JP2022102481A - アルコール飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルコール刺激感が改善された、蒸留酒を含有するアルコール飲料を提供する。【解決手段】アルコール飲料であって、フェネチルアルコールを5ppm以上、酢酸ベンジル、及び蒸留酒を含んでなる、アルコール飲料。アルコール飲料の製造方法であって、フェネチルアルコール含量を5ppm以上に調整する工程、酢酸ベンジル含量を調整する工程、及び蒸留酒を混合する工程を含んでなる、製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、新規なアルコール飲料及びその製造方法に関する。
市場には様々な風味特性を有するアルコール飲料が存在している。アルコール飲料の風味特性は、競合品に対する差別化要因の一つであり、各メーカーは様々な工夫を凝らしている。例えば、柑橘系の果汁や香料を配合してフレッシュ感を強調したり、或いは、焼酎のような蒸留酒を用いて熟成感や酒感などを強調する等、アルコール飲料の風味の改善は継続的に行われている。特許文献1には、低糖質の柑橘系の炭酸アルコール飲料に関し、アルコール及び炭酸に由来する刺激や苦味によって、シトラス感(柑橘系の美味しさ)が損なわれやすいとの課題を、所定濃度のクエン酸カリウムを用いて解決することが開示されている。そして、特許文献2には、芋焼酎に関し、濃厚な香味を維持しつつ、爽やかさとメリハリが増強された芋焼酎を提供するために、β-シトロネロール及びリノール酸エチルを特定濃度に調整することが開示されている。
特開2017-99371号公報 特開2019-115274号公報
しかし、先行技術は、蒸溜酒を含有するアルコール飲料のアルコール刺激感の改善に向けられたものではない。本発明は、アルコール刺激感が改善された、蒸留酒を含有するアルコール飲料の提供を目的とする。
鋭意検討の結果、本発願の発明者は、特定の成分がアルコール刺激感の改善に有効であることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成された。限定されないが、本発明によれば、以下のものが提供される。
(1)アルコール飲料であって、
フェネチルアルコールを5ppm以上、
酢酸ベンジル、及び
蒸留酒
を含んでなる、前記アルコール飲料。
(2)リナロールをさらに含んでなる、(1)のアルコール飲料。
(3)アルコール度数が10%(v/v)以上である、(1)又は(2)のアルコール飲料。
(4)炭酸ガスをさらに含んでなる、(1)~(3)のいずれかのアルコール飲料。
(5)炭酸割飲料である、(1)~(4)のいずれかのアルコール飲料。
(6)水割飲料である、(1)~(5)のいずれかのアルコール飲料。
(7)アルコール飲料の製造方法であって、
フェネチルアルコール含量を5ppm以上に調整する工程、
酢酸ベンジル含量を調整する工程、及び
蒸留酒を混合する工程
を含んでなる、前記製造方法。
(8)蒸留酒は、
一次仕込み工程により一次醪を得る、
該一次醪を二次仕込み工程に供し、二次醪を得る、
該二次醪を蒸留して留液を得る工程、
ジャスミン茶葉を混合する工程
を含んでなる方法により得られる、(7)のアルコール飲料の製造方法。
(9)ジャスミン茶葉を二次仕込み工程の前に混合する、(8)のアルコール飲料の製造方法。
(10)ジャスミン茶葉を一次醪と混合する、(8)又は(9)のアルコール飲料の製造方法。
(11)アルコール飲料がフェネチルアルコールを含有する、(7)~(10)のいずれかのアルコール飲料の製造方法。
(12)炭酸ガスを供給する工程をさらに含んでなる、(7)~(11)のいずれかのアルコール飲料の製造方法。
<アルコール飲料>
本発明はアルコール飲料を提供する。本発明のアルコール飲料の種類は特に限定されないが、好ましくは、スピリッツ、リキュール、焼酎、ジン、ウオツカ、ラム、ハイボール、チューハイ(酎ハイ)、カクテル、サワーなどである。「ハイボール」、「チューハイ」との用語は、本発明の飲料との関連で用いられる場合、水と蒸留酒と炭酸とを含有する飲料を意味する。ハイボール、チューハイは、さらに果汁を含有してもよい。また、「サワー」との用語は、本発明の飲料との関連で用いられる場合、スピリッツと、柑橘類などの酸味のある果汁と、甘味成分と、炭酸とを含有する飲料を意味する。「カクテル」との用語は、本発明の飲料との関連で用いられる場合、ベースとなる酒に果汁等を混ぜて作られたアルコール飲料を意味する。
本発明のアルコール飲料は、フェネチルアルコールを含んでなる。フェネチルアルコールは、単式蒸留酒に存在する成分である。アルコール飲料のフェネチルアルコールの含量は、例えば、5ppm以上、7ppm以上、10ppm以上にすることができるが、これに限定されない。
