JP2022098520A - 回転電機及び車両 - Google Patents

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暁史 高橋
Akifumi Takahashi
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Abstract

【課題】インホイールモータに搭載される回転電機の車体側の軸受を長寿命化する。【解決手段】複数のコイルが巻回されたステータコアと、ステータコアを支持するステータケースと、ステータコアに対して隙間を介して回転可能に配置されるロータコアと、ロータコアを支持するロータケースと、ステータケースとロータケースとを接続する第1軸受及び第2軸受と、を備え、第1軸受及び第2軸受の転動体並びにコイルのコイルエンド部は、液状冷媒が収容される液状冷媒路内に配置され、隙間は、液状冷媒が軸方向に流れる第1流路とされ、第1軸受は、第1流路の上流側に配置され、第2軸受は、第1流路の下流側に配置され、第2軸受の内径は、第1軸受の内径よりも大きいことを特徴とする回転電機【選択図】 図3

Description

本発明は、回転電機及び車両に関する。
ステータケースに固定されたステータと、軸受を介してステータケースに対して回転可能に接合されたロータケースに固定されたロータとを備えた回転電機が、ホイール内に組み込まれたインホイールモータが知られている(特許文献1参照)。特許文献1には、インホイールモータの外側に冷却液が収容されたリザーバタンクを配置し、このリザーバタンクと、ステータとロータとの間の隙間とをパイプにより連通させたインホイールモータのシステムが開示されている。
特開2005-333706
特許文献1に記載のシステムでは、モータの駆動を継続した場合に、ステータで発生する熱により冷却液の温度が上昇し、軸受が高温になることに起因して、その寿命が短くなってしまうおそれがある。
本発明は、回転電機の軸受を長寿命化することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様の回転電機は、複数のコイルが巻回されたステータコアと、前記ステータコアを支持するステータケースと、前記ステータコアに対して隙間を介して回転可能に配置されるロータコアと、前記ロータコアを支持するロータケースと、前記ステータケースと前記ロータケースとを接続する第1軸受及び第2軸受と、を備え、前記第1軸受及び前記第2軸受の転動体並びに前記コイルのコイルエンド部は、液状冷媒が収容される液状冷媒路内に配置され、前記隙間は、前記液状冷媒が軸方向に流れる第1流路とされ、前記第1軸受は、前記第1流路の液状冷媒入口側に配置され、前記第2軸受は、前記第1流路の液状冷媒出口側に配置され、前記第2軸受の内径は、前記第1軸受の内径よりも大きい回転電機である。
本発明によれば、回転電機の軸受を長寿命化させることができる。
第1実施形態に係る車両の構成を示す模式図。 第1実施形態に係る電動ホイールの構成を示す分解斜視図。 第1実施形態に係るインホイールモータの構成を示す模式的断面図。 第2実施形態に係るインホイールモータの構成を示す部分断面斜視図。 第2実施形態に係る液状冷媒路の環状流路の斜視図。 第2実施形態に係る液状冷媒路の第1コイルエンド部付近の環状流路入口を側面から見た部分断面斜視図。 第2実施形態に係る液状冷媒路の第1コイルエンド部付近の環状流路入口を上方から見た部分断面斜視図。 第2実施形態に係る軸受の構成を示す部分断面図。 軸受の運転隙間と疲れ寿命の関係を示すグラフ。 軸受の内径と軸受隙間の関係を示すグラフ。 第3実施形態に係るインホイールモータの構成を示す部分断面斜視図。 第4実施形態に係るインホイールモータの構成を示す部分断面図。 比較例におけるスラスト力の説明図。 第4実施形態に係るインホイールモータにおけるスラスト力の説明図。 第5実施形態に係るインホイールモータの構成を示す部分断面図。
[第1実施形態]
以下に図1~図3を参照しながら本発明の第1実施形態に係る車両1000およびこの車両1000に搭載されるインホイールモータ50について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る車両1000の構成を示す模式図である。図1に示すように、本実施形態の車両1000は、車体フレーム1010と、車体フレーム1010の内側に配置されるバッテリ台1020と、バッテリ台1020の上に搭載されるバッテリ1030と、車輪(前輪及び後輪)とを備える。各車輪(左右の前輪及び左右の後輪)は、電動ホイール200と電動ホイール200の外周に取り付けられるタイヤ800を有している。電動ホイール200には、インバータ150が搭載される。
各電動ホイール200は、バッテリ1030と電源ケーブルPLによって接続される。インバータ150は、バッテリ1030から供給される直流電力を交流電力に変換し、電動ホイール200に搭載されるインホイールモータ50に供給する。
本実施形態の電動ホイール200に搭載されるインホイールモータ50は、発生するトルク密度が高い。そのため、インホイールモータ50は、車両1000の車輪を直接駆動することができる。つまり、本実施形態では、車両1000の駆動におけるギアレス化、すなわち車輪のダイレクトドライブが可能となっている。
本実施形態に係る車両1000は、ガソリンエンジン搭載車と同等の走行性能を有している。例えば、車両1000は市街地における50km/hの定速運転が可能である。また、加速性能に関しても、ガソリンエンジン搭載車と同等以上の性能を発揮する。
次に本実施形態の電動ホイール200のサイズに関し説明する。現在、自動車に使用されるホイールのサイズは規格化されている。通常、ホイールのサイズはリム径で表される。リム径はインチで示される。電動ホイール200は、例えば、リム径が14インチ(355.6mm)、15インチ(381mm)、16インチ(406.4mm)、17インチ(431.8mm)、18インチ(457.2mm)、19インチ(482.6mm)、または、20インチ(508mm)のホイールに取り付けられる。
以下では、リム径が19インチ(482.6mm)、リム幅が8.5インチ(21.6mm)のホイールを有する電動ホイール200について説明する。
図2に電動ホイール200の分解斜視図を示す。図2に示すように、本実施形態の電動ホイール200は、タイヤが取り付けられるホイール100と、ホイール100に取り付けられるインホイールモータ50と、を備える。電動ホイール200には、車輪を制動させる制動力を発生させるディスクブレーキ106が取り付けられる。電動ホイール200は、サスペンション装置110を介して車体フレーム1010に取り付けられる。サスペンション装置110は、インホイールモータ50に固定されるナックル107と、ナックル107に回転可能に取り付けられるロアアーム108を有する。さらに、サスペンション装置110は、ナックル107に回転可能に接続されるショックアブソーバ109aと、ショックアブソーバ109aと車体フレーム1010に設けられた支持部材との間に取り付けられるばね109bと、を備える。
