JP2022093978A - 二液型硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温多湿の雰囲気下や含水率の高い被着体に対して使用する際にも、優れた発泡抑制効果が得られる二液型硬化性組成物を提供する。【解決手段】ポリオール(A)を含む主剤と、有機イソシアネート化合物及び/またはイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーであるイソシアネート基含有化合物(B)を含む硬化剤と、脂肪酸エステル(C)と、を含む二液型硬化性組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、有機イソシアネート化合物及び/またはイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを含む二液型硬化性組成物に関する。
末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを硬化物の主成分とするポリウレタン系硬化性組成物には、空気中の湿気と反応させて硬化する一液型硬化性組成物と、使用時にウレタンプレポリマーを含む主剤にポリオールなどのイソシアネート基と反応する成分を含有する硬化剤を配合することで主剤と硬化剤を反応させて硬化する二液型硬化性組成物がある。
一液型硬化性組成物は、冬期(低温低湿)の環境下では硬化が極端に遅くなる場合があり、また、空気中の湿気と反応することにより表面から硬化していくために、塗膜に厚みのある場合には塗膜内部の硬化が遅くなる。一液型硬化性組成物の上記問題点を解消しようとすると、塗膜が発泡し易いという問題がある。上記から、ポリウレタン系硬化性組成物は、充填剤、シーリング材、接着剤の用途として、二液型硬化性組成物が使用されている。
しかしながら、従来の二液型ポリウレタン系硬化性組成物では、下地の含水率が高い場合や、高温多湿の雰囲気下では、イソシアネート基と水が反応して発泡が生じることがある。路面で発生したひび割れの補修の際、下地の水分による発泡が発生すると、外観の悪化や補修箇所の膨れによる躓き及び転倒の恐れがある。発泡を抑制するためには、鉛系などの有害性の高い金属系触媒を使用して、イソシアネートとポリオールとの反応を選択的に促進しなければならないなどの問題があった。
これらの問題を解決するために、主剤中に水との反応によりアミンまたは水酸基を生成する化合物を含有させる方法(特許文献1)、主剤中に脂肪酸のカルシウム塩を含有させる方法(特許文献2)、特定の表面処理剤で処理された表面処理炭酸カルシウムを含有する方法(特許文献3)等が提案されている。しかしながら、いずれの方法も効果が不十分であり、硬化物の物性に影響を与えてしまうという問題点があった。
特開平9-165569号公報 特開平11-279250号公報 特開2004-231782号公報
本発明は、上述の問題に鑑みて、高温多湿の雰囲気下や含水率の高い被着体に対して使用する際にも、優れた発泡抑制効果が得られる二液型硬化性組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下の硬化性組成物が有効であることを見出した。すなわち、本発明の構成の要旨は以下の通りである。
[1]ポリオール(A)を含む主剤と、有機イソシアネート化合物及び/またはイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーであるイソシアネート基含有化合物(B)を含む硬化剤と、脂肪酸エステル(C)と、を含む二液型硬化性組成物。
[2]前記ポリオール(A)が、ヒマシ油系ポリオールを含む[1]に記載の二液型硬化性組成物。
[3]前記ポリオール(A)が、ポリオキシアルキレン系ポリオールを含む[1]に記載の二液型硬化性組成物。
[4]前記脂肪酸エステル(C)の脂肪酸の炭素数が、3以上25以下である[1]乃至[3]のいずれか1つに記載の二液型硬化性組成物。
[5]前記脂肪酸エステル(C)が、脂肪酸メチルエステルである[1]乃至[4]のいずれか1つに記載の二液型硬化性組成物。
[6]前記ポリオール(A)100質量部に対して、前記脂肪酸エステル(C)を20質量部以上200質量部以下含む[1]乃至[5]のいずれか1つに記載の二液型硬化性組成物。
[7]前記ポリオール(A)100質量部に対して、前記脂肪酸エステル(C)を40質量部以上200質量部以下含む[1]乃至[5]のいずれか1つに記載の二液型硬化性組成物。
[8]イソシアネート基含有化合物(B)が、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーである[1]乃至[7]のいずれか1つに記載の二液型硬化性組成物。
[9]路面補修用である[1]乃至[8]のいずれか1つに記載の二液型硬化性組成物。
[10][1]乃至[9]のいずれか1つに記載の二液型硬化性組成物を含む二液型路面補修剤。
本発明の二液型硬化性組成物によれば、ポリオール(A)を含む主剤と、有機イソシアネート化合物及び/またはイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーであるイソシアネート基含有化合物(B)を含む硬化剤と、脂肪酸エステル(C)と、を含むことにより、高温多湿の雰囲気下や含水率の高い被着体に対して使用する際にも、優れた発泡抑制効果が得られる。また、本発明の二液型硬化性組成物によれば、ポリオール(A)を含む主剤と、有機イソシアネート化合物及び/またはイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーであるイソシアネート基含有化合物(B)を含む硬化剤と、脂肪酸エステル(C)と、を含むことにより、従来と同等の指触乾燥時間と、二液型硬化性組成物を施与した部位における部材の動きに対して優れた追従性と、を得ることができる。
本発明の二液型硬化性組成物によれば、ポリオール(A)が、ヒマシ油系ポリオール及び/またはポリオキシアルキレン系ポリオールを含むことにより、より確実に優れた発泡抑制効果に寄与することができる。
本発明の二液型硬化性組成物によれば、脂肪酸エステル(C)の脂肪酸の炭素数が3以上25以下であることにより、優れた発泡抑制効果がより確実に得られやすくなる。
本発明の二液型硬化性組成物によれば、脂肪酸エステル(C)が、脂肪酸メチルエステルであることにより、発泡抑制効果がさらに向上する。
本発明の二液型硬化性組成物によれば、ポリオール(A)100質量部に対して脂肪酸エステル(C)を20質量部以上200質量部以下含むことにより、より確実に優れた発泡抑制効果を得ることができる。
本発明の二液型硬化性組成物によれば、ポリオール(A)100質量部に対して、前記脂肪酸エステル(C)を40質量部以上200質量部以下含むことにより、発泡抑制効果がさらに向上する。
本発明の二液型硬化性組成物によれば、イソシアネート基含有化合物(B)がイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーであることにより、優れた硬化性を得つつ、発泡抑制効果がさらに向上する。
