JP2022097016A - ラジカル重合法、ラジカル重合フッ素系ポリマーの製造方法 - Google Patents

ラジカル重合法、ラジカル重合フッ素系ポリマーの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】室温範囲といった低い温度環境下で、1ミリモル/リットル以下の低濃度のラジカル重合開始剤を用いて、PFOAに代表されるような乳化剤を必要とせずに、ラジカル重合性フッ素系モノマーをラジカル重合することが可能なラジカル重合法、およびこのラジカル重合法を用いたラジカル重合フッ素系ポリマーの製造方法を提供する。【解決手段】熱分解によってペルフルオロアルキルラジカルを生成する重合開始剤を用いて、ラジカル重合性フッ素系モノマーをラジカル重合するラジカル重合法であって、前記重合開始剤は、ペルフルオロ-3-エチル-2,2,4-トリメチル-3-ペンチル、またはペルフルオロ-2,2,4-トリメチル-3-イソプロピル-3-ペンチルのうち、少なくとも一種を含むことを特徴とする。【選択図】図1

Description

この発明は、ラジカル重合性フッ素系モノマーをラジカル重合するラジカル重合法、およびこのラジカル重合法を用いたラジカル重合フッ素系ポリマーの製造方法に関する。
ラジカル重合フッ素系ポリマー、例えばペルフルオロポリマー(perfluoropolymers)は、分子中に水素や塩素がなく、フッ素、酸素および炭素で構成されているポリマーであり、代表的なものにポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などが挙げられる。ペルフルオロポリマーは耐熱性、耐薬品性、低摩擦性、非粘着性など多くの特徴を生かして、コーティング材料などに広く用いられている。
従来、ラジカル重合性フッ素系モノマーの一例であるペルフルオロモノマーからペルフルオロポリマーを重合する際には、一般的に乳化重合法によって行われている。乳化重合法を用いてペルフルオロポリマーを製造する場合には、水性媒体中で、連鎖移動によって含フッ素モノマーの重合反応を妨げることがないことから、フッ素含有乳化剤が一般的に使用されている。
フッ素含有乳化剤としては、例えば、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)が挙げられる。PFOAを用いてペルフルオロポリマーを合成する場合、得られたペルフルオロポリマーに付着したPFOAは水洗によって除去され、PFOAを含む排水が生じる。
PFOAはC-F結合エネルギーが高く、耐光性、耐熱性に優れるが、生分解が殆どないため、PFOAを含む排水による環境汚染が懸念されており、使用が規制されている。
また、乳化重合のように水系反応で使用する、例えば過硫酸アンモニウムのような過硫酸塩由来の末端カルボキシル基が残るため、こうした末端基を取り除く工程も必要になり、製造工程が複雑になる。
このため、ペルフルオロモノマーの重合に際して、フッ素含有乳化剤を用いない重合法が望まれている。例えば、特許文献1には、乳化剤を用いないラジカル開始剤として、ペルフルオロ-3-エチル-2,4-ジメチル-3-ペンチル(以下、PPFR1と称する)、ペルフルオロ-2,4-ジメチル-3-イソプロピル-3-ペンチル(以下、PPFR2と称する)が開示されている。また、非特許文献1には、こうしたPPFR1やPPFR2を用いたペルフルオロポリマーの重合法が開示されている。
特開昭60-64935号公報
Boschet, F.; Ono, T.; Ameduri, B., Novel Source of Trifluoromethyl Radical As Efficient. Initiator for the Polymerization of Vinylidene Fluoride. Macromolecular Rapid Communications, 2012. 33(4): p. 302-308.
ペルフルオロモノマーの重合反応は発熱反応であり、重合反応を適切に管理するためには、重合開始剤を低濃度で、かつ室温範囲(例えば、10℃~30℃)の温度で行うことが好ましい。
しかしながら、特許文献1や非特許文献1に開示されたPPFR1、PPFR2を重合開始剤として用いたラジカル重合では、例えば1ミリモル/リットルといった低濃度では、室温範囲の温度では殆ど重合反応が進行しない。
例えば、ラジカル重合開始剤として従来公知であったPPFR1やPPFR2を用いて、室温範囲でラジカル重合性フッ素系モノマーをラジカル重合させると、PPFR1やPPFR2の濃度を0.4モル/リットル~2.6モル/リットルといった高濃度にしないと重合反応が進行しない。こうした高濃度では、例えば、PTFEを1トン生成するのに必要なPPFR1やPPFR2は200kg以上になり、発熱反応であるテトラフルオロエチレン(TFE)の重合反応を安定して制御することは困難であるという課題があった。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、室温範囲といった比較的低い温度環境下で、1ミリモル/リットル以下の低濃度のラジカル重合開始剤を用いて、PFOAに代表されるような乳化剤を必要とせずに、ラジカル重合性フッ素系モノマーをラジカル重合することが可能なラジカル重合法、およびこのラジカル重合法を用いたラジカル重合フッ素系ポリマーの製造方法を提供することを目的とする。
本出願の発明者は、ラジカル重合開始剤として、ペルフルオロ-3-エチル-2,2,4-トリメチル-3-ペンチル(以下、PPFR3と称する)や、ペルフルオロ-2,2,4-トリメチル-3-イソプロピル-3-ペンチル(以下、PPFR4と称する)を用いて、室温範囲でTFEの重合反応を行うと、0.0004モル/リットルといった低濃度でも重合反応が進行するという新たな知見を得た。実際の製造レベルで繰り返し使用すれば、PTFEを1トン生成するのに必要なPPFR3やPPFR4として100g程度のオーダーかそれ以下が想定され、室温範囲でも重合反応を安定して制御可能な濃度でTFEの重合反応を行うことが可能な重合開始剤として、PPFR3やPPFR4を用いるラジカル重合法を見出した。
即ち、前述の課題を解決するために、本発明のラジカル重合法は、熱分解によってペルフルオロアルキルラジカルを生成する重合開始剤を用いて、ラジカル重合性フッ素系モノマーをラジカル重合してラジカル重合フッ素系ポリマーを得るラジカル重合法であって、前記重合開始剤は、ペルフルオロ-3-エチル-2,2,4-トリメチル-3-ペンチル、またはペルフルオロ-2,2,4-トリメチル-3-イソプロピル-3-ペンチルのうち、少なくとも一種を含むことを特徴とする。
