であればよい。結着樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。上記結晶性ポリエステル樹脂は、通常、多価カルボン酸と多価アルコールとを公知の方法によって脱水縮合反応させて得られる。
結晶性ポリエステル樹脂を得るための多価カルボン酸は、2価以上のカルボン酸であればよく、例えばトリメリット酸やピロメリット酸等の3価以上のカルボン酸であってもよい。ただし、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性の観点から、ジカルボン酸が好ましい。ジカルボン酸の例には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9-ノナンジカルボン酸、1,10-デカンジカルボン酸、1,11-ウンデカンジカルボン酸、1,12-ドデカンジカルボン酸(ドデカン二酸)、1,13-トリデカンジカルボン酸、1,14-テトラデカンジカルボン酸、1,16-ヘキサデカンジカルボン酸、1,18-オクタデカンジカルボン酸等の脂肪族カルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、t-ブチルイソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、および4,4’-ビフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸が含まれる。結晶性ポリエステル樹脂は、これらの多価カルボン酸由来の構造単位を1種のみを含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
一方、結晶性ポリエステル樹脂を得るための多価アルコールは、2価以上のアルコールであればよく、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、およびソルビトール等の3価以上のアルコールであってもよい。ただし、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性の観点から、2価のアルコールが好ましい。2価のアルコールの例には、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,13-トリデカンジオール、1,14-テトラデカンジオール、1,18-オクタデカンジオール、1,20-エイコサンジオール等の脂肪族ジオール;2-ブテン-1,4-ジオール、3-ヘキセン-1,6-ジオール、4-オクテン-1,8-ジオール等の不飽和二重結合を有するジオール、さらにはスルホン酸基を有するジオール等が含まれる。結晶性ポリエステル樹脂は、これらの多価アルコール由来の構造単位を1種のみを含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
ここで、結晶性ポリエステル樹脂の融点は、トナー母体粒子を十分に軟化させて十分な低温定着性を確保する観点から、50℃以上85℃以下が好ましく、さらに種々の特性をバランスよく向上させる観点から、60℃以上80℃以下がより好ましい。結晶性ポリエステル樹脂の融点は、樹脂の構造(例えばモノマーの種類)によって制御できる。
また、結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は5000~50000が好ましく、数平均分子量(Mn)は2000~20000が好ましい。結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)や数平均分子量(Mn)が当該範囲であると、低温定着性が良好になる。
上記結晶性ポリエステル樹脂は、公知の方法で調製できる。
(光輝性顔料)
光輝性顔料は、画像に光沢を付与可能な顔料であればよく、その例には金属顔料、パール状顔料等が含まれる。より具体的には、アルミニウム、黄銅、青銅、ニッケル、ステンレス鋼、亜鉛、銅、銀、金、白金等の金属粉末;酸化チタンや黄色酸化鉄を被覆した雲母、硫酸バリウム、層状ケイ酸塩、層状アルミニウムのケイ酸塩等の被覆薄片状無機結晶基質;単結晶板状酸化チタン;塩基性炭酸塩;酸オキシ塩化ビスマス;天然グアニン;薄片状ガラス粉;金属蒸着された薄片状ガラス粉等、光輝性を有するものならば特に制限はない。中でも、コストや安定性、入手容易性、光輝性の観点から、金属顔料が好ましく、アルミニウム顔料がより好ましく、アルミニウム金属単体の金属顔料であることが特に好ましい。
光輝性顔料の形状は特に制限されず、球形等であってもよいが、扁平状であることが好ましい。本明細書において、光輝性顔料が扁平状であるとは、扁平度が1より大きいことを表す。扁平度は、光輝性顔料の最大長さを長径、当該長径に直交する方向における最大長さを短径、上記長径に直交する方向の最少長さを厚さ、とするときに、厚さに対する短径の比率が1.4以上である形状であること、をいう。光輝性顔料の扁平度は、1.4より大きいことが好ましく、1.4~150がより好ましく、5~80がさらに好ましい。光輝性顔料の扁平度が1.4超であると、トナー粒子も扁平になりやすく、上述の感光体413と光輝性トナーとの摩擦力がより良好になる。光輝性顔料の扁平度は次のようにして特定する。長径と短径の測定は100個のトナーについて走査型電子顕微鏡JSM-7401F(日本電子社製)にて5000倍の写真を撮影し、この写真画像をスキャナーにより取り込む。そして、画像処理解析装置LUZEX(登録商標)AP(ニレコ社製)を用いて画像解析することにより行う。厚さは透過型電子顕微鏡で断面観察を行うことで特定する。
光輝性顔料が扁平状である場合、その平面視形状は特に制限されず、例えば円板状やフレーク状等、いずれの形状であってもよいが、扁平状の光輝性顔料の長径は、1~150が好ましく、5~80がより好ましい。光輝性顔料の長径とは、扁平状の光輝性顔料の最大の径を意味する。光輝性顔料の長径が当該範囲であると、得られる画像の光輝性が良好になりやすい。光輝性顔料の長径は、上述の方法によって測定される。
一方、光輝性顔料の厚みは、0.1~10が好ましく、0.5~8がより好ましい。光輝性顔料の厚みが当該範囲であると、上述の感光体413のフィルミング等を抑制しやすくなる。
光輝性顔料の含有量は、トナー母体粒子の総量に対して10~90質量%が好ましく、20~80質量%がより好ましい。光輝性顔料の含有量が当該範囲であると、得られる画像の光輝性が良好になりやすい。
(離型剤)
トナー母体粒子は、離型剤を含むことが好ましい。離型剤としては、公知の種々のワックスを用いることができる。ワックスの例には、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの分枝鎖状炭化水素ワックス;パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス;カルナバワックス、モンタンワックス、ベヘン酸ベヘニル、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18-オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス;エチレンジアミンベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミド等のアミド系ワックス;が含まれる。離型剤は、これらを1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
