JP2022099540A - 画像表示用導光板 - Google Patents

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秀一 久保
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【課題】ホログラム層の劣化を抑制でき、かつ、良好な光学特性を有する画像表示用導光板の提供。【解決手段】第1樹脂基材1、第1アンカーコート層2及び第1バリア層3をこの順に備える第1積層体と、ホログラム層4と、を有し、第1バリア層3が、ケイ素酸窒化物を主成分とし、X線光電分子光法(XPS)により求められる第1バリア層3中の窒素元素組成が0atm%超25atm%以下である、画像表示用導光板8。【選択図】図1

Description

本発明は、画像表示用導光板に関する。
表示装置において、画像表示用導光板が用いられる場合がある。例えば、VR(仮想現実、Virtual Reality)技術又はAR(拡張現実、Augmented Reality)技術を用いた表示装置においては、ホログラム層が透明基材に支持された画像表示用導光板が用いられる。ホログラム層には、種々の光学機能、例えば、導波、反射及び回折等の機能を有するホログラムが形成される。
ホログラム層を形成するホログラム材料に使われる材料としては、ラジカル重合性モノマー、多価酸又はアミン等の塩基等を含む感光性組成物が多く、樹脂基材を劣化させる場合がある。ホログラム材料は、吸湿によって劣化することも知られている。このため、ホログラム層を樹脂基材で支持する表示装置は、高温多湿環境下で劣化しやすい。
特許文献1には、光学的に透明な樹脂製の基体上に、ホログラムを形成する光感性材料層を形成し、光感性材料層を水性ポリマー保護バリアで被覆することが記載されている。特許文献1には、水性ポリマー保護バリアは、湿気によるアタックに耐える目的で設けられていることが示唆されている。
特開平5-181400号公報
しかし、特許文献1に記載された技術には、以下の問題がある。
特許文献1に記載された技術では、光感性材料層において水性ポリマー保護バリアと反対側の表面には、樹脂製の基体が密着している。
このため、高温環境下において光感性材料が樹脂製の基体を侵食するおそれがある。
さらに、樹脂製の基体の内部には水分が含まれるため、水分が光感性材料層との密着面を通して、光感性材料層に拡散する。加えて、基体が外部に露出しているため、基体には外部から水分が浸透し続ける。この結果、光感性材料層には樹脂製の基体を経由して水分が浸透するので、水性ポリマー保護バリアによって水分が遮蔽されるとしても、基体側からの水分により光感性材料層が経時劣化することを抑制できない。
本発明は、ホログラム層の劣化を抑制でき、かつ、良好な光学特性を有する画像表示用導光板の提供を目的とする。
本発明者らは、樹脂基材とホログラム層との間にアンカーコート層及び特定の材料からなるバリア層を設けることで、画像表示用導光板において、ホログラム層の劣化を抑制でき、かつ、良好な光学特性を得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の態様を有する。
[1]第1樹脂基材、第1アンカーコート層及び第1バリア層をこの順に備える第1積層体と、ホログラム層と、を有し、前記第1バリア層が、ケイ素酸窒化物を主成分とし、X線光電分子光法(XPS)により求められる前記第1バリア層中の窒素元素組成が0atm%超25atm%以下である、画像表示用導光板。
[2]前記第1樹脂基材が、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂及びポリカーボネート系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含む、[1]に記載の画像表示用導光板。
[3]前記第1アンカーコート層が、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂及びポリエステル系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含む、[1]又は[2]に記載の画像表示用導光板。
[4]前記第1積層体が、前記第1樹脂基材の両表面に第1ハードコート層を有する、[1]~[3]のいずれか1つに記載の画像表示用導光板。
[5]前記第1積層体の全光線透過率が90%以上である、[1]~[4]のいずれか1つに記載の画像表示用導光板。
[6]前記第1積層体のヘーズが0.1%未満である、[1]~[5]のいずれか1つに記載の画像表示用導光板。
[7]分光色彩計によって測定される前記第1積層体のb*が0.5未満である、[1]~[6]のいずれか1つに記載の画像表示用導光板。
[8]前記第1積層体の水蒸気透過率が0.01g/m/day未満である、[1]~[7]のいずれか1つに記載の画像表示用導光板。
本発明によれば、ホログラム層の劣化を抑制でき、かつ、良好な光学特性を有する画像表示用導光板を提供できる。
本発明の画像表示用導光板の一例を示す模式的な断面図である。
以下、本発明の一実施形態について説明する。ただし、本発明は後述する実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り種々の変形が可能である。
本発明において、「(メタ)アクリル」は「アクリル」及び「メタクリル」を包含する。例えば、「ポリ(メタ)アクリル系樹脂」は「ポリアクリル系樹脂」及び「ポリメタクリル系樹脂」を包含する。
<画像表示用導光板>
本発明の実施形態に係る画像表示用導光板について説明する。
本実施形態の画像表示用導光板は、第1樹脂基材、第1アンカーコート層及び第1バリア層を備える第1積層体と、ホログラム層とを有する。第1樹脂基材、第1アンカーコート層、第1バリア層及びホログラム層は、厚み方向において、この順に配置される。第1積層体は、ホログラム層の少なくとも一方の表面に配置されていればよいが、ホログラム層の両表面に配置されていてもよい。ホログラム層の両表面に第1積層体が配置される場合、ホログラム層の一方の表面に配置される第1積層体を第1積層体といい、ホログラム層の他方の表面に配置される第1積層体を第2積層体という。この場合、ホログラム層は、第1積層体の第1バリア層と、第2積層体の第2バリア層との間に挟まれており、第1バリア層の他方の面には第1アンカーコート層及び第1樹脂基材が積層されており、第2バリア層の他方の面には第2アンカーコート層及び第2樹脂基材が積層されている。本実施形態において、第1積層体及び第2積層体を総称して、以下、単に「積層体」という場合がある。第1樹脂基材及び第2樹脂基材を総称して、以下、単に「樹脂基材」という場合がある。また、第1アンカーコート層及び第2アンカーコート層を総称して、以下、単に「アンカーコート層」という場合がある。さらに、第1バリア層及び第2バリア層を総称して、以下、単に「バリア層」という場合がある。
第1樹脂基材と第1アンカーコート層との間、第1アンカーコート層と第1バリア層との間、及び第1バリア層とホログラム層との間には、1層以上の透明層が配置されていてもよい。上記透明層としては、例えば、ハードコート層が挙げられる。
上記画像表示用導光板は、画像光を入射する入射部と、画像光による画像を表示する表示部とを有する。
