JP2022096463A - 液体口腔用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】口腔内の病原性細菌、特に歯周病原菌に対する選択的抗菌効果に優れ、また、外観安定性及び良好な使用感を有する液体口腔用組成物を提供する。【解決手段】(A)炭素数18以上22以下の不飽和脂肪酸と多価アルコールとのエステル化合物、(B)アシルアミノ酸、アシルタウリン及びこれらの塩から選ばれる1種以上、並びに(C)エチレンオキシドの平均付加モル数が40~100モルであるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含有する液体口腔用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、口腔内の病原性細菌、特に歯周病原菌に対する選択的抗菌効果に優れ、また、外観安定性及び良好な使用感を有する液体口腔用組成物に関する。
ヒトの体には、多くの細菌が共生しており、細菌叢と呼ばれる細菌集団を形成し、ヒトの健康維持に重要な機能を有している。この細菌叢には、いわゆる非病原性の常在菌と、日和見感染菌を含む病原性を示す細菌とが混在しているが、通常は細菌叢のバランスが保たれ、いわゆる健康な状態であり、病原性細菌を原因とする疾患は抑制されている。また、身体の部位ごとにその細菌構成は異なるものでもあるが、内的あるいは外的要因によってその細菌構成のバランスが乱れ恒常性が破綻することで病原性細菌が優位となり病気へと進展する。そのため、健康の維持増進のためには、細菌構成の恒常性を維持するだけでなく、病原性細菌だけを抑制し、非病原性の常在菌がより優勢となる、恒常性の破綻が生じにくい細菌叢とすることが重要となる。
口腔内におけるう蝕、歯周病等の口腔疾患も、口腔内に共生する口腔細菌叢の恒常性が破綻して病原性細菌が優勢となることで発症する。病原性細菌は殺菌剤を用いることで減らすことができるが、常在細菌も減らすため、細菌叢のバランスは変わらない。その一方で、単に病原性細菌を殺菌するだけではなく、病原性細菌以外の非病原性である常在菌の存在割合を保持又は増やして常在菌をより優勢な状態にすることで、口腔細菌叢の恒常性を維持又は改善よりするほうが、口腔疾患の発症予防にも効果的であり、口腔疾患の発症又は進行の抑制には重要である。
更に、口腔細菌は、口腔疾患だけでなく、腸炎やアルツハイマー疾患、糖尿病等との関係が報告されるなど、ヒトの全身健康にも関与している可能性が示され始めている。そのため、オーラルケアは、口腔疾患の予防、治療だけでなく、全身健康の維持、増進のために、常在菌を維持し、口腔細菌叢の恒常性を維持又は改善することで、健康な状態に保つことが重要である。
しかし、一般的に口腔用組成物に用いられている殺菌剤は、殺菌作用によって病原性細菌が排除されることで口腔疾患に対して一定の治療、予防効果はあるものの、その作用によって病原性細菌だけでなく、それ以外の常在菌までも殺菌、除去されてしまい、また、非病原性の常在菌をも殺菌してしまうことから、菌交代症のリスクもあった。
そこで、口腔内の病原性細菌を選択的に抑制し、常在菌主体の口腔細菌叢を維持形成する技術が望まれ、これまでに、代表的技術として抗体等が検討されてきたが、十分な効果は得られているとは言い難く、改善の余地があった。
口腔内細菌叢のバランス保持に関する技術としては、例えば、プテロスチルベンや、カンカニクジュヨウ等の植物抽出物を用いた口腔用抗菌剤(特許文献1、2:特開2017-81831号公報、特開2016-113460号公報)、ヤマブシタケ等のキノコの乾燥粉末又はその抽出物を用いた口腔内の菌叢改善剤(特許文献3:国際公開第2016/043103号)、特定のリゾホスファチジン酸やその誘導体等とホスファチジン酸やその誘導体等とを組み合わせた口腔内常在菌の生育促進剤(特許文献4:特開2019-001720号公報)が提案されている。
特開2017-81831号公報 特開2016-113460号公報 国際公開第2016/043103号 特開2019-001720号公報 特開2012-144490号公報 特開2009-155257号公報 特開2012-116827号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、口腔内の病原性細菌に対する選択的抗菌効果に優れ、かつ外観安定性及び良好な使用感を有する液体口腔用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、液体口腔用組成物に特定の不飽和脂肪酸と多価アルコールとのエステル化合物を配合し、更に、特定のアミノ酸系アニオン界面活性剤と特定のノニオン性界面活性剤とを組み合わせて配合すると、低温保存後も外観安定性を維持し、かつ後味がスッキリとした良い使用感を確保して、上記エステル化合物によって、口腔内の病原性細菌、特に歯周病原菌に対して顕著な選択的抗菌効果を付与できることを知見した。即ち、本発明では、(A)炭素数18以上22以下の不飽和脂肪酸と多価アルコールとのエステル化合物、(B)アシルアミノ酸、アシルタウリン及びこれらの塩から選ばれる1種以上、並びに(C)エチレンオキシドの平均付加モル数が40~100モルであるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含有する液体口腔用組成物が、口腔内の病原性細菌に対する選択的抗菌効果が優れ、かつ外観安定性及び良好な使用感を有することを知見し、本発明をなすに至った。