以下に、本発明の二液型硬化性組成物の詳細について説明する。本発明の二液型硬化性組成物は、ポリオール(A)を含む主剤と、有機イソシアネート化合物及び/またはイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーであるイソシアネート基含有化合物(B)を含む硬化剤と、脂肪酸エステル(C)と、を含む。本発明の硬化性組成物では、主剤の主成分としてポリオール(A)が含まれ、イソシアネート基含有化合物(B)の主成分として、有機イソシアネート化合物及び/またはイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーが含まれる。
本発明の二液型硬化性組成物によれば、ポリオール(A)を含む主剤と、有機イソシアネート化合物及び/またはイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーであるイソシアネート基含有化合物(B)を含む硬化剤と、脂肪酸エステル(C)と、を含むことにより、高温多湿の雰囲気下や含水率の高い被着体に対して使用する際にも、優れた発泡抑制効果が得られ、また、従来と同等の指触乾燥時間と、二液型硬化性組成物を施与した部位における部材の動きに対して優れた追従性と、を得ることができる。
本発明の硬化性組成物の各成分の詳細について以下に説明する。
<ポリオール(A)>
ポリオール(A)としては、高分子ポリオール、低分子ポリオール、低分子アミノアルコールなどが挙げられる。これらのポリオールは、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。なお、本明細書中、「高分子」とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の数平均分子量が1,000以上を意味し、「低分子」とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の数平均分子量が1,000未満を意味する。
ポリオール(A)としては、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオキシアルキレン系ポリオール、炭化水素系ポリオール、ポリ(メタ)アクリル系ポリオール、動植物系ポリオール、これらのコポリオール、またはこれらの2種以上の混合物などが挙げられる。ポリオール(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算の数平均分子量は、1,000~100,000が好ましく、1,000~30,000がより好ましく、1,000~20,000が特に好ましい。数平均分子量が1,000未満では、得られる二液型硬化性組成物の硬化後の伸びなどのゴム弾性物性が低下する傾向があり、数平均分子量が100,000を超えると、得られる二液型硬化性組成物の粘度が高くなって、施工時の作業性が低下する傾向にある。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは「アクリル及び/またはメタクリル」を意味する。
ポリオール(A)の分子量分布〔ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比=Mw/Mn〕は、特に限定されないが、得られる二液型硬化性組成物の粘度を低下でき、かつ得られる二液型硬化性組成物の硬化後のゴム弾性物性が良好となる点から、1.6以下が好ましく、1.0~1.3が特に好ましい。
<ポリエステルポリオール>
ポリエステルポリオールとしては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロオルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸等のポリカルボン酸、これらの無水物またはメチルエステルやエチルエステル等のアルキルエステルを含むカルボン酸類の1種以上と、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイド付加物、トリメチロールプロパン、グリセリンまたはペンタエリスリトール等の低分子ポリオール類の1種以上との反応によって得られるポリエステルポリオールが挙げられる。また、これらのカルボン酸類、低分子ポリオール類に加え、さらにブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン等の低分子ポリアミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等の低分子アミノアルコール類の1種以上と反応させて得られるポリエステルアミドポリオールが挙げられる。また、低分子ポリオール類、低分子ポリアミン類、低分子アミノアルコール類を開始剤として、ε-カプロラクトン、γ-バレロラクトン等の環状エステル(ラクトン)モノマーの開環重合で得られるラクトン系ポリエステルポリオールが挙げられる。
<ポリカーボネートポリオール>
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、前記ポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子ポリオール類とホスゲンとの脱塩酸反応で得られるポリオール、前記低分子ポリオール類とジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネートとのエステル交換反応で得られるポリオールが挙げられる。
<ポリオキシアルキレン系ポリオール>
ポリオキシアルキレン系ポリオールとしては、例えば、ポリオキシアルキレン系トリオール、ポリオキシアルキレン系ジオールが挙げられる。なお、本明細書において、ポリオキシアルキレン系ポリオールの「系」とは、分子中の水酸基を除いた部分の50質量%以上、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上がポリオキシアルキレンで構成されていれば、残りの部分がエステル、ウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ(メタ)アクリレート、ポリオレフィン等で変性されていてもよいことを意味する。ポリオキシアルキレン系ポリオールとしては、水酸基を除いた分子中の95質量%以上がポリオキシアルキレンからなるものが特に好ましい。
ポリオキシアルキレン系ポリオールとしては、例えば、前記ポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子ポリオール類、低分子ポリアミン類、低分子アミノアルコール類、ポリカルボン酸の他、ソルビトール、マンニトール、ショ糖(スクロース)、グルコース等の糖類系低分子ポリアルコール類;ビスフェノールA、ビスフェノールF等の低分子多価フェノール類の一種以上を開始剤として、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシド、テトラヒドロフラン等の環状エーテル化合物の1種以上を開環付加重合または共重合(以下、「重合または共重合」を「(共)重合」ということがある。)させた、ポリオキシエチレン系ポリオール、ポリオキシプロピレン系ポリオール、ポリオキシブチレン系ポリオール、ポリオキシテトラメチレン系ポリオール、ポリ-(オキシエチレン)-(オキシプロピレン)-ランダムまたはブロック共重合系ポリオール等が挙げられる。
