JP2022095028A - 汚泥の性状判定方法および汚泥脱水機の運転制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】変化する汚泥の性状に応じて可及的速やかに適正な運転状態に移行可能な汚泥脱水機の運転制御方法を提供する。【解決手段】汚泥脱水機の運転制御方法は、基準運転条件の下で汚泥脱水機に脱水対象汚泥を投入したときに、汚泥の搬送方向に沿って分割された複数のろ液回収部で回収される各ろ液量を所定の学習済みモデルに入力して推奨運転条件を得る運転条件抽出ステップと、推奨運転条件に基づいて汚泥脱水機を制御する脱水制御ステップとを含んで構成され、学習済みモデルは、基準運転条件の下で汚泥脱水機に判定対象汚泥を投入したときに、汚泥の搬送方向に沿って分割された複数のろ液回収部で回収される各ろ液量と、その後に基準運転条件の何れかを調節して得られる適正運転条件と、を含む教師データに基づいて所定の機械学習アルゴリズムを用いて機械学習される。【選択図】図4

Description

本発明は、汚泥の性状判定方法および汚泥脱水機の運転制御方法に関する。
下水処理場や食品工場などで生じる有機性汚泥を固液分離するためにスクリュープレス型脱水機が使用されている。スクリュープレス型脱水機は、円筒状のスクリーンの内部にスクリューが配置され、スクリューとスクリューの先端の脱水ケーキの排出口に設けられた背圧プレッサ(「押圧板」ともいう。)によって、スクリーンの内部に導入された汚泥を加圧しながら脱水する装置である。通常は、予め汚泥に凝集剤が添加された凝集汚泥がスクリュープレス型脱水機に導入される被圧搾物となる。
特許文献1には、スクリュープレス型脱水機により排出される全脱水ろ液のうち、外筒ろ過体の汚泥投入側の末端からケーキ排出側に向かって全長の3/4未満の外筒ろ過体から排出されるろ液量を、外筒ろ過体の位置ごとに複数に分割し、該分割されたろ液量を上流側からW1、W2、・・・Wnとし、W1、W2、・・・Wnの関数として表される値に基づいて、前段の凝集反応槽に注入する凝集剤の注入量、外筒ろ過体の洗浄頻度、及び脱水機の運転動作に対して少なくとも1つの制御を行うことを特徴とする固液分離システムの制御方法が提案されている。
特許文献2には、所定の圧力制御標準値Pi0が設定されたスラリーの供給圧力Pi、所定の回転数制御標準値N0が設定されたスラリーを圧搾搬送するスクリュー回転数N、所定の薬液量制御標準値K0が設定されたスラリーに事前注入する凝集剤の薬注量Kのうち少なくとも二つが制御対象に選択され、スクリューの駆動トルクSが第1閾値SHと第1閾値SHよりも小さな第2閾値SLの範囲に入るように各制御対象の制御値を設定する駆動トルク制御ステップ、を備えたスクリュープレス型脱水機の運転方法が開示されている。
特開2003-117598号公報 特開2017-87238号公報
汚泥の性状は、日単位、週単位、月単位、季節単位で変動している。特許文献1に開示された制御方法を採用する場合、性状が変動する汚泥に対して外筒ろ過体から排出されるろ液量の計測結果に基づいて、凝集反応槽に注入する凝集剤の注入量、外筒ろ過体の洗浄頻度、および脱水機の運転動作に対する制御を実行するように構成されているので、適正な運転状態になるまでに長い時間遅れが発生する。
具体的に、ろ液量の計測結果に基づいて薬注量を調整した後に、さらにろ液量を計測するといった調整ステップを繰り返すことで最適運転を目指すため、汚泥性状が大きく変化した際には、調整ステップ数が多くなり適正な運転状態になるまでにかなり長い時間遅れが発生し、その間は適正な脱水処理を行なえないという問題があった。
