JP2022100624A - 現像装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】現像剤の搬送性およびトナーの帯電性を低下させることなく、浮遊するトナーによる汚染を防止する。【解決手段】現像装置10は、回転自在な円筒状のスリーブ部63および非回転に配置されたマグネットロール62を有する現像ローラを備える。マグネットロール62は、現像領域67で感光体ドラム13にトナーを供給するための現像極N1と、現像領域67よりも下流側にあって現像剤をスリーブ部63の表面から剥離させるための剥離極S2と、現像極N1と剥離極S2との間で現像剤を保持するための回収極S1とを含み、さらに回収極S1と剥離極S2との間で現像剤の飛散を防止するための飛散防止極N2を備える。飛散防止極N2は、回収極S1および剥離極S2に対して逆極とされる。上側カバー部材41には、飛散防止極N2に対向させて磁性体50が設けられている。【選択図】図2
Description
本発明は、現像装置およびその現像装置を備える画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置は、感光体ドラムに形成された静電潜像を現像装置により顕像化する。顕像化に用いられる現像剤としては、トナーと磁性キャリアとを含む現像剤が広く知られている。現像装置では、現像槽から現像ローラへの現像剤の汲み上げと、現像ローラの回転による現像領域への現像剤の搬送とが行われる。
ところが、現像剤は摩擦等の物理的なストレス等を受けて経年変化することがあり、その経年変化によって現像剤からトナーが遊離しやすくなる。遊離したトナーは現像装置内を浮遊するだけでなく、現像装置の外へ漏れ出て飛散し、画像形成装置を構成する他の装置に付着してトナー汚れを招いたり、画質を低下させたりすることが懸念される。
例えば特許文献1には、現像ローラが配置された開口部の内外両面と端縁部とを覆うように、表面に磁性部材を延設して、トナーの飛散を防止することが開示されている。
前記従来の構成では、延設した磁性部材によって磁力の流れを集中させ、磁力線の広がりを防止することが意図されているが、それによって浮遊トナーおよび現像剤が磁性部材の周囲に滞留してしまい、現像剤の搬送性が低下するおそれがある。現像剤の搬送性が低下すると、磁性部材の周囲で現像剤の入れ替えが起こりにくくなり、トナーの帯電性が低下する結果、やはり飛散するトナーが増加するという問題が発生すると考えられる。
本発明は、前記のような問題点にかんがみてなされたものであり、その目的とするところは、現像剤の搬送性およびトナーの帯電性を低下させることなく、浮遊するトナーの飛散を防止して、飛散トナーによる汚染を防ぐとともに良好な画像形成を可能にする現像装置およびそのような現像装置を備える画像形成装置を提供することにある。
前記の目的を達成するため本発明では、トナーと磁性キャリアとが含まれる現像剤を収容する収容容器と、回転自在に軸支された円筒状のスリーブ部および前記スリーブ部の内側に非回転に配置されたマグネットロールを有する現像ローラとを備えて、現像剤を前記スリーブ部の表面に担持しつつ、静電潜像が形成された感光体に臨む現像領域へと搬送する現像装置であって、前記マグネットロールは複数の磁極を備えており、前記複数の磁極には、前記現像領域で前記感光体にトナーを供給するための現像極と、前記現像領域よりも前記スリーブ部の回転方向の下流側にあって前記感光体へのトナー供給後に残留する現像剤を前記スリーブ部の表面から剥離させるための剥離極と、前記現像極と前記剥離極との間で前記現像剤を保持するための回収極とを含み、前記回収極と前記剥離極との間にはさらに前記現像剤の飛散を防止するための飛散防止極が設けられ、前記飛散防止極は、前記回収極および前記剥離極に対して逆極とされるとともに、前記収容容器には前記飛散防止極に対向させて磁性体が設けられていることを特徴としている。
また、前記構成を具備する現像装置において、前記現像領域よりも前記スリーブ部の回転方向の下流側では、前記回収極、前記飛散防止極、および前記剥離極のうち、前記飛散防止極で法線方向の磁束密度の大きさが最大であることが好ましい。
