JP2022094827A - 水処理システムおよび水処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】被処理水を処理して処理水を得るメインフローから排出される排水を処理した上でメインフローに返送して再利用する技術において、返送水中のピコプランクトンの量を抑制し、カビ臭の発生を抑制する。【解決手段】被処理水を処理して処理水を得るメインフローと、メインフローから排出される排水から得られる返送水をメインフローに返送するリサイクルフローとを備える水処理システムであって、リサイクルフローは、凝集剤注入装置および凝集剤注入装置の後段に設けられた固液分離装置を有する固液分離ラインと、凝集剤注入装置により凝集剤が注入される水中のピコプランクトンの状態および固液分離装置から流出した水中のピコプランクトンの状態の少なくとも一方に応じて凝集剤の注入率を制御する制御装置とを含む、水処理システム。【選択図】図1

Description

本発明は、水処理システムおよび水処理方法に関し、特には、浄水場等において好適に使用し得る水処理システムおよび水処理方法に関するものである。
従来、水処理技術においては、水の回収率を向上することが求められている。そこで、被処理水を処理して目的とする処理水を得るメインフローから排出される排水を処理した上でメインフローに返送して再利用することにより水の回収率を向上させる技術が提案されている。
具体的には、例えば特許文献1では、浄水場の急速ろ過池の洗浄排水を膜ろ過し、濁質、細菌、大腸菌、耐塩素性原虫類が除去された膜ろ過水を着水井に返送して再利用する技術が提案されている。
特開平11-235587号公報
ところで、近年、処理水にカビ臭を発生させる原因物質の一つとしてピコプランクトンが着目されている。
しかし、上記従来の技術では、ピコプランクトンについて何ら着目していなかった。そのため、上記従来の技術では返送水中に含まれるピコプランクトンに起因して処理水のカビ臭が増加する恐れがあった。
そこで、本発明は、被処理水を処理して処理水を得るメインフローから排出される排水を処理した上でメインフローに返送して再利用する技術において、返送水中のピコプランクトンの量を抑制し、カビ臭の発生を抑制することを目的とする。
この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の水処理システムは、被処理水を処理して処理水を得るメインフローと、前記メインフローから排出される排水から得られる返送水を前記メインフローに返送するリサイクルフローとを備える水処理システムであって、前記リサイクルフローは、凝集剤注入装置および前記凝集剤注入装置の後段に設けられた固液分離装置を有する固液分離ラインと、前記凝集剤注入装置により凝集剤が注入される水中のピコプランクトンの状態および前記固液分離装置から流出した水中のピコプランクトンの状態の少なくとも一方に応じて前記凝集剤の注入率を制御する制御装置とを含むことを特徴とする。このように、制御装置を設けて水中のピコプランクトンの状態に応じて凝集剤の注入率を制御すれば、返送水中のピコプランクトンの量を抑制し、カビ臭の発生を抑制することができる。
また、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の水処理システムは、被処理水を処理して処理水を得るメインフローと、前記メインフローから排出される排水から得られる返送水を前記メインフローに返送するリサイクルフローとを備える水処理システムであって、前記リサイクルフローは、凝集剤注入装置および前記凝集剤注入装置の後段に設けられた固液分離装置を有する固液分離ラインと、前記凝集剤注入装置および前記固液分離装置をバイパスするバイパスラインと、前記固液分離ラインと前記バイパスラインとの間で流路を切り替える流路切替機構と、前記流路切替機構に流入する水中のピコプランクトンの状態に応じて前記流路切替機構で流路を切り替える制御装置とを含むことを特徴とする。このように、制御装置を設けて流路切替機構に流入する水中のピコプランクトンの状態に応じて流路を切り替えれば、返送水中のピコプランクトンの量を抑制し、カビ臭の発生を抑制することができる。
