JP2022094638A - 積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】不織布と軟質塩化ビニル系樹脂フィルムとの層間接着性が良好である積層体を提供する。【解決手段】不織布、ポリエチレン系樹脂層、軟質塩化ビニル系樹脂フィルムの順に積層してなる積層体であって、該ポリエチレン系樹脂が密度870~930kg/m3かつメルトフローレート(190℃、2.16kg条件)8.0~50g/10minである積層体。【選択図】なし

Description

本発明は、不織布と軟質塩化ビニル系樹脂フィルムとを備える積層体に関する。
半導体工程用、回路基板用、フィルムコンデンサー用、絶縁材用、電磁波シールド用、電線結束用、粘着テープ用、電気機器製品部材用、自動車部品部材用、加飾用、ラベル・ステッカー用、遮音吸音材用、制振性シート用などの工業部材や被覆材として、柔軟性と電気絶縁性の良好なプラスチックフィルムや不織布を用いた材料が利用されている。
また、上記のような工業用途には、薄肉軽量化と、長期間や高温下での材料安定性が求められるため、不織布と軟質塩化ビニル系樹脂フィルムとを組み合わせた積層体が有効と考えられている。
不織布と軟質塩化ビニル系樹脂フィルムとの積層体の作製方法としては、一般に、塩化ビニル系樹脂を溶融押出する方法や、塩化ビニル系樹脂フィルムを加熱圧着させる熱ラミネート法、接着剤を塗布して貼合するドライラミネート法が用いられる(例えば特許文献1、特許文献2)が、厚みの薄い軟質塩化ビニル系樹脂層を形成する場合においては、溶融押出法では厚み均等性が不十分になり、熱ラミネート法やドライラミネート法では密着性が著しく悪くなる問題があった。
特公平4-17145号公報 特開平3-234094号公報
これら事情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、不織布と軟質塩化ビニル系樹脂フィルムとの層間接着性が良好である積層体を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく研究を重ね、従来の積層方法・積層体における層間接着性不良要因を追究し、不織布と軟質塩化ビニル系樹脂フィルムとを所定の性状を備えたポリエチレン系樹脂を介して積層させてなる積層体によって解決することを見出し、以下の本発明に至った。
第1の本発明は、不織布、ポリエチレン系樹脂層、軟質塩化ビニル系樹脂フィルムの順に積層してなる積層体であって、該ポリエチレン系樹脂が密度870~930kg/mかつメルトフローレート(190℃、2.16kg条件)8.0~50g/10minである積層体である。
第1の本発明において、前記不織布と前記ポリエチレン系樹脂層との間、および、前記ポリエチレン系樹脂層と前記軟質塩化ビニル系樹脂フィルムとの間の層間接着強度が0.7N/15mm以上であることが好ましい。
第1の本発明において、前記軟質塩化ビニル系樹脂フィルムのJIS K7127:1999に準じて測定される引張強さが5~30MPaかつ伸びが250~400%であることが好ましい。
第1の本発明において、前記ポリエチレン系樹脂層が溶融押出層であることが好ましい。
本発明の積層体は、不織布と軟質塩化ビニル系樹脂フィルムとの層間接着性が良好であり、半導体工程用、回路基板用、フィルムコンデンサー用、絶縁材用、電磁波シールド用、電線結束用、粘着テープ用、電気機器製品部材用、自動車部品部材用、加飾用、ラベル・ステッカー用、遮音吸音材用、制振性シート用などの工業用部材や被覆材として好適に用いることができる。
以下に、本発明の積層体について説明する。なお、本明細書において、「△~△△」の表記は、「△以上△△以下」を意味し、好ましくは「△より大きい△△より小さい」を意味する。
また、本明細書において、フィルムとは、厚みが比較的厚いシートを包含する意味である。
(不織布)
本発明の積層体に用いる不織布は、特に制限はなく、繊維を一定方向またはランダムに集積して、接着樹脂や熱融着繊維で結合させたり、機械的に絡ませたりして製造されるものであり、短繊維不織布、長繊維不織布の何れでもよい。形態は、フェルト状、生地状、縫線状などの中から適宜選択でき、切断のし易さや、切断に方向性がある点では縫線状が好ましい。
不織布を構成する繊維としては、特に限定されず、例えば、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエステル、レーヨン、ナイロン等の化学繊維や、パルプ、セルロース等の天然繊維が挙げられる。また、繊維の芯と鞘の原料が異なる二重構造のものであっても、芯鞘構造のないものであってもよく、繊維の断面形状は略円状であっても、略円状ではない異形構造のものであってもよい。中でも、破断点強度の高い強靭性の点でポリエステルスパンボンド不織布が好適である。