また、前記構成を具備する現像装置において、前記飛散防止極は、前記現像領域よりも前記スリーブ部の回転方向の下流側で、前記収容容器の内面と前記スリーブ部の表面との距離が最小となる位置に対応させて設けられることが好ましい。
また、前記構成を具備する現像装置において、前記磁性体は、前記飛散防止極と前記回収極との間で法線方向の磁束密度の大きさが最小となる位置と、前記飛散防止極と前記剥離極との間で法線方向の磁束密度の大きさが最小となる位置との間の領域に対応させて設けられることが好ましい。
また、前記構成を具備する現像装置において、前記複数の磁極には、さらに、前記スリーブ部の表面に現像剤を汲み上げるための汲み上げ極が含まれていてもよい。
前記構成を有する現像装置を用いた画像形成装置も本発明の技術的思想の範疇である。前記現像装置を具備することにより、現像剤の搬送性およびトナーの帯電性を低下させることなく、浮遊するトナーによる装置内の汚染を防止し得て、良好な画像形成が可能となる。
本発明によれば、飛散防止極を備える現像ローラにおいて現像剤の搬送性およびトナーの帯電性を低下させることなく、トナーの飛散を防止することが可能となる。
本発明の実施形態に係る現像装置およびその現像装置を備える画像形成装置について、図面を参照しつつ説明する。
(画像形成装置の全体構成)
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1の概略側面図である。
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1の概略側面図である。
画像形成装置1は、スキャナ機能、複写機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能等を有する複合機であり、画像読取装置18によって読み取られた原稿の画像を外部に送信し(スキャナ機能に相当する)、また、読み取られた原稿の画像または外部から受信した画像をカラーもしくは単色でシートに画像形成する(複写機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能に相当する)。
画像形成装置1は、画像読取装置18、光走査装置11、現像装置10、感光体ドラム13、ドラムクリーニング装置14、帯電器15、中間転写ベルト21、定着部27、シート搬送路31、給紙装置17等を備えている。
画像形成装置1では、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像、または単色(例えば、ブラック)を用いたモノクロ画像に応じた画像データが扱われる。画像読取装置18は、原稿または原稿搬送部(ADF)から搬送された原稿を読み取って画像データを生成する。画像形成装置1の画像転写部12には、4種類のトナー像を形成するための現像装置10、感光体ドラム13、ドラムクリーニング装置14、および帯電器15が4つずつ設けられて、それぞれがブラック、シアン、マゼンタ、およびイエローに対応するよう、4つの画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdが構成されている。
ドラムクリーニング装置14は、感光体ドラム13の表面の残留トナーを除去および回収する。帯電器15は、感光体ドラム13の表面を所定の電位に均一に帯電させる。光走査装置11は、感光体ドラム13の表面を露光して静電潜像を形成する。現像装置10は、感光体ドラム13の表面の静電潜像を現像して、感光体ドラム13の表面にトナー像を形成する。このような一連の動作によって、各感光体ドラム13の表面に各色のトナー像が形成される。
感光体ドラム13の上側には、中間転写ベルト21を介して中間転写ローラ16が配置されている。中間転写ベルト21はトナー像が形成される像担持体であり、転写駆動ローラ22および転写従動ローラ23に張架されて矢符Cの方向へ回転(周回移動)する。各感光体ドラム13の表面に形成された各色のトナー像が転写(1次転写)されて重ね合わされることで、中間転写ベルト21の表面にはカラーのトナー像が形成される。