ホイール100の車輪軸AX付近に、車輪を支持するハブベアリングHUBが配置される。ステータ2はハブベアリングHUBを介してホイールと接合される。車体の重量の一部は、ホイール100、ハブベアリングHUB、ステータ2を介して、ナックル107を含むサスペンション装置110によって支持される。ホイール100の内部には、電動ホイール200を駆動するための主要な部品が収容されている。
電動ホイール200に搭載されるインホイールモータ50には、インホイールモータ50を構成する各部品を冷却するための液状冷媒が供給される。液状冷媒は、電動ホイール200の外部に設けられるポンプ(不図示)によって、インホイールモータ50内に供給される。液状冷媒が流れる配管は、電動ホイール200の車体側側面から取り出され、車体前部に配置された熱交換器(不図示)に接続される。液状冷媒は、空冷式または水冷式の熱交換器により冷却される。
図3にインホイールモータ50の模式的断面図を示す。図3には、インホイールモータ50の主要構造部、例えば、ステータコア2X、ロータコア4X、隙間7、第1軸受11A、及び第2軸受11Bの配置関係を示している。インホイールモータ50のハブベアリングHUBの周辺、オイルシールの構造などの図示は省略している。
図3に示すように、インホイールモータ50は、ステータ2とロータ4を備える。ステータ2は、円筒状のステータコア2Xと、ステータコア2Xに巻回された複数のコイル2Zと、ステータコア2Xを支持する本体2Cと、を備える。ロータ4は、ステータコア2Xに対して隙間7を介して回転可能に配置されるロータコア4Xと、ロータコア4Xを支持するロータケース4Wと、を備える。
ステータコア2Xの外周部には、ステータコア2Xの中心軸方向に平行な複数のスロット(不図示)が形成される。複数のスロットは、ステータコア2Xの円周方向に等間隔で形成される。スロットには、コイル2Zが収容される。スロット間にはティース2Tが形成される(図6、7参照)。本実施形態では、複数のティース2Tが、環状のコアバック2Q(図6参照)と一体となっている。つまり、ステータコア2Xは、複数のティース2Tとコアバック2Qとが一体成形されたコアである。周方向については、分割型のコアを用いている。ティース2Tは、コイル2Zによって発生した回転磁界をロータコア4Xに導き、ロータコア4Xに回転トルクを発生させる。
コイル2Zは、複数の導体片が接続されることにより形成される。導体片は、銅などの低抵抗導電体の板を打ち抜くことにより形成される。なお、コイル2Zは、断面が矩形状の平角線により形成してもよい。コイル2Zは、ステータコア2Xのスロットに、径方向に層状に収容される。本実施形態において、径方向とは円筒形状の回転電機の半径方向をさす。軸方向とは回転電機のロータ4が回転する回転軸をさす。周方向とは円筒形状を有するステータ2またはロータ4の円周方向をさす。以下の実施形態において、回転電機とはホイール内に組み込むことができるインホイールモータをさす。
コイル2Zは、ステータコア2Xのスロット内に配置されるスロット内導体と、ステータコア2Xの両端からスロット外に突出するコイルエンド部と、を有する。ステータコア2Xの一端側(車外側)に配置されるコイルエンド部を第1コイルエンド部2ZAと記し、ステータコア2Xの他端側(車体側)に配置されるコイルエンド部を第2コイルエンド部2ZBと記す。第1コイルエンド部2ZAおよび第2コイルエンド部2ZBは、インホイールモータ50の動作時に発熱し、高温になる。後述するように、第1コイルエンド部2ZAおよび第2コイルエンド部2ZBは、液状冷媒が収容されている液状冷媒路15内に配置され、液状冷媒によって冷却される。
ステータ2は、円筒状の本体2Cと、本体2Cの一端側の開口部に固定される第1エンドブラケット2Aと、本体2Cの他端側の開口部に固定される第2エンドブラケット2Bと、を備える。本体2Cの外周部には、ステータコア2Xが焼嵌め、圧入等により嵌合固定される。
本体2Cは、例えば、アルミニウム、マグネシウム合金などの軽金属を用いたダイキャスト法により形成される。なお、本体2Cは、3Dプリンタ成型法などの積層造形法によって形成してもよい。積層造形法を採用することによって、本体2Cの形状の自由度が向上する。本体2Cの内側は空間になっており、インバータ150が収容される。これにより、インホイールモータ50とインバータ(電力変換装置)とが一体化された機電一体構造のモータユニットが形成される。以降、本体2C、第1エンドブラケット2A、及び第2エンドブラケット2Bをステータケース2Wともいう。
ロータコア4Xには、複数の永久磁石が固定される。永久磁石は、ロータ4の界磁極を形成する。ロータ4は、コイル2Zによって発生した回転磁界が導かれることにより、車輪軸を中心に回転する。
ロータケース4Wは、有底円筒状のケース本体4Cと、ケース本体4Cの開口部に固定されるエンドブラケット4Bと、を有する。ケース本体4Cは、円筒部4CHと、筒部の一端側に設けられる円板状の底部4CDと、を有する。ケース本体4Cの内周部には、ロータコア4Xが焼嵌め、圧入等により嵌合固定される。つまり、ケース本体4Cは、ロータコア4Xと共に回転する。
ケース本体4Cは、例えば、アルミダイキャストなどの軽金属、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)などの軽量構造材により形成される。なお、ロータコア4Xとステータコア2Xとの間に狭小の隙間7を形成するために、ケース本体4Cは、桶型形状のダイキャスト法等の加工精度が高い一体成型法によって形成することが好ましい。
第1軸受11Aの固定部4MAから第2軸受11Bの固定部4MBまでを一体成型することで、組立品に比べて軸受11の固定部同士の寸法精度を確保しやすい。これにより狭小間隙を実現できる。ボルト締結や接着などせずに、アルミダイキャストなどで一つの部品として製作されることが好ましい。または、一つの材料から削り出して製作してもよい。
但し、許容できる寸法精度や剛性、用いる部品相互の組立性等との関係で、ケース本体4Cの底部4CDを分割型で形成することもできる。
本体2Cの外周部とケース本体4Cの内周部との間には、本体2Cの外周部とケース本体4Cとを接続する第1軸受11A及び第2軸受11Bが配置されている。第1軸受11A及び第2軸受11Bは、口径サイズは異なるが構成は同じであるため、以下では、第1軸受11A及び第2軸受11Bを総称して軸受11とも記す。また、第1軸受11Aの転動体10Aと第2軸受11Bの転動体10Bを総称して、転動体10とも記す。
第1軸受11Aは、ステータコア2Xの軸方向一端側(図示右側)に配置され、第2軸受11Bは、ステータコア2Xの軸方向他端側(図示左側)に配置される。
図3に示すように、本体2Cの軸方向一端側には、第1軸受11Aの内輪が隙間嵌めされる固定部2LAが形成され、本体2Cの外周部の軸方他端側には、第2軸受11Bの内輪が隙間嵌めされる固定部2LBが形成される。
ケース本体4Cの軸方向一端側には、第1軸受11Aの外輪が圧入固定される固定部4MAが形成され、ケース本体4Cの軸方向他端側には、第2軸受11Bの外輪が圧入固定される固定部4MBが形成される。
このため、ロータ4自身に車重はかからない。上記したように、車体の重量はハブベアリングHUBを介して車輪軸AXに伝わり、最終的にサスペンション装置110によって支持されているからである。
したがって、ロータ4は、回転トルクによって変形しない剛性を有していればよい。