本発明のアルコール飲料は、酢酸ベンジルを含んでなる。アルコール飲料の酢酸ベンジル含量は、0.002ppm以上、0.005ppm以上、0.01ppm以上にすることができる。さらに、アルコール飲料の酢酸ベンジル含量は、100ppm以下、50ppm以下、10ppm以下にすることができる。酢酸ベンジルは、ジャスミン、クチナシ、梅の香り成分の一つであり、甘い香りに関係していることが知られている。
本発明のアルコール飲料はアルコールを含んでなる。該アルコールは、主として蒸留酒に由来するが、その他の原料に由来するものが含まれていてもよい。本明細書において、「アルコール」との用語は、特に断らない限りエタノールを意味する。本発明のアルコール飲料のアルコール度数は、1.0%(v/v)以上、6%(v/v)以上、10%(v/v)以上、12%(v/v)以上、15%(v/v)以上、20%(v/v)以上、25%(v/v)以上、30%(v/v)以上、及び/又は44%(v/v)以下とすることができる。
本発明のアルコール飲料は、リナロールをさらに含むことができる。アルコール飲料のリナロール含量は、0.02ppm以上、0.05ppm以上、0.08ppm以上にすることができる。さらに、アルコール飲料のリナロール含量は、50ppm以下、40ppm以下、30ppm以下にすることができる。
本発明のアルコール飲料は、蒸留酒を含んでなる。蒸留酒は、その原料や製造方法によって限定されない。蒸留酒としては、例えば、スピリッツ(例えば、ウオツカ、ラム、テキーラ、ジン、アクアビット)、ニュートラルスピリッツ、リキュール類、焼酎(麦焼酎、芋焼酎)が挙げられるが、これに限定されない。好ましくは、蒸留酒は焼酎である。焼酎は連続式蒸留焼酎、連続式・単式蒸留焼酎混和、単式・連続式蒸留焼酎混和、単式蒸留焼酎が挙げられるが、これに限定されない。混和焼酎中の単式蒸留焼酎の混和率は1%以上、5%以上、10%以上、11%以上、25%以上、50%以上、75%以上、90%以上、95%以上、100%にすることができる。
本発明のアルコール飲料は、炭酸ガスを含んでもよい。炭酸ガスは、当業者に通常知られる方法を用いて飲料に付与することができる。例えば、限定されないが、二酸化炭素を加圧下で飲料に溶解させてもよいし、ツーヘンハーゲン社のカーボネーター等のミキサーを用いて配管中で二酸化炭素と飲料とを混合してもよいし、また、二酸化炭素が充満したタンク中に飲料を噴霧することにより二酸化炭素を飲料に吸収させてもよいし、飲料と炭酸水とを混合してもよい。これらの手段を適宜用いて炭酸ガス圧を調節する。本発明のアルコール飲料が炭酸ガスを含有する場合、その炭酸ガス圧は、特に限定されないが、好ましくは1kgf/cm~4kgf/cm、より好ましくは1kgf/cm~3kgf/cmである。
本発明のアルコール飲料は、上記で説明した以外の成分を含有していてもよい。但し、本発明の効果が損なわれない場合に限る。本発明のアルコール飲料は、果汁及び/又は野菜汁を含有してもよい。果汁は、果実を搾汁して得られる果汁をそのまま使用するストレート果汁、あるいは濃縮した濃縮果汁のいずれの形態であってもよい。また、透明果汁、混濁果汁を使用することもでき、果実の外皮を含む全果を破砕し種子など特に粗剛な固形物のみを除いた全果果汁、果実を裏ごしした果実ピューレ、或いは、乾燥果実の果肉を破砕もしくは抽出した果汁を用いることもできる。野菜汁も、上記の果汁と同様の形態で用いることができる。
果汁の種類は、特に限定されないが、例えば、柑橘類(オレンジ、うんしゅうみかん、グレープフルーツ、レモン、ライム、柚子、いよかん、なつみかん、はっさく、ポンカン、シイクワシャー、かぼす等)、仁果類(りんご、なし、など)、核果類(もも、梅、アンズ、スモモ、さくらんぼ、など)、しょうか類(ブドウ、カシス、ブルーベリー、など)、熱帯、亜熱帯性果実類(パイナップル、グアバ、バナナ、マンゴー、ライチ、など)、果実的野菜(いちご、メロン、スイカ、など)の果汁が挙げられる。これらの果汁は、1種類を単独使用しても、2種類以上を併用してもよい。また、野菜汁の種類は、例えば、トマト汁、コーン汁、かぼちゃ汁、ニンジン汁等が挙げられ、野菜汁は、1種類を単独使用しても、2種類以上を併用してもよい。また、果汁と野菜汁を組み合わせてもよい。
そして、本発明のアルコール飲料は、飲料に通常配合する添加剤、例えば、香料、ビタミン、色素類、酸化防止剤、保存料、調味料、エキス類、pH調整剤、品質安定剤等を含んでいてもよい。
本発明の飲料は、容器詰めの形態で提供することができる。容器の形態には、缶等の金属容器、ペットボトル、紙パック、瓶、パウチなどが含まれるが、これらに限定されない。例えば、本発明の飲料を容器に充填した後にレトルト殺菌等の加熱殺菌を行う方法や、飲料を殺菌して容器に充填する方法を通じて、殺菌された容器詰め製品を製造することができる。
