JP2022097315A - 導光素子、それを用いる光ロータリージョイントおよび光ケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】 2芯光ケーブルで回転可能な光ロータリージョイントを提供する。【解決手段】 本開示では、テイル部112とボディー部116とを備える導光素子11が提供される。テイル部は、ある波長の光を導く第1光ファイバー21に光学的に結合可能な結合ポート114を有している。ボディー部は、第2光ファイバー22を収容可能な貫通孔111と貫通孔につながる開口118が設けられている拡大ポート117とを有している。ボディー部は、結合ポートから拡大ポートへまたは拡大ポートから結合ポートへ上記波長の光を導くことができるようになっている。本開示では、同様の特徴をもつ対向側導光素子12、これら導光素子を用いる光ロータリージョイント10、光ケーブル200、210、220も提供される。【選択図】図1

Description

本開示は導光素子に関する。さらに詳細には本開示は、光ファイバーの対を含む光ケーブルにねじれが生じても、光伝送に大きな影響を与えることなくねじれを解放することができる、導光素子、それを用いる光ロータリージョイントおよび光ケーブルに関する。
光ファイバーの導光現象に基礎を置く光通信や光加工などは、一般に、低損失で軽量、電磁障害に強いといった利点を備えることから、幅広い分野で実用に付されている。光ファイバーは、透過帯域の電磁波(紫外、可視、赤外を含む)を適切に選択した上での有線での高速通信やエネルギー伝送の媒体として有用である。近年、光ファイバー先端の組み立て作業を現場にて行えるようにすることも求められている(例えば特許文献1、2)。短時間で光コネクターの組立を行うことができるものが知られているものに、光ファイバー先端部にフェルールを固定して研磨し、フェルールの後部に、そこに配置したクランプ部を装着するものがある。このクランプ部においてフェルール側の光ファイバーと、この光ファイバーに突き当てた別の接続対象の光ファイバーとを、クランプ部の半割りの素子によって突き合わせてつなぎ合わせ(スプライス)し、その接続状態が維持される。
また、2本の光ファイバーの端面を互いに物理的に接続せず、その光ファイバーの端面の間で光を伝送する需要も存在する。このために、コリメーターレンズを用いる手法が知られている(例えば特許文献3)。この手法では、2本の光ファイバーで一方から他方に接続するために、コリメーターレンズをそれぞれに配置する。
光ファイバーによる有線での光伝送においては、電線とは異なる特性に起因して特有の配慮が求められる。たとえば、光ファイバーはねじれやより(ツイスト)に対し伝送損失の増大や、コアの破断、光ファイバー自体の折損の危険が伴うため、適切な配慮が必要である。その目的で光ケーブルのジャケットや補強部材の厚みや剛性を高めることは、光ケーブル自体や光ファイバーで接続された機器のハンドリング(取り回し)の障害ともなりかねない。光ファイバー特有の技術要件のうち、特に単一の光ファイバーのねじれに対処するために光ロータリージョイントも開発されている。光ロータリージョイントを用いることができれば、光ファイバーの適用用途を一層広げることができる。特許文献4には、梯形状のプリズムと遊星歯車を用いた多芯光ロータリージョイントが開示されている。
特開2002-23006号公報 特開2002-55259号公報 特開2008-109598号公報 実願昭59-092159号(実開昭61-006818号)
二つのチャネルによる光伝送を同時に実現するために、二本の光ファイバー素線の対をまとめて取り扱うこともしばしばである。例えば2芯の光ケーブルでは一つのジャケット内部に二本の光ファイバー素線を備えている。対にした光ファイバー素線のためのコネクターやレセプタクルも利用されている。そのようなコネクターやレセプタクルは、例えば光ケーブルアセンブリーや光トランシーバーの用途に採用されている。
光ケーブルにねじれが生じたとしても、それが単一の光ファイバー素線を含む単芯の光ケーブルであれば、たとえばロータリージョイントなどの適切な手段によって、光ファイバー素線に生じるねじれを解放することが可能である。しかし、対をなす二本の光ファイバー素線を含む2芯の光ケーブルにおいて光ファイバー素線それぞれの位置がらせんを描くようなより合せ(ツイスト)は、各光ファイバー素線にロータリージョイントを用いても解放できない。2芯の光ケーブルのツイストを解放しつつ、これらの光伝送に与える影響を最小化できれば、光ケーブルや接続された機器のハンドリング性を大きく高めることができる。
この目的に開発されている梯形状のプリズム(いわゆるダブプリズム)を利用する多芯光ロータリージョイント(特許文献4)では、複数の光ファイバーの端部同士をリレーするために光ファイバーの1/2の回転角を保ってプリズムを回転させる機構を必要とする。このような光ロータリージョイントは精密な精度管理が必要なプリズムと精密な精度が維持された機械要素を組み合わせるものであり、採用しうる用途が限定されてしまう。
本開示は、上述した課題の少なくとも何れかを解決することにより、光ケーブルの実用性を大きく向上させる。
本発明者は、光伝送のための接続を維持したまま、長さ方向(軸方向)まわりに回転可能であり、2芯の光ケーブルに対応することができる簡易な構造を着想し、そのための素子を創出した。
本開示のある態様においては、ある波長の光を導く第1光ファイバーに光学的に結合可能な結合ポートを有している、前記波長の光が透過する材質のテイル部と、第2光ファイバーを収容可能な貫通孔と前記貫通孔につながる開口が設けられている拡大ポートとを有しており、前記結合ポートから前記拡大ポートへまたは前記拡大ポートから前記結合ポートへ前記波長の光を導きうるようになっている前記波長の光が透過する材質のボディー部とを備える導光素子が提供される。
本開示のある態様では、上述の導光素子と対をなす対向側導光素子であって、前記波長の光を導く第3光ファイバーに光学的に結合可能な結合ポートを有している、前記波長の光が透過する材質のテイル部と、第4光ファイバーを収容可能な貫通孔と前記貫通孔につながる開口が設けられている拡大ポートとを有しており、前記結合ポートから前記拡大ポートへまたは前記拡大ポートから前記結合ポートへ前記波長の光を導きうるようになっている前記波長の光が透過する材質のボディー部とを備える対向側導光素子も提供される。
本開示のある態様では、上述の導光素子と上述の対向側導光素子とを備える光ケーブルのための光ロータリージョイントであって、前記導光素子と前記対向側導光素子は、互いの前記貫通孔のための前記開口を位置合せして互いの前記拡大ポートを対向させて配置されており、前記第1光ファイバーと前記第3光ファイバーとが、少なくともいずれかからもう一方の向きに前記導光素子および前記対向側導光素子の双方を介して前記波長の光が伝播可能にされており、前記第2光ファイバーと前記第4光ファイバーとが、前記導光素子および前記対向側導光素子それぞれの貫通孔を通ってそれぞれの端面を対向させて少なくともいずれかからもう一方の向きに光が伝播可能にされている光ロータリージョイントが提供される。また本開示のある態様では、さらに導光素子を備える導光素子付の光ケーブルや、上述の光ロータリージョイント付の光ケーブルも提供される。
本開示では、導光素子に第1光ファイバーを光学的に結合させて導光し、その導光素子に設けた貫通孔に第2光ファイバーを配置する。これにより、同軸形状で内外に区分された面領域を拡大ポートに形成することができる。外側の穴あきの面領域を横切るように第1光ファイバーに関連する光を通過させ、内側付近には第2光ファイバー関連する光を通過させる。この導光素子に同様の特徴をもつ対向側導光素子を組み合わせること、つまり、導光素子と対向側導光素子それぞれの拡大ポートを対向配置することにより、外側の穴あきの面領域と内側の中心付近の領域を区分して2つのチャネルでの光伝送を同時に実現することができる。この同軸構造は、その中心軸まわりに導光素子と対向側導光素子とを相対的に回転しても維持される。その回転の前後において、また好ましくはその回転動作中を含めて、外側のもの同士と、内側のもの同士との2つの光伝送チャネルにおいて光伝送を実施できる。
本開示において説明される各部分、各組み合わせは、任意のコンビネーションまたはサブコンビネーションとなるように、個別に、または互いに組み合わせることにより実施することができる。そのすべての有利な実施形態およびその改良が本開示の主題となる。
