JP2022093723A - 光学装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】測定効率の低下を抑制しつつノイズを除去することができる光学装置を提供する。【解決手段】レーザ装置2から内部に出射された光を、フィルタ部3を介して受光部4によって受光し、この受光結果に基づいてフィルタ部3の透過波長域を調節することにより、レーザ装置2の出射光の波長(レーザ波長λLD)が変化した場合であっても、反射光を受光することができる。このとき、内部に出射された光を利用することで、測定効率の低下を抑制しつつノイズを除去することができる。【選択図】図1
Description
本発明は、光学装置に関する。
一般に、レーザ等の光を出射するとともに対象物による反射光を受光することにより、出射から受光までに要する伝播時間に基づき、対象物までの距離を測定する方法が知られている。このように光学的に距離を測定する際、反射光以外の外光も受光してしまうことがあり、ノイズの原因となっていた。そこで、光学的な距離測定方法を用いた装置として、特定周波数成分除去手段を備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された装置では、所定の条件下で受信信号から特定周波数成分を除去することにより、ノイズの低減を図っている。
しかしながら、特許文献1に記載されたように受信信号から特定の周波数成分を除去するためには種々の判断をしなければならず、複雑な制御が必要になるという不都合があった。そこで、所定の波長域の光を透過させるフィルタ部を用いることにより、ノイズとなる外光を除去し、反射光のみを受光する方法が考えられる。
このとき、フィルタ部の透過波長域が狭いほどノイズを除去しやすいものの、レーザ装置等の出射部は、温度によって出射光の波長が変化することがあり、温度によっては反射光がフィルタ部を通過できなくなってしまう可能性がある。そこで、出射されて対象物に向かう光の一部を受光することで波長変化をモニタリングする方法が考えられるものの、受光した光が対象物の測定に利用できなくなり、測定効率(出射部の消費エネルギーに対する反射光の強度)が低下してしまう。
したがって、本発明の課題は、測定効率の低下を抑制しつつノイズを除去することができる光学装置を提供することが一例として挙げられる。
前述した課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の光学装置は、光を内部及び外部に出射する出射部と、光の透過波長域が可変であるとともに、前記外部に出射された光が対象物により反射された反射光、及び、前記内部に出射された光が入射するフィルタ部と、前記フィルタ部を透過した光を受光する受光部と、前記内部に出射された光の前記受光部による受光結果に基づき、前記フィルタ部の透過波長域を調節する制御部と、を備えることを特徴としている。
以下、本発明の実施形態を説明する。本発明の実施形態に係る光学装置は、光を内部及び外部に出射する出射部と、光の透過波長域が可変であるとともに、外部に出射された光が対象物により反射された反射光、及び、内部に出射された光が入射するフィルタ部と、フィルタ部を透過した光を受光する受光部と、内部に出射された光の受光部による受光結果に基づき、フィルタ部の透過波長域を調節する制御部と、を備える。
出射部は、光を内部及び外部に出射するものであり、外部に出射された光のみが対象物の測定に用いられる。このとき、内部に出射される光と外部に出射される光とは、波長が等しい。内部に出射された光を、フィルタ部を介して受光部によって受光し、この受光結果に基づいてフィルタ部の透過波長域を調節することにより、出射部が出射する光の波長が変化した場合であっても、反射光を受光することができる。このとき、内部に出射された光を利用することで、測定効率の低下を抑制しつつノイズを除去することができる。ここで、外部とは光学装置の外部であり、内部とは光学装置の内部である。また、外部に出射される光とは、例えば前方出射光であり、内部に出射される光とは、例えば後方出射光である。