なお、前記制御装置は、流路を前記固液分離ライン側とした際に、前記凝集剤注入装置により凝集剤が注入される水中のピコプランクトンの状態および前記固液分離装置から流出した水中のピコプランクトンの状態の少なくとも一方に応じて前記凝集剤の注入率を更に制御することが好ましい。固液分離を行う際に水中のピコプランクトンの状態に応じて凝集剤の注入率を制御すれば、固液分離を経た返送水中のピコプランクトンの量を良好に抑制し、カビ臭の発生を効果的に抑制することができる。
ここで、本発明の水処理システムは、前記リサイクルフローが、水中のピコプランクトンの量を測定するピコプランクトンカウンタを更に備え、前記制御装置は、前記ピコプランクトンの状態として、前記ピコプランクトンカウンタの測定結果に基づいて把握される状態を用いることが好ましい。ピコプランクトンカウンタの測定結果に基づいて把握される状態を用いて制御を行えば、返送水中のピコプランクトンの量を良好に抑制し、カビ臭の発生を効果的に抑制することができる。
そして、本発明の水処理システムでは、前記制御装置が、前記ピコプランクトンの状態に加えて水中の懸濁物質の量も考慮して制御を行うことが好ましい。ピコプランクトンの状態に加えて水中の懸濁物質の量も考慮して制御を行えば、ピコプランクトンの状態のみを用いて制御を行う場合と比較し、返送水の水質をより良好なものとすることができる。
また、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の水処理方法は、被処理水を処理して処理水を得るメインフローから排出される排水から得られる返送水を前記メインフローに返送する工程を含む水処理方法であって、前記工程は、前記排水に由来する返送原水に対して凝集剤を添加するステップ(S1)と、前記凝集剤を添加した返送原水を固液分離するステップ(S2)と、前記凝集剤の注入率を制御するステップ(S3)とを含み、前記ステップ(S3)では、返送原水中のピコプランクトンの状態および固液分離後の水中のピコプランクトンの状態の少なくとも一方に応じて前記凝集剤の注入率を制御することを特徴とする。このように、ステップ(S3)において水中のピコプランクトンの状態に応じて凝集剤の注入率を制御すれば、返送水中のピコプランクトンの量を抑制し、カビ臭の発生を抑制することができる。
更に、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の水処理方法は、被処理水を処理して処理水を得るメインフローから排出される排水から得られる返送水を前記メインフローに返送する工程を含む水処理方法であって、前記工程は、前記排水に由来する返送原水中のピコプランクトンの状態に応じて固液分離の要否を判断するステップ(S4)と、前記ステップ(S4)において固液分離が必要と判断された場合には前記返送原水に対して凝集剤を添加した後に固液分離を行って前記返送水を得るステップ(S51)と、前記ステップ(S4)において固液分離が不要と判断された場合には前記返送原水に対して凝集剤の添加および固液分離を行わずに返送水を得るステップ(S52)とを含むことを特徴とする。このように、ステップ(S4)において返送原水中のピコプランクトンの状態に応じて固液分離の要否を判断すれば、返送水中のピコプランクトンの量を抑制し、カビ臭の発生を抑制することができる。
なお、前記ステップ(S51)では、返送原水中のピコプランクトンの状態および固液分離後の水中のピコプランクトンの状態の少なくとも一方に応じて前記凝集剤の注入率を制御することが好ましい。固液分離を行う際に水中のピコプランクトンの状態に応じて凝集剤の注入率を制御すれば、固液分離を経た返送水中のピコプランクトンの量を良好に抑制し、カビ臭の発生を効果的に抑制することができる。
ここで、本発明の水処理方法では、前記ピコプランクトンの状態として、水中のピコプランクトンの量を測定するピコプランクトンカウンタの測定結果に基づいて把握される状態を用いることが好ましい。ピコプランクトンカウンタの測定結果に基づいて把握される状態を用いて制御を行えば、返送水中のピコプランクトンの量を良好に抑制し、カビ臭の発生を効果的に抑制することができる。
