JP2022100663A - 防汚剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】処理対象物表面への油成分の吸着を抑制する防汚剤を提供する。【解決手段】(a)分岐アルキル基が炭素数8以上13以下の分岐アルキル基であるスルホコハク酸分岐アルキルエステル〔以下(a)成分という〕を含有する、防汚剤である。(a)成分を含有する処理液を被処理物に接触させる、防汚方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、防汚剤及び防汚方法に関する。
水と疎水性表面が接触する場面はあらゆるところに存在する。例えば一般家庭ではユニットバスに次の洗濯用に残り湯を溜めて置く場面では、浴槽の疎水性表面に皮脂などの油成分が付着して、バスを汚すことが引き起こされる。あるいは食器洗浄機の庫内も油汚れが付着すると洗浄効率が低下する。さらに、水の流路となるピットや配管にもポリ塩化ビニルなどの疎水性材料が用いられ、油成分が存在すると、疎水性材料に吸着し、疎水性材料の表面を汚す。従って、水と接触する疎水性表面に対して油成分の吸着を抑制する防汚技術が求められる。
一方、スルホコハク酸エステルは界面活性剤として、優れた洗浄性、界面活性能を有することが知られている(例えば、特許文献1、2)。
特開2017-214554号公報 米国特許出願公開第2007/0214999号明細書
水と接触する疎水性表面に対して油成分などの疎水性汚れ成分の吸着を抑制する技術が求められている。また、疎水性表面においては、洗浄剤により水に溶解した疎水性の汚れ成分が再付着することがある。そのため、例えば、樹脂製の食器を自動食器洗浄機で洗浄する場合は、洗浄により水に溶解した油汚れが樹脂製の食器に移行し、汚れ落ちの満足度を低下させる要因の一つとなっていた。
本発明は、処理対象物表面への油成分の吸着を抑制する防汚剤及び防汚方法を提供する。
本発明は、(a)分岐アルキル基が炭素数8以上13以下の分岐アルキル基であるスルホコハク酸分岐アルキルエステル〔以下(a)成分という〕を含有する、防汚剤に関する。
また、本発明は、(a)分岐アルキル基が炭素数8以上13以下の分岐アルキル基であるスルホコハク酸分岐アルキルエステルを含有する処理液を被処理物に接触させる、防汚方法に関する。
本発明によれば、処理対象物表面への油成分の吸着を抑制する防汚剤及び防汚方法が提供される。
発明者らは、鋭意検討の結果、特定の化合物を処理対象物に接触させることにより、処理対象物表面への油成分の吸着が抑制され、優れた防汚効果を示すことを見出し、本発明の完成に至った。
本発明の防汚剤が処理対象物表面への油成分の吸着を抑制する機構は定かではないが、本発明の防汚剤が処理対象物表面に吸着し、処理対象物の表面エネルギーを制御(処理対象物の表面を改質)することで処理対象物表面への油成分の吸着を防止しているものと考えられる。本発明の防汚剤及び防汚方法によれば、本発明の防汚剤で予め処理対象物を処理すれば、優れた防汚効果が得られるだけでなく、処理対象物の洗浄液等の中に本発明の防汚剤を所定濃度含ませることで、洗浄液等の中に含まれる汚れ成分が処理対象物に再付着することが防止される。特に、本発明の防汚剤によれば、水に含まれる油成分が疎水性表面に吸着することを防止できる。
<防汚剤>
本発明の防汚剤は、(a)分岐アルキル基が炭素数8以上13以下の分岐アルキル基であるスルホコハク酸分岐アルキルエステル〔以下(a)成分という〕を含有する。
(a)成分は、分岐アルキル基が炭素数8以上13以下の分岐アルキル基であるスルホコハク酸分岐アルキルエステルである。
(a)成分は、エステルがモノエステルであるもの、ジエステルであるものが挙げられる。好ましくは、分岐アルキル基が炭素数8以上13以下の分岐アルキル基であるスルホコハク酸分岐アルキルジエステルである。
(a)成分の分岐アルキル基は炭素数8以上11以下が好ましく、特に炭素数9又は10が好ましい。
(a)成分の分岐アルキル基は、炭素数6又は7の主鎖と1以上の側鎖とを有する分岐アルキル基が好ましい。
(a)成分の分岐アルキル基は、炭素数6又は7の主鎖と1以上の側鎖とを有し側鎖の炭素数の合計が3又は4である分岐アルキル基が好ましい。