本発明のアルコール飲料は、そのまま飲用することができる。また、本発明のアルコール飲料は、希釈して飲用することもできる。即ち、本発明のアルコール飲料は、希釈するためのベースとして用いることもできる。アルコール飲料を希釈する場合は、希釈液、例えば、水、炭酸水、及び一般的に用いられる割り剤を用いることができる。好ましくは、水又は炭酸水を、アルコール飲料の希釈に用い、水割り飲料又は炭酸割飲料とすることができる。アルコール飲料1に対する希釈液の混合比は、例えば、1:0.05~20、1:0.1~10、1:0.5~5にすることができる。具体例としては、アルコール飲料1に対して希釈液3の混合比である。炭酸水で割ると、トップノートが一層強く感じられ得るため、好ましい。
<アルコール飲料の製造方法>
本発明のアルコール飲料は、フェネチルアルコール含量を調整する工程、酢酸ベンジル含量を調整する工程、及び蒸留酒を混合する工程を含んでなる製造方法によって得ることができる。
また、該製造方法は、リナロール含量を調整する工程、アルコール度数を調整する工程、炭酸ガスを供給する工程、それ以外の成分(果汁、野菜果汁、通常配合する添加剤等)を配合する工程、及び、希釈工程からなる群より選ばれる少なくとも1つの工程をさらに含んでいてもよい。これらの工程は、アルコール飲料の各成分の含量が、上記で説明した範囲になるように行う。さらに、容器詰め工程を行ってもよい。
そして、本発明のアルコール飲料及びその製造方法において用いる蒸留酒は、入手可能な蒸留酒であってもよいが、例えば、以下のように製造することができる。
本発明で用いることができる蒸留酒は、一次醪(もろみ)を得る工程(一次仕込)、二次醪を得る工程(二次仕込)、二次醪を蒸留する工程、及びジャスミン茶葉を混合する工程を含んでなる製法により得ることができる。ここで、蒸留工程は、留液のアルコール度数が特定値になるまで行うことができる。一次醪、二次醪の製造方法は、通常実施される方法であれば特に限定されない。必要に応じて、三次・四次仕込などの多段仕込を実施することも可能であるが、以下では、二段仕込の場合を説明する。
(一次仕込み工程)
麹に、水と酵母とを加えて混合し、発酵に必要なだけの酵母数となるまで所定条件下にて酵母を増殖させ、一次醪とする。一次醪を得る工程を一次仕込という。麹は、通常の焼酎で使用されている麹であれば、原料、麹菌の種類、製麹方法も特に限定されない。例えば、麦麹を用いることができる。一般に、麹菌は、白麹菌(Aspergillus.kawachii、Aspergillus.usami)、黒麹菌(Aspergillus.luchuensis)、黄麹菌(Aspergillus.oryzae)などが使用される。
麹がない場合は、常法によって蒸した米、麦などの穀類原料又は粉砕処理などした米、麦などの穀類原料に、α-アミラーゼやグルコアミラーゼなどの液化酵素及び糖化酵素を添加したものを代用してもよい。この場合、酵素剤の選択・添加量は、酵母が増殖することができれば特に限定されない。
酵母は、アルコール発酵能を有していれば特に限定されない。通常酒類で使用される酵母としては、ワイン酵母、清酒酵母、ウイスキー酵母、焼酎酵母などが使用される。その使用形態も特に限定されず、例えば、アンプル等の容器に封入された液体状のものであっても、乾燥酵母などであってもよい。
(二次仕込み工程)
一次醪に、掛け原料と水とを加えて混合し、所定の条件で発酵させて二次醪を製造する。二次醪を得る工程を二次仕込という。この際、掛け原料としては、蒸し工程を実施した麦又はサツマイモであり、好ましくは、蒸し工程を実施した麦である。該麦又はサツマイモは、蒸留酒の製造に一般的に用いられる品種であればよい。また、該麦又はサツマイモは、乾燥、箭断、粉砕処理等の加工処理が施されたものであってもよい。
蒸し工程に使用される装置(蒸し機)は、特に限定されないが、長時間温度保持する必要があることを考慮した場合、密閉可能な装置、例えば、バッチ式蒸し機を使用することができる。蒸し工程(1)は麦又はサツマイモをα化させるための工程であり、麦又はサツマイモを昇温するために、装置内に水蒸気を通気する。そして、蒸し工程(2)によって、麦又はサツマイモ中のでんぷんのα化が進行する。また、蒸し工程(3)では、焦げ付かない程度に蒸気を入れてもよいが、好ましくは蒸気を停止した方がよい。また、装置を解放してもよいが、汚染、温度低下を防ぐためにも密閉状態とすることが好ましい。但し蒸し工程(3)の実行は任意である。
