JP2022094143A - 固体高分子電解質膜及びその製造方法、膜電極接合体、並びに、固体高分子形燃料電池 - Google Patents

固体高分子電解質膜及びその製造方法、膜電極接合体、並びに、固体高分子形燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】機械的破壊強度に優れ、短絡の発生を抑制可能な固体高分子電解質膜の提供。【解決手段】固体高分子電解質膜は、電解質ポリマーとカーボンナノチューブとを含有し、断面を観察したときに、前記カーボンナノチューブを含有し前記カーボンナノチューブの含有率の最も高い領域Aと、前記領域Aよりも前記カーボンナノチューブの含有率が相対的に低い少なくとも1つの領域Bとが積層されているものである。【選択図】なし

Description

本開示は、固体高分子電解質膜及びその製造方法、膜電極接合体、並びに、固体高分子形燃料電池に関する。
固体高分子形燃料電池は、例えば、2つのセパレータの間に膜電極接合体を挟んでセルを形成し、複数のセルをスタックしたものである。膜電極接合体は、触媒層を有するアノード及びカソードと、アノードとカソードとの間に配置された固体高分子電解質膜とを備えたものである。
固体高分子形燃料電池における反応は、燃料が水素ガスの場合、下式で表される。
アノード:H → 2H + 2e
カソード:2H + 1/2O + 2e → H
したがって、固体高分子電解質膜には、プロトン(H)を伝導することが求められるが、水素ガス(H)等の燃料は透過しないことが求められる。
固体高分子形燃料電池においては、固体高分子電解質膜の抵抗を減らして固体高分子形燃料電池の発電性能を向上させる点から、固体高分子電解質膜の薄肉化が求められている。しかし、固体高分子電解質膜を薄くすると、固体高分子電解質膜の膜強度が低下することがある。そのため、固体高分子電解質膜には、優れた機械的破壊強度が求められる。
固体高分子電解質膜の機械的破壊強度の向上を図るため、固体高分子電解質膜中にカーボンナノチューブを含有させる方法が開示されている(例えば、非特許文献1参照)。
Yong-Hao Liu等、Electrochemical and Solid State Letters, 9(7), pp. A356-A359 (2006)
固体高分子電解質膜中にカーボンナノチューブを含有させると、固体高分子電解質膜に含有されるカーボンナノチューブが、セル内の短絡等の原因となることがある。そのため、非特許文献1に開示された方法には、更なる改善の余地がある。
本開示の一形態は上記従来の事情に鑑みてなされたものであり、機械的破壊強度に優れ、短絡の発生を抑制可能な固体高分子電解質膜及びその製造方法、並びに、固体高分子電解質膜を用いた膜電極接合体及び固体高分子形燃料電池を提供することを目的とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 電解質ポリマーとカーボンナノチューブとを含有し、
断面を観察したときに、前記カーボンナノチューブを含有し前記カーボンナノチューブの含有率の最も高い領域Aと、前記領域Aよりも前記カーボンナノチューブの含有率が相対的に低い少なくとも1つの領域Bとが積層されている固体高分子電解質膜。
<2> 1つの前記領域Aと1つの前記領域Bとがこの順に積層されてなる<1>に記載の固体高分子電解質膜。
<3> 第一の前記領域Bと前記領域Aと第二の前記領域Bとがこの順に積層されてなる<1>に記載の固体高分子電解質膜。
<4> 前記カーボンナノチューブの平均長さが、0.1μm以上である<1>~<3>のいずれか1項に記載の固体高分子電解質膜。
<5> 前記カーボンナノチューブの平均長さが、200μm以下である<1>~<4>のいずれか1項に記載の固体高分子電解質膜。
<6> 前記カーボンナノチューブの平均直径が、1nm以上である<1>~<5>のいずれか1項に記載の固体高分子電解質膜。
<7> 前記カーボンナノチューブの平均直径が、500nm以下である<1>~<6>のいずれか1項に記載の固体高分子電解質膜。
<8> 固形分全体に占める前記カーボンナノチューブの含有率が、0.01質量%以上である<1>~<7>のいずれか1項に記載の固体高分子電解質膜。
<9> 固形分全体に占める前記カーボンナノチューブの含有率が、40質量%以下である<1>~<8>のいずれか1項に記載の固体高分子電解質膜。
<10> 前記領域Aの固形分に占める前記カーボンナノチューブの含有率が、0.01質量%以上である<1>~<9>のいずれか1項に記載の固体高分子電解質膜。
<11> 前記領域Bの固形分に占める前記カーボンナノチューブの含有率が、0.1質量%以下である<1>~<10>のいずれか1項に記載の固体高分子電解質膜。
<12> 触媒層を有するアノードと、
触媒層を有するカソードと、
前記アノードと前記カソードとの間に配置された、<1>~<11>のいずれか1項に記載の固体高分子電解質膜と、
を備えた膜電極接合体。
<13> <12>に記載の膜電極接合体を備えた固体高分子形燃料電池。
<14> 電解質ポリマーとカーボンナノチューブとを含む第一の塗工液と、
電解質ポリマーを含み、前記第一の塗工液よりも前記カーボンナノチューブの含有率の低い少なくとも1つの第二の塗工液とを、
支持体上に塗布する<1>~<11>のいずれか1項に記載の固体高分子電解質膜の製造方法。
<15> 前記第一の塗工液が、前記電解質ポリマーを含有するポリマー溶液と前記カーボンナノチューブを含有するカーボンナノチューブ分散液と混合して調製されたものである<14>に記載の固体高分子電解質膜の製造方法。
<16> 前記支持体上に塗布された前記第一の塗工液及び前記第二の塗工液を乾燥して製膜する<14>又は<15>に記載の固体高分子電解質膜の製造方法。
本開示の一形態によれば、機械的破壊強度に優れ、短絡の発生を抑制可能な固体高分子電解質膜及びその製造方法、並びに、固体高分子電解質膜を用いた膜電極接合体及び固体高分子形燃料電池を提供できる。
膜電極接合体の一例を示す模式断面図である。
以下、本開示を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本開示を制限するものではない。
<固体高分子電解質膜>
本開示の固体高分子電解質膜は、電解質ポリマーとカーボンナノチューブとを含有し、断面を観察したときに、前記カーボンナノチューブを含有し前記カーボンナノチューブの含有率の最も高い領域Aと、前記領域Aよりも前記カーボンナノチューブの含有率が相対的に低い少なくとも1つの領域Bとが積層されているものである。