第1エンドブラケット2Aと底部4CDの間に第1オイルシール(不図示)が配置され、第2エンドブラケット2Bとエンドブラケット4Bの間に第2オイルシール(不図示)が配置される。
本実施形態に係るインホイールモータ50は、例えば、次のようにして組み立てられる。先ず、ロータケース4Wのケース本体4Cの固定部4MAに第1軸受11Aが圧入固定される。その後、ステータ2がケース本体4C内に挿入され、本体2Cの外周部の固定部2LAが第1軸受11Aの内輪に嵌め合わされる。
次に、第2軸受11Bがケース本体4Cの固定部4MBと本体2Cの固定部2LBとの間に嵌め合わされる。エンドブラケット4Bをケース本体4Cに固定することにより、ケース本体4Cにステータ2が組み付けられる。
-液状冷媒路-
本実施形態の液状冷媒路15について説明する。ステータ2と、アウターロータ型のロータ4とを嵌め合わせると、ステータ2とロータ4との間に、液状冷媒路15が形成される。液状冷媒路15は、ステータコア2Xとロータコア4Xとの間の隙間7と、ロータケース4Wのケース本体4Cの底部4CDと、本体2Cの軸方向端部との間に形成される外側内部通路15Aを有する。さらに、液状冷媒路15は、ロータケース4Wのエンドブラケット4Bと、ステータケース2Wとの間に形成される内側内部通路15Bと、第1軸受11Aの軸受内部11AS、第2軸受11Bの軸受内部11BSと、を有する。ロータケース4Wがステータ2に対して回転自在に配置されるからである。従って、第1軸受11A及び第2軸受11Bの転動体10並びにコイル2Zのコイルエンド部は、液状冷媒が収容される液状冷媒路15内に配置される。この液状冷媒路15が上記の第1流路に相当する。
(1)隙間
ステータコア2Xとロータコア4Xとが対向する狭小な空間が隙間7である。ステータコア2Xが発生する回転磁界が隙間7を介して、ロータコア4Xに電磁的に作用し、ロータ4にトルクを発生させる。本実施形態では、空気ではなく、液状冷媒がインホイールモータ50の隙間7に収容され、隙間7の周辺を冷却する。
液状冷媒が隙間7に収容されると、車輪軸AXの回りを回転するロータコア4Xの少なくとも一部が液状冷媒に直接接することになる。また、液状冷媒が隙間に収容されるため、ロータコア、ステータコアおよびコイルの一部が液状冷媒に接する。
ケース本体4Cが回転すると、それに伴って、底部4CD、エンドブラケット4Bに接している液状冷媒の少なくとも一部が回転電機の内部を周方向に回転する。本実施形態では、液状冷媒は外部から圧力を受けているので、液状冷媒入口14Aから液状冷媒出口14Bに向けて、インホイールモータ50の軸方向に向かう液状冷媒の流れが生ずる。そして、インホイールモータ50の内部に、隙間7を流路とする液状冷媒流15Rが形成される。
(2)外側内部通路と内側内部通路
外側内部通路15Aは、ケース本体4Cの外側(車外側)の底部4CDと第1エンドブラケット2Aとの間に配置される。底部4CDと第1エンドブラケット2Aとの間に第1オイルシールが配置されている(不図示)。内側内部通路15Bは、ロータケース4Wの内側(車体側)に位置するロータケース4Wのエンドブラケット4Bとステータケース2Wとの間の空間である。エンドブラケット4Bと第2エンドブラケット2Bとの間に第2オイルシールが配置されている(不図示)。外側内部通路15Aと内側内部通路15Bは、インホイールモータ50の車輪軸AXを中心とした、薄いドーナツ状構造になっている。外側内部通路15Aと内側内部通路15Bの内部に液状冷媒が収容される。
(3)軸受内部
上述したように、ステータ2とケース本体4Cとの間に軸受11が配置される。軸受内部11AS、11BSは、軸受の内輪と外輪との間に形成される空間である(図8参照)。転動体10は、軸受内部11AS、11BSの中に配置される。第1軸受11Aの軸受内部11AS、隙間7、及び外側内部通路15Aとは相互に連通されている。第2軸受11Bの軸受内部11BS、隙間7、及び内側内部通路15Bとは相互に連通されている。このように、軸受11の軸受内部11AS、11BSを通して、外側内部通路15A、隙間7及び内側内部通路15Bが全て連通されている。
また、軸受11の転動体10と外輪10AOR、10BORは、ケース本体4Cの回転に伴って、車体フレーム1010に固定されたステータ2に対して回転する(図8参照)。軸受11の軸受内部11AS、11BSは液状冷媒路15に連通しているので、軸受内部11AS、11BSの転動体10は液状冷媒に接している。そのため、液状冷媒によって転動体10は直接冷却される。一部の液状冷媒は、軸受11の回転動作に伴って周方向に回転する。このように軸受内部11AS、11BSは液状冷媒路15の一部として構成される。このようにして、上記の複数の空間、即ち、隙間7、外側内部通路15A、内側内部通路15B、軸受内部11AS、11BSを含む液状冷媒路15に液状冷媒が収容される。
上述したように、液状冷媒入口14A、隙間7、液状冷媒出口14B、及び外部のポンプ等との間で定常的な循環流が形成される。しかし、軸受11の軸受内部11AS、11BSと転動体10は液状冷媒路15の液状冷媒に接する状態にあり、液状冷媒の流路の中に配置されていない。そのため二つの軸受11の軸方向の内部空間においては軸方向の液状冷媒の流れが余り発生しない。このように、第1軸受11A、第2軸受11Bが液状冷媒路15の外に設置されることで、軸受内部11AS、11BSを軸方向に通過する液状冷媒が少ない。つまり、軸受内部11AS、11BSが液状冷媒で満たされているだけである。しかし、液状冷媒は少なくとも、転動体10の潤滑と冷却を行う。同時に、液状冷媒の流れが少ないので、異物混入の可能性が低くなるので好ましい。本実施形態では、上記の液状冷媒が満たされた空間を液状冷媒路15と記す。
(4)液状冷媒入口と液状冷媒出口
本実施形態において、液状冷媒をインホイールモータ50の内部に供給するための供給貫通孔が、第1コイルエンド部2ZAの直下に一か所設けられている。その供給貫通孔の外側が外部取入口13Aであり、内側が液状冷媒入口14Aである。液状冷媒入口14Aは第1コイルエンド部2ZA付近で液状冷媒路15に接続されている。
また、液状冷媒入口14Aからインホイールモータ50の内部に供給された液状冷媒を外部に排出するための排出貫通孔が、第2コイルエンド部2ZBの直下に一か所設けられている。その排出貫通孔の外側が外部取出口13Bであり、内側が液状冷媒出口14Bである。
本実施形態では、第1軸受11Aと第1コイルエンド部2ZA間の距離が、液状冷媒入口14Aと第1コイルエンド部2ZA間の距離よりも長く、第2軸受11Bと第2コイルエンド部2ZB間の距離が、液状冷媒出口14Bと第2コイルエンド部2ZB間の距離よりも長くなるように設定されている。本実施形態の構成の場合、液状冷媒に接する軸受11に、外部から不要な異物が混入する可能性が低くなるので好ましい。
また、本実施形態において、外部取入口13Aと外部取出口13Bは、周方向で約180度ずれた位置に設けられている。外部取入口13Aと外部取出口13Bは、逆の配置構成にしてもよい。コイル2Z付近の液状冷媒の流れの状態によっては、周方向に液状冷媒の出口が複数箇所あってもよい。液状冷媒出口14Bと液状冷媒入口14Aの位置関係は周方向で略同一位置(約0度)とするか、または略反対位置(約180度)にするなど、配置構成の変形例が考えられる。
-液状冷媒の注入-
