JP2022100702A - マスクブランク用基板の乾燥方法、およびeuvl用マスクブランクの製造方法 - Google Patents

マスクブランク用基板の乾燥方法、およびeuvl用マスクブランクの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2022100702A
JP2022100702A JP2020214831A JP2020214831A JP2022100702A JP 2022100702 A JP2022100702 A JP 2022100702A JP 2020214831 A JP2020214831 A JP 2020214831A JP 2020214831 A JP2020214831 A JP 2020214831A JP 2022100702 A JP2022100702 A JP 2022100702A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
main surface
mask blank
substrate
euv light
drying
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020214831A
Other languages
English (en)
Inventor
圭輔 太田
Keisuke Ota
大介 吉宗
Daisuke Yoshimune
健悟 吉田
Kengo Yoshida
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP2020214831A priority Critical patent/JP2022100702A/ja
Publication of JP2022100702A publication Critical patent/JP2022100702A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Cleaning Or Drying Semiconductors (AREA)

Abstract

【課題】洗浄後のマスクブランク用基板のスピン乾燥において、跳ね返りによる洗浄液の再付着を抑制し、歩留りを向上させる、技術を提供する。【解決手段】本発明の一態様に係るマスクブランク用基板の乾燥方法は、以下の工程を有する。(工程1)前記マスクブランク用基板の2つの主表面のうちの一方の主表面が上向きかつ水平となるように、前記マスクブランク用基板を支持する工程。(工程2)前記マスクブランク用基板を、前記主表面に対して垂直な回転軸を中心として回転させ、前記一方の主表面を洗浄液で洗浄する工程。(工程3)明細書中の式(1)または(2)を満たすように、第1の回転数(R1;単位はrpm)による回転と、第2の回転数(R2;単位はrpm)による回転と、をこの順に行うことで、前記マスクブランク用基板を乾燥させる工程。【選択図】図6

Description

本発明は、マスクブランク用基板の乾燥方法、およびEUVL用マスクブランクの製造方法に関する。
従来から、半導体デバイスの製造には、フォトリソグラフィ技術が用いられている。フォトリソグラフィ技術では、露光装置によって、フォトマスクの回路パターンに光を照射し、その回路パターンをレジスト膜に縮小して転写する。
最近では、微細な回路パターンの転写を可能とするため、短波長の露光光、例えば、ArFエキシマレーザ光、さらにはEUV(Extreme Ultra-Violet)光などの使用が検討されている。ここで、EUV光とは、軟X線および真空紫外線を含み、具体的には波長が0.2nm~100nm程度の光のことである。現時点では、13~14nm程度の波長のEUV光が主に検討されている。
EUVL(Extreme Ultra-Violet Lithography)用フォトマスクは、EUVL用マスクブランクに回路パターンを形成することで得られる。
EUVL用マスクブランクは、EUVL用ガラス基板と、その第1主表面に形成される導電膜と、第1主表面とは反対向きの第2主表面に形成されるEUV光反射膜と、EUV光吸収膜とを有する。EUV光反射膜とEUV光吸収膜とはこの順番で形成される。
EUVL用マスクブランクは、回路パターンの転写精度を向上するため、表面の欠陥が少ない方が好ましい。ここで欠陥とは、EUVL用マスクブランクの製造工程において発生する凹欠陥と凸欠陥とを指す。
凸欠陥が発生する主な原因は、製造工程において付着するパーティクルである。従って、EUVL用マスクブランクの製造工程において、パーティクルを除去するために、何度も洗浄を実施する。
EUVL用マスクブランクの製造工程の途中段階の基板(以下、単にマスクブランク用基板ともいう。)に対する洗浄の後には、該基板には洗浄液が付着しているので、この洗浄液を除去するために、乾燥を行う。乾燥方法としては、イソプロピルアルコール(IPA)蒸気乾燥、赤外線乾燥等があるが、特に高い乾燥品質が求められる場合には、スピン乾燥が好ましく用いられる。
