JP2022093873A - 塗料用動物忌避組成物及び動物の忌避方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】チアゾリン類化合物を有効成分として含む動物忌避剤の活性を損なうことなく、長期間に亘って動物忌避剤を放散することが可能な塗料用動物忌避組成物、及び該塗料用動物忌避組成物を対象物に塗布する動物の忌避方法の提供。【解決手段】2-メチルチアゾール、2-エチルチアゾール、2-ブロモチアゾール、4-メチルチアゾール、及び2,4-ジメチルチアゾールの群、2-メチル-2-チアゾリン、2-メチルチオ-2-チアゾリン、4-メチル-2-チアゾリン、2,4-ジメチル-2-チアゾリン、及び2,2-ジメチルチアゾリジンの群、及びチオモルホリンから選択される少なくとも1種の動物忌避剤と、シェラックとを含有する塗料用動物忌避組成物である。【選択図】なし
Description
本発明は、塗料用動物忌避組成物及び動物の忌避方法に関する。
従来より、野生動物は、様々な産業において多大な損害をもたらすことが知られている。野生動物の中でも、ネズミは、野菜、大豆、稲等への食害、穀物倉庫での食害、若木、樹皮等の食害、伝染病の媒介等によって、農業、林業、畜産業等に深刻な被害を与え続けている。例えば、農林水産省の疫学調査によれば、豚コレラ発生の要因としてネズミが農場間又は野生動物からのウイルスの媒介に関与していることが挙げられており、豚コレラの伝染への予防策が喫緊の課題となっている。
また、ネズミはレストラン等の商業施設において食中毒を媒介し、電線を齧って停電及び機械類の故障を発生させる点でも大きな問題を引き起こし、一次産業に限らず深刻な被害をもたらしている。しかし、ネズミを含む野生動物に対する有効な忌避技術については、現在までのところ十分なものが開発されていない。現在市販されているネズミ忌避剤としては、ワサビの匂い、ハーブの匂い等を効果物質としているが、いずれも忌避効果が弱く、匂いを繰り返し嗅いだ後に馴化してしまうという問題点がある。
近年、従来の忌避剤の問題点を克服するために、チアゾリン類化合物に基づく、強力かつ馴化しない新たな忌避剤の開発が進められている(例えば、特許文献1及び非特許文献1参照)。動物の嗅覚には、進化の過程で種にとって危険であると認識された対象(例えば、小動物及び草食動物にとっての捕食者)に由来する匂いを受容する特別な嗅覚システムが備わっている。前記チアゾリン類化合物は、この特別な嗅覚システムに受容される匂い分子であり、ネズミ、モグラ、ウサギ、シカ等の小動物、及び草食動物に対して極めて強力な忌避効果を示す上に、繰り返し嗅がせても馴化が全く起こらないという優れた性質を有している(例えば、特許文献1参照)。
Kobayakawa,K.,et al.,Nature,2007,450(7169):503-508.
前記チアゾリン類化合物は馴化が起こらないという優れた性質を有しており、強力かつ馴化しない新たな忌避剤として高い期待が寄せられている。しかし、前記チアゾリン類化合物は揮発性が高く、空気に触れる条件では変性し易いという性質を有することが、長期使用する上で弱点となっている。また、高い揮発性と変性し易い性質は、製剤化のための熱加工及び徐放技術を適用する上でも障害となっている。それ故、前記チアゾリン類化合物の活性を損なうことなく、その忌避効果を長期間に亘って持続させる新たな技術が必要とされている。
一方、野生動物に対する忌避剤は、屋内又は野外において長期的に使用することが必要とされる。代表的な忌避剤の製剤形態には、設置型(芳香剤タイプ)、シート型、又は噴霧型がある。前記設置型及び前記シート型は、効果を有する範囲が風向きによって変わってしまう傾向がある。そのため、天候及び風向きの影響を受けずに安定的に効果を発揮するという観点から、保護したい対象に対して直接塗布することができる噴霧型の忌避剤が好ましいといえる。
このような噴霧型の忌避剤としては、多硫化カルシウム(CaSx)を主成分とし、5硫化カルシウム(CaS5)を薬効成分とする、石灰硫黄合剤等の防除剤が果樹等の生産現場において広範囲に使用されている。前記石灰硫黄合剤は、その使用の際に水等で希釈して使用するが、その展着性を向上させる目的で展着剤等を併用しても、果樹等の対象物への噴霧直後に降雨があると薬剤が流失してしまう。また、前記硫黄化合物に起因する臭気も塗布後数日間で消失してしまい、その効果の持続性に課題があるのが現状である。
このような噴霧型の忌避剤としては、多硫化カルシウム(CaSx)を主成分とし、5硫化カルシウム(CaS5)を薬効成分とする、石灰硫黄合剤等の防除剤が果樹等の生産現場において広範囲に使用されている。前記石灰硫黄合剤は、その使用の際に水等で希釈して使用するが、その展着性を向上させる目的で展着剤等を併用しても、果樹等の対象物への噴霧直後に降雨があると薬剤が流失してしまう。また、前記硫黄化合物に起因する臭気も塗布後数日間で消失してしまい、その効果の持続性に課題があるのが現状である。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、チアゾリン類化合物を有効成分として含む動物忌避剤の活性を損なうことなく、長期間に亘って動物忌避剤を放散することが可能な塗料用動物忌避組成物及び該塗料用動物忌避組成物を対象物に塗布する動物の忌避方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 下記一般式(I)から(VI)で示される化合物から選択される少なくとも1種の動物忌避剤と、シェラックとを含有することを特徴とする塗料用動物忌避組成物である。
ただし、前記一般式(I)から(VI)中、R1、R2、及びR3はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、又は炭素数1~5のアルキルチオ基を示す。
<2> 前記一般式(I)で示される化合物が、2-メチルチアゾール、2-エチルチアゾール、2-ブロモチアゾール、4-メチルチアゾール、及び2,4-ジメチルチアゾールのいずれかであり、
前記一般式(II)又は(III)で示される化合物が、2-メチル-2-チアゾリン、2-メチルチオ-2-チアゾリン、4-メチル-2-チアゾリン、2,4-ジメチル-2-チアゾリン、及び2,2-ジメチルチアゾリジンのいずれかであり、
前記一般式(IV)で示される化合物が、チオモルホリンである、前記<1>に記載の塗料用動物忌避組成物である。
<3> 液体である、前記<1>から<2>のいずれかに記載の塗料用動物忌避組成物である。
<4> 包接化合物を含有する、前記<1>から<3>のいずれかに記載の塗料用動物忌避組成物である。
<5> 前記包接化合物がシクロデキストリンである、前記<4>に記載の塗料用動物忌避組成物である。
<6> 前記動物忌避剤が徐放される、前記<4>から<5>のいずれかに記載の塗料用動物忌避組成物である。
<7> 前記<1>から<6>のいずれかに記載の塗料用動物忌避組成物を対象物に塗布する工程を含むことを特徴とする動物の忌避方法である。
<1> 下記一般式(I)から(VI)で示される化合物から選択される少なくとも1種の動物忌避剤と、シェラックとを含有することを特徴とする塗料用動物忌避組成物である。
<2> 前記一般式(I)で示される化合物が、2-メチルチアゾール、2-エチルチアゾール、2-ブロモチアゾール、4-メチルチアゾール、及び2,4-ジメチルチアゾールのいずれかであり、
前記一般式(II)又は(III)で示される化合物が、2-メチル-2-チアゾリン、2-メチルチオ-2-チアゾリン、4-メチル-2-チアゾリン、2,4-ジメチル-2-チアゾリン、及び2,2-ジメチルチアゾリジンのいずれかであり、
前記一般式(IV)で示される化合物が、チオモルホリンである、前記<1>に記載の塗料用動物忌避組成物である。
<3> 液体である、前記<1>から<2>のいずれかに記載の塗料用動物忌避組成物である。
<4> 包接化合物を含有する、前記<1>から<3>のいずれかに記載の塗料用動物忌避組成物である。
<5> 前記包接化合物がシクロデキストリンである、前記<4>に記載の塗料用動物忌避組成物である。
<6> 前記動物忌避剤が徐放される、前記<4>から<5>のいずれかに記載の塗料用動物忌避組成物である。
<7> 前記<1>から<6>のいずれかに記載の塗料用動物忌避組成物を対象物に塗布する工程を含むことを特徴とする動物の忌避方法である。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、
チアゾリン類化合物を有効成分として含む動物忌避剤の活性を損なうことなく、長期間に亘って動物忌避剤を放散することが可能な塗料用動物忌避組成物及び該塗料用動物忌避組成物を対象物に塗布する動物の忌避方法を提供することができる。
チアゾリン類化合物を有効成分として含む動物忌避剤の活性を損なうことなく、長期間に亘って動物忌避剤を放散することが可能な塗料用動物忌避組成物及び該塗料用動物忌避組成物を対象物に塗布する動物の忌避方法を提供することができる。
(塗料用動物忌避組成物)
本発明の塗料用動物忌避組成物は、動物忌避剤と、シェラックとを含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
前記塗料用動物忌避組成物によると、前記動物忌避剤を不活性化せずに長期徐放することができる。
本発明の塗料用動物忌避組成物は、動物忌避剤と、シェラックとを含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
前記塗料用動物忌避組成物によると、前記動物忌避剤を不活性化せずに長期徐放することができる。
本明細書において「徐放」とは、物質が空間中に徐々に放出されることをいう。本明細書では、特に匂い物質が空気中に徐々に放散されることをいう。具体的には、通常の条件下において匂い物質が放散される速度よりも遅い速度で、匂い物質が空気中に自然放散されることをいう。例えば、希釈されていない原液の匂い物質又は通常用いられる溶媒で希釈された匂い物質よりも遅い速度で、空気中に放散されることをいう。忌避性の匂い物質が徐放される場合、周囲の空間では長期間に亘って匂い分子が存在することから動物はその空間を忌避し得る。
本明細書において「長期徐放」における「長期」とは、通常の条件下で匂い物質が放散され続ける期間よりも長いことを意味する。具体的には、希釈されていない原液の匂い物質又は通常用いられる溶媒中に希釈された匂い物質が同一条件下で放散され続ける期間よりも長いことを意味する。具体的な期間は匂い物質の種類によって異なるが、例えば、1時間以上、2時間以上、3時間以上、6時間以上、半日間以上、1日間以上、2日間以上、3日間以上、1週間以上、2週間以上、1か月以上、2か月以上、3か月以上、4か月以上、5か月以上、6か月以上、1年以上、2年以上、3年以上、5年以上、又は10年以上の期間が該当する。
<動物忌避剤>