また、本発明では、前記ラジカル重合性フッ素系モノマーは、フッ素系モノマーまたはペルフルオロモノマーであってもよい。
これにより、PFOAやその代替乳化剤を使用する乳化重合方法による環境汚染問題を回避することができる。
また、本発明では、前記重合開始剤は、前記ラジカル重合性フッ素系モノマーを重合溶媒に溶解して用いてもよい。
また、本発明では、前記ラジカル重合は、互いに構造が異なる2種以上のラジカル重合性フッ素系モノマーを共重合させてもよい。
また、本発明では、前記ラジカル重合は10℃以上、90℃未満の温度範囲で行ってもよい。
本発明のラジカル重合フッ素系ポリマーの製造方法は、前記各項に記載のラジカル重合法を用いたラジカル重合フッ素系ポリマーの製造方法であって、前記重合開始剤を重合溶媒に溶解させて反応液を得る反応液形成工程と、前記反応液に前記ラジカル重合性フッ素系モノマーを供給して、ラジカル重合フッ素系ポリマーを得るラジカル重合工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明では、前記ラジカル重合性フッ素系モノマーはペルフルオロモノマーであり、前記ラジカル重合フッ素系ポリマーはペルフルオロポリマーであってもよい。
また、本発明では、前記ペルフルオロポリマーは、末端基がトリフルオロメチル基であってもよい。
また、本発明では、前記ペルフルオロモノマーはテトラフルオロエチレンであり、前記ペルフルオロポリマーは、ポリテトラフルオロエチレンであってもよい。
また、本発明では、前記ラジカル重合工程は、10℃以上、50℃以下の温度範囲で行ってもよい。
また、本発明では、前記ラジカル重合工程における前記重合開始剤と前記ラジカル重合性フッ素系モノマーとのモル濃度比は、1:10~1:10の範囲であってもよい。
また、本発明では、前記反応液に含まれる前記重合開始剤の濃度は、0.00001モル/リットル以上、1モル/リットル以下の範囲であってもよい。
また、本発明では、前記ラジカル重合工程は繰り返し行われ、1回のラジカル重合工程の完了後に、未反応のペルフルオロアルキルラジカルを含む残液を、次回のラジカル重合工程に用いてもよい。
本発明によれば、室温範囲といった低い温度環境下で、1ミリモル/リットル以下の低濃度のラジカル重合開始剤を用いて、ラジカル重合性フッ素系モノマーをラジカル重合することが可能なラジカル重合法、およびこのラジカル重合法を用いたラジカル重合フッ素系ポリマーの製造方法を提供することが可能となる。
実施例1のATR-FTIRを用いた分析結果を示すグラフである。 実施例1のTG-DTAを用いた分析結果を示すグラフである。 実施例2のATR-FTIRを用いた分析結果を示すグラフである。 実施例2のTG-DTAを用いた分析結果を示すグラフである。 実施例3のATR-FTIRを用いた分析結果を示すグラフである。 実施例3のTG-DTAを用いた分析結果を示すグラフである。 実施例4のATR-FTIRを用いた分析結果を示すグラフである。 実施例4のTG-DTAを用いた分析結果を示すグラフである。 実施例1~4のPPFR4の濃度と、重合により得られたPTFEのDTAにおける相転移温度の関係をまとめて示すグラフである。 実施例1~4のPPFR4の濃度と耐熱性との関係について、TGの挙動から比較して示したグラフである。 実施例5のATR-FTIRを用いた分析結果を示すグラフである。 実施例5のTG-DTAを用いた分析結果を示すグラフである。 実施例6のATR-FTIRを用いた分析結果を示すグラフである。 実施例6のTG-DTAを用いた分析結果を示すグラフである。 実施例7のATR-FTIRを用いた分析結果を示すグラフである。 実施例7のTG-DTAを用いた分析結果を示すグラフである。 実施例8のATR-FTIRを用いた分析結果を示すグラフである。 実施例8のTG-DTAを用いた分析結果を示すグラフである。 実施例8と実施例3のDTAにおける分解温度を比較したグラフである。
以下、本発明を適用した一実施形態であるラジカル重合法、およびラジカル重合フッ素系ポリマーの製造方法について図面を参照して説明する。なお、以下に示す実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
本実施形態に係るラジカル重合法によってラジカル重合フッ素系ポリマーを製造する際には、重合開始剤を重合溶媒に溶解させて反応液を得る(反応液形成工程)。そして、この反応液にラジカル重合性フッ素系モノマーを供給して、重合開始剤の熱分解によりペルフルオロアルキルラジカルを生成し、ラジカル重合フッ素系ポリマーを得る(ラジカル重合工程)。
本実施形態で用いる、熱分解によりペルフルオロアルキルラジカルを生成するラジカル重合開始剤は、ペルフルオロ-3-エチル-2,2,4-トリメチル-3-ペンチル(PPFR3)、またはペルフルオロ-2,2,4-トリメチル-3-イソプロピル-3-ペンチル(PPFR4)のうち、少なくとも一種を含んでいる。
PPFR3、PPFR4は、高度に枝分かれした構造を有する高度に遮蔽を受けたペルフルオロアルケンをフッ素ラジカルでフッ素化することで合成することができる。なお、ここでいう高度に枝分かれした構造を有する高度に遮蔽を受けたペルフルオロアルケンとは、ペルフルオロ-4,4-ジメチル-3-イソプロピル-2-ペンテンや、ペルフルオロ-2,4,4-トリメチル-3-イソプロピル-2-ペンテンと同等程度の枝分かれ構造を有するペルフルオロアルケンである。
PPFR3、PPFR4は、従来のラジカル重合開始剤として用いられていたPPFR1や、PPFR2のように、室温範囲では殆ど分解しない極めて安定(極安定ペルフルオロアルキルラジカル)ではなく、室温範囲でもかなりの速度で分解する。よって、PPFR3、PPFR4は、これまで知られている極安定ペルフルオロアルキルラジカルとは熱分解特性が大きく異なることを踏まえ、易分解性安定ペルフルオロアルキルラジカルと称し、従来の極安定ペルフルオロアルキルラジカルとは明確に区別される。
PPFR3、PPFR4は、それぞれ式1、式2に示される熱分解過程を経て、トリフルオロメチルラジカルを発生して分解する。
Figure 2022097016000002
Figure 2022097016000003