上記ホログラム層は、上記入射部と上記表示部との間に配置される。上記ホログラム層には、少なくとも上記入射部から入射される画像光を上記表示部に導波し、上記表示部から出射させるための回折格子パターンが形成されている。
上記表示部における上記回折格子パターンは、上記画像表示用導光板の外部から入射する外光の少なくとも一部を透過させる。なお、外光は、上記表示部とは反対側の面から入射する。
上記入射部に入射した画像光は、上記ホログラム層内に導波され、上記表示部から外部に出射される。一方、外光も上記樹脂基材及び上記表示部を透過する結果、上記表示部の観察者は、画像光及び外光の両方を、その視野内で観察できる。
本実施形態の画像表示用導光板は、VR(仮想現実)技術又はAR(拡張現実)技術を用いた表示装置等に用いることができ、例えば、車載用ディスプレイ又は屋外で使用させるスポーツサングラスに用いることができる。
また、本実施形態の画像表示用導光板は、ディスプレイ用途の他に、自動車搭載用のヘッドアップディスプレイ(HUD、Head-Up Display)のコンバイナ又は反射型液晶表示デバイス用の反射板に代表されるホログラム光学素子(HOE、Holographic Optical Element)等の装置に用いることができる。
以下、図1に示す例に基づいて、本実施形態の画像表示用導光板の一例の詳細構成を説明する。図1は、本発明の実施形態の画像表示用導光板の一例を示す模式的な断面図である。
図1に示す画像表示用導光板8では、厚み方向において、第1樹脂基材1、第1アンカーコート層2、第1バリア層3、ホログラム層4、第2バリア層5、第2アンカーコート層6及び第2樹脂基材7がこの順に配置される。
画像表示用導光板8の平面視形状は、特に限定されない。例えば、画像表示用導光板8は、用いられる表示装置に取り付け可能な形状に整形されていてもよい。
例えば、画像表示用導光板8は、表示装置に取り付ける形状よりも大きな矩形板であってもよい。この場合、画像表示用導光板8は、表示装置に組み立てられる前に、表示装置に取り付け可能な形状に切断されるなどして成形される。
画像表示用導光板8は、平板状であってもよいし、必要に応じて湾曲板状であってもよい。
以下では、画像表示用導光板8が平面視矩形状の平板からなる場合の例で説明する。
[第1積層体]
第1積層体は、第1樹脂基材1、第1アンカーコート層2及び第1バリア層3をこの順に備える。画像表示用導光板8は、第1積層体をホログラム層4の表面に配置することにより、ホログラム層の劣化を抑制し、かつ、良好な光学特性を得られる。
(光学特性)
第1積層体の全光線透過率は、特に限定されないが、90%以上が好ましく、91%以上がより好ましく、92%以上がさらに好ましい。第1積層体の全光線透過率が90%以上であると、画像表示用導光板8の輝度値がより良好となる。
また、同様の観点から、第1積層体のヘーズは0.1%未満が好ましく、0.08%未満がより好ましく、0.06%未満がさらに好ましく、0.05%未満がよりさらに好ましい。
分光色彩計によって測定される第1積層体のb*の絶対値は0.8未満が好ましく、0.6未満がより好ましく、0.5未満がさらに好ましい。さらにその中でも、0.4未満がより好ましく、0.3未満がさらに好ましく、0.1未満がよりさらに好ましい。第1積層体のb*の絶対値が0.8未満であると、画像表示用導光板8の輝度値及び鮮明性がより良好となる。
(バリア性)
第1積層体の水蒸気透過率は、0.01g/m/day未満が好ましく、0.008g/m/day未満がより好ましく、0.006g/m/day未満がさらに好ましく、0.004g/m/day未満がよりさらに好ましい。第1積層体の水蒸気透過率が0.01g/m/day未満であると、ホログラム層4の劣化をより抑制できる。
[第1樹脂基材1]
第1樹脂基材1は、画像表示用導光板8の厚み方向の最外部に配置される。第1樹脂基材1は、画像表示用導光板8における表示画像出射側の表面に配置される。
第1樹脂基材1は、画像表示用導光板8の外形と同様の形状を有する。
第1樹脂基材1は、ホログラム層4から出射される画像光と、後述する第2樹脂基材7及びホログラム層4を透過する外光とを透過する。
第1樹脂基材1の厚みは、特に限定されないが、0.05~10mmが好ましい。
第1樹脂基材1の厚みの下限は特に限定されないが、耐擦傷性を良好にする観点から、0.1mm以上が好ましく、0.2mm以上がより好ましい。
また、第1樹脂基材1の厚みの上限は特に限定されないが、成形加工性及び全光線透過率を良好にする観点から、5mm以下が好ましく、3mm以下がより好ましく、2mm以下がさらに好ましい。
なお、本明細書において第1樹脂基材1の厚みは、触針を用いるダイヤルゲージ式又はマイクロメーター等で測定できる。
第1樹脂基材1の全光線透過率は、特に限定されないが、80%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。第1樹脂基材1の全光線透過率が80%以上であると、画像表示用導光板8の輝度値がより良好となる。
第1樹脂基材1は、光学特性、耐衝撃性、耐擦傷性及び成形加工性をより良好にする観点から、熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレン、プロピレン及びブテン等のアルケンの単独重合体又は共重合体等のポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂等の非晶質ポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース及びセロファン等のセルロース系樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12及び共重合ナイロン等のポリアミド系樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体部分加水分解物(EVOH)、ポリイミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリアリレート系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニル、セルロース、アセチルセルロース、ポリ塩化ビニリデン、ポリフェニレンスルフィド、ポリウレタン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリノルボルネン、スチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体(SIBS)、アリルジグリコールカーボネート、並びに生分解性樹脂等の有機材料が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、第1樹脂基材1は、上記熱可塑性樹脂からなる群から選ばれる2種以上の材料からなる層が積層された構成であってもよい。
本発明においては、透明性の観点から、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂及びポリカーボネート系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
これらのなかでも、耐擦傷性及び成形加工性に優れている点でポリ(メタ)アクリル系樹脂が好ましい。
(ポリ(メタ)アクリル系樹脂)