本明細書において、「動物忌避剤」が適用可能である「動物」の種類については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、農作物、森林、家畜又は人家に被害をもたらす有害動物全般が挙げられる。前記動物としては、例えば、ネズミ、モグラ、ウサギ、イタチ、シカ、イノシシ、サル、ネコ、クマなどが挙げられる。
本明細書において、「動物忌避剤」が適用可能である「動物」の種類については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、農作物、森林、家畜又は人家に被害をもたらす有害動物全般が挙げられる。前記動物としては、例えば、ネズミ、モグラ、ウサギ、イタチ、シカ、イノシシ、サル、ネコ、クマなどが挙げられる。
本明細書において「ネズミ」は、ネズミ目に属する動物であれば特に限定されない。前記ネズミ目には、ヤマアラシ亜目、ネズミ亜目、リス亜目などが含まれる。前記「ネズミ」としては、例えば、クマネズミ、ドブネズミ、ハツカネズミ、アカネズミ、ハタネズミ、タケネズミ、リス、ヤマアラシ、デグー、ヌートリアなどが挙げられる。
本明細書において「シカ」は、シカ科に属する動物である。前記「シカ」としては、例えば、エゾシカ、ホンシュウジカ、キュウシュウジカ、ヤクジカ等のニホンジカ、キョンなどが挙げられる。
本明細書において「シカ」は、シカ科に属する動物である。前記「シカ」としては、例えば、エゾシカ、ホンシュウジカ、キュウシュウジカ、ヤクジカ等のニホンジカ、キョンなどが挙げられる。
前記動物忌避剤は、チアゾリン類化合物を有効成分として含む。本明細書において「チアゾリン類化合物」は、チアゾリン環若しくはチアゾリジン環を有する化合物、又はチオモルホリン環を有する化合物を意味する。前記チアゾリン類化合物は、限定しないが、例えば、揮発性を有し、動物の嗅覚によって知覚され得る化合物、更にその結果、動物に対して忌避行動を誘発し得る化合物が好ましい。前記チアゾリン類化合物は、小動物や草食動物にとっての捕食者の尿に含まれる物質等を模した効果を有し、それ故、例えば、ネズミ、モグラ、ウサギ、シカ等の小動物又は草食動物に対して強力な忌避効果を示す。
本発明の塗料用動物忌避組成物に含まれる動物忌避剤は、以下の一般式(1)で示される複素環式化合物、鎖状スルフィド化合物及びアルキルイソチオシアネートから選択される少なくとも1種を有効成分として含有する。なお、前記一般式(1)で示される複素環式化合物には、その塩も含まれる。
上記一般式(1)の環Aは、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選択される少なくとも1個(好ましくは1~3個、より好ましくは1又は2個)のヘテロ原子を含む3~7員の複素環を示す。環Aは、窒素原子及び/又は硫黄原子を含む3~7員の複素環が好ましい。環Aは、窒素原子及び硫黄原子を含む3~7員の複素環が更に好ましい。環Aの員数は、3~6が好ましく、5又は6が更に好ましい。
前記複素環としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ピロール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピペラジン、ピロリジン、ヘキサヒドロピリダジン、イミダゾール、イミダゾリジン、ピペリジン、エチレンスルフィド、トリメチレンスルフィド、チオフェン、チオラン、テトラヒドロ-2H-チオピラン、チアゾリン(例えば、2-チアゾリン、3-チアゾリン、4-チアゾリン)、チアゾール、チアゾリジン、イソチアゾール、イソチアゾリン、チオモルホリン、チアジアゾリン、チアジアゾール、チアジアゾリジン、1,3-チアザン、5,6-ジヒドロ-4H-1,3-チアジン、フラン、2H-ピラン、4H-ピラン、オキサゾール、イソオキサゾール、モルホリン、オキサゾリンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、チアゾリン(例えば、2-チアゾリン)、チアゾール、チアゾリジン、イソチアゾール、イソチアゾリン、チオモルホリン、チアジアゾリン、チアジアゾール、チアジアゾリジン、1,3-チアザン、5,6-ジヒドロ-4H-1,3-チアジンが好ましく、チアゾリン(例えば、2-チアゾリン)、チアゾール、チアゾリジン、1,3-チアザン、5,6-ジヒドロ-4H-1,3-チアジン、チオモルホリンがより好ましい。
前記「ハロゲン原子」としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
前記「アルキル基」なる用語(基又は基の一部として用いられる場合)は指定された数の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示す。前記アルキル基としては、例えば、炭素数1~6のアルキル基が好ましく、炭素数1~4のアルキル基がより好ましい。前記炭素数1~6のアルキル基は1~6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖のアルキル基を意味する。
前記炭素数1~6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、1-メチルプロピル基、2-メチルプロピル基、tert-ブチル基、ペンチル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、1,1-ジメチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、1,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、ヘキシル基、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、1,1-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1-エチルブチル基、2-エチルブチル基又は1-エチル-2-メチルプロピル基などが挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1~4のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基が更に好ましく、メチル基が特に好ましい。
前記炭素数1~6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、1-メチルプロピル基、2-メチルプロピル基、tert-ブチル基、ペンチル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、1,1-ジメチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、1,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、ヘキシル基、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、1,1-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1-エチルブチル基、2-エチルブチル基又は1-エチル-2-メチルプロピル基などが挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1~4のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基が更に好ましく、メチル基が特に好ましい。
前記アルキル基は置換されていてもよく、置換基としては、例えば、ハロゲノ基などが挙げられる。前記ハロゲノ基としては、例えば、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基などが挙げられる。前記炭素数1~6のハロアルキル基は、1~5個のハロゲノ基で置換された炭素数1~6のアルキル基を意味し、ハロゲノ基が2個以上である場合の各ハロゲノ基の種類は、同一又は異なっていてもよい。
前記炭素数1~6のハロアルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロジフルオロメチル基、1-フルオロエチル基、2-フルオロエチル基、2-クロロエチル基、2-ブロモエチル基、1,1-ジフルオロエチル基、1,2-ジフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、1,1,2,2-テトラフルオロエチル基、1,1,2,2,2-ペンタフルオロエチル基、1-フルオロプロピル基、1,1-ジフルオロプロピル基、2,2-ジフルオロプロピル基、3-フルオロプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、4-フルオロブチル基、4,4,4-トリフルオロブチル基、5-フルオロペンチル基、5,5,5-トリフルオロペンチル基、6-フルオロヘキシル基、6,6,6-トリフルオロヘキシル基などが挙げられる。
前記炭素数1~6のハロアルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロジフルオロメチル基、1-フルオロエチル基、2-フルオロエチル基、2-クロロエチル基、2-ブロモエチル基、1,1-ジフルオロエチル基、1,2-ジフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、1,1,2,2-テトラフルオロエチル基、1,1,2,2,2-ペンタフルオロエチル基、1-フルオロプロピル基、1,1-ジフルオロプロピル基、2,2-ジフルオロプロピル基、3-フルオロプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、4-フルオロブチル基、4,4,4-トリフルオロブチル基、5-フルオロペンチル基、5,5,5-トリフルオロペンチル基、6-フルオロヘキシル基、6,6,6-トリフルオロヘキシル基などが挙げられる。
前記「アルコキシ基」なる用語(基又は基の一部として用いられる場合)は、指定された数の炭素原子を有する、-O(アルキル)基を示す。前記アルコキシ基としては、例えば、炭素数1~6のアルコキシ基が挙げられる。
前記炭素数1~6のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、1-メチルプロポキシ基、2-メチルプロポキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、1-メチルブトキシ基、2-メチルブトキシ基、3-メチルブトキシ基、1,1-ジメチルプロポキシ基、2,2-ジメチルプロポキシ基、1,2-ジメチルプロポキシ基、1-エチルプロポキシ基、ヘキシルオキシ基、1-メチルペンチルオキシ基、2-メチルペンチルオキシ基、3-メチルペンチルオキシ基、4-メチルペンチルオキシ基、1,1-ジメチルブトキシ基、2,2-ジメチルブトキシ基、3,3-ジメチルブトキシ基、1,2-ジメチルブトキシ基、1,3-ジメチルブトキシ基、2,3-ジメチルブトキシ基、1-エチルブトキシ基、2-エチルブトキシ基、1-エチル-2-メチルプロポキシ基などが挙げられる。
