JP2022093885A - 希土類磁石の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】残留磁化と保磁力を維持しつつ、焼結体の熱間塑性加工時の割れの発生を抑制したR-Fe-B系希土類磁石の製造方法を提供する。【解決手段】式R1xT(100-x-y-z)ByM1z(R1は所定の希土類元素、TはFe及び/又はCo、M1は所定の元素、12.0≦x≦20.0、5.00≦y≦5.88、及び0≦z≦2.0)で表される焼結体を準備すること、前記焼結体を熱間塑性加工して、異方性を付与した熱間塑性加工体を得ること、式R2sFe(100-s-t-u)BtM2u(R2は所定の希土類元素、M2は所定の元素、50≦s≦80、2≦t≦20、及び10≦u≦40)で表される組成を有する改質材を準備すること、及び、100モルの前記熱間塑性加工体に対して、vモル(2.0≦v≦20.0)の前記改質材を、前記熱間塑性加工体の内部に拡散浸透させること、を含む。【選択図】図5

Description

本開示は、希土類磁石の製造方法に関する。本開示は、特に、R-Fe-B系希土類磁石(ただし、Rは希土類元素である。)の製造方法に関する。
R-Fe-B系希土類磁石は、主相と、主相の周囲に存在する粒界相とを備える。主相は、RFe14B型の結晶構造を有する磁性相である。この主相によって、高い残留磁化が得られる。
R-Fe-B系希土類磁石としては、主相の粒径が3~10μmの焼結磁石と、主相の粒径が1~1000nmのナノ結晶化磁石がある。R-Fe-B系希土類磁石においては、残留磁化を向上するため、異方性が付与されることが多い。焼結磁石では、磁性粉末を磁場中で圧縮成形した圧粉体を高温無加圧焼結することによって、異方性が付与される。ナノ結晶化磁石では、磁性粉末及び/又は磁性薄帯を低温加圧焼結して得た焼結体を、熱間塑性加工することによって、異方性が付与される。このようにして異方性を付与したナノ結晶化磁石は、熱間塑性加工磁石と呼ばれている。
R-Fe-B系希土類磁石においては、焼結磁石及び熱間塑性加工磁石のいずれの場合も、主相同士で磁化反転が発生し易く、保磁力が低下する。そこで、R-Fe-B系希土類磁石においては、改質材を用いて主相同士を磁気的に分断して、保磁力を向上させることが広く行われている。
例えば、特許文献1には、ナノ結晶化された主相を備える熱間塑性加工体に、Nd-Cu合金及び/又はNd-Al合金を拡散浸透して、保磁力を向上することが開示されている。
特許第5725200号公報
熱間塑性加工磁石では、焼結体を非常に高い圧下率で熱間塑性加工する。そのため、焼結体を熱間塑性加工するときに割れを生じやすい。割れの発生を抑制するためには、焼結体の組成を変更することが考えられるが、焼結体の組成の変更は、熱間塑性加工磁石の磁気特性、特に、残留磁化と保磁力が変化する。
このことから、残留磁化と保磁力を維持しつつ、焼結体の熱間塑性加工時の割れの発生を抑制したR-Fe-B系希土類磁石の製造方法が求められている、という課題を本発明者らは見出した。
本開示は、上記課題を解決するためになされたものである。本開示は、残留磁化と保磁力を維持しつつ、焼結体の熱間塑性加工時の割れの発生を抑制したR-Fe-B系希土類磁石の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、鋭意検討を重ね、本開示の希土類磁石の製造方法を完成させた。本開示の希土類磁石の製造方法は、次の態様を含む。
〈1〉主相及び前記主相の周囲に存在する粒界相を備え、モル比での全体組成が、式R (100-x-y-z) (ただし、Rは、Nd、Ce、La、Pr、Gd、Tb、Dy、及びHoからなる群より選ばれる一種以上の元素であり、Tは、Fe及びCoからなる群より選ばれる一種以上の元素であり、Mは、Ga、Al、Cu、Au、Ag、Zn、In、及びMnからなる群より選ばれる一種以上の元素並びに不可避的不純物元素であり、かつ、12.0≦x≦20.0、5.00≦y≦5.88、及び0≦z≦2.0である。)で表され、前記主相がRFe14B型(ただし、Rは希土類元素である。)の結晶構造を有する焼結体を準備すること、
前記焼結体を熱間塑性加工して、異方性を付与した熱間塑性加工体を得ること、
モル比での式R Fe(100-s-t-u) (ただし、Rは、Nd、Ce、La、Pr、Gd、Tb、Dy、及びHoからなる群より選ばれる一種以上の元素であり、Mは、Ga、Al、Cu、Au、Ag、Zn、In、及びMnからなる群より選ばれる一種以上の元素並びに不可避的不純物元素であり、かつ、50≦s≦80、2≦t≦20、及び10≦u≦40である。)で表される組成を有する改質材を準備すること、及び、