また、特許文献2に記載された運転方法では、スクリューの駆動トルクに基づいて凝集剤の薬注量などを調整するものであったため、同様に適正な運転状態になるまでにかなり長い時間遅れが発生し、その間は適正な脱水処理を行なえないという問題があった。
本発明の目的は、上述した問題点に鑑み、変化する汚泥の性状に応じて可及的速やかに適正な運転状態に移行可能な汚泥の性状判定方法および汚泥脱水機の運転制御方法を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による汚泥の性状判定方法の第一の特徴構成は、投入された汚泥を搬送しながら脱水処理する汚泥脱水機を用いた汚泥の性状判定方法であって、基準運転条件の下で前記汚泥脱水機に判定対象汚泥を投入したときに、汚泥の搬送方向に沿って分割された複数のろ液回収部で回収される各ろ液量に基づいて前記判定対象汚泥の性状を判定する点にある。
予め設定された基準運転条件で運転される汚泥脱水機に判定対象汚泥を投入し、汚泥の搬送方向に沿って分割された複数のろ液回収部で回収される各ろ液量を計測すれば、各ろ液量の分布に基づいて判定対象汚泥の性状が判定できる。
同第二の特徴構成は、上述した第一の特徴構成に加えて、前記判定対象汚泥の性状が脱水性の良否である点にある。
例えば、汚泥の搬送方向に沿って上流側でろ液量が著しく多く、下流側で著しく少ない場合には易脱水汚泥であり、例えば、汚泥の搬送方向に沿って上流側でろ液量がさほど多くなく、下流側でもろ液量がさほど減少しない場合には難脱水汚泥であると判定できる。
同第三の特徴構成は、上述した第二の特徴構成に加えて、各ろ液回収部で回収されるろ液量と前記脱水性の良否の判定値とを含む複数のデータセットを教師データとして所定の機械学習アルゴリズムを用いて機械学習させた学習済みモデルに、前記判定対象汚泥に対して各ろ液回収部で回収されたろ液量を入力して、前記学習済みモデルから前記脱水性の判定値を出力させる点にある。
各ろ液回収部で回収されるろ液量の分布と、そのときの脱水性の良否の判定値を含むデータセットを教師データとして所定の機械学習アルゴリズムを用いて機械学習させることにより学習済みモデルを構築することができる。判定対象汚泥に対して各ろ液回収部で回収されたろ液量をそのような学習済みモデルに入力することにより、判定対象汚泥に対する脱水性の判定値を得ることができ、脱水性の良否を判定することができる。
同第四の特徴構成は、上述した第一から第三の何れかの特徴構成に加えて、前記汚泥脱水機がスクリュープレス型脱水機である点にある。
本発明による汚泥の性状判定方法は、スクリュープレス型脱水機を用いた汚泥の脱水処理に良好に適用できる。
本発明による汚泥脱水機の運転制御方法の第一の特徴構成は、投入された汚泥を搬送しながら脱水処理する汚泥脱水機の運転制御方法であって、基準運転条件の下で前記汚泥脱水機に脱水対象汚泥を投入したときに、汚泥の搬送方向に沿って分割された複数のろ液回収部で回収される各ろ液量を所定の学習済みモデルに入力して推奨運転条件を得る運転条件抽出ステップと、前記推奨運転条件に基づいて前記汚泥脱水機を制御する脱水制御ステップと、を含み、前記学習済みモデルは、前記基準運転条件の下で前記汚泥脱水機に判定対象汚泥を投入したときに、汚泥の搬送方向に沿って分割された複数のろ液回収部で回収される各ろ液量と、その後に前記基準運転条件の何れかを調節して得られる適正運転条件と、を含む教師データに基づいて所定の機械学習アルゴリズムを用いて機械学習された学習済みモデルである点にある。
基準運転条件の下で汚泥脱水機に脱水対象汚泥を投入したときに、汚泥の搬送方向に沿って分割された複数のろ液回収部で回収される各ろ液量を学習済みモデルに入力することで、学習済みモデルから推奨運転条件を得ることができる。推奨運転条件に基づいて汚泥脱水機を制御することで、汚泥の性状に合致した適正な運転状態に速やかに移行できる。
