JP2022098848A - 偏光板及び画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温環境下での寸法変化が抑制された偏光板を提供する。【解決手段】ポリビニルアルコール系樹脂層に二色性色素を吸着配向させた偏光素子と、接着剤層と、透明保護フィルムと、をこの順で有する偏光板であって、前記偏光板は、尿素系化合物を含有し、前記尿素系化合物の含有量が0.1g/m2以上2.00g/m2以下であり、前記接着剤層は、前記尿素系化合物を含有し、前記尿素系化合物は、尿素、尿素誘導体、チオ尿素及びチオ尿素誘導体からなる群より選択される少なくとも1種である、偏光板。【選択図】なし

Description

本発明は、偏光板及び画像表示装置に関する。
液晶表示装置(LCD)は、液晶テレビだけでなく、パソコン、携帯電話等のモバイル、カーナビ等の車載用途にも広く用いられている。通常、液晶表示装置は、液晶セルの両側に粘着剤で偏光板を貼合した液晶パネルを有し、バックライトからの光を液晶パネルで制御することにより表示が行われている。近年では、有機EL表示装置も液晶表示装置と同様にテレビ、携帯電話等のモバイル、カーナビ等の車載用途で広く用いられている。有機EL表示装置では、外光が金属電極(陰極)で反射され鏡面のように視認されることを抑止するために、画像表示パネルの視認側表面に円偏光板(偏光素子とλ/4板を含む積層体)が配置される場合がある。
偏光板は上記のように、液晶表示装置、有機EL表示装置等の画像表示装置の部材として、車に搭載される機会が増えている。車載用の画像表示装置に用いられる偏光板は、テレビや携帯電話等のモバイル用途に比較して、高温環境下に曝されることが多いため、より高温でも寸法変化が小さいこと、すなわち寸法安定性が求められる。
偏光板の高温環境下での寸法変化を抑える技術として、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光素子のホウ素含有率を低く抑えることで収縮力を下げる技術が広く知られている(例えば、特許文献1など)。
特開2013-148806号公報
しかしながら、90℃以上の高温環境下では、偏光素子のホウ素含有率を低くすると偏光度の低下など光学特性の変化が見られることがあった。車に搭載する画像表示装置では、偏光板は90℃以上の高温環境に晒されることがある。本発明は、偏光素子のホウ素含有率を低く抑えなくても、高温環境下での寸法変化が抑制された偏光板、及び当該偏光板を用いた画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、以下に例示する偏光板及び画像表示装置を提供する。
[1] ポリビニルアルコール系樹脂層に二色性色素を吸着配向させた偏光素子と、接着剤層と、透明保護フィルムと、をこの順で有する偏光板であって、
前記偏光板は、尿素系化合物を含有し、前記尿素系化合物の含有量が0.1g/m以上2.00g/m以下であり、
前記接着剤層は、前記尿素系化合物を含有し、
前記尿素系化合物は、尿素、尿素誘導体、チオ尿素及びチオ尿素誘導体からなる群より選択される少なくとも1種である、偏光板。
[2] 前記偏光素子は、ホウ素を含有し、前記ホウ素の含有率が4.0質量%以上8.0質量%以下である、[1]に記載の偏光板。
[3] 前記接着剤層は、ポリビニルアルコール系樹脂を含有する、[1]または[2]に記載の偏光板。
[4] 前記接着剤層は、厚みが0.01μm以上7μm以下である、[1]~[3]のいずれか1項に記載の偏光板。
[5] [1]~[4]のいずれか1項に記載の偏光板を備える、画像表示装置。
本発明によれば、高温での寸法変化が抑制された偏光板、及びそのような偏光板を備える画像表示装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
[偏光板]
本発明の実施形態に係る偏光板は、ポリビニルアルコール系樹脂層に二色性色素を吸着配向させた偏光素子と、接着剤層と、透明保護フィルムと、をこの順で有する。
偏光板は、尿素系化合物を含有し、尿素系化合物の含有量が0.1g/m以上2.00g/m以下である。上記接着剤層は尿素系化合物を含有する。偏光板は、接着剤層が尿素系化合物を含有し、さらに、接着剤層以外の他の層が尿素系化合物を含有するものであってもよい。本明細書において、尿素系化合物を含有する接着剤層を、「尿素系化合物含有接着剤層」ともいう。本明細書における「尿素系化合物」の具体例は後述する。
高温環境下での寸法変化が抑制された偏光板として、偏光素子のホウ素含有率を例えば3.5質量%以下のように低く抑えて、偏光素子の収縮力を抑制する技術が知られている。しかしながら、このような偏光板を90℃以上の高温環境下に晒すと、偏光素子の架橋度が低いために光学特性が低下しやすい場合があった。本実施形態に係る偏光板は、上記含有量の尿素系化合物を含むことにより、高温環境下での寸法変化を抑制することができ、偏光素子のホウ素含有率が4.0質量%以上であっても高温環境下での寸法変化を抑制することができる。また、高温環境としては、90℃以上、さらに95℃以上の高温環境に2時間以上晒された場合であっても、寸法変化を抑制することができる。