2次転写部25の転写ローラ26は、中間転写ベルト21との間にニップ域(2次転写位置)を形成しており、シート搬送路31を通じて搬送されたシートをニップ域に挟み込んで搬送する。シートは、ニップ域を通過する際に、中間転写ベルト21の表面のトナー像が転写されて定着部27に搬送される。中間転写ベルト21上に残ったトナー等はベルトクリーニング装置24によって回収される。
定着部27は、シートを挟んで回転する定着ローラ28および加圧ローラ29を備えている。定着部27は、定着ローラ28および加圧ローラ29の間にトナー像が転写されたシートを挟み込んで加熱および加圧し、トナー像をシートに定着させる。
給紙装置17は、画像形成に使用するシートを収容しており、光走査装置11の下側に設けられている。シートは、ピックアップローラ33によって給紙装置17から引き出されて、シート搬送路31を通じて搬送され、2次転写部25や定着部27を経由して、排紙ローラ36を介して排紙トレイ37へと搬送される。シート搬送路31には、シートを一旦停止させて、シートの先端を揃えた後、中間転写ベルト21と転写ローラ26との間のニップ域でのカラーのトナー像の転写タイミングに合わせてシートの搬送を開始するレジストローラ35、シートの搬送を促す複数の搬送ローラ34、および排紙ローラ36等の種々のローラ対が配置されている。
シートの表面だけでなく裏面にも画像形成を行う場合は、シートを排紙ローラ36からシート反転経路32へと逆方向に搬送して、シートの表裏を反転させ、シートをレジストローラ35へと再度導き、表面と同様にして裏面に画像形成を行う。
(現像装置)
図2は、画像形成装置1に設けられる現像装置10を示す断面図であり、図3は、現像ローラ61における磁極の構成を模式的に示す説明図である。なお、図2においては、図中の各構成部材を見やすくするため部材断面を示すハッチングは省略して示している。
図2は、画像形成装置1に設けられる現像装置10を示す断面図であり、図3は、現像ローラ61における磁極の構成を模式的に示す説明図である。なお、図2においては、図中の各構成部材を見やすくするため部材断面を示すハッチングは省略して示している。
図示するように、現像装置10は、現像剤を収容する収容容器としてのハウジング40と、ハウジング40内に設けられた現像槽42と、2つの撹拌搬送ローラ65、66と、現像ローラ61と、規制部材とを備えている。前記規制部材としては、本実施形態ではドクターブレード64が備えられている。
現像槽42には図示しない現像剤が貯留されている。現像剤には、非磁性のトナーと磁性キャリアとを含む現像剤(二成分現像剤)が用いられる。撹拌搬送ローラ65、66は、現像槽42に貯留されている現像剤を撹拌する。この撹拌により、現像剤に含まれるトナーと磁性キャリアとの間に摩擦を生じさせ、その摩擦により非磁性のトナーを帯電させる。磁性キャリアとトナーは補給部43を通して現像槽42に供給される。
現像ローラ61は、一部がハウジング40から露出するとともに、A方向に回転する感光体ドラム13に対向して配設されている。図示するように、ハウジング40に備えられた上側カバー部材41と下側カバー部材44との間には開口が設けられており、現像ローラ61が感光体ドラム13に臨むように配設されている。
現像ローラ61は、非磁性であって円筒状に形成されてスリーブ部63と、スリーブ部63の内部に配置された円柱状の磁性を有するマグネットロール62とを備えている。スリーブ部63はハウジング40に対して回転可能に軸支されている。このスリーブ部63の回転により、現像ローラ61はB方向に回転する。スリーブ部63には感光体ドラム13との間に電位差が生じるように、図示しない電源から電位が付与される。現像ローラ61の周面には、マグネットロール62が有する磁性により、それぞれが単一の極性である複数の磁極が形成されている。
マグネットロール62は、その磁力によって磁性キャリアを磁気的に吸着し、現像ローラ61の周面であるスリーブ部63の表面に、磁性キャリアとトナーとからなる磁気ブラシと呼ばれる現像剤の穂を形成する。現像ローラ61は、スリーブ部63がB方向に回転することによって、マグネットロール62と感光体ドラム13との最も近接した対向部である現像領域67に現像剤を搬送する。
