以下、図面を参照しながら、本開示に係る車載ハンズフリー装置及び通信制御方法の実施形態について説明する。
(実施形態)
図1は、実施形態に係るハンズフリー装置の使用形態の一例を示す図である。図1に示すように、本実施形態のハンズフリー装置1は、車両3に搭載可能である。ハンズフリー装置1は、本実施形態における車載ハンズフリー装置の一例である。
ハンズフリー装置1は、携帯電話機2との間で無線または有線により通信接続する。また、携帯電話機2は、携帯電話網を介して基地局40と無線通信する。
ハンズフリー装置1は、携帯電話機2を介して携帯電話網に接続する。これにより、例えば、車両3の運転者は、携帯電話機2を操作しなくとも、ハンズフリー装置1を操作することによって、電話の発着信をすることができる。すなわちハンズフリー装置1は、携帯電話機2と無線接続されることで、ハンズフリー通話を可能とさせる。なお、ハンズフリー装置1は、例えば、車両3に搭載されたディスプレイオーディオ(Display Audio)装置である。また、ハンズフリー装置1は、車載ナビゲーション装置の一機能として実現されても良い。
図2は、実施形態に係るハンズフリー装置1及び携帯電話機2のハードウェア構成の一例を示す図である。ハンズフリー装置1は、制御部12、Bluetooth(登録商標)通信部13、操作部14、表示部15、作業メモリ16、記憶メモリ17、マイクロホン18及びスピーカ19を備える。なお、ハンズフリー装置1は、さらに、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等によって外部装置と有線接続可能なインタフェースを備えても良い。また、ハンズフリー装置1は、さらに、Wi-Fi(登録商標)によって外部装置と無線接続可能なインタフェースを備えても良い。
制御部12は、ハンズフリー装置1の通信動作やデータ管理動作などの動作全般を制御する。制御部12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。
Bluetooth通信部13は、近距離無線通信手段であるBluetooth方式に対応する通信機能を備える。Bluetooth通信部13は、Bluetooth無線通信圏内に存在している携帯電話機2との間で無線通信回線を確立して、Bluetoothの通信規格に準拠した通信を行う。なお、この場合、携帯電話機2が、Bluetooth通信機能を有し、かつハンズフリー装置1のBluetooth無線通信圏内に存在していることを前提とする。
本実施形態のBluetooth通信部13は、ハンズフリー通話を行うための周知のHFP(Hands Free Profile)、及び、電話帳データの転送、発着信履歴データの転送を行うためのPBAP(Phone Book Access Profile)に準拠した通信機能を備える。これらのプロファイルは、機能毎に定義された通信プロトコルを意味している。
携帯電話機2は、公知の技術により、携帯電話網の基地局40と携帯電話回線を確立して電話の発信処理及び着信処理をする機能を備える。
携帯電話機2は、例えばスマートフォンであり、近距離無線通信手段であるBluetooth(登録商標)方式による通信機能を有する。本実施形態においては、一例として、携帯電話機2は、電話通信部21、制御部22、Bluetooth通信部23、操作部24、表示部25、作業メモリ26、記憶メモリ27、マイクロホン28及びスピーカ29を備える。なお、携帯電話機2は、さらに、外部装置と有線接続可能なインタフェースを備えても良い。また、携帯電話機2は、さらに、Wi-Fi(登録商標)によって外部装置と無線接続可能なインタフェースを備えても良い。
電話通信部21は、制御部22の制御の下、アンテナ210を介して携帯電話網に無線接続可能である。電話通信部21は、基地局40及びアンテナ210を介して受信された相手側端末からの通話音声を復調して制御部22に出力する。また、電話通信部21は、通話時におけるユーザからの入力音声を変調してアンテナ210及び基地局40等を介して相手側端末に送信する。
携帯電話機2の制御部22は、携帯電話機2の通信動作やデータ管理動作などの動作全般を制御する。制御部22は、例えば、CPU等のプロセッサである。
携帯電話機2のBluetooth通信部23は、ハンズフリー通話を行うための周知のHFP、及び、電話帳データの転送、発着信履歴データの転送を行うためのPBAPに準拠した通信機能を備える。
携帯電話機2の操作部24は、ユーザが操作可能な操作手段である。例えば、表示部25に形成されるタッチキーから構成され、ユーザの操作を検出し、その操作内容を表す操作信号を制御部22に出力する。本実施形態においては、操作部24及び表示部25がタッチパネルとして機能するものとする。なお、操作部24の構成はこれに限定されるものではない。操作部24は、表示部25とは分離して設けられても良い。例えば、操作部24は、物理ボタンとして形成されたダイアルキーを備えても良い。
携帯電話機2の表示部25は、制御部12から表示信号を入力すると、その入力した表示信号に基づいて表示画面をする。表示部25は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイであるが、これらに限定されるものではない。表示部15は、本実施形態における第1の表示部の一例である。携帯電話機2の表示部25は、本実施形態における第2の表示部の一例である。
作業メモリ26は、揮発性のメモリである。作業メモリ26は、例えばRAM(Random Access Memory)である。また、記憶メモリ27は、不揮発性のメモリである。記憶メモリ17は、例えばROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ等である。作業メモリ26または記憶メモリ27は、例えば、発信履歴データ261、着信履歴データ262、不在着信履歴データ263、及び電話帳データ264を記憶する。図2では、記憶メモリ27が発信履歴データ261、着信履歴データ262、不在着信履歴データ263、及び電話帳データ264を記憶するものとして図示しているが、作業メモリ26も、これらのデータを記憶しても良い。
なお、携帯電話機2は、Bluetooth方式による通信機能を有するものであれば、スマートフォン以外の種類の携帯電話機でも良い。また、携帯電話機2は、さらに、Wi-Fi(登録商標)方式の無線通信、または、有線通信によってハンズフリー装置1と通信可能であっても良い。
携帯電話機2は、ハンズフリー装置1との間でHFPを接続していない状態でも、発信処理及び着信処理が可能である。本実施形態において、携帯電話機2がハンズフリー装置1との間でHFPを接続していない状態を、携帯電話機2が単独の状態という。
例えば、携帯電話機2は、ユーザがダイアルキー(図示せず)を操作して発信先の電話番号を入力し、続いて発信キー(図示せず)を操作すると、当該電話番号を発信先として発信することでき、発信先の携帯電話機との間で通話を行うことが可能となる。このような処理を、携帯電話機2における発信処理という。ダイアルキーとは、例えば「0」~「9」の数字に対応したキーである。なお、本実施形態において「キー」という場合、物理的に設けられたボタン等の操作部24でも良いし、表示部25上に画像として表示された電子的な操作部24でも良い。
また、携帯電話機2は、発信元である他の携帯電話機が携帯電話機2を発信先として発信したことに応じて基地局40から着信信号を受信すると、基地局40から発信元の携帯電話機の電話番号を着信電話番号として受信する。この場合、携帯電話機2は、ユーザによる携帯電話機2の受話キー(図示せず)の操作を受け付けると、発信元の他の携帯電話機に応答する。これにより、携帯電話機2のユーザは、発信元の他の携帯電話機との間で通話を行うことが可能となる。このような処理を、携帯電話機2における着信処理という。
また、本実施形態においては、発信履歴データ261と着信履歴データ262とを総称する場合は、発着信履歴データという。また、発信履歴データ261、着信履歴データ262、不在着信履歴データ263、及び電話帳データ264は、電話番号に関するデータの一例である。
発信履歴データ261は、携帯電話機2が発信した電話の発信先である発信電話番号を含む。着信履歴データ262は、携帯電話機2が着信した電話の着信元である着信電話番号を含む。