インホイールモータ50を組立てた後、その内部で連通している隙間7、軸受内部11AS、11BS(図8参照)、外側内部通路15A、及び内側内部通路15B等に液状冷媒が収容される。
外側内部通路15Aの内部には、内外の空間を分離して液状冷媒を封止するための第1オイルシール(不図示)が、ロータ側の底部4CDとステータ側の第1エンドブラケット2Aとの間に配置されている。また、内側内部通路15Bの内部には、内外の空間を分離して液状冷媒を封止するための第2オイルシール(不図示)が、ロータ側のエンドブラケット4Bとステータ側の第2エンドブラケット2Bとの間に配置されている。
液状冷媒を液状冷媒路15に収容するには、外部取入口13Aに配管を接続し、外部取出口13Bを開放し、液状冷媒が内部に充満するまで供給すればよい。その後、外部取出口13Bに配管またはホースを接続し、熱交換機等との循環路を形成する。ポンプによって液状冷媒に圧力が印加され、液状冷媒路15に供給される。このことにより、液状冷媒は液状冷媒路15の中を流れ、さらに液状冷媒出口14B、外部取出口13Bから外部に出て、外部の熱交換機との間を循環する。液状冷媒入口14Aからインホイールモータ50の内部に供給された液状冷媒は、第1コイルエンド部2ZAから第2コイルエンド部2ZBに向かって液状冷媒流15Rとなって隙間7の内部を流れる。液状冷媒が軸方向に向かって流れる隙間7の空間が液状冷媒路15である。
本実施形態において、液状冷媒路15に対して、外部取入口13Aと外部取出口13Bは、それぞれ第1コイルエンド部2ZAと第2コイルエンド部2ZBの直下付近に設けている。つまり、本体2Cの内周側の空間に、外部取入口13Aと外部取出口13Bとが設けられている。外部の熱交換器(不図示)と外部接続口13とを配管またはホースで接続する。
-液状冷媒の循環-
本実施形態では、ステータ2とロータケース4Wとの間に配置される二つの軸受11の各転動体(ボール)10が液状冷媒に接するように、液状冷媒路15が形成されている。軸受11の転動体10は、ケース本体4Cの回転に伴って、その回転方向に沿って、軸受内部11AS、11BSで回転しながら周方向に移動する。そのため軸受内部11AS、11BSで転動体10の付近にある液状冷媒は、転動体10と同様に周方向に移動する。軸受内部11AS、11BSにある液状冷媒は、転動体10自身による摩擦熱などを吸収する。
本実施形態において、外側内部通路15Aと内側内部通路15Bに収容された液状冷媒はインホイールモータ50の内部で軸方向に大きく移動することがほとんどない。但し、インホイールモータ50の回転動作に伴い、液状冷媒は、液状冷媒が接しているエンドブラケット4Bまたは底部4CDに引き連られる。そのことによって、外側内部通路15Aと内側内部通路15Bに収容された液状冷媒は、周方向にある程度回転する。その場合、底部4CDとエンドブラケット4Bを介して、液状冷媒から外部への放熱がおこる。このように、液状冷媒路15は、高出力化されたインホイールモータ50の冷却を効率良く行う機能を有している。
また、本実施形態では、第1コイルエンド部2ZAから第2コイルエンド部2ZBに向かって、液状冷媒が薄い円筒状の隙間7を一定方向に流れる。液状冷媒がステータコア2Xとロータコア4X等を冷却する。本実施形態のインホイールモータ50は、コイル2Zに大きな電流を流すことで高トルクを出力する。そのため、コイル2Zはジュール損によって発熱するので、コイル2Zとステータコア2Xは、ロータコア4Xに比べて温度が上昇しやすい。本実施形態では、ステータコア2Xとロータコア4Xとの間の隙間7に、液状冷媒を定常的に流し続ける。液状冷媒は、外部取入口13Aから取り入れられ、液状冷媒入口14Aから液状冷媒路15の内部に供給される。液状冷媒は外部に置かれたポンプで送液されるので、液状冷媒入口14Aの位置においては、液状冷媒出口14B側よりも、相対的に高い圧力を有している。
そのため円筒状の隙間7には、軸方向に液状冷媒が連続的に流れることになる。このような構成をとることによって、上記のステータコア2Xやコイル2Z付近で発生する熱を液状冷媒が連続的に吸収し、外部に排熱することができる。本実施形態では、液状冷媒が第1コイルエンド部2ZAから第2コイルエンド部2ZBに向けて、円筒状の隙間7を流れる。この液状冷媒の流れによって、液状冷媒がステータコア2X等の発熱を吸収し、液状冷媒の温度が上昇し、第2軸受11B付近の液状冷媒の温度が上昇し、それによって第2軸受11Bの温度が第1軸受11Aの温度よりも高くなる。
従来技術のように、第2軸受11Bの口径が第1軸受11Aの口径と同一である場合、第2軸受11Bの内部隙間が熱膨張によって、第1軸受11Aの内部隙間より相対的に小さくなる。
そうすると、第2軸受11Bの内部隙間が熱膨張で狭くなることに起因して、第2軸受11Bの寿命が第1軸受11Aの寿命に比べて短くなってしまうおそれがある。本実施形態では、第2軸受11Bの口径は第1軸受11Aの口径よりも大きく設定されている。その結果、第2軸受11Bの寿命の向上を図っている。このように、本実施形態において隙間7は、液状冷媒が軸方向に流れる第1流路とされ、第1軸受11Aは、この第1流路の液状冷媒入口14A側に配置され、第2軸受11Bは、この第1流路の液状冷媒出口14B側に配置され、第2軸受11Bの内径は、第1軸受11Aの内径よりも大きく設定されている。
-軸受-
本実施形態において、ケース本体4Cと本体2Cとの間に配置される第1軸受11Aと第2軸受11Bには、ラジアル型の軸受を用いることが好ましい。また、第1軸受11Aと第2軸受11Bには大口径・薄型の軸受を用いることが好ましい。薄型軸受は、一般的な軸受に比べて、軸受の幅が小さく軽量になるなどのメリットがある。一般的に軸受は口径が大きくなるほど、転動体10の断面も大きくなる。
しかし、薄型軸受は転動体の断面積が小さい状態を保持したまま、軸受の口径を大きくした設計となっている。そのため、薄型軸受は転動体の断面が、その口径に比べて小さいので、許容荷重及び許容周速も一般的な軸受に比べて小さくなる。しかし、薄型軸受は、軸受の全体が小さく軽量になるなどのメリットがある。本実施形態に適用し得る薄型軸受は、およそ軸受の内径が20cm以上で、転動体の直径が数mm程度のものである。
本実施形態において、車体の重量は別途ハブベアリングHUB(図2参照)が支持する。つまり、本実施形態に用いる第1軸受11Aと第2軸受11Bには車重が直接かかることがない。これらの二つの軸受11は、軸受11が接続されるロータケース4Wのケース本体4Cの自重を支持する。軸方向の荷重が第1軸受11Aと第2軸受11Bに掛からないことを前提として、本実施形態の軸受として深溝玉軸受を選定することが好ましい。深溝玉軸受は、スラスト荷重を受けることができないが、摩擦係数が小さく、回転トルクが低いので、低損失のインホイールモータを構成することができる。軸受11の構造と特性については後述する。
また、軸受11にラジアル荷重やスラスト荷重が掛からなければ、または、ラジアル荷重やスラスト荷重が掛ったとしても、その荷重が小さい範囲であれば、転動体10の断面積が小さい軸受11を選定し用いることができる。本実施形態のインホイールモータ50では、小型化と軽量化が重要な技術要素であるため、転動体10の最小断面積ができるだけ小さい軸受11を選定することが重要となる。