本開示においては、二本の光ファイバー素線を含む光ケーブルの実用性を改善する導光素子、それを用いる光ロータリージョイント、それらを備える光ケーブルが実現される。
本開示の実施形態において提供される光ロータリージョイントとそれを利用する光ケーブルの全体構造を示す説明のための斜視図である。 本開示の実施形態の光ロータリージョイントを、軸方向を含む断面で切断して構成を示す断面図である。 本開示の実施形態の導光素子、対向側導光素子における光の伝播の様子を説明する断面図である。 本開示の実施形態の導光素子において、拡大ポートが穴あき平面である構造をもつものを示す斜視図(図4A)と、拡大ポートが穴あき凸面である構造をもつもの(図4B)、拡大ポートが穴あき凹面である構造をもつもの(図4C)、拡大ポートが穴あきフレネルレンズ面である構造をもつもの(図4D)それぞれを示す断面図である。 本開示の実施形態において、導光素子とともに用いられる第2光ファイバーおよび第4光ファイバーの典型的な配置を示す構成図である。 本開示の実施形態において、導光素子とともに用いられる第2光ファイバーおよび第4光ファイバーの典型的な配置を示す構成図であり、各ケーブルセグメントにボールレンズを採用する構成例を示す断面図(図5D)、および各ケーブルセグメントに共通するボールレンズを採用する構成例を示す断面図(図5E)である。 本開示の実施形態の導光素子において、テイル部とボディー部が別体である光ロータリージョイントの構造を示す断面図である。 本開示の実施形態における光ロータリージョイントにおいて、素子ホルダーとホルダーハウジングを含んでいる回転保持部材をもつ構造例(図7A)と、回転保持部材が素子ホルダーの部分により実現されている構造例(図7B)を示す断面図である。 本開示の実施形態における光ロータリージョイントにおいて、回転保持部材が素子ホルダーの部分により実現されている別の構造例(図7C)と、独立した防水ハウジング採用する構造例(図7D)とを示す断面図である。 本実施形態における光ロータリージョイントにおいて、回転保持部材に防水ベアリングを採用する構造例を示す断面図である。
以下、適宜に図面を参照し、本開示の導光素子、光ロータリージョイント、光ケーブルにかかる実施形態を説明する。以下の説明に際し特に言及がない限り、全図にわたり共通する部分または要素には共通する参照符号が付されている。また、図中、各実施形態の要素のそれぞれは、必ずしも互いの縮尺比を保って示されていない。さらに、発明を明瞭に説明する目的で、各部の配置は実施時とは変更した配置とすることもある。
本開示のある実施形態では、典型例として光ファイバー素線(光ファイバー)2本を対にしてもつ光ケーブルのより戻しのための光ロータリージョイントに採用される導光素子、その光ロータリージョイント、およびそれを備える光ケーブルについて説明する。
図1は、本開示の実施形態において提供される光ロータリージョイントとそれを利用する光ケーブルの全体構造を示す説明のための斜視図である。ケーブルセグメント210に含まれる第1光ファイバー21は、ケーブルセグメント220に含まれる第3光ファイバー23との間で、いずれか一方から他方に向けて、または双方向に光による通信またはエネルギー伝送(以下「光伝送」と総称する)を担う。同様にケーブルセグメント210に含まれる第2光ファイバー22は、ケーブルセグメント220に含まれる第4光ファイバー24との間で、いずれか一方から他方に向けて、または双方向の光伝送を担う。一つの典型例では、第1光ファイバー21が第3光ファイバー23に向けてその方向(順方向)の通信のための光信号を送信し、第2光ファイバー22は、第4光ファイバー24からの逆方向の光信号を受信する、といった双方向での通信が行なわれる。別の典型例では、第1光ファイバー21と第3光ファイバー23とが双方向での通信のための光信号を送受信し、第2光ファイバー22は、第4光ファイバー24に向けて光給電や加工用レーザー光の伝送といったエネルギー伝送のための光伝送が実施される。このように、第1光ファイバー21は第3光ファイバー23との間で、また第2光ファイバー22は第4光ファイバー24との間での光伝送が予定されているが、これらの間をまたいでの干渉は抑制され、理想的には生じない。これらの光ファイバーは用途に応じて種々のタイプを採用することができ、例えばステップインデックスまたはグレーデッドインデックスのマルチモード光ファイバーである。光ファイバーの材質は典型的には石英系、プラスチック系が採用される。また、ある典型例では、いずれかの光ファイバーには10Gbpsまたはそれ以上の速度で通信が可能なマルチモードの光ファイバーが採用される。
図1に示すように、ケーブルセグメント210側の導光素子11は、第1光ファイバー21、第2光ファイバー22に対してほぼ固定配置に装着にされ、同様にケーブルセグメント220側も対向側導光素子12は、第3光ファイバー23、第4光ファイバー24に対してほぼ固定配置に装着される。本実施形態の光ロータリージョイント10は、光ケーブル200に生じるねじれを含む任意の原因による回転力に応じて、光ケーブル200をなすケーブルセグメント210とケーブルセグメント220との間の相対的回転を可能にする。この回転は、概してケーブルセグメント210とケーブルセグメント220とが延びる方向(軸方向)まわりの回転であり、図1にはケーブルセグメント220側の回転の様子を示している。導光素子11側であるケーブルセグメント210と対向側導光素子12側であるケーブルセグメント220とがねじれるように相対的に回転されても、その回転の前後において、またさらに好ましくはその回転中も含めて、光ケーブル200は意図された光伝送を実行することができる。つまり、光ロータリージョイント10は、第1光ファイバー21と第2光ファイバー22との間または第3光ファイバー23と第4光ファイバー24との間のより合わせ(ツイスト)を未然に防止したり解放することができ、使用時において光ケーブル200のねじれによる破断、折損の危険を低減する。なお、図1は、説明のため導光素子11と対向側導光素子12との間を離して描いている。また、図1ではケーブルセグメント220側の回転を示しており、以下の説明においてケーブルセグメント210側の回転の文脈で説明することもある。しかし、本実施形態の光ロータリージョイント10はケーブルセグメント210とケーブルセグメント220の間の相対的な回転に適用することができる。
図2は、本実施形態の光ロータリージョイントを、軸方向を含む断面で切断して構成を示す断面図である。光ロータリージョイント10は、導光素子11と対向側導光素子12とを備えている。導光素子11と対向側導光素子12は、使用時においては、互いに近接していたり、互いに当接していたりすることができる。想像線にて示す導光素子11はその近接した様子を示している。また、想像線にて示す対向側導光素子12は、導光素子11に対して180°回転した対向側導光素子12の回転配置を示す。
導光素子11はテイル部112とボディー部116を備えている。テイル部112は、第1光ファイバー21に光学的に結合可能な結合ポート114を備えている。ボディー部116は、第2光ファイバー22を収容可能な貫通孔111を有している。ボディー部116は拡大ポート117も有している。拡大ポート117には、貫通孔111につながる開口118が設けられている。貫通孔111は、拡大ポート117に設けられた開口118に一端を、第2光ファイバー22を受入れる開口115に他端をもつような任意の形状の通路をなしている。貫通孔111は第2光ファイバー22をその内部に収容するのに適するかぎり特段その形状は問わない。例えば貫通孔111は、図1に示すように一定径の内径をもつ直線状の通路となるように作製されている。別の典型例としては、貫通孔111を、金型成形技術によりボディー部116を作製しやすいテーパーをもつ通路とすることができる。これら以外にも、第2光ファイバー22を内部で位置決めに適するような角柱断面としたり、開口118付近のみ第2光ファイバー22の位置決めに適する狭められた断面としたり、といった工夫は本実施形態における光ロータリージョイント10の有用性を高める。なお、開口115は、ボディー部116ではなくテイル部112と呼ぶべき部分に設けられていてもよい。