現像ローラ61に形成される磁極には、例えば現像極(主極)N1や回収極S1などが含まれている。現像極N1は、現像時に磁性キャリアが現像ローラ61の周面から離脱することを阻止して、感光体ドラム13にトナーを供給するための磁極である。図2に示すように、現像極N1は、感光体ドラム13に臨むように配置され、現像ローラ61の周面における現像領域(感光体ドラム13と対向する領域)67に設けられている。
回収極S1は、現像領域67よりも回転方向(B方向)の下流側にあって、現像極N1と剥離極S2との間に設けられる。回収極S1は、感光体ドラム13へのトナーの供給後に現像ローラ61の周面に残留している現像剤(磁性キャリア)を保持して下流側へ搬送するための磁極である。図2に示すように、回収極S1は、現像極N1に隣り合って設けられる。
現像領域67に対して回転方向の下流側には、さらに剥離極S2が設けられている。剥離極S2は、感光体ドラム13へのトナー供給後に現像ローラ61の周面に残留している現像剤を、スリーブ部63の表面から剥離させるための磁極である。剥離極S2によって、現像ローラ61の周面に残留している現像剤は現像槽42へ落下する。
ドクターブレード64と対向する部分よりも回転方向の上流側には、汲み上げ極N3が設けられている。汲み上げ極N3は、現像槽42に貯留された現像剤を現像ローラ61の周面に汲み上げる磁極である。汲み上げられた現像剤は現像ローラ61の周面に付着した状態で、B方向の回転に伴って搬送される。
現像ローラ61の周面を構成するスリーブ部63は、例えばSUSにより形成されている。規制部材としてのドクターブレード64は、現像ローラ61の回転方向についての現像領域67の上流側で、現像ローラ61の周面との間に隙間を設けた状態で近接して配設されている。これにより、ドクターブレード64は、その隙間で、汲み上げられた現像剤の通過させる量を制限し、現像剤の層厚を規制する。なお、規制部材としては前記のようにブレード状に設けられたドクターブレード64であるに限らず、どのような形状に構成されていてもよい。
本実施の形態において、回収極S1と剥離極S2との間には、さらに、浮遊するトナーの飛散や漏れ出しを防止するための飛散防止極N2が設けられている。すなわち、飛散防止極N2は、スリーブ部63の回転方向(B方向)における回収極S1の下流側に隣り合って設けられ、また、剥離極S2の上流側に隣り合って設けられている。図2に示すように、この飛散防止極N2に対向させて、ハウジング40の上側カバー部材41には磁性体50が設けられている。
ここで、現像極N1、飛散防止極N2、および汲み上げ極N3は例えばN極の磁極であり、これに対して回収極S1および剥離極S2は例えばS極の磁極とされる。5つの磁極は、現像ローラ61のスリーブ部63の回転方向の上流側から下流側に向かって、現像主極N1、回収極S1、飛散防止極N2、剥離極S2、および汲み上げ極N3の順に配置されている。また、飛散防止極N2は、回収極S1および剥離極S2に対して逆極とされている。
このようなマグネットロール62による各磁極の配置は、現像ローラ61の周面の法線方向における磁束密度の分布において磁束密度が極大値となる位置によって示している。図2では、磁極によって生じる磁束密度を、現像ローラ61の周面に対する法線方向の成分と現像ローラ61の周面に対する接線方向の成分とに分解したときの法線方向の成分について示しており、参照符号101~105で示される領域(二点鎖線によって囲まれている領域)は、法線方向の磁束密度の分布を示している。
例えば、図2では、領域103は飛散防止極N2に分布している法線方向の磁束密度を示し、回収極S1と剥離極S2との間に形成されている。回収極S1による領域102と、剥離極S2による領域104に比べて、飛散防止極N2の領域103が最も大きく形成されている。すなわち、スリーブ部63の回転方向に沿って現像領域67よりも下流側にある回収極S1、飛散防止極N2、および剥離極S2のうち、飛散防止極N2は磁束密度の大きさが最大となるように設けられている。