離型剤の量は、上記結着樹脂100質量部に対して0.1~30質量部が好ましく、1~10質量部がより好ましい。
(その他)
トナー母体粒子は、上記結着樹脂、光輝性顔料、および離型剤の他に、さらに必要に応じて必要な成分を含んでいてもよい。他の成分の例には、光輝性顔料以外の着色剤や、荷電制御剤等が含まれる。
着色剤の例には、カーボンブラック、磁性体、顔料および染料等が含まれる。トナー母体粒子は、着色剤を1種飲み含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。着色剤の量は、所望の色や、着色剤の種類等に合わせて適宜選択される。
一方、荷電制御剤は、摩擦帯電により正または負の帯電を与えることのできる物質であれば特に限定されず、公知の種々の正帯電制御剤および負帯電制御剤を用いることができる。荷電制御剤の例には、ニグロシン系染料、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、および、サリチル酸金属塩またはその金属錯体等が含まれる。トナー母体粒子は、荷電制御剤を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。荷電制御剤の量は、結着樹脂の総量100質量部に対して2~20質量部が好ましい。
(トナー母体粒子の構造および調製方法)
トナー母体粒子の構造は、単層構造であってもよいし、コアとその表面を被覆するシェル層とを備えるコア・シェル構造のような多層構造であってもよい。シェル層は、コアの全表面を被覆していなくてもよく、部分的にコアが露出していてもよい。コア・シェル構造の断面は、例えば透過型電子顕微鏡(TEM:TransmissionElectronMicroscope)、走査型プローブ顕微鏡(SPM:ScanningProbeMicroscope)等の公知の観察手段によって、確認できる。なお、本明細書でいうコア・シェル構造には、三重以上の構造も含む。
コア・シェル構造の場合は、コアとシェル層でガラス転移点、融点、硬度などの特性を異ならせることができ、目的に応じたトナー母体粒子の設計が可能である。例えば、結着樹脂、光輝性顔料、離型剤等を含有し、ガラス転移点が比較的低いコアの表面に、ガラス転移点が比較的高い樹脂を凝集、融着させて、シェル層を形成してもよい。
また、例えば3層構造を有する結着樹脂粒子を、第1段重合(内層の形成)、第2段重合(中間層の形成)および第3段重合(外層の形成)の3段階に分けて作製してもよい。また、ここで、第1段重合~第3段重合のそれぞれの重合反応において、重合性単量体の組成を変更することで、組成の異なる3層構成の結着樹脂粒子を作製できる。また、例えば、第1段重合~第3段重合のいずれかにおいて、離型剤等を含有した状態で結着樹脂の合成反応を行うことで、所望の層に離型剤を含有させることができる。また、光輝性顔料は、上記結着樹脂粒子を調製する際に混合してもよく、上記結着樹脂粒子とは別に準備し、これらを混合してもよい。
ここで、トナー母体粒子(ひいてはトナー粒子)は、扁平状であることが好ましく、その扁平度は1.4より大きいことが好ましく、1.4~150がより好ましく、5~80がさらに好ましい。トナー母体粒子の扁平度が当該範囲であると、フィルミングが生じ難くなる。トナー母体粒子の扁平度は100個のトナーについて走査型電子顕微鏡JSM-7401F(日本電子社製)にて5000倍の写真を撮影し、この写真画像をスキャナーにより取り込む。そして画像処理解析装置LUZEX(登録商標)AP(ニレコ社製)を用いて画像解析することにより行う。
一方、トナー母体粒子の体積平均粒径は、体積基準のメジアン径(D50)で、3~50μmであることが好ましい。体積基準のメジアン径を上記範囲とすることにより、細線の再現性や、画像の高画質化が達成できると共に、光輝性トナーの流動性も確保できる。ここで、トナー母体粒子の体積基準のメジアン径(D50)は、たとえば、マルチサイザー3(ベックマン・コールター株式会社製)に、データ処理用のコンピューターシステムを接続した装置を用いて測定、算出することができる。
(2)外添剤
外添剤は、トナー粒子の流動性や帯電性等を制御する機能を果たす。外添剤は、少なくともランタンドープチタン酸化合物を含んでいればよい。外添剤はさらに、他の化合物を含んでいてもよい。
(ランタンドープチタン酸化合物)
ランタンドープチタン酸化合物は、ランタンがドープされたチタン酸化合物であればよく、チタン酸化合物の種類は特に制限されない。ランタンドープチタン酸化合物の例には、ランタンドープチタン酸ストロンチウム、ランタンドープチタン酸カルシウム、およびランタンドープチタン酸バリウムが含まれる。
また、ランタンドープチタン酸化合物は、表面収縮剤によって表面修飾されていてもよい。表面修飾剤の例には、ヘキサメチルジシラザンのようなアルキルシラザン系化合物、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシランのようなアルキルアルコキシシラン系化合物、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシランのようなクロロシラン系化合物、シリコーンオイル、シリコーンワニス等が含まれる。これらの表面修飾剤は1種であってもよく、2種以上であってもよい。
ランタンドープチタン酸化合物におけるランタン含有率は、ランタンドープチタン酸化合物の総量に対して3.4~14.9質量%が好ましい。当該ランタン含有率が3.4質量%以上の場合、紡錘状に近くなり、感光体413との摩擦力を適度に調整できる。一方、当該ランタン含14.9質量%以下とすることで、粒度をコントロールしやすくなり、粗大粒子の発生等を抑制できる。
また、感光層との摩擦力を適度にし、かつ流動性を良好にする観点で、前記ランタンドープチタン酸化合物の平均円形度は、0.82~0.990が好ましい。ランタンドープチタン酸化合物における平均円形度の測定は、100個のランタンドープチタン酸化合物について走査型電子顕微鏡JSM-7401F(日本電子社製)にて40000倍の写真を撮影し、この写真画像をスキャナーにより取り込む。画像処理解析装置LUZEX(登録商標)AP(ニレコ社製)を用いて画像解析することにより行う。
解析された画像から円相当径周囲長及び周囲長を求めた上で、下記式に従って各々の外添剤(ランタンドープチタン酸化合物)の円形度を求め、それらを平均して求める。
式:円形度=円相当径周囲長/周囲長=[2×(Aπ)1/2]/PM
上記式において、Aは外添剤(ランタンドープチタン酸化合物)の投影面積、PMは外添剤(ランタンドープチタン酸化合物)の周囲長を表す。円形度は、1.0の場合は真球であり、数値が低いほど外周に凹凸があり、異形の度合いが高くなる。