マスクブランク用基板のスピン乾燥には、例えば、該基板を、その主表面が水平となるように支持した状態で、主表面に垂直な回転軸を中心として回転させ、遠心力により洗浄液を振り切る手法が用いられる。このとき、飛散した洗浄液による洗浄装置の汚染を防止すべく、乾燥時には、マスクブランク用基板およびスピンチャックは、処理カップ内に収容される。
一般に、マスクブランク用基板を含むあらゆる基板のスピン乾燥において、基板から飛散した洗浄液が、処理カップの内壁に衝突し、さらにそれが跳ね返って基板に再付着し、結果として乾燥後にパーティクルが残留してしまう問題があった。そこで、跳ね返りによる洗浄液の再付着を抑制する基板乾燥方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1には、ウエハ等の基板の乾燥方法が記載されている。基板を水平に支持しつつ、基板の主表面に垂直な回転軸を中心として回転するとともに処理液を供給することで処理を行った後に、第1の回転速度で回転させる低速回転工程と、低速回転工程中に行われる液滴成長工程および液滴排除工程と、低速回転工程の後に行われる第2の回転速度で回転させる高速回転工程と、を有する乾燥方法により、基板を乾燥させる。
特開平11-288915号公報
従来、洗浄後のマスクブランク用基板のスピン乾燥は、高速回転のみによって問題なく行われていた。しかし、回路パターンの更なる微細化に伴ってEUVL用マスクブランクの表面欠陥に対する要求特性が厳しくなるにつれ、跳ね返りによる洗浄液の再付着が無視できなくなり、歩留りが悪化するという問題があった。
そこで発明者らは、特許文献1の方法を参考に、洗浄後のマスクブランク用基板を低速回転工程と高速回転工程とを有する乾燥方法により乾燥させることを試みたが、跳ね返りによる洗浄液の再付着を十分に抑制できない場合があることを見出した。
その結果、洗浄後のマスクブランク用基板のスピン乾燥において、跳ね返りによる洗浄液の再付着を十分に抑制できず、基板表面にパーティクルが残留することがあり、歩留りが改善されなかった。
本発明は、洗浄後のマスクブランク用基板のスピン乾燥において、跳ね返りによる洗浄液の再付着を抑制し、歩留りを向上させる、技術を提供する。
本発明の一態様に係るマスクブランク用基板の乾燥方法は、以下の工程を有する。
(工程1)
前記マスクブランク用基板の2つの主表面のうちの一方の主表面が上向きかつ水平となるように、前記マスクブランク用基板を支持する工程
(工程2)
前記マスクブランク用基板を、前記主表面に対して垂直な回転軸を中心として回転させ、前記一方の主表面を洗浄液で洗浄する工程
(工程3)
下記式(1)または(2)を満たすように、第1の回転数(R;単位はrpm)による回転と、第2の回転数(R;単位はrpm)による回転と、をこの順に行うことで、前記マスクブランク用基板を乾燥させる工程
Figure 2022100702000002
Figure 2022100702000003
本発明によれば、洗浄後のマスクブランク用基板のスピン乾燥において、跳ね返りによる洗浄液の再付着を抑制できる。
図1は、一実施形態に係るEUVL用マスクブランクの製造方法を示すフローチャートである。 図2は、一実施形態に係るEUVL用ガラス基板を示す断面図である。 図3は、一実施形態に係るEUVL用ガラス基板を示す平面図である。 図4は、一実施形態に係るEUVL用マスクブランクを示す断面図である。 図5は、EUVL用フォトマスクの一例を示す断面図である。 図6は、一実施形態に係る基板処理装置を示す断面図である。 図7は、図6の基板処理装置を用いて基板を処理する方法を示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。各図面において同一のまたは対応する構成には同一の符号を付し、説明を省略することがある。明細書中、数値範囲を示す「~」は、その前後に記載された数値を下限値および上限値として含むことを意味する。
図1に示すように、EUVL用マスクブランクの製造方法は、ステップS1~S7を有する。図2および図3に示すEUVL用ガラス基板2を用いて、図4に示すEUVL用マスクブランク1が製造される。以下、EUVL用マスクブランク1を、単にマスクブランク1とも呼ぶ。また、EUVL用ガラス基板2を、単にガラス基板2とも呼ぶ。
ガラス基板2は、図2および図3に示すように、第1主表面21と、第1主表面21とは反対向きの第2主表面22とを有する。第1主表面21は、矩形状である。本明細書において、矩形状とは、角に面取加工を施した形状を含む。また、矩形は、正方形を含む。第2主表面22は、第1主表面21とは反対向きである。第2主表面22も、第1主表面21と同様に、矩形状である。
