JP2022099305A - 電動舶用推進システムおよび制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】船舶を推進させるように構成された電動舶用推進システムを制御する。【解決手段】電動舶用推進システム内の電動モータの少なくとも1つのパラメータを測定すること、およびパラメータ測定値が電動舶用推進システムにおける異常を示していると決定することを含む方法。次いで、少なくとも1つのパラメータ測定値に基づいて、トルク限界、RPM限界、電流限界および電力限界のうちの少なくとも1つを含む引き下げ動作限界を決定する。次いで引き下げ動作限界を超えないように電動モータを制御する。【選択図】図3

Description

本開示は一般に舶用推進システムに関し、より詳細には電動モータを有する電動舶用推進システムおよびそれを制御するための方法に関する。
プロペラを回転させる電動モータを備えた電動推進システムが知られている。例えば船内電動駆動システムおよび船外電動駆動システムが船舶を推進させるために開発されてきた。電動推進システムに電力を供給するための異なる電力供給構成も知られている。そのような電力貯蔵システムは1つ以上の電池または一組の電池を備え、かつ/または1つ以上のウルトラキャパシタ、燃料電池、フロー電池および/または電気エネルギを貯蔵および出力することができる他の装置などの他の電気貯蔵装置を備えていてもよい。
以下の米国特許は背景技術情報を提供するものであり、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。
米国特許第6,507,164号は、電動モータ、当該モータに電圧を提供するための出力を有するモータ制御装置、および当該モータを通って流れている電流を測定するための電流センサを備えた、電流ベースの電力管理を有するトローリングモータを開示している。トローリングモータが所定の期間にわたってその連続使用限界を超えて動作していると決定されると、モータ制御装置は許容される出力電圧に達するまで当該モータへの電圧出力を下げ始める。別の実施形態では、制御装置は3つの異なるセットの動作パラメータ、すなわち出力が命令されたレベルに設定される通常モード、出力が安全な所定のレベルに設定されている電流制限モード、および出力を所定のレベルから命令されたレベルに徐々に変化させる移行モードを含む3つの異なるモードで動作する。
米国特許第6,902,446号は、モータハウジングおよびモータハウジング内に収容されたモータ制御装置を有するDCモータを開示している。好ましい実施形態では、そのような部品によって発生した熱の大部分がモータが動作している環境に容易に伝達されるように、モータ制御装置の発熱部品はハウジングと熱連通している。トローリングモータに組み込まれている場合、制御装置の発生した熱がトローリングモータが動作している水の中に散逸されるように、当該発明のモータハウジングを浸水させる。
米国特許第7,385,365号は、少なくとも1つの第1のモータパラメータを測定または決定し、かつ第1のモータパラメータに基づいて第2の推定されるモータパラメータを推定する、ブラシレス電動モータのエラー検出のための方法を開示している。第2の推定されるモータパラメータを第2の測定または決定したモータパラメータと比較する。電動モータのエラーはその比較に従って発見することができる。
米国特許第10,723,430号は、少なくとも1つの電動モータおよび電動モータによって駆動することができるプロペラを備えた船のためのプロペラ推進システムを開示している。このプロペラは半没水プロペラである。この推進システムは、電動モータが固定されている側壁および半没水プロペラのアウトドライブが適用されるカバー部分を有する箱状本体を備える。その側壁およびカバー部分はモータのシャフトおよびアウトドライブのシャフトがそれぞれ貫通する穴を含む。その箱状本体はドライブシャフトからアウトドライブシャフトに運動を伝達するための手段を備え、当該推進システムは箱状本体を船の船尾梁に固定するための手段を備える。
本概要は、以下の発明を実施するための形態においてさらに説明されている選択された概念を紹介するために提供されている。本概要は、請求されている主題の重要または必須の特徴を特定するためのものでもなければ、特許請求されている主題の範囲を限定するのを助けるものとして使用されるものでもない。
一実施形態では、船舶を推進させるように構成された電動舶用推進システムを制御する方法は、電動舶用推進システム内の電動モータの少なくとも1つのパラメータを測定すること、およびパラメータ測定値が電動舶用推進システムにおける異常を示していると決定することを含む。次いで少なくとも1つのパラメータ測定値に基づいて、トルク限界、RPM限界、電流限界および電力限界のうちの少なくとも1つを含む引き下げ動作限界を決定する。次いで引き下げ動作限界を超えないように電動モータを制御する。
一実施形態では、パラメータ測定値が電動舶用推進システムにおける異常を示していると決定することは、パラメータ測定値が閾値範囲外であると決定することを含む。
一実施形態では、引き下げ動作限界を決定することは、少なくとも1つのパラメータのための可能な値の範囲内の各種パラメータ値に対応する引き下げ動作限界を提供するルックアップテーブルを利用することを含む。例示的な一実施形態では、ルックアップテーブルは、少なくとも2つのパラメータのそれぞれのための各種パラメータ値に基づいてインデックス付けされた引き下げ動作限界を提供し、2次元のルックアップテーブルを利用して少なくとも2つのパラメータ測定値に基づいて引き下げ動作限界を計算する。