基準運転条件の下で汚泥脱水機に判定対象汚泥を投入したときに、汚泥の搬送方向に沿って分割された複数のろ液回収部で回収される各ろ液量と、その後に基準運転条件の何れかを調節して得られる適正運転条件と、を含む教師データに基づいて所定の機械学習アルゴリズムを用いて機械学習することにより上述した学習済みモデルを得ることができる。
同第二の特徴構成は、上述した第一の特徴構成に加えて、前記学習済みモデルは、前記基準運転条件の下で前記汚泥脱水機に前記判定対象汚泥を投入したときに、汚泥の搬送方向に沿って分割された複数のろ液回収部で回収される各ろ液量を計測する計測ステップと、前記計測ステップの後に前記基準運転条件の何れかを調節して適正運転状態に調整する運転条件調整ステップと、前記計測ステップで計測した各ろ液量と、前記運転条件調整ステップで調整した適正運転条件と、を教師データとして所定の機械学習アルゴリズムを用いて機械学習させるチューニングステップと、を繰り返し実行することにより得られる点にある。
基準運転条件の下で汚泥脱水機に判定対象汚泥を投入したときに得られる各ろ液量の分布に基づいて判定対象汚泥の性状が特定される。その後、基準運転条件の何れかを調節することにより当該判定対象汚泥が適正に脱水可能な適正運転条件に調整される。判定対象汚泥に対する各ろ液量の分布と適正運転条件とを教師データとして、所定の機械学習アルゴリズムを用いて機械学習させる、という一連のステップを様々な性状の判定対象汚泥に対して実行することにより、学習済みモデルが得られる。
同第三の特徴構成は、上述した第一または第二の特徴構成に加えて、前記汚泥脱水機がスクリュープレス型脱水機である点にある。
本発明による汚泥脱水機の運転制御方法は、スクリュープレス型脱水機を用いた汚泥の脱水処理に良好に適用できる。
以上説明した通り、本発明によれば、変化する汚泥の性状に応じて可及的速やかに適正な運転状態に移行可能な汚泥の性状判定方法および汚泥脱水機の運転制御方法を提供することができるようになった。
本発明が適用される汚泥脱水機の一例であるスクリュープレス型脱水機の説明図 本発明による汚泥脱水機の運転制御方法が適用される制御装置の説明図 機械学習モデルの構築手順を示すフローチャート 機械学習モデルに基づく脱水制御手順を示すフローチャート 本発明による汚泥性状判定方法の手順を示すフローチャート スクリュープレス型脱水機におけるろ液量と脱水性能の説明図 (a)は本発明が適用される汚泥脱水機の一例であるベルト型脱水機(濃縮機)の説明図、(b)はベルト型脱水機におけるろ液量と脱水性能の説明図
以下に、本発明による汚泥の性状判定方法および汚泥脱水機の運転制御方法の実施形態を説明する。
図1には、外胴スクリーン2の一部が除去されたスクリュープレス型脱水機10の構造が示されている。スクリュープレス型脱水機10は、基台1に設けられた外胴スクリーン2、上下二本のスクリュー軸3,4、背圧プレッサ5、エアシリンダー6、駆動装置7、洗浄装置8、凝集混和装置11などを備えて構成されている。
外胴スクリーン2は、汚泥投入側端部1aから汚泥排出側端部1bの間で軸心が水平姿勢となるように配された円筒状の金属ろ材で構成され、軸心方向に複数のセグメントに区分されている。汚泥投入側端部1aに近接したセグメントには高圧ろ過による目詰まりに対応すべく間隔0.2mm程度のウェッジワイヤで構成された金属ろ材2aが配され、それより下流側のセグメントには開口径が0.6~1.0mm程度のパンチングメタルで構成された金属ろ材2bが配されている。