上記ポリ(メタ)アクリル系樹脂を構成する単量体としては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸、アクリル酸、ベンジル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アクリル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、コハク酸2-(メタ)アクロイルオキシエチル、マレイン酸2-(メタ)アクロイルオキシエチル、フタル酸2-(メタ)アクロイルオキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸2-(メタ)アクリオイルオキシエチル、ペンタメチルピペリジル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、及びジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの単量体は、単独で重合して使用してもよく、2種以上を重合して使用してもよい。
また、上記ポリ(メタ)アクリル系樹脂を構成する単量体と共重合可能なその他の単量体を添加してもよい。上記その他の単量体は、単官能単量体、すなわち分子内に重合性の炭素-炭素二重結合を1個有する化合物であってもよいし、多官能単量体、すなわち分子内に重合性の炭素-炭素二重結合を少なくとも2個有する化合物であってもよい。
上記単官能単量体としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン及びビニルトルエン等の芳香族アルケニル化合物、アクリロニトリル及びメタクリロニトリル等のアルケニルシアン化合物、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、並びにN-置換マレイミドが挙げられる。
また、上記多官能単量体としては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジメタクリレート及びトリメチロールプロパントリアクリレート等の多価アルコールのポリ不飽和カルボン酸エステル、アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル及びケイ皮酸アリル等の不飽和カルボン酸のアルケニルエステル、フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、トリアリルシアヌレート及びトリアリルイソシアヌレート等の多塩基酸のポリアルケニルエステル、並びにジビニルベンゼン等の芳香族ポリアルケニル化合物が挙げられる。
上記単官能単量体及び上記多官能単量体は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ポリ(メタ)アクリル系樹脂は、前述した単量体成分を、懸濁重合、乳化重合又は塊状重合等の公知の方法で重合させることにより製造できる。
[第1アンカーコート層2]
第1アンカーコート層2は、第1樹脂基材1と第1バリア層3との間に配置される。
第1アンカーコート層2を設けることによって、第1樹脂基材1と第1バリア層3との密着性が向上し、バリア性が良好になる。
第1アンカーコート層2は、後述する第1バリア層3がドライ成膜によって形成される場合に生じる残留応力を緩和する役割も果たす。さらには、湿熱環境下(例えば、40℃、90%RH)における第1バリア層3の変形を抑え、画像表示用導光板8のヘーズの上昇を防ぐこともできる。
第1バリア層3の残留応力を十分に緩和する観点から、第1アンカーコート層2の厚みは、1nm以上が好ましく、3nm以上がより好ましく、5nm以上がさらに好ましい。
一方、第1バリア層3が残留応力によって大きく変形しすぎないようにする観点から、第1アンカーコート層2の厚みは、200nm以下が好ましく、150nm以下がより好ましく、100nm以下がさらに好ましい。
また、第1バリア層3の残留応力を十分に緩和し、第1バリア層3が残留応力によって大きく変形しすぎないようにする観点から、第1アンカーコート層2の厚みは、1~200nmが好ましく、3~150nmがより好ましく、5~100nmがさらに好ましい。
第1樹脂基材1がポリ(メタ)アクリル系樹脂のような吸湿性の高い樹脂で形成される場合には、湿熱環境下で第1樹脂基材1が膨張することがある。この第1樹脂基材1の湿熱環境下での膨張に追随できるようにする観点から、第1アンカーコート層2の粘弾性測定におけるtanδピーク温度は、80℃以下が好ましく、75℃以下がより好ましい。
一方、第1バリア層3の残留応力によって、第1アンカーコート層2が大きく変形しすぎないようにする観点から、第1アンカーコート層2の粘弾性測定におけるtanδピーク温度は10℃以上が好ましく、15℃以上がより好ましく、20℃以上がさらに好ましい。
また、第1樹脂基材1の湿熱環境下での膨張に第1アンカーコート層2が追随できるようにし、第1バリア層3の残留応力によって、第1アンカーコート層2が大きく変形しすぎないようにする観点から、第1アンカーコート層2の粘弾性測定におけるtanδピーク温度は、10~80℃が好ましく、15~80℃がより好ましく、20~75℃がさらに好ましい。
なお、本明細書において、tanδピーク温度は、第1アンカーコート層2から厚み200μmのシートを作製し、動的粘弾性測定装置(DVA-200、アイティー計測制御社製)を用いて、周波数1Hz、昇温速度3℃/分、測定温度-50~200℃の条件で粘弾性測定を行ったときの、損失正接(tanδ)のピーク温度である。
第1アンカーコート層2の全光線透過率は、特に限定されないが、80%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。第1アンカーコート層2の全光線透過率が80%以上であると、画像表示用導光板8の輝度値が良好となる。
また、第1樹脂基材1及び第1バリア層3の平均屈折率をn1とした場合、第1アンカーコート層2の屈折率n2は、n1±0.20の範囲内が好ましく、n1±0.15の範囲内がより好ましく、n1±0.10の範囲内がさらに好ましい。第1アンカーコート層2の屈折率n2がn1±0.20の範囲内であると、画像表示用導光板8の輝度値が良好となるとともに、色ムラを防止できる。
なお、屈折率は、アッベ屈折計(NAR-4T、アタゴ社製)で測定した屈折率である。
第1アンカーコート層2の材料は、特に限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂又は硬化性樹脂が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、フッ素系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、熱可塑性ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルシリコン系樹脂、ポリエステル系樹脂及びポリフェニレンサルファイド系樹脂が挙げられる。
硬化性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂及びシリコーン系樹脂が挙げられる。
なかでも、水蒸気バリア性の観点からは熱可塑性樹脂としてのアクリル系樹脂又はポリエステル系樹脂が好ましい。