上記含有量の尿素系化合物を含むことにより偏光板の寸法変化を抑制することができるメカニズムは明らかではないものの、偏光素子のホウ素含有率が4.0質量%以上であっても高温環境下での寸法変化を抑制することができることから、偏光素子が収縮することを抑制しているものと推測することができる。偏光板において、尿素系化合物の含有量は、好ましくは0.15g/m以上1.60g/m以下であり、さらに好ましくは0.2g/m以上1.55g/m以下である。偏光板における尿素系化合物の含有量の測定方法の一例として、後述の実施例に記載の方法が挙げられる。
<偏光素子>
ポリビニルアルコール(以下、「PVA」とも称す。)系樹脂を含む層(以下、「PVA系樹脂層」とも称す。)に二色性色素を吸着配向させた偏光素子としては、周知の偏光素子を用いることができる。偏光素子としては、PVA系樹脂フィルムを用いて、このPVA系樹脂フィルムを二色性色素で染色し、一軸延伸することによって形成したものや、PVA系樹脂を含む塗布液を基材フィルム上に塗布して得られた積層フィルムを用いて、この積層フィルムの塗布層であるPVA系樹脂層を二色性色素で染色し、積層フィルムを一軸延伸することによって形成したものが挙げられる。
PVA系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂を鹸化して得られる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体が挙げられる。共重合可能な他の単量体としては、例えば不飽和カルボン酸類、エチレン等のオレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類などが挙げられる。
PVA系樹脂の鹸化度は、好ましくは約85モル%以上、より好ましくは約90モル%以上、さらに好ましくは約99モル%~100モル%である。PVA系樹脂の重合度としては、1000~10000、好ましくは1500~5000である。このPVA系樹脂は変性されていてもよく、たとえば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラールなどでもよい。
本実施形態の偏光素子の厚みは5~50μmが好ましく、8~28μmがより好ましく、12~22μmがさらに好ましく、12~15μmが最も好ましい。偏光素子の厚みが50μm以下であることにより、高温環境下でPVA系樹脂のポリエン化が光学特性の低下に与える影響を抑制することができ、また偏光素子の厚みが5μm以上であることにより所望の光学特性を達成する構成とすることが容易となる。なお、偏光素子の厚みは、薄いほど収縮力が低くなる傾向にあることから、同様の特性を持つ場合には、より薄い偏光素子を用いることが好ましい。
偏光素子は、ホウ素を含有し、ホウ素の含有率が、好ましくは4.0質量%以上8.0質量%以下、より好ましくは4.2質量%以上7.0質量%以下、さらに好ましくは4.4質量%以上6.0質量%以下である。偏光素子のホウ素含有率が8.0質量%を超える場合には、偏光素子の収縮力が大きくなり、画像表示装置に組み込んだ際に貼り合わされる前面板等の他の部材との間で剥離が生じるなどの不具合が生じることがある。また、ホウ素の含有率が4.0質量%未満の場合には、所望する光学特性を達成できないことがあり、特に高温環境下に晒される場合に所望する光学特性を達成できないことがある。偏光素子におけるホウ素の含有率は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。または、高周波誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma:ICP)発光分光分析法により、偏光素子の質量に対するホウ素の質量分率(質量%)として算出することができる。ホウ素は、偏光素子中に、ホウ酸またはそれがPVA系樹脂の構成要素と架橋構造を形成した状態で存在すると考えられるが、ここでいうホウ素の含有率は、ホウ素原子(B)としての値である。
偏光素子は、好ましくはカリウムを含有し、カリウムの含有率が、高温環境下における偏光素子の光学特性の低下を抑制する観点から、0.28質量%以上であることが好ましく、0.32質量%以上であることがより好ましく、0.34質量%以上であることがさらに好ましく、そして、高温環境下における色相変化を抑制する観点から、0.60質量%以下であることが好ましく、0.55質量%以下であることがより好ましく、0.50質量%以下であることがさらに好ましい。
偏光素子の製造方法は特に限定されないが、予めロール状に巻かれたPVA系樹脂フィルムを送り出して延伸、染色、架橋などを行って作製する方法(以下、「製造方法1」とする。)やPVA系樹脂を含む塗布液を基材フィルム上に塗布して塗布層であるPVA系樹脂層を形成して得られた積層体を延伸する工程を含む方法(以下、「製造方法2」とする。)が典型的である。