100モルの前記熱間塑性加工体に対して、vモル(2.0≦v≦20.0)の前記改質材を、前記熱間塑性加工体の内部に拡散浸透させること、
を含む、
希土類磁石の製造方法。
本開示によれば、焼結体中のBの含有割合を低減し、かつ、Bを含有する改質材を用いることによって、熱間塑性加工中の焼結体の割れの発生を抑制し、かつ、熱間塑性加工体中の粒界相と改質材中のBとを反応させて、新たに主相を生成することができる。これにより、焼結体中のBの含有割合の低減に起因する、主相の体積率の低下を補うことができ、その結果、主相の体積率の低下に起因する残留磁化の低下を回復することができる。これらのことから、本開示によれば、残留磁化と保磁力を維持しつつ、焼結体の熱間塑性加工時の割れの発生を抑制したR-Fe-B系希土類磁石の製造方法を提供することができる。
図1は、Nd-Fe-Bの三元系の室温での状態図を模式的に示した説明図である。 図2は、Bの含有割合が低い熱間塑性加工体の組織を模式的に示した説明図である。 図3は、図2の熱間塑性加工体に、Bを含有する改質材を接触させた状態を模式的に示す説明図である。 図4は、熱間塑性加工体の内部に、改質材を拡散浸透した後の組織を模式的に示した説明図である。 図5は、実施例1~2及び比較例2~4の試料について、改質材の拡散浸透量と残留磁化の関係を示すグラフである。
以下、本開示の希土類磁石の製造方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は、本開示の希土類磁石の製造方法を限定するものではない。
理論に拘束されないが、残留磁化と保磁力を維持しつつ、焼結体の熱間塑性加工時の割れの発生を抑制した希土類磁石の製造方法を提供することができる理由について、図面を用いて説明する。
図1は、Nd-Fe-Bの三元系の室温での状態図を模式的に示した説明図である。図2は、Bの含有割合が低い熱間塑性加工体の組織を模式的に示した説明図である。図3は、図2の熱間塑性加工体に、Bを含有する改質材を接触させた状態を模式的に示す説明図である。図4は、熱間塑性加工体の内部に、改質材を拡散浸透した後の組織を模式的に示した説明図である。
ここでは、R-Fe-B系希土類磁石のうち、RとしてNdを選択した場合について、図1に示したNd-Fe-Bの三元系状態図(模式図)を用いて説明するが、RとしてNd以外の希土類元素を選択した場合についても、同様に説明することができる。
R-Fe-B系希土類磁石の主相は、RFe14B型の結晶構造を有する相である。RとしてNdを選択した場合、主相は、図1に示したNdFe14B相である。
熱間塑性加工磁石の製造においては、ナノ結晶化された主相を備える磁性粉末及び/又は磁性薄帯を、低温加圧焼結して焼結体を形成し、その焼結体を熱間塑性加工して、熱間塑性加工体を形成する。そして、その熱間塑性加工体の内部に改質材を拡散浸透する。低温無加圧焼結、熱間塑性加工、及び改質材の拡散浸透のいずれも、ナノ結晶化された主相が粗大化しない温度及び時間で処理される。
図2に示したように、熱間塑性加工体10は、主相20及び粒界相30を備えている。熱間塑性加工体10は、熱間塑性加工されていることから、主相20は扁平形状を有している。図2に示した態様では、焼結体を、図2の上下方向に熱間塑性加工(圧縮)して、上下方向に異方性を付与した熱間塑性加工体10を得ている。
熱間塑性加工体10において、粒界相30は概ね非晶質になっている。これは、主相20をナノ結晶化するために、磁性粉末及び/又は磁性薄帯の製造時に、溶湯を超急冷するためである。主相20の組成(結晶構造)はNdFe14B相と表すことができるが、粒界相30は概ね非結晶質であり、粒界相30を構成する各元素の分布も均一でないため、粒界相30の組成(結晶構造)を具体的な組成式で表すことは容易ではない。しかし、主相20(NdFe14B相)においてよりも、粒界相30全体において、Ndの含有割合は高くなっている。このことから、粒界相30は、Ndリッチ相と呼ばれる。粒界相30がNdリッチ相であるのは、磁性粉末及び/又は磁性薄帯の製造時に、α-Fe相を生成し難くするために、溶湯の組成をNdFe14BよりもNdを多くすることに起因する。
本開示の希土類磁石の製造方法では、焼結体中のBの含有割合を低減することによって、熱間塑性加工時の割れの発生を抑制していることから、熱間塑性加工体10のBの含有割合が低減されている。一方、熱間塑性加工体10のBの含有割合が低減されていると、図1から理解できるように、NdFe14B相、すなわち主相20の体積率が低くなる。その結果、残留磁化が低下する。そこで、図3に示したように、熱間塑性加工体10に、Bを含有する改質材40を接触して加熱し、熱間塑性加工体10の内部に、粒界相30を通じて、Bを含有する改質材40の融液を拡散浸透する。