第1アンカーコート層2を構成する樹脂組成物には、シランカップリング剤、増感剤、架橋剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、界面活性剤、充填剤、離型剤及び上記以外の熱可塑性樹脂を添加してもよい。これらの添加物は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なかでも、第1アンカーコート層2は架橋剤を含むことが好ましい。架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、過酸化物系架橋剤、エポキシ系架橋剤及びイミン系架橋剤が挙げられ、イソシアネート系架橋剤が好ましい。架橋剤の含有量は、上記熱可塑性樹脂又は上記硬化性樹脂100質量部に対して、0~20質量部が好ましく、5~15質量部がより好ましい。
第1アンカーコート層2の形成方法としては、例えば、第1樹脂基材1に第1アンカーコート層2を形成する樹脂組成物を塗布して、さらにその上に第1バリア層3を積層し、この積層体をプレス、ニップロール、熱ラミネート等の方法で処理して形成させることができる。第1アンカーコート層2が硬化性樹脂からなる場合は、第1アンカーコート層2の形成に際して、硬化工程を含んでもよい。
[第1バリア層3]
第1バリア層3は、第1アンカーコート層2と後述するホログラム層4との間に配置される。
第1バリア層3は、画像表示用導光板8の外部及び第1樹脂基材1から浸透する、水蒸気、酸素等のガスがホログラム層4に浸透して劣化させることを防止する。
よって、第1バリア層3の酸素透過率及び水蒸気透過率は、小さければ小さいほど好ましい。
第1バリア層3の酸素透過率は、1cm/m/day/atm以下が好ましい。
また、第1バリア層3の水蒸気透過率は、1g/m/day以下が好ましく、0.5g/m/day以下がより好ましく、0.1g/m/day以下がさらに好ましい。
ここで、酸素透過率は、酸素透過率測定装置(OX-TRAN 2/21、MOCON社製)を用いて測定した酸素透過率である。また、水蒸気透過率は、水蒸気透過率測定装置(DELTAPERM、Technolox社製)を用いて測定した水蒸気透過率である。
第1バリア層3は、ケイ素酸窒化物を主成分とする。ここで「第1バリア層3の主成分」とは、第1バリア層3を構成する全成分のうち50質量%以上を占める成分をいう。第1バリア層3のケイ素酸窒化物の割合は、第1バリア層の全質量に対して、50質量%以上であれば特に限定されないが、60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましい。
X線光電分子光法(XPS:X-ray Photoelectron Spectroscopy)により求められる第1バリア層3中の窒素元素組成は、0atm%超25atm%以下であり、2atm%以上23atm%以下が好ましく、5atm%以上20atm%以下がより好ましく、10atm%以上17atm%以下がさらに好ましい。窒素元素組成が上記範囲内であると、第1バリア層3の透明性が高くなるため、画像表示用導光板8の光学特性が良好となる。
第1バリア層3がドライ成膜によって形成される場合、第1バリア層3を外側にする方向にカールするような残留応力が生じる場合がある。この残留応力が大きくなりすぎないようにする観点から、第1バリア層3の厚みは、150nm以下が好ましく、130nm以下がより好ましい。
一方、バリア性を良好にする観点から、第1バリア層3の厚みは、5nm以上が好ましく、10nm以上がより好ましい。
また、第1バリア層3の残留応力による変形を防ぐ観点から、第1アンカーコート層2と第1バリア層3との合計厚みは、300nm以下が好ましく、250nm以下がより好ましく、200nm以下がさらに好ましい。
一方、上記残留応力を第1アンカーコート層2で十分に緩和し、第1バリア層3によるバリア性も良好にする観点から、第1アンカーコート層2と第1バリア層3との合計厚みは、30nm以上が好ましく、50nm以上がより好ましい。
第1バリア層3は、第1樹脂基材1よりも高い屈折率を有することが好ましい。例えば、第1樹脂基材1としてアクリル系樹脂を用いる場合は、第1バリア層3の屈折率は1.48以上が好ましく、1.48以上3.0以下がより好ましい。第1バリア層3が第1樹脂基材1よりも高い屈折率を有していれば、第1バリア層3を経由して第1樹脂基材1を透過する光は、光学的に密な第1バリア層3から光学的に粗な第1樹脂基材1に入射することになり、第1バリア層3から第1樹脂基材1に向かう光の出射角が、第1バリア層3と第1樹脂基材1との屈折率差に応じて大きくなる。これにより、本画像表示用導光板におけるFOV(Field of View)を広げることができる。
第1バリア層3は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法又はプラズマCVD法等の従来知られている成膜方法で形成できる。なかでも、良好なバリア性が得られ、画像表示用導光板8の鮮明性を良好にする観点から、成膜方法としては、スパッタリング法が好ましい。
第1アンカーコート層2と第1バリア層3との接着性を向上させるために、第1アンカーコート層2の表面にコロナ放電処理又は低温プラズマ処理を施したり、シランカップリング剤を塗布したり、又は飽和ポリエステルとイソシアネートとの混合物を塗布したりする等の表面処理を施してもよい。
第1バリア層3を、例えば、真空蒸着法によって成膜する場合は、蒸発物質としてケイ素、一酸化ケイ素、二酸化ケイ素、ケイ素酸窒化物又はこれらの混合物を用い、1.0×10-3~2.0×10-1Paの真空下で、電子ビーム、抵抗加熱又は高周波加熱方式で加熱蒸発させる。
また、成膜方法としては、例えば、酸素ガス又は窒素ガスを供給しながら行う反応蒸着法も採用できる。
また、スパッタリング法によって成膜する場合には、例えば、ターゲットとしてケイ素、一酸化ケイ素、二酸化ケイ素、ケイ素酸窒化物又はこれらの混合物を用い、1.0×10-2~5.0×10-1Paの真空下で、成膜できる。
また、上記スパッタリング法としては、例えば、酸素ガス、窒素ガス又はアルゴンガスを供給しながら行う反応性スパッタ法も採用できる。
第1バリア層3中の窒素元素組成は、成膜時の窒素流量、電力及び成膜圧力によって調整できる。
特に窒素元素組成を0atm%超25atm%以下とするために、酸素流量O[sccm]と窒素流量N[sccm]の比O/Nは0.10~1.5が好ましく、0.12~1.0がより好ましく、0.15以上がさらに好ましい。
また、電力は1000~2000Wが好ましい。O/Nと電力は相互に影響するため、O/Nが0.10以上0.15未満の場合は、電力を1000W以上1500W未満とすることが好ましく、O/Nが0.15以上1.5以下の場合は、電力を1500W以上2000W以下とすることが好ましい。
また、成膜圧力は1.0×10-2~2.0×10-1Paが好ましく、5.0×10-2~1.5×10-1Paが好ましい。
第1バリア層3を形成するケイ素酸窒化物には、その中に不純物としてカルシウム、マグネシウム又はそれらの酸化物が10質量%以下混入していてもよい。
また、第1バリア層3は、上記ケイ素酸窒化物以外に、無機材料を含んでいてもよい。上記無機材料としては、例えば、ケイ素酸化物、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)及びアルミニウム酸化物が挙げられる。