ランタンドープチタン酸化合物の数平均一次粒子径は、10~100nmが好ましい。当該ランタンドープチタン酸化合物の数平均一次粒子径を、10nm以上とすることで、帯電制御剤としての機能を効果的に発現させ、100nm以下とすることで、研磨性を強くしすぎることなく、本発明の効果を有効に得ることができる。
ランタンドープチタン酸化合物の一次粒子径は、トナー母体粒子に外添剤を外添(分散)させた後、外添剤の一次粒子100個を走査型電子顕微鏡JSM-7401F(日本電子社製)にて40000倍で観察し、一次粒子の画像解析によって粒子ごとの最長径及び最短径を測定し、この中間値から球相当径として測定する。そして、測定した一次粒子径の100個の平均を、数平均一次粒子径とする。
また、ランタンドープチタン酸化合物のトナー母体粒子表面への平均付着強度は、50~100%が好ましい。当該平均付着強度が50質量%以上である場合、トナー母体粒子からランタンドープチタン酸ストロンチウム粒子が脱離しにくくなる。
ランタンドープチタン酸化合物の平均付着強度は、トナー粒子を界面活性剤水溶液中で3分間超音波分散処理する前後のチタン原子の存在量を以下のようにして測定することにより算出する。トナー粒子3gを100mLのプラスチックカップ中で、ポリオキシエチルフェニルエーテルの0.2質量%水溶液40gに湿潤し、超音波式ホモジナイザーにて、超音波エネルギーを本体装置に付属の振動指示値を示す電流計の値が60μA(50W)を示すように調整して3分間印加し、超音波による分散処理を行う。次いで、トナー粒子を目開き1μmのフィルターを使用して濾過し、60mLの純水を用いて洗浄し、乾燥する。
そして乾燥後のサンプル(以下、サンプルAとする。)について、波長分散型蛍光X線分析装置XRF-1700(島津製作所社製)を用いて、当該乾燥後のサンプルAに残存したチタン原子量の測定を行う。具体的な測定方法としては、上記乾燥後のサンプルA2gを加圧してペレット化し、定性分析にて下記条件で測定を行う。なお、測定には2θテーブルより測定したい元素のKαピーク角度を決定して用いる。
分光計条件
スリット:標準
アッテネータ:なし
分光結晶:LiF
検出器:SC
また、トナー粒子3gについて、上記超音波分散をしていないこと以外は同様にしてサンプル(以下、サンプルBとする)を作製し、当該サンプルBのチタン原子量についても測定する。そして、Ti残存率を、サンプルAのTiKα分析線のNet強度の値を、サンプルBのTiKα分析線のNet強度の値で割った値によって算出し、これを平均付着強度とする。
ここで、異なる温度・湿度環境下における帯電量の変動を抑制する観点から、ランタンドープチタン酸化合物の含有率は、トナー粒子全量に対して、0.1~1.0質量%が好ましい。
(その他の外添剤)
外添剤には、本発明の効果を阻害しない限り、ランタンドープチタン酸化合物のほかに、流動性や帯電性を改善する目的で他の外添剤を添加することもできる。他の外添剤の例には、脂肪酸金属、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、二酸化チタン微粒子等の無機酸化物微粒子が含まれる。
(3)トナー粒子の物性および製造方法
上記トナー母体粒子および外添剤を含むトナー粒子の大きさおよび形状は、本発明の効果および目的を損なわない範囲であれば特に制限されない。通常、トナー粒子の体積基準のメジアン径(D50)は、3μm以上80μm以下が好ましく、トナー粒子の平均円形度は、0.200以上1.000以下が好ましい。トナー粒子の体積基準のメジアン径(D50)の測定方法やトナー粒子の平均円形度の測定方法は、トナー母体粒子の体積平均粒径の測定方法やトナー母体粒子の平均円形度の測定方法と同様である。
トナー粒子の製造方法は、特に制限されず、上述のトナー母体粒子と外添剤とを公知の方法で混合すればよい。トナー母体粒子と外添剤との混合には、機械式混合装置等を用いることができる。機械式混合装置の例には、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、タービュラーミキサー等が含まれる。これらの中で、ヘンシェルミキサーのように処理される粒子に剪断力を付与できる混合装置を用いて、混合時間を長くする又は撹拌羽根の回転周速を上げる等の混合処理を行うことが好ましい。また、複数種類の外添剤を使用する場合、トナー母体粒子に対して全ての外添剤を一括で混合処理するか、又は外添剤に応じて複数回に分けて分割して混合処理してもよい。
また、トナー母体粒子および外添剤を混合する際、混合強度、すなわち撹拌羽根の周速、混合時間、または混合温度等を制御することによって外添剤の解砕度合いや付着強度を制御することができる。
(4)二成分現像剤
二成分現像剤は、上述のトナー粒子と、キャリア粒子等とを混合することにより調製できる。
二成分現像剤が含むキャリア粒子は、従来公知の磁性粒子であってもよく、その例には、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属や、これらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金を含む粒子が含まれる。キャリア粒子は、磁性体からなる芯材粒子と、その表面を被覆する被覆材の層とを有する被覆型キャリア粒子であってもよい。さらに、樹脂中に磁性体の微粉末が分散された樹脂分散型のキャリア粒子であってもよい。キャリア粒子は、感光体へのキャリア粒子の付着を抑制する観点から、被覆型キャリア粒子が好ましい。
キャリア粒子の平均粒径は、体積基準のメジアン径で15μm以上100μm以下が好ましく、25μm以上80μm以下がより好ましい。キャリア粒子の体積基準のメジアン径は、例えば、湿式分散機を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置(HELOS;SYMPATEC社)で測定できる。
なお、キャリア粒子は、上述のトナー粒子に適量混合すればよい。当該混合に用いられる混合装置の例には、ナウターミキサー、WコーンおよびV型混合機等が含まれる。
二成分現像剤中のキャリア粒子およびトナー粒子の合計に対するトナー粒子の比率(トナー濃度)は4.0~8.0質量%が好ましい。トナー粒子の比率が4.0~8.0質量%であると、トナーの帯電量が適切となり、初期および連続印字後の画質がより良好となる。
1-3.画像形成装置の他の構成
以下、本発明の画像形成方法で使用する画像形成装置1(本発明の画像形成装置)の感光体413、および光輝性トナー以外の構成について説明する。
画像形成装置1の画像形成部40は、上述の光輝性トナーによる画像を形成する画像形成ユニット41Lを有していればよいが、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナーによる画像形成ユニット41Y、41M、41Cおよび41Kをさらに含んでいてもよい。この場合、画像形成ユニット41Lは、例えばY(イエロー)の前に配置されていてもよく、K(ブラック)の後に配置されていてもよい。各色トナーは、上述の光輝性トナーの光輝性顔料を、各色トナーに変更したものとすることができる。画像形成部40は、さらに、中間転写ユニット42および二次転写ユニット43を有する。これらは、転写手段に相当する。