分解生成物の解析により、PPFR3、PPFR4の熱分解過程は、立体的に最も密なペルフルオロ第三級-ブチル基を構成するトリフルオロメチル基がβ-脱離する経路のみを経由する。例えば、式3に示すようにペルフルオロ第三級-ブチル基を構成する三つのトリフルオロメチル基のどれかがβ-脱離して分解する。これは、PPFR3、PPFR4が、トリフルオロメチルラジカル以外の活性種を含まないクリーンなトリフルオロメチルラジカル発生源であることを示している。
Figure 2022097016000004
本実施形態では、PPFR3、PPFR4によって重合を行うラジカル重合性フッ素系モノマーとは、分子中にフッ素原子を有するラジカル重合性モノマーを意味する。このラジカル重合性モノマーは、環状または鎖状の構造を有し、鎖内または環内にエーテル結合を介して酸素を含んでも良い。具体的には、例えば、フッ素、酸素、炭素のみで構成されるペルフルオロモノマーや、ペルフルオロモノマーを構成するフッ素の一部が他の元素で置換されたポリフルオロモノマーなどが挙げられる。これらペルフルオロモノマーやポリフルオロモノマーの具体例としては、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン(CTFE);1,2-ジフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、ペルフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)、ペルフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE)、およびペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)のようなペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)、CF=CFOCFCF(CF)OCFCFX、ここでXはSOF、COH、COCH、CHOH、CHOCN、CF=CFOCFCFSOF、F、(CFCHOCF=CF、ここでnは1、2、3、4または5である、RCHOCF=CF、ここでRは水素またはF(CF-であり、mは1、2または3である、ROCF=CH、ここでRはF(CF-であり、zは1、2、3、または4;ペルフルオロブチルエチレン(PFBE)、3,3,3-トリフルオロプロペンおよび2-トリフルオロメチル-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン、CF=CFCO,ここでRは炭素数が1~6の分岐があっても良いアルキル基、CF=C(CF)CO,ここでRは炭素数が1~6の分岐があっても良いアルキル基、または、メチル或いはヒドロキシ基で橋頭位に置換があっても良いアダマンチル基などが挙げられる。環状モノマーとしては、ペルフルオロ(2-メチレン―1,3-ジオキソラン)、ペルフルオロ(2-メチレン-4,5-ジメチル-1,3-ジオキソラン)、ペルフルオロ(1,3-ジオキソール)、ぺルフルオロ(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソール)(PDD)などが挙げられる。
次に、本実施形態に係るラジカル重合法によって製造されるラジカル重合フッ素系ポリマーの具体例としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリペルフルオロ(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソール)、ポリペルフルオロ(2-メチレン-4,5-ジメチル-1,3-ジオキソラン)、ポリペルフルオロ(2-メチレン-1,3-ジオキソラン)、ポリペルフルオロ(4-ビニルオキシ-1-ブテン)、ポリアクリル酸3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロヘキシル、ポリアクリル酸3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-トリデカフルオロオクチル、ポリメタクリル酸3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロヘキシル、ポリメタクリル酸3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-トリデカフルオロオクチル、ポリα-クロロアクリル酸3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロヘキシルなどが挙げられる。
また、互いに構造が異なる2種以上のラジカル重合性フッ素系モノマーを共重合させた、ラジカル共重合フッ素系ポリマーの具体例としては、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・ペルフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン・ビニリデンフルオライド共重合体、テトラフルオロエチレン・ペルフルオロ(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソール)共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・ビニリデンフルオライド共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・ペルフルオロ(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソール)共重合体(テフロン(登録商標)AF)などが挙げられる。
ラジカル重合工程で用いる重合溶媒としては、フルオラス溶媒を用いることができる。フルオラス溶媒は、高度にフッ素化(例えば、ペルフルオロ化)された炭化水素であり、水とは常温で混和せず二層系を形成し、含フッ素化合物の良溶媒であるという特徴がある。フルオラス溶媒としては、例えば、ペルフルオロヘキサン、ペルフルオロヘプタン、ペルフルオロペンタンなどを挙げることができる。本実施形態では、重合溶媒としてペルフルオロヘキサンを用いた。
ラジカル重合工程では、1種類のラジカル重合性フッ素系モノマーを重合させる以外にも、互いに構造が異なる2種以上のラジカル重合性フッ素系モノマーを共重合させ、ラジカル共重合ポリマーを得ることもできる。
