以下に、本開示の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態の各々において、同一の部位には同一の符号を付与し、重複する説明を省略する。
図1は、本実施形態のハンズフリーシステム100の一例を示す模式図である。
ハンズフリーシステム100は、ハンズフリー装置1と、携帯電話機10と、を備える。ハンズフリー装置1と携帯電話機10とは、無線通信により接続される。携帯電話機10は、基地局104を介して他の携帯電話機10などの電話機と電話回線を介して通信可能である。
本実施形態では、ハンズフリー装置1が車両102に搭載された形態を一例として説明する。なお、ハンズフリー装置1は、車両102に搭載された形態に限定されない。
ハンズフリー装置1は、携帯電話機10との間で通信接続する。また、携帯電話機10は、携帯電話網を介して基地局104と無線通信する。携帯電話機10は、例えばスマートフォンであり、近距離無線通信手段であるBluetooth(登録商標)方式による通信機能やWi-fi通信機能を有する。なお、携帯電話機10は、Bluetooth方式による通信機能やWi-fi通信機能を有するものであれば、スマートフォン以外の種類の携帯電話機やその他の通信端末機器でも良い。また、ハンズフリー装置1は、携帯電話機10以外に、Bluetooth方式による通信機能やWi-fi通信機能を有するその他の通信機器と同時に接続し、データ通信を行ってもよい。
ハンズフリー装置1は、携帯電話機10を介して携帯電話網に接続する。これにより、例えば、車両102の運転者は、携帯電話機10を操作しなくとも、ハンズフリー装置1を操作することによって、電話の発着信をすることができる。ハンズフリー装置1は、例えば、車両102に搭載された車載ナビゲーション装置の一機能として実現されても良い。
図2は、ハンズフリーシステム100のブロック図である。
携帯電話機10は、携帯電話網の基地局104との間で携帯電話回線を確立し、電話の発信処理および着信処理を実行する。
発信処理とは、入力を受け付けた電話番号を発信先として発信する処理である。例えば、ユーザがダイアルキー(「0」~「9」の数字キー)を操作して発信先の電話番号を入力し、続いて発信キーを操作した場合を想定する。この場合、携帯電話機10は、入力を受け付けた電話番号を発信先として発信する、発信処理を実行する。発信処理により、携帯電話機10は、発信先の他の携帯電話機10との間で通話を行うことが可能となる。
着信処理とは、他の携帯電話機10からの着信を受け付ける処理である。例えば、携帯電話機10は、他の携帯電話機10からの発信に応じて、基地局104から着信信号を受信する。携帯電話機10は、発信元の他の携帯電話機10の電話番号を着信電話番号として受信する。そして、携帯電話機10は、ユーザによる受話キーの操作により、発信元の携帯電話機10に応答する着信処理を実行する。着信処理により、携帯電話機10は、発信元の他の携帯電話機10との間で通話を行うことが可能となる。
携帯電話機10は、発信処理および着信処理などによって、電話通信状態が遷移する。
電話通信状態とは、携帯電話機10と他の携帯電話機10との間の、電話回線を介した通信状態を意味する。具体的には、電話通信状態は、発信状態、着信状態、通話状態、および待受状態、の何れかの状態である。
発信状態とは、携帯電話機10が受け付けた電話番号を発信先として発信する発信中の状態である。着信状態とは、携帯電話機10が他の携帯電話機10からの着信を受付ける着信中の状態である。通話状態とは、携帯電話機10と他の携帯電話機10とが基地局104を介して音声を通信中、すなわち通話中の状態である。待受状態とは、携帯電話機10の電話回線を介した通信状態が、発信状態、着信状態、および通話状態、のいずれでもない状態であることを意味する。言い換えると、待受状態とは、通話状態以外の状態であって、着信または発信を待ち受けている状態を意味する。
携帯電話機10は、電話回線を介した通信に応じて、発信状態、着信状態、通話状態、および待受状態の何れか1つの電話通信状態から、他の1つの電話通信状態へと遷移する。携帯電話機10は、電話通信状態が遷移するごとに、HFPにより電話通信状態をハンズフリー装置1へ通知する。このため、ハンズフリー装置1は、携帯電話機10の電話通信状態を特定可能に構成されている。
携帯電話機10は、電話に関する電話データを記憶する。電話データは、発信履歴データ、着信履歴データ、不在着信履歴データ、電話帳データ、特定データ、の少なくとも1つを含む。
発信履歴データとは、電話の発信履歴を表すデータである。詳細には、発信履歴データは、発信電話番号と発信日時との対応を1件分の項目データとした、1または複数件分のデータである。携帯電話機10は、日付時刻である日時を計時する時計部を有する。携帯電話機10は、発信電話番号と発信日時との対応を1件分の項目データとし、複数件分の発信履歴データを記憶する。発信電話番号は、発信処理でダイアルキーから受付けた電話番号である。発信日時は、発信処理時に時計部が計時した日時である。
着信履歴データとは、電話の着信履歴を表すデータである。詳細には、着信履歴データは、着信電話番号と着信日時との対応を1件分の項目データとした、1または複数件分の項目データである。携帯電話機10は、着信電話番号と着信日時との対応を1件分の項目データとし、複数件分の着信履歴データを記憶する。着信電話番号は、着信処理で他の携帯電話機10から基地局104を介して受付けた電話番号である。着信日時は、着信処理時に時計部が計時した日時である。
不在着信履歴データとは、他の携帯電話機10からの着信に応答しなかったときの着信履歴を表すデータである。詳細には、不在着信履歴データは、着信電話番号と着信日時との対応を1件分の項目データとした、1または複数件分の項目データである。携帯電話機10は、他の携帯電話機10からの着信に対して応答しなかったときに受信した着信電話番号と着信日時との対応を1件分の項目データとする。そして、携帯電話機10は、1または複数件分の該データである、不在着信履歴データを記憶する。
電話帳データとは、電話番号と登録名との対応を1件分の項目データとした、複数件分の項目データである。携帯電話機10は、ユーザによって入力された電話番号と登録名とを対応付けて、例えば500件程度、不揮発性メモリに記憶する。
なお、電話データには、発信履歴データ、着信履歴データ、および不在着信履歴データを統合した全履歴データが含まれていてもよい。また、以下では、発信履歴データ、着信履歴データ、不在着信履歴データ、および全履歴データを総称して説明する場合には、単に、履歴データと称して説明する場合がある。また、履歴データには、全履歴データが含まれていなくてもよい。
発信履歴データ、着信履歴データ、および不在着信履歴データには、登録名が更に含まれていてもよい。すなわち、これらの履歴データを構成する項目データは、電話番号(発信電話番号、着信電話番号、不在着信電話番号)と、登録名と、発着信日時(発信日時または着信日時)と、を対応付けたデータであってもよい。本実施形態では、これらの履歴データに含まれる項目データが、登録名を含む形態を一例として説明する。
携帯電話機10は、基地局104から受信した着信電話番号の電話番号が電話帳データに登録されているか否かを判断する。登録されている場合、携帯電話機10は、該電話番号に対応する登録名を、該電話番号と着信日時とに対応付けて着信履歴データとして記憶する。携帯電話機10は、他の携帯電話機10からの着信に応答しなかった場合についても同様に、登録名を、着信電話番号と着信日時とに対応付けて不在着信履歴データとして記憶すればよい。また、携帯電話機10は、発信した着信電話番号の電話番号が電話帳データに登録されているか否かを判断する。登録されている場合、携帯電話機10は、該電話番号に対応する登録名を、該電話番号と発信日時とに対応付けて発信履歴データとして記憶する。
特定データとは、ユーザによって予め選択された1または複数の項目データである。言い換えると、特定データは、ユーザによって予め選択された注視すべき項目データである。例えば、特定データは、履歴データに含まれる複数の項目データの内、ユーザによって“よく使う項目”または“お気に入り”として予め選択された項目データである。このため、特定データは、電話番号と登録名との対応を1件分の項目データとした、1または複数件分の項目データであり、ユーザによって予め選択された項目データである。
例えば、ユーザは、携帯電話機10を操作することで、電話帳データおよび履歴データに含まれる、1または複数の項目データを、特定データとして選択する。携帯電話機10は、選択された項目データを、特定データとして記憶する。
なお、ユーザは、携帯電話機10を操作することで、電話帳データおよび履歴データに含まれる1または複数の項目データを、秘匿データとして選択してもよい。秘匿データとは、秘匿(シークレット)とすることを選定された項目データである。この場合、携帯電話機10は、選択された項目データが、秘匿データであることを示す秘匿フラグを、項目データに付与すればよい。このため、電話帳データ、履歴データ、および特定データの各々に含まれる項目データには、秘匿フラグが付与された状態で記憶される場合がある。なお、携帯電話機10は、秘匿データとして選択された1または複数の項目データを、電話帳データおよび発着信履歴データとは別の秘匿データとして、記憶してもよい。
また、秘匿フラグは、ハンズフリー装置1のユーザによる操作によってハンズフリー装置1側で付与されてもよい。
携帯電話機10は、ユーザの操作などによる表示要求を受け付けると、電話帳データを表示する。携帯電話機10は、電話帳データに含まれる複数の電話番号のうちの1つの選択を受け付け、発信指示を受け付ける。携帯電話機10は、選択された電話番号を発信先として発信処理を実行する。このため、ユーザは、電話番号を構成する数字に対応する全ての数字キーを一々入力しなくとも、簡単な操作で間違いなく発信処理を実行させることができる。
携帯電話機10は、例えば、発信履歴データ、着信履歴データ、不在着信履歴データ、の各々を、最新の20件分記憶可能である。携帯電話機10は、発信処理、着信処理、および不在着信処理を行う毎に、最古のデータを自動的に消去することで、これらのデータを更新する。なお、携帯電話機10が記憶するこれらのデータの件数は、20件に限定されない。
本実施形態では、携帯電話機10は、近距離無線通信機能を有する。本実施形態では、携帯電話機10は、無線通信規格として、Bluetooth(登録商標)に対応した近距離無線通信を行う。携帯電話機10は、ハンズフリープロファイル、および、フォンブックアクセスプロファイルなどのプロファイルを用いて、ハンズフリー装置1と接続し通信する。ハンズフリープロファイルは、以下、HFP(Hands Free Profile)と称して説明する。フォンブックアクセスプロファイルは、以下、PBAP(Phone Book Access Profile)と称して説明する。
HFPは、ハンズフリー通信を行うためのハンズフリー通信プロトコルであり、無線通信規格で定められたプロファイルである。PBAPは、電話データの転送を行うためのデータ転送プロトコルであり、無線通信規格で定められたプロファイルである。これらのプロファイルは、機能ごとに定義された通信プロトコルを意味している。
PBAPは、データ転送を行うためのデータ転送プロトコルの一例であり、Bluetooth標準規格で定められたプロファイルである。PBAPは、当該PBAPを用いた接続が行われた後、ユーザが携帯電話機10を何ら操作することなく自動的に、携帯電話機10からハンズフリー装置1へ電話データを転送させることが可能なプロファイルである。すなわち、携帯電話機10は、ハンズフリー装置1へ電話データを自動転送可能に構成されている。
例えば、携帯電話機10は、ハンズフリー装置1との間で通信回線を確立した直後にPBAPを接続し、その時点で記憶している電話データをハンズフリー装置1へ自動転送する。これにより、携帯電話機10は、ハンズフリー装置1のBluetooth通信圏内に存在している場合には、電話データ(電話帳データ、発信履歴データ、着信履歴データ、不在着信履歴データ、特定データ)を、ハンズフリー装置1へ自動転送する。
次に、ハンズフリー装置1について説明する。
ハンズフリー装置1は、制御部2、通信部3、操作部4、表示部5、作業メモリ6、記憶メモリ7、マイクロホン8、および、スピーカ9を備える。
制御部2と、通信部3、操作部4、表示部5、作業メモリ6、記憶メモリ7、マイクロホン8、およびスピーカ9とは、データまたは信号を授受可能に接続されている。
制御部2は、ハンズフリー装置1の通信動作やデータ管理動作などの動作全般を制御する。制御部2の詳細は後述する。
通信部3は、Bluetooth通信部3aとWi-fi通信部3bとを含んで構成される。
Bluetooth通信部3aは、近距離無線通信を行う無線通信機器である。本実施形態では、Bluetooth通信部3aは、無線通信規格として、Bluetoothに対応した近距離無線通信を行う。Bluetoothでは、2.4GHz帯の周波数を使用して通信が行われる。本実施形態では、Bluetooth通信部3aは、Bluetooth通信圏内に存在している携帯電話機10との間で無線通信回線を確立し、Bluetoothの通信規格に準拠した通信を行う。
Bluetooth通信部3aは、ハンズフリー通信を行うためのハンズフリー通信プロトコルであるHFP、および、電話データの転送を行うためのデータ転送プロトコルであるPBAP、音声データを送受信するためのA2DP、などのプロファイルを用いて、携帯電話機10と接続し通信する。
また、Bluetooth通信部3aは、マルチプロファイル接続可能に構成されている。このため、Bluetooth通信部3aは、HFPおよびPBAPの双方を用いて同時に携帯電話機10と接続することができる。また、Bluetooth通信部3aは、PBAPおよびA2DPの双方を用いて同時に携帯電話機10と接続すること等もできる。
マルチプロファイル接続は、同時接続と称される場合がある。Bluetoothでは、1つのマスター通信装置に対して最大7台のスレーブ通信装置が時分割多重にて同時接続可能である。すなわち、通信チャネルは、独立した7つの時分割チャネルで通信することが可能である。この場合、同時接続は、7つのうち2つの通信チャネルを用いる。例えば、2つの通信チャネルの内の一方をA2DPで使用し、他方をPBAPで使用する形態となる。また、1つの通信チャネルの論理チャネルを、パケット通信のように、A2DPとPBAPで共用して同時に動作させてもよい。
Wi-fi通信部3bは、近距離無線通信を行う無線通信機器である。本実施形態では、Wi-fi通信部3bは、無線通信規格として、Wi-fiに対応した近距離無線通信を行う。Wi-fiでは、2.4GHz帯と5GHz帯の周波数帯を使用して通信が行われる。本実施形態では、Wi-fi通信部3bは、Bluetoothと同様、2.4GHz帯を使用して、Wi-fi通信圏内に存在している携帯電話機10との間で無線通信回線を確立し、Wi-fiの通信規格に準拠した通信を行う。
操作部4は、ユーザによる入力を受け付ける。操作部4は、例えば、表示部5に形成されるタッチキーから構成され、ユーザの操作内容を表す操作信号を受付け、制御部2に出力する。
表示部5は、制御部2から受付けた表示信号に基づいて表示画面を表示する。例えば、表示部5は、ユーザによる電話番号の入力を受付けるための表示画面を表示する。この表示画面は、例えば、「0」~「9」に対応するダイアルキーが配列された画面である。
作業メモリ6は、各種データを記憶する。本実施形態では、作業メモリ6は、携帯電話機10から自動転送された電話データである、電話帳データ、発信履歴データ、着信履歴データ、不在着信履歴データ、および特定データを記憶する。作業メモリ6は、例えば、発信履歴データ、着信履歴データ、および不在着信履歴データを、それぞれ5件分を記憶可能である。なお、作業メモリ6が記憶可能な件数は、5件に限定されない。作業メモリ6は、例えば、揮発性のメモリである。
記憶メモリ7は、各種データを記憶する。記憶メモリ7は、例えば、不揮発性のメモリから構成される。
マイクロホン8は、携帯電話機10を用いたハンズフリー通話を行うときに、ユーザが発した音声の入力を受付ける。スピーカ9は、携帯電話機10を用いたハンズフリー通話を行うときに、通話先の受話音声を出力する。
ハンズフリー装置1は、ナビゲーション動作に必要な各種構成を更に備えていてもよい。例えば、ハンズフリー装置1は、GPS(Global Positioning System)、経路探索部、地図データ読取部、VICS(登録商標)(Vehicle Information and Communication System)情報受信部、および、音声認識部な度を備えていてもよい。
GPSは、自車両の現在位置を検出するシステムである。経路探索部は、現在位置から目的地までの経路を探索するシステムである。地図データ読取部は、記録媒体から地図データを読取るシステムである。VICS情報受信部は、VICSセンターから配信されたVICS情報を受信するシステムである。音声認識部は、ユーザが発した音声を音声認識するシステムである。
ハンズフリー装置1は、例えば、車両102のACC(アクセサリ電源)スイッチのオンオフに連動して、給電および給電停止するように構成されている。例えば、ユーザの操作に応じてACCスイッチがオンからオフに切替えられた場合を想定する。この場合、ハンズフリー装置1への電源供給が停止される。電源供給が停止されると、作業メモリ6に記憶されている発信履歴データ、着信履歴データ、不在着信履歴データおよび電話帳データは消去される。一方、記憶メモリ7に記憶されている転送管理データなどの各種データは、電源供給が停止された後も、消去されずに記憶されたままとなる。