拡大ポート117の主たる作用は、開口118を取り囲む広げられた領域で、第1光ファイバー21による光伝送のための光の入射や出射を実現することである。ボディー部116の主たる作用は、その開口118のための導光である。テイル部112の主たる作用は、結合ポート114に光学的に結合された第1光ファイバー21とボディー部116との間での光伝送の効率を高める点である。これらの主たる作用を実現する限り、拡大ポート117、ボディー部116、テイル部112、結合ポート114は種々の構造や配置で実施することができる。例えば、図1、2等に示したとおり、テイル部112は、導光素子11全体から見て開口118とは逆側に配置され、結合ポート114がボディー部116の概して円筒形状の外側面の延長に配置される。しかし、結合ポート114やそれを備えるテイル部112は、別の配置とすることができる。結合ポート114は、テイル部112に対して第1光ファイバー21の光学的結合を確実にする作用のための任意の形状をもちうる。
ボディー部116の材質は、第1光ファイバー21と第3光ファイバー23とにより光伝送する波長の光に対し透過性をもつ材質によって作製されている。ボディー部116の材質は、その波長が例えば800nm帯や1.3μm帯であれば、典型的には、アクリル樹脂(Poly(methyl methacrylate), PMMA)等の透光性樹脂や、溶融石英などの光学硝子である。同様に、テイル部112もこれらの材質により作製することができる。
対向側導光素子12も、テイル部122とボディー部126を備えており、テイル部122は、第3光ファイバー23に光学的に結合可能な結合ポート124を備えている。ボディー部126は、第4光ファイバー24を収容可能な貫通孔121と拡大ポート127とを有している。貫通孔121につながる開口128が拡大ポート127に設けられており、開口125との間で貫通孔121が通路をなしている点も、対向側導光素子12は導光素子11と同様である。ボディー部126の材質も、結合ポート124と拡大ポート127との間で、第3光ファイバー23と第1光ファイバー21とが光伝送する波長の光に対して透過性をもつようなものである。対向側導光素子12は、導光素子11と同じ形状をもつことができ、また異なる形状をもつものとすることもできる。導光素子11におけるボディー部116の材質と対向側導光素子12におけるボディー部126の材質は、同一であっても、互いに異なる材質であっても構わない。テイル部112とテイル部122についても導光素子11と対向側導光素子12との間で材質の同一性は要しない。
図3A、図3Bは、本実施形態の光ロータリージョイント10における導光素子11、対向側導光素子12の光の伝播の様子を説明する断面図であり、導光素子11、ケーブルセグメント210に対する対向側導光素子12、ケーブルセグメント220の回転状態を代表的な二つの状態とした場合である。すなわち図3Aは、テイル部112とテイル部122が同じ側である紙面上の下側となるような配置であり、図3Bは、ケーブルセグメント220とともに対向側導光素子12を回転軸まわりに180°回転させテイル部122を紙面上の上側とした配置である。ここでは典型例として、第1光ファイバー21から第3光ファイバー23へ一方向で光が伝播し、第4光ファイバー24から第2光ファイバー22に逆方向に光が伝播する場合を説明する。導光素子11の第1光ファイバー21からの光は、結合ポート114からテイル部112を通ってボディー部116に伝播する。テイル部112やボディー部116では、外側面110(図3A、図3B)への内側からの入射角に応じ、光は全反射によって内部に戻ったり屈折によって表面から出射したりする。図では鎖線矢印により伝播する光の代表的な光線を示している。図示しないが貫通孔111の内側面に到達して全反射する光も皆無ではない。また、いずれかの全反射の結果、テイル部112や結合ポート114に戻る光も生じうる。導光素子11の内部から拡大ポート117(図2)に到達した光は、そこで導光素子11を出射し、対向側導光素子12の拡大ポート127(図2)に入射する。その光は、ボディー部126とテイル部122の内部から、対向側導光素子12の外側面120と貫通孔121をなす内側面に入射する。その光の大部分はその際全反射し、テイル部122の結合ポート124に導かれる。結合ポート124を出射した光は、そこに結合している第3光ファイバー23に入射して導光される。このような導光素子11と対向側導光素子12における導光は、図3Aの配置のみならず図3Bの回転配置でも十分に期待することができる。また、図示されていない任意の回転配置においても同様に実現される。したがって、第1光ファイバー21からの光は、導光素子11と対向側導光素子12との回転軸まわりの相対的な回転角度にかかわらず、第3光ファイバー23に導かれる。導光素子11内、対向側導光素子12内の光と、第2光ファイバー22内、第4光ファイバー24内の光はクロストークすることはない。このため、導光素子11、対向側導光素子12の互いの回転状態にかかわらず、第1光ファイバー21および第3光ファイバー23の系統の光伝送と第2光ファイバー22および第4光ファイバー24の系統の光伝送とが互いに干渉せず、2チャンネルの光伝送が実現される。
図2にもどって光ロータリージョイント10の詳細を説明する。拡大ポート117、127は、好ましくは開口118、128を通る対称軸31、32のまわりの回転対称性をもつような表面形状になっている。すなわち、対称軸31、32は、拡大ポート117、127が回転対称性をもつような表面形状になっている場合に、それらの回転対称性の軸として規定される仮想的な軸である。対称軸31、32は、貫通孔111、121が直線状の円断面の通路をなす貫通孔であれば、典型的には、それぞれを貫通孔111、121の中心軸と一致するようにとることができる。
拡大ポート117を例にその構造の典型例をより詳細に説明すると、拡大ポート117は、対称軸31のまわりの回転対称性をもつような表面形状に作製される。拡大ポート117が回転対称性をもつ表面形状になっている場合、さらに好ましくは、その周縁119が円をなすようにされている。その結果、導光素子11をケーブルセグメント210とともに対称軸31まわりに回転させたとき、拡大ポート117の表面形状は回転前のそれ自体に重なることになる。その回転対称性が、対称軸31まわりの任意の回転角に対して成立するような対称性(円対称)である場合、任意の回転角に対して拡大ポート117の表面形状は不変である。拡大ポート127も同様に作製することができる。
拡大ポート117が回転対称性をもつ表面形状になっている場合において、第2光ファイバー22の端部のうち少なくとも開口118に達する部分は、対称軸31に平行に向けられていて、それ自体の中心が対称軸31と一致していることが好ましい。この構造を導光素子11がもつ場合において、導光素子11をケーブルセグメント210とともに回転させる回転軸をその対称軸31に一致させると、第2光ファイバー22の端部の受光角、放射角が回転では変動しない。つまり、ケーブルセグメント210側の回転は、第2光ファイバー22の光伝送に対して影響を及ぼしにくくなる。しかもこの構造では、拡大ポート117が第2光ファイバー22の端部付近の延びる方向を軸に同軸に配置され、その拡大ポート117の表面形状が回転対称性をもつため、第1光ファイバー21による拡大ポート117を通じた光伝送も回転の影響を受けにくくなる。したがって、ケーブルセグメント210側の回転に対する光伝送への影響は最小化される。同様の構造を対向側導光素子12の拡大ポート127にも採用することができる。これらの回転は、ケーブルセグメント210側とケーブルセグメント220側との間における相対的な回転について同様である。
図4Aに拡大ポートの典型例として穴あき平面である拡大ポート117Aの例を斜視図で示す。この拡大ポート117Aは、円を周縁119としてもち、開口118が設けられているので、穴あき円板(punctured disk)すなわち円環(annulus)となっている。別の好ましい例は、図2と同様の断面図で図4B、4Cに示すように、穴あき凸面の拡大ポート117B、穴あき凹面の拡大ポート117Cである。さらに、図4Dに断面で示すように穴あきフレネルレンズ面の拡大ポート117Dとすることも好ましい。この拡大ポート117Dでは、図示するように凸面と同様の屈折力を示すように構成することもできる。このフレネルレンズ面は、複数の同心円で区切られた複数の輪帯に分割されており、各輪帯が凸面を切り取った表面形状をもつものが典型例である。図示しないが、穴あきフレネルレンズ面とする拡大ポート117Dは、凹面と同様の屈折力をもつように構成することもできる。拡大ポート127の表面形状についても同様である。