(a)成分の分岐アルキル基は、2-プロピルヘプチル基及び3,5,5-トリメチルヘキシル基から選ばれる分岐アルキル基が好ましい。
(a)成分としては、下記一般式(a1)で表されるスルホコハク酸分岐アルキルエステルが挙げられる。
Figure 2022100663000001
〔式中、R1a、R2aは、それぞれ独立して、炭素数8以上13以下の分岐アルキル基である。A、Aはそれぞれ独立に炭素数2以上4以下のアルキレン基、x、yは平均付加モル数でありそれぞれ独立に0以上6以下である。Mは水素原子又は陽イオンである。〕
更に(a)成分としては、下記一般式(a1-1)で表されるような、スルホコハク酸分岐アルキルエステルが挙げられる。この化合物は、一般式(a1)でx=0、y=0の化合物である。
Figure 2022100663000002

〔式中、R1a、R2aは、それぞれ独立して、炭素数8以上13以下の分岐アルキル基である。Mは水素原子又は陽イオンである。〕
以下の説明は、一般式(a1)及び一般式(a1-1)のそれぞれについて適用できる。
1a、R2aの炭素数は、同一あるいは異なっていてもよい。
本発明においては、第2級アルコールから水酸基を除去した炭化水素残基を、鎖式分岐炭化水素基に含める。
本発明において、R1a、R2aの鎖式分岐炭化水素基のうち、酸素原子に結合している炭素原子から数えて炭素数が最も大きい炭化水素鎖を主鎖とし、主鎖から分岐して結合している炭化水素鎖を側鎖とする。
主鎖が2つ以上考えられる場合、即ち炭素数が最も大きい炭化水素鎖(以下、最長炭化水素鎖ともいう)が2つ以上ある場合、下記の順序で主鎖を決める。
1.最長炭化水素鎖から分岐する側鎖の炭素原子数が大きい方を主鎖とする。
2.次に、最長炭化水素鎖から分岐する側鎖の炭素原子数が同じである場合は、最長炭化水素鎖から分岐する側鎖の数が多い方を主鎖とする。
3.次に、最長炭化水素鎖から分岐する側鎖の数が同じである場合は、酸素原子に結合している炭素原子から数えて、酸素原子により近い炭素原子に側鎖を有する方を主鎖とする。
4.次に、酸素原子に最も近い、側鎖を有する炭素原子の位置が同じ場合は、酸素原子に最も近い側鎖の炭素原子数が多い方を主鎖とする。
なお、2つ以上の最長炭化水素鎖が、同一の対称構造を有する場合は、どちらを主鎖としてもよい。
1a、R2aのそれぞれの分岐アルキル基において、鎖式分岐炭化水素基の総炭素数は、同一あるいは異なってもよく、疎水性表面への油成分の吸着を抑制する観点から、8以上であり、好ましくは9以上、そして、13以下であり、好ましくは11以下、より好ましくは10以下である。
1a、R2aのそれぞれの分岐アルキル基において、主鎖を構成する炭素数は、同一あるいは異なってもよく、疎水性表面への油成分の吸着を抑制する観点から、好ましくは6又は7である。
1a、R2aのそれぞれの分岐アルキル基において、側鎖を構成する炭素数の合計は、同一あるいは異なっていてもよく、疎水性表面への油成分の吸着を抑制する観点から、2以上、好ましくは3又は4である。
本発明において、側鎖を構成する炭素数の合計とは、一つの分岐アルキル基において、主鎖以外の全側鎖の炭素数を合計したものであり、側鎖が複数ある場合は、それら全側鎖の炭素数の合計である。
1a、R2aの側鎖の数は、同一あるいは異なっていてもよく、疎水性表面への油成分の吸着を抑制する観点から、1以上、そして、好ましくは3以下であり、側鎖の炭素数が2以上の場合には側鎖の数は1が好ましく、側鎖の炭素数が1の場合には側鎖の数は2以上、好ましくは3又は4が好ましい。
本発明において、側鎖の数とは、主鎖から分岐する側鎖の数であり、側鎖が、更に当該側鎖から分岐する側鎖を有していても側鎖の数としては変わらない。但し、疎水性表面への油成分の吸着を抑制する観点から、側鎖が更に当該側鎖から分岐する側鎖を有していてもよい。
1a、R2aの分岐炭素の数は、同一あるいは異なっていてもよく、疎水性表面への油成分の吸着を抑制する観点から、1以上、そして、好ましくは3以下、より更に好ましくは2以下である。
本発明において、分岐炭素の数とは、鎖式分岐炭化水素基中の第3級炭素原子と第4級炭素原子の数の合計である。