従来の希土類磁石の製造方法、例えば、特許文献1に開示された希土類磁石の製造方法では、改質材として、Nd-Cu合金及び/又はNd-Al合金等、実質的にBを含有しない低融点のNd合金を使用する。そのため、比較的低温で改質材の融液を得られ、ナノ結晶化された主相を粗大化することなく、その融液が熱間塑性加工体の内部に拡散浸透する。そして、粒界相を、さらにNdリッチにすることによって、主相同士を磁気的に分断して、保磁力が向上する。
これに対し、本開示の希土類磁石の製造方法では、改質材40として、低融点のNd合金に、さらにBを加え、拡散浸透時に、粒界相30中のNd及びFeと、改質材40中のBが反応する。その結果、図4に示したように、拡散浸透後の希土類磁石50中で、新たな主相25が生成する。これにより、粒界相30が、さらにNdリッチになり保磁力が向上するだけでなく、新たな主相25が生成して残留磁化も向上する。
上述したように、本開示の希土類磁石の製造方法では、焼結体の熱間塑性加工時の割れを防止するため、焼結体中のBの含有割合を低減している。このことから、熱間塑性加工体10のBの含有割合は低減されており、熱間塑性加工体10中の主相20の体積率が低下している。しかし、熱間塑性加工体10の内部に、改質材40の融液を拡散浸透し、新たな主相25の生成することによって、拡散浸透後の希土類磁石50においては、拡散浸透前の熱間塑性加工体10での残留磁化の低下を補償することができる。
これまで説明した知見に基づく、本開示の希土類磁石の製造方法の構成要件を次に説明する。
《希土類磁石の製造方法》
本開示の希土類磁石の製造方法は、焼結体準備、熱間塑性加工、改質材準備、及び拡散浸透の各工程を含む。以下、それぞれについて説明する。
〈焼結体準備〉
モル比での全体組成が、式R (100-x-y-z) で表される焼結体を準備する。本開示の希土類磁石の製造方法で得られる成果物(希土類磁石)の組成は、この焼結体の組成と実質的に同一である。
上式において、Rは、Nd、Ce、La、Pr、Gd、Tb、Dy、及びHoからなる群より選ばれる一種以上の元素である。Ndはネオジム、Ceはセリウム、Laはランタン、Prはプラセオジム、Gdはガドリニウム、Tbはテルビウム、Dyはジスプロシウム、そして、Hoはホルミウムである。Tは、Fe及びCoからなる群より選ばれる一種以上の元素である。Feは鉄、そして、Coはコバルトである。Bはホウ素である。Mは、Ga、Al、Cu、Au、Ag、Zn、In、及びMnからなる群より選ばれる一種以上の元素並びに不可避的不純物元素である。Gaはガリウム、Alはアルミニウム、Cuは銅、Auは金、Agは銀、Znは亜鉛、Inはインジウム、そして、Mnはマンガンである。
本明細書において、特に断りのない限り、希土類元素は、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、及びLuの17元素からなる。
上式で、Rはxモル、Tは(100-x-y-z)モル、Bがyモル、そして、Mがzモル部であるため、これらの合計は、xモル+(100-x-y-z)モル+yモル+zモル=100モルである。
本開示の希土類磁石の製造方法に用いる焼結体は、主相及び粒界相を備える。粒界相は、主相の周囲に存在する。焼結体の全体組成とは、主相と粒界相を含め、焼結体中の全ての相の合計組成である。
主相はRFe14B型の結晶構造を有する。また、主相は、焼結体を熱間塑性加工することによって得られる熱間塑性加工体に異方性を付与することができる粒径を有する。典型的には、主相はナノ結晶化されている。本明細書において、「主相がナノ結晶化されている」とは、主相の粒径が、0.05μm以上、0.10μm以上、0.20μm以上、0.30μm以上、0.40μm以上、又は0.50μm以上であり、かつ、0.90μm以下、0.80μm以下、0.70μm以下、又は0.60μm以下であることを意味する。
粒径は、例えば、次のようにして算出されたメジアン径である。走査型電子顕微鏡像又は透過型電子顕微鏡像で、磁化容易軸の垂直方向から観察した一定領域を規定し、この一定領域内に存在する主相に対して磁化容易軸と垂直方向に複数の線を引き、主相の粒子内で交わった点と点の距離から主相の径(長さ)を算出する(切断法)。主相の断面が円に近い場合は、投影面積円相当径で換算する。主相の断面が長方形に近い場合は、直方体近似で換算する。このようにして得られた径(長さ)の分布(粒度分布)のD50の値が、メジアン径である。