これに対して、図3に示すように、参照符号106の領域(破線によって囲まれている領域)は、現像ローラ61の周面の接線方向の磁束密度の分布を示している。飛散防止極N2は、回収極S1および剥離極S2に対して逆極とされているので、飛散防止極N2と回収極S1との間で接線方向の磁束密度についての領域106が形成され、接線方向の磁束密度が最大となる位置では法線方向の磁束密度が最小となっている。また飛散防止極N2と剥離極S2との間にも、接線方向の磁束密度について同様の領域106が形成されている。
これにより、飛散防止極N2では磁性体50の作用と相俟ってトナーの飛散を防止しうる磁気ブラシの壁が形成されることとなる。飛散防止極N2より回転方向の下流側で浮遊するトナーは、飛散防止極N2での磁気ブラシの壁によって、飛散防止極N2を超えて上流側に飛散するのが防止される。飛散防止極N2では、磁性体50の磁力によって、上側カバー部材41とスリーブ部63との間に磁気ブラシが安定的に形成される。また、飛散防止極N2に隣接する回収極S1および剥離極S2によって、現像剤の搬送性を一定に確保することができる。そのため、飛散防止極N2で現像剤が滞留することはなく、現像剤の入れ替えを常に行って十分な撹拌混合を可能にしつつもトナーの飛散をも防止することが可能となる。
図4は、上側カバー部材41に設けられる磁性体50と飛散防止極N2との位置関係を模式的に示す説明図である。また、図5および図6は、図4の比較例としての磁性体50の位置を模式的に示す説明図である。
前記のとおり磁性体50は飛散防止極N2に対向して配設されることに加え、上側カバー部材41における所定の範囲内に設けられていればよい。図4に示すように、磁性体50は、飛散防止極N2と回収極S1との間で法線方向の磁束密度の大きさが最小となる位置、すなわち接線方向の磁束密度(領域106)が最大となる位置と、飛散防止極N2と剥離極S2との間で磁束密度の大きさが最小となる位置、すなわち接線方向の磁束密度(領域106)が最大となる位置との間の領域Wに納まる大きさで設けられている。磁性体50の大きさが領域Wを超えないものであることによって、回収極S1と剥離極S2への磁性体50の影響を抑えることができ、現像剤の搬送性を確保することが可能とされる。
例えば、図5に示すように、磁性体50が磁極Nに対向して設けられるものの、隣り合う磁極Sとの間で法線方向の磁束密度が最小となる位置を超えて磁性体50が設けられることは好ましくない。この場合、磁極Sにも磁性体50の磁力の影響が及ぶこととなり、現像剤の搬送性が低下するおそれがある。
また、図6に示すように、磁性体50が、磁極Nに対向して設けられるものの、隣り合う2つの磁極Sにまで跨がる大きさで設けられることは好ましくない。磁極Nによる法線方向の磁束密度が最小となる位置を超えて磁性体50が配置されており、図5と同様に磁性体50の磁力の影響が磁極Sにも及ぶこととなり、現像剤の搬送性が低下するおそれがある。
加えて、図3に示すように、飛散防止極N2は、スリーブ部63の回転方向における現像領域67よりも下流側で、上側カバー部材41の内面とスリーブ部63の表面(現像ローラ61の周面)との距離が最小となる位置に対応して設けられることが好ましい。これにより、磁性体50の磁力を効果的に作用させることができ、磁気ブラシを安定的に形成することが可能となる。
図3において、飛散防止極N2によって形成される法線方向の磁束密度が最大となる位置と、スリーブ部63の回転軸の軸芯Xとを結ぶ直線をL1とする。また、回収極S1によって形成される法線方向の磁束密度が最大となる位置と軸芯Xとを結ぶ直線をL2とし、剥離極S2によって形成される法線方向の磁束密度が最大となる位置と軸芯Xとを結ぶ直線をL3する。
各磁極は、現像ローラ61の周方向に所定の回転角度を空けて配置されることが好ましい。具体的には、飛散防止極N2は、回収極S1からの回転角度が40°となる位置に配置されることが好ましい。この場合、L1とL2とのなす角度αは、回収極S1に対する飛散防止極N2の回転角度を示す。また、剥離極S2は、飛散防止極N2からの回転角度が45°となる位置に配置されることが好ましい。図3に示す、L1とL3とのなす角度βは、飛散防止極N2に対する剥離極S2の回転角度を示す。