また、携帯電話機2は、時刻を計時する時計部(図示せず)を有している。発信履歴データ261、着信履歴データ262、及び不在着信履歴データ263においては、時計部によって計時された発信時刻または着信時刻と、発信電話番号または着信電話番号とが対応付けられている。
電話帳データ264は、電話番号と登録名とが対応付けられたデータである。より詳細には、本実施形態においては、電話帳データ264は、電話番号及び該電話番号に対応する名称を含む第1の情報、及び電話番号または名称に対応付けられた、少なくとも1つのアプリケーションに関連する情報を含む第2の情報を含む。
本実施形態においては、ハンズフリー装置1は、作業メモリ16または記憶メモリ17に記憶された電話番号に関するデータを用いなくとも、携帯電話機2の電話機能を用いて通話をすることができるが、ハンズフリー装置1でも電話番号に関するデータを記憶していても良い。
例えば、ハンズフリー装置1側でも、発信履歴データ161及び着信履歴データ162を記憶する。具体的には、図2に示すように、ハンズフリー装置1の作業メモリ16は、発信履歴データ161及び着信履歴データ162を記憶する。ハンズフリー装置1に記憶される発信履歴データ161及び着信履歴データ162は、ハンズフリー装置1の電話機能を用いて発着信された電話番号だけではなく、携帯電話機2が発着信した電話番号の履歴を含むものとする。ハンズフリー装置1と携帯電話機2との発着信履歴の同期の取り方については、後述する。
また、ハンズフリー装置1の作業メモリ16は、さらに、不在着信履歴データ163、及び電話帳データ164を記憶してもよい。なお、不在着信履歴データ163、及び電話帳データ164は、携帯電話機2に記憶された不在着信履歴データ263、及び電話帳データ264からコピーされても良いし、ハンズフリー装置1と携帯電話機2側でそれぞれ別々の内容であっても良い。
また、本実施形態のハンズフリー装置1は、電話帳データ164を記憶しない構成を採用しても良い。
なお、作業メモリ16だけでなく、記憶メモリ17が発信履歴データ161、着信履歴データ162、不在着信履歴データ163、及び電話帳データ164を記憶しても良い。
電話帳データ164,264は、少なくとも、名前および電話番号が対応付けられている。
また、発信履歴データ161,261は、携帯電話機2またはハンズフリー装置1が発信した電話の発信先である発信電話番号、発信先の名前、及び発信時刻が対応付けられている。発信先の名前は、携帯電話機2から転送された発信履歴データ261に含まれていても良いし、電話帳データ164に登録された名前が、ハンズフリー装置1によって発信履歴データ161に結合されても良い。なお、発信履歴データ161,261は、名前を含まなくとも良い。
なお、発信履歴データ161は、携帯電話機2から発信された電話だけではなく、ハンズフリー装置1から発信された電話の履歴も含む。
また、着信履歴データ162,262は、携帯電話機2またはハンズフリー装置1が着信した電話の発信先である着信電話番号、該着信した電話の発信元の名前、及び着信時刻が対応付けられている。発信元の名前は、携帯電話機2から転送された着信履歴データ262に含まれていても良いし、電話帳データ164に登録された名前が、ハンズフリー装置1によって着信履歴データ162に結合されても良い。なお、着信履歴データ162,262は、名前を含まなくとも良い。
なお、着信履歴データ162は、携帯電話機2が単独で着信した電話だけではなく、ハンズフリー装置1が携帯電話機2を介して着信した電話の履歴も含む。
また、不在着信履歴データ163,263は、携帯電話機2が着信に対して応答しなかった場合における、着信した電話の着信元である着信電話番号を含む。なお、着信履歴データ162,262が不在着信履歴データ163,263を含んでも良い。
また、携帯電話機2に記憶されたデータとハンズフリー装置1に記憶されたデータとを区別する場合、例えば、電話帳データ264を第1の電話帳データ、電話帳データ164を第2の電話帳データとしても良い。また、発信履歴データ261を第1の発信履歴データ、発信履歴データ161を第2の発信履歴データとしても良い。着信履歴データ262を第1の着信履歴データ、着信履歴データ162を第2の着信履歴データとしても良い。不在着信履歴データ263を第1の不在着信履歴データ、不在着信履歴データ163を第2の不在着信履歴データとしても良い。
ハンズフリー装置1の操作部14は、ユーザが操作可能な操作手段である。例えば、表示部15に形成されるタッチキーから構成され、ユーザの操作を検出し、その操作内容を表す操作信号を制御部12に出力する。本実施形態においては、操作部14及び表示部15がタッチパネルとして機能するものとする。なお、操作部14の構成はこれに限定されるものではない。操作部14は、表示部15とは分離して設けられても良い。
表示部15は、制御部12から表示信号を入力すると、その入力した表示信号に基づいて表示画面を表示し、例えばユーザが電話番号を入力する表示画面として「0」~「9」に対応したダイアルキーが配列された表示画面を表示する。表示部15は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイであるが、これらに限定されるものではない。表示部15は、本実施形態における第1の表示部の一例である。
作業メモリ16は、揮発性のメモリである。作業メモリ16は、例えば、発信履歴データ161、着信履歴データ162、不在着信履歴データ163、及び電話帳データ164を記憶する。作業メモリ16は、例えばRAMである。
記憶メモリ17は、不揮発性のメモリである。記憶メモリ17は、例えばROMである。また、記憶メモリ17は、フラッシュメモリ等の書き込み可能な記憶媒体であっても良い。この場合、例えば、作業メモリ16に一時的に記憶された各種のデータが、定期的、あるいは規定のタイミングで記憶メモリ17に保存されても良い。記憶メモリ17は、例えば、ハンズフリー装置1で実行される各種のプログラムを記憶する。また、ハンズフリー装置1は、さらに、HDD(Hard Disk Drive)等のストレージを備えても良い。
作業メモリ16及び記憶メモリ17は、本実施形態における記憶部の一例である。
マイクロホン18は、携帯電話機2を用いたハンズフリー通話を行うときに、ユーザが発した音声を入力する。マイクロホン18は、音声入力部ともいう。
スピーカ19は、ハンズフリー装置1が携帯電話機2を用いたハンズフリー通話を行う場合に、通話相手の受話音声を出力する。スピーカ19は、音声出力部ともいう。
なお、ハンズフリー装置1は、図示した機能ブロックの他に、ナビゲーション動作に必要な各種の機能ブロックを備えても良い。例えば、ハンズフリー装置1は、車両3の現在位置を検出するGPS装置等の現在位置検出部、現在位置から目的地までの経路を探索する経路探索部、地図データが記録されている記録媒体から地図データを読み取る地図データ読取部、VICS(登録商標)センターから配信されたVICS情報を受信するVICS情報受信部、ユーザが発した音声を音声認識する音声認識部等を備えても良い。なお、ハンズフリー装置1は、GPS衛星からGPS装置が受信したGPS無線信号からGPS日時情報を抽出して日時を取得し、その取得した日時を発信日時や着信日時として利用しても良い。
上記したハンズフリー装置1は、例えば、ACCスイッチのオンオフに連動して起動または停止する。ACCスイッチは、車両機器への電源供給をオンオフするスイッチである。ハンズフリー装置1は、例えばユーザが操作したことに応じてACCスイッチがオンからオフに切替わると、電源供給が停止される。この結果、装置電源がオンからオフに移行する。この場合、直前に記憶メモリ17に記憶されている各種データは消去されずに記憶保持されるが、直前に作業メモリ16に記憶されている発信履歴データ161、着信履歴データ162、不在着信履歴データ163、及び電話帳データ164は消去される。
次に、本実施形態のハンズフリー装置1の機能の詳細について説明する。
図3は、実施形態に係るハンズフリー装置1が備える機能の一例を示す図である。図3に示すように、本実施形態のハンズフリー装置1は、受付部101、表示制御部102、判定部103、携帯電話機同期処理部104、ハンズフリー通話処理部105、転送プロトコル制御部106、データ取得部107、及び緊急呼処理部108を備える。