本開示の固体高分子電解質膜においては、各領域が層構造を成し、各領域の間が明確に区別可能な状態であってもよいし、各領域の間でカーボンナノチューブの含有率が連続的に変化して各領域の間が明確に区別できない状態であってもよい。各領域の間が明確に区別できない場合の各領域のカーボンナノチューブの含有率は、各領域の固体高分子電解質膜の厚み方向の中心付近における含有率とすればよい。
本開示において、各領域のカーボンナノチューブの含有率は、重量法により測定された値をいう。
本開示の固体高分子電解質膜は、機械的破壊強度に優れ、短絡の発生を抑制可能となる。その理由は明確ではないが、以下のように推察される。
本開示の固体高分子電解質膜はカーボンナノチューブを含有することから、カーボンナノチューブの強度向上効果により機械的破壊強度が向上すると推察される。
また、領域Aよりもカーボンナノチューブの含有率が相対的に低い少なくとも1つの領域Bが固体高分子電解質膜の面方向に沿って存在することで、固体高分子電解質膜を厚み方向に貫くカーボンナノチューブの発生を、領域Bが抑制する。その結果、固体高分子形燃料電池のカソードとアノードとの間のカーボンナノチューブに起因する短絡の発生が抑制されると推察される。
本開示の固体高分子電解質膜は、カーボンナノチューブを含有しカーボンナノチューブの含有率の最も高い領域Aを有する。固体高分子電解質膜は、厚み方向において領域Aを1つ有していてもよいし、カーボンナノチューブの含有率の等しい2つ以上の領域Aを有していてもよい。
なお、本開示において、2つの領域を比較したときに、両領域のカーボンナノチューブの含有率が等しいとは、既述の方法により求められた各領域のカーボンナノチューブの含有率の差が5質量%以内であることをいう。
また、本開示の固体高分子電解質膜は、厚み方向において少なくとも一つの領域Bを有すればよく、2以上の領域Bを有してもよい。固体高分子電解質膜が2以上の領域Bを有する場合、2以上の領域Bの各々についてのカーボンナノチューブの含有率は、同じであってもよいし異なっていてもよい。
電解質ポリマーは、領域A及び領域Bの両方に含有されていることが好ましい。領域Aと領域Bとに含有される電解質ポリマーは、同じであっても異なっていてもよく、同じであることが好ましい。なお、「電解質ポリマーが異なる」とは、化学構造式が異なる場合や、化学構造式が同じであっても平均分子量が異なる場合等が挙げられる。
カーボンナノチューブが領域A及び領域Bの両方に含有される場合、領域Aと領域Bとに含有されるカーボンナノチューブは同じであっても異なっていてもよく、同じであることが好ましい。なお、「カーボンナノチューブが異なる」とは、カーボンナノチューブの平均直径が異なる場合や、平均長さが異なる場合等が挙げられる。
本開示の固体高分子電解質膜の構成は特に限定されるものではなく、例えば、1つの領域Aと1つの領域Bとがこの順に積層されてなるものであってもよいし、第一の領域Bと領域Aと第二の領域Bとがこの順に積層されてなるものであってもよいし、第一の領域Aと領域Bと第二の領域Aとがこの順に積層されてなるものであってもよい。
これらの中でも、1つの領域Aと1つの領域Bとがこの順に積層されてなる固体高分子電解質膜、又は、第一の領域Bと領域Aと第二の領域Bとがこの順に積層されてなる固体高分子電解質膜が好ましく、第一の領域Bと領域Aと第二の領域Bとがこの順に積層されてなる固体高分子電解質膜がより好ましい。
以下、本開示の固体高分子電解質膜に含有される各成分の詳細について説明する。
本開示の固体高分子電解質膜は、電解質ポリマーとカーボンナノチューブとを含有し、必要に応じて保水性やプロトン伝導性を有する添加剤等のその他の成分を含有してもよい。
(電解質ポリマー)
本開示の固体高分子電解質膜は、電解質ポリマーを含有する。
電解質ポリマーは、イオン交換基を有する高分子化合物であれば特に限定するものではなく、その中でもプロトン伝導性を有する高分子化合物が好ましい。以下、イオン交換基を有する高分子化合物を「イオン交換樹脂」ともいう。「イオン交換基」とは、H、一価の金属カチオン、アンモニウムイオン等を有する基を意味する。
イオン交換基としては、スルホン酸基、スルホンイミド基、スルホンアミド基、スルホンメチド基、カルボキシ基、リン酸基等が挙げられ、中でもプロトン伝導性に優れるスルホン酸基が好ましい。イオン交換基は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
電解質ポリマーとしては、耐久性の点から、含フッ素イオン交換樹脂が好ましく、イオン交換基を有するペルフルオロカーボンポリマーがより好ましい。なお、上記ペルフルオロカーボンポリマーは、エーテル性酸素原子を含んでいてもよい。
該ペルフルオロカーボンポリマーとしては、後述するポリマー(H)、後述するポリマー(Q)、国際公開第2011/013577号等に記載された、イオン交換基及び5員環を有するペルフルオロモノマーに由来する構成単位を有するポリマー等の公知のポリマーが挙げられる。電解質ポリマーは、入手のしやすさ及び製造のしやすさの点から、ポリマー(H)及びポリマー(Q)からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
なお、「ポリマー」とは、複数の構成単位から構成された構造を有する化合物を意味する。また、「構成単位」とは、モノマーが重合することによって形成された該モノマーに由来する単位を意味する。構成単位は、モノマーの重合反応によって直接形成された単位であってもよく、ポリマーを処理することによって該単位の一部が別の構造に変換された単位であってもよい。「モノマー」とは、重合反応性の炭素-炭素二重結合を有する化合物を意味する。
ポリマー(H):
ポリマー(H)は、下記構成単位(U1)を有するポリマーである(ただし、ポリマー(Q)を除く)。
Figure 2022094143000001
ただし、上記構成単位(U1)中、Qは、単結合、又はエーテル性の酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキレン基であり、Rf2は、エーテル性の酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキル基であり、Xは、酸素原子、窒素原子、又は炭素原子であり、bは、Xが酸素原子の場合0であり、Xが窒素原子の場合1であり、Xが炭素原子の場合2であり、Yは、フッ素原子又は1価のペルフルオロ有機基であり、tは、0又は1である。単結合は、CFYの炭素原子と、SOのイオウ原子と、が直接結合していることを意味する。有機基は、炭素原子を1以上含む基を意味する。