また、ガラス基板2は、4つの端面23と、4つの第1面取面24と、4つの第2面取面25とを含む。端面23は、第1主表面21および第2主表面22に対して垂直である。第1面取面24は、第1主表面21と端面23の境界に形成される。第2面取面25は、第2主表面22と端面23の境界に形成される。
ガラス基板2のガラスは、TiOを含有する石英ガラスが好ましい。石英ガラスは、一般的なソーダライムガラスに比べて、線膨張係数が小さく、温度変化による寸法変化が小さい。石英ガラスは、SiOを80質量%~95質量%、TiOを4質量%~17質量%含んでよい。TiO含有量が4質量%~17質量%であると、室温付近での線膨張係数が略ゼロであり、室温付近での寸法変化がほとんど生じない。石英ガラスは、SiOおよびTiO以外の第三成分または不純物を含んでもよい。
平面視にてガラス基板2のサイズは、例えば縦152mm、横152mmである。縦寸法および横寸法は、152mm以上であってもよい。
ガラス基板2は、第1主表面21に中央領域27と周縁領域28とを有する。中央領域27は、その中央領域27を取り囲む矩形枠状の周縁領域28を除く、縦142mm、横142mmの正方形の領域であり、ステップS1~S4によって所望の平坦度に加工される領域である。中央領域27の4つの辺は、4つの端面23に平行である。中央領域27の中心は、第1主表面21の中心に一致する。
なお、図示しないが、ガラス基板2の第2主表面22も、第1主表面21と同様に、中央領域と、周縁領域とを有する。第2主表面22の中央領域は、第1主表面21の中央領域と同様に、縦142mm、横142mmの正方形の領域であって、図1のステップS1~S4によって所望の平坦度に加工される領域である。
先ず、ステップS1では、ガラス基板2の第1主表面21および第2主表面22を研磨する。第1主表面21および第2主表面22は、両面研磨機で同時に研磨される。または、片面研磨機で順番に研磨されてもよい。その順番は、どちらが先でもよく、特に限定されない。ステップS1では、研磨パッドとガラス基板2の間に研磨スラリーを供給しながら、ガラス基板2を研磨する。
研磨パッドとしては、例えばウレタン系研磨パッド、不織布系研磨パッド、またはスウェード系研磨パッドなどが用いられる。研磨スラリーは、研磨剤と分散媒とを含む。研磨剤は、例えば酸化セリウム粒子である。分散媒は、例えば水または有機溶剤である。第1主表面21および第2主表面22は、異なる材質または粒度の研磨剤で、複数回研磨されてもよい。
なお、ステップS1で用いられる研磨剤は、酸化セリウム粒子には限定されない。例えば、ステップS1で用いられる研磨剤は、酸化シリコン粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化チタン粒子、ダイヤモンド粒子、または炭化珪素粒子などであってもよい。
次に、ステップS2では、ガラス基板2の第1主表面21および第2主表面22の表面形状を測定する。表面形状の測定には、例えば、表面が傷付かないように、レーザ干渉式等の非接触式の測定機が用いられる。測定機は、第1主表面21の中央領域27、および第2主表面22の中央領域の表面形状を測定する。
次に、ステップS3では、ステップS2の測定結果を参照し、平坦度を向上すべく、ガラス基板2の第1主表面21および第2主表面22を局所加工する。第1主表面21と第2主表面22は、順番に局所加工される。その順番は、どちらが先でもよく、特に限定されない。局所加工の方法は、例えばGCIB(Gas Cluster Ion Beam)法、またはPCVM(Plasma Chemical Vaporization Machining)法である。局所加工の方法は、磁性流体による研磨法、回転研磨ツールによる研磨法、または触媒基準エッチング法等であってもよい。
次に、ステップS4では、ガラス基板2の第1主表面21および第2主表面22の仕上げ研磨を行う。第1主表面21および第2主表面22は、両面研磨機で同時に研磨される。または、片面研磨機で順番に研磨されてもよい。その順番は、どちらが先でもよく、特に限定されない。ステップS4では、研磨パッドとガラス基板2の間に研磨スラリーを供給しながら、ガラス基板2を研磨する。研磨スラリーは、研磨剤を含む。研磨剤は、例えばコロイダルシリカ粒子である。
次に、ステップS5では、ガラス基板2の第1主表面21の中央領域27に、図4に示す導電膜5を形成する。導電膜5は、EUVL用フォトマスクを露光装置の静電チャックに吸着するのに用いられる。導電膜5は、例えば窒化クロム(CrN)などで形成される。導電膜5の成膜方法としては、例えばスパッタリング法が用いられる。