1a、R2aの好ましい態様は、R1a、R2aの鎖式分岐炭化水素基の総炭素数がそれぞれ独立して9又は10好ましくは10、主鎖の炭素数がそれぞれ独立して6又は7好ましくは7、側鎖を構成する炭素数がそれぞれ独立して3、側鎖の数がそれぞれ独立して1以上3以下好ましくは1である。
1a、R2aの具体的な分岐アルキル基は、それぞれ同一あるいは異なっていてもよく、2-エチルヘキシル基、2-プロピルヘプチル基及び3,5,5-トリメチルヘキシル基から選ばれる分岐アルキル基が好ましく、2-プロピルヘプチル基及び3,5,5-トリメチルヘキシル基から選ばれる分岐アルキル基がより好ましい。
一般式(a1)中、A、Aは、それぞれ独立に、炭素数2以上、そして、炭素数4以下、好ましくは3以下のアルキレン基である。
一般式(a1)中、x、yは、平均付加モル数であり、疎水性表面への油成分の吸着を抑制する観点から、それぞれ独立に、好ましくは0以上、そして、好ましくは6以下、より好ましくは4以下、更に好ましくは2以下であり、更に好ましくは0である。
また、x+yは、疎水性表面への油成分の吸着を抑制する観点から、好ましくは0以上、そして、好ましくは12以下、より好ましくは6以下、更に好ましくは3以下、更に好ましくは0である。
は、水素イオン、あるいはナトリウムイオン、アンモニウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン等の無機陽イオン、モノエタノールアンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオン、モルホリニウムイオン等の有機陽イオンであり、好ましくはナトリウムイオン、アンモニウムイオン、カリウムイオン及びマグネシウムイオンから選ばれる無機陽イオンである。
1a、R2aが同一の化合物の調製方法としては、特に限定されるものではないが、例えば米国特許明細書第2,028,091号公報に記載の方法を参考にして製造することができ、また、R1a、R2aが異なる非対称の化合物の調製方法としては、例えば特開昭58-24555号公報を参考にして製造することができる。(a)成分の原料として、所定炭素数のアルコールにアルキレンオキシドを付加したものを用いることもできる。
本発明の(a)成分の製造に用いられる好適なアルコールとしては、
(1)2-エチルへキサノール、3,5,5-トリメチルヘキサン-1-オール、2-プロピルヘプタン-1-オール等に代表される第1級アルコール、
(2)5-ノナノール、2,6-ジメチル-4-ヘプタノール等に代表される第2級アルコール
が挙げられる。
本発明では、(a)成分を用いることで、疎水性表面への油成分の吸着抑制に優れた防汚剤を提供できる。
本発明の防汚剤の処理対象物(被処理物)は、特に限定されるものではないが、硬質物品が好ましく、疎水性表面を有する硬質物品であることが好ましい。処理対象物は、例えば、ガラス、金属、樹脂等により形成された物品が挙げられる。
疎水性表面とは、汚れと接触する表面の臨界表面エネルギーが50mN/m以下であってもよく、表面はポリマー等で被覆された表面であってもよい。具体的には、例えばポリエチレンの表面エネルギーは35mN/m、ポリプロピレンの表面エネルギーは21.0~28.5mN/m、ポリスチレンは44mN/mであることが知られており(Physical Chemistry of PolymerSurface、VoL17,No,196、1968年、680-687)、このような表面エネルギーを有する疎水性表面に対して、本発明は効果的に防汚効果を与えることができる。
本発明の防汚剤は、浴室、シンク、洗い桶、食器調理器具等の防汚剤として好適であり、なかでも食器用、更には食器への油汚れ(固体脂等)の付着防止用の防汚剤としてより好適である。更に、本発明の防汚剤を、食器を自動食器洗浄機で洗浄する際の防汚剤として用いると、疎水性表面を有する食器への油汚れの再付着や自動食器洗浄機庫内の油汚れの付着が防止でき好ましい。なお、本発明の防汚剤を、自動食器洗浄機用液体洗浄剤組成物に含有させてもよい。
本発明の防汚剤は、例えば、浴槽の洗浄剤または入浴剤に含有させることで浴槽への皮脂汚れ等の付着を抑制できる。また、配管を流れる流体に本発明の防汚剤を含有させることで、配管内への汚れ成分の付着を抑制できる。