本出願人は、炭素数18以上22以下の不飽和脂肪酸と多価アルコールとのエステル化合物が、口腔内の病原性細菌を選択的に抗菌し、また更に、口腔内常在菌の生育を選択的に促進する作用を奏し、口腔内常在菌の生育促進、更には口腔内菌叢改善の有効成分として口腔用組成物に応用できることを特願2019-137704号に提案した。
本発明者らが、上記エステル化合物を液体口腔用組成物に応用するため、更に検討を進めたところ、液体口腔用組成物に(A)成分を配合すると、上記作用が発揮され、口腔内の病原性細菌に対して選択的抗菌効果を与えることができた。しかし、その一方で、低温保存後にオリやにごりが発生し、白濁、更には分離することもあり、外観安定性が損なわれるという問題が生じ、また、外観安定性を改善するために可溶化剤として一般的なノニオン性界面活性剤、例えばポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を添加すると、その添加量が増えるにつれて選択的抗菌効果が損なわれ、しかも、下記のように使用感の顕著な低下を招いた。
一般的に、洗口剤等の液体口腔用組成物では、基本機能である口腔内の口中浄化機能実感等の要素として使用後に口腔内がサッパリしたと感じられるスッキリ感を付与することが求められるが、(A)成分を配合すると、(A)成分自身の油っぽい味が使用後の口腔内に後味として残り、スッキリ感が損なわれる傾向にあり、更に、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を添加すると、使用後のスッキリ感が一層損なわれた。
これに対して、本発明では、(A)成分に、(B)成分と特定のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油である(C)成分とを組み合わせて配合すると、意外にも、(B)及び(C)成分の併用系によって、(A)成分に特有な上記問題が全て解消し、液体口腔用組成物において、外観安定性と使用後のスッキリ感を確保して、口腔内の病原性細菌、特に歯周病原菌に対して顕著に高い選択的抗菌効果を与えることができた。
したがって、本発明によれば、低温保存後においてもオリ及びにごりの発生が抑制され、澄明外観の洗口剤に調製されても外観安定性を有し、かつ(A)成分由来の油っぽさ等が抑えられ、スッキリとした後味の良い使用感を有しながら、(A)成分によって、口腔内の病原性細菌、特に歯周病原菌に対して優れた選択的抗菌効果を与える液体口腔用組成物を提供することができる。
本発明の作用効果は、(A)、(B)及び(C)成分を組み合わせることで得られるものである。後述の比較例にも示すように、(A)成分が配合されており、(C)成分が配合されていない場合は、(C)成分以外の不適切なポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が配合されていても外観安定性が悪かった(×、比較例4)。また、(A)及び(C)成分が配合され、更に、アニオン性界面活性剤のラウリル硫酸ナトリウムが配合されていても、(B)成分が配合されていない場合は、使用後のスッキリ感が低い(×、比較例3)ものであった。これに対して、本発明の(A)、(B)及び(C)成分が配合された液体口腔用組成物(実施例)は、歯周病原菌に対する選択的抗菌効果に優れ、かつ外観安定性及び使用後のスッキリ感に優れていた。
不飽和脂肪酸と多価アルコールとのエステル化合物は、口腔用組成物用の界面活性剤として用いられ、抗菌作用等を有するものがあることは知られている(特許文献5~7;特開2012-144490号公報、特開2009-155257号公報、特開2012-116827号公報)が、本発明は、液体口腔用組成物における、(A)、(B)及び(C)成分の組み合わせによる、口腔内の病原性細菌に対する顕著な選択的抗菌効果の付与、並びに外観安定性及び使用感の改善である。
したがって、本発明は、下記の液体口腔用組成物を提供する。
〔1〕
(A)炭素数18以上22以下の不飽和脂肪酸と多価アルコールとのエステル化合物、
(B)アシルアミノ酸、アシルタウリン及びこれらの塩から選ばれる1種以上
並びに
(C)エチレンオキシドの平均付加モル数が40~100モルであるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含有することを特徴とする液体口腔用組成物。
〔2〕
(A)成分が、オレイン酸グリセリル、リノール酸グリセリル、グリセリンの重合度が10以下のオレイン酸ポリグリセリル、オレイン酸ソルビタン、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖エルカ酸エステル、エチレンオキシドの平均付加モル数が10以下のオレイン酸ポリエチレングリコール、エチレンオキシドの平均付加モル数が10以下のポリオキシエチレンソルビタンオレイン酸エステル及びエチレンオキシドの平均付加モル数が10以下のポリオキシエチレンオレイン酸グリセリルから選ばれる1種以上である〔1〕記載の液体口腔用組成物。
〔3〕
(A)成分が、オレイン酸グリセリル、リノール酸グリセリル、オレイン酸ソルビタン、ショ糖オレイン酸エステル及びショ糖エルカ酸エステルから選ばれる〔2〕記載の液体口腔用組成物。
〔4〕
(B)成分が、ラウロイルサルコシン、ラウロイルグルタミン酸、ラウロイルメチルタウリン及びこれらの塩から選ばれる〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の液体口腔用組成物。
〔5〕