ラジカル重合は10℃以上、90℃未満の温度範囲で行えばよく、好ましくは10℃以上、50℃以下、より好ましくは室温範囲(10℃以上、30℃以下)で行う。10℃未満では、ラジカル重合開始剤の必要量が増大し、製造コストが上昇する懸念がある。また、90℃以上では、回収・除去が容易なパーフルオロヘキサンのような低沸点の溶媒を使用するために加圧容器が必要になるなど、溶媒選択に制約が生じる。また、ラジカル重合工程におけるPPFR3、PPFR4とラジカル重合性フッ素系モノマーとのモル濃度比は、1:10~1:10の範囲、好ましくは1:10~1:10の範囲にすればよい。
本実施形態では、ラジカル重合開始剤として易分解性安定ペルフルオロアルキルラジカルであるPPFR3、PPFR4を用いることによって、重合温度が室温範囲の温度であっても、PPFR3、PPFR4の濃度が、例えば、0.00001モル/リットル以上、1モル/リットル以下の低濃度で、安定してラジカル重合性フッ素系モノマーの重合を行うことができる。
PPFR3、PPFR4の濃度が0.00001モル/リットル未満であると、重合速度が遅すぎて生産性が低下する。また、1モル/リットルを超えると反応の制御が難しくなる。ラジカル重合開始剤の濃度は、反応系の大きさに応じて適切な濃度が変化すると考えられるが、上述した濃度範囲内に至適濃度が存在すると考えられる。
例えば、室温範囲におけるPPFR3、PPFR4の開始剤としての性能については、さらに正確に言うと、PPFR3、PPFR4の室温範囲のうち20℃付近での熱分解半減期が、それぞれ26日、77日で、凡その分解速度比が3となっているため、PPFR3の濃度については、PPFR4の濃度の3倍量を用いた際に、PPFR3、PPFR4のラジカル重合開始剤としての性能(トリフルオロメチルラジカル放出速度)が同等になる。
本実施形態のように、ラジカル重合開始剤としてPPFR3、PPFR4を用いて得られるラジカル重合フッ素系ポリマーは、乳化重合のように水系反応で使用する、例えば過硫酸アンモニウムのような過硫酸塩由来の末端カルボキシル基は含まれず、末端基がトリフルオロメチル基になる。このため、従来のように重合後のカルボキシル基等の末端基を除去する工程が不要である。
なお、ラジカル重合工程を繰り返し行う場合には、1回のラジカル重合工程の完了後に、未反応のペルフルオロアルキルラジカルを含む残液を、次回のラジカル重合工程に用いることができる。これにより、効率的、かつ低コストにラジカル重合性フッ素系モノマーのラジカル重合を行うことができる。
以上のように、本実施形態では、ラジカル重合開始剤として易分解性安定ペルフルオロアルキルラジカルであるPPFR3、PPFR4を用いることによって、重合温度が室温範囲の温度で、かつPPFR3、PPFR4の濃度が低濃度であっても、ラジカル重合性フッ素系モノマーの重合反応を安定して行うことができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、こうした実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
以下、本発明の具体的な実施例を列記する。
(実施例1~8の概要)
実施例1:PPFR4(濃度0.4モル/リットル、ペルフルオロヘキサン溶液
実施例2:PPFR4(濃度0.04モル/リットル、ペルフルオロヘキサン溶液
実施例3:PPFR4(濃度0.004モル/リットル、ペルフルオロヘキサン溶液
実施例4:PPFR4(濃度0.0004モル/リットル、ペルフルオロヘキサン溶液
実施例5:PPFR3(濃度0.04モル/リットル、ペルフルオロヘキサン溶液
実施例6:PPFR3(濃度0.004モル/リットル、ペルフルオロヘキサン溶液
実施例7:PPFR3(濃度0.0004モル/リットル、ペルフルオロヘキサン溶液
実施例8:PPFR4(濃度0.04モル/リットル、TFEとHFPの共重合
(実施例1)
PPFR4の濃度が0.4モル/リットルのペルフルオロヘキサン溶液1gと、マグネチックスターラーバーを入れたガラス製の反応容器(直径6mm、高さ300mm)の内部を、freeze-and-thawサイクルを5回行いヘリウムガスによる脱気を行った。このガラス製の反応容器に、乾燥したペルフルオロプロピオン酸カリウム塩(0.49g,2.43ミリモル)を熱分解することで得た二酸化炭素とテトラフルオロエチレン(TFE)の1:1混合ガスをtrap-to-trap操作で導入した。
そして、液体窒素温度でさらに2回のfreeze-and-thawサイクルで反応系内をヘリウム置換した後、真空下で熔封した(熔封位置は反応容器の長さが凡そ200mmになる位置で内容積は約5mL)。その後、室温(25℃±5℃、以下同じ)に戻して1時間攪拌した。生成した白色固体のPTFEを反応容器から取り出し、4時間室温で真空乾燥(0.1mmHg、以下同じ)したのち分析を行った。
真空乾燥後のPTFE重量は140mgで、用いたペルフルオロプロピオン酸カリウム塩基準で収率は57.6%であった。PTFE取り出し時に回収したペルフルオロヘキサン溶液のガスクロマトグラフィー分析から、PPFR4の分解率は、1.6%であることが分かった。得られた白色固体のPTFEは、ATR-FTIR(Attenuated Total Reflectance-Fourier Transform Infrared Spectroscopy)(BRUKER TENSOR 27型)を用いた分析では、標品PTFE(富士フイルム和光純薬株式会社製:末端処理したCF(CFCF)nCF:分子量5000~20000)と同一のスペクトルが得られた。この結果を図1に示す。また、窒素気流下、昇温速度10℃/minで熱重量示差熱分析(TG-DTA:NETZSCH TG-DTA 2000SA型)を行った結果を図2に示す。
図2に示す結果によれば、熱重量(TG)、示差熱(DTA)共に標品PTFEとほぼ同じスペクトルが得られた。TGにおいては、生成したPTFEの重量減少が100℃あたりから500℃付近まで穏やかに進行することが観察されたことから、低分子量成分が含まれていることが分った。
本実施例で使用したPPFR4の濃度(0.4モル/リットル)がTFE濃度に比べて高すぎるために、重合反応が進行するにつれてTFE濃度が減少し、十分に鎖が成長する前にCFラジカルによる停止反応が起こり、低分子量成分を生成したと考えられた。一方、DTAにおける相転移温度が標品PTFEでは322.0℃であるのに対し、得られたPTFEでは324.2℃と高温側にシフトしており、分子量が標品PTFEよりも大きいと考えられる。分解終了点におけるDTAの変曲点温度(以下、分解温度と称する)が標品PTFEでは586.1℃で、得られたPTFEの586.7℃と同程度であった。