そして、本発明の水処理方法では、前記凝集剤の注入率の制御を、前記ピコプランクトンの状態に加えて水中の懸濁物質の量も考慮して行うことが好ましい。ピコプランクトンの状態に加えて水中の懸濁物質の量も考慮して凝集剤の注入率の制御を行えば、ピコプランクトンの状態のみを用いて制御を行う場合と比較し、凝集剤の注入率をより適切なものとして返送水の水質をより良好なものとすることができる。
また、本発明の水処理方法では、前記ステップ(S4)では、前記ピコプランクトンの状態に加えて水中の懸濁物質の量も考慮して固液分離の要否を判断することが好ましい。ピコプランクトンの状態に加えて水中の懸濁物質の量も考慮して固液分離の要否を判断すれば、ピコプランクトンの状態のみを用いて固液分離の要否を判断する場合と比較し、返送水の水質をより良好なものとすることができる。
本発明によれば、被処理水を処理して処理水を得るメインフローから排出される排水を処理した上でメインフローに返送して再利用する技術において、返送水中のピコプランクトンの量を抑制し、カビ臭の発生を抑制することができる。
本発明の水処理システムの第一実施形態の説明図である。 本発明の水処理システムの第二実施形態の説明図である。 水中のピコプランクトン濃度に応じた凝集剤の注入率の一例を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一の構成要素を示すものとする。
ここで、本発明の水処理システムおよび水処理方法は、特に限定されることなく、例えば浄水場等において水の回収率を向上させる際に好適に用いることができる。
なお、以下では、一例として本発明の水処理システムおよび水処理方法を浄水場において用いる場合について説明するが、本発明の水処理システムおよび水処理方法の適用先は浄水場に限定されるものではない。
(第一実施形態)
図1に、本発明の水処理システムの一例の概略構成を示す。図1に示す水処理システム100は、河川水などの被処理水から処理水として浄水を得るメインフロー10と、メインフロー10から排出される排水から得られる返送水をメインフロー10に返送するリサイクルフロー20とを備えている。そして、水処理システム100では、排水から得られる返送水をメインフロー10に返送して処理水の調製に用いているので、水の回収率を向上させることができる。
ここで、メインフロー10は、特に限定されることなく、被処理水が流入する着水井11と、凝集剤などの薬品を被処理水に添加して混合する薬品混和池12と、フロックを形成するフロック形成池13と、形成したフロックを沈殿させる沈殿池14と、沈殿池14からの流出水をろ過するろ過池15と、得られる処理水を貯留する浄水池16とを備えている。
そして、メインフロー10からは、特に限定されることなく、例えば沈殿池14から排出される汚泥含有水(スラッジ)や、ろ過池15の洗浄排水などの排水が排出される。
なお、これらの排水には、通常、少量のピコプランクトンが含まれている。ここで、メインフロー10における被処理水の滞留時間は比較的短いが、リサイクルフロー20における排水の滞留時間は比較的長いため、後述するように、これらの排水に含まれているピコプランクトンは、リサイクルフロー20内での滞留中に増殖し得る。
リサイクルフロー20は、メインフロー10からの排水を受け入れる排泥池21と、排水を上澄み水と汚泥が濃縮された泥水とに分離する濃縮槽22と、濃縮槽22で得られた上澄み水に対して凝集剤の添加および固液分離を行う固液分離ライン23とを備えている。そして、リサイクルフロー20では、濃縮槽22で得られた上澄み水を返送原水とし、当該返送原水に対して固液分離ライン23で凝集剤の添加および固液分離を行って得られる返送水がメインフロー10(図示例では着水井11)へと返送される。
固液分離ライン23は、返送原水に凝集剤を添加する凝集剤注入装置としての薬注ポンプ24と、薬注ポンプ24で凝集剤を注入する位置よりも後段に設けられた固液分離装置25とを有しており、図示例では濃縮槽22と着水井11とを接続している。