上記構成単位(U1)中のQで示されるペルフルオロアルキレン基がエーテル性の酸素原子を有する場合、該酸素原子は、1個であってもよく、2個以上であってもよい。また、該酸素原子は、ペルフルオロアルキレン基の炭素原子-炭素原子結合間に挿入されていてもよく、炭素原子結合末端に挿入されていてもよい。
ペルフルオロアルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。
ペルフルオロアルキレン基の炭素数は、1~6が好ましく、1~4がより好ましい。
上記構成単位(U1)中のRf2で示されるペルフルオロアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。
ペルフルオロアルキル基の炭素数は、1~6が好ましく、1~4がより好ましい。ペルフルオロアルキル基としては、ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基等が好ましい。
上記構成単位(U1)が2つのRf2を有する場合、Rf2は、それぞれ同じ基であってもよく、それぞれ異なる基であってもよい。
上記構成単位(U1)中、-(SO(SOf2基は、イオン交換基である。
上記構成単位(U1)中の-(SO(SOf2基としては、スルホン酸基(-SO 基)、スルホンイミド基(-SON(SOf2基)、又はスルホンメチド基(-SOC(SOf2基)が挙げられる。
上記構成単位(U1)中のYとしては、フッ素原子又はトリフルオロメチル基が好ましい。
構成単位(U1)としては、下記構成単位(U1-1)が好ましく、ポリマー(H)の製造が容易であり、工業的実施が容易である点から、下記構成単位(U1-11)、構成単位(U1-12)、構成単位(U1-13)、又は構成単位(U1-14)がより好ましい。
Figure 2022094143000002
ただし、上記構成単位(U1-1)中、Zは、フッ素原子又はトリフルオロメチル基であり、tは、0又は1であり、mは、0~3の整数であり、nは、1~12の整数であり、pは、0又は1であり、かつ、m+p>0である。
ポリマー(H)は、さらに、他のモノマーに由来する構成単位(以下、他の構成単位と記す。)を有していてもよい。他の構成単位の割合は、ポリマー(H)のイオン交換容量が後述の好ましい範囲となるように、適宜調整すればよい。
他の構成単位としては、機械的破壊強度及び化学的な耐久性の点から、ペルフルオロモノマーに由来する構成単位が好ましく、テトラフルオロエチレン(以下、TFEと記す。)に由来する構成単位がより好ましい。
ポリマー(H)は、下記化合物(M1)及び必要に応じて他のモノマーを重合して前駆体ポリマーを得た後、前駆体ポリマー中の-SOF基をスルホン酸基に変換することによって製造できる。-SOF基のスルホン酸基への変換は、加水分解及び酸型化処理により行われる。
CF=CF-(CFOCF-CFY-Q-SOF・・・(M1)
なお、上記化合物(M1)中のt、Y、及びQは、それぞれ前記構成単位(U1)中のt、Y、及びQと同義である。
ポリマー(Q):
ポリマー(Q)は、下記構成単位(U2)及び下記構成単位(U3)の少なくとも一方を有するポリマーである。
Figure 2022094143000003
ただし、上記構成単位(U2)中、Qは、エーテル性の酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキレン基であり、Qは、単結合、又はエーテル性の酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキレン基であり、Rf1は、エーテル性の酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキル基であり、Xは、酸素原子、窒素原子、又は炭素原子であり、aは、Xが酸素原子の場合0であり、Xが窒素原子の場合1であり、Xが炭素原子の場合2であり、Yは、フッ素原子又は1価のペルフルオロ有機基であり、sは、0又は1である。単結合は、CYの炭素原子と、SOのイオウ原子と、が直接結合していることを意味する。有機基は、炭素原子を1以上含む基を意味する。
上記構成単位(U2)中、Q、Qのペルフルオロアルキレン基がエーテル性の酸素原子を有する場合、該酸素原子は、1個であってもよく、2個以上であってもよい。また、該酸素原子は、ペルフルオロアルキレン基の炭素原子-炭素原子結合間に挿入されていてもよく、炭素原子結合末端に挿入されていてもよい。
ペルフルオロアルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。
ペルフルオロアルキレン基の炭素数は、1~6が好ましく、1~4がより好ましい。炭素数が6以下であれば、原料の含フッ素モノマーの沸点が低くなり、蒸留精製が容易となる。
上記構成単位(U2)中のQは、エーテル性の酸素原子を有していてもよい炭素数1~6のペルフルオロアルキレン基であることが好ましい。Qがエーテル性の酸素原子を有していてもよい炭素数1~6のペルフルオロアルキレン基であれば、Qが単結合である場合に比べ、長期にわたって固体高分子形燃料電池を運転した際に、発電性能の安定性に優れる。
上記構成単位(U2)中、Q、Qの少なくとも一方は、エーテル性の酸素原子を有する炭素数1~6のペルフルオロアルキレン基であることが好ましい。エーテル性の酸素原子を有する炭素数1~6のペルフルオロアルキレン基を有する含フッ素モノマーは、フッ素ガスによるフッ素化反応を経ずに合成できるため、収率が良好で、製造が容易である。
上記構成単位(U2)中、Rf1のペルフルオロアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。
ペルフルオロアルキル基の炭素数は、1~6が好ましく、1~4がより好ましい。ペルフルオロアルキル基としては、ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基等が好ましい。
構成単位(U2)が2つ以上のRf1を有する場合、Rf1は、それぞれ同じ基であってもよく、それぞれ異なる基であってもよい。
上記構成単位(U2)中、-(SO(SOf1基は、イオン交換基である。
上記構成単位(U2)中の-(SO(SOf1基としては、スルホン酸基(-SO 基)、スルホンイミド基(-SON(SOf1基)、又はスルホンメチド基(-SOC(SOf1基)が挙げられる。