(実施例2)
PPFR4の濃度が0.04モル/リットルのペルフルオロヘキサン溶液1gを用い、実施例1と同様の反応操作および反応条件でTFEのラジカル重合反応を行った。但し、反応時間は実施例1よりも長い3時間とした。それ以外の条件は、すべて実施例1と同じである。室温で3時間攪拌した後、生成した白色固体のPTFEを取り出し、室温で4時間真空乾燥した後に分析を行った。
得られたPTFEの乾燥重量は166mgで、用いたペルフルオロプロピオン酸カリウム塩(0.5g,2.48ミリモル)に対して収率は67.0%であった。ATR-FTIR(BRUKER TENSOR 27型)を用いた分析では、標品PTFE(富士フイルム和光純薬株式会社製:末端処理したCF(CFCF)nCF:分子量5000~20000)と同一のスペクトルが得られた。この結果を図3に示す。また、窒素気流下、昇温速度10℃/minでTG-DTA分析(NETZSCH TG-DTA 2000SA型)を行った結果を図4に示す。
図4に示す結果によれば、実施例1で見られたような100~500℃における熱重量減少は無いが、5%重量減少温度は、525.3℃と標品PTFEの533.6℃に比べると多少低かった。一方、DTAにおける相転移温度については、328.5℃となり、標品PTFEの322.0℃より高く、実施例1と比べてもさらに高い結果であった。これは、PPFR4の濃度を実施例1の0.4モル/リットルから0.04モル/リットルに10倍希釈したために、PTFEの分子量がより高くなったためと考えられる。また、相転移温度と呼応して分解温度も600.0℃と、実施例1に比べて高くなった。
(実施例3)
PPFR4の濃度が0.004モル/リットルのペルフルオロヘキサン溶液1gを用いてTFEのラジカル重合を行った。反応操作・反応条件は実施例1と同一とした。但し、反応時間は、室温で3日間(72時間)に延長した。重合反応の終了後、生成した白色固体状のPTFEを取り出し、室温で4時間真空乾燥した後に分析を行った。
得られたPTFEの乾燥重量は140.3mgで、用いたペルフルオロプロピオン酸カリウム塩(0.5g,2.48ミリモル)に対する収率は56.6%であった。ATR-FTIR(BRUKER TENSOR 27型)を用いた分析では、標品PTFE(富士フイルム和光純薬株式会社製:末端処理したCF(CFCF)nCF:分子量5000~20000)と同一のスペクトルが得られた。この結果を図5に示す。また、窒素気流下、昇温速度10℃/minでTG-DTA分析(NETZSCH TG-DTA 2000SA型)を行った結果を図6に示す。
図6に示す結果によれば、5%重量減少温度は、529.4℃と実施例2の525.3℃に比べると高くなったが、標品PTFEの533.6℃に比べると低かった。一方、DTAにおける相転移温度については、329.2℃となり、実施例1(324.2℃)、実施例2(328.5℃)と比べさらに高くなり、PPFR4濃度の低下に応じて漸増した。これは、PPFR4の濃度を0.4モル/リットルから0.04モル/リットル、0.004モル/リットルと希釈度を上げて低濃度にすることに対応して、PTFEの分子量がより高くなったためと考えられる。分解温度は597.6℃となり、実施例2(600.0℃)と同程度であった。
(実施例4)
PPFR4の濃度が0.0004モル/リットルのペルフルオロヘキサン溶液1gを用いてTFEのラジカル重合を行った。反応操作・反応条件は実施例1と同一とした。但し、反応時間は、1日(24時間)に延長した。重合反応の終了後、生成した白色固体状のPTFEを取り出し、室温で4時間真空乾燥した後、分析を行った。
得られたPTFEの乾燥重量は119mgで、ペルフルオロプロピオン酸カリウム塩(0.5g,2.48ミリモル)に対する収率は48.0%であった。ATR-FTIR(BRUKER TENSOR 27型)を用いた分析では、標品PTFE(富士フイルム和光純薬株式会社製:末端処理したCF(CFCF)nCF:分子量5000~20000)と同一のスペクトルが得られた。この結果を図7に示す。また、窒素気流下、昇温速度10℃/minでTG-DTA分析(NETZSCH TG-DTA 2000SA型)を行った結果を図8に示す。
図8に示す結果によれば、5%重量減少温度は、529.0℃と実施例2の525.3℃に比べると高くなったが、標品PTFEの533.6℃に比べると低かった。一方、DTAにおける相転移温度については、332.0℃となり、実施例1(324.2℃)、実施例2(328.5℃)、実施例3(329.2℃)との比較から、PPFR4濃度が低くなるに従って、相転移温度が漸増することが分った。分解温度については、597.5℃となり実施例2、3と同程度の値となった。
(実施例1~4(ラジカル重合開始剤としてPPFR4を用いた)に対する考察)
実施例1~4の分析結果に基づいて、図9および表1に、PPFR4の濃度と、重合により得られたPTFEのDTAにおける相転移温度の関係をまとめて示した(表中の濃度Mはモル/リットル)。
Figure 2022097016000005
図9および表1によれば、相転移温度は、PPFR4の濃度が減少するにつれて漸増する傾向が見られた。すなわち、実施例1の0.4モル/リットル(324.2℃)、実施例2の0.04モル/リットル(328.5℃)、実施例3の0.004モル/リットル(329.2℃)、実施例4の0.0004モル/リットル(332.0℃)であり、こうした傾向から、PPFR4の濃度と相転移温度には良い逆相関が成り立つことが分かった。
こうした傾向は、PPFR4の濃度を0.4モル/リットルから0.04モル/リットル、0.004モル/リットル、0.0004モル/リットルと希釈度を上げる(濃度を下げる)ことに対応して、生成するトリフルオロメチルラジカルの濃度が低くなり、相対的にTFE濃度が上昇することで成長反応が促進されると同時に、末端のキャッピングによる停止反応速度の低下と相まってPTFEの分子量がより高くなったためと考えられる。
一方、分解温度については、実施例1のPPFR4の濃度が0.4モル/リットルの時に多少低下(586.7℃)する傾向が見られたが、濃度が0.04~0.0004モル/リットルの範囲では、凡そ、600℃近辺の値となっており、PPFR4濃度の依存性は認められなかった。標品PTFEの分解温度は実施例1の結果に近く586.1℃となっており、PPFR4を用いて合成したPTFEは、いずれの場合においても、標品PTFEよりも熱安定性が向上していることが分った。標品PTFEは、末端基がCFになるよう処理した製品であるが、それよりもさらに熱安定性が高いことから、PPFR4を用いてペルフルオロヘキサン中でTFEのラジカル重合を行った本発明が優れた末端CF基を有するPTFE合成法となっていることを確認できた。