ここで、固液分離装置25としては、凝集剤の注入により凝集した水中のピコプランクトンを除去可能であれば、特に限定されることなく、膜ろ過装置や遠心分離装置などの既知の固液分離装置を用いることができる。中でも、水中のピコプランクトンを効率的に除去する観点からは、固液分離装置としては、膜ろ過装置が好ましく、セラミック膜を用いた膜ろ過装置がより好ましい。セラミック膜は、ろ過時や逆洗時の圧力が高くても長寿命であるため、特に優れている。
なお、固液分離装置25として膜ろ過装置を用いた場合には、ろ過膜の逆洗排水などの洗浄排水は、特に限定されることなく、図1に実線で示すように洗浄排水ライン30を介して排泥池21へと排出してもよいし、図1に破線で示すように濃縮槽22へと排出してもよい。中でも、水処理システム100が排泥池21を有している場合には、洗浄排水は、排泥池21へと排出することが好ましい。ここで、洗浄排水中に含まれるピコプランクトンは、通常、凝集剤の添加および固液分離により沈降性が向上しているので、排出先において良好に沈降し得る。
また、リサイクルフロー20は、凝集剤を注入する位置よりも前段に設けられて薬注ポンプ24により凝集剤が注入される返送原水中のピコプランクトンの状態を把握する第1センサ26Aと、固液分離装置25の後段に設けられて固液分離装置25から流出した返送水中のピコプランクトンの状態を把握する第2センサ26Bと、第1センサ26Aおよび第2センサ26Bで検出された水中のピコプランクトンの状態に応じて凝集剤の注入率を制御する制御装置27とを更に有している。
ここで、第1センサ26Aおよび第2センサ26Bとしては、水中のピコプランクトンの状態を把握可能であれば任意の装置を用いることができる。中でも、第1センサ26Aおよび第2センサ26Bとしては、水中のピコプランクトンの量を測定するピコプランクトンカウンタを用いることが好ましい。ピコプランクトンカウンタの測定結果に基づいて把握される水中のピコプランクトンの状態を用いて後述する制御を行えば、返送水中のピコプランクトンの量を良好に抑制し、カビ臭の発生を効果的に抑制することができる。
なお、ピコプランクトンカウンタとしては、蛍光を用いたフローサイトメータータイプや、濁度計と蛍光計測器を併用するタイプ等、任意のピコプランクトンカウンタを用いることができる。
なお、第1センサ26Aで把握する「ピコプランクトンの状態」としては、特に限定されることなく、上述したピコプランクトンカウンタの測定結果に基づいて把握される状態(例えば、ピコプランクトンの個体数や濃度)のほかに、水温および日照量などのピコプランクトンの増殖に関係がある因子の少なくとも一つから求められるピコプランクトンの増殖状態(例えば、誘導期、対数期または定常期の何れに該当するか等)などが挙げられる。また、第2センサ26Bで把握する「ピコプランクトンの状態」としては、特に限定されることなく、上述したピコプランクトンカウンタの測定結果のほかに、固液分離装置として用いた膜ろ過装置における差圧の変化とろ過性能との関係から推定されるピコプランクトンの残留状態(ろ過水中へのピコプランクトンの流出状態)などが挙げられる。そして、第1センサ26Aおよび第2センサ26Bの設置位置は、濃縮槽22と凝集剤注入位置の間および固液分離装置25と着水井11の間に限定されるものではなく、目的とするピコプランクトンの状態を把握可能な位置とすることができる。
制御装置27は、第1センサ26Aから入手した返送原水中のピコプランクトンの状態および第2センサ26Bから入手した返送水中のピコプランクトンの状態に応じて薬注ポンプ24の動作を制御し、凝集剤の注入率を制御する。具体的には、例えば、返送原水中のピコプランクトンの量および返送水中のピコプランクトンの量の少なくとも一方の増加(または減少)に応じて凝集剤の注入率を上昇(または低下)させ、返送水中のピコプランクトンの量が所定の範囲内、好ましくは所定の数値以下となるように凝集剤の注入率を制御する。或いは、例えば図3に示すように、予め定めておいた最低注入量と最大注入量との間で、返送原水中のピコプランクトンの量および返送水中のピコプランクトンの量の少なくとも一方の増加に伴い凝集剤の注入率が上昇するように凝集剤の注入率を制御する。