次に、ステップS6では、ガラス基板2の第2主表面22の中央領域に、図4に示すEUV光反射膜3を形成する。EUV光反射膜3は、EUV光を反射する。EUV光反射膜3は、例えば高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層した多層反射膜であってよい。高屈折率層は例えばシリコン(Si)で形成され、低屈折率層は例えばモリブデン(Mo)で形成される。EUV光反射膜3の成膜方法としては、例えばイオンビームスパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法などのスパッタリング法が用いられる。
最後に、ステップS7では、ステップS6で形成されたEUV光反射膜3の上に、図4に示すEUV光吸収膜4を形成する。EUV光吸収膜4は、EUV光を吸収する。EUV光吸収膜4は、例えばタンタル(Ta)、クロム(Cr)、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)から選ばれる少なくとも1つの元素を含む単金属、合金、窒化物、酸化物、酸窒化物などで形成される。EUV光吸収膜4の成膜方法としては、例えばスパッタリング法が用いられる。
なお、ステップS6~S7は、本実施形態ではステップS5の後に実施されるが、ステップS5の前に実施されてもよい。
上記ステップS1~S7により、図4に示すマスクブランク1が得られる。マスクブランク1は、第1主表面11と、第1主表面11とは反対向きの第2主表面12とを有し、第1主表面11の側から第2主表面12の側に、導電膜5と、ガラス基板2と、EUV光反射膜3と、EUV光吸収膜4とをこの順番で有する。
マスクブランク1は、図示しないが、ガラス基板2と同様に、第1主表面11に中央領域と周縁領域とを有する。中央領域は、その中央領域を取り囲む矩形枠状の周縁領域を除く、縦142mm、横142mmの正方形の領域である。また、マスクブランク1は、ガラス基板2と同様に、第2主表面12にも中央領域と周縁領域とを有する。中央領域は、その中央領域を取り囲む矩形枠状の周縁領域を除く、縦142mm、横142mmの正方形の領域である。
なお、マスクブランク1は、導電膜5、ガラス基板2、EUV光反射膜3、EUV光吸収膜4に加えて、別の膜を含んでもよい。
例えば、マスクブランク1は、更に、低反射膜を含んでもよい。低反射膜は、EUV光吸収膜4の上に形成される。その後、低反射膜とEUV光吸収膜4の両方に、回路パターン41が形成される。低反射膜は、回路パターン41の検査に用いられ、検査光に対してEUV光吸収膜4よりも低反射特性を有する。低反射膜は、例えばTaONまたはTaOなどで形成される。低反射膜の成膜方法としては、例えばスパッタリング法が用いられる。
また、マスクブランク1は、更に、ハードマスク膜を含んでもよい。ハードマスク膜は、EUV光吸収膜4および低反射膜の上に形成される。ハードマスク膜は、回路パターン41を形成する際のマスクとしての機能を有する。回路パターン41が形成された後、ハードマスク膜は除去される。ハードマスク膜は、例えば、Cr系材料などで形成される。ハードマスク膜の成膜方法としては、例えばスパッタリング法が用いられる。
また、マスクブランク1は、更に、保護膜を含んでもよい。保護膜は、EUV光反射膜3とEUV光吸収膜4との間に形成される。保護膜は、EUV光吸収膜4に回路パターン41を形成すべくEUV光吸収膜4をエッチングする際に、EUV光反射膜3がエッチングされないように、EUV光反射膜3を保護する。保護膜は、例えばRu、Si、またはTiOなどで形成される。保護膜の成膜方法としては、例えばスパッタリング法が用いられる。
図5に示すように、EUVL用フォトマスクは、EUV光吸収膜4に回路パターン41を形成して得られる。回路パターン41は開口パターンであって、その形成にはフォトリソグラフィ法およびエッチング法が用いられる。従って、回路パターン41の形成に用いられるレジスト膜が、マスクブランク1に含まれてもよい。
ところで、EUVL用マスクブランクは、回路パターンの転写精度を向上するため、表面の欠陥が少ない方が好ましい。ここで欠陥とは、EUVL用マスクブランクの製造工程において発生する凹欠陥と凸欠陥とを指す。
凸欠陥が発生する主な原因は、製造工程において付着するパーティクルである。従って、EUVL用マスクブランクの製造工程において、パーティクルを除去するために、何度も洗浄を実施する。
EUVL用マスクブランクの製造工程の途中段階の基板(以下、単にマスクブランク用基板ともいう。)に対する洗浄の後には、該基板には洗浄液が付着しているので、この洗浄液を除去するために、乾燥を行う。乾燥方法としては、イソプロピルアルコール(IPA)蒸気乾燥、赤外線乾燥等があるが、特に高い乾燥品質が求められる場合には、スピン乾燥が好ましく用いられる。
洗浄、および当該洗浄後のスピン乾燥は、具体的には、図1のステップS4とS5の間、ステップS5とS6の間、ステップS6とS7の間、ステップS7の後のうちの少なくとも1つで実施するのが好ましく、実施される回数が多いほどより好ましい。また、図示しないが、上述した低反射膜、ハードマスク膜または保護膜の各成膜工程の前後に実施する洗浄の後にスピン乾燥を実施してもよい。