本開示の希土類磁石の製造方法に用いる焼結体の構成元素について、次に説明する。
〈R
は、本開示の希土類磁石の製造方法に用いる焼結体において、必須の成分である。上述したように、Rは、Nd、Ce、La、Pr、Gd、Tb、Dy、及びHoからなる群より選ばれる一種以上の元素である。Rは、希土類元素のうち、T及びBとともに、RFe14B型の結晶構造を有する相を形成し易い元素である。RFe14B型の結晶構造を有する相の形成のし易さ、及び残留磁化の高さの観点から、Rは、Nd及びPrからなる群より選ばれる一種以上の元素であることが好ましい。また、Rとして、Nd及びPrが共存する場合、ジジミウムを用いてもよい。
焼結体中のRの含有割合は、上式中、xで表される。xの値は、焼結体全体に対してのモル比であり、原子%に相当する。xの値が12.0以上であれば、焼結体中でα-Fe相が生成されるのを抑制することができ、かつ、粒界相をRリッチ相にすることができる。この観点からは、xの値は、13.0以上、14.0以上、又は15.0以上であってもよい。一方、xの値が20.0以下であれば、Rリッチ相(粒界相)の体積率が過剰になり、その結果、主相の体積率が低下して、残留磁化の低下を招くことを抑制することができる。この観点からは、xの値は、19.0以下、18.0以下、17.0以下、又は16.0以下であってもよい。
〈T〉
Tは、本開示の希土類磁石の製造方法に用いる焼結体において、必須の成分である。上述したように、Tは、Fe及びCoからなる群より選ばれる一種以上の元素である。Tは、典型的には、Feであるが、耐食性及びキュリー点の向上の観点から、Feの一部をCoで置換してもよい。Coの置換率(T全体に対するCoの割合)は、モル%で、2%以上、3%以上、4%以上、又は5%以上であってよく、30以下、20%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、又は6%以下であってよい。
焼結体中のTの含有割合は、上式中、(100-x-y-z)で表される。(100-x-y-z)の値は、焼結体全体に対してのモル比であり、原子%に相当する。また、焼結体中のTの含有割合は、焼結体中で、R、B、及びMの残部である。R、B、及びMの含有割合がx、y、及びzの値であれば、所望の焼結体を得ることができる。y及びzについては後述する。
〈B〉
Bは、本開示の希土類磁石の製造方法に用いる焼結体において、必須の成分である。Bは、R及びTとともに、RFe14B型の結晶構造を有する相(主相)を形成し、磁化の発現に寄与するが、Bの含有が過剰であると、焼結体を熱間塑性加工するときに割れを生じやすくなる。
焼結体中のBの含有割合は、上式中、yで表される。yの値は、焼結体全体に対してのモル比であり、原子%に相当する。yの値が5.00以上であれば、所望の残留磁化を得るのに必要な主相の体積率を確保することができる。この観点からは、yの値は、5.10以上、5.20以上、5.30以上、又は5.40であってもよい。yの値が5.88以下であれば、焼結体を熱間塑性加工したときの割れの発生を抑制することができる。この観点からは、yの値は、5.80以下、5.70以下、5.60以下、5.50以下、又は5.48以下であってもよい。
〈M
は、本開示の希土類磁石の製造方法の効果、及び成果物の特性を損なわない範囲で含有することができる。Mには不可避的不純物元素を含んでよい。本明細書において、不可避的不純物元素とは、焼結体の原材料に含まれる不純物元素、あるいは、製造工程で混入してしまう不純物元素等、その含有を回避することが避けられない、あるいは、回避するためには著しい製造コストの上昇を招くような不純物元素のことをいう。製造工程で混入してしまう不純物元素等には、製造上の都合により、磁気特性に影響を与えない範囲で含有させる元素を含む。また、不可避的不純物元素には、Rとして選択される希土類元素以外であって、上述したような理由等で不可避的に混入する希土類元素を含む。
本開示の希土類磁石の製造方法の効果、及び成果物の特性を損なわない範囲で含有することができる元素としては、Ga、Al、Cu、Au、Ag、Zn、In、及びMnからなる群より選ばれる一種以上の元素である。これらの元素が、Mの含有量の上限以下で存在する限りにおいて、これらの元素は、本開示の希土類磁石の製造方法の効果、及び成果物の特性に、実質的に悪影響を与えない。そのため、これらの元素は、不可避的不純物元素と同等に扱ってもよい。また、これらの元素以外にも、Mとして、不可避的不純物元素を含有してもよい。