受付部101、表示制御部102、判定部103、携帯電話機同期処理部104、ハンズフリー通話処理部105、転送プロトコル制御部106、データ取得部107、及び緊急呼処理部108は、制御部12が記憶メモリ17からプログラムを読み出して実行することにより、実現される。なお、図3に示す機能は一例であり、ハンズフリー装置1の制御部12はさらに他の機能を実現しても良い。また、受付部101、表示制御部102、判定部103、携帯電話機同期処理部104、ハンズフリー通話処理部105、転送プロトコル制御部106、データ取得部107、及び緊急呼処理部108は、ハードウェア回路によって実現されても良い。
受付部101は、ユーザから各種の操作を受け付ける。例えば、受付部101は、ユーザが操作部14を操作した場合に、操作部14を介して、ユーザの操作を受け付ける。
例えば、受付部101は、ユーザから、携帯電話機2との接続態様を選択する操作を受け付ける。
ここで、本実施形態におけるハンズフリー装置1と携帯電話機2との接続態様の種類、及び電話の発着信及び通話の手段の種類について説明する。
本実施形態のハンズフリー装置1は、ハンズフリー通話をするために、上述のHFPを使用して携帯電話機2と接続した上で、ハンズフリー装置1の電話機能を用いて電話の発着信及び通話を行うことができる。このようなHFPによるハンズフリー装置1と携帯電話機2との接続態様は、本実施形態における第2の接続態様の一例である。
第2の接続態様による接続および、第2の接続態様を用いた発着信及び通話は、ハンズフリー通話処理部105によって実行される。ハンズフリー通話処理部105は、本実施形態における通話処理部の一例である。また、HFPによる接続を介してハンズフリー通話をする機能は、公知のHFT(Hands Free Telephone)機能を採用可能である。
ハンズフリー通話処理部105は、携帯電話機2と第2の接続態様で接続した上で、ハンズフリー装置1の電話機能によって携帯電話機2を介して電話の発着信を実行する。ハンズフリー通話処理部105は、ハンズフリー装置1内部の機能であるため、内部電話アプリケーションともいう。以下、内部電話アプリケーションを単に内部アプリという。
より詳細には、ハンズフリー通話処理部105は、HFPに準じた通信プロトコルにより、携帯電話機2とハンズフリー通話可能に接続する。より詳細にはハンズフリー通話処理部105は、Bluetooth通信部13を制御することにより、携帯電話機2とハンズフリー通話可能に接続する。
また、ハンズフリー通話処理部105は、HFP接続された携帯電話機2が電話を着信した場合、ハンズフリー装置1の電話機能を用いて、ハンズフリー通話を実行する。例えば、ハンズフリー通話処理部105は、携帯電話機2が着信した通話相手の受話音声をBluetooth通信部13を介して受信し、該受話音声をスピーカ19から出力させる。また、ハンズフリー通話処理部105は、ハンズフリー装置1のユーザがマイクロホン18に入力した音声を、Bluetooth通信部13から携帯電話機2に送信させて携帯電話機2から携帯電話網に送信させる。
また、ハンズフリー通話処理部105が電話の発信を実行する場合は、作業メモリ16または記憶メモリ17に記憶された電話番号に関するデータが使用される。
なお、本実施形態においては、ハンズフリー装置1と携帯電話機2とをHFPによって接続する処理と、HFPによる接続を利用して電話の発着信を行う処理の両方をハンズフリー通話処理部105の機能として説明したが、接続処理と通話の処理とを異なる機能部が実行するものとしてもよい。
本実施形態のハンズフリー装置1は、上述のHFPとは異なる態様で携帯電話機2と接続した上で、携帯電話機2の電話機能を使用して、電話の発着信及び通話を行うことができる。例えば、ハンズフリー装置1は、USBケーブルまたはWi-Fi(登録商標)を介して、携帯電話機2とミラーリングしても良い。
ミラーリングの機能は、例えば、CarPlay(登録商標)、またはAndroid Auto(登録商標)等の公知の機能を採用可能である。本実施形態においては、CarPlay(登録商標)、またはAndroid Auto(登録商標)等のハンズフリー装置1外の機能を用いるアプリケーションを、外部アプリという。外部アプリが使用される場合は、ハンズフリー装置1側は接続及び認証の方式を提供し、接続及び認証後は、原則的に携帯電話機2側が、画面描画及び各種の機能実行を担う。
また、ハンズフリー装置1と携帯電話機2がミラーリング機能によって接続した後は、携帯電話機2に備えられた電話アプリケーションによって、発着信及び通話が実行可能となる。携帯電話機2に備えられた電話アプリケーションは、ハンズフリー装置1外にインストールされたアプリケーションであるため、外部電話アプリという。
また、外部電話アプリは、発着信及び通話の際は、携帯電話機2の記憶メモリ27に記憶された電話番号に関するデータ、つまり発信履歴データ261、着信履歴データ262、不在着信履歴データ263、または電話帳データ264を使用する。外部電話アプリによる発着信及び通話の際、ハンズフリー装置1の作業メモリ16または記憶メモリ17に記憶された発信履歴データ161、着信履歴データ162、不在着信履歴データ163、または電話帳データ164は使用されない。
なお、ハンズフリー装置1と携帯電話機2がミラーリング機能によって接続した後は、外部電話アプリ以外にも、携帯電話機2に備えられた各種のアプリケーションを、ミラーリング機能によってハンズフリー装置1で視聴可能であっても良い。携帯電話機2に備えられる各種のアプリケーションは、例えば、携帯電話機2に備えられた地図アプリケーション、音楽再生アプリケーション、SNS(Social Networking Service)またはその他のメッセージアプリケーションを含む。
なお、本実施形態で用いるミラーリングの機能は、ハンズフリー装置1と携帯電話機2の画面共有だけではなく、ハンズフリー装置1の操作部14から携帯電話機2の操作が可能であり、ユーザがハンズフリー装置1のマイクロホン18に入力した音声を携帯電話機2に入力可能であり、かつ、携帯電話機2が通話先から受けた音声をハンズフリー装置1のスピーカ19から出力させることができるものとする。例えば、ハンズフリー装置1の操作部14がタッチパネルである場合、受付部101が受け付けたタッチ位置の座標、及びキーイベントを、携帯電話機同期処理部104が携帯電話機2に送信することにより、携帯電話機2がユーザの操作を受け付けることができる。このようなハンズフリー装置1と携帯電話機2との接続態様は、携帯電話機2の機能を利用した通話を実現可能な接続態様であり、本実施形態における第1の接続態様の一例である。
第1の接続態様による接続および、第1の接続態様を用いた発着信及び通話は、携帯電話機同期処理部104によって実行される。
携帯電話機同期処理部104は、例えば、携帯電話機2に記憶された携帯電話機が発着信した電話番号を含む発信履歴データ261、着信履歴データ262、不在着信履歴データ263、または電話帳データ264に基づいて、携帯電話機2に、携帯電話機2の電話機能を用いた電話の発着信を実行させる。
換言すれば、携帯電話機同期処理部104は、外部アプリによってハンズフリー装置1と携帯電話機2とを連携させた上で、外部電話アプリによって携帯電話機2に電話の発着信を実行させる。
この際、携帯電話機同期処理部104は、作業メモリ16または記憶メモリ17に記憶された電話番号に関するデータを使用せずに、携帯電話機2に発信処理を実行させる。
また、携帯電話機同期処理部104は、上述の第1の接続態様で接続している携帯電話機2の表示部25に表示された画像をミラーリング機能によって取得する。当該画像が後述の表示制御部102によってハンズフリー装置1の表示部15に表示されることにより、携帯電話機2の表示部25上の画面が、ハンズフリー装置1の表示部15に投影される。
また、携帯電話機同期処理部104は、受付部101によって第1の接続態様で携帯電話機2と接続することを指示するユーザの操作が受け付けられた場合、携帯電話機2と第1の接続態様で接続する。
また、携帯電話機同期処理部104は、判定部103によって携帯電話機2が第1の接続態様でハンズフリー装置1と接続可能と判定された場合に、第1の接続態様で携帯電話機2と接続する。
また、携帯電話機2で電話機能のアプリケーションのアップデートが行われた場合、ハンズフリー装置1側でアップデート等の対応をしなくとも、携帯電話機同期処理部104がアップデート後の携帯電話機2に接続することにより、アップデート後の携帯電話機2の電話機能を使用してハンズフリー通話が可能である。