画像形成ユニット41は、露光手段411、現像手段412、上述の感光体413、帯電手段414、およびドラムクリーニング装置415を有する。上述の感光体413は、例えば負帯電型の有機感光体として使用される。帯電手段414は、例えばコロナ帯電器である。帯電手段414は、帯電ローラーや帯電ブラシ、帯電ブレードなどの接触帯電部材を感光体413に接触させて帯電させる接触帯電手段であってもよい。露光手段411は、例えば、光源としての半導体レーザーと、形成すべき画像に応じたレーザー光を感光体413に向けて照射する光偏向装置(ポリゴンモータ)とを含む。
図1に示す現像手段412は、二成分現像方式の現像装置である。現像手段412は、例えば、二成分現像剤を収容する現像容器と、当該現像容器の開口部に回転自在に配置されている現像ローラー(磁性ローラー)と、二成分現像剤が連通可能に現像容器内を仕切る隔壁と、現像容器における開口部側の二成分現像剤を現像ローラーに向けて搬送するための搬送ローラーと、現像容器内の二成分現像剤を撹拌するための撹拌ローラーと、を有する。上記現像容器には、二成分現像剤として、上述の光輝性トナー等が収容されている。
中間転写ユニット42は、中間転写ベルト421、中間転写ベルト421を感光体413に圧接させる一次転写ローラー422、バックアップローラー423Aを含む複数の支持ローラー423、およびベルトクリーニング装置426を有する。中間転写ベルト421は、複数の支持ローラー423にループ状に張架される。複数の支持ローラー423のうちの少なくとも一つの駆動ローラーが回転することにより、中間転写ベルト421は矢印A方向に一定速度で走行する。
二次転写ユニット43は、無端状の二次転写ベルト432、および二次転写ローラー431Aを含む複数の支持ローラー431を有する。二次転写ベルト432は、二次転写ローラー431Aおよび支持ローラー431によってループ状に張架される。
定着手段60は、例えば、定着ローラー62と、定着ローラー62の外周面を覆い、用紙S上のトナー画像を構成するトナーを加熱、融解するための無端状の発熱ベルト63と、用紙Sを定着ローラー62および発熱ベルト63に向けて押圧する加圧ローラー64と、を有する。用紙Sは、記録媒体に相当する。
画像形成装置1は、さらに、画像読取部110、画像処理部30および用紙搬送部50を有する。画像読取部110は、給紙装置111およびスキャナー112を有する。用紙搬送部50は、給紙部51、排紙部52、および搬送経路部53を有する。給紙部51を構成する三つの給紙トレイユニット51a~51cには、坪量やサイズなどに基づいて識別された用紙S(規格用紙、特殊用紙)が予め設定された種類ごとに収容される。搬送経路部53は、レジストローラー対53a等の複数の搬送ローラー対を有する。
2.静電潜像形成工程および現像工程
上記画像形成装置準備工程で準備した画像形成装置1を用いて静電潜像形成工程や現像工程を行う方法について説明する。
まず、画像形成装置のスキャナー112が、コンタクトガラス上の原稿Dを光学的に走査して読み取る。原稿Dからの反射光がCCDセンサー112aにより読み取られ、入力画像データとなる。入力画像データは、画像処理部30において所定の画像処理が施され、露光手段411に送られる。
感光体413は、一定の周速度で回転する。帯電手段414は、感光体413の表面を一様に負極性に帯電させる。露光手段411では、ポリゴンモータのポリゴンミラーが高速で回転し、各色成分の入力画像データに対応するレーザー光が、感光体413の軸方向に沿って展開し、当該軸方向に沿って感光体413の外周面に照射される。こうして感光体413の表面には、静電潜像が形成される(静電潜像形成工程)。
現像手段412では、上記現像容器内の二成分現像剤の撹拌、搬送によってトナー粒子が帯電し、二成分現像剤は上記現像ローラーに搬送され、当該現像ローラーの表面で磁性ブラシを形成する。帯電したトナー粒子は、磁性ブラシから外れて、感光体413における静電潜像の部分に静電的に付着する。こうして、感光体413の表面の静電潜像が可視化され、感光体413の表面に、静電潜像に応じたトナー画像(可視像)が形成される(現像工程)。なお、本明細書において「トナー画像」とは、トナーが画像状に集合した状態とする。
その後、感光体413の表面のトナー画像は、中間転写ユニット42によって中間転写ベルト421に転写される。転写後に感光体413の表面に残存する転写残トナーは、感光体413の表面に摺接されるドラムクリーニングブレードを有するドラムクリーニング装置415によって除去される。
一次転写ローラー422によって中間転写ベルト421が感光体413に圧接されることにより、感光体413と中間転写ベルト421とによって、一次転写ニップが感光体413ごとに形成される。当該一次転写ニップにおいて、各色のトナー画像が中間転写ベルト421に順次重なって転写される。
一方、二次転写ローラー431Aは、中間転写ベルト421および二次転写ベルト432を介して、バックアップローラー423Aに圧接される。これにより、中間転写ベルト421と二次転写ベルト432とによって、二次転写ニップが形成される。当該二次転写ニップを用紙Sが通過する。用紙Sは、用紙搬送部50によって二次転写ニップへ搬送される。用紙Sの傾きの補正および搬送のタイミングの調整は、レジストローラー対53aが配設されたレジストローラー部により行われる。
上記二次転写ニップに用紙Sが搬送されると、二次転写ローラー431Aへ転写バイアスが印加される。この転写バイアスの印加によって、中間転写ベルト421に担持されているトナー画像が用紙Sに転写される。トナー画像が転写された用紙Sは、二次転写ベルト432によって、定着手段60に向けて搬送される。
定着手段60は、発熱ベルト63と加圧ローラー64とによって、定着ニップ部を形成し、搬送されてきた用紙Sを当該定着ニップ部で加熱、加圧する。こうしてトナー画像(転写画像)が用紙Sに定着する。トナー画像が定着された用紙Sは、排紙ローラー52aを備えた排紙部52により機外に排紙される。
なお、二次転写後に中間転写ベルト421の表面に残存する転写残トナーは、中間転写ベルト421の表面に摺接されるベルトクリーニングブレードを有するベルトクリーニング装置426によって除去される。
以下、本発明の具体的な実施例を比較例とともに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中において「部」および「%」は、特に断りのない限り「質量部」および「質量%」を意味する。
1.電子写真感光体の作製
1-1.電子写真感光体1の作製(実施例1および3~11の電子写真感光体)
・導電性支持体の準備
ドラム状のアルミニウム支持体を含む導電性支持体を準備した。
(1)中間層の形成
