JP2022103811A - パーマ用具およびこれを用いた横波ウェーブパーマ方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】多くの手間や技量を要することなく簡単かつ確実に横波ウェーブを形成できる新規なパーマ用具およびこれを用いた横波ウェーブパーマ方法の提供。【解決手段】複数のロッド10と、各ロッド10を径方向に連結する連結体20を備え、前記各ロッド10は、断面楕円形をしたロッド本体11の両端縁部に、その周方向に沿って複数の切欠部12を備えてなる。このような構成のパーマ用具100を用いれば、簡単に毛束を蛇行状態にして固定できるため、多くの手間や技量を要することなく簡単かつ確実に横波ウェーブパーマを形成できる。【選択図】図1
Description
本発明は、主に女性向けの頭髪のパーマ方法に係り、特に横波ウェーブと称される髪型を作成するためのパーマ用具およびこれを用いた横波ウェーブパーマ方法に関するものである。
従来、女性のヘアースタイルの1つとして、横波ウェーブと称される髪型が知られている。この横波ウェーブは、頭頂部から頭側面に亘って延びる髪のうち、主に頭側面および後面から下の部分の髪の毛を一定の束ごとに左右又は前後に交互に波立たせるように加工したものであり、天然パーマのような無雑作感が魅力のヘアースタイルとなっている。
また、従来の毛髪パーマ方法としては、例えば以下の特許文献1乃至3に示すようなものが知られている。特許文献1のパーマ方法は、円筒形のアイロン棒と熱伝播クリップを使用し、アイロン棒に毛髪の根元付近から巻き付けて熱カールを行うことで短時間で技量差なく確実にヘアー処理するというものである。また、特許文献2のパーマ方法は、パーマ液を塗布する前に頭髪を所望の形状に整えた状態で乾燥させることにより癖付けし、その後にパーマ用液を順に塗布することにより乾燥時に癖付けした頭髪の形状を固定するというものである。
ところで、前述したような従来の横波ウェーブは、例えば美容院においてシャンプーやカットを終えた後に、美容師がカール用のヘアーアイロン(コテ)を用いて髪を交互にカールした状態でそれぞれ180℃程度に加熱加工して作るようになっている。そのため、スタイリングしてから長時間が経過したり、洗髪などで髪の毛が濡れると、その横波ウェーブが消えてすぐに元の髪型(ストレート)に戻ってしまい、長持ちしない。また、ロッドに毛先から巻き付けてからパーマをかける方法によっても横波状のウェーブを得ることが可能であるが、この方法では毛先の部分に強くウェーブがかかり、根元部分はほぼストレート状態になるため、きれいな横波ウェーブが得られない。
そこで、本発明者は以下の特許文献3に示すような新たなパーマ方法を開発し、多くの顧客から好評を得ている。このパーマ方法は、頭髪を複数のブロックに分け、各毛束をパネル状に伸ばして把持し、その途中から毛先に亘ってペーパーで覆う第1工程と、ペーパーで覆った部分よりも根元側の毛束を左右に分けてループを形成する第2工程と、毛束の内側に、これと直交するようにロッドをあてがってからペーパーで覆った部分の毛束をループを通過させてそのロッドに巻き付けて固定する第3工程とからなるものである。
このような方法によれば、最初にロッドに巻いた部分にしっかりと内巻きウェーブ状のパーマがかかり、これより毛先に行くに従って徐々に緩やかな上下多段の横波ウェーブが形成される。そして、この横波ウェーブは、パーマ液による頭髪の化学反応によって形成されるため、時間が経過したり髪が水に濡れたりしても簡単に元も状態に戻ることはなくきれいな横波ウェーブ状態を長期に亘って維持できるといった優れた効果を発揮する。
ところで、前記特許文献3に示すような新たなパーマ方法は、従来のパーマ方法と同様に各ブロックの毛束ごとにペーパーで覆ってロッドにループさせる作業になるため、手間や時間がかかるといった課題がある。また、しっかりとした横波ウェーブを生成するには、ロッドに最適なテンションでかけながら短時間で素早く毛束を巻き付ける作業が必要があるため、技量や多くの経験が必要となり、美容師の個人差が出やすいといった課題がある。
そこで、本発明はこれらの課題を解決するために案出されたものであり、その目的は、多くの手間や技量を要することなく簡単かつ確実に横波ウェーブを形成できる新規なパーマ用具およびこれを用いた横波ウェーブパーマ方法を提供するものである。