拡大ポート117と拡大ポート127の形状の組み合わせは、同一の表面形状をもつものとしてもよいし、また互いに異なる表面形状としてもよい。例えば、図2に示したように、拡大ポート117と拡大ポート127の双方を穴あき平面とするものは本実施形態の典型例である。別の例としては、拡大ポート117を穴あき凸面(図4B)として、拡大ポート127を穴あき凹面(図4C)としてもよい。あるいは、拡大ポート117と拡大ポート127をともに穴あき凸面としたり、ともに穴あき凹面としたりすることができる。凸面と凹面は、図4Bおよび図4Cではなめらかな曲線で断面を描いているが、段差をもつ凸部のある凸面と、その凸部を収容する段差をもつ凹部をもつ凹面、という嵌合可能な組み合わせも採用することができる。嵌合可能で回転対称性をもつ場合には、対称軸31と対称軸32を一の直線に合せる構成での軸ずれや、第2光ファイバー22と第4光ファイバー24の位置ずれを機械的に抑制することもできる。
導光素子11と対向側導光素子12の相対回転は、対称軸31、32と関連付けた回転軸の回りとすることが好ましい。例えば、拡大ポート117、127がともに回転対称性をもつ表面形状をもっており、それぞれの回転対称軸である対称軸31、32を一の直線に合せ、さらにこの一の直線を導光素子11と対向側導光素子12の相対回転の軸と略一致させる。この配置では、一の直線となる対称軸31、32がそれぞれ開口118、128を通り、その直線がケーブルセグメント210側と、ケーブルセグメント220側間の相対回転の回転軸となることから、開口118、128の間における第2光ファイバー22、第4光ファイバー24の間での光伝送がその相対回転の影響を受けにくい。またこの配置では、回転対称性をもつ拡大ポート117、127を通じた第1光ファイバー21、第3光ファイバー23間の光伝送も回転の影響を受けにくい。つまり、第1光ファイバー21および第3光ファイバー23の間の光伝送と、第4光ファイバー24と第2光ファイバー22の互いの端面の間の光伝送とは、導光素子11の対称軸32の回転および対向側導光素子12の対称軸32まわりの回転のどちらからも影響を受けにくくなる。この配置は、本実施形態の光ロータリージョイント10の好ましい典型例である。
拡大ポート117と拡大ポート127を対向させるための導光素子11と対向側導光素子12とを組み合わせる詳細な構造は、光ロータリージョイント10に期待する機能に応じて決定される。例えば、光ロータリージョイント10には、光ケーブル200に不測のねじれが加わった時のみにそのねじれを解放させてファイバーのコアの破断、折損を回避する機能を期待するのであれば、拡大ポート117と拡大ポート127は通常は互いに接触させておいても構わない。他方、光ケーブル200に生じるねじれが恒常的なものでねじれが高い頻度で生じかねなかったり、回転機械に採用したりすることも考えられる。その用途であれば、拡大ポート117と拡大ポート127を互に離間させるなど、機械的には接触させない配置にすることが好ましい。
後述する第2光ファイバー22、第4光ファイバー24の間隙に配置される流動性光学媒体50(図5B)と同様の媒体を拡大ポート117と拡大ポート127の間隙に配置する場合には、その流動性光学媒体が間隙に適切に保持されるような表面形状を拡大ポート117と拡大ポート127のために採用することも好ましい。
図1~図3に示すように、導光素子11は、テイル部とボディー部とが、ともにボディー部のための材質による連続体をなしていると好ましい。導光素子11の構造でこの点を詳述すると、結合ポート114と拡大ポート117がボディー部116をなす材質を介して光学的に結合されており、その途中に界面が存在しない。例えば第1光ファイバー21から第3光ファイバー23に光が伝播する経路では、結合ポート114から拡大ポート117までは、ボディー部116のための材質で連続体となっているため少ない損失で光が導かれる。拡大ポート117に到達した光は、拡大ポート117の表面から導光素子11を出射し拡大ポート127から対向側導光素子12に入射する。対向側導光素子12も同様に作製されて同様の作用をもつ場合、その波長の光は拡大ポート127から結合ポート124までにおいても少ない損失で導光される。すなわち、内側からボディー部116やボディー部126の表面に到達した光は、ボディー部116、ボディー部126の屈折率と周囲の屈折率によって決まる臨界角よりも大きな入射角でその表面に入射した場合、全反射して内部に戻る。テイル部112、テイル部122も同様である。このような導光のための屈折率ステップを与える表面には、テイル部112、ボディー部116、ボディー部126、テイル部122の外側面110、120だけでなく、貫通孔111と貫通孔121を形成する内側面も含まれる。こうして、導光素子11と対向側導光素子12とを通じた第1光ファイバー21と第3光ファイバー23の間の伝送効率に対し、貫通孔111と貫通孔121の及ぼす影響は軽減することができる。全反射の作用を損なわないため、例えば、高い伝送効率を実現するために、ボディー部116、ボディー部126の外側面110、120や、貫通孔111と貫通孔121を形成する内側面を含む表面の少なくとも一部が、周囲との接触を最小化する構造をもつようにされている。別の例では、これらの外側面や内側面が、散乱の少ない平滑な表面をもつように作製されることも有利である。
次に、第2光ファイバー22と第4光ファイバー24のための配置や動作について説明する。図2、図3に示すように、第4光ファイバー24と第2光ファイバー22は、側導光素子11と対向側導光素子12との間の相対的な回転配置によらず、互いの端面が対向しつづけるように配置されていることができる。すなわち、導光素子11と対向側導光素子12の互いの開口118、128が位置合せされて互いの拡大ポート117、127が対向して配置されていることは、好ましい配置の典型例である。
図5A~5Eは、光ロータリージョイント10とともに用いられる第2光ファイバー22と第4光ファイバー24の典型的な配置を示す構成図である。ここでは導光素子11、対向側導光素子12の記載は省略している。第2光ファイバー22と第4光ファイバー24の間の伝播効率を高めるための一つの好ましい形状では、図5Aに示すように、第2光ファイバー22、第4光ファイバー24の少なくともいずれかの端面222、242が研磨加工されている。その形状は、例えば略球面の表面形状をもつようにされる。これにより、第2光ファイバー22、第4光ファイバー24の相互の伝播効率を高めることができる。その際、必要に応じて、ジルコニアZrOなどの適切な材料で作製される筒状の端部補強部材であるフェルール(図示しない)を第2光ファイバー22、第4光ファイバー24の端部付近の周囲に取り付けておく。これに合せ、貫通孔111、貫通孔121(図3)は、フェルールの形状に適合させたサイズや形状とすることができる。端面222、242が研磨加工されている第2光ファイバー22と第4光ファイバー24は、その端面同士を当接して使用することもできる。
別の第2光ファイバー22と第4光ファイバー24の間の伝播効率を高める手法として、図5Bに示すように、流動性光学媒体50を配置することが好ましい。流動性光学媒体50は、例えばシリコーン系のジェルとすることにより、第2光ファイバー22と第4光ファイバー24の端面におけるフレネル反射を軽減し、互いの光学密着の条件が実現することから、伝播効率を高めることができる。流動性光学媒体50が配置されていれば、導光素子11と対向側導光素子12を相対的に回転させても、第2光ファイバー22と第4光ファイバー24の端面の間で光学密着の条件は維持される。流動性光学媒体50には第2光ファイバー22と第4光ファイバー24の端面が物理的に接触する可能性を低減し潤滑作用も期待することができる。結果、流動性光学媒体50には、摩擦や当接が光伝送に及ぼす悪影響を軽減する効果も期待できる。
なお、流動性光学媒体50は、導光素子11における拡大ポート117と対向側導光素子12とにおける拡大ポート127の空隙に配置することも好ましい(図示しない)。拡大ポート117と拡大ポート127の間隙でも物理的接触なく光学密着が実現し、それが回転に耐えうるものであれば、拡大ポート117と拡大ポート127の間での伝播効率を高める作用をもつ。その際には摩擦低減効果も期待することができる。