本発明の防汚剤を食器用に用いる場合、例えば、食器の洗浄前、洗浄時、すすぎ時の処理液のいずれに含有させても本発明の効果を得ることができ、食器への汚れ成分(例えば、固体脂や液体油等の油汚れ)の再付着を抑制できる。
本発明の防汚剤は、使用時の(a)成分の濃度が、疎水性表面への油成分の吸着を抑制する観点から、好ましくは1ppm(質量基準、以下同様)以上、より好ましくは10 ppm以上、更に好ましくは20ppm以上、そして、好ましくは500ppm以下、より好ましくは300ppm以下、更に好ましくは200ppm以下である。
なお、本発明では、(a)成分の量に関する記述(ppmや質量%)は、ナトリウム塩に換算した化合物の質量、例えば、前記一般式(a1)中のMをナトリウムと仮定したときの質量に基づくものとする。
一般に界面活性剤は、臨界ミセル濃度(以下、cmcという)以上の濃度で界面活性能を有することが知られている。本発明の(a)成分の一態様である一般式(a1-1)のR1a、R2aが2-プロピルヘプチルの化合物の場合、この化合物のcmc(純水で測定)は約500ppmであるが、後述の実施例で示したように、この化合物の濃度が当該化合物のcmcよりも低濃度でも優れた防汚効果を有する点は、驚くべきことである。したがって、本発明の防汚剤は、使用時の(a)成分の濃度が、(a)成分のcmc未満であってもよい。本発明において、cmcは、表面張力測定法を用いて平衡値となった値を採用する。cmcは、25℃、大気圧(1013hPa)の平衡値であってよい。
本発明の防汚剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、(a)成分以外の任意成分を含有してもよい。任意成分としては、界面活性剤、溶剤、ハイドロトロープ剤、分散剤、pH調整剤、増粘剤、粘度調整剤、香料、着色剤、酸化防止剤、防腐剤、抑泡剤、漂白剤、漂白活性化剤等の成分(ただし、(a)成分に該当しないもの)を配合することができる。
本発明の防汚剤は、所定量の(a)成分と水とを混合することにより製造できる。その際、(a)成分を含有する前駆組成物を水で希釈して、本発明の防汚剤組成物を得ることができる。例えば、本発明の防汚剤を使用する直前にこのような希釈を行って本発明の防汚剤を調製してもよい。前駆組成物としては、例えば、(a)成分を、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、そして、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下を含有し、更に水を含有する組成物が挙げられる。
本発明の防汚剤は、手肌への刺激性の観点から、25℃でのpHが、好ましくは2以上、より好ましくは4以上、更に好ましくは5以上、そして、好ましくは10以下、より好ましくは9以下、更に好ましくは8以下である。なお、pHはガラス電極法で測定することができる。
本発明の防汚剤は、用途等にもよるが、例えば、25℃での粘度が、好ましくは3mPa・s以上、より好ましくは10mPa・s以上、そして、好ましくは5,000mPa・s以下、より好ましくは2,500mPa・s以下である。粘度は、通常使用される増粘剤、溶剤、ハイドロトロープ剤等で調整することができる。
本発明では防汚剤を水により10倍以上10,000倍未満、好ましくは50倍以上5,000倍未満に希釈して防汚剤組成物(処理液)を調製し、被処理物の処理に用いる方法が好適である。
<防汚方法>
本発明は、(a)成分を含有する処理液を被処理物に接触させる、防汚方法を提供する。被処理物は、本発明の防汚剤の処理対象となる物品である。
本発明の処理液は、本発明の防汚剤と水とを混合して得ることができる。また、本発明の処理液は、前記した(a)成分を含有する前駆組成物を水で希釈して得ることができる。また、本発明の処理液は、本発明の防汚剤をそのまま用いたものであってもよい。
本発明の防汚剤で述べた事項は、本発明の防汚方法に適宜適用することができる。本発明の防汚方法における、(a)成分の具体例、好ましい態様及び防汚処理対象等は、本発明の防汚剤と同じである。