次に、制御部2の詳細を説明する。
図3は、制御部2の機能ブロック図の一例である。制御部2は、ハンズフリー接続部2Aと、データ転送接続処理部2Bと、転送制御部2Cと、表示制御部2Dと、を備える。
ハンズフリー接続部2A、データ転送接続処理部2B、転送制御部2C、および表示制御部2Dは、例えば、1または複数のプロセッサにより実現される。例えば上記各部の各々は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサにプログラムを実行させること、すなわちソフトウェアにより実現してもよい。上記各部の各々は、専用のIC(Integrated Circuit)などのプロセッサ、すなわちハードウェアにより実現してもよい。上記各部の各々は、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。複数のプロセッサを用いる場合、複数のプロセッサの各々は、複数の各部のうち1つを実現してもよいし、複数の各部のうち2以上を実現してもよい。
プロセッサは、記憶メモリ7に記憶されたプログラムを読み出し実行することで、上記複数の各部を実現する。なお、記憶メモリ7にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成してもよい。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで、上記複数の各部を実現する。
ハンズフリー接続部2Aは、HFPを用いて携帯電話機10と無線通信接続する、ハンズフリー接続処理を実行する。ハンズフリー接続処理とは、HFPを用いて携帯電話機10との無線通信接続を確立する処理である。すなわち、ハンズフリー接続部2Aによって、ハンズフリー装置1と携帯電話機10とのHFPの接続が確立される。
HFPの接続が確立されることで、ハンズフリー装置1は、携帯電話機10を介したハンズフリー通話が可能な状態となる。詳細には、ハンズフリー接続部2Aは、マイクロホン8から受付けた音声を、Bluetooth通信部3aを介して携帯電話機10へ送信する。携帯電話機10は、ハンズフリー装置1から受付けた音声を、基地局104を介して発信先電話番号の携帯電話機10へ送信する。また、ハンズフリー接続部2Aは、携帯電話機10が他の携帯電話機10から受付けた音声を、Bluetooth通信部3aを介して受信し、スピーカ9へ出力する。このため、ハンズフリー装置1は、ハンズフリー通話が可能となる。なお、本実施形態では、HFPを用いた無線通信接続を、HFPの接続、または、HFP接続、と称して説明する場合がある。
データ転送接続処理部2Bは、Bluetooth通信部3aを介して、電話に関する電話データの転送を行うためのデータ転送プロトコルであるPBAPを用いて携帯電話機10と無線通信接続(第1の接続)をし、携帯電話機10から電話データを転送させる、データ転送処理(第1のデータ転送処理)を行う。データ転送接続処理部2Bは、PBAPの接続が確立されると、発信履歴データ、着信履歴データ、不在着信履歴データ、などの履歴データの各々の転送要求を携帯電話機10へ順に送信する。携帯電話機10は、ハンズフリー装置1から受付けた転送要求に対応する履歴データを、携帯電話機10へ転送する。
また、データ転送接続処理部2Bは、特定データの転送要求を携帯電話機10へ送信する。携帯電話機10は、ハンズフリー装置1から受付けた転送要求に応じて、特定データを携帯電話機10へ送信する。また、データ転送接続処理部2Bは、電話帳データの転送要求を携帯電話機10へ送信する。携帯電話機10は、ハンズフリー装置1から受付けた転送要求に応じて、電話帳データを携帯電話機10へ送信する。
これらの処理により、携帯電話機10からハンズフリー装置1へ、電話データを自動または手動で転送することができる。
また、データ転送接続処理部2bは、Bluetooth通信部3aを介して、携帯電話機10との間で、第2の接続として、例えば、A2DP接続を行う。また、データ転送接続処理部2bは、Wi-fi通信部3bを介して、携帯電話機10との間で、第2の接続として、例えば、Wi-fi接続を行う。また、データ転送接続処理部2bは、Bluetooth通信機能やWi-fi通信機能を備えた携帯電話機10以外の通信端末機器等との間で、第2の接続として、例えば、A2DP接続やWi-fi接続等による他の通信を行ってもよい。
また、データ転送接続処理部2bは、電話データ転送のためのPBAP接続(第1のデータ転送処理)以外の他のデータ転送処理として、PBAP接続以外の複数の通信接続(第2の接続、第3の接続)を、携帯電話機10や他の通信機器等と同時に行うことにより、各種データ等の転送処理(第2のデータ転送処理、第3のデータ転送処理)を行う。
例えば、データ転送接続処理部2bは、他のデータ転送処理として、携帯電話機10や他の通信機器との間で、A2DP接続(第2の接続又は第3の接続)による音楽データ等の転送処理(第2のデータ転送処理又は第3のデータ転送処理)やWi-fi接続(第2の接続又は第3の接続)によるコンテンツデータ等の転送処理(第2のデータ転送処理又は第3のデータ転送処理)を同時に行うことができる。
転送制御部2Cは、電話データやコンテンツデータ等の各種データの転送に関する転送制御を実行する。転送制御とは、携帯電話機10や他の通信機器からハンズフリー装置1へ電話データやコンテンツデータ等を転送させるための制御である。転送制御部2Cは、データ転送接続処理部2Bから携帯電話機10や他の通信機器へ送信される転送要求の送信タイミング、送信する転送要求の種類、転送の続行、および、転送の中止、通信の保留、通信速度(転送速度、伝送速度)、転送データの破棄や保持、転送再開などを制御する。なお、通信速度(転送速度、伝送速度)は、例えば、bps(bit per second)の単位で表され、単位時間当たりに転送できるデータ量によって評価することができる。送信する転送要求の種類とは、転送を要求する対象の電話データの種類である。電話データの種類とは、発信履歴データ、着信履歴データ、不在着信履歴データ、全履歴データ、電話帳データ、特定データ、の各々を意味する。
これらの制御によって、転送制御部2Cは、データ転送接続処理部2Bによる電話データの転送を制御する、転送制御を行う。転送制御部2Cによる転送制御によって、携帯電話機10からハンズフリー装置1へ転送される電話データの種類、転送の順番、転送の続行、転送の中止、などが制御される。
本実施形態では、転送制御部2Cは、転送対象の電話データに応じた、転送制御を実行する。詳細には、転送制御部2Cは、転送対象の電話データに、特定データが含まれているか否か、秘匿データが含まれているか否か、に応じた、転送制御を実行する。
詳細には、転送制御部2Cは、転送対象の前記電話データの種類に応じた転送順および転送可否の少なくとも一方の転送制御を実行する。
転送順について、転送制御部2Cは、転送対象の電話データに特定データが含まれる場合、少なくとも特定データを転送させる転送制御を実行する。転送対象の電話データとは、携帯電話機10に記憶されている電話データである。転送制御部2Cは、携帯電話機10に特定データが含まれる場合、少なくとも特定データを転送させる転送制御を実行する。具体的には、転送制御部2Cは、特定データの転送要求を送信するように、データ転送接続処理部2Bを制御する。このため、電話データの自動転送時に、少なくとも特定データが携帯電話機10からハンズフリー装置1へ転送される。
また、転送制御部2Cは、電話データに含まれる特定データを、電話データに含まれる少なくとも電話帳データより先に転送させる、転送制御を実行することが好ましい。この場合、転送制御部2Cは、電話帳データの転送要求より先に、特定データの転送要求を送信するように、データ転送接続処理部2Bを制御すればよい。この転送制御によって、電話データの自動転送時には、特定データが電話帳データより先にハンズフリー装置1へ転送される。
電話帳データは、履歴データや特定データに比べてデータ量が多い可能性が高い。このため、転送制御部2Cが、少なくとも電話帳データより先に特定データを転送させる転送制御を行うことで、ユーザにとってより重要なデータを優先的に転送させることができる。
例えば、転送制御部2Cは、発着信履歴データ、特定データ、および電話帳データ、の転送順で転送させる転送制御を実行すればよい。発着信履歴データとは、発信履歴データ、着信履歴データ、不在着信履歴データ、の総称である。この場合、転送制御部2Cは、発着信履歴データの転送要求→特定データの転送要求→電話帳データの転送要求、の順に転送要求を送信するように、データ転送接続処理部2Bを制御すればよい。この転送制御によって、電話データの自動転送時には、発着信履歴データ→特定データ→電話帳データの順に、電話データがハンズフリー装置1へ転送される。
また、例えば、転送制御部2Cは、特定データ、発着信履歴データ、および電話帳データ、の転送順で転送させる転送制御を実行すればよい。この場合、転送制御部2Cは、特定データの転送要求→発着信履歴データの転送要求→電話帳データの転送要求、の順に転送要求を送信するように、データ転送接続処理部2Bを制御すればよい。この転送制御によって、電話データの自動転送時には、特定データ→発着信履歴データ→電話帳データの順に、電話データがハンズフリー装置1へ転送される。
なお、上述したように、電話データに、秘匿データが含まれる場合がある。言い換えると、秘匿データが、他の種類の電話データとは別のデータとして携帯電話機10に記憶されている場合がある。転送制御部2Cは、電話データに秘匿データが含まれる場合、秘匿データを転送対象外とする、転送制御を実行すればよい。すなわち、転送制御部2Cは、電話データに応じた転送可否の転送制御として、秘匿データを転送対象外とする転送制御を実行する。
この場合、転送制御部2Cは、電話データの自動転送時に、秘匿データの転送要求を非送信とするように、データ転送接続処理部2Bを制御すればよい。
なお、電話データに含まれる1または複数の項目データに、秘匿フラグが付与されている場合がある。この場合、秘匿フラグを付与された項目データは、転送要求によってハンズフリー装置1へ転送されることとなる。以下では、電話データに含まれる1または複数の項目データに、秘匿フラグが付与されている形態を一例として説明する。
また、転送制御部2Cは、PBAPを用いた携帯電話機10からの電話データの転送処理(第1のデータ転送処理)以外にも、A2DP接続やWi-fi接続によるコンテンツデータ等の転送処理(他のデータ転送処理、第2のデータ転送処理、第3のデータ転送処理)の状況に応じて、PBAPを用いた携帯電話機10からの電話データの転送処理や、A2DP接続あるいはWi-fi接続によるコンテンツデータ等の転送処理に関する転送制御を実行する。
また、転送制御部2Cは、PBAPを用いた携帯電話機10からの電話データの転送処理(第1のデータ転送処理)以外のA2DP接続やWi-fi接続によるコンテンツデータ等の転送処理(他のデータ転送処理、第2のデータ転送処理、第3のデータ転送処理)の状況に応じて、A2DP接続やWi-fi接続によるコンテンツデータ等の転送処理(他のデータ転送処理)に関する転送制御を実行する。
例えば、転送制御部2Cは、PBAP接続による電話データの転送処理(第1のデータ転送処理)を開始する際に、A2DP接続やWi-fi接続によるコンテンツデータ等の転送処理(第2のデータ転送処理)が行われている場合、PBAP接続による電話データの転送処理の転送速度を低下させる転送制御を行ってもよい。
その後、転送制御部2Cは、A2DP接続やWi-fi接続によるコンテンツデータ等の転送処理(第2のデータ転送処理)が終了した場合、PBAP接続による電話データの転送処理(第1のデータ転送処理)の転送速度を向上させる転送制御を実行してもよい。例えば、転送制御部2Cは、通信速度を落として実行していたPBAP接続による電話データの転送処理を、通常の転送速度に戻すように制御する。
また、例えば、転送制御部2Cは、PBAP接続による電話データの転送処理(第1のデータ転送処理)を開始する際に、A2DP接続やWi-fi接続によるコンテンツデータ等の転送処理(第2のデータ転送処理)が行われている場合、PBAP接続による電話データの転送処理を停止(保留)させる転送制御を行ってもよい。
その後、転送制御部2Cは、A2DP接続やWi-fi接続によるコンテンツデータ等の転送処理(第2のデータ転送処理)が終了した場合、PBAP接続による電話データの転送処理(第1のデータ転送処理)を開始させる転送制御を実行してもよい。例えば、転送制御部2Cは、転送保留状態であったPBAP接続による電話データの転送処理が再開されるように制御する。
また、例えば、転送制御部2Cは、A2DP接続やWi-fi接続によるコンテンツデータ等の転送処理(第2のデータ転送処理)を開始する際に、PBAP接続による電話データの転送処理(第1のデータ転送処理)が行われている場合、PBAP接続による電話データの転送処理の転送速度を低下させる転送制御を行ってもよい。
その後、転送制御部2Cは、A2DP接続やWi-fi接続によるコンテンツデータ等の転送処理(第2のデータ転送処理)が終了した場合、PBAP接続による電話データの転送処理(第1のデータ転送処理)の転送速度を向上させる転送制御を実行してもよい。例えば、転送制御部2Cは、通信速度を落として実行していたPBAP接続による電話データの転送処理の転送速度を、通常の転送速度に戻すように制御する。
また、例えば、転送制御部2Cは、A2DP接続やWi-fi接続によるコンテンツデータ等の転送処理(第2のデータ転送処理)を開始する際に、PBAP接続による電話データの転送処理(第1のデータ転送処理)が行われている場合、PBAP接続による電話データの転送処理を停止(保留)させる転送制御を行ってもよい。
その後、転送制御部2Cは、A2DP接続やWi-fi接続によるコンテンツデータ等の転送処理(第2のデータ転送処理)が終了した場合、PBAP接続による電話データの転送処理(第1のデータ転送処理)を開始させる転送制御を実行してもよい。例えば、転送制御部2Cは、転送停止状態であったPBAP接続による電話データの転送処理が再開されるように制御する。
さらに、転送制御部2Cは、PBAP接続による電話データの転送処理を停止させる転送制御を行った場合、データ転送接続処理部2bに転送済みの電話データを廃棄させてもよい。そして、転送制御部2Cは、A2DP接続やWi-fi接続によるコンテンツデータ等の転送処理(第2のデータ転送処理)が終了した後、データ転送接続処理部2bに携帯電話機10からの電話データの転送を最初から実行させてもよい。
あるいは、転送制御部2Cは、PBAP接続による電話データの転送処理を停止させる転送制御を行った場合、データ転送接続処理部2bに転送済みの電話データを作業メモリ等に保持させるようにしてもよい。そして、転送制御部2Cは、A2DP接続やWi-fi接続によるコンテンツデータ等の転送処理(第2のデータ転送処理)が終了した後、データ転送接続処理部2bに携帯電話機10からの電話データの転送を、転送済みでない残りの電話データについて実行させてもよい。
また、例えば、転送制御部2Cは、データ転送接続処理部2bが、Wi-fi接続(第2の接続)によるコンテンツデータ等の転送処理(第2のデータ転送処理)、及び、A2DP接続(第3の接続)によるコンテンツデータ等の転送処理(第3のデータ転送処理)を行う場合、Wi-fi接続によるコンテンツデータの転送処理(第2のデータ転送処理)を開始する際に、A2DP接続によるデータ転送処理(第3のデータ転送処理)が実行中のときは、Wi-fi接続によるデータ転送処理(第2のデータ転送処理)の転送速度を低下させる転送制御を実行してもよい。
その後、転送制御部2Cは、A2DP接続(第3の接続)によるコンテンツデータの転送処理(第3のデータ転送処理)が終了した場合、Wi-fi接続によるコンテンツデータの転送処理(第2のデータ転送処理)の転送速度を向上させる転送制御を実行してもよい。例えば、転送制御部2Cは、通信速度を落として実行していたWi-fi接続によるコンテンツデータの転送処理を、通常の転送速度に戻すように制御する。
なお、第2の接続としてA2DP接続を行い、第2のデータ転送処理としてA2DP接続によるデータ転送処理を行い、第3の接続としてWi-fi接続を行い、第3のデータ転送処理としてWi-fi接続によるデータ転送処理を行う構成であってもよい。この場合、A2DP接続によるコンテンツデータの転送処理(第2のデータ転送処理)を開始する際に、Wi-fi接続によるデータ転送処理(第3のデータ転送処理)が実行中のときは、A2DP接続によるデータ転送処理(第2のデータ転送処理)の転送速度を低下させる転送制御を実行してもよい。
さらに、転送制御部2Cは、Wi-fi接続(第3の接続)によるコンテンツデータの転送処理(第3のデータ転送処理)が終了した場合、A2DP接続(第2の接続)によるコンテンツデータの転送処理(第2のデータ転送処理)の転送速度を向上させる転送制御を実行してもよい。例えば、転送制御部2Cは、通信速度を落として実行していたA2DP接続によるコンテンツデータの転送処理の転送速度を、通常の転送速度に戻すように制御する。