一実施形態では、電動舶用推進システムは、プロペラを駆動させて回転させ、かつ船舶を推進させるように構成された電動モータを備える。電力貯蔵装置は電動モータに電力を供給するように構成されており、電動モータの温度を感知するように構成されたモータ温度センサ、電力貯蔵装置内の温度を感知するように構成された電池温度センサ、電動モータへの入力電流供給を感知するように構成された電流センサ、電動モータへの入力電圧供給を感知するように構成された電圧センサ、電動モータの回転速度を感知するように構成されたモータ速度センサ、およびプロペラの回転速度を感知するように構成されたプロペラ速度センサのうちの少なくとも1つを含む1つ以上のセンサは、電動舶用推進システムのパラメータを測定するように構成されている。制御システムは、電動舶用推進システムの少なくとも1つの測定されたパラメータが異常を示す閾値範囲外であると決定するように構成されている。次いで、トルク限界、RPM限界、電流限界および電力限界のうちの少なくとも1つを含む引き下げ動作限界を少なくとも1つのパラメータに基づいて決定する。次いで、引き下げ動作限界を超えないように電動モータを制御する。
本発明の様々な他の特徴、目的および利点は図面と共に解釈される以下の説明から明らかになるであろう。
本開示について以下の図を参照しながら説明する。
本開示に係る例示的な電動舶用推進システムを有する船舶の概略図である。 本開示に係る別の例示的な電動舶用推進システムの概略図である。 電動舶用推進システムを制御する方法の例示的な実施形態を示すフローチャートである。 図4Aおよび図4Bは2つの異なる制御状況において電動モータによって消費される電流および利用可能な電力の割合を示すグラフであり、図4Bは本開示に係る引き下げ動作限界を利用する制御実行を示す。 図5A~図5Fは各種パラメータ値に対応する引き下げ動作限界を提供する例示的なテーブルを示す。
本発明者らは、問題が発生した場合にドライブの破壊または即時の破局的故障を防止して保護するために、現代の舶用推進システムが保護システムすなわち「ガーディアン」システムおよび保護スキームを有していなければならないことを認識している。船乗りが岸から遠く離れていたり、それ以外に典型的な通信範囲外にいたりする可能性があるため、この保護は舶用推進システムにおいて特に重要であり、従って推進が失われると、船乗りが遭難して助けを得ることができないような危険な状況またはさらには生命を脅かす状況となり得る。監視される値、評価ロジックおよび制御機構が電動モータと比較して内燃機関では非常に異なるため、内燃機関舶用推進システムのために開発されたガーディアンシステムおよび特徴は電動推進システムには適用不可能である。
上記問題および課題を考慮し、かつ関連分野におけるそれらの広範囲な実験および研究に基づいて、本発明者らは電動舶用推進制御のために本開示のシステムおよび方法を開発し、ここでは電動モータの短期の破局的故障および/または電動舶用推進システムの他の側面を防止するために、電動舶用推進システムの1つ以上のパラメータを監視し、かつ監視したパラメータに基づいて1つ以上の引き下げ動作限界を決定する。本システムはオペレータが安全な場所への彼らの帰還を容易にするために、船舶の少なくとも低速推進を継続することができるように構成されている。破局的故障は、船舶を推進させるために、例えば操舵入力を介してオペレータによって、あるいは船舶の方向を制御する自動案内システムによって指示された方向に船舶を推進させるために推進システムがもはや動作していない状態である。短期の破局的故障は、推進システム動作のそのような完全な故障が即座または数分以内に生じたり、オペレータによる現在の動作セッション中に生じたりするような状況である。
一実施形態では、本システムは、較正された引き下げ動作限界を決定して岸またはオペレータの航海の出発点まで、あるいは船舶が典型的に保管される自国の目的地まで船舶を推進させるために推進システムの継続した動作を可能にする。別の実施形態では、船運航用途の大部分のために数マイルまたは数時間にわたって推進システムの継続した動作を可能にしてオペレータを安全な場所に帰還させるために引き下げ動作限界を較正してもよい。さらに別の実施形態では、オペレータが現在の測定条件下で推進システムの無期限使用を継続するのを可能にするために引き下げ動作限界を較正してもよい。
特定の実施形態では、引き下げ動作限界は、トルク限界、RPM限界、電流限界、電力限界のうちの少なくとも1つを含む。トルク限界は電動モータ4の出力トルクを制限する。RPM限界は、電動モータ4の回転速度または代わりとしてプロペラ8の回転速度を制限する。電流限界は電動モータ4に供給される電流を制限する。電力限界は電動モータに供給される総電力を制限し、これは電流限界および/または電圧限界として実行してもよい。同様に特定の実施形態では、引き下げ動作限界は具体的には、電力限界または電流限界への追加またはそれらの代わりとして電圧限界を含んでもよい。
図1は、所定の位置または全地球位置に向かう船舶の操舵ために操舵制御システムを介してオペレータによって、あるいは船舶の操舵を自動的に制御するように構成された案内システムによって指示された方向に船舶を推進させるように構成された電動舶用推進システム2を有する船舶1の例示的な実施形態を示す。図2も参照すると、電動推進システム2は、プロペラ10を回転させることにより船舶1を推進させるように構成された電動モータ4を有する電動舶用ドライブ3ならびに電力貯蔵システム16、制御システム11およびユーザインタフェースシステム35を備える。モータ4は例えばブラシレスDCモータなどのブラシレス電動モータであってもよい。他の実施形態では、電動モータはDCブラシ付きモータ、ACブラシレスモータ、ダイレクトドライブ、永久磁石同期電動モータ、誘導モータ、または電力を回転運動に変換するあらゆる他の装置であってもよい。特定の実施形態では、関連技術においてよく知られているように電動モータ4は回転子および固定子を備える。