なお、上記では第1センサ26Aおよび第2センサ26Bを設けて制御を行う場合について説明したが、水処理システム100では第1センサ26Aおよび第2センサ26Bの何れか一方のみを設けて制御を行ってもよい。具体的には、制御装置27は、第1センサ26Aから入手した返送原水中のピコプランクトンの状態を用いて凝集剤の注入率を制御してもよい。また、制御装置27は、第2センサ26Bから入手した返送水中のピコプランクトンの状態を用いて凝集剤の注入率をフィードバック制御してもよい。より具体的には、制御装置27は、例えば、返送原水中のピコプランクトンの量または返送水中のピコプランクトンの量の増加(または減少)に応じて凝集剤の注入率を上昇(または低下)させ、返送水中のピコプランクトンの量が所定の範囲内、好ましくは所定の数値以下となるように凝集剤の注入率を制御し得る。或いは、制御装置27は、例えば図3に示すように、予め定めておいた最低注入量と最大注入量との間で、返送原水中のピコプランクトンの量または返送水中のピコプランクトンの量の増加に伴い凝集剤の注入率が上昇するように凝集剤の注入率を制御し得る。
また、返送原水中にはピコプランクトン以外にも懸濁物質が存在し得るところ、返送原水に添加した凝集剤は懸濁物質の凝集にも消費される。更に、返送原水中の懸濁物質の量は季節等の影響を受けて変動し得る。
そこで、ピコプランクトンを良好に凝集させて固液分離する観点からは、制御装置27は、ピコプランクトンの状態に加えて水中の懸濁物質の量も考慮して制御を行うことが好ましい。具体的には、水処理システム100では、濁度計やSS計など(図示せず)を使用して測定した、凝集剤が注入される返送原水中の懸濁物質の量および固液分離装置25から流出した返送水中の懸濁物質の量の少なくとも一方も考慮して凝集剤の注入率を制御することが好ましい。より具体的には、例えば、ピコプランクトンの状態に変化が無い場合であっても、懸濁物質の量が増加(または減少)した場合には凝集剤の注入率を上昇(または低下)させることが好ましい。このようにすれば、懸濁物質による凝集剤の消費量を加味して凝集剤の注入率を決定することができる。
そして、水処理システム100では、例えば以下のようにして水処理が行われる。
具体的には、水処理システム100のメインフロー10では、河川水などの被処理水が処理されて浄水としての処理水が得られる。また、水処理システム100のリサイクルフロー20では、メインフロー10から排出される排水が排泥池21および濃縮槽22へと流入し、濃縮槽22で得られた上澄み水(メインフロー10から排出される排水に由来する返送原水)が固液分離ライン23へと流入する。この際、排水中に含まれていたピコプランクトンは、排泥池21内および濃縮槽22内での滞留中に増殖し得る。そして、固液分離ライン23では、制御装置27が第1センサ26Aから得た返送原水中のピコプランクトンの状態および第2センサ26Bから得た固液分離後の水中のピコプランクトンの状態の少なくとも一方に応じて凝集剤の注入率を制御しつつ(ステップ(S3))、返送原水に対し、薬注ポンプ24による凝集剤の注入(ステップ(S1))および固液分離装置25による固液分離(ステップ(S2))を行って、ピコプランクトンが除去された返送水が得られる。また、得られた返送水は、着水井11へと送られて再利用される。なお、固液分離の際、制御装置27によりピコプランクトンの状態に応じた凝集剤注入率の制御を行っているので、返送水からはピコプランクトンが良好に除去されている。従って、水処理システム100では、返送水を再利用した場合であっても、カビ臭の発生が抑制される。また、水処理システム100では、ピコプランクトンによるろ過池15の閉塞も抑制することができる。
ここで、水中のピコプランクトンの処理方法としては、次亜塩素酸などの薬品の注入によりピコプランクトンを破壊する方法や、紫外線の照射によりピコプランクトンを殺藻する方法なども存在する。しかし、薬品の注入によりピコプランクトンを破壊した場合には、ピコプランクトンの細胞内に含まれているカビ臭の原因物質が水中へと溶出し得る。また、紫外線処理のみを行っただけでは、殺藻処理されたピコプランクトンの細胞を含む水が返送されることになり、カビ臭の原因物質を含むピコプランクトンの細胞が水処理プロセス内で濃縮されてしまう。