前記炭素数1~6のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、1-メチルプロポキシ基、2-メチルプロポキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、1-メチルブトキシ基、2-メチルブトキシ基、3-メチルブトキシ基、1,1-ジメチルプロポキシ基、2,2-ジメチルプロポキシ基、1,2-ジメチルプロポキシ基、1-エチルプロポキシ基、ヘキシルオキシ基、1-メチルペンチルオキシ基、2-メチルペンチルオキシ基、3-メチルペンチルオキシ基、4-メチルペンチルオキシ基、1,1-ジメチルブトキシ基、2,2-ジメチルブトキシ基、3,3-ジメチルブトキシ基、1,2-ジメチルブトキシ基、1,3-ジメチルブトキシ基、2,3-ジメチルブトキシ基、1-エチルブトキシ基、2-エチルブトキシ基、1-エチル-2-メチルプロポキシ基などが挙げられる。
前記アルコキシ基は置換されていてもよく、置換基としては、例えば、ハロゲノ基などが挙げられる。前記ハロゲノ基としては、上記アルキル基の置換基と同じ基が挙げられる。炭素数1~6のハロアルコキシ基は、1~5個のハロゲノ基で置換された炭素数1~6のアルコキシ基を意味し、ハロゲノ基が2個以上である場合の各ハロゲノ基の種類は、同一又は異なっていてもよい。
前記炭素数1~6のハロアルコキシ基としては、例えば、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、1-フルオロエトキシ基、2-フルオロエトキシ基、2-クロロエトキシ基、2-ブロモエトキシ基、1,1-ジフルオロエトキシ基、1,2-ジフルオロエトキシ基、2,2,2-トリフルオロエトキシ基、1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ基、1,1,2,2,2-ペンタフルオロエトキシ基、1-フルオロプロポキシ基、1,1-ジフルオロプロポキシ基、2,2-ジフルオロプロポキシ基、3-フルオロプロポキシ基、3,3,3-トリフルオロプロポキシ基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロポキシ基、4-フルオロブトキシ基、4,4,4-トリフルオロブトキシ基、5-フルオロペンチルオキシ基、5,5,5-トリフルオロペンチルオキシ基、6-フルオロヘキシルオキシ基、6,6,6-トリフルオロヘキシルオキシ基などが挙げられる。
前記炭素数1~6のハロアルコキシ基としては、例えば、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、1-フルオロエトキシ基、2-フルオロエトキシ基、2-クロロエトキシ基、2-ブロモエトキシ基、1,1-ジフルオロエトキシ基、1,2-ジフルオロエトキシ基、2,2,2-トリフルオロエトキシ基、1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ基、1,1,2,2,2-ペンタフルオロエトキシ基、1-フルオロプロポキシ基、1,1-ジフルオロプロポキシ基、2,2-ジフルオロプロポキシ基、3-フルオロプロポキシ基、3,3,3-トリフルオロプロポキシ基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロポキシ基、4-フルオロブトキシ基、4,4,4-トリフルオロブトキシ基、5-フルオロペンチルオキシ基、5,5,5-トリフルオロペンチルオキシ基、6-フルオロヘキシルオキシ基、6,6,6-トリフルオロヘキシルオキシ基などが挙げられる。
前記「アシル基」としては、例えば、ホルミル基、炭素数1~6のアルキル-カルボニル基などが挙げられる。前記炭素数1~6のアルキル-カルボニル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、ヘキサノイル基などが挙げられる。
前記「カルボキシル基」なる用語(基又は基の一部として用いられる場合)は、-COOH基を示す。前記カルボキシル基はエステル化されていてもよい。エステル化されていてもよいカルボキシル基の具体例としては、カルボキシル基、炭素数1~6のアルコキシカルボニル基などが挙げられる。前記炭素数1~6のアルコキシカルボニル基の炭素数1~6のアルコキシ部分は、置換されていてもよいアルコキシ基における炭素数1~6のアルコキシ基と同意義である。
前記「チオール基」なる用語(基又は基の一部として用いられる場合)は、-SH基を示す。前記チオール基は置換されていてもよく、置換基としては、例えば、炭素数1~6のアルキル基などが挙げられ、炭素数1~6のアルキル基は、置換されていてもよいアルキル基における炭素数1~6のアルキル基と同意義である。前記置換されていてもよいチオール基の具体例としては、チオール基、炭素数1~6のアルキルチオ基などが挙げられる。前記炭素数1~6のアルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基などが挙げられる。
前記「アミノ基」なる用語(基又は基の一部として用いられる場合)は、-NH2基を示す。前記アミノ基は1又は2個の置換基で置換されていてもよく、前記置換基としては、例えば、炭素数1~6のアルキル基、-COR5(ただし、式中、R5は水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を示す。)などが挙げられ、前記炭素数1~6のアルキル基は、置換されていてもよいアルキル基における炭素数1~6のアルキル基と同意義である。置換されていてもよいアミノ基の具体例としては、アミノ基、炭素数1~6のアルキルアミノ基、ジ(炭素数1~6のアルキル)アミノ基、-NR4COR5(ただし、式中、R4及びR5はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を示す。)などが挙げられる。前記炭素数1~6のアルキルアミノ基としては、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、1-メチルエチルアミノ基などが挙げられる。前記ジ(炭素数1~6のアルキル)アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、N-エチル-N-メチルアミノ基、ビス(1-メチルエチル)アミノ基などが挙げられる。
前記「オキソ」なる用語(基又は基の一部として用いられる場合)は、=O基を示す。
本発明の塗料用動物忌避組成物に含まれる動物忌避剤の有効成分として用いられる好適な複素環式化合物としては、例えば、チアゾール、2-メチルチアゾール、2-エチルチアゾール、2-ブロモチアゾール、4-メチルチアゾール、2-ホルミルチアゾール、2-アミノチアゾール、5-メチルチアゾール、2,4-ジメチルチアゾール、4,5-ジメチルチアゾール、2-チアゾリン、2-メチル-2-チアゾリン、2-エチル-2-チアゾリン、2-ブロモ-2-チアゾリン、2,4-ジメチル-2-チアゾリン、4-メチル-2-チアゾリン、2-メチルチオ-2-チアゾリン、2-メチル-4-エチル-2-チアゾリン、2-アミノ-2-チアゾリン、5-メチル-2-チアゾリン、4,5-ジメチル-2-チアゾリン、2,5-ジメチル-2-チアゾリン、2-メルカプト-2-チアゾリン、2-プロピル-2-チアゾリン、2-(1-メチルエチル)-2-チアゾリン、2-(1-メチルプロピル)-2-チアゾリン、チアゾリジン、2-メチルチアゾリジン、4-メチルチアゾリジン、5-メチルチアゾリジン、2,4-ジメチルチアゾリジン、2,2-ジメチルチアゾリジン、2,5-ジメチルチアゾリジン、4,5-ジメチルチアゾリジン、2,4,5-トリメチルチアゾリジン、1,3-チアザン、5,6-ジヒドロ-4H-1,3-チアジン、2-メチル-2-オキサゾリン、2-エチル-2-オキサゾリン、2-イソプロピル-2-オキサゾリン、2-プロピル-2-オキサゾリン、2,4,4-トリメチル-2-オキサゾリン、4,4-ジメチル-2-オキサゾリン、オキサゾール、チオフェン、チオラン(テトラヒドロチオフェン)、イミダゾール、チオモルホリン、モルホリン、イソブチレンスルフィドなどが挙げられる。
前記動物忌避剤の有効成分として用いられるチアゾリン類化合物としては、以下の一般式(I)~(VIII)で示される化合物から選択される化合物が挙げられる。これらの中でも、以下の一般式(I)~(VI)で示される化合物から選択される化合物が好ましい。なお、前記一般式(I)~(VIII)で示される化合物には、その塩も含まれる。
ここで、前記一般式(I)~(VIII)中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のハロアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数1~6のハロアルコキシ基、ホルミル基、炭素数1~6のアルキル-カルボニル基、カルボキシル基、炭素数1~6のアルコキシカルボニル基、チオール基、炭素数1~6のアルキルチオ基、アミノ基、炭素数1~6のアルキルアミノ基、ジ(炭素数1~6のアルキル)アミノ基、-NR4COR5又はオキソ基を示す。
R4及びR5はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を示す。但し、上記一般式(I)においてR1及びR2はオキソ基ではなく、上記一般式(II)、一般式(VII)及び一般式(V)においてR1はオキソ基ではなく、上記一般式(III)においてR1とR3が一緒になってオキソ基を形成してもよい。
R4及びR5はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を示す。但し、上記一般式(I)においてR1及びR2はオキソ基ではなく、上記一般式(II)、一般式(VII)及び一般式(V)においてR1はオキソ基ではなく、上記一般式(III)においてR1とR3が一緒になってオキソ基を形成してもよい。
上記一般式(I)~(VIII)で示される化合物の更に好ましい例としては、式中、R1、R2及びR3がそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数1~6のアルキルチオ基を示す化合物又はその塩が挙げられる。
前記複素環式化合物の別の好ましい態様としては、上記一般式(I)~(VIII)で表される複素環式化合物のうち、2位及び/又は4位、又は、2位及び/又は5位が置換されたチアゾール、チアゾリン、チアゾリジン、チオフェン、チオモルホリンなどが挙げられる。このような複素環式化合物は試薬として一般的に知られた物質が含まれ、市販のものを利用でき、また公知の方法により得ることができる。