また、ポリオキシアルキレン系ポリオールとしては、前記ポリエステルポリオールやポリカーボネートポリオールを開始剤としたポリエステルエーテルポリオール、ポリカーボネートエーテルポリオールなどが挙げられる。また、上記した各種ポリオールと有機イソシアネートとを、イソシアネート基に対し水酸基過剰で反応させて、分子末端を水酸基としたポリオキシアルキレン系ポリオールが挙げられる。
ポリオキシアルキレン系トリオールとしては、ポリオキシプロピレントリオール、ポリオキシエチレントリオール、ポリオキシエチレンプロピレントリオールが好ましく、さらにポリオキシプロピレントリオール、ポリオキシエチレンプロピレントリオールが好ましい。ポリオキシアルキレン系ジオールとしては、ポリオキシプロピレンジオール、ポリオキシエチレンジオール、ポリオキシエチレンプロピレンジオールが好ましく、さらにポリオキシプロピレンジオール、ポリオキシエチレンプロピレンジオールが好ましい。
ポリオキシアルキレン系ポリオールのアルコール性水酸基の数は、特に限定されないが、1分子当たり平均2個以上が好ましく、2~4個がより好ましく、2~3個が特に好ましい。
ポリオキシアルキレン系ポリオールの調製時に使用する触媒としては、例えば、水素化セシウム、セシウムメトキシド、セシウムエトキシド等のセシウムアルコキシド、水酸化セシウムなどのセシウム系化合物、ジエチル亜鉛、塩化鉄、金属ポルフィリン、ホスファゼニウム化合物、複合金属シアン化錯体(例えば、亜鉛ヘキサシアノコバルテートのグライム錯体やジグライム錯体等)が挙げられる。
ポリオキシアルキレン系ポリオールの総不飽和度は、特に限定されないが、0.1meq/g以下が好ましく、0.07meq/g以下がより好ましく、0.04meq/g以下が特に好ましい。
<炭化水素系ポリオール>
炭化水素系ポリオールとしては、例えば、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等のポリオレフィンポリオール;水素添加ポリブタジエンポリオール、水素添加ポリイソプレンポリオール等のポリアルキレンポリオール;塩素化ポリプロピレンポリオール、塩素化ポリエチレンポリオール等のハロゲン化ポリアルキレンポリオールなどが挙げられる。
<ポリ(メタ)アクリル系ポリオール>
ポリ(メタ)アクリル系ポリオールとしては、水酸基含有(メタ)アクリル系単量体を少なくとも含有するエチレン性不飽和化合物を重合開始剤の存在下又は不存在下において、バッチ式又は連続重合などの公知のラジカル重合の方法により、好ましくは150~350℃、さらに好ましくは210~250℃で高温連続重合反応して得られるものが、反応生成物の分子量分布が狭く低粘度になるため好適である。
ポリ(メタ)アクリル系ポリオールは、水酸基含有(メタ)アクリル系単量体を単独で重合して得られるものであってもよく、水酸基含有(メタ)アクリル系単量体の2種以上を共重合して得られるものであってもよく、水酸基含有(メタ)アクリル系単量体の1種又は2種以上と水酸基含有(メタ)アクリル系単量体以外のエチレン性不飽和化合物とを共重合して得られるものであってもよい。これらのうち、ポリ(メタ)アクリル系ポリオールの水酸基の含有量を調節することが容易で、二液型硬化性組成物の硬化後の物性を選択しやすい点から、水酸基含有(メタ)アクリル系単量体の1種又は2種以上とこれら以外のエチレン性不飽和化合物の1種又は2種以上とを共重合して得られるものが好ましい。前記共重合の際、水酸基含有(メタ)アクリル系単量体を、ポリ(メタ)アクリル系ポリオール1分子当たりの平均水酸基官能数が1.0~10.0個となるように使用するのが好ましく、1.2~3.0個となるように使用するのが特に好ましい。ポリ(メタ)アクリル系ポリオール1分子当たりの平均水酸基官能数が10.0個を超えると、硬化後の物性が硬くなってゴム状弾性が低下する傾向にある。このうち、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算の数平均分子量が1,000~30,000のポリ(メタ)アクリル系ポリオールが好ましく、2,000~15,000のポリ(メタ)アクリル系ポリオールが特に好ましい。また、ポリ(メタ)アクリル系ポリオールのガラス転移温度(Tg)は、0℃以下が好ましく、-70℃~-20℃がより好ましく、-70℃~-30℃が特に好ましい。また、ポリ(メタ)アクリル系ポリオールの25℃における粘度は、100,000mPa・s以下が好ましく、50,000mPa・s以下が特に好ましい。数平均分子量が30,000、Tgが0℃、25℃における粘度が100,000mPa・sをそれぞれ超えると、得られる二液型硬化性組成物の施工時の作業性が低下する傾向がある。
水酸基含有(メタ)アクリル系単量体としては、イソシアネート基含有化合物(B)のイソシアネート基との反応性の良さから、アルコール性水酸基含有(メタ)アクリル系単量体が好ましく、具体的には、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の多価アルコールのモノアクリレート類又は水酸基残存ポリアクリレート類などが挙げられる。
他のエチレン性不飽和化合物としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、クロロプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、(メタ)アクリル酸、酢酸ビニル、スチレン、2-メチルスチレン、ジビニルベンゼン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、グリシジル(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリウレタンジ(メタ)アクリレート、アクリル酸ダイマー、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。これらのうち、エチレン性不飽和化合物としては、二液型硬化性組成物の硬化後の特性などの点から、(メタ)アクリル酸エステル系化合物のモノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリルなどの(メタ)アクリル系化合物が好ましく、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルが特に好ましい。
これらは単独でまたは2種以上を混合して使用できる。また、炭素数9以下の(メタ)アクリル系単量体の1種又は2種以上と炭素数10以上の(メタ)アクリル系単量体の1種又は2種以上とを組み合わせて使用してもよい。
<動植物系ポリオール>
動植物系ポリオールとしては、例えば、ヒマシ油系ポリオールなどが挙げられる。ヒマシ油系ポリオールは、ヒマシ油から誘導される重合体である。ヒマシ油系ポリオールとしては、例えば、ヒマシ油のアルキレンオキシド付加物、ヒマシ油のエポキシ化物、ヒマシ油のハロゲン化物、ヒマシ油と多価アルコールとのエステル交換物等を挙げることができる。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリテトラメチレングリコール、ポリブタジエンポリオール、ポリカーボネートポリオール、(メタ)アクリルポリオール等を挙げることができる。