蒸し工程を経た麦又はサツマイモは、冷却したのち、一次醪に投入される。投入前に原料を破砕機にかけて破砕してもよい。破砕方法は特に限定されないが、例えば、チョッパー型、ロール式、ハンマーミル式、カッター式などが挙げられる。
上記のようにして得られた掛け原料は、本発明の効果が奏される限りにおいて、任意の量で、一次醪に添加することができる。一次醪に添加される掛け原料の重量は、一次醪に添加した麹あるいは穀類の重量に対して、例えば、約2倍~約5倍にすることができる。
また、掛け原料に加えて、含糖物質も一次醪に加えることができる。含糖物質としては、米・麦(大麦、ライ麦、小麦、カラス麦、裸麦など)・そば・とうもろこし・あわ・きび・ひえ、などの穀類、じゃがいも・さといも・きくいも・やまのいも・ながいも・じねんじょ、などのいも類、かぼちゃ・トマト・にんじん、などの野菜類、デーツ(なつめやし)などの果実類、などを挙げることができる。穀類、いも類などでんぷんをα化する必要のある含糖物質は、通常の蒸し工程を実施してから使用する。
掛け原料と、含糖物質との重量比は、本発明の効果を与えることができる範囲であれば、特に限定されず、所望の品質に応じて適宜選択して決定することができる。
(酵素剤)
一次醪、二次醪の発酵過程で、発酵促進、アルコール収率の向上、エステルなどの好ましい香気生成の促進、などを目的として、市販の酵素剤を添加してもよい。例えば焼酎の製造に使用される酵素剤としては、α-アミラーゼ、グルコアミラーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼなどがある。
(二次醪を蒸留する工程)
発酵が終了した二次醪を蒸留機に入れ、蒸留を実施して留液を得る。該留液は、蒸留酒である(原酒ともいう)。蒸留方法は、本発明の効果を与えることができれば特に限定されない。例えば、単式蒸留及び連続式蒸留のいずれであってもよい。また、常圧蒸留及び減圧蒸留のいずれであってもよい。
常圧蒸留は、大気圧で二次醪を蒸留して原酒を得るもので、一般に力強い、コクのある酒質の原酒を得ることができる。減圧蒸留は、真空ポンプなどを用いて、蒸留機内を大気圧より低い気圧に減圧して蒸留して原酒を得るもので、一般にソフトで軽快な酒質の原酒を得ることが出来る。いずれの蒸留方法・蒸留操作であっても、本発明の効果を与えることができる範囲であれば、所望の品質に応じて実施することができる。
本発明において、蒸留は、留液のアルコール度数が特定値になるまで行うことができる。留液のアルコール度数を指標として蒸留を行うことによって、得られる原酒において、焦げ臭、酒臭さ、及び/又は後口の悪さを効果的に抑えることに寄与し得る。蒸留は、留液のアルコール度数が、例えば、58%、55%、44%、43%、42%、41%、40%、又は35%になるまで行うことができる。
(ジャスミン茶葉を混合する工程)
ジャスミン茶葉を混合することによって、得られる蒸留酒に特徴的な香りが賦与され、ひいては、アルコール飲料に好ましい風味を与え得る。ジャスミン茶葉の混合工程は、蒸留酒製造のいずれの段階で行ってもよい。例えば、この工程は、一次仕込み工程、二次仕込み工程、及び二次醪を蒸留する工程から選ばれる工程の前又は後に行うことができる。例えば、この工程は、二次仕込み工程の前に行うことができる。即ち、ジャスミン茶葉を一次醪と混合した後、二次仕込み工程を行う。
或いは、ジャスミン茶葉を混合する工程は、一次仕込み工程、二次仕込み工程、及び二次醪を蒸留する工程から選ばれる工程の中で行うこともできる。具体例として、この工程は、二次仕込み工程の中で行うことができる。即ち、ジャスミン茶葉を一次醪と混合し、二次仕込み工程を行う。
ジャスミン茶葉は生葉そのものを用いてもよいし、加工又は処理(例えば、乾燥、剪断、粉砕、加熱、抽出、洗浄等)したものを用いてもよい。
(その他の処理)
本発明においては、上記に加えて、さらなる工程又は処理を行うこともできる。そのような工程又は処理は、本発明の効果を損なうものでなければ特に限定されない。限定されないが、濾過、イオン交換樹脂処理、活性炭処理、木製の貯蔵容器(例えば樫樽)への貯蔵、タンクや甕などの容器での熟成、異なる条件で製造した原酒との混合などがある。これらの処理を単独あるいは組み合わせて実施してもよい。
<成分分析>
本発明のアルコール飲料及びその製造に用いる原料の成分分析は以下の方法で行うことができる。
(1)アルコール度数
アルコール度数は、振動式密度計を用いて測定することができる。より詳細には、測定対象のアルコール飲料を濾過又は超音波処理することによって炭酸ガスを抜いた試料を調製し、そして、その試料を直火蒸留し、得られた留液の15℃における密度を測定し、国税庁所定分析法(平19国税庁訓令第6号、平成19年6月22日改訂)の付表である「第2表 アルコール分と密度(15℃)及び比重(15/15℃)換算表」を用いて換算することによりアルコール度数を求める。1.0%(v/v)未満のアルコール度数は、国税庁所定分析法3-4(アルコール分)に記載の「B)ガスクロマトグラフ分析法」を用いることによって測定することができる。