前記複素環式化合物の別の好ましい態様としては、上記一般式(I)~(VIII)で表される複素環式化合物のうち、2位及び/又は4位、又は、2位及び/又は5位が置換されたチアゾール、チアゾリン、チアゾリジン、チオフェン、チオモルホリンなどが挙げられる。このような複素環式化合物は試薬として一般的に知られた物質が含まれ、市販のものを利用でき、また公知の方法により得ることができる。
上記一般式(I)、(II)、(III)、(VII)、又は(VIII)で示される化合物の好ましい例としては、式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のハロアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数1~6のハロアルコキシ基、ホルミル基、炭素数1~6のアルキル-カルボニル基、カルボキシル基、炭素数1~6のアルコキシカルボニル基、チオール基、炭素数1~6のアルキルチオ基、アミノ基、炭素数1~6のアルキルアミノ基、ジ(炭素数1~6のアルキル)アミノ基、-NR4COR5又はオキソ基を示し、R4及びR5はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を示す化合物若しくはその塩が挙げられる。ただし、上記一般式(I)においてR1及びR2はオキソ基ではなく、上記一般式(II)及び上記一般式(VII)においてR1はオキソ基ではなく、上記一般式(III)においてR1とR3が一緒になってオキソ基を形成してもよい。
上記一般式(I)、(II)、(III)、(VII)、又は(VIII)で示される化合物の更に好ましい例としては、式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、又は炭素数1~6のアルキルチオ基を示す化合物若しくはその塩が挙げられる。
上記一般式(I)~(III)で示される化合物の特に好ましい例としては、式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数1~6のアルキルチオ基を示す化合物若しくはその塩が挙げられる。
上記一般式(I)~(III)において、R1が水素原子、ハロゲン原子(例えば、臭素原子)、炭素数1~6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基)又は炭素数1~6のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ基)を示し、R2が水素原子又は炭素数1~6のアルキル基(例えば、メチル基)を示し、R3が水素原子又は炭素数1~6のアルキル基(例えば、メチル基)を示す化合物若しくはその塩がより好ましい。
上記一般式(I)~(III)において、R1、R2及びR3がそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1~6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基)を示す化合物若しくはその塩が更に好ましい。
上記一般式(I)~(III)で示される化合物の特に好ましい例としては、式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数1~6のアルキルチオ基を示す化合物若しくはその塩が挙げられる。
上記一般式(I)~(III)において、R1が水素原子、ハロゲン原子(例えば、臭素原子)、炭素数1~6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基)又は炭素数1~6のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ基)を示し、R2が水素原子又は炭素数1~6のアルキル基(例えば、メチル基)を示し、R3が水素原子又は炭素数1~6のアルキル基(例えば、メチル基)を示す化合物若しくはその塩がより好ましい。
上記一般式(I)~(III)において、R1、R2及びR3がそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1~6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基)を示す化合物若しくはその塩が更に好ましい。
本発明の塗料用動物忌避組成物に含まれる動物忌避剤の有効成分として用いられる複素環式化合物の他の好ましい態様としては、上記一般式(I)又は(II)において、式中、R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、ホルミル基、炭素数1~6のアルキル-カルボニル基、カルボキシル基、アミノ基、チオール基、炭素数1~6のハロアルキル基、炭素数1~6のアルキルアミノ基、ジ(炭素数1~6のアルキル)アミノ基、炭素数1~6のアルキルチオ基又は-NR4COR5を示す。また、上記一般式(II)の化合物においては、R2はオキソ基を示してもよく、R1及びR2のいずれかが水素原子である場合は他方は水素原子ではなく、R4及びR5はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を示す化合物若しくはその塩が挙げられる。
本発明の塗料用動物忌避組成物に含まれる動物忌避剤の有効成分として用いられる複素環式化合物の別の好ましい態様としては、上記一般式(I)~(VI)において、式中、R1は水素原子、ハロゲン原子(例えば、臭素原子)、炭素数1~6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基)又は炭素数1~6のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ基)を示す。R2は水素原子又は炭素数1~6のアルキル基(例えば、メチル基)を示す。R3は水素原子又は炭素数1~6のアルキル基(例えば、メチル基)を示す化合物若しくはその塩が挙げられる。
上記一般式(I)~(VI)において、R1、R2及びR3がそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1~6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基)である化合物若しくはその塩が更に好ましい。
上記一般式(I)~(VI)において、R1、R2及びR3がそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1~6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基)である化合物若しくはその塩が更に好ましい。
本発明の塗料用動物忌避組成物に含まれる動物忌避剤の有効成分として用いられる複素環式化合物の別の好ましい態様としては、上記一般式(I)又は(II)において、式中、R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1~6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基)を示し、R1及びR2のいずれかが水素原子である場合は他方は水素原子ではない化合物又はその塩が挙げられる。
本発明の塗料用動物忌避組成物に含まれる動物忌避剤の有効成分として用いられる複素環式化合物の別の好ましい態様としては、上記一般式(III)において、式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1~6のアルキル基(例えば、メチル基)を示す化合物若しくはその塩が挙げられる。
本発明の塗料用動物忌避組成物に含まれる動物忌避剤の有効成分として用いられる複素環式化合物の別の好ましい態様としては、上記一般式(V)において、式中、R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1~6のアルキル基(例えば、メチル基)を示す化合物若しくはその塩が挙げられる。
上記一般式(V)において、R1及びR2のいずれかが水素原子である場合は他方は水素原子ではない化合物又はその塩が更に好ましい。
本発明の塗料用動物忌避組成物に含まれる動物忌避剤の有効成分として用いられる複素環式化合物の別の好ましい態様としては、上記一般式(V)において、式中、R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1~6のアルキル基(例えば、メチル基)を示す化合物若しくはその塩が挙げられる。
上記一般式(V)において、R1及びR2のいずれかが水素原子である場合は他方は水素原子ではない化合物又はその塩が更に好ましい。
本発明の塗料用動物忌避組成物に含まれる動物忌避剤の有効成分として用いられる複素環式化合物の別の好ましい態様としては、上記一般式(VI)において、式中、R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1~6のアルキル基(例えば、メチル基)を示す化合物若しくはその塩が挙げられる。
上記一般式(I)で示される化合物としては、例えば、2-メチルチアゾール、2-エチルチアゾール、2-ブロモチアゾール、4-メチルチアゾール、2,4-ジメチルチアゾールなどが好適に挙げられる。
上記一般式(II)で示される化合物としては、例えば、2-メチル-2-チアゾリン、2-メチルチオ-2-チアゾリン、4-メチル-2-チアゾリン、2,4-ジメチル-2-チアゾリンなどが好適に挙げられる。
上記一般式(III)で示される化合物としては、例えば、チアゾリジン、2-メチルチアゾリジン、2,2-ジメチルチアゾリジン、4-メチルチアゾリジン、2,4-ジメチルチアゾリジンなどが好適に挙げられる。
上記一般式(IV)で示される化合物としては、例えば、チオモルホリンなどが好適に挙げられる。
上記一般式(V)で示される化合物としては、例えば、2,5-ジメチル-2-チアゾリン、5-メチル-2-チアゾリンなどが好適に挙げられる。
上記一般式(VI)で示される化合物としては、例えば、5-メチルチアゾリジンなどが好適に挙げられる。
上記一般式(VII)で示される化合物としては、例えば、5,6-ジヒドロ-4H-1,3-チアジン、2-メチル-5,6-ジヒドロ-4H-1,3-チアジン又は2,4-ジメチル-5,6-ジヒドロ-4H-1,3-チアジンなどが好適に挙げられる。
上記一般式(VIII)で示される化合物としては、例えば、1,3-チアザン、2-メチル-テトラヒドロ-1,3-チアジン、2,4-ジメチル-テトラヒドロ-1,3-チアジンなどが好適に挙げられる。
前記動物忌避剤に含まれる忌避活性を有する化合物は、上記複素環式化合物に限定されず、環を形成せず鎖状構造を有する化合物(以下、「鎖状化合物」と称することもある)であってもよい。前記鎖状化合物は、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む。前記鎖状化合物としては、例えば、鎖状スルフィド化合物又はアルキルイソチオシアネートなどが挙げられる。前記鎖状スルフィド化合物としては、例えば、アリルメチルスルフィドなどが挙げられる。前記アルキルイソチオシアネートとしては、例えば、エチルイソチオシアネート等の炭素数1~6のアルキルイソチオシアネートなどが挙げられる。