中間層用バインダ樹脂:ポリアミド樹脂CM8000(東レ社製)50質量部を、エタノール/n-プロピルアルコール/テトラヒドロフラン(体積比:45/20/35)の混合溶媒1000質量部に加えて、20℃で攪拌混合した。この溶液に、導電性粒子1(酸化チタン粒子500SAS(テイカ社製))を180質量部添加した。そして、ビーズミルにより、ミル滞留時間:5時間(1000rpm)として分散させた。そして、この溶液を一昼夜静置した後、ろ過することにより、中間層形成用塗布液を得た。ろ過は、ろ過フィルターとして、公称濾過精度が5μmのリジメッシュフィルター(日本ポール社製)を用いて、50kPaの圧力下で行った。このようにして得られた中間層形成用塗布液を、洗浄した導電性支持体の外周面に浸漬塗布法で塗布し、120℃で30分間乾燥することにより、乾燥膜厚2μmの中間層を形成した。
(2)電荷発生層の形成
電荷発生層用の材料として、以下の成分を準備した。
(i)電荷発生物質(Cu-Kα特性X線回折スペクトル測定で8.3°、24.7°、25.1°、26.5°に明確なピークを有するチタニルフタロシアニンおよび(2R,3R)-2,3-ブタンジオールの1:1付加体と、未付加のチタニルフタロシアニンとの混晶) 24質量部
(ii)ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBL-1、積水化学工業社製、エスレック」は同社の登録商標)) 12質量部
(iii)3-メチル-2-ブタノンおよびシクロヘキサノンの混合液(体積比:4/1) 400質量部
上記(i)~(iii)の材料を混合し、循環式超音波ホモジナイザーRUS-600TCVP(日本精機製作所社製)を19.5kHz、600Wにて循環流量40L/Hで0.5時間に亘って分散し、電荷発生層用塗布液を調製した。電荷発生層用塗布液を浸漬塗布法によって上記中間層の表面に塗布し、乾燥させて、膜厚0.3μmの電荷発生層を中間層上に形成した。
(3)電荷輸送層の形成
電荷輸送層用の材料として、以下の成分を準備した。
(a)下記一般式で表される電荷輸送物質前駆体(化合物1) 60質量部
Figure 2022103887000007
(b)ポリカーボネート樹脂(Z300、三菱ガス化学社製) 100質量部
(c)酸化防止剤(IRGANOX1010、BASF社製、IRGANOXは同社の登録商標) 4質量部
上記(a)~(c)の材料を混合、溶解させることにより電荷輸送層用塗布液を調製した。電荷輸送層用塗布液を浸漬塗布法によって上記電荷発生層の表面に塗布し、120℃で70分間乾燥することにより、電荷輸送物質前駆体を重合させた。これにより、上述の一般式(1)で表される構造を有する電荷輸送物質前駆体を含む、膜厚24μmの電荷輸送層が得られた。
1-2.電子写真感光体2の作製(実施例2の電子写真感光体)
電荷輸送物質前駆体である化合物1を、以下の化合物2に変更した以外は、電子写真感光体1と同様に電子写真感光体2を作製した。この場合も、上述の一般式(1)で表される構造を有する電荷輸送物質を含む、電荷輸送層が得られた。
Figure 2022103887000008
1-3.電子写真感光体3の作製(比較例1の電子写真感光体)
電荷輸送物質前駆体である化合物1を、以下の化合物3に変更した以外は、電子写真感光体1と同様に電子写真感光体3を作製した。この場合、電荷輸送層は、上述の一般式(1)で表される構造を有する電荷輸送物質を含まない。
Figure 2022103887000009
2.トナーの調製
2-1.トナー母体粒子の調製
(1)非晶性樹脂粒子分散液の調製
(第1段重合)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム8質量部をイオン交換水3000質量部に溶解させた界面活性剤溶液を調製し、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら内温を80℃に昇温させた。昇温後、上記界面活性剤溶液に、過硫酸カリウム(KPS)10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた溶液を添加し、再度液温を80℃とした後、下記化合物を含有する重合性単量体混合液を1時間かけて滴下した。
スチレン 480質量部
n-ブチルアクリレート 250質量部
メタクリル酸 68質量部
n-オクチル-3-メルカプトプロピオネート 16質量部
上記重合性単量体混合液の滴下後、この系を80℃にて2時間にわたり加熱、撹拌することにより重合(第1段重合)を行い、樹脂粒子(1h)を含有する樹脂粒子分散液〔1H〕を調製した。
(第2段重合)
撹拌装置を取り付けたフラスコ内において、下記化合物を添加し、90℃に加温して溶解させて、重合性単量体と離型剤を含有する下記の混合溶液を調製した。
スチレン 245質量部
n-ブチルアクリレート 120質量部
n-オクチル-3-メルカプトプロピオネート 1.5質量部
パラフィンワックスHNP-11(日本精蝋社製)67質量部
一方、ポリオキシエチレン-2-ドデシルエーテル硫酸ナトリウム7質量部をイオン交換水800質量部に溶解させた界面活性剤溶液を98℃に加熱した。この界面活性剤溶液に、上記樹脂粒子(1h)を固形分換算で260質量部とする量の樹脂粒子分散液(1H)と、上記重合性単量体と離型剤を含有する混合溶液とを添加した。それらの添加後、循環経路を有する機械式分散機クレアミックス(エム・テクニック社製)を用いて1時間混合分散処理を行うことにより、乳化粒子を含む分散液を調製した。
次いで、この分散液に、過硫酸カリウム6質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた溶液を添加し、この系を82℃で1時間にわたり加熱撹拌することにより重合(第2段重合)を行い、樹脂粒子(1hm)を含有する樹脂粒子分散液(1HM)を調製した。
(第3段重合)
上記で調製した樹脂粒子分散液(1HM)に、過硫酸カリウム11質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、液温を80℃にした。その後、下記化合物を含有する重合性単量体混合液を1時間かけて滴下した。
スチレン 435質量部
n-ブチルアクリレート 130質量部
メタクリル酸 33質量部
n-オクチル-3-メルカプトプロピオネート 8質量部
上記重合性単量体混合液を滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌することにより重合(第3段重合)を行った後、28℃まで冷却し、樹脂粒子を含有する樹脂粒子分散液を調製した。樹脂粒子分散液に含有される樹脂粒子の粒子径を電気泳動光散乱光度計ELS-800(大塚電子社製)を用いて測定したところ、体積基準メジアン径で150nmであった。また、公知の方法でガラス転移温度を測定したところ45℃であった。樹脂粒子を構成する樹脂の重量平均分子量は32000であった。
(2)結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液の調製