(2)フェネチルアルコール、酢酸ベンジル、リナロールの分析
アルコール飲料の成分の分析は、限定されないが、以下の条件に設定したガスクロマトグラフィーにより行うことができる。
A.フェネチルアルコール
試料溶液をエタノールで5倍希釈したものを、2mLバイアルに1.5mL採取した。
次いで、かかるバイアルに内部標準物質として、シクロヘキサノール1000ppmを含むエタノール溶液を15μL添加し、測定サンプルを準備した。準備したサンプルをGC/MS測定に供し、内部標準法により定量値を算出した。GC/MS測定条件は以下のとおりである。
ガスクロマトグラフ:GC7890A(Agilent社製)
質量分析器:MSD5975C(Agilent社製)
カラム:DB-WAX(Agilent社製) 内径0.25mm、長さ60m、膜厚0.5μm
移動相:He(流速:1.0mL/分 定流量)
注入方法:スプリットレス注入
注入量:1μL
注入口温度:230℃
オーブン温度:40℃(3分)→4℃/分→230℃(1分)
トランスファーライン温度:220℃
イオン源温度:230℃
四重極温度:150℃
定量に用いたイオン:m/z 91
B.酢酸ベンジル
試料溶液を超純水で10倍希釈したものを、20mLバイアルに10mL採取した。次いで、かかるバイアルに3gの塩化ナトリウムを添加して完全に溶解させ、測定サンプルを準備した。準備したサンプルを60℃で5分間加熱した後に、ヘッドスペース中の香気成分をSPMEファイバー(65μm PDMS/DVB,StableFlex、SPELCO社製)によって20分間抽出し、GC/MS測定に供し、標準添加法により定量値を算出した。GC/MS測定条件は以下のとおりである。
ガスクロマトグラフ:GC7890A(Agilent社製)
質量分析器:MSD5975C(Agilent社製)
カラム:DB-WAX(Agilent社製) 内径0.25mm、長さ60m、膜厚0.5μm
移動相:He(流速:1.0mL/分 定流量)
注入方法:スプリット注入
スプリット比:10:1
注入口温度:260℃
オーブン温度:40℃(3分)→4℃/分→230℃(1分)
トランスファーライン温度:220℃
イオン源温度:230℃
四重極温度:150℃
定量に用いたイオン:m/z 108
C.リナロール
試料溶液をエタノールで5倍希釈したものを、2mLバイアルに1.5mL採取した。
次いで、かかるバイアルに内部標準物質として、シクロヘキサノール1000ppmを含むエタノール溶液を15μL添加し、測定サンプルを準備した。準備したサンプルをGC/MS測定に供し、内部標準法により定量値を算出した。GC/MS測定条件は以下のとおりである。
ガスクロマトグラフ:GC7890A(Agilent社製)
質量分析器:MSD5975C(Agilent社製)
カラム:DB-WAX(Agilent社製) 内径0.25mm、長さ60m、膜厚0.5μm
移動相:He(流速:1.0mL/分 定流量)
注入方法:スプリットレス注入
注入量:1μL
注入口温度:230℃
オーブン温度:40℃(3分)→4℃/分→230℃(1分)
トランスファーライン温度:220℃
イオン源温度:230℃
四重極温度:150℃
定量に用いたイオン:m/z 71
(3)炭酸ガス圧
炭酸ガス圧は、京都電子工業製ガスボリューム測定装置GVA-500Aを用いて測定することができる。例えば、試料温度を20℃にし、前記ガスボリューム測定装置において容器内空気中のガス抜き(スニフト)、振とう後、炭酸ガス圧を測定する。本明細書においては、特に断りがない限り、炭酸ガス圧は、20℃における炭酸ガス圧を意味する。
<発明の効果>
本発明により、蒸留酒を含有するアルコール飲料について、アルコール刺激感を軽減できる。酢酸ベンジル、リナロールと、アルコール飲料のアルコール刺激感との関係は知られていない。
本発明の具体例を以下に示す。但し、以下の具体例は、本発明を理解することを目的とするものであって、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
[製造例1] 蒸留酒の製造
一次仕込みを次のように行った。麦麹は、通常の麦焼酎の製造において使用される一般的な麹菌(黒麹(河内源一郎商店))を用い、常法にしたがって製麹した。具体的には、麦を、自動ドラム型製麹機を用いて製麹し、42~48時間後に出麹して、麦麹を得た。約1kL容のタンクに麦麹2t及び水約2.4KLを加え、焼酎用酵母(鹿児島酵母5号)を、酵母数が最終濃度で10cell/mLとなるように添加して仕込み、常温にて約5日間発酵を行った。一次発酵を終了した一次醪の総量は約4kLとなった。