ヒマシ油系ポリオールの酸価は、特に限定されないが、優れた成膜性を得る点から、10mgKOH/g以下であることが好ましい。
上記したポリオール(A)のうち、得られる二液型硬化性組成物のゴム物性や接着性が良好な点で、高分子ポリオールが好ましく、このうち、より確実に優れた発泡抑制効果に寄与することができる点から、ヒマシ油系ポリオール、ポリオキシアルキレン系ポリオールが特に好ましい。
<イソシアネート基含有化合物(B)>
本発明では、イソシアネート基含有化合物(B)として、有機イソシアネート化合物(b1)及び/またはイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(b2)を使用する。
<有機イソシアネート化合物(b1)>
有機イソシアネート化合物としては、有機ポリイソシアネートと、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの変性用として必要に応じて使用してもよい有機モノイソシアネートが挙げられる。有機ポリイソシアネートとしては、イソシアネート基が芳香族炭化水素に結合している芳香族系ポリイソシアネート、芳香環を有しかつイソシアネート基が脂肪族炭化水素基に結合している芳香脂肪族系ポリイソシアネート、脂肪族炭化水素基のみからなる脂肪族系ポリイソシアネートなどが挙げられる。
<芳香族系ポリイソシアネート>
芳香族系ポリイソシアネートとしては、例えば、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート等のジフェニルメタンジイソシアネート類(MDI類);2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート等のトルエンジイソシアネート類(TDI類);フェニレンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート等が挙げられる。
<芳香脂肪族系ポリイソシアネート>
芳香脂肪族系ポリイソシアネーとしては、例えば、キシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
<脂肪族系ポリイソシアネート>
脂肪族系ポリイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート;シクロヘキサンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネートなどが挙げられる。
また、上記した各種ポリイソシアネートのカルボジイミド変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性体、二量体、三量体、またはポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)なども挙げられる。これらの化合物は単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、二液型硬化性組成物の硬化後のゴム弾性に優れている点で、芳香族系ポリイソシアネートでは、MDI類が好ましく、芳香脂肪族ポリイソシアネーでは、キシリレンジイソシアネートが好ましく、脂肪族系ポリイソシアネートでは、へキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが好ましい。
<有機モノイソシアネート>
有機モノイソシアネートとしては、分子内にイソシアネート基を1個含有すればよいが、イソシアネート基以外の有機基としては、水分(湿気など)に対して硬化性を有する官能基を含有していない疎水性の有機基が好ましい。有機モノイソシアネートとしては、具体的には、例えば、n-ブチルモノイソシアネート、n-ヘキシルモノイソシアネート、n-テトラデシルモノイソシアネート、n-ヘキサデシルモノイソシアネート、オクタデシルモノイソシアネート等の脂肪族モノイソシアネート;クロロフェニルモノイソシアネート、3,5-ジクロロフェニルモノイソシアネート、p-フルオロフェニルモノイソシアネート、p-イソプロピルフェニルモノイソシアネート等の芳香族モノイソシアネートなどが挙げられる。このうち、脂肪族モノイソシアネートが好ましく、オクタデシルモノイソシアネートが特に好ましい。
<イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(b2)>
イソシアネート基含有ウレタン系プレポリマーは、有機イソシアネート化合物と活性水素含有化合物とを活性水素(基)に対してイソシアネート基過剰の条件で反応させて得られるものである。具体的には、活性水素含有化合物と有機イソシアネート化合物とを、原料のイソシアネート基/活性水素(基)のモル比が1.2~10/1.0、好ましくは1.5~5.0/1.0となる範囲で同時または逐次に反応させて、ウレタンプレポリマー骨格にイソシアネート基が残存するようにして調製することができる。モル比が1.2/1.0を下回ると、得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの架橋点が少なくなりすぎ、二液型硬化性組成物の硬化後の伸びや引張強度などが低下する傾向があり、また、ゴム物性や接着性が低下する傾向がある。一方で、上記モル比が10/1.0を超えると、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーが湿気と反応した際に炭酸ガスの発生量が多くなり、発泡が生じる傾向がある。
また、イソシアネート基含有ウレタン系プレポリマーのイソシアネート基含有量は、特に限定されないが、二液型硬化性組成物に適度な流動性が付与されて、二液型硬化性組成物の塗布作業性がさらに向上する点から、0.3質量%以上15.0質量%以下が好ましく、3.5質量%以上7.0質量%以下が特に好ましい。また、イソシアネート基含有量が0.3質量%未満の場合は、イソシアネート基含有ウレタン系プレポリマーの架橋点が少ないため、十分な接着性が得られない傾向がある。一方で、イソシアネート基含有量が15.0質量%を超える場合は、イソシアネート基含有ウレタン系プレポリマーの架橋点が多くなりゴム弾性が低下する傾向にあり、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと湿気との反応による炭酸ガスの発生によって、優れた発泡抑制効果がより確実には得られない傾向がある。
イソシアネート基含有ウレタン系プレポリマーの製造方法としては、ガラス製やステンレス製などの反応容器に活性水素含有化合物と有機イソシアネート化合物とを仕込み、反応触媒の存在下または不存在下に、50~120℃で反応させる方法などが挙げられる。この際、イソシアネート基が湿気と反応すると、得られるイソシアネート基含有ウレタン系プレポリマーが増粘するため、窒素ガス置換、窒素ガス気流下などの湿気を遮断した状態で反応を行うことが好ましい。
<有機イソシアネート化合物>
有機イソシアネート化合物としては、上記した有機イソシアネート化合物(b1)を挙げることができる。