これに対し、水処理システム100では、ピコプランクトンを固液分離により除去しているので、ピコプランクトンに由来するカビ臭の原因物質の溶出や濃縮を抑制することができる。
(第二実施形態)
図2に、本発明の水処理システムの他の例の概略構成を示す。図2に示す水処理システム200は、凝集剤注入装置としての薬注ポンプ24および固液分離装置25をバイパスするバイパスライン28と、固液分離ライン23とバイパスライン28との間で流路を切り替える流路切替機構29としての流路切替弁(第1切替弁29Aおよび第2切替弁29B)とを更に備えており、制御装置27が後述するようにして制御を行う制御装置である以外は、図1に示す水処理システム100と同様の構成を有している。
なお、以下では、水処理システム100と同一の構成要素については水処理システム100と同様にすることができるので、説明を省略する。
バイパスライン28は、図示例では、第1センサ26Aと、固液分離ライン23の凝集剤注入位置の前段に設けられた第1切替弁29Aとの間から分岐して着水井11まで延びている。また、バイパスライン28には、第2切替弁29Bが設けられている。
なお、バイパスライン28の配設形態は、薬注ポンプ24による凝集剤の注入および固液分離装置25による固液分離をバイパス可能であれば、図示例に限定されるものではない。例えば、バイパスライン28は、濃縮槽22から着水井11まで直接延びていてもよい。
そして、水処理システム200の制御装置27は、濃縮槽22から流路切替機構29に流入する水としての返送原水中のピコプランクトンの状態に応じて固液分離の要否を判断し、流路切替機構29の動作を制御して流路を切り替える。また、制御装置27は、好ましくは、固液分離が必要と判断した場合には水処理システム100の場合と同様にして凝集剤の注入率を制御する。
具体的には、制御装置27は、第1センサ26Aから入手した返送原水中のピコプランクトンの状態に応じて第1切替弁29Aおよび第2切替弁29Bの開閉を制御し、返送原水の流路を制御する。より具体的には、例えば、返送原水中のピコプランクトンの量が所定値以下の場合には、返送原水に対する固液分離を不要と判断し、第1切替弁29Aを閉じると共に第2切替弁29Bを開いてバイパスライン28へと返送原水を流す(即ち、返送原水をそのまま返送水として着水井11へと返送する)。また、返送原水中のピコプランクトンの量が所定値よりも大きい場合には、返送原水に対する固液分離が必要と判断し、第1切替弁29Aを開くと共に第2切替弁29Bを閉じて固液分離ライン23へと返送原水を流す。そして、返送原水に対して凝集剤の添加および固液分離を行って得た返送水を着水井11へと返送する。なお、固液分離が必要と判断した場合の凝集剤の注入率は、任意の方法で制御してもよいし、制御しなくてもよいが、上述した通り、水処理システム100の場合と同様にして凝集剤の注入率を制御することが好ましい。ここで、水処理システム100と同様にして凝集剤の注入率を制御する方法については、水処理システム100に関して上述した通りであるので、以下では説明を省略する。
なお、制御装置27は、固液分離が必要と判断した場合に、第1切替弁29Aおよび第2切替弁29Bの開度を制御し、固液分離ライン23に流入する水量とバイパスライン28に流入する水量の比率を調整することにより返送水中のピコプランクトンの量を抑制してもよい。
ここで、返送原水中にはピコプランクトン以外にも懸濁物質が存在し得るところ、水中のピコプランクトンの状態のみを用いて固液分離の要否を判断した場合には、懸濁物質の量は多いがピコプランクトンの量は少ない返送原水などについて固液分離不要と判断する場合が生じ得る。