不織布は、ポリエチレン系樹脂層を積層する側の表面にコロナ処理等の表面処理を行ってもよい。
本発明に用いる不織布の目付は、押出ポリエチレン系樹脂の含侵性の点から100~500g/mが好ましく、200~350g/mがより好ましい。
厚みは0.10~0.50mmが好ましく、0.20~0.30mmがより好ましい。
引張破断点強度は、不織布の流れ方向(縦方向)、幅方向(横方向)とも、15N/cm以上が好ましく、20N/cm以上がより好ましく、25N/cm以上が更に好ましい。上限は、一般的に80N/cm以下であり、50N/cm以下が好ましい。
これら不織布の物性の測定は、JIS L1913:2000の方法を用いて測定できる。
(軟質塩化ビニル系樹脂フィルム)
軟質塩化ビニル系樹脂フィルムは、柔軟性、耐ピンホール性、難燃性、電気絶縁性、帯電性、破壊電圧性能の点で優れ、工業用途に有用である。
本発明に係る軟質塩化ビニル系樹脂フィルムは、塩化ビニル系樹脂、可塑剤、安定剤等の添加剤を含む塩化ビニル系樹脂組成物をフィルム成形してなる。
塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニルの単独重合体の他、塩化ビニルを主成分とし、塩化ビニルと共重合可能な他の単量体との共重合体など、塩化ビニルを主な構成単位とする樹脂が挙げられる。塩化ビニルと共重合可能な他の単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、アクリロニトリル、酢酸ビニルなどの1種又は2種以上が挙げられる。塩化ビニル系樹脂は、1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
可塑剤としては、ジ-2-エチルヘキシルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート、トリクレジルフォスフェート、ポリエステル系可塑剤、トリオクチルトリメリテートなどが挙げられる。可塑剤は1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
安定剤としては、バリウム-亜鉛系、カルシウム-亜鉛系、マグネシウム-亜鉛系安定剤、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油などが挙げられる。安定剤は1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
軟質塩化ビニル系樹脂フィルムを構成する塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して可塑剤20~90質量部、安定剤1~15質量部を含むものであることが好ましい。
また、塩化ビニル系樹脂組成物は、可塑剤、安定剤の他、紫外線吸収剤、難燃剤、着色剤、顔料、絶縁材、導電材等の一般の樹脂用添加剤を用途に応じ適宜含んでいても良い。
軟質塩化ビニル系樹脂フィルムの製造方法は、特に制限されないが、塩化ビニル系樹脂、可塑剤、安定剤等をスーパーミキサー、ヘンシェルミキサーなどで混合して得られる塩化ビニル系樹脂組成物を、カレンダーロール、押出機などで任意の厚さのフィルム状に成形加工することにより得ることができる。
軟質塩化ビニル系樹脂フィルムの厚みは、特に制限されないが、不織布と積層しロール形態で保管し、更に他の材料と積層して使用することから、50~500μmが好ましく、60~400μmより好ましく、70~350μmが更に好ましい。
軟質塩化ビニル系樹脂フィルムの引張物性は、フィルム流れ方向(縦方向)、幅方向(横方向)とも、伸び200~400%が好ましく、引張強さ5~30MPaが好ましい。伸びは250~350%がより好ましく、引張強さは10~25MPaがより好ましい。引張物性は、JIS K7127:1999に準拠し、試験速度500mm/minで測定される。
(ポリエチレン系樹脂層)
本発明の積層体は、ポリエチレン系樹脂層を介して不織布と軟質塩化ビニル系樹脂フィルムとを積層してなる。
用いるポリエチレン系樹脂の密度は、870~930kg/m3であり、880~920kg/m3が好ましい。密度は、JIS K7112:1999に準じて測定される。
また、ポリエチレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は、8.0~50g/10minであり、9.0~30g/minが好ましく、10~20g/minがより好ましい。メルトフローレートは、JIS K6922-2:2018に準じて、温度190℃、質量2.16kgの条件で測定される。