次に、図6および図7を参照して、本発明の一実施形態に係る乾燥方法について詳しく説明する。
図6は、基板処理装置6の構成を簡略的に示す断面図である。基板処理装置6は、スピンチャック61と、処理カップ62と、ノズル63と、サブノズル63Sと、回転駆動機構64と、制御装置65とを含む。
スピンチャック61は、鉛直方向に沿って配置され、処理カップ62の内径622の略中央に設けられた回転軸611と、回転軸611の上端に水平に固定されたスピンテーブル612と、スピンテーブル612に固定された支持ピン613とを有する。回転軸611は回転駆動機構64に接続されており、回転駆動機構64の動作は制御装置65によって制御される。支持ピン613は複数個設けられてよく、マスクブランク用基板(以下、単に基板Wともいう。)をその主表面が水平になるように支持することができる。
ここで、基板Wは、以下のいずれかの構成を有する基板である。
(構成1)
矩形状の第1主表面21と、第1主表面21とは反対向きの矩形状の第2主表面22と、第1主表面21及び第2主表面22に対して垂直な4つの端面23と、を有するガラス基板2を有する構成。
(構成2)
ガラス基板2と、第1主表面21に形成される導電膜5とを有する構成。
(構成3)
ガラス基板2と、第1主表面21に形成される導電膜5と、第2主表面22に形成されるEUV光反射膜3とを有する構成。
(構成4)
ガラス基板2と、第1主表面21に形成される導電膜5と、第2主表面22に形成されるEUV光反射膜3と、EUV光反射膜3の上に形成されるEUV光吸収膜4とを有する構成。
(構成5)
ガラス基板2と、第1主表面21に形成される導電膜5と、第2主表面22に形成されるEUV光反射膜3と、EUV光反射膜3の上に形成されるEUV光吸収膜4と、EUV光吸収膜4の上に形成されるハードマスク膜とを有する構成。
処理カップ62は、スピンチャック61および基板Wを囲むように設けられ、基板処理時に処理カップ62の内壁621に飛散した洗浄液を受け止めることで、洗浄液等によって装置が汚染されるのを防ぐ。処理カップ62の形状は、特に限定されないが、円筒状であることが好ましい。
ノズル63は、第1の配管631を介して第1の洗浄液供給源632に接続されており、基板上面W1に対して任意の洗浄液を供給する。第1の配管631の途中には、第1の洗浄液供給源632からの洗浄液の供給を開始または停止させるための第1のバルブ633が設けられており、それらの開閉は制御装置65によって制御される。ノズル63は、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロアルコキシアルカン等の耐薬品性に優れた材料からなることが好ましい。
サブノズル63Sは、第2の配管63S1を介して第2の洗浄液供給源63S2に接続されており、基板上面W1に対して任意の洗浄液を供給する。第2の配管63S1の途中には、第2の洗浄液供給源63S2からの洗浄液の供給を開始または停止させるための第2のバルブ63S3が設けられており、それらの開閉は制御装置65によって制御される。サブノズル63Sは、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロアルコキシアルカン等の耐薬品性に優れた材料からなることが好ましい。
なお、ノズルおよび配管の個数は特に限定されず、使用する洗浄液の種類等に応じて適宜合一してもよいし、適宜増設してもよい。ただし、2種類以上の洗浄液を用いる場合は、汚染防止のため、合一せずに別々のノズルおよび配管から洗浄液を供給することが好ましい。
また、図示しないが、ノズル63またはサブノズル63Sの内部に振動子を設け、振動子を外部の超音波発振器に接続することで、洗浄液に超音波を付与してもよい。洗浄液に超音波を付与することで、キャビテーション気泡等によるパーティクル除去力の向上が期待できる。
また、図示しないが、基板Wの洗浄位置を移動させるべく、ノズル63またはサブノズル63Sにノズル移動機構を接続してもよい。ノズル63またはサブノズル63Sを任意の位置に移動することで、基板上面W1の全面を均一に洗浄することができる。
ここで、洗浄液は、例えば、純水、純水とX(塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ギ酸、酢酸からなる群から選択される少なくとも1つの成分)の混合物、純水とY(アンモニア、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、トリエタノールアミン、コリン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウムからなる群から選択される少なくとも1つの成分)の混合物、純水とZ(過酸化水素、過塩素酸イオン、過ヨウ素酸イオンからなる群から選択される少なくとも1つの成分)の混合物、純水とXとZの混合物、または純水とYとZの混合物であり、基板Wの構成によって適宜変更してよい。例えば基板Wが上記構成1を有するとき、洗浄液は、好ましくは純水、純水と硫酸と過酸化水素の混合物または純水とアンモニアと過酸化水素の混合物であり、より好ましくは純水とアンモニアと過酸化水素の混合物である。