製造方法1は、PVA系樹脂フィルムを一軸延伸する工程、PVA系樹脂フィルムをヨウ素等の二色性色素で染色することにより、その二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたPVA系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、及びホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を経て製造することができる。
偏光素子中に含まれるホウ素の含有率およびカリウムの含有率は、膨潤工程、染色工程、架橋工程、延伸工程および水洗工程における各処理浴のいずれかに含まれるホウ酸、ホウ酸塩、ホウ砂等のホウ素化合物等のホウ素成分供与物質の濃度およびヨウ化カリウム等のハロゲン化カリウム等のカリウム成分供与物質の濃度、上記の各処理浴による処理温度および処理時間によって制御できる。とくに、架橋工程および延伸工程は、ホウ素成分供与物質の濃度等の処理条件により、ホウ素の含有率を所望の範囲に調整し易い。また、水洗工程は、染色工程、架橋工程、または延伸工程等で使用したホウ素成分供与物質やカリウム成分供与物質の使用量等の処理条件を考慮したうえで、ホウ素、カリウム等の成分をPVA系樹脂フィルムから溶出、あるいはPVA系樹脂フィルムに吸着させることができる観点から、ホウ素の含有率およびカリウムの含有率を所望の範囲に調整し易い。
膨潤工程は、PVA系樹脂フィルムを、膨潤浴中に浸漬する処理工程であり、PVA系樹脂フィルムの表面の汚れやブロッキング剤等を除去でき、また、PVA系樹脂フィルムを膨潤させることで染色ムラを抑制できる。膨潤浴は、通常、水、蒸留水、純水等の水を主成分とする媒体が用いられる。膨潤浴は、常法に従って、界面活性剤、アルコール等が適宜に添加されていてもよい。また、偏光素子のカリウムの含有率を制御する観点から、膨潤浴にヨウ化カリウムを使用してもよく、この場合、膨潤浴中、ヨウ化カリウムの濃度は、1.5質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以下であることがさらに好ましい。
膨潤浴の温度は、10~60℃程度であることが好ましく、15~45℃程度であることがより好ましく、18~30℃程度であることがさらに好ましい。また、膨潤浴への浸漬時間は、PVA系樹脂フィルムの膨潤の程度が膨潤浴の温度の影響を受けるため一概に決定できないが、5~300秒間程度であることが好ましく、10~200秒間程度であることがより好ましく、20~100秒間程度であることがさらに好ましい。膨潤工程は1回だけ実施されてもよく、必要に応じて複数回実施されてもよい。
染色工程は、PVA系樹脂フィルムを、染色浴(ヨウ素溶液)に浸漬する処理工程であり、PVA系樹脂フィルムに、ヨウ素または二色性染料等の二色性物質を吸着・配向させることができる。ヨウ素溶液は、通常、ヨウ素水溶液であることが好ましく、ヨウ素および溶解助剤としてヨウ化物を含有する。なお、ヨウ化物としては、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタン等が挙げられる。これらの中でも、偏光素子中のカリウムの含有率を制御する観点から、ヨウ化カリウムが好適である。
染色浴中、ヨウ素の濃度は、0.01~1質量%程度であることが好ましく、0.02~0.5質量%程度であることがより好ましい。染色浴中、ヨウ化物の濃度は、0.01~10質量%程度であることが好ましく、0.05~5質量%程度であることがより好ましく、0.1~3質量%程度であることがさらに好ましい。
染色浴の温度は、10~50℃程度であることが好ましく、15~45℃程度であることがより好ましく、18~30℃程度であることがさらに好ましい。また、染色浴への浸漬時間は、PVA系樹脂フィルムの染色の程度が染色浴の温度の影響を受けるため一概に決定できないが、10~300秒間程度であることが好ましく、20~240秒間程度であることがより好ましい。染色工程は1回だけ実施されてもよく、必要に応じて複数回実施されてもよい。
架橋工程は、染色工程にて染色されたPVA系樹脂フィルムを、ホウ素化合物を含む処理浴(架橋浴)中に浸漬する処理工程であり、ホウ素化合物によりPVA系樹脂フィルムが架橋して、ヨウ素分子または染料分子が当該架橋構造に吸着できる。ホウ素化合物としては、例えば、ホウ酸、ホウ酸塩、ホウ砂等が挙げられる。架橋浴は、水溶液が一般的であるが、例えば、水との混和性のある有機溶媒および水の混合溶液であってもよい。また、架橋浴は、偏光素子中のカリウムの含有率を制御する観点から、ヨウ化カリウムを含むことが好ましい。
架橋浴中、ホウ素化合物の濃度は、1~15質量%程度であることが好ましく、1.5~10質量%程度であることがより好ましく、2~5質量%程度であることがより好ましい。また、架橋浴にヨウ化カリウムを使用する場合、架橋浴中、ヨウ化カリウムの濃度は、1~15質量%程度であることが好ましく、1.5~10質量%程度であることがより好ましく、2~5質量%程度であることがより好ましい。
架橋浴の温度は、20~70℃程度であることが好ましく、30~60℃程度であることがより好ましい。また、架橋浴への浸漬時間は、PVA系樹脂フィルムの架橋の程度が架橋浴の温度の影響を受けるため一概に決定できないが、5~300秒間程度であることが好ましく、10~200秒間程度であることがより好ましい。架橋工程は1回だけ実施されてもよく、必要に応じて複数回実施されてもよい。