前記動物忌避剤を構成する化合物の塩としては、製薬学的又は農業上、若しくは産業上許容されるものであればあらゆるものが含まれるが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;ジメチルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩等のアンモニウム塩;塩酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、硝酸塩等の無機酸塩;酢酸塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸塩などが挙げられる。
本発明の塗料用動物忌避組成物に含まれる動物忌避剤には、上記に加えて忌避活性を有する更なる化合物を付加的に含んでもよい。そのような付加的に含まれてもよい化合物には、限定しないが、例えば、ネズミ忌避剤として従来から使用されている薄荷(はっか)、樟脳(しょうのう)などが挙げられる。
本発明の塗料用動物忌避組成物に含まれる動物忌避剤には、上記に加えて忌避活性を有する更なる化合物を付加的に含んでもよい。そのような付加的に含まれてもよい化合物には、限定しないが、例えば、ネズミ忌避剤として従来から使用されている薄荷(はっか)、樟脳(しょうのう)などが挙げられる。
本発明の塗料用動物忌避組成物に含まれる動物忌避剤の含有量は、1×10-6質量%以上、1×10-5質量%以上、1×10-4質量%以上、1×10-3質量%以上、0.01質量%以上、0.1質量%以上、1質量%以上、5質量%以上、10質量%以上、20質量%以上、若しくは50質量%以上、及び/又は50質量%以下、20質量%以下、10質量%以下、5質量%以下、1質量%以下、0.1質量%以下、0.01質量%以下、1×10-3質量%以下、1×10-4質量%以下、1×10-5質量%以下、若しくは1×10-6質量%以下であってもよい。
<シェラック>
シェラックは、ラックカイガラムシ又はその近縁種のカイガラムシの分泌物から得られる樹脂状の物質である。前記シェラックは黄色から褐色の透明性のある固体であり、精製すると白色、透明になる。前記シェラックは無味無臭かつ人体に無害であることから、幅広い分野で用いられている。前記シェラックはアルコール系溶剤には可溶であるが、他の
有機溶剤には耐性を示す。
また、前記シェラックは、天然物由来であるため、仮に塗料用動物忌避組成物が作業者に付着した場合でも健康被害が起きにくいこと、塗膜を形成するための加工が容易であること、塗膜からの動物忌避剤の徐放性が良好であることなどの点からも動物忌避剤と組み合わせる成分として好ましい。
シェラックは、ラックカイガラムシ又はその近縁種のカイガラムシの分泌物から得られる樹脂状の物質である。前記シェラックは黄色から褐色の透明性のある固体であり、精製すると白色、透明になる。前記シェラックは無味無臭かつ人体に無害であることから、幅広い分野で用いられている。前記シェラックはアルコール系溶剤には可溶であるが、他の
有機溶剤には耐性を示す。
また、前記シェラックは、天然物由来であるため、仮に塗料用動物忌避組成物が作業者に付着した場合でも健康被害が起きにくいこと、塗膜を形成するための加工が容易であること、塗膜からの動物忌避剤の徐放性が良好であることなどの点からも動物忌避剤と組み合わせる成分として好ましい。
前記シェラックの含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、塗料用動物忌避組成物の全量に対して、0.1質量%以上、1質量%以上、5質量%以上、10質量%以上、20質量%以上、30質量%以上、若しくは50質量%以上、及び/又は50質量%以下、30質量%以下、20質量%以下、10質量%以下、5質量%以下、1質量%以下、若しくは0.1質量%以下であってもよい。
<包接化合物>
本発明の塗料用動物忌避組成物は、動物忌避剤の徐放性を向上させるために包接化合物を含有することが好ましい。
前記包接化合物とは、内部に空洞を有し、この空洞の形状及び/又は物理的・化学的特性によって、その空洞に収まることのできる有機分子又は有機分子の一部を吸収できる化合物を意味する。
前記包接化合物としては、例えば、シクロデキストリン、クラウン化合物、シクロファン、アザシクロファン、カリックスアレーン、ポルフィリン、フタロシアニン、サレン、又はこれらの誘導体などが挙げられる。これらの中でも、安定供給性とコストが安く、食品その他への利用において安全性も確認されている点から、シクロデキストリンが好ましい。
前記シクロデキストリンは、動物忌避剤の有効成分を包接できる限りにおいて特に限定されない。前記シクロデキストリンのサイズは、特に制限はなく、動物忌避剤の有効成分のサイズに合わせて適宜選択される。
前記シクロデキストリンとしては、例えば、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリンなどが挙げられる。
前記α-シクロデキストリンは、6個のグルコース単位からなり、前記β-シクロデキストリンは、7個のグルコース単位からなり、前記γ-シクロデキストリンは、ドーナツ状の環に配置された8個のグルコース単位からなる。これらのグルコース単位の特異結合及びコンホメーションにより、シクロデキストリンは、特定の体積の空洞を内部に有する、剛性の円錐形分子構造を有する。内部空洞の「内張り」は、水素原子とグリコシド結合の酸素原子によって形成されているので、この表面はかなりの疎水性を有する。この空洞の独自の形と物理的・化学的特性によって、シクロデキストリン分子は、その空洞に収まることのできる有機分子又は有機分子の一部を吸収する(その空洞に収まることのできる有機分子又は有機分子の一部と包接錯体を形成する)ことができる。
これらの中でも、動物忌避剤が2-メチル-2-チアゾリンである場合には、α-シクロデキストリンが好適に用いられる。また、動物忌避剤が2-メチルチオ-2-チアゾリンである場合には、β-シクロデキストリンとγ-シクロデキストリンが好ましく、中でもβ-シクロデキストリンがより好適に用いられる。動物忌避剤が4-メチル-2-チアゾリンである場合には、β-シクロデキストリンとγ-シクロデキストリンが好ましく、中でもβ-シクロデキストリンがより好適に用いられる。
本発明の塗料用動物忌避組成物は、動物忌避剤の徐放性を向上させるために包接化合物を含有することが好ましい。
前記包接化合物とは、内部に空洞を有し、この空洞の形状及び/又は物理的・化学的特性によって、その空洞に収まることのできる有機分子又は有機分子の一部を吸収できる化合物を意味する。
前記包接化合物としては、例えば、シクロデキストリン、クラウン化合物、シクロファン、アザシクロファン、カリックスアレーン、ポルフィリン、フタロシアニン、サレン、又はこれらの誘導体などが挙げられる。これらの中でも、安定供給性とコストが安く、食品その他への利用において安全性も確認されている点から、シクロデキストリンが好ましい。
前記シクロデキストリンは、動物忌避剤の有効成分を包接できる限りにおいて特に限定されない。前記シクロデキストリンのサイズは、特に制限はなく、動物忌避剤の有効成分のサイズに合わせて適宜選択される。
前記シクロデキストリンとしては、例えば、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリンなどが挙げられる。
前記α-シクロデキストリンは、6個のグルコース単位からなり、前記β-シクロデキストリンは、7個のグルコース単位からなり、前記γ-シクロデキストリンは、ドーナツ状の環に配置された8個のグルコース単位からなる。これらのグルコース単位の特異結合及びコンホメーションにより、シクロデキストリンは、特定の体積の空洞を内部に有する、剛性の円錐形分子構造を有する。内部空洞の「内張り」は、水素原子とグリコシド結合の酸素原子によって形成されているので、この表面はかなりの疎水性を有する。この空洞の独自の形と物理的・化学的特性によって、シクロデキストリン分子は、その空洞に収まることのできる有機分子又は有機分子の一部を吸収する(その空洞に収まることのできる有機分子又は有機分子の一部と包接錯体を形成する)ことができる。
これらの中でも、動物忌避剤が2-メチル-2-チアゾリンである場合には、α-シクロデキストリンが好適に用いられる。また、動物忌避剤が2-メチルチオ-2-チアゾリンである場合には、β-シクロデキストリンとγ-シクロデキストリンが好ましく、中でもβ-シクロデキストリンがより好適に用いられる。動物忌避剤が4-メチル-2-チアゾリンである場合には、β-シクロデキストリンとγ-シクロデキストリンが好ましく、中でもβ-シクロデキストリンがより好適に用いられる。
また、前記シクロデキストリンは、シェラック中のシクロデキストリン包接体の分散性の調整の目的等で、化学的に修飾されたシクロデキストリン誘導体であってもよい。
前記シクロデキストリン誘導体としては、例えば、シクロデキストリンが有する水酸基中の水素原子の一部が、メチル基、エチル基、n-プロピル基等のアルキル基、又はヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等のヒドロキシアルキル基で置換された置換シクロデキストリンなどが挙げられる。
前記シクロデキストリン誘導体としては、例えば、シクロデキストリンが有する水酸基中の水素原子の一部が、メチル基、エチル基、n-プロピル基等のアルキル基、又はヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等のヒドロキシアルキル基で置換された置換シクロデキストリンなどが挙げられる。
また、前記シクロデキストリンは本発明の塗料用動物忌避組成物に単独で添加してもよいが、動物忌避剤がシクロデキストリンに包接された動物忌避剤のシクロデキストリン包接体として添加してもよい。動物忌避剤のシクロデキストリン包接体の形態で添加することが、忌避剤単独で使用する場合と比較して放出される温度が高くなり、加工時の安定性も向上する点から好ましい。
動物忌避剤のシクロデキストリン包接体の製造方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、一般に乳化法、飽和水溶液法、混練法、混合粉砕法等として広く知られている方法などを用いることができる。具体的には、動物忌避剤、及びシクロデキストリンを用いて、特表2002-523337号公報、特公昭50-3362号公報、特公昭2-31404号公報、特公昭61-52146号公報などに記載の方法により、シクロデキストリン包接体を製造することができる。