上記構成単位(U2)中のYとしては、フッ素原子、又はエーテル性の酸素原子を有していてもよい炭素数1~6の直鎖のペルフルオロアルキル基であることが好ましい。
構成単位(U2)としては、下記構成単位(U2-1)が好ましく、ポリマー(Q)の製造が容易であり、工業的実施が容易である点から、下記構成単位(U2-11)、構成単位(U2-12)、又は構成単位(U2-13)がより好ましい。
Figure 2022094143000004
ただし、上記構成単位(U2-1)中、RF11は、単結合、又はエーテル性の酸素原子を有していてもよい炭素数1~6の直鎖状のペルフルオロアルキレン基であり、RF12は、炭素数1~6の直鎖状のペルフルオロアルキレン基であり、sは、0又は1である。
Figure 2022094143000005
ただし、上記構成単位(U3)中、RF1及びRF2はそれぞれ独立に、炭素数1~3のペルフルオロアルキレン基である。
F1及びRF2の具体例としては、-CF-、-CFCF-、-CF(CF)-、-CFCFCF-、-CF(CFCF)-、-CF(CF)CF-、-CFCF(CF)-、-C(CF)(CF)-が挙げられる。
原料が安価である点、製造が容易である点、ポリマー(Q)のイオン交換容量をより高くできる点から、RF1及びRF2はそれぞれ独立に、炭素数1又は2のペルフルオロアルキレン基が好ましい。炭素数2の場合は、直鎖が好ましい。具体的には、-CF-、-CFCF-又は-CF(CF)-が好ましく、-CF-又は-CFCF-がより好ましく、-CF-が特に好ましい。
構成単位(U3)としては、下記構成単位(U3-1)が好ましい。
Figure 2022094143000006
ポリマー(Q)は、さらに他の構成単位を有していてもよい。他の構成単位の割合は、ポリマー(Q)のイオン交換容量が後述の好ましい範囲となるように、適宜調整すればよい。
他の構成単位としては、機械的破壊強度及び化学的な耐久性の点から、ペルフルオロモノマーに由来する構成単位が好ましく、TFEに由来する構成単位がより好ましい。
ポリマー(Q)は、例えば、国際公開第2007/013533号、国際公開第2020/116651号等に記載の方法によって製造できる。
電解質ポリマーのイオン交換容量は、導電性及びガス透過性の点から、0.5ミリ当量/g乾燥樹脂~2.0ミリ当量/g乾燥樹脂が好ましく、0.8ミリ当量/g乾燥樹脂~1.5ミリ当量/g乾燥樹脂が特に好ましい。
(カーボンナノチューブ)
本開示の固体高分子電解質膜は、カーボンナノチューブを含有する。
カーボンナノチューブは、グラファイト状の炭素原子面(グラフェンシート)が、単層又は多層の同軸管状になった物質である。単層のカーボンナノチューブはシングルウォールナノチューブ(SWNT)と呼ばれ、多層のカーボンナノチューブはマルチウォールナノチューブ(MWNT)と呼ばれ、特に、2層のカーボンナノチューブはダブルウォールナノチューブ(DWNT)とも呼ばれる。
また、カーボンナノチューブとしては、底の空いたコップ様の形状の炭素網が積層された中空構造を示すカップ積層型カーボンナノチューブを用いることもできる。
なお、本開示では、ファイバー状のカーボン材料をカーボンナノチューブと称し、平均直径がμmオーダーのカーボン材料もカーボンナノチューブの範ちゅうに含まれる。
カーボンナノチューブの平均長さは、膜の引き裂き強度を確保する観点から0.1μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましく、5μm以上がさらに好ましい。一方、カーボンナノチューブの平均長さは、膜への突き刺しによる短絡を抑制する観点から200μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましく、50μm以下がさらに好ましい。
本開示において、カーボンナノチューブの平均長さは、マイクロスコープで300サンプルを観察した平均値とする。
カーボンナノチューブの平均直径は、膜の引き裂き強度及び寸法安定性を確保する観点から1nm以上が好ましく、10nm以上がより好ましく、50nm以上がさらに好ましい。一方、カーボンナノチューブの平均直径は、膜への突き刺しによる短絡を抑制する観点から500nm以下が好ましく、300nm以下がより好ましく、200nm以下がさらに好ましい。
本開示において、カーボンナノチューブの平均直径は、マイクロスコープで300サンプルを観察した平均値とする。
本開示で用いられるカーボンナノチューブは、いかなる方法で製造されたものであってもよい。カーボンナノチューブの製造方法としては、二酸化炭素の接触水素還元法、アーク放電法、レーザー蒸発法、熱CVD法、プラズマCVD法、気相成長法等の公知の方法が挙げられる。
固体高分子電解質膜の固形分全体に占めるカーボンナノチューブの含有率は、膜の引き裂き強度及び寸法安定性を確保する観点から0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上がさらに好ましい。一方、固体高分子電解質膜の固形分全体に占めるカーボンナノチューブの含有率は、膜への突き刺しによる短絡を抑制する観点から40質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましく、1質量%以下が特に好ましい。
領域Aの固形分に占めるカーボンナノチューブの含有率は、0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上がさらに好ましい。一方、領域Aの固形分に占めるカーボンナノチューブの含有率は、70質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましい。
領域Bの固形分に占めるカーボンナノチューブの含有率は、短絡を抑制する観点から0.1質量%以下が好ましく、0.05質量%以下がより好ましく、0.01質量%以下がさらに好ましく、0質量%が特に好ましい。
なお、固体高分子電解質膜に領域Bが2つ以上存在する場合、2つ以上の領域Bのうちの最もカーボンナノチューブの含有率の低い領域Bについての固形分に占めるカーボンナノチューブの含有率が、上記範囲内であればよい。
(その他の成分)
本開示の固体高分子電解質膜は、必要に応じて添加剤等のその他の成分を含有してもよい。
添加剤としては、例えば、シリカ、チタニア、ジルコニア、層状構造を有しないリン酸ジルコニウム、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、シリコタングステン酸が挙げられる。