ここで、軸受の隙間に関する定義を説明する。ラジアル軸受の内部隙間とは、内輪または外輪の一方を固定し、他方を動かした場合の移動量を指す。半径方向に内輪または外輪を動かした場合の移動量をラジアル内部隙間という。また、軸受の有効隙間とは、軸受を取り付ける前の隙間(真の隙間)から、軸受を嵌め合いしたことによる隙間の減少量、さらに、内輪と外輪の温度差による隙間の減少量を減算したものである。その有効隙間に対して、荷重が軸受にかかることによる隙間の増加量を加えたものが運転隙間である。
本実施形態の第1軸受11Aは、第2軸受11Bよりも、液状冷媒入口14Aに近い位置に配置される。第1軸受11Aの転動体10Aのおおよそのサイズは、断面が1.27cm(1/2インチ)角、内径35.6cm(14インチ)である。そして、軸受11の転動体10などを含む軸受内部11AS、11BSは、液状冷媒によって冷却される(図8参照)。二つの軸受11の転動体10は液状冷媒路15の液状冷媒に接するように配置されている。軸受11の軸方向に対して液状冷媒を通過させる強制的な液状冷媒潤滑方式については後述する。
本実施形態において、第1軸受11Aと第2軸受11Bは、冷却油シール部をそれぞれ別に設けているが、シールタイプの軸受でもよい。また、ステータ2とロータ4との間の隙間7の狭小化のために、第1軸受11Aと第2軸受11Bは、ステータコア2Xとロータコア4Xになるべく近い位置に配置することが好ましい。シールタイプの軸受を採用すると、軸受の他にシールを別途設置する必要がなくなるので部品点数を削減することができる。
しかし、シールタイプの軸受は、軸受の軸長が長くなり、その耐圧力はシール別置型の軸受より低くなる。また、軸受11の転動体10の回転による発熱と、シール部の摩擦による発熱が同一箇所で発生するので、全体を比較した場合、シール別置型の軸受とシールを組み合わせて構成した方が好ましい。軸受11の冷却方法としてグリス潤滑もあるが、本実施形態において、グリス潤滑を積極的に用いることはない。
本実施形態で用いる軸受の材質は、軸受鋼SUJ2を使用することが好ましい。SUJ2の代わりにSUSでもよい。転動体10にはSUSなどの金属を用いる。セラミックの転動体であると、金属の場合よりも熱膨張係数が小さいので、温度上昇の影響を受けにくいが、適用できないわけではない。
第1軸受11Aは、アウターロータ型インホイールモータのホイールの近くに配置されるので、第1軸受11Aの径はホイールのリム径に近いサイズとなる。軸受11の組立前のラジアル内部の真の隙間は、80~130μm程度の範囲から選定することができる。しかし、本体2Cの材質や、液状冷媒の温度設定によっては、内径のサイズが異なる別シリーズの軸受を選定することもできる。
インホイールモータ50を連続的に使用すると、転動体10に接している液状冷媒の温度上昇、及び転動体10自身による発熱により、転動体10が熱膨張を起こして内部隙間が小さくなる。本実施形態で採用する第2軸受11Bは、大口径であり軸受隙間(取付前の真の隙間)が予め大きく設定されている。そのため、第2軸受11Bで発生する局部的な熱発生に基づく第2軸受11Bの転動体10Bなどの熱膨張を吸収しやすい。
図9を参照して運転隙間の設定について説明する。一般的には、図9に示す疲れ寿命-運転隙間曲線のように、疲れ寿命曲線がピークとなる条件は運転隙間がマイナスの場合である。即ち、運転隙間を0よりやや狭くした条件に設定して用いられることが多い。図9の曲線(a)と曲線(b)は、同一の軸受に対する荷重条件が約6倍異なる場合のものであるが、寿命は運転隙間が-3~-8μm程度で最大値を示している。
しかし、軸受の長寿命化を狙って、運転隙間を0以下の領域であって疲れ寿命曲線の極大値に合わせて設定しようとすると、部品の寸法ばらつきや組立精度等によって、疲れ寿命曲線の極大値より、実際の運転隙間がマイナス側にシフトしてしまう場合がある。そうすると軸受の寿命は急激に悪化する。本実施形態においては、第2軸受11Bは、(c)の矢印の範囲のように、あらかじめ運転隙間が0以上となるように設定されている。
次に図10を参照して軸受の公差について説明する。図10に示すように、軸受の外径・内径のサイズが大きいものほど公差幅が大きくなる。本実施形態では、軸受の運転隙間の設定は、プラスマイナス公差ではなく、運転隙間の設定の下限を0に設定している。用いる軸受の公差を考慮し運転隙間を設定する。その結果、軸受の運転隙間の設定の狙い値は一般的な数値よりも大きくなっている。
また、本実施形態では、二つの軸受11の転動体10を含む軸受内部11AS、11BSは液状冷媒路15の中に配置され、液状冷媒に接している。液状冷媒は、インホイールモータ50の内部で温度上昇が顕著なステータコア2X付近の発熱を吸収し液状冷媒出口14Bを通り、外部取出口13Bから外部に出る。その際、ステータコア2X付近で発生した熱を吸収する液状冷媒は、隙間7を通過するにしたがって、入口側よりも出口側に進行するに従って相対的に高温になっていく。
相対的に液状冷媒入口14A側よりも高温になった液状冷媒に接する第2軸受11Bは、第2軸受11B自身の回転動作による発熱以外に、第2軸受11Bが接する液状冷媒の温度に曝されることになる。つまり、本実施形態では、運転中に第1軸受11Aよりも第2軸受11Bの温度が高くなる傾向にある。
図8に示すように、第2軸受11Bは本体2Cに隙間嵌めされているので、第2軸受11Bの内輪10BIRは本体2Cに直接接している。つまり、第2軸受11Bの内輪10BIRは本体2Cからの熱伝導の影響を直接受けやすい。その結果、第2軸受11Bの内径は、インホイールモータ50の運転時に、第1軸受11Aの内径よりも、温度上昇によって相対的に大口径化する。
本実施形態では、ステータ2の本体2Cからの熱伝導の影響を遮断するために、第2エンドブラケット2Bの円周方向に、穴2Hを同心円状に数個から30個設けて、ステータコア2Xからの熱伝導を受けにくくしている。この穴2Hは、ステータコア2Xと第2軸受11Bとの径方向の間に位置している。穴2Hは、部品の強度、剛性に影響の出ない範囲で、第2エンドブラケット2Bの側面に軸方向に貫通する穴として設けられている。
穴2Hにより、本体2Cの熱伝導面積が小さくなるので、コイル2Zの熱が第2軸受11Bに伝わりにくくなる。また、穴2Hが複数設けられることにより、内側内部通路15Bと隙間7側とが連通され、内部で液状冷媒の対流が起こる。この対流によって第2軸受11Bに液状冷媒がより接するので、第2軸受11Bが冷却されやすくなる。このように穴2Hの内部は液状冷媒路15の一部となる。穴2Hの形状は丸穴でもよいし、長穴でもよい。また、隙間7が見える位置に穴を設ければ、ステータ・ロータの組立時に隙間7に保護板を差し込む穴として利用することもできる。
本実施形態において、第2軸受11Bに関し、運転状態における温度上昇を予測し、第2軸受11Bの軸受隙間は予め大きく設定されている。第2軸受11Bには、第1軸受11Aと同シリーズ(転動体の断面積が同一サイズ)の製品であって、口径が少なくとも一回り大きいものが用いられている。例えば、内径が35.6cm(14インチ)の第1軸受11Aに対して、内径が40.6cm(16インチ)の部品が第2軸受11Bとして用いられている。