制御部は、フィルタ部の透過波長域を時間変化させた際の受光部の受光強度の変化に基づき、フィルタ部の最適な透過波長域を決定することが好ましい。
内部に出射される光の強度は、所定の波長(出射波長)において最大となり、出射波長からずれた波長においては急激に低下する分布を示す。即ち、フィルタ部の透過波長域を時間変化させると、受光強度は、透過波長域が出射波長に近づくにしたがって上昇し、遠ざかるにしたがって低下する。透過波長域を、出射波長を含む状態から含まない状態に変化させ、再び含まない状態に変化させた場合、受光強度は一旦上昇した後、下降に転じる。一方、透過波長域を変化させても出射波長が含まれない場合には、受光強度の時間変化は単調増加又は単調減少となる。従って、透過波長域を時間変化させた際の受光強度に基づき、出射波長を推定し、最適な透過波長域を決定することができる。
出射部は、内部に出射された光の受光部による受光強度が一定となるように出射強度が制御され、制御部は、出射部の消費電力が最小となるように、フィルタ部の透過波長域を調節してもよい。
出射波長が透過波長域に含まれる場合には、内部に出射された光はフィルタ部を透過して受光部によって受光され、所定の受光強度が得られる。一方、出射波長が透過波長域から外れている場合には、内部に出射された光が受光部によって受光されにくく、受光強度が低下する。このとき、受光強度を一定に保つためには、出射強度を上昇させる必要があり、消費電力も大きくなっていく。従って、出射部の消費電力が最小となるように、フィルタ部の透過波長域を調節すれば、出射波長を含むように最適な透過波長域を設定することができる。
内部に出射された光を、フィルタ部に向かう光と他の方向に向かう光とに分離する分離部と、他の方向に向かう光を受光する比較受光部と、をさらに備え、制御部は、受光部による受光強度と、比較受光部による受光強度と、の比較に基づき、フィルタ部の透過波長域を調節してもよい。
受光部によってフィルタ部を介した光が受光され、比較受光部によってフィルタ部を介さない光が受光される。分離部によって分離される2つの光の強度が略等しいと仮定すると、出射波長が透過波長域に含まれる場合には、受光部による受光強度と比較受光部による受光強度とが略等しくなる。一方、出射波長が透過波長域に含まれない場合には、受光部による受光強度は、比較受光部による受光強度よりも低くなる。従って、受光強度同士の比較(差又は比率の算出)に基づいてフィルタ部の透過波長域を調節すれば、出射波長を含むように最適な透過波長域を設定することができる。尚、分離部によって分離される2つの光の強度が互いに異なる場合、受光強度を適宜補正して比較すればよい。
以下、本発明の実施例について具体的に説明する。
[第1実施例]
本実施例の光学装置1Aは、図1に示すように、出射部としてのレーザ装置2と、フィルタ部3と、受光部4と、温度センサ5と、判断処理部6、を備える。光学装置1Aは、例えば移動体としての車両に搭載され、車外にレーザを出射することにより、他車両や路上設置物、歩行者等を対象物として、対象物との距離を測定したり、対象物の形状を検出したりするために用いられる。
本実施例の光学装置1Aは、図1に示すように、出射部としてのレーザ装置2と、フィルタ部3と、受光部4と、温度センサ5と、判断処理部6、を備える。光学装置1Aは、例えば移動体としての車両に搭載され、車外にレーザを出射することにより、他車両や路上設置物、歩行者等を対象物として、対象物との距離を測定したり、対象物の形状を検出したりするために用いられる。
レーザ装置2は、例えば半導体レーザであって、電圧が印加されることによってレーザ光を出射する。レーザ装置2の素子の両端面には、入射する光の一部を透過(反射)し、残りを反射(透過)するミラーが設けられている。出射されたレーザ光はこのミラーに入射し、透過および反射される。このように増幅された光がミラーを通過して放射される。このとき、一方のミラーの方が他方のミラーよりも透過容易となっており、一方のミラー(即ち透過容易なミラー)を通過する光が、外部に出射される光となり、他方のミラーを通過する光が、内部に出射される光となる。また、この一方側をレーザ装置2の前方側とし、他方側を後方側とする。レーザ装置2が出射する光は、例えば赤外線であればよい。