延伸工程は、PVA系樹脂フィルムを、少なくとも一方向に所定の倍率に延伸する処理工程である。一般には、PVA系樹脂フィルムを、搬送方向(長手方向)に1軸延伸する。延伸の方法は特に制限されず、湿潤延伸法と乾式延伸法のいずれも採用できる。延伸工程は1回だけ実施されてもよく、必要に応じて複数回実施されてもよい。延伸工程は、偏光素子の製造において、いずれの段階で行われてもよい。
湿潤延伸法における処理浴(延伸浴)は、通常、水、または水との混和性のある有機溶媒および水の混合溶液等の溶媒を用いることができる。延伸浴は、偏光素子中のカリウムの含有率を制御する観点から、ヨウ化カリウムを含むことが好ましい。延伸浴にヨウ化カリウムを使用する場合、当該延伸浴中、ヨウ化カリウムの濃度は、1~15質量%程度であることが好ましく、2~10質量%程度であることがより好ましく、3~6質量%程度であることがより好ましい。また、処理浴(延伸浴)には、延伸中のフィルム破断を抑制する観点から、ホウ素化合物を含むことができ、この場合、当該延伸浴中、ホウ素化合物の濃度は、1~15質量%程度であることが好ましく、1.5~10質量%程度であることがより好ましく、2~5質量%程度であることがより好ましい。
延伸浴の温度は、25~80℃程度であることが好ましく、40~75℃程度であることがより好ましく、50~70℃程度であることがさらに好ましい。また、延伸浴への浸漬時間は、PVA系樹脂フィルムの延伸の程度が延伸浴の温度の影響を受けるため一概に決定できないが、10~800秒間程度であることが好ましく、30~500秒間程度であることがより好ましい。なお、湿潤延伸法における延伸処理は、膨潤工程、染色工程、架橋工程、および洗浄工程のいずれか1つ以上の処理工程とともに施してもよい。
乾式延伸法としては、例えば、ロール間延伸方法、加熱ロール延伸方法、圧縮延伸方法等が挙げられる。なお、乾式延伸法は、乾燥工程とともに施してもよい。
PVA系樹脂フィルムに施される総延伸倍率(累積の延伸倍率)は、目的に応じ適宜設定できるが、2~7倍程度であることが好ましく、3~6.8倍程度であることがより好ましく、3.5~6.5倍程度であることがさらに好ましい。
洗浄工程は、PVA系樹脂フィルムを、洗浄浴中に浸漬する処理工程であり、PVA系樹脂フィルムの表面等に残存する異物を除去できる。洗浄浴は、通常、水、蒸留水、純水等の水を主成分とする媒体が用いられる。また、偏光素子中のカリウムの含有率を制御する観点から、洗浄浴にヨウ化カリウムを使用することが好ましく、この場合、洗浄浴中、ヨウ化カリウムの濃度は、1~10質量%程度であることが好ましく、1.5~4質量%程度であることがより好ましく、1.8~3.8質量%程度であることがさらに好ましい。
洗浄浴の温度は、5~50℃程度であることが好ましく、10~40℃程度であることがより好ましく、15~30℃程度であることがさらに好ましい。また、洗浄浴への浸漬時間は、PVA系樹脂フィルムの洗浄の程度が洗浄浴の温度の影響を受けるため一概に決定できないが、1~100秒間程度であることが好ましく、2~50秒間程度であることがより好ましく、3~20秒間程度であることがさらに好ましい。洗浄工程は1回だけ実施されてもよく、必要に応じて複数回実施されてもよい。
乾燥工程は、洗浄工程にて洗浄されたPVA系樹脂フィルムを、乾燥して偏光素子を得る工程である。乾燥は、任意の適切な方法で行われ、例えば、自然乾燥、送風乾燥、加熱乾燥が挙げられる。
製造方法2は、上記PVA系樹脂を含む塗布液を基材フィルム上に塗布する工程、得られた積層フィルムを一軸延伸する工程、一軸延伸された積層フィルムのPVA系樹脂層を二色性色素で染色することにより、その二色性色素を吸着させて偏光素子とする工程、二色性色素が吸着されたフィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、及びホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を経て製造することができる。偏光素子を形成するために用いる基材フィルムは、偏光素子の保護層として用いてもよい。必要に応じて、基材フィルムを偏光素子から剥離除去してもよい。
偏光素子は、尿素系化合物を含有するものであってもよい。偏光素子に尿素系化合物を含有させる方法としては、尿素系化合物を含有する処理溶液に、PVA系樹脂フィルム又はPVA系樹脂層を浸漬する方法、あるいは尿素系化合物を含有する処理溶液をPVA系樹脂フィルム又はPVA系樹脂層に噴霧、流下もしくは滴下する方法が挙げられる。この中でも、尿素系化合物を含有する処理溶液にPVA系樹脂フィルム又はPVA系樹脂層を浸漬させる方法が好ましく用いられる。尿素系化合物の具体的な例は、後述する粘着剤層に含有させるものとして例示されているものが挙げられる。
尿素系化合物を含む処理溶液にPVA系樹脂フィルム又はPVA系樹脂層を浸漬させる工程は、後述の偏光素子の製造方法における膨潤、延伸、染色、架橋、洗浄等の工程と同時に行ってもよいし、これらの工程とは別に設けてもよい。PVA系樹脂フィルム又はPVA系樹脂層に尿素系化合物を含有させる工程は、ヨウ素で染色した後に行なうことが好ましく、染色後の架橋工程と同時に行うことがより好ましい。このような方法によれば、色相変化が小さく、偏光素子の光学特性への影響を小さくすることができる。