第2軸受11Bの組立前のラジアル軸受の内部隙間は90~140μm程度に設定されるので、この内部隙間の数値に見合う寸法を有する軸受が市販品の品番の中から選定され用いられる。本実施形態に用いる軸受は特注品ではなく、一般的な標準品として生産され、市場に供給されている部品から選定されることが好ましい。つまり、ラジアル軸受の内部隙間がカタログ値として推奨されている数値範囲から選定されることが好ましい。
そうすると、一般市販品の軸受の同シリーズの中の口径違いの部品を、第1軸受11Aと第2軸受11Bとして組み合わせて選定されることが好ましい。一般的に市場で入手できる軸受の寸法値の事例を表1に示す。
このように、本実施形態のインホイールモータ(回転電機)50は、第1軸受11A及び第2軸受11Bの転動体10並びにコイル2Zのコイルエンド部、即ち、第1コイルエンド部2ZA及び第2コイルエンド部2ZBは、液状冷媒が収容される液状冷媒路内に配置される。隙間7は、液状冷媒が軸方向に流れる第1流路とされ、第1軸受11Aは、第1流路の液状冷媒入口14A側に配置され、第2軸受11Bは、第1流路の液状冷媒出口14B側に配置され、第2軸受11Bの内径は、第1軸受11Aの内径よりも大きい、という構成を備えたものである。
最小限の構成であっても、軸受11、転動体10、ステータコア2X等の構成部材を効率よく冷却することができる。軸受11に外来の異物が混入する可能性が低く、これらのことにより、軸受11を長寿命化させることができる。
Figure 2022098520000002
[第2実施形態]
図4に本実施形態の部分断面斜視図を示す。
-環状流路-
図4~7に本実施形態の構造を示す。まず、図4に示すように、液状冷媒流15R以外に、ステータコア2Xの内周側表面と本体2Cの外周側表面との間の円筒状空間によって取り囲まれた環状流路18が設けられている。ステータコア2Xの外周側の隙間7に液状冷媒流15Rが配置され、ステータコア2Xの下側に環状流路18が配置されている。
図5に示すように、環状流路18は、軸方向に3段配置された周方向通路17a、17b、17cと、各周方向通路を直列に接続する斜交通路17ab、17bcと、により構成される。環状流路18は、本体2Cの表面に、径方向に高さを有する複数の壁によって流路が区分けされることによって形成されている。環状流路18の1段目の周方向通路17aの上流側端は、環状流路入口16Aに接続され、下流側端は斜交通路17abに接続される。斜交通路17abは中段の周方向通路17b、2段目の斜交通路17bc、3段目の周方向通路17c、及び環状流路出口16Bへと連続的につながっている。
本実施形態における環状流路18は、環状流路入口16Aから環状流路出口16Bに至る途中に一つ以上の斜交通路17ab、17bcを含んでいる。液状冷媒が周方向通路17a、17b、17cと斜交通路17ab、17bcを通過する際、通過損失を低減するために、それぞれの通路の進行方向の通過断面積はほぼ同一に設定されている。また、液状冷媒の通過抵抗を低減するために、斜交通路と周方向通路との交差角度は余り大きくならないことが好ましい。
このような構造の環状流路18を液状冷媒が進行するので、液状冷媒はステータコア2Xの内表面に接しながら、周方向に複数回流れる。そのため液状冷媒は環状流路18を通過する際、ステータコア2Xとの接触時間が長くなり、ステータコア2X付近の熱を吸収しやすくなる。この環状流路18を通過する液状冷媒による熱の吸収効率が上がると、液状冷媒入口14A付近の液状冷媒の温度と、液状冷媒出口14B付近における液状冷媒の温度の差がより大きくなる。この環状流路18が、隙間7を通る第1の流路となる液状冷媒流15Rに対して、併存することができる第2の流路に相当する。
本実施形態における液状冷媒の通過経路は以下の通りである。熱交換器(不図示)に接続された配管は本体2Cの内周側に位置する外部取入口13Aに取り付けられる。液状冷媒は外部取入口13Aからインホイールモータ51の内部に供給される。液状冷媒は、液状冷媒入口14Aから液状冷媒路15の第1コイルエンド部2ZAの直下付近の空間にはいる。その際、液状冷媒はポンプによって送液されているので、液状冷媒入口14Aに供給された時点の液状冷媒は、液状冷媒路15の他の部分に比べて高い圧力を有している。
その後、本実施形態において、インホイールモータ51の内部に供給された液状冷媒は大きく分けて二つの流路に分流する。まず、第1の流路は、第1実施形態の場合と同様に液状冷媒流15Rである。液状冷媒は第1コイルエンド部2ZA付近の液状冷媒入口14Aから第1コイルエンド空間9Aにはいる。第1コイルエンド空間9Aの最外周側は隙間7に直接つながっているので、液状冷媒は第1コイルエンド空間9Aを周方向に流れると共に、円筒状空間である隙間7を横断するように第2コイルエンド部2ZBに向かって流れる。
次に、図6、7に第1コイルエンド空間9A付近の構造と液状冷媒の流れる様子を模式的に示す。液状冷媒は、第1コイルエンド部2ZAの付近から第1コイルエンド空間9Aに入り、さらに周方向に対して左右二つの方向に分流される。その一方は第1コイルエンド空間9Aを第1の方向に流れる第1回転流9F1である。他方は、第1コイルエンド空間9Aを反対方向に流れる第2回転流9F2である。液状冷媒入口14A付近で分流した第1回転流9F1と第2回転流9F2とが、それぞれ第1コイルエンド空間9Aを半周し、液状冷媒入口14Aと180度対向する位置で、合流する様子を示している。
その合流地点の近くに、環状流路入口16Aが設けられている。この環状流路入口16Aはステータコア2Xの一部が凹状に加工されたものである。第1コイルエンド空間9Aから、ステータコア2Xの背面側の環状流路18に連通している。そのため、液状冷媒は環状流路入口16Aから環状流路18に進入することができる。
第1回転流9F1と第2回転流9F2は、周方向をそれぞれ半周した後、合流して下方流9F3となる。この下方流9F3は、環状流路入口16Aの入口底部で、流れる方向が下向きから軸方向に方向転換され、環状流路18へ向かう導入流9F4となる。
導入流9F4となった液状冷媒は環状流路18にはいると、1段目の周方向通路17aに進入する。図5に環状流路18における液状冷媒の通路の構成を示す。液状冷媒は1段目の周方向通路17aに進入した後、約一周した後に斜交通路17abに進入する。さらに液状冷媒は周方向通路17b、斜交通路17bc、周方向通路17cの順に通過して、環状流路出口16Bに到達する。
液状冷媒は環状流路出口16Bの付近で、周方向の流れから軸方向に向かう導出流9F5となる。導出流9F5は環状流路出口16Bの内部で上方流9F6になる。最後に、液状冷媒は、第2コイルエンド部2ZB付近の第2コイルエンド空間9Bにはいる。液状冷媒は、第2コイルエンド空間9Bで再び二つの方向に分流される。上述した第1コイルエンド空間9Aの場合における最初の分流と同様であり、第2コイルエンド空間9Bを流れる、第3回転流9F7と第4回転流9F8とに分流される。
これらの第3回転流9F7と第4回転流9F8は、第2コイルエンド空間9Bの周方向をそれぞれ逆向きに約半周流れた後、180度対向する位置で再び合流する。液状冷媒は、その合流地点付近に置かれた液状冷媒出口14Bを通り、外部取出口13Bからインホイールモータ51の外部に出て液状冷媒槽に戻る。