(C)成分を0.1~1.2質量%含有する〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の液体口腔用組成物。
〔6〕
(A)/(B)が、質量比として0.05~10である〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の液体口腔用組成物。
〔7〕
(A)成分を0.01~0.5質量%、(B)成分を0.02~1質量%含有する〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の液体口腔用組成物。
〔8〕
洗口剤である〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の液体口腔用組成物。
本発明によれば、口腔内の病原性細菌、特に歯周病原菌に対する選択的抗菌効果に優れ、かつ外観安定性及び良好な使用感を有する液体口腔用組成物を提供することができる。本発明の液体口腔用組成物は、歯周病の予防又は抑制用として有効である。
以下、本発明につき更に詳述する。
本発明の液体口腔用組成物は、後述の(A)特定の不飽和脂肪酸と多価アルコールとのエステル化合物、(B)特定のアミノ酸系界面活性剤、及び(C)特定のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含有する。
(A)成分は、炭素数18以上22以下の不飽和脂肪酸と多価アルコールとのエステル化合物である。このエステル化合物は、口腔内の病原性細菌を選択的に抗菌し、また更に、口腔内常在菌の生育を選択的に促進し、菌叢を改善する作用を有し、特に口腔内の病原性細菌、とりわけ歯周病原菌に対して高い選択的抗菌効果(以下、選択的抗菌効果と記載することもある)を奏する。このエステル化合物は、病原性細菌の選択的抗菌のための有効成分として配合される。
なお、本発明においては、後述の実施例に示すように、口腔内での細菌叢を想定した系において、口腔内常在菌のTrが好ましくは1.0以上、より好ましくは1.1以上、更に好ましくは1.5以上であり、かつ病原性細菌に対するTrが好ましくは0.5未満、より好ましくは0.2未満、更に好ましくは0.05未満であり、これらを満たしていると、病原性細菌に対する選択的抗菌効果を有する。
上記エステル化合物において、不飽和脂肪酸は、炭素数18~22の不飽和脂肪酸であり、例えばオレイン酸(C18:1)、リノール酸(C18:2)、リノレン酸(C18:3)、エルカ酸(C22:1)が挙げられるが、特にオレイン酸、リノール酸、エルカ酸が好ましい。なお、括弧内の数値は、炭素数:不飽和結合数である。不飽和脂肪酸の炭素数が18未満の場合、あるいは飽和脂肪酸の場合は、選択的抗菌効果が劣る。不飽和脂肪酸の炭素数が22を超える場合は、外観安定性及び使用後のスッキリ感が改善せず、これらが劣る。
多価アルコールは、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビタン、ソルビトール、ショ糖、ポリエチレングリコール、ポリグリセリン、ポリオキシエチレン(ポリエチレンオキシド)が挙げられるが、特にエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビタン、ショ糖、ポリエチレングリコールが好ましく、より好ましくはグリセリン、ソルビタン、ショ糖である。
ポリグリセリン等の重合物の場合、その重合度は、特に定めるものではないが、グリセリンの重合度10以下が好ましく、より好ましくは6以下である。重合度が低い方が、より優れた選択的抗菌効果が得られる。なお、非重合のグリセリンのほうが好ましい。
ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンの場合、エチレンオキシドの平均付加モル数(E.O.)は、特に定めるものではないが、それぞれ、E.O.10以下が好ましく、より好ましくは6以下である。E.O.が低いほうが、より優れた選択的抗菌効果が得られる。
上記不飽和脂肪酸と多価アルコールとのエステル化合物として具体的には、オレイン酸グリセリル、リノール酸グリセリル、リノレン酸グリセリル、エルカ酸グリセリル、オレイン酸ポリグリセリル、リノール酸ポリグリセリル、リノレン酸ポリグリセリル、エルカ酸ポリグリセリル、オレイン酸ソルビタン、リノール酸ソルビタン、リノレン酸ソルビタン、エルカ酸ソルビタン、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖リノール酸エステル、ショ糖リノレン酸エステル、ショ糖エルカ酸エステル、オレイン酸ポリエチレングリコール、リノール酸ポリエチレングリコール、リノレン酸ポリエチレングリコール、エルカ酸ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンリノール酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンリノレン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンエルカ酸エステル、ポリオキシエチレンオレイン酸グリセリル、ポリオキシエチレンリノール酸グリセリル、ポリオキシエチレンリノレン酸グリセリル、ポリオキシエチレンエルカ酸グリセリル等が挙げられる。