スクリュー軸3,4には、汚泥投入側端部1aから汚泥排出側端部1bに向けてピッチが次第に短く、つまり羽根の1ピッチ当たりのろ室容積が減少するように設定されたスクリュー羽根3a,4aが設けられている。なお、スクリュー軸3,4の軸径を汚泥排出側ほど太くすることでスクリュー羽根の1ピッチ当たりのろ室容積が減少するように構成してもよい。基台1に設けられた電動モータなどで構成される駆動装置7により駆動連結機構であるギヤ7a,7bを介して当該スクリュー軸3,4は互いに反対方向に回転駆動される。
スラリー即ち被圧搾物となる有機性汚泥は、ポンプPによって凝集混和装置11に圧送され、凝集混和装置11に投入された凝集剤とともに撹拌羽根14で撹拌混合されてフロックを形成した後に、汚泥投入側端部1aから外胴スクリーン2で仕切られるろ室に圧入される。
ろ室に圧入された被圧搾物は、スクリュー軸3,4の回転に伴ってスクリュー羽根3a,4aにより汚泥排出側端部1bに向けて搬送される過程で、外胴スクリーン2でろ過され、2本のスクリュー軸3,4の回転によって中央部に巻き込まれて強い圧密・剪断脱水効果を受けつつ、ピッチが次第に短く設定されたスクリュー羽根3a,4aにより下流側への搬送に伴って次第に脱水されて固形分が圧密化される。
汚泥排出側端部1bにはスクリーン2の開口に対向するように背圧プレッサ5が配されている。背圧プレッサ5はスクリュー軸3,4の先端側が軸受を介して貫通するように配置され、エアシリンダー6及び押圧シャフト6aにより所定圧で汚泥投入側端部1aに向けて押圧駆動される。
圧搾汚泥から受ける反力とプレッサ圧とのバランスにより形成されるスクリーン2の端部と背圧プレッサ5の外周部に形成される間隙から脱水ケーキが排出される。
背圧プレッサ5を加圧するアクチュエータとしてエアシリンダー6以外に油圧シリンダー、電動シリンダーなどを用いることも可能である。
外胴スクリーン2の下方には、スクリュー軸3,4に沿って複数のろ液回収部15が設けられ、各ろ液回収部15に回収されたろ液量を計測する流量センサ15Sが設けられている。本実施形態では汚泥投入側端部1aから汚泥排出側端部1bに向けて等間隔で5つのろ液回収部15が設けられているが、5つに限るものではない。
図2に示すように、上述したスクリュープレス型脱水機10には制御装置20が設けられ、当該制御装置20によってスクリュープレス型脱水機10が運転制御される。制御装置20はCPU、メモリ、入出力回路などを備えた制御用コンピュータ20Aと、制御用コンピュータ20Aとの間で通信可能に接続された機械学習装置として機能する学習用コンピュータ20Bなどを備えて構成されている。制御用コンピュータ20Aはメモリに格納された制御プログラムがCPUで実行されることにより所期の運転制御が具現化される。学習用コンピュータ20BもCPU、メモリなどを備え、メモリには所定の機械学習アルゴリズムと、当該機械学習アルゴリズムで機械学習された結果である学習済みモデルなどが格納される。
駆動装置7に組み込まれた電動モータ7のトルクを検出するトルクセンサ13、スクリーン2の端部と背圧プレッサ5の外周部に形成される間隙を計測する超音波センサ12、各ろ液回収部15に回収されたろ液量を検出する流量センサ15Sなどの各検出値が制御用コンピュータ20Aに入力される。
なお、超音波センサ12は基台1に立設された後フレームに取付けられており、超音波センサ12によって後フレームと背圧プレッサ5の背面との間の距離が求められ、当該距離を基準に制御用コンピュータ20Aによってスクリーン2の端部と背圧プレッサ5の外周部に形成される間隙が算出される。
一般的に、被圧搾物である汚泥の性状は、蒸発残留物TS(Total Solids)、蒸発減量物VTS(Volatile Total Solids)、繊維状物量により把握することができる。