本実施形態において、液状冷媒のごく一部は軸受11の転動体10を軸方向に横切るように通過する場合もある。さらに、軸受11の軸受内部11AS、11BS(図8参照)を横切った液状冷媒の一部は、第1エンドブラケット2Aとケース本体4Cとの隙間空間である外側内部通路15Aに到達することがある。または、液状冷媒は、ステータケース2Wとエンドブラケット4Bとの隙間空間である内側内部通路15Bに到達する場合もある。このように本実施形態のインホイールモータ51は、ステータケース2Wとロータケース4Wとの隙間空間に液状冷媒が収容されている。
本実施形態においては、ステータコア2Xに巻回されたコイル2Z、第1コイルエンド部2ZA、第2コイルエンド部2ZBの何れも液状冷媒で覆われることになる。本実施形態では、液状冷媒流15R以外に、液状冷媒が第1コイルエンド空間9Aを通る第1コイルエンド流、及び第2コイルエンド空間9Bを通る第2コイルエンド流が設けられている。さらに、ステータコア2Xの背面に、液状冷媒が周方向に流れ、かつ軸方向にも進む環状流路18が設けられている。そのためインホイールモータ51の冷却効率がさらに向上する。
-内部圧力損失-
本実施形態では、軸方向に液状冷媒が流れる液状冷媒流15Rと環状流路18の二つが存在する。インホイールモータ51の隙間7は、ステータコア2Xとロータコア4Xとの間の狭小な空間である。この狭小な空間を液状冷媒が通過する。そのため、環状流路18に対して相対的に圧損が小さいと、液状冷媒は、環状流路18に流れずに隙間7の方を流れてしまう。多くの液状冷媒が隙間7を流れると、インホイールモータ全体としての冷却効率が落ちる。隙間7を狭くすることは、インホイールモータとしてのトルクの向上にも繋がる。従って、隙間7を狭小化すると、液状冷媒路における圧損が十分に小さくなり、且つ必要なトルクを発生できる。例えば、隙間7の設計値の一例として0.5mmがあげられる。
ここで本実施形態における第1軸受11Aと第2軸受11Bの構成について説明する。図8に、インホイールモータ51の軸受11の部分拡大図を示す。
第1軸受11Aは、外輪10AORと内輪10AIRを有している。外輪10AORと内輪10AIRとの間の空間が軸受内部11ASである。外輪10AORと転動体10Aとの隙間が10AGPHである。内輪10AIRと転動体10Aとの隙間が10AGPLである。
外輪10AORの外径がD1-1、内径がL1-2である。内輪10AIRの外径がL1-1、内径がdである。外輪10AORの幅がWである。
第2軸受11Bは、外輪10BORと内輪10BIRを有している。外輪10BORと内輪10BIRとの間の空間が軸受内部11BSである。外輪10BORと転動体10Bとの隙間が10BGPHである。内輪10BIRと転動体10Bとの隙間が10BGPLである。
外輪10BORの外径がD2-1、内径がL2-2である。内輪10BIRの外径がL2-1、内径がdである。外輪10BORとの幅がWである
上記の各部の寸法は軸受メーカによって規格化されており、所望のサイズの品番を選定できることが多い。インチ系とメートル系の部品が用意されていることもある。
第2軸受11Bは、第1軸受11Aよりも一回り大きな口径の薄型扁平軸受から選定される。上述した第1実施形態と同様に、本実施形態においても、第2軸受11Bに第1軸受11Aよりも大口径の軸受を用いることによって、第2軸受11Bの長寿命化を図っている。そのため、第2軸受11Bの設定では、その運転隙間が0以上となるように条件が設定されている。
[第3実施形態]
図11に第3実施形態の部分断面斜視図を示す。第1軸受11Aと第2軸受11Bは同系統の薄型扁平の軸受である。第2軸受11Bに、第1軸受11Aよりも口径が少なくとも一回り大きいものが用いられている。
本実施形態では、液状冷媒路15に液状冷媒を供給する外部取入口13Aと、液状冷媒を排出するための外部取出口13Bは、インホイールモータ52の内周側の、ステータ2の第1エンドブラケット2Aと第2エンドブラケット2Bにそれぞれ取り付けられている。そして、液状冷媒入口14Aは外側内部通路15Aに接続されている。液状冷媒出口14Bは内側内部通路15Bに接続されている。
従って、第1軸受11Aは、液状冷媒入口14Aと第1コイルエンド部2ZAの間の液状冷媒路15内に配置されている。また、第2軸受11Bは、液状冷媒出口14Bと第2コイルエンド部2ZBの間の液状冷媒路15内に配置されている。
本実施形態では、外部から供給された液状冷媒は、液状冷媒入口14Aから外側内部通路15Aにはいり、さらに、第1軸受11Aの軸受内部11ASを通過し、第1コイルエンド空間9Aにはいる。本実施形態においても、環状流路入口16Aが第1コイルエンド空間9Aの中に設けられている。また、環状流路出口16Bが第2コイルエンド空間9Bの中に設けられている。環状流路18の構成も第2実施形態と同様である。本実施形態では、外側内部通路15Aに液状冷媒が取り入れられ、第1軸受11A、隙間7または環状流路18、第2コイルエンド空間9B、内側内部通路15B、液状冷媒出口14B、外部取出口13Bを通過し、外部の液状冷媒槽に戻る。
そのため、軸受11の軸受内部11AS、BSを定常的に液状冷媒が流れるので、転動体10と軸受内部11AS、11BSが液状冷媒によって効果的に冷却される。
[第4実施形態]
図12を参照しながら本実施形態について説明する。本実施形態における液状冷媒は、第1軸受11A側の液状冷媒入口14Aから、液状冷媒路15に供給される。液状冷媒は液状冷媒路15にはいった時点でポンプによって圧力が高くなっている。また、インホイールモータ53の内部の液状冷媒流15R、環状流路18を液状冷媒が軸方向に進むことにより、内部損失によって圧力が徐々に低下していく。つまり、液状冷媒路15における圧損が発生する。液状冷媒が外部取出口13Bから外部に排出される際には最も圧力が低下している。入口側と出口側での内圧を比較すると、入口側が相対的に高くなる。液状冷媒路15の一部となっている外側内部通路15Aに収容されている液状冷媒はロータケース4Wの底部4CDに対して圧力を掛けている。また、内側内部通路15Bに収容されている液状冷媒はエンドブラケット4Bに対して圧力を掛けている。両者の圧力の大きさを比べると内部圧損の分だけ、入口側圧力19Aが出口側圧力19Bよりも高くなっている。この圧力差によって、内部がどのような影響を受けるかを図13に模式的に示している。また、次の表2に内部圧損に関する比較例と本実施形態とを対比説明する。
Figure 2022098520000003
図13に示すように、インホイールモータの内部で、液状冷媒路15における内圧差によるスラスト力Fが二つの軸受11の軸方向に働く。第1軸受11A側の圧力が高くなり、第2軸受11B側の圧力が低くなる。この圧力差をキャンセルするため、図14に示すように、二つの軸受11を支持する支持構造体の投影面積を、入口側よりも出口側を大きく設定する。そのため、液状冷媒出口14B側の第2軸受11Bには、入口側の第1軸受11Aよりも大口径の軸受を使用する。
その結果、第1軸受11Aまたは第2軸受11Bのいずれか一方の内輪径は、ステータ2の径よりも大きく、他方の内輪径はステータ2の径よりも小さく構成する。隙間7が狭小であり、第1コイルエンド部2ZAから第2コイルエンド部2ZBまでの流路の圧損が大きい場合には、第1軸受11A側の冷媒圧力が第2軸受11B側の冷媒圧力よりも大きくなる。第1軸受11Aと第2軸受11Bが同径であると、受圧面積が同一となり、図13に示したように模式図の左右方向で圧力差が発生している。そのため軸方向のスラスト力が働いてしまう。