また、例えば、転送制御部2Cは、データ転送接続処理部2bが、Wi-fi接続(第2の接続)によるコンテンツデータ等の転送処理(第2のデータ転送処理)、及び、A2DP接続(第3の接続)によるコンテンツデータ等の転送処理(第3のデータ転送処理)を行う場合、Wi-fi接続によるコンテンツデータの転送処理(第2のデータ転送処理)を開始する際に、A2DP接続によるデータ転送処理(第3のデータ転送処理)が実行中のときは、データ転送接続処理部2bにWi-fi接続によるデータ転送処理(第2のデータ転送処理)を停止(保留)させる転送制御を実行してもよい。
その後、転送制御部2Cは、A2DP接続(第3の接続)によるコンテンツデータ等の転送処理(第3のデータ転送処理)が終了した場合、Wi-fi接続(第2の接続)によるコンテンツデータの転送処理(第2のデータ転送処理)を開始させる転送制御を実行してもよい。例えば、転送制御部2Cは、転送保留状態であったWi-fi接続によるコンテンツデータの転送処理が再開されるように制御する。
なお、第2の接続としてA2DP接続を行い、第2のデータ転送処理としてA2DP接続によるデータ転送処理を行い、第3の接続としてWi-fi接続を行い、第3のデータ転送処理としてWi-fi接続によるデータ転送処理を行う構成であってもよい。この場合、A2DP接続によるコンテンツデータの転送処理(第2のデータ転送処理)を開始する際に、Wi-fi接続によるデータ転送処理(第3のデータ転送処理)が実行中のときは、A2DP接続によるデータ転送処理(第2のデータ転送処理)を停止(保留)させる転送制御を実行してもよい。
さらに、転送制御部2Cは、Wi-fi接続(第3の接続)によるコンテンツデータの転送処理(第3のデータ転送処理)が終了した場合、A2DP接続(第2の接続)によるコンテンツデータの転送処理(第2のデータ転送処理)を開始させる転送制御を実行してもよい。例えば、転送制御部2Cは、転送保留状態であったA2DP接続によるコンテンツデータの転送処理の転送速度が再開されるように制御する。
また、例えば、転送制御部2Cは、データ転送接続処理部2bが、Wi-fi接続(第2の接続)によるコンテンツデータ等の転送処理(第2のデータ転送処理)、及び、A2DP接続(第3の接続)によるコンテンツデータ等の転送処理(第3のデータ転送処理)を行う場合、A2DP接続によるコンテンツデータの転送処理(第3のデータ転送処理)を開始する際に、Wi-fi接続によるデータ転送処理(第2のデータ転送処理)が実行中のときは、データ転送接続処理部2bにWi-fi接続によるデータ転送処理(第2のデータ転送処理)の転送速度を低下させる転送制御を実行してもよい。
その後、転送制御部2Cは、A2DP接続(第3の接続)によるコンテンツデータの転送処理(第3のデータ転送処理)が終了した場合、Wi-fi接続によるコンテンツデータの転送処理(第2のデータ転送処理)の転送速度を向上させる転送制御を実行してもよい。例えば、転送制御部2Cは、通信速度を落として実行していたWi-fi接続によるコンテンツデータの転送処理を、通常の転送速度に戻すように制御する。
なお、第2の接続としてA2DP接続を行い、第2のデータ転送処理としてA2DP接続によるデータ転送処理を行い、第3の接続としてWi-fi接続を行い、第3のデータ転送処理としてWi-fi接続によるデータ転送処理を行う構成であってもよい。この場合、Wi-fi接続によるコンテンツデータの転送処理(第3のデータ転送処理)を開始する際に、A2DP接続によるデータ転送処理(第2のデータ転送処理)が実行中のときは、A2DP接続によるデータ転送処理(第2のデータ転送処理)の転送速度を低下させる転送制御を実行してもよい。
さらに、転送制御部2Cは、Wi-fi接続(第3の接続)によるコンテンツデータの転送処理(第3のデータ転送処理)が終了した場合、A2DP接続(第2の接続)によるコンテンツデータの転送処理(第2のデータ転送処理)の転送速度を向上させる転送制御を実行してもよい。例えば、転送制御部2Cは、通信速度を落として実行していたA2DP接続によるコンテンツデータの転送処理の転送速度を、通常の転送速度に戻すように制御する。
また、例えば、転送制御部2Cは、データ転送接続処理部2bが、Wi-fi接続(第2の接続)によるコンテンツデータ等の転送処理(第2のデータ転送処理)、及び、A2DP接続(第3の接続)によるコンテンツデータ等の転送処理(第3のデータ転送処理)を行う場合、A2DP接続によるコンテンツデータの転送処理(第3のデータ転送処理)を開始する際に、Wi-fi接続によるデータ転送処理(第2のデータ転送処理)が実行中のときは、データ転送接続処理部2bにWi-fi接続によるデータ転送処理(第2のデータ転送処理)を停止(保留)させる転送制御を実行してもよい。
その後、転送制御部2Cは、A2DP接続(第3の接続)によるコンテンツデータ等の転送処理(第3のデータ転送処理)が終了した場合、Wi-fi接続(第2の接続)によるコンテンツデータの転送処理(第2のデータ転送処理)を開始させる転送制御を実行してもよい。例えば、転送制御部2Cは、転送保留状態であったWi-fi接続によるコンテンツデータの転送処理が再開されるように制御する。
なお、第2の接続としてA2DP接続を行い、第2のデータ転送処理としてA2DP接続によるデータ転送処理を行い、第3の接続としてWi-fi接続を行い、第3のデータ転送処理としてWi-fi接続によるデータ転送処理を行う構成であってもよい。この場合、Wi-fi接続によるコンテンツデータの転送処理(第3のデータ転送処理)を開始する際に、A2DP接続によるデータ転送処理(第2のデータ転送処理)が実行中のときは、A2DP接続によるデータ転送処理(第2のデータ転送処理)を停止(保留)させる転送制御を実行してもよい。
さらに、転送制御部2Cは、Wi-fi接続(第3の接続)によるコンテンツデータの転送処理(第3のデータ転送処理)が終了した場合、A2DP接続(第2の接続)によるコンテンツデータの転送処理(第2のデータ転送処理)を開始させる転送制御を実行してもよい。例えば、転送制御部2Cは、転送保留状態であったA2DP接続によるコンテンツデータの転送処理の転送速度が再開されるように制御する。
次に、表示制御部2Dについて説明する。表示制御部2Dは、表示部5へ表示指示を出力することで、表示部5に表示画面を表示させる制御を行う。なお、表示制御部2Dは、報知制御部の一例であり、報知制御部は、表示以外に音声などによる報知を制御してもよい。
例えば、ユーザによる操作部4の操作によって、操作部4から発信履歴データの表示要求を受付けた場合を想定する。この場合、表示制御部2Dは、作業メモリ6に記憶されている発信履歴データの表示指示を操作部4へ出力する。該表示指示を受け付けることで、表示部5には、発信履歴データが表示される。例えば、表示部5には、最大5件の発信履歴データが表示される。
また、例えば、ユーザによる操作部4の操作によって、操作部4から着信履歴データの表示要求を受付けた場合を想定する。この場合、表示制御部2Dは、作業メモリ6に記憶されている着信履歴データの表示指示を表示部5へ出力する。該表示指示を受け付けることで、表示部5には、着信履歴データが表示される。例えば、表示部5には、最大5件の着信履歴データが表示される。
また、例えば、ユーザによる操作部4の操作によって、操作部4から不在着信履歴データの表示要求を受付けた場合を想定する。この場合、表示制御部2Dは、作業メモリ6に記憶されている不在着信履歴データの表示指示を表示部5へ出力する。該表示指示を受け付けることで、表示部5には、不在着信履歴データが表示される。例えば、表示部5には、最大5件の不在着信履歴データが表示される。
また、例えば、ユーザによる操作部4の操作によって、操作部4から電話帳データの表示要求を受付けた場合を想定する。この場合、表示制御部2Dは、作業メモリ6に記憶されている電話帳データの表示指示を表示部5へ出力する。該表示指示を受け付けることで、表示部5には、電話帳データが表示される。
また、例えば、ユーザによる操作部4の操作によって、操作部4から特定データの表示要求を受け付けた場合を想定する。この場合、表示制御部2Dは、作業メモリ6に記憶されている特定データの表示指示を表示部5へ出力する。該表示指示を受け付けることで、表示部5には、特定データが表示される。これらの具体的な内容については後述する。
なお、本実施形態では、ハンズフリー装置1が有する各種の機能は、1台の装置で実現される形態であるが、これに限らず、例えばハンズフリー装置1が有する各種の機能が複数の装置に分散される形態であってもよい。つまり、ハンズフリー装置1が有する各種の機能は、複数の装置から構成されるシステム(車載ハンズフリーシステム)により実現されてもよい。
また、例えば、表示制御部2Dは、PBAP接続による電話データの転送処理(第1のデータ転送処理)を開始する際に、A2DP接続やWi-fi接続によるコンテンツデータ等の転送処理(第2のデータ転送処理)が行われている場合、PBAP接続による電話データの転送処理(第1のデータ転送処理)における通信と、A2DP接続やWi-fi接続によるコンテンツデータ等の転送処理(第2のデータ転送処理)における通信との間で干渉が発生する可能性に関するメッセージを表示してもよい。
なお、干渉が発生する可能性に関するメッセージとしては、干渉による通信不良の可能性がある旨のメッセージに限られず、例えば、その時点ではPBAP接続による電話データの転送処理を行わないように促したり、ユーザに転送処理を行わないための操作を選択させたりするためのメッセージも含まれ、特に限定はされない。
次に、本実施形態のハンズフリー装置1の作用を説明する。本実施形態では、携帯電話機10は、最大記憶可能件数である20件分の、発信履歴データおよび着信履歴データを記憶している場合を想定して説明する。そして、この状態の携帯電話機10が、ユーザ等によって携帯されて車両102内に至ることで、該携帯電話機10がハンズフリー装置1のBluetooth通信圏内に進入した場合を想定して説明する。
最初に、ハンズフリー装置1において、制御部2が携帯電話機10から発信履歴データ、着信履歴データ、不在着信履歴データ、特定データ、電話帳データを受信する手順について、図4を参照して説明する。なお、ユーザは、ハンズフリー装置1にて、Bluetooth通信の相手となる携帯電話機10を予め登録している。
例えば、ユーザは、初期通信設定時に、携帯電話機10毎に4桁のパスワードをハンズフリー装置1に入力する。ハンズフリー装置1と携帯電話機10は、互いの接続に使用するリンクキーを生成し、該リンクキーを保持する。そして、ハンズフリー装置1は、初期接続時にリンクキーの認証を行うことで、通信接続すべき携帯電話機10を選択している。つまり、ハンズフリー装置1と、未登録の携帯電話機との間では、HFPでの通信接続およびPBAPでの通信接続が行われることは無い。基本的に、車両102の所有者の携帯電話機10が事前登録され、該携帯電話機10とハンズフリー装置1との間でBluetooth通信が行われることとなる。なお、ハンズフリー装置1の通信対象の携帯電話機10の事前登録について、上述の手法は一例であり、これに限定されるものではない。
本例では、ハンズフリー装置1には、通信接続対象となる複数の携帯電話機10が登録されているものとする。また、複数の携帯電話機10に対して例えばユーザが操作部14を操作して優先順位を予め設定しており、作業メモリ6または記憶メモリ7は当該優先順位を記憶している。例えば、ドライバーによっては、複数の携帯電話機10を所有している場合があるため、ハンズフリー装置1には、このように複数の携帯電話機10の登録を可能とする。
本例の前提として、ハンズフリー装置1のBluetooth通信部3aは、HFPでの無線通信、PBAPでの無線通信の両プロトコルに対応し、且つ、これらを二つのプロファイルを同時接続(マルチプロファイル接続)に接続することができる。しかし、あえて、この同時接続処理を行わないようにする場合もある。この理由としては、主として以下の3つが挙げられる。
(1)通信相手である携帯電話機10が、ハンズフリー装置1と同様に、HFPでの無線通信とPBAPでの無線通信には対応しているものの、同時接続には対応していない可能性があること。
(2)通信相手である携帯電話機10が、HFPでの無線通信とPBAPでの無線通信には対応し、かつ同時接続にも対応しているかもしれないが、同時接続を維持するためには、ハンズフリー装置1のBluetooth通信部3aのソフトウェア処理が複雑になり、通信接続の安定性に不安があること。
(3)携帯電話機10は、世界で多数のメーカーが製造しており、ハンズフリー装置1としては、HFPでの無線通信およびPBAPでの無線通信に対応した全ての携帯電話機と接続することが求められること。
以上の理由のため、本例でのハンズフリー装置1は、HFPでの無線通信、PBAPでの無線通信のための、より確実な処理手順として、HFPでの無線通信とPBAPでの無線通信との同時接続をできる限り無くすため、HFPでの無線通信とPBAPでの無線通信とは時間的に分割したシリアル接続を行う。なお、これはあくまで一例に過ぎず、後述するように、同時接続を行う構成であってもよいことは言うまでもない。
なお、以下では、HFPでの無線通信による接続を、単に、HFPの接続、または、HFPを接続、と称して説明する場合がある。同様に、HFでの無線通信による接続を、単に、HFの接続、または、HFPを接続、と称して説明する場合がある。
説明に戻ると、ハンズフリー接続部2Aは、優先順位が上位の携帯電話機10をHFPでの無線通信での通信接続対象として選択する(S1)。ここで、本例では、最初にPBAPでの通信接続を行わずに、先ずはHFPでの初期通信を自動的に試み、接続を開始する。
次に、ハンズフリー接続部2Aは、その選択した携帯電話機10に対してHFPでの初期通信を自動的に接続する処理を実行する(S2)。また、ハンズフリー接続部2Aは、HFPでの無線通信接続に成功したか否かを判定する(S3)。
ハンズフリー接続部2Aは、HFPでの無線通信接続に成功したと判定した場合(S3:Yes)、接続したHFPでの無線通信を自動的に切断する(S4)。
次に、データ転送接続処理部2Bは、HFPでの無線通信接続に成功した携帯電話機10に対してPBAPでの無線通信を自動的に接続する(S5)。
次に、転送制御部2Cは、履歴データのデータ転送処理を行うようにデータ転送接続処理部2Bを制御する(ステップS6)。転送制御部2Cは、履歴データの転送要求をPBAPにより携帯電話機10へ順次送信するように、データ転送接続処理部2Bを制御する。携帯電話機10は、該転送要求に応じて、PBAPを用いた無線通信により、履歴データをハンズフリー装置1へ転送する。これらの処理により、携帯電話機10からハンズフリー装置1へ、履歴データが自動転送される。転送制御部2Cは、携帯電話機10から転送された履歴データを、作業メモリ6または記憶メモリ7に保存する。
次に、転送制御部2Cは、特定データのデータ転送処理を行うように、データ転送接続処理部2Bを制御する(ステップS7)。転送制御部2Cは、特定データの転送要求をPBAPによる携帯電話機10へ送信するように、データ転送接続処理部2Bを制御する。携帯電話機10は、該転送要求に応じて、PBAPを用いた無線通信により、特定データをハンズフリー装置1へ転送する。このため、携帯電話機10からハンズフリー装置1へ、特定データが自動転送される。転送制御部2Cは、携帯電話機10から転送された特定データを、作業メモリ6または記憶メモリ7へ保存する。
次に、転送制御部2Cは、電話帳データのデータ転送処理を行うように、データ転送接続処理部2Bを制御する(ステップS8)。転送制御部2Cは、電話帳データの転送要求をPBAPによる携帯電話機10へ送信するように、データ転送接続処理部2Bを制御する。携帯電話機10は、該転送要求に応じて、PBAPを用いた無線通信により、電話帳データをハンズフリー装置1へ転送する。このため、携帯電話機10からハンズフリー装置1へ、電話帳データが自動転送される。転送制御部2Cは、携帯電話機10から転送された特定データを、作業メモリ6または記憶メモリ7へ保存する。
電話帳データの転送が完了すると、データ転送接続処理部2Bは、携帯電話機10との間のPBAPによる無線通信を切断する(S9)。
次に、データ転送接続処理部2Bは、再び、携帯電話機10に対してHFPでの無線通信を自動的に接続する(S10)。
そして、ハンズフリー接続部2Aは、携帯電話機10とのHFPによる無線通信が確立すると、ハンズフリー(HF)待受処理に移行する。ハンズフリー待受処理の実行中は、ハンズフリー装置1は、携帯電話機10を介した電話の発信または受信が可能な状態となる。ハンズフリー装置1の電源が切断される、または携帯電話機10とのHFPによる無線通信が解除されるまで、ハンズフリー待受処理は継続する。携帯電話機10とのHFPによる無線通信が解除される場合とは、ユーザによって、ハンズフリー装置1または携帯電話機10に対して接続解除の操作が行われた場合、または、携帯電話機10がハンズフリー装置1のBluetooth通信圏内から退出した場合等である。
このように本実施形態では、HFP→PBAP→HFPの順に無線通信をシリアルに自動的に切り替える。これにより、多数のメーカーのHFPでの無線通信とPBAPでの無線通信とに対応した携帯電話機に対して、通信処理を確実に安定して行うことが可能となる。また、このような手法により、ハンズフリー装置1でのソフトウェア処理の複雑化を低減することができる。
また、ハンズフリー接続部2Aは、HFPでの無線通信接続に成功しなかった(失敗した)旨を判定すると(S3:No)、優先順位が次位の携帯電話機10が存在するか否かを判定する(S11)。
ハンズフリー接続部2Aは、優先順位が次位の携帯電話機10が存在する旨を判定した場合(S11:Yes)、優先順位が次位の携帯電話機10を無線通信の接続対象として選択し(S12)、上記したS2に戻り、上記した処理を繰返して行う。
