JP2022094463A - 静電チャック装置 - Google Patents

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弘訓 釘本
Hirokuni Kugimoto
良樹 吉岡
Yoshiki Yoshioka
雅之 石塚
Masayuki Ishizuka
勇貴 金原
Yuuki Kanehara
佳祐 前田
Keisuke Maeda
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Abstract

【課題】誘電層と電極層との剥離が生じ難い静電チャック装置の提供を目的とする。【解決手段】主相としての絶縁性セラミックスおよび副相としての導電性セラミックスを含む誘電層と、誘電層を支持する支持層と、誘電層と支持層との間に挟まれる電極層と、を備え、誘電層と電極層との界面は、凹凸形状を有し、最大高さRzが絶縁性セラミックスの平均結晶粒径より小さく、且つ、導電性セラミックスの平均結晶粒径より大きい、静電チャック装置。【選択図】図2

Description

本発明は、静電チャック装置に関する。
半導体製造工程では、真空環境下で半導体ウエハを保持する静電チャック装置が用いられている。静電チャック装置は、載置面に半導体ウエハ等の板状試料を載置し、板状試料と内部電極との間に静電気力を発生させて、板状試料を吸着固定する(例えば、特許文献1)。
特許第3746935号公報
従来の静電チャック装置において、誘電層の絶縁性セラミックス(例えば、アルミナ基焼結体)に導電性セラミックスを添加することで誘電率などの特性を向上させることが考えられる。しかしながら、導電性セラミックスを添加することで誘電層と電極層との接合強度が低下し、これらの間の剥離が生じやすくなるという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、誘電層と電極層との接合強度を高めた静電チャック装置の提供を目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の一態様は、主相としての絶縁性セラミックスおよび副相としての導電性セラミックスを含む誘電層と、前記誘電層を支持する支持層と、前記誘電層と前記支持層との間に挟まれる電極層と、を備え、前記誘電層と前記電極層との界面は、凹凸形状を有し、最大高さRzが前記絶縁性セラミックスの平均結晶粒径より小さく、且つ、前記導電性セラミックスの平均結晶粒径より大きい、静電チャック装置である。
本発明の一態様においては、前記誘電層と前記電極層との界面の凹凸形状は曲面からなる構成としてもよい。
本発明の一態様においては、前記支持層は、主相としての絶縁性セラミックスおよび副相としての導電性セラミックスを含み、前記支持層と前記電極層との界面は、凹凸形状を有し、最大高さRzが前記絶縁性セラミックスの平均結晶粒径より小さく、且つ、前記導電性セラミックスの平均結晶粒径より大きい構成としてもよい。
本発明の一態様においては、前記絶縁性セラミックスは、Al、AlN、Si、YAG、およびSmAlOからなる群から選択される少なくとも1種である構成としてもよい。
本発明の一態様においては、前記導電性セラミックスは、SiC、TiO、TiN、TiC、W、WC、Mo、MoCおよびCからなる群から選択される少なくとも1種である構成としてもよい。
本発明の一態様においては、前記誘電層は、焼結助剤を含み、前記焼結助剤は、Y、MgOおよびSiOからなる群から選択される少なくとも1種である構成としてもよい。
本発明の一態様においては、前記電極層は、静電吸着電極、ヒータ電極、およびRF電極の何れかとして機能する構成としてもよい。
本発明によれば、誘電層と電極層との接合強度を高めた静電チャック装置を提供することができる。
図1は、一実施形態の静電チャック装置の断面図である。 図2は、一実施形態の誘電層、支持層および電極層を示す模式図である。 図3は、一実施形態の静電チャック部の製造方法を示す模式図である。
以下、図面を参照して本発明に係る静電チャック装置について説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、便宜上、特徴となる部分を拡大して示しており、各構成要素の寸法比率等は、実際とは異なる場合がある。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更できる。