電動モータ4は電力貯蔵装置16に電気的に接続されており、かつそれによって電力が供給される。電力貯蔵装置16は電動モータ4に電力を供給するためのエネルギを貯蔵しており、電動モータ4が使用中でない場合に陸電への接続などによって充電可能である。様々な電力貯蔵装置およびシステムが関連技術において知られている。電力貯蔵装置16は1つ以上の電池または一組の電池を含む電池システムであってもよい。他の実施形態では、電力貯蔵装置16は1つ以上の燃料電池、フロー電池、ウルトラキャパシタおよび/または電気エネルギを貯蔵および出力することができる他の装置を備えていてもよい。電力貯蔵装置16は、電力貯蔵装置16の側面を監視および/または制御するように構成された電池制御装置20をさらに備えていてもよい。例えば電池制御装置20は、1つ以上の電池または他の貯蔵要素が位置している電力貯蔵装置のハウジング内の温度を感知するように構成された温度センサ21などの電力貯蔵装置16内の1つ以上のセンサから入力を受け取ってもよい。電池制御装置20は、例えば電力貯蔵装置16内の各電池セルの電圧、電流および温度に関する情報を受け取るために、電力貯蔵装置16内の電流、電圧および/または他のセンサから情報を受け取るようにさらに構成されていてもよい。電力貯蔵装置の温度に加えて、電池制御装置20は電力貯蔵装置16の変化の状態、電力貯蔵装置16の健康の状態、電力貯蔵装置の温度などを計算するように構成されていてもよい。
電動モータ4はプロペラ10に動作可能に接続されており、プロペラ10を回転させるように構成されている。関連技術の当業者によく知られているように、プロペラ10は1つ以上のプロペラ、インペラまたは他の推進装置を備えていてもよく、「プロペラ」という用語は全てのそのような装置を指すように使用してもよい。図1に表されているような特定の実施形態では、電動モータ4はギアシステム7またはトランスミッションを介してプロペラ10に接続されていてもよく、かつそれを回転させるように構成されていてもよい。そのような実施形態では、ギアシステム7はモータ出力シャフト5の回転をプロペラシャフト8に移して回転の変換を調整し、かつ/またはプロペラシャフト8をドライブシャフト5から切り離し、この状態を当該技術分野では、ドライブシャフト5の回転がプロペラシャフト8に移動されない「ニュートラル」位置と呼ぶ場合がある。様々なギアシステム7またはトランスミッションは関連技術においてよく知られている。他の実施形態では、ドライブシャフト5の回転が一定かつ固定された比でプロペラシャフト8に直接伝達されるように、電動モータ4はプロペラシャフト8に直接接続していてもよい。
各電動モータ4は、その固定子巻線などへの電動モータへの電力を制御するように構成されたモータ制御装置14と関連づけられていてもよい。モータ制御装置14は、モータによって出力されたトルク、モータ4の回転速度ならびにモータ4によって供給されて利用される入力電流、電圧および電力を制御するなど、電動モータ4の機能および出力を制御するように構成されている。1つの構成では、電気エネルギを電動モータに入力して回転子の回転を誘導して制御するモータ制御装置14は、導線15を介して固定子巻線に供給される電流を制御する。
センサは、モータ4に供給される電流および電圧を含む電力を感知するように構成されていてもよい。例えば、電圧センサ28はモータ4への入力電圧を感知するように構成されていてもよく、電流センサ29はモータ4への入力電流を測定するように構成されていてもよい。従ってモータ4に供給された電力を計算することができ、そのような値はモータ4を監視および制御するなど、電動推進システム2を監視および制御するために使用することができる。図示されている例では電流センサ29および電圧センサ28は、モータに供給される電圧およびモータに供給される電流の測定値をモータ制御装置14に提供するためにそこに通信可能に接続されていてもよい。モータ制御装置14は、モータ4を制御するための要求を満たすために適当な電流および/または電圧を提供するように構成されている。例えば、スロットルレバー38などの舵柄入力装置におけるオペレータ要求に基づくような要求入力を中央制御装置12からモータ制御装置14において受け取ってもよい。特定の実施形態では、モータ制御装置14、電圧センサ28および電流センサ29は電動モータ4のハウジングの中に一体化されていてもよく、他の実施形態ではモータ制御装置14は別々に収容されていてもよい。
様々な他のセンサは、電動モータ4のパラメータを測定して報告するように構成されていてもよい。例えば電動モータ4はトルク、回転速度(モータ速度)、電流、電圧、温度、振動またはあらゆる他のパラメータを測定および/または決定するための手段を備えていてもよい。図示されている例では、電動モータ4は、モータ4の温度を感知するように構成された温度センサ23、モータ4の回転速度を測定するように構成された速度センサ24、およびモータ4のトルク出力を測定するためのトルクセンサ25を備える。加速度計32は、モータ4またはより一般には電動ドライブ3の振動を測定するように構成されていてもよい。プロペラ速度センサ26はプロペラ10の回転速度を測定するように構成されていてもよい。例えばプロペラ速度センサ26および/またはモータ速度センサ24は、容量測定または誘導的測定技術などを用いるホール効果センサまたは他の回転センサであってもよい。特定の実施形態では、速度、トルクまたは電力などのパラメータのうちの1つ以上は、他の測定されたパラメータまたは特性に基づいて計算してもよい。例えばトルクは、例えば電動モータの回転速度に関して電力特性に基づいて計算してもよい。
電動推進システムの様々なパラメータは、異常の検出のため、および電動推進システム2の継続した動作を可能にして電動モータの短期の破局的故障を防止し、かつオペレータが岸に戻るか、そうでなければ安全な場所に到達するために船舶の少なくとも低速推進を継続するのを可能にするために適当な引き下げ動作限界を決定するために利用する。当該パラメータは、電動モータの温度、電力貯蔵装置内の温度、電動モータに供給される電流量、電動モータに供給される電圧、電動モータの回転速度、電動モータによって供給されるトルクおよびプロペラ10の回転速度のうちの1つ以上を含んでもよい。
監視されたパラメータの少なくとも1つが閾値を超えて異常を示した場合、例えば電動推進システムの通常動作のために確立された閾値範囲外である場合に、引き下げ動作限界が計算される。特定の実施形態では、引き下げ動作限界は電動舶用推進システムの1つのパラメータまたは複数のパラメータに基づいて計算または決定してもよい。例えば監視されている複数のパラメータのうちの1つがそれぞれの閾値を超えて異常を示した場合に、たとえ全てのそのようなパラメータが閾値を超えていないとしても複数のパラメータの2つ以上に基づいて引き下げ動作限界を決定してもよい。単なる一例であるが、電動モータの温度が温度閾値を超えて電動モータ4にとって異常に高い温度を示す場合に特定の実施形態では、温度および入力電流および/または温度およびトルク出力などの1つ以上の他のパラメータと組み合わせた測定温度に基づいて、引き下げ動作限界を決定してもよい。引き下げ動作限界の決定の様々な例が本明細書に提供されている。