蒸発残留物TS(Total Solids)とは、汚泥中の固形物量を示す指標で、試料を105~110℃で乾燥した後に残留する物質量(mg/Lまたはmg/kg)で表される。蒸発残留物TSは強熱減量と強熱残留物の和、或いは、SSと溶解性物質の和となる。
強熱減量物VTS(Volatile Total Solids)とは、汚水や汚泥中の有機物量を示す指標で、蒸発残留物TSを600℃で1時間強熱灰化して揮発する物質量がmg/Lまたはmg/kgで表される。VTSの値が小さいほど脱水性は良くなる。
また、汚泥に含まれる繊維状物量が多ければフロックの核となりやすく、凝集剤を添加したときの凝集性が上昇する。
蒸発残留物TSが高く、強熱減量物VTSが低く、繊維状物量が多い汚泥は脱水しやすく、脱水ケーキの含水率が低くなるため、絞り過ぎないようにスクリュー軸3,4の回転数及び背圧プレッサ5に付与されるプレッサ圧を調整する必要がある。また、蒸発残留物TSが低く、強熱減量物VTSが高く、繊維状物量が少ない汚泥は脱水が容易でなく、脱水ケーキの含水率が高くなるため、脱水ケーキの練り込み、排出不良を回避すべくスクリュー軸3,4の回転数及び背圧プレッサ5に付与されるプレッサ圧を調整する必要がある。
制御用コンピュータ20Aは、トルクセンサ13および超音波センサ12の各検出値に基づいて上述したような汚泥の性状を推定し、その結果に基づいて凝集混和装置11への凝集剤の投入量や撹拌羽根14の回転数を調節するとともに、目標とする含水率で目標とする処理量の脱水ケーキが得られるようにスクリュー軸3,4の回転数及び背圧プレッサ5に付与されるプレッサ圧を演算導出し、導出されたスクリュー軸3,4の回転数となるように電動モータに制御信号を出力し、導出されたプレッサ圧となるようにエアシリンダー6に制御信号を出力する基本制御機能を備えている。
学習用コンピュータ20Bは、学習済みモデルが構築される前段階で、制御用コンピュータからの学習要求に基づいて投入汚泥に対する最適な脱水制御パラメータが得られるように学習した学習済みモデルを構築するように構成され、学習済みモデルを構築した後には、制御用コンピュータ20Aからの制御モデル要求に基づいて最適な制御パラメータを出力する。
制御用コンピュータ20Aは、学習済みモデルが構築されるまでの間は、上述した基本制御機能に基づいてスクリュープレス型脱水機10を制御し、学習済みモデルが構築された後、学習済みモデルから出力される制御パラメータに基づいてスクリュープレス型脱水機10を制御する。制御パラメータには、スクリュー軸3,4の回転数、背圧プレッサ5に付与されるプレッサ圧、凝集混和装置11への凝集剤の投入量、撹拌羽根14の回転数、スクリュープレス型脱水機10に汚泥を投入する投入圧力などが含まれる。
図3には、制御装置20における学習済みモデルの生成プロセスが示されている。
制御用コンピュータ20Aは、学習用コンピュータ20Bに備えた学習済みモデルが構築されまでの間、制御パラメータを所定の基準運転条件に設定して(SA1)、基準運転条件で調整された汚泥をスクリュープレス型脱水機10に所定圧で投入し(SA2)、汚泥の搬送方向に沿って分割された複数のろ液回収部15で回収される各ろ液量を測定・入力する(SA3)。汚泥投入側端部1aから投入された所定量の汚泥が汚泥排出側端部1bから排出されるまでの所定時間ステップSA3が継続され、各ろ液回収部15で回収されるろ液量が測定される(SA4)。
なお、基準運転条件には、凝集混和装置11への凝集剤の投入量、撹拌羽根14の回転数、スクリュー軸3,4の回転数、背圧プレッサ5に付与されるプレッサ圧、スクリュープレス型脱水機10に汚泥を投入する投入圧力が含まれ、性状の異なる様々な汚泥に対して同一の運転条件で運転した場合に、ろ液回収部15に回収されるろ液量から汚泥性状を判定することを目的として設定される条件で、特に特定の数値に限るものではない。