図1は、本実施形態の静電チャック装置1の断面図である。
静電チャック装置1は、円板状の静電チャック部2と、静電チャック部2を下側から支持するとともに静電チャック部2を所望の温度に調整する温度調整用ベース部3と、静電チャック部2と温度調整用ベース部3とを接合する接着剤層4と、を備える。
以下の説明においては、誘電層11の載置面11s側を「上」、温度調整用ベース部3側を「下」として記載し、各構成の相対位置を表すことがある。しかしながら、ここでの上下方向は、あくまで説明の簡素化のために用いる方向であって、静電チャック装置1の使用時の姿勢を限定するものではない。
静電チャック部2は、上面が半導体ウエハ等の板状試料を載置する載置面11sとされたセラミックスからなる誘電層11と、誘電層11の載置面11sとは反対側に設けられた支持層12と、これら誘電層11と支持層12との間に挟持された電極層13と、誘電層11と支持層12とに挟持され電極層13の周囲を囲む環状の絶縁材14と、電極層13に接するように支持層12の貫通孔15内に設けられた給電端子16と、温度調整用ベース部3の固定孔17内に設けられた電極ピン18と、を有する。
誘電層11は、上下方向と直交する平面に沿う板状である。誘電層11は、半導体ウエハ等の板状試料を支持する載置面11sを有する。載置面11sには、直径が板状試料の厚みより小さい突起(図示略)が複数所定の間隔で形成され、これらの突起が板状試料Wを支える。
誘電層11の厚さは、0.3mm以上かつ3.0mm以下であることが好ましく、0.5mm以上かつ1.5mm以下であることがより好ましい。誘電層11の厚さが0.3mm以上であれば、耐電圧性に優れる。一方、誘電層11の厚さが3.0mm以下であれば、静電チャック部2の静電吸着力が低下することがなく、搭載される板状試料と温度調整用ベース部3との間の熱伝導性が低下することもなく、処理中の板状試料の温度を好ましい一定の温度に保つことができる。
支持層12は、上下方向と直交する平面に沿う板状である。支持層12は、誘電層11の下側に配置される。支持層12は、誘電層11と電極層13を下側から支持する。
支持層12の厚さは、0.3mm以上かつ3.0mm以下であることが好ましく、0.5mm以上かつ1.5mm以下であることがより好ましい。支持層12の厚さが0.3mm以上であれば、充分な耐電圧を確保することができる。一方、支持層12の厚さが3.0mm以下であれば、静電チャック部2の静電吸着力が低下することがなく、板状試料と温度調整用ベース部3との間の熱伝導性が低下することもなく、処理中の板状試料の温度を好ましい一定の温度に保つことができる。
電極層13は、誘電層11と支持層12との間に挟まれる。本実施形態において、電極層13は、静電吸着電極として機能する。電極層13では、電圧を印加することにより、誘電層11の載置面11sに板状試料を保持する静電吸着力が生じる。
なお、電極層13は、ヒータ電極として機能するものであってもよい。この場合、ヒータ電極としての電極層13は、電流が流されることで発熱する。さらに、電極層13は、RF(Radio Frequency、高周波)電極として機能するものであってもよい。この場合、RF電極としての電極層13は、電圧が付与されることで、板状試料上にプラズマを生成する。すなわち、電極層13は、静電吸着電極、ヒータ電極、およびRF電極の何れかとして機能すればよい。
電極層13の厚さは、5μm以上かつ200μm以下であることが好ましく、10μm以上かつ100μm以下であることがより好ましい。電極層13の厚さが5μm以上であれば、充分な導電性を確保することができる。一方、電極層13の厚さが200μm以下であれば、板状試料と温度調整用ベース部3との間の熱伝導性が低下することがなく、処理中の板状試料の温度を望ましい一定の温度に保つことができる。また、プラズマ透過性が低下することがなく、安定にプラズマを発生させることができる。
誘電層11、支持層12、および電極層13の構成については、後段において図2を基に詳細に説明する。
絶縁材14は、電極層13を囲み、電極層13とともに誘電層11と支持層12との間に配置される。誘電層11と支持層12とは、絶縁材14によって、電極層13を挟んで接合一体化されている。絶縁材14は、電極層13を腐食性ガスおよびプラズマから電極層13を保護する。