<活性水素含有化合物>
活性水素含有化合物としては、上記ポリオール(A)を挙げることができ、また、上記ポリオール(A)の他に、高分子ポリアミン等が挙げられる。また、必要に応じて使用する鎖延長剤としての、低分子アミノアルコール、低分子ポリアミン、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの変性用として必要に応じて用いる高分子モノオールや低分子のモノオールなどが挙げられる。
<高分子ポリアミン>
高分子ポリアミンとしては、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)をベース骨格として、分子末端の分岐炭素にアミノ基が結合したポリアミンを挙げることができる。上市されている高分子ポリアミンとしては、例えば、ハンツマン社製の「ジェファーミン」等が挙げられる。
<低分子アミノアルコール>
低分子アミノモノアルコールとしては、エタノールアミン、ヘプタミノール、プロパノールアミン、メタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、N-メチルエタノールアミン等が挙げられる。
<低分子ポリアミン>
低分子ポリアミンとしては、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン等が挙げられる。
<モノオール>
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの変性用として用いる低分子のモノオールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等の低分子モノアルコール類が挙げられ、高分子モノオールとしては、低分子モノオールを開始剤として、前記プロピレンオキシド等の環状エーテル化合物を開環付加重合させたポリオキシプロピレン系モノオール等のポリオキシアルキレン系モノオールなどが挙げられる。
イソシアネート基含有化合物(B)としては、優れた硬化性を得つつ、発泡抑制効果がさらに向上する点から、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(b2)が好ましい。また、硬化物のゴム物性の点から、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(b2)の合成に用いる活性水素含有化合物は、上記ポリオール(A)が好ましく、ポリアルキレン系ポリオールがさらに好ましく、ポリオキシプロピレン系ポリオールが特に好ましい。
イソシアネート基含有化合物(B)の配合量は、特に限定されないが、イソシアネート基含有化合物(B)の配合量の下限値は、二液型硬化性組成物に優れた硬化性を付与する点から、ポリオール(A)100質量部に対して、30質量部が好ましく、50質量部がより好ましく、100質量部が特に好ましい。一方で、イソシアネート基含有化合物(B)の配合量の上限値は、水分による発泡を確実に抑制する点から、ポリオール(A)100質量部に対して、350質量部が好ましく、300質量部がより好ましく、250質量部が特に好ましい。
<脂肪酸エステル(C)>
本発明の二液型硬化性組成物では、脂肪酸エステル(C)が配合されることで、高温多湿の雰囲気下や含水率の高い被着体に対して使用する際にも、二液型硬化性組成物の硬化物に優れた発泡抑制効果を付与できる。
脂肪酸エステル(C)としては、脂肪酸とアルコールのエステルであれば、特に限定されないが、脂肪酸としては、優れた発泡抑制効果が得られやすくなる点から、炭素数3以上25以下の脂肪酸が好ましく、優れた発泡抑制効果がより確実に得られやすくなる点から、炭素数5以上22以下の脂肪酸がより好ましく、炭素数12以上18以下の脂肪酸が特に好ましい。脂肪酸は、飽和脂肪酸でもよく、不飽和脂肪酸でもよい。また、相溶性の点から常温で液体の脂肪酸エステルが好ましい。また、アルコールとしては、優れた発泡抑制効果が得られやすくなる点から、炭素数1以上4以下の鎖式脂肪族のモノアルコールが好ましく、炭素数1以上2以下の鎖式脂肪族のモノアルコールがさらに好ましく、メタノールが特に好ましい。
脂肪酸エステルとして、例えば、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、デカン酸メチル、デカン酸エチル、10-ウンデセン酸メチル、10-ウンデセン酸エチル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸エチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、ナフテン酸メチル、ナフテン酸エチル、ネオデカン酸メチル、ネオデカン酸エチル等が好ましい。また、発泡抑制効果がさらに向上する点で、脂肪酸メチルエステルが特に好ましい。
脂肪酸エステルの配合量は、特に限定されないが、脂肪酸エステルの配合量の下限値は、二液型硬化性組成物の硬化物がより確実に優れた発泡抑制効果を得ることができる点から、ポリオール(A)100質量部に対して、20質量部が好ましく、30質量部がより好ましく、発泡抑制効果がさらに向上する点から、40質量部が特に好ましい。一方で、脂肪酸エステルの配合量の上限値は、硬化物の物性保持の点から、ポリオール(A)100質量部に対して、300質量部が好ましく、250質量部がより好ましく、200質量部が特に好ましい。
本発明の二液型硬化性組成物では、必要に応じて、ポリオール(A)、イソシアネート基含有化合物(B)及び脂肪酸エステル(C)以外に、他の成分として各種の添加剤を含有することができる。添加剤は、二液型硬化性組成物に配合して二液型硬化性組成物の粘度調整、硬化促進、接着性等の各種の性能を向上させるために使用する。各種の添加剤としては、例えば、硬化促進触媒、耐候性安定剤、貯蔵安定性改良剤、着色剤、揺変性付与剤、充填剤、接着性付与剤等を挙げることができる。これらは、いずれも1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
<硬化促進触媒>
硬化促進触媒は、ポリオール(A)を含む主剤とイソシアネート基含有化合物(B)を含む硬化剤との反応を促進し、二液型硬化性組成物の硬化を促進するため使用するものである。硬化促進触媒としては、例えば、有機金属化合物、アミン類等が挙げられる。有機金属化合物としては、例えば、オクチル酸錫、ナフテン酸錫等の2価の有機錫化合物;ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジバーサテート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(トリエトキシシリケート)、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物等の4価の有機錫化合物;ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、錫系キレート化合物(例えば、旭硝子株式会社製EXCESTARC-501)、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトナート)、チタンテトラキス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アセチルアセトンコバルト、アセチルアセトン鉄、アセチルアセトン銅、アセチルアセトンマグネシウム、アセチルアセトンビスマス、アセチルアセトンニッケル、アセチルアセトン亜鉛、アセチルアセトンマンガン等の各種金属のキレート化合物;テトラ-n-ブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン酸エステル類;オクチル酸鉛やオクチル酸ジルコニウム等のマンガン、鉄、コバルト、銅、亜鉛、ジルコニウム、鉛、ビスマス等の錫以外の各種金属と、オクチル酸、ステアリン酸、ナフテン酸等の各種有機酸との金属有機酸塩などが挙げられる。