二次仕込みを次のように行った。一次仕込みにより得られた一次醪に、通常蒸し麦を4t、水約10kL、ジャスミン茶葉を800KGを投入して、常温にて二次発酵を約9日間行った。
前述の通常蒸し麦は次のように製造した。生の麦をバッチ式芋蒸し機に投入し、通常の蒸し工程を実施した。具体的には、蒸気を蒸し機内に投入して麦の内部温度が100℃に達するまで昇温させ(昇温時間約60分間)、その後約30分程度入蒸し続けて100℃を保持した。その後入蒸を停止し、外気を蒸し機内に強制送風することにより約120分間冷却を行った。
蒸留工程は次のように行った。二次仕込の終了した麦焼酎醪(二次醪)を、減圧蒸留法にて留液全体のアルコール度数が55%になるまで蒸留し、麦焼酎原酒Aを得た。
[実施例1]官能評価
アルコール飲料の風味に対する、酢酸ベンジル含量の影響を検討した。以下の原料を用いて試験サンプルを調製した。
・蒸留酒(ニュートラルスピリッツ(アルコール度数25%(v/v)))
・フェネチルアルコール溶液(フェネチルアルコール10000ppm、ニュートラルスピリッツに溶解)
・酢酸ベンジル溶液(酢酸ベンジル100ppm、ニュートラルスピリッツに溶解)
上記の原料を混合し、フェネチルアルコール含量、酢酸ベンジル含量、及びアルコール度数が以下の表に示すように調整された試験サンプルを調製した。
各試験サンプルについて、官能評価を実施した。訓練された専門のパネラーが試験サンプルを飲用し、アルコールの刺激感を5点満点で評価した:
5点 刺激感をほとんど感じなくなる
4点 刺激感をとても感じにくくなる
3点 刺激感を少し感じにくくなる
2点 刺激感をわずかに感じにくくなる
1点 刺激感を感じる
Figure 2022102481000001
表に示したアルコール刺激感の評価は、パネラーの平均点である。
酢酸ベンジルを含まない比較例1-1はアルコール刺激感が感じられた。酢酸ベンジルを含有することで、アルコールの刺激感が緩和されることが確認できた。酢酸ベンジルの濃度が0.005ppmの時も、2.5ppmの時も、アルコールの刺激感の軽減効果が得られることが確認できた。
[実施例2]官能評価
アルコール飲料の風味に対する、リナロール含量の影響を検討した。以下の原料を用いて試験サンプルを調製した。
・蒸留酒(ニュートラルスピリッツ(アルコール度数25%(v/v)))
・フェネチルアルコール溶液(フェネチルアルコール10000ppm、ニュートラルスピリッツに溶解)
・リナロール溶液(リナロール1000ppm、ニュートラルスピリッツに溶解)
・酢酸ベンジル溶液(酢酸ベンジル100ppm、ニュートラルスピリッツに溶解)
上記の原料を混合し、フェネチルアルコール含量、酢酸ベンジル含量、リナロール含量、及びアルコール度数が以下の表に示すように調整された試験サンプルを調製した。実施例1に示した方法に従って、調製したサンプルの官能評価を実施した。
Figure 2022102481000002
リナロールを含有することで、アルコールの刺激感がより軽減されることが確認できた。
リナロールの濃度が0.1ppmの時も、25ppmの時も、リナロールを含有しない時と比較して、アルコールの刺激感がより軽減できることが確認できた。
[実施例3]官能評価
アルコール飲料の風味に対する、酢酸ベンジル含量の影響を検討した。以下の原料を用いて試験サンプルを調製した。
・蒸留酒(麦焼酎(アルコール度数25%(v/v)、いいちこ(登録商標)(三和酒類株式会社)))
・酢酸ベンジル溶液(酢酸ベンジル100ppm、いいちこに溶解)
上記の原料を混合し、酢酸ベンジル含量、及びアルコール度数が以下の表に示すように調整された試験サンプルを調製した。試験サンプルのフェネチルアルコール含量は15ppmであった。実施例1に示した方法に従って、調製したサンプルの官能評価を実施した。
Figure 2022102481000003
酢酸ベンジルを含まない比較例3-1はアルコール刺激感が感じられた。酢酸ベンジル含量が入ることで、アルコールの刺激感が緩和されることが確認できた。酢酸ベンジルの濃度が0.005ppmの時も、2.5ppmの時も、アルコールの刺激感の軽減効果が得られることが確認できた。
実施例1の結果も併せて考えると、ベースとなる蒸留酒を変更しても、酢酸ベンジルを含有させることで、アルコール刺激感の軽減効果が得られることも確認できた。
[実施例4]官能評価
アルコール飲料の風味に対する、リナロール含量の影響を検討した。以下の原料を用いて試験サンプルを調製した。