引き下げ動作限界の決定は中央制御装置12などの制御システム11によって行ってもよい。電動推進システム2は、通信可能に接続され、かつ協働して本明細書に記載されている電動舶用推進システムを制御する方法を提供するように構成された複数の制御装置を備えていてもよい。例えばモータ制御装置14、電池制御装置20および中央制御装置12は分散された制御システム11として協働して、引き下げ動作限界を超えず、かつ電動モータの破局的故障を遅らせるか防止するように本明細書に記載されている舶用推進システムの制御を実行してもよい。当業者であれば本開示を考慮して他の制御構成が利用可能であり、かつ本明細書に記載されている制御機能を1つに組み合わせて単一の制御装置にするか、通信可能に接続されている任意の数の複数の分散された制御装置に分けることができることを理解するであろう。特定の実施形態では、様々なセンシング装置21、23~25、26および28~29はモータ制御装置14または電池制御装置20などの局所制御装置と通信するように構成されていてもよく、他の実施形態ではセンサ21、23~25、26および28~29は中央制御装置12と通信していてもよく、かつモータ制御装置14および/または電池制御装置20のうちの1つ以上をなくしてもよい。制御装置12、14、20(および/またはセンサ)は、CANバスまたはLINバスなどの通信バスを介して、あるいは制御装置12、14、20間の単一の専用通信リンクによって通信するように構成されていてもよい。
各制御装置は、電動推進システム2の動作を制御および/または追跡するために利用されるソフトウェアおよび/またはデータを記憶するように構成されたプロセッサおよび記憶装置またはメモリを備えていてもよい。メモリは揮発性および/または不揮発性システムを含んでいてもよく、かつ情報の記憶のためのあらゆる方法または技術で実装される取外し可能および/または取外し不可能な媒体を含んでいてもよい。記憶媒体は、ランダムアクセスメモリ、リードオンリーメモリまたは情報を記憶し、かつ例えば命令実行システムによってアクセスするために使用することができるあらゆる他の媒体を含む、非一時的および/または一時的記憶媒体を含んでいてもよい。入力/出力(I/O)システムは制御システム11と周辺装置との間の通信を提供する。
図2は、電動舶用推進システム2の別の実施形態を示す。図示されている実施形態では、電動舶用推進システム2は、船外舶用ドライブのカウル50内などに収容されたその中に収容されている電動モータ4を有する船外舶用ドライブ3を備える。当業者であれば本開示を考慮して、舶用推進システム2が船内ドライブまたは船尾ドライブなどの他の種類の電動舶用ドライブを備えることができることを理解するであろう。電動舶用ドライブ3には一組の電池18を含むスケーラブルな貯蔵装置16によって電力が供給される。
図示されている実施形態では推進制御モジュール(PCM)である中央制御装置12は、CANバスなどの通信リンク34を介してモータ制御装置14と通信する。また当該制御装置は、通信リンクを介してユーザインタフェースシステム35内の1つ以上のユーザインタフェース装置から入力を受け取り、かつ/またはそれと通信し、この通信はいくつかの実施形態では、制御装置12、14、20間の通信のために利用される同じ通信リンクであってもよく、あるいは別個の通信リンクであってもよい。ユーザインタフェース装置は例示的な実施形態では、スロットルレバー38およびディスプレイ40を備える。様々な実施形態では、ディスプレイ40は例えば、ウィスコンシン州フォンデュラクのMercury Marine社製VesselView(商標)などの船内管理システムの一部であってもよい。ユーザインタフェースシステム35は操舵輪36も含んでもよく、これはいくつかの実施形態では舶用ドライブ3に対する操舵制御を実行するために制御装置12とも通信していてもよく、この構成はよく知られており、典型的には半自動操舵構成と呼ばれる。図示されている実施形態では、操舵輪36は手動の操舵構成であり、ここでは操舵輪36が操舵ケーブル37によって舶用ドライブ3の操舵アクチュエータに接続されている。
図3は、システム2内における異常検出の場合に引き下げ動作を行い、かつ破局的故障を防止するための電動舶用推進システム2を制御する方法100の一実施形態を示す。工程102では、電動推進システムの1つ以上のパラメータを測定する。本明細書に記載されているように、モータ温度、電池温度、電動モータに供給される電流、電動モータに供給される電圧、電動モータの回転速度、電動モータのトルクおよびプロペラの回転速度などの電動推進システムの複数のパラメータの1つ以上を測定してもよい。工程104では、測定されている1つ以上のパラメータのそれぞれを適切な動作を示すそれぞれの閾値範囲と比較する。
各パラメータのための閾値を較正して様々な通常動作条件を補償する。従って、1つ以上のパラメータ測定値がそれぞれの閾値を超えた場合、電動舶用推進システム2の機能について異常が示される。但し当該閾値は故障閾値よりも十分に低く、すなわち推進システム2における1つ以上の要素の動作が停止する前の閾値である。例えば、本開示の制御システムにおいて実行される閾値範囲は、電動モータ4が停止するあらゆるエラー閾値よりも著しく低く、かつそれが生じる前、および/または電力貯蔵システムが電動モータ4への電力供給を止めるために接続が切断される前に生じてもよい。従って、モータ4または他のシステムへの損傷が生じる前に問題または異常を早期検出するために閾値を較正してもよく、ここでは引き下げ電流および/または速度などの介入および引き下げ動作によりシステム2へのさらなる損傷を防止するか少なくとも破局的故障を遅らせることができる。