ポリエチレン系樹脂の密度およびメルトフローレートが上記範囲であると、溶融押出の安定性や、不織布への含侵具合が良好となり、積層体の平坦性や厚み均等性、また不織布及び軟質塩化ビニル系樹脂フィルムとの密着性が向上する。
ポリエチレン系樹脂は、例えば、低密度ポリエチレン、鎖状低密度ポリエチレン系樹脂が挙げられ、押出ラミネート適性の点から低密度ポリエチレンが好ましく高圧ラジカル法等の公知の方法で製造できる。
ポリエチレン系樹脂層の厚みは、5μm以上50μm以下とすることが好ましく、10μm以上30μm以下とすることがより好ましい。この範囲とすることで、ポリエチレン系樹脂を後述のサンドイッチラミネート法で押出成膜する場合に、積層体の平坦性、厚み均等性、層間接着性を兼備しやすい。
(積層体)
本発明の積層体は、不織布、ポリエチレン系樹脂層、軟質塩化ビニル系樹脂フィルムの順に積層してなる積層体であればよく、作製方法は特に制限はないが、公知のサンドイッチラミネート法によって作製することができる。例えば、押出機からポリエチレン系樹脂を、例えば150℃~330℃の設定押出温度で、不織布表面に溶融押出し、軟質塩化ビニル系樹脂フィルムと貼り合せて、[不織布/押出ポリエチレン系樹脂層/軟質塩化ビニル系樹脂フィルム]の構成の積層体を得ることができる。
また、不織布におけるポリエチレン系樹脂層および軟質塩化ビニル系樹脂フィルムを積層する面とは反対側の面には、用途に応じ、他の材料を積層することも可能である。
従来、不織布と軟質塩化ビニル系樹脂フィルムを積層する方法としては、(ア)不織布表面に軟質塩化ビニル系樹脂を溶融押出する方法、(イ)軟質塩化ビニル系樹脂フィルムを熱圧着する方法、(ウ)軟質塩化ビニル系樹脂フィルムをドライラミネートする方法が用いられてきた。しかしながら、厚み0.10mm以下の軟質塩化ビニル系樹脂層を形成しようとすると、(ア)では不織布への含侵の具合によって層厚の不均等が起きやすく、(イ)では熱圧着時によりフィルムが伸びた後、冷却時にフィルム収縮応力が発生して剥離が起きやすく、(ウ)ではドライラミネート直後から剥離が発生しやすく、これらの方法では工業用途などの長期間や高温下での使用における積層体の層間密着性に重大な懸念があった。
本発明は、それら現象を解析し、不織布と軟質塩化ビニル系樹脂フィルムの両者に十分な密着性が得られる構成として、両者間に押出ポリエチレン系樹脂層を配することを見出したものである。
特に(ウ)のドライラミネート法において、接着剤の希釈有機溶媒により軟質塩化ビニル系樹脂フィルムの極表面が溶解すること、および、伸びの小さい不織布に伸びの大きいフィルムをロールtoロールで貼り合せることによりフィルムの収縮応力が発生し層間剥離する現象を追究し、不織布と軟質塩化ビニル系樹脂フィルムを押出ポリエチレン系樹脂を介して積層体とする構成こそが、層間密着性の発揮を可能にするものであることとわかった。また更には、押出ポリエチレン系樹脂を用いたサンドイッチラミネート法においても、溶剤耐性の点でアンカーコート処理の最適化を可能とした。
すなわち、軟質塩化ビニル系樹脂フィルムは、ポリエチレン系樹脂層と貼り合せる側の表面にアンカーコート処理を行ってもよく、アンカーコート剤は公知のものを使用でき、例えば、ポリウレタン、ポリイソシアネート・ポリエーテルポリオール、ポリイソシアネート・ポリアルキレンエーテル、ポリエチレンイミン、アルキルチタネート等が挙げられるが、軟質塩化ビニル系樹脂フィルムは、アンカーコート等の希釈溶媒として一般に用いられるイソプロピルアルコール、エタノール、メタノール、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、酢酸イソプロピル、酢酸エチル、酢酸セロソルブ、酢酸ブチル、酢酸メチル、四塩化炭素、トルエン等の有機溶媒により極表面が溶解しやすいため、アンカーコートを行う際には、希釈溶剤の使用量を低減する、またはアンカーコート剤塗布量を低減することが好ましい。アンカーコート剤の塗布量は、乾燥固形分量で0.01~5g/m2、好ましくは0.05~2g/m2である。
本発明の積層体は、不織布と軟質塩化ビニル系樹脂フィルムとの密着性を発揮することが可能である。密着性は、層間の接着強度測定により評価でき、不織布とポリエチレン系樹脂層との間、およびポリエチレン系樹脂層と軟質塩化ビニル系樹脂フィルムとの間とも、0.7N/15mm以上が好ましく、1.0N/15mm以上が好ましく、1.2N/15mm以上が更に好ましい。上限は特に制限はなく、積層体の何れかの層が凝集破壊したり破断したりする程に強固に密着してもよい。接着強度が0.7N/15mm以上であれば、積層体を各種用途に用いた場合に、層間剥離が起きず長期間使用できる。