焼結体中のMの含有割合は、上式中、zで表される。zの値は、焼結体全体に対してのモル比であり、原子%に相当する。zの値が、2.0以下であれば、本開示の希土類磁石の製造方法の効果、及び成果物の特性に、実質的に影響を与えない。この観点からは、zの値は、1.5以下、1.0以下、0.5以下、又は0.47以下であってよい。
として、Ga、Al、Cu、Au、Ag、Zn、In、及びMnからなる群より選ばれる一種以上の元素並びに不可避的不純物元素を皆無にすることは非常に困難であるため、zの値の下限は、0.05、0.1、又は0.2であっても、実用上問題はない。
これまで説明してきた組織(主相及び粒界相)及び組成を有する焼結体の製造方法について、次に説明する。
〈焼結体の製造方法〉
上述の組織(主相及び粒界相)及び組成を得ることができれば、焼結体の製造方法に特に制限はない。焼結体の製造方法としては、典型的には、通常の熱間塑性加工磁石の製造方法で用いる焼結体の製造方法を適用することができる。このような焼結体の製造方法として、特許文献1を参照してもよい。
焼結体の製造方法の一例を概説すると、次のとおりである。
焼結体の組成と同一の組成を有する溶湯を準備する。本開示の希土類磁石の製造方法の各工程等で、特定の元素の減耗等がある場合は、その減耗分を見込んで溶湯の組成を決定してもよい。準備した溶湯を、例えば、5×10~5×10℃/秒の速度で冷却(超急冷)する。これにより、ナノ結晶化された主相を有する磁性薄帯を得ることができる。溶湯の冷却方法は、ナノ結晶化された主相を有する磁性薄帯が得られれば特に制限はなく、典型的には、例えば、液体急冷法が挙げられる。溶湯及び磁性薄帯の酸化を抑制するため、不活性ガス雰囲気中で溶湯を冷却することが好ましい。不活性ガス雰囲気には、窒素ガス雰囲気を含む。
磁性薄帯を加圧焼結する。加圧焼結の前に、磁性薄帯を粉砕し、磁性粉末を得て、磁性粉末を加圧焼結してもよい。加圧焼結は、通常の焼結磁石の製造方法で適用されている無加圧焼結と比較して、低温及び短時間で焼結することができるため、ナノ結晶化された主相を粗大化することを回避して、焼結体を得ることができる。
加圧焼結温度は、例えば、550℃以上、570℃以上、又は590℃以上であってよく、750℃以下、700℃以下、650℃以下、又は600℃以下であってよい。加圧焼結圧力は、例えば、50MPa以上、100MPa以上、200MPa以上、300MPa以上、又は350MPa以上であってよく、600MPa以下、500MPa以下、450MPa以下、又は400MPa以下であってよい。加圧焼結時間は、例えば、60秒以上、120秒以上、180秒以上、又は240秒以上であってよく、1800秒以下、1200秒以下、600秒以下、又は300秒以下であってよい。磁性薄帯の酸化を抑制するため、不活性ガス雰囲気中で加圧焼結することが好ましい。不活性ガス雰囲気には、窒素ガス雰囲気を含む。
〈熱間塑性加工〉
焼結体を熱間塑性加工して、異方性を付与した熱間塑性加工体を得る。異方性を付与した熱間塑性加工体を得ることができれば、熱間塑性加工方法に、特に制限はない。焼結体の熱間塑性加工方法としては、典型的には、通常の熱間塑性加工磁石の製造方法で用いる焼結体の熱間塑性加工方法を適用することができる。このような熱間塑性加工方法として、特許文献1を参照してもよい。
熱間塑性加工方法としては、例えば、据込み加工及び後方押出し加工等が挙げられ、これらを組み合わせてもよい。
熱間塑性加工温度は、ナノ結晶化された主相が粗大化しない温度を適宜選択すればよい。熱間塑性加工温度は、例えば、700℃以上、720℃以上、740℃以上、又は760℃以上であってよく、800℃以下、790℃以下、又は780℃以下であってよい。圧下率は、割れが発生せず、かつ、異方性を付与できる圧下率を適宜選択すればよい。圧下率は、例えば、50%以上、55%以上、60%以上、又は65%以上であってよく、75%以下、72%以下、又は70%以下であってよい。歪速度は、割れに影響するだけでなく、熱間塑性加工に供する時間に影響し、熱間塑性加工に供する時間が過剰に長いと、ナノ結晶化された主相が粗大化する可能性がある。歪速度は、例えば、0.001/s以上、0.005/s以上、又は0.01/s以上であってよく、1/s以下、0.5/s以下、0.1/s以下、0.05/s以下、又は0.03/s以下であってよい。
焼結体の酸化を抑制するため、不活性ガス雰囲気中で焼結体を熱間塑性加工することが好ましい。不活性ガス雰囲気には、窒素ガス雰囲気を含む。
〈改質材準備〉
モル比で組成が、式R Fe(100-s-t-u) で表される組成を有する改質材を準備する。改質材は、熱間塑性加工体の粒界相を通じて、熱間塑性加工内の内部に拡散浸透して、保磁力及び残留磁化の向上に寄与する。