前記課題を解決するために第1の発明は、複数のロッドと、当該各ロッドを径方向に連結する連結体を備え、前記各ロッドは、断面楕円形をしたロッド本体の両端縁部に、その周方向に沿って複数の切欠部を備えてなることを特徴とするパーマ用具である。このような構成のパーマ用具を用いれば、後述するように簡単に毛束を蛇行状態にして固定できるため、多くの手間や技量を要することなく簡単かつ確実に横波ウェーブパーマを形成できる。
第2の発明は、第1の発明において、前記連結体は、前記各ロッド同士を接触させたときに隣接する各切欠部に嵌め込まれて連結すべくコ字形になっていることを特徴とするパーマ用具である。このような構成によれば、隣接する各ロッド同士を簡単に連結・解除することができる。
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記各ロッドは、その表面全体に亘って微小突起または微小溝を有することを特徴とするパーマ用具である。このような構成によれば、ロッドの表面が凹凸となり、これに巻き付けられた毛束とその微小突起または微小溝とが噛み合うことでしっかりと固定することができる。また、隣接するロッド同士がずれたりするのを防止できる。
第4の発明は、第1乃至第3のいずれかの発明において、頭髪を複数のブロックに分け、各ブロックの毛束をパネル状に伸ばして把持し、その全体または途中から毛先に亘ってペーパーで覆う工程と、前記ペーパーで覆った毛束の根元側から順に前記ロッドを交互に巻き付けてその毛束を蛇行させた状態で固定すべく前記各ロッドを前記連結体で連結して固定する工程と、前記工程で蛇行状に固定した毛束にパーマ液を塗布する工程とを含むことを特徴とする横波ウェーブパーマ方法である。このような方法によれば、簡単に毛束を蛇行状態にして固定できるため、多くの手間や技量を要することなく簡単かつ確実に横波ウェーブを形成できる。
本発明によれば、簡単に毛束を蛇行状態にして固定できるため、多くの手間や技量を要することなく簡単かつ確実に横波ウェーブを形成できる。また、隣接する各ロッド同士を簡単に連結・解除することができるため、作業時間を短縮できる。また、ロッドの表面に巻き付けられた毛束とその微小突起とが噛み合うことでしっかりと固定することができ、また、隣接するロッド同士がずれたりするのを防止できるなどといった優れた効果を発揮する。
次に、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら説明する。図1は本発明に係るパーマ用具100の実施の一形態を示したものである。図示するようにこのパーマ用具100は、筒状をした複数個のロッド10、10と、これら各ロッド10、10をその径方向に数珠つなぎ状に連結する複数個の連結体20、20とから構成されている。なお、同図ではロッド10および連結体20をそれぞれ2個のみ示しているが実際には十数個から数十個用いる。
このロッド10は、図1乃至図3に示すように、断面楕円形をしたロッド本体11の両端の縁部に、それぞれその周方向に沿って切欠部12を略等間隔に複数備えた構造となっている。すなわち、このロッド本体11は、例えば長さが約90~100mm、長径が約35~60mm、短径が約25~35mmの断面楕円形の筒状体からなっており、その両端の縁部に、それぞれ幅が4~6mmの矩形状の切欠部12がその周方向に沿って複数(本実施の形態では12個)形成されている。
このロッド10は従来のパーマ用ロッドと同様にポリ塩化ビニルやポリプロピレンなどの軽量で耐薬品性などに優れているプラスチック材質で構成されており、その板厚は約1.5~2.0mm程度となっている。また、図3および図5に示すようにこのロッド本体11の表面には、径が約1mm程度の微小突起13がその全面に亘って多数形成されている。なお、図5中(A)は図3(A)中S1部を、図5中(B)は図3(B)中S2部を、図5中(A)は図3中S3部をそれぞれ示す部分拡大図である。
一方、連結体20は、図4に示すようにコ字形の連結体本体21に取っ手22を備えると共に、内側に滑り止め用のギザギザ状の噛体23を備えた構造となっている。この連結体20のサイズは側面から見ると長さ約40mm、高さ約10~15mmとなっている。そして、この連結体20の幅(厚さ)は約3~4mmとなっており、前述したロッド10の各切欠部12よりも狭く、すなわち切欠部12内に嵌まる大きさとなっている。なお、このコ字形の連結体本体21の先端開口部22aの幅(高さ)は、根元22bよりもやや狭くなっており、外側に力を加えることで適宜撓んで広がるようになっている。