固体高分子電解質膜の固形分全体に占めるその他の成分の含有率は、30質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
(固体高分子電解質膜の製造方法)
本開示の固体高分子電解質膜は、いかなる方法で製造されたものであってもよい。固体高分子電解質膜は、例えば、電解質ポリマーとカーボンナノチューブと液状媒体と必要に応じてその他の成分とを含有する塗工液を製膜して製造できる。
塗工液を用いて固体高分子電解質膜を製膜する方法としては、具体的には、塗工液を基材フィルム、触媒層等の支持体上に塗布し、乾燥させる方法(キャスト法)が挙げられる。
固体高分子電解質膜の断面を観察したときに、領域A及び少なくとも1つの領域Bが積層された状態を構築するため、本開示の固体高分子電解質膜の製造方法は、電解質ポリマーとカーボンナノチューブとを含む第一の塗工液と、電解質ポリマーを含み、前記第一の塗工液よりも前記カーボンナノチューブの含有率の低い少なくとも1つの第二の塗工液とを、支持体上に塗布するものであってもよい。支持体上に塗布された各塗工液は、乾燥して製膜される。
第一の塗工液と少なくとも1つの第二の塗工液とを支持体上に塗布する方法は特に限定されるものではなく、ローラー、ディッピング、スプレーコーター、ロールコーター、ダイコーター、アプリケーター、スピンコーター等の塗布装置を使用する方法が挙げられる。
固体高分子電解質膜を製膜する際の乾燥温度は、10℃~95℃が好ましく、50℃~90℃がより好ましい。乾燥温度が10℃以上であれば、液状媒体を蒸発させやすく、固体高分子電解質膜を乾燥させやすい。乾燥温度が95℃以下であれば、液状媒体の急激な蒸発や沸騰による固体高分子電解質膜の欠陥が生じにくい。
各塗工液を乾燥する場合、塗工液の塗布と乾燥とを逐次繰り返してもよいし、重層塗布により各塗工液を一括して塗布した後乾燥してもよい。
固体高分子電解質膜は、熱水に接触したときの膨潤度を低下させるために加熱処理されていることが好ましい。加熱処理の温度は、110℃~220℃が好ましく、140℃~200℃がより好ましい。加熱処理の温度が110℃以上であれば、固体高分子電解質膜の熱水耐性が向上しやすい。加熱処理の温度が220℃以下であれば、イオン交換基の熱分解が抑えられやすい。特に、固体高分子電解質膜を160℃以上の温度で加熱処理をすると、膜面方向の寸法変化が抑えられやすく、膜の皺が発生しにくく、機械的な耐久性が向上しやすい。固体高分子電解質膜に加熱処理を施す場合、固体高分子電解質膜を製膜する際に乾燥処理を行わなくともよい。加熱処理が乾燥処理を兼ねてもよい。
第一の塗工液は、電解質ポリマーを含有するポリマー溶液とカーボンナノチューブを含有するカーボンナノチューブ分散液とを混合して調製されたものであることが好ましい。第一の塗工液を乾燥することで、本開示の固体高分子電解質膜における領域Aが形成される。領域Aは、第一の塗工液を2回以上塗工して形成されたものであってもよい。第一の塗工液を2回以上重ねて塗工して領域Aを形成することで、一種類の第一の塗工液を用いて厚みの異なる領域Aを形成することができる。
ポリマー溶液とカーボンナノチューブ分散液とを混合して得られる第一の塗工液は、電解質ポリマーと、カーボンナノチューブと、必要に応じて用いられる添加剤等と、電解質ポリマーを溶解する溶媒及びカーボンナノチューブを分散する分散媒としての液状媒体と、を含有する。
電解質ポリマーとカーボンナノチューブと液状媒体とを混合するか、又は電解質ポリマー溶液とカーボンナノチューブとを混合して塗工液を調製した場合、混合条件によってはカーボンナノチューブの切断等が生じ、固体高分子電解質膜の機械的破壊強度が低下する場合がある。ポリマー溶液とカーボンナノチューブ分散液とを別々に準備し、ポリマー溶液とカーボンナノチューブ分散液とを混合することで、カーボンナノチューブ分散液を調製する際にカーボンナノチューブの分散に適した分散条件を選択できる。その結果、カーボンナノチューブの切断等の発生が抑制される。
ポリマー溶液は、電解質ポリマーと液状媒体とを混合し撹拌することで調製できる。撹拌装置としては、公知の撹拌装置を選択できる。
カーボンナノチューブ分散液は、カーボンナノチューブと液状媒体とを混合し撹拌するか又は超音波処理を施すことで調製できる。超音波処理の条件は、適宜設定できる。
ポリマー溶液とカーボンナノチューブ分散液とを混合する方法は特に限定されず、混練機等を用いることができる。
必要に応じて用いられる添加剤等は、ポリマー溶液に含有されてもよいし、カーボンナノチューブ分散液に含有されてもよいし、両者に含有されてもよい。
第二の塗工液は、ポリマー溶液を含有する。第二の塗工液を乾燥することで、本開示の固体高分子電解質膜における領域Bが形成される。本開示の固体高分子電解質膜が2つ以上の領域Bを有する場合、各領域Bに適した2種以上の第二の塗工液を用いて領域Bを形成してもよいし、1種類の第二の塗工液を用いて2つ以上の領域Bを形成してもよい。
第二の塗工液は、第一の塗工液よりもカーボンナノチューブの含有率が低ければよく、カーボンナノチューブを含有していてもよいし含有していなくてもよい。第二の塗工液がカーボンナノチューブを含有しない場合、既述のポリマー溶液を第二の塗工液として用いることができる。第二の塗工液がカーボンナノチューブを含有する場合、既述のポリマー溶液とカーボンナノチューブ分散液とを混合して第二の塗工液を得ることができる。
液状媒体は、電解質ポリマーの溶解性及びカーボンナノチューブの分散性が良好である点から、水を含むことが好ましく、水とアルコールとの併用がより好ましい。
アルコールとしては、炭素数1~4の分岐若しくは直鎖のアルキル基、又は炭素数1~4の分岐若しくは直鎖のポリフルオロアルキル基を有するアルコールが好ましい。
アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、2,2,2-トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3-ペンタフルオロ-1-プロパノール、2,2,3,3-テトラフルオロ-1-プロパノール、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール、3,3,3-トリフルオロ-1-プロパノールが挙げられる。アルコールは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