工程106では、パラメータがそのパラメータのために設定された関連する閾値範囲外になると異常が検出される。次いで工程108では、引き下げ動作限界を決定する。引き下げ動作限界はそれぞれの閾値を超える少なくとも1つのパラメータ測定値に基づいて決定してもよく、いくつかの実施形態では2つ以上のパラメータ測定値に基づいて計算してもよい。関連するパラメータ値におけるさらなる増加を防止するか、そうでなければ検出される異常が関連する閾値を超えて増加するのを防止するために引き下げ動作限界を較正してもよい。例えばパラメータ測定値と関連する閾値との差における増加を防止するために、引き下げ動作限界を較正するかそうでなければ決定してもよい。
特定の実施形態では、パラメータ測定値と閾値との差が増加するにつれて引き下げ動作限界は低下する。従ってパラメータ測定値が通常動作の境界をさらに外れるにつれて、引き下げ動作限界によって課される限界はより制限的になり、かつ電動推進システムの動作をさらに減少させる。例えば引き下げ動作限界がトルク限界、RM限界、電流限界または電力限界のうちの1つである場合、パラメータ測定値が通常範囲をさらに外れるようになるにつれて限界値は低下する。一実施形態では、所与のパラメータのための様々な可能な値に対応する引き下げ動作限界を提供するルックアップテーブルにアクセスすることにより、引き下げ動作限界を決定する。様々な実施形態において1つまたは複数のパラメータ測定値に基づいて1つ以上の引き下げ動作限界を提供することができる例示的なルックアップテーブルが本明細書に提供されている。
引き下げ動作限界は単一の固定された値ではなくパラメータ測定値に基づいて決定されるので、破局的故障をなお防止しながら最大量の推進権限および能力をオペレータに許可するために当該限界を較正することができる。従って、モータが通常可能にする通常最大トルクまたはRPMの90%を許容することなどによりモータ出力の僅かな減少のみにより容易に対処することができる小さい異常のみのために、オペレータは動作における僅かな差のみを経験してもよく、かつ乗船するかそうでなければ通常は最速動作を回避すること以外は船を通常どおり動作させるのを許可されてもよい。但し他の例では、モータ内の電流限界を著しく、かつ/または絶えず超える場合などに、パラメータ測定値異常はより思い切った限界を必要とする場合がある。そのような実施形態では、安全な場所に向かう船舶の移動を容易にすることができる最低出力限界による非常に低い速度および/または低いトルク動作のみが許可されてもよい。そのような実施形態では、推進システム2におけるモータまたは他の要素の破局的故障を可能な限り長く遅らせるために、モータのさらなる損傷を可能な限り最小限に抑えるために引き下げ動作限界を較正してもよい。
次いで工程110では、引き下げ動作限界を超えないように電動モータ4および/またはそこへの電力分配を制御する。例えば推進に対するオペレータ権限は、引き下げ動作限界によって設定される関連する限界まで許可してもよい。上記のように、これはオペレータが最大速度未満の特定の速度で船舶を通常どおり動作させるのを防止してもよく、いくつかの実施形態では、オペレータが乗船し、従ってより迅速に帰国することさえ可能にしてもよい。
引き下げ動作限界が実行されたら、解除条件が生じるまでそれを維持してもよい。例えば解除条件は、超過しているパラメータまたは検出された異常に応じて異なってもよい。様々な例では、解除条件はスロットルレバーまたは他のオペレータ入力装置をニュートラルすなわちゼロ速度位置まで動かすことであってもよい。他の実施形態では、解除条件は推進システムをオフにし、かつ次いでオンに戻すなどの推進システムの電力サイクリングであってもよい。他の実施形態では解除条件は、例えばある期間にわたったパラメータ測定値の閾値未満または通常閾値よりも低い異なる解除閾値未満での維持など、パラメータ測定値に基づいていてもよく。工程112において解除条件が検出されたら、工程114において完全な動作権限をユーザに戻してもよい。
特定の実施形態では、本システムはモータ4によって引き起こされる振動などの振動を感知するための加速度計32を備えていてもよい。過剰な振動は軸受の故障またはプロペラの詰まりなどのモータ内の機械的故障の表示であってもよい。加速度計32は、例えば振動の周波数および大きさをヘルツおよびメートル/秒の二乗(m/s)などで測定するように構成されている。様々な実施形態では、振動の周波数および/または大きさを利用して1つ以上の閾値を比較して、引き下げ動作限界を引き起こす異常を特定してもよい。過剰な振動が生じる実施形態では、引き下げ動作限界は電動モータの回転速度を制限するためのRPM限界の形態をとっていてもよい。
図4Aおよび図4Bは、電動モータに供給される時間に対する電流を示す。図4Aおよび図4Bにおける両方の状況における対応する電力限界も示されている。図4Aは、引き下げ動作限界が課されておらず、かつ電流が時間に対して増加し、かつモータへの全ての電力をなくすようにブレーカーを落とすことなどによりモータの動作を止める故障条件を実行する閾値を超えている電流状況に対するモータにおける例示的な電流および電力限界関係を示している。線52は時点55における40ampまで増加する時間に対する電流を示す。図示されている例では、モータの電流定格は40ampに設定されている。電流は故障設定値を超えて増加し、時間55でブレーカーを作動させ、利用可能な電力をゼロにさせる。線54は、利用可能な電力限界またはオペレータに許可された電力権限を表す。利用可能な電力がゼロになり、モータがもはや全く動作しなくなる時間55において電流限界を超えて故障を引き起こすまで、モータからの完全な出力および機能を要求するための100%の権限がオペレータに許可されている。