このような構成をした本発明のパーマ用具100は、図6および図7に示すように、ロッド10を複数上下に重ね合わせ、その接触部分に連結体20を嵌め込むことで数珠つなぎ状に連結できるようになっている。図の例では、3つのロッド10、10,10をその短径を垂直方向にして上下に重ね合わせ、隣接する接触部分の上下の切欠部12、12にそれぞれ左右両端側から連結体20、20を差し込んで連結したものである。
このように切欠部12、12に連結体20、20を嵌め込むようにして連結することでしっかりと上下のロッド10、10の位置関係を保持しつつそのロッド10、10同士を簡単且つ確実に連結することができる。そして、連結を解除する場合は、連結体20、20を抜き取るだけで簡単に上下のロッド10、10を分離することができる。図の例では3つのロッド10、10,10の例で示したが、4つでもそれ以上でも同様な作用・効果が得られることは勿論である。
次に、このような構成をした本発明のパーマ用具100を用いた横波ウェーブパーマ方法の実施の一形態を説明する。図8は本発明方法の流れの一例を示すフローチャート図、図9は一般的な横波ウェーブのヘアスタイルを示したものである。先ず、横波ウェーブと称されるヘアスタイルは、図9に示すように頭髪の長さが肩までのセミロングまたはそれ以上の長さのロングの人を主な対象とする。図はセミロングの場合の横波ウェーブの一例を示したものである。
図示するようにこのヘアスタイルは、頭髪が頭頂部から側頭部に亘ってはほぼストレート状態となっているが、側頭部の上部に大きく隆起(図中A部)またはその反対に凹む(図中B部)ような最初のウェーブ(第1ウェーブ)を有し、その下方に向かってほぼ同じ曲率で且つ反対方向にカールした第2、第3…のウェーブ(図中C乃至E)が上下多段に形成され、毛先部分(図中F部)が内側または外側に向くようにカールされた状態となっている。
このような横波ウェーブを形成するために本発明は、頭髪を一定の領域ごとに複数のブロック(毛束)に分けて各毛束をロッドに交互に巻き付け、固定する。具体的には最初に必要なシャンプーやカットをした後に、図10に示すようにその一部のブロック(図の例では左側頭部の前側上部)の毛束Hを摘んでパネル状に真っ直ぐに伸ばしてその毛束Hの略中間部分から毛先部分をペーパーPで覆ってばらけないように纏める(図8のステップS201)。
次に、このようにして毛束Hの毛先側をペーパーPで覆ったならば、図11に示すようにその毛束Pの内側の根元付近にその毛束Pの長手方向と直交するようにロッド10をあてがってその外側に毛束Pを巻き付ける(ステップS203)。この最初のロッド10を仮に第1ロッド10Aという。次に、図12および図13に示すようにこの第1ロッド10Aの下に、毛束Hを挟んで2つめのロッド(第2ロッド10B)を密着させ、その短径同士を両側から一対の連結体20(一方は図示せず)で連結する。
そして、毛束Hをこの第2ロッド10Bの下側から手前に引き出して巻き付けた後(ステップS205)、さらに図14に示すようにこの第2ロッド10Bの下に3つめのロッド(第3ロッド10C)を密着させ、同じくその短径同士を両側から一対の連結体20(一方は図示せず)で連結する。その後、図15に示すように4つめのロッド(第4ロッド10D)を第3ロッド10Cの下に密着させ、同様に作業を繰り返してその毛束H先端までロッドを順次連結する(ステップS207)。
これによって、毛束Hがその毛先に向かって一定の曲率で蛇行するような状態で固定されるため、その状態を維持するべく輪ゴムなどでさらに毛束Hをしっかりと固定した状態でパーマ液を塗布する(ステップS209)。そして、所定時間経過後、ロッド10を外してから従来と同様に洗髪やトリートメント、乾燥などを行うことできれいな横波ウェーブが形成される(ステップS211)。