本実施形態を実用する場面において、ケーブルセグメント210側とケーブルセグメント220側の互いの回転軸のミスアライメントや回転にともなう中心位置の振れ(以下、「軸ずれ」と総称する)に対する光伝送効率の低下は、第1光ファイバー21と第3光ファイバー23の間の光伝送については、導光素子11、対向側導光素子12それぞれの外形が大きいため相対的に問題が生じにくい。他方、同程度の軸ずれであっても、第2光ファイバー22と第4光ファイバー24の伝播効率の低下は相対的に深刻となりかねない。そこで本実施形態においては、上述した第2光ファイバー22、第4光ファイバー24のいずれかの態様において、ガイドスリーブ60(図5C)を追加することが好ましい。ガイドスリーブ60は、図5Cでは一部を破断して示しているが、概して円筒側面の形状をもっている。そのガイドスリーブ60は、第2光ファイバー22および第4光ファイバー24を相互に位置決めしつつ、少なくともいずれかに対して回転力を解放する程度の弱い保持力のみを及ぼす。これにより、ケーブルセグメント210とケーブルセグメント220の相対回転が生じても、第2光ファイバー22と第4光ファイバー24との間のねじれを解放することができる。ガイドスリーブ60を用いれば、回転に対する第2光ファイバー22と第4光ファイバー24との軸ずれを、導光素子11と対向側導光素子12の間の軸ずれよりも小さく保つことが容易となる。その結果、第4光ファイバー24と第2光ファイバー22との軸ずれの精度管理を、ケーブルセグメント210側とケーブルセグメント220側との間の回転に対する軸ずれの精度管理から分離することができる。
図1~3を参照して導光素子11、対向側導光素子12の追加の改良についてさらに説明する。導光素子11、対向側導光素子12それぞれのボディー部116の外側面110、ボディー部126の外側面120(図3A、図3B)など、それらの表面の一部に、低屈折率の材質によるコーティングを施すことも有用である。この屈折率の値は伝播する波長の値に基づいて決定される。このようなコーティングの典型例はフッ素系材料である。例えば、アモルファスのテフロン(登録商標)を用いることができる。この典型例も含め、コーティングは波長や、ボディー部116、ボディー部126の材質に応じて選定すると有利である。このようなコーティングを施して有利となる表面には、貫通孔111、121をなす導光素子11、対向側導光素子12の内側面も含まれている。
さらに、導光素子11、対向側導光素子12には種々の工夫を施すことができる。導光素子11、対向側導光素子12における貫通孔111と貫通孔121は、それぞれボディー部116、126の貫通孔であり、第2光ファイバー22、第4光ファイバー24を収容可能にされている。貫通孔111と貫通孔121の側面は、ボディー部116、126からみた内側面であり、平滑に仕上げられていれば好ましい。ボディー部116、126内部の導光動作が貫通孔111と貫通孔121の影響を受けにくくなるためである。導光素子11、対向側導光素子12が例えばPMMA等の金型成形に適する材質で作製されている場合、貫通孔111、121は、ボディー部116、126の成形段階の金型により成形することができ、あるいはボディー部116、126の成形後にせん孔されてもよい。貫通孔111、121は、第2光ファイバー22、第4光ファイバー24を収容することができるように形状(例えば内径)が決定される。第2光ファイバー22、第4光ファイバー24がファイバー素線の場合には、貫通孔111、121はファイバー素線を収容する形状とされる。また、第2光ファイバー22、第4光ファイバー24が図示しないフェルールで端部が補強されているものの場合、貫通孔111、121が第2光ファイバー22、第4光ファイバー24をフェルールとともに収容する形状にされる。さらに、第2光ファイバー22、第4光ファイバー24が端部においてガイドスリーブで互いに位置合わせされる構造(図5C)の場合、ガイドスリーブをも収容することができるように貫通孔111と貫通孔121の形状が決定されると有利である。
本実施形態の光ロータリージョイントは、ボールレンズを採用することにより、ケーブルセグメント210とケーブルセグメント220との間の回転に関連する課題を軽減することができる。図5Dは、ケーブルセグメント210とケーブルセグメント220それぞれに1つのボールレンズを採用する構成例を示す断面図である。導光素子11A、対向側導光素子12Aは、第1および第2ボールレンズ51および52に関連する部分以外は、導光素子11、対向側導光素子12(図1~3)と同様の構造をもつため、図5Dは第1および第2ボールレンズ51および52付近のみを拡大して示す。ケーブルセグメント210側の第1ボールレンズ51は、第2光ファイバー22の端面222に対し、所定の距離をおいて対称軸31に合わせて中心を持つように配置されている。この所定の距離は、第1ボールレンズ51に向かう平行光が第2光ファイバー22の端面222の中心のコアに収束するような距離が典型である。例えば、導光素子11Aの開口118Aは、第1ボールレンズ51の光軸を除く周囲部分の少なくとも一部をはめて保持するような形状となっている。第1ボールレンズ51は、必要に応じてタイトフィット(はめあい)、固着、接着などにより開口118Aに固定されている。図示しないが、導光素子11Aは、第1ボールレンズ51に対し第2光ファイバー22の端面222を所定の距離に保つように、端面222の位置を定める係止部(ストッパー部)を備えているものであってもよい。ケーブルセグメント220側にも第4光ファイバー24の端面242に向かう光軸延長上の所定の位置に第2ボールレンズ52が配置されている。また、第4光ファイバー24と第2ボールレンズ52との位置関係も同様になるように開口128Aが構成されていることができる。図5Dの構成をもつ光ロータリージョイントにおいて、第1および第2ボールレンズ51および52はリレーレンズとして動作する。第4光ファイバー24から第2光ファイバー22に向かう光は、ケーブルセグメント220側、ケーブルセグメント210側のボールレンズと光ファイバーの位置関係それぞれが適切に配置されていれば、第2および第1ボールレンズ52および51の間を概ね平行光になって空間を伝播する。その結果、導光素子11Aと対向側導光素子12Aとの間の距離dの変動に対して第4光ファイバー24から第2光ファイバー22への光の伝送効率の低下や変動を小さくすることができる。第1および第2ボールレンズ51および52により、ケーブルセグメント210とケーブルセグメント220との間の回転に関する機械的精度の許容度が大きくなって、光ロータリージョイントの実用性を高めることができる。
図5Eは、ケーブルセグメント210とケーブルセグメント220とに共通するボールレンズを採用する構成例を示す断面図である。導光素子11B、対向側導光素子12Bの構成は、共通ボールレンズ54に関連する部分以外は導光素子11A、対向側導光素子12Aと同様である。共通ボールレンズ54は導光素子11B、対向側導光素子12Bの両方またはいずれか一方にたいして回転可能な態様ではまっている。すなわち、共通ボールレンズ54は、開口118Bと開口128Bの内面により、その中心が対称軸31、32の延長に位置づけられている。このため、第4光ファイバー24と第2光ファイバー22との間のリレーレンズとして動作する。つまり第4光ファイバー24からの光は共通ボールレンズ54を通って第2光ファイバー22に伝播する。このため、第2光ファイバー24の端面222、第4光ファイバー24の端面242それぞれと共通ボールレンズ54との間の所定の距離は、第4光ファイバー24の端面242の中心のコアから発した光が、共通ボールレンズ54の作用により、第2光ファイバー22の端面222の中心のコアに収束するような距離が典型である。導光素子11B、対向側導光素子12Bの回転軸も、共通ボールレンズ54の中心を通る。開口118Bと開口128Bとの両方の内面が共通ボールレンズ54にはまっていて少なくともいずれかが回転可能であるため、導光素子11B、対向側導光素子12Bは相対的な回転を許容しつつ、互いの回転軸はずれにくい。このように、共通ボールレンズ54の作用により、第4光ファイバー24から第2光ファイバー22への伝送効率がケーブルセグメント210とケーブルセグメント220との間の回転の影響を受けにくくなり、実用面で有利である。