表示制御部102は、表示部15に、各種の画面を表示させる。本実施形態では、表示制御部102は、後述のデータ取得部107によって携帯電話機2から取得された発信履歴データ161及び着信履歴データ162を表示部15に表示させる。発信履歴データ161及び着信履歴データ162を表示する画面は、発着信履歴画面という。なお、発着信履歴画面は、発信履歴データ161及び着信履歴データ162の全件を表示するものでもよいし、最新の数件を表示するものでもよい。
また、表示制御部102は、ハンズフリー装置1が上述の第1の接続態様で携帯電話機2と接続する前後で、表示部15に表示する画像を変更する。例えば、表示制御部102は、受付部101によって第1の接続態様で携帯電話機2と接続することを指示するユーザの操作が受け付けられる前は、接続処理用のアイコン画像をハンズフリー装置1の表示部15に表示させる。
図4は、実施形態に係る接続処理用のアイコン画像151aを含む、ハンズフリー装置1の画面の一例を示す図である。図4に示す例では、表示部15は、操作部14を兼ねるタッチパネルである。また、図4に示す例では、ハンズフリー装置1と携帯電話機2は第1の接続態様では接続してないためミラーリングは開始できない状態である。また、ハンズフリー装置1と携帯電話機2は、HFPによる第2の接続態様では接続しているものとする。
この場合、表示制御部102は、表示部15上に、接続処理用のアイコン画像151aと、複数のハンズフリー装置1の内部アプリのアイコン画像151d~151hとを表示する。例えば、図4に示すアイコン画像151dは、内部アプリによるハンズフリー通話開始用のアイコン画像151dである。ユーザがハンズフリー通話開始用のアイコン画像151dを押下した場合、受付部101が、内部アプリによるハンズフリー通話開始の操作を受け付ける。この場合、ハンズフリー通話処理部105によって電話の発信または着信が実行される。
なお、ハンズフリー装置1の内部アプリは、ハンズフリー通話用のアプリに限定されるものではない。図4に示すアイコン画像151e~151hは、携帯電話機2とのミラーリングをせずにハンズフリー装置1で実現可能な各種のアプリケーションの起動のためのアイコン画像である。また、図4に示す複数の接続処理用のアイコン画像151aと、複数のハンズフリー装置1の内部アプリのアイコン画像151d~151hとを含む画面を、ホーム画面153ともいう。また、ホーム画面153に接続処理用のアイコン画像151aが表示されいる場合、当該画面を初期画面と称しても良い。
表示制御部102が表示部15上に表示した接続処理用のアイコン画像151aを、ユーザが押下した場合、受付部101が、第1の接続態様で携帯電話機2と接続することを指示するユーザの操作を受け付ける。接続処理用のアイコン画像151aは、本実施形態における第1のアイコン画像の一例である。
また、表示制御部102は、携帯電話機同期処理部104が受付部101によって第1の接続態様で携帯電話機2と接続した後に、接続処理用のアイコン画像151aを、外部アプリ起動用のアイコン画像に置き換えて、表示部15に表示させる。外部アプリ起動用のアイコン画像は、接続処理用のアイコン画像151aとは異なるアイコン画像であり、本実施形態における第2のアイコン画像の一例である。外部アプリ起動用のアイコン画像は、例えば、携帯電話機2とハンズフリー装置1とのミラーリングを開始するためのアイコン画像である。
図5Aは、実施形態に係る外部アプリ起動用のアイコン画像151bの一例を示す図である。また、図5Bは、実施形態に係る外部アプリ起動用の他のアイコン画像151cの一例を示す図である。表示制御部102は、例えば、ハンズフリー装置1の接続先の携帯電話機2のOS(Operating System)の種類に応じて、異なる外部アプリ起動用のアイコン画像151b,151cを、表示部15に表示させる。
なお、本実施形態において、外部アプリ接続という場合は、第1の接続態様によって、ハンズフリー装置1と認証済みの携帯電話機2との通信が有線または無線で確立している状態をいう。また、本実施形態において、外部アプリが起動しているという場合は、外部アプリによって携帯電話機2の表示部25の画面が、ハンズフリー装置1の表示部15の画面上に投影されている状態をいう。
図6は、実施形態に係る外部アプリの起動後の画面の一例を示す図である。表示制御部102は、例えば、外部アプリ起動用のアイコン画像151bまたはアイコン画像151cが押下された場合、外部アプリによってハンズフリー装置1から実行可能な携帯電話機2のアプリケーションのアイコン画像251a~251eの一覧を表示する。当該アプリケーションのアイコン画像251a~251eの一覧の中に、外部電話アプリの起動用アイコン画像251aが含まれる。
図6に示す画面上でユーザが外部電話アプリの起動用アイコン画像251aを押下すると、携帯電話機2の電話機能が起動する。この場合、携帯電話機同期処理部104によって携帯電話機2の表示部25に表示された画像が取得される。表示制御部102は、携帯電話機2の表示部25に表示された画像が携帯電話機同期処理部104によって取得された場合、取得された画像を表示部15に表示することにより、携帯電話機2の表示部25の画面を、ハンズフリー装置1の表示部15に投影する。
図7は、実施形態に係る外部電話アプリによる通話中にハンズフリー装置1の表示部15に表示される通話画面152aの一例を示す図である。また、図8は、実施形態に係る外部電話アプリによる通話中にハンズフリー装置1の表示部15に表示される通話画面152bの他の一例を示す図である。
図7、8に示す通話画面152a,152bは、携帯電話機2の表示部25に表示された画面が、ハンズフリー装置1の表示部15にミラーリング機能によって画面共有されている。例えば、外部電話アプリが通常の音声通話機能を有する電話アプリケーションである場合、図7に示すように、相手先を示す情報または画像と、切電等の操作が可能なボタンとが通話画面152a上に表示される。また、外部電話アプリが音声だけではなくリアルタイムで動画を送受信するテレビ電話能を有する電話アプリケーションである場合、図8に示すように、相手先の動画が通話画面152b上に表示される。また、図7、8に示す表示部15の画面上で、ユーザは、携帯電話機2に対する切電等の操作をすることも可能である。
また、表示制御部102は、携帯電話機同期処理部104による携帯電話機2の機能を利用した通話中は、表示部15の一部である第1の画面領域に実行中の通話に関する情報を表示させる。
第1の画面領域は、例えば、表示部15の画面上のヘッダ領域である。なお、第1の画面領域は、ヘッダ領域に限定されるものではなく、フッタ領域、またはその他の領域でも良い。また、表示部15の画面上の第1の画面領域以外の画面領域を、第2の領域という。
図9は、実施形態に係る外部電話アプリによる通話中の表示部15の画面上のヘッダ領域154の表示の一例を示す図である。図9に示す例では、外部電話アプリによる通話中に、ユーザ操作によって、表示制御部102が通話画面152a,152bからホーム画面153に画面遷移した状態であるものとする。このような場合、第2の領域にはホーム画面153が表示される。ホーム画面153には、ハンズフリー装置1の各種機能に関するアイコン画像等が表示されており、実行中の通話に関する情報含まれない。このように通話画面152a,152bから他の画面に遷移した場合に、表示制御部102は、第1の画面領域に、実行中の通話に関する情報を表示させる。
実行中の通話に関する情報は、例えば、実行中の通話状態、通話の相手先の名前または電話番号、及び通話時間等を含む。なお、実行中の通話に関する情報は、これらの全てを含まなくとも良い。図9に示す例では、表示部15の画面上のヘッダ領域154内の表示領域91内に、通話の相手先の名前と、通話時間とが表示されている。なお、実行中の通話に関する情報はこれらに限定されるものではなく、マルチコール機能、またはキャッチホン等のコールウェイティングに関する情報を含んでも良い。
図2に戻り、判定部103は、規定の判定条件に基づいて、携帯電話機2が第1の接続態様でハンズフリー装置1と接続可能か否かを判定する。規定の判定条件は、例えば、携帯電話機2のOSの種類およびバージョンである。判定部103による判定処理の詳細は後述する。