[ホログラム層4]
ホログラム層4は、第1バリア層3の表面のうち第1アンカーコート層2が密着している面とは反対側の表面に配置される。ホログラム層4には、画像表示用導光板8が備えるべき機能に対応する回折格子が適宜形成されている。
ホログラム層4の材料は特に限定されず、公知のホログラム形成用樹脂材料を用いることができる。
ホログラム層4の材料としては、例えば、溶媒可溶性でカチオン重合可能なエチレンオキシド環を構造単位中に少なくともひとつ有する熱硬化性樹脂と、ラジカル重合可能なエチレン性モノマーとを含むホログラム記録材料(特開平9-62169号公報、特開平11-161141号公報及び特開2002-310932号公報を参照)が挙げられる。
具体的には、ホログラム層4は、ビスフェノール系エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂と、トリエチレングリコールジアクリレート等の(メタ)アクリレートと、4、4’-ビス(tert-ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート等の光重合開始剤と、3,3’-カルボニルビス(7-ジエチルアミノ)クマリン等の波長増感剤と、2-ブタノン等の有機溶剤とを含む感光材料から形成されることが好ましい。
[第2積層体]
第2積層体は、第2バリア層5、第2アンカーコート層6及び第2樹脂基材7をこの順に備える。第2積層体の各種物性は、第1積層体と相違していてもよい。
[第2バリア層5]
第2バリア層5は、ホログラム層4を介して第1バリア層3の反対側に積層される。第2バリア層5としては、第1バリア層3の説明において例示されたものと同様の構成が用いられる。ただし、第2バリア層5の厚み及び材料等は、第1バリア層3と相違していてもよい。
[第2アンカーコート層6]
第2アンカーコート層6は、第2バリア層5と第2樹脂基材7との間に配置される。第2アンカーコート層6としては、第1アンカーコート層2の説明において例示されたものと同様の構成が用いられる。ただし、第2アンカーコート層6の厚み及び材料等は、第1アンカーコート層2と相違していてもよい。
[第2樹脂基材7]
第2樹脂基材7は、第2バリア層5の表面に積層されている。第2樹脂基材7としては、第1樹脂基材1の説明において例示されたものと同様の構成が用いられる。ただし、第2樹脂基材7の厚み及び材料等は、第1樹脂基材1と相違していてもよい。特に、第2樹脂基材7は、画像表示用導光板8における表示画像出射側と反対に位置する外光入射側の表面に配置されるので、第1樹脂基材1に比べて表面硬度が高い材料が用いられてもよい。
[画像表示用導光板8]
画像表示用導光板8は、第1樹脂基材1とホログラム層4との間及び第2樹脂基材7とホログラム層4との間に、それぞれ第1アンカーコート層2と第1バリア層3、第2バリア層5と第2アンカーコート層6が配置される。
画像表示用導光板8の外部のガスは、ある程度、第1樹脂基材1及び第2樹脂基材7を透過したり、内部に蓄積したりする。このとき、第1樹脂基材1及び第2樹脂基材7には、特に水分が蓄積しやすい。
しかし、本実施形態の構成によれば、外部から第1樹脂基材1及び第2樹脂基材7に浸透した水分を第1バリア層3及び第2バリア層5で遮蔽できるので、ホログラム層4への水蒸気の浸透が抑制され、ホログラム層4の劣化を防止できる。
また、第1樹脂基材1及び第2樹脂基材7の耐薬品性は、樹脂材料の種類によって程度の差はあるが、ガラスに比べると格段に低い。このため、第1樹脂基材1及び第2樹脂基材7は、ガラスよりもより低い耐溶剤性及び耐ホログラム材料性を有している。
第1樹脂基材1及び第2樹脂基材7がホログラム層4と接触している場合、ホログラム層4の構成成分であるホログラム剤が第1樹脂基材1及び第2樹脂基材7を透過したり、第1樹脂基材1及び第2樹脂基材7の内部にホログラム剤が蓄積したりしやすい。第1樹脂基材1及び第2樹脂基材7がホログラム剤に曝されると、第1樹脂基材1及び第2樹脂基材7が劣化し、FOV(Field of View)の低下及び鮮明度の低下が起こりやすくなる。
しかし、本実施形態の構成によれば、第1樹脂基材1及び第2樹脂基材7とホログラム層4との間に、それぞれ第1バリア層3及び第2バリア層5を設けることにより、第1樹脂基材1及び第2樹脂基材7へのホログラム剤の浸透が抑制されることで、第1樹脂基材1の劣化も防止できる。
[ハードコート層]
本実施形態の画像表示用導光板は、第1樹脂基材の表面の鉛筆硬度を高める目的で、又は、第1バリア層の表面粗さSaを小さくする目的で、第1樹脂基材の、一方の表面又は両方の表面に、ハードコート層を有していてもよい。
上記ハードコート層は硬化性樹脂組成物から形成されることが好ましい。上記硬化性樹脂組成物は、特に限定されないが、電子線、放射線若しくは紫外線等のエネルギー線を照射することにより硬化するもの又は加熱により硬化するものが好ましく、成形時間及び生産性の観点から、紫外線硬化性樹脂組成物がより好ましい。
上記硬化性樹脂組成物を構成する硬化性樹脂として、例えば、アクリレート化合物、ウレタンアクリレート化合物、エポキシアクリレート化合物、カルボキシル基変性エポキシアクリレート化合物、ポリエステルアクリレート化合物、共重合系アクリレート、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエーテルエポキシ樹脂、ビニルエーテル化合物及びオキセタン化合物等が挙げられる。上記硬化性樹脂は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの硬化性樹脂のなかでも、上記ハードコート層に優れた表面硬度を付与できることから、多官能アクリレート化合物、多官能ウレタンアクリレート化合物若しくは多官能エポキシアクリレート化合物等のラジカル重合系の硬化性化合物、又はアルコキシシラン若しくはアルキルアルコキシシラン等の熱重合系の硬化性化合物が好ましい。
上記ハードコート層を形成する硬化性樹脂組成物は、表面調整成分としてレベリング剤を含んでもよい。上記レベリング剤としては、例えば、フッ素系レベリング剤、シリコーン系レベリング剤及びアクリル系レベリング剤が挙げられる。これらのレベリング剤のなかでも、上記ハードコート層の表面に第1バリア層を積層した際に、優れた密着性を確保できることから、アクリル系レベリング剤が好ましい。
上記硬化性樹脂組成物を紫外線で硬化させる場合は、光重合開始剤を使用する。上記光重合開始剤としては、例えば、ベンジル、ベンゾフェノン及びその誘導体、チオキサントン類、ベンジルジメチルケタール類、α-ヒドロキシアルキルフェノン類、ヒドロキシケトン類、アミノアルキルフェノン類並びにアシルホスフィンオキサイド類が挙げられる。上記光重合開始剤の添加量は、通常、上記硬化性樹脂組成物100質量部に対して、0.1~8質量部である。