本実施形態の光ロータリージョイントのための導光素子は、必ずしもテイル部とボディー部が一体である構造に限られず、別体のものであってもよい。図6は、本実施形態の導光素子においてテイル部とボディー部が別体である光ロータリージョイント10Eの構造を示す断面図である。光ロータリージョイント10Eは、導光素子11Eと対向側導光素子12Eを備えている。これらの導光素子は、それぞれの拡大ポート117E、127Eを互いに対向させて配置されている。以下、導光素子11Eに基づいて説明する。導光素子11Eのテイル部112Eは、ボディー部116Eとは別体のものであり、これらは互いが光学的に結合されている。この結合は、結合ポート114Eと、拡大ポート117Eとを除いたいずれかの部分で実現される。ボディー部116Eは、例えば円錐台すなわち切頭円錐形の形状をもち、その円錐の軸部分を通るように貫通孔111Eが形成されている。貫通孔111Eに第2光ファイバー22が収容される。ボディー部116Eの小径の頂面には、貫通孔111Eのための開口115Eが設けられている。その円錐台の小径の頂面とその近傍の側面には、テイル部112Eが結合されている。ボディー部116Eは、円錐台の大径の底面が拡大ポート117Eとなるように向いている。ボディー部116Eとテイル部112Eとを別体とする構造では、それぞれのために適する材質や形成方法を採用することができる。例えば、テイル部112Eには結合ポート114Eの形成など精密な成形に適する製造方法や材質を採用し、ボディー部116Eには拡大ポート117Eの摩擦耐性が良好な材質を採用することができる。テイル部112Eとボディー部116Eとを別体とする場合には、一体では形成しにくい形状も導光素子11に採用することができる。
本実施形態の光ロータリージョイントのための導光素子は、テイル部とボディー部とが一体であるか別体であるかにかかわらず、テイル部とボディー部のいずれかに光の伝播方向を変換するための部位すなわち方向変換部が設けられていると好ましい。図6に示す導光素子11E、対向側導光素子12Eでは、それぞれに方向変換部が設けられている。例えば、導光素子11Eのテイル部112Eには、方向変換部113S1~S3が設けられている。方向変換部113S1~S3は、テイル部112Eの結合ポート114Eに結合される第1光ファイバー21からの光を、テイル部112Eからボディー部116Eへと導くことに適する方向に変換する作用をもつ。このような作用を実現するために、例えば方向変換部113S1~S3は適当な方向に向けられた傾斜面により実現される。これらの傾斜面は、その付近の全般的な外形のままでの全反射の光の方向とは異なる方向に光を伝播させる必要性に応じて設けられる。図6では、ボディー部116Eの円錐台の小径の頂面やその付近と結合ポート114Eとの間での光の伝播効率を高めるような傾斜面をテイル部112Eに設けて方向変換部113S1~S3としている。本開示の方向変換部は、テイル部112Eではなくボディー部116Eに同様の作用をもつ方向変換部が設けられていてもよい。同様に、方向変換部は、図1~5に示した導光素子11において、テイル部112、ボディー部116のいずれかまたは両方に設けられていてもよい。方向変換部は、傾斜面の反射ではなく、周期構造による回折など別の光学作用によるものでもよい。図6を参照して導光素子11Eを例にした上記説明は、対向側導光素子12Eにおいて、テイル部122E、方向変換部123S1~S3、ボディー部126Eについても当てはまる。
上述した光ロータリージョイント10、10Eは、光ロータリージョイントとしての機能のために回転保持部材を追加して備えていると好ましい。その回転保持部材は、ケーブルセグメント210とケーブルセグメント220を、それらを互いに保持しつつねじれを解放するハウジングにより実現することができる。光ロータリージョイント10、10Eのための回転保持部材には、回転機械の軸受け機構やワイヤーロープのスイベル機構のために利用可能な任意の機械要素や工夫を採用することができる。
図7Aは、本実施形態における光ロータリージョイントにおいて、素子ホルダーとホルダーハウジングを含んでいる回転保持部材をもつ構造例を示す断面図である。素子ホルダー33Aは、ケーブルセグメント210のケーブルジャケットと導光素子11とを固定的に保持する。同様に、素子ホルダー34Aはケーブルセグメント220のケーブルジャケットと対向側導光素子12とを固定的に保持する。ホルダーハウジング40は、素子ホルダー33A、34Aの抜け止めのための係止部332、342と係合しつつ、素子ホルダー33A、34Aの内部での軸まわりの回転を許容する。その回転の間、ホルダーハウジング40は、素子ホルダー33A、34Aが保持している導光素子11、対向側導光素子12における拡大ポート117、127(図2)を対向させ、第2および第4光ファイバー22、24(図2)の端面の互いの位置を光伝送に適する配置に保っている。このような回転を実現するための典型的な幾何学的配置は、拡大ポート117、127それぞれの回転対称軸である対称軸31、32を一の直線とし、導光素子11と対向側導光素子12の相対回転の軸をその直線に略一致させるものである。このようなホルダーハウジング40は素子ホルダー33A、34Aを、相対回転を許容しつつその配置を維持する作用をもつことから、本実施形態の回転保持部材として作用する。このような回転保持部材をもつ光ロータリージョイントでは、ケーブルセグメント210とケーブルセグメント220の間でのねじれは解放される。素子ホルダー33A、34A、ホルダーハウジング40は、金属構造材や樹脂等、任意の材質により作製することができる。係止部332、342を例えばラッチ状の形状に作製しておき、ホルダーハウジング40が樹脂材料で作製されていれば、組立が容易になる利点もある。
図7Bは、本実施形態における光ロータリージョイントにおいて、回転保持部材が、素子ホルダーの部分により実現されている構造例を示す断面図である。素子ホルダー33Bがケーブルセグメント210のケーブルジャケットと導光素子11とを固定的に保持し、同様に素子ホルダー34Bがケーブルセグメント220のケーブルジャケットと対向側導光素子12とを固定的に保持している。素子ホルダー33Bは、ガイドハウジング部334を備えている。このガイドハウジング部334は、素子ホルダー34Bの係止部342と係合することにより、素子ホルダー33Bと素子ホルダー34Bの軸まわりの相対回転を許容する。その際、素子ホルダー33B、34Bが保持している導光素子11、対向側導光素子12における拡大ポート117、127は対向し続けている。つまり、第2および第4光ファイバー22、24の端面の互いの位置は、光伝送に適する配置に保たれている。こうして、ガイドハウジング部334は本実施形態の回転保持部材として作用する。
図7Cは、防水ベアリング42を採用する回転保持部材の別の構造例を示している。素子ホルダー33Cの一部である延長筒部336はケーブルセグメント210側をケーブルセグメント220側に向かわせる延長方向に延びている。素子ホルダー34Cには、延長筒部336を収容するための円筒溝338を備えている。防水ベアリング42は円筒溝338に対し延長筒部336を回転自在に保持している。このため、ケーブルセグメント210に対するケーブルセグメント220の回転は自在であり、かつ、外界からの水分などの侵入が防止される。この構成では、延長筒部336が円筒溝338に収容されるため、防水に加え、ケーブルセグメント220のケーブルセグメント210に対する回転の精度の維持に有利である。また、素子ホルダー33C、34Cそれぞれが一体成型により作製されれば、機械的精度が高いものを少ない部品点数で実現することができ、実用性の高まる点で有利である。