本開示の希土類磁石の製造方法に用いる改質材の構成元素について、次に説明する。
〈R
は、本開示の希土類磁石の製造方法に用いる改質材において、必須の成分である。Rは、Nd、Ce、La、Pr、Gd、Tb、Dy、及びHoからなる群より選ばれる一種以上の元素である。本開示の希土類磁石の製造方法では、改質材は、主相同士の磁気分断に寄与するだけでなく、拡散浸透中に、新たな主相の生成することにも寄与するため、希土類元素のうち、RFe14B型の結晶構造を有する相を形成し易く、残留磁化が高くなる元素が選択される。この観点からは、Rとしては、Nd、Ce、La、Pr、Gd、Tb、Dy、及びHoからなる群より選ばれる一種以上の元素が好ましく、Nd及びPrからなる群より選ばれる一種以上の元素が特に好ましい。
改質材中のRの含有割合は、上式中、sで表される。sの値は、改質材全体に対してのモル比であり、原子%に相当する。sの値が、50以上、55以上、60以上、65以上、又は70以上であり、かつ、80以下、78以下、又は75以下であればよい。これにより、改質材中に適量のM、任意でFeを含有でき、改質材の融点が低下して、ナノ結晶化された主相の粗大化を抑制できる温度で、改質材を拡散浸透できる。
〈Fe〉
Feは、本開示の希土類磁石の製造方法に用いる改質材において、任意の成分である。本開示の希土類磁石の製造方法では、Bを含有する改質材を用いる。そのため、改質材を製造する際の原材料として、B単独よりも、Fe-B合金を用いた方が、改質材を製造し易い。また、改質材中のFeは、改質材の拡散浸透の際に、新たな主相の生成に寄与することができるため好都合である。このことから、改質材は、任意でFeを含有することができる。なお、Fe-B合金としては、例えば、40~50%のBを含有し、残部がFe及び不可避的不純物元素である合金等が挙げられる。このような合金は、FeB及びFeBの少なくともいずれかを含有する。
改質材中のFeの含有割合は、上式中、(100-s-t-u)で表される。(100-s-t-u)の値は、改質材全体に対してのモル比であり、原子%に相当する。また、改質材中のFeの含有割合は、改質材中で、R、B、及びMの残部であり、s+t+uは0を超えることはなく、s+t+u=0はFeを含有しないことを意味する。
〈B〉
Bは、本開示の希土類磁石の製造方法に用いる改質材において、必須の成分である。焼結体の熱間塑性加工時の割れの発生を低減するため、焼結体中のBの含有割合は低減されており、粒界相中のBは不足している。そのため、Bを含有する改質材を用いて、新たな主相(RFe14B型の結晶構造を有する相)を生成する。
改質材中のBの含有割合は、上式中、tで表される。tの値は、改質材全体に対してのモル比であり、原子%に相当する。tの値が2以上であれば、新たな主相の生成に関し、残留磁化の向上が実質的に認識される程度になる。この観点からは、tの値は、3以上、4以上、5以上、5.48以上、又は6以上であってもよい。一方、tの値が20以下であれば、改質材の拡散浸透後に、希土類磁石の脆化が問題となることはない。この観点からは、tの値は、18以下、16以下、14以下、12以下、10以下、9以下、8以下、又は7以下であってもよい。
〈M
は、本開示の希土類磁石の製造方法に用いる改質材において、必須の成分である。Mは、Ga、Al、Cu、Au、Ag、Zn、In、及びMnからなる群より選ばれる一種以上の元素並びに不可避的不純物元素である。Mが改質材中で適量含有することによって、改質材の融点が低下し、ナノ結晶化された主相を粗大化することなく、改質材を熱間塑性加工体の内部に拡散浸透することができる。改質材の融点が低下する、そして、改質材の拡散浸透後の希土類磁石の磁気特性に悪影響を及ぼし難い観点からは、Mは、Cu、Al、及びGaからなる群より選ばれる一種以上の元素が好ましく、Cuが特に好ましい。
には不可避的不純物元素を含んでよい。本明細書において、不可避的不純物元素とは、改質材の原材料に含まれる不純物元素、あるいは、製造工程で混入してしまう不純物元素等、その含有を回避することが避けられない、あるいは、回避するためには著しい製造コストの上昇を招くような不純物元素のことをいう。製造工程で混入してしまう不純物元素等には、製造上の都合により、磁気特性に影響を与えない範囲で含有させる元素を含む。また、不可避的不純物元素には、Rとして選択される希土類元素以外であって、上述したような理由で不可避的に混入する希土類元素を含む。