動物忌避剤のシクロデキストリン包接体の製造方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、一般に乳化法、飽和水溶液法、混練法、混合粉砕法等として広く知られている方法などを用いることができる。具体的には、動物忌避剤、及びシクロデキストリンを用いて、特表2002-523337号公報、特公昭50-3362号公報、特公昭2-31404号公報、特公昭61-52146号公報などに記載の方法により、シクロデキストリン包接体を製造することができる。
前記包接化合物の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、塗料用動物忌避組成物の全量に対して、1×10-3質量%以上、0.01質量%以上、0.1質量%以上、1質量%以上、5質量%以上、10質量%以上、及び/又は10質量%以下、5質量%以下、1質量%以下、0.1質量%以下、0.01質量%以下、1×10-3質量%以下、1×10-4質量%以下、1×10-5質量%以下であってもよい。
なお、動物忌避剤のシクロデキストリン包接体として用いる場合には、その含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、上記した動物忌避剤の含有量と同様であることが好ましい。
なお、動物忌避剤のシクロデキストリン包接体として用いる場合には、その含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、上記した動物忌避剤の含有量と同様であることが好ましい。
<その他の成分>
本発明の塗料用動物忌避組成物は、その他の成分として防、虫剤、殺虫剤、殺菌剤、防カビ剤、香料、着色剤、及び/又は、製薬、農薬若しくは食品などの分野において製剤化に通常用いられる添加剤などが含まれてもよい。前記添加剤としては、例えば、担体、界面活性剤、有機溶剤、可塑剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤などが挙げられる。
本発明の塗料用動物忌避組成物は、その他の成分として防、虫剤、殺虫剤、殺菌剤、防カビ剤、香料、着色剤、及び/又は、製薬、農薬若しくは食品などの分野において製剤化に通常用いられる添加剤などが含まれてもよい。前記添加剤としては、例えば、担体、界面活性剤、有機溶剤、可塑剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤などが挙げられる。
前記担体としては、例えば、シリカゲル、ケイ酸、カオリン、活性炭、ベントナイト、珪藻土、タルク、クレー、炭酸カルシウム、カーボンブラック等の無機物担体;木粉、大豆粉、小麦粉、でんぷん等の有機物担体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記界面活性剤としては、例えば、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
前記陰イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、オレフィンスルホン酸塩、モノアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩などが挙げられる。これらの塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン塩などが挙げられる。
前記非イオン界面活性剤としては、例えば、ノニルフェニルエーテル又は高級アルコールの酸化エチレン付加物に代表される、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーなどが挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、カルボベタイン、ヒドロキシスルホベタイン等のベタイン型;イミダゾリン型の両性界面活性剤などが挙げられる。
前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記陰イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、オレフィンスルホン酸塩、モノアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩などが挙げられる。これらの塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン塩などが挙げられる。
前記非イオン界面活性剤としては、例えば、ノニルフェニルエーテル又は高級アルコールの酸化エチレン付加物に代表される、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーなどが挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、カルボベタイン、ヒドロキシスルホベタイン等のベタイン型;イミダゾリン型の両性界面活性剤などが挙げられる。
前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール;エチレングリコール、プロピレングリコール、又はこれらの重合物であるポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール;メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ジエチレングリコール、メチルカルビトール、カルビトール、ブチルカルビトール、プロピルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、グリセリン又はその誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(動物の忌避方法)
本発明の動物の忌避方法は、本発明の塗料用動物忌避組成物を対象物に塗布する工程を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
具体的には、本発明の塗料用動物忌避組成物を、対象物に直接塗布することによって、動物を忌避させる空間に塗料用動物忌避組成物に含まれる動物忌避剤が徐放し、長期間に亘って動物を忌避させ、動物を忌避させる空間内への動物の侵入を防止することができる。なお、必要に応じて基材(例えば、紙、樹脂フィルム、金属箔等)などに塗料用動物忌避組成物を塗布した塗布物を、動物を忌避させる空間に配置してもよい。
本明細書において、「動物を忌避させる空間」とは、忌避させる動物の生息空間又は侵入する恐れのある空間を意味し、対象物が存在する空間、動物が生息する空間、動物の縄張りなどが該当する。
本発明の動物の忌避方法は、本発明の塗料用動物忌避組成物を対象物に塗布する工程を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
具体的には、本発明の塗料用動物忌避組成物を、対象物に直接塗布することによって、動物を忌避させる空間に塗料用動物忌避組成物に含まれる動物忌避剤が徐放し、長期間に亘って動物を忌避させ、動物を忌避させる空間内への動物の侵入を防止することができる。なお、必要に応じて基材(例えば、紙、樹脂フィルム、金属箔等)などに塗料用動物忌避組成物を塗布した塗布物を、動物を忌避させる空間に配置してもよい。
本明細書において、「動物を忌避させる空間」とは、忌避させる動物の生息空間又は侵入する恐れのある空間を意味し、対象物が存在する空間、動物が生息する空間、動物の縄張りなどが該当する。
前記対象物が存在する空間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、田畑、果樹園、ビニールハウス、森林、家畜の飼育場、道路、高速道路、線路、空港、ゴルフ場、塵埃集積場、公園、庭、庭園、花壇、駐車場、建築物、家屋、工場、倉庫、店舗、商業施設、レストラン、厨房、洗面所、ベランダ、物置、床下、屋根裏などが挙げられる。対象物としては、具体的には、リンゴに代表される果樹の圃場の果樹の苗木、土壌、仕切り板、ネット、金網、フェンス、電柱、電線、通信ケーブル、掲示板などが挙げられる。
本発明の塗料用動物忌避組成物を対象物に塗布する方法については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、ロールコート法、カーテンフローコート法、バーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スリットダイコート法などが挙げられる。また、文字や模様として塗膜を形成する場合には、インクジェット印刷法、スクリーン印刷法等の印刷法を適用して塗膜を形成してもよい。
塗膜を形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明の塗料用動物忌避組成物を、前記対象物に塗布した後、塗膜を乾燥、冷却、加熱、露光等の手段によって固化させることにより塗膜を形成することができる。より具体的には、液体の塗料用動物忌避組成物が溶剤を含む場合には塗膜を乾燥させて塗膜を形成する。液体の塗料用動物忌避組成物が、ワックスや低融点の樹脂等を含む融液である場合、塗膜を冷却して固化させることにより塗膜を形成する。
塗膜の形状や、厚さや面積等の塗膜のサイズは、所望する忌避効果が得られる限り特に限定されない。塗膜は、連続した単一の領域として対象物に形成されてもよく、不連続な複数の領域として対象物に形成してもよい。また、その意匠性を考慮し、文字、数字、記号、及び種々の動植物やキャラクター等の形状の塗膜を対象物に形成したり、塗膜により格子状、ドット状等の模様が対象物に描かれてもよい。
塗膜の平均厚さは、例えば、1μm以上5mm以下が好ましく、5μm以上3mm以下がより好ましく、10μm以上1mm以下が更に好ましく、50μm以上0.5mm以下が更により好ましく、100μm以上0.3mm以下が特に好ましい。塗膜が薄すぎると、所望する保持効果を得にくい場合があり、塗膜が厚すぎると、塗膜の柔軟性の乏しさに起因して、塗膜に割れや欠けが生じやすかったりする場合がある。
塗膜の平均厚さは、例えば、1μm以上5mm以下が好ましく、5μm以上3mm以下がより好ましく、10μm以上1mm以下が更に好ましく、50μm以上0.5mm以下が更により好ましく、100μm以上0.3mm以下が特に好ましい。塗膜が薄すぎると、所望する保持効果を得にくい場合があり、塗膜が厚すぎると、塗膜の柔軟性の乏しさに起因して、塗膜に割れや欠けが生じやすかったりする場合がある。
本発明の塗料用動物忌避組成物は、屋内又は屋外のいずれに塗布してもよい。塗料用動物忌避組成物は、限定しないが、例えば、1時間以上、2時間以上、3時間以上、6時間以上、半日間以上、1日間以上、2日間以上、3日間以上、1週間以上、2週間以上、1か月以上、2か月以上、3か月以上、4か月以上、5か月以上、6か月以上、1年以上、2年以上、3年以上、5年以上、若しくは10年以上、及び/又は10年以下、5年以下、3年以下、2年以下、1年以下、6か月以下、5か月以下、4か月以下、3か月以下、2か月以下、1か月以下、2週間以下、1週間以下、3日間以下、2日間以下、1日間以下、半日間以下、6時間以下、3時間以下、2時間以下、若しくは1時間以下の期間、使用することができる。