レーザ装置2は、レーザドライバ21によって制御されるとともに、オートパワーコントローラ22によって、後述する受光部4による後述する受光強度が一定となるように出射強度が制御されている。このとき、レーザ装置2を駆動するための電流(レーザ駆動電流)は、レーザ駆動電流モニタ23によって測定される。
フィルタ部3は、光の透過波長域が可変な波長可変フィルタであって、波長可変フィルタ制御部31によって、透過波長域が調節されるようになっている。また、フィルタ部3はレーザ装置2の後方側に配置されており、レーザ装置2から内部に出射された光がフィルタ部3に入射して通過しようとする。また、フィルタ部3は、レーザの出射方向から見てレーザ装置2よりも面積が大きい。これにより、外部に出射された光が対象物により反射された反射光は、受光部4に向かって進行し、一部がレーザ装置2によって遮られるものの、他部はフィルタ部3を通過しようとする。
受光部4は、所定の範囲の波長の光を受光可能な受光素子であって、フィルタ部3の後方側に配置されている。即ち、前方側から後方側に向かって、レーザ装置2と、フィルタ部3と、受光部4と、がこの順に配置されている。また、レーザの出射方向から見た受光部4の面積は、フィルタ部3の面積と同等以下となっており、受光部4はフィルタ部3を透過した光のみを受光するようになっている。受光部4は光を電気信号に変換して出力し、この電気信号が受光素子I/V変換増幅部41によって増幅される。尚、各光学部品の大きさは、光学系内にレンズ等を配置することで適宜設計可能である。例えば、波長フィルタや受光素子は一般的に小さい方が安価で高性能なため、光路中に適宜集光レンズを配置し、最適に設計することも可能である。
温度センサ5は、レーザ装置2の温度を測定するものであり、測定結果を電気信号として出力し、この電気信号が温度センサ出力増幅部51によって増幅される。
判断処理部6は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリを備えたCPU(Central Processing Unit)で構成され、光学装置1Aの全体制御を司り、制御部として機能する。判断処理部6は、レーザ駆動電流モニタ23、受光素子I/V変換増幅部41および温度センサ出力増幅部51から情報を取得(信号を受信)するとともに、波長可変フィルタ制御部31に対して制御信号を送信し、フィルタ部3の透過波長域を調節する。
以下、判断処理部6がフィルタ部3の透過波長域を調節する方法の具体例について説明する。尚、受光部4は内部に出射された光だけでなく反射光も受光するものの、内部に出射された光の受光強度の方が充分に高いことから、透過波長域を調節する際には、内部に出射された光の受光強度を考慮すれば充分である。
第1の調節方法として、判断処理部6は、フィルタ部3の透過波長域を時間変化させた際の受光部4の受光強度の変化に基づき、フィルタ部3の最適な透過波長域を決定すればよい。即ち、図2に示すように、判断処理部6は、オートパワーコントローラ22によってレーザ装置2を一定パワー制御し(ステップS1)、温度センサ出力増幅部51により取得した情報に基づき温度が変化したか否かを判定し(ステップS2)、温度が変化した場合に(ステップS2でY)、受光強度が最大となるようにフィルタ部3の波長中心値λfを調節する(ステップS3)。尚、フィルタ部3の波長中心値λfとは、透過波長域の中心となる値である。
ここで、上記のステップS3の具体例について説明する。レーザ装置2の出射光の強度は、図3に示すように、レーザ波長λLDにおいて最大となり、レーザ波長λLDから離れた波長において急激に低下する分布を示す。このとき、フィルタ部3の波長中心値λfを、レーザ波長λLDに対して±Δλの範囲において往復するように時間変化させると、受光強度は、図4に示すように時間変化する。即ち、波長中心値λfがレーザ波長λLDと一致する際に受光強度が極大となり、λf=λLD±Δλとなる際に受光強度が最小となる。従って、受光強度の周期は、波長中心値λfを時間変化させる周期の半分となる。