また、洗浄液は、さらに水素(H)、二酸化炭素(CO)、窒素(N)、酸素(O)、オゾン(O)、またはアルゴン(Ar)からなる群から選択される少なくとも1つの気体を溶存してもよい。
続いて、基板処理装置6を用いて基板を処理する手順を説明する。
図7に示すように、基板処理装置6を用いて基板を処理する方法は、ステップT1~T5を有する。
まず、ステップT1では、不図示の基板搬送機構により、洗浄前の基板Wをスピンチャック61に受け渡し、基板上面W1が水平となるように支持ピン613により基板Wを支持する。
次に、ステップT2では、制御装置65により、回転駆動機構64および第1のバルブ633を制御することで、基板Wを回転させつつ、ノズル63から洗浄液を供給して、基板Wの洗浄を実施する。ノズル63から供給される洗浄液(以下、洗浄液1ともいう。)は、基板Wの状態に応じて適宜選択してよい。なお、基板Wを回転させる工程と洗浄液を供給する工程の順番は特に限定されず、また、同時に実施してもよい。
次に、ステップT3では、洗浄液1を洗い流すリンスを行うべく、基板Wを回転させたまま、制御装置65により、第1のバルブ633を閉じノズル63からの洗浄液の供給を停止した後、第2のバルブ63S3を開き、サブノズル63Sから洗浄液を供給する。サブノズル63Sから供給される洗浄液(以下、洗浄液2ともいう。)は、純水、オゾン水等であることが好ましい。なお、洗浄液1が純水、オゾン水等の清浄度の高い液体であった場合、ステップT3は実施しなくてもよく、以下の洗浄液2は洗浄液1と読み替えられる。
また、ステップT2およびT3において、基板Wの回転数は10~500rpmであり、好ましくは50~300rpmである。回転数が小さすぎると、洗浄やリンスが十分に行われない恐れがある。一方、回転数が大きすぎると、洗浄液1または洗浄液2が飛散し、処理カップ62の内壁621が汚染される恐れがある。
次に、ステップT4では、制御装置65により、第2のバルブ63S3を閉じ洗浄液2の供給を停止した後、回転駆動機構64を制御して第1の回転数とし、基板Wの低速回転を行う。低速回転により、洗浄液2の大部分を基板上面W1から排除し、後述するステップT5の高速回転による乾燥の効率を向上させることができる。このとき、回転時間の最小値は10秒、好ましくは20秒、より好ましくは30秒である回転時間が短すぎると、洗浄液2の排除が十分に行われない恐れがある。一方、回転時間が長すぎると、生産効率が低下するので、回転時間は短いほど好ましい。
次に、ステップT5では、制御装置65により、回転駆動機構64を制御して第1の回転数より高速な第2の回転数とし、基板Wの高速回転を行う。高速回転により、基板上面W1に残留した僅かな洗浄液2を完全に乾燥させ、乾燥が終了する。このとき、ステップT4により洗浄液2の大部分はすでに排除されているので、高速回転しても跳ね返りが生じるほどの液滴が飛散することはない。このとき、回転時間の最小値は10秒、好ましくは20秒、より好ましくは30秒である回転時間が短すぎると、基板上面W1が完全には乾燥しない恐れがある。一方、回転時間が長すぎると、生産効率が低下するので、回転時間は短いほど好ましい。
続いて、第1の回転数(R;単位はrpm)と第2の回転数(R;単位はrpm)との組合せについて説明する。
上述したように、低速回転の目的は、洗浄液2の大部分を基板上面W1から排除することであり、高速回転の目的は、基板上面W1に残留した僅かな洗浄液2を完全に乾燥させることである。従って、予め低速回転を実施することで、高速回転の際、内壁621からの跳ね返りを生じ得る程度の速度および大きさを有する液滴の飛散が抑制され、結果として基板Wへの再付着を抑制することができる。
ただし、低速回転による洗浄液2の排除が不十分であったとしても、Rが大きすぎなければ、跳ね返りを生じないまま乾燥を終了できる場合もあると考えられる。逆に、低速回転による洗浄液2の排除が過剰であれば、Rの大小に関わらず、跳ね返りを生じないまま乾燥を終了できる場合もあると考えられる。このように、完全に乾燥を終了させるには、RおよびRの組合せが重要であることがわかる。
そこで本発明者らが鋭意研究を行った結果、RおよびRが下記式(3)および(4)を満たせば、歩留りが向上することを明らかとなった。
Figure 2022100702000004
Figure 2022100702000005
上記式(3)および(4)中、xは10、好ましくは50であり、yは400、好ましくは350であり、zは1500、好ましくは1200、より好ましくは1000である。
続いて、表1を参照して、実験データについて説明する。