本発明の塗料用動物忌避組成物において忌避の対象となる動物は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、農作物、森林、家畜又は人家に被害をもたらす有害動物が対象となる。前記有害動物としては、例えば、ネズミ、モグラ、ウサギ、イタチ、シカ、イノシシ、サル、ネコ、クマ等の動物;ハト、カラス等の鳥類;ヘビ等の爬虫類;アリ、ムカデ、バッタ、ゴキブリ等の昆虫類などが挙げられる。
本発明の塗料用動物忌避組成物は、動物忌避剤が有効な濃度で放散されるように使用することができる。本明細書において「有効な濃度」とは、動物忌避剤が対象とする動物を忌避させることが可能となる、匂い分子の空気中の濃度である。前記有効な濃度は、使用する忌避剤の種類及び忌避させる対象となる動物の組合せによって異なるが、例えば、0.01ppm以上、0.1ppm以上、0.2ppm以上、0.3ppm以上、0.4ppm以上、0.5ppm以上、1ppm以上、5ppm以上、若しくは10ppm以上、及び/又は10ppm以下、5ppm以下、1ppm以下、0.5ppm以下、0.4ppm以下、0.3ppm以下、0.2ppm以下、0.1ppm以下、若しくは0.01ppm以下であり得る。例えば、5ppm以上10ppm以下である。匂い分子の空気中の濃度は、使用条件下で直接測定することもできるが、測定が困難な屋外等の場合には密閉空間中で測定された値を参照値として使用することもできる。
上記の他、動物忌避剤の含有量、塗料用動物忌避組成物の塗布位置、及び塗布厚み等は、対象とする動物の種類、剤形、屋外や屋内等の使用条件、及び/又は気温や湿度等の気象条件によって適宜決定することができる。塗料用動物忌避組成物の塗布面積は、例えば、500m2辺り1m2以上、100m2辺り1m2以上、50m2辺り1m2以上、40m2辺り1m2以上、30m2辺り1m2以上、20m2辺り1m2以上、若しくは10m2辺り1m2以上、及び/又は10m2辺り1m2以下、20m2辺り1m2以下、30m2辺り1m2以下、40m2辺り1m2以下、50m2辺り1m2以下、100m2辺り1m2以下、若しくは500m2辺り1m2以下である。
前記塗布位置は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、屋外であれば、風向きを考慮して、動物を忌避させる空間の風上に塗布してもよい。また、地中、地面、又は地面よりも高い位置に塗布してもよい。本発明の動物の忌避方法によれば、例えば、1時間以上、2時間以上、3時間以上、6時間以上、半日間以上、1日間以上、2日間以上、3日間以上、1週間以上、2週間以上、1か月以上、2か月以上、3か月以上、4か月以上、5か月以上、6か月以上、1年以上、2年以上、3年以上、5年以上、又は10年以上に亘って、動物を忌避させることができる。
前記動物忌避剤のシクロデキストリン包接体と、シェラックとを含む液体の塗料用動物忌避組成物を使用する際は、液体の塗料用動物忌避組成物の粘度の調製の目的等で溶剤を含んでいてもよい。前記溶剤の種類は、前記シクロデキストリン包接体から動物忌避剤を急速に放出させるような悪影響を及ぼさない限り特に限定されない。溶剤の種類は、シェラックの溶解性を考慮して適宜選択される。例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類を溶剤として用いるのが好ましい。
以上のようにして、対象物に、前記シクロデキストリン包接体と、シェラックとを含む塗料用動物忌避組成物からなる塗膜が得られる。
以上のようにして、対象物に、前記シクロデキストリン包接体と、シェラックとを含む塗料用動物忌避組成物からなる塗膜が得られる。
本発明の塗料用動物忌避組成物において、塗膜からの動物忌避剤の徐放性の制御の目的等で、塗料用動物忌避組成物からなる塗膜の表面が通気性のフィルム等で被覆されていてもよい。当該通気性のフィルムの通気性を適宜変更することにより、塗膜からの動物忌避剤の徐放性を制御することができる。また、塗料用動物忌避組成物は、塗膜からの動物忌避剤の徐放性の制御の目的等で、上記の通気性のフィルムからなる袋内に封入されてもよい。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(製造例1)
<2-メチル-2-チアゾリン(2MT)のα-シクロデキストリン包接体の作製>
α-シクロデキストリン(ナカライテスク株式会社製)約5.0gに対して、モル比でα-シクロデキストリン:2MT=1:4となるように2-メチル-2-チアゾリン(2MT)(東京化成工業株式会社製)を秤量し、サンプル管瓶に入れた。そのサンプル管瓶に、サンプル管瓶に入っている試料:蒸留水の重量比が3:7になるように蒸留水を加えた。IKA社製ホモジナイザーT10basicを使用し、サンプル管瓶内の試料を10分×2回、計20分ホモジナイズを行った後、15時間以上静置した。
静置後は吸引ろ過を行った。吸引ろ過では、サンプル管瓶内に残った少量の試料をろ過、及び未処理の2MTを除去するため、サンプル管瓶内に蒸留水を加え、吸引ろ過漏斗に移す作業を三回行った。以上により、2MTのα-シクロデキストリン包接体を得た。
<2-メチル-2-チアゾリン(2MT)のα-シクロデキストリン包接体の作製>
α-シクロデキストリン(ナカライテスク株式会社製)約5.0gに対して、モル比でα-シクロデキストリン:2MT=1:4となるように2-メチル-2-チアゾリン(2MT)(東京化成工業株式会社製)を秤量し、サンプル管瓶に入れた。そのサンプル管瓶に、サンプル管瓶に入っている試料:蒸留水の重量比が3:7になるように蒸留水を加えた。IKA社製ホモジナイザーT10basicを使用し、サンプル管瓶内の試料を10分×2回、計20分ホモジナイズを行った後、15時間以上静置した。
静置後は吸引ろ過を行った。吸引ろ過では、サンプル管瓶内に残った少量の試料をろ過、及び未処理の2MTを除去するため、サンプル管瓶内に蒸留水を加え、吸引ろ過漏斗に移す作業を三回行った。以上により、2MTのα-シクロデキストリン包接体を得た。
(製造例2)
<2-メチルチオ-2-チアゾリン(2MT2T)のα-シクロデキストリン包接体の作製>
製造例1において、2-メチル-2-チアゾリン(2MT)を2-メチルチオ-2-チアゾリン(2MT2T)(東京化成工業株式会社製)に代えた以外は、製造例1と同様にして、2MT2Tのα-シクロデキストリン包接体を得た。
<2-メチルチオ-2-チアゾリン(2MT2T)のα-シクロデキストリン包接体の作製>
製造例1において、2-メチル-2-チアゾリン(2MT)を2-メチルチオ-2-チアゾリン(2MT2T)(東京化成工業株式会社製)に代えた以外は、製造例1と同様にして、2MT2Tのα-シクロデキストリン包接体を得た。
(実施例1)
シェラック粉末(商品名:乾燥透明白ラック、日本シェラック工業株式会社製)6gを50mLのエタノールに溶解させてシェラック溶液を調製した。
次いで、容量15mLの蓋付きバイアル瓶(スクリューバイアル瓶、アズワン社製)内で、0.5mLのシェラック溶液と、製造例1の2-メチル-2-チアゾリン(2MT)のα-シクロデキストリン包接体30mgとを混合して、塗料用動物忌避組成物を得た。
得られた塗料用動物忌避組成物を、直径φ90mmのろ紙(アドバンテック社製)の上にローラーを用いて塗布した。塗布後、塗膜を乾燥させてエタノールを除去し、シェラックと2MTのα-シクロデキストリン包接体とからなる塗膜を得た。
シェラック粉末(商品名:乾燥透明白ラック、日本シェラック工業株式会社製)6gを50mLのエタノールに溶解させてシェラック溶液を調製した。
次いで、容量15mLの蓋付きバイアル瓶(スクリューバイアル瓶、アズワン社製)内で、0.5mLのシェラック溶液と、製造例1の2-メチル-2-チアゾリン(2MT)のα-シクロデキストリン包接体30mgとを混合して、塗料用動物忌避組成物を得た。
得られた塗料用動物忌避組成物を、直径φ90mmのろ紙(アドバンテック社製)の上にローラーを用いて塗布した。塗布後、塗膜を乾燥させてエタノールを除去し、シェラックと2MTのα-シクロデキストリン包接体とからなる塗膜を得た。
(実施例2)
実施例1において、バイアル瓶に、製造例1の2-メチル-2-チアゾリン(2MT)のα-シクロデキストリン包接体とともに、担体としてシリカゲル粉末(日本シリカゲル株式会社製)20mgを仕込んだ以外は、実施例1と同様にして、塗膜を作製した。
実施例1において、バイアル瓶に、製造例1の2-メチル-2-チアゾリン(2MT)のα-シクロデキストリン包接体とともに、担体としてシリカゲル粉末(日本シリカゲル株式会社製)20mgを仕込んだ以外は、実施例1と同様にして、塗膜を作製した。
(実施例3)
実施例1において、製造例1の2MTのα-シクロデキストリン包接体を、製造例2の2MT2Tのα-シクロデキストリン包接体に変更した以外は、実施例1と同様にして、塗膜を作製した。
実施例1において、製造例1の2MTのα-シクロデキストリン包接体を、製造例2の2MT2Tのα-シクロデキストリン包接体に変更した以外は、実施例1と同様にして、塗膜を作製した。
(実施例4)
シェラック粉末(商品名:乾燥透明白ラック、日本シェラック工業株式会社製)17gを67gのエタノールに溶解させてシェラック溶液を調製した。
次いで、前記シェラック溶液と、2-メチルチオ-2-チアゾリン(2MT2T)1.7gとβ-シクロデキストリン(ナカライテスク株式会社製)15.3gとを混合して、塗料用動物忌避組成物を得た。
得られた塗料用動物忌避組成物を、直径φ90mmのろ紙(アドバンテック社製)の上にローラーを用いて塗布した。塗布後、塗膜を乾燥させてエタノールを除去し、シェラックと2MT2Tのβ-シクロデキストリン包接体とからなる塗膜を得た。
シェラック粉末(商品名:乾燥透明白ラック、日本シェラック工業株式会社製)17gを67gのエタノールに溶解させてシェラック溶液を調製した。
次いで、前記シェラック溶液と、2-メチルチオ-2-チアゾリン(2MT2T)1.7gとβ-シクロデキストリン(ナカライテスク株式会社製)15.3gとを混合して、塗料用動物忌避組成物を得た。
得られた塗料用動物忌避組成物を、直径φ90mmのろ紙(アドバンテック社製)の上にローラーを用いて塗布した。塗布後、塗膜を乾燥させてエタノールを除去し、シェラックと2MT2Tのβ-シクロデキストリン包接体とからなる塗膜を得た。
(実施例5)
実施例4において、β-シクロデキストリンを添加しない以外は、実施例4と同様にして、塗膜を作製した。
実施例4において、β-シクロデキストリンを添加しない以外は、実施例4と同様にして、塗膜を作製した。
(比較例1)
実施例3において、シェラック溶液を添加しない以外は、実施例3と同様にして、塗膜を作製した。
実施例3において、シェラック溶液を添加しない以外は、実施例3と同様にして、塗膜を作製した。