アミン類としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン、1,8-ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデセン-7(DBU)、1,4-ジアザビシクロ〔2,2,2〕オクタン(DABCO)、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン等の第3級アミン類、またはこれらのアミン類とカルボン酸等の塩類などが挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して使用できる。これらのうち、反応速度が高く、毒性及び揮発性の比較的低い液体である点から有機金属化合物が好ましく、有機錫化合物や金属キレート化合物がより好ましく、ジオクチル錫ジネオデカノエートが特に好ましい。
硬化促進触媒の配合量は、硬化速度、硬化物の物性などの点から、ポリオール(A)100質量部に対して、0.001質量部以上10質量部以下が好ましく、0.02質量部以上1質量部以下が特に好ましい。
<耐候性安定剤>
耐候性安定剤は、二液型硬化性組成物の硬化物の酸化や光劣化、熱劣化を防止して、耐候性だけではなく耐熱性をさらに向上させるために使用する。耐候性安定剤としては、具体的には、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、紫外線吸収剤などが挙げられる。ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、メチル-1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルセバケート、4-ベンゾイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンなどが挙げられる。また、旭電化工業株式会社製のアデカスタブシリーズのLA-52、LA-57、LA-62、LA-67、LA-77、LA-82、LA-87などの分子量1000未満の低分子量ヒンダードアミン系光安定剤、同じく旭電化工業株式会社製のLA-63P、LA-68LD、チバスペシャルティケミカルズ社製の商品名CHIMASSORBシリーズの119FL、2020FDL、944FD、944LDなどの分子量1000以上の高分子量ヒンダードアミン系光安定剤なども挙げられる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリスリトール-テトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N′-ヘキサン-1,6-ジイルビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオアミド]、ベンゼンプロパン酸3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシC7-C9側鎖アルキルエステル、2,4-ジメチル-6-(1-メチルペンタデシル)フェノールなどが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、2-(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[(ヘキシル)オキシ]-フェノールなどのトリアジン系紫外線吸収剤、オクタベンゾンなどのべンゾフェノン系紫外線吸収剤、2,4-ジ-tert-ブチルフェニル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエートなどのベンゾエート系紫外線吸収剤が挙げられる。
耐候性安定剤は、単独または2種以上を組み合わせて使用できるが、これらのうちヒンダードアミン系光安定剤単独、ヒンダードフェノール系酸化防止剤単独、ヒンダードアミン系光安定剤とヒンダードフェノール系酸化防止剤との組み合わせ、すなわち、ヒンダードアミン系光安定剤および/またはヒンダードフェノール系酸化防止剤が、耐候性、耐熱性の向上に優れているため好ましい。
耐候性安定剤の配合量は、ポリオール(A)100質量部に対して、0.1質量部以上20質量部以下が好ましく、0.5質量部以上10質量部以下が特に好ましい。
<貯蔵安定性改良剤>
貯蔵安定性改良剤としては、二液型硬化性組成物の硬化剤中に存在する水分と反応する化合物、例えば、ビニルトリメトキシシランなどの低分子の架橋性シリル基含有化合物、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、p-トルエンスルホニルイソシアネートなどが挙げられる。これらのうち、二液型硬化性組成物の貯蔵安定性が確実に向上する点から、酸化カルシウムが好ましい。
貯蔵安定改良剤の配合量は、ポリオール(A)100質量部に対して、0.001質量部以上5質量部以下が好ましく、0.01質量部以上1質量部以下が特に好ましい。
<着色剤>
着色剤としては、二液型硬化性組成物に付与する所望の色彩に応じて適宜選択可能である。着色剤としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラックなどの無機系着色剤、銅フタロシアニンなどの有機系着色剤などが挙げられる。着色剤の配合量は、ポリオール(A)100質量部に対して、0質量部超50質量部以下が好ましく、0.01質量部以上10質量部以下がより好ましく、0.1質量部以上25質量部以下が特に好ましい。
<揺変性付与剤>
揺変性付与剤は、本発明の二液型硬化性組成物に揺変性を付与して、二液型硬化性組成物を塗布したときにタレ(スランプ)の発生を防止することに寄与する。揺変性付与剤としては、有機酸系化合物で表面処理された炭酸カルシウム(有機酸系化合物表面処理炭酸カルシウム)、親水性コロイダルシリカ、疎水性コロイダルシリカ等の無機系揺変性付与剤;脂肪酸アマイド、有機ベントナイト等の有機系揺変性付与剤などが挙げられる。これらのうち、得られる二液型硬化性組成物の吐出作業性がより向上する点で、有機酸系化合物表面処理炭酸カルシウムが好ましい。有機酸系化合物表面処理炭酸カルシウムは、合成炭酸カルシウム等の微粉末炭酸カルシウムの表面を、ステアリン酸等の脂肪酸またはそのアルキルエステル、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、樹脂酸などの有機酸系化合物で処理(例えば、被覆)したものである。これらの市販品としては、白石工業株式会社製の白艶華シリーズのCC、DD、CCR、U、丸尾カルシウム株式会社製のカルファインシリーズの100、200、200Mなどがある。