積層体の密着性評価、すなわち層間接着強度の測定は、まず、積層体から流れ方向に約150mm、幅方向に15mm幅の短冊片を切り出し、人為的にピンセットで短冊片の流れ方向に50mmほど、不織布とポリエチレン系樹脂層との間を剥離させた試験片を5本、および、ポリエチレン系樹脂層と軟質塩化ビニル系樹脂フィルムとの間を剥離させた試験片5本を作製する。次いで、引張試験機を用い、上記の各試験片を流れ方向に引張速度300mm/min、剥離角度90度の条件で層間の接着強度を測定し、各5本の平均値を算出した。
以下に、実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの範囲に限定されるものではない。
用いた原材料は、次の通りである。
・不織布;繊維断面形状が略円状の芯鞘構造のないポリエステルスパンボンド、縫線状、厚み0.25mm、目付250g/m、引張破断点強度:流れ方向27N/cm
・軟質塩化ビニル系樹脂フィルム;厚み80μm、引張強さ:流れ方向18.8MPa、幅方向14.3MPa、伸び:流れ方向300%、幅方向320%(引張強さおよび伸びは、JIS K7127:1999に準じて、試験速度500mm/minで測定した値である。)
・ポリエチレン系樹脂;性状については後述の実施例1~3、比較例1~2の文中に記す。密度は、JIS K7112:1999に準じて測定された値である。メルトフローレート(MFR)は、JIS K6922-2:2018に準じて、温度190℃、質量2.16kgの条件で測定された値である。
(実施例1)
サンドイッチラミネート装置を用い、コロナ処理を施した不織布の表面に、押出温度300℃で密度918kg/m3、メルトフローレート14g/10分のポリエチレン系樹脂を設定厚み20μm条件で溶融押出し、固形分濃度7質量%、酢酸エチル溶媒の2液硬化型ポリウレタン系アンカーコート剤を塗布量(乾燥固形分量)0.2g/mで塗布、乾燥させた軟質ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムを貼り合せて、積層体を得た。その後、アンカーコート層の硬化促進のため、45℃24時間のエージング処理を行った。
(実施例2)
コロナ処理を施さない不織布の表面にポリエチレン系樹脂を積層した他は実施例1と同様にして、積層体を得て、エージング処理を行った。
(実施例3)
コロナ処理を施さない不織布の表面に、押出温度290℃で密度889kg/m3、メルトフローレート22g/10分のポリエチレン系樹脂を溶融押出した他は、実施例1と同様にして、積層体を得て、エージング処理を行った。
(比較例1)
コロナ処理を施した不織布の表面に、押出温度320℃で密度918kg/m3、メルトフローレート7.0g/10分のポリエチレン系樹脂を溶融押出した他は、実施例1と同様にして、積層体を得て、エージング処理を行った。
(比較例2)
軟質ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムに、固形分濃度27質量%、酢酸エチル溶媒の2液硬化型ポリウレタンエステル系ドライラミネート接着剤を塗布量(固形分換算)3g/mで塗布、乾燥させた後、コロナ処理を施さない不織布の表面と貼り合せて、積層体を得た。その後、接着剤層の硬化促進のため、45℃24時間のエージング処理を行った。接着剤層の厚みは、積層体の断面顕微鏡観察から3μmであった。
実施例、比較例で積層とエージング処理を行って得られた積層体について、以下の評価を行い、表1に纏めた。表中の「PE」はポリエチレン系樹脂層、「PVC」は軟質塩化ビニル系樹脂フィルム、「AC」はアンカーコートを意味する。
(成膜性)
押出ポリエチレン系樹脂の成膜性については、ネックイン及び樹脂割れ(膜割れ)現象が起きない場合を「〇」と評価し、ネックインまたは樹脂割れ(膜割れ)現象が起きた場合を「×」と評価した。
(形状:平坦性)
積層体の1m×1m角を目視観察し、溶融押出ポリエチレン系樹脂の不織布への含侵具合を調べ、不織布へ溶融押出ポリエチレン系樹脂が十分含侵し、浮きや隙間がない状態を平坦性:○と評価し、浮きや隙間が発生していた場合を平坦性:×と評価した。
(形状:厚み均等性)
作製した積層体の全幅について、均等間隔で5か所測定し、溶融押出ポリエチレン系樹脂の厚みを断面顕微鏡観察で計測し、何れの測定点においても設定厚みに対し±20%以内の厚みであった場合を厚み均等性:○と評価し、それ以外を厚み均等性:×と評価した。
(層間接着強度)
積層体の密着性評価として、層間接着強度を測定した。