本発明の防汚剤の処理対象は、硬質物品の表面が好ましく、疎水性表面を有する硬質物品が好ましい。本発明の防汚剤の処理対象は、例えば、食器等の疎水性表面であってよい。また、防汚対象である物体としては、例えば、浴槽、配管、医療器具や光学器具等であってもよい。本発明では、自動食器洗浄機を用いた食器の洗浄時、更に固体脂を含む油汚れが付着した食器の洗浄時における、食器を防汚剤の処理対象とすることが好ましい。
自動食器洗浄機は、一般に市場で入手可能な自動食器洗浄機であればよく、例えば、家庭用自動食器洗浄機、業務用自動食器洗浄機の何れを使用してもよい。
洗浄条件は特に限定されず、洗浄温度、洗浄時間等は、自動食器洗浄機による公知の洗浄条件に準じて行うことができる。
本発明の処理液は、(a)成分を、疎水性表面への油成分の吸着を抑制する観点から、好ましくは1ppm以上、より好ましくは10ppm以上、更に好ましくは20ppm以上、そして、好ましくは500ppm以下、より好ましくは300ppm以下、更に好ましくは200ppm以下含有する。本発明の処理液は、(a)成分を、(a)成分のcmc未満の濃度で含有してもよい。
本発明の処理液は、手肌への刺激性の観点から、pHが、好ましくは2以上、より好ましくは4以上、更に好ましくは5以上、そして、好ましくは10以下、より好ましくは9以下、更に好ましくは8以下である。このpHは洗浄温度でのpHである。
本発明の洗浄方法は、洗浄温度が、洗浄性の観点から、好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上であり、そして、洗浄性及び生産性の観点から、好ましくは80℃以下、より好ましくは70℃以下である。この洗浄温度は、本発明の洗浄液の温度であってよい。
前記の(a)成分の含有量、洗浄時間、洗浄温度は、例えば、自動食器洗浄機で食器を洗浄する場合にも好ましい条件である。
食器は、自動食器洗浄機で洗浄された後、通常、同じ自動食器洗浄機にて速やかに、水、温水ないし熱水、例えば、70℃以上90℃以下の熱水で5秒以上15秒以下濯ぎが行われる。
本発明の防汚剤と被処理物との接触方法は、特に限定されるものではないが、塗布、浸漬、噴霧等により行うことができる。本発明の防汚剤を含む処理液に被処理物を浸漬している最中に、撹拌、振盪、水流等の機械力や、ブラシ、スポンジ等の一般的に洗浄に用いられる道具を用いて機械力を適用してもよい。
以下の(a)成分又は(a’)成分を、3.5°DHの水に溶解し、表1~3に示す処理液を調整した。(a’)成分は、(a)成分の比較成分である。また、処理液のpHは、ガラス電極法で測定した。cmcは、大気圧下、25℃、純水、pH7の値である。
(a)成分
カッコ内は、分岐アルキル基の炭素数を示す。a-1は、isalchem123(SASOL社製)として市販されている分枝状アルコールを用いて合成されたスルホコハク酸分岐アルキルエステル(炭素数12/炭素数13=37-48/52-63(質量比)、分岐率92質量%以上(SASOL社カタログ値))である。
・a-1 ジ-(炭素数12/炭素数13、分岐状アルコール)スルホコハク酸ナトリウム(1つのアルキル基の炭素数が12又は13)
・a-2 ジ-(2-プロピルヘプチル)スルホコハク酸ナトリウム(1つのアルキル基の炭素数が10)、cmc:約500ppm
・a-3 ジ-(3, 5, 5-トリメチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム(1つのアルキル基の炭素数が9)、cmc:約600ppm
・a-4 ジ-(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム(1つのアルキル基の炭素数が8)、cmc:約1100ppm
(a’)成分
・a’-1 ジ-(1, 3-ジメチルブチル)スルホコハク酸ナトリウム(1つのアルキル基の炭素数が6)、cmc:3000ppm以上
・a’-2 ドデシル硫酸ナトリウム、cmc:約2800ppm
・a’-3 1-ドデカンスルホン酸ナトリウム、cmc:約3000ppm
・a’-4 ラウリン酸ナトリウム、cmc:約6000ppm
・a’-5 ポリオキシエチレンラウリルエーテル(商品名 エマルゲン106、花王株式会社製)、エチレンオキシ基の平均付加モル数5、cmc:約20ppm