<透明保護フィルム>
本実施形態において用いられる透明保護フィルム(以下、単に「保護フィルム」とも称す。)は、偏光素子の少なくとも片面に接着剤層を介して貼り合わされる。この透明保護フィルムは偏光素子の片面又は両面に貼り合わされるが、両面に貼り合わされていることがより好ましい。また、偏光素子の両面に接着剤層を介して保護フィルムが貼り合わされている構成において、偏光素子両面の接着剤層の内、片面の接着剤層のみが尿素系化合物含有接着剤層であっても構わないが、両面の接着剤層が共に尿素系化合物含有接着剤層であることがより好ましい。
保護フィルムは、同時に他の光学的機能を有していてもよく、複数の層が積層された積層構造に形成されていてもよい。保護フィルムの膜厚は光学特性の観点から薄いものが好ましいが、薄すぎると強度が低下し加工性に劣るものとなる。適切な膜厚としては、5~100μmであり、好ましくは10~80μm、より好ましくは15~70μmである。
保護フィルムは、セルロースアシレート系フィルム、ポリカーボネート系樹脂からなるフィルム、ノルボルネンなどシクロオレフィン系樹脂からなるフィルム、(メタ)アクリル系重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂系フィルムなどのフィルムを用いることができる。偏光素子の両面に保護フィルムを有する構成の場合、PVA接着剤などの水系接着剤を用いて貼合する場合は透湿度の点で少なくとも片側の保護フィルムはセルロースアシレート系フィルムまたは(メタ)アクリル系重合体フィルムの何れかであることが好ましく、中でもセルロースアシレートフィルムが好ましい。
少なくとも一方の保護フィルムとしては、視野角補償などの目的で位相差機能を備えていても良く、その場合、フィルム自身が位相差機能を有していても良く、位相差層を別に有していても良く、両者の組み合わせであっても良い。
なお、位相差機能を備えるフィルムは接着剤層を介して、直接偏光素子に貼合される構成について説明したが、偏光素子に貼合された別の保護フィルムを介して粘着剤層または接着剤層を介して貼合された構成であっても構わない。
<接着剤層>
偏光素子に保護フィルムを貼合するための接着剤層を構成する接着剤は、任意の適切な接着剤を用いることができる。接着剤は、水系接着剤、溶剤系接着剤、活性エネルギー線硬化型接着剤などを用いることができるが、水系接着剤であることが好ましい。接着剤層は、耐熱性向上の観点から、好ましくは、尿素系化合物を含有する尿素系化合物含有接着剤層である。偏光素子に保護フィルムを貼合するための接着剤層を複数有する構成の偏光板において、少なくとも一つの接着剤層は、尿素系化合物含有接着剤層である。
接着剤の塗布時の厚みは、任意の適切な値に設定され得る。例えば、硬化後または加熱(乾燥)後に、所望の厚みを有する接着剤層が得られるように設定する。接着剤層の厚みは、好ましくは0.01μm以上7μm以下であり、より好ましくは0.01μm以上5μm以下であり、さらに好ましくは0.01μm以上2μm以下であり、最も好ましくは0.01μm以上1μm以下である。
(水系接着剤)
水系接着剤としては、任意の適切な水系接着剤が採用され得る。中でも、PVA系樹脂を含む水系接着剤(PVA系接着剤)が好ましく用いられる。水系接着剤に含まれるPVA系樹脂の平均重合度は、接着性の点から、好ましくは100~5500程度、さらに好ましくは1000~4500である。平均鹸化度は、接着性の点から、好ましくは85モル%~100モル%程度であり、さらに好ましくは90モル%~100モル%である。
上記水系接着剤に含まれるPVA系樹脂としては、アセトアセチル基を含有するものが好ましく、その理由は、PVA系樹脂層と保護フィルムとの密着性に優れ、耐久性に優れているからである。アセトアセチル基含有PVA系樹脂は、例えば、PVA系樹脂とジケテンとを任意の方法で反応させることにより得られる。アセトアセチル基含有PVA系樹脂のアセトアセチル基変性度は、代表的には0.1モル%以上であり、好ましくは0.1モル%~20モル%程度である。
上記水系接着剤の樹脂濃度は、好ましくは5質量%~60質量%であり、さらに好ましくは5質量%~50質量%である。
水系接着剤には架橋剤を含有させることもできる。架橋剤としては公知の架橋剤を用いることができる。例えば、水溶性エポキシ化合物、ジアルデヒド、イソシアネートなどが挙げられる。
PVA系樹脂がアセトアセチル基含有PVA系樹脂である場合は、架橋剤としてグリオキサール、グリオキシル酸塩、メチロールメラミンのうちの何れかであることが好ましく、グリオキサール、グリオキシル酸塩の何れかであることが好ましく、グリオキサールであることが特に好ましい。