・蒸留酒(麦焼酎(アルコール度数25%(v/v)、いいちこ(登録商標)(三和酒類株式会社)))
・リナロール溶液(リナロール1000ppm、いいちこに溶解)
・酢酸ベンジル溶液(酢酸ベンジル100ppm、いいちこに溶解)
上記の原料を混合し、酢酸ベンジル含量、リナロール含量、及びアルコール度数が以下の表に示すように調整された試験サンプルを調製した。試験サンプルのフェネチルアルコール含量は15ppmであった。実施例1に示した方法に従って、調製したサンプルの官能評価を実施した。
Figure 2022102481000004
リナロールを含有することで、アルコールの刺激感がより軽減されることが確認できた。リナロールの濃度が0.1ppmの時も、25ppmの時も、リナロールを含有しない時と比較して、アルコールの刺激感がより軽減できることが確認できた。
実施例2の結果も併せて考えると、ベースとなる蒸留酒を変更しても、リナロール含量の調整によって、アルコール刺激感をより軽減できることも確認できた。
[実施例5]官能評価
炭酸ガスを含有するアルコール飲料の風味に対する、酢酸ベンジル含量の影響を検討した。以下の原料を用いて試験サンプルを調製した。
・蒸留酒(ニュートラルスピリッツ(アルコール度数25%(v/v)))
・フェネチルアルコール溶液(フェネチルアルコール10000ppm、ニュートラルスピリッツに溶解)
・酢酸ベンジル溶液(酢酸ベンジル100ppm、ニュートラルスピリッツに溶解)
上記の原料を混合し、フェネチルアルコール含量、酢酸ベンジル含量、及びアルコール度数が以下の表に示すように調整された試験サンプルを調製した。該試験サンプルに、3倍量の炭酸水を混合し、実施例1に示した方法に従って官能評価を実施した。
Figure 2022102481000005
酢酸ベンジルを含まない比較例5-1はアルコール刺激感が感じられた。酢酸ベンジル含量が入ることで、アルコールの刺激感が緩和されることが確認できた。酢酸ベンジルの濃度が0.005ppmの時も、2.5ppmの時も、アルコールの刺激感の軽減効果が得られることが確認できた。
実施例1の結果と併せて考えると、炭酸ガスの有無に関わらず、効果が得られることも確認できた。
[実施例6]官能評価
炭酸ガスを含有するアルコール飲料の風味に対する、リナロール含量の影響を検討した。以下の原料を用いて試験サンプルを調製した。
・蒸留酒(ニュートラルスピリッツ(アルコール度数25%(v/v)))
・フェネチルアルコール溶液(フェネチルアルコール10000ppm、ニュートラルスピリッツに溶解)
・リナロール溶液(リナロール1000ppm、ニュートラルスピリッツに溶解)
・酢酸ベンジル溶液(酢酸ベンジル100ppm、ニュートラルスピリッツに溶解)
上記の原料を混合し、フェネチルアルコール含量、酢酸ベンジル含量、リナロール含量、及びアルコール度数が以下の表に示すように調整された試験サンプルを調製した。該試験サンプルに、3倍量の炭酸水を混合し、実施例1に示した方法に従って官能評価を実施した。
Figure 2022102481000006
リナロールを含有することで、アルコールの刺激感がより軽減されることが確認できた。
リナロールの濃度が0.1ppmの時も、25ppmの時も、リナロールを含有しない時と比較して、アルコールの刺激感がより軽減できることが確認できた。
実施例2の結果と併せて考えると、炭酸の有無に関わらず、効果が得られることも確認できた。
[実施例7]官能評価
炭酸ガスを含有するアルコール飲料の風味に対する、酢酸ベンジル含量の影響を検討した。以下の原料を用いて試験サンプルを調製した。
・蒸留酒(麦焼酎(アルコール度数25%(v/v)、いいちこ(登録商標)(三和酒類株式会社)))
・酢酸ベンジル溶液(酢酸ベンジル100ppm、いいちこに溶解)
上記の原料を混合し、酢酸ベンジル含量、及びアルコール度数が以下の表に示すように調整された試験サンプルを調製した。試験サンプルのフェネチルアルコール含量は15ppmであった。該試験サンプルに、3倍量の炭酸水を混合し、実施例1に示した方法に従って官能評価を実施した。
Figure 2022102481000007
酢酸ベンジルを含まない比較例7-1はアルコール刺激感が感じられた。酢酸ベンジル含量が入ることで、アルコールの刺激感が緩和されることが確認できた。酢酸ベンジルの濃度が0.005ppmの時も、2.5ppmの時も、アルコールの刺激感の軽減効果が得られることが確認できた。
実施例3の結果と併せて考えると、炭酸ガスの有無に関わらず、効果が得られることも確認できた。実施例5の結果も併せて考えると、ベースとなる蒸留酒を変更しても、酢酸ベンジルを含有させることで、アルコール刺激感の軽減効果が得られることも確認できた。
[実施例8]官能評価