また、ハンズフリー接続部2Aは、優先順位が次位の携帯電話機10が存在しない旨を判定した場合(S11:No)、このフローチャートの処理を終了する。
このように、本実施形態では、転送制御部2Cが、転送対象の電話データに応じた、転送に関する転送制御を実行する。具体的には、転送制御部2Cが、転送対象の電話データの種類に応じた転送順で転送するように、転送制御を行う。さらに詳細には、転送制御部2Cは、転送対象の電話データに特定データが含まれる場合、少なくとも特定データを転送させる転送制御を行う。例えば、図4を用いて説明したように、転送制御部2Cは、履歴データ→特定データ→電話帳データの順に転送するように、転送制御を行う。
このため、ユーザによって選択された項目データである特定データが、携帯電話機10からハンズフリー装置1へ転送される。また、電話帳データより先に、特定データが携帯電話機10からハンズフリー装置1へ転送される。
このため、ユーザによって選択された項目データである特定データを、他の電話データより優先してハンズフリー装置1へ転送させることができる。
なお、転送制御部2Cは、特定データを、少なくとも電話帳データより先に、特定データをハンズフリー装置1へ転送させる転送制御を実行することが好ましい。この場合、ハンズフリー装置1は、図5に示す処理を実行すればよい。
図5は、ハンズフリー装置1において、制御部2が携帯電話機10から発信履歴データ、着信履歴データ、不在着信履歴データ、特定データ、電話帳データを受信する手順の一例を示すフローチャートである。
ハンズフリー装置1では、図4と同様にしてステップS~ステップS5の処理を実行する。次に、転送制御部2Cは、特定データのデータ転送処理を行うように、データ転送接続処理部2Bを制御する(ステップS600)。転送制御部2Cは、特定データの転送要求をPBAPによる携帯電話機10へ送信するように、データ転送接続処理部2Bを制御する。携帯電話機10は、該転送要求に応じて、PBAPを用いた無線通信により、特定データをハンズフリー装置1へ転送する。このため、携帯電話機10からハンズフリー装置1へ、特定データが自動転送される。転送制御部2Cは、携帯電話機10から転送された特定データを、作業メモリ6または記憶メモリ7へ保存する。
次に、転送制御部2Cは、履歴データのデータ転送処理を行うようにデータ転送接続処理部2Bを制御する(ステップS601)。転送制御部2Cは、履歴データの転送要求をPBAPにより携帯電話機10へ順次送信するように、データ転送接続処理部2Bを制御する。携帯電話機10は、該転送要求に応じて、PBAPを用いた無線通信により、履歴データをハンズフリー装置1へ転送する。これらの処理により、携帯電話機10からハンズフリー装置1へ、履歴データが自動転送される。転送制御部2Cは、携帯電話機10から転送された履歴データを、作業メモリ6または記憶メモリ7に保存する。
次に、転送制御部2Cは、電話帳データのデータ転送処理を行うように、データ転送接続処理部2Bを制御する(ステップS602)。転送制御部2Cは、電話帳データの転送要求をPBAPによる携帯電話機10へ送信するように、データ転送接続処理部2Bを制御する。携帯電話機10は、該転送要求に応じて、PBAPを用いた無線通信により、電話帳データをハンズフリー装置1へ転送する。このため、携帯電話機10からハンズフリー装置1へ、電話帳データが自動転送される。転送制御部2Cは、携帯電話機10から転送された特定データを、作業メモリ6または記憶メモリ7へ保存する。
電話帳データの転送が完了すると、データ転送接続処理部2Bは、携帯電話機10との間のPBAPによる無線通信を切断する(S9)。そして、データ転送接続処理部2Bは、再び、携帯電話機10に対してHFPでの無線通信を自動的に接続する(S10)。そして、ハンズフリー接続部2Aは、携帯電話機10とのHFPによる無線通信が確立すると、ハンズフリー(HF)待受処理に移行する。ステップS9~ステップS10は、図4と同様である。また、ステップS3で否定判断した場合(ステップS3:No)の、ステップS11およびステップS12の処理についても、図4と同様である。
このように、転送制御部2Cは、特定データ→履歴データ→電話帳データの順に転送するように、転送制御を行ってもよい。
このため、ユーザによって選択された項目データである特定データが、携帯電話機10からハンズフリー装置1へ転送される。また、電話帳データより先に、特定データが携帯電話機10からハンズフリー装置1へ転送される。
このため、ユーザによって選択された項目データである特定データを、他の電話データより優先してハンズフリー装置1へ転送させることができる。
次に、図4等で上記した転送処理について、さらに具体的に説明する。
図6A~図6Eは、本実施形態に係る電話データの対応関係の一例を示す図である。より詳細には、図6Aは、携帯電話機10に保存された発信履歴データの一例である。また、図6Bは、携帯電話機10に保存された電話帳データの一例である。また、図6Cは、携帯電話機10に保存された特定データの一例である。また、図6Dは、ハンズフリー装置1において保存または表示される発信履歴データの一例である。また、図6Eは、ハンズフリー装置1において保存または表示される特定データの一例である。
また、図7A~図7Bは、本実施形態に係る着信履歴データの一例を示す図である。より詳細には、図7Aは、携帯電話機10に保存された着信履歴データの一例である。また、図7Bは、ハンズフリー装置1において保存または表示される着信履歴データの一例である。
また、図8A~図8Bは、本実施形態に係る不在着信履歴データの一例を示す図である。より詳細には、図8Aは、携帯電話機10に保存された不在着信履歴データの一例である。また、図8Bは、ハンズフリー装置1において保存または表示される不在着信履歴データの一例である。
データ転送接続処理部2Bは、携帯電話機10から、図6Cに示す登録名および電話番号からなる項目データを1または複数含む特定データを受信して、作業メモリ6または記憶メモリ7に記憶させる。
また、データ転送接続処理部2Bは、携帯電話機10から、図6Aに示す登録名、発信電話番号および発信日時からなる項目データを1または複数含む発信履歴データを受信して作業メモリ6または記憶メモリ7に記憶させる。
また、データ転送接続処理部2Bは、携帯電話機10から図7Aに示す登録名、着信電話番号および着信日時からなる項目データを1または複数含む着信履歴データを受信して作業メモリ6または記憶メモリ7に記憶させる。
また、データ転送接続処理部2Bは、携帯電話機10から図8Aに示す登録名、不在着信電話番号および不在着信日時からなる項目データを1または複数含む不在着信履歴データを受信して作業メモリ6または記憶メモリ7に記憶させる。
また、データ転送接続処理部2Bは、携帯電話機10から、図6Bに示す登録名および電話番号からなる項目データを1または複数含む電話帳データを受信して、作業メモリ6または記憶メモリ7に記憶させる。
また、携帯電話機10において着信履歴データ、発信履歴データ、および不在着信履歴データに登録名が含まれない場合、データ転送接続処理部2Bは、着信履歴データ、発信履歴データ、および不在着信履歴データに含まれる電話番号と、電話帳データにおいて該電話番号に対応付けられた登録名とを対応付けることにより、着信履歴データ、発信履歴データ、および不在着信履歴データに登録名を追加して、作業メモリ6または記憶メモリ7に記憶させても良い。
そして、表示制御部2Dは、電話帳データの表示要求があると、作業メモリ6または記憶メモリ7に記憶されている電話データ(発信履歴データ、着信履歴データ、不在着信履歴データ、特定データ、電話帳データ)を表示部5に表示させる。つまり、表示制御部2Dは、作業メモリ6または記憶メモリ7に記憶されている電話帳データから登録名を読出すことなく、携帯電話機10から転送された登録名を表示部5に表示させることができる。
なお、着信履歴データ、発信履歴データ、および不在着信履歴データは、登録名を含まない状態で作業メモリ6または記憶メモリ7に保存されても良い。この場合、表示制御部2Dは、着信履歴データ、発信履歴データ、および不在着信履歴データに含まれる電話番号と、電話帳データにおいて該電話番号に対応付けられた登録名とを対応付けて表示部5に表示する。
図4および図5のS10で説明したHFPの接続処理をハンズフリー接続部2Aが完了すると、ユーザがハンズフリー装置1側の操作部14を操作することにより、電話の発信処理および着信処理を行うことが可能となる。
また、データ転送接続処理部2Bが、図4および図5で説明した携帯電話機10との接続処理によって携帯電話機10から発信履歴データ、着信履歴データおよび不在着信履歴データを受信した後、ハンズフリー装置1または携帯電話機10において新たな発信処理、新たな着信処理または新たな不在着信処理が実行される場合がある。その後、ユーザが操作部14を操作して発信履歴データ、着信履歴データまたは不在着信履歴データの表示要求をした場合、表示制御部2Dは、新たな発信処理、着信処理または不在着信処理を行った発信電話番号、着信電話番号および不在着信電話番号に対応する登録名が、携帯電話機10から転送された電話帳データに存在する場合には、図6D、図7B、図8Bに示すように、該登録名を表示部5に表示させる。
より詳細には、ハンズフリー接続部2Aが新たな発信処理として、「加藤 一郎」の電話番号へ発信処理したとする。この場合、表示制御部2Dは、電話帳データに「加藤 一郎」の登録名が登録されている場合は、図6Dに示すように電話帳データから「加藤 一郎」の登録名を読出して表示部5に表示させる。また、新たな着信処理として、「吉本 一郎」の電話番号から電話があった場合、表示制御部2Dは、この着信電話番号が電話帳データに登録されている場合は、図7Bに示すように、電話帳データから「吉本 一郎」の登録名を読出して表示部5に表示させる。また、表示制御部2Dは、「渡邊 三郎」の電話番号から新たな不在着信があった場合は、図8Bに示すように、電話帳データから「渡邊 三郎」の登録名を読出して表示部5に表示させる。
なお、表示制御部2Dは、電話データに含まれる、電話帳データ、特定データ、および発着信履歴データを、個別に表示することが好ましい。例えば、図6D、図6E、図7B、図8B、に示すように、発信履歴データ、電話帳データ、着信履歴データ、不在着信履歴データ、特定データ、の各々を示す“タブ”などを表示する。そして、表示制御部2Dは、該当する“タブ”が選択されたときに、選択された“タブ”に対応する電話データを表示すればよい。図6Dは、発信履歴データの“タブ”が選択された場合の表示例である。図6Eは、特定データの“タブ”が選択された場合の表示例である。図7Bは、着信履歴データの“タブ”が選択された場合の表示例である。図8Bは、不在着信履歴データの“タブ”が選択された場合の表示例である。なお、電話データの表示形式は、タブによって選択を切り替えられる形態に限定されない。
また、表示制御部2Dは、図6Eに示すように、特定データの表示時には、特定データであることを示すマークを表示することが好ましい。図6Eには、特定データであることを示すマークとして、星型のマークを一例として示した。なお、特定データであることを示すマークは、星型のマークに限定されない。
また、表示制御部2Dは、発信履歴データ、着信履歴データおよび不在着信履歴データを纏めて最新の時刻順にしたがって表示する全履歴データ(全発着信履歴)の表示要求があると、着信履歴データおよび不在着信履歴データについては着信電話番号或いは不在着信電話番号が同一である(重複している)か否かに拘らず着信日時或いは不在着信日時が新しい方の着信履歴データおよび不在着信履歴データを全ての中から所定数選択して表示させる。また、表示制御部2Dは、発信履歴データについては発信電話番号が同一である(重複している)発信履歴データのうち最新の発信履歴データのみを選択して表示させる。
図9は、本実施形態に係る発信履歴データ、着信履歴データ、不在着信履歴データおよび全履歴データの一例を示す図である。図9に示す例では「阿部 太郎」の発信電話番号が重複している。この場合、表示制御部2Dは、「阿部 太郎」の発信履歴のうち、発信日時が最新の発信履歴(発信日時が08月10日12:15の発信履歴データ)のみを表示させ、発信日時が最新ではない発信履歴は表示させない。
次に、ハンズフリー装置1において、制御部2が携帯電話機10から電話データを受信および記憶する手順、および、記憶された電話データを用いて発信する手順について説明する。なお、ここでは、発信履歴データおよび着信履歴データについて説明するが、不在着信履歴データおよび特定データも同様である。
図10および図11は、本実施形態のハンズフリー装置1で実行される発信履歴データおよび着信履歴データおよび電話帳データを使用して電話を発信する処理の流れの一例を示す図である。図12および図13は、図10および図11における割込み処理の流れの一例を示す図である。なお、図10~図13でハンズフリー装置1によって実行される処理は、例えば、図3で説明した制御部2等によって実現される処理である。
ここで、図10~図13の中で説明する図14Aおよび図14Bは、本実施形態に係る発信履歴データの一例を示す図である。また、図15Aおよび図15Bは、本実施形態に係る着信履歴データの一例を示す図である。また、図16A~図16Cは、本実施形態に係る発信履歴からユーザが発信操作を行う場合の表示画面の遷移の一例を示す図である。また、図17A~図17Cは、本実施形態に係る着信履歴からユーザが発信操作を行う場合の表示画面の遷移の一例を示す図である。また、図18A及び図18Bは、本実施形態に係る電話帳からユーザが発信操作を行う場合の表示画面の遷移の一例を示す図である。図19は、本実施形態に係る電話帳データの一例を示す図である。また、図20は、特定データに含まれる項目データによって特定される、通話先からの着信発生時の表示画面の一例を示す図である。
図10のフローチャートに戻り、まず、ハンズフリー装置1の制御部2は、携帯電話機10がハンズフリー装置1のBluetooth通信圏内に存在しており、Bluetooth通信部3aが携帯電話機10との間で通信回線を確立した旨を判定すると(S121:Yes)、携帯電話機10から電話データがBluetooth通信部3aに自動転送されることを待機する(S122)。
そして、制御部2は、携帯電話機10から電話データが自動転送された旨を判定すると(S122:Yes)、その携帯電話機10から自動転送された電話データを作業メモリ6または記憶メモリ7に記憶させる(S123)。
ここで、携帯電話機10から自動転送された発信履歴データや着信履歴データの件数がそれぞれ例えば20件であるとする。また、作業メモリ6に記憶可能な発信履歴データや着信履歴データの件数がそれぞれ例えば5件であるとする。つまり、作業メモリ6に記憶可能な発信履歴データや着信履歴データの件数が、携帯電話機10から自動転送された発信履歴データや着信履歴データの件数よりも少ない。
この場合、制御部2は、例えば、携帯電話機10から自動転送された発信履歴データのうち発信日時が古い発信履歴データを破棄し、携帯電話機10から自動転送された20件分の発信履歴データのうち発信日時が新しい5件分の発信履歴データを優先して作業メモリ6に携帯側発信履歴データとして記憶させる。また、制御部2は、着信履歴データのうち着信日時が古い着信履歴データを破棄し、携帯電話機10から自動転送された20件分の着信履歴データのうち着信日時が新しい5件分の着信履歴データを優先して作業メモリ6に携帯側着信履歴データとして記憶させる。
制御部2は、携帯電話機10から発信履歴データが自動転送された直後では、作業メモリ6の発信履歴データとして、図14Aに示す発信履歴データを保持する。また、この状態からユーザが発信履歴データを表示させる操作を行うと、制御部2は、図16Bに示す表示画面を表示部5に表示させる。また、制御部2は、携帯電話機10から着信履歴データが自動転送された直後では、作業メモリ6の着信履歴データとして、図15Aに示す着信履歴データを保持し、この状態からユーザが着信履歴データを表示させる操作を行うと、図17Bに示す表示画面を表示部5に表示させる。
このようにして、携帯電話機10とハンズフリー装置1とがBluetooth通信回線を確立すると、携帯電話機10がBluetooth通信回線を確立する前に記憶しておいた発信履歴データや着信履歴データがハンズフリー装置1の作業メモリ6に自動転送され、携帯電話機10とハンズフリー装置1とが1つの電話システムを構成することになり、この電話システムによりハンズフリー通話を行うことが可能となる。そして、ユーザは、このようにして携帯電話機10とハンズフリー装置1とが1つの電話システムを構成した以降では、ダイアルキー入力による発信操作、発信履歴による発信操作、着信履歴による発信操作および電話帳による発信操作のいずれかを選択して発信操作を行なうことが可能となり、携帯電話網からの着信を待機することが可能となる。
ここで、本実施形態では、Bluetooth通信の手順として、図4および図5のフローチャートに示すS5でPBAPでの無線通信接続をした後、S9でPBAPでの無線通信を切断し、S10でHFPでの無線通信接続を行う、というシリアルなプロファイル切り替えを行っている。このため、S10でHFPでの無線通信接続後において、携帯電話機10に対して新たな着信があった場合、もしくは操作部14にて新たな発信処理が行われた場合、携帯電話機10には、その着信および発信を含む着信履歴データ、発信履歴データは、結局、自己の履歴データであるため、自身のメモリに保持している。従って、ハンズフリー装置1の制御部2は、再度、携帯電話機10から、これら最新の発着信履歴データを取得するために、HFPでの無線通信中にPBAPでの無線通信(同時接続)を行うことも可能である。