絶縁材14は、絶縁性物質からなる。絶縁材14を構成する絶縁性物質は、特に限定されないが、誘電層11および支持層12の主成分と同じにすることが好ましい。
給電端子16および電極ピン18は、電極層13に電圧を印加するために設けられる。給電端子16の数、形状等は、電極層13の形態、すなわち単極型か、双極型かにより決定される。
温度調整用ベース部3は、金属およびセラミックスの少なくとも一方からなる厚みのある円板状のものである。温度調整用ベース部3の躯体は、プラズマ発生用内部電極を兼ねた構成とされている。温度調整用ベース部3の躯体の内部には、水、Heガス、N2ガス等の冷却媒体を循環させる流路21が形成されている。
温度調整用ベース部3の躯体は、外部の高周波電源22に接続されている。また、温度調整用ベース部3の固定孔17内には、その外周が絶縁材料23により囲繞された電極ピン18が、絶縁材料23を介して固定されている。電極ピン18は、外部の直流電源24に接続されている。
温度調整用ベース部3を構成する材料は、熱伝導性、導電性、加工性に優れた金属、またはこれらの金属を含む複合材であれば特に制限されるものではない。温度調整用ベース部3を構成する材料としては、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ステンレス鋼(SUS)、チタン(Ti)等が好適に用いられる。
温度調整用ベース部3における少なくともプラズマに曝される面は、アルマイト処理またはポリイミド系樹脂による樹脂コーティングが施されていることが好ましい。また、温度調整用ベース部3の全面が、前記のアルマイト処理または樹脂コーティングが施されていることがより好ましい。
温度調整用ベース部3にアルマイト処理または樹脂コーティングを施すことにより、温度調整用ベース部3の耐プラズマ性が向上するとともに、異常放電が防止される。したがって、温度調整用ベース部3の耐プラズマ安定性が向上し、また、温度調整用ベース部3の表面傷の発生も防止することができる。
接着剤層4は、静電チャック部2と、温度調整用ベース部3とを接着一体化するものである。接着剤層4は、例えば、シリコーン系樹脂組成物を加熱硬化した硬化体、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等で形成されている。
シリコーン系樹脂組成物は、シロキサン結合(Si-O-Si)を有するケイ素化合物であり、耐熱性、弾性に優れた樹脂であるので、より好ましい。
このようなシリコーン系樹脂組成物としては、特に、熱硬化温度が70℃~140℃のシリコーン樹脂が好ましい。
ここで、熱硬化温度が70℃を下回ると、静電チャック部2と温度調整用ベース部3とを対向させた状態で接合する際に、接合過程で硬化が十分に進まないことから、作業性に劣ることになるため好ましくない。一方、熱硬化温度が140℃を超えると、静電チャック部2および温度調整用ベース部3との熱膨張差が大きく、静電チャック部2と温度調整用ベース部3との間の応力が増加し、これらの間で剥離が生じることがあるため好ましくない。
図2は、誘電層11、支持層12および電極層13を示す模式図である。
誘電層11および支持層12は、機械的な強度を有し、かつ腐食性ガスおよびそのプラズマに対する耐久性を有する複合焼結体からなる。
誘電層11は、主相11aとしての絶縁性セラミックスおよび副相11bとしての導電性セラミックスを含む。同様に、支持層12は、主相12aとしての絶縁性セラミックスおよび副相12bとしての導電性セラミックスを含む。
本実施形態において、誘電層11と支持層12とは、同材料からなる。したがって、誘電層11および支持層12の主相11a、12aは、互いに同材料である。また、誘電層11および支持層12の副相11b、12bは、互いに同材料である。しかしながら、誘電層11と支持層12とは、互いに異なる材料から構成されていてもよい。
主相11a、12aとしての絶縁性セラミックスは、Al、AlN、Si、YAG、およびSmAlOからなる群から選択される少なくとも1種である。
主相11a、12aの絶縁性セラミックスの平均結晶粒径Dは、1.0μm以上15μm以下であることが好ましい。焼結体である誘電層11と支持層12において、主相11a、12aの平均結晶粒径Dが1.0μm以上であることにより、主相11a、12aの粒子自体の抵抗率が低下し過ぎることなく、十分な絶縁効果を発現させることができる。また、主相11a、12aの平均結晶粒径Dが15μm以下であることにより、得られる焼結体の機械的強度が十分高いものとなり、欠け(チッピング)が生じ難くなる。