図7は、現像ローラ61の飛散防止極N2をスリーブ部63の回転軸の軸芯Xに沿う断面により模式的に示す説明図であり、図8は、図7の比較例として、磁性体が設けられない場合の現像剤の様子を模式的に示す説明図である。
磁極の対向位置に磁性体50が設けられていない場合、図8に示すように、現像剤Dの穂立ちの高さが一定とはならず、上側カバー部材41とスリーブ部63との間に隙間ができた状態となる。隙間ができると、現像槽42の上部を浮遊するトナーが上昇して上側カバー部材41とスリーブ部63との隙間を通り抜け、現像ローラ61の回転方向の上流側へ移動するおそれがある。
これに対して、本実施形態に係る現像装置10では、図7に示すように、飛散防止極N2では、対向する磁性体50の磁力が作用して上側カバー部材41とスリーブ部63との間で磁気ブラシの壁ができ、隙間を埋め尽くすように現像剤Dが存在することとなる。これにより、飛散防止極N2の下流側から上流側への浮遊トナーの移動が妨げられ、トナーの飛散を防止することができる。その結果、現像装置10の外へトナーが漏れ出て飛散し、画像形成装置1を構成する他の装置に付着してトナー汚れを招いたり、画質を低下させたりすることを防ぐことができる。
このような現像装置10によれば、以下のようにして静電潜像が現像される。図2を参照して、ハウジング40の現像槽42内に貯留されている現像剤は、撹拌搬送ローラ65、66によって撹拌されて帯電され、現像ローラ61の汲み上げ極N3まで搬送される。汲み上げ極N3まで搬送された現像剤は、汲み上げ極N3の磁力によって現像ローラ61のスリーブ部63に吸着されて磁気ブラシを形成する。
磁気ブラシとして現像ローラ61に担持された現像剤は、スリーブ部63の回転に伴って回転方向の下流側へ搬送され、ドクターブレード64と対向する位置で現像ローラ61の周面に担持される量が規制される。ドクターブレード64を通過した現像剤は、スリーブ部63の回転に伴って、現像極N1が形成される現像領域67に搬送される。
現像領域67では、現像ローラ61と感光体ドラム13との電位差によって、現像ローラ61の周面に形成された磁気ブラシから、トナーのみが感光体ドラム13に供給される。これによって、感光体ドラム13の静電潜像が現像され、感光体ドラム13に可視像であるトナー像が形成される。
感光体ドラム13に転移せずに現像ローラ61に残留した現像剤は、現像領域67を通過し、回収極S1の磁力によってハウジング40内に搬送され、飛散防止極N2で上側カバー部材41と現像ローラ61との隙間を埋めつつ搬送され、剥離極S2によって現像ローラ61から剥離され、現像槽42に回収される。回収された現像剤は、補給部43を通して供給されたトナーとともに撹拌搬送ローラ65、66によって撹拌混合されながら搬送される。撹拌搬送された現像剤は、再び汲み上げ極N3によって汲み上げられ現像に供される。
このように静電潜像が現像される過程で、ハウジング40内の浮遊トナーは飛散防止極N2の上流側へ移動することが妨げられるので、現像装置10の外部へのトナー飛散を防ぐことができ、良好な画像形成が可能となる。
なお、本実施形態では、感光体ドラム13に臨む現像極N1をN極として説明したが、本発明はこれに限定されず、現像極はS極であってもよい。この場合、マグネットロール62は、本実施形態においてN極が配置されている位置にS極を有し、S極が配置されている位置にN極を有していればよい。
また、本実施形態では、マグネットロール62には5つの磁極が設けられる例を示したが、マグネットロール62の磁極の数は、これに限定されるものではない。さらに、前記のような現像装置10を備える画像形成装置1は、カラー画像形成装置であってもよいし、モノクロ画像形成装置であってもよい。画像形成装置1は、複写機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能などを有する複合機であってもよい。