図4Bは時間の関数として電流および電力限界を示し、ここでは40ampのブレーカー限界を超過することにより故障条件または故障点を引き起こす前に引き下げ動作限界が課されるように、本開示の制御方法の一実施形態が利用されている。図4Bの例では、線58によって表されているように電流は時間に対して増加し、増加している電流に反応して、ここでは電力限界として例示されている引き下げ動作限界における連続的低下を引き起こす。線56は時間に対するモータ4への電流入力を表す。時間59では第1の閾値を超え、ここでは電流閾値は40ampの故障点未満である。例えば第1の閾値は37ampであってもよく、ここではモータへの最大利用可能な電力は電流が37ampに達すると制限される。時間59で電流が37amp閾値に達すると、90%の最大利用可能な電力の引き下げ動作限界が実行される。
90%利用可能な電力の引き下げ動作限界に関わらず、電流は上昇し続け、時点60において38ampの第2の閾値に達する。第2の閾値に達したら、70%の最大利用可能な電力のさらなる引き下げ動作限界が実行される。従って、モータ4によって利用される電力の量に対するオペレータ権限およびひいてはモータの出力は利用可能な通常最大電力の70%まで制限される。これはモータに利用可能な電流を減少させる。この70%の電力限界は入力電流を40ampの運転停止閾値未満に維持するのに十分であり、従って出力の低下にも関わらずモータ4の継続した動作および船舶の継続した推進は可能である。従って異常な動作にもかかわらず、電力を制限することにより維持可能な継続した動作は容易となり、かつ過剰な電流条件によってなされる損傷の量が減少する。モータ4への入力電力が最大の39ampに達すると、70%利用可能な電力の電力限界が時間61において実行される。
電流は時間62において39ampの閾値未満に低下する。しかしそれは電流の減少を可能にする引き下げ動作限界であるため、70%引き下げ動作限界は維持される。特定の実施形態ではシステム2は、引き下げ動作限界が実行され、かつ解除条件が生じない限り完全な推進権限がオペレータに戻されないように構成されていてもよい。例示的な解除条件は上記図3に関して上に記載されている。従って動作限界を時間に対してさらに低下させることができるため、解除条件が生じない限りオペレータに権限を戻すための動作限界の上昇は生じない。
図5A~図5Fは、監視されている各それぞれのパラメータのために可能な値の範囲内の様々なパラメータ値に対応する引き下げ動作限界を提供する例示的なルックアップテーブルを示す。特定の例が図の中に提供されているが、当業者であれば本開示を考慮して、他のパラメータを監視し、かつ本開示に係る監視されたパラメータに基づいて引き下げ動作限界を課すことができることを理解するであろう。
図5Aは、摂氏でのモータ温度(℃)に基づいてインデックス付けされた引き下げ動作限界を提供する例示的なテーブルを示す。引き下げ動作限界はモータが冷たすぎるかモータが熱すぎる場合のいずれかに実行される。低温モータに対する引き下げ動作限界は、冷たすぎる故に十分に潤滑されない場合に、動作しているモータに対する損傷を防止する。高温モータに対する引き下げ動作限界は過熱を防止または制限する。従ってモータ温度に関連して、この例では、モータ温度がモータを動作させるための通常温度範囲外にある(それ未満であるかそれを超えてるかのいずれかである)場合に電力制限が実行される。図示されている例では、その最大限までモータを作動させるためにオペレータに完全な権限が許可される通常動作温度範囲は10℃~110℃である。モータ温度が10℃未満である場合、引き下げ動作限界が実行される。
特定の例では、当該テーブルに基づいて引き下げ動作限界を計算するために、モータ温度(またはテーブル中の任意のパラメータ)に基づいて補間を使用してもよく、この限界は図示されている例では、モータ4のための最大定格電力の割合としての電力限界である。従ってモータ温度が5℃~10℃である場合、電力限界割合は計算すると75%~100%となる。同様にモータ温度が0℃~5℃である場合、値間を補間する電力限界割合は計算すると50%~75%となる。モータ温度が110℃を超える場合に同様の工程が提供され、ここでは引き下げ動作限界を再び課して過熱によるモータに対する損傷を防止する。モータ温度が120℃を超えた場合、すなわち第2の高温閾値を超えた場合、さらなる引き下げ動作限界が実行される。モータ温度が130℃に達すると、10%の入力電力限界の引き下げ動作限界が実行され、これにより電動モータ4の出力および機能が大きく減少するが、低速推進を継続するための少なくともある程度の機能性は維持される。
図5Bは、モータへの入力電流に対応する引き下げ動作限界を提供するルックアップテーブルを例示している。このテーブルは図4Bに提供されている例に対応しており、ここでは引き下げ動作限界は、電流がブレーカーを落とす40ampの閾値を超過するのを防止するために実行される。入力電流が37ampに達すると引き下げ動作限界が実行される。電流が40ampに近づくと10%の最大引き下げ動作限界が実行される。40ampを超えた場合、本システムは可能な限り長く継続される低速推進を支持するために少なくとも最小出力を維持するという目標を進めるために、動作をさらに減少させない。従って40ampの故障閾値を超えても、引き下げ動作限界は10%のままである。従って本開示の方法は推進出力を止めず、可能な限り長く少なくとも低速推進を引き延ばすのに必要な場合に動作を制限するだけである。
図5Cは、摂氏での電池温度に対応する引き下げ動作限界を提供するルックアップテーブルを例示している。上記のように特定の実施形態では、電力貯蔵装置16は電力貯蔵装置16内の1つ以上の電池または他の貯蔵要素に関連づけられた温度を測定するために関連づけられた温度センサ21を有していてもよい。任意の電池に関連づけられた任意の温度センサ21によって測定される電池温度が温度閾値を超えて高い電池温度を示す場合、引き下げ動作限界が課される。
電池温度が増加するにつれて引き下げ動作限界はより制限的になる。従って本明細書に提供されている全ての例と同様に、パラメータ測定値が閾値または通常動作範囲から益々逸脱するにつれて、引き下げ動作限界はより制限的になる。従ってパラメータ測定値と閾値範囲との差が増加した場合、引き下げ動作限界は低下する。通常動作範囲のために高い閾値および低い閾値が定められている例では、その差はパラメータ値と閾値範囲を定める高い閾値または低い閾値のうちの最も近い方との大きさの差であってもよい。従って図5Cにおける電池温度の例を参照すると、電池温度パラメータが90℃の閾値を超えるにつれて引き下げ動作限界は低下する。電池温度が105℃を超え、かつ従って問題のある温度閾値の非常に近くまで進行した場合、電池温度が110℃に達したら10%のみの電力限界権限が許可されるように、引き下げ動作限界は上昇する速度で低下する。