このように本発明のパーマ用具100を用いることで、従来手法のような多くの手間や技量を要することなく簡単かつ確実に横波ウェーブを形成することができる。すなわち、まず、断面楕円形のロッド10を用いることによって一定の間隔を置いて局所的に毛束Hにややきつめのカール(カーブ)を交互に形成することができる。一般にきつめのカールを得るためには、ロッドの径を小さくする必要があるが、そうすると次の反対方向のカーブまでの長さが短くなってしまい、理想的な横波状のウェーブが得にくい。反対に径の大きいロッドでは、きつめのカールが得にくい上にカールが持続できないが、本発明のように断面楕円形のロッドを用いれば、カール部分と直線部分とが交互に形成された理想的な横波ウェーブを持続することができる。図2の例でいえば曲面R1部分のカールがきつく、曲面R2部分のカールが緩やか乃至ほぼ直線状になる。
また、断面楕円形のロッド10を連結体20で上下に繋ぎつつ、それに毛束Hを交互に蛇行させるように巻き付けるだけであるため、特に熟練度を要することなく、確実なワインディングを行うことができる。また、連結体20を引き抜くだけでロッド10を簡単に分離できるため、取り外し作業も迅速に行える。さらに、連結体20をロッド10の切欠部12に嵌め込むようにして取り付けるため、正確に位置に簡単に取り付けることができると共に、取り付けた後に簡単に外れたりすることもない。
また、ロッドの表面全体に亘って径が1mm程度の微小突起13を設けたことにより、その表面に巻き付けられた毛束Hがずれたりすることがなくなり、また、隣接するロッド10、10の微小突起13同士がかみ合うことによって毛束Hを挟んでロッド10、10同士がずれたりするのを防止することができる。
なお、本実施の形態では、図16(A)に示すように同じ大きさ(径)のロッド10を組み合わせて用いた例で示したが、異なる大きさ(径)のものを組み合わせて用いても良い。例えば、カールを毛先になるに従ってきつくしたい場合には、同図(B)に示すように毛先側になるに従って径の小さいロッド10a、10b、10c、10d、10eを組み合わせるようにすればよい。また、希望するカールの大きさに合わせて様々な大きさのロッドを組み合わせることで容易に達成できる。
また、本実施の形態では、毛束Hの根元側から順にロッド10を巻き付ける例で示したが、毛束Hの毛先側から根元側に向かって順にロッド10を巻き付ける方法であってもよい。さらに、ロッド10の表面に微小突起13を形成したのは、その表面に凹凸を形成して摩擦力を高めることであるため、図17に示すように微小突起13の代わりにその表面に幅が1mm程度の微小な溝(微小溝)14を多数形成してもよい。
10…ロッド
11…ロッド本体
12…切欠部
13…微小突起
14…微小溝
20…連結体
21…連結体本体
22…取っ手
100…パーマ用具
H…毛束
P…ペーパー
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Claims (4)
- 複数のロッドと、当該各ロッドを径方向に連結する連結体を備え、
前記各ロッドは、断面楕円形をしたロッド本体の両端縁部に、その周方向に沿って複数の切欠部を備えてなることを特徴とするパーマ用具。 - 請求項1に記載のパーマ用具において、
前記連結体は、前記各ロッド同士を接触させたときに隣接する各切欠部に嵌め込まれて連結すべくコ字形になっていることを特徴とするパーマ用具。 - 請求項1または2に記載のパーマ用具において、
前記各ロッドは、その表面全体に亘って微小突起または微小溝を有することを特徴とするパーマ用具。 - 請求項1乃至3のいずれかのパーマ用具を用いた横波ウェーブパーマ方法であって、
頭髪を複数のブロックに分け、各ブロックの毛束をパネル状に伸ばしてその全体または途中から毛先に亘ってペーパーで覆う工程と、
前記ペーパーで覆った毛束の根元側から順に前記ロッドを交互に巻き付けてその毛束を蛇行させた状態で固定すべく前記各ロッドを前記連結体で連結して固定する工程と、
前記工程で蛇行状に固定した毛束にパーマ液を塗布する工程とを含むことを特徴とする横波ウェーブパーマ方法。
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JP2020218666A JP2022103811A (ja) | 2020-12-28 | 2020-12-28 | パーマ用具およびこれを用いた横波ウェーブパーマ方法 |
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