中でも、オレイン酸エステル、リノール酸エステル、エルカ酸エステルがよく、具体的にはオレイン酸グリセリル、リノール酸グリセリル、オレイン酸ポリグリセリル(特にE.O.10以下)、オレイン酸ソルビタン、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖エルカ酸エステル、オレイン酸ポリエチレングリコール(特にE.O.10以下)、ポリオキシエチレンソルビタンオレイン酸エステル(特にE.O.10以下)、ポリオキシエチレンオレイン酸グリセリル(特にE.O.10以下)が好ましく、より好ましくはオレイン酸グリセリル、リノール酸グリセリル、オレイン酸ポリグリセリル(特にE.O.10以下)、オレイン酸ソルビタン、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖エルカ酸エステル、オレイン酸ポリエチレングリコール(特にE.O.10以下)、更に好ましくはオレイン酸グリセリル、リノール酸グリセリル、オレイン酸ソルビタン、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖エルカ酸エステルである。
上記エステル化合物は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用し得る。また、市販品を使用することができる。
なお、(A)成分は、上記不飽和脂肪酸を含む脂肪酸と多価アルコールとのエステル化合物として配合することもできる。
上述したように有効成分である(A)成分は、口腔内の病原性細菌を選択的に抗菌し、また更に、口腔内常在菌の生育を選択的に促進し、菌叢を改善する作用を有し、これにより、口腔内常在菌の存在割合を増やして口腔細菌叢の細菌構成比を改善する口腔細菌叢改善としても作用する。
口腔内常在菌としては、ストレプトコッカス属細菌、ナイセリア属細菌、ロキア属細菌、アクチノマイセス属細菌が挙げられるが、好ましくはストレプトコッカス属細菌である。具体的には、ストレプトコッカス ゴルドニアイ(Streptococcus gordonii)、ストレプトコッカス オラリス(Streptococcus oralis)、ストレプトコッカス ミティス(Streptococcus mitis)、ストレプトコッカス サリバリウス(Streptococcus salivarius)、ストレプトコッカス パーオリス(Streptococcus peroris)、ストレプトコッカス インファンティス(Streptococcus infantis)、ストレプトコッカス サングイニス(Streptococcus sanguinis)、アクチノマイセス ビスコーサス(Actinomyces viscosus)、アクチノマイセス ナエスランディ(Actinomyces naeslundii)、ナイセリア サブフラバ(Neisseria subflaba)、ナイセリア シッカ(Neisseria sicca)、ロキア デントカリオサ(Rothia dentocariosa)、ロキア ムシラギノサ(Rothia mucilaginosa)等が挙げられ、中でも好ましい細菌は、特に歯周病を発症していない口腔内に多く生育する傾向にある、ナイセリア サブフラバ(Neisseria subflaba)、ナイセリア シッカ(Neisseria sicca)や、歯周病原菌の抗菌作用を有するストレプトコッカス属細菌、ロキア デントカリオサ(Rothia dentocariosa)、ロキア ムシラギノサ(Rothia mucilaginosa)である。(A)成分は、これらから選ばれる1種又は2種以上の口腔内常在菌に対する生育促進作用が優れる。
病原性細菌としては、歯周病や口臭の原因となる病原菌、例えばポルフィロモナス属細菌、プレボテラ属細菌、フゾバクテリウム属細菌、トレポネマ属細菌、タネレラ属細菌、カンピロバクター属細菌、ユウバクテリウム属細菌が挙げられるが、中でもポルフィロモナス属細菌、プレボテラ属細菌、フゾバクテリウム属細菌、特にポルフィロモナス属細菌である。具体的には、ポルフィロモナス ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)、プレボテラ インターメディア(Prevotella intermedia)、フゾバクテリウム ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)等が挙げられ、中でも有効な細菌は、歯周病原菌のポルフィロモナス ジンジバリスである。(A)成分は、これらから選ばれる1種又は2種以上の病原性細菌に対する選択的な抗菌作用が優れる。
(A)成分の配合量は、組成物全体の0.01~0.5%(質量%、以下同様)が好ましく、より好ましくは0.01~0.3%、更に好ましくは0.03~0.1%である。配合量が0.01%以上であると、十分な選択的抗菌効果が得られ、0.5%以下であると、外観安定性及び使用後のスッキリ感が十分に確保される。
(B)成分は、アミノ酸系界面活性剤であり、アシルアミノ酸、アシルタウリン及びこれらの塩から選ばれる1種以上を使用できる。これらは、(A)成分由来の油っぽい味を抑制して使用後にスッキリ感を与える作用を奏し、また、(A)成分による選択的抗菌効果を維持するだけでなく増強する作用を奏する。
アシルアミノ酸、アシルタウリンは、炭素数8~18、特に12~14の飽和又は不飽和のアシル基を有するものが好ましい。アシル基として具体的には、オクチル基、デシル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアリル基等が挙げられる。また、これらは、塩の形態で使用することもでき、塩としては、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン塩が挙げられ、特にナトリウム塩等のアルカリ金属塩が好ましい。