しかしながら、仮に、同時接続をできる限り避ける場合、シリアル接続において、HFPでの無線通信接続を切断し、PBAPでの無線通信接続を行うと、その間、ハンズフリー通話を行うために1つの電話システムを構成している、携帯電話機10とハンズフリー装置1とが実質、分離された状態となり、ハンズフリー通話が行えなくなる状態が発生する。そこで、本実施形態では、S25でHFPでの無線通信接続を行った場合、それ以降もHFPでの無線通信接続のみで、最新の発着信履歴データをハンズフリー装置1で自己取得し、自己管理するようにしている。以下、これについて説明する。
図10のフローチャートに戻り、制御部2は、ユーザがダイアルキー入力による発信操作を行ったか否かを判定し(S124)、ユーザが発信履歴による発信操作を行ったか否かを判定する(S125)。ここで、図11のフローチャートに続き、制御部2は、ユーザが着信履歴による発信操作を行ったか否かを判定し(S126)、ユーザが電話帳による発信操作を行ったか否かを判定し(S127)、携帯電話網から着信したか否かを判定する(S128)。
ここで、制御部2は、ユーザがダイアルキー入力による発信操作を行った旨を判定すると(S124:Yes)、ユーザがダイアルキーにより入力した電話番号を発信電話番号として発信する発信処理を行う(S129)。そして、制御部2は、ダイアルキー入力による発信処理を終了すると、図14Bに示すように、その時点で作業メモリ6に記憶されている発信履歴データのうち発信日時が最古の発信履歴データを消去し(S130)、そのダイアルキー入力による発信を表す自装置の最新の発信履歴データを作業メモリ6に自己発信履歴データとして追加記憶させる(S131)。
すなわち、制御部2は、ユーザがダイアルキーを操作して例えば電話番号「09000000100」を入力し、当該電話番号「09000000100」を発信電話番号として発信する操作を行うと、図14Bに示すように、電話番号「09000000100」を表す発信履歴データを作業メモリ6に自己発信履歴データとして追加記憶させる。この場合、制御部2は、電話番号「09000000100」に対応する発信日時としてハンズフリー装置1のGPS装置が取得した日時をタイムスタンプとして記憶させる。つまり、図14Bでは、最新の電話番号「09000000100」の発信日時はハンズフリー装置1のGPS装置が取得した日時であり、残りの4件の電話番号の発信日時は携帯電話機10の時計部が取得した日時である。なお、制御部2は、この状態からユーザが発信履歴データを表示させる操作を行うと、図16Cに示す表示画面を表示部5に表示させる。
また、制御部2は、ユーザが「履歴ボタン」4aを押下し、続いて「発信履歴ボタン」4bを押下したことにより、発信履歴による発信操作を行った旨を判定すると(S125:Yes)、作業メモリ6に記憶されている発信履歴データを参照し(S132)、作業メモリ6に記憶されている電話帳データを参照し(S133)、図16B,図16Cに示すように、発信履歴による発信操作画面を表示部5に表示させる(S134)。この場合、制御部2は、発信履歴データの発信電話番号が電話帳データに登録されていれば、その電話番号に対応する登録名を表示部5に表示させる。一方、制御部2は、発信履歴データの発信電話番号が電話帳データに登録されていなければ、その電話番号を表示部5に表示させる。
次いで、制御部2は、ユーザが選択した電話番号を発信電話番号として発信する発信処理を行う(S135)。そして、制御部2は、発信履歴による発信処理を終了すると、この場合も、その時点で作業メモリ6に記憶されている発信履歴データのうち発信日時が最古の発信履歴データを消去し(S130)、その発信履歴による発信を表す自装置の最新の発信履歴データを作業メモリ6に自己発信履歴データとして追加記憶させる(S131)。この場合も、制御部2は、発信電話番号に対応する発信日時としてハンズフリー装置1のGPS装置が取得した日時をタイムスタンプとして記憶させる。
また、制御部2は、ユーザが「履歴ボタン」4aを押下し、続いて「着信履歴ボタン」4cを押下したことにより、着信履歴による発信操作を行った旨を判定すると(S126:Yes)、作業メモリ6に記憶されている着信履歴データを参照し(S136)、作業メモリ6に記憶されている電話帳データを参照し(S137)、図17B,図17Cに示すように、着信履歴による発信操作画面を表示部5に表示させる(S138)。この場合、制御部2は、着信履歴データの発信電話番号が電話帳データに登録されていれば、その電話番号に対応する登録名を表示部5に表示させ、一方、着信履歴データの発信電話番号が電話帳データに登録されていなければ、その電話番号を表示部5に表示させる。
次いで、制御部2は、ユーザが選択した電話番号を発信電話番号として発信する発信処理を行う(S139)。そして、制御部2は、着信履歴による発信処理を終了すると、この場合も、その時点で作業メモリ6に記憶されている発信履歴データのうち発信日時が最古の発信履歴データを消去し(S130)、その着信履歴による発信を表す自装置の最新の発信履歴データを作業メモリ6に自己発信履歴データとして追加記憶させる(S131)。この場合も、制御部2は、発信電話番号に対応する発信日時としてハンズフリー装置1のGPS装置が取得した日時をタイムスタンプとして記憶させる。
また、制御部2は、ユーザが「電話帳ボタン」4dを押下したことにより、電話帳による発信操作を行った旨を判定すると(S127:Yes)、作業メモリ6に記憶されている電話帳データを参照し(S140)、図18Bに示すように、電話帳による発信操作画面を表示部5に表示させる(S141)。次いで、制御部2は、そのうちからユーザが選択した電話番号を発信電話番号として発信する発信処理を行う(S142)。そして、制御部2は、電話帳による発信処理を終了すると、この場合も、その時点で作業メモリ6に記憶されている発信履歴データのうち発信日時が最古の発信履歴データを消去し(S130)、その電話帳による発信を表す自装置の最新の発信履歴データを作業メモリ6に自己発信履歴データとして追加記憶させる(S131)。この場合も、制御部2は、発信電話番号に対応する発信日時としてハンズフリー装置1のGPS装置が取得した日時をタイムスタンプとして記憶させる。
さらに、制御部2は、携帯電話機10からBluetooth通信部3aを介して、携帯電話網から着信した旨を判定すると(S128:Yes)、着信を知らせるための報知等の着信処理を行い(S143)、着信処理が終了すると、その時点で作業メモリ6に記憶されている着信履歴データのうち着信日時が最古の着信履歴データを消去し(S144)、その着信を表す自装置の最新の着信履歴データを作業メモリ6に自己着信履歴データとして追加記憶させる(S145)。
すなわち、制御部2は、携帯電話網から電話番号「09000000200」を着信電話番号としてBluetooth通信部3aを経由して受信すると、電話番号「09000000200」を表す着信履歴データを作業メモリ6に自己着信履歴データとして追加記憶させる。
このようにすることで、S25でのHFPでの無線通信接続以降、PBAPでの無線通信接続を行わなくとも、S1以降での新たな着信処理、発信処理があった場合、自己の発着信履歴データを追加し、表示部5に表示させることが可能となる。この結果、やはり、HPFとPBAPとの同時接続を行わなくて済むし、S25でのHFP無線通信接続後、HFP無線通信接続を切断し、PBAPでの無線通信を接続する必要がなくなるので、1つの電話システムとなった携帯電話機10とハンズフリー装置1とが、実質分離するようなことが防止できる。
次に、PBAPでの無線通信にて受信した発着信履歴データと、S25以降に発生した発信処理、着信処理にて発生した発着信履歴データの表示処理について説明する。
S25でHFP無線接続状態において、携帯電話機10は、着信時に、着信電話番号をハンズフリー装置1に送信するが、このとき着信日時情報を送信しない。そのため、制御部2は、電話番号「09000000200」に対応する着信日時としてハンズフリー装置1のGPS装置が取得した日時をタイムスタンプとして記憶させる。つまり、図15Bでは、最新の電話番号「09000000200」の着信日時はハンズフリー装置1のGPS装置が取得した日時であり、残りの4件の電話番号の着信日時は携帯電話機10の時計部が取得した日時である。なお、制御部2は、この状態からユーザが着信履歴データを表示させる操作を行うと、図17Cに示す表示画面を表示部5に表示させる。
なお、以上は、作業メモリ6に記憶可能な発信履歴データや着信履歴データの件数が携帯電話機10から自動転送された発信履歴データや着信履歴データの件数よりも少ない場合に、携帯電話機10から自動転送された発信履歴データや着信履歴データのうち発信日時や着信日時が古い発信履歴データや着信履歴データを破棄し、携帯電話機10から自動転送された発信履歴データや着信履歴データのうち発信日時や着信日時が新しい発信履歴データや着信履歴データを優先して作業メモリ6に記憶する場合を説明したが、PBAPでの無線通信を接続するときにハンズフリー装置1が携帯電話機10に対して自動転送すべき件数(本実施形態では5件)を指定し、発信日時や着信日時が新しい発信履歴データや着信履歴データを優先して作業メモリ6に記憶するようにしても良い。
また、上記した構成では、ハンズフリー装置1において、新たな発信処理や新たな着信処理を行った場合に、作業メモリ6に記憶されている発信履歴データや着信履歴データのうち最古の発信履歴データや最古の着信履歴データを消去する場合を説明したが、ユーザの視点からすると、下記のような要望があるため、制御部2が以下に示す代替処理を行っても良い。これは、本例のように、S25以降、PBAPでの無線通信接続を行わない場合に必要となる処理である。
すなわち、携帯電話機10の時計部が計時する日時と、ハンズフリー装置1のGPS装置が取得した日時とを比較すると、携帯電話機10の時計部が計時する日時はGPS装置が取得した日時に比べて誤差が多く正確でない場合があり、また、ユーザが任意に設定することが可能であるので、ユーザが意図的に所定時間分(例えば10分)進めて設定したり逆に遅れて設定したりする場合がある。
したがって、仮にユーザが携帯電話機10の日時を所定時間分進めて設定しており、ハンズフリー装置1が当該進められて設定された日時を作業メモリ6に記憶していたとすると、この状態から携帯電話機10から自動転送された発信履歴データや着信履歴データとハンズフリー装置1の自装置の発信履歴データや着信履歴データとを日時順にしたがって並替えると、ハンズフリー装置1での新たな発信処理や新たな着信処理を行った発信履歴データや着信履歴データが、時間軸では最新であるにも拘らず、一覧表示の表示画面で最上位の欄に表示されることなく、最上位の欄以外の欄(例えば2番目や3番目の欄)に表示されることとなる。これでは、ユーザが記憶している時間軸と表示部5が表示する時間軸とにずれを発生し、ユーザが違和感を抱いてしまうことになる。
このような不具合に対応すべく、制御部2は、携帯電話機10から自動転送された発信履歴データや着信履歴データについては、それらのみの範囲内で最上位の欄以外の欄に日時順にしたがって並べて表示させ、自装置の新たな発信履歴データや新たな着信履歴データについては、最上位の欄に表示させる。これにより、ユーザが記憶している時間軸と調和して表示させることができ、ユーザに違和感を抱かせないようにすることができる。
なお、制御部2は、携帯電話機10から自動転送された発信履歴データや着信履歴データを日時順にしたがって並べて表示させる場合に、その発信履歴データや着信履歴データに含まれる日時データで並び替えしなくとも、それら発信履歴データや着信履歴データに発信順を表す発信順データや着信順を表す着信順データが含まれている場合であれば、それら発信順データや着信順データに基づいて発信履歴データや着信履歴データを並べて表示させても良い。
また、発信順データ、着信順データが明示的に含まれていない場合でも、携帯電話機10から、図6A、図7A、図8Aのようなリスト形式でデータが送信され、ハンズフリー装置1で受信した場合、上位にあるデータほど、最新のデータであるというルールに基づき、表示させるようにしても良い。つまり、携帯電話機10は、ハンズフリー装置1にて、現実の発信順、着信順を識別可能な形式で、データを送信する。
この場合、例えば、携帯電話機10によっては、12時00分00秒にAさんから着信があり、12時00分30秒にBさんから着信があった場合、タイムスタンプを秒でなく、分までとすると、全く同じの12時00分となり、これが携帯電話機10の着信履歴データとして記憶されている。そして、このデータをハンズフリー装置1で受信し、時間順に並び替えたとしても、順位が決められないので、携帯電話機10側で、発信順データ、着信順データを付与してもらったり、上記リスト形式で送信してもらうと都合が良い。これにより、ユーザが記憶している時間軸と調和して表示させることができ、ユーザに違和感を抱かせないようにすることができる。
これらの場合は、発信履歴データや着信履歴データに含まれる日時データは付属的なものとなり、上記した発信順データや着信順データがユーザの実際の着信順や発信順となる。なお、携帯電話機10は、その単独動作において、着信処理や発信処理を繰り返すが、自分単独の動作であるため、これは発着信の順番は、把握できるため、その順番通りに、発着信履歴を管理することが可能である。このため、自己の時計部による発信日時、着信日時にとらわれずに、発信毎や着信毎に発信順データや着信順データを付与してハンズフリー装置1に送信して、ハンズフリー装置1で着信順データ、発信順データに基づいて発着信履歴データを並べるように処理する。もしくは発信順データや着信順データを付与せずに携帯電話機10で実際の発信順、着信順を判断して構成した上記リストを、ハンズフリー装置1に送信し、ハンズフリー装置1では、上記ルールに従って、実際の発信、着信順に並べるように処理する。
このようにすれば、仮に、携帯電話機10の時計が、あるタイミングで進めたり、遅くしたり設定すると、この直後に発信、着信が発生すると、携帯電話機10での発信履歴表示、着信履歴表示は、実際の順どおり表示されるが、各データに付加される発信日時、着信日時は、この表示順とは異なることとなる。したがって、このような発着信履歴データを、ハンズフリー装置1で発信日時、着信日時を基準に並び替えすると、実際とは異なる順に表示される。このため、上記発信順データ、着信順データの手法、もしくはリスト形式の手法は、実際の発着信順とならべるには、好都合であると言える。
この結果、制御部2は、携帯電話機10での実際の発信順通り、着信順通りに表示部5にデータを表示することができる。ハンズフリー装置1では、このようなデータ処理を行った後に、上記したように自己のダイアルキー入力での発信処理、発信履歴による発信処理、着信履歴による発信処理、電話帳データによる発信処理を行った場合、その時点で作業メモリ6に記憶されている発信履歴データのうち発信順データが最古の発信履歴データ、もしくは最古と見なされる発信履歴データを消去し、その発信履歴による発信を表す自装置の最新の発信履歴データを作業メモリ6に自己発信履歴データとして追加記憶させる。一方、制御部2は、新たな着信処理が発生した場合、その時点で作業メモリ6に記憶されている着信履歴データのうち着信順データが最古の発信履歴データ、もしくは最古と見なされる着信履歴データを消去し、その着信履歴による着信を表す自装置の最新の着信履歴データを作業メモリ6に自己着信履歴データとして追加記憶させる。
これらの発信処理、着信処理の場合、制御部2は、発信電話番号に対応する発信日時、着信電話番号に対応する着信日時としてハンズフリー装置1のGPS装置が取得した日時をタイムスタンプとして記憶させる。このように、ユーザが記憶している時間軸と調和して表示させることができ、ユーザに違和感を抱かせないようにすることができる。
また、制御部2は、発信履歴データ、着信履歴データを纏めて表示する全履歴データの表示要求があった場合、上記発信履歴データだけ、上記着信履歴データだけを表示する場合に比べて、所定のソート処理が必要となる。つまり、上述のように着信履歴データや発信履歴データを実際の時間軸通りに、携帯電話機10から、発信順データや着信順データを含めて最新順が分かるように送信されたり、これらデータを含まずに上記リスト形式で送信された場合、上述のようにハンズフリー装置1は、受信したデータに含まれる発信日時、着信日時を基準とせずに、通知されたままの順に表示すると、発信履歴表示だけ、着信履歴表示だけの場合、携帯電話機10での表示順どおりに表示したものとなる。
ここで、全履歴データを表示する場合、ハンズフリー装置1では、発信履歴データのうち最新データと、着信履歴データのうち最新データとを把握できるが、実際に、二つの最新データのうち最新かを特定することは困難な場合がある。そこで、本例では、全履歴データを表示する場合は、制御部2は、発信履歴データに含まれる発信日時、着信履歴データに含まれる着信日時を比較し、日時が最新の方を、最新データとして表示する。例えば、制御部2は、5件の着信履歴データと、5件の発信履歴データの場合、10件を日時順にソートし、この順に表示する。これによって、ほとんどの場合、ほぼユーザの実際の時間軸通りに発信履歴データと着信履歴データを順に表示させることが可能となる。ただし、携帯電話機10でのタイムスタンプ機能が「分」までであると、12時00分00秒にAさんから着信があり、12時00分30秒にBさんへ発信した場合、発信日時と着信日時とは、全く同じの12時00分となるため、制御部2は、この場合、発信を着信より最新として表示したり、その逆といった所定の並べ替え処理を行う。