一方、フィルタ部3の波長中心値λfを、レーザ波長λLDを含まないように2Δλの範囲において往復するように時間変化させると、受光強度は、図5に示すように時間変化する。即ち、波長中心値λfがレーザ波長λLDに最も近くなる(図示の例ではこの範囲の最
大値λmaxとなる)際に受光強度が極大となり、波長中心値λfがレーザ波長λLDから最も離れる(図示の例ではこの範囲の最小値λminとなる)際に受光強度が最小となる。従って、受光強度の周期は、波長中心値λfを時間変化させる周期と一致する。
大値λmaxとなる)際に受光強度が極大となり、波長中心値λfがレーザ波長λLDから最も離れる(図示の例ではこの範囲の最小値λminとなる)際に受光強度が最小となる。従って、受光強度の周期は、波長中心値λfを時間変化させる周期と一致する。
このように、受光強度の周期に基づいて、波長中心値λfを変化させた際に透過波長域
にレーザ波長λLDが含まれるか否かを判断することができる。レーザ波長λLDが含まれる場合には、レーザ波長λLDを特定することができる。一方、レーザ波長λLDが含まれない場合には、受光強度が単調増加するか単調減少するかに基づき、透過波長域がレーザ波長λLDに対して長波長側に位置するか短波長側に位置するかを判断することができ、範囲をずらして再び波長中心値λfを変化させればよい。
にレーザ波長λLDが含まれるか否かを判断することができる。レーザ波長λLDが含まれる場合には、レーザ波長λLDを特定することができる。一方、レーザ波長λLDが含まれない場合には、受光強度が単調増加するか単調減少するかに基づき、透過波長域がレーザ波長λLDに対して長波長側に位置するか短波長側に位置するかを判断することができ、範囲をずらして再び波長中心値λfを変化させればよい。
第2の調節方法として、内部に出射された光の受光部4による受光強度が一定となるようにレーザ装置2の出射強度が制御された状態において、判断処理部6は、レーザ装置2の消費電力が最小となるように、フィルタ部3の透過波長域を調節すればよい。即ち、図6に示すように、判断処理部6は、オートパワーコントローラ22によってレーザ装置2を一定パワー制御し(ステップS4)、温度センサ出力増幅部51により取得した情報に基づき温度が変化したか否かを判定し(ステップS5)、温度が変化した場合に(ステップS5でY)、レーザ駆動電流モニタ23により得られた駆動電流が上昇したか否かを判定する(ステップS6)。尚、レーザ装置2に印加される電圧は一定であり、駆動電流が上昇すれば消費電力も上昇する。
レーザ駆動電流モニタ23により得られた駆動電流が上昇した場合(ステップS6でY)、判断処理部6は、波長中心値λfを長波長側にシフトさせ(ステップS7)、レーザ駆動電流モニタ23により得られた駆動電流が下降した場合(ステップS6でN)、判断処理部6は、波長中心値λfを短波長側にシフトさせる(ステップS8)。判断処理部6は、ステップS6~S8を繰り返し実行し、駆動電流が最小になったら、波長中心値λfの調節を終了する(ステップS9)。このように、レーザ装置2の駆動電流が最小となるように(消費電力が最小となるように)フィルタ部3の透過波長域を調節すれば、レーザ波長λfを含むように最適な透過波長域を設定することができる。
上記の構成により、レーザ装置2から内部に出射された光を、フィルタ部3を介して受光部4によって受光し、この受光結果に基づいてフィルタ部3の透過波長域を調節することにより、レーザ装置2の出射光の波長(レーザ波長λLD)が変化した場合であっても、反射光を受光することができる。このとき、内部に出射された光を利用することで、測定効率の低下を抑制しつつノイズを除去することができる。
[第2実施例]
本実施例の光学装置1Bは、図7に示すように、出射部としてのレーザ装置2と、フィルタ部3と、受光部4と、判断処理部6、分離部7と、比較受光部8と、を備える。尚、光学装置1Bは温度センサ5を備えていてもよい。