揺変性付与剤の配合量は、特に限定されないが、例えば、ポリオール(A)100質量部に対して、5質量部以上50質量部以下が好ましく、10質量部以上40質量部以下が特に好ましい。
<充填剤>
充填剤は、本発明の二液型硬化性組成物の硬化物に強度を付与することに寄与する。充填剤としては、例えば、マイカ、カオリン、ゼオライト、グラファイト、珪藻土、白土、クレー、タルク、スレート粉、無水ケイ酸、石英微粉末、アルミニウム粉末、亜鉛粉末、沈降性シリカなどの合成シリカ、有機酸系化合物等の化合物で表面が処理(被覆等)されていない炭酸カルシウム(単に、「炭酸カルシウム」ということがある。)、炭酸マグネシウム、アルミナ等の無機粉末状充填剤;ガラス繊維、炭素繊維などの繊維状充填剤;木粉、クルミ穀粉、もみ殻粉、パルプ粉、木綿チップ、ゴム粉末、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂等の熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂の粉末等の有機系充填剤、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムなどの難燃性付与充填剤などが挙げられる。これらのうち、入手が容易でありつつ強度を確実に付与できる点から、炭酸カルシウムが好ましい。充填剤の粒子径としては、例えば、0.01μm以上1,000μm以下が好ましい。
充填剤の配合量は、特に限定されないが、例えば、ポリオール(A)100質量部に対して、5質量部以上40質量部以下が好ましく、10質量部以上30質量部以下が特に好ましい。
<接着性付与剤>
接着性付与剤としては、カップリング剤、エポキシ樹脂、アルキルチタネート類、有機ポリイソシアネート等が挙げられる。カップリング剤としては、シラン系、アルミニウム系、ジルコアルミネート系などの各種カップリング剤及び/またはその部分加水分解縮合物が挙げられる。これらのうちシランカップリング剤及び/またはその部分加水分解縮合物が接着性に優れている点で好ましい。シラン系カップリング剤としては、例えば、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン等の官能基を有するアルコキシシラン類、イソプロペノキシシラン類などが挙げられる。また、シラン系カップリング剤としては分子量500以下、好ましくは400以下の低分子化合物及び/またはシラン系カップリング剤の1種または2種以上の部分加水分解縮合物で分子量200~3,000の化合物を挙げられる。
接着性付与剤の配合量は、特に限定されないが、例えば、ポリオール(A)100質量部に対して、0.05質量部以上1.00質量部以下が好ましく、0.10質量部以上0.50質量部以下が特に好ましい。
本発明の二液型硬化性組成物は、例えば、充填剤、シーリング材、接着剤の用途の他、道路等の路面補修用として使用することができる。すなわち、二液型硬化性組成物を含む二液型路面補修剤とすることができる。本発明の二液型硬化性組成物を路面補修用として使用する場合の施工方法としては、例えば、路面の損傷部に、本発明の二液型硬化性組成物を充填することで補修することが挙げられる。
次に、本発明の二液型硬化性組成物について、実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(主剤を含む成分であるA液の調製)
<A-1液>
攪拌機、温度計、窒素シール管および加熱・冷却装置付き混練・反応容器に窒素ガスを流しながらヒマシ油系ポリオール(伊藤製油株式会社製URICF-60、1分子当たりの水酸基数:3、水酸基価:215mgKOH/g)500g、ジメチルカーボネート160gとジオクチルスズジネオデカノエート(日東化成株式会社製、商品名:ネオスタンU-830)2.2gを仕込み、室温で攪拌混合し、A-1液を作製した。
<A-2液>
ジメチルカーボネートを140g用いた以外はA-1液と同様にしてA-2液を作製した。
<A-3液>
さらに酸化カルシウムを800g用いた以外はA-1液と同様にしてA-3液を作製した。
<A-4液>
さらに脂肪酸エステルとしてオレイン酸メチルを400g用いた以外はA-3液と同様にしてA-4液を作製した。
<A-5液>
ヒマシ油系ポリオールに替えてポリオキシプロピレントリオール(AGC株式会社製、商品名:エクセノール1030、数平均分子量1000)を680g、ジメチルカーボネートを180g用いた以外はA-1液と同様にしてA-5液を作製した。
<A-6液>
ジメチルカーボネートを83g、ジオクチルスズジネオデカノエートを1.1g用いた以外はA-1液と同様にしてA-6液を作製した。
<A-7液>
プロピオン酸メチルを400g用いた以外はA-1液と同様にしてA-7液を作製した。
(硬化剤を含む成分であるB液の調製)
<B-1液>
攪拌棒、温度計、窒素シール管および加熱・冷却装置付き混練・反応容器に窒素ガスを流しながら、ポリオキシプロピレントリオール(AGC株式会社製、商品名:エクセノール4030、数平均分子量4000)を266.0g、ポリオキシプロピレンジオール(AGC株式会社製、商品名:エクセノール3021、数平均分子量3300)を417.5g、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(BASFジャパン株式会社製、IRGANOX1010、ペンタエリスリトール-テトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート])20.0g、2-エチルヘキシルアシッドホスフェート(商品名:JP-508、城北化学工業株式会社製)を0.05g仕込み、攪拌混合した。次いでジフェニルメタンジイソシアネートを304.0gおよび硬化促進触媒としてオクチル酸ジルコニウム0.1gを攪拌しながら仕込んだ後、加温し70~75℃で1時間反応した。その後、常温に冷却して、フタル酸ジイソノニル(DINP)を64.0g、脂肪酸エステルとしてオレイン酸メチルを400.0g、p-トルエンスルホニルイソシアネート1.0gを仕込み、均一になるまでさらに30分間攪拌混合してB-1液を調製した。
<B-2液>
DINPを用いない以外はB-1液と同様にしてB-2液を調整した。
<B-3液>
オレイン酸メチルを175.0g用いた以外はB-2液と同様にしてB-3液を作製した。
<B-4液>
オレイン酸メチルを800.0g用いた以外はB-1液と同様にしてB-4液を作製した。
<B-5液>
オレイン酸メチルを用いない以外はB-1液と同様にしてB-5液を作製した。
<B-6液>
オレイン酸メチルを435.0g用いた以外はB-1液と同様にしてB-6液を作製した。
<B-7液>
オレイン酸メチルとDINPを用いない以外はB-1液と同様にしてB-7液を作製した。
<B-8液>
脂肪酸エステルとしてオレイン酸メチルの代わりにオレイン酸エチルを用いた以外はB-2液と同様にしてB-8液を作製した。
<B-9液>
脂肪酸エステルとしてオレイン酸メチルの代わりに10-ウンデセン酸メチルを用いた以外はB-2液と同様にしてB-9液を作製した。