図5Dは、モータ入力電圧に対応する引き下げ動作限界を提供する例示的なテーブルを示し、ここではモータへの入力電圧が図示されている例では46~52ボルトである通常電圧範囲を超えるかそれに満たない場合に引き下げ動作限界が課される。これは、例えば図2に図示されている48ボルトのシステムに該当する。モータ入力電圧がその通常範囲に満たなく、かつ従って46ボルトの閾値未満である場合、不足電圧状況が生じており、不足電圧条件がより深刻になるにつれてモータのための電力限界を益々制約する出力限界制限が課される。この例ではモータ電圧が31ボルトの低電圧または56ボルトの高電圧に達した場合に総通常電力限界の10%の最大電力限界が実行されてもよい。モータ入力電圧が46~52ボルトの通常範囲外であるが31~56ボルトの範囲内である不足電圧または過電圧状況では10%~100%の電力限界が計算される。そのような引き下げ動作限界は、上記のようにテーブルの値を補間することによりモータ入力電圧パラメータ測定値に基づいて計算される。
図5Eは、過速度および不足速度の両方に対する保護のための様々なモータ速度値に対応する引き下げ電力限界を示す。図示されている例では、通常モータ速度範囲は100~3000の1分間当たりの回転数(rpm)の回転速度として定められている。その範囲に満たないかそれを超える測定されたあらゆる回転速度は異常な動作の表示とみなされ、引き下げ動作限界を誘導し、この限界は、この例の場合でもオペレータに利用可能な電力を通常動作条件下でモータ4のための最大定格として定められた利用可能な電力の定められた割合に制限する電力限界である。
上記例は電力限界について言及しているが、他の実施形態では引き下げ動作限界は、モータ4のトルク出力を制御すること、モータの回転速度を制御すること、または具体的には利用可能な電力ではなく電流を制限することなどにより、モータの1つ以上の他のパラメータを制御することにより実行されてもよい。
図5Fは、モータ4の感知された振動に基づいてモータの回転速度が制限される例を示す。例えば加速度計32によって測定される振動の大きさを監視して、振動が期待される範囲内であるかを検出してもよい。高い振動はモータ4またはプロペラ10内での機械的異常を示してよい。振動の大きさは例えばg力として測定してもよい。加速度がここでは0.35gとして例示されている通常閾値を超えた場合、モータ4の回転速度を下げるために引き下げ動作限界が実行される。振動の大きさがその閾値を超えて増加した場合、引き下げ動作限界は機械的問題によって引き起こされる破局的故障を防止するために上昇する速度で増加する。振動が0.70g(初期の閾値の2倍)を超えて増加するにつれて、動作限界は著しくより制限的になる。1.05g以上で、動作限界は10%のRPM限界である(これはモータの最大許容RPMが通常動作条件下で許容される通常最大RPM限界の10%であることを意味する)。rpmを低下させることにより、損傷を防止し、かつ/または可能な限り長くドライブの動作を引き延ばすために舶用ドライブ3にかけられる機械的歪みは減少する。
引き下げ動作限界の決定は、例えば中央制御装置12で行ってもよく、かつ実行のためにモータ制御装置14に伝達されてもよい。例えば引き下げ動作限界は、CANバスを介すかいくつかの他の通信リンクによって中央制御装置12からモータ制御装置14に伝達されてもよい。そのような実施形態では、中央制御装置12は本明細書に例示されているような1つ以上のルックアップテーブルを記憶していてもよく、パラメータ値に基づいて引き下げ動作限界を提供し、かつ図5A~図5Fに示されている例において記載されているような特定の測定パラメータに基づいて引き下げ動作限界の計算を可能にする。特定の実施形態では、引き下げ動作限界は2つ以上のパラメータ測定値に基づいて計算することができる。例えば、2つのパラメータ値に基づいてインデックス付けされた引き下げ動作限界を提供するルックアップテーブルを2次元のテーブルとして提供してもよい。従って2つのパラメータ間での相互作用は、引き下げ動作限界の計算において完全に補償することができる。同様に3次元のテーブルは、3つのパラメータに基づいてインデックス付けされた引き下げ動作限界を提供してもよい。
本明細書は本発明を開示するため、およびどんな当業者でも本発明を作製および使用するのを可能にするために最良の実施形態などの例を使用している。簡潔性、明確性および理解のために特定の用語を使用してきた。そのような用語は便宜のためにのみ使用されており、広く解釈されることが意図されているため、先行技術の要件を超えるそこからの不必要な限界を与えるものではない。本発明の特許請求可能な範囲は特許請求の範囲によって定められており、当業者が思いつく他の例も含んでもよい。そのような他の例は、特許請求の範囲の文字どおりの言葉とは異ならない特徴または構造的要素を有する場合、またはそれらが特許請求の範囲の文字どおりの言葉と非実質的な違いを有する同等の特徴または構造的要素を含む場合は、特許請求の範囲内であることが意図されている。

Claims (21)

  1. 船舶を推進させるように構成された電動舶用推進システムを制御する方法であって、
    前記電動舶用推進システムの少なくとも1つのパラメータを測定すること、
    パラメータ測定値が前記電動舶用推進システムにおける異常を示していると決定すること、
    前記少なくとも1つのパラメータ測定値に基づいて、トルク限界、RPM限界、電流限界および電力限界のうちの少なくとも1つを含む引き下げ動作限界を決定すること、および
    前記引き下げ動作限界を超えないように前記電動舶用推進システムにおいて電動モータを制御すること
    を含む方法。