そして、ろ液回収部15に回収されるろ液量、トルクセンサ13および超音波センサ12の各検出値に基づいて汚泥の性状が推定され、含水率が目標範囲に入るように上述した基本制御機能に基づく制御が実行される(SA6)。
すなわち、制御用コンピュータ20Aは、凝集混和装置11への凝集剤の投入量や撹拌羽根14の回転数を調節するとともに、目標とする含水率で目標とする処理量の脱水ケーキが得られるようにスクリュー軸3,4の回転数及び背圧プレッサ5に付与されるプレッサ圧を演算導出し、導出されたスクリュー軸3,4の回転数となるように電動モータに制御信号を出力し、導出されたプレッサ圧となるようにエアシリンダー6に制御信号を出力する。なお、ステップSA5で推定される汚泥性状が適正であれば、ステップSA6は実行する必要はない。
適正運転状態に達すると(SA8)、当該汚泥に対して測定されたろ液量、適正運転状態での制御パラメータの一組が教師データとして設定される。なお、一組が教師データとして基準運転条件での制御パラメータ、強熱減量物VTS、適正運転状態での汚泥の含水率が含まれていてもよい。
教師データの数が十分な数になるまで、ステップSA1からステップSA8までの処理が繰り返され(SA9)、十分な数の教師データが集まると、学習用コンピュータ20Bにそれら教師データが入力されて機械学習され(SA10)、学習済みモデルが構築される(SA11)。なお、ステップSA8で教師データが設定される度に逐次的に学習用コンピュータ20Bに教師データを入力して学習するように構成してもよい。
教師データを用いる機械学習アルゴリズムとして、ニューラルネットワークが好適に用いられる。ニューラルネットワーク以外にサポートベクターマシン、ベイジアンフィルタ、ランダムフォレストなどの統計的機械学習を採用することも可能である。
なお、図3に示した一連の手順は実際に現場に設置されたスクリュープレス型脱水機10を用いる必要はなく、予め試験用のスクリュープレス型脱水機10を用いてさまざまな性状の汚泥を脱水処理することで学習済みモデルを構築し、構築済みの学習済みモデルを現場に設置されたスクリュープレス型脱水機10の学習用コンピュータ20Bに移植してもよい。また、基本制御機能に基づく制御(SA6)は、操作員が経験や知見に基づいて手動で行ってもよい。
図4には、学習済みモデルが構築された制御装置20を備えたスクリュープレス型脱水機10の運転制御の手順が示されている。
先ず、制御用コンピュータ20Aは、制御パラメータを所定の基準運転条件に設定して(SB1)、基準運転条件で調整された汚泥をスクリュープレス型脱水機10に所定圧で投入し(SB2)、汚泥の搬送方向に沿って分割された複数のろ液回収部15で回収される各ろ液量を測定・入力する(SB3)。汚泥投入側端部1aから投入された所定量の汚泥が汚泥排出側端部1bから排出されるまでの所定時間ステップSB3が継続され、各ろ液回収部15で回収されるろ液量が測定される(SB4)。
制御用コンピュータ20Aは、ステップSB4で測定された各ろ液回収部15で回収されるろ液量を学習用コンピュータ20Bに引き渡し、学習用コンピュータ20Bに備えた学習済みモデルに入力する(SB5)。学習済みモデルから出力される推奨運転条件が学習用コンピュータ20Bから制御用コンピュータ20Aに引き渡されると(SB6)、制御用コンピュータ20Aは、推奨運転条件に基づいてスクリュープレス型脱水機10を運転制御する(SB7)。予め設定された計測インタバルを経過するまでは(SB8,N)、上述の制御が継続され、計測インタバルを経過すると(SB8,Y)、ステップSB1に戻る。計測インタバルは、汚泥の性状の変化に対応するために設定されたインタバルで、本実施形態では24時間に設定されている。計測インタバルは特に限定されるものではなく、12時間であってもよい。汚泥の性状の変動が見込まれる任意のタイミングに設定することも可能である。さらには、汚泥の性状が変化したことの情報を捉えるごとにステップSB1に戻るようにしてもよい。