また、PBAPでの無線通信で受信した着信履歴データ3件(A~C)の最新順が上述のように把握でき、PBAPで受信した発信履歴データ(D~F)の最新順が把握できる場合、制御部2は、発信履歴データと着信履歴データの日時を、以下のように比較して、並べ替え処理を行う。
先ず、制御部2は、AとDの日時を比較し、新しいものを1番目(例えばA)とし、次にBとDを比較し、新しいものを2番目(例えばB)とする。次に、CとDとを比較し、新しいものを3番目(例えばD)とし、次にCとEの日時を比較し、新しいものを4番目(例えばC)とする。次に、制御部2は、残りのEとFとは、Eが最新なので、5番目をE、6番目をFとする。比較した日時が同じである場合、制御部2は、所定の並べ替えルールとして、発信を着信より優先する、もしくはその逆といったように並べ替える。
また、携帯電話機10では、電話帳データを転送する場合には当該電話帳データのデータ形式をBluetooth通信規格で規定されている「vCard」のデータフォーマットに変換して転送する必要があると共に、電話帳データが発信履歴データおよび着信履歴データに対して一般的にデータ更新の頻度が低いという事情がある。このことから、制御部2は、携帯電話機10から発信履歴データおよび着信履歴データをBluetooth通信部3aによって先に受信し、その後、携帯電話機10から電話帳データをBluetooth通信部3aによって受信しても良い。また、制御部2は、携帯電話機10から発信履歴データおよび着信履歴データをBluetooth通信部3aによって受信し、その後、ユーザが操作部14にて所定操作を行った場合に限って携帯電話機10から電話帳データをBluetooth通信部3aによって受信しても良い。
また、このようなユーザ操作での電話帳データを転送させるか自動転送させるかは、ハンズフリー装置1においてユーザが手動転送あるいは自動転送を選択して設定しておき、この設定に応じて転送処理を行うようにしても良い。自動転送による設定を「転送しない」に設定した状態で、S9でのHFPでの無線接続後に、ユーザによって手動転送操作を行って、電話帳データのみを転送するようにすることもできる。ただし、この手動転送操作によって、S9でのHFPでの無線通信接続は、切断され、PBAPでの無線通信接続がなされることとなり、データ転送が終了すると、再度、その携帯電話機10に対してHFPでの無線通信を接続し、ハンズフリー通話を可能な状態とする。
この「転送しない」と設定した場合、データ更新の頻度が高い発信履歴データや着信履歴データをデータ更新の頻度が低い電話帳データよりも優先して受信することができ、また、発信履歴データや着信履歴データを転送するにはデータ変換が必要でないものの電話帳データを転送するにはデータ変換が必要であるという事情から、転送時間が短い発信履歴データや着信履歴データを転送時間が長い電話帳データよりも優先して受信することができる。そして、発信履歴データ、着信履歴データのみを転送することで、転送するデータ量を低減できる。この結果、転送プロトコルでの通信を早期に行え、その後のハンズプロトコルでの通信を早期に行えることができるため、携帯電話機を車両に持ち込んだ場合に、ハンズフリー通話を行うまでの時間を短縮できる。さらに、データ更新の頻度が低く且つ転送時間が長い電話帳データを受信するか否かを、必要に応じて選択することができ、利便性を高めることができる。
ユーザの上記手動転送操作により、必要に応じて電話帳データを転送した場合、転送が終了すると、自動的にハンフリープロトコルでの通信を実行するため、その電話帳データを利用して、発信する際、ハンズフリー通話を行うことが可能となり、利便性が向上する。そして、さらには、手動転送操作による電話帳データの転送を行った場合には、電話帳データだけは不揮発性の記憶メモリ7に記憶しておき、記憶されたデータは次回のハンズフリー装置1の起動時に記憶メモリ7から読出して電話帳データとして利用すると良い。
また、制御部2は、携帯電話機10から受信した発信履歴データ、着信履歴データ、電話帳データを当該携帯電話機10毎に区別して作業メモリ6に記憶させても良い。この場合、制御部2は、携帯電話機10と作業メモリ6に記憶させているデータとを例えば以下のようにして対応付ける。すなわち、携帯電話機10から受信した発信履歴データ、着信履歴データ、電話帳データを作業メモリ6に記憶させるときに、携帯電話機10から受信した当該携帯電話機10に個別に付与されている携帯電話機IDとハンズフリー装置1に個別に付与されている装置IDとに基づいてリンクキーを生成し、その生成したリンクキーと各種データと対応付けて作業メモリ6に記憶させる。そして、制御部2は、これ以降に、携帯電話機10から携帯電話機IDを受信すると、その受信した携帯電話機IDと装置IDとに基づいてリンクキーを再度生成し、その生成したリンクキーに対応付けられて作業メモリ6に記憶されている各種データを更新する。
次に、図12を用いて、図10および図11の処理における割込み処理の流れを説明する。
発着信履歴データおよび特定データのハンズフリー装置1への転送が完了すると(ステップS201)、表示制御部2Dは、発着信履歴データを参照する(ステップS202)。そして、表示制御部2Dは、転送された発着信履歴データに含まれる全ての項目データの各々ごとに、ステップS03~ステップS204の処理を実行する。
詳細には、表示制御部2Dは、発着信履歴データに含まれる項目データが、特定データに登録されているか否かを判断する(ステップS203)。特定データに登録されていない場合(ステップS203:No)、本繰り返し処理を終了する。特定データに登録されている場合(ステップS203:Yes)、ステップS204へ進む。
ステップS204では、表示制御部2Dは、特定データアイコン表示フラグを、該項目データに付与する(ステップS204)。特定データアイコン表示フラグとは、特定データであることを示すアイコンを表示するためのフラグである。
表示制御部2Dは、発着信履歴データに含まれる複数の項目データの各々ごとに、ステップS203~ステップS204の処理を実行することで、特定データとして登録されている項目データに、特定データアイコン表示フラグを付与する。
次に、ユーザによる操作部4の操作によって、発着信履歴データの表示指示が入力された場合を想定する(ステップS205)。ステップS205は、図10のステップS125:Yes、図11のステップS126:Yes、に相当する。
そして、表示制御部2Dは、特定データアイコン表示フラグの付与された項目データには、特定データであることを示すアイコンを付与して、発着信履歴データを表示部5に表示させる(ステップS206)。そして、本ルーチンを終了する。
このため、図16B、図16C、図17B、図17Cに示すように、特定データである項目データには、特定データであることを示すマークが表示される。図16B、図16C、図17B、図17Cには、特定データであることを示すマークとして、星型のマークを一例として示した。なお、特定データであることを示すマークは、星型のマークに限定されない。
なお、表示制御部2Dは、電話帳データについても同様に、特定データに登録されている項目データに特定データアイコン表示フラグを付与してもよい。この場合、ユーザによる操作部4の操作によって、電話帳データの表示指示が入力された場面を想定する。この場面は、図11のステップS127:Yesに相当する。表示制御部2Dは、特定データアイコン表示フラグの付与された項目データには、特定データであることを示すアイコンを付与して、電話帳データを表示部5に表示させる。
このため、図18Bに示すように、特定データである項目データには、特定データであることを示すマーク(例えば、星型マーク)が表示される。
なお、表示制御部2Dは、特定データアイコン表示フラグの付与された項目データを、特定データであることを表す表示形態で表示すればよく、アイコン表示に限定されない。例えば、表示制御部2Dは、特定データアイコン表示フラグの付与された項目データを、ユーザの注視を促す色、点滅、アニメーション表示、などの表示形態で表示してもよい。
次に、図13を用いて、図10および図11の処理における割込み処理の流れを説明する。
ハンズフリー接続部2Aが、携帯電話機10から着信通知を受け付けた場面を想定する(ステップS301)。ステップS301は、図11のステップS128:Yesの場面に相当する。この場合、表示制御部2Dは、着信した電話番号が特定データに登録されているか否かを判断する(ステップS302)。
登録されていない場合には(ステップS302:No)、表示制御部2Dは、特定データアイコン無の着信画面を表示部5へ表示する。
一方、登録されている場合には(ステップS302:Yes)、表示制御部2Dは、着信履歴データにおける、着信した該電話番号を含む項目データに、特定データアイコン表示フラグを付与する(ステップS304)。
そして、表示制御部2Dは、特定データであることを示すアイコンを付与した着信画面を表示部5へ表示する(ステップS305)。そして、本ルーチンを終了する。
このため、図20に示すように、特定データとして登録された電話番号からの着信時には、特定データであることを示すマーク(例えば、星型マーク)を含む着信画面が表示される。
なお、携帯電話機10からの発信時についても同様に、表示制御部2Dは、特定データに登録されている項目データに含まれる電話番号を発信先とする場合には、特定データであることを示すマークを含む発信画面を表示部5へ表示してもよい。
このように、表示制御部2Dは、携帯電話機10に、特定データに含まれる項目データによって特定される通話先との発着信が発生したときに、該通話先の通話先情報を、特定データであることを表す表示形態で表示する。
このため、ユーザに対して、特定データであることをわかりやすく提供することができる。
次に、上述の図4および図5のフローチャートにおけるS2のHFP処理について詳述する。図21は、本実施形態に係るHFP処理の流れの詳細を示すフローチャートである。
ハンズフリー接続部2Aは、Bluetooth通信圏内に存在する携帯電話機10との間で通信回線を確立した旨を判定すると、HFPでの無線通信接続(起動)し(S151)、携帯電話機10が通話中にあるか否かを判定する(S152)。なお、携帯電話機10が通話中であるか待受中であるかは、HFPでの無線通信で通知され、ハンズフリー装置1が受信し、この受信した通信状態によって判断する。なお、S151は、S2の処理に対応している。
ここで、ハンズフリー接続部2Aは、携帯電話機10が通話中ではない、つまり着信を待ち受ける待受中となったことを、判定すると(S152:No)、接続しているHFPでの無線通信を切断(終了)し(S154)、データ転送接続処理部2BがPBAPでの無線通信を接続する(S155)。つまり、ハンズフリー接続部2Aは、携帯電話機10が通話中でなければ、接続したHFPでの無線通信を速やかに自動的に切断してPBAPでの無線通信を自動接続することにより、携帯電話機10から送信された発信履歴データ、着信履歴データおよび電話帳データをBluetooth通信部3aにより受信させることになる。
また、ハンズフリー接続部2Aは、携帯電話機10が通話中にある旨を判定すると(S152:Yes)、その通話をハンズフリー装置1を用いたハンズフリー通話を実行する可能性があるとして、HFPでの無線通信を維持する。なお、この通話を実行するかどうかは、基本的には、携帯電話機10に依存し、携帯電話機10が通話中にHFPでの無線通信接続をすると、自動的に、Bluetooth通信部3aに受話音声を送信する場合もあれば、一方、携帯電話機10での操作によってBluetooth通信部3aに受話音声を送信する場合もある。
そして、ハンズフリー接続部2Aは、携帯電話機10が通話を終了したか否かを判定し(S153)、携帯電話機10が通話を終了した旨を判定すると(S153:Yes)、接続しているHFPでの無線通信を切断(終了)する(S154:No)。そして、データ転送接続処理部2Bが、がPBAPでの無線通信を接続する(S155)。つまり、ハンズフリー接続部2Aは、携帯電話機10が通話中であれば、接続したHFPでの無線通信を当該通話が終了した後に切断してPBAPでの無線通信を接続することにより、ユーザがハンズフリー通話を終了した後に携帯電話機10から送信された発信履歴データ、着信履歴データおよび電話帳データをBluetooth通信部3aにより受信させることになる。なお、S152、S153は、S3とS4との間の処理に対応している。
このように携帯電話機10がハンズフリー装置1に接続される場合、ハンズフリー装置1は、該携帯電話機10が通話中かどうか判断し、通話中であるならば、PBAPでの無線通信接続に切り替えると、ハンズフリー通話に移行できないため、HFPでの無線通信を維持し、通話中はPBAPでの無線通信接続を行わない。そして、通話が終了したと判断されると、HFPでの無線通信を切断し、PBAPでの無線通信接続を行う。この結果、携帯電話機10が単独で通話している場合、スムーズにハンズフリー通話に切り替えることが可能となる。
また、制御部2は、携帯電話機10から着信履歴データとして応答した着信履歴と応答しなかった着信(不在着信)履歴とを区別して受信して記憶するようにしても良い。
図22A~図22Cは、本実施形態に係る着信履歴からユーザが発信操作を行う場合の表示画面の遷移の他の一例を示す図である。ユーザが「履歴ボタン」4aを押下し、続いて「着信履歴ボタン」4cを押下した場面を想定する。制御部2は、着信履歴による発信操作を行った旨を判定すると、作業メモリ6に記憶されている着信履歴データを参照し、作業メモリ6に記憶されている電話帳データを参照し、図22B,図22Cに示すように、着信履歴による発信操作画面を表示部5に表示させる。
このとき、表示制御部2Dは、応答した着信である旨を表すアイコン図形(受話器と矢印との組合わせからなる図形)および応答しなかった着信(不在着信)である旨を表すアイコン図形(受話器と×印との組合わせからなる図形)のうちいずれかをデータ毎に表示させる。また、表示制御部2Dは、特定データに登録されている項目データについては、特定データであることを示すマーク(例えば、星型マーク)を表示部5へ表示する。
なお、上述したように、携帯電話機10から転送された電話データに、秘匿データであることを表す秘匿フラグを付与された項目データが含まれる場合がある。この場合、表示制御部2Dは、秘匿データである項目データを表示対象外とする表示制御を実行すればよい。
例えば、発信履歴データ、着信履歴データ、不在着信履歴データ、電話帳データ、などに秘匿フラグを付与された項目データが含まれる場合を想定する。この場合、表示制御部2Dは、着信履歴、発信履歴、不在着信履歴、電話帳データ、の表示時には、秘匿フラグを付与された項目データ以外の項目データを、表示部5へ表示すればよい。
また、表示制御部2Dは、秘匿データに含まれる項目データによって特定される通話先との発着信が発生したときに、該通話先の通話先情報を表示対象外とする表示制御を実行すればよい。具体的には、例えば、表示制御部2Dは、秘匿データとして登録された電話番号からの着信時には、登録名および電話番号の少なくとも一方を非表示とした着信画面を表示部5へ表示すればよい。
ところで、上述のとおり、ハンズフリー装置1は、複数のプロファイルを同時接続(マルチプロファイル接続)することができる。マルチプロファイル接続は、HFPとPBAPとの同時接続に限られず、例えば、PBAPとA2DPを同時接続することもできる。また、ハンズフリー装置1は、通信部3の一部としてWi-fi通信部3bも備えているため、PBAPとWi-fiとの同時接続や、A2DPとWi-fiとの同時接続も可能である。以下では、ハンズフリー装置1が同時に複数の無線通信の接続をして、データ転送を行う場合の例について図23~図28を用いて説明する。
なお、HFPによる携帯電話機10との接続の処理やPBAP接続による自動または手動での電話データの転送処理等の詳細については、一例として、図1~図22Cを用いて説明した処理と同様であり、ここでは説明を省略する。また、図23~図28を用いて説明する処理は、図1~図22Cを用いて説明した処理と組み合わせて行われてもよく、特に限定はされない。
図23は、実施形態に係る複数の無線通信の接続をしてデータ転送する場合の処理の流れの一例を示す図である。図23は、ハンズフリー装置1が携帯電話機10とPBAP接続及びA2DP接続をする場合の例を示している。なお、A2DP接続について、ハンズフリー装置1が携帯電話機10以外の他の通信機器との間でA2DP接続により通信する構成であってもよい。
データ転送接続処理部2Bは、携帯電話機10とPBAPによる接続(第1の接続)を行う(ステップS401)。続いて、転送制御処理部2Cは、PBAP接続による電話データの転送処理(第1のデータ転送処理)を開始しようとするに際して、A2DP接続による音楽再生中か否か、すなわち、音楽データの転送処理(第2のデータ転送処理)が行われているか否かを判定する(ステップS402)。
ここで、データ転送接続処理部2Bが、携帯電話機10等との間でA2DP接続(第2の接続)を行い、音楽データの転送処理(第2のデータ転送処理)を行っている場合、転送制御処理部2Cは、A2DP接続による音楽再生中であると判定する(ステップS402でYes)。