改質材中のMの含有割合は、上式中、uで表される。uの値は、改質材全体に対してのモル比であり、原子%に相当する。uの値が、10以上、15以上、20以上、又は25以上であれば、ナノ結晶化された主相を粗大化することなく、改質材を拡散浸透することができる。uの値が40以下であれば、拡散浸透後の粒界相にMが残留しても、拡散浸透後の熱間塑性加工体(希土類磁石)の磁気特性に実質的な悪影響を及ぼすことはない。この観点からは、uの値は、38以下、36以下、34以下、32以下、又は30以下であってもよい。
これまで説明してきた組成を有する改質材の製造方法について、次に説明する。
〈改質材の製造方法〉
上述の組成を得ることができれば、改質材の製造方法に特に制限はない。改質材の製造方法の一例を、次に説明する。
改質材の組成を有する溶湯から、液体急冷法又はストリップキャスト法等を用いて薄帯及び/又は薄片等を得る方法が挙げられる。この方法では、溶湯が急冷されるため、改質材中に偏析が少なく、好ましい。また、改質材準備の方法としては、例えば、ブックモールド等の鋳型に、改質材の組成を有する溶湯を鋳造することが挙げられる。この方法では、比較的簡便に多量の改質材を得られる。改質材の偏析を少なくするためには、ブックモールドは、熱伝導率の高い材料で造られていることが好ましい。また、鋳造材を均一化熱処理して、偏析を抑制することが好ましい。さらに、改質材準備の方法としては、容器に改質材の原材料を装入し、その容器中で原材料をアーク溶解して、その溶融物を冷却して鋳塊を得る方法が挙げられる。この方法では、原材料の融点が高い場合でも、比較的容易に改質材を得ることができる。改質材の偏析を少なくする観点から、鋳塊を均一化熱処理することが好ましい。
〈拡散浸透〉
100モルの熱間塑性加工体に対して、vモル(2.0≦v≦20.0)の改質材を、熱間塑性加工体の内部に拡散浸透させる。改質材は、熱間塑性加工体の粒界相を通じて拡散浸透する。改質材の拡散浸透中に、粒界相中のR及びFeと、改質材中のBとが反応して、新たな主相を形成する。改質材中がFeを含有する場合には、改質材中のFeも、新たな主相の生成に寄与する。また、改質材中のRも、新たな主相の生成に寄与する。
vの値が2.0以上であれば、保磁力及び残留磁化の向上が実質的に認識できるようになる。この観点からは、vの値は、2.5以上、3.0以上、4.0以上、又は5.0以上であってもよい。一方、新たな主相の生成には上限があり、その上限を超えると、改質材の拡散浸透は、残留磁化の低下につながる。vの値が20.0以下であれば、改質材を過剰に拡散浸透することはない。この観点からは、vの値は、18.0以下、16.0以下、14.0以下、12.0以下、10.0以下、8.0以下、6.0以下、又は5.9以下であってもよい。
改質材の拡散浸透方法に特に制限はない。改質材の拡散浸透方法の一例を、次に説明する。
熱間塑性加工体に改質材を接触させて接触体を得て、その接触体を加熱して、改質材の融液を熱間塑性加工体の内部に拡散浸透する。接触体の態様としては、焼結体にストリップキャスト法で得た薄帯及び/又は薄片の改質材を接触させた態様、あるいは、ストリップキャスト材、ブックモールド材、及び/又はアーク溶解凝固材を粉砕した改質材粉末を焼結体に接触させる態様等が挙げられる。
接触体の加熱温度(拡散浸透温度)は、例えば、580℃以上、600℃以上、620℃以上、640℃以上、660℃以上、又は680℃以上であってよく、800℃以下、780℃以下、760℃以下、740℃以下、720℃以下、又は700℃以下であってよい。接触体の加熱時間(拡散浸透時間)は、例えば、15分以上、30分以上、60分以上、90分以上、120分以上、又は150分以上であってよく、200分以下、180分以下、又は165分以下であってよい。接触体の酸化を抑制するため、不活性ガス雰囲気中で改質材を拡散浸透することが好ましい。不活性ガス雰囲気には、窒素ガス雰囲気を含む。
〈変形〉
これまで説明してきたこと以外でも、本開示の希土類磁石の製造方法は、特許請求の範囲に記載した内容の範囲内で種々の変形を加えることができる。例えば、上述の拡散浸透の前又は後、あるいは前後両方で、Bを含有しない改質材を、さらに拡散浸透してもよい。これにより、主相同士の磁気分断が不充分な場合に、保磁力を一層向上することができる。
以下、本開示の希土類磁石の製造方法を実施例及び比較例により、さらに具体的に説明する。なお、本開示の希土類磁石の製造方法は、以下の実施例で用いた条件に限定されない。
《試料の準備》
次の要領で各試料を準備した。
〈実施例1〉
モル比での全体組成がNd13.68Pr0.14FebalCo4.475.48Ga0.47で表される組成を有する焼結体を準備した。焼結体を準備するに際し、焼結体と実質的に同一の組成を有する溶湯を超急冷し、磁性薄帯を得た。磁性薄帯中の主相の粒径はおおよそ50nmであり、ナノ結晶化されていた。そして、磁性薄帯を無加圧焼結して焼結体を得た。加圧焼結温度は600℃、加圧焼結圧力は400MPa、そして、加圧焼結時間は300秒であった。