主相11a、12aの平均結晶粒径Dは、焼結温度を制御することにより調節可能である。焼結温度が高くなると、主相11a、12aの平均結晶粒径Dが大きくなる傾向にあり、焼結温度が低くなると、主相11a、12aの平均結晶粒径Dが小さくなる傾向にある。
副相11b、12bとしての導電性セラミックスは、SiC、TiO、TiN、TiC、W、WC、Mo、MoCおよびCからなる群から選択される少なくとも1種である。
副相11b、12bの導電性セラミックスの平均結晶粒径は、0.1μm以上5μm以下であると好ましい。副相11b、12bの結晶粒は、主相11a、12aの結晶粒内および主相11a、12aの結晶粒界に分散していることが好ましい。
なお、主相11a、12aおよび副相11b、12bの平均結晶粒径は、以下の手順によって測定される。
まず、誘電層11又は支持層12を構成する焼結体の表面を、砥粒の平均粒径3μm(粒度表示:#8000)のダイヤモンドペーストで鏡面研磨した後、アルゴン雰囲気下、1400℃で30分サーマルエッチングを施す。
次いで、得られた焼結体の表面を、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジー株式会社製、型番:S-4000)を用いて、拡大倍率10000倍で組織観察を行う。
さらに、得られた電子顕微鏡写真を画像解析式粒度分布測定ソフトウェア(Mac-View Version4、株式会社マウンテック製)に取り込み、200個以上の主相11a、12aおよび副相11b、12bの結晶粒のヘイウッド径を算出する。得られた各結晶粒のヘイウッド径の算術平均値を、「平均結晶粒径」とする。
誘電層11および支持層12は、主相11a、12aおよび副相11b、12bに加えて、焼結助剤11cを含んでいてもよい。この場合、焼結助剤11cは、Y、MgOおよびSiOからなる群から選択される少なくとも1種である。
電極層13は、絶縁性物質と導電性物質の複合体である。
電極層13に含まれる絶縁性物質は、特に限定されないが、例えば、酸化アルミニウム(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(Si3N4)、酸化イットリウム(III)(Y2O3)、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)およびSmAlO3からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
電極層13に含まれる導電性物質は、炭化モリブデン(Mo2C)、モリブデン(Mo)、炭化タングステン(WC)、タングステン(W)、炭化タンタル(TaC)、タンタル(Ta)、炭化ケイ素(SiC)、カーボンブラック、カーボンナノチューブおよびカーボンナノファイバーからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
ここで、誘電層11と電極層13との界面を第1界面5と呼ぶ。また、支持層12と電極層13との界面を第2界面6と呼ぶ。
第1界面5は、凹凸形状を有する。第1界面5を凹凸形状とすることで、誘電層11と電極層13との接触面積が増加する。また、誘電層11の表面と電極層13の表面とが互いに食い込んで接触する。これにより、アンカー効果を得ることができ、誘電層11と電極層13との接合強度が高められる。結果的に、誘電層11と電極層13との間の剥離を効果的に抑制できる。
第1界面5において、電極層13の山部13pの先端同士の距離は、1μm以上、100μm以下であることが好ましい。山部13pの先端同士の距離を1μm以上とすることで、山部13pの間に誘電層11の一部が入り込みやすくなり、電極層13と誘電層11との間にアンカー効果を得やすくなる。また、山部13pの先端同士の距離を100μm以下とすることで、電極層13と誘電層11との界面の表面積を十分に広く確保することができアンカー効果を得やすくなる。
第1界面5の凹凸形状は曲面からなることが好ましい。第1界面5を凹凸形状とする場合に、電極層13の山部13pが、アンテナのように機能して、誘電層11の厚さ方向に放電しやすくなる。本実施形態によれば、第1界面5の凹凸形状を曲面とすることで、電極層13の山部13pを滑らかな湾曲面とすることができる。これによって、電極層13の山部13pからの放電が抑制され、静電チャック部2の耐電圧を高めることができる。