図10は、実施例1~4のPPFR4の濃度と耐熱性との関係について、TGの挙動から比較して示したグラフである。分解温度では、実施例2~4に大きな差は見られなかったが、TGから見る全体としての耐熱性能は、図10の拡大部分から分かるように、PPFR4の濃度が0.004モル/リットルの時が最も高い結果となった。これは、反応系ごとに最適なPPFR4の濃度が存在する可能性があるが、凡そ、実施例1~4で検討した濃度範囲が室温でのPPFR4を用いたTFE重合反応に利用可能と考えられる。
反応温度を変えると、この使用濃度範囲や至適濃度は変わる可能性があるが、そうした最適化については、それぞれの反応系で行うべきであり、実施例1~4の反応系から得たPPFR4の使用濃度範囲や最適濃度を限定するものではない。むしろ、室温反応という穏やかな反応条件(PPFR4の分解条件)でも0.0004モル/リットルという低濃度でラジカル重合開始剤としての効果を十分に発揮できることが実証された。
なお、実施例1における低分子量成分の混入は、PPFR4の濃度が0.4モル/リットルと高すぎるということもあるが、一方でバッチ反応という実施例の反応系に特有のものと考えて良い。低分子量成分の量は、バッチ反応では徐々にTFE濃度が減少することが避けられないために一定量生成してしまうと考えられる。
実施例1で反応終了後のPPFR4量を測定した結果、仕込み量のわずか1.6%が分解したに過ぎないが、この事実は、仕込んだPPFR4は反応終了時においても、反応初期過程においても、ほぼ同速度でトリフルオロメチルラジカルを発生していることを意味している。従って、TFEの重合反応が進行するに従って、トリフルオロメチルラジカル濃度とTFEの濃度比が徐々に変化し、低分子量成分生成に関与することを示している。TFE濃度を一定に保つように随時追加するような反応系を使用すれば(TFEの圧力を一定に保持する)、実施例1におけるPPFR4の濃度0.4モル/リットルが高すぎるとは限らないことを明らかにしておく。
TG測定で得られた5%重量減少温度が実施例1~4の全てにおいて標品PTFEより低くなっているのは、バッチ式の小スケール反応という反応系が大きく関与しているためであり、実スケール或いは、TFEを随時追加するような反応系においては、大きく改善されると考えて良いことを明示する。
(実施例5)
PPFR3の濃度が0.04モル/リットルのペルフルオロヘキサン溶液1gと、マグネチックスターラーバーを入れたガラス製の反応容器(直径6mm、高さ300mm)の内部を、freeze-and-thawサイクルを5回行いヘリウムガスによる脱気を行った。このガラス製の反応容器に、乾燥したペルフルオロプロピオン酸カリウム塩(0.5g,2.48ミリモル)を熱分解することで得た二酸化炭素とテトラフルオロエチレン(TFE)の1:1混合ガスをtrap-to-trap操作で導入した。
そして、液体窒素温度でさらに2回のfreeze-and-thawサイクルで反応系内をヘリウム置換した後、真空下で熔封した(熔封位置は反応容器の長さが凡そ200mmになる位置で内容積は約5mL)。その後、室温に戻して24時間攪拌した。生成した白色固体のPTFEを反応容器から取り出し、8時間室温で真空乾燥したのち分析を行った。
真空乾燥後のPTFE重量は147.0mgで、用いたペルフルオロプロピオン酸カリウム塩基準で収率は60.0%であった。PTFE取り出し時に回収したペルフルオロヘキサン溶液のガスクロマトグラフィー分析から、PPFR3の分解率は、3.5%であることが分かった。得られた白色固体のPTFEは、ATR(Attenuated Total Reflectance)-FTIR(BRUKER TENSOR 27型)を用いた分析では、標品PTFE(富士フイルム和光純薬株式会社製:末端処理したCF(CFCF)nCF:分子量5000~20000)と同一のスペクトルが得られた。この結果を図11に示す。また、窒素気流下、昇温速度10℃/minで熱重量示差熱分析(TG-DTA:NETZSCH TG-DTA 2000SA型)を行った結果を図12に示す。
図12に示す結果によれば、熱重量(TG)、示差熱(DTA)共に標品PTFEとほぼ同じスペクトルが得られた。TGにおいては、重合によって得られたPTFEは5%重量減少温度が520.4℃で、標品PTFEの533.6℃に比べて低くなった。分解温度も標品PTFEの586.1℃より少し低い578.3℃であった。一方、DTAにおける相転移温度が標品PTFEでは322.0℃であるのに対し、重合によって得られたPTFEでは326.1℃と多少高温側にシフトしており、分子量が標品PTFEよりも大きいと考えられる。
(実施例6)
PPFR3の濃度が0.004モル/リットルのペルフルオロヘキサン溶液1gを用い、実施例5と同様の反応操作および反応条件でTFEのラジカル重合反応を行った。但し、反応時間は実施例1よりも長い1日(24時間)とした。それ以外の条件は、すべて実施例5と同じである。室温で24時間攪拌した後、生成した白色固体のPTFEを取り出し、室温で8時間真空乾燥した後に分析を行った。
得られたPTFEの乾燥重量は129.4mgで、用いたペルフルオロプロピオン酸カリウム塩(0.5g,2.48ミリモル)に対して収率は52.2%であった。ATR-FTIR(BRUKER TENSOR 27型)を用いた分析では、標品PTFE(富士フイルム和光純薬株式会社製:末端処理したCF(CFCF)nCF:分子量5000~20000)と同一のスペクトルが得られた。この結果を図13に示す。また、窒素気流下、昇温速度10℃/minでTG-DTA分析(NETZSCH TG-DTA 2000SA型)を行った結果を図14に示す。
図14に示す結果によれば、熱重量(TG)、示差熱(DTA)共に標品PTFEとほぼ同じスペクトルが得られた。TGにおいては、生成したPTFEの重量減少温度が528.5℃で、標品PTFEの533.6℃に比べて少し低かった。一方で分解温度は標品PTFEの586.1℃よりかなり高い596.7℃となり、全体として標品PTFEより熱安定性は増していることが確認された。また、DTAの相転移温度は標品PTFEでは322.0℃であるのに対して、重合により得られたPTFEでは330.6℃と高温側にシフトしていることから、分子量は標品PTFEよりも大きいと考えられる。