つまり、予め学習済みモデルを準備しておけば、各ろ液回収部15で回収されるろ液量に基づいて脱水対象汚泥に最適な運転条件が求まるので、変化する汚泥の性状に応じて可及的速やかに適正な運転状態に移行できるようになる
図5には、投入された汚泥を搬送しながら脱水処理する汚泥脱水機を用いた汚泥の性状判定方法が示されている。
基準運転条件の下で汚泥脱水機に判定対象汚泥を投入したときに、汚泥の搬送方向に沿って分割された複数のろ液回収部で回収される各ろ液量に基づいて判定対象汚泥の性状、つまり脱水性の良否を判定する。
各ろ液回収部で回収されるろ液量と脱水性の良否の判定値とを含む複数のデータセットを教師データとして所定の機械学習アルゴリズムを用いて機械学習させた学習済みモデルに、判定対象汚泥に対して各ろ液回収部で回収されたろ液量を入力して、学習済みモデルから脱水性の判定値を出力させるように構成されている。
詳述すると、基準運転条件の下で汚泥脱水機10に判定対象汚泥を投入し(SC1,SC2)汚泥の搬送方向に沿って分割された複数のろ液回収部15で回収される各ろ液量を測定する(SC3,SC4)。
脱水された汚泥の性状、例えば含水率や強熱減量物VTSが測定される(SC5)。
機械学習装置に学習済みモデルが構築されていれば(SC6,Y)、測定データである各ろ液量を学習済みモデルに入力することにより(SC11)、汚泥の性状に対する判定値が出力される(SC12)。判定値として性状「良」から性状「悪」の間を複数段階の数値で表すことができる。
例えば、蒸発残留物TSが高く、強熱減量物VTSが低く、繊維状物量が多い汚泥と、蒸発残留物TSが低く、強熱減量物VTSが高く、繊維状物量が少ない汚泥との間を、強熱減量物VTSに基づいて複数段に区分することができる。
ステップCS6で学習済みモデルが構築されていない場合には、得られたろ液回収部で回収される各ろ液量と、汚泥の性状の一組を一つの教師データに設定し(SC7)、教師データの数が十分な数になるまでステップSC1からステップSC7を繰り返し(SC9)、一連の教師データを機械学習アルゴリズムに入力することにより学習済みモデルが構築される(SC10)。
図6には、上述したスクリュープレス型脱水機10に備えた各ろ液回収部15で回収されたろ液量が例示されている。汚泥投入側端部1aから汚泥排出側端部1bの間が所定のスクリーン長さで区分され、各区分にろ液回収部15が設けられている。汚泥投入側端部1aから2区分目まで(スクリーンNo.1、2)が、主にろ過機能を発揮する領域となり、3区分目から5区分目まで(スクリーンNo.3、4、5)が主に脱水機能を発揮する領域となる。
脱水性の良好な汚泥は、汚泥投入側端部1aから2区分目までで大きくろ過され、その後徐々に脱水されるが、脱水性の不良な汚泥は、主にろ過機能を発揮する領域でも十分なろ過が行なわれていない傾向がある。そのような各ろ液回収部15で回収されたろ液量に基づいて汚泥の性状がはあくでき、機械学習アルゴリズムにより汚泥の性状が適切に把握され、最適な脱水条件が得られるようになる。