例1では、ガラス基板2を用いて、基板処理装置6により基板処理を行った。具体的には、洗浄液として純水を用いて、回転数100rpmでガラス基板2の洗浄(リンス)を行った後、洗浄液の供給を停止し、第1の回転数R=100rpmとして低速回転を行い、続いて第2の回転数R=500rpmとして高速回転を行った。これを、4枚以上の互いに異なるガラス基板2を用いて実施し、基板処理前後の欠陥検査の結果から、SiO粒子換算で50nm以上の欠陥が0個となる歩留りを計算した結果、歩留りは100%であった。すなわち、処理カップ62の内壁621からの跳ね返りによる洗浄液の再付着を抑制することができた。なお、欠陥検査には、Lasertec社製のMAGICSシリーズを用いた。
例2~例12では、RおよびRを変更すること以外、例1と同様の条件で歩留りの計算を行った。
例13および例14では、低速回転を行わず、所定のRにて高速回転のみを行うこと以外、例1と同様の条件で歩留りの計算を行った。
表1に、例1~例14の結果を示す。なお、歩留りが60%以上である例を実施例、60%未満である例を比較例とする。
Figure 2022100702000006
以上、本発明に係るマスクブランク用基板の乾燥方法、およびEUVL用マスクブランクの製造方法について説明したが、本発明は上記実施形態等に限定されない。特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更、修正、置換、付加、削除、及び組み合わせが可能である。それらについても当然に本発明の技術的範囲に属する。
1 マスクブランク
2 ガラス基板
3 EUV光反射膜
4 EUV光吸収膜
5 導電膜
6 基板処理装置
61 スピンチャック
62 処理カップ
63 ノズル
64 回転駆動機構
65 制御装置

Claims (4)

  1. 以下の工程を有する、マスクブランク用基板の乾燥方法。
    (工程1)
    前記マスクブランク用基板の2つの主表面のうちの一方の主表面が上向きかつ水平となるように、前記マスクブランク用基板を支持する工程
    (工程2)
    前記マスクブランク用基板を、前記主表面に対して垂直な回転軸を中心として回転させ、前記一方の主表面を洗浄液で洗浄する工程
    (工程3)
    下記式(1)または(2)を満たすように、第1の回転数(R;単位はrpm)による回転と、第2の回転数(R;単位はrpm)による回転と、をこの順に行うことで、前記マスクブランク用基板を乾燥させる工程
    Figure 2022100702000007
    Figure 2022100702000008
  2. 前記マスクブランク用基板の構成は、以下の構成のいずれか1つである、請求項1に記載の乾燥方法。
    (構成1)
    矩形状の第1主表面と、前記第1主表面とは反対向きの矩形状の第2主表面と、前記第1主表面及び前記第2主表面に対して垂直な4つの端面と、を有するガラス基板を有する構成
    (構成2)
    前記ガラス基板と、前記第1主表面に形成される導電膜とを有する構成
    (構成3)
    前記ガラス基板と、前記第1主表面に形成される導電膜と、前記第2主表面に形成されるEUV光反射膜とを有する構成
    (構成4)
    前記ガラス基板と、前記第1主表面に形成される導電膜と、前記第2主表面に形成されるEUV光反射膜と、前記EUV光反射膜の上に形成されるEUV光吸収膜とを有する構成
    (構成5)
    前記ガラス基板と、前記第1主表面に形成される導電膜と、前記第2主表面に形成されるEUV光反射膜と、前記EUV光反射膜の上に形成されるEUV光吸収膜と、前記EUV光吸収膜の上に形成されるハードマスク膜とを有する構成
  3. 前記ガラス基板はTiOを含有する石英ガラスである、請求項2に記載の乾燥方法。
  4. 以下の工程を有する、EUVL用マスクブランクの製造方法。
    (工程1)
    ガラス基板の第1主表面に導電膜を形成する工程
    (工程2)
    前記第1主表面とは反対向きの第2主表面にEUV光反射膜を形成する工程
    (工程3)
    前記EUV光反射膜の上にEUV光吸収膜を形成する工程
    (工程4)
    請求項1~3のいずれか1項に記載の乾燥方法により、マスクブランク用基板を乾燥させる工程
JP2020214831A 2020-12-24 2020-12-24 マスクブランク用基板の乾燥方法、およびeuvl用マスクブランクの製造方法 Pending JP2022100702A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020214831A JP2022100702A (ja) 2020-12-24 2020-12-24 マスクブランク用基板の乾燥方法、およびeuvl用マスクブランクの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020214831A JP2022100702A (ja) 2020-12-24 2020-12-24 マスクブランク用基板の乾燥方法、およびeuvl用マスクブランクの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022100702A true JP2022100702A (ja) 2022-07-06