(B)成分として具体的には、ラウロイルサルコシン、ラウロイルサルコシンナトリウム、ミリストイルサルコシントリエタノールアミン等のアシルサルコシン又はその塩;ラウロイルメチル-β-アラニン、ラウロイルメチル-β-アラニンナトリウム、パルミトイルメチル-β-アラニンナトリウム等のアシルアラニン又はその塩;ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸カリウム、ラウロイルグルタミン酸、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸トリエタノールアミン等のアシルグルタミン酸又はその塩;ミリストイルグルタミン、ココイルグルタミン、ラウロイルグルタミン等のアシルグルタミン;ラウロイルメチルタウリン、ラウロイルメチルタウリンナトリウム、ココイルメチルタウリンナトリウム、パルミトイルメチルタウリン、パルミトイルメチルタウリンナトリウム等のアシルタウリン又はその塩等が挙げられる。これらの中でも、効果発現性の点、更には安全性や、口腔粘膜への刺激性が低い点からも、ラウロイルサルコシン、ラウロイルグルタミン酸、ラウロイルメチルタウリンやこれらの塩が好ましい。これらは、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
これらは、市販品を使用し得る。
(B)成分の配合量は、組成物全体の0.02~1%が好ましく、0.03~0.3%がより好ましく、0.05~0.2%が更に好ましい。配合量が0.02%以上であると、使用後のスッキリ感が十分に得られ、また、(A)成分による選択的抗菌効果が十分に維持され、増強させることもできる。1%以下であると、十分な外観安定性が確保される。
(A)成分と(B)成分との量比を示す(A)/(B)は、質量比として0.05~10が好ましく、より好ましくは0.1~6、更に好ましくは0.1~5、とりわけ好ましくは0.2~1である。上記範囲内であると、選択的抗菌効果、外観安定性及び使用後のスッキリ感が一層優れる。(A)/(B)の質量比が0.05未満であると、選択的抗菌効果及び外観安定性が劣る場合があり、10を超えると、外観安定性及び使用後のスッキリ感が劣る場合がある。
(C)成分は、エチレンオキシドの平均付加モル数が40~100モル、好ましくは60モルであるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油である。(C)成分は、(A)成分を可溶化して低温保存後もオリ、にごりの発生を抑制し、外観安定性を改善する作用を奏する。
エチレンオキシドの平均付加モル数が40未満であるか、又は100を超えると、外観安定性が悪くなり、また、選択的抗菌効果が損なわれる場合がある。
(C)成分は、具体的には、日光ケミカルズ(株)製の商品名NIKKOL HCO-40、60、80、100等の市販品を用いることができる。
(C)成分の配合量は、組成物全体の0.1~1.2%が好ましく、より好ましくは0.2~1.0%、更に好ましくは0.4~0.7%である。配合量が0.1%以上であると、十分な外観安定性が得られ、1.2%以下であると、選択的抗菌効果及び使用後のスッキリ感が十分に得られる。
本発明の液体口腔用組成物は、洗口剤、口中清涼剤、濃縮タイプ洗口剤等の剤型として、特に洗口剤として調製、適用することができる。この場合、上記成分以外に、剤型に応じた適宜な公知成分を必要に応じて配合できる。例えば、湿潤剤、増粘剤、(B)及び(C)成分以外の界面活性剤、pH調整剤、防腐剤、甘味剤、香料、着色料、(A)成分以外の有効成分、溶剤等を配合することができる。なお、下記に示す配合量は、組成物全体に対する配合量である。
湿潤剤:
グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール、ソルビット、キシリット、マルチット、ラクチット等の糖アルコールが挙げられる。湿潤剤の配合量は、通常、0~30%である。
増粘剤:
キサンタンガム、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール等が挙げられる。増粘剤の配合量は、通常、0~5%である。
任意の界面活性剤:
(B)成分以外のアニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、(C)成分以外の非イオン性界面活性剤を配合でき、例えば下記に示すものを使用できる。
アニオン性界面活性剤
ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、α-スルホ脂肪酸アルキルエステル・ナトリウム、アルキルリン酸エステル塩が挙げられる。
両性界面活性剤
アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の酢酸ベタイン型、N-脂肪酸アシル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルエチレンジアミン塩等のイミダゾリン型が挙げられる。
任意の非イオン性界面活性剤
ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の糖アルコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル等の多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル型、ラウリン酸ジエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミドが挙げられる。