・a’-6 炭素数12以上14以下の第二級アルコールの7EO付加物(商品名 ソフタノール70、日本触媒化学工業(株)製)、EOは、エチレンオキシ基を示す。cmc:約40ppm
(1)防汚評価1
表1に示す組成の処理液300mLに清浄なポリプロピレン製の板(8cm×3cm、表面エネルギーは26mN/m)を入れ、処理液を攪拌しながら流動パラフィンを0.5g投入した。流動パラフィンを投入した60秒後に、この板を引き上げて乾燥し、流動パラフィンが付着した板の質量を測定した。油の付着量(mg/cm)として、処理液に入れる前と流動パラフィンを付着させた後の板の質量の増加量を板の表面と裏面の面積で割った値を算出した。結果を表1に示す。
(2)防汚評価2
ポリプロピレン製の板にトリオレインを1μL付着させ、トリオレインを付着させた板を、表2に示す組成の処理液に浸漬した。この処理液を50°に加温して、トリオレインの接触角を測定した。結果を表2に示す。表2の結果より、防汚剤を含む処理液とポリプロピレン製の板とを接触させることで、高い接触角が得られることがわかる。この結果より、本発明の防汚剤は、疎水性表面上での固液界面エネルギーを低下させ、疎水性表面に液体油等の油汚れが吸着しづらくなっているものと考えられる。
特に、本発明の防汚剤を含む処理液は、cmcより低濃度の非常に稀薄な溶液でも防汚効果を得られることがわかる。
Figure 2022100663000003
Figure 2022100663000004
(3)防汚評価3
清浄なポリプロピレン製の板(8cm×3cm)を、表3に示す組成の処理液に1分間浸漬した。この板を処理液から引き揚げた後、板の下端から3cmの部分をトリオレインに浸漬してすぐに引き上げ、トリオレインに浸漬した部分に付着した油の付着量(mg/cm)を算出した。具体的には、トリオレインに浸漬する前と後の板の質量差から板に付着した油の質量を算出し、この油の質量を板両面の面積(3cm×3cm×表裏)で割って油の付着量(mg/cm)を算出した。結果を表3に示す。この結果より、本発明の防汚剤で、予め疎水性表面を処理することで、その後、疎水性表面に液体油等の油汚れが付着しづらくなっているものと考えられる。
Figure 2022100663000005


Claims (12)

  1. (a)分岐アルキル基が炭素数8以上13以下の分岐アルキル基であるスルホコハク酸分岐アルキルエステル〔以下(a)成分という〕を含有する、
    防汚剤。
  2. (a)成分の分岐アルキル基が、炭素数6又は7の主鎖と1以上の側鎖とを有し側鎖の炭素数の合計が3又は4である分岐アルキル基である、請求項1に記載の防汚剤。
  3. (a)成分の分岐アルキル基が、2-プロピルヘプチル基及び3,5,5-トリメチルヘキシル基から選ばれる分岐アルキル基である、請求項1又は2に記載の防汚剤。
  4. 疎水性表面への油汚れの付着を防止する、請求項1~3の何れか1項に記載の防汚剤。
  5. 自動食器洗浄機用である、請求項1~4の何れか1項に記載の防汚剤。
  6. (a)分岐アルキル基が炭素数8以上13以下の分岐アルキル基であるスルホコハク酸分岐アルキルエステル〔以下(a)成分という〕を含む処理液を被処理物に接触させる、
    防汚方法。
  7. 前記処理液は、(a)成分を1ppm以上500ppm以下含有する、請求項6に記載の防汚方法。
  8. (a)成分の分岐アルキル基が、炭素数6又は7の主鎖と1以上の側鎖とを有し側鎖の炭素数の合計が3又は4である分岐アルキル基である、請求項6又は7に記載の防汚方法。
  9. (a)成分の分岐アルキル基が、2-プロピルヘプチル基及び3,5,5-トリメチルヘキシル基から選ばれる分岐アルキル基である、請求項6~8の何れか1項に記載の防汚方法。
  10. 被処理物は疎水性表面を有する、請求項6~9の何れか1項に記載の防汚方法。
  11. 被処理物は食器である、請求項6~10の何れか1項に記載の防汚方法。
  12. 自動食器洗浄機を用いて処理液を被処理物に接触させる、請求項6~11の何れか1項に記載の防汚方法。

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