次に、得られた各塗膜について、以下のようにして、「徐放性試験1」及び「徐放性試験2」を行った。
<徐放性試験1>
実施例3及び比較例1で得られた各塗膜を、22cm×18cm×17cmのサイズのポリスチレン箱に入れて、塗膜中に含まれる忌避成分を徐放させ、定期的に塗膜中に残存する忌避成分の残存濃度をガスクロマトグラフィによって測定する2MT2Tの徐放性試験を行った。具体的には、2MT2T濃度の測定は、各塗膜をポリスチレン箱内に封入してから、1日間(24時間)毎にサンプリングし、塗膜に残存する2MT2T濃度を、株式会社島津製作所製のガスクロマトグラフ装置GC-2014を用いて測定した。2MT2Tの徐放性試験は、室温(25℃)で30日間行った。2MT2Tを含む塗膜の忌避効果の推移結果を図1に示した。なお、塗膜中に含まれる忌避成分の残存率(%)は、塗膜作製時の2MT2Tの仕込み量(g)を残存率100%として算出している。
ガスクロマトグラフ装置の測定条件は下記の通りである。
[GCの測定条件]
・測定温度:40℃0min→30℃/min→250℃1min
・STD温度:220℃
・FID温度:270℃
・キャリアガス:He、1mL/min
・注入量:0.4μL
実施例3及び比較例1で得られた各塗膜を、22cm×18cm×17cmのサイズのポリスチレン箱に入れて、塗膜中に含まれる忌避成分を徐放させ、定期的に塗膜中に残存する忌避成分の残存濃度をガスクロマトグラフィによって測定する2MT2Tの徐放性試験を行った。具体的には、2MT2T濃度の測定は、各塗膜をポリスチレン箱内に封入してから、1日間(24時間)毎にサンプリングし、塗膜に残存する2MT2T濃度を、株式会社島津製作所製のガスクロマトグラフ装置GC-2014を用いて測定した。2MT2Tの徐放性試験は、室温(25℃)で30日間行った。2MT2Tを含む塗膜の忌避効果の推移結果を図1に示した。なお、塗膜中に含まれる忌避成分の残存率(%)は、塗膜作製時の2MT2Tの仕込み量(g)を残存率100%として算出している。
ガスクロマトグラフ装置の測定条件は下記の通りである。
[GCの測定条件]
・測定温度:40℃0min→30℃/min→250℃1min
・STD温度:220℃
・FID温度:270℃
・キャリアガス:He、1mL/min
・注入量:0.4μL
図1の結果から、2MT2Tのα-シクロデキストリン包接体とシェラックとを含む実施例3の塗膜は、2MT2Tのα-シクロデキストリン包接体を含む比較例1の塗膜に比べて、室温(25℃)で30日間の保管による忌避成分の残存率に大きな差が認められ、実施例3の塗膜は優れた徐放効果を有することがわかった。
なお、MTとシェラックを含む実施例1~2の塗膜についても実施例3の塗膜と同レベルの徐放効果が得られた。
なお、MTとシェラックを含む実施例1~2の塗膜についても実施例3の塗膜と同レベルの徐放効果が得られた。
<徐放性試験2>
実施例3及び比較例1の塗膜の代わりに、実施例4と実施例5の塗膜を用いた以外は、徐放性試験1と同様の方法により、2MT2Tの徐放性試験を行った。結果を表1に示した。なお、100℃3時間の加速試験は室温(25℃)で30日間保管と同じ条件である。
実施例3及び比較例1の塗膜の代わりに、実施例4と実施例5の塗膜を用いた以外は、徐放性試験1と同様の方法により、2MT2Tの徐放性試験を行った。結果を表1に示した。なお、100℃3時間の加速試験は室温(25℃)で30日間保管と同じ条件である。
2MT2Tとシェラックとβ-シクロデキストリンとを含む実施例4は、室温2週間保管で忌避剤の残存率が84%以上である優れた徐放性を有することがわかった。
(実施例6)
実施例4と同様の方法で作製した本発明の塗料用動物忌避組成物と、比較対象としてエタノールのみに希釈した動物忌避剤(2MT2T)とを、密閉容器に入れ、屋外で5ヶ月放置した前後で、1H-NMRで忌避成分を測定し忌避成分の保存安定性について試験した。
1H-NMRによる忌避成分の測定結果から、実施例4と同様の方法で作製した本発明の塗料用動物忌避組成物は5ヶ月放置で1H-NMRのピークに変化がなく、動物忌避剤(2MT2T)の変性は認められなかった。これに対して、比較対象であるエタノールのみに希釈した動物忌避剤(2MT2T)は5ヶ月放置で1H-NMRのピークが大きく変化していた。また、前記5ヶ月放置した比較対象としての動物忌避剤からは忌避効果が失われており、5ヶ月放置の間に動物忌避剤(2MT2T)が忌避効果を有していない別の化合物へ変化したことがわかった。
これにより、実施例4のように動物忌避剤(2MT2T)をシェラックとβ-シクロデキストリンによって塗料用動物忌避組成物とすると、長期にわたって動物忌避剤を拡散することを可能とする徐放性を付与できるだけでなく、動物忌避剤の変性による忌避活性(忌避効果)の消失を抑制できることがわかった。
実施例4と同様の方法で作製した本発明の塗料用動物忌避組成物と、比較対象としてエタノールのみに希釈した動物忌避剤(2MT2T)とを、密閉容器に入れ、屋外で5ヶ月放置した前後で、1H-NMRで忌避成分を測定し忌避成分の保存安定性について試験した。
1H-NMRによる忌避成分の測定結果から、実施例4と同様の方法で作製した本発明の塗料用動物忌避組成物は5ヶ月放置で1H-NMRのピークに変化がなく、動物忌避剤(2MT2T)の変性は認められなかった。これに対して、比較対象であるエタノールのみに希釈した動物忌避剤(2MT2T)は5ヶ月放置で1H-NMRのピークが大きく変化していた。また、前記5ヶ月放置した比較対象としての動物忌避剤からは忌避効果が失われており、5ヶ月放置の間に動物忌避剤(2MT2T)が忌避効果を有していない別の化合物へ変化したことがわかった。
これにより、実施例4のように動物忌避剤(2MT2T)をシェラックとβ-シクロデキストリンによって塗料用動物忌避組成物とすると、長期にわたって動物忌避剤を拡散することを可能とする徐放性を付与できるだけでなく、動物忌避剤の変性による忌避活性(忌避効果)の消失を抑制できることがわかった。
(実施例7)
-リンゴ圃場における忌避試験-
弘前市のリンゴ圃場において、本発明の塗料用動物忌避組成物の忌避効果について試験を行った。前記リンゴ圃場は、ハタネズミによるりんご苗木に対する食害が確認されている場所であり、本発明の塗料用動物忌避組成物の忌避効果を検証するには適した場所である。図2に示す通り、前記リンゴ圃場にてりんご苗木を育成するが、冬季の積雪時、雪で覆われていない幹地上部がハタネズミの食害を受ける。
前記圃場のりんご苗木3本に対し、実施例4と同様方法で作製した塗料用動物忌避組成物を地上部1m程度まで樹幹に塗布し、ハタネズミの食害被害の有無を試験した。比較対象は、塗料用動物忌避組成物で未処理のリンゴ苗木と、エタノールのみに希釈した動物忌避剤(2MT2T)を噴霧処理したりんご苗木である。
3ヶ月後、比較対象である本発明の塗料用動物忌避組成物で未処理のリンゴ苗木及びエタノールのみに希釈した動物忌避剤を噴霧処理したリンゴ苗木については、図3に示すように、木の幹が1周全てハタネズミに齧られた。一方、本発明の塗料用動物忌避組成物を噴霧処理したリンゴ苗木については、図4に示すように、部分的にハタネズミに齧られてはいるものの、その範囲は限定的であり、リンゴ苗木が枯れるほどの食害被害には至らなかった。
-リンゴ圃場における忌避試験-
弘前市のリンゴ圃場において、本発明の塗料用動物忌避組成物の忌避効果について試験を行った。前記リンゴ圃場は、ハタネズミによるりんご苗木に対する食害が確認されている場所であり、本発明の塗料用動物忌避組成物の忌避効果を検証するには適した場所である。図2に示す通り、前記リンゴ圃場にてりんご苗木を育成するが、冬季の積雪時、雪で覆われていない幹地上部がハタネズミの食害を受ける。
前記圃場のりんご苗木3本に対し、実施例4と同様方法で作製した塗料用動物忌避組成物を地上部1m程度まで樹幹に塗布し、ハタネズミの食害被害の有無を試験した。比較対象は、塗料用動物忌避組成物で未処理のリンゴ苗木と、エタノールのみに希釈した動物忌避剤(2MT2T)を噴霧処理したりんご苗木である。
3ヶ月後、比較対象である本発明の塗料用動物忌避組成物で未処理のリンゴ苗木及びエタノールのみに希釈した動物忌避剤を噴霧処理したリンゴ苗木については、図3に示すように、木の幹が1周全てハタネズミに齧られた。一方、本発明の塗料用動物忌避組成物を噴霧処理したリンゴ苗木については、図4に示すように、部分的にハタネズミに齧られてはいるものの、その範囲は限定的であり、リンゴ苗木が枯れるほどの食害被害には至らなかった。
Claims (7)
- 前記一般式(I)で示される化合物が、2-メチルチアゾール、2-エチルチアゾール、2-ブロモチアゾール、4-メチルチアゾール、及び2,4-ジメチルチアゾールのいずれかであり、
前記一般式(II)又は(III)で示される化合物が、2-メチル-2-チアゾリン、2-メチルチオ-2-チアゾリン、4-メチル-2-チアゾリン、2,4-ジメチル-2-チアゾリン、及び2,2-ジメチルチアゾリジンのいずれかであり、
前記一般式(IV)で示される化合物が、チオモルホリンである、請求項1に記載の塗料用動物忌避組成物。 - 液体である、請求項1から2のいずれかに記載の塗料用動物忌避組成物。
- 包接化合物を含有する、請求項1から3のいずれかに記載の塗料用動物忌避組成物。
- 前記包接化合物がシクロデキストリンである、請求項4に記載の塗料用動物忌避組成物。
- 前記動物忌避剤が徐放される、請求項4から5のいずれかに記載の塗料用動物忌避組成物。
- 請求項1から6のいずれかに記載の塗料用動物忌避組成物を対象物に塗布する工程を含むことを特徴とする動物の忌避方法。
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---|---|---|---|
JP2020206588A JP2022093873A (ja) | 2020-12-14 | 2020-12-14 | 塗料用動物忌避組成物及び動物の忌避方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024176257A1 (en) * | 2023-02-20 | 2024-08-29 | Aditya Pawankumar Bajaj | Animal repellent chemical composition |
-
2020
- 2020-12-14 JP JP2020206588A patent/JP2022093873A/ja active Pending
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WO2024176257A1 (en) * | 2023-02-20 | 2024-08-29 | Aditya Pawankumar Bajaj | Animal repellent chemical composition |
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