また、転送プロトコル制御部106は、PBAPに準じた通信プロトコルにより、携帯電話機2とデータ転送可能に接続する。より詳細には、転送プロトコル制御部106は、Bluetooth通信部13を制御することにより、携帯電話機2とPBAPに準じた通信プロトコルで接続する。PBAPに準じた通信プロトコルでは、携帯電話機2に保存された発信履歴データ261、着信履歴データ262、不在着信履歴データ263、及び電話帳データ264をハンズフリー装置1に転送可能である。
また、データ取得部107は、携帯電話機同期処理部104によって外部電話アプリでの通話が行われた場合、携帯電話機2において当該通話が終了した後に、携帯電話機2から、当該通話の相手先の電話番号を含む発信履歴データ261及び着信履歴データ262を取得する。データ取得部107は、取得した発信履歴データ261及び着信履歴データ262を、発信履歴データ161及び着信履歴データ162として、作業メモリ16または記憶メモリ17に保存する。なお、データ取得部107は、携帯電話機2の記憶メモリ27に記憶された発信履歴データ261及び着信履歴データ262のうち、直前の通話に関する履歴のみを取得しても良いし、全件を取得しても良い。
また、データ取得部107によるデータ取得の前に、転送プロトコル制御部106によって携帯電話機2とハンズフリー装置1とが接続されるものとする。データ取得部107は、本実施形態における取得部の一例である。
また、緊急呼処理部108は、発信条件が満たされた場合に、HFPによる接続を利用して、携帯電話機2を介して緊急通報の発信先に発信させる。なお、ハンズフリー通話処理部105が緊急呼処理部108を兼ねても良い。
ここで、緊急通報は、例えば、国などの公的機関により構築されている所定の緊急通報システムにおいて用いられる通報であってよい。また、この場合、緊急通報の電話番号は、例えば当該公的機関などにより予め定められていてよい。当該緊急通報システムの一例は、欧州において構築されているeCallシステムであり、この場合、緊急通報の電話番号は、予め定められている欧州共通の番号(例えば「112」など)である。あるいは、当該緊急通報は、企業(例えば、自動車メーカーまたは保険会社など)が導入している専用の通報システムにおいて用いられる通報であってもよい。この場合、当該緊急通報は、例えば、該当の企業の顧客などのユーザが利用可能なように設計されていてよく、また、当該緊急通報の電話番号は、当該企業により予め定められていてよい。例えば、緊急通報の宛先は、ロードサービス事業者等でも良い。また、緊急通報の発信条件は、国または地域に応じて定められた規則に準じても良い。また、緊急通報は、ユーザの操作によって発信されても良い。
次に、以上のように構成された本実施形態のハンズフリー装置1によって実行される外部電話アプリの起動処理の流れについて説明する。
図10は、実施形態に係るハンズフリー装置1によって実行される外部電話アプリの起動処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、受付部101は、ユーザによってHOME(ホーム)キーが押下されたことを受け付ける(S101)。HOMEキーは、ハンズフリー装置1の表示部15にホーム画面153を表示させるユーザの操作を入力可能なアイコン画像または物理ボタンである。
そして、受付部101が、ユーザによってHOMEキーが押下されたことを受け付けると、HOMEアプリが起動する(S102)。HOMEアプリは、ハンズフリー装置1によって実行可能な各種の機能の実行画面を提供する機能であり、例えば、ハンズフリー装置1の判定部103、携帯電話機同期処理部104、ハンズフリー通話処理部105、転送プロトコル制御部106、及びデータ取得部107の機能を実行可能な状態にする。
また、この場合、表示制御部102は、表示部15にホーム画面153を表示させる。
そして、判定部103は、外部アプリ接続可否判定処理を実行する(S103)。外部アプリ接続可否判定処理については、図11で後述する。
外部アプリ接続可否判定処理の結果、ハンズフリー装置1と携帯電話機2とが外部アプリで接続可能と判定された場合(S103“接続可能”)、携帯電話機同期処理部104は、ハンズフリー装置1と携帯電話機2とを第1の接続態様で接続する外部アプリ接続処理を実行する(S104)。
そして、表示制御部102は、図5で説明したように、表示部15に、外部アプリ起動用のアイコン画像151b,151cを表示する(S105)。また、このとき、表示制御部102は、表示部15に、内部アプリによるハンズフリー通話開始用のアイコン画像151dを表示する。
そして、受付部101は、外部アプリ起動用のアイコン画像151b、外部アプリ起動用のアイコン画像151c、またはハンズフリー通話開始用のアイコン画像151dのいずれの選択をユーザから受け付けたかを判定する(S106)。
受付部101が外部アプリ起動用のアイコン画像151bまたは外部アプリ起動用のアイコン画像151cのいずれかの選択を受け付けた場合(S106“外部アプリ起動用アイコン”)、表示制御部102は、図6で説明したように、表示部15に、外部アプリのトップ画面を表示させる(S107)。
そして、受付部101が外部アプリのトップ画面上で、外部電話アプリの選択を受け付けると(S108)、携帯電話機同期処理部104は、携帯電話機2の外部電話アプリを起動させる(S109)。つまり、当該処理により、携帯電話機2の電話機能が起動する。この後は、携帯電話機同期処理部104及び表示制御部102によって、携帯電話機2の表示部25の画面がハンズフリー装置1に投影される。ここで、このフローチャートの処理は終了する。
また、このフローチャートでは、受付部101がハンズフリー通話開始用のアイコン画像151dの選択を受け付けた場合でも(S106“外部アプリ起動用アイコン”)、S109の処理に進んで、携帯電話機同期処理部104が外部電話アプリを起動させる。なお、受付部101がハンズフリー通話開始用のアイコン画像151dの選択を受け付けた場合には、外部電話アプリを起動させず、ハンズフリー通話処理部105がHFTによる通話機能を起動させても良い。
また、外部アプリ接続可否判定処理の結果、ハンズフリー装置1と携帯電話機2とが外部アプリで接続不可と判定された場合(S103“接続不可”)、表示制御部102は、図4で説明したように、接続処理用のアイコン画像151aを表示部15に表示させる(S110)。なお、接続処理用のアイコン画像151aは、携帯電話機2との認証を行うための設定用アイコンともいう。
そして、受付部101は、ユーザによって接続処理用のアイコン画像151aが押下され、その後の接続操作を受け付けた場合(S111“Yes”)、S104の処理に進む。この場合、表示制御部102は、接続処理用のアイコン画像151aを非表示に、外部アプリ起動用のアイコン画像151b,151cを表示部15に表示させる。
また、受付部101がユーザによる接続操作を受け付けなかった場合(S111“No”)、このフローチャートの処理は終了する。
次に、外部アプリ接続可否判定処理について説明する。図11は、実施形態に係る外部アプリ接続可否判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、判定部103は、接続可能な携帯電話機2が存在するか否かを判定する(S201)。この段階では、判定部103は、ハンズフリー装置1の無線通信圏内に位置する、またはハンズフリー装置1と有線接続している携帯電話機2のOSの種類が、外部アプリに対応する種類であるか否かに基づいて判定をする。
例えば、判定部103は、ハンズフリー装置1の無線通信圏内に位置する、またはハンズフリー装置1と有線接続している携帯電話機2のOSの種類が外部アプリに対応する種類である場合、接続可能な携帯電話機2が存在すると判定する(S201“Yes”)。この場合、判定部103は、当該携帯電話機2に、規定のバージョンのOSが搭載されているか否かを判定する(S202)。つまり、判定部103は、OSの種類が条件を満たす場合に、OSのバージョンの判定をする。
判定部103は、携帯電話機2に規定のバージョンのOSが搭載されていると判定した場合(S202“Yes”)、ハンズフリー装置1側で緊急呼処理部108による緊急呼通話が行われているか否かを判定する(S203)。
ハンズフリー装置1が緊急呼通話中でない場合(S203“通話中ではない”)、判定部103は、ハンズフリー装置1が外部アプリを使用できる設定になっているか否かを判定する(S204)。ハンズフリー装置1が外部アプリを使用できるか否かは、例えば、ユーザによる手動操作によって設定されるものとする。