  2. 前記少なくとも1つのパラメータ測定値と閾値との差が増加するつれて前記引き下げ動作限界が低下する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記引き下げ動作限界を較正して前記差の増加を防止する、請求項2に記載の方法。
  4. 前記パラメータ測定値が前記電動舶用推進システムにおける異常を示していると決定することは、前記パラメータ測定値が閾値範囲外であると決定することを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記閾値範囲および前記引き下げ動作限界を較正して前記電動モータの短期の破局的故障を防止し、かつオペレータが前記船舶の少なくとも低速推進を継続するのを可能にする、請求項4に記載の方法。
  6. 前記引き下げ動作限界を決定することは、様々なパラメータ値に対応する引き下げ動作限界を提供するルックアップテーブルにアクセスすることを含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記少なくとも1つのパラメータはモータ温度を含み、かつ前記ルックアップテーブルは様々なモータ温度に対応する前記引き下げ動作限界を提供する、請求項6に記載の方法。
  8. 前記少なくとも1つのパラメータは前記電動モータに供給される入力電流を含み、かつ前記ルックアップテーブルは様々な電流量に対応する前記引き下げ動作限界を提供する、請求項6に記載の方法。
  9. 前記少なくとも1つのパラメータは前記電動モータへの入力電圧を含み、かつ前記ルックアップテーブルは様々な電圧に対応する前記引き下げ動作限界を提供する、請求項6に記載の方法。
  10. 前記少なくとも1つのパラメータは前記電動モータに電力を供給する電力貯蔵装置の電池温度を含み、かつ前記ルックアップテーブルは様々な電池温度に対応する前記引き下げ動作限界を提供する、請求項6に記載の方法。
  11. 前記少なくとも1つのパラメータは前記電動モータのモータ速度を含み、かつ前記ルックアップテーブルは様々な回転速度に対応する前記引き下げ動作限界を提供する、請求項6に記載の方法。
  12. 前記少なくとも1つのパラメータは前記電動モータの振動を含み、かつ前記ルックアップテーブルは様々な振動の大きさに対応する前記引き下げ動作限界を提供する、請求項6に記載の方法。
  13. 前記電動舶用推進システムにおいて前記電動モータの少なくとも2つのパラメータを測定すること、および前記少なくとも2つのパラメータ測定値の両方に基づいて前記引き下げ動作限界を決定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  14. 前記引き下げ動作限界を決定することは、前記少なくとも2つのパラメータのそれぞれのために様々なパラメータ値に基づいてインデックス付けされた引き下げ動作限界を提供するルックアップテーブルにアクセスすることを含む、請求項13に記載の方法。
  15. プロペラを駆動させて回転させ、かつ船舶を推進させるように構成された電動モータ、
    前記電動モータに電力を供給するように構成された電力貯蔵装置、
    前記電動モータの温度を感知するように構成されたモータ温度センサ、前記電力貯蔵装置内の温度を感知するように構成された電池温度センサ、前記電動モータに供給される入力電流を感知するように構成された電流センサ、前記電動モータに供給される入力電圧を感知するように構成された電圧センサ、前記電動モータの回転速度を感知するように構成されたモータ速度センサ、および前記プロペラの回転速度を感知するように構成されたプロペラ速度センサのうちの少なくとも1つを含む、電動舶用推進システムの少なくとも1つのパラメータを測定するように構成された少なくとも1つのセンサ、および
    前記電動舶用推進システムの前記少なくとも1つのパラメータが異常を示す閾値範囲外であると決定し、かつ
    前記少なくとも1つのパラメータに基づいてトルク限界、RPM限界、電流限界および電力限界のうちの少なくとも1つを含む引き下げ動作限界を決定し、かつ
    前記引き下げ動作限界を超えないように前記電動モータを制御する
    ように構成された制御システム
    を備える電動舶用推進システム。
  16. 前記少なくとも1つのパラメータと前記閾値範囲との差が増加するにつれて前記引き下げ動作限界は低下する、請求項15に記載のシステム。
  17. 前記引き下げ動作限界を較正して前記差の増加を防止する、請求項16に記載のシステム。
  18. 前記電動モータは回転子と固定子巻線を有する固定子とを備え、かつ前記固定子巻線への電力を制御するように構成されたモータ制御装置をさらに備え、
    前記制御システムは前記少なくとも1つのパラメータに基づいて前記固定子巻線のための電力限界を決定し、かつ前記モータ制御装置を介して前記引き下げ動作限界を超えないように前記固定子巻線への電力を制御するように構成されている、請求項15に記載のシステム。
  19. 制御装置は、様々なパラメータ値に対応する引き下げ動作限界を提供するルックアップテーブルを記憶し、かつ前記少なくとも1つのパラメータに基づいて前記引き下げ動作限界を決定するために前記ルックアップテーブルを利用するようにさらに構成されている、請求項15に記載のシステム。
  20. 前記制御装置は、前記電動舶用推進システムの少なくとも2つのパラメータが異常を示していると決定し、かつ前記少なくとも2つのパラメータの両方に基づいて前記引き下げ動作限界を決定するようにさらに構成されている、請求項15に記載のシステム。
  21. 前記制御装置は、前記少なくとも2つのパラメータのそれぞれのために様々なパラメータ値に基づいてインデックス付けされた引き下げ動作限界を提供するルックアップテーブルを記憶し、かつ前記少なくとも2つのパラメータに基づいて前記引き下げ動作限界を決定するために前記ルックアップテーブルを利用するようにさらに構成されている、請求項20に記載のシステム。

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