(実施例7)
PPFR3の濃度が0.0004モル/リットルのペルフルオロヘキサン溶液1gを用いてTFEのラジカル重合を行った。反応操作・反応条件は実施例5と同一とした。但し、反応時間は、3日(72時間)に延長した。重合反応の終了後、生成した白色固体状のPTFEを取り出し、室温で8時間真空乾燥した後、分析を行った。
得られたPTFEの乾燥重量は80.4mgで、ペルフルオロプロピオン酸カリウム塩(0.5g,2.48ミリモル)に対する収率は32.4%であった。ATR-FTIR(BRUKER TENSOR 27型)を用いた分析では、標品PTFE(富士フイルム和光純薬株式会社製:末端処理したCF(CFCF)nCF:分子量5000~20000)と同一のスペクトルが得られた。この結果を図15に示す。また、窒素気流下、昇温速度10℃/minでTG-DTA分析(NETZSCH TG-DTA 2000SA型)を行った結果を図16に示す。
図16に示す結果によれば、TG、DTA共に標品PTFEとほぼ同じスペクトルを得たが、TGにおいて得られたPTFEは5%重量減少温度が518.4℃と、標品PTFEの533.6℃と比較してかなり低くなった。100℃近辺から重量減少が見られ、減圧下室温での乾燥では低分子量の成分が十分に取り除けないためと考えられる。一方、分解温度も標品PTFEの586.1℃よりかなり低い573.0℃となっていることから、標品PTFEより熱安定性が減少していると考えられる。DTAの相転移温度は標品PTFEでは322.0℃であるのに対し、得られたPTFEでは325.4℃と少し高温側にシフトしていることから、分子量は標品PTFEよりも大きいと考えられる。
(実施例5~7(ラジカル重合開始剤としてPPFR3を用いた)に対する考察)
実施例5~7の分析結果に基づいて、表2に、PPFR3の濃度と、重合により得られたPTFEの性状との関係をまとめて示した(表中の濃度Mはモル/リットル)。
Figure 2022097016000006
表2によれば、得られたPTFEの相転移温度、分解温度は、共に、PPFR3の濃度が0.004モル/リットルの時に最も高く、その前後の濃度では多少低くなる傾向が見られたが、PPFR4の場合のような一定の関係が見られない理由については明らかではない。PPFR3では、PPFR4と異なり、PPFR3自体が中間体ラジカルと相互作用する可能性があり、こうした現象の背景となっている可能性がある。
相転移温度については、標品PTFE(322.0℃)と比べた場合、実施例5~7の全てのPPFR3の濃度領域において高い値となっており(それぞれ、326.1℃、330.6℃、325.4℃)、標品PTFEよりも分子量が大きいと考えられる。
分解温度については、実施例6では596.7℃と、標品PTFEの586.1℃よりも10℃程度高いが、実施例5と実施例7の前後の濃度では、それぞれ、578.3℃(実施例5)、573.0℃(実施例7)と標品PTFEの値より低くなっていた。PPFR4、PPFR3は、共にトリフルオロメチルラジカルを放出することでTFEの重合を開始、または、停止する重合メカニズムであり、こうした違いが生まれる要因は、トリフルオロメチルラジカル発生速度に起因するのは難しく、PPFR4とPPFR3との間の構造上の要因に起因すると考えるのが妥当であるが、現時点では、上述のラジカル中間体とPPFR4、PPFR3が互いに異なる相互作用をしている可能性が想起されるに留まる。
なお、TGにおける5%重量減少温度が標品PTFEと比較して低いのは、PPFR3の特徴ではなく、PPFR4(実施例1~4)と共通の原因(バッチ式でスケールが小さい)に由来することであり、TFEを供給しながら反応を行うなど、ラジカル重合開始剤の濃度とTFEの濃度比をコントロールすることで改善されるものであることを明記しておく。
(実施例8)
PPFR4の濃度が0.04モル/リットルのペルフルオロヘキサン溶液1gと、マグネチックスターラーバーを入れたガラス製の反応容器(直径6mm、高さ300mm)の内部を、freeze-and-thawサイクルを5回行いヘリウムガスによる脱気を行った。このガラス製の反応容器に、乾燥したペルフルオロプロピオン酸カリウム塩(0.5g,2.48ミリモル)を熱分解することで得た二酸化炭素とテトラフルオロエチレン(TFE)の1:1混合ガスをtrap-to-trap操作で導入した。更に、乾燥したペルフルオロプロピオン酸カリウム塩(252mg,1.0ミリモル)を熱分解することで得た二酸化炭素とヘキサフルオロプロピレン(HFP)の1:1混合ガスをtrap-to-trap操作で導入した
そして、液体窒素温度でさらに2回のfreeze-and-thawサイクルで反応系内をヘリウム置換した後、真空下で熔封した(熔封位置は反応容器の長さが凡そ200mmになる位置で内容積は約5mL)。その後、室温に戻して7日間攪拌した。生成した白色固体のテトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)を反応容器から取り出し、1時間室温で真空乾燥したのち分析を行った。
真空乾燥後のFEPの重量は210mgで、用いたペルフルオロプロピオン酸カリウム、及びペルフルオロ酪酸カリウムの全量が反応した場合を100として計算した時の収率は52.8%であった。得られた白色固体は、ATR-FTIR(BRUKER TENSOR 27型)を用いた分析では、標品PTFE(富士フイルム和光純薬株式会社製:末端処理したCF(CFCF)nCF:分子量5000~20000)とほぼ同一のスペクトルが得られた。この結果を図17に示す。標品PTFEとの相違点としては、吸収強度は非常に小さいながら985cm-1に新な吸収が観測された。また、窒素気流下、昇温速度10℃/minで熱重量示差熱分析(TG-DTA:NETZSCH TG-DTA 2000SA型)を行った結果を図18に示す。
図18に示す結果によれば、TGはTFE単独の重合で得られるPTFEに比較してかなり低温側にシフトしていた(図18ではPPFR4の濃度が0.004モル/リットルの実施例3を比較に挙げている)。また、図19に示したDTAにおける分解温度も586.4℃とTFE単独重合の場合(実施例2で600℃、実施例3で597.6℃、実施例4で597.5℃)に比べてかなり低下した。