Family

ID=82271212

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020214831A Pending JP2022100702A (ja) 2020-12-24 2020-12-24 マスクブランク用基板の乾燥方法、およびeuvl用マスクブランクの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022100702A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6309579B2 (ja) マスクブランク用基板の製造方法、多層反射膜付き基板の製造方法、マスクブランクの製造方法、及び転写用マスクの製造方法
JP6515235B2 (ja) マスクブランク用基板、多層反射膜付き基板、反射型マスクブランク、反射型マスク及び半導体装置の製造方法
US8748062B2 (en) Method of cleaning substrate
JP5826886B2 (ja) 透過型マスクブランク、透過型マスク及び半導体装置の製造方法
JP5090633B2 (ja) ガラス基板の研磨方法
EP1758962B1 (en) Polishing method for glass substrate, and glass substrate
TWI609234B (zh) 光罩基底用基板之製造方法、光罩基底之製造方法及轉印用光罩之製造方法
JP6279476B2 (ja) 多層反射膜付き基板の製造方法
JP4426883B2 (ja) Euvマスクブランクス用ガラス基板の製造方法、euv反射型マスクブランクスの製造方法、euv反射型マスクの製造方法及び半導体装置の製造方法
JP6444680B2 (ja) 基板の製造方法、多層反射膜付き基板の製造方法、マスクブランクの製造方法、及び転写用マスクの製造方法
JP2022100702A (ja) マスクブランク用基板の乾燥方法、およびeuvl用マスクブランクの製造方法
JP6297512B2 (ja) マスクブランク用基板の製造方法、多層膜付き基板の製造方法、マスクブランクの製造方法、及び転写用マスクの製造方法
JP6133189B2 (ja) 基板の製造方法、多層膜付き基板の製造方法、マスクブランクの製造方法、転写用マスクの製造方法、及び基板製造装置
JP2017182057A (ja) 基板の製造方法、多層反射膜付き基板の製造方法、マスクブランクの製造方法、及び転写用マスクの製造方法
JP6367417B2 (ja) マスクブランク用基板の製造方法、多層膜付き基板の製造方法、マスクブランクの製造方法、転写用マスクの製造方法、及びマスクブランク用基板製造装置
WO2023166961A1 (ja) 超音波洗浄ヘッド、基板洗浄方法、基板洗浄装置、基板の製造方法、およびeuvl用マスクブランクの製造方法
JP2023125886A (ja) 洗浄槽、洗浄機、洗浄方法、ガラス基板の製造方法、およびeuvl用マスクブランクの製造方法
JP5687939B2 (ja) マスクブランクス用ガラス基板の製造方法、マスクブランクスの製造方法、転写マスクの製造方法、及び半導体装置の製造方法
JP6297321B2 (ja) 機能膜付き基板の製造方法、多層膜付き基板の製造方法、マスクブランクの製造方法、及び転写用マスクの製造方法
WO2023145431A1 (ja) 基板洗浄方法、ガラス基板の製造方法、euvl用マスクブランクの製造方法、および基板洗浄装置
WO2021172449A1 (ja) ガラス基板の製造方法、及びeuvl用マスクブランクの製造方法
JP2022108719A (ja) マスクブランク用基板の洗浄方法およびeuvl用マスクブランクの製造方法
JP2008116571A (ja) マスクブランク用基板の製造方法及びマスクブランクの製造方法、並びに転写マスクの製造方法
JP2022073953A (ja) Euvl用ガラス基板、及びeuvl用マスクブランク

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230807

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240305

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240312