加熱乾燥した3口フラスコに、多価カルボン酸単量体としてドデカン二酸(1,10-1,10-デカンジカルボン酸)355.8質量部、多価アルコール単量体として1,9-ノナンジオール254.3質量部、および触媒としてオクチル酸スズ3.21質量部を添加した。減圧操作により容器内の空気を抜いた後、窒素ガスにより置換して不活性雰囲気とし、機械撹拌にて180℃で5時間還流処理を行った。不活性雰囲気のまま徐々に昇温し、200℃で3時間撹拌を行って粘稠な液体状の生成物を得た。さらに空冷しながら、この生成物の分子量をGPCで測定し、重量平均分子量(Mw)が15000に至ったところで減圧を解除して重縮合反応を停止させ、結晶性ポリエステル樹脂を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂は、融点が69℃であった。
撹拌動力を与えるアンカー翼を備えた反応容器に、メチルエチルケトンとイソプロピルアルコールを添加した。さらに、ハンマーミルで粗粉砕した上記結晶性ポリエステル樹脂を徐々に添加して撹拌し、完全に溶解させて油相となるポリエステル樹脂溶液を得た。撹拌した油相に希アンモニア水溶液を数量滴下し、次いでこの油相をイオン交換水に滴下して転相乳化させた後、エバポレータで減圧しながら溶剤の除去を行った。反応系には結晶性ポリエステル樹脂微粒子が分散しており、その分散液にイオン交換水を追加して固形分を20質量%に調整して、結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液を調製した。
分散液中の結晶性ポリエステル樹脂微粒子の体積基準のメジアン径を粒度分布測定器「Nanotrack Wave(マイクロトラックベル社製)を用いて測定したところ、173nmであった。
(3)非晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液の調製
撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、および精留塔を備えた反応容器に、多価カルボン酸単量体として、テレフタル酸139.5質量部、イソフタル酸15.5質量部を仕込み、多価アルコール単量体として、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンプロピレンオキサイド2モル付加物(分子量=460)290.4質量部、および2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンエチレンオキサイド2モル付加物(分子量404)60.2質量部を仕込んだ。
反応系の温度を1時間かけて190℃に上昇させ、反応系内が均一に撹拌されていることを確認した後、触媒としてオクチル酸スズの3.21質量部を投入した。生成される水を留去しながら、反応系の温度を同温度から6時間かけて240℃に上昇させ、240℃に維持した状態で脱水縮合反応を6時間継続して行い、非晶性ポリエステル樹脂を得た。得られた非晶性ポリエステル樹脂は、重量平均分子量(Mw)が15000であった。
得られた非晶性ポリエステル樹脂に対し、結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液の調製と同様の操作を行うことによって、固形分が20質量%である非晶性ポリエステル樹脂微粒子の分散液を調製した。分散液中の非晶性ポリエステル樹脂微粒子の体積基準のメジアン径を粒度分布測定器「Nanotrack Wave(マイクロトラックベル社製)を用いて測定したところ、216nmであった。
(4)着色剤粒子分散液の調製
ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に溶解させた溶液を撹拌しながら、当該溶液にアルミニウム顔料2173EA(東洋アルミニウム社製、扁平度15、長径30μm、厚み2μm)420質量部を徐々に添加した。次いで、撹拌装置クレアミックス(エム・テクニック社製)を用いて分散処理し、着色剤粒子分散液を得た。
(5)トナー母体粒子の作製
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、下記化合物を投入した。
スチレン-アクリル樹脂粒子分散液 270質量部(固形分換算)
結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液 60質量部(固形分換算)
非晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液 270質量部(固形分換算)
イオン交換水 1400質量部
着色剤粒子分散液 180質量部(固形分換算)
次に、上記反応容器に、さらに、ポリオキシエチレン-2-ドデシル硫酸ナトリウム3質量部をイオン交換水120質量部に溶解した溶液を添加し、液温を30℃にした後、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物35質量部をイオン交換水35質量部に溶解した水溶液を、撹拌状態の下で30℃にて10分間かけて添加して3分間保持してから昇温を開始した。昇温は60分かけて90℃まで行い、90℃に保持した状態で上記粒子の凝集、融着を行った。この状態でマルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)を用いて反応容器内で成長する粒子の粒径測定を行い、体積基準メジアン径が6.5μmになったときに塩化ナトリウム150質量部をイオン交換水600質量部に溶解した水溶液を添加して粒子の成長を停止させた。さらに、熟成処理として液温を98℃にして加熱撹拌を行い、粒子の融着を進行させた。その後、液温を30℃まで冷却し、塩酸を使用して液のpHを2に調整して撹拌を停止し、トナー母体粒子分散液を作製した。
当該トナー母体粒子分散液をバスケット型遠心分離機MARKIII 型式番号60×40(松本機械社製)で固液分離し、トナー母体粒子のウェットケーキを形成した。当該ウェットケーキを、バスケット型遠心分離機で、ろ液の電気伝導度が5μS/cmになるまで45℃のイオン交換水で洗浄し、その後フラッシュジェットドライヤー(セイシン企業社製)に移し、水分量が0.5質量%になるまで乾燥処理を行い、光輝性トナーのトナー母体粒子を作製した。
2-2.外添剤の製造
(1)ランタンドープチタン酸ストロンチウム粒子の製造
硫酸法で得られたメタチタン酸を脱鉄漂白処理した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えpH9.0とし、脱硫処理を行った。その後、塩酸によりpH5.8まで中和し、ろ過水洗を行った。洗浄済みケーキに水を加えTiOとして1.85モル/Lのスラリーとした後、塩酸を加えpH1.0とし解膠処理を行った。このメタチタン酸をTiOとして0.625モル採取し、3Lの反応容器に投入した。当該反応容器内に、塩化ストロンチウム水溶液及び塩化ランタン水溶液をSr2+:La3+:Ti4+のモル比が1.00:0.18:1.00となるように合計0.719モル添加した後、TiO濃度を0.313モル/Lに調整した。次に、撹拌混合しながら90℃に加温した後、5N水酸化ナトリウム水溶液296mLを26時間かけて添加し、その後、95℃で1時間撹拌を続け反応を終了した。