つまり、図13に示すように、第1軸受11Aと第2軸受11Bの口径サイズが等しい場合は、ロータケース4Wの底部4CDとエンドブラケット4Bに掛かる力は、入口側の圧力が相対的に高いので図13の紙面で右側に力が働く。すると、第1軸受11Aの内輪が右側に引っ張られるので軸受の軸が傾斜してしまう。同様に第2軸受11Bの軸も傾斜する。
そこで、図14に示すように、軸受の口径を大きくし、第2軸受11B側の受圧面積を大きくすると、スラスト力Fを相殺することができる。
液状冷媒路15を導入したことにより、内部で発生する圧損により第1軸受11A側が高圧、第2軸受11B側が低圧になり、ロータ4に対してスラスト力が働くことになる。その力を受けて、軸受11の接触角が傾くことになる。その結果、軸受内部11AS、11BSと転動体10に異常摩耗が発生し、軸受の寿命が低下する。この不均衡な内部圧力の発生を軸受11の口径を異径化することで補償することができる。
本実施形態では、第1軸受11Aに印加される液状冷媒の圧力が、第2軸受11Bに印加される液状冷媒の圧力よりも大きい状態になる。これを補償するため、第2軸受11Bの口径が第1軸受11Aの口径よりも大きく設定されている。その場合、第2軸受11Bに対する圧力が相対的に小さい分を、口径サイズが大きいことにより、第1軸受11Aと第2軸受11Bとの内圧差を軸受の口径を変化させることで補償することができる。
図14にその状態を模式的に示している。入口側のブラケットの面積よりも、出口側の面積を相対的に大きく設定している。そのため、入口と出口の液状冷媒の内圧差が総合的に補償されて、入口側と出口側での内部圧力の総和が均衡されると考えられる。そのため、軸受11に軸の傾斜が起こりにくくなる。
[第5実施形態]
図15に第5実施形態のインホイールモータ54の構造を示す。本実施形態では、軸受11の何れかが、軸方向において近傍の第1コイルエンド部2ZA、第2コイルエンド部2ZBと同じ位置に配置されているか、または、第1コイルエンド部2ZA、第2コイルエンド部2ZBよりも軸方向の内側に配置されている。図15は、第2軸受11Bの部品端位置11Xが、第2コイルエンド部2ZBの軸方向の位置の内側に配置されている。
このように、第1コイルエンド部2ZA、第2コイルエンド部2ZBと軸受11とを径方向で重ねた位置に配置することで、全体が短軸長構成のインホイールモータを実現することができる。コイルエンド部と軸受を径方向に重ねることで、インホイールモータ54の軸長を短くすることができる。
以上、本発明の幾つかの実施形態や変形例を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではなく、さらなる変形が考えられる。例えば、上記の環状流路の周回数を変形することができ、また、液状冷媒入口と液状冷媒出口の位置を、冷却効率の向上や部品寸法、内部容積の低減等との関係で自由に組み合わせて構成することができる。上記の実施形態や例示した部品を使用する以外に種々の態様が考えられる。
2…ステータ、 2X…ステータコア、 2Z…コイル、 2ZA…第1コイルエンド部、 2ZB…第2コイルエンド部、 2W…ステータケース、 2A…第1エンドブラケット、 2B…第2エンドブラケット、 4…ロータ、 4X…ロータコア、 エンドブラケット4B、 4C…ケース本体、 4CD…底部、 4CH…円筒部、 4W…ロータケース、 7…隙間、 9A…第1コイルエンド空間、 9B…第2コイルエンド空間、 10…転動体、 11A…第1軸受、 11B…第2軸受、 13A…外部取入口、 13B…外部取出口、 14A…液状冷媒入口、 14B…液状冷媒出口、 15…液状冷媒路、 15…液状冷媒路、 15A…外側内部通路、 15B…内側内部通路、 15R…液状冷媒流、 16A…環状流路入口、 16B…環状流路出口、 18…環状流路、50…インホイールモータ(回転電機)、 100…ホイール、 200…電動ホイール、 1000…車両

Claims (10)

  1. 複数のコイルが巻回されたステータコアと、
    前記ステータコアを支持するステータケースと、
    前記ステータコアに対して隙間を介して回転可能に配置されるロータコアと、
    前記ロータコアを支持するロータケースと、
    前記ステータケースと前記ロータケースとを接続する第1軸受及び第2軸受と、を備え、
    前記第1軸受及び前記第2軸受の転動体並びに前記コイルのコイルエンド部は、液状冷媒が収容される液状冷媒路内に配置され、
    前記隙間は、前記液状冷媒が軸方向に流れる第1流路とされ、
    前記第1軸受は、前記第1流路の液状冷媒入口側に配置され、
    前記第2軸受は、前記第1流路の液状冷媒出口側に配置され、
    前記第2軸受の内径は、前記第1軸受の内径よりも大きい回転電機。
  2. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記第1軸受と第1コイルエンド部との間の距離が、前記液状冷媒入口と前記第1コイルエンド部との間の距離よりも長く、
    前記第2軸受と第2コイルエンド部との間の距離が、前記液状冷媒出口と前記第2コイルエンド部との間の距離よりも長い回転電機。
  3. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記第1軸受が、前記液状冷媒入口と前記コイルエンド部の間の前記液状冷媒路内に配置され、
    前記第2軸受が、前記液状冷媒出口と前記コイルエンド部の間の前記液状冷媒路内に配置された回転電機。
  4. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記第1軸受に印加される前記液状冷媒の圧力が、前記第2軸受に印加される前記液状冷媒の圧力よりも大きい回転電機。
  5. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記ロータケースの前記第1軸受の支持部から前記第2軸受の支持部までが一体成型された回転電機。
  6. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記第2軸受または前記第1軸受は前記コイルエンド部と径方向で重なる位置に配置された回転電機。
  7. 請求項6に記載の回転電機において、
    前記第2軸受と前記コイルエンド部の間の前記ステータケースの側面に、軸方向に貫通する穴が周方向に複数設けられた回転電機。
  8. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記第1軸受及び前記第2軸受が深溝玉軸受である回転電機。
  9. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記ステータコアと前記ステータケースの間に環状の第2の流路が配置された回転電機。
  10. 請求項1に記載の回転電機を備えた車両であって、
    さらに、バッテリと、前記バッテリの直流電力を交流電力に変換して、前記交流電力を前記回転電機に供給する電力変換装置と、を備え、前記回転電機のトルクが車輪に直接伝達される車両。
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