本実施例の光学装置1Bは、図7に示すように、出射部としてのレーザ装置2と、フィルタ部3と、受光部4と、判断処理部6、分離部7と、比較受光部8と、を備える。尚、光学装置1Bは温度センサ5を備えていてもよい。
分離部7は、レーザ装置2とフィルタ部3との間に配置され、レーザ装置2から内部に出射された光を、フィルタ部3に向かう光と、他の方向に向かう光と、に分離する。
比較受光部8は、所定の範囲の波長の光を受光可能な受光素子であって、分離部7によって分離されて他の方向に向かう光を受光するように配置される。即ち、比較受光部8は、レーザ装置2から内部に出射された光を、フィルタ部3を介さずに受光する。
受光部4及び比較受光部8は、受光に応じて電気信号を判断処理部6に送信する。尚、この電気信号は適宜に増幅されてもよい。このように電気信号を増幅する場合、分離部7によって分離される2つの光の強度比に応じた増幅率とすればよい。以下では、光がフィルタ部3を透過する場合に、判断処理部6が受光部4から受信する信号強度と、判断処理部6が比較受光部8から受信する信号強度と、が略等しいものとする。
以下、判断処理部6がフィルタ部3の透過波長域を調節する方法の具体例について説明する。第3の調節方法として、判断処理部6は、受光部4による受光強度と、比較受光部8による受光強度と、の比較に基づいてフィルタ部3の透過波長域を調節する。レーザ波長λLDと、フィルタ部3の波長中心値λfとが略一致する場合、内部に出射されてフィルタ部3に向かう光はフィルタ部3を透過し、受光部4による受光強度と比較受光部8による受光強度とが略等しくなる。一方、レーザ波長λLDと、フィルタ部3の波長中心値λfとがずれている場合、内部に出射されてフィルタ部3に向かう光はフィルタ部3を透過することができず、受光部4による受光強度が、比較受光部8による受光強度よりも低くなる。従って、判断処理部6は、これらの受光強度比を1に近づけるようにフィルタ部3の透過波長域を調節してもよいし、これらの受光強度比の差を0に近づけるようにフィルタ部3の透過波長域を調節してもよい。
上記の構成により、レーザ装置2から内部に出射された光を、フィルタ部3を介して受光部4によって受光し、この受光結果に基づいてフィルタ部3の透過波長域を調節することにより、第1実施例と同様に、測定効率の低下を抑制しつつノイズを除去することができる。
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、本発明の目的が達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記第1実施例では、受光部4が、レーザ装置2から内部に出射された光と、反射光と、の両方を1部品によって受光するものとしたが、これらの光を異なる部品によって受光してもよい。例えば第1の変形例の光学装置1Cとして図8に示すように、内部に出射された光を受光するための受光部である第1受光素子4Bと、反射光を受光するための受光部である第2受光素子4Cと、を備えた構成としてもよい。尚、レーザの出射方向から見て、第2受光素子4Cの面積は、第1受光素子4Bの面積よりも充分に大きく、且つ、フィルタ部3の面積と同等以下となっている。
また、前記第1実施例では、レンズ等によって光が集光されることなく受光部4が受光するものとしたが、集光レンズを設けてもよい。例えば第2の変形例の光学装置1Dとして図9に示すように、第1受光素子4Bと第2受光素子4Cとの間に集光レンズ9を設けた構成としてもよい。集光レンズ9は、反射光を集光するためのものであり、第2受光素子4Cの受光面の面積を小さくすることができる。尚、1つの受光部のみを有する構成においてレンズを設けてもよいし、フィルタ部の前後にレンズを設けてもよい。これにより、各部材を適宜に小面積化することができる。
また、前記第1実施例では、フィルタ部3の透過波長域を調節する場合に、レーザ装置2の駆動電流に応じた補正を行っていないが、レーザ装置2の駆動電流に応じて、フィルタ部3の透過波長域を補正してもよい。この補正方法について、レーザ装置2がパルス光を出射するタイミングと併せて以下に説明する。