上記ハードコート層を形成する硬化性樹脂組成物は、屈折率調整成分を含んでもよい。上記屈折率調整成分としては、例えば、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム若しくは酸化チタン等の高屈折率金属化合物の微粒子又はフッ化マグネシウム等の低屈折率金属化合物の微粒子等の屈折率調整成分の微粒子が挙げられる。ここで、上記屈折率調整成分の微粒子のサイズが5~50nmであると、上記ハードコート層の透明性及び全光線透過率を損なうことがないので好ましい。また、上記屈折率調整成分の微粒子を、あらかじめ上記硬化性樹脂組成物との混合物にしておいたものを、上記ハードコート層を形成する硬化性樹脂組成物に混合して、含ませてもよい。また、上記屈折率調整成分の微粒子を、あらかじめ上記硬化性樹脂組成物との混合物にしておいたものをそのまま、上記ハードコート層を形成する硬化性樹脂組成物としてもよい。上記屈折率調整成分の微粒子を、あらかじめ上記硬化性樹脂組成物との混合物としたものとしては、市販品が存在する。このような市販品としては、例えば、リオデュラスTYZ、リオデュラスTYT及びリオデュラスTYM(以上、トーヨーケム社製)が挙げられる。
ハードコート層を形成する硬化性樹脂組成物は、上述した成分の他に、例えば、ケイ素系化合物、フッ素系化合物又はこれらの混合化合物等の滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、シリコーン系化合物等の難燃剤、フィラー、ガラス繊維及びシリカ等の添加剤を含んでもよい。これらの添加剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ハードコート層の厚みは、特に限定されないが、1~20μmが好ましい。ハードコート層の厚みが1μm以上であると、第1樹脂基材1の表面により十分な硬度を付与できる。また、ハードコート層の厚みが20μm以下であると、第1樹脂基材1に成形加工性及び断裁性をさらに確保できる。さらに、ハードコート層の硬化収縮がさらに抑制されて、第1樹脂基材1の反り及びうねりを生じさせない点でも好ましい。
第1樹脂基材1の屈折率をnaとした場合、ハードコート層の屈折率nbは、na±0.20の範囲内が好ましく、na±0.15の範囲内がより好ましく、na±0.10の範囲内がさらに好ましい。ハードコート層の屈折率nbがna±0.20の範囲内であると、画像表示用導光板8の輝度値がより良好になるとともに、色ムラをさらに防止できる。
ハードコート層の形成方法としては、例えば、硬化性樹脂組成物の塗料として第1樹脂基材1の表面に塗工した後、硬化膜とすることにより、第1樹脂基材1の表面に形成、積層する方法が挙げられるが、この方法に限定されない。
第1樹脂基材1との積層方法としては、公知の方法が使用される。上記公知の方法としては、例えば、ディップコート法、ナチュラルコート法、リバースコート法、カンマコーター法、ロールコート法、スピンコート法、ワイヤーバー法、エクストルージョン法、カーテンコート法、スプレーコート法及びグラビアコート法が挙げられる。その他、例えば、離型層にハードコート層が形成された転写シートを用いて、ハードコート層を第1樹脂基材1に積層する方法を採用してもよい。
なお、ハードコート層と第1樹脂基材1の密着性を向上させる目的で、第1樹脂基材1の表面にあらかじめ下地膜(プライマー層)を設けておいてもよい。
<画像表示用導光板の製造方法>
本実施形態の画像表示用導光板の製造方法の一例として、図1に示される画像表示用導光板8の製造方法について説明する。
第1樹脂基材1及び第2樹脂基材7が準備され([基材準備工程])、第1樹脂基材1及び第2樹脂基材7の表面に、第1アンカーコート層2及び第2アンカーコート層6を介して第1バリア層3及び第2バリア層5がそれぞれ形成される([バリア層形成工程])。第1バリア層3及び第2バリア層5の製造方法としては、第1バリア層3及び第2バリア層5の材料に応じて適宜の製造方法が選択される。
例えば、第1バリア層3が形成された第1樹脂基材1における第1バリア層3の表面に、ホログラム形成用の感光材料が塗布される。このとき、第1バリア層3の外周部には、ホログラム層4と同厚みの透明なシール層が設けられてもよい。シール層は、感光材料からホログラム層4が形成された後にホログラム層4の外周部をシールする。シール層は、透明材料からなり、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂又はエン・チオール樹脂等が用いられる。
この後、感光材料上に、第2バリア層5が形成された第2樹脂基材7が、第2バリア層5を感光材料の方に向けられた状態で載置される([導光板作製工程])。
ただし、上述の製造順序は一例である。例えば、第2バリア層5が形成された第2樹脂基材7に感光材料が塗布されてから、第1バリア層3が形成された第1樹脂基材1がホログラム層4上に載置されてもよい。
この後、減圧プレスによって、第1樹脂基材1、第1アンカーコート層2、第1バリア層3、ホログラム層4、第2バリア層5、第2アンカーコート層6及び第2樹脂基材7の各層が貼り合わせられ、画像表示用導光板8が得られる。
この後、感光材料に回折パターンに対応した干渉縞を形成し、感光材料中に、回折格子を形成する。
以下、実施例及び製造例によって本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は後述する実施例及び製造例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り種々の変形が可能である。
<実施例1>
樹脂基材の材料としては、PMMA(ポリメチルメタクリレート、商品名「アクリライト(登録商標)、三菱ケミカル社製)を用いる。樹脂基材は、幅200mm×長さ200mm×厚み1mmの矩形板とする。
ハードコート層の材料としては、アクリル系UV硬化樹脂(商品名「紫光UV1700B」、三菱ケミカル社製)を用いる。
アンカーコート層の材料としては、アクリル系樹脂1とイソシアネート化合物とを10:1質量比で配合したアンカーコート液1(表1では「AC-1」と表記、tanδピーク温度:78℃)を用いる。
バリア層の材料としては、ケイ素酸窒化物を用いる。
上記材料を用いて、以下に説明する基材準備工程及びバリア層形成工程を行って、積層体を作製する。
[基材準備工程]
基材準備工程では、樹脂基材の洗浄及び乾燥を行ったあと、樹脂基材上にハードコート層を形成する。
樹脂基材を200mm×200mmの矩形状に切り出し、中性洗浄剤(商品名「セミクリーン(登録商標)M-LO」、横浜油脂工業社製)の5%界面活性剤水溶液に浸漬させた状態で5分間超音波洗浄する。
この後、樹脂基材は、超純水に浸漬させた状態で5分間超音波洗浄する。さらに、超純水による樹脂基材のすすぎを行い、樹脂基材は風乾後に80℃のオーブンで窒素雰囲気下にて乾燥する。この後、風乾した評価サンプルは、UVオゾン洗浄機にて1分間、UVオゾン洗浄する。
次いで、樹脂基材の両表面にハードコート層の材料であるアクリル系UV硬化樹脂をバーコーターで塗布し、90℃で1分間乾燥後、積算光量500mJ/cmで両表面を露光し、厚み5μmのハードコート層を設ける。
[バリア層形成工程]
バリア層形成工程では、ハードコート層の表面にアンカーコート層を介してバリア層を形成する。
ハードコート層の表面にアンカーコート液1をバーコーターで塗布し、60℃で1分間乾燥し、厚み200nmのアンカーコート層を設ける。
ターゲットとしてケイ素(株式会社高純度化学研究所製)を用いた反応性スパッタ法により、表1に記載の条件で、酸素ガス、窒素ガス、アルゴンガスを供給しながら厚さ100nmのケイ素酸窒化物の成膜を実施する。