当該反応スラリーを50℃まで冷却し、pH5.0となるまで塩酸を加え1時間撹拌を続けた。得られた沈殿をデカンテーション洗浄し、当該沈殿を含むスラリーに塩酸を加えpH6.5に調整し、固形分に対して9質量%のイソブチルトリメトキシシランを添加して1時間撹拌保持を続けた。次いで、ろ過・洗浄を行い、得られたケーキを120℃の大気中で8時間乾燥し、ランタンドープチタン酸ストロンチウム粒子を得た。得られた粒子を電子顕微鏡で観察すると、一次粒子径26~33nmの粒子であった。電子顕微鏡写真を用いて質量基準で算出した数平均一次粒子径は30nmであった。また、平均円形度は0.85であった。
(2)ランタンドープチタン酸カルシウム粒子の製造方法
塩化ストロンチウム水溶液の代わりに塩化カルシウム水溶液を用いて、Ca2+:La3+:Ti4+のモル比が1.00:0.18:1.00となるように添加した以外はランタンドープチタン酸ストロンチウム粒子の製造方法と同様に製造し、ランタンドープチタン酸カルシウム粒子を得た。得られた粒子を電子顕微鏡で観察すると、一次粒子径26~33nmの粒子であった。電子顕微鏡写真を用いて質量基準で算出した数平均一次粒子径は30nmであった。また、平均円形度は0.85であった。
(3)ランタンドープチタン酸マグネシウム粒子の製造
塩化ストロンチウム水溶液の代わりに塩化マグネシウム水溶液を用いて、Mg2+:La3+:Ti4+のモル比が1.00:0.18:1.00となるように添加した以外はランタンドープチタン酸ストロンチウムの製造方法と同様に製造し、ランタンドープチタン酸マグネシウム粒子を得た。得られた粒子を電子顕微鏡で観察すると、一次粒子径25~34nmの粒子であった。電子顕微鏡写真を用いて質量基準で算出した数平均一次粒子径は30nmであった。また、平均円形度は0.85であった。
(4)チタン酸ストロンチウム粒子の製造
Sr2+:La3+:Ti4+のモル比を、1.00:0:1.00となるように変更した以外はランタンドープチタン酸ストロンチウム粒子の製造方法と同様に製造し、チタン酸ストロンチウム粒子を得た。得られた粒子を電子顕微鏡で観察すると、一次粒子径26~33nmの粒子であった。電子顕微鏡写真を用いて質量基準で算出した数平均一次粒子径は30nmであった。また、平均円形度は0.75であった。
2-3.トナーの調製
(1)トナー1の調製(実施例1および2、ならびに比較例1で使用)
トナー母体粒子と、ランタンドープチタン酸ストロンチウムとを、トナー全量に対するランタンドープチタン酸化合物の含有率が0.5質量%、疎水性シリカ(HМDS処理、疎水化度72%、個数平均一次粒子径20nm)の含有量が0.5質量%となるように、ヘンシェルミキサー型式FM20C/I(日本コークス工業(株)製)に添加した。次いで、羽根先端周速が40m/sとなるように回転数を設定して、15分間撹拌することで、外添処理を行い、トナー1を作製した。なお、外添処理時の温度は、39~41℃の範囲内となるように設定した。具体的には、上記ヘンシェルミキサー内部の温度が、41℃になった場合には、当該ヘンシェルミキサーの外浴に冷却水を5L/分の流量で流し、39℃になった場合には、当該ヘンシェルミキサーの外浴に冷却水を1L/分の流量で流すことで、当該ヘンシェルミキサー内部の温度制御を実施した。
(2)トナー2の調製(実施例3で使用)
ランタンドープチタン酸ストロンチウムを使用しなかった以外はトナー1と同様にしてトナーを調製した
(3)トナー3の調製(実施例4で使用)
ランタンドープチタン酸ストロンチウムの代わりに、ランタンドープチタン酸カルシウムを用いた以外はトナー1と同様にしてトナーを調製した。
(4)トナー4の調製(実施例5で使用)
ランタンドープチタン酸ストロンチウムの代わりに、ランタンドープチタン酸マグネシウムを用いた以外はトナー1と同様にしてトナーを調製した。
(5)トナー5の調製(実施例6で使用)
ランタンドープチタン酸ストロンチウムの粒径を変更した以外はトナー1と同様にしてトナーを調製した。
(6)トナー6の調製(実施例7で使用)
ランタンドープチタン酸ストロンチウムの粒径を変更した以外はトナー1と同様にしてトナーを調製した。
(7)トナー7の調製(実施例8で使用)
ランタンドープチタン酸ストロンチウムの添加量を表1に示す値に変更した以外はトナー1と同様にして作製した。
(8)トナー8の調製(実施例8で使用)
ランタンドープチタン酸ストロンチウムの添加量を表1に示す値に変更した以外はトナー1と同様にして作製した。
(9)トナー9の調製(実施例10で使用)
ランタンドープチタン酸ストロンチウムの代わりにチタン酸ストロンチウムを用いた以外はトナー1と同様にして作製した。
(10)トナー10の調製(実施例11で使用)
トナー母体粒子中の着色剤を、ゴールド顔料(日本板硝子社製、メタシャイン、チタニアコートスタンダードタイプ、長径20μm、厚み1μm)に変更した以外は、トナー1と同様にして作製した。
(11)トナー11の調製(実施例12で使用)
トナー母体粒子中の着色剤を、パール顔料(長径40μm、厚み0.5μm)に変更した以外は、トナー1と同様にして作製した。
3.画像の形成および評価
3-1.実施例1
上述の電子写真感光体1をAccurioPressC12000(コニカミノルタ社製)改造機に設置した。そして、上記トナー1を当該装置に充填した。そして、以下の方法で感光体フィルミング耐性、感光体耐摩耗性、および金属光沢感の均一性を評価した。
(感光体フィルミング耐性)
上記装置により、温度33℃、80%RH(相対湿度)の環境下で、カバレッジ5%の印字画像を10万枚連続印字した。その後、さらにカバレッジ20%のブラック画像を2万枚連続印字した。その後、A3の黒ベタ画像をトナーで作成し、感光体フィルミングに起因する白抜けの状態を、以下の評価基準に基づいて評価した。△以上が実用上問題ない範囲である。
◎:感光体上のフィルミングが0個~5個であり、画像上の白抜けが0~2個
○:感光体上のフィルミングが6個~10個であり、画像の白抜けが3個~6個
△:感光体上のフィルミングが11個~30個であり、画像の白抜けが7個~10個
×:感光体上のフィルミングが31個以上であり、画像上の白抜けが11個以上
(感光体の耐摩耗性)
上記装置により、実施例および比較例のトナー印字率5%の文字チャートで30000枚印刷を行い、電子写真感光体表面の摩耗量を測定し、以下の基準にしたがって評価した。画像形成試験を開始する前の感光体の積層膜(中間層、電荷発生層、および電荷輸送層からなる積層膜)の初期膜厚(μm)を測定し、また画像形成試験終了後における膜厚(μm)を測定して、画像形成試験前後の感光体の積層膜の膜厚の差ΔT(μm)を算出した。感光体の積層膜の膜厚は、均一膜厚部分(感光体の両端は膜厚が不均一になりやすいので、少なくとも両端3cmは除く)をランダムに10か所測定し、その平均値を感光体の積層膜の膜厚とした。