本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、前記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、すべて本発明の範囲内のものである。
1 画像形成装置
10 現像装置
13 感光体ドラム
40 ハウジング(収容容器)
41 上側カバー部材
42 現像槽
43 補給部
44 下側カバー部材
50 磁性体
61 現像ローラ
62 マグネットロール
63 スリーブ部
64 ドクターブレード(規制部材)
65 撹拌搬送ローラ
66 撹拌搬送ローラ
67 現像領域
N1 現像極
N2 飛散防止極
N3 汲み上げ極
S1 回収極
S2 剥離極
10 現像装置
13 感光体ドラム
40 ハウジング(収容容器)
41 上側カバー部材
42 現像槽
43 補給部
44 下側カバー部材
50 磁性体
61 現像ローラ
62 マグネットロール
63 スリーブ部
64 ドクターブレード(規制部材)
65 撹拌搬送ローラ
66 撹拌搬送ローラ
67 現像領域
N1 現像極
N2 飛散防止極
N3 汲み上げ極
S1 回収極
S2 剥離極
Claims (6)
- トナーと磁性キャリアとが含まれる現像剤を収容する収容容器と、回転自在に軸支された円筒状のスリーブ部および前記スリーブ部の内側に非回転に配置されたマグネットロールを有する現像ローラとを備えて、現像剤を前記スリーブ部の表面に担持しつつ、静電潜像が形成された感光体に臨む現像領域へと搬送する現像装置であって、
前記マグネットロールは複数の磁極を備えており、
前記複数の磁極には、前記現像領域で前記感光体にトナーを供給するための現像極と、前記現像領域よりも前記スリーブ部の回転方向の下流側にあって前記感光体へのトナー供給後に残留する現像剤を前記スリーブ部の表面から剥離させるための剥離極と、前記現像極と前記剥離極との間で前記現像剤を保持するための回収極とを含み、前記回収極と前記剥離極との間にはさらに前記現像剤の飛散を防止するための飛散防止極が設けられ、
前記飛散防止極は、前記回収極および前記剥離極に対して逆極とされるとともに、前記収容容器には前記飛散防止極に対向させて磁性体が設けられていることを特徴とする現像装置。 - 請求項1に記載の現像装置において、
前記現像領域よりも前記スリーブ部の回転方向の下流側では、前記回収極、前記飛散防止極、および前記剥離極のうち、前記飛散防止極で法線方向の磁束密度の大きさが最大となることを特徴とする現像装置。 - 請求項1または2に記載の現像装置において、
前記飛散防止極は、前記現像領域よりも前記スリーブ部の回転方向の下流側で、前記収容容器の内面と前記スリーブ部の表面との距離が最小となる位置に対応させて設けられていることを特徴とする現像装置。 - 請求項1~3のいずれか1つの請求項に記載の現像装置において、
前記磁性体は、前記飛散防止極と前記回収極との間で法線方向の磁束密度の大きさが最小となる位置と、前記飛散防止極と前記剥離極との間で法線方向の磁束密度の大きさが最小となる位置との間の領域に対応させて設けられていることを特徴とする現像装置。 - 請求項1~4のいずれか1つの請求項に記載の現像装置において、
前記複数の磁極には、さらに、前記スリーブ部の表面に現像剤を汲み上げるための汲み上げ極が含まれることを特徴とする現像装置。 - 請求項1~5のいずれか1つの請求項に記載の現像装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020214710A JP2022100624A (ja) | 2020-12-24 | 2020-12-24 | 現像装置および画像形成装置 |
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JP2020214710A JP2022100624A (ja) | 2020-12-24 | 2020-12-24 | 現像装置および画像形成装置 |
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-
2020
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