炭酸ガスを含有するアルコール飲料の風味に対する、リナロール含量の影響を検討した。以下の原料を用いて試験サンプルを調製した。
・蒸留酒(麦焼酎(アルコール度数25%(v/v)、いいちこ(登録商標)(三和酒類株式会社)))
・リナロール溶液(リナロール1000ppm、いいちこに溶解)
・酢酸ベンジル溶液(酢酸ベンジル100ppm、いいちこに溶解)
上記の原料を混合し、酢酸ベンジル含量、リナロール含量、及びアルコール度数が以下の表に示すように調整された試験サンプルを調製した。試験サンプルのフェネチルアルコール含量は15ppmであった。該試験サンプルに、3倍量の炭酸水を混合し、実施例1に示した方法に従って官能評価を実施した。
Figure 2022102481000008
リナロールを含有することで、アルコールの刺激感がより軽減されることが確認できた。
リナロールの濃度が0.1ppmの時も、25ppmの時も、リナロールを含有しない時と比較して、アルコールの刺激感がより軽減できることが確認できた。
実施例4の結果と併せて考えると、炭酸の有無に関わらず、効果が得られることも確認できた。実施例6の結果も併せて考えると、ベースとなる蒸留酒を変更しても、リナロール含量の調整によって、アルコール刺激感の軽減効果が得られることも確認できた。
[実施例9]官能評価
製造例1で記載した麦焼酎原酒を用いた場合について検討した。以下の原料を用いて試験サンプルを調製した。
・製造例1で製造した麦焼酎原酒A
・ニュートラルスピリッツ
・水
上記の原料を混合し、以下の表に示すように調整された試験サンプルを調製した。試験サンプルのフェネチルアルコール含量、酢酸ベンジル含量、リナロール含量、及びアルコール度数、アルコール量全体に対する麦焼酎原酒Aのアルコール量の割合は以下の表の通りであった。
Figure 2022102481000009
酢酸ベンジル、リナロールを含有することで、アルコールの刺激感が大きく軽減されることが確認できた。
[実施例10]官能評価
製造例1で記載した麦焼酎原酒を用いたものについて、炭酸ガスを含有させた場合について検討した。以下の原料を用いて試験サンプルを調製した。
・製造例1で製造した麦焼酎原酒A
・ニュートラルスピリッツ
・水
上記の原料を混合し、以下の表に示すように調整された試験サンプルを調製した。試験サンプルのフェネチルアルコール含量、酢酸ベンジル含量、リナロール含量、及びアルコール度数、アルコール量全体に対する麦焼酎原酒Aのアルコール量の割合は以下の表の通りであった。該試験サンプルに、3倍量の炭酸水を混合し、実施例1に示した方法に従って官能評価を実施した。
Figure 2022102481000010
炭酸の有無に関わらず、酢酸ベンジル、リナロールを含有することで、アルコールの刺激感が大きく軽減されることが確認できた。

Claims (12)

  1. アルコール飲料であって、
    フェネチルアルコールを5ppm以上、
    酢酸ベンジル、及び
    蒸留酒
    を含んでなる、前記アルコール飲料。
  2. リナロールをさらに含んでなる、請求項1に記載のアルコール飲料。
  3. アルコール度数が10%(v/v)以上である、請求項1又は2に記載のアルコール飲料。
  4. 炭酸ガスをさらに含んでなる、請求項1~3のいずれか一項に記載のアルコール飲料。
  5. 炭酸割飲料である、請求項1~4のいずれか一項に記載のアルコール飲料。
  6. 水割飲料である、請求項1~5のいずれか一項に記載のアルコール飲料。
  7. アルコール飲料の製造方法であって、
    フェネチルアルコール含量を5ppm以上に調整する工程、
    酢酸ベンジル含量を調整する工程、及び
    蒸留酒を混合する工程
    を含んでなる、前記製造方法。
  8. 蒸留酒は、
    一次仕込み工程により一次醪を得る、
    該一次醪を二次仕込み工程に供し、二次醪を得る、
    該二次醪を蒸留して留液を得る工程、
    ジャスミン茶葉を混合する工程
    を含んでなる方法により得られる、請求項7に記載のアルコール飲料の製造方法。
  9. ジャスミン茶葉を二次仕込み工程の前に混合する、請求項8に記載のアルコール飲料の製造方法。
  10. ジャスミン茶葉を一次醪と混合する、請求項8又は9に記載のアルコール飲料の製造方法。
  11. アルコール飲料がフェネチルアルコールを含有する、請求項7~10のいずれか一項に記載のアルコール飲料の製造方法。
  12. 炭酸ガスを供給する工程をさらに含んでなる、請求項7~11のいずれか一項に記載のアルコール飲料の製造方法。
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