上記任意の界面活性剤を配合する場合、その配合量は、0~1%がよく、配合する場合は0.01~0.5%がよい。
なお、(B)成分以外のアニオン性界面活性剤は、配合しなくてもよい。
pH調整剤:
クエン酸、リン酸、フタル酸、酢酸、フマル酸、炭酸やこれらのカリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩等の塩、リボ核酸又はその塩が挙げられる。
防腐剤:
メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム等の安息香酸又はその塩、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、ソルビン酸カリウムが挙げられる。
甘味剤:
サッカリンナトリウム、ステビオサイト、スクラロース、還元パラチノース、エリスリトール等が挙げられる。
着色料:
青色1号、緑色3号、黄色4号、赤色105号等の安全性の高い水溶性色素が挙げられる。
香料:
ペパーミント油、スペアミント油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、クローブ油、タイム油、セージ油、カルダモン油、ローズマリー油、マジョラム油、レモン油、ナツメグ油、ラベンダー油、パラクレス油等の天然精油、l-カルボン、1,8-シネオール、メチルサリシレート、オイゲノール、チモール、リナロール、リモネン、メントール、メントン、メンチルアセテート、シトラール、カンファー、ボルネオール、ピネン、スピラントール等の上記天然精油中に含まれる香料成分や、エチルアセテート、エチルブチレート、イソアミルアセテート、ヘキサナール、ヘキセナール、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、ベンツアルデヒド、バニリン、エチルバニリン、フラネオール、マルトール、エチルマルトール、ガンマ/デルタデカラクトン、ガンマ/デルタウンデカラクトン、N-エチル-p-メンタン-3-カルボキサミド、メンチルラクテート、エチレングリコール-l-メンチルカーボネート等、更には、いくつかの香料成分や天然精油を組み合わせてなる(エタノールを含まないことが好ましい)、アップル、バナナ、ストロベリー、ブルーベリー、メロン、ピーチ、パイナップル、グレープ、マスカット、ワイン、チェリー、スカッシュ、コーヒー、ブランデー、ヨーグルト等の調合フレーバーが挙げられる。
上記の香料素材は、組成物中に0.000001~1%使用するのが好ましく、上記香料素材を使用した賦香用香料は、組成物中に0.1~2%、特に0.2~2%使用するのが好ましい。
任意の有効成分:
タイム、オウゴン、チョウジ、ハマメリス等の植物抽出物、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化スズ等のフッ素化合物、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン等の殺菌剤、トラネキサム酸、イプシロン-アミノカプロン酸等の抗炎症剤、デキストラナーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、ムタナーゼ、リゾチーム、溶菌酵素、リテックエンザイム等の酵素、アルミニウムクロルヒドロキシアラントイン、アラントイン、アズレン、塩化リゾチームや、アスコルビン酸等のビタミンC又はその誘導体、トコフェロール等のビタミンE又はその誘導体、ジヒドロコレステロール、グリチルレチン塩類、グリチルレチン酸類、ヒドロコレステロール、クロロフィル、銅クロロフィリンナトリウム、グルコン酸銅、カロペプタイド、ポリリン酸ナトリウム、水溶性無機リン酸化合物、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、歯石防止剤、歯垢防止剤、硝酸カリウム、乳酸アルミニウムが挙げられる。上記任意の有効成分の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で有効量とすることができる。
溶剤:
精製水、エタノール等の炭素数2~4の低級一価アルコールが挙げられる。
液体口腔用組成物を収容する容器は、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ガラス、ポリプロピレン、ポリエチレンが使用できるが、香料の吸着抑制の点からPETとガラスの使用が好ましい。
以下、実施例及び比較例、処方例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において%は特に断らない限りいずれも質量%を示す。
[実施例、比較例]
表1~3に示す組成の液体口腔用組成物(洗口剤)を常法によって調製し、下記方法で評価した。結果を表1~3に併記した。
(1)歯周病原菌に対する選択的抗菌効果の評価方法
後述の細菌(口腔内常在菌、歯周病原菌)の凍結保存菌株を用い、それぞれの細菌を、血液平板培地*1を用いて37℃で2日間培養し、生育したコロニーをトリプチックソイ培地(TS培地、Becton and Dickinson社製)4mLに播種し、37℃で1日間嫌気培養(80vol%窒素、10vol%二酸化炭素、10vol%水素)することで、各細菌の菌培養液を調製した。96穴マルチプレート(住友ベークライト(株)製)に菌培養液を2%添加した2倍濃度のTS培地100μLを加え、更に、終濃度が0.01%となるように評価サンプルを100μL添加し(コントロールは無添加で、代わりに精製水100μLを添加)、37℃で18時間嫌気(80vol%窒素、10vol%二酸化炭素、10vol%水素)培養した。