図7Dは、防水ハウジング44を採用する光ロータリージョイントの別の構造例を示している。防水ハウジング44の内部には上述したいずれかの光ロータリージョイントを配置することができ、図7Dでは図7Bに示した光ロータリージョイントと同様のものを示している。防水ハウジング44は、例えばケーブルセグメント210とケーブルセグメント220それぞれのケーブルジャケットを防水ベアリング42を通じて回転可能に保持する。防水ハウジング44の内部におけるケーブルセグメント210とケーブルセグメント220との間の回転は、防水ハウジング44によって障害されることはない。なお、図7Dにおいて防水ハウジング44は一体の構造をなしているが、組立てることによって防水ハウジング44をなすような分解可能な構造を防水ハウジング44のために採用することができる。本実施形態の光ロータリージョイントにおいて、防水ベアリング42を小径のものとすることは、防水ベアリング42の防水能力を高める、低コスト化が容易になる、といった実用面で有利である。さらに、導光素子11または対向側導光素子12のサイズが防水ベアリング42のサイズの制約を受けないことは、導光素子11または対向側導光素子12の設計および製造が容易になる利点もある。防水ベアリング42を小径とするには、導光素子11または対向側導光素子12の外径より小さい径の部分を回転可能に保持するように防水ベアリング42の位置を変更するのが好ましい。ここで、防水ベアリング42を備えうるのは、防水ハウジング44または回転保持部材となる素子ホルダー33B、素子ホルダー34Bである。また、防水ベアリング42によって回転可能に保持されるのは、光ケーブルまたは光ロータリージョイントのうち、導光素子11または対向側導光素子12の外径より小さい径のいずれかの位置である。例えば、ケーブルセグメント210、ケーブルセグメント220のいずれかのケーブルジャケットや、素子ホルダー33B、素子ホルダー34Bのネック部分などは、小径の防水ベアリング42が回転可能に保持できる代表的な位置である。また、そのような小径の防水ベアリング42は、図7Dに示すように二つ備えている必要はない。
図8は、本実施形態における光ロータリージョイントにおいて、回転保持部材に防水ベアリングを採用する構造例を示す断面図である。防水ベアリング42は、ホルダーハウジング40Cに取り付けられて、素子ホルダー33D、34Dを回転自在に保持しつつ、その内部への水分などの汚染物質の侵入を防止している。図示しないが、図7Bに示した素子ホルダー33Bのガイドハウジング部314にこのような防水ベアリングが設けられていても同様の作用を発揮することができる。防水ベアリング42の例としては、密閉のためのシール付きボールベアリングやシール付きローラーベアリングといったものに加え、回転を許容しつつ汚染物質の侵入にある程度抵抗性をもつ任意の軸受けを採用することができる。また、素子ホルダー33Aと素子ホルダー34A等を互いに押しつけるアキシャル方向の圧縮力が作用する場合に備えるためには、導光素子11と対向側導光素子12の衝突や互いの干渉を未然に防ぐための任意の手段を備えていることも好ましい。また、アキシャル方向の荷重を受けつつ回転を容易にするためには、低摩擦ワッシャーや、スラストベアリングを配置することも有用である。
回転保持部材の各部は、使用する回転運動の回転数、回転される頻度、要求される耐久性、防塵性といった必要な仕様に合せ、軸受け、調芯、密閉のためのシールといった機械的工夫を施すことができる。これらにより、本実施形態の光ロータリージョイントの実用性を高めることができる。
上述した本実施形態の光ロータリージョイント10、10Eは、導光素子11、11E、第1光ファイバー21、第2光ファイバー22を備える導光素子付の光ケーブルとして実施することができる。例えばホルダーハウジング40を採用すれば、図7Aの素子ホルダー33Aとケーブルセグメント210とを含めてアセンブリー化した光ケーブルは、素子ホルダー34Aとケーブルセグメント220とを含めて同様にアセンブリー化した光ケーブルの間での相互の回転を許容しつつ、光伝送可能に接続することができる。
また、光ロータリージョイント10、ケーブルセグメント210、ケーブルセグメント220を含む光ケーブル200(図1)は、ねじれを解放する光ロータリージョイントを含むことから2芯の光ケーブルとして有用である。
2.変形例
本開示の実施形態として説明した導光素子、光ロータリージョイント、光ケーブルは、広汎な用途に用いることができ、また有線での光伝送を採用しにくかった機器への光伝送の適用可能性を広げるものである。その機器の典型例が、長尺の光ケーブルの一端から他端までの距離を変化させる用途で採用されるリールである。リールは、ドラムに光ケーブルを巻き取ったり引き出したりすることを容易化するものの、両端を接続したままでは、その巻き取りまたは引き出しの動作によって光ケーブルにねじれを生じさせる。このため、従来のリールの巻き取りまたは引き出しには光伝送の中断が必要であった。光ケーブル全長の適当な位置に本開示の実施形態における光ロータリージョイント10、光ロータリージョイント10Eを採用すると、2芯の光ケーブルでリールを利用しても、光伝送を継続しつつねじれが解放され光ケーブルの過剰なたるみを除去しつつ光伝送を継続できるため、光ケーブルの用途拡大に極めて有用である。
また、例えば、海洋探査の潜水艇や潜水ロボットに本開示の実施形態の導光素子、光ロータリージョイント、光ケーブルを採用すれば、これらの機器に光伝送を採用する技術的障壁の一つが取り除かれる。これらの機器では、機動や、不測の回転などが生じてケーブルにねじれが生じやすい。本開示の実施形態の導光素子、光ロータリージョイント、光ケーブルを採用すれば、そのような状況でも光ケーブルが健全に保たれることから、光伝送をこれらの機器に採用しやすくなる。
2本の光ファイバー素線をもつ光ケーブルに関するハンドリング性の改善は、例えば、図7Aに示したホルダーハウジング40を機器に固定したり、図7Bに示した素子ホルダー33Bが機器に固定されたりしていても実現される。このため、素子ホルダー、ホルダーハウジング等に示した部材のいずれかを何らかの機器に固定するためのステーター(固定子)やレセプタクルとして機能させることも有用である。例えば素子ホルダー33Bにフランジ部やベース部(いずれも図示しない)を設けてステーターやレセプタクルとし、素子ホルダー34Bを、当該ステーターと組み合わせるローター(回転子)としたり、当該レセプタクルと組み合わせるコネクターとしたりすることができる。
以上、本開示の実施形態を具体的に説明した。上述の各実施形態および構成例は発明を説明するために記載されたものであり、本出願の発明の範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきものである。各実施形態の他の組合せを含む本開示の範囲内に存在する変形例もまた特許請求の範囲に含まれるものである。
本開示は光伝送を利用する任意の機器のために使用可能である。
10、10E 光ロータリージョイント
11、11A、11B、11E 導光素子
12、12A、12B、12E 対向側導光素子
110、120 外側面
111、111E、121、121E 貫通孔
112、112E、122、122E テイル部
113S1~S3、123S1~S3 方向変換部
114、114E、124、124E 結合ポート
115、115E、125、118、118A、118B、118E、128、128A、128B、128E 開口
116、116E、126、126E ボディー部
117、117E、127、127E 拡大ポート
21、22、23、24 第1、第2、第3、第4光ファイバー
210、220 ケーブルセグメント
222、242 (光ファイバーの)端面
33A、33B、33C、33D、34A、34B、34C、34D 素子ホルダー
332、342 係止部
334 ガイドハウジング部
40、40C ホルダーハウジング
42 防水ベアリング
44 防水ハウジング
50 流動性光学媒体
51、52 第1、第2ボールレンズ
54 共通ボールレンズ
60 ガイドスリーブ

Claims (21)

  1. ある波長の光を導く第1光ファイバーに光学的に結合可能な結合ポートを有している、前記波長の光が透過する材質のテイル部と、
    第2光ファイバーを収容可能な貫通孔と前記貫通孔につながる開口が設けられている拡大ポートとを有しており、前記結合ポートから前記拡大ポートへまたは前記拡大ポートから前記結合ポートへ前記波長の光を導きうるようになっている前記波長の光が透過する材質のボディー部と
    を備える導光素子。
  2. 前記拡大ポートが、前記開口を通る対称軸まわりの回転対称性を示す表面形状になっている
    請求項1記載の導光素子。
  3. 前記拡大ポートの前記表面形状が、前記開口が開けられており前記対称軸を中心とする円を周縁としてもつ穴あき平面である
    請求項2記載の導光素子。