水系接着剤は有機溶剤を含有することもできる。有機溶剤は、水と混和性を有する点でアルコール類が好ましく、アルコール類の中でもメタノールまたはエタノールであることがより好ましい。尿素系化合物の一部は水に対する溶解度が低い反面、アルコールに対する溶解度は十分なものがある。その場合は、尿素系化合物をアルコールに溶解し、尿素系化合物のアルコール溶液を調製した後、尿素系化合物のアルコール溶液をPVA水溶液に添加し、接着剤を調製することも好ましい態様の一つである。接着剤に沸点が100℃未満のアルコールを含有させることで、接着剤の乾燥効率を上げることができ、短い乾燥時間でも寸法抑制の効果を発揮しやすくなる。
水系接着剤のメタノールの濃度は、好ましくは10質量%以上70質量%以下、より好ましくは15質量%以上60質量%以下、さらに好ましくは20質量%以上60質量%以下である。メタノールの濃度が10質量%以上であることにより、高温環境下でのポリエン化をより抑制しやすくなる。また、メタノールの含有率が70質量%以下であることにより、色相の悪化を抑制することができる。
(活性エネルギー線硬化型接着剤)
活性エネルギー線硬化型接着剤は、紫外線等の活性エネルギー線を照射することによって硬化する接着剤であり、例えば重合性化合物及び光重合性開始剤を含む接着剤、光反応性樹脂を含む接着剤、バインダー樹脂及び光反応性架橋剤を含む接着剤等を挙げることができる。上記重合性化合物としては、光硬化性エポキシ系モノマー、光硬化性アクリル系モノマー、光硬化性ウレタン系モノマー等の光重合性モノマー、及びこれらモノマーに由来するオリゴマー等を挙げることができる。上記光重合開始剤としては、紫外線等の活性エネルギー線を照射して中性ラジカル、アニオンラジカル、カチオンラジカルといった活性種を発生する物質を含む化合物を挙げることができる。
(尿素系化合物)
尿素系化合物は、尿素、尿素誘導体、チオ尿素及びチオ尿素誘導体から選ばれる少なくとも1種である。接着剤層に尿素系化合物を含有させる方法としては、上記の接着剤に尿素系化合物を含有させることが好ましい。なお、接着剤から乾燥工程などを経て接着剤層を形成する過程で、尿素系化合物の一部が接着剤層から偏光素子などに移動していても構わない。すなわち、偏光素子は、尿素系化合物を含んでいてもよい。尿素系化合物には水溶性のものと難水溶性のものがあるが、どちらの尿素系化合物も本実施形態の接着剤では使用することができる。難水溶性尿素系化合物を水系接着剤に用いる場合は、接着剤層を形成後、ヘイズ上昇などが起きないように分散方法を工夫することが好ましい。
接着剤がPVA系樹脂を含有する水系接着剤の場合、尿素系化合物の合計添加量は、PVA樹脂100質量部に対し、0.1~2000質量部であることが好ましく、1~1500質量部であることがより好ましく、5~1000質量部であることがさらに好ましく、50~1000質量部であることが特に好ましく、150~1000質量部であってもよい。
(尿素誘導体)
尿素誘導体は、尿素分子の4つの水素原子の少なくとも1つが、置換基に置換された化合物である。この場合、置換基に特に制限はないが、炭素原子、水素原子および酸素原子よりなる置換基であることが好ましい。
尿素誘導体の具体例として、1置換尿素として、メチル尿素、エチル尿素、プロピル尿素、ブチル尿素、イソブチル尿素、N-オクタデシル尿素、2-ヒドロキシエチル尿素、ヒドロキシ尿素、アセチル尿素、アリル尿素、2-プロピニル尿素、シクロヘキシル尿素、フェニル尿素、3-ヒドロキシフェニル尿素、(4-メトキシフェニル)尿素、ベンジル尿素、ベンゾイル尿素、o-トリル尿素、p-トリル尿素が挙げられる。
2置換尿素として、1,1-ジメチル尿素、1,3-ジメチル尿素、1,1-ジエチル尿素、1,3-ジエチル尿素、1,3-ビス(ヒドロキシメチル)尿素、1,3-tert-ブチル尿素、1,3-ジシクロヘキシル尿素、1,3-ジフェニル尿素、1,3-ビス(4-メトキシフェニル)尿素、1-アセチル-3-メチル尿素、2-イミダゾリジノン(エチレン尿素)、テトラヒドロ-2-ピリミジノン(プロピレン尿素)が挙げられる。
4置換尿素として、テトラメチル尿素、1,1,3,3-テトラエチル尿素、1,1,3,3-テトラブチル尿素、1,3-ジメトキシ-1,3-ジメチル尿素、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノンが挙げられる。
(チオ尿素誘導体)
チオ尿素誘導体は、チオ尿素分子の4つの水素原子の少なくとも1つが、置換基に置換された化合物である。この場合、置換基に特に制限はないが、炭素原子、水素原子および酸素原子よりなる置換基であることが好ましい。
チオ尿素誘導体の具体例として、1置換チオ尿素として、N-メチルチオ尿素、エチルチオ尿素、プロピルチオ尿素、イソプロピルチオ尿素、1-ブチルチオ尿素、シクロヘキシルチオ尿素、N-アセチルチオ尿素、N-アリルチオ尿素、(2-メトキシエチル)チオ尿素、N-フェニルチオ尿素、(4-メトキシフェニル)チオ尿素、N-(2-メトキシフェニル)チオ尿素、N-(1-ナフチル)チオ尿素、(2-ピリジル)チオ尿素、o-トリルチオ尿素、p-トリルチオ尿素が挙げられる。
2置換チオ尿素として、1,1-ジメチルチオ尿素、1,3-ジメチルチオ尿素、1,1-ジエチルチオ尿素、1,3-ジエチルチオ尿素、1,3-ジブチルチオ尿素、1,3-ジイソプロピルチオ尿素、1,3-ジシクロヘキシルチオ尿素、N,N-ジフェニルチオ尿素、N,N’-ジフェニルチオ尿素、1,3-ジ(o-トリル)チオ尿素、1,3-ジ(p-トリル)チオ尿素、1-ベンジル-3-フェニルチオ尿素、1-メチル-3-フェニルチオ尿素、N-アリル-N’-(2-ヒドロキシエチル)チオ尿素、エチレンチオ尿素が挙げられる。