第1界面5の凹凸形状の曲面は、曲率半径が1μm以上のものであることが好ましい。これにより、電極層13の山部13pの曲率半径も1μm以上とすることができ、山部13pからの放電を効果的に抑制できる。
第1界面5の算術平均粗さRaは、0.1μm以上、10μm以下であることが好ましい。第1界面5の算術平均粗さRaを0.1μm以上とすることで、界面において誘電層11と電極層13との接触面積を広く確保することができ、大きなアンカー効果を得ることができる。また、第1界面5の算術平均粗さRaを10μm以下とすることで、電極層13の山部13pからの放電を抑制できる。
第1界面5の最大高さRzは、0.1μm以上、10μm以下であることが好ましい。第1界面5の最大高さRzを0.1μm以上とすることで、界面において誘電層11と電極層13とを互いに入り組んで接触させることができ、大きなアンカー効果を得ることができる。また、第1界面5の最大高さRzを10μm以下とすることで、電極層13の山部13pからの放電を抑制できる。
なお、第1界面5および第2界面6の算術平均粗さRaおよび最大高さRzは、以下の手順によって測定される。
まず、日本電子社製の電解放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM)で、誘電層、内部電極、支持層の厚み方向の切断面を観察し、画像解析ソフトによりその切断面の画像を解析し界面の位置を特定する。
次いで、界面の曲線からその平均線の方向に100μm抜き取り、抜き取り部分の平均線の方向にX軸を、縦方向にY軸を取り、下記の式(1)に従って算術平均粗さRaを、式(2)に従って最大高さRzを算出する。
また、測定は載置面の中心部、外周部、および中間部(中心部+外周部/2)の3箇所にて実施し、3点の平均をそれぞれRa、Rzとした。
Ra=1/L∫ L|f(x)|dx ・・・(1)
Rz=Rp+Rv ・・・(2)
なお、式(1)において、Lは測定長さ(ここでは、100μm)である。
また、式(2)において、Rpは測定範囲内で最も高い山の高さであり、Rvは測定範囲内で最も深い谷の深さである。
本実施形態において、第1界面5の最大高さRzは、誘電層11の主相11aを構成する絶縁性セラミックスの平均結晶粒径Dより小さい。誘電層11に電圧を印加すると、電子は主相11aの粒界に沿って移動しやすい。すなわち、誘電層11は、主相11aの粒界において最も電流を流しやすい。本実施形態によれば、主相11aの平均結晶粒径Dが第1界面5の最大高さRzより大きいため、主相11aの結晶粒が電極層13の山部13pを覆いやすい。このため、放電の生じやすい山部13pの先端と、電流を流しやすい主相11aの粒界とが重なる確率を低減することができ、静電チャック部2の耐電圧を高めることができる。
本実施形態において、第1界面5の最大高さRzは、誘電層11の副相11bを構成する導電性セラミックスの平均結晶粒径dより大きい。副相11bを構成する導電性セラミックスは、導電体である。このため、副相11bの平均結晶粒径dが第1界面5の最大高さRzより大きいと、電極層13の表面上に形成される副相11bの結晶粒が、電極層13の山部13pよりも高いアンテナ形状を構成し、静電チャック部2の耐電圧を低下させる虞がある。本実施形態によれば、副相11bの平均結晶粒径dを、山部13pに対して小さくすることで、山部13pの高さに対する副相11bの結晶粒の影響を小さくして、静電チャック部2の耐電圧を確保できる。
第2界面6は、第1界面5と同様の構成を有することが好ましい。すなわち、第2界面6は、第1界面5と同様に、凹凸形状を有する。第2界面6を凹凸形状とすることで、アンカー効果によって支持層12と電極層13との接合強度が高められる。第2界面6においても、電極層13の山部13pの先端同士の距離は、1μm以上、100μm以下であることが好ましい。また、第2界面6の凹凸形状は曲面からなることが好ましい。また、第2界面6の凹凸形状の曲面は、曲率半径が1μm以上のものであることが好ましい。
第2界面6の算術平均粗さRaは、第1界面5と同様に、0.1μm以上、10μm以下であることが好ましい。また、第2界面6の最大高さRzは、第1界面5と同様に、0.1μm以上、10μm以下であることが好ましい。