判定部103は、ハンズフリー装置1が外部アプリを使用できる設定になっている場合(S204“Yes”)、携帯電話機2が外部アプリを使用可能か否かを判定する(S205)。
例えば、携帯電話機2に、CarPlay(登録商標)、またはAndroid Auto(登録商標)等の規定のアプリケーションがインストールされている場合、判定部103は、携帯電話機2が外部アプリを使用可能と判定する(S205“Yes”)。この場合、判定部103は、当該携帯電話機2が過去に外部アプリを使用してハンズフリー装置1と接続したか否かを判定する(S206)。
そして、判定部103は、当該携帯電話機2が過去に外部アプリを使用してハンズフリー装置1と接続したことがあると判定した場合(S206“Yes”)、“接続可能”と判定する(S207)。ここで、図10のフローチャートに戻る。
また、判定部103は、当該携帯電話機2が過去に外部アプリを使用してハンズフリー装置1と接続したことがないと判定した場合(S206“No”)、外部アプリの許諾画面を表示部15に表示させる(S208)。外部アプリの許諾画面は、ユーザが当該携帯電話機2とハンズフリー装置1との外部アプリによる連携、つまりハンズフリー装置1と当該携帯電話機2との画面共有、およびハンズフリー装置1側の操作によって当該携帯電話機2の機能が実行されることを許諾することを入力可能な画面である。なお、外部アプリの許諾画面は、携帯電話機2の表示部25に表示されても良い。
そして、判定部103は、ユーザによる“許諾する”または“許諾しない”という選択を受け付ける(S209)。ユーザの選択が“許諾する”であった場合、S207の処理に進む。
また、S201、S202、S204、S205の判定処理のうちのいずれかが“No”であった場合、S203の判定処理でハンズフリー装置1が緊急呼通話中の場合、またはS209でユーザの選択が“許諾しない”であった場合、判定部103は、“接続不可”と判定する。ここで、図10のフローチャートに戻る。
次に、図12、及び図13を用いて、ハンズフリー装置1及び携帯電話機2に記憶された発着信履歴の表示について説明する。
図12は、実施形態に係る内部電話アプリによる発着信履歴の表示の流れの一例を示すシーケンス図である。図12の処理の前提として、ハンズフリー装置1と携帯電話機2とは、第1の接続態様による接続はしていないものとする。
このシーケンス図の開始時では、ハンズフリー装置1の制御部12によって実現される機能である表示制御部102は、内部電話アプリによる通話画面を、表示部15に表示させている(S301)。
そして、制御部12の機能である受付部101は、ユーザによる発着信履歴画面の表示の操作を受け付ける(S302)。
この場合、表示制御部102は、ハンズフリー装置1内のメモリ、例えば作業メモリ16に記憶された発信履歴データ161、着信履歴データ162を読み出す(S303,S304)。
そして、表示制御部102は、読み出した発信履歴データ161、着信履歴データ162を含む発着信履歴画面を生成する表示処理を実行する(S305)。
そして、表示制御部102は、内部電話アプリの発着信履歴画面を表示部15に表示させる(S306)。図12に示す処理は、ハンズフリー装置1内で完結し、携帯電話機2に記憶された発信履歴データ261および着信履歴データ262は読み込み対象とならない。なお、図12は発着信履歴画面を例としているが、内部電話アプリを用いた電話帳の表示においても、ハンズフリー装置1内で処理は完結し、携帯電話機2に記憶された電話帳データ254は読み込み対象とならない。
また、図13は、実施形態に係る外部電話アプリによる発着信履歴の表示の流れの一例を示すシーケンス図である。図13の処理の前提として、ハンズフリー装置1と携帯電話機2とは、第1の接続態様による接続をしているものとする。
このシーケンス図の開始時では、ハンズフリー装置1の制御部12によって実現される機能である表示制御部102は、外部電話アプリの画面を、表示部15に表示させている(S401)。また、携帯電話機2の制御部22では、外部電話アプリが動作中である(S402)。
そして、制御部12の機能である受付部101は、ユーザによる発着信履歴画面の表示の操作を受け付ける(S403)。
そして、制御部12の機能である携帯電話機同期処理部104は、受付部101が受け付けたタッチ位置の座標、及びキーイベントを、操作イベントとして、携帯電話機2に送信する(S404)。
そして、携帯電話機2の制御部22では、ハンズフリー装置1から送信された操作イベントを受けて、外部電話アプリ、つまり携帯電話機2の電話機能を動作させる(S405)。制御部22は、携帯電話機2内の記憶メモリ27から、発信履歴データ261及び着信履歴データ262を読み出し(S406、S407)、携帯電話機2のディスプレイに発着信履歴画面を表示させる。なお、発信履歴データ261及び着信履歴データ262の表示に限らず、電話帳データ264の表示の際も同様である。
そして、携帯電話機同期処理部104は、携帯電話機2のディスプレイに表示された発着信履歴画面を、ハンズフリー装置1の表示部15に投影するために取得する(S408)。そして、表示制御部102は、携帯電話機同期処理部104によって取得された携帯電話機2のディスプレイに表示された発着信履歴画面を、外部電話アプリ画面として、表示部15に表示する(S409)。
図13に示すように、外部電話アプリを使用する場合には、発着信履歴画面または電話帳画面を表示する際に、ハンズフリー装置1内の発信履歴データ161、着信履歴データ162、及び電話帳データ164ではなく、携帯電話機2に記憶された発信履歴データ261、着信履歴データ262、及び電話帳データ264が使用される。このため、表示制御部102は、例えば、ハンズフリー装置1の作業メモリ16または記憶メモリ17ではメモリ容量上保持しきれない件数の発着信履歴データまたは電話帳データを、携帯電話機2側の発信履歴データ261、着信履歴データ262、及び電話帳データ264を使用するようことにより、表示することができる。
また、図14は、実施形態に係る外部電話アプリ終話時の発着信履歴データの更新の処理の流れの一例を示すフローチャートである。図14の処理の前提として、ハンズフリー装置1と携帯電話機2とは、第1の接続態様による接続をしており、携帯電話機2の電話機能によって通話中であるものとする。
このシーケンス図の開始時では、ハンズフリー装置1の制御部12によって実現される機能である表示制御部102は、外部電話アプリの通話画面152a,152bを、表示部15に表示させている(S501)。また、携帯電話機2の制御部22は、外部電話アプリによって通話中である(S502)。
そして、受付部101が、ユーザによる終話操作を受け付けると(S503)、携帯電話機同期処理部104は、携帯電話機2に終話通知を送信する(S504)。
この場合、携帯電話機2の制御部22が通話を終了させる終話処理を実行する(S505)。そして、携帯電話機2の制御部22は、ハンズフリー装置1に、通話が終了したことを示す終話完了通知を送信する(S506)。
ハンズフリー装置1の制御部12によって実行される携帯電話機同期処理部104は、終話完了通知により、外部電話アプリの終話を確認する(S507)。
そして、ハンズフリー装置1の制御部12によって実行されるデータ取得部107は、携帯電話機2に対して、発信履歴データ261及び着信履歴データ262を要求する(S508)。
この場合、携帯電話機2の制御部22は、携帯電話機2内の記憶メモリ27から、発信履歴データ261及び着信履歴データ262を読み出す(S509、S510)。この場合、制御部22は、直前の通話の相手先に関する発着信履歴データのみを読み出しても良いし、全件を読み出しても良い。
そして、携帯電話機2の制御部22はハンズフリー装置1へ、読み出した発信履歴データ261及び着信履歴データ262を送信する(S511)。
そして、ハンズフリー装置1の制御部12によって実行されるデータ取得部107は、携帯電話機2から、当該通話の相手先の電話番号を含む発信履歴データ261及び着信履歴データ262を取得する。また、データ取得部107は、取得した発信履歴データ261及び着信履歴データ262を作業メモリ16または記憶メモリ17に保存する(S512)。例えば、直前の通話に関する発着信履歴データのみを取得した場合、データ取得部107は、取得した発着信履歴データを作業メモリ16または記憶メモリ17の発信履歴データ161または着信履歴データ162に追加することにより、発信履歴データ161または着信履歴データ162を更新する。なお、更新の手法はこれに限定されるものではない。