図7(a)には、ベルト式脱水機(濃縮機)に本発明が適用される態様が示されている。ベルト式脱水機はSUS製の金属ワイヤで編み込まれた無端状のメッシュベルト30が左右のスプロケットに巻回され、モータMにより回転駆動される。図中、左端部からメッシュベルト30の上面に投入された汚泥は、メッシュベルト30で水切りされながら右方に搬送される。このような、ベルト式脱水機にも上述したろ液回収部35を汚泥の搬送方向に沿って配列し、各ろ液回収部35で回収されたろ液を流量計F1~F5で測定することにより、ろ過特性を得ることができる。また、図7(b)には、上述したベルト式脱水機に備えた各ろ液回収部35で回収されたろ液量が例示されている。そして、得られたろ液量に基づいて、上述した学習済みモデルと同様の学習済みモデルを用いて、汚泥の性状に基づいて適切に脱水できるようにベルト式脱水機への汚泥の投入量、モータMの回転数を制御することができるようになる。
上述したスクリュープレス型脱水機やベルト式脱水機の各部の具体的構成は実施形態の記載に限定されるものではなく、本発明による作用効果を奏する範囲において適宜変更設計可能であることはいうまでもない。
1:基台
2:外胴スクリーン
3,4:スクリュー軸
3a,4a:スクリュー羽根
5:背圧プレッサ
6:エアシリンダー
7:駆動装置
10:スクリュープレス型脱水機
20:制御装置
20A:制御用コンピュータ
20B:学習用コンピュータ

Claims (7)

  1. 投入された汚泥を搬送しながら脱水処理する汚泥脱水機を用いた汚泥の性状判定方法であって、
    基準運転条件の下で前記汚泥脱水機に判定対象汚泥を投入したときに、汚泥の搬送方向に沿って分割された複数のろ液回収部で回収される各ろ液量に基づいて前記判定対象汚泥の性状を判定する汚泥の性状判定方法。
  2. 前記判定対象汚泥の性状が脱水性の良否である請求項1記載の汚泥の性状判定方法。
  3. 各ろ液回収部で回収されるろ液量と前記脱水性の良否の判定値とを含む複数のデータセットを教師データとして所定の機械学習アルゴリズムを用いて機械学習させた学習済みモデルに、前記判定対象汚泥に対して各ろ液回収部で回収されたろ液量を入力して、前記学習済みモデルから前記脱水性の判定値を出力させる請求項2記載の汚泥の性状判定方法。
  4. 前記汚泥脱水機がスクリュープレス型脱水機である請求項1から3の何れかに記載の汚泥の性状判定方法。
  5. 投入された汚泥を搬送しながら脱水処理する汚泥脱水機の運転制御方法であって、
    基準運転条件の下で前記汚泥脱水機に脱水対象汚泥を投入したときに、汚泥の搬送方向に沿って分割された複数のろ液回収部で回収される各ろ液量を所定の学習済みモデルに入力して推奨運転条件を得る運転条件抽出ステップと、
    前記推奨運転条件に基づいて前記汚泥脱水機を制御する脱水制御ステップと、
    を含み、
    前記学習済みモデルは、前記基準運転条件の下で前記汚泥脱水機に判定対象汚泥を投入したときに、汚泥の搬送方向に沿って分割された複数のろ液回収部で回収される各ろ液量と、その後に前記基準運転条件の何れかを調節して得られる適正運転条件と、を含む教師データに基づいて所定の機械学習アルゴリズムを用いて機械学習された学習済みモデルである汚泥脱水機の運転制御方法。
  6. 前記学習済みモデルは、
    前記基準運転条件の下で前記汚泥脱水機に前記判定対象汚泥を投入したときに、汚泥の搬送方向に沿って分割された複数のろ液回収部で回収される各ろ液量を計測する計測ステップと、
    前記計測ステップの後に前記基準運転条件の何れかを調節して適正運転状態に調整する運転条件調整ステップと、
    前記計測ステップで計測した各ろ液量と、前記運転条件調整ステップで調整した適正運転条件と、を教師データとして所定の機械学習アルゴリズムを用いて機械学習させるチューニングステップと、
    を繰り返し実行することにより得られる請求項5記載の汚泥脱水機の運転制御方法。
  7. 前記汚泥脱水機がスクリュープレス型脱水機である請求項5または6記載の汚泥脱水機の運転制御方法。
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