そこで、懸濁物質の量も含めて固液分離の要否をより適切に判断し、水質の良好な返送水を返送する観点からは、制御装置27は、ピコプランクトンの状態に加えて水中の懸濁物質の量も考慮して固液分離の要否を判断することが好ましい。具体的には、水処理システム200では、濁度計やSS計など(図示せず)を使用して測定した返送原水中の懸濁物質の量も考慮して固液分離の要否を判断することが好ましい。より具体的には、例えば、返送原水中のピコプランクトンの量が所定値よりも大きい場合には懸濁物質の量に関わらず固液分離が必要と判断する一方で、ピコプランクトンの量が所定値以下の場合には、懸濁物質の量も所定値以下の場合のみ固液分離が不要と判断し、懸濁物質の量が所定値よりも大きい場合には、ピコプランクトンの量が所定値以下であっても固液分離が必要と判断することが好ましい。
そして、水処理システム200では、例えば以下のようにして水処理が行われる。
具体的には、水処理システム100のメインフロー10では、河川水などの被処理水が処理されて浄水としての処理水が得られる。また、水処理システム200のリサイクルフロー20では、メインフロー10から排出される排水が排泥池21および濃縮槽22へと流入し、濃縮槽22で得られた上澄み水(メインフロー10から排出される排水に由来する返送原水)について、制御装置27が水中のピコプランクトンの状態を用いて固液分離の要否を判断する(ステップ(S4))。そして、固液分離が必要と判断した場合には、制御装置27が第1切替弁29Aおよび第2切替弁29Bの開閉を制御して返送原水を固液分離ライン23へと流し、返送原水に対して凝集剤を添加した後に固液分離を行って、ピコプランクトンが除去された返送水を得る(ステップ(S51))。この際、固液分離ライン23では、制御装置27が第1センサ26Aから得た返送原水中のピコプランクトンの状態および第2センサ26Bから得た固液分離後の水中のピコプランクトンの状態の少なくとも一方に応じて凝集剤の注入率を制御し得る。また、固液分離が不要と判断した場合には、制御装置27が第1切替弁29Aおよび第2切替弁29Bの開閉を制御して返送原水をバイパスライン28へと流し、凝集剤の添加および固液分離を行っていない返送水を得る(ステップ(S52))。
そして、得られた返送水は、着水井11へと送られて再利用される。なお、水処理システム200では、制御装置27によりピコプランクトンの状態に応じて固液分離の要否を判断しているので、過剰な固液分離処理を不要として、返送水中のピコプランクトンの量を効率的に抑制することができる。また、水処理システム200では、固液分離の際、制御装置27によりピコプランクトンの状態に応じた凝集剤注入率の制御を行っているので、返送水からはピコプランクトンが良好に除去される。従って、水処理システム200では、返送水中のピコプランクトンの量を抑制し、返送水を再利用した場合であっても、カビ臭の発生およびピコプランクトンによるろ過池15の閉塞を抑制することができる。
以上、一例および他の例を用いて本発明の水処理システムおよび水処理方法について説明したが、本発明の水処理システムおよび水処理方法は上述した例に限定されるものではない。
具体的には、上述した例では返送水を着水井11へと返送したが、返送水の返送先は着水井11に限定されるものではない。但し、薬品混和池12における薬品添加量の制御の煩雑化を抑制する観点からは、返送水は着水井11へと返送することが好ましい。
また、上述した例ではリサイクルフロー20が排泥池21および濃縮槽22を有している場合について説明したが、リサイクルフロー20は排泥池21および濃縮槽22の一方のみを有していてもよいし、排水池を有していてもよい。そして、返送原水は、特に限定されることなく、排泥池の上澄み水、濃縮槽の上澄み水、排水池の上澄み水、または、これらの1種以上の混合水などとすることができる。
なお、メインフローからの排水の受け入れ先は、メインフローの処理内容および排水の性状に応じて決定することができ、排泥池、濃縮槽または排水池に限定されるものではない。
更に、リサイクルフローでは、固液分離以外の処理を行って返送水を得てもよい。具体的には、リサイクルフローでは、紫外線の照射、次亜塩素酸の添加および活性炭処理からなる群より選択される少なくとも1つ以上を実施してもよい。中でも、リサイクルフローでは、固液分離装置の後段に活性炭槽を設けてカビ臭原因物質を除去することが好ましい。
本発明によれば、被処理水を処理して処理水を得るメインフローから排出される排水を処理した上でメインフローに返送して再利用する技術において、返送水中のピコプランクトンの量を抑制し、カビ臭の発生を抑制することができる。