まず、積層体から流れ方向に約150mm、幅方向に15mm幅の短冊片を切り出し、人為的にピンセットで短冊片の流れ方向に50mmほど、不織布とポリエチレン系樹脂層との間を剥離させた試験片を5本、および、ポリエチレン系樹脂層と軟質塩化ビニル系樹脂フィルムとの間を剥離させた試験片5本を作製した。次いで、オリエンテック社製テンシロン引張試験機を用い、上記の各試験片の流れ方向に引張速度300mm/min、剥離角度90度の条件で層間の接着強度を測定し、各5本の平均値を算出した。
Figure 2022094638000001
実施例1の積層体の形状は、不織布の表面凹凸へ押出樹脂が埋まり、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムとの積層体として平坦性、厚み均等性において優れていた。
不織布とポリエチレン系樹脂は、強固に接着しており剥離が出来ず、強制的に剥離を行うと不織布が材料破壊となった。軟質ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムとポリエチレン系樹脂は、強固に接着しており剥離が出来なかった。
実施例2の積層体の形状は、不織布の表面凹凸へ押出樹脂が埋まり、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムとの積層体として平坦性、厚み均等性において優れていた。
不織布とポリエチレン系樹脂は、0.7N/15mm以上の接着強度があり十分な接着強度を保っていた。軟質ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムとポリエチレン系樹脂は、強固に接着しており剥離が出来なかった。
実施例3の積層体の形状は、不織布の表面凹凸へ押出樹脂が埋まり、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムとの積層体として平坦性は優れていた。ポリエチレン系樹脂のMFRが高く、溶融押出加工の成膜性に影響したため、厚み均等性は実施例1,2の方が良かった。
不織布とポリエチレン系樹脂は、0.7N/15mm以上の接着強度があり十分な接着強度を保っていた。軟質ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムとポリエチレン系樹脂は、強固に接着しており剥離が出来なかった。
比較例1の積層体の形状は、不織布の表面凹凸へ押出樹脂が埋まっておらず軟質ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムとの積層体として平坦性、厚み均等性が劣っていた。
不織布とポリエチレン系樹脂は、0.7N/15mm未満の接着強度であり接着強度が劣っていた。軟質ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムとポリエチレン系樹脂は、強固に接着しており剥離が出来なかった。
比較例2の積層体では、ドライラミネート接着剤が不織布の表面凹凸へ埋まらなかった。また、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムへドライラミネート接着剤を塗布した際に、溶媒の酢酸エチル量が多い為、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムの表面が溶解し、積層体としての形態を保つことができなかった。そのため、層間接着強度等は、測定できなかった。
本発明の積層体は、半導体工程用、回路基板用、フィルムコンデンサー用、絶縁材用、電磁波シールド用、電線結束用、粘着テープ用、電気機器製品部材用、自動車部品部材用、加飾用、ラベル・ステッカー用、遮音吸音材用、制振性シート用などの工業部材や被覆材として利用でき、本発明の積層体の表層に粘着剤層を形成すれば粘着テープとしても利用できる。

Claims (4)

  1. 不織布、ポリエチレン系樹脂層、軟質塩化ビニル系樹脂フィルムの順に積層してなる積層体であって、該ポリエチレン系樹脂が密度870~930kg/mかつメルトフローレート(190℃、2.16kg条件)8.0~50g/10minである積層体。
  2. 前記不織布と前記ポリエチレン系樹脂層との間、および、前記ポリエチレン系樹脂層と前記軟質塩化ビニル系樹脂フィルムとの間の層間接着強度が0.7N/15mm以上である請求項1に記載の積層体。
  3. 前記軟質塩化ビニル系樹脂フィルムのJIS K7127:1999に準じて測定される引張強さが5~30MPaかつ伸びが250~400%である請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 前記ポリエチレン系樹脂層が溶融押出層である請求項1~3の何れかに記載の積層体。
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