3置換尿素として、トリメチルチオ尿素が挙げられ、4置換尿素として、テトラメチルチオ尿素、1,1,3,3-テトラエチルチオ尿素が挙げられる。
尿素系化合物の中では、高温環境下での寸法変化をより抑制することができる点で、尿素が好ましい。尿素誘導体またはチオ尿素誘導体も好ましく用いることができ、これらの中では尿素誘導体がより好ましい。尿素誘導体の中でも、1置換尿素または2置換尿素であることが好ましく、1置換体であることがより好ましい。2置換尿素には1,1-置換尿素と1,3-置換尿素があるが、1,3-置換尿素がより好ましい。
<粘着剤付き偏光板>
本実施形態の偏光板は、少なくともいずれか一方の表面に粘着剤層を設けて粘着剤付き偏光板とすることができる。尿素系化合物を含有する粘着剤層を有する粘着剤付き偏光板も、本発明に係る偏光板の一態様である。粘着剤層を有する場合、用いる粘着剤は、特に限定されるものではなく、公知のものを用いることができる。
この粘着剤層としては、光学透明性に優れ、適度な濡れ性、凝集性、および接着性等の粘着特性を示すものであればよいが、耐久性等に優れるものが好ましく用いられる。具体的に粘着剤層を形成する粘着剤としては、例えば、アクリル系樹脂やゴム系樹脂からなる感圧性接着剤(アクリル系粘着剤やゴム系粘着剤ともいう)が挙げられる。
前記アクリル系粘着剤から形成される粘着剤層は、特に限定されるものではないが、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、および(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルのような(メタ)アクリル酸エステル系樹脂や、これらの(メタ)アクリル酸エステルを2種類以上用いた共重合樹脂が好ましく用いられる。また、これらの樹脂には、極性モノマーが共重合されている。極性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリルアミド、2-N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、およびグリシジル(メタ)アクリレートといったカルボキシル基、水酸基、アミド基、アミノ基,およびエポキシ基等の極性官能基を有するモノマーが挙げられる。また、粘着剤には、通常、アクリル系樹脂とともに架橋剤が配合されている。
粘着剤にはこの他、各種の添加剤が配合されていてもよい。好適な添加剤として、シランカップリング剤や帯電防止剤がある。シランカップリング剤は、ガラスとの接着力を高めるうえで有効である。帯電防止剤は、静電気の発生を低減または防止するうえで有効である。
粘着剤層の厚みは、3~50μmとすることが好ましい。さらに好ましくは、3~30μmである。粘着剤層に導電性を持たせる場合には、その抵抗値は適宜選択されればよいが、例えば1×10~1×1011Ω/□の範囲であることが好ましい。偏光板に形成する前記粘着剤層の形成方法は、公知の方法により行うことができる。
[偏光板の製造方法]
本発明の偏光板の製造方法は、特に限定されないが、例えば、第1の透明保護フィルムと偏光素子と第2の透明保護フィルムとを、それぞれの層間に接着剤層を設けて貼合し、偏光板を作製する。少なくとも一つの接着剤層は、尿素系化合物含有接着剤層である。その後、偏光板に粘着剤を塗布し粘着剤層を形成する。この際に粘着剤層の表面にセパレータフィルムを貼合し偏光板を作製する。
[画像表示装置]
本発明の画像表示装置は、本発明の偏光板を有することを特徴とする。
画像表示装置としての種類は問わず公知のものが使用できる。例えば、液晶表示装置や有機EL表示装置に本発明の偏光板を好適に用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明は以下の実施例に限定され制限されるものではない。
(1)偏光素子の厚さの測定:
偏光素子の厚さは、株式会社ニコン製のデジタルマイクロメーター“MH-15M”を用いて測定した。
(2)偏光板の収縮量の測定:
偏光板から吸収軸方向(MD方向)または透過軸方向(TD方向)を長辺とする幅3mm、長さ25mmの測定用試料を切り出す。この試料を熱機械分析装置(TMA)「TMA4000SE」(ネッチ・ジャパン(株)製)に試料の長辺に対してチャック間距離が20mmになるようにセットし、試料を保持する力(10gf)を一定に維持したまま、95℃になるまで10℃/分で昇温し、そのまま2時間保持したときの、MD方向及びTD方向の寸法変化を測定した。
(3)ホウ素含有率の測定:
偏光素子0.2gを1.9質量%のマンニトール水溶液200gに溶解させた。次いで、得られた水溶液を1モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液で滴定し、中和に要した水酸化ナトリウム水溶液の量と検量線との比較により、偏光素子のホウ素含有率を算出した。
(4)偏光板に含有される尿素系化合物の含有量の測定:
偏光板に使用する偏光素子及び保護フィルムを10cm×10cmに裁断し、それらの合計質量W1を測定する。偏光素子と保護フィルムとを接着剤で貼り合わせた直後(接着剤を乾燥させる前)の偏光板の質量W2を測定する。接着剤の塗布量(W2-W1)の値から用いる接着剤中の尿素系化合物の濃度に基づいて単位面積当たりの尿素含有量を計算する。
<偏光素子Aの作製>
平均重合度約2400、ケン化度99.9モル%以上であるポリビニルアルコールからなる厚さ40μmのポリビニルアルコールフィルムを、乾式で約5倍に一軸延伸し、さらに緊張状態を保ったまま、60℃の純水に1分間浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の質量比が0.05/5/100の水溶液に28℃で60秒間浸漬した。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の質量比が8.5/8.5/100の水溶液に72℃で300秒間浸漬した。引き続き26℃の純水で20秒間洗浄した後、65℃で乾燥して、ポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向した厚み15μmの偏光素子Aを得た。こうして得られた偏光素子のホウ素含有率は4.48質量%であった。
(接着剤用PVA溶液の調製)
アセトアセチル基を含有する変性PVA系樹脂(三菱ケミカル株式会社製:ゴーセネックスZ-410)50gを950gの純水に溶解し、90℃で2時間加熱後常温に冷却し、接着剤用PVA溶液を得た。
(偏光板用接着剤1の調製)
接着剤用PVA溶液、尿素(東京化成工業株式会社製)、純水を、PVA濃度3.0%、尿素濃度5%(PVA系樹脂100質量部に対し167質量部)、メタノール濃度18.0%になるように配合し、偏光板用接着剤1を得た。
(偏光板用接着剤2の調製)
接着剤用PVA溶液、尿素(東京化成工業株式会社製)、純水を、PVA濃度3.0%、尿素濃度20%(PVA系樹脂100質量部に対し667質量部)、メタノール濃度18.0%になるように配合し、偏光板用接着剤2を得た。
(偏光板用接着剤3の調製)
接着剤用PVA溶液、尿素(東京化成工業株式会社製)、純水を、PVA濃度3.0%、尿素濃度45%(PVA系樹脂100質量部に対し1500質量部)、メタノール濃度18.0%になるように配合し、偏光板用接着剤3を得た。
(偏光板用接着剤4の調製)
接着剤用PVA溶液、純水を、PVA濃度3.0%、メタノール濃度18.0%になるように配合し、偏光板用接着剤4を得た。
<透明保護フィルムAの準備>
市販のセルロースアシレートフィルムTD40(富士フイルム株式会社製:膜厚40μm)を、55℃に保った1.5mol/LのNaOH水溶液(鹸化液)に2分間浸漬した。フィルムを水洗した後、25℃の0.05mol/Lの硫酸水溶液に30秒浸漬した。更に30秒間、流水下で水洗浴に通して、フィルムを中性の状態にした。そして、エアナイフによる水切りを3回繰り返し、フィルムから水を落とした。フィルムを70℃の乾燥ゾーンに15秒間滞留させて乾燥し、鹸化処理したフィルムを作製した。
<偏光板1~4の作製>
接着剤1を介して、偏光素子Aの両面に透明保護フィルムAを、ロール貼合機を用いて貼合した後に、80℃で5分間乾燥し、偏光板1を得た。偏光板の単位面積当たりの尿素含有量が以下の表1に示される量となるように、貼合ニップ圧や貼合ロール速度で、接着剤のWET塗布厚みを調整した。
偏光板1の作製において、接着剤1を接着剤2に変更し、偏光板2を得た。
偏光板1の作製において、接着剤1を接着剤3に変更し、偏光板3を得た。
偏光板1の作製において、接着剤1を接着剤4に変更し、偏光板4を得た。
Figure 2022098848000001
こうして得られた偏光板1~4について、寸法変化の測定を行った。得られた結果を表2に示す。
Figure 2022098848000002

Claims (5)

  1. ポリビニルアルコール系樹脂層に二色性色素を吸着配向させた偏光素子と、接着剤層と、透明保護フィルムと、をこの順で有する偏光板であって、
    前記偏光板は、尿素系化合物を含有し、前記尿素系化合物の含有量が0.1g/m以上2.00g/m以下であり、
    前記接着剤層は、前記尿素系化合物を含有し、
    前記尿素系化合物は、尿素、尿素誘導体、チオ尿素及びチオ尿素誘導体からなる群より選択される少なくとも1種である、偏光板。
  2. 前記偏光素子は、ホウ素を含有し、前記ホウ素の含有率が4.0質量%以上8.0質量%以下である、請求項1に記載の偏光板。
  3. 前記接着剤層は、ポリビニルアルコール系樹脂を含有する、請求項1または2に記載の偏光板。
  4. 前記接着剤層は、厚みが0.01μm以上7μm以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の偏光板。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の偏光板を備える、画像表示装置。
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