水とアルコールとの質量基準の含有比率(水/アルコール)は、100/0~5/95が好ましく、70/30~30/70がより好ましい。水とアルコールとの質量基準の含有比率が前記範囲内であれば、膜製造時の乾燥速度が速くなりやすい。
液状媒体は、水とアルコール以外のその他の液状媒体を含んでもよい。その他の液状媒体としては、例えば、1H,4H-オクタフルオロブタン、1H-トリデカフルオロヘキサン、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5-デカフルオロペンタン等のハイドロフルオロカーボン;3,3-ジクロロ-1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン、1,3-ジクロロ-1,1,2,2,3-ペンタフルオロプロパン等のハイドロクロロフルオロカーボン;1,1,2,2-テトラフルオロ-1-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)エタン、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5-デカフルオロ-3-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ペンタン、エチルノナフルオロイソブチルエーテル、エチルノナフルオロブチルエーテル、メチルノナフルオロイソブチルエーテル、メチルノナフルオロブチルエーテル等のハイドロフルオロエーテル;1,1,2,2,3,3,4-ヘプタフルオロシクロペンタン等のハイドロフルオロシクロアルカン等の含フッ素溶媒が挙げられる。これらの含フッ素溶媒の1種又は2種以上を添加することによって、塗工液の粘度を調整できる。
液状媒体に対する水とアルコールの合計の割合は、70質量%以上が好ましく、75質量%以上がより好ましく、100質量%がさらに好ましい。水とアルコールの合計の割合が前記範囲内であれば、電解質ポリマー及びカーボンナノチューブの分散性が良好となりやすい。
液状媒体全体に占めるその他の液状媒体の割合は、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、0質量%がさらに好ましい。その他の液状媒体の割合が前記範囲内であれば、カーボンナノチューブの分散性を阻害しにくい。また、液状媒体は、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、エチレングリコール、プロピレングリコール等の高沸点溶媒の添加を必要としないが、これらの溶媒を添加してもよい。
第一の塗工液及び第二の塗工液の固形分濃度は、各々独立して1質量%~50質量%が好ましく、2質量%~30質量%がより好ましく、5質量%~20質量%がさらに好ましい。固形分濃度が1質量%以上であれば、第一の塗工液及び第二の塗工液の粘度が高くなりやすく、所望の厚さの膜を得やすい。固形分濃度が50質量%以下であれば、第一の塗工液及び第二の塗工液の流動性を確保しやすく、均一な厚さの膜を得やすい。
第一の塗工液又は第二の塗工液の固形分に対する電解質ポリマーの含有率、カーボンナノチューブの含有率及び他の成分の含有率は、固体高分子電解質膜における各成分の含有率等に鑑みて適宜設定される。
<膜電極接合体>
本開示の膜電極接合体は、触媒層を有するアノードと、触媒層を有するカソードと、アノードとカソードとの間に配置された本開示の固体高分子電解質膜とを備える。
図1は、膜電極接合体の一例を示す模式断面図である。膜電極接合体10は、触媒層11及びガス拡散層12を有するアノード13と、触媒層11及びガス拡散層12を有するカソード14と、アノード13とカソード14との間に、触媒層11に接した状態で配置された固体高分子電解質膜15とを具備する。
触媒層は、触媒と電解質ポリマーとを含む層である。
触媒としては、カーボン担体に白金又は白金合金を担持した担持触媒が挙げられる。
カーボン担体としては、例えば、カーボンブラック粉末、グラファイト化カーボン、カーボンファイバー、カーボンナノチューブが挙げられる。
電解質ポリマーとしては、触媒層に用いられる公知の電解質ポリマーが挙げられ、クラックが入りにくい触媒層を形成できる点から、TFEに由来する構成単位と、構成単位(U1)、構成単位(U2)及び構成単位(U3)からなる群より選択される少なくとも一種と、を有するポリマーが好ましい。
ガス拡散層は、触媒層に均一にガスを拡散させる機能及び集電体としての機能を有する。
ガス拡散層としては、例えば、カーボンペーパー、カーボンクロス、カーボンフェルトが挙げられる。
ガス拡散層は、ポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」とも記す。)等によって撥水化処理されていることが好ましい。
固体高分子電解質膜は、本開示の固体高分子電解質膜である。
膜電極接合体10は、触媒層11とガス拡散層12との間に中間層を有していてもよい。
中間層を配置することによって、触媒層とガス拡散層との接着強度が高まり、膜電極接合体としての機械的破壊強度が向上するとともに、湿潤環境下での触媒層からの排水及び乾燥下での保湿により固体高分子形燃料電池の発電特性が大きく向上しやすい。
中間層は、電解質ポリマーと炭素材料とを含む。
電解質ポリマーとしては、触媒層や固体高分子電解質膜に含まれる電解質ポリマーと同様のものが挙げられ、工業的実施が容易な点から、TFEに由来する構成単位と構成単位(U1)とを有するポリマーが好ましい。
炭素材料としては、炭素繊維が好ましい。微細でかつ電子伝導性を有する点から、カーボンナノファイバーが好ましい。カーボンナノファイバーとしては、例えば、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ(シングルウォール、ダブルウォール、マルチウォール、カップ積層型等)が挙げられる。
膜電極接合体は、本開示の固体高分子電解質膜を用いて、例えば、国際公開第2008/090990号、国際公開第2009/116630号等に記載される従来公知の方法によって製造できる。
中間層は、例えば、国際公開第2009/116630号に記載の従来公知のものを用いて、従来公知の方法により、ガス拡散層上に形成できる。
<固体高分子形燃料電池>
本開示の固体高分子形燃料電池は、本開示の膜電極接合体を備える。
膜電極接合体の両面に、ガスの流路となる溝又は多数の孔が形成されたセパレータを配置することによって、固体高分子形燃料電池が得られる。