<B-10液>
脂肪酸エステルとしてオレイン酸メチルの代わりにパルミチン酸メチルを用いた以外はB-2液と同様にしてB-10液を作製した。
<B-11液>
脂肪酸エステルとしてオレイン酸メチルの代わりにデカン酸メチルを用いた以外はB-2液と同様にしてB-11液を作製した。
<B-12液>
攪拌棒、温度計、窒素シール管および加熱・冷却装置付き混練・反応容器に窒素ガスを流しながら、ポリメリックMDI(東ソー株式会社製、商品名:ミリオネート MR-200、NCO含量30.5~32.0質量%)を268.0g及び脂肪酸エステルとしてオレイン酸メチルを207.0gを仕込み、均一になるまで30分間攪拌混合してB-12液を調製した。
<B-13液>
ポリメリックMDIの代わりにm-キシリレンジイソシアネート(三井化学株式会社製、商品名:タケネート500)186.0gを用いた以外はB-12液と同様にしてB-13液を作製した。
<B-14液>
オレイン酸メチルを用いない以外はB-12液と同様にしてB-14液を作製した。
<B-15液>
オレイン酸メチルを用いない以外はB-13液と同様にしてB-15液を作製した。
以下に、評価項目の試験方法について説明する。
(1)膨れ試験
23℃の雰囲気下で24時間静置した主剤を含むA液、硬化剤を含むB液及び精製水を試料とした。23℃、50%相対湿度の雰囲気下で下記表1~3の割合のA液及びB液と、A液とB液の合計質量に対して0.3質量%の精製水を混合し、直ちに直径32mmで厚さ65mmのガラス製容器に組成物の表面が容器側面の標線(底から30mm)と同じ高さになるように充填した。2時間静置し養生硬化させた後、硬化物表面の標線からの高さ(単位:mm)を測定した。高さ9.0mm未満かつ硬化が完了しているものを合格と判定した。
(2)指触乾燥時間
23℃の雰囲気下で24時間静置した主剤を含むA液及び硬化剤を含むB液を試料とした。23℃、相対湿度55%の雰囲気下で下記表1~3の割合でA液とB液を混合し、直ちにガラス板の上に泡が入らないように,厚さ約3mmでへらなどで平らにならした試験体を作製して静置した。エチルアルコールで清浄にした指先で、試験体表面の3か所に軽く触れて、混合の開始時から試験体表面の試料が指先に付着しなくなるまでに要した時間を測定した。
(3)ゴム物性(切断時引張応力、切断時伸び及び50%伸び引張応力)
23℃の雰囲気下で24時間静置した主剤を含むA液及び硬化剤を含むB液を試料とした。23℃、相対湿度55%の雰囲気下で下記表1~3の割合でA液とB液を混合し、直ちに離型処理した型枠内に、厚さ約2.5mmとなるように泡を巻き込まないように注意して流し7日間静置した。7日間静置の後、脱型し、硬化物シートの試験体を作製した。作製した試験体を用い、JIS K 6251:2004に準拠して、ダンベル状3号形で試験をし、切断時引張応力(Tb)、切断時伸び(Eb)及び50%伸び引張応力(M50)を測定した。
実施例と比較例における、各成分の配合割合と評価結果を下記表1~3に示す。なお、下記表1~3の配合量は、特に断りのない限り質量部を意味し、空欄は配合なしを意味する。
Figure 2022093978000001
Figure 2022093978000002
Figure 2022093978000003
上記表1~3に示すように、ポリオール(A)を含む主剤と、有機イソシアネート化合物及び/またはイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーであるイソシアネート基含有化合物(B)を含む硬化剤と、脂肪酸エステル(C)と、を含む実施例1~14では、23℃、50%相対湿度の雰囲気下で、膨れ試験の結果が高さ8.5mm以下であり、優れた発泡抑制効果によって膨れが抑制された。従って、実施例1~14では、高温多湿の雰囲気下や含水率の高い被着体に対して、優れた発泡抑制効果が得られることが判明した。また、実施例1~14では、概ね従来と同等の指触乾燥時間が得られた。また、実施例1~14では、ゴム物性も従来よりも優れており、本発明の二液型硬化性組成物を施与した部位における部材の動きに対して優れた追従性を得ることができることが判明した。
特に、ポリオール(A)100質量部に対して脂肪酸エステル(C)を40質量部以上含む実施例2、4は、ポリオール(A)100質量部に対して脂肪酸エステル(C)を40質量部未満含む実施例3と比較して、膨れがさらに低減した。また、実施例2と実施例8の比較から、脂肪酸メチルエステルは脂肪酸エチルエステルよりも膨れがさらに低減した。
また、実施例2と実施例13、14の比較から、イソシアネート基含有化合物(B)として、有機イソシアネート化合物を配合するよりもイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを配合する方が、膨れがより低減した。
一方で、脂肪酸エステルを配合しなかった比較例1~5では、いずれも、膨れ試験の高さが9.0mm以上であり、優れた発泡抑制効果を得ることができなかった。
本発明の二液型硬化性組成物は、高温多湿の雰囲気下や含水率の高い被着体に対して使用する際にも優れた発泡抑制効果が得られるので、広汎な分野で利用可能であり、例えば、路面の補修等、温度や湿度といった環境の変化に対応する必要がある分野で利用価値が高い。

Claims (10)

  1. ポリオール(A)を含む主剤と、有機イソシアネート化合物及び/またはイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーであるイソシアネート基含有化合物(B)を含む硬化剤と、脂肪酸エステル(C)と、を含む二液型硬化性組成物。
  2. 前記ポリオール(A)が、ヒマシ油系ポリオールを含む請求項1に記載の二液型硬化性組成物。
  3. 前記ポリオール(A)が、ポリオキシアルキレン系ポリオールを含む請求項1に記載の二液型硬化性組成物。
  4. 前記脂肪酸エステル(C)の脂肪酸の炭素数が、3以上25以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の二液型硬化性組成物。
  5. 前記脂肪酸エステル(C)が、脂肪酸メチルエステルである請求項1乃至4のいずれか1項に記載の二液型硬化性組成物。
  6. 前記ポリオール(A)100質量部に対して、前記脂肪酸エステル(C)を20質量部以上200質量部以下含む請求項1乃至5のいずれか1項に記載の二液型硬化性組成物。
  7. 前記ポリオール(A)100質量部に対して、前記脂肪酸エステル(C)を40質量部以上200質量部以下含む請求項1乃至5のいずれか1項に記載の二液型硬化性組成物。
  8. イソシアネート基含有化合物(B)が、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーである請求項1乃至7のいずれか1項に記載の二液型硬化性組成物。
  9. 路面補修用である請求項1乃至8のいずれか1項に記載の二液型硬化性組成物。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の二液型硬化性組成物を含む二液型路面補修剤。
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