本実施形態において、第2界面6の最大高さRzは、支持層12の主相12aを構成する絶縁性セラミックスの平均結晶粒径Dより小さい。これにより、放電の生じやすい電極層13の山部13pの先端と、電流を流しやすい主相12aの粒界とが重なる確率を低減することができ、静電チャック部2の耐電圧を高めることができる。
本実施形態において、第2界面6の最大高さRzは、支持層12の副相12bを構成する導電性セラミックスの平均結晶粒径dより大きい。これにより、山部13pの高さに対する副相11bの結晶粒の影響を小さくして、静電チャック部2の耐電圧を確保できる。
次に、図3を基に、本実施形態の静電チャック部2の製造方法を説明する。なお、以下に説明する製造方法は、一例であり、静電チャック部2は、その他の方法で製造されていてもよい。
まず、予備工程として、板状の誘電層11と支持層12とを焼結することによって成形する。
次に、支持層12の上面に、スクリーン印刷法等の塗工法により、電極層形成用ペーストを用いて凸部13aを形成する。このとき、電極層形成用ペーストを粘度調整して曲面状の凸部13aを形成する。さらに、その上から、電極層形成用ペーストを複数回塗り重ねて塗工層13bを形成し、その上に、再度凸部13aを形成する。また、図示を省略するが、塗工層13bの周囲には、誘電層11および支持層12と同材料から構成される絶縁材14を配置する。
次に、支持層12および電極層形成用ペーストの塗工層13bの上に、誘電層11を積層する。さらに、誘電層11、支持層12、絶縁材14、および電極層形成用ペーストを加熱しながら厚さ方向に加圧する。積層体を、加熱しながら、厚さ方向に加圧する際の雰囲気は、真空、あるいはAr、He、N2等の不活性雰囲気が好ましい。
以上の工程を経ることで、本実施形態の静電チャック部2を形成できる。本実施形態の製造方法では、電極層形成用ペーストによって形成された凸部13aが硬化する際に、誘電層11および支持層12を加熱および加圧する。これにより、誘電層11および支持層12が電極層13の凸部13aに沿って再成形されて、凹凸形状の第1界面5および第2界面6が形成される。
以上に、本発明の実施形態を説明したが、実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
1…静電チャック装置、5…第1界面(界面)、6…第2界面(界面)、11…誘電層、11a,12a…主相、11b,12b…副相、11c…焼結助剤、12…支持層、13…電極層、d,D…平均結晶粒径

Claims (7)

  1. 主相としての絶縁性セラミックスおよび副相としての導電性セラミックスを含む誘電層と、
    前記誘電層を支持する支持層と、
    前記誘電層と前記支持層との間に挟まれる電極層と、を備え、
    前記誘電層と前記電極層との界面は、凹凸形状を有し、最大高さRzが前記絶縁性セラミックスの平均結晶粒径より小さく、且つ、前記導電性セラミックスの平均結晶粒径より大きい、
    静電チャック装置。
  2. 前記誘電層と前記電極層との界面の凹凸形状は曲面からなる、
    請求項1に記載の静電チャック装置。
  3. 前記支持層は、主相としての絶縁性セラミックスおよび副相としての導電性セラミックスを含み、
    前記支持層と前記電極層との界面は、凹凸形状を有し、最大高さRzが前記絶縁性セラミックスの平均結晶粒径より小さく、且つ、前記導電性セラミックスの平均結晶粒径より大きい、
    請求項1又は2に記載の静電チャック装置。
  4. 前記絶縁性セラミックスは、Al、AlN、Si、YAG、およびSmAlOからなる群から選択される少なくとも1種である、
    請求項1~3の何れか一項に記載の静電チャック装置。
  5. 前記導電性セラミックスは、SiC、TiO、TiN、TiC、W、WC、Mo、MoCおよびCからなる群から選択される少なくとも1種である、
    請求項1~4の何れか一項に記載の静電チャック装置。
  6. 前記誘電層は、焼結助剤を含み、
    前記焼結助剤は、Y、MgOおよびSiOからなる群から選択される少なくとも1種である、
    請求項1~5の何れか一項に記載の静電チャック装置。
  7. 前記電極層は、静電吸着電極、ヒータ電極、およびRF電極の何れかとして機能する、
    請求項1~6の何れか一項に記載の静電チャック装置。
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