以上の操作により、ハードコート層/樹脂基材/ハードコート層/アンカーコート層(AC-1、200nm)/バリア層(ケイ素酸窒化物、100nm)からなる実施例1の積層体が得られる。
表1に、実施例1の積層体の、樹脂基材の材料(樹脂基材 材料)、ハードコート層の材料(ハードコート層 材料)、アンカーコート層の材料(AC層 材料)、バリア層の成膜圧力(成膜圧力[Pa])、成膜時の電力(電力[W])、Arの流量(Ar[sccm])、Oの流量(O[sccm])及びNの流量(N[sccm])並びにバリア層の厚み(厚み[nm])を示す。
<実施例2>
実施例2では、アンカーコート層の材料をアクリル系樹脂2とイソシアネート化合物とを10:1質量比で配合したアンカーコート液2(表1では「AC-2」と表記、tanδピーク温度:56℃)とし、アンカーコート層の厚みと、バリア層の厚み及び成膜条件を表1の通りに変更すること以外は、実施例1と同じ方法で積層体を作製する。
すなわち、実施例2の積層体は、ハードコート層/樹脂基材/ハードコート層/アンカーコート層(AC-2、100nm)/バリア層(ケイ素酸窒化物、100nm)からなる。
表1に、実施例2の積層体の、樹脂基材の材料(樹脂基材 材料)、ハードコート層の材料(ハードコート層 材料)、アンカーコート層の材料(AC層 材料)、バリア層の成膜圧力(成膜圧力[Pa])、成膜時の電力(電力[W])、Arの流量(Ar[sccm])、Oの流量(O[sccm])及びNの流量(N[sccm])並びにバリア層の厚み(厚み[nm])を示す。
<実施例3>
実施例3では、アンカーコート層の厚みと、バリア層の厚み及び成膜条件を表1の通りに変更すること以外は、実施例2と同じ方法で積層体を作製する。
すなわち、実施例3の積層体は、ハードコート層/樹脂基材/ハードコート層/アンカーコート層(AC-2、50nm)/バリア層(ケイ素酸窒化物、30nm)からなる。
表1に、実施例3の積層体の、樹脂基材の材料(樹脂基材 材料)、ハードコート層の材料(ハードコート層 材料)、アンカーコート層の材料(AC層 材料)、バリア層の成膜圧力(成膜圧力[Pa])、成膜時の電力(電力[W])、Arの流量(Ar[sccm])、Oの流量(O[sccm])及びNの流量(N[sccm])並びにバリア層の厚み(厚み[nm])を示す。
<実施例4>
実施例4では、アンカーコート層の材料をポリエステル系樹脂1とイソシアネート化合物とを10:1質量比で配合したアンカーコート液3(表1では「AC-3」と表記、tanδピーク温度:32℃)とし、アンカーコート層の厚みと、バリア層の厚み及び成膜条件を表1の通りに変更すること以外は、実施例1と同じ方法で積層体を作製する。
すなわち、実施例4の積層体は、ハードコート層/樹脂基材/ハードコート層/アンカーコート層(AC-3、50nm)/バリア層(ケイ素酸窒化物、40nm)からなる。
表1に、実施例4の積層体の、樹脂基材の材料(樹脂基材 材料)、ハードコート層の材料(ハードコート層 材料)、アンカーコート層の材料(AC層 材料)、バリア層の成膜圧力(成膜圧力[Pa])、成膜時の電力(電力[W])、Arの流量(Ar[sccm])、Oの流量(O[sccm])及びNの流量(N[sccm])並びにバリア層の厚み(厚み[nm])を示す。
<実施例5>
実施例5では、アンカーコート層の材料をポリエステル系樹脂2とイソシアネート化合物とを10:1質量比で配合したアンカーコート液4(表1では「AC-4」と表記、tanδピーク温度:20℃)とし、アンカーコート層の厚みと、バリア層の厚み及び成膜条件を表1の通りに変更すること以外は、実施例1と同じ方法で積層体を作製する。
すなわち、実施例5の積層体は、ハードコート層/樹脂基材/ハードコート層/アンカーコート層(AC-4、25nm)/バリア層(ケイ素酸窒化物、130nm)からなる。
表1に、実施例5の積層体の、樹脂基材の材料(樹脂基材 材料)、ハードコート層の材料(ハードコート層 材料)、アンカーコート層の材料(AC層 材料)、バリア層の成膜圧力(成膜圧力[Pa])、成膜時の電力(電力[W])、Arの流量(Ar[sccm])、Oの流量(O[sccm])及びNの流量(N[sccm])並びにバリア層の厚み(厚み[nm])を示す。
<比較例1>
比較例1では、アンカーコート層の材料をアクリル系樹脂3とイソシアネート化合物とを10:1質量比で配合したアンカーコート液5(表1では「AC-5」と表記、tanδピーク温度:72℃)とし、アンカーコート層の厚みと、バリア層の厚み及び成膜条件を表1の通りに変更すること以外は、実施例1と同じ方法で積層体を作製する。
すなわち、比較例1の積層体は、ハードコート層/樹脂基材/ハードコート層/アンカーコート層(AC-5、150nm)/バリア層(ケイ素酸窒化物、50nm)からなる。
表1に、比較例1の積層体の、樹脂基材の材料(樹脂基材 材料)、ハードコート層の材料(ハードコート層 材料)、アンカーコート層の材料(AC層 材料)、バリア層の成膜圧力(成膜圧力[Pa])、成膜時の電力(電力[W])、Arの流量(Ar[sccm])、Oの流量(O[sccm])及びNの流量(N[sccm])並びにバリア層の厚み(厚み[nm])を示す。
<比較例2>
比較例2では、アンカーコート層の厚みと、バリア層の厚み及び成膜条件を表1の通りに変更すること以外は、実施例4と同じ方法で積層体を作製する。
すなわち、比較例2の積層体は、ハードコート層/樹脂基材/ハードコート層/アンカーコート層(AC-3、100nm)/バリア層(ケイ素酸窒化物、210nm)からなる。
表1に、比較例2の積層体の、樹脂基材の材料(樹脂基材 材料)、ハードコート層の材料(ハードコート層 材料)、アンカーコート層の材料(AC層 材料)、バリア層の成膜圧力(成膜圧力[Pa])、成膜時の電力(電力[W])、Arの流量(Ar[sccm])、Oの流量(O[sccm])及びNの流量(N[sccm])並びにバリア層の厚み(厚み[nm])を示す。
<測定及び評価方法>
実施例及び比較例で得られた積層体の各種物性値の測定方法及び評価方法を説明する。
(tanδピーク温度)
実施例及び比較例のアンカーコート液1~5を80℃で乾燥させ、厚み200μmのシートを作製する。
作製したシートを動的粘弾性測定装置(DVA-200、アイティー計測制御社製)を用いて、周波数1Hz、昇温速度3℃/分、測定温度-50~200℃の条件で粘弾性測定を行い、損失正接(tanδ)のピーク温度[℃]を求める。
(バリア層の元素組成)
実施例及び比較例の積層体について、X線光電子分光装置(K-Alpha、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を用いて、XPS(X線光電子分光法)により結合エネルギーを測定し、Si2P、O1S、N1S、C1Sに対応するピークの面積から換算することによって各元素組成[atm%]を算出する。
表2の「バリア層組成」の「Si[atm%]」、「O[atm%]」、「N[atm%]」、及び「C[atm%]」の欄に、それぞれ、各元素組成[atm%]の測定値を示す。
(全光線透過率及びヘーズ)
実施例及び比較例の積層体について、ヘーズメーター(NDH 7000II、日本電色工業製)を用いて、積層体のバリア層側が光源側になるように設置し、測定方法JIS(全光線透過率:JIS K 7361-1、ヘーズ:JIS K 7136)で、全光線透過率[%]及びヘーズ[%]を測定する。