レーザ装置2は、パルス光を所定の時間間隔で出射しつつ、対象物上で照射位置を走査する。図10に示す例では、10nsecの幅のパルス光を、1μsec間隔で出射しており、複数のパルス光によってパルス群が構成される(200msec)。1つのパルス群において、連続線(直線、曲線、ジグザグ線)上で照射位置を走査し、走査開始位置を変更する際にレーザをオフとし(20msec)、再び他のパルス群において照射位置を走査する。
このようなレーザ光の走査に先行して(図示の例では500msec先)、レーザ装置2は1つのパルス群を出射する。このパルス群において、オンとなる10nsecにおいて受光部4が受光可能な場合には、前記第1実施例のように駆動電流に応じた補正を行わなくてもよい。
パルス群においてオフとなる1μsecにおいても、レーザ装置2に対しては所定の駆動電流が供給されており、内部に出射される光も存在する。従って、パルス群においてオフとなるタイミングにおいて受光部4が受光し、この受光結果に基づいてフィルタ部3の透過波長域を調節してもよい。このとき、オフとなる場合の駆動電流と、オンとなる場合の駆動電流と、の差によってレーザ装置2のレーザ波長λLDが変化することがある。このとき、以下に説明するように、フィルタ部3の透過波長域を補正すればよい。
判断処理部6は、図6に示す第2の調節方法におけるステップS4~S9と同様のステップS10~S15を実行する。その後、判断処理部6は、実使用光出力パルスの電流増加分を算出する(ステップS16)。実使用光出力パルスの電流増加分とは、パルスがオンとなる場合とオフとなる場合とにおける駆動電流の差である。次に、判断処理部6は、実使用光出力パルスの電流増加分に応じて、波長中心値λfを補正する(ステップS17)。電流増加分と波長中心値λfの補正量との関係は、数式やテーブルとして予め記憶されていればよい。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施例に関して特に図示され、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施例に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部、もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
1A、1B 光学装置
2 レーザ装置(出射部)
3 フィルタ部
4 受光部
6 判断処理部(制御部)
7 分離部
8 比較受光部
2 レーザ装置(出射部)
3 フィルタ部
4 受光部
6 判断処理部(制御部)
7 分離部
8 比較受光部
Claims (2)
- 光を内部及び外部に出射する出射部と、
光の透過波長域が可変であるとともに、前記外部に出射された光が対象物により反射された反射光、及び、前記内部に出射された光が入射するフィルタ部と、
前記フィルタ部を透過した光を受光する受光部と、
前記内部に出射された光の前記受光部による受光結果に基づき、前記フィルタ部の透過波長域を調節する制御部と、を備え、
前記出射部は、前記内部に出射された光の前記受光部による受光強度が一定となるように出射強度が制御され、
前記制御部は、前記出射部の消費電力が最小となるように、前記フィルタ部の透過波長域を調節することを特徴とする光学装置。 - 光を内部及び外部に出射する出射部と、
光の透過波長域が可変であるとともに、前記外部に出射された光が対象物により反射された反射光、及び、前記内部に出射された光が入射するフィルタ部と、
前記フィルタ部を透過した光を受光する受光部と、
前記内部に出射された光の前記受光部による受光結果に基づき、前記フィルタ部の透過波長域を調節する制御部と、
前記内部に出射された光を、前記フィルタ部に向かう光と他の方向に向かう光とに分離する分離部と、
前記他の方向に向かう光を受光する比較受光部と、を備え、
前記制御部は、前記受光部による受光強度と、前記比較受光部による受光強度と、の比較に基づき、前記フィルタ部の透過波長域を調節することを特徴とする光学装置。
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