各細菌について、生育した細菌量を、波長550nmの濁度で測定した。なお、濁度測定前には、プレートを振とうして菌培養液を撹拌した。
細菌の生育度は、コントロールの菌培養液の濁度増加量(Tc)に対する評価サンプル添加の菌培養液の濁度増加量(Ts)の相対値Tr(=Ts/Tc)を求め、このTr値を指標とした。Tr値が1.0より大きいと生育が促進され、1.0より小さいと生育が抑制された(抗菌効果有)ことになる。
上記Tr値から、下記に示す評価基準に基づき、細菌の生育への影響((i)口腔内常在菌の生育への影響(生育促進効果)、(ii)歯周病原菌の生育への影響(抗菌効果))を評価した。
(i)、(ii)の評価結果が共にA~Cであるものを、歯周病原菌に対する選択的抗菌効果(菌叢改善効果)を有すると判断した。前記効果は、(i)、(ii)の評価結果のどちらか一方がA又はB(AA、AB、BB、AC、BCのパターン)であると好ましく、両方の評価結果がA又はB(AA、AB、BBのパターン)であるとより好ましく、両方の評価結果が共にAであると更に好ましい。
細菌の生育への影響についての評価基準
(i)口腔内常在菌の生育への影響(生育促進効果)
Tr(=Ts/Tc)
A:1.5以上
B:1.1以上1.5未満
C:1.0を超え1.1未満
D:1.0以下
(ii)歯周病原菌の生育への影響(抗菌効果)
Tr(=Ts/Tc)
A:0.05未満
B:0.05以上0.2未満
C:0.2以上0.5未満
D:0.5以上1.0未満
*1:血液平板培地の組成:
トッドへーウィットブロース(Becton and Dickinson社製):
30g/L
寒天(Becton and Dickinson社製): 15g/L
ヘミン(シグマ アルドリッチ社製): 5mg/L
ビタミンK(富士フイルム和光純薬(株)製): 1mg/L
蒸留水: 残部
(全量が1Lなるようにメスアップし、121℃で20分間オートクレーブした。)
綿羊脱繊血(日本バイオテスト研究所製): 100mL
評価に用いた細菌は、American Type Culture Collection(以下、ATCCと略記。)より購入した、下記の菌種を用いた。
口腔内常在菌:
ストレプトコッカス ゴルドニアイ(S.gordonii) ATCC10558
歯周病原菌:
ポルフィロモナス ジンジバリス(P.gingivalis) ATCC33277
(2)外観安定性の評価方法
調製直後の液体口腔用組成物を、満注量250mLの透明なPET容器((株)吉野工業所製)に250mL充填し、-5℃で1ヶ月間保存後に室温に戻し、外観のにごりや、緩やかに転置した際のオリについて、精製水を上記と同様の透明なPET容器に充填し、同様に保存した対照品と比較して、下記に示す評価基準に基づき目視判定し、評価した。なお、調製直後の実施例の液体口腔用組成物は、澄明外観であった。
◎、○のものを、低温保存後もオリ及びにごりが抑制され、外観安定性が合格であると判断した。
外観安定性の評価基準
◎:オリ及びにごりが全く認められない
○:オリがなく、にごりは僅かに認められるが、対照品がなければ判別できないレベルであり、問題ない
△:対照品がなくても判別できる程度のわずかなオリ又はややにごりが認められる
×:対照品と比較しなくても明らかにオリ及びにごりが認められ、PET容器の向こう側を透かし見るのが困難であるほどにごっている
(3)使用後のスッキリ感
10名の被験者が液体口腔用組成物10mLを口に含み、30秒間すすいで洗口し、使用後の口中のスッキリ感(後味のスッキリ感)について、下記に示す評価基準に基づき、評価した。10名の平均点を算出し、下記の判断基準に基づき◎、○、△、×で示した。
ここで、スッキリ感とは、油っぽさや不快な刺激感が後味として残らず、口内のべたつきが抑えられてサッパリしたと感じられる感覚である。
スッキリ感の評価基準
4点:スッキリ感がかなりあった
3点:スッキリ感がややあった
2点:スッキリ感がほとんどなかった
1点:スッキリ感がなかった
スッキリ感の判断基準
◎:平均点3.5点以上4.0点以下
○:平均点3.0点以上3.5点未満
△:平均点2.0点以上3.0点未満
×:平均点2.0点未満
使用原料の詳細を下記に示す。
(A)成分
オレイン酸グリセリル:モノオレイン酸グリセリル(富士フイルム和光純薬(株)製)
リノール酸グリセリル:モノリノール酸グリセリル(富士フイルム和光純薬(株)製)
オレイン酸ソルビタン:span80(富士フイルム和光純薬(株)製)
ショ糖オレイン酸エステル:リョートーシュガーエステルO-1570(三菱ケミカルフーズ(株)製)
モノパルミトレイン酸グリセリル(比較成分):モノパルミトレイン(ニューチェックプレップ社製)
ステアリン酸グリセリル(比較成分):モノステアリン(富士フイルム和光純薬(株)製)
(B)成分
ラウロイルサルコシンナトリウム:ソイポンSLP(川研ファインケミカル(株)製)
ラウロイルメチルタウリンナトリウム:NIKKOL LMT(日光ケミカルズ(株)製)
ラウロイルグルタミン酸ナトリウム:アミノサーファクト ALMS-P1(旭化成ケミカルズ(株)製)
ラウリル硫酸ナトリウム(比較成分):Texapon OC-P(BASF(株)製)
(C)成分