この場合(ステップS402でYes)、転送制御処理部2Cは、PBAP接続による電話データの転送処理(第1のデータ転送処理)における通信速度を落とす(低下させる)転送制御を実行する(ステップS403)。あるいは、転送制御処理部2Cは、電話データの転送処理のための通信を保留する転送制御を実行してもよい(ステップS403)。さらには、表示制御部2Dは、PBAP接続(第1の接続)による通信と、A2DP(第2の接続)による通信との間で干渉が発生する可能性がある旨のメッセージを表示部5に表示させるなどして報知してもよい。
表示部5に表示するメッセージとしては、PBAP接続による電話データ転送の通信速度を低下させる旨やPBAP接続による電話データ転送の通信を保留する旨を報知するものであってもよい。あるいは、表示制御部5は、PBAP接続による電話データの転送を取りやめる操作を行うためのボタンを、タッチパネルとして構成される表示部5に併せて提示してもよい。
その後、転送制御処理部2Cは、A2DP接続による音楽再生が停止したか否かを判定する(ステップS404)。転送制御処理部2Cは、A2DP接続による音楽再生が停止していないと判定した場合(ステップS404でNo)、所定時間経過後、再度、A2DP接続による音楽再生が停止したか否かを判定する。
そして、転送制御処理部2Cは、A2DP接続による音楽再生が停止したと判定した場合(ステップS404でYes)、データ転送接続処理部2BでのPBAP接続による電話データの転送が通常の通信速度で行われるように転送制御を実行する(ステップS405)。すなわち、ステップS403において、電話データの転送処理における通信速度を低下させる制御を行った場合には、転送制御処理部2Cは、低下させていた通信速度を向上させて通常の通信速度に戻す制御を行う。また、ステップS403において、電話データの転送処理のための通信を保留する制御を行った場合には、転送制御処理部2Cは、保留していた通信を再開させ、通常の通信速度で転送されるように制御する。
なお、ステップS403において、転送制御処理部2Cは、データ転送接続処理部2Bが電話データの転送処理のための通信を保留するように制御を行った際に転送済みの電話データを破棄させ、保留していた通信を再開させた際に電話データを最初から転送させてもよい。あるいは、ステップS403において、転送制御処理部2Cは、データ転送接続処理部2Bが電話データの転送処理のための通信を保留するように制御を行った際に転送済みの電話データを保持させ、保留していた通信を再開させた際に転送済みではない残りの電話データを転送させてもよい。
また、データ転送接続処理部2Bが、携帯電話機10等との間でA2DP接続(第2の接続)による音楽データの転送処理(第2のデータ転送処理)を行っていない場合、転送制御処理部2Cは、A2DP接続による音楽再生中でないと判定する(ステップS402でNo)。
この場合(ステップS402でNo)も、転送制御処理部2Cは、データ転送接続処理部2BでのPBAP接続による電話データの転送が通常の通信速度で行われるように転送制御を実行する(ステップS405)。
図24は、実施形態に係る複数の無線通信の接続をしてデータ転送する場合の処理の流れの一例を示す図である。図24は、ハンズフリー装置1が携帯電話機10とPBAP接続及びA2DP接続をする場合の例を示している。なお、A2DP接続について、ハンズフリー装置1が携帯電話機10以外の他の通信機器との間でA2DP接続により通信する構成であってもよい。
データ転送接続処理部2Bは、音楽再生のためのデータ転送を開始するために、携帯電話機10とA2DPによる接続(第2の接続)を行う(ステップS501)。続いて、転送制御処理部2Cは、A2DP接続による音楽再生のためのデータ転送(第2のデータ転送処理)を開始しようとするに際して、PBAP接続による電話データの転送処理(第1のデータ転送処理)のための通信が行われているか否かを判定する(ステップS502)。
ここで、データ転送接続処理部2Bが、携帯電話機10等との間でPBAP接続(第1の接続)を行い、電話データの転送処理(第1のデータ転送処理)を行っている場合、転送制御処理部2Cは、PBAP接続による電話データの転送処理のための通信中であると判定する(ステップS502でYes)。
この場合(ステップS502でYes)、転送制御処理部2Cは、PBAP接続による電話データの転送処理(第1のデータ転送処理)における通信速度を落とす(低下させる)転送制御を実行する(ステップS503)。あるいは、転送制御処理部2Cは、電話データの転送処理のための通信を保留する転送制御を実行してもよい(ステップS503)。一方、データ転送接続処理部2Bは、A2DP接続による音楽再生のためのデータ転送処理を行っている。
その後、転送制御処理部2Cは、A2DP接続による音楽再生が停止したか否かを判定する(ステップS504)。転送制御処理部2Cは、A2DP接続による音楽再生が停止していないと判定した場合(ステップS504でNo)、所定時間経過後、再度、A2DP接続による音楽再生が停止したか否かを判定する。
そして、転送制御処理部2Cは、A2DP接続による音楽再生が停止したと判定した場合(ステップS504でYes)、データ転送接続処理部2BでのPBAP接続による電話データの転送が通常の通信速度で行われるように転送制御を実行する(ステップS505)。すなわち、ステップS503において、電話データの転送処理における通信速度を低下させる制御を行った場合には、転送制御処理部2Cは、低下させていた通信速度を向上させて通常の通信速度に戻す制御を行う。また、ステップS503において、電話データの転送処理のための通信を保留する制御を行った場合には、転送制御処理部2Cは、保留していた通信を再開させ、通常の通信速度で転送されるように制御する。
なお、ステップS503において、転送制御処理部2Cは、データ転送接続処理部2Bが電話データの転送処理のための通信を保留するように制御を行った際に転送済みの電話データを破棄させ、保留していた通信を再開させた際に電話データを最初から転送させてもよい。あるいは、ステップS503において、転送制御処理部2Cは、データ転送接続処理部2Bが電話データの転送処理のための通信を保留するように制御を行った際に転送済みの電話データを保持させ、保留していた通信を再開させた際に転送済みではない残りの電話データを転送させてもよい。
また、データ転送接続処理部2Bが、携帯電話機10等との間でPBAP接続(第1の接続)による電話データの転送処理(第1のデータ転送処理)を行っていない場合、転送制御処理部2Cは、PBAP接続による電話データの転送処理のための通信中でないと判定する(ステップS502でNo)。この場合(ステップS502でNo)、転送制御処理部2Cは、データ転送接続処理部2Bによる音楽再生のためのデータ転送をそのまま開始する。
図25は、実施形態に係る複数の無線通信の接続をしてデータ転送する場合の処理の流れの一例を示す図である。図25は、ハンズフリー装置1が携帯電話機10とPBAP接続及びWifi接続をする場合の例を示している。なお、Wi-fi接続について、ハンズフリー装置1が携帯電話機10以外の他の通信機器との間でWi-fi接続により通信する構成であってもよい。
データ転送接続処理部2Bは、携帯電話機10とPBAPによる接続(第1の接続)を行う(ステップS601)。続いて、転送制御処理部2Cは、PBAP接続による電話データの転送処理(第1のデータ転送処理)を開始しようとするに際して、Wi-fi接続による通信中か否か、すなわち、コンテンツデータ等の転送処理(第2のデータ転送処理)が行われているか否かを判定する(ステップS602)。
ここで、データ転送接続処理部2Bが、携帯電話機10等との間でWi-fi接続(第2の接続)を行い、コンテンツデータ等の転送処理(第2のデータ転送処理)を行っている場合、転送制御処理部2Cは、Wi-fi接続による通信中であると判定する(ステップS602でYes)。
この場合(ステップS602でYes)、転送制御処理部2Cは、PBAP接続による電話データの転送処理(第1のデータ転送処理)における通信速度を落とす(低下させる)転送制御を実行する(ステップS603)。あるいは、転送制御処理部2Cは、電話データの転送処理のための通信を保留する転送制御を実行してもよい(ステップS603)。さらには、表示制御部2Dは、PBAP接続(第1の接続)による通信と、A2DP(第2の接続)による通信との間で干渉が発生する可能性がある旨のメッセージを表示部5に表示させるなどして報知してもよい。
表示部5に表示するメッセージとしては、PBAP接続による電話データ転送の通信速度を低下させる旨やPBAP接続による電話データ転送の通信を保留する旨を報知するものであってもよい。あるいは、表示制御部5は、PBAP接続による電話データの転送を取りやめる操作を行うためのボタンを、タッチパネルとして構成される表示部5に併せて提示してもよい。
その後、転送制御処理部2Cは、Wi-fi接続による通信が停止したか否かを判定する(ステップS604)。転送制御処理部2Cは、Wi-fi接続による通信が停止していないと判定した場合(ステップS604でNo)、所定時間経過後、再度、Wi-fi接続による通信が停止したか否かを判定する。
そして、転送制御処理部2Cは、Wi-fi接続による通信が停止したと判定した場合(ステップS604でYes)、データ転送接続処理部2BでのPBAP接続による電話データの転送が通常の通信速度で行われるように転送制御を実行する(ステップS605)。すなわち、ステップS603において、電話データの転送処理における通信速度を低下させる制御を行った場合には、転送制御処理部2Cは、低下させていた通信速度を向上させて通常の通信速度に戻す制御を行う。また、ステップS603において、電話データの転送処理のための通信を保留する制御を行った場合には、転送制御処理部2Cは、保留していた通信を再開させ、通常の通信速度で転送されるように制御する。
なお、ステップS603において、転送制御処理部2Cは、データ転送接続処理部2Bが電話データの転送処理のための通信を保留するように制御を行った際に転送済みの電話データを破棄させ、保留していた通信を再開させた際に電話データを最初から転送させてもよい。あるいは、ステップS603において、転送制御処理部2Cは、データ転送接続処理部2Bが電話データの転送処理のための通信を保留するように制御を行った際に転送済みの電話データを保持させ、保留していた通信を再開させた際に転送済みではない残りの電話データを転送させてもよい。
また、データ転送接続処理部2Bが、携帯電話機10等との間でWi-fi接続(第2の接続)による通信中ではなく、コンテンツデータの転送処理(第2のデータ転送処理)を行っていない場合、転送制御処理部2Cは、Wi-fi接続による通信中でないと判定する(ステップS602でNo)。
この場合(ステップS602でNo)も、転送制御処理部2Cは、データ転送接続処理部2BでのPBAP接続による電話データの転送が通常の通信速度で行われるように転送制御を実行する(ステップS605)。
図26は、実施形態に係る複数の無線通信の接続をしてデータ転送する場合の処理の流れの一例を示す図である。図26は、ハンズフリー装置1が携帯電話機10とPBAP接続及びWi-fi接続をする場合の例を示している。なお、Wi-fi接続について、ハンズフリー装置1が携帯電話機10以外の他の通信機器との間でWi-fi接続により通信する構成であってもよい。
データ転送接続処理部2Bは、音楽再生のためのデータ転送を開始するために、携帯電話機10とA2DPによる接続(第2の接続)を行う(ステップS701)。続いて、転送制御処理部2Cは、Wi-fi接続によるコンテンツデータの転送処理(第2のデータ転送処理)を開始しようとするに際して、PBAP接続による電話データの転送処理(第1のデータ転送処理)のための通信が行われているか否かを判定する(ステップS702)。
ここで、データ転送接続処理部2Bが、携帯電話機10等との間でPBAP接続(第1の接続)を行い、電話データの転送処理(第1のデータ転送処理)を行っている場合、転送制御処理部2Cは、PBAP接続による電話データの転送処理のための通信中であると判定する(ステップS702でYes)。
この場合(ステップS702でYes)、転送制御処理部2Cは、PBAP接続による電話データの転送処理(第1のデータ転送処理)における通信速度を落とす(低下させる)転送制御を実行する(ステップS703)。あるいは、転送制御処理部2Cは、電話データの転送処理のための通信を保留する転送制御を実行してもよい(ステップS703)。一方、データ転送接続処理部2Bは、Wi-fi接続によるコンテンツデータの転送処理を行っている。
その後、転送制御処理部2Cは、Wi-fi接続によるコンテンツデータ転送のための通信が停止したか否かを判定する(ステップS704)。転送制御処理部2Cは、Wi-fi接続によるコンテンツデータ転送のための通信が停止していないと判定した場合(ステップS704でNo)、所定時間経過後、再度、Wi-fi接続によるコンテンツデータ転送のための通信が停止したか否かを判定する。
そして、転送制御処理部2Cは、Wi-fi接続によるコンテンツデータ転送のための通信が停止したと判定した場合(ステップS704でYes)、データ転送接続処理部2BでのPBAP接続による電話データの転送が通常の通信速度で行われるように転送制御を実行する(ステップS705)。すなわち、ステップS703において、電話データの転送処理における通信速度を低下させる制御を行った場合には、転送制御処理部2Cは、低下させていた通信速度を向上させて通常の通信速度に戻す制御を行う。また、ステップS703において、電話データの転送処理のための通信を保留する制御を行った場合には、転送制御処理部2Cは、保留していた通信を再開させ、通常の通信速度で転送されるように制御する。
なお、ステップS703において、転送制御処理部2Cは、データ転送接続処理部2Bが電話データの転送処理のための通信を保留するように制御を行った際に転送済みの電話データを破棄させ、保留していた通信を再開させた際に電話データを最初から転送させてもよい。あるいは、ステップS703において、転送制御処理部2Cは、データ転送接続処理部2Bが電話データの転送処理のための通信を保留するように制御を行った際に転送済みの電話データを保持させ、保留していた通信を再開させた際に転送済みではない残りの電話データを転送させてもよい。
また、データ転送接続処理部2Bが、携帯電話機10等との間でPBAP接続(第1の接続)による電話データの転送処理(第1のデータ転送処理)を行っていない場合、転送制御処理部2Cは、PBAP接続による電話データの転送処理のための通信中でないと判定する(ステップS702でNo)。この場合(ステップS702でNo)、転送制御処理部2Cは、データ転送接続処理部2BによるWi-fi接続によるコンテンツデータの転送処理をそのまま開始する。
図27は、実施形態に係る複数の無線通信の接続をしてデータ転送する場合の処理の流れの一例を示す図である。図27は、ハンズフリー装置1が携帯電話機10とA2DP接続及びWifi接続をする場合の例を示している。なお、A2DP接続およびWi-fiについて、ハンズフリー装置1が携帯電話機10以外の他の通信機器との間でA2DP接続およびWi-fi接続により通信する構成であってもよい。また、ハンズフリー装置1は、これまで説明したとおり、PBAP接続(第1の接続)による電話データの転送処理(第1のデータ転送処理)を行う機能を備えているが、図27に示す処理を行う場合に、PABAP接続による電話データの転送処理を行っている必要はない。
データ転送接続処理部2Bは、携帯電話機10等とWi-fiによる接続(第2の接続)を行う(ステップS801)。続いて、転送制御処理部2Cは、Wi-fi接続によるコンテンツデータの転送処理(第2のデータ転送処理)を開始しようとするに際して、A2DP接続(第3の接続)による通信中か否か、すなわち、音楽データ等の転送処理(第3のデータ転送処理)が行われているか否かを判定する(ステップS802)。
ここで、データ転送接続処理部2Bが、携帯電話機10等との間でA2DP接続(第3の接続)を行い、音楽データ等の転送処理(第3のデータ転送処理)を行っている場合、転送制御処理部2Cは、A2DP接続による音楽再生中であると判定する(ステップS802でYes)。
この場合(ステップS802でYes)、転送制御処理部2Cは、Wi-fi接続によるコンテンツデータの転送処理(第2のデータ転送処理)におけるWi-fi通信の速度を落とす(低下させる)転送制御を実行する(ステップS803)。あるいは、転送制御処理部2Cは、コンテンツデータの転送処理のためのWi-fi通信を保留する転送制御を実行してもよい(ステップS803)。
その後、転送制御処理部2Cは、A2DP続による音楽再生のための通信が停止したか否かを判定する(ステップS804)。転送制御処理部2Cは、A2DP接続による音楽再生のための通信が停止していないと判定した場合(ステップS804でNo)、所定時間経過後、再度、A2DP接続による音楽再生のための通信が停止したか否かを判定する。
そして、転送制御処理部2Cは、A2DP接続による通信が停止したと判定した場合(ステップS804でYes)、データ転送接続処理部2BでのWi-fi接続によるコンテンツデータの転送が通常の通信速度で行われるように転送制御を実行する(ステップS805)。すなわち、ステップS803において、コンテンツデータの転送処理におけるWi-fi通信速度を低下させる制御を行った場合には、転送制御処理部2Cは、低下させていたWi-fi通信速度を向上させて通常の通信速度に戻す制御を行う。また、ステップS803において、コンテンツデータの転送処理のための通信を保留する制御を行った場合には、転送制御処理部2Cは、保留していたWi-fi通信を再開させ、通常のWi-fi通信速度で転送されるように制御する。