また、実施例及び比較例の積層体を、温度40℃、相対湿度90%RHの条件に設定した恒温恒湿機に入れ、10日経過した後の全光線透過率[%]、ヘーズ[%]を同様に測定する。
表2の「全光線透過率[%]」及び「ヘーズ[%]」の「成膜直後」欄に、それぞれ、バリア層を成膜した直後の全光線透過率[%]とヘーズ[%]の測定値を示す。また、「全光線透過率[%]」及び「ヘーズ[%]」の「40℃90%10日後」欄に、積層体を、温度40℃、相対湿度90%RHの条件に設定した恒温恒湿機に入れ、10日経過した後の全光線透過率[%]とヘーズ[%]の測定値を示す。
(b*)
実施例及び比較例の積層体について、分光色彩計(SD 6000、日本電色工業製)を用いて、積層体のバリア層側が光源側になるように設置し、以下の条件(測定方法:透過、正反射光処理:SCI、光源:C、視野:2°)で、b*を測定する。
また、実施例及び比較例の積層体を、温度40℃、相対湿度90%RHの条件に設定した恒温恒湿機に入れ、10日経過した後のb*を同様に測定する。
表1の「b*」の「成膜直後」欄及び「40℃90%10日後」欄に、それぞれ、バリア層を成膜した直後のb*の測定値及び積層体を、温度40℃、相対湿度90%RHの条件に設定した恒温恒湿機に入れ、10日経過した後のb*の測定値を示す。
(水蒸気バリア性)
水蒸気透過率測定装置(DELTAPERM、Technolox社製)を用い、実施例及び比較例の積層体の第1バリア層側が検出器側(第1樹脂基材側が水蒸気暴露側)になる向きにセットし、温度40℃、相対湿度90%RHの条件で水蒸気透過率[g/m/day]を測定する。
表2の「水蒸気透過率[g/m/day]」欄に、水蒸気透過率の測定値を示す。
Figure 2022099540000002
Figure 2022099540000003
<結果の説明>
実施例1~5の積層体は、バリア層の窒素元素組成が0atm%超25atm%以下であることにより、全光線透過率、ヘーズ及びb*の全てにおいて良好な光学特性が得られる。これらの積層体は水蒸気透過率が低いことから、ホログラム層による劣化を防止する効果も高い。
また、これらの積層体は、40℃90%で10日保管しても光学特性が悪化しない。
<製造例1>
以下に、実施例1の積層体を用いた画像表示用導光板8の製造例を示す。
なお、ホログラム層4を形成するための感光材料としては、ビスフェノール系エポキシ樹脂jER(登録商標)1007(三菱ケミカル社製、重合度n=10.8、エポキシ当量:1750~2200)の100質量部と、トリエチレングリコールジアクリレートの50質量部及び4、4’-ビス(tert-ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェートの5質量部と、3,3’-カルボニルビス(7-ジエチルアミノ)クマリンの0.5質量部とを、2-ブタノンの100質量部に混合溶解したもの(以下「感光材料A」ともいう。)が用いられる。
(導光板作製工程)
製造例1の導光板作製工程では、実施例1の積層体2枚を用いて画像表示用導光板8が製造される。
一方の積層体のバリア層の周縁部に、幅5mm、厚み5μmのシール層が塗布される。
シール層は、透明材料からなり、積層体のバリア層同士を互いに接着できる材料であれば、特に限定されないが、製造例1では、光接着剤(デンカ社製、商品名「ハードロック(登録商標)OP-1045K」)が用いられる。
これにより、シール層で囲まれた開口部が50mm×50mmの大きさを有するシール層段差付き中間体が形成される。
この後、この中間体上に、ホログラム層4を形成する感光材料Aがスピンコートによって塗布される。感光材料Aは、乾燥後厚みが5μmになるように塗布される。
この後、他方の積層体を、そのバリア層がシール層段差付き中間体のバリア層と対向するように、シール層を介してホログラム層4上に積層し、減圧下にてプレス貼合する。プレス貼合の条件は、絶対圧5kPa、温度70℃、プレス圧0.04MPaである。
この後、プレス貼合されたホログラム層4に回折格子を記録する。この工程では、ホログラム層4を含む積層体の温度が20℃に保たれる。回折格子は、積層体に2つのレーザー光を照射し、それぞれの照射角度及び強度を調整することで、必要な回折パターンが形成されるように干渉縞が形成される。これにより、ホログラム層4に回折格子が記録される。
この回折格子は、入射部に入射した画像光として入射された赤色、緑色、青色の波長領域の各光を回折して、画像光の画素に対応する位置において、表示部から出射させるカラー表示用回折格子である。
この後、ホログラム層4を含む積層体を20℃に保った状態で、積層体の片面の方向から紫外光(波長365nm、放射照度80W/cm)を30秒間全面照射する。紫外光の光源としては、高圧水銀ランプが用いられる。
これにより、シール層が硬化し、製造例1の画像表示用導光板8が作製される。
本発明の画像表示用導光板は、例えば、VRアプリケーション及びARアプリケーションの表示装置用途に有用であり、例えば、ヘッドアップディスプレイ、ウェアラブルディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイ等の表示装置用途に有用である。
1 第1樹脂基材
2 第1アンカーコート層
3 第1バリア層
4 ホログラム層
5 第2バリア層
6 第2アンカーコート層
7 第2樹脂基材
8 画像表示用導光板

Claims (8)

  1. 第1樹脂基材、第1アンカーコート層及び第1バリア層をこの順に備える第1積層体と、ホログラム層と、を有し、前記第1バリア層が、ケイ素酸窒化物を主成分とし、X線光電分子光法(XPS)により求められる前記第1バリア層中の窒素元素組成が0atm%超25atm%以下である、画像表示用導光板。
  2. 前記第1樹脂基材が、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂及びポリカーボネート系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含む、請求項1に記載の画像表示用導光板。
  3. 前記第1アンカーコート層が、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂及びポリエステル系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含む、請求項1又は2に記載の画像表示用導光板。
  4. 前記第1積層体が、前記第1樹脂基材の両表面に第1ハードコート層を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の画像表示用導光板。
  5. 前記第1積層体の全光線透過率が90%以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載の画像表示用導光板。
  6. 前記第1積層体のヘーズが0.1%未満である、請求項1~5のいずれか1項に記載の画像表示用導光板。
  7. 分光色彩計によって測定される前記第1積層体のb*が0.5未満である、請求項1~6のいずれか1項に記載の画像表示用導光板。
  8. 前記第1積層体の水蒸気透過率が0.01g/m/day未満である、請求項1~7のいずれか1項に記載の画像表示用導光板。
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