  4. 前記拡大ポートの前記表面形状が、前記開口が開けられており前記対称軸を中心とする円を周縁としてもつ穴あき凸面および穴あき凹面のいずれかである
    請求項2記載の導光素子。
  5. 前記拡大ポートの前記表面形状が、前記対称軸を中心とする円を周縁としてもち、前記対称軸を中心とする前記円より小さな径の少なくとも1つ円で区切られた複数の輪帯に分割されていて凸面または凹面のいずれかの屈折力を示す穴あきフレネルレンズ面である
    請求項2記載の導光素子。
  6. 前記テイル部と前記ボディー部とが前記ボディー部のための前記材質の連続体をなしており、
    前記結合ポートと前記拡大ポートが前記ボディー部をなす前記材質を介して光学的に結合されているものである
    請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の導光素子。
  7. 前記テイル部が前記波長の光が透過する材質により作製された前記ボディー部とは別体のものであり、
    前記テイル部および前記ボディー部は、それぞれの表面のうち前記結合ポートと前記拡大ポートとを除いた表面の少なくとも一部で互いに光学的に結合されているものである
    請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の導光素子。
  8. 前記テイル部または前記ボディー部のいずれかが、前記結合ポートから前記拡大ポートへまたは前記拡大ポートから前記結合ポートへと前記波長の光を導くための全反射を利用する方向変換部を有しているものである
    請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の導光素子。
  9. 前記ボディー部の前記拡大ポートを除く表面の少なくとも一部に接して前記材質より小さい屈折率をもつ材質のコーティング層が配置されている
    請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の導光素子。
  10. 請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の導光素子と対をなす対向側導光素子であって、
    前記波長の光を導く第3光ファイバーに光学的に結合可能な結合ポートを有している、前記波長の光が透過する材質のテイル部と、
    第4光ファイバーを収容可能な貫通孔と前記貫通孔につながる開口が設けられている拡大ポートとを有しており、前記結合ポートから前記拡大ポートへまたは前記拡大ポートから前記結合ポートへ前記波長の光を導きうるようになっている前記波長の光が透過する材質のボディー部と
    を備える対向側導光素子。
  11. 請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の導光素子と請求項10記載の対向側導光素子とを備える光ケーブルのための光ロータリージョイントであって、
    前記導光素子と前記対向側導光素子は、互いの前記貫通孔のための前記開口を位置合せして互いの前記拡大ポートを対向させて配置されており、
    前記第1光ファイバーと前記第3光ファイバーとが、少なくともいずれかからもう一方の向きに前記導光素子および前記対向側導光素子の双方を介して前記波長の光が伝播可能にされており、
    前記第2光ファイバーと前記第4光ファイバーとが、前記導光素子および前記対向側導光素子それぞれの貫通孔を通ってそれぞれの端面を対向させて少なくともいずれかからもう一方の向きに光が伝播可能にされている
    光ロータリージョイント。
  12. 前記導光素子および前記対向側導光素子それぞれの前記拡大ポートが、それぞれの前記開口を通る対称軸まわりの回転対称性をもつ表面形状になっており、
    互いの前記対称軸を一の直線上に位置合せし互いの前記拡大ポートを対向させたまま、前記導光素子と前記対向側導光素子とを前記一の直線に略一致する回転軸まわりに相対回転可能に保持する回転保持部材をさらに備える
    請求項11記載の光ロータリージョイント。
  13. 前記回転保持部材が防水ベアリングを備えるものである
    請求項12記載の光ロータリージョイント。
  14. 前記回転保持部材を収容する防水ハウジングまたは前記回転保持部材が、前記光ケーブルまたは前記光ロータリージョイントのうち、前記導光素子または前記対向側導光素子の外径より小さい径の部分を回転可能に保持している防水ベアリングを備えている
    請求項12記載の光ロータリージョイント。
  15. 前記第2光ファイバーと前記第4光ファイバーとのそれぞれの端部近傍の外側面を保持しつつ前記第2光ファイバーと前記第4光ファイバーとの相対回転を可能にするガイドスリーブをさらに備える
    請求項11~請求項14のいずれか1項に記載の光ロータリージョイント。
  16. 前記導光素子の前記開口が第1ボールレンズの少なくとも一部をはめることにより、該第1ボールレンズが前記第2光ファイバーの端面から所定の距離だけ離して配置されており、
    前記対向側導光素子の前記開口が第2ボールレンズの少なくとも一部をはめることにより、該第2ボールレンズが前記第4光ファイバーの端面から所定の距離だけ離して配置されており、
    前記第1ボールレンズと前記第2ボールレンズとが、前記第2光ファイバーと前記第4光ファイバーとの間の光伝送のためのリレーレンズとなる、
    請求項11~請求項14のいずれか1項に記載の光ロータリージョイント。
  17. 前記導光素子の前記開口が、共通ボールレンズの少なくとも一部をはめることにより、該共通ボールレンズが前記第2光ファイバーの端面から所定の距離だけ離して配置されており、
    前記対向側導光素子の前記開口が、前記共通ボールレンズの別の少なくとも一部をはめることにより、該共通ボールレンズが前記第4光ファイバーの端面から所定の距離だけ離して配置されており、
    前記共通ボールレンズが、前記第2光ファイバーと前記第4光ファイバーとの間の光伝送のためのリレーレンズとなる、
    請求項11~請求項14のいずれか1項に記載の光ロータリージョイント。
  18. 前記第2光ファイバーと前記第4光ファイバーとの少なくともいずれかの端面が略球面の表面形状をもつようにされている
    請求項11記載の光ロータリージョイント。
  19. 前記第2光ファイバーの前記端面と前記第4光ファイバーの前記端面との間に、前記第2光ファイバーと前記第4光ファイバーとにより導光する光の波長に対して透光性を示す流動性光学媒体が配置されている、
    請求項11記載の光ロータリージョイント。
  20. 請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の導光素子と、
    前記導光素子の前記テイル部の前記結合ポートに光学的に結合された前記第1光ファイバーと、
    前記導光素子の前記貫通孔に通された前記第2光ファイバーと
    を備える導光素子付の光ケーブル。
  21. 請求項11~請求項19のいずれか1項に記載の光ロータリージョイントと、
    前記導光素子の前記テイル部の前記結合ポートに光学的に結合された前記第1光ファイバーと、
    前記導光素子の前記貫通孔に通された前記第2光ファイバーと、
    前記対向側導光素子の前記テイル部の前記結合ポートに光学的に結合された前記第3光ファイバーと、
    前記対向側導光素子の前記貫通孔に通された前記第4光ファイバーと
    を備える光ロータリージョイント付の光ケーブルであって、
    前記第1光ファイバーと前記第3光ファイバーとが、少なくともいずれかからもう一方の向きに前記導光素子および前記対向側導光素子の双方を介して前記波長の光が伝播可能であり、
    前記第2光ファイバーと前記第4光ファイバーとが、前記導光素子および前記対向側導光素子それぞれの貫通孔を通ってそれぞれの端面を対向させて少なくともいずれかからもう一方の向きに光が伝播可能であり、
    前記第1光ファイバーと前記第2光ファイバーとを含むケーブルセグメントと、前記第3光ファイバーと前記第4光ファイバーとを含むケーブルセグメントとの間のねじれが解放される
    光ロータリージョイント付の光ケーブル。
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