10 メインフロー
11 着水井
12 薬品混和池
13 フロック形成池
14 沈殿池
15 ろ過池
16 浄水池
20 リサイクルフロー
21 排泥池
22 濃縮槽
23 固液分離ライン
24 薬注ポンプ
25 固液分離装置
26A 第1センサ
26B 第2センサ
27 制御装置
28 バイパスライン
29 流路切替機構
29A 第1切替弁(流路切替弁)
29B 第2切替弁(流路切替弁)
30 洗浄排水ライン
100,200 水処理システム

Claims (7)

  1. 被処理水を処理して処理水を得るメインフローと、前記メインフローから排出される排水から得られる返送水を前記メインフローに返送するリサイクルフローとを備える水処理システムであって、
    前記リサイクルフローは、凝集剤注入装置および前記凝集剤注入装置の後段に設けられた固液分離装置を有する固液分離ラインと、前記凝集剤注入装置により凝集剤が注入される水中のピコプランクトンの状態および前記固液分離装置から流出した水中のピコプランクトンの状態の少なくとも一方に応じて前記凝集剤の注入率を制御する制御装置とを含む、水処理システム。
  2. 被処理水を処理して処理水を得るメインフローと、前記メインフローから排出される排水から得られる返送水を前記メインフローに返送するリサイクルフローとを備える水処理システムであって、
    前記リサイクルフローは、凝集剤注入装置および前記凝集剤注入装置の後段に設けられた固液分離装置を有する固液分離ラインと、前記凝集剤注入装置および前記固液分離装置をバイパスするバイパスラインと、前記固液分離ラインと前記バイパスラインとの間で流路を切り替える流路切替機構と、前記流路切替機構に流入する水中のピコプランクトンの状態に応じて前記流路切替機構で流路を切り替える制御装置とを含む、水処理システム。
  3. 前記制御装置は、流路を前記固液分離ライン側とした際に、前記凝集剤注入装置により凝集剤が注入される水中のピコプランクトンの状態および前記固液分離装置から流出した水中のピコプランクトンの状態の少なくとも一方に応じて前記凝集剤の注入率を更に制御する、請求項2に記載の水処理システム。
  4. 前記リサイクルフローは、水中のピコプランクトンの量を測定するピコプランクトンカウンタを更に備え、
    前記制御装置は、前記ピコプランクトンの状態として、前記ピコプランクトンカウンタの測定結果に基づいて把握される状態を用いる、請求項1~3の何れかに記載の水処理システム。
  5. 前記制御装置は、前記ピコプランクトンの状態に加えて水中の懸濁物質の量も考慮して制御を行う、請求項1~4の何れかに記載の水処理システム。
  6. 被処理水を処理して処理水を得るメインフローから排出される排水から得られる返送水を前記メインフローに返送する工程を含む水処理方法であって、
    前記工程は、前記排水に由来する返送原水に対して凝集剤を添加するステップ(S1)と、前記凝集剤を添加した返送原水を固液分離するステップ(S2)と、前記凝集剤の注入率を制御するステップ(S3)とを含み、
    前記ステップ(S3)では、返送原水中のピコプランクトンの状態および固液分離後の水中のピコプランクトンの状態の少なくとも一方に応じて前記凝集剤の注入率を制御する、水処理方法。
  7. 被処理水を処理して処理水を得るメインフローから排出される排水から得られる返送水を前記メインフローに返送する工程を含む水処理方法であって、
    前記工程は、前記排水に由来する返送原水中のピコプランクトンの状態に応じて固液分離の要否を判断するステップ(S4)と、前記ステップ(S4)において固液分離が必要と判断された場合には前記返送原水に対して凝集剤を添加した後に固液分離を行って前記返送水を得るステップ(S51)と、前記ステップ(S4)において固液分離が不要と判断された場合には前記返送原水に対して凝集剤の添加および固液分離を行わずに返送水を得るステップ(S52)とを含む、水処理方法。
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