膜厚測定器には、渦電流方式の膜厚測定器「EDDY560C」(ヘルムート・フィッシャー社製)を用いた。画像形成試験前後の感光体の積層膜の膜厚の差ΔT(μm)を、感光体の100krot(10万回転)あたりに換算して、α値(μm/10万回転)を求め、これを感光体の減耗量とした。得られたα値を用いて、耐摩耗性を以下の基準で評価した。△以上が実用上問題ない範囲である。
◎:α値≦0.1(非常に優れている)
○:0.1<α値≦0.2(優れている)
△:0.2<α値≦0.3(実用上問題ない)
×:0.3<α値(実用上問題あり)
(金属光沢感均一性)
OKトップコート128g/mに縦3cm横5cmのベタパッチを形成して目視により金属光沢感の均一性を、以下の基準にしたがって評価した。△以上が実用上問題ない範囲である。
◎:金属光沢感が非常に均一な状態
〇:金属光沢感が均一な状態
△:金属光沢感が不均一な部分がわずかにある状態
×:金属光沢感が明らかに不均一な状態
3-2.実施例2
電子写真感光体1の代わりに、電子写真感光体2を使用した以外は、実施例1と同様に画像を形成し、評価した。
3-3.実施例3~12
トナーを表1に示すように変更した以外は、実施例1と画像を形成し、評価した。
3-4.比較例1
電子写真感光体1の代わりに、電子写真感光体3を使用した以外は、実施例1と同様に画像を形成し、評価した。
Figure 2022103887000010
上記表1に示されるように、特定の電荷輸送物質を含む感光層(感光体)と、光輝性顔料を含むトナーとを組み合わせると、感光体にフィルミングが生じ難く、さらには耐摩耗性も良好であった(実施例1~12)。電荷輸送層の硬度が適度に硬い一方で、光輝性トナーによって、研磨することが可能であったと考えられる。また、当該画像形成方法によれば、金属光沢感の均一性も良好になった。電荷輸送層の電荷輸送性が良好であったため、と考えられる。
一方、感光層に、特定の構造の化合物を含まない場合には、耐摩耗性が十分でなく、さらには金属光沢均一性も低くなりやすかった(比較例1)。
本発明の画像形成方法によれば、電子写真感光体にフィルミングやクリーニング不良を生じさせることなく、光輝性トナーによって意匠性の高い画像を形成可能である。よって、本発明によれば、電子写真方式の画像形成方法のさらなる普及に寄与することが期待される。
1 画像形成装置
3 感光層
10 導電性支持体
11 電荷発生層
12 電荷輸送層
30 画像処理部
40 画像形成部
41Y、41M、41C、41K、41L 画像形成ユニット
42 中間転写ユニット
43 二次転写ユニット
50 用紙搬送部
51 給紙部
51a、51b、51c 給紙トレイユニット
52 排紙部
52a 排紙ローラー
53 搬送経路部
53a レジストローラー対
60 定着手段
62 定着ローラー
63 発熱ベルト
64 加圧ローラー
110 画像読取部
111 給紙装置
112 スキャナー
112a CCDセンサー
411 露光手段
412 現像手段
413 感光体
414 帯電手段
415 ドラムクリーニング装置
421 中間転写ベルト
422 一次転写ローラー
423、431 支持ローラー
423A バックアップローラー
426 ベルトクリーニング装置
431A 二次転写ローラー
432 二次転写ベルト
D 原稿

Claims (8)

  1. 感光層を有する、画像形成装置を準備する工程と、
    前記感光層の表面に静電潜像を形成する工程と、
    光輝性顔料を含む静電荷像現像用トナーによって前記静電潜像を現像し、画像を形成する工程と、
    を有し、
    前記感光層が、下記一般式(1)で表される構造を有する電荷輸送物質を含む
    Figure 2022103887000011
    (一般式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1~7のアルキル基、または炭素数1~7のアルコキシ基を表し、kおよびlはそれぞれ独立に1~5の整数を表し、Xは単結合またはアルキル鎖を表し、Yは反応性基由来の構造を表す)
    画像形成方法。
  2. 前記光輝性顔料の扁平度が1.4超である、
    請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記一般式(1)におけるXが、下記一般式(2)で表される基であり、
    Figure 2022103887000012
    (一般式(2)中、mは0~5の整数を表す)
    前記一般式(1)におけるYが、下記一般式(3)または一般式(4)で表される基由来の構造である、
    Figure 2022103887000013
    請求項1または2に記載の画像形成方法。
  4. 前記静電荷像現像用トナーが、ランタンドープチタン酸化合物をさらに含む、
    請求項1~3のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  5. 前記ランタンドープチタン酸化合物が、ランタンドープチタン酸ストロンチウム、ランタンドープチタン酸カルシウム、およびランタンドープチタン酸バリウムからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物である、
    請求項4に記載の画像形成方法。
  6. 前記ランタンドープチタン酸化合物の数平均一次粒子径が、10~100nmである、
    請求項4または5に記載の画像形成方法。
  7. 前記ランタンドープチタン酸化合物の含有率が、前記静電荷像現像用トナー全量に対して、0.1~1.0質量%である、
    請求項4~6のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  8. 感光層を有する電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体表面を帯電させる帯電手段と、
    帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、
    前記静電潜像を静電荷像現像用トナーで現像して可視像を形成する現像手段と、
    前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、
    前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と、
    を有する画像形成装置であって、
    前記感光層が、下記一般式(1)で表される構造を有する電荷輸送物質を含み、
    Figure 2022103887000014
    (一般式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1~7のアルキル基、または炭素数1~7のアルコキシ基を表し、kおよびlはそれぞれ独立に1~5の整数を表し、Xは単結合またはアルキル鎖を表し、Yは反応性基由来の構造を表す)
    前記静電荷像現像用トナーが光輝性顔料を含む、
    画像形成装置。
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