TFEとHFPの共重合を行って得たFEPは、反応容器から取り出した時点では、PTFEと全く同じ形状の白色の固体で外見上は全く区別がつかないものであったが、室温で真空乾燥した際に棒状の形態であったものが粉末状に変化した。TFE単独の重合で得られたPTFEの場合は、長い繊維状の固体が反応容器のガラス管に密に成長するため稠密な棒状固体となり、その形状が真空乾燥で崩れることはなかった。こうした真空乾燥時の形態変化は、得られた白色固体がFEPであることを証明している。
また、こうした形態における顕著な変化があっても、ATR-FTIR(BRUKER TENSOR 27型)を用いた分析では、標品PTFE(富士フイルム和光純薬株式会社製:末端処理したCF(CFCF)nCF:分子量5000~20000)とほぼ同一のスペクトルが得られた。PTFE、FEPは共にペルフルオロアルカンに属する化合物で類似構造を有しているために、FTIRでの変化は小さいと考えられ、本実施例で得られたFEPのIRスペクトルにおいてもPTFEのIRスペクトルとの相違点としては、波長985cm-1に観測される非常に小さな吸収ピークに留まった。
また、図18のTGの結果から得られたFEPが標品PTFEよりも熱安定性が低いことが分かるが、これは高分子主鎖にCF基が置換していることによる立体反発に起因するもので、FEP一般の特性である。そして、TGの低温側へのシフトが熱安定性の低下を示している一方で、その熱分解温度は末端CF基の処理を行っている標品PTFEの586.1℃と同程度であり、ここで得たFEPは、末端CF化の程度が高いことが伺われ、トリフルオロメチルラジカルによる重合開始、重合停止という反応メカニズムの観点からも妥当である。TGの低温側シフトと、先に述べた真空乾燥時の形態的変化は、TFEとHFPの共重合体であるFEPが得られていることを示している。
なお、上述した各実施例1~8では、TFEと等モルの二酸化炭素(CO)が共存する反応系になっているが、これはTFEの生成過程が脱炭酸反応を伴うという合成方法に依存しているためである。TFE合成後にCOを除くことは可能であるが、TFEとCOの等モル混合気体は、安定して重合反応行えるという大きな利点がある。このため、COを取り除くことはせず、TFEとCOの1:1混合気体をそのまま反応に使用する方法としたものである。COはTFEの希釈剤となるだけで、TFEの重合反応に本質的な影響を与えないことが知られているので、COの存在は重合反応に必須のものではない。
本発明は、環境問題が指摘されているPFOAを用いずに、低濃度なラジカル重合開始剤を用いて常温環境でラジカル重合を安定して行うことができるので、ラジカル重合性フッ素系モノマーをラジカル重合してラジカル重合フッ素系ポリマーを製造する用途に幅広く適用することができる。また、末端基がトリフルオロメチル基となるため、乳化重合で問題となる末端カルボキシル基のトリフルオロメチル基への変換工程を必要とせず、膨大な排水処理費用を回避できる、経済的に優れたラジカル重合フッ素系ポリマーの製造方法を提供できる。

Claims (13)

  1. 熱分解によってペルフルオロアルキルラジカルを生成する重合開始剤を用いて、ラジカル重合性フッ素系モノマーをラジカル重合してラジカル重合フッ素系ポリマーを得るラジカル重合法であって、
    前記重合開始剤は、ペルフルオロ-3-エチル-2,2,4-トリメチル-3-ペンチル、またはペルフルオロ-2,2,4-トリメチル-3-イソプロピル-3-ペンチルのうち、少なくとも一種を含むことを特徴とするラジカル重合法。
  2. 前記ラジカル重合性フッ素系モノマーは、フッ素系モノマーまたはペルフルオロモノマーであることを特徴とする請求項1に記載のラジカル重合法。
  3. 前記重合開始剤は、前記ラジカル重合性フッ素系モノマーを重合溶媒に溶解して用いることを特徴とする請求項1または2に記載のラジカル重合法。
  4. 前記ラジカル重合は、互いに構造が異なる2種以上のラジカル重合性フッ素系モノマーを共重合させることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のラジカル重合法。
  5. 前記ラジカル重合は10℃以上、90℃未満の温度範囲で行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のラジカル重合法。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載のラジカル重合法を用いたラジカル重合フッ素系ポリマーの製造方法であって、
    前記重合開始剤を重合溶媒に溶解させて反応液を得る反応液形成工程と、前記反応液に前記ラジカル重合性フッ素系モノマーを供給して、ラジカル重合フッ素系ポリマーを得るラジカル重合工程と、を有することを特徴とするラジカル重合フッ素系ポリマーの製造方法。
  7. 前記ラジカル重合性フッ素系モノマーはペルフルオロモノマーであり、前記ラジカル重合フッ素系ポリマーはペルフルオロポリマーであることを特徴とする請求項6に記載のラジカル重合フッ素系ポリマーの製造方法。
  8. 前記ペルフルオロポリマーは、末端基がトリフルオロメチル基であることを特徴とする請求項7に記載のラジカル重合フッ素系ポリマーの製造方法。
  9. 前記ペルフルオロモノマーはテトラフルオロエチレンであり、前記ペルフルオロポリマーはポリテトラフルオロエチレンであることを特徴とする請求項7または8に記載のラジカル重合フッ素系ポリマーの製造方法。
  10. 前記ラジカル重合工程は、10℃以上、50℃以下の温度範囲で行うことを特徴とする請求項6から9のいずれか一項に記載のラジカル重合フッ素系ポリマーの製造方法。
  11. 前記ラジカル重合工程における前記重合開始剤と前記ラジカル重合性フッ素系モノマーとのモル濃度比は、1:10~1:10の範囲であることを特徴とする請求項6から10のいずれか一項に記載のラジカル重合フッ素系ポリマーの製造方法。
  12. 前記反応液に含まれる前記重合開始剤の濃度は、0.00001モル/リットル以上、1モル/リットル以下の範囲であることを特徴とする請求項6から11のいずれか一項に記載のラジカル重合フッ素系ポリマーの製造方法。
  13. 前記ラジカル重合工程は繰り返し行われ、1回のラジカル重合工程の完了後に、未反応のペルフルオロアルキルラジカルを含む残液を、次回のラジカル重合工程に用いることを特徴とする請求項6から12のいずれか一項に記載のラジカル重合フッ素系ポリマーの製造方法。
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