また、データ転送接続処理部2Bが、携帯電話機10等との間でA2DP接続による通信中ではなく、音楽データの転送処理を行っていない場合、転送制御処理部2Cは、A2DP接続による通信中でないと判定する(ステップS802でNo)。
この場合(ステップS802でNo)も、転送制御処理部2Cは、データ転送接続処理部2BでのWi-fi接続によるコンテンツデータの転送が通常のWi-fi通信速度で行われるように転送制御を実行する(ステップS805)。
なお、図27に示す例では、第2の接続としてWi-fi接続を行い、第2のデータ転送処理としてWi-fi接続によるデータ転送処理を行い、第3の接続としてA2DP接続を行い、第3のデータ転送処理としてA2DP接続によるデータ転送処理を行う構成について説明した。
しかしながら、第2の接続としてA2DP接続を行い、第2のデータ転送処理としてA2DP接続によるデータ転送処理を行い、第3の接続としてWi-fi接続を行い、第3のデータ転送処理としてWi-fi接続によるデータ転送処理を行う構成であってもよい。すなわち、第2の接続としてのA2DP接続による第2の転送処理を開始する際に第3の接続としてのWi-fi接続による第3の転送処理が行われている場合、A2DP接続による転送処理の速度を落として実行するか、A2DP接続による転送処理を保留してもよい。その後、Wi-fi接続による転送処理が終了した後、A2DP接続による転送処理を通常の通信速度で行う構成であってもよい。
図28は、実施形態に係る複数の無線通信の接続をしてデータ転送する場合の処理の流れの一例を示す図である。図28は、ハンズフリー装置1が携帯電話機10とA2DP接続及びWi-fi接続をする場合の例を示している。なお、A2DP接続およびWi-fiについて、ハンズフリー装置1が携帯電話機10以外の他の通信機器との間でA2DP接続およびWi-fi接続により通信する構成であってもよい。また、ハンズフリー装置1は、これまで説明したとおり、PBAP接続(第1の接続)による電話データの転送処理(第1のデータ転送処理)を行う機能を備えているが、図28に示す処理を行う場合に、PABAP接続による電話データの転送処理を行っている必要はない。
データ転送接続処理部2Bは、音楽再生のためのデータ転送を開始するために、携帯電話機10等とA2DPによる接続(第3の接続)を行う(ステップS901)。続いて、転送制御処理部2Cは、A2DP接続による音楽データの転送処理(第3のデータ転送処理)を開始しようとするに際して、Wi-fi接続によるコンテンツデータの転送処理(第2のデータ転送処理)のための通信が行われているか否かを判定する(ステップS902)。
ここで、データ転送接続処理部2Bが、携帯電話機10等との間でWi-fi接続(第2の接続)を行い、コンテンツデータの転送処理(第2のデータ転送処理)を行っている場合、転送制御処理部2Cは、Wi-fi接続によるコンテンツデータの転送処理のための通信中であると判定する(ステップS902でYes)。
この場合(ステップS902でYes)、転送制御処理部2Cは、Wi-fi接続によるコンテンツデータの転送処理(第2のデータ転送処理)における通信速度を落とす(低下させる)転送制御を実行する(ステップS903)。あるいは、転送制御処理部2Cは、コンテンツデータの転送処理のための通信を保留する転送制御を実行してもよい(ステップS903)。一方、データ転送接続処理部2Bは、A2DP接続による音楽データの転送処理を行っている。
その後、転送制御処理部2Cは、A2DP接続による音楽データ転送のための通信が停止したか否かを判定する(ステップS904)。転送制御処理部2Cは、A2DP接続による音楽データ転送のための通信が停止していないと判定した場合(ステップS904でNo)、所定時間経過後、再度、A2DP接続による音楽データ転送のための通信が停止したか否かを判定する。
そして、転送制御処理部2Cは、A2DP接続による音楽データ転送のための通信が停止したと判定した場合(ステップS904でYes)、データ転送接続処理部2BでのWi-fi接続によるコンテンツデータの転送が通常の通信速度で行われるように転送制御を実行する(ステップS905)。すなわち、ステップS903において、コンテンツデータの転送処理におけるWi-fi通信速度を低下させる制御を行った場合には、転送制御処理部2Cは、低下させていたWi-fi通信速度を向上させて通常の通信速度に戻す制御を行う。また、ステップS903において、コンテンツデータの転送処理のためのWi-fi通信を保留する制御を行った場合には、転送制御処理部2Cは、保留していたWi-fi通信を再開させ、通常のWi-fi通信速度で転送されるように制御する。
また、データ転送接続処理部2Bが、携帯電話機10等との間でWi-fi接続(第2の接続)によるコンテンツデータの転送処理(第2のデータ転送処理)を行っていない場合、転送制御処理部2Cは、Wi-fi接続によるコンテンツデータの転送処理のための通信中でないと判定する(ステップS902でNo)。この場合(ステップS902でNo)、転送制御処理部2Cは、データ転送接続処理部2BによるA2DP接続による音楽データの転送処理をそのまま開始する。
なお、図28に示す例では、第2の接続としてWi-fi接続を行い、第2のデータ転送処理としてWi-fi接続によるデータ転送処理を行い、第3の接続としてA2DP接続を行い、第3のデータ転送処理としてA2DP接続によるデータ転送処理を行う構成について説明した。
しかしながら、第2の接続としてA2DP接続を行い、第2のデータ転送処理としてA2DP接続によるデータ転送処理を行い、第3の接続としてWi-fi接続を行い、第3のデータ転送処理としてWi-fi接続によるデータ転送処理を行う構成であってもよい。すなわち、第3の接続としてのWi-fi接続による第3の転送処理を開始する際に第2の接続としてのA2DP接続による第2の転送処理が行われている場合、A2DP接続による転送処理の速度を落として実行するか、A2DP接続による転送処理を保留してもよい。その後、Wi-fi接続による転送処理が終了した後、A2DP接続による転送処理を通常の通信速度で行う構成であってもよい。
以上説明したように、本実施形態のハンズフリー装置1は、ハンズフリー装置1は、ハンズフリー接続部2Aと、データ転送接続処理部2Bと、転送制御部2Cと、を備える。ハンズフリー接続部2Aは、ハンズフリー通話を行うためのハンズフリー通信プロトコル(HFP)を用いて携帯電話機10と接続するハンズフリー接続処理を実行する。データ転送接続処理部2Bは、電話に関する電話データの転送を行うためのデータ転送プロトコル(PBAP)を用いて携帯電話機10と接続し、携帯電話機10から電話データを転送させるデータ転送処理を行う。転送制御部2CはPBAP接続以外のデータ転送処理の状況に応じて、PBAP接続やPBAP接続以外の接続によるデータ転送処理に関する転送制御を実行する。
このように、本実施形態のハンズフリー装置1は、PBAP以外のデータ転送処理の状況に応じて、PBAP接続やPBAP接続以外の接続によるデータ転送処理に関する転送制御を実行する。
これにより、PBAP接続以外の通信接続が同時に複数行われた場合、PBAP接続による通信やPBAP接続以外の通信について、例えば転送の保留や転送速度を落とす制御を実行することで、複数の通信間での干渉による影響を抑制できる。
したがって、本実施形態のハンズフリー装置1は、複数通信の同時接続による通信品質の劣化を低減することができる。
なお、本実施形態では、携帯電話機10から転送された発信履歴データ、着信履歴データ、電話帳データが作業メモリ6に記憶される場合や、電話帳データが記憶メモリ7に記憶される場合について説明したが、携帯電話機10から転送された発信履歴データ、着信履歴データ、電話帳データが記憶メモリ7に記憶される構成であっても良い。このような構成では、ハンズフリー装置1の電源がオフされた場合であっても、記憶メモリ7に記憶された発信履歴データ、着信履歴データ、電話帳データは保持されることになる。
また、本実施形態のハンズフリー装置1は、HFP、PBAPでのより確実な処理手順として、HFPとPBAPとの同時接続をできる限り無くすため、HFPとPBAPとは時間的に分割したシリアル接続を行う。これにより、多数のメーカーのHFPとPBAPとに対応した携帯電話機に対して、通信処理を確実に安定して行うことが可能となる。また、ハンズフリー装置1での処理を複雑にせず、簡素な処理でPBAPとHFPとの処理を実行することが可能となる。
また、本実施形態のハンズフリー装置1は、PBAPでの無線通信の切断後のHFPでの無線通信接続時に、携帯電話網への発信または携帯電話網からの着信を行うと、その時点で作業メモリ6に記憶している発信履歴データや着信履歴データのうち発信日時や着信日時が最古の発信履歴データや着信履歴データを消去し、自装置の発信履歴データや着信履歴データを作業メモリ6に追加記憶する。これにより、携帯電話網への発信または携帯電話網からの着信を行う毎に、自装置の最新の発信履歴データや着信履歴データを記憶しておくことができる。
また、本実施形態のハンズフリー装置1は、携帯電話機10との間で通信回線を確立した後に、S2にてHFPを接続した後に当該携帯電話機10が通話中であるか否かを判定し、当該携帯電話機10が通話中であるときには当該通話が終了した後に、PBAPでの無線通信を接続して当該携帯電話機10から発信履歴データ、着信履歴データおよび電話帳データを受信する。これにより、携帯電話機10からの発信履歴データ、着信履歴データおよび電話帳データの転送による影響を受けることなくハンズフリー通話を行うことができる。
また、本実施形態のハンズフリー装置1は、携帯電話機10との間でBluetooth通信回線を確立し、当該携帯電話機10がBluetooth通信回線を確立する前に記憶した発信履歴データや着信履歴データを当該携帯電話機10から受信すると、その発信履歴データや着信履歴データを自装置の発信履歴データや着信履歴データと同等に作業メモリ6に記憶し、これ以降、作業メモリ6に記憶した発信履歴データや着信履歴データによる発信操作を可能とする。これにより、携帯電話機10から自動転送された発信履歴データや着信履歴データのうちから所望の電話番号を選択して発信することができると共に、自装置の発信履歴データや着信履歴データのうちからも所望の電話番号を選択して発信することができ、利便性を高めることができる。
また、本実施形態のハンズフリー装置1は、発信履歴データや着信履歴データの表示要求が発生すると、作業メモリ6に発信履歴データや着信履歴データとして記憶されている発着信電話番号と同じ電話番号が記憶されていれば、当該電話番号に対応する登録名を表示する。これにより、携帯電話機10から受信した発信履歴データや着信履歴データを電話帳データに記憶している登録名により表示することができる。
また、本実施形態のハンズフリー装置1は、発信処理を行う毎に、発信履歴データを一覧表示する表示画面にあって自装置の発信履歴データを発信日時が最新の発信履歴データとして表示する。また、本実施形態のハンズフリー装置1は、着信処理を行う毎に、着信履歴データを一覧表示する表示画面にあって自装置の着信履歴データを着信日時が最新の着信履歴データとして表示する。これにより、携帯電話機10が取得する日時とハンズフリー装置1が取得する日時とが一致しておらず、携帯電話機10から自動転送された発信履歴データの発信日時や着信履歴データの着信日時と自装置の発信履歴データの発信日時や着信履歴データの着信日時とが時間軸で一致していない場合であっても、機器間の日時のずれによってユーザが違和感を抱いてしまうことを未然に回避することができる。
また、本実施形態のハンズフリー装置1は、発信履歴データ、着信履歴データおよび電話帳データを携帯電話機10毎に区別して作業メモリ6に記憶する。これにより、携帯電話機10毎に発信履歴データ、着信履歴データおよび電話帳データを管理することができる。また、本実施形態のハンズフリー装置1は、発信履歴データ、着信履歴データおよび電話帳データを携帯電話機10毎に区別して記憶メモリ7に記憶する。これにより、装置電源がオンする毎に携帯電話機10から電話帳データを受信する必要がなく、ユーザが自身の携帯電話機10に対応して記憶保持されている電話帳データを速やかに利用することができ、電話帳機能を使用するときの利便性を格段に高めることができる。
さらに、本実施形態のハンズフリー装置1は、発信履歴データ、着信履歴データおよび不在着信履歴データを纏めて全履歴データとして表示する場合に、発信電話番号が同一の(重複する)発信履歴データについては発信日時が最新の電話番号のみを表示する。これにより、履歴情報を増大させることができる。
上述の各実施形態のハンズフリー装置1で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。上述の各実施形態のハンズフリー装置1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、上述の各実施形態のハンズフリー装置1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、上述の各実施形態のハンズフリー装置1で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
(その他の実施形態)
なお、上記には、実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、本開示の範囲を限定することは意図していない。上記新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態は、本開示の範囲または要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、本発明は、上記した各実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形または拡張することができる。
ハンズフリー装置1は、ハンズフリー機能を主として実現するハンズフリー専用装置から構成されていても良いし、CDやラジオを再生する車両用オーディオ装置にハンズフリー機能を搭載した装置であっても良い。また、ハンズフリー装置1がポータブル性を有する(可搬タイプの)構成であっても良い。
携帯電話機10とハンズフリー装置1とがBluetooth通信を行う構成に限らず、他の近距離無線通信を行う構成であっても良く、また、有線通信を行う構成であっても良い。
携帯電話機10から受信した発信履歴データ、着信履歴データおよび電話帳データを記憶メモリ7に記憶し、携帯電話機10から発信履歴データ、着信履歴データおよび電話帳データを受信する毎に発信履歴データ、着信履歴データおよび電話帳データを更新記憶する構成であっても良い。また、携帯電話機10から受信した発信履歴データ、着信履歴データおよび電話帳データを作業メモリ6と記憶メモリ7との双方に記憶し、記憶メモリ7をバックアップメモリとして使用する構成であっても良い。
作業メモリ6に記憶可能な発信履歴データや着信履歴データの件数は1件であっても良い。この場合は、ハンズフリー装置1での発信処理、着信処理があると、必ずPBAPでの無線通信接続で受信した発信履歴データ、着信履歴データが消去されることとなる。
また、ハンズフリー装置1において、複数の発信履歴データ、複数の着信履歴を同時に表示するようにしたが、1件ずつ表示するようにしても良い。この場合、例えば、先ず、最初に、最新のデータを表示し、操作部14の操作により、次に最新のデータを順に表示するようにしても良い。
作業メモリ6に記憶可能な発信履歴データや着信履歴データの件数は1件であっても良い。この場合は、ハンズフリー装置1での発信処理、着信処理があると、必ずPBAPでの無線通信接続で受信した発信履歴データ、着信履歴データが消去されることとなる。
携帯電話機10とハンズフリー装置1とがBluetooth通信回線を確立した場合に、発信履歴データや着信履歴データを自動転送する構成に限らず、ユーザがハンズフリー装置1や携帯電話機10を操作することを条件として発信履歴データや着信履歴データや電話帳データを転送する構成であっても良い。
携帯電話機10から受信した発信履歴データ、着信履歴データおよび電話帳データを当該携帯電話機10毎に区別して作業メモリ6に記憶させる場合に、携帯電話機10と作業メモリ6に記憶させているデータとをリンクキーを生成する方法により対応付ける構成に限らず、両者を他の方法により対応付ける構成であっても良い。
なお、上述した実施形態における、上記処理を実行するためのプログラムは、上記複数の機能部の各々を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしては、例えば、CPU(プロセッサ回路)がROMまたはHDDから情報処理プログラムを読み出して実行することにより、上述した複数の機能部の各々がRAM(主記憶)上にロードされ、上述した複数の機能部の各々がRAM(主記憶)上に生成されるようになっている。なお、上述した複数の機能部の各々の一部または全部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)などの専用のハードウェアを用いて実現することも可能である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。