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40):NIKKOL HCO-40(日光ケミカルズ(株)製)
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60):NIKKOL HCO-60(日光ケミカルズ(株)製)
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(100):NIKKOL HCO-100(日光ケミカルズ(株)製)
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20)(比較成分):NIKKOL HCO-20(日光ケミカルズ(株)製)
なお、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の( )内の数値はエチレンオキシドの平均付加モル数)である。
配合量を示す数値は、純分量(%)記載がない成分については純分換算量である(以下同様)。
Figure 2022096463000001
Figure 2022096463000002
Figure 2022096463000003
次に、処方例を示す。使用原料は上記と同じである。
処方例の洗口剤は、上記評価を行ったところ、歯周病原菌に対する選択的抗菌効果に優れ、外観安定性及び使用後のスッキリ感が良好であった。
[処方例1]洗口剤
(A)オレイン酸グリセリル 0.05
(B)ラウロイルサルコシンナトリウム 0.1
(C)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60) 0.6
プロピレングリコール 4
グリセリン 2
キシリット 3
クエン酸 0.07
クエン酸ナトリウム 0.2
香料 0.2
精製水 残部
合計 100%
(A)/(B)の質量比:2
[処方例2]洗口剤
(A)オレイン酸グリセリル 0.05
(B)ラウロイルサルコシンナトリウム 0.1
(C)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60) 0.6
プロピレングリコール 2
グリセリン 2
70%ソルビット液 6
クエン酸 0.01
クエン酸ナトリウム 0.25
香料 0.4
精製水 残部
合計 100%
(A)/(B)の質量比:0.5
[処方例3]洗口剤
(A)オレイン酸グリセリル 0.05
(B)ラウロイルサルコシンナトリウム 0.1
(C)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60) 0.6
プロピレングリコール 2
グリセリン 2
70%ソルビット液 6
キシリット 0.4
クエン酸 0.01
クエン酸ナトリウム 0.25
香料 0.4
精製水 残部
合計 100%
(A)/(B)の質量比:0.5
[処方例4]洗口剤
(A)オレイン酸グリセリル 0.05
(B)ラウロイルサルコシンナトリウム 0.1
(C)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60) 0.6
プロピレングリコール 2
グリセリン 2
70%ソルビット液 6
キシリット 4
クエン酸 0.01
クエン酸ナトリウム 0.25
香料 0.4
精製水 残部
合計 100%
(A)/(B)の質量比:0.5

Claims (8)

  1. (A)炭素数18以上22以下の不飽和脂肪酸と多価アルコールとのエステル化合物、
    (B)アシルアミノ酸、アシルタウリン及びこれらの塩から選ばれる1種以上
    並びに
    (C)エチレンオキシドの平均付加モル数が40~100モルであるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
    を含有することを特徴とする液体口腔用組成物。
  2. (A)成分が、オレイン酸グリセリル、リノール酸グリセリル、グリセリンの重合度が10以下のオレイン酸ポリグリセリル、オレイン酸ソルビタン、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖エルカ酸エステル、エチレンオキシドの平均付加モル数が10以下のオレイン酸ポリエチレングリコール、エチレンオキシドの平均付加モル数が10以下のポリオキシエチレンソルビタンオレイン酸エステル及びエチレンオキシドの平均付加モル数が10以下のポリオキシエチレンオレイン酸グリセリルから選ばれる1種以上である請求項1記載の液体口腔用組成物。
  3. (A)成分が、オレイン酸グリセリル、リノール酸グリセリル、オレイン酸ソルビタン、ショ糖オレイン酸エステル及びショ糖エルカ酸エステルから選ばれる請求項2記載の液体口腔用組成物。
  4. (B)成分が、ラウロイルサルコシン、ラウロイルグルタミン酸、ラウロイルメチルタウリン及びこれらの塩から選ばれる請求項1~3のいずれか1項記載の液体口腔用組成物。
  5. (C)成分を0.1~1.2質量%含有する請求項1~4のいずれか1項記載の液体口腔用組成物。
  6. (A)/(B)が、質量比として0.05~10である請求項1~5のいずれか1項記載の液体口腔用組成物。
  7. (A)成分を0.01~0.5質量%、(B)成分を0.02~1質量%含有する請求項1~6のいずれか1項記載の液体口腔用組成物。
  8. 洗口剤である請求項1~7のいずれか1項記載の液体口腔用組成物。
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