セパレータとしては、金属製セパレータ、カーボン製セパレータ、黒鉛と樹脂を混合した材料からなるセパレータ等、各種導電性材料からなるセパレータが挙げられる。
本開示の固体高分子形燃料電池においては、カソードに酸素を含むガス、アノードに水素を含むガスを供給することによって、発電が行われる。また、アノードにメタノールを供給して発電するメタノール燃料電池にも、本開示の膜電極接合体を適用できる。
以下に、実験例を挙げて本開示を具体的に説明するが、本開示はこれらの実験例によって限定されない。
例1、2及び5-8は実施例であり、例3及び4は比較例である。
(電解質ポリマー溶液の調製)
電解質ポリマーとして、TFEに由来する構成単位と前記構成単位(U1-11)とを有するポリマー(H1)(イオン交換容量:1.1ミリ当量/g乾燥樹脂)を準備した。
ポリマー(H1)をエタノール/水=6/4(質量比)の分散媒に分散させ、固形分濃度が26質量%の電解質ポリマー溶液を調製した。
(カーボンナノチューブ分散液1の調製)
気相成長炭素繊維(昭和電工社製、商品名:VGCF-H、平均繊維径:約150nm、繊維長:10μm~20μm)にエタノール/水=6/4(質量比)の分散媒を加えてよく撹拌し、固形分濃度が20質量%のカーボンナノチューブ分散液1を得た。
(カーボンナノチューブ分散液2の調製)
カーボンナノチューブ(チョップドファイバー(商品名:K223QG、三菱ケミカル株式会社製、繊維径約11μm、繊維長6mm))にエタノール/水=6/4(質量比)の分散媒を加えてよく撹拌し、固形分濃度が20質量%のカーボンナノチューブ分散液2を得た。
[例1]
電解質ポリマー溶液とカーボンナノチューブ分散液1とを、あわとり練太郎を用いて混練1分及び脱泡1分の条件で混合し、固形分全体に占めるカーボンナノチューブの含有率が1質量%のカーボンナノチューブ-電解質ポリマー混合液1を得た。
電解質ポリマー溶液と、カーボンナノチューブ-電解質ポリマー混合液1と、電解質ポリマー溶液とをこの順に、エチレン-テトラフルオロエチレンコポリマー(以下、「ETFE」とも記す。)シート(AGC株式会社製、商品名:アフレックス100N、厚さ:100μm)の表面に塗布し、160℃で5分乾燥させ、平均厚みが10μmの電解質ポリマー層(第一の領域B)と平均厚みが10μmで1質量%のカーボンナノチューブを含有する電解質ポリマー層(領域A)と平均厚みが10μmの電解質ポリマー層(第二の領域B)とを有する固体高分子電解質膜1を得た。
[例2]
電解質ポリマー溶液とカーボンナノチューブ分散液1とを、あわとり練太郎を用いて混練1分及び脱泡1分の条件で混合し、固形分全体に占めるカーボンナノチューブの含有率が30質量%のカーボンナノチューブ-電解質ポリマー混合液2を得た。
電解質ポリマー溶液と、カーボンナノチューブ-電解質ポリマー混合液2と、電解質ポリマー溶液とをこの順に、前述のETFEシートの表面に塗布し、160℃で5分乾燥させ、平均厚みが10μmの電解質ポリマー層(第一の領域B)と平均厚みが10μmで30質量%のカーボンナノチューブを含有する電解質ポリマー層(領域A)と平均厚みが10μmの電解質ポリマー層(第二の領域B)とを有する固体高分子電解質膜2を得た。
[例3]
電解質ポリマー溶液を前述のETFEシートの表面に塗布し、160℃で5分乾燥させ、平均厚みが30μmの電解質ポリマー層を有する固体高分子電解質膜3を得た。
[例4]
前述のETFEシートの表面に、カーボンナノチューブ-電解質ポリマー混合液1の塗布を3回繰り返し、160℃で5分乾燥させ、平均厚みが10μmで1質量%のカーボンナノチューブを含有する電解質ポリマー層(領域A)が3層積層された固体高分子電解質膜4を得た。
[例5]
電解質ポリマー溶液とカーボンナノチューブ分散液2とを、あわとり練太郎を用いて混練1分及び脱泡1分の条件で混合し、固形分全体に占めるカーボンナノチューブの含有率が1質量%のカーボンナノチューブ-電解質ポリマー混合液3を得た。
電解質ポリマー溶液と、カーボンナノチューブ-電解質ポリマー混合液3と、電解質ポリマー溶液とをこの順に、前述のETFEシートの表面に塗布し、160℃で5分乾燥させ、平均厚みが10μmの電解質ポリマー層(第一の領域B)と平均厚みが10μmで1質量%のカーボンナノチューブを含有する電解質ポリマー層(領域A)と平均厚みが10μmの電解質ポリマー層(第二の領域B)とを有する固体高分子電解質膜5を得た。
[例6]
電解質ポリマー溶液とカーボンナノチューブ分散液1とを、あわとり練太郎を用いて混練1分及び脱泡1分の条件で混合し、固形分全体に占めるカーボンナノチューブの含有率が60質量%のカーボンナノチューブ-電解質ポリマー混合液4を得た。
電解質ポリマー溶液と、カーボンナノチューブ-電解質ポリマー混合液4と、電解質ポリマー溶液とをこの順に、前述のETFEシートの表面に塗布し、160℃で5分乾燥させ、平均厚みが10μmの電解質ポリマー層(第一の領域B)と平均厚みが10μmで60質量%のカーボンナノチューブを含有する電解質ポリマー層(領域A)と平均厚みが10μmの電解質ポリマー層(第二の領域B)とを有する固体高分子電解質膜6を得た。
[例7]
電解質ポリマー溶液と、カーボンナノチューブ-電解質ポリマー混合液1と、カーボンナノチューブ-電解質ポリマー混合液1とをこの順に、前述のETFEシートの表面に塗布し、160℃で5分乾燥させ、平均厚みが10μmの電解質ポリマー層(第一の領域B)と平均厚みが10μmで1質量%のカーボンナノチューブを含有する電解質ポリマー層(第一の領域A)と平均厚みが10μmで1質量%のカーボンナノチューブを含有する電解質ポリマー層(第二の領域A)とを有する固体高分子電解質膜7を得た。固体高分子電解質膜7では、積層された第一の領域Aと第二の領域Aとで1つの領域Aをなす。
[例8]
電解質ポリマー溶液とカーボンナノチューブ分散液1とを、あわとり練太郎を用いて混練1分及び脱泡1分の条件で混合し、固形分全体に占めるカーボンナノチューブの含有率が0.05質量%のカーボンナノチューブ-電解質ポリマー混合液5を得た。
電解質ポリマー溶液と、カーボンナノチューブ-電解質ポリマー混合液5と、電解質ポリマー溶液とをこの順に、前述のETFEシートの表面に塗布し、160℃で5分乾燥させ、平均厚みが10μmの電解質ポリマー層(第一の領域B)と平均厚みが10μmで0.05質量%のカーボンナノチューブを含有する電解質ポリマー層(領域A)と平均厚みが10μmの電解質ポリマー層(第二の領域B)とを有する固体高分子電解質膜8を得た。
[評価]
得られた固体高分子電解質膜1-8について、寸法安定性、引き裂き強度及び短絡試験の評価を実施した。得られた結果を表1に示す。