このようにして得た焼結体を熱間塑性加工した。熱間塑性加工温度は780℃、圧下率は70%、そして、歪速度は0.03/sであった。熱間塑性加工体中の主相は粗大化していないことを確認した。
モル比での組成がNd70Fe10Cu15で表される改質材を準備した。改質材の製造に際しては、Nd及びCuの他に、52.5原子%Fe-47.5原子%B合金を用いた。そして、100モルの熱間塑性加工体に、5モルの改質材を拡散浸透した。拡散浸透温度は700℃、そして、拡散浸透時間は165分であった。
〈実施例2〉
100モルの熱間塑性加工体に、10モルの改質材を拡散浸透したこと以外、実施例1と同様にして、実施例2の試料を準備した。
〈比較例1〉
モル比での全体組成がNd12.81Pr0.18Febal5.98Ga0.37Cu0.11Al0.19で表される組成を有する焼結体を準備したこと、改質材を拡散浸透したかったこと以外、実施例1と同様にして、比較例1の試料を準備した。
〈比較例2〉
改質材を拡散浸透しなかったこと以外、実施例1と同様にして、比較例2の試料を準備した。
〈比較例3〉
モル比での組成がNd70Cu30で表される改質材を準備したこと以外、実施例1の試料と同様にして、比較例3の試料を準備した。
〈比較例4〉
モル比での組成がNd70Cu30で表される改質材を準備したこと以外、実施例2の試料と同様にして、比較例3の試料を準備した。
《評価》
振動試料型磁力計(VSM:Vibrating Sample Magnetometer)を用いて、得られた試料の磁気特性を室温で測定した。測定の際に印加した磁場の最大値は、1900kA/mであった。
結果を表1-1及び表1-2に示す。表1-1及び表1-2には、各試料の準備条件等を併記した。また、実施例1~2及び比較例2~4の試料について、改質材の拡散浸透量と残留磁化の関係を図5に示した。
Figure 2022093885000002
Figure 2022093885000003
比較例1及び2から、焼結体のBの含有割合が高いと、焼結体の熱間加工時に割れが生じ易いことを理解できる。また、比較例1及び2から、Bの含有割合が高い熱間塑性加工体の残留磁化は低いことを理解できる。一方、実施例1及び実施例2それぞれは、比較例3及び比較例4それぞれと比較して、残留磁化が向上しており、割れの発生を低減のために、熱間塑性加工体のBの含有割合を低減したことによる残留磁化の低下を補っていること理解できる。このことから、実施例1及び2の試料では、残留磁化と保磁力を実質的に維持しつつ、焼結体の熱間塑性加工時の割れの発生を抑制していることを理解できる。
以上の結果から、本開示の希土類磁石の製造方法の効果を確認できた。
10 熱間塑性加工体
20 主相
25 新たな主相
30 粒界相
40 改質材
50 希土類磁石

Claims (1)

  1. 主相及び前記主相の周囲に存在する粒界相を備え、モル比での全体組成が、式R (100-x-y-z) (ただし、Rは、Nd、Ce、La、Pr、Gd、Tb、Dy、及びHoからなる群より選ばれる一種以上の元素であり、Tは、Fe及びCoからなる群より選ばれる一種以上の元素であり、Mは、Ga、Al、Cu、Au、Ag、Zn、In、及びMnからなる群より選ばれる一種以上の元素並びに不可避的不純物元素であり、かつ、12.0≦x≦20.0、5.00≦y≦5.88、及び0≦z≦2.0である。)で表され、前記主相がRFe14B型(ただし、Rは希土類元素である。)の結晶構造を有する焼結体を準備すること、
    前記焼結体を熱間塑性加工して、異方性を付与した熱間塑性加工体を得ること、
    モル比での式R Fe(100-s-t-u) (ただし、Rは、Nd、Ce、La、Pr、Gd、Tb、Dy、及びHoからなる群より選ばれる一種以上の元素であり、Mは、Ga、Al、Cu、Au、Ag、Zn、In、及びMnからなる群より選ばれる一種以上の元素並びに不可避的不純物元素であり、かつ、50≦s≦80、2≦t≦20、及び10≦u≦40である。)で表される組成を有する改質材を準備すること、及び、
    100モルの前記熱間塑性加工体に対して、vモル(2.0≦v≦20.0)の前記改質材を、前記熱間塑性加工体の内部に拡散浸透させること、
    を含む、
    希土類磁石の製造方法。
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