そして、表示制御部102は、作業メモリ16または記憶メモリ17から、更新後の発信履歴データ161または着信履歴データ162を読み出して(S513)、発着信履歴画面を表示部15に表示させる表示処理を行う(S514)。ここで、このシーケンス図の処理は終了する。
次に、ハンズフリー装置1がHFT等の内部電話アプリによって携帯電話機2を介した通話中に、他の携帯電話機と接続する場合の処理の流れについて説明する。
図15は、実施形態に係るハンズフリー装置1と1台の携帯電話機2aの接続パターンの一例を示す図である。図15に示す例では、ハンズフリー装置1と携帯電話機2aがHFPに準拠したBluetooth(登録商標)によって接続して、HFT等の内部電話アプリ等によって通話中である場合を示す。また、図15では、通話中の携帯電話機2aが、USBケーブルによってハンズフリー装置1と接続する。この場合、携帯電話機2aは、ハンズフリー装置1とHFP等の第2の接続態様だけでなく、第1の接続態様でも接続可能になる。
また、図16は、実施形態に係るハンズフリー装置1と、2台の携帯電話機2a,2bの接続パターンの一例を示す図である。図16に示す例では、通話中の携帯電話機2aと異なる他の携帯電話機2bが、USBケーブルによってハンズフリー装置1と接続する。
図15に示すように通話中の携帯電話機2aがさらにUSBケーブルによって接続した場合と、通話中の携帯電話機2aとは異なる他の携帯電話機2bが、USBケーブルによってハンズフリー装置1と接続した場合とでは、実行される処理が異なる。
図17は、実施形態に係るHFT等の内部電話アプリによる通話中の接続処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、バックグラウンドで実行される。
まず、ユーザの操作により、外部アプリ認証済みの携帯電話機2aまたは携帯電話機2bが接続される(S601)。例えば、図15、16の場合は、携帯電話機2aまたは携帯電話機2bが、USBケーブルによってハンズフリー装置1に接続される。
そして、判定部103は、ハンズフリー装置1が内部アプリによるHFT通話中であるか否かを判定する(S602)。
判定部103は、ハンズフリー装置1が携帯電話機2aをHFP接続しており、内部アプリによるHFT通話中であると判定した場合(S602“Yes”)、USBケーブルによって新たに接続したのは通話中の携帯電話機2aであるか、他の携帯電話機であるかを判定する(S603)。
判定部103は、新たに接続したのは通話中の携帯電話機2aであると判定した場合(S603“通話中端末”)、USBケーブルを介して、携帯電話機2aと外部アプリを利用可能な第1の接続態様で接続する処理を実行する(S604)。すなわち、携帯電話機同期処理部104は、ハンズフリー通話処理部105による携帯電話機2aを介した通話中に、ハンズフリー装置1が携帯電話機2aと第1の接続態様で接続した場合、ハンズフリー装置1の電話機能による前記通話を、携帯電話機2aの電話機能による通話に切り替える。
また、携帯電話機同期処理部104は、HFT等の内部電話アプリによる通話を、外部電話アプリでの通話に移行する(S605)。この場合、携帯電話機同期処理部104は、実行中の通話は継続したまま、通話手法の種類を切り替える。
そして、表示制御部102は、外部電話アプリ通話中画面をハンズフリー装置1の表示部15に投影する(S606)。ここで、このフローチャートの処理は終了する。
また、判定部103が新たに接続したのは通話中の携帯電話機2aでは無く、他のvbであると判定した場合(S603“他端末”)、表示制御部102は、ユーザ確認画面を表示部15に表示させる(S607)。ユーザ確認画面は、例えば、「通話中の電話は切断されます。よろしいですか?」というメッセージを表示する画面である。
そして、受付部101は、ユーザ確認画面に対してユーザによる選択を受け付ける。判定部103は、受付部101がYesとNoのいずれの選択を受け付けたかを判定する(S608)。
ユーザがYesを選択した場合(S608“Yes”)、ハンズフリー通話処理部105は、HFTを切断する(S609)。なお、この際、ハンズフリー装置1での通話は終了するが、携帯電話機2aでの通話は継続する。
そして、携帯電話機同期処理部104は、新たにUSBケーブルを介して接続された他の携帯電話機2bとの間で外部アプリの接続処理を実行する(S610)。すなわち、ハンズフリー通話処理部105は、第2の接続態様で接続した携帯電話機2aでの通話中に、ハンズフリー装置1が携帯電話機2aとは異なる他の携帯電話機2bと第1の接続態様で接続した場合、ユーザによる操作に応じて、携帯電話機2aとハンズフリー装置1との前記第1の接続態様の接続を切断または継続する。ここで、このフローチャートの処理は終了する。
また、ユーザ確認画面において、ユーザがNoを選択した場合(S608“No”)、ハンズフリー通話処理部105は、HFTを切断せずに、HFT通話を継続する(S611)。この場合、新たにUSBケーブルを介して接続された他の携帯電話機2bとの間で外部アプリの接続処理は実行されない。ここで、このフローチャートの処理は終了する。
また、判定部103が内部アプリによるHFT通話中ではないと判定した場合(S602“No”)、ハンズフリー装置1は、携帯電話機2aまたは携帯電話機2bの接続前の処理を継続する(S612)。この場合も、ここで、このフローチャートの処理は終了する。
なお、図15~17では、新たな接続がUSBケーブルによるものとしたが、Wi-FiまたはBluetooth(登録商標)等の無線接続であっても良い。
次に、外部電話アプリ起動中に、ハンズフリー装置1と携帯電話機2との通信が切断された場合の処理について説明する。例えば、外部電話アプリ起動中に、何らかの障害等によりハンズフリー装置1と携帯電話機2との通信が切断される場合がある。
図18は、実施形態に係る携帯電話機2との通信切断時の処理の流れの一例を示すフローチャートである。このフローチャートの開始の前提として、ハンズフリー装置1は携帯電話機2と外部アプリによって通信可能に接続している状態であり、携帯電話機2では外部電話アプリが起動しており、ハンズフリー装置1では当該外部電話アプリの画面を投影している。
そして、判定部103は、ハンズフリー装置1と携帯電話機2の通信が切断されたか否かを判定する(S702)。判定部103は、携帯電話機2との通信が切断されていないと判定した場合(S702“No”)、S702の処理を繰り返す。
判定部103は、携帯電話機2との通信が切断されたと判定した場合(S702“Yes”)、ハンズフリー装置1と携帯電話機2とが、外部電話アプリによって通話中であるか否かを判定する(S702)。
ハンズフリー装置1と携帯電話機2とが、外部電話アプリによって通話中であると判定した場合(S702“Yes”)、判定部103は、ハンズフリー装置1と携帯電話機2とが、HFP接続可能であるか否かを判定する(S703)。
判定部103によってハンズフリー装置1と携帯電話機2とが、HFP接続可能であると判定された場合(S703“Yes”)、ハンズフリー通話処理部105は、ハンズフリー装置1と携帯電話機2とをHFP接続し、内部電話アプリによって携帯電話機2による通話を継続する(S704)。
また、判定部103によってハンズフリー装置1と携帯電話機2とが、HFP接続可能ではないと判定された場合(S703“No”)、携帯電話機同期処理部104は、ハンズフリー装置1での通話を切断する(S705)。この場合、携帯電話機2では通話は継続する。
また、判定部103が、外部電話アプリによって通話中ではないと判定した場合(S706“Yes”)、携帯電話機同期処理部104は、外部アプリを終了させる(S706)。
次に、ハンズフリー装置1と携帯電話機2との初回接続時のデータ転送処理について説明する。