<寸法安定性>
各固体高分子電解質膜を200mm角に切り出してサンプルとした。得られたサンプルを温度25℃、湿度50%の雰囲気に16時間曝し、サンプルの縦と横の長さを測定した。
次に、25℃のイオン交換水にサンプルを1時間浸漬した後、同様にして長さを測定した。このときのサンプルの伸び(縦方向の伸びと横方向の伸びの平均)から寸法変化率を算出した。
<引裂き強度>
各固体高分子電解質膜から幅100mm、長さ100mmの正方形の強度測定用サンプルを切り出した。次にサンプルの一方の端部から膜の中心部まで、50mmの切り込みをナイフでいれ、切り込み先端が引き裂かれるように上下にわかれさせて、それぞれを引張り試験機の上下のチャッキングで掴み、毎分500mmの速度で引き裂いた。そして引き裂きに要する力を固体高分子電解質膜の厚さで除した値を、膜の縦方向、横方向両方につき測定し、その平均値を求め、引裂き強度とした。
<短絡試験>
5cm×5cmの表面を金メッキした電極板(A)の2枚と、6cm×6cmの固体高分子電解質膜の1枚を用意した。
2枚の電極板(A)の間に固体高分子電解質膜を挟み、2枚の電極板(A)の間に50mVの電圧を印加しながら、電極板の両側から均一に3MPaの圧力をかけ、短絡電流密度(mA/cm)を求めた。短絡防止効果を下記の基準で判断した。
○(A):試験した10枚のうち10枚とも膜短絡電流密度が0.01mA/cm未満である。
△(B):試験した10枚のうち1枚以上3枚未満で短絡電流密度が0.05mA/cm以上のものがある。
×(C):試験した10枚のうち3枚以上で短絡電流密度が0.05mA/cm以上のものがある。
Figure 2022094143000007
表1の「層構成」におけるPXは、平均厚みがXμmの電解質ポリマー層を意味し、CF(Y%)Zは、カーボンナノチューブの含有率がY質量%で平均厚みがZμmの電解質ポリマー層を意味する。例えば、例1におけるP10、CF(1%)10、P10との記載は、平均厚みが10μmの電解質ポリマー層と、カーボンナノチューブの含有率が1質量%で平均厚みが10μmの電解質ポリマー層と、平均厚みが10μmの電解質ポリマー層とがこの順に積層された固体高分子電解質膜を意味する。
なお、例5における「CF(11μm径、1%)10」は、平均直径が11μmのカーボンナノチューブの含有率が1質量%で平均厚みが10μmの電解質ポリマー層を意味する。
表1から明らかなように、例1、2及び5-8の固体高分子電解質膜は、例3及び4の固体高分子電解質膜に比較して、機械的破壊強度に優れ、短絡の発生を抑制可能であることがわかる。
10 膜電極接合体
11 触媒層
12 ガス拡散層
13 アノード
14 カソード
15 固体高分子電解質膜

Claims (16)

  1. 電解質ポリマーとカーボンナノチューブとを含有し、
    断面を観察したときに、前記カーボンナノチューブを含有し前記カーボンナノチューブの含有率の最も高い領域Aと、前記領域Aよりも前記カーボンナノチューブの含有率が相対的に低い少なくとも1つの領域Bとが積層されている固体高分子電解質膜。
  2. 1つの前記領域Aと1つの前記領域Bとがこの順に積層されてなる請求項1に記載の固体高分子電解質膜。
  3. 第一の前記領域Bと前記領域Aと第二の前記領域Bとがこの順に積層されてなる請求項1に記載の固体高分子電解質膜。
  4. 前記カーボンナノチューブの平均長さが、0.1μm以上である請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の固体高分子電解質膜。
  5. 前記カーボンナノチューブの平均長さが、200μm以下である請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の固体高分子電解質膜。
  6. 前記カーボンナノチューブの平均直径が、1nm以上である請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の固体高分子電解質膜。
  7. 前記カーボンナノチューブの平均直径が、500nm以下である請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の固体高分子電解質膜。
  8. 固形分全体に占める前記カーボンナノチューブの含有率が、0.01質量%以上である請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の固体高分子電解質膜。
  9. 固形分全体に占める前記カーボンナノチューブの含有率が、40質量%以下である請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の固体高分子電解質膜。
  10. 前記領域Aの固形分に占める前記カーボンナノチューブの含有率が、0.01質量%以上である請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の固体高分子電解質膜。
  11. 前記領域Bの固形分に占める前記カーボンナノチューブの含有率が、0.1質量%以下である請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の固体高分子電解質膜。
  12. 触媒層を有するアノードと、
    触媒層を有するカソードと、
    前記アノードと前記カソードとの間に配置された、請求項1~請求項11のいずれか1項に記載の固体高分子電解質膜と、
    を備えた膜電極接合体。
  13. 請求項12に記載の膜電極接合体を備えた固体高分子形燃料電池。
  14. 電解質ポリマーとカーボンナノチューブとを含む第一の塗工液と、
    電解質ポリマーを含み、前記第一の塗工液よりも前記カーボンナノチューブの含有率の低い少なくとも1つの第二の塗工液とを、
    支持体上に塗布する請求項1~請求項11のいずれか1項に記載の固体高分子電解質膜の製造方法。
  15. 前記第一の塗工液が、前記電解質ポリマーを含有するポリマー溶液と前記カーボンナノチューブを含有するカーボンナノチューブ分散液と混合して調製されたものである請求項14に記載の固体高分子電解質膜の製造方法。
  16. 前記支持体上に塗布された前記第一の塗工液及び前記第二の塗工液を乾燥して製膜する請求項14又は請求項15に記載の固体高分子電解質膜の製造方法。
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