図19は、実施形態に係るハンズフリー装置1の処理の流れの一例を示すフローチャートである。このフローチャートの前提として、ハンズフリー装置1の作業メモリ16または記憶メモリ17には、複数の接続情報が、接続の優先順位と対応付けて記憶されているものとする。例えば、ドライバーによっては、複数の携帯電話機2を所有している場合があるため、ハンズフリー装置1には、このように複数の携帯電話機2の登録を可能とする。なお、本実施形態においては、電話帳データ164,264の転送はしなくとも良いが、このフローチャートでは電話帳データ164,264も転送対象とする例を説明する。
まず、ハンズフリー通話処理部105は、優先順位が上位の携帯電話機2をHFPでの無線通信での通信接続対象として選択する(S801)。ここで、本例では、最初にPBAPでの通信接続を行わずに、先ずはHFPでの初期通信を自動的に試み、接続を開始する。
次に、ハンズフリー通話処理部105は、その選択した携帯電話機2に対してHFPでの初期通信を自動的に接続する処理を実行する(S802)。また、ハンズフリー通話処理部105は、HFPでの無線通信接続に成功したか否かを判定する(S803)。
ハンズフリー通話処理部105は、HFPでの無線通信接続に成功しなかったと判定すると(S803“No”)、優先順位が次位の携帯電話機2が存在するか否かを判定する(S804)。
そして、ハンズフリー通話処理部105は、優先順位が次位の携帯電話機2が存在する旨を判定した場合(S804“Yes”)、優先順位が次位の携帯電話機2を無線通信の接続対象として選択し(S805)、S802の処理に戻る。
また、ハンズフリー通話処理部105は、優先順位が次位の携帯電話機2が存在しない旨を判定した場合(S804“No”)、このフローチャートの処理を終了する。
また、ハンズフリー通話処理部105は、HFPでの無線通信接続に成功したと判定した場合(S803“YES”)、接続したHFPでの無線通信を自動的に切断する(S806)。
そして、転送プロトコル制御部106は、HFPでの無線通信接続に成功した携帯電話機2に対してPBAPでの無線通信を自動的に接続する(S807)。
次に、データ取得部107は、携帯電話機2に対して、発信履歴データ261、着信履歴データ262、及び不在着信履歴データ263の転送処理を開始するように、履歴データ転送要求を送信する(S808)。
履歴データ転送要求を受けた携帯電話機2は、PBAPに準じたBluetooth通信によって、発信履歴データ261、着信履歴データ262、及び不在着信履歴データ263をハンズフリー装置1に転送する。データ取得部107は、携帯電話機2から転送された発信履歴データ261、着信履歴データ262、及び不在着信履歴データ263を、発信履歴データ161、着信履歴データ162、及び不在着信履歴データ163として作業メモリ16または記憶メモリ17に保存する。
データ取得部107は、履歴データの転送処理が終了すると、次に、携帯電話機2に対して、電話帳データ264の転送処理を開始するように、電話帳データ転送要求を送信する(S809)。
電話帳データ転送要求を受けた携帯電話機2は、PBAPに準じたBluetooth通信によって、電話帳データ264をハンズフリー装置1に転送する。データ取得部107は、携帯電話機2から転送された電話帳データ264を作業メモリ16または記憶メモリ17に、電話帳データ164として保存する。
データ取得部107は、電話帳データ264の転送処理が終了すると、携帯電話機2との間のPBAPによる無線通信を切断する(S810)。
次に、ハンズフリー通話処理部105は、再び、携帯電話機2に対してHFPでの無線通信を接続する(S811)。
そして、表示制御部102は、携帯電話機2とのHFPによる無線通信が確立すると、このフローチャートの処理は終了する。
このように、本実施形態のハンズフリー装置1によれば、携帯電話機2に記憶された、携帯電話機2が発着信した電話番号を含む発信履歴データ261、着信履歴データ262、または電話帳データ264に基づいて、携帯電話機2に電話の発着信を実行させ、携帯電話機2において通話が終了した場合に、携帯電話機2から、通話の相手先の電話番号を含む発信履歴データ261、着信履歴データ262を取得する。このため、本実施形態のハンズフリー装置1によれば、携帯電話機2側に内蔵された電話機能を有するアプリケーションを利用してハンズフリー通話をする機能に関する利便性を向上することができる。より詳細には、本実施形態のハンズフリー装置1によれば、ハンズフリー装置1でハンズフリー通話をする場合に、携帯電話機2に記憶された電話番号に関するデータを利用することができ、携帯電話機2からハンズフリー装置1へのデータ転送を待たずに、最新のデータをユーザが参照することができる。また、通話の終了後は、携帯電話機2から、通話の相手先の電話番号を含む発信履歴データ261、着信履歴データ262をハンズフリー装置1に送信するため、携帯電話機2側に内蔵された電話機能を使用してハンズフリー通話をした場合にも、ハンズフリー装置1側の発着信履歴が欠落しないように更新することができる。
また、本実施形態のハンズフリー装置1は、携帯電話機2から取得された発着信履歴データを記憶し、携帯電話機2から取得された発着信履歴データをハンズフリー装置1の表示部15に表示させる。このため、本実施形態のハンズフリー装置1によれば、携帯電話機2とハンズフリー装置1との接続が切れた後も、発着信履歴データを照会することができる。
また、本実施形態のハンズフリー装置1には、作業メモリ16または記憶メモリ17に記憶された電話番号に関するデータを使用せずに、携帯電話機2に発着信を実行させる。このため、本実施形態のハンズフリー装置1によれば、例えば、セキュリティ等の要件で、携帯電話機2のデータをハンズフリー装置1に転送することが望ましくない場合にも、携帯電話機2側に記憶されたデータを使用して、ユーザが発着信の相手先を特定することができる。
また、本実施形態のハンズフリー装置1によれば、携帯電話機2の電話機能を用いる手法だけではなく、ハンズフリー装置1の電話機能によって電話の発着信をすることもでき、ユーザの操作によって選択可能である。
また、本実施形態のハンズフリー装置1は、携帯電話機2のOSの種類およびバージョンに基づいて、携帯電話機2が第1の接続態様でハンズフリー装置1と接続可能か否かを判定し、接続可能と判定した場合に、第1の接続態様で携帯電話機2と接続する。このため、本実施形態のハンズフリー装置1によれば、不適切なOSの種類およびバージョンの携帯電話機2と接続することを低減することができる。
また、本実施形態のハンズフリー装置1は、第1の接続態様で携帯電話機2と接続する前後で異なるアイコン画像を表示部15に表示させる。このため、本実施形態のハンズフリー装置1によれば、現在ハンズフリー装置1と携帯電話機2とが接続しているか否かをユーザが容易に把握することができる。
また、本実施形態のハンズフリー装置1は、第1の接続態様で接続している携帯電話機2の表示部に表示された画像を、ハンズフリー装置1の表示部15に投影する。このため、本実施形態のハンズフリー装置1によれば、ハンズフリー装置1のユーザは、ハンズフリー装置1の表示部15で携帯電話機2の画面を視聴及び操作することができる。
また、本実施形態のハンズフリー装置1は、携帯電話機2の機能を利用した通話中は、ハンズフリー装置1の表示部15の一部である第1の画面領域に、実行中の通話に関する情報を表示させる。このため、本実施形態のハンズフリー装置1によれば、通話画面から画面遷移した場合であっても、ユーザが通話に関する情報を容易に把握することができる。
また、本実施形態のハンズフリー装置1は、ハンズフリー装置1の電話機能による携帯電話機2を介した通話中に、ハンズフリー装置1が携帯電話機2と第1の接続態様で接続した場合、ハンズフリー装置1の電話機能による通話を、携帯電話機2の電話機能による通話に切り替える。このため、本実施形態のハンズフリー装置1によれば、ユーザが通話を継続したまま、通話の手段を切り替えることができる。
また、本実施形態のハンズフリー装置1は、当該ハンズフリー装置1の電話機能による通話中に、携帯電話機2とは異なる他の携帯電話機と第1の接続態様で接続した場合、ユーザによる操作に応じて、通話中の携帯電話機2とハンズフリー装置1との第1の接続態様の接続を切断または継続する。このため、本実施形態のハンズフリー装置1によれば、ユーザの使用状態及び要望に合わせて接続の継続または切断を行